IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アガトン・アクチエンゲゼルシャフト・マシーネンファブリークの特許一覧

<>
  • 特許-測定装置 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 49/04 20060101AFI20230124BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20230124BHJP
   B23Q 17/20 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
B24B49/04 Z
B24B49/10
B23Q17/20 A
B23Q17/20 Z
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018150976
(22)【出願日】2018-08-10
(65)【公開番号】P2019034407
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】01030/17
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】518144274
【氏名又は名称】アガトン・アクチエンゲゼルシャフト・マシーネンファブリーク
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ボプスト
(72)【発明者】
【氏名】イュルク・マルティ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・アッカーマン
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/013710(WO,A1)
【文献】特開平06-207802(JP,A)
【文献】特開2003-127061(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0013547(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0195383(US,A1)
【文献】米国特許第06668466(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 49/04
B24B 49/10
B23Q 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械、特に主軸台に配置された少なくとも1つの砥石ヘッドを含む研削盤における機械加工中のインプロセス測定のための測定ユニット(10)であって、この測定ユニットは、静止位置と測定位置の間で移動可能な測定ヘッド(14)と、前記静止位置と前記測定位置の間で前記測定ヘッドを移動させるための手段と、制御ユニットとを含む、前記測定ユニットにおいて、
前記測定ユニット(10)が、1つの旋回軸を中心として旋回可能であるように前記研削盤の前記主軸台に取り付けられた基礎要素(12)と、該基礎要素(12)に前記測定ヘッド(14)を結合するためのアーム(16)とを含んでおり、前記測定ヘッド(14)の前記静止位置及び前記測定位置が、前記手段としてのモータによる駆動ユニットと、前記制御ユニットとによって、前記1つの旋回軸を中心として前記基礎要素(12)の旋回を制御することで、ユーザによって所望の位置へ無限に調整可能であることを特徴とする測定ユニット。
【請求項2】
前記制御ユニットが、前記測定位置における前記測定ヘッド(14)の調整位置を入力するための入力ユニットを含んでいるとともに、前記測定ヘッド(14)の移動を制御するように適合されていることを特徴とする請求項1に記載の測定ユニット(10)。
【請求項3】
前記測定ヘッドが、基準表面の基準データを決定するために、基準位置へ移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定ユニット(10)。
【請求項4】
前記測定ヘッド(14)を移動させるための手段がサーボモータ駆動部であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の測定ユニット(10)。
【請求項5】
当該測定ユニット(10)が、工作機械の一部に結合可能な基礎要素(12)と、アーム(16)と、前記測定ヘッド(14)に結合可能な支持部(18)とを含んでおり、前記基礎要素(12)、前記アーム(16)及び前記支持部(18)が異なる材料で構成されているとともに結合可能であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の測定ユニット(10)。
【請求項6】
前記基礎要素(12)が、機械加工プロセスによって、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されているとともに前記研削盤の前記主軸台に結合可能であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の測定ユニット(10)。
【請求項7】
前記アーム(16)が炭素繊維強化プラスチックで構成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の測定ユニット(10)。
【請求項8】
前記支持部(18)が、印刷法によって、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていることを特徴とする請求項5又は請求項5を引用する請求項6若しくは7に記載の測定ユニット(10)。
【請求項9】
当該測定ユニット(10)が、接着結合によって組み立てられていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の測定ユニット(10)。
【請求項10】
前記測定ヘッド(14)が、測定プローブ(20)を含んでいることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の測定ユニット(10)。
【請求項11】
当該測定ユニット(10)が、ワークピースの真円度、寸法及び直径のうち1つを測定するために構成されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の測定ユニット(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、工作機械、特に研削盤における機械加工プロセス中のインプロセス測定のための測定ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械、特に研削盤は、その技術において知られている。さらに、研削盤は、一般的に、ワークピース(加工品)ユニットと、工具ユニットと、測定ユニットと、測定ユニット及び工具ユニットに接続可能な制御ユニットとを含んでいる。測定ユニット又は測定装置は、機械加工プロセス中にインプロセス測定するために配置されることが知られており、セットアップ時間を削減するために機械加工への探査サイクルの統合を単純化するために、制御ルーチンが機械加工ルーチンに統合されている。いわゆるインプロセス測定、すなわち機械加工プロセス中の測定は、高精度の機械加工を可能とすることができるとともに、製造品質及びプロセス信頼性を向上することに貢献することが可能である。
【0003】
精密部分機械加工における生産性は、オートメーションシステムとの統合によるセッティング及びプロセスの調整時間の削減によって改善される。したがって、プロセスドリフト(ズレ)が迅速に補正されるため、呼び寸法に近い部材寸法を維持することが可能である。プロービング(probing)は、工作機械の効率、品質、性能及び精度を最大化するための確立された最良の慣行である。
【0004】
インプロセス測定のために配置された測定ユニットを含む研削盤が知られており、測定ユニットは、測定ヘッドが静止位置と測定ヘッドが測定されるべき表面と測定中に接触する測定位置の間で旋回するように、測定ユニットの基礎体と旋回可能に結合されている測定ヘッドを含んでいる。さらに、静止位置から測定位置への測定ヘッドの動きを制限するためのストッパ(ストップ位置)を設けることが知られている。
【0005】
インプロセス測定を可能とするために、測定ユニットが、測定ヘッドを研削盤の基礎体に結合させるアームを含むことが知られている。このアームは、研削加工中に研削盤の砥石車の動きに追従するように可動に支持されている。測定ヘッドは、全ての接触ベクトルにおける触覚スキャンのためのタッチトリガ、すなわち堅牢な構造を有する3D部材幾何形状の精密測定のためのタッチプローブを備えている。
【0006】
しかしながら、測定されるべき各ワークピース寸法及び空間座標における各点の想定される測定に正確に適合される測定ヘッドを設ける必要がある。これは、単一の目的の測定ヘッド又は例えば調整可能な態様で例えば2つの測定プローブを収容する測定ヘッドを含むことができる。測定プローブは、高精度な態様及び向きにおいて調整される必要がある。
【0007】
研削盤の研削工程中にクランクピンのインプロセス測定のために用いられる測定装置が特許文献1から知られている。公知の測定装置は、第1の旋回軸周りに旋回可能であるように、及び測定ヘッドを測定位置へもたらし、又は測定位置から出すように、ロッドアセンブリを介して測定装置の基礎体へ結合された測定ヘッドを有している。インプロセス測定を実行するために、測定ヘッドは、測定位置へ旋回し、測定されるべきクランクピンに当接することとなる。研削工程中には、クランクピンは、クランクシャフトの回転軸周りの起動回転を受ける。砥石車は、クランクピンと接触したままであり、この目的のためにクランクシャフトの回転軸に関して径方向に可動に支持されている。全体の研削工程中にクランクピンにおいて測定が実行され得ることを保証するために、測定ヘッドは、クランクピンの動きに追従する。この目的のために、研削工程中に測定装置が研削盤の砥石車と同期してクランクシャフトの径方向へ移動するように、測定装置の基礎体は、複数のリンク要素を介して研削盤の基礎体に結合されている。リンク要素の動力学的な関係におけるいかなる偏差も、ワークピースに対する測定ヘッドの位置に反映され得る。
【0008】
特許文献2によれば、静止位置から測定位置への測定ヘッドの動きを制限するストッパを含む、工作機械、特に研削盤における機械加工工程中に試験片のインプロセス測定するための測定装置が知られており、ストッパは、ストッパと協働するモータ付き駆動ユニットによって調整可能である。したがって、モータ付き駆動ユニットは、測定位置が調整可能であるとともに設けられた制御ユニットによって制御されるようにストッパの位置を調整するためのストッパと協働する。しかし、測定ヘッドの動きを止めることで、精度に影響を与える振動が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許出願公開第1370391号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0232117号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の課題は、少ない労力での、機械加工されるべきワークピースの寸法上の特性及び幾何形状上の特性の高精度な測定を提供することにある。本発明の他の課題は、対応する位置的に変化可能な構造を有する測定ユニットを提供することにあり、測定ヘッドは、より迅速かつ信頼性をもって静止位置から測定位置へ旋回軸周りに旋回可能であり、測定ヘッドの調整は、特に単純で信頼性のある迅速な態様で変位する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの問題は、工作機械、すなわち研削盤におけるワークピースセットアップ検査のために用いられる測定プローブ、例えば3Dタッチトリガを含む測定ヘッドを有する測定ユニットによって解決される。用いられるプローブは、しばしばタッチトリガプローブと呼ばれる。なぜなら、これらプローブは、プローブの触針と測定あるいはセットされるべき構成要素の間の接触に応じて起動されるスイッチを用いるためである。測定ユニットは、高速触覚スキャンのために設けられることも可能である。
【0012】
本発明によれば、工作機械、特に主軸台に配置された砥石ヘッドを含む研削盤における機械加工中のインプロセス測定のための測定ユニットは測定ヘッドを備えており、この測定ヘッドは、静止位置と測定位置の間で移動可能であり、測定ユニットが、静止位置と測定位置の間で測定ヘッドを移動させるための手段と、制御ユニットとを含んでおり、測定ヘッドの静止位置及び/又は測定位置が、ユーザによって無限に調整可能である。したがって、静止位置及び測定位置は、測定ヘッドの動きを制御することで、ユーザによってプログラム可能である。
【0013】
さらに、インプロセス測定のための測定ユニットの測定ヘッドは、基準面の基準データを特定(決定)するために、静止位置と測定位置と基準位置の間で移動可能である。基準位置では、測定ヘッドは、工作機械に、好ましくは測定されるべきワークピースの近傍に設けられた基準面と接触している。測定ヘッドは、(探針で探る)探査の調整を達成するために、測定されるべきワークピースの測定前及び/又は測定後に基準位置へ移動することが可能である。探査の精度を向上させるために、調整は、所定の頻度で繰り返されることが可能である。基準位置では、測定ユニットは、処理されるべきデータを制御ユニットへ提供する。したがって、これに代えて、測定ヘッドの測定位置において特定された測定データは、ワークピース寸法の各測定が示差測定を表すように、基準位置において特定された基準データと関連付けられることが可能である。好ましくは、例えば熱ドリフトによる各不正確さを除去することが可能である。
【0014】
本発明によれば、制御ユニットは、測定ヘッドの運動を制御するために設けられている。さらに、制御ユニットは、ユーザによって測定位置の少なくとも1つの調整位置を入力する(取り入れる)ための入力ユニットを含んでいる。
【0015】
本発明による測定ユニットは、測定ヘッドを移動させるための手段を含んでおり、この手段は、サーボモータ駆動部である。
【0016】
さらに、測定ヘッドは、工作機械、特に駆動部、の制御ユニットのために信号を生成する変位によって電気的な接触を引き起こすために設けられている。測定ユニットの測定機能中に、機械の軸は、機械の軸の現在位置を信号化する測定ヘッドによって信号が生成されるまで測定方向へ移動し、更なる使用のために制御ユニットにおいて座標が収集され得る。
【0017】
本発明によれば、測定ユニットは、工作機械の一部に結合可能な基礎要素と、測定ヘッドに結合可能な支持部と、測定ヘッドを基礎要素に結合するアームとを含んでおり、基礎要素、アーム及び支持部が異なる材料で構成されているとともに結合可能である。
【0018】
本発明によれば、測定ユニットは、軽量複合材料構造として構成されている。基礎要素は、軽金属、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。基礎要素は、例えば空洞を備えることで軽量化されている。
【0019】
アームは、基礎要素と測定ヘッドを結合するために設けられている。本発明の好ましい実施形態によれば、アームは、炭素繊維強化プラスチック(CFK)で構成されている。したがって、アームは、比較的安価な材料から成り、異なる寸法において使用可能である。加えて、アームは、少なくとも1つのチューブ状の要素、好ましくは2つのチューブ状の要素も含むことができる。したがって、アームは、チューブ状の要素の数に依存して軽量かつ確かな剛性での設計において良好な柔軟特性を提供する標準化された要素で構成されている。好ましくは、測定ユニットは、測定方向において高い剛性を提供するように構成されており、これにより、測定の正確性が達成される。一実施例では、基礎要素と測定ヘッドを結合するアームは、高い構造上の剛性を提供するために当該アームが測定方向に対して少なくとも部分的に平行に延びるように構成されている。
【0020】
さらに、アームを測定ヘッドに結合するために、支持部を設けることができる。この支持部は、アルミニウム又はアルミニウム合金のような軽量な材料で構成されている。支持部は、3Dプリンティングによって製造されることができるとともに小さな寸法となっている。
【0021】
測定ユニットの軽量な構造により、測定ヘッドを静止位置と測定位置の間でより迅速に移動させることが可能であり、測定ヘッドの運動は、1つの手段、特にモータ付き駆動ユニットによって提供され、このモータ付き駆動ユニットは、研削盤、特に砥石ヘッドの一部と協働する。本発明によれば、この手段は、静止位置と、探査されるワークピースと接触している調整可能な測定位置との間での旋回軸周りの測定ヘッドの旋回のために設けられたサーボモータであってよい。旋回軸の位置及び測定ヘッドの測定位置は、本質的に同一のレベルで、測定方向に対して平行に、及び測定されるべき面に対して直交して位置している。
【0022】
モータ付き駆動ユニット及び軽量構造により、高精度の探査及び向上したプロセス制御を提供しつつ短時間で測定ヘッドを移動させることが可能である。高精度の探査は、ワークピースの真円度や、寸法、すなわち3つの全ての次元における寸法や並びに/又は直径及び/若しくはワークピースにおいて提供されるある特徴の位置とかの測定を含んでいる。しかし、インプロセス測定、すなわち機械加工工程中の測定の場合においても、アクティブな研削プロセス中に探査を行うことはできない。したがって、静止位置から測定位置への測定ヘッドの移動のための時間及びその逆のセットアップ時間は、プロセスサイクルを延長させることになる。旋回軸周りの測定ヘッドの運動を加速させるために、測定ユニットの重量、したがって質量慣性モーメントが好ましくは小さいことが有利である。
【0023】
本発明の有利な実施例では、測定ヘッドはタッチトリガの形態となっている。
【0024】
非限定的な例により与えられる本発明の好ましい実施例を、添付の図面を参照しつつより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】組み立てられた形態における測定ユニットを単純化した形態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
測定ユニットが図1に示されており、その全体が符号10で示されている。この場合には、測定ユニット10は、工作機械、例えば研削盤に配置されている。本発明によれば、測定ユニット10は、研削盤における機械加工中のワークピースのインプロセス測定のために用いられる。研削盤は、研削盤に固く取り付けられた回転軸線周りに回転可能であり、かつ、ワークピースを機械加工するために用いられる砥石車を備えることが可能である。測定ユニット10は、旋回軸(不図示)周りに旋回可能であるように、研削盤の主軸台(不図示)に配置され得る基礎要素12を含んでいる。
【0027】
さらに、測定ユニット10は、旋回軸周りに旋回可能であるように1つのアーム16又は複数のアームを介して測定ユニット10の基礎要素12に結合された測定ヘッド14を含んでいる。測定ユニット10は、測定位置内又は測定位置外で測定ヘッド14を旋回させるための手段も有している。静止位置では、測定ヘッド14は、(探針で探る)探査されるべきワークピースの表面から離されている。この静止位置では、測定ユニットの動きは、測定ヘッド14を旋回させるための手段によって妨げられる。測定位置へ向いた方向へ測定ヘッド14を旋回させるために、測定ヘッド14が測定位置にある、すなわちワークピースの表面と接触する位置へ測定ユニット10が変位するように、上記手段が起動される。測定位置は、静止位置と設けられたストッパの間のあらかじめ規定されたあらゆる位置であり得る。測定ヘッド14の測定位置が調整可能であり、制御ユニットがこの旋回のための手段を起動するために適合されるように、測定ヘッド14を旋回させるための手段が適合されている。測定位置を適合する必要がある場合には、測定ユニット10を旋回させるための手段を起動及び制御する制御ユニットにおいて、操作者によって所望の位置又は要求される位置を入力することが可能である。
【0028】
アーム16が測定ヘッド14を支持する双腕型の保持アームを形成することが図1から明らかである。しかし、アーム16は、2つより多くのアームを含むことが可能である。測定ヘッド14は、支持部18を介してアーム16に支持されている。測定ヘッド14は、当業者によって一般的に知られるとともに、したがって詳細には説明しない、(針が)ふれることの可能な測定プローブ20を有している。
【0029】
測定ヘッド14が測定されるべき表面と接触している間、測定プローブ20は測定される値を記録し、これにより、測定された値に基づいて例えば3D部分の幾何形状が大きな精度で特定される。測定プローブがスイッチを入れられると、制御ユニットの迅速な入力が引き起こされ、機械の高精度の測定スケールが読み取られる。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.工作機械、特に主軸台に配置された少なくとも1つの砥石ヘッドを含む研削盤における機械加工中のインプロセス測定のための測定ユニット(10)であって、この測定ユニットは、静止位置と測定位置の間で移動可能な測定ヘッド(14)と、前記静止位置と前記測定位置の間で前記測定ヘッドを移動させるための手段と、制御ユニットとを含む、前記測定ユニットにおいて、
前記測定ヘッド(14)の前記静止位置及び前記測定位置が、該静止位置及び該測定位置の間の前記測定ヘッド(14)の移動を制御することで、ユーザによって無限に調整可能であることを特徴とする測定ユニット。
2.前記制御ユニットが、前記測定位置における前記測定ヘッド(14)の調整位置を入力するための入力ユニットを含んでいるとともに、前記測定ヘッド(14)の移動を制御するように適合されていることを特徴とする上記1.に記載の測定ユニット(10)。
3.前記測定ヘッドが、基準表面の基準データを決定するために、基準位置へ移動可能であることを特徴とする上記1.又は2.に記載の測定ユニット(10)。
4.前記測定ヘッド(14)を移動させるための手段がサーボモータ駆動部であることを特徴とする上記1.~3.のいずれか1つに記載の測定ユニット(10)。
5.当該測定ユニット(10)が、工作機械の一部に結合可能な基礎要素(12)と、アーム(16)と、前記測定ヘッド(14)に結合可能な支持部(18)とを含んでおり、前記基礎要素(12)、前記アーム(16)及び前記支持部(18)が異なる材料で構成されているとともに結合可能であることを特徴とする上記1.~4.のいずれか1つに記載の測定ユニット(10)。
6.前記基礎要素(12)が、機械加工プロセスによって、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されているとともに前記研削盤の前記主軸台に結合可能であることを特徴とする上記1.~5.のいずれか1つに記載の測定ユニット(10)。
7.前記アーム(16)が炭素繊維強化プラスチックで構成されていることを特徴とする上記1.~6.のいずれか1つに記載の測定ユニット(10)。
8.前記支持部(18)が、印刷法によって、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていることを特徴とする上記1.~7.のいずれか1つに記載の測定ユニット(10)。
9.当該測定ユニット(10)が、接着結合によって組み立てられていることを特徴とする上記1.~8.のいずれか1つに記載の測定ユニット(10)。
10.前記測定ヘッド(14)が、測定プローブ(20)を含んでいることを特徴とする上記1.~9.のいずれか1つに記載の測定ユニット(10)。
11.当該測定ユニット(10)が、ワークピースの真円度、寸法及び直径のうち1つを測定するために構成されていることを特徴とする上記1.~10.のいずれか1つに記載の測定ユニット(10)。
図1