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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】容器システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20230124BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021009517
(22)【出願日】2021-01-25
(65)【公開番号】P2021153177
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-01-25
(31)【優先権主張番号】62/994,242
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520256488
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】シウ、ミン-チェン
(72)【発明者】
【氏名】チョアン、シア-ホ
(72)【発明者】
【氏名】リン、シュー-フン
(72)【発明者】
【氏名】リー、イ-シュアン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ティン-ション
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-186391(JP,A)
【文献】登録実用新案第3181255(JP,U)
【文献】特開2007-220823(JP,A)
【文献】特開2012-255958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースを受け入れるように構成された内側ベース及び前記内側ベースに適合するように構成された内側カバーを備え、
前記内側ベースは、ワークピース収容領域に対応する第1の処理領域と、前記内側ベースの前記第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域と、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間の境界領域に配置されたワークピース支持ポストとを含み、
前記内側カバーは、前記内側カバーの前記ワークピース収容領域に対応する第1の処理領域と、前記内側カバーの前記第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域と、前記内側カバーの前記第2の処理領域に配置された押さえピンとを備え、
前記押さえピンは、電荷散逸特性を備え、
前記内側ベース及び前記内側カバーは、実質的に金属から作製されており、
前記内側ベースの前記第1の処理領域は、親水化処理領域を含み、
前記内側ベースの前記第2の処理領域は、疎水化処理領域を含む、
容器システム。
【請求項2】
ワークピースを受け入れるように構成された内側ベースを備え、
前記内側ベースは、ワークピース収容領域に対応する第1の処理領域と、前記内側ベースの前記第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域と、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間の境界領域に配置されたワークピース支持ポストとを含み、
前記内側ベースは、実質的に金属から作製されており、
前記内側ベースの前記第1の処理領域は、親水化処理領域を含み、
前記内側ベースの前記第2の処理領域は、疎水化処理領域を含む、
容器システム。
【請求項3】
前記疎水化処理領域は、1011Ω未満の表面抵抗値を備える、請求項1又は請求項2に記載の容器システム。
【請求項4】
前記疎水化処理領域上の疎水性層が、1μm未満の厚さを有する、請求項3に記載の容器システム。
【請求項5】
前記内側カバーは、前記内側カバーの幾何学的中心領域に配置されたフィルタモジュールを含み、
前記内側カバーの前記第1の処理領域は、前記フィルタモジュールを避けて配置される、
請求項1に記載の容器システム。
【請求項6】
前記内側カバーを覆うように構成された外側カバーをさらに備え、
前記外側カバーは、前記押さえピンが前記ワークピースを押圧するように、前記押さえピンの露出部分で前記押さえピンを押圧するように構成された押圧要素を備え、
前記内側カバーの前記押さえピンは、前記内側カバーを貫通して配置され、受け入れたワークピースを押圧するように構成された押圧部と、前記押圧部の反対側に配置された受圧面とを備え、
前記受圧面の露出部分の投影領域の幅は、前記押圧要素の投影領域の幅よりも小さい、
請求項1に記載の容器システム。
【請求項7】
前記外側カバーに適合し、前記内側ベースを受け入れるように構成された外側ベースをさらに備え、
前記外側ベースは、排水穴パターンを備えている、
請求項6に記載の容器システム。
【請求項8】
前記外側ベースは、前記内側ベースを支持するように構成された上部デッキと、前記上部デッキに対向する下部デッキとを備える中空体を有し、
前記下部デッキは、前記排水穴パターンを備えている、
請求項7に記載の容器システム。
【請求項9】
前記排水穴パターンは、前記外側ベースの幾何学的中心領域を避けて配置された二重H配列を有する、請求項7又は請求項8に記載の容器システム。
【請求項10】
支持構造を備えた外側ベースであって、内側ベースを支持するように構成された上部デッキと、前記上部デッキに対向する下部デッキとを備える中空体を有し、前記下部デッキは複数のスロットを備えた排水穴パターンを備え、前記排水穴パターンが前記下部デッキの幾何学的中心領域を取り囲み、前記複数のスロットの各々は鋭い角を有さない、前記外側ベースと、
ワークピースを受け入れるように構成された内側ベースであって、ワークピース収容領域に対応する第1の処理領域と、前記第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域と、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間の境界領域に配置されたワークピース支持ポストとを含む、前記内側ベースと、
を備え
前記第1の処理領域は、親水化処理領域を含み、
前記第2の処理領域は、疎水化処理領域を含む、
容器システム。
【請求項11】
前記排水穴パターンは、前記外側ベースの幾何学的中央領域を避けて配置された二重H配列を有する、請求項10に記載の容器システム。
【請求項12】
前記二重H配列は、一対の長手方向部分と、前記一対の長手方向部分の間に配置された横方向部分とを含む、請求項11に記載の容器システム。
【請求項13】
前記二重H配列の前記一対の長手方向部分間の距離と前記外側ベースの幅との間の比率が、30%から35%までの範囲である、請求項12に記載の容器システム。
【請求項14】
前記排水穴パターンの投影面積と前記外側ベースの面積との間の比率が、10%以下で
ある、請求項10に記載の容器システム。
【請求項15】
前記内側ベースは、概ねその幾何学的中心に配置され、周辺領域によって取り囲まれたワークピース収容領域と、前記ワークピースの観察を可能にするように対応して配置された前記ワークピース収容領域内に画定された第1の観察可能ゾーンと、を有し、
前記外側ベースは、前記内側ベースを受け入れたときに前記内側ベースの前記第1の観察可能ゾーンに観察可能に位置合わせされ且つ前記外側ベース上に画定された第2の観察可能ゾーンを有する、
請求項10に記載の容器システム。
【請求項16】
前記内側ベースの前記第1の観察可能ゾーンにおけるウィンドウの数が、前記第2の観察可能ゾーンにおけるウィンドウの数よりも多い、請求項15に記載の容器システム。
【請求項17】
前記内側ベースは、実質的に金属から作製されており、
前記内側ベースの前記ワークピース支持ポストは、電荷散逸特性を備えている、
請求項10に記載の容器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年3月24日に出願された米国仮特許出願第62/994242号の利益を主張し、これは参照により本明細書中に取り込まれ、本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、フォトマスク、レチクル、及びウエハなどの壊れやすい物体の保管、輸送、出荷、及び処理のための容器に関し、特に、極端紫外線(EUV)リソグラフィプロセスのためのレチクルの保管、輸送、出荷、及び処理のための保持システムに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体産業において、潜在的な周囲の危険からのワークピースの保護レベル向上の要求に応えるために、ワークピースの容器(例えば、フォトマスク/レチクル保持装置)は、その保持対象の高精度要件と共に進化してきた。
【0004】
例えば、より新しい世代のレチクル保持装置は、レチクルを受け入れるための内側ポッドと、内側ポッドを収容するための外側ポッドとを含むデュアルポッド構成を備えていることがある。輸送中、レチクルは、内側ポッド内に格納され得る。リソグラフィプロセスを実行するために、外側ポッドを開いて、そこから内側ポッドを取り出すことができる。次に、露光装置内の指定された位置に到達すると、収容されたレチクルを使用する後続の露光プロセスのために、内側ポッドを開くことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現代のEUVリソグラフィプロセスでは、半導体デバイスの限界寸法(CD)のスケーリングがより精密になるにつれて、EUVマスク(例えば、レチクル)をクリーンに取り扱うための要件もより厳しくなる。従って、ワークピースが保持/保管される環境のコントロールや、繊細なワークピースの保管環境を清掃するための技術も重要になる。
【0006】
本開示の技術は、ワークピースの保管環境の清掃が容易な容器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、ワークピースを受け入れるように構成された内側ベースを備える容器システムを提供し、内側ベースは、ワークピース収容領域に対応する第1の処理領域と、内側ベースの第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域と、第1の処理領域と第2の処理領域との間の境界領域に配置されたワークピース支持ポストとを含む。
【0008】
本開示の別の態様は、外側ベース及び内側ベースを備える容器システムを提供する。外側ベースは、支持構造を備え、内側ベースを支持するように構成された上部デッキと、上部デッキに対向する下部デッキとを備える中空体を有し、下部デッキは排水穴パターンを備え、排水穴パターンが下部デッキの幾何学的中心領域を取り囲む。内側ベースは、ワークピースを受け入れるように構成され、ワークピース収容領域に対応する第1の処理領域と、第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域と、第1の処理領域と第2の処理領域との間の境界領域に配置されたワークピース支持ポストとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの概略断面図である。
図2a図2aは、本開示のいくつかの実施形態による、疎水化処理なしの表面上の液滴の概略的な部分断面図である。
図2b図2bは、本開示のいくつかの実施形態による、疎水化処理された表面上の液滴の概略的な部分断面図である。
図2c図2cは、本開示のいくつかの実施形態による内側ベースの概略平面図である。
図2d図2dは、本開示のいくつかの実施形態による内側カバーの概略図である。
図3図3は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの等角分解図である。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの概略断面図である。
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの概略的な部分断面図である。
図6a図6aは、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの概略的な部分断面図である。
図6b図6bは、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの概略的な部分断面図である。
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの概略平面図である。
図8図8は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの概略平面図である。
図9図9は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの概略図である。
図10図10は、本開示のいくつかの実施形態によるドレインホールの断面プロファイルを示す図である。
図11図11は、本開示のいくつかの実施形態による排水穴の断面プロファイルを示す図である。
図12図12は、本開示のいくつかの実施形態による排水穴の断面プロファイルを示す図である。
図13図13は、本開示のいくつかの実施形態による排水穴の断面プロファイルを示す図である。
図14図14は、本開示のいくつかの実施形態による排水穴の断面プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の列挙された特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによってなされ得る。実施形態のいくつかは、添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示し、したがって、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。なぜなら、本開示は、同等に有効な他の実施形態を許容することができるからである。
【0011】
しかしながら、添付の図面は、本開示の例示的な実施形態のみを示し、したがって、本開示は、他の同等に有効な実施形態を許容し得るので、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【0012】
これらの図は、特定の例示的な実施形態において利用される方法、構造、及び/又は材料の一般的な特徴を示すこと、及び以下に提供される書面による説明を補足することを意図していることに留意されたい。しかしながら、これらの図面は、縮尺通りではなく、任意の所与の実施形態の正確な構造又は性能特性を正確に反映していない可能性があり、例示的な実施形態によって包含される値又は特性の範囲を定義又は限定するものと解釈されるべきではない。例えば、層、領域、及び/又は構造要素の相対的な厚さ及び配置は、明確にするために低減又は誇張され得る。様々な図面における類似又は同一の参照番号の使用は、類似又は同一の要素、又は類似又は同一の特徴の存在を示すことを意図している。
【0013】
以下、本開示の例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、本開示をより十分に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された例示的な実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ十分であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0014】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「a」及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことを意図される。さらに、本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」及び/又は「備える(comprising)」、「含む(includes)」及び/又は「含む(including)」、又は「有する(has)」及び/又は「有する(having)」という用語は、述べられた特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ又は複数の他の機能、領域、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を妨げるものではないことが理解されよう。
【0015】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されるような用語は、関連技術及び本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書中で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されよう。
【0016】
以下、図1図14の添付図面と併せて、例示的な実施形態について説明する。図面を参照して、本開示を詳細に説明するが、図示された要素は必ずしも一定の縮尺で示されておらず、同様又は類似の要素は、いくつかの図を通した同一又は類似の参照番号と、同一又は類似の用語とで示されている。
【0017】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの概略断面図を示す。単純且つ明確に図示するために、例示的なデバイスのいくつかの詳細/サブ構成要素は、本図において明示的に符号を付与/図示されていない。点線のフレームE1は、図1の点線のフレームE2に囲まれている本開示のいくつかの実施形態による容器システムの一部の拡大等角図を示している。
【0018】
図1を参照すると、例示的な容器システム100は、外側ポッド110と、外側ポッド110によって受け入れられるように構成された内側ポッド120とを備える。内側ポッド120は、ワークピース(例えば、レチクル)を受け入れるように構成されている。図示された実施形態では、内側ポッド120は、その幾何学的中心領域にワークピース収容領域122aを画定する第1のベース(例えば、内側ベース122)を含む。ワークピース収容領域122aは、周辺領域122bによって囲まれている。内側ポッド120は、さらに、内側ベース122の周辺領域122bとの係合を確立するように構成された第1のカバー(例えば、内側カバー121)を含み、ワークピース(例えば、レチクルR)を収容するための封入時に、協働して内部空間を形成する。
【0019】
そのセンシティブで壊れやすい内容物に対する完全な保護を提供するために、いくつかの実施形態では、内側カバー121及び内側ベース122は、電磁干渉(EMI)シールド特性を備えることができる。EMIシールド機能を提供するための適切な材料には、金属などの導電性材料が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、内側ベース及び内側カバーは、実質的に金属から作製されている。いくつかの実施形態では、金属コーティング(銅又は金など)が内側ポッド120の表面上に設けられ得る。いくつかの実施形態では、内側カバー121及び内側ベース122の両方が、アルミニウムなどの金属材料から作製されている。
【0020】
図1に示すように、例示的な外側ポッド110は、内側ポッド120を収容するように構成される。図示された実施形態では、外側ポッド110は、内側ベース122を受け入れるように構成された第2のベース(例えば、外側ベース112)と、外側ベース112と係合する(かつ内側ポッド120を覆う)ように構成された第2のカバー(例えば、外側カバー111)とを含む。いくつかの実施態様において、外側ベース112及び外側カバー111の一方又は両方に静電荷散逸特性(static charge dissipation property)を持たせることができる。いくつかの実施形態では、外側ポッド110は、導電性繊維と混合されたポリマー材料から構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、外側カバー111及び外側ベース112の一方又は両方は、炭素繊維埋め込み樹脂材料から作製されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、内側カバー121は、内側ベース122の周辺領域122bとの封止係合を確立するように構成される。いくつかの実施形態において、内側カバー121は、外側ベース112と外側カバー111との間の封入時に、外側カバー111からの圧力を介して内側ベース122との押圧係合を確立するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、内側カバー121と内側ベース122との間の押圧係合は、実質的に平坦な金属対金属界面(planar metal to metal interface)を介して形成されてもよい。一般に、押圧係合は、内部ポッド120の上側部材と下側部材との間の接触界面を通って、塵埃や湿気が内部空間内に入るのを防止する密閉容器(sealing enclosure)を確立する。いくつかの実施形態では、内側カバー121及び内側ベース122の一方又は両方に、周囲の汚染物質に対する阻止能力をさらに強化するために、それぞれの係合界面領域に追加の封止要素(例えば、封止ガスケット又はOリング)を設けることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、内側ポッド120は、ワークピース(例えば、レチクルR1)を受け入れるために、内側ベース122の上面に配置された支持要素(例えば、ワークピース支持ポスト124)を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、押圧ユニット(例えば、押さえピン141)が、ワークピースを押圧/保持するために、内側カバー121の上面に設けられてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、外側ポッド110は、内側ポッド120を支持するように構成された、外側ベース112上に配置された支持構造190を含むことができる。いくつかの実施形態では、外側ベース112及び支持構造190は、一体的に形成される。いくつかの実施形態では、支持構造190は、外側ベース112の上面に取り付けられる。図示された外側ポッド110は、内側ポッド120の押さえピン141に対応して配置された押圧要素171をさらに備えている。いくつかの実施態様において、外側カバー111及び押圧要素171は、1つの構造ユニットとして一体的に形成される。いくつかの実施態様において、押圧要素171は、内側カバー121に対向する外側カバー111の表面に取り付けられている。外側カバー111が外側ベース112に連結されると、押圧要素171は、押さえピン141を押してワークピースRを押圧/保持し、これにより受け入れ時にワークピースの動きを制限する。
【0024】
いくつかの実施形態では、押圧要素171及び押さえピン141は、電荷散逸特性をさらに備えている。したがって、外側カバー111が外側ベース112に連結されると、押圧要素171は、押さえピン141を押してワークピースRを押圧し、受け入れたワークピースRから、押さえピン141及び押圧要素171を通って外側カバー111へと続く電荷散逸経路(図中、影付き矢印で示す)を確立する。いくつかの動作シナリオでは、受け入れたワークピースR上に蓄積された電荷を、電荷散逸経路を通してグラウンドに散逸させることを可能にするために、外側カバー111を接地することができる。押さえピン141の材料には、導電性材料又は静電気拡散性(static dissipative)材料が含まれていてもよく、それによって、押さえピン141を電荷散逸経路の一部にして、そこでの接地を可能にする。いくつかの実施形態では、押さえピン141及び押圧要素171は、約10Ω~1011Ωの範囲の表面抵抗値を備えている。いくつかの実施形態では、押さえピン141及び押圧要素171は、約10Ω未満の表面抵抗値を備えている。
【0025】
いくつかの実施形態では、内側ポッド120のワークピース支持ポスト124及び外側ポッド110の支持構造190は、さらに、電荷散逸特性を備えている。例えば、ワークピース支持ポスト124及び支持構造190は、電荷散逸表面コーティングを備えていてもよい。従って、外側カバー111が外側ベース112に連結されると(従って、内側ベース122上のワークピース支持ポスト124がワークピースRとの接触を確立すると)、受け入れたワークピースRから、支持ポスト124、内側ベース122及び支持構造190を通って外側ベース112へと続く電荷散逸経路(図中、影付き矢印で示す)が形成され得る。いくつかの実施形態では、外側ベース112は接地され、受け入れたワークピースR上に蓄積された電荷の散逸を可能にする(電荷散逸経路を通して接地される)。いくつかの実施態様では、内側ポッド120の材料には、導電性材料又は静電気拡散性材料が含まれていてもよく、それにより、内側ポッド120を電荷散逸経路の一部にして、そこでの接地を可能にする。いくつかの実施形態では、ワークピース支持ポスト124及び支持構造190は、約10Ω~1011Ωの範囲の表面抵抗値を有する。いくつかの実施形態では、ワークピース支持ポスト124及び支持構造190は、約10Ω未満の表面抵抗値を有する。
【0026】
図1に示されるように、例示的なシステムは、レチクルRの観察を可能にするために、内側ベース122のワークピース収容領域122aに画定された第1の観察可能ゾーンZ11を有する。いくつかの実施形態では、第1の観察可能ゾーンZ11は、信号透過構造(例えば、開口部又は信号透過部材)を含むウィンドウを備えていてもよい。例えば、例示的な内側ベース122は、第1の観察可能ゾーンZ11に配置された内側光学部材1221を含む。いくつかの実施形態では、内側光学部材1221は、赤外光、可視光、又は紫外光の信号に対する信号透過材料から作製されていてもよい。内側光学部材1221の適切な材料には、ガラス(例えば、石英ガラス)、アクリル、透明プラスチック、又は他の同等の材料が含まれていてもよい。図示された実施形態では、内側光学部材1221には、内側ベース122(ワークピース収容領域122a内)に埋め込まれた石英ガラス片が含まれていてもよい。
【0027】
本実施形態では、第1の観察可能ゾーンZ11は、レチクルRを受け入れたときにレチクルRの第1の識別特徴(例えば、一次元又は二次元のバーコード)の観察を可能にするように対応して設計される(第1の識別特徴は、概略図には明示的に示されていない)。いくつかの実施形態では、レチクルRの第1の識別特徴は、第1の観察可能ゾーンZ11内のウィンドウに面する表面上に形成される。
【0028】
外側ベース112は、その上に画定された第2の観察可能ゾーンZ12を有する。第2の観察可能ゾーンZ12は、内側ポッド120の第1の観察可能ゾーンZ11に観察可能に位置合わせされるように配置されている。従って、第2の観察可能ゾーンZ12及び第1の観察可能ゾーンZ11を光学的にスキャンすることによって、ワークピース容器を開ける必要なしに、容器システム100内に保持されたレチクルRの迅速な目視確認又は光学的確認(レチクルRの状態及び第1の識別)を達成することができる。従って、ポッドが開く頻度は、半導体製造プロセス中に減少する可能性があり、これにより、センシティブな精密ワークピースが潜在的に危険な周囲要因に曝されるのを、最小限に抑制することができる。
【0029】
図示された実施形態では、外側ベース112は、内側ベース122を支持するように構成された上部デッキ112aと、上部デッキ112aに対向する下部デッキ112bとを備える中空体を有する。いくつかの実施形態では、例示的な上部デッキ112a及び下部デッキ112bの両方は、実質的に水平なプレートの構造を備えていてもよい。例示的な下部デッキ112bは、上部デッキ112aを封止するように構成される。いくつかの実施形態では、下部デッキ112bと上部デッキ112aとが一体的に形成されている。例示的な第2の観察可能ゾーンZ12は、上部デッキ112a及び下部デッキ112bにそれぞれ配置された2つの重なり合う信号透過構造(例えば、外側光学部材1121)を含むウィンドウを備えている。
【0030】
いくつかの実施形態では、上部デッキ112a及び/又は下部デッキ112bに埋め込まれた外側光学部材1121は、赤外光、可視光、又は紫外光に対する信号透過材料で作製されていてもよい。外側光学部材1121の適切な材料には、ガラス(例えば、石英ガラス)、アクリル、透明プラスチック、又は同等の材料が含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、外側光学部材1121の透過率の値は、上述のスペクトル範囲のうちの1つ又は複数の光信号に対して80%を超える。特定の適用要件に応じて、いくつかの実施形態では、光学部材(例えば、外側光学部材及び/又は内側光学部材)は、凹状/凸状表面を含んでいてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、内側光学部材1221は、600nm~950nmの範囲の波長に関して、外側光学部材1121よりも低い反射率の値を有する。いくつかの実施形態では、光学部材の対応する波長範囲は、約630nm~930nmの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、上記の波長範囲に対する外側光学部材1121の反射率の値は、15%未満であってもよい。いくつかの実施形態では、上記の波長範囲に対する内側光学部材1221の反射率の値は、0.5%未満であってもよい。いくつかの実施形態では、内側光学部材1221は、反射防止コーティングをさらに備えていてもよい。いくつかの実施形態では、内側光学部材1221は、EMIシールド特性を有する層をさらに備えていてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、内側光学部材1221は、第1の観察可能ゾーンZ11内に密封的に設置されてもよい。例えば、内側光学部材1221の構造は、光透過部材の周囲に封止部材(例えば、Oリング)を含んでもよい。一般に、内側光学部材1221の構造は、光学部材と内側ベースとの間の構造的界面を通って、塵埃や湿気が内部空間内に入り込むのを十分に防止することができる密閉容器(sealing enclosure)を提供する。いくつかの実施形態では、光学部材1221は、気密レベルの封止を達成するように構成されてもよい。
【0033】
耐塵(dust-resisting)及び/又は防塵(dust-proofing)の要件が厳しいいくつかの実施形態では、外側ベース112の第2観察可能ゾーンZ12内の外側光学部材1121は、同様の封止機構を備えていてもよい。しかしながら、内部封止だけで十分である用途では、外側光学部材1121は、構造の複雑性、重量、及びコストの懸念を低減するために封止機構を利用せずに構成されてもよい。
【0034】
いくつかのシナリオでは、ワークピース(例えば、レチクルR)上の残留化学溶液から放出される揮発性ガスは、ワークピース(例えば、レチクルR)に悪影響を与える可能性がある。いくつかの実施形態では、悪影響を軽減するために、クリーンなガスで内側ポッド(例えば、内側ポッド120)内をパージすることができる。いくつかの実施形態では、内側ポッド(例えば、内側ポッド120)は、パージされたガスのクリーン度を維持するために、フィルタモジュール(例えば、フィルタモジュール123)をさらに備えることができる。例えば、内側カバー121は、複数の貫通孔123bが形成されたフィルタカバー123aと、フィルタカバー123aと内側カバー121との間に挟まれたフィルタシート123cとを含むフィルタモジュール123を備える。図示された実施形態では、内側カバー121の幾何学的中心領域には、フィルタカバー123aを受け入れる凹部特徴123dと、内側カバー121を貫通して配置された複数の孔123eとが形成されている。フィルタカバー123aは、内側カバー121上に(例えば、留め具123fによって)取り付けられるように構成されており、これにより、内側カバー121を貫通して配置された孔123eをフィルタカバー123aの貫通孔123bと位置合わせする。いくつかの実施形態では、フィルタモジュール123は、フィルタカバー123aと内側カバー121との間の封止係合を強化するための封止部材(例えば、封止リング123g)をさらに備えることができる。例えば、フィルタモジュール123は、フィルタカバー123aの周辺部と内側カバー121との間(例えば、凹部特徴123dの上面)に配置された封止リング123gを更に備える。いくつかの実施態様において、フィルタカバー123aの周辺部に、封止リング123gを収容するための下向きの環状溝を形成することができる。
【0035】
容器が洗浄/清掃された後、残留水が、外側ベース112の中空体内に残留している可能性がある。残留水が中空体から流出することを可能にするために、いくつかの実施形態では、外側ベース(例えば、外側ベース112)に排水穴が設けられる。例えば、外側ベース112の例示的な下部デッキ112bは、複数の排水穴112cを備えている。下部デッキ112b内の排水穴112cは、残留水が中空体から流出することを可能にし、それによって、外側ポッドのベース内の残留水の量を減少させて、外側ポッド110の焼成時間を短縮することができる。いくつかの実施態様では、外側ポッドのベースと蓋との間の封止係合を維持するために、外側ベースの上面(例えば、上部デッキ112a)には排水穴がない。
【0036】
いくつかのシナリオでは、容器システムが清掃された(例えば、洗浄された)後、容器システムの表面に水が残留する可能性がある。残留水は、汚れを引きつける可能性があるため、ワークピース(例えば、EUVレチクル)の汚染の可能性が高くなる。内側ポッドの表面特性を変更することによって、内側ポッドは、清掃後により容易に乾燥させることができる。したがって、清浄化処理(cleansing process)後の焼成/乾燥時間を短縮することができる。さらに、内側ポッド(例えば、内側ポッド120)の表面処理(例えば、疎水化処理)は、微細な塵埃の付着を低減し、それらを洗い流しやすくし、それによって、内側ポッドの防塵(dust-proofing)能力を高めることができる。いくつかの実施形態では、表面特性の変更は、アルカリベースの溶液(炭酸カリウム及び水酸化ナトリウムなど)への浸漬、フッ素含有コーティングの噴霧又は蒸着、電気めっきや無電解めっき、又は表面粗さを変えるためのレーザアブレーションによって行うことができ、それによって処理された表面の親水性及び疎水性を変更する。
【0037】
図2a及び図2bは、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態による、疎水化処理なし(又は、親水化処理あり)の内側ポッドの表面S1上の液滴dの概略的な部分断面図と、内側ポッドの疎水化処理された表面S2上の液滴dの概略的な部分断面図とを示す。図示された実施形態では、図2aに示す濡れ角a1(例えば、50°未満)は、図2bに示す濡れ角a2(例えば、50°を超える)よりも小さい。疎水化処理された表面(例えば、S2)上の液滴について、大きな濡れ角(例えば、液体の表面と接触面の輪郭との間の角度)が観察され得る。残留液滴のこのような大きな濡れ角は、内側ポッド(例えば、内側ポッド120)の焼成時間を短縮するのに役立ち得る。
【0038】
さらに、内側ポッド(例えば、内側ポッド120)は、異なる領域に分割されてもよく、その上に、親水化及び疎水化の異なる表面処理が施されてもよい。このような構成は、周囲条件の変化によって引き起こされる結露によって生じる、受け入れたワークピース(例えば、レチクル)への汚染を防止することができる。いくつかの実施形態では、内側カバー(例えば、内側カバー121)及び内側ベース(例えば、内側ベース122)の一方又は両方は、その全体が表面処理されてもよい。いくつかの実施形態では、内側カバー(例えば、内側カバー121)及び内側ベース(例えば、内側ベース122)の一方又は両方は、部分的に/選択的に表面処理されてもよい。例えば、内側カバーの内面(例えば、内側ポッドの閉鎖時の内側カバー121の内側に露出した表面)及び内側ベースの内面(例えば、内側ポッドの閉鎖時の内側ベース122の内側に露出した表面)は、(例えば、受け入れたレチクルの通常の投影に対応する領域で)親水化処理されてもよい。いくつかの実施形態では、内側カバーと内側ベースとの間の界面は、疎水化処理されてもよい。いくつかの実施形態では、内側ベース/内側カバーの残りの領域(例えば、外側に面する表面/外表面)は、疎水化処理されてもよい。
【0039】
図2cは、本開示のいくつかの実施形態による内側ベースの上面図を示す。図2dは、本開示のいくつかの実施形態による内側カバーの底面図を示す。説明を簡単かつ明確にするために、例示的なデバイスのいくつかの詳細/サブコンポーネントは、本図において明示的に符号を付与/図示されていない。
【0040】
図2cを参照すると、例示的な内側ベース222は、ワークピース収容領域222aに対応する第1の処理領域を含む。例えば、第1の処理領域を表す影付きの領域A21は、例示的なワークピース収容領域222aの表面積と実質的に等しい表面積を有する。いくつかの実施形態では、第1の処理領域は、親水化処理領域を含む。周囲条件の変化(例えば、装置の誤作動)による水の結露が発生すると、ワークピース収容領域222a(例えば、受け入れたレチクルの通常の投影下の内側中央領域)で発生した水滴は、より小さな濡れ角(換言すれば、より低い全体的な液滴高さ)を有する可能性があり、したがって、保管されているレチクルに接触する可能性が低減される。いくつかの実施形態では、第1の処理領域(例えば、影付きの領域A21)は、ワークピース収容領域222aよりも小さくても大きくてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、内側ベース(例えば、内側ベース222)の内面(例えば、周辺領域222b)は、第2の表面処理でさらに処理される。例えば、内側ベース222は、内側ベースの第1の処理領域A21の周りに配置された第2の処理領域222b(例えば、周辺領域)を含む。いくつかの実施形態では、第2の処理領域A22は、疎水化処理領域を含む。なお、疎水化処理が施された内側ベース222は、清掃後、より容易に乾燥させることができる。いくつかの実施形態では、内側ベースの外面(例えば、内側ベース222の外面)は、疎水化処理でさらに処理されてもよい。
【0042】
図示された実施形態では、内側ベース222のワークピース収容領域222aは、内側ベース222の幾何学的中心領域に概ね配置され、環状凹部222cによってさらに取り囲まれている。例示的な第2の処理領域A22は、環状凹部222cを完全に取り囲むように配置されている。第1の表面処理を受けるワークピース収容領域222aは、実質的に平坦な表面を備えていてもよい。
【0043】
内側ベース222は、ワークピースの横方向の動きを制限するように構成されたワークピース支持ポスト224を更に備えていてもよい。いくつかの実施形態では、ワークピース支持ポスト224は、第1の処理領域222aと第2の処理領域222bとの間の境界領域(例えば、環状凹部222c)に配置される。いくつかの実施態様において、境界領域は、環状凹部222cとワークピース収容領域222aとの間の境界(例えば、図2cに示される影付きの領域A21の輪郭)によって画定されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の処理は、環状凹部222cにさらに適用される。いくつかの実施形態では、内側ベース222とワークピース支持ポスト224との間の領域(例えば、ポストが取り付けられる内側ベースの領域)は、疎水化処理されない。
【0044】
図2dを参照すると、例示的な内側カバー221は、内側ベース(例えば、内側ベース222)に適合するように構成される。内側カバー221は、内側ベースのワークピース収容領域(例えば、ワークピース収容領域222a)に対応する第1処理領域221aを含む。いくつかの実施形態では、第1の処理領域221aは、親水化処理領域を含む。図示された実施形態では、第1の処理領域は、フィルタモジュール223(内側カバーの幾何学的中心領域に配置されるように示されている)を避けて配置される。いくつかの実施形態では、第1の処理領域は、フィルタモジュール223を避けて配置される親水化処理領域を含む。いくつかの実施形態では、フィルタモジュール223は、表面処理(例えば、疎水化処理)することができる。例えば、フィルタカバー(例えば、図1に示されるフィルタカバー123a)は、それを疎水性にするために、全体的に又は部分的に表面処理され得る。いくつかの実施形態では、内側カバー221は、内側カバー221の第1の処理領域221aの周りに配置された第2の処理領域222bをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の処理領域は、疎水化処理領域を含む。いくつかの実施形態では、内側カバーの外面(例えば、内側カバー221の外面)は、疎水化処理でさらに処理されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、内側カバーには、内側カバーの第2の処理領域に配置された押さえピン241をさらに備えている(例えば、押えピン241は、内側カバー221の上面に配置されている)。いくつかの実施形態では、押さえピン241自体を、第2の処理(疎水化処理)で処理することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、内側ベース222及び内側カバー221は、実質的に金属から作製されている。さらに、疎水化処理領域は、約1011Ω未満の表面抵抗値を備えている。例えば、内側ポッドの疎水性コーティングは、静電荷散逸能力を維持するために1μm未満に保たれる。いくつかの実施形態では、疎水化処理領域上の疎水性層は、約1μm未満の厚さを有する。フィルタカバーの疎水性コーティングの厚さが1μm未満である場合に、フィルタカバーの導電率に対するコーティングの効果を受け入れることができる。いくつかの実施形態では、フィルタカバー(例えば、フィルタカバー123a)がフッ素含有コーティングで疎水化処理されている場合、フィルタカバーの疎水性コーティングの厚さは、約5μm~60μmであってもよい。いくつかの実施態様において、内側ベースの支持ポストは、電荷散逸特性を備えている。
【0047】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの等角分解図を示す。説明を簡単かつ明確にするために、例示的なデバイスのいくつかの詳細/サブコンポーネントは、本図において明示的に符号を付与されていない。
【0048】
例示的な容器システム300は、外側ポッド310と、その中に配置されるように構成された内側ポッド320とを備える。内部ポッド320は、ワークピース(例えば、レチクル)を受け入れるように構成される。内側ポッド320は、内側ベース322と内側カバー321とを含む。内側ベース322は、周辺領域322bによって取り囲まれるワークピース収容領域322aを画定する。内側カバー321は、内側ベース322の周辺領域322bとの係合を確立するように構成され、それにより、ワークピース(例えば、レチクルR)を収容するための封入時に、内部空間を協働的に画定する。
【0049】
外側ポッド310は、内側ポッド320を収容するように構成される。図示された実施形態では、外側ポッド310は、内側ベース322を受け入れるように構成された外側ベース312と、外側ベース312と係合して内側ポッド320を覆うように構成された外側カバー311とを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、内側カバー321は、内側ベース322の周辺領域322bとの封止係合を確立するように構成されてもよい。例えば、内側カバー321は、外側ベース312と外側カバー311との間の係合時に、外側カバー311によって押圧されるように構成することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、内側カバー321及び内側ベース322は電磁干渉(EMI)シールド特性を備えているので、ワークピース(例えばレチクルR)への悪影響を低減することができる。いくつかの実施形態では、内側カバー321及び内側ベース322の適切な材料及び構造は、先の実施形態で説明したものに対応し得る。図示された実施形態では、内側カバー321及び内側ベース322の両方は、例えばコンピュータ数値制御(CNC)機械加工技術を用いてアルミニウムから作製されている。
【0052】
例示的な内側ポッド320は、フィルタモジュール323を備え、さらに、ワークピース(例えば、レチクルR)を受け入れるために内側ベース322の上面に配置された4つのワークピース支持ポスト(例えば、324)と、ワークピース(例えば、レチクルR)を押圧/保持するために内側カバー321の上面に配置された4つの押圧ユニット340(各々は押さえピン341を含む)とを含む。
【0053】
例示的な外側ポッド310は、外側ベース312上に配置された3つの支持構造390と、内側ポッド320の4つの押さえピン341に対応して配置された4つの押圧要素371とを含む。外側カバー311が外側ベース312に連結されると、4つの押圧要素371が押さえピン341を押して、ワークピースRの4つの角を押圧/保持する。本図に示すように、第1の観察可能ゾーンZ31は、内側ベース322のワークピース収容領域322a内に画定され、レチクルRの観察を可能にする。図示された実施形態では、内側ベース322は、第1の観察可能ゾーンZ31に埋め込まれた2つの内側光学部材3221、3222を含む。
【0054】
図示された実施形態では、内側ベース322は、その底面に第3の識別特徴Iを備える。いくつかの実施形態では、第3の識別特徴Iは、クイックレスポンスコード(QRコード(登録商標))などの2次元バーコードを含むことができる。いくつかの実施形態では、第3の識別特徴Iは、外側ポッド310に対する内側ポッド320の向きを示すための視覚的な図形特徴であってもよい。例えば、第3の識別特徴Iは、非対称パターンを含むことができる。
【0055】
外側ベース312は、内側ポッド320を受け入れると、外側ベース312上に画定されて、内側ポッド320の第1の観察可能ゾーンZ31に観察可能に位置合わせされた、第2の観察可能ゾーンZ32を有する。従って、第2の観察可能ゾーンZ32及び第1の観察可能ゾーンZ31をスキャンすることにより、容器システム300内に保持されたレチクルRの情報(レチクルRの条件又は状態(condition or status)とその第1の識別Iなど)の確認を簡単に達成することができ、それによって、外側ポッド310を開けなければならない回数を減らすことができる。外側光学部材3121を通して内側ポッド320の第3の識別特徴Iをスキャンし、内側ポッド320の向きを識別するために、スキャナS(図4に示される)が設けられてもよい。向きを微調整するために、その後の調整が行われてもよい。
【0056】
図示された実施形態では、外側ベース312は、第2の観察可能ゾーンZ32に埋め込まれた外側光学部材3121を有する。いくつかの実施形態では、外側光学部材3121は、赤外光、可視光、又は紫外光に対して光学的に透過性の材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、外側光学部材3121の透過率の値は、80%より大きい。外側光学部材3121の適切な材料は、先の実施形態で説明した外側光学部材の材料と同等であり得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、内側光学部材3221(及び/又は3222)は、600nm~950nmの範囲の波長に関して、外側光学部材3121よりも低い反射率の値を有する。いくつかの実施形態では、光学部材の対応する波長範囲は、約630nm~930nmの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、対応する波長範囲に対する外側光学部材3121の反射率の値は、約15%未満であってもよい。いくつかの実施形態では、対応する波長範囲に対する内側光学部材3221の反射率の値は、約0.5%未満であってもよい。いくつかの実施形態では、内側光学部材3221(及び/又は3222)は、反射防止コーティングをさらに備えることができる。反射防止コーティングに起因して、内側光学部材3221の反射率の値が低下してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、2つの内側光学部材3221、3222は、第1の観察可能ゾーンZ31内に密封的に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、2つの内側光学部材3221、3222は、赤外光、可視光、又は紫外光に対して光学的に透過性の材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、2つの内側光学部材3221、3222の適切な材料は、先の実施形態で説明したものと同等である。いくつかの実施形態では、例示的な外側光学部材3121は、第2の観察可能ゾーンZ32内に密封的に設置されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、内側ベースの第1の観察可能ゾーンにおけるウィンドウの数は、第2の観察可能ゾーンにおけるウィンドウの数よりも多い。例えば、図示された実施形態では、第1の観察可能ゾーンZ31には、2つのウィンドウ (例えば、2つの内側光学部材3221、3222)が設けられており、第2の観察可能ゾーンZ32内のウィンドウ(例えば、外側光学部材3121)の数は1つである。
【0060】
内側ベース322は、第1の処理領域(例えば、図3に影付きの領域で示す親水性領域)と、第1の処理領域の周囲に配置された第2の処理領域(例えば、疎水性領域)とを備えている。ワークピース支持ポスト324は、第1の処理領域と第2の処理領域との間の境界領域に配置されている。例示的な第1の処理領域(例えば、影付きの領域)は、内側光学部材3221、3222の上面を含む。いくつかの実施形態では、内側光学部材3221、3222の底面には、疎水化処理が施される。
【0061】
図4及び図5は、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの断面図及び部分断面図を示す。説明を簡単かつ明確にするために、例示的なデバイスのいくつかの詳細/サブコンポーネントは、本図において明示的に符号を付与されていない。いくつかの実施形態では、図5は、図4に示す点線のボックスD内の部分の部分断面図であってもよい。
【0062】
図4は、内側ベース422上のワークピース収容領域422a内に受け入れられているワークピース(例えば、レチクルR)を示す。内側ベース422の周辺領域422bは、内側カバー421と押圧係合されていることが示されている。いくつかの実施形態では、ワークピース収容領域422aは、その幾何学的中心領域に概ね配置され、周辺領域422bによって囲まれ得る。図示された実施形態では、レチクルRは、第1の識別特徴I(例えば、2次元バーコード)と、第1の識別特徴Iの近くに配置されたペリクルPと、それらの間に配置されたペリクルフレームPFとを含む。第2の識別特徴I図5に示す)は、ペリクルフレームPF上に配置される。スキャナSは、外側光学部材4121を介して第1の識別特徴Iを読み取るために提供されてもよい。ペリクルP及びペリクルフレームPFの一部は、外側光学部材4121及び内側光学部材4221を通して(例えば、干渉計を介して)観察/検査され得る。
【0063】
例示的な外側ベース412は、内側ベース422を支持するように構成された上部デッキ412aと、上部デッキ412aに対向する下部デッキ412bとを備える中空体を有し、下部デッキ412bは、複数の排水穴412cを有する排水穴パターンを備えている。下部デッキ412b内の排水穴412cは、残留水が中空体から流出することを可能にするように構成され、それにより外側ベース412内の残留水の量を低減する。
【0064】
図示された実施形態では、2つの外側光学部材4121は、それぞれ、外側ベース412の上部デッキ412a及び下部デッキ412bに取り付けられている。2つの外側光学部材4121は、内側光学部材4221と位置合わせして配置されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、内側ポッド420は、先の実施形態と同様の第1の処理領域及び第2の処理領域をさらに備えることができる。ワークピース支持ポスト(現在の断面図には示されていない)は、第1の処理領域と第2の処理領域との間の境界領域にさらに配置されてもよい。
【0066】
図5を参照すると、図示された実施形態において、第1の観察可能ゾーンZ51の配置は、ワークピース(例えば、レチクルR)の第1の識別特徴I、ペリクルフレームPFの第2の識別特徴I、ペリクルフレームPの一部、及びレチクルRを受け入れたときのペリクルフレームPFの一部が観察できるように、対応して設計されている。
【0067】
内側ベース522のワークピース収容領域522aは、周辺領域522bの厚さT522bよりも小さい厚さT522aを有するその断面における段差プロファイル522sを含む。図示された実施形態では、レチクルRの周囲は、段差プロファイル522sの上方に支持され、一方、ペリクルP及びペリクルPFは、段差プロファイル522sによって投影的に取り囲まれて配置されている。いくつかの実施態様において、段差プロファイル522sは、(例えば、本図に示されるz方向に沿って)投影的に外側光学部材5121と重なっていてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、ワークピースRの状態(例えば、ワークピースR(例えば、レチクル)の存在、そのシリアル番号、向き)は、レチクル保持システムを開ける必要なしに、外側光学部材5121及び内側光学部材(例えば、現在の断面図に表示された部材5221)を通してスキャナSにより識別されてもよい。また、内側ベース522の第3の識別特徴Iをスキャンして、内側ポッドのシリアル番号及び状態を識別することができる。
【0069】
いくつかの実施態様において、外側ベース512の厚さT(例えば、上部デッキ512aの上面と下部デッキ512bの下面との間の距離)は、16mmから23mmの範囲であり、内側ポッド520の厚さTは、15mmから23mmの範囲である。いくつかの実施形態において、TとTとの間の比は、約0.5~1.6の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、この比は、約0.8~1.2の範囲であり得る。
【0070】
図6aは、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの部分断面図を示す。説明を簡単かつ明確にするために、例示的なデバイスのいくつかの詳細/サブコンポーネントは、本図において明示的に符号を付与されていない。いくつかの実施形態では、図6aは、図4に示す点線のボックスD内の部分の部分断面図であってもよい。
【0071】
図示された実施形態では、押さえピン641は、ワークピースを押さえるように構成された押圧部6411と、押圧部とは反対側の受圧部6412と、それらの間に配置された肩部6413とを備えている。肩部6413は、他の2つの部分6412、6411よりも幅広に構成されている。受圧面6412aは、受圧部6412によって画定されている。図示された実施形態では、受圧面6412aは、押圧部6411の反対側に配置された平坦面である。いくつかの実施形態では、押さえピン641は、例えば耐食性(erosion-resistance)ポリマーから一体的に形成された単一構造とすることができる。ポリマー材料は、パーティクルを発生させる可能性を低減するだけでなく、十分な構造強度を提供することもでき、したがって、それに加えられる外力の適切な伝達を可能にする。いくつかの実施形態では、押さえピン641は、複数のサブ構成要素からなる複合ユニットであってもよい。
【0072】
図示されたシナリオでは、内側カバー621は、内側ベース622に連結されている。内側カバー621は、内側ベース622の周辺部に弾性的に接触し、内側ポッドの閉鎖中に位置合わせ/ガイドを提供するガイド部材635をさらに備えている。図6aはさらに、制限キャップ642が、押さえピン641の肩部6413を覆う(それによって制限する)ことを示す。さらに、貫通孔630aは、押さえピン641が貫通孔630aを通って落下せず、むしろ制限キャップ642と内側カバー621との間に閉じ込められるように、肩部6413よりも狭くなるように構成される。図示された実施形態では、押さえピン641(例えば、肩部6413)は、第1の位置(例えば、肩部6413が制限キャップ642に物理的に接触する位置)で、内側カバー621上に配置された弾性要素643によって支持される。このような位置では、押さえピン641は、弾性要素643及び制限キャップ642によって制限される。いくつかの実施形態では、押さえピン641の肩部6413は、肩部6413が弾性要素643によって支持されるときに、制限キャップ642に接触しないように設計されてもよい。
【0073】
弾性要素643の圧縮性により、押さえピン641は、ワークピース(例えば、レチクルR)に向かって移動することができる。換言すれば、押さえピン641は、内側カバー621上で垂直に(例えば、図6aに示すz軸に沿って)移動可能である。一方、押さえピン641の押圧部6411は、貫通孔630aを通って内側カバー621を貫通して配置されており、受け入れたワークピース(例えばレチクルR)を押圧するように構成されている。押さえピン641は、第1の位置にあるときにワークピース(例えばレチクルR)に接触するように図示されているが、いくつかのシナリオでは、押さえピン641は、第1の位置にあるときにワークピース(例えばレチクルR)に接触しなくてもよい。
【0074】
制限キャップ642によって画定されるウィンドウ642a(例えば、開口)は、受圧部6412の受圧面6412aを露出させ、それによって、受圧面6412aの露出された部分が、押圧要素671(例えば、図1に示される要素171などの外側ポッドの外側カバー上に配置される)から下向きの圧力を受けることを可能にする。いくつかの実施態様において、受圧部は、ウィンドウ642aを通って上方に(例えば、図6aに示されるz軸に沿って)延在する。例えば、図示された実施形態では、受圧部6412は、ウィンドウ642aを通り、制限キャップ642の上面6421を越えて上方に延在する。ここでは、受圧面6412aは、上面6421よりも距離dだけ高い。
【0075】
押圧要素671は、押さえピン641が受け入れたワークピース(例えば、レチクルR)に圧力をかけることができるように、押さえピン641をその露出部分(例えば、図6aに示される受圧面6412a)で押圧するように構成されている。いくつかのシナリオでは、閉鎖中に外側カバー(例えば、図1に示される外側カバー111)が外側ベース上に配置されるときに、押圧要素671の押圧面671aが、受圧部6412を押圧することができる。受圧部6412の上面(例えば、図6aに示される受圧面6412a)は、押圧面671aとの面接触する平坦な面であることが図示されている。外側カバーが外側ベースに向かって移動するにつれて、押圧面671aが押さえピン641を押し下げ続け、押さえピン641がレチクルRを押圧し続ける。より面積が大きい押圧面671a(例えば、押圧面671aの横方向の投影が受圧部6412を完全に覆う)は、受圧部6412の上面との均一な面接触を確保するのに役立つ。このように、押さえピン641は、垂直方向に対して直接下向きに押圧されてもよいので、傾いた押さえピン641の問題を軽減することができる。一方、弾性要素643は、押さえピン641が押圧されている間、緩衝を提供する。
【0076】
いくつかの実施形態では、押圧要素671は、さらに、制限キャップ642の上面6421に物理的に接触するように構成される。図6aに示される断面では、受圧面6412aの露出部分の投影領域(すなわち、投影線が互いに平行であり、例えばz軸に沿って延在する、平面上への平行な投影)の幅W2は、押圧要素671の幅(例えば、図6aに示されるW1)よりも小さい。このような配置の下では、制限キャップ642の上面6421は、制限面として機能することができる。すなわち、押圧要素671が受け入れたレチクルRに向かって移動されると、押圧要素671が制限キャップ642の制限面(例えば、上面)6421に物理的に接触したときに、その下向きの動きを終了させることができる。したがって、押さえピン641は、既に説明した第1の位置よりも低い第2の位置(図6bに示される)に到達する。いくつかの実施形態では、制限キャップ642の材料は、押圧要素よりも高い構造強度を有していてもよい。例えば、制限キャップ642の材料には、金属、合金、又は同様の材料が含まれていてもよい。従って、ワークピース(例えば、レチクルR)に加えられる圧力は、設計された閾値内に制限され、こうしてワークピース(例えば、レチクルR)は過度に加圧されないように保護され得る。図示された実施形態では、受圧面6412aが、押さえピン641の移動距離(すなわち、第1の位置と第2の位置との間の距離)でもある距離dだけ、制限キャップ642の上面6421よりも高い高さに配置される。
【0077】
いくつかの実施態様において、受圧面6412aの露出部分の投影面積は、押圧要素671の投影面積よりも小さい。例えば、図6aに示される押圧面671aの面積は、受圧部6412の上面(例えば、受圧面6412a)の面積よりも大きい。
【0078】
いくつかの実施態様において、弾性要素643がさらに、押さえピン641と内側カバー621との間にある程度の気密性を提供するように構成されてもよい。例えば、弾性要素643は、内側カバー621によって画定される貫通孔630aを取り囲む環状構造を有し、それによって押さえピン641と内側カバー621との間にある程度の気密性を提供する。いくつかの実施形態では、弾性要素643はOリングであってもよい。
【0079】
図6bは、本開示のいくつかの実施形態による、第2の位置にある押さえピンの断面図を示す。いくつかの実施形態では、外側カバーが外側ベースに連結されると、押さえピンが押し下げられ、第2の位置に維持される。図示された実施形態では、押圧要素671の押圧面671aは、同時に、押さえピン641の受圧部6412と制限キャップ642の制限面6421とに物理的に接触する。さらに、ワークピース(例えば、レチクルR)は、押さえピン641によって(例えば、その上面の角領域を)押圧されている。従って、ワークピース(例えば、レチクルR)は、その下側がワークピース支持ポスト624によって適切に支持されて、実質的に水平な向きにしっかりと保持され得る。
【0080】
図示された実施形態では、押圧要素671が制限面6421に(例えば、ポッド閉鎖状態で)物理的に接触すると、制限キャップ642の上面(例えば、制限面6421)と、受圧部6412の上面(例えば、受圧面6412a)の露出部分とは、実質的に同一平面上にある。しかしながら、他の実施形態では、実質的に同一平面上にある代わりに、(例えば、ポッド閉鎖状態で)押圧要素が制限面に物理的に接触するときに、受圧面及び制限面の一方が、他方よりも受け入れたレチクルの近くに配置されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、内側ポッド620は、先の実施形態と同様の第1の処理領域及び第2の処理領域をさらに備えることができる。ワークピース支持ポスト624は、第1の処理領域と第2の処理領域との間の境界領域にさらに配置されてもよい。
【0082】
図7は、本開示のいくつかの実施形態によるレチクル保持システムの平面図を示す。説明を簡単かつ明確にするために、例示的なデバイスのいくつかの詳細/サブコンポーネントは、本図において明示的に符号を付与/図示されていない。例えば、図7には内側カバー及び外側カバーは示されていない。
【0083】
図示された実施形態では、2つの内側光学部材7221、7222の一方は、他方よりも大きな平面領域を備えている。例えば、図示された平面図から、内側光学部材7221は、内側光学部材7222よりも大きな面積を有している。
【0084】
図示された実施形態では、内側光学部材7221は、ペリクルP、ペリクルフレームPFの第2の識別特徴I、及びペリクルフレームPFの一部への同時光学アクセスを可能にするために、より大きな平面領域で設計されている。一方、内側光学部材7222は、第1の識別特徴Iの観察を可能にするために、より小さな平面領域を備えている。一方、外側光学部材7121は、2つの内側光学部材7221、7222と観測可能に位置合わせされ、それにより、ペリクルP、ペリクルフレームPFの第2の識別特徴I及びペリクルフレームPFの一部、及びそれを介した第1の識別特徴Iの観察が可能になる。
【0085】
図示された実施形態では、外側光学部材7121は、第3の識別特徴Iの観察を可能にするように構成されている。このように、レチクルR、ペリクルP、ペリクルフレームPF、識別特徴I、I、Iの状態などの情報の確認は、外側光学部材7121を通して観察することによって達成され得る。それによって、外側ポッドを開ける必要がある回数を減らすことができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、外側光学部材は、一対の内側光学部材と投影的に重なる場合がある。図示された実施形態では、2つの内側光学部材7221、7222は、外側光学部材7121と完全に重なり合う(例えば、投影的に覆われる)ように配置されている。このような実施形態では、外側光学部材の平面面積は、2つの内側光学部材の平面面積と等しいか、又はそれよりも大きい。例えば、図示した平面図では、外側光学部材7121の平面面積は、2つの内側光学部材7221、7222の平面面積よりも大きい。いくつかの実施形態では、2つの内側光学部材のいくつかの部分は、外側光学部材と重ならない場合がある。このような実施形態では、外側光学部材の平面面積は、2つの内側光学部材の平面面積よりも小さくてもよい。
【0087】
図示された実施形態では、内部光学部材7221、7222は、第3の識別特徴Iの近くに配置されている。このような配置は、重なり合う外側光学部材7121の平面面積を減少させ、したがって、外側ベース712の構造的な強度を向上させる。いくつかの実施形態では、内側光学部材及び第3の識別特徴は、互いに離間して配置されてもよい。そのような実施形態では、外側ベース712は、第3の識別特徴I及び内側光学部材7221、7222にそれぞれ位置が対応する追加の外側光学部材(図示せず)を有していてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、外側ベースの底面全体が、第2の観察可能ゾーンとして機能するように設計されてもよい。例えば、外側光学部材は、外側ベースの底部全体を占めてもよい。
【0089】
図示された平面図では、外側光学部材7121は、実質的に矩形の平面プロファイルを有する。第3の識別特徴Iは、外側光学部材7121の矩形プロファイルの長さ方向Dに沿って2つの内側光学部材7221、7222の間に配置されている。いくつかの実施形態では、内側光学部材7221、7222及び外側光学部材7121の平面プロファイルは、1つ又は複数の丸みを帯びた部分を含むことができる。
【0090】
光学部材(例えば、外側光学部材7121)の配置位置、材料、及び平面プロファイルは、重量分布、構造的完全性、及び装置構成要素の全体的重量制限などのさまざまな要因を考慮に入れることができる。本実施形態に示されるように、外側光学部材7121は、外側ベース712の幾何学的中心に向かって配置される。例えば、外側光学部材7121の幾何学的中心は、一般に、x方向及びy方向の両方で、外側ベース712の中心からその外縁までの距離の半分の範囲内に配置される。このようなレイアウト構成は、構造的な一体性を維持しながら、外側ベース712の全体的なバランスをより良く維持するのに役立つであろう。さらに、そのような配置構成は、封止及びラッチ機構などの他の機能構成要素のために、ベース部材(例えば、外側ベース712)の周辺領域を確保するのに役立つ場合がある。
【0091】
図示された実施形態では、外側光学部材7121の幾何学的中心7121cから外側ベース712の対称軸Aまでの距離Dは、外側ベース712の矩形プロファイルの長さLの30%よりも短い。いくつかの実施態様において、距離Dは、外側ベース712の矩形プロファイルの幅Wの30%より短くてもよい。いくつかの実施態様において、距離Dは約76mmであってもよく、長さLは約270mmであってもよく、幅Wは約260mmであってもよい。
【0092】
いくつかの実施態様では、幾何学的中心7121cから外側ベース712の対称軸Aまでの距離は、外側ベース712の矩形プロファイルの長さL及び/又は幅Wの30%よりも短い。
【0093】
さらに、光学部材(例えば、外側光学部材7121)の配置構成は、支持機構などの他の機能構成要素のために、ベース部材(例えば、外側ベース712)の中央領域を確保するのに役立つ場合がある。本実施形態に示されるように、外側光学部材7121は、外側ベース712の幾何学的中心を投影的にオフセットする。
【0094】
図示された実施形態では、外側光学部材7121の幾何学的中心7121cから外側ベース712の対称軸Aまでの距離Dは、外側ベース712の矩形プロファイルの長さL及び/又は幅Wの10%よりも長い。いくつかの実施形態では、幾何学的中心7121cから対称軸Aまでの距離は、長さL及び/又は幅Wの10%よりも長い。いくつかの実施形態では、幾何学的中心7121cは、外側ベース712の中央領域に配置されてもよい。
【0095】
図示された実施形態では、内側ベース722は、第1の観察可能ゾーン(例えば、図3に示す第1の観察可能ゾーンZ31)の外側に配置された追加の内側光学部材(例えば、光ポート72a)をさらに備える。同様に、外側ベースは、内側ポッドの追加の光ポート72aに対応して配置された追加の外側光学部材をさらに備えることができる。例えば、追加の外側光学部材は、追加の内側光学部材72aと観察可能に位置合わせした状態で、対応するように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外側光学部材(例えば、光ポート7121)の数は、内側光学部材(例えば、ポート7221、7222、72a)の数よりも少ない。
【0096】
いくつかの実施形態では、内側ベース(例えば、内側ベース722)は、ワークピース収容領域722aに対応する第1の処理領域を含む。例えば、第1の処理領域を表す影付き領域A71は、受け入れたワークピース(レチクルR)の表面積と実質的に等しい表面積を有する。本図に示されるように、例示的な内側ベース722のワークピース収容領域722aは、概ねその幾何学的中心に配置される。
【0097】
いくつかの実施形態では、内側ベース(例えば、内側ベース722)の内面(例えば、周辺領域722b)は、第2の表面処理でさらに処理される。例えば、内側ベース722は、内側ベースの第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域A72を含む。いくつかの実施形態では、第2の処理領域は、疎水化処理領域を含む。
【0098】
内側ベース722は、ワークピースを支持し、ワークピースの横方向の動きを制限するように構成されたワークピース支持ポスト724をさらに備えていてもよい。いくつかの実施形態では、ワークピース支持ポスト724は、第1の処理領域A71と第2の処理領域A72との間の境界領域に配置される。いくつかの実施形態では、境界領域は、影付きの領域A71(例えば、第1の処理領域)の輪郭によって画定されてもよい。
【0099】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの底面図を示す。説明を簡単かつ明確にするために、例示的なデバイスのいくつかの詳細/サブコンポーネントは、本図において明示的に符号を付与/図示されていない。いくつかの実施形態では、図8に示される構造配置は、外側ベース(例えば、外側ベース112(図1)、312(図3)、412(図4)、512(図5)、及び/又は712(図7))の底面図に相当する。
【0100】
容器が洗浄/清掃された後、いくらかの残留水が外側ベース812の中空体内に残る可能性がある。残留水が中空体から流出することを可能にするために、いくつかの実施形態では、外側カバー(例えば、図1に示す外側カバー111)に適合するように構成された外側ベース(例えば、外側ベース812)に排水穴が設けられる。したがって、外側ベースの乾燥・焼成時間を短縮することができ、これにより設備の稼働率及び省エネルギー性を向上させることができる。また、外側ポッド内に水が残留する可能性を低減し、残留水が装置を汚染する可能性を低減する。例えば、例示的な外側ベース812は、上部デッキ(例えば、図1に示される上部デッキ112a)及び対向する下部デッキ812bを備える中空体を有し、下部デッキ812bは、複数の排水穴812cを有する排水穴パターン812gを備えている。下部デッキ812bの排水穴812cは、残留水が中空体から流出することを可能にし、それによって、外側ポッドのベース内の残留水の量を減少させ、これにより外側ポッド(例えば、図1に示される外側ポッド110)の焼成時間を短縮することができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の機械部品(ラッチ機構など)を中空体の内部に収容することができる。ただし、外側ポッドを清掃する際には、機械部分(ラッチ機構など)の周囲に水が溜まりやすい傾向がある。例えば、外側ベース812の幾何学的中心領域は、ラッチ機構を備えていてもよく、残留水が滞留しやすい領域であってもよい。いくつかの実施形態では、排水穴(例えば、排水穴812c)は、中空体内の残留水をより速く乾燥させることができるように、外側ベース812の幾何学的中心領域の近く/周囲に配置することができる。例えば、細長い構造を有する例示的な排水穴812cのうちの6つは、外側ベース812の幾何学的中心領域を取り囲むように配置されている。例示的な排水穴パターン812gは、外側ベース812の幾何学的中心領域を避ける二重H配列をさらに含む。いくつかの実施態様では、二重H配列は、一対の長手方向部分812Lと、それら長手方向部分812Lの間に配置された横方向部分812Tとを含む。いくつかの実施態様では、二重H配列の2つの長手方向部分812Lの間の距離Dと外側ベースの幅Wとの比は、約30%から約35%の範囲である。
【0102】
排水効率は、排水溝(例えば、排水穴812c)の面積/サイズに関連する。いくつかの実施形態では、追加の排水溝領域を追加することにより、効率がさらに向上するであろうが、排水穴パターンの大きな投影面積は、下部デッキ812bの構造的完全性を犠牲にする可能性がある。いくつかの実施形態では、十分な排水効果を達成しながら外側ベース812の構造強度を維持することができるように、排水穴パターンの投影面積と外側ベース812の面積との間の比率は、10%以下である。
【0103】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による容器システムの底面図を示す。説明を簡単かつ明確にするために、例示的なデバイスのいくつかの詳細/サブコンポーネントは、本図において明示的に符号を付与/図示されていない。いくつかの実施形態では、図9に示される構造配置は、外側ベース(例えば、外側ベース112(図1)、312(図3)、412(図4)、512(図5)、及び/又は712(図7))の底面図に相当する。
【0104】
いくつかの実施態様では、外側ベースは、排水溝(排水穴)及び検査ウィンドウ (下部ウィンドウ )を含む。排水溝は光透過要素を備えていないが、ウィンドウ には光透過要素(ガラスなど)が含まれている。いくつかの実施形態では、排水穴912cの位置決めは、外側ベースの検査ウィンドウ (例えば、外側光学部材9121)の位置、及びねじ穴(複数可)の位置を避けてもよい。いくつかの実施形態では、外側ベースの側面に、さらに排水穴を設けることができる。
【0105】
排水穴のサイズ、アスペクト比、及び平面プロファイルは、上述の実施形態と異なる場合がある。いくつかの実施態様では、排水溝(排水穴)は、長方形、円形/楕円形、又は両端に円弧を有する長方形の輪郭であってもよい。いくつかの実験結果によれば、個々の排水溝(排水穴)に対して、円形/湾曲した端部を有する矩形プロファイルが理想的な排水能力を提供する。実験結果はまた、細長いパターンプロファイルを有する排水スロット/溝は、円形プロファイルを有するものより優れた排水効率を提供することを示している。いくつかの実施形態では、排水穴パターンは、複数のスロットを含み、各スロットは鋭い角を有さない。丸い端部を有するスロット(例えば、排水穴912c)は、水の凝集を低減し得る。排水穴912cの断面プロファイルは、傾斜面又は曲面であってもよい。
【0106】
図10図14は、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態による排水穴の断面プロファイルを示す。
【0107】
複数の排水穴は、例えば、垂直、傾斜又は湾曲など、異なる断面プロファイルを備えていてもよい。図10に示される下部デッキ1012bの例示的な排水穴1012cは、実質的に一定の幅を備えている。図11に示す排水穴1112cは、曲面を備え、徐々に下向きに減少する幅を有する。いくつかの実施態様では、排水穴1112cは、凹状の断面プロファイルをさらに備えている。図12に示す排水穴1212cは、凸状の断面プロファイルを備えている。図13の排水穴1312cの断面プロファイルは、徐々に下向きに減少する幅を備えたテーパ形状を有する。図14の排水穴1412cの断面プロファイルは、徐々に下向きに増加する幅を備えたテーパ形状を有する。
【0108】
したがって、本開示の一態様は、ワークピースを受け入れるように構成された内側ベースを備える容器システムを提供し、内側ベースは、ワークピース収容領域に対応する第1の処理領域と、内側ベースの第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域と、第1の処理領域と第2の処理領域との間の境界領域に配置されたワークピース支持ポストとを含む。
【0109】
本開示のいくつかの実施形態では、容器システムは、内側ベースに適合するように構成された内側カバーをさらに備える。内側カバーは、内側カバーのワーク収容領域に対応する第1の処理領域と、内側カバーの第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域と、内側カバーの第2の処理領域に配置された押さえピンとを備え、押さえピンは電荷散逸特性を備えている。
【0110】
本開示のいくつかの実施形態では、内側ベース及び内側カバーは、実質的に金属から作製されており、第1の処理領域は親水化処理領域を含み、第2の処理領域は疎水化処理領域を含む。
【0111】
本開示のいくつかの実施形態では、疎水化処理領域は、約1011Ω未満の表面抵抗値を備える。
【0112】
本開示のいくつかの実施形態では、疎水化処理領域上の疎水性層が、約1μm未満の厚さを有する。
【0113】
本開示のいくつかの実施形態では、内側カバーは、内側カバーの幾何学的中心領域に配置されたフィルタモジュールを含み、親水化処理領域は、フィルタモジュールを避けて配置される。
【0114】
本開示のいくつかの実施形態では、容器システムは、内側カバーを覆うように構成された外側カバーをさらに備え、外側カバーは、押さえピンがワークピースを押圧するように、押さえピンの露出部分で押さえピンを押圧するように構成された押圧要素を備え、内側カバーの押さえピンは、内側カバーを貫通して配置され、受け入れたワークピースを押圧するように構成された押圧部と、押圧部の反対側に配置された受圧面とを備え、受圧面の露出部分の投影領域の幅は、押圧要素の投影領域の幅よりも小さい。
【0115】
本開示のいくつかの実施形態では、容器システムは、外側カバーに適合し、内側ベースを受け入れるように構成された外側ベースをさらに備え、外側ベースは、排水穴パターンを備えている。
【0116】
本開示のいくつかの実施態様において、外側ベースは、内側ベースを支持するように構成された上部デッキと、上部デッキに対向する下部デッキとを備える中空体を有し、下部デッキは、排水穴パターンを備えている。
【0117】
本開示のいくつかの実施形態では、排水穴パターンは、外側ベースの幾何学的中心領域を避けて配置された二重H配列を有する。
【0118】
したがって、本開示の別の態様は、外側ベース及び内側ベースを備える容器システムを提供する。外側ベースは、支持構造を備え、内側ベースを支持するように構成された上部デッキと、上部デッキに対向する下部デッキとを備える中空体を有し、下部デッキは排水穴パターンを備え、排水穴パターンが下部デッキの幾何学的中心領域を取り囲む。内側ベースは、ワークピースを受け入れるように構成され、ワークピース収容領域に対応する第1の処理領域と、第1の処理領域の周りに配置された第2の処理領域と、第1の処理領域と第2の処理領域との間の境界領域に配置されたワークピース支持ポストとを含む。
【0119】
本開示のいくつかの実施形態では、排水穴パターンは、外側ベースの幾何学的中央領域を避けて配置された二重H配列を有する。
【0120】
本開示のいくつかの実施形態では、二重H配列は、一対の長手方向部分と、一対の長手方向部分の間に配置された横方向部分とを含む。
【0121】
本開示のいくつかの実施形態では、二重H配列の一対の長手方向部分間の距離と外側ベースの幅との間の比率が、30%から35%までの範囲である。
【0122】
本開示のいくつかの実施態様では、排水穴パターンの投影面積と外側ベースの面積との間の比率が、10%以下である。
【0123】
本開示のいくつかの実施形態では、排水穴パターンは、複数のスロットを備え、複数のスロットの各々は、鋭い角を有さない。
【0124】
本開示のいくつかの実施形態では、内側ベースは、概ねその幾何学的中心に配置され、周辺領域によって取り囲まれたワークピース収容領域と、ワークピースの観察を可能にするように対応して配置されたワークピース収容領域内に画定された第1の観察可能ゾーンと、を有し、外側ベースは、内側ベースを受け入れたときに内側ベースの第1の観察可能ゾーンに観察可能に位置合わせされ、外側ベース上に画定された第2の観察可能ゾーンを有する。
【0125】
本開示のいくつかの実施形態では、内側ベースの第1の観察可能ゾーンにおけるウィンドウの数が、第2の観察可能ゾーンにおけるウィンドウの数よりも多い。
【0126】
本開示のいくつかの実施形態では、内側ベースは、実質的に金属から作製されており、内側ベースの支持ポストは、電荷散逸特性を備えている。
【0127】
本開示のいくつかの実施形態では、第1の処理領域は、親水化処理領域を含み、第2の処理領域は、疎水化処理領域を含む。
【0128】
上記に図示され、説明された実施形態は、単なる例示である。したがって、そのような詳細の多くは図示も説明もされていない。本技術の多くの特徴及び利点が、構造及び機能の詳細と共に前述の説明で述べられたとしても、開示は例示にすぎず、詳細について、特に、部品の形状、サイズ、及び配置に関して、原則の範囲内で、即ち、特許請求の範囲で使用される用語の広い一般的な意味によって確立された全範囲にまで、及び全範囲を含めて、変更を加えることができる。したがって、上述の実施形態は、特許請求の範囲内で変更され得ることが理解されよう。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14