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▶ メレクシス・テクノロジーズ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】冗長センサ欠陥検出
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/02 20060101AFI20230124BHJP
   G01R 35/00 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
G01R33/02 L
G01R33/02 Z
G01R35/00 M
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018177853
(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公開番号】P2019070641
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】17195636.0
(32)【優先日】2017-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516186407
【氏名又は名称】メレクシス・テクノロジーズ・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】MELEXIS TECHNOLOGIES SA
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ハビエル・ビルバオ・デ・メンディサバル
(72)【発明者】
【氏名】マチュー・ペザール
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-073063(JP,A)
【文献】特開平03-183975(JP,A)
【文献】特開2010-266457(JP,A)
【文献】特開2005-221383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/02
G01R 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールドセンサデバイスであって、
第1の座標系によって決定される測定値の第1の軸を有する第1のフィールドセンサであって、磁場ベクトルである外部フィールドに応答して、前記第1の座標系に従って第1のセンサ信号を生成する、第1のフィールドセンサと、
前記第1の座標系とは異なる第2の座標系によって決定される測定値の第2の軸を有する第2のフィールドセンサであって、前記外部フィールドに応答して、前記第2の座標系に従って第2のセンサ信号を生成する、第2のフィールドセンサと、
-コントローラであって、
a)前記第1および第2のセンサ信号を生成するように、磁場ベクトルである前記外部フィールドに応答して前記第1および第2のフィールドセンサを制御し、
b)前記第1もしくは第2のセンサ信号、または前記第1および第2のセンサ信号の両方を、前記第1の座標系、前記第2の座標系、または第3の座標系のいずれかである共通の座標系において比較可能な複数のセンサ信号に変換し、
c)もしあれば、前記共通の座標系において前記変換された複数のセンサ信号を比較して欠陥フィールドセンサを判定し、
d)欠陥フィールドセンサが判定される場合、欠陥センサ信号を提供し、または、欠陥フィールドセンサが判定されない場合、前記第1のセンサ信号、前記第2のセンサ信号、もしくは前記共通の座標系において比較可能な前記変換された複数のセンサ信号、またはそれらの任意の組み合わせに応答して出力センサ信号を提供する、ように構成された制御回路を有する、コントローラと、を備える、フィールドセンサデバイス。
【請求項2】
前記制御回路は、前記第1および第2のフィールドセンサのうちのどちらが欠陥であるかを判定するように構成されている、請求項1に記載のフィールドセンサデバイス。
【請求項3】
前記第1の座標系は、2次元または3次元において前記第2の座標系とは異なる、請求項1に記載のフィールドセンサデバイス。
【請求項4】
前記制御回路は、前記第1のセンサ信号、前記第2センサ信号、および前記共通の座標系において前記変換された複数のセンサ信号のいずれかのうちの1つ以上、または前記共通の座標系において比較可能な前記変換された複数のセンサ信号に対する前記第1のセンサ信号および/又は前記第2のセンサ信号の回転を示す回転マトリックスを記憶するための記憶回路を備える、請求項1に記載のフィールドセンサデバイス。
【請求項5】
前記第1または第2のフィールドセンサは、1つ以上のセンサ素子、または1つ以上の対のセンサ素子を備える、請求項1に記載のフィールドセンサデバイス。
【請求項6】
前記第1および第2のフィールドセンサは、基板材料を備えるデバイス基板上に配設され、前記第1および第2のフィールドセンサは、前記基板材料とは少なくとも部分的に異なる1つ以上のセンサ材料を備える、請求項1に記載のフィールドセンサデバイス。
【請求項7】
前記基板材料は、半導体であり、前記制御回路は、前記デバイス基板の前記半導体内にまたは前記半導体に少なくとも部分的に形成される、請求項に記載のフィールドセンサデバイス。
【請求項8】
前記制御回路は、前記基板材料とは少なくとも部分的に異なる制御回路材料を備え、前記制御回路は、前記デバイス基板上に配設されている、請求項に記載のフィールドセンサデバイス。
【請求項9】
前記制御回路は前記フィールドセンサ測定値のベクトル成分を使用して欠陥フィールドセンサを判定する回路を備える、請求項1に記載のフィールドセンサデバイス。
【請求項10】
フィールドセンサ診断方法であって、
a)磁場ベクトルである外部フィールドに応答して第1および第2のフィールドセンサを制御して、それぞれの第1および第2のセンサ信号を生成するステップであって、前記第1のセンサ信号が第1の座標系に従って決定されかつ前記第2のセンサ信号が前記第1の座標系とは異なる第2の座標系に従って決定されるステップと、
b)前記第1および第2のセンサ信号を受信するステップと、
c)前記第1もしくは第2のセンサ信号、または前記第1および第2のセンサ信号の両方を、前記第1の座標系、前記第2の座標系、または第3の座標系のいずれかである共通の座標系において比較可能な複数のセンサ信号に変換するステップと、
d)前記共通の座標系において変換された複数のセンサ信号を比較して、前記第1または第2のフィールドセンサが欠陥であるかどうかを判定するステップと、
e)欠陥フィールドセンサが判定される場合陥センサ信号を提供し、または、欠陥フィールドセンサが判定されない場合、前記第1のセンサ信号、前記第2のセンサ信号、もしくは前記共通の座標系において比較可能な前記変換された複数のセンサ信号、またはそれらの任意の組み合わせに応答して出力センサ信号を提供する、ステップと、を含む、方法。
【請求項11】
第1の時間に、前記ステップa)~d)を実行し、前記第1のセンサ信号前記第2のセンサ信号、または前記共通の座標系において比較可能な前記変換された複数のセンサ信号を記憶するステップと、
前記第1の時間とは異なる第2の時間に、前記ステップa)~d)を繰り返すステップと、
前記記憶された複数の信号のうちのいずれか1つ以上を、前記第2の時間の前記第1のセンサ信号前記第2のセンサ信号、または前記共通の座標系において比較可能な前記変換された複数のセンサ信号のうちのいずれか比較するステップと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
a)前記第2のフィールドセンサが欠陥である場合、前記第1のセンサ信号であるか、もしくは前記第1のセンサ信号から導出された出力センサ信号を提供するステップ、または
b)前記第1のフィールドセンサが欠陥である場合、前記第2のセンサ信号であるか、もしくは前記第2のセンサ信号から導出された出力センサ信号を提供するステップ、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のフィールドセンサまたは前記第2のフィールドセンサが欠陥であり、前記共通の座標系において比較可能な前記変換された複数のセンサ信号を比較することによって、前記第1のフィールドセンサまたは第2のフィールドセンサのうちのどちらが欠陥であるかを判定するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記共通の座標系において比較可能な前記変換された複数のセンサ信号を組み合わせて前記出力センサ信号を提供するステップ、または、前記第1および第2のセンサ信号から導出された信号を組み合わせて前記出力センサ信号を提供するステップ、を含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、フィールドセンサ欠陥検出構造、回路、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
センサは、環境の属性を測定し、測定されたセンサ値を報告するために、電子デバイスで広く使用されている。特に、磁気センサは、例えば自動車などの輸送システムにおいて、磁場を測定するために使用される。磁気センサは、印加された磁場に比例する出力電圧を発生するホール効果センサ、または外部磁場に応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗材料を組み込むことができる。多くの用途において、全体的なセンササイズを低減し、外部電子システムへの改善された測定および統合を提供するように、センサは小さく、かつ電子処理回路と統合されていることが望ましい。例えば、特許文献1は、絶縁層および接着層と共に、基板上の半導体材料に形成された集積回路を組み込んだ磁場を測定するためのホール効果磁気センサを記載している。
【0003】
センサからの測定値は、経時的にドリフトし得、同じフィールドにさらされたときでさえも異なる測定値を提供する。例えば、フィールド測定値は、所望の公称値からオフセットすることがあり、感度は、測定値が所望の値の倍数(1超もしくは1未満)、またはその両方になるように変動することがある。かかる変動は、環境条件、例えば、温度もしくは湿度、または振動もしくはエージングのような動作的要因の変化の結果であり得る。さらに、デバイスは、同様の理由から、経時的に故障し得る。さらに、センサが作製される材料は、センサの応答の精度、オフセットバイアス、または対称性に影響を及ぼす欠損を有し得る。
【0004】
したがって、自動車用システムなどの複雑で安全性が重視されるシステムでは、いかなる欠陥もしくは故障したセンサデバイスに対しても修理を行うことができ、または交換を提供することができるように、欠陥もしくは故障を検出する診断能力を含むことは重要である。例えば、特許文献2は、ホール効果センサシステム内の磁気ホール効果センサからの測定値を検証するための方法を記載している。このアプローチでは、ホール効果センサは、第1の値を有する励起電流で励起される。ホール効果センサが第1の値を有する励起電流で励起されているときのホール効果センサの電圧出力に対応する第1の測定値が得られる。加えて、ホール効果センサは、第2の値を有する励起電流で励起され、第2の値は、第1の値とは異なる。ホール効果センサが第2の値を有する励起電流で励起されているときのホール効果センサの電圧出力に対応する第2の測定値が得られる。次いで、ホール効果センサの動作は、少なくとも第1の測定値および第2の測定値に基づいて検証される。
【0005】
磁場センサの診断を管理するための別のアプローチは、特許文献3に記載されている。この設計は、エラー情報を提供する磁場センサに関連するスイッチを使用する。特に、磁場センサ、磁場センサと関連付けられた複数のスイッチ、および複数のスイッチを制御し、かつスイッチの動作に基づいて欠陥を示す少なくとも1つの信号を提供するように構成された制御回路を含むデバイスが提供されている。
【0006】
特許文献4は、4つの異なる方向における磁場成分を検出するための4つのホール素子対を有する回転角測定装置を記載し、回転磁石の位置を算出するために使用される。検出されたフィールド成分の角度は、比較され欠陥を判定する。この設計において、振幅計算ユニットは、第1のホール素子対および第2のホール素子対からの出力信号の強度に基づいて、回転磁石からの磁場強度を表す第1の振幅値Mを計算し、かつ第3のホール素子対および第4のホール素子対からの出力信号の強度に基づいて、回転磁石からの磁場強度を表す第2の振幅値Mcを計算する。したがって、振幅計算ユニットは、複数対のホール素子(すなわち、磁気センサ)からの出力信号に基づいて、複数個の振幅情報を計算し、出力信号は、複数個の回転角情報に対応し、欠陥は、複数個の回転角情報の比較によって判定され、いくつかのバージョンでは回転素子フィールドの強度との比較によって判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開2016/299200号明細書
【文献】国際公開2015/038564号パンフレット
【文献】米国特許出願公開2016/252599号明細書
【文献】米国特許第9,523,589号明細書
【文献】米国特許第8,749,005号明細書
【文献】米国特許第9,581,426号明細書
【文献】米国特許第7,664,619号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献5は、複数の多角形配列垂直ホール素子を有する磁場センサを記載している。特許文献6は、磁気感知面上に4つの磁電変換素子を有する磁場測定デバイスを開示している。特許文献7は、測定値を正常範囲と比較することによる回転角検出デバイス用の欠陥検出ユニットを説明し、そうでなければ欠陥と判定する。
【0009】
フィールドセンサは、誤ったフィールド測定値につながるセンサ材料またはデバイスにおける動作または構造的欠陥あるいは欠損に従うので、重要な動作条件下でセンサの欠陥を検出または訂正するためにセンサデバイスおよびシステムを動作させ、試験するセンサデバイスおよびシステムにおける回路および方法が必要とされている。
【0010】
センサ内のエラーを検出することができるフィールドセンサデバイスを提供することが、本発明の実施形態の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、本発明による解決策によって達成される。
【0012】
本発明の実施形態は、第1の配向に配設された第1のフィールドセンサと、外部フィールドに応答して、第1のセンサ信号を生成する第1のフィールドセンサと、第1の配向とは異なる第2の配向に配設された第2のフィールドセンサと、外部フィールドに応答して、第2のセンサ信号を生成する第2のフィールドセンサと、対応する第1および第2のセンサ信号を生成するように第1および第2のフィールドセンサを制御し、第1および第2のセンサ信号を受信し、第1もしくは第2のセンサ信号、またはその両方を、共通の配向の等価な同等のセンサ信号に変換し、もしあれば、同等のセンサ信号を比較して欠陥フィールドセンサを判定し、欠陥フィールドセンサが判定される場合、任意選択的に欠陥のあるセンサ信号を提供して、第1および第2のフィールドセンサのうちのどちらが欠陥であるかを判定し、または欠陥センサが判定されない場合、第1、第2、もしくは同等のセンサ信号に応答して、出力センサ信号を提供する、制御回路を有するコントローラと、を備える、フィールドセンサデバイスを提供する。
【0013】
本発明の実施形態によれば、フィールドは、大きさおよび方向を有する環境属性または特性であり、例えばベクトルフィールドである。様々な実施形態において、フィールドは、磁場、圧力場、電場、あるいは重力場であることができ、フィールドセンサは、磁場センサ、圧力場センサ、電場センサ、あるいは重力場センサであることができる。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の配向は、2つの直交する次元において第2の配向と異なる。本発明の他の実施形態では、第1の配向は、3つの直交する次元において第2の配向とは異なる。第1および第2の配向は、対応する第1および第2の座標系、方向または次元とすることができる。センサの配向は、センサによって提供される測定軸によって判定される。第1のセンサが第2のセンサの測定軸と同一線上でない測定軸を有する場合、第1および第2のセンサは、少なくとも測定軸によって定義された次元において異なる配向を有する。
【0015】
いくつかの構成において、制御回路は、第1のセンサ信号、第2のセンサ号、および任意の同等のセンサ信号のいずれか1つ以上を記憶するための記憶回路を含む。いくつかの構成において、制御回路は、第1のセンサ信号および第2のセンサ信号のいずれかまたは両方を異なる配向または座標系に変換するための変換回路(例えば、記憶されたソフトウェアプログラムを有するコンピュータ)を含む。いくつかの構成において、制御回路は、第1のセンサ信号、第2のセンサ信号、および任意の同等のセンサ信号のいずれか1つ以上を比較する比較回路を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1または第2のフィールドセンサは、1つ以上のセンサ素子、対のセンサ素子を備える角度フィールドセンサであり、または座標系に対するフィールドベクトルの角度を測定することができる複数のセンサ素子を有するブリッジセンサである。各センサ素子または対のセンサ素子は、特定の方向におけるフィールドベクトルを測定することができ、共通角度フィールドセンサ内のセンサ素子または対のセンサセンサ素子は、異なる方向におけるフィールドを測定するために直交に配置することができ、こうして座標系に対する角度測定値を提供する。例えば、第1の角度フィールドセンサは、方向および大きさを有するフィールドを測定し、第1の座標系に従って、2つの成分、例えば、Bx、Byを有する角度センサ測定値を提供することができる。第2の角度フィールドセンサは、同じフィールドを測定し、第1の座標系とは異なる第2の座標系に従って、2つの成分、例えば、Bx’、By’を有する角度センサ測定値を提供することができる。異なる座標系で採取された2つの測定値は、それらを共通の、同等の座標系に変換することによって、例えば、Bx’およびBy’測定値を第1の座標系に変換することによって、BxおよびBy測定値を第2の座標系に変換することによって、もしくはBxおよびBy測定値ならびにBx’およびBy’測定値の両方を第3の、共通座標系に変換することによって、比較することができる。
【0017】
いくつかの構成では、第1および第2のフィールドセンサは、基板材料を含むデバイス基板上に配設され、第1または第2のフィールドセンサは、基板材料とは少なくとも部分的に異なる1つ以上のセンサ材料を含む。基板材料は、半導体であってもよく、制御回路は、半導体基板内または半導体基板上に少なくとも部分的に形成することができる。制御回路は、基板材料と少なくとも部分的に異なる制御回路材料を含むことができ、制御回路は基板上に配設することができる。
【0018】
本発明の実施形態による故障したフィールドセンサデバイスを診断する方法は、フィールドセンサデバイスを提供することと、フィールドセンサデバイスに電力を供給することと、制御回路を使用して、第1および第2のフィールドセンサを制御して、それぞれの第1および第2のセンサ信号を生成することと、制御回路を使用して、第1および第2のセンサ信号を受信することと、制御回路を使用して、第1または第2のセンサ信号、またはその両方を、共通の配向の等価な同等のセンサ信号に変換することと、制御回路を使用して、同等のセンサ信号を比較し、第1または第2のフィールドセンサが欠陥であるかどうかを判定することと、欠陥フィールドセンサが判定される場合、制御回路を使用して、同等のセンサ信号に応答して、欠陥センサ信号を提供し、任意選択で、第1および第2フィールドセンサのどちらが欠陥であるかを判定し、または、欠陥フィールドセンサが判定されない場合、制御回路を使用して、第1、第2、もしくは同等のセンサ信号に応答して出力センサ信号を提供することと、を含む。第2のフィールドセンサが欠陥である場合、第1のセンサ信号であるか、または第1のセンサ信号から導出される出力センサ信号を提供することができる。第1のフィールドセンサが欠陥である場合、第2のセンサ信号であるか、または第2のセンサ信号から導出される出力センサ信号を提供することができる。したがって、本発明のフィールドセンサデバイスは、故障したフィールドセンサを識別し、残りの他のフィールドセンサからのセンサ信号を使用することによって、フィールドセンサの1つが故障した場合でも動作を継続することができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1のセンサまたは第2のセンサは、2つ以上のセンサ素子を備え、第1または第2のセンサのうちの1つが欠陥である場合、2つ以上のセンサ素子のうちのどちらが欠陥であるかは、第1および第2のセンサの異なる測定値を比較し、かつ分類することによって判定し、ここで第1のセンサはxおよびy次元のフィールドを測定し、第2のセンサはx、y次元とは異なるx’およびy’次元のフィールドを測定する。測定値が第1の座標系に変換され、差がx方向にある場合、第1のセンサのxセンサ素子が欠陥である。差がy方向にある場合、第1のセンサのyセンサ素子が欠陥である。差がx’方向にある場合、第2のセンサのx’センサ素子が欠陥である。差がy’方向にある場合、第2のセンサのy’センサ素子が欠陥である。差は、例えば製造変動性による小さな差が欠陥であるとはみなされないように、所定の大きさ閾値、許容誤差、またはマージンを超えるときに判定され得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、ステップは、第1の時間で繰り返され、第1、第2、もしくは任意の同等のセンサ信号が記憶される。ステップは、第1の時間とは異なる第2の時間で繰り返され、任意の1つ以上の記憶された信号、および第2の時間の第1、第2、もしくは同等のセンサ信号のうちのいずれか1つが比較され、処理され、または組み合わされる。他の実施形態では、同等のセンサ信号または第1および第2のセンサ信号から導出された信号を組み合わせて、出力センサ信号を提供する。本発明の様々な実施形態において、センサは、磁気ホール効果センサまたは磁気抵抗性センサである。センサは、ブリッジセンサとすることができ、複数のセンサ素子を組み込むことができ、または1つ以上の対のセンサ素子を組み込むことができる。対のセンサ素子は、フィールドセンサ内で異なる方向または次元に配向させることができる。
【0021】
本発明の実施形態は、より小型でより安価な回路を使用してセンサまたはセンサ材料の欠陥または微細欠損を、補償または検出することができる改善された診断能力を有するセンサデバイスを提供する。欠陥は、断線、高抵抗接続、短絡、または材料の欠陥を含み得るが、これらに限定されない。検出は、センサ回路が動作しているのと同時に起こり得る。
【0022】
本発明と、先行技術を超えて達成される利点とを要約する目的で、本発明の特定の目的および利点を上で説明した。当然ながら、そのような目的または利点のすべてが、必ずしも本発明の特定の実施形態に従って達成されるわけではないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者であれば、本明細書で教示または示唆されているような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示された利点または利点群を達成または最適化する様態で、本発明を具現化または実行できることを認識するであろう。
【0023】
本発明の上記および他の態様は、以下に記載される実施形態(複数可)を参照して、明らかとなり、かつ解明されるであろう。
【0024】
本開示の前述ならびに他の目的、態様、特徴、および利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、より明らかになり、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の例示的な実施形態の斜視図である。
図2】本発明の他の例示的な実施形態の斜視図である。
図3】本発明の別の例示的な実施形態の斜視図である。
図4】本発明の代替の実施形態の斜視図である。
図5A】本発明の実施形態による、第1の座標系を図示する。
図5B】本発明の実施形態による、第2の座標系を図示する。
図5C】本発明の実施形態による、第3の座標系を図示する。
図6】本発明の例示的な実施形態による、コントローラの斜視図である。
図7】本発明の例示的な実施形態による、方法のフローチャートである。
図8】本発明の例示的な実施形態による、座標系におけるセンサ素子の概略図である。
図9】本発明の例示的な実施形態による、2つの異なる座標系におけるセンサ素子を有するフィールドセンサの概略図である。
図10】本発明の例示的な実施形態による、2つの異なる座標系におけるフィールドベクトルのグラフィック図である。
図11】本発明の例示的な実施形態による、2つの異なる座標系におけるフィールドベクトルのグラフィック図である。
図12】本発明の例示的な実施形態による、x座標測定値にエラーを有するフィールドベクトルのグラフィック図である。
図13】本発明の例示的な実施形態による、y座標測定値にエラーを有するフィールドベクトルのグラフィック図である。
図14A】本発明の例示的な実施形態による、回転したx’座標測定値にエラーを有するフィールドベクトルのグラフィック図である。
図14B】x、y座標系における図14Aの測定されたフィールドベクトルのグラフィック図である。
図15A】本発明の例示的な実施形態による、回転したy’座標測定値にエラーを有するフィールドベクトルのグラフィック図である。
図15B】x、y座標系における図15Aの測定されたフィールドベクトルのグラフィック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、特定の実施形態に関して、かつ特定の図面を参照して説明されるが、本発明は、それらに限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。本開示の特徴および利点は、同様の参照符号が、全体を通して対応する要素を識別する図面と併せて取られるとき、以下に述べる詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、同様の参照番号は、概して、同一の、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。図面は、図中の様々な要素のサイズの変度が一定比率で描写するには大きすぎるので、縮尺通りに描かれていない。
【0027】
さらに、説明および特許請求の範囲における第1、第2などの用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも時間的にも、空間的にも、順位つけで、またはその他の方法でシーケンスを記述するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であること、および本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明または例証される以外のシーケンスでの動作が可能であることを理解されたい。
【0028】
特許請求の範囲で使用される「備える(comprising)」という用語は、その後に列挙される手段に限定されると解釈されるべきではなく、他の要素またはステップを除外するものではないことに留意されたい。したがって、参照される述べられた特徴、整数、ステップ、もしくは構成要素の存在を指定すると解釈されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、もしくは構成要素、またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。このため、「手段AおよびBを備えるデバイス」という表現の範囲は、構成要素AおよびBのみからなるデバイスに限定されるべきではない。これは、本発明に関して、ただデバイスの関連する構成要素が、AおよびBであることを意味する。
【0029】
本明細書を通して、「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、本明細書を通して様々な場所における「一実施形態では」または「ある実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照するわけではないが、そのような場合もある。さらに、特定の特徴、構造または特性は、本開示から当業者にとって明らかであるように、1つ以上の実施形態において任意の適切な様態で組み合わせることができる。
【0030】
同様に、本発明の例示的な実施形態の説明において、本発明の様々な特徴は、本開示を合理化し、様々な発明的態様のうちの1つ以上の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図、またはその説明でまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、特許請求される発明が、各請求項に明示的に列挙されるよりも多い特徴が必要であるという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、単一のその前に開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない。このため、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、この詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態としてそれ自体で成立する。
【0031】
さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、他の特徴を含まず、異なる実施形態の特徴の組み合わせが本発明の範囲内であることを意味し、当業者に理解されるように、異なる実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、特許請求される実施形態のいずれも、任意の組み合わせで使用することができる。
【0032】
本発明の特定の特徴または態様を説明するときに特定の用語を使用することは、その用語が関連付けられている本発明の特徴または態様の任意の特定の特性を含むよう限定されるように用語が再定義されていることを意味するととらえられるべきではないことに留意すべきである。
【0033】
本明細書にて提供される説明には、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、発明の実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが理解される。他の事例において、周知の方法、構造、および技法は、この説明の理解を不明瞭にしないために詳細に示されていない。
【0034】
本発明の実施形態は、より小型でより安価な回路を使用して改善された診断能力を有するセンサデバイスを提供し、センサ材料の欠陥または微細欠損あるいはセンサデバイスが動作している間のセンサへの損傷を補償、検出、または診断することができる。かかる欠損は、センサを作製するために使用される材料に固有であり得るか、または使用の結果として、またはセンサ上の機械的もしくは他の環境ストレスに応答して、経時的に形成され得る。本発明の様々な実施形態において、センサは、方向および大きさを含むベクトルを有するフィールド、例えば、磁場、電場、圧力場、または重力場を検出することができる。
【0035】
図1および図2を参照すると、本発明の実施形態において,フィールドセンサデバイス99は、第1の配向に配設されて外部フィールドに応答して、第1のセンサ信号を生成する第1のフィールドセンサ20Aと、第1の配向とは異なる第2の配向に配設されて外部フィールドに応答して、第2のセンサ信号を生成する第2のフィールドセンサ20Bとを備える。第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、フィールドセンサ20と総称される。コントローラ30は、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bを制御して対応する第1および第2のセンサ信号を生成し、第1および第2のセンサ信号を受信し、第1もしくは第2のセンサ信号、あるいはその両方を、共通の配向または座標系の等価な同等のセンサ信号に変換し、同等のセンサ信号を比較して、第1または第2のフィールドセンサ20A、20Bが欠陥であるかどうかを判定し、欠陥フィールドセンサ20が判定される場合、欠陥センサ信号42を提供し、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bのうちのどちらが欠陥であるかを任意選択的に判定する、制御回路32を備える。欠陥フィールドセンサ20が判定されない場合、コントローラ30は、感知されたフィールドの属性を示す第1、第2、もしくは同等のセンサ信号に応答して、出力センサ信号40を提供する。様々な実施形態において、フィールドは磁場、電場、圧力場、または重力場であり、センサ20は、磁場センサ、電場センサ、圧力場センサ、または重力場センサである。第1および第2の配向は、対応する第1および第2の座標系、方向または次元、例えばそれぞれがx、y、またはz直交次元を有するものとして記述することもできる。本発明の他の実施形態では、2つ以上のフィールドセンサ20が、フィールドセンサデバイス99を構成する。
【0036】
従来、複数のセンサによる共通フィールドの測定値間の比較は、測定値が異なるときにセンサのうちの1つの欠陥を示すことができる。しかしながら、本発明の実施形態によれば、第1および第2のフィールドセンサ20は、それらの測定軸のうちの少なくともいくつかが同一線上でなく、したがってフィールドセンサ20が異なる座標系において冗長なフィールド測定値を提供するように異なる配向を有する。したがって、共通座標系における冗長フィールド測定値の比較は、第1または第2のフィールドセンサ20のエラーまたは欠陥を示すだけではなく、どのフィールドセンサ20が欠陥であるかを示すことができ、フィールドセンサ20の追加の試験およびチェックを提供する。さらに、故障したフィールドセンサ20を識別することによって、フィールドセンサデバイス99は、他のフィールドセンサ20からの感知信号を使用することによって動作を継続することができ、故障を検出することができるが、故障を識別することができないか、または特定のフィールドセンサと関連付けることができないために、動作を継続することができないセンサシステムとは対照的である。2つより多いフィールドセンサ20を備えるさらなる実施形態では、2つを超えるセンサ信号を共通の配向に変換することができ、2つを超える同等の信号を比較して欠陥フィールドセンサ20を判定することができる。
【0037】
第1のフィールドセンサ20A、第2のフィールドセンサ20B、およびコントローラ30は、デバイス基板10上に配設され、ワイヤ12などの電導体で電気的に接続することができ、電力、接地および制御信号をフィールドセンサデバイス99と通信することができる単一ワイヤ12または複数のワイヤを備えるバス、コントローラ30、第1のフィールドセンサ20A、または第2のフィールドセンサ20Bを含むことができる。フィールドセンサ20は、ホール効果フィールドセンサまたは磁気抵抗センサであってよく、化合物半導体材料を含むことができる。代替的に、フィールドセンサ20は、電場センサ、圧力場センサ、または重力場センサであって、例えば、マイクロ電気機械システム(MEMS)デバイスを組み込むことができる。
【0038】
第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、図1およびに示されるように、共通の平面内にまたは共通表面上に配設することができ、第1のフィールドセンサ20Aが第2のフィールドセンサ20Bに対して回転している場合、第1のフィールドセンサ20Aは、2つの配向(2つの次元または2つの方向、x、y)において、第2のフィールドセンサ20B(x’、y’)から異なり、第1および第2フィールドセンサ20に対して異なる座標系を画定する。垂直z次元のみが同じ方向を有する。図2に示されるように、第2のフィールドセンサ20Bは、第1のフィールドセンサ20Aが配設された面に対して約45度の傾斜面に配設され、第1のフィールドセンサ20Aに対して45度回転している。したがって、図2に示すように、第1のフィールドセンサ20Aはまた、z次元において第2のフィールドセンサ20Bから回転しており、そのため第1のフィールドセンサ20Aは、3つの配向(3次元または方向、x、y、z)において第2のフィールドセンサ20B(x’、y’、z’)とは異なる。
【0039】
コントローラ30は、ディスクリートまたは集積回路とすることができ、またはディスクリートおよび集積部品の両方を含むことができ、回路32は、アナログ、デジタル、またはミックスドシグナル回路とすることができる。ワイヤ12は、任意のパターン化された電導体、例えば、金属、金属合金、導電性金属酸化物、または導電性ポリマーとすることができる。デバイス基板10は、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bが配設され、電気的に接続され得る、1つ以上の表面を有する任意の基板であることができる。コントローラ30もまた、基板10の表面上に配設されてもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。
【0040】
フィールドセンサデバイス99は、ワイヤ12を介してコントローラ30に電気的に接続されたデバイス基板10上に形成された電気的コンタクトパッド14を介して外部システムに電気的に接続することができる。図1および図2は、デバイス基板10上に配設されたコントローラ30を図示しているが、本発明の他の実施形態では、コントローラ30は、デバイス基板10とは別個の基板または構造体(例えば、印刷回路基板)上に設けられる。同様に、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、異なる基板、表面、またはデバイス上に配設することができる。
【0041】
図3を参照すると、いくつかの実施形態において、デバイス基板10は、コントローラ30の少なくとも一部分を備える半導体基板であるか、またはそれを備え、制御回路32は、半導体基板内または半導体基板上に形成される。別の実施形態では、図1および2に示すように、コントローラ30は、デバイス基板10上に配設された集積回路であり、デバイス基板10は、誘電体であるか、または誘電層もしくは表面を有する。したがって、デバイス基板10は、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bの材料とは少なくとも部分的に異なり、かつ制御回路32の材料とは少なくとも部分的に異なる基板材料を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、化合物半導体を備え、コントローラ30は、シリコン半導体を備え、基板材料は、誘電体を備える(図1および図2)。別の実施形態において、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、化合物半導体を備え、デバイス基板10の材料は、シリコン半導体を備え、制御回路32は、シリコン半導体内またはシリコン半導体の一部として形成される(図3)。
【0042】
図4を参照すると、デバイス基板10は、システム基板16、例えば別のデバイスまたはシステムのシステム基板16の上に実装することができる。デバイス基板10、コントローラ30、第1のフィールドセンサ20Aまたは第2のフィールドセンサ20Bのうちのいずれか1つは、マイクロ転写印刷部品であってもよく、破砕、破壊、または分離テザーを備えることができる。コントローラ30、第1のフィールドセンサ20A、または第2のフィールドセンサ20Bは、集積回路またはベアダイであってもよく、かつデバイス基板10上にマイクロ転写印刷することができ、デバイス基板10は、システム基板16上にマイクロ転写印刷することができる。
【0043】
本発明の実施形態では、第1の配向は、1次元において、図1に示すように2次元において、あるいは図2に示すように3次元において、第2の配向とは異なる。いくつかの実施形態では、各配向における次元は直交であり、他の実施形態では、次元は直交ではない。例えば、図5Aは、1つの配向または座標系における3つの直交次元(x、y、z)を図示し、図5Bは、x’およびy’次元が図5Aの配向に対して45度回転するが、z次元は同じ配向を有する別の配向または座標系における3つの直交次元(x’、y’、z)を図示し、そのため図5Bの配向は、図5Aの配向とは2次元で異なる。
【0044】
図5Cは、x、y、およびzの次元がすべて図5Aに対して45度回転しているさらに別の配向または座標系における3つの直交する次元(x’、y’、z’)を図示し、そのため図5Cの配向は、図5Aの配向とは3次元で異なる。図1に図示された第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、図5Aおよび5Bの異なる配向に対応する異なる第1および第2の配向を有する。図2に図示された第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、図5Aおよび5Cの異なる配向に対応する異なる第1および第2の配向を有する。
【0045】
図6を参照すると、制御回路32は、第1のセンサ信号、第2のセンサ信号、および任意の変換された、もしくは同等のセンサ信号のいずれか1つ以上を記憶するための記憶回路34、第1または第2のセンサ信号を同等のセンサ信号に変換する変換回路36、および第1のセンサ信号、第2のセンサ信号、および任意の同等のセンサ信号のいずれか1つ以上、または所定の許容誤差、マージンまたは閾値を比較するための比較回路38を含む。回路は、例えば、アナログ回路またはデジタル回路のシリコン回路、例えばCMOS回路であってもよい。
【0046】
図7を参照すると、本発明の実施形態に従って、フィールドセンサ診断方法は、ステップ100でフィールドセンサデバイス99を提供することと、ステップ110でフィールドセンサデバイス99を動作させるために、フィールドセンサデバイス99に電力を提供することと、を含む。ステップ120で、制御回路32を使用して、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bを制御し、第1および第2のセンサ信号を生成し、それぞれの第1および第2のセンサ信号を受信する。ステップ130で、制御回路32を使用して、受信した第1または第2のセンサ信号、もしくはそれらの両方を、共通の配向または座標系における等価な同等のセンサ信号に変換し、ステップ140でそれらを比較する。次いで、制御回路32は、第1のフィールドセンサ20Aまたは第2のフィールドセンサ20Bのうちのどちらかが欠陥である場合、ステップ150において判定する。フィールドセンサ20が欠陥である場合(ステップ160で試験して)、制御回路32を使用して、同等のセンサ信号に応答して、欠陥センサ信号42を提供し(ステップ180)、任意選択で、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bのうちのどちらが欠陥であるかを判定する(ステップ190)。フィールドセンサ20が欠陥でない場合(ステップ160で試験して)、制御回路32を使用して、ステップ170で、第1、第2、もしくは同等のセンサ信号に応答して、またはそれらから導出された出力センサ信号を提供する。一実施形態において、出力センサ信号40は、同等のセンサ信号40または第1および第2のセンサ信号から導出された信号の組み合わせ、例えば平均であり、このため、変動性を低減し、出力センサ信号40(図1、2)の精度および一貫性を改善する。
【0047】
ステップ120~150は、異なる時間に繰り返し実行され得、第1および第2のセンサ信号は、記憶回路34に記憶され、時間をかけて平均化するか、または他の方法で組み合わせて、第1および第2のセンサ信号の信号対雑音比を改善することができる。代替的に、変換された同等のセンサ信号を記憶回路34に記憶し、時間をかけて平均化するか、他の方法で組み合わせて、同等のセンサの信号対雑音比を改善することができる。
【0048】
本発明のいくつかの方法では、第2のフィールドセンサ20Bが欠陥である場合、第1のセンサ信号である、もしくは第1のセンサ信号から導出された、出力センサ信号40(図1、2)が、フィールドセンサデバイス99が継続して動作することができるように、ステップ180で提供される。第1のフィールドセンサ20Aが欠陥である場合、第2のセンサ信号である、もしくは第2のセンサ信号から導出された、出力センサ信号40(図1、2)が、フィールドセンサデバイス99が継続して動作することができるように、ステップ180で提供される。こうして、故障したフィールドセンサ20を特定することによって、フィールドセンサデバイス99は、他のフィールドセンサ20からの感知信号を使用することによって動作を継続することができ、故障を検出することができるが、既知の良好なフィールドセンサ信号を特定することができないために、動作を継続することができないセンサシステムとは対照的である。
【0049】
フィールドセンサ20は、センサ素子22とすることができ、あるいは単一のセンサ素子22または複数のセンサ素子22を含むことができる。図8を参照すると、本発明の実施形態において、第1のフィールセンサ20Aまたは第2のフィールドセンサ20Bは、1つ以上のセンサ素子22または1つ以上の対のセンサ素子22、例えば一対のホール効果センサ素子22を備えることができる。図8に示すように、フィールドセンサ20は、2つの直交する対の方向に対応する2つの直交する次元のそれぞれにおいて測定値を提供するために、2つの直交する対(A、CおよびB、D)に配置された4つのセンサ素子22を備える。一方向の各対のセンサ素子22は、その方向のフィールドの測定値を提供することができる.したがって、本発明の一実施形態において、第1または第2のフィールドセンサ20A、20Bのいずれかは、第1の次元または方向のフィールドの大きさを検出するように配置された2つのセンサ素子22と、第1の次元または方向とは異なる第2の次元または方向のフィールドの大きさを検出するように配置された2つのセンサ素子22とを含む。いくつかの実施形態において、第1および第2の次元は直交する次元である。
【0050】
図9を参照すると、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、2つの次元において第1の配向が第2の配向と異なるように、共通の平面内で45度回転させて配置され、図1、3、4、5Aかつ5B、および8の図示にも対応する。本発明の構成において、異なる座標系の軸間の相関は、デカルト座標系において45度で最大化される。他の実施形態では、他の座標系、例えば、円筒座標系、極座標系、または球面座標系が使用される。概して、測定値は、実際のフィールドを座標系に投影したものである。一実施形態において、本発明の方法は、ステップ190(図7)において、2つ以上のフィールドセンサ20のどちらが欠陥であるかを判定することを含む。
【0051】
本発明の一実施形態において、図1図4に示すように、第1および第20のフィールドセンサ20A、20Bは、互いに空間的にオフセットしている。本発明の別の実施形態において、図9に示すように、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、互いに空間的に重なっている。本発明のさらなる実施形態において、図9にまた示すように、空間的に重なる第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、共通の中心を有する。第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、本発明のフィールドセンサデバイス99内の共通構造体またはデバイス内に提供され得る。
【0052】
フィールドセンサ20は、ホール効果センサなどの磁気センサ、極磁気抵抗センサ(XMR)、異常磁気抵抗センサ(EMR)、ジャイアント磁気抵抗センサGMR、トンネル磁気抵抗センサ(MTR)、巨大磁気抵抗センサ(CMR)、または異方性磁気抵抗センサ(AMR)などの磁気抵抗センサとすることができる。
【0053】
フィールドセンサデバイス99内の素子のいずれかは、アナログデジタル変換器を含むアナログ部品であってもよく、またはデジタル部品であってもよい。回路は、メモリに記憶されたプログラム、記憶されたプログラムマシン、状態マシンなどを備えたCPUを含み得る。同様に、本発明の様々な実施形態において、第1および第2のフィールドセンサ20A、20B、およびコントローラ30の各々は、ディスクリート回路部品の組み合わせまたは集積回路で実施することができ、または共通回路あるいは共通集積回路へ統合することができる。いくつかの実施形態では、第1または第2のフィールドセンサ20A、20B、または制御回路32は、回路構成要素またはパッケージを共有する。
【0054】
第1および第2のフィールドセンサ20A、20B、または制御回路32は、電子回路、デジタルロジック回路、アナログ回路、またはミックスドシグナル回路あるいは回路タイプおよび電子デバイスの組み合わせを含むことができる。これらの回路の一部またはすべては、1つ以上の回路、共通回路、1つ以上の集積回路あるいはパッケージ、または共通集積回路あるいはパッケージで提供することができる。フィールドセンサデバイス99の様々な構成要素は、例えば、ワイヤ12で電気的に接続された、電子回路、集積回路、またはディスクリート電子デバイスで提供され得る。
【0055】
様々な構成要素のうちのいずれか1つまたはすべては、印刷回路基板上または半導体基板上に配設することができ、または様々な構成要素のいずれか1つまたはすべては、半導体基板内または半導体基板上の回路として、あるいは半導体基板上に提供され集積回路と半導体基板内または半導体基板上に形成された回路との組み合わせとして集積することができる。様々な構成要素のうちのいずれか1つまたはすべては、パッケージ化された集積回路内に、あるいは半導体基板または他の基板上に設置された、もしくはマイクロ転写印刷されたベアダイ内に提供することができる。ワイヤ12は、様々な構成要素、集積回路ダイ、または半導体基板上に集積化された回路を接続するために、フォトリソグラフィ方法および材料を使用して提供することができる。
【0056】
第1または第2のフィールドセンサ20A、20Bの各々は、ホール効果センサまたは磁気抵抗センサなどの任意の様々な磁気センサであってもよく、例えば、ピックアンドプレース、表面実装、または印刷技術を使用することによって、ガラス、セラミック、ポリマー、または半導体基板などのセンサデバイス基板上に実装された、例えば、集積回路、ディスクリート素子、または別個の集積回路部品(ベアダイ等)として提供することができる。コントローラ30のようなフィールドセンサデバイス99の1つ以上の集積回路部品または素子は、マイクロ転写印刷によって堆積され、電気的に接続されたベアダイとして第1または第2のフィールドセンサ20A、20B上に配設され得る。代替的に、第1または第2のフィールドセンサ20A、20Bは、マイクロ転写印刷によって堆積され、電気的に接続されたベアダイとしてコントローラ30上に配設され得る。制御回路32は、半導体基板内でフォトリソグラフィ的に画定された回路として提供され得、第1または第2のフィールドセンサ20A、20Bは、ベアダイとして半導体基板上に配置され、フォトリソグラフィプロセスおよび材料を使用して制御回路32に電気的に接続することができる。
【0057】
図10を参照すると、任意かつ例示的なフィールドベクトルBが、第1の配向(第1の座標系)に関して図示されており、図11を参照すると、同じフィールドベクトルBが、第2の配向(第2の座標系)に関して図示されている。フィールドベクトルBは、両方のケース(図10および11)において同一であるため、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bによって測定された第1および第2のセンサ信号ベクトルは、等価であるが、直接同等ではない(すなわち、測定軸の各々におけるフィールドベクトルの大きさ値は、第1および第2の配向に対して異なる)。しかしながら、第2のフィールドセンサ20Bに対する第1のフィールドセンサ20Aの相対的な配設は、フィールドセンサデバイス99が構築されるときに既定され得る(基板10の表面上に配設されている、図1)ので、第1のセンサ信号は、第1の配向(第1の座標系)から第2の配向(第2の座標系)に変換する(変形する)ことができ、フィールドベクトルの大きさは直接比較され得る。代替的に、第2のセンサ信号は、第2の配向(第2の座標系)から第1の配向(第1の座標系)に変換する(変形する)ことができ、フィールドベクトルの大きさは直接比較され得る。さらに他の実施形態において、第1のセンサ信号は、第1および第2の配向(第1および第2の座標系)とは異なる第3の配向(第3の座標系)に変換され得、2つの変換されたフィールドセンサ信号のフィールドベクトルの大きさを直接比較することができるように、第2のセンサ信号も同様に第3の配向(第3座標系)に変換され得る。2つのセンサ信号が、共通の配向(共通座標系)に変換されるとき、それらは同等の信号である。この動作は、回転マトリックスによるマトリックス変換として行うことができる。センサ欠陥を検出するために必要とされないが、欠陥センサが特定される実施形態において、測定軸は、別の座標系に投影されるとき、欠陥が位置する軸座標間の変換マトリックス内に非対角サブマトリックス係数を有する。
【0058】
図9に図示された例(図1、5A、および5Bに対応する)では、第1および第2の配向は、デバイス基板10(図1)の表面に平行なx、y平面において、角度θ(45°)だけ異なり、z方向(第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bが配設された共通平面に直交)において同一であり、そのため、図9の例の第1および第2の配向(座標系)は、2つの次元または方向において異なる。
【0059】
第1の座標系において測定されたフィールドベクトルは、値BxおよびByを有し、第2の座標系において測定された同じベクトルは、値Bx’およびBy’を有し得る。2つの配向の間に既知の角度θが与えられると、x’およびy’ベクトルは、x’=xcos(θ)+ysin(θ)およびy’=ycos(θ)-xsin(θ)で計算され得る。逆計算は、x=x’cos(θ)-y’sin(θ)、およびy=y’cos(θ)+x’sin(θ)である。任意の第3の配向への変換が、同様に計算され得る。
【0060】
図1および9の例のような、θ=45°の簡単な例では、sin(θ)=cos(θ)=1/(21/2)=k≒0.707。第1の座標系から第2の座標系に変換する単純化された方程式は、
x’=k(x+y)、y’=k(y-x)
第2の座標系から前記第1の座標系に変換する方程式は、
x=k(x’-y’)、y=k(y’+x’)。
【0061】
任意の物理的実施において、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bは、必ずしも同一ではなく、所定の許容誤差内で、それらの間の精度かつ正確さおよび許容可能な差に制限を有することができる。異なる次元において45°異なる配向を使用することは、異なる次元においてより大きな大きさの差を提供し、それにより異なる次元の各々における欠陥を検出する能力を改善するが、他の角度も使用され得る。
【0062】
第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bからの測定値が欠陥であるかどうかを判定するために、所定の測定値許容誤差マージンを設けることができる。所定の測定値許容誤差マージンは、各次元(Bx、By)において、あるいは単一の正味フィールド測定値(Be)を特定する組み合わせとして指定することができる。第1および第2のセンサ信号を同じ座標系に変換することによって導出された同等のセンサ信号が、所望の許容誤差マージンを超えて異ならない場合、同等のセンサ信号を組み合わせて出力センサ信号40として提供することができる。同等のセンサ信号が、所望の許容誤差マージンを超えて異なる場合、第1または第2のフィールドセンサ20A、20Bのうちの1つが欠陥であると見なされる。
【0063】
例示として、任意のフィールドベクトルBが図12に図示されており、y次元の長さの2倍の長さをx次元で有し、長さは対応する次元におけるフィールド強度を表す。第1の配向の第1のフィールドセンサ20Aと、直交次元x、yを有する第1の座標系と、第2の配向の第2のフィールドセンサ20Bと、第1の配向からθ=-45度回転した直交次元x’、y’を有する第2の座標系が与えられており(図1および図9)、第1のフィールドセンサ20Aのx次元センサにのエラーは、第1の座標系においてx次元においてのみ正しいフィールドBとは異なる誤ったフィールド測定値Beをもたらしている。図13を参照すると、第1のフィールドセンサ20Aのy次元センサのエラーは、第1の座標系においてy次元においてのみ正しいフィールドBのみとは異なる誤ったフィールド測定値Beをもたらしている。
【0064】
図14Aを参照すると、第2のフィールドセンサ20Bのx’次元センサのエラーは、第2の座標系においてx’次元においてのみ、正しいフィールドBとは異なる誤ったフィールド測定値Beをもたらしている。第1の座標系に変換されるとき(図14B)、誤ったフィールド測定値Beは、第2の座標系におけるx’次元の方向に対応する第1の座標系における方向で、正しいフィールドBとは異なる(図14Bに実線の矢印で示されている)。図15Aを参照すると、第2のフィールドセンサ20Bのy’次元センサのエラーは、第2の座標系においてy’次元においてのみ、正しいフィールドBとは異なる誤ったフィールド測定値Beをもたらしている。第1の座標系に変換されるとき(図15B)、誤ったフィールド測定値Beは、第2の座標系におけるy’次元の方向に対応する第1の座標系の方向で、正しいフィールドBとは異なる(図15Bに実線の矢印で示されている)。
【0065】
図12図13図14A図14B図15A図15Bのすべての例において、第1座標系と第2座標系との角度差は、θ=-45度であり(図14A図15Aに示すように)、エラーは、それぞれの次元においてセンサ応答の倍増であり、図において2つの同一線上の矢印で示されている。
【0066】
したがって、第1座標系と第2座標系との間に角度差θが与えられ、エラーベクトルE=Be-Bであり、E≠0で、第1座標系におけるベクトルEの角度が以下に等しい場合:
0度、 エラーは、第1のフィールドセンサ20Aのx次元センサにあり、
90度、 エラーは、第1のフィールドセンサ20Aのy次元センサにあり、
θ度、 エラーは、第2のフィールドセンサ20Bのx’次元センサにあり(図14Aおよび14Bの例における-45度)、ならびに
-θ度、エラーは、第2のフィールドセンサ20Bのy’次元センサにある(図15Aおよび15Bの例における45度)。
【0067】
概して、エラーベクトルの方向は、欠陥が単一のフィールドセンサ次元測定値においてのみ存在する限り、欠陥フィールドセンサ20によって測定された次元に対応する。換言すれば、エラーベクトルは、測定された欠陥センサ素子22の軸(方向)の方向に唯一の成分を有する。エラーベクトルは、欠陥センサ測定値の軸(方向)の単位ベクトルの倍数として表現され得る。したがって、制御回路32は、同等のセンサ信号(例えば、Bx、By、Bx’、By’)間の差の方向を比較して、欠陥フィールドセンサ20を判定する回路を備えることができる。
【0068】
本発明の実施形態によれば、フィールドセンサデバイス99は、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bが監視され、欠陥が検出されると、診断されるのと同時にフィールドを測定して、第1および第2のフィールドセンサ20A、20Bのいずれか、または両方に対応するリアルタイム診断信号を提供するように機能する。
【0069】
本発明の実施形態は、基板を提供し、第1または第2のフィールドセンサ20A、20B、およびコントローラ30を基板上の集積回路として実装することによって構築することができる。集積回路は、ピックアンドプレース技術を使用して、または対応するソースウェーハから基板表面上にそれらをマイクロ転写印刷することによって、基板表面上に配設することができる。代替的に、基板表面は半導体層であってもよいし、半導体層を含んでいてもよく、第1または第2のフィールドセンサ20A、20Bおよびコントローラ30のそれぞれの1つ以上または任意の部分が半導体層に形成され、例えば、フォトリソグラフィまたは印刷回路基板方法および材料を使用することによって、基板表面上のワイヤ12を使用して、基板表面上に配設された任意の集積回路と電気的に接続される。代替的に、制御回路32またはフィールドセンサ20は、半導体基板内にフォトリソグラフィ的に画定されてもよい。
【0070】
基板は、第1または第2のフィールドセンサ20A、20B、およびコントローラ30を支持または受容することができる1つ以上の表面を有する多くの基板のうちの1つとすることができ、例えば、対向する2つの比較的平坦な平行側面を有する、ガラス、プラスチック、セラミック、または半導体基板とすることができる。基板は、様々な厚さ、例えば10ミクロンから数ミリメートル、を有することができる。基板は、別のデバイスの一部分または表面であってもよく、かつ電子回路を含むことができる。
【0071】
本発明は、図面および前述の説明において詳細に図示され説明されてきたが、そのような図示および説明は、例証または例示であって制限的ではないと見なされるべきである。前述の説明は、本発明の特定の実施形態を詳述している。しかしながら、上記のことがどれだけ詳細に記載されているとしても、本発明は、多くの方法で実施され得ることが理解されるであろう。本発明は、開示された実施形態に限定されない。
【0072】
開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示および添付の特許請求の範囲の研究から、請求された発明を実施する際に当業者によって理解および達成され得る。特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という語は、他の要素またはステップを除外するものではなく、不定冠詞「ある(a)」または「ある(an)」は、複数を除外するものではない。単一のプロセッサまたは他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、光学記憶媒体、または他のハードウェアと一緒にまたはその一部として提供される固体媒体のような適切な媒体上に記憶され/分配され得るが、インターネットまたは他の有線もしくは無線通信システムを介するなど、他の形態で分配されてもよい。特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、その範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0073】
パーツリスト:
10 デバイス基板
12 ワイヤ
14 コンタクトパッド
16 システム基板
20 フィールドセンサ
20A 第1のフィールドセンサ
20B 第2のフィールドセンサ
22 センサ素子
30 コントローラ
32 制御回路
34 記憶回路
36 変換回路
38 比較回路
40 出力センサ信号
42 欠陥センサ信号
50 位相スイッチ
52 差動増幅器
54 差動比較器
99 フィールドセンサデバイス
100 センサデバイスを提供するステップ
110 センサデバイスを動作させるステップ
120 第1および第2の信号を受信するステップ
130 受信したセンサ信号を変換するステップ
140 変換された信号を比較するステップ
150 センサが欠陥であるかを判定するステップ
160 欠陥センサ判定ステップ
170 出力センサ信号を提供するステップ
180 欠陥センサ信号を提供するステップ
190 任意選択で欠陥センサを判定するステップ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
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図14B
図15A
図15B