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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20230124BHJP
【FI】
B65D5/54 301G
B65D5/54 BSQ
B65D5/54 BSD
B65D5/54 301Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019006901
(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公開番号】P2020117229
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】長原 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】石井 一志
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-177373(JP,A)
【文献】特開2000-177727(JP,A)
【文献】特開2015-110446(JP,A)
【文献】特開2013-154930(JP,A)
【文献】登録実用新案第3026340(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側板、及び前記第1側板に対して交差する方向に延びる第2側板を有する筒状の外周壁と、
前記第1側板の両端に第1折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の開口の一部を塞ぐように前記第1側板に対してそれぞれ折り曲げられた一対の第1フラップと、
前記第2側板の両端に第2折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の前記開口の一部を塞ぐように前記第2側板に対してそれぞれ折り曲げられ、前記第1フラップに固着された一対の第2フラップと、
前記両端の第1折曲部のうちの一方から他方に向けて延びるように、前記第1側板に設けられた第1破断線と、
前記一対の第1フラップにそれぞれ設けられ、前記第1破断線と連続するように前記第1折曲部から前記第1フラップの先端に向けてそれぞれ延びる一対の第2破断線と、
前記一対の第2フラップにそれぞれ設けられ、前記第2フラップの先端から前記第2折曲部に向けてそれぞれ延びる一対の第3破断線と、
前記第2側板に設けられ、前記一対の第3破断線と連続するように前記両端の第2折曲部のうちの一方から他方に向けて延びる第4破断線と、
前記第1折曲部における前記第1破断線及び前記第2破断線よりも前記第2側板側、並びに前記第2折曲部における前記第3破断線及び前記第4破断線よりも前記第1側板側のうち、少なくとも一方に沿って設けられた第5破断線と
を備え
前記第5破断線は、一端が前記第2折曲部上に配置され、他端が前記第2側板上に配置され、前記第1側板から前記第4破断線に向けて、前記第2折曲部から離れる向きへ延びている、包装箱。
【請求項2】
第1側板、及び前記第1側板に対して交差する方向に延びる第2側板を有する筒状の外周壁と、
前記第1側板の両端に第1折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の開口の一部を塞ぐように前記第1側板に対してそれぞれ折り曲げられた一対の第1フラップと、
前記第2側板の両端に第2折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の前記開口の一部を塞ぐように前記第2側板に対してそれぞれ折り曲げられ、前記第1フラップに固着された一対の第2フラップと、
前記両端の第1折曲部のうちの一方から他方に向けて延びるように、前記第1側板に設けられた第1破断線と、
前記一対の第1フラップにそれぞれ設けられ、前記第1破断線と連続するように前記第1折曲部から前記第1フラップの先端に向けてそれぞれ延びる一対の第2破断線と、
前記一対の第2フラップにそれぞれ設けられ、前記第2フラップの先端から前記第2折曲部に向けてそれぞれ延びる一対の第3破断線と、
前記第2側板に設けられ、前記一対の第3破断線と連続するように前記両端の第2折曲部のうちの一方から他方に向けて延びる第4破断線と、
前記第1折曲部における前記第1破断線及び前記第2破断線よりも前記第2側板側、並びに前記第2折曲部における前記第3破断線及び前記第4破断線よりも前記第1側板側のうち、少なくとも一方に沿って設けられた第5破断線と
を備え、
前記第5破断線は、一端が前記第2折曲部上に配置され、他端が前記第2フラップ上に配置され、前記第1側板から前記第3破断線に向けて、前記第2折曲部から離れる向きへ延びている、包装箱。
【請求項3】
第1側板、及び前記第1側板に対して交差する方向に延びる第2側板を有する筒状の外周壁と、
前記第1側板の両端に第1折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の開口の一部を塞ぐように前記第1側板に対してそれぞれ折り曲げられた一対の第1フラップと、
前記第2側板の両端に第2折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の前記開口の一部を塞ぐように前記第2側板に対してそれぞれ折り曲げられ、前記第1フラップに固着された一対の第2フラップと、
前記両端の第1折曲部のうちの一方から他方に向けて延びるように、前記第1側板に設けられた第1破断線と、
前記一対の第1フラップにそれぞれ設けられ、前記第1破断線と連続するように前記第1折曲部から前記第1フラップの先端に向けてそれぞれ延びる一対の第2破断線と、
前記一対の第2フラップにそれぞれ設けられ、前記第2フラップの先端から前記第2折曲部に向けてそれぞれ延びる一対の第3破断線と、
前記第2側板に設けられ、前記一対の第3破断線と連続するように前記両端の第2折曲部のうちの一方から他方に向けて延びる第4破断線と、
前記第1折曲部における前記第1破断線及び前記第2破断線よりも前記第2側板側、並びに前記第2折曲部における前記第3破断線及び前記第4破断線よりも前記第1側板側のうち、少なくとも一方に沿って設けられた第5破断線と
を備え、
前記第5破断線は、前記第2折曲部に対して同一直線上に設けられている、包装箱。
【請求項4】
前記第2側板と対向する第3側板と、
前記第3側板の両端に第3折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の前記開口の一部を塞ぐように前記第3側板に対してそれぞれ折り曲げられ、前記第1フラップに固着された一対の第3フラップと、
前記一対の第3フラップにそれぞれ設けられ、前記第3フラップの先端から前記第3折曲部に向けてそれぞれ延びる一対の第6破断線と、
前記第3側板に設けられ、前記一対の第6破断線と連続するように前記両端の第3折曲部のうちの一方から他方に向けて延びる第7破断線と
をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項5】
前記第3破断線における前記第4破断線側の端と前記第4破断線における前記第3破断線側の端との間隔は、前記第3破断線における前記第5破断線側の端と前記第5破断線における前記第3破断線側の端との間隔よりも狭い、請求項1からのいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項6】
前記第5破断線は、一端が前記第1折曲部上に配置され、他端が前記第1側板上に配置され、前記第2側板から前記第1破断線に向けて、前記第1折曲部から離れる向きへ延びている、請求項1から5のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項7】
前記第5破断線は、一端が前記第1折曲部上に配置され、他端が前記第1フラップ上に配置され、前記第2側板から前記第2破断線に向けて、前記第1折曲部から離れる向きへ延びている、請求項1から5のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項8】
前記第5破断線は、前記第1折曲部に対して同一直線上に設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項9】
第1側板、及び前記第1側板に対して交差する方向に延びる第2側板を有する筒状の外周壁と、
前記第1側板の両端に第1折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の開口の一部を塞ぐように前記第1側板に対してそれぞれ折り曲げられた一対の第1フラップと、
前記第2側板の両端に第2折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の前記開口の一部を塞ぐように前記第2側板に対してそれぞれ折り曲げられ、前記第1フラップに固着された一対の第2フラップと、
前記両端の第1折曲部のうちの一方から他方に向けて延びるように、前記第1側板に設けられた第1破断線と、
前記一対の第1フラップにそれぞれ設けられ、前記第1破断線と連続するように前記第1折曲部から前記第1フラップの先端に向けてそれぞれ延びる一対の第2破断線と、
前記一対の第2フラップにそれぞれ設けられ、前記第2フラップの先端から前記第2折曲部に向けてそれぞれ延びる一対の第3破断線と、
前記第2側板に設けられ、前記一対の第3破断線と連続するように前記両端の第2折曲部のうちの一方から他方に向けて延びる第4破断線と、
前記第1折曲部における前記第1破断線及び前記第2破断線よりも前記第2側板側、並びに前記第2折曲部における前記第3破断線及び前記第4破断線よりも前記第1側板側のうち、少なくとも一方に沿って設けられた第5破断線と
を備え、
前記第5破断線は、一端が前記第1折曲部上に配置され、他端が前記第1側板上に配置され、前記第2側板から前記第1破断線に向けて、前記第1折曲部から離れる向きへ延びている、包装箱。
【請求項10】
第1側板、及び前記第1側板に対して交差する方向に延びる第2側板を有する筒状の外周壁と、
前記第1側板の両端に第1折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の開口の一部を塞ぐように前記第1側板に対してそれぞれ折り曲げられた一対の第1フラップと、
前記第2側板の両端に第2折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の前記開口の一部を塞ぐように前記第2側板に対してそれぞれ折り曲げられ、前記第1フラップに固着された一対の第2フラップと、
前記両端の第1折曲部のうちの一方から他方に向けて延びるように、前記第1側板に設けられた第1破断線と、
前記一対の第1フラップにそれぞれ設けられ、前記第1破断線と連続するように前記第1折曲部から前記第1フラップの先端に向けてそれぞれ延びる一対の第2破断線と、
前記一対の第2フラップにそれぞれ設けられ、前記第2フラップの先端から前記第2折曲部に向けてそれぞれ延びる一対の第3破断線と、
前記第2側板に設けられ、前記一対の第3破断線と連続するように前記両端の第2折曲部のうちの一方から他方に向けて延びる第4破断線と、
前記第1折曲部における前記第1破断線及び前記第2破断線よりも前記第2側板側、並びに前記第2折曲部における前記第3破断線及び前記第4破断線よりも前記第1側板側のうち、少なくとも一方に沿って設けられた第5破断線と
を備え、
前記第5破断線は、一端が前記第1折曲部上に配置され、他端が前記第1フラップ上に配置され、前記第2側板から前記第2破断線に向けて、前記第1折曲部から離れる向きへ延びている、包装箱。
【請求項11】
前記第1破断線における前記第2破断線側の端と前記第2破断線における前記第1破断線側の端との間隔は、前記第1破断線における前記第5破断線側の端と前記第5破断線における前記第1破断線側の端との間隔よりも狭い、請求項6から10のいずれか1項に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、四角筒状の外周壁の開口を、一対の外フラップと一対の内フラップとで塞いだラップアラウンド形式の包装箱が開示されている。この包装箱の外周壁は、一対の外フラップがそれぞれ連設された一対の第1側板と、一対の内フラップがそれぞれ連設された一対の第2側板とを備える。一対の第2側板のうちの一方には、一端から他端にかけて破断部が設けられている。一対の第1側板には、一端から他端にかけて折曲線が設けられている。一対の外フラップにはそれぞれ、外フラップの先端から第1側板との稜部(折曲部)にかけて破断線が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第2537295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の包装箱では、破断部によって第2側板を破断するとともに、破断線によって外フラップを破断し、折曲線に沿って第1側板を折り曲げることで、包装箱を左右両方に開くことができる(観音開き)。しかし、この包装箱では、外向きに開いた部分が閉じる向きに弾性的に戻るため、内部の物品を全て取り出す際の作業性が悪い。また、全ての物品を取り出した後、包装箱を廃棄する際の解体作業性が悪い。
【0005】
本発明は、物品の取出作業性と廃棄する際の解体作業性とを向上できる包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1側板、及び前記第1側板に対して交差する方向に延びる第2側板を有する筒状の外周壁と、前記第1側板の両端に第1折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の開口の一部を塞ぐように前記第1側板に対してそれぞれ折り曲げられた一対の第1フラップと、前記第2側板の両端に第2折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の前記開口の一部を塞ぐように前記第2側板に対してそれぞれ折り曲げられ、前記第1フラップに固着された一対の第2フラップと、前記両端の第1折曲部のうちの一方から他方に向けて延びるように、前記第1側板に設けられた第1破断線と、前記一対の第1フラップにそれぞれ設けられ、前記第1破断線と連続するように前記第1折曲部から前記第1フラップの先端に向けてそれぞれ延びる一対の第2破断線と、前記一対の第2フラップにそれぞれ設けられ、前記第2フラップの先端から前記第2折曲部に向けてそれぞれ延びる一対の第3破断線と、前記第2側板に設けられ、前記一対の第3破断線と連続するように前記両端の第2折曲部のうちの一方から他方に向けて延びる第4破断線と、前記第1折曲部における前記第1破断線及び前記第2破断線よりも前記第2側板側、並びに前記第2折曲部における前記第3破断線及び前記第4破断線よりも前記第1側板側のうち、少なくとも一方に沿って設けられた第5破断線とを備える、包装箱を提供する。
【0007】
この包装箱によれば、第1破断線の中央部分に手を差し込んで第2側板側に操作することで、第1破断線に沿って第1側板を破断した後、引き続いて第2破断線に沿って第1フラップを破断できる。その後、操作を続けることで、引き続いて第3破断線に沿って第2フラップを破断できる。この状態で、第4破断線に沿って第2側板を折り曲げることで、第1側板、第1フラップ、及び第2フラップそれぞれの一部を再封緘可能に開封できる。又は、第4破断線に沿って第2側板を破断することで、第1側板、第1フラップ、及び第2フラップそれぞれの一部を分離した状態に開封できる。前者の開封状態では第4破断線に沿った折り曲げにより弾性的な復元が抑えられ、後者の開封状態では包装箱の一部が取り除かれるため、包装箱内の物品の取出作業性を向上できる。
【0008】
包装箱から分離した第1側板、第2側板、第1フラップ、及び第2フラップそれぞれの一部(分離体)には、第1折曲部及び第2折曲部のうちの少なくとも一方に第5破断線が設けられている。この第5破断線を起点として第1折曲部又は第2折曲部に沿って分離体を破断することで、互いに交差した第1側板、第2側板、及び第1フラップと第2フラップを、平坦なシート状に展開できる。よって、包装箱を廃棄する際の解体作業性を向上できる。
【0009】
第1の態様では、前記第5破断線は、一端が前記第2折曲部上に配置され、他端が前記第2側板上に配置され、前記第1側板から前記第4破断線に向けて、前記第2折曲部から離れる向きへ延びている。
第2の態様では、前記第5破断線は、一端が前記第2折曲部上に配置され、他端が前記第2フラップ上に配置され、前記第1側板から前記第3破断線に向けて、前記第2折曲部から離れる向きへ延びている。
第3の態様では、前記第5破断線は、前記第2折曲部に対して同一直線上に設けられている。
これらの態様では、前記第3破断線における前記第4破断線側の端と前記第4破断線における前記第3破断線側の端との間隔は、前記第3破断線における前記第5破断線側の端と前記第5破断線における前記第3破断線側の端との間隔よりも狭い。
これらの態様によれば、第3破断線に沿って第2フラップを破断した後、第4破断線に沿って第2側板を確実に破断でき、第5破断線を設けたことにより第2折曲部が破断されることを効果的に抑制できる。
【0010】
前記第2側板と対向する第3側板と、前記第3側板の両端に第3折曲部を介してそれぞれ連設され、前記外周壁の前記開口の一部を塞ぐように前記第3側板に対してそれぞれ折り曲げられ、前記第1フラップに固着された一対の第3フラップと、前記一対の第3フラップにそれぞれ設けられ、前記第3フラップの先端から前記第3折曲部に向けてそれぞれ延びる一対の第6破断線と、前記第3側板に設けられ、前記一対の第6破断線と連続するように前記両端の第3折曲部のうちの一方から他方に向けて延びる第7破断線とをさらに備える。この態様によれば、包装箱における第2側板側の一部を分離した後、第6破断線に沿って第3フラップを破断することで、第3側板側の一部を再封緘可能に開封できる。また、第7破断線に沿って第3側板を破断することで、第3側板側の一部を分離した状態に開封できる。これにより、包装箱をトレイ状に開封できるため、物品の取出作業性をさらに向上できる。
【0011】
第4の態様では、前記第5破断線は、一端が前記第1折曲部上に配置され、他端が前記第1側板上に配置され、前記第2側板から前記第1破断線に向けて、前記第1折曲部から離れる向きへ延びている。
第5の態様では、前記第5破断線は、一端が前記第1折曲部上に配置され、他端が前記第1フラップ上に配置され、前記第2側板から前記第2破断線に向けて、前記第1折曲部から離れる向きへ延びている。
又は、前記第5破断線は、前記第1折曲部に対して同一直線上に設けられてもよい
これらの態様では、前記第1破断線における前記第2破断線側の端と前記第2破断線における前記第1破断線側の端との間隔は、前記第1破断線における前記第5破断線側の端と前記第5破断線における前記第1破断線側の端との間隔よりも狭い。
これらの態様によれば、第1破断線に沿って第1側板を破断した後、第2破断線に沿って第1フラップを確実に破断でき、第5破断線を設けたことにより第1折曲部が破断されることを効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装箱では、物品の取出作業性を向上できるとともに、廃棄する際の解体作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱の斜視図。
図2図1の一部を拡大した斜視図。
図3図1の包装箱のブランクを示す平面図。
図4A図3の一部を拡大した平面図。
図4B図4Aとは異なる図3の一部を拡大した平面図。
図5A】段ボールシートの断面図。
図5B】段ボールシートに設けた汎用罫線を示す断面図。
図5C】段ボールシートに設けた逆罫線を示す断面図。
図5D】段ボールシートに設けた切断線を示す断面図。
図5E】段ボールシートに設けたライナカット線を示す断面図。
図6】包装箱を開封する際の一工程を示す平面図。
図7】包装箱を開封する際の他の一工程を示す右側面図。
図8】包装箱の第1開封状態を示す斜視図。
図9】包装箱の第2開封状態を示す斜視図。
図10】開封により分離された分離体の斜視図。
図11A】分離体の第1解体過程を示す斜視図。
図11B】分離体の第1解体状態を示す斜視図。
図12】分離体の第2解体状態を示す斜視図。
図13】第1実施形態の包装箱の第1変形例を示す斜視図。
図14】第1実施形態の包装箱の第2変形例を示す斜視図。
図15】第1実施形態の包装箱の第3変形例を示す斜視図。
図16】第1実施形態の包装箱の第4変形例を示す斜視図。
図17】第1実施形態の包装箱の第5変形例を示す斜視図。
図18】第1実施形態の包装箱の第6変形例を示す斜視図。
図19】第2実施形態に係る包装箱の斜視図。
図20図18の包装箱のブランクを示す平面図。
図21】第3実施形態に係る包装箱の斜視図。
図22図20の包装箱のブランクを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1から図12は本発明の第1実施形態に係る包装箱10を示す。図1及び図2に示すように、包装箱10は、四角筒状の外周壁15と、外周壁15の両端の開口をそれぞれ塞ぐ一対の蓋壁30とを備えるラップアラウンドケースである。本実施形態では、物品の開封作業性と取出作業性を向上するために、外周壁15に破断線44,47が設けられるとともに、蓋壁30に破断線45,46が設けられ、廃棄時の解体作業性を向上するために、外周壁15と蓋壁30の稜部に破断線50が設けられている。
【0016】
包装箱10は、図3に示す一枚のブランクの所定部位を折り曲げて固着することで形成されている。ブランクは、周知の紙器打抜装置によって紙製の段ボールシート1を打ち抜いて形成されている。図5Aに示すように、段ボールシート1は、表ライナ2と裏ライナ3の間に波状の中しん4を配設した構成である。図3中の一点鎖線は、図5Bに示すように、裏ライナ3の方から罫を入れて部分的に肉厚を圧縮した汎用罫線である。図3中の二点鎖線は、図5Cに示すように、表ライナ2の方から罫を入れて部分的に肉厚を圧縮した逆罫線である。図3中の実線は、図5Dに示すように、刃を入れて裏ライナ3から表ライナ2にかけて部分的に切断した切断線、及び打ち抜きによる形状線(縁)である。
【0017】
図3を併せて図1を参照すると、外周壁15は、天板16、底板18、及び一対の側板17,19を備える。一対の蓋壁30はそれぞれ、一対の内フラップ31,32、及び一対の外フラップ33,34を備える。天板16と底板18は上下に対向して配置され、側板17と側板19は左右に対向して配置され、一対の蓋壁30は前後に対向して配置されている。この包装箱10の上下方向の寸法、左右方向の寸法、及び前後方向の寸法は、必要に応じて変更可能である。
【0018】
具体的には、天板16の一側には折曲部(稜)21を介して側板17の上端が連設されている。天板16の他側には、熱溶融樹脂等の接着剤によって付代部20が貼着(ホットメルト)されており、この付代部20に折曲部22を介して側板19の上端が連設されている。側板17,19は、天板16に対して同じ向きかつ直交方向に折り曲げられている。側板17の下端には折曲部23を介して底板18の一側が連設され、側板19の下端には折曲部24を介して底板18の他側が連設されている。側板17,19に対して底板18は直交方向に折り曲げられている。付代部20を含む天板16と底板18は縦横比が同じ長方形状であり、一対の側板17,19は縦横比が同じ長方形状である。
【0019】
図3を参照すると、天板16、側板17、底板18、側板19、及び付代部20は、この順で上側から下側に向けて連設されている。天板16と側板17は、折曲部21を構成する折曲線21’を介して連設されている。側板17と底板18は、折曲部23を構成する折曲線23’を介して連設されている。底板18と側板19は、折曲部24を構成する折曲線24’を介して連設されている。側板19と付代部20は、折曲部22を構成する折曲線22’を介して連設されている。これらの折曲線21’~24’は汎用罫線によって構成されている。
【0020】
図1及び図2を参照すると、一対の内フラップ31はそれぞれ、折曲部35(第2折曲部又は第1折曲部)を介して側板17の両端に連設されている。一対の内フラップ32はそれぞれ、折曲部36(第3折曲部)を介して側板19の両端に連設されている。一対の外フラップ33はそれぞれ、折曲部37(第1折曲部又は第2折曲部)を介して天板16の両端に連設されている。一対の外フラップ34はそれぞれ、折曲部38を介して底板18の両端に連設されている。
【0021】
内フラップ31,32は、外周壁15の開口を塞ぐように側板17,19に対して内向きに折り曲げられ、互いに間隔をあけて隣接配置されている。外フラップ33,34は、外周壁15の開口を塞ぐように天板16及び底板18に対して内向きに折り曲げられ、互いの先端が突き合うように隣接配置されている。内フラップ31,32の外面(表ライナ2)に外フラップ33,34が重ねて配置され、これらの重畳部分が熱溶融樹脂等の接着部40によって貼着されている。貼着された4枚のフラップ31~34によって1面の蓋壁30が形成される。一対の蓋壁30は縦横比が同じ長方形状である。但し、蓋壁30は、内フラップ31,32の先端同士が間隔をあけて位置し、外フラップ33,34の先端同士が間隔をあけて位置するショートフラップであってもよい。
【0022】
図3を参照すると、側板17と内フラップ31は、折曲部35を構成する折曲線35’を介して連設されている。側板19と内フラップ32は、折曲部36を構成する折曲線36’を介して連設されている。天板16と外フラップ33は、折曲部37を構成する折曲線37’を介して連設されている。底板18と外フラップ34は、折曲部38を構成する折曲線38’を介して連設されている。これらの折曲線35’~38’は汎用罫線によって構成されている。フラップ31~34の先端が同一直線上に位置するように、折曲線35’~38’から先端までのフラップ31~34の突出寸法が設定されている。
【0023】
このように構成された包装箱10は、例えば次のように封緘される。まず、図3のブランクの状態で、底板18の上面(裏ライナ3側)に収容する物品を配置する。続いて、底板18に対して側板17,19を折り曲げる。その後、側板19に対して付代部20を折り曲げるとともに、側板17に対して天板16を折り曲げ、付代部20と天板16とをホットメルトによって貼着する。これにより、四角筒状の外周壁15が形成される。
【0024】
次に、側板17に対して内フラップ31を折り曲げるとともに、側板19に対して内フラップ32を折り曲げる。続いて、天板16に対して外フラップ33を折り曲げるとともに、底板18に対して外フラップ34を折り曲げる。そして、内フラップ31,32と外フラップ33,34の重なった部分をそれぞれ、ホットメルトによって貼着する。これにより、蓋壁30が形成され、外周壁15の両端の開口が封緘される。
【0025】
(包装箱の開封構造)
図7に示す第1開封状態、図8に示す第2開封状態、及び図9に示す第3開封状態のうちのいずれかに選択的に開封できるように、包装箱10は構成されている。図1及び図2に示すように、これらの開封状態を実現するために、包装箱10には、1つの操作部42、及び4種の破断線44~47が設けられている。
【0026】
破断線44は天板16に設けられ、破断線45は外フラップ33に設けられ、破断線46は内フラップ31,32にそれぞれ設けられ、破断線47は側板17,19にそれぞれ設けられている。また、破断線46は、内フラップ31に設ける破断線46Aと、内フラップ32に設ける破断線46Bとに、大別される。さらに、破断線47は、側板17に設ける破断線47Aと、側板19に設ける破断線47Bとに、大別される。以下の説明では、必要に応じて破断線46A,46B及び破断線47A,47Bと言うことがある。
【0027】
包装箱10は、破断線(第1破断線)44、破断線(第2破断線)45、破断線(第3破断線)46A、及び破断線(第4破断線)47Aの順で破断されるように設計されている。この場合、天板(第1側板)16、外フラップ(第1フラップ)33、内フラップ(第2フラップ)31、及び側板(第2側板)17が、この順で破断される(第2開封状態)。その後、破断線(第6破断線)46B、及び破断線(第7破断線)47Bを、この順で破断することで、内フラップ(第3フラップ)32、及び側板(第3側板)19が破断される(第3開封状態)。
【0028】
包装箱10は、上記とは逆順で破断することも可能である。つまり、破断線(第1破断線)47A、破断線(第2破断線)46A、破断線(第3破断線)45、及び破断線(第4破断線)44の順で破断することもできる。この場合、側板(第1側板)17、内フラップ(第1フラップ)31、外フラップ(第2フラップ)33、及び天板(第2側板)16が、この順で破断される(第2開封状態)。その後、破断線(第6破断線)46Bに沿って内フラップ(第3フラップ)32を破断することで、破断線(第7破断線)47Bに沿って側板(第3側板)19が破断される(第3開封状態)。
【0029】
破断線47Aを破断することなくヒンジ接続部として機能させてもよい。この場合、包装箱10は、破断された天板16、外フラップ33、及び内フラップ31それぞれの一部によって再封緘可能とした第1開封状態となる。また、破断線47Bも破断することなくヒンジ接続部として機能させ、破断された天板16、外フラップ33、及び内フラップ32それぞれの一部によって再封緘可能とした開封状態(観音開き状態)となる。
【0030】
以下、操作部42と破断線44~47の構成を具体的に説明する。
【0031】
図1及び図3に示すように、操作部42は、天板16の中央に形成されている。この操作部42は、折曲線42a、一対の第1破断線42b、及び第2破断線42cによって画定されている。折曲線42aは、汎用罫線からなり、折曲部21と平行に延びている。第1破断線42bは、折曲線42aの両端に設けられている。個々の第1破断線42bは、ミシン目状をなすように所定間隔をあけて設けた複数の切断線からなり、折曲線42aの端から折曲部37に向けて折曲部21に沿ってそれぞれ延びている。第2破断線42cは、ミシン目状をなすように所定間隔をあけて設けた複数の切断線によって構成されている。第2破断線42cは、折曲線42aと第1破断線42bに沿って延びるように、一対の第1破断線42bのうちの一方の外端から他方の外端にかけて円弧状に形成されている。
【0032】
破断線44は、側板17,19間の中央に位置し、一対の折曲部37のうちの一方から他方に向けて延びるように、天板16に設けられている。本実施形態では、天板16の中央に操作部42が形成されているため、この操作部42の両端に連続するように破断線44が設けられている。破断線44は、概ねY字形状に形成された切断線44aを備え、この切断線44aが間隔をあけて複数配置されている。切断線44aは、二又に分岐した方が操作部42側に位置する姿勢で設けられている。折曲部21が延びる方向における破断線44の端は、折曲部37と間隔をあけて位置している。
【0033】
破断線44の端と操作部42の端とは、所定間隔をあけて配置されている。つまり、操作部42の端と連続するように破断線44を設けるとは、破断線42b,42cの端から引き続いて破断線44に沿って破断することが可能であり、破断線44以外の部分へ破断が進まない構成を意味しており、操作部42と破断線44とは、厳密に連続していてもよいし、実質的に連続していてもよい。つまり、破断線44の端と操作部42の端とは、直線上に設けられることなく、多少の誤差(ズレ)をもって設けられていても、連続して破断できる構成であればよい。なお、以下で説明する破断線45~47における「連続するように設ける」という構成も同様である。
【0034】
破断線45は、一対の外フラップ33にそれぞれ設けられている。個々の破断線45は、破断線44と連続するように、折曲部37の中央から外フラップ33の先端に向けて、折曲部35,36に沿って延びている。また、破断線45は、側板17の方へ傾斜するように形成されている。この傾斜は、操作部42を把持した作業者が側板17の方へ操作するように促すために設定されている。具体的には、本実施形態の破断線45は、外フラップ33の先端に向けて凸となるように湾曲している。破断線45の傾斜角は、外フラップ33の一対の接着部40間を通る大きさに設定されている。破断線45は、概ねY字形状に形成された複数の第1切断線45aと、概ねS字形状に形成された複数の第2切断線45bとを備える。第1切断線45aは、二又に分岐した方が天板16側に位置する姿勢で設けられている。
【0035】
破断線46Aは一対の内フラップ31にそれぞれ設けられ、破断線46Bは一対の内フラップ32にそれぞれ設けられている。破断線46Aは、内フラップ31の先端中央から折曲部35の中央に向けて折曲部37に沿って延び、破断線46Bは、内フラップ32の先端中央から折曲部36の中央に向けて折曲部37に沿って延びている。これらの破断線46は、個々の内フラップ31,32における一対の接着部40間に設けられている。破断線46は、底板18側を凸とする概ねV字形状に形成された複数の切断線46aを備える。個々の切断線46aは間隔をあけて配置され、破断線46全体として底板18側を凸とする概ねV字形状をなすように形成されている。
【0036】
破断線47Aは側板17に設けられ、破断線47Bは側板19に設けられている。破断線47Aは、一対の破断線46Aに連続するように、一対の折曲部35のうちの一方から他方に向けて折曲部21に沿って延びている。破断線47Bは、一対の破断線46Bに連続するように、一対の折曲部36のうちの一方から他方に向けて折曲部22に沿って延びている。これらの破断線47は、概ね直線状に形成された複数の切断線47aを備える。
【0037】
個々の切断線47aは間隔をあけて配置され、破断線47全体として概ねV字形状をなすように形成されている。より具体的には、破断線47は、一対の蓋壁30間の中央に位置する直線部47bと、直線部47bの両端に位置する傾斜部47cとを備える。直線部47bは、折曲部21(天板16)に沿って平行に延びており、第1開封状態とした際にはヒンジ接続部として機能する。傾斜部47cは、直線部47bから天板16に向けて上側外向きに傾斜しており、その外端が破断線46の外端に隣接している。
【0038】
図2及び図3に示すように、内フラップ31,32には、破断線46A,46Bに沿って破断する際の起点となる切込部48が更に設けられている。切込部48は、内フラップ31の先端から折曲部35,36に向けて、上下方向の幅が次第に狭くなる溝からなる。この切込部48の端に連続するように、破断線46がそれぞれ設けられている。
【0039】
引き続いて図2及び図3を参照すると、第2開封状態又は第3開封状態とした際、分離体11(図10参照)を作業性よく解体するために、破断線50が設けられている。破断線50は、折曲部35~37に沿って設けられている。
【0040】
本実施形態の破断線50は、一端が折曲部35~37上に配置され、他端が折曲部35~37から離れる向きへ延びる複数(本実施形態では2本)の切断線50a(切断線群)を備える。以下の説明では、折曲部35に沿って形成する破断線を50A、折曲部36に沿って形成する破断線を50B、折曲部37に沿って形成する破断線を50C(側板17側)と50D(側板19側)と必要に応じて言うことがある。
【0041】
破断線(第5破断線)50Aは、折曲部35において、破断線46,47よりも天板16側に位置するように設けられている。破断線50Bは、折曲部36において、破断線46,47よりも天板16側に位置するように設けられている。より具体的には、破断線50A,50Bは、切断線50aの一端が折曲部35,36上に配置され、切断線50aの他端が側板17,19上に配置されている。破断線50A,50Bの切断線50aは、天板16から破断線47に向けて、折曲部35,36から離れる向きに傾斜している。
【0042】
破断線(第5破断線)50Cは、折曲部37において、破断線44,45よりも側板17側に位置するように設けられている。破断線50Dは、折曲部37において、破断線44,45よりも側板19側に位置するように設けられている。より具体的には、破断線50C,50Dは、切断線50aの一端が折曲部37上に配置され、切断線50aの他端が天板16上に配置されている。破断線50C,50Dの切断線50aは、側板17,19から破断線44に向けて、折曲部37から離れる向きに傾斜している。
【0043】
これらの破断線50は、あくまで折曲部35,37に沿って破断する起点(きっかけ)となる役割であり、破断線46と47の交点、破断線44と45の交点、折曲部35と37の交点、及び折曲部36と37の交点には達していない(連続していない)。破断線44に沿った破断に引き続く破断線50Aを起点とした折曲部37の破断、及び破断線46に沿った破断に引き続く破断線50Cを起点とした折曲部35の破断を防止するために、破断線44~47と破断線50とは、以下のように構成している。
【0044】
図4Aに示すように、破断線46Aにおける破断線47A側の端46bと、破断線47Aにおける破断線46A側の端47dとの間隔D1は、破断線46Aにおける破断線50A側の端46bと、破断線50Aにおける破断線46A側の端50bとの間隔D2よりも狭い。また、破断線46Bにおける破断線47B側の端と、破断線47Bにおける破断線46B側の端との間隔も、破断線46Bにおける破断線50B側の端と、破断線50Bにおける破断線46B側の端との間隔よりも狭い。
【0045】
図4Bに示すように、破断線44における破断線45側の端44bと、破断線45における破断線44側の端45cとの間隔D3は、破断線44における破断線50C側の端44bと、破断線50Cにおける破断線44側の端50cとの間隔D4よりも狭い。但し、破断線44の端44bと破断線50Dにおける破断線44側の端50dとの間隔D5は、破断線44の端44bと破断線45の端45cとの間隔D3よりも狭い。これは、破断線44の傾斜によって、天板16を破断する際の操作の向きを側板17側に設定したことにより、破断線44に沿った破断に引き続いて破断線50Dを起点とした破断が生じることは無いためである。
【0046】
(包装箱の開封補助構造)
図1及び図3に示すように、破断線44~47による包装箱10の開封作業性を向上するために、天板16、一対の外フラップ33、及び側板17には、補助折曲線52~54が設けられている。また、一対の内フラップ31には切欠部55がそれぞれ設けられている。さらに、天板16及び側板19には補助折曲線56,57が設けられている。
【0047】
補助折曲線52は、天板16の側板17側に設けられ、破断線44に沿った天板16の破断時、天板16を折り曲げることで、開封操作力を破断線44に集中させる。補助折曲線52は、一対の折曲線52aと、一対の折曲線52bとを備える。これらの折曲線52a,52bによって、補助折曲線52は全体としてW字形状に形成されている。
【0048】
一対の折曲線52aは、汎用罫線からなり、操作部42から側板17に向けて延び、外フラップ33に向けて傾斜し、操作部42側で連続している。操作部42側に位置する折曲線52aの一端は、操作部42と定められた間隔をあけて位置している。側板17側に位置する折曲線52aの他端は、折曲部21と定められた間隔をあけて位置している。
【0049】
一対の折曲線52bは、逆罫線からなり、折曲線52aの外側(外フラップ33側)に隣接して設けられている。折曲線52bは、破断線44の外端(折曲部37との交点)から、折曲線52aの端(折曲部21との交点)に向けて、傾斜して設けられている。破断線44側に位置する折曲線52bの一端は、破断線44と折曲部37の交点と定められた間隔をあけて位置している。折曲部21側に位置する折曲線52bの他端は、折曲線52aと折曲部21の交点と定められた間隔をあけて位置している。
【0050】
補助折曲線53は、外フラップ33の側板17側に設けられ、破断線45に沿った外フラップ33の破断時、外フラップ33を折り曲げることで、開封操作力を破断線45に集中させる。補助折曲線53は、汎用罫線からなり、接着部40よりも天板16側に位置するように、折曲部21,37の交点から破断線45の概ね中央に向けて延びている。折曲部21,37側に位置する補助折曲線53の一端は、折曲部21,37と定められた間隔をあけて位置している。破断線45側に位置する補助折曲線53の他端は、破断線45と定められた間隔をあけて位置している。
【0051】
補助折曲線54は、側板17の両側に一対設けられ、破断線47Aに沿った側板17の破断時、側板17を折り曲げることで、開封操作力を破断線47Aに集中させる。一対の補助折曲線54は、汎用罫線からなり、破断線47Aと折曲部35の交点から、補助折曲線52と折曲部21の交点に向けて、互いに近づく向きに傾斜している。破断線47A側に位置する補助折曲線54の一端は、破断線47Aに対して定められた間隔をあけて位置している。折曲部21側に位置する補助折曲線54の他端は、折曲部21に対して定められた間隔をあけて位置している。
【0052】
図2を併せて参照すると、切欠部55は、天板16側に位置する内フラップ31の上縁に設けられている。切欠部55は、破断線45に沿った外フラップ33の破断時、外フラップ33の変形を許容するスペースを確保するために設けられている。切欠部55は、外側に位置する外フラップ33の補助折曲線53に沿う(重なる)ように、内フラップ31の先端から天板16に向けて傾斜する傾斜辺55aを備える。なお、この切欠部55は、内フラップ32には設けられていない。
【0053】
補助折曲線56は、天板16の側板19側に設けられ、破断線46Bに沿った内フラップ32の破断時、天板16を折り曲げることで、開封操作力を破断線46Bに集中させる。補助折曲線56は、汎用罫線からなる一対の折曲線56aを備え、これらによって全体としてV字形状に形成されている。具体的には、一対の折曲線56aは、操作部42から側板19に向けて延び、外フラップ33に向けて傾斜し、操作部42側で連続している。操作部42側に位置する折曲線56aの一端は、操作部42と定められた間隔をあけて位置している。側板19側に位置する折曲線56aの他端は、折曲部22と定められた間隔をあけて位置している。
【0054】
図3に示すように、補助折曲線57は、側板19の両側に一対設けられ、破断線47Bに沿った側板19の破断時、側板19を折り曲げることで、開封操作力を破断線47Bに集中させる。一対の補助折曲線57は、汎用罫線からなり、破断線47Bと折曲部36の交点から、補助折曲線56と折曲部22の交点に向けて、互いに近づく向きに傾斜している。破断線47B側に位置する補助折曲線57の一端は、破断線47Bに対して定められた間隔をあけて位置している。折曲部22側に位置する補助折曲線57の他端は、折曲部22に対して定められた間隔をあけて位置している。
【0055】
次に、包装箱10の開封動作について具体的に説明する。
【0056】
まず、図1に示す折曲線42a、第1破断線42b、及び第2破断線42cで囲まれた操作部42の内部を外方から押す。これにより、第1破断線42bと第2破断線42cに沿って天板16を破断し、操作部42を開口させる。
【0057】
続いて、図6に示すように、操作部42の開口部分から包装箱10内に手を差し込み、外フラップ33の破断線45が延びる方、つまり天板16の側板17側を把持して引き上げる。これにより、破断線44に沿って天板16が破断される。この際、天板16は、折曲線52aに沿って山折れするとともに、折曲線52bに沿って谷折れする。これにより、天板16の側板17側が側板19側から離れる変位量を大きくすることができる。よって、図示のように破断線44に沿って天板16を作業性よく破断できる。
【0058】
天板16の破断後、側板17へ向けた開封操作を引き続いて行うと、図7に示すように、破断線45に沿って一対の外フラップ33が破断された後、外フラップ33に貼着された内フラップ31が破断線46Aに沿って破断される。この際、補助折曲線53に沿って外フラップ33が山折れするため、外フラップ33には破断線45に沿ってせん断力が作用する。また、内フラップ31には補助折曲線53に沿う切欠部55が設けられているため、外フラップ33の山折れが阻害されることはない。よって、破断線45に沿った外フラップ33の破断作業性を向上できる。また、内フラップ31は破断線46Aに連続する切込部48を備えるため、内フラップ31を面に沿って引っ張る向きの操作力を切込部48に効果的に作用させ、破断線46Aに沿って内フラップ31を確実に破断できる。
【0059】
内フラップ31の破断後、側板17に向けた開封操作を引き続いて行うと、側板17は、破断線47Aの傾斜部47cに沿って破断され、直線部47bに沿って谷折れする。この際、補助折曲線54に沿って側板17が山折れすることで、操作力を破断線47Aの傾斜部47cに効果的に作用させ、傾斜部47cに沿って側板17を確実に破断できる。
【0060】
これにより、天板16、外フラップ33、内フラップ31、及び側板17それぞれの一部を再封緘可能な第1開封状態に開封できる。また、直線部47bに沿って側板17を破断することで、図8に示すように、天板16、外フラップ33、内フラップ31、及び側板17それぞれの一部を分離した第2開封状態に開封できる。
【0061】
図7に示す第1開封状態、又は図8に示す第2開封状態で、残った天板16を把持して側板19に向けて引っ張ると、外フラップ33に貼着された内フラップ32が破断線46Bに沿って破断される。この際、内フラップ32は破断線46Bに連続する切込部48を備えるため、内フラップ32を面に沿って引っ張る向きの操作力を切込部48に効果的に作用させ、破断線46Bに沿って内フラップ32を確実に破断できる。
【0062】
内フラップ32の破断後、側板19に向けた開封操作を引き続いて行うと、側板19は、破断線47Bの傾斜部47cに沿って破断され、直線部47bに沿って谷折れする。この際、補助折曲線57に沿って側板19が山折れすることで、操作力を破断線47Bの傾斜部47cに効果的に作用させ、傾斜部47cに沿って側板19を確実に破断できる。
【0063】
図7の第1開封状態で上記操作を行い、破断線47Bの直線部47bを非破断状態で残し、直線部47bに沿って側板19を谷折りすることで、天板16、外フラップ33、内フラップ32、及び側板19それぞれの一部を再封緘可能な観音開き状態で、包装箱10を開封できる。図8の第2開封状態で上記操作を行い、破断線47Bに沿って側板19を破断することで、天板16、外フラップ33、内フラップ32、及び側板19それぞれの一部を分離した第3開封状態で、包装箱10を開封できる。
【0064】
図8に示す第2開封状態で包装箱10を開封した場合、図10の左側に示す1個の分離体11Aが分離される。図9に示す第3開封状態で包装箱10を開封した場合、図10に示すように、一対の分離体11A,11Bが分離される。分離体11Aは、天板16の一部、側板17の一部、一対の外フラップ33の一部、及び一対の内フラップ31の一部からなる。分離体11Bは、天板16の残り、側板19の一部、一対の外フラップ33の残り、及び一対の内フラップ32の一部からなる。
【0065】
分離体11の外フラップ33及び内フラップ31又は32は、接着部40によって一体化されている。よって、分離体11を構成する天板16の一部、側板17又は19の一部、一対の蓋壁30の一部は、それぞれ直交方向に延びている。この状態では、分離体11A,11Bを隙間無く重ね合わせることができないため、廃棄の際に無駄な保管スペースが必要になる。そこで、本実施形態の分離体11は、折曲部35~37に沿って破断して展開される。
【0066】
具体的には、図11A及び図11Bに示すように、天板16に対して平面上に位置するように側板17,19を引き上げる。又は、天板16に対して平面上に位置するように外フラップ33を引き上げる。これにより、一対の折曲部35又は36に沿って分離体11A,11Bをそれぞれ破断する。この際、図11Aに示すように、折曲部35,36には、破断線46A,46B及び破断線47A,47Bの近傍に破断線50A,50Bが設けられているため、これらを起点(きっかけ)として折癖が付いた折曲部35,36に沿って確実に破断できる。これにより、天板16、側板17又は19、内フラップ31又は32を含む一対の外フラップ33を平坦な状態に展開できる。
【0067】
或いは、図12に示すように、側板17,19に対して平面上に位置するように天板16を引き上げる。又は、側板17,19に対して平面上に位置するように外フラップ33を横向きに操作する。これにより、一対の折曲部37に沿って分離体11A,11Bをそれぞれ破断する。この際、折曲部37には、破断線44,45の近傍に破断線50C,50Dが設けられているため、これらを起点として折癖が付いた折曲部37に沿って確実に破断できる。これにより、天板16、側板17又は19、内フラップ31又は32を含む一対の外フラップ33を平坦な状態に展開できる。
【0068】
以上のように、本実施形態の包装箱10によれば、操作部42に手を差し込んで側板17側に操作することで、破断線44に沿って天板16を破断した後、引き続いて破断線45に沿って外フラップ33を破断できる。その後、操作を続けることで、引き続いて破断線46に沿って内フラップ31を破断できる。
【0069】
この状態で、破断線47Aに沿って側板17を折り曲げることで、包装箱10の一部を再封緘可能に開封できる。また、破断線47Aに沿って側板17を破断することで、包装箱10一部を分離した状態に開封できる。前者の開封状態では破断線47Aに沿った折り曲げにより弾性的な復元が抑えられ、後者の開封状態では包装箱10の一部(分離体11A)が取り除かれるため、包装箱10内の物品の取出作業性を向上できる。
【0070】
また、反対側の内フラップ32と側板19にも破断線46B,47Bが設けられているため、観音開き状態又はトレイ状に包装箱10を開封できる。これにより、包装箱をトレイ状に開封できるため、物品の取出作業性をさらに向上できる。
【0071】
また、包装箱10から分離した分離体11には破断線50が設けられている。この破断線50を起点として折曲部35,36又は37に沿って破断することで、互いに交差した天板16、側板17,19、及び内フラップ31,32を含む外フラップ33を平坦なシート状に展開できる。よって、包装箱10の廃棄時の解体作業性を向上できるとともに、無駄な保管スペースを無くすことができる。
【0072】
破断線44の端44bと破断線45の端45cとの間隔D3は、破断線44の端44bと破断線50Cの端50cとの間隔D4よりも狭い。よって、破断線44に沿って天板16を破断した後、破断線45に沿って外フラップ33を確実に破断でき、破断線50Cを設けたことにより折曲部37に沿って破断されることを効果的に抑制できる。
【0073】
また、破断線46Aの端46bと破断線47Aの端47dとの間隔D1は、破断線46Aの端46bと破断線50Aの端50bとの間隔D2よりも狭い。よって、破断線46Aに沿って内フラップ31を破断した後、破断線47A(傾斜部47c)に沿って側板17を確実に破断でき、破断線50Aを設けたことにより折曲部35に沿って破断されることを効果的に抑制できる。
【0074】
(第1実施形態の変形例)
図13から図18は第1実施形態の包装箱10の変形例を示す。これらの変形例は、分離体を解体するための破断線50の構成を変更した点で、第1実施形態と相違する。なお、これらの変形例においても、図4Aに示す破断線46Aの端46bと破断線47Aの端47dとの間隔D1、及び破断線46Aの端46bと破断線50Aの端50bとの間隔D2の関係、並びに図4Bに示す破断線44の端44bと破断線45の端45cとの間隔D3、及び破断線44の端44bと破断線50Cの端50cとの間隔D4の関係は、第1実施形態と同様に設定される。
【0075】
具体的には、図13に示す第1変形例のように、破断線50A,50Bは、切断線50aの一端が折曲部35,36上に配置され、切断線50aの他端が内フラップ31,32上に配置され、天板16から破断線46に向けて折曲部35,36から離れる向きに傾斜するように設けてもよい。破断線50C,50Dは、切断線50aの一端が折曲部37上に配置され、切断線50aの他端が外フラップ33上に配置され、側板17,19から破断線45に向けて、折曲部37から離れる向きに傾斜するように設けてもよい。
【0076】
また、破断線50は、図14に示す第2変形例のように側板17,18と内フラップ31,32の間の折曲部35,36だけに沿うように設けてもよいし、図15の第3変形例のように天板16と外フラップ33との間の折曲部37だけに沿うように設けてもよい。
【0077】
また、図16の第4変形例のように、破断線50は、折曲部35~37に対して同一直線上に設けた切断線50aからなる構成としてもよい。具体的には、破断線50Aは、折曲部35上に間隔をあけて設けた一対の切断線50aを備え、破断線46,47よりも天板16側に設けられている。破断線50Bは、折曲部36上に間隔をあけて設けた一対の切断線50aを備え、破断線46,47よりも天板16側に設けられている。破断線50Cは、折曲部37上に間隔をあけて設けた一対の切断線50aを備え、破断線44,45よりも側板17側に設けられている。破断線50Dは、折曲部37上に間隔をあけて設けた一対の切断線50aを備え、破断線44,45よりも側板19側に設けられている。このようにしても、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0078】
このように切断線50aを折曲部35~37に対して同一直線上に設ける場合でも、破断線50は、図17に示す第5変形例のように側板17,18と内フラップ31,32の間の折曲部35,36だけに沿うように設けてもよいし、図18の第6変形例のように天板16と外フラップ33との間の折曲部37だけに沿うように設けてもよい。
【0079】
(第2実施形態)
図19及び図20は第2実施形態の包装箱10を示す。この包装箱10は、天板16と底板18間の寸法である包装箱10の全高を低くした点、及び破断線46,47とは異なる破断部60を内フラップ31,32と側板17,19に更に設けた点で、第1実施形態の包装箱10と相違する。
【0080】
具体的には、包装箱10は、天板16、側板17、底板18、及び側板19を有する四角筒状の外周壁15を備える。また、包装箱10は、一対の内フラップ31,32、及び一対の外フラップ33,34をそれぞれ有し、外周壁15の両端を閉塞する一対の蓋壁30を備える。
【0081】
天板16には破断線44が、外フラップ33には破断線45が、内フラップ31,32には破断線46が、側板17には破断線47が、それぞれ第1実施形態と同様に設けられている。また、天板16には補助折曲線52,56が第1実施形態と同様に設けられている。但し、第2実施形態の包装箱10には、第1実施形態に示す外フラップ33の補助折曲線53、及び内フラップ31の切欠部55は設けていない。これは、包装箱10の全高を低くしたことで、外フラップ33の突出寸法(つまり破断する長さ)が短くなったためである。また、第2実施形態の包装箱10には、第1実施形態に示す側板17,19の補助折曲線54,57も設けていない。
【0082】
破断部60は、側板17及び側板17に連設された一対の内フラップ31、並びに側板19及び側板19に連設された一対の内フラップ32にそれぞれ設けられている。これらは、並設された一対の破断線61と、これらの中央に設けられた操作部62とを備える。
【0083】
一対の破断線61は、間隔をあけて設けられ、破断線46,47よりも底板18側にそれぞれ設けられている。側板17側では、一対の破断線61は、一対の内フラップ31のうち、一方の先端から側板17を経て他方の先端にかけて設けられている。側板19側では、一対の破断線61は、一対の内フラップ32のうち、一方の先端から側板19を経て他方の先端にかけて設けられている。破断線61はそれぞれ、ミシン目状をなすように断続的に設けた複数のライナカット線61aからなる。図5Eを参照すると、ライナカット線61aは、裏ライナ3だけに切断部を設けた構成である。
【0084】
操作部62は、一対の破断線61を横断するように設けられた第1切断線62aと、第1切断線62aの底板18側の端に設けられた一対の第2切断線62bとを備える。第1切断線62aの一端は破断線47上に位置し、第1切断線62aの他端は第6破断線よりも底板18側へ突出している。第2切断線62bは破断線61に沿って平行に延び、第1切断線62aと定められた間隔をあけて位置している。
【0085】
この第2実施形態では、破断線44~47による開封に加え、破断部60による開封が可能である。前者の開封作業は、第1実施形態と同様である。後者の開封作業は以下の通りである。
【0086】
まず、操作部62の第1切断線62aを押し、一対の破断線61間に位置する帯状の破断部60の切断端(第1切断線62aの両側)を把持し、外向きに引っ張る。これにより、一対の破断線61に沿って対応する側板17,19が破断され、引き続いて連続した内フラップ31,32が破断される。
【0087】
第1切断線62aによって分割された二対の帯状部分を全て操作することで、包装箱10は、破断部60よりも上側と下側に分割され、トレイ状に開封される。天板16側もトレイ状に分割されるため、残った物品の上側に被せることで蓋として使用できる。作業者の希望に応じて開封状態を選択できるため、利便性を向上できる。
【0088】
(第3実施形態)
図21及び図22は第3実施形態の包装箱10を示す。この包装箱10は、側板17、内フラップ31、外フラップ33、天板16の順で破断し、側板19側は破断しないように設計した点で、第1実施形態と相違する。
【0089】
側板17には操作部42と破断線(第1破断線)47が、内フラップ31には破断線(第2破断線)46が、外フラップ33には破断線(第3破断線)45が、天板16には破断線(第4破断線)44が、それぞれ設けられている。そのうち、破断線44は、ミシン目状をなすように間隔をあけて複数設けた直線状の切断線44aからなる点で、第1実施形態の破断線44と相違する。操作部42は、破断線47の直線部47bの中央に位置するように設けられている。また、側板17の天板16側には、第1実施形態の補助折曲線52と同様の補助折曲線が設けられている。
【0090】
この第3実施形態の包装箱10を開封する場合、操作部42に手を差し込んで側板17の上側部分を把持し、外側上向きに操作する。これにより補助折曲線52に沿って側板17が折れ曲がることで、破断線47に沿った側板17の破断が促進される。
【0091】
側板17の破断後、引き続いて操作を行うことで、破断線46に沿って内フラップ31が破断された後、引き続いて破断線45に沿って外フラップ33が破断される。その後、操作を続けることで、破断線44に沿って天板16を谷折りした開封状態とすることができる。また、破断線44に沿って天板16を破断することで、図8に示す第2開封状態とすることができる。
【0092】
なお、本発明の包装箱10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0093】
第1実施形態の包装箱10は、破断線44(天板16)、破断線45(外フラップ33)、破断線46(内フラップ31)、破断線47(側板17)、及び折曲部35又は37(破断線50)の順で破断するように設計し、第3実施形態の包装箱10は、破断線47(側板17)、破断線46(内フラップ31)、破断線45(外フラップ33)、破断線44(天板16)、及び折曲部35又は37(破断線50)の順で破断するように設計しているが、その破断順番は作業者によって変更されることがある。
【0094】
破断線44~47は、間隔をあけて設けた複数の切断線を備える構成であれば、個々の切断線の形状は必要に応じて変更が可能である。また、破断線44~47の全体形状も必要に応じて変更が可能である。また、補助折曲線52~54,56,57の形状も必要に応じて変更が可能である。
【0095】
破断線50は、包装箱10の強度を考慮して、破断線46と47の交点、破断線44と45の交点、折曲部35と37の交点、及び折曲部36と37の交点に達しないように設けたが、それぞれの交点、又は一部の交点に達するように設けてもよい。
【0096】
外周壁15は四角筒状に限られず、天板16と側板17,19との間や、底板18と側板17,19との間に面取り板を備える六角筒状や八角筒状であってもよく、その角数は必要に応じて変更が可能である。また、天板16と蓋壁30との間や、底板18と蓋壁30との間に面取り板を備える形状であってもよいし、側板17,19と内フラップ31,32との間に面取り板を備える形状であってもよい。
【0097】
包装箱10を構成する段ボールシートは、紙製に限らず樹脂製であってもよい。また、包装箱10は段ボールシート製に限られず、単層の厚紙製又は樹脂シート製であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 段ボールシート
2 表ライナ
3 裏ライナ
4 中しん
10 包装箱
11,11A,11B 分離体
15 外周壁
16 天板(第1側板)
17 側板(第2側板)
18 底板
19 側板(第3側板)
20 付代部
21 折曲部
21’ 折曲線
22 折曲部
22’ 折曲線
23 折曲部
23’ 折曲線
24 折曲部
24’ 折曲線
30 蓋壁
31 内フラップ(第2フラップ)
32 内フラップ
33 外フラップ(第1フラップ)
34 外フラップ
35 折曲部(第2折曲部)
35’ 折曲線
36 折曲部(第3折曲部)
36’ 折曲線
37 折曲部(第1折曲部)
37’ 折曲線
38 折曲部
38’ 折曲線
40 接着部
42 操作部
42a 折曲線
42b 第1破断線
42c 第2破断線
44 破断線(第1破断線)
44a 切断線
44b 端
45 破断線(第2破断線)
45a 第1切断線
45b 第2切断線
45c 端
46,46A 破断線(第3破断線)
46,46B 破断線(第6破断線)
46a 切断線
46b 端
47,47A 破断線(第4破断線)
47,47B 破断線(第7破断線)
47a 切断線
47b 直線部
47c 傾斜部
47d 端
48 切込部
50,50A~50D 破断線(第5破断線)
50a 切断線
50b~50d 端
52 補助折曲線
52a 折曲線
52b 折曲線
53 補助折曲線
54 補助折曲線
55 切欠部
55a 傾斜辺
56 補助折曲線
56a 折曲線
57 補助折曲線
60 破断部
61 破断線
61a ライナカット線
62 操作部
62a 第1切断線
62b 第2切断線
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22