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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】木製防風柵
(51)【国際特許分類】
   E01F 7/02 20060101AFI20230124BHJP
   E04H 17/14 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
E01F7/02
E04H17/14 102A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019101843
(22)【出願日】2019-05-30
(65)【公開番号】P2020197002
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】598034823
【氏名又は名称】株式会社 ウッディさんない
(74)【代理人】
【識別番号】100110537
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 繁
(72)【発明者】
【氏名】高橋 嘉男
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 誠喜
(72)【発明者】
【氏名】森岡 吉己
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3207397(JP,U)
【文献】特開2005-188090(JP,A)
【文献】実開昭62-004563(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 7/02
E04H 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に平行に所定間隔を空けて配置した横つなぎ上丸太及び横つなぎ下丸太と、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に嵌合する切欠き半円凹部を外周面に備え、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太の左右端部に嵌合配置される端部第1縦丸太と、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に嵌合する切欠き半円凹部を外周面に備え、前記端部第1縦丸太の内側に隣接配置される端部第2縦丸太と、前記端部第2縦丸太の内側に連続的に隣接配置され、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に交互に嵌合する切欠き半円凹部を外周面に備え、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に交互に交差状に前記半円凹部を嵌合させて三角構造に配置される主縦丸太とからなることを特徴とする木製防風柵。
【請求項2】
前記端部第1縦丸太は、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に嵌合する切欠き半円凹部を外周面の上下対称位置に備え、前記切欠き半円凹部を外周面の頂点から半分だけ切り欠いており、前記切欠き半円凹部間の上下対称位置の中心部位置に木栓を挿入する木栓穴を形成することを特徴とする請求項1記載の木製防風柵。
【請求項3】
前記端部第2縦丸太は、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に嵌合する切欠き半円凹部を前記端部第1縦丸太とは反対側の外周面の上下対称位置に備えており、前記切欠き半円凹部間の上下対称位置の中心部位置に木栓を挿入する木栓穴を形成することを特徴とする請求項1記載の木製防風柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製結束具を使用せず、全て木製丸太からなり、経年変化で腐朽に至っても環境汚染することがない木製防風柵に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、強風と冬季の土壌凍結から樹木を守る場所に提供される防護体は、図9の正面図及び図10の断面図に示すように、丸太を三角構造に組んで、頂点となる個所を交差させて結束鉄線で結んで固定している。
同一規格の丸太を現地で組み立てて、配列を行い、単純な組み立てで構成されるため、組み立て、取り外し、移動が容易であり、風に対する安定性が高いし、丸太の長さを変えることにより、防風柵工の高さを自由に変化させることができるなどの効果がある。
【0003】
しかしながら、本工法は沿岸部における、防災、防風を目的の植生を促し促進を考慮した工法であるが沿岸部における塩害により、結束鉄線及び金属の腐食により防護体の崩壊が早く、その目的が短命であることが見受けられる。また、落下した金属類の散乱により、危険かつ金属類の回収の労務費のコストがかかる。そのため、結束鉄線及び金属類を使用しない木製防風柵の開発が望まれていた。
【0004】
なお、本件出願人は、間伐材などの木材を利用し、これらが簡易な接合構造で組み立てられ、加工コストが安価で環境保全に優しい木製防護体を開発している (特許文献1を参照) 。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3201899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、金属製結束具を使用せず、全て木製丸太からなり、経年変化で腐朽に至っても環境汚染することがない木製防風柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の木製防風柵は、上下に平行に所定間隔を空けて配置した横つなぎ上丸太及び横つなぎ下丸太と、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に嵌合する切欠き半円凹部を外周面に備え、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太の左右端部に嵌合配置される端部第1縦丸太と、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に嵌合する切欠き半円凹部を外周面に備え、前記端部第1縦丸太の内側に隣接配置される端部第2縦丸太と、前記端部第2縦丸太の内側に連続的に隣接配置され、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に交互に嵌合する切欠き半円凹部を外周面に備え、前記横つなぎ上丸太及び前記横つなぎ下丸太に交互に交差状に前記半円凹部を嵌合させて三角構造に配置される主縦丸太とからなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の木製防風柵は、金属製結束具を使用することなく、丸太を三角構造に組んで形成することができるため、簡易な接合構造で組み立てられ、加工コストが安価で経年変化で腐朽に至っても環境保全に優しいものである。
また、横つなぎ上丸太及び横つなぎ下丸太を上下に平行に所定間隔を空けて配置したため、縦方向及び横方向の移動を制限するように作用し、安定的に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の木製防風柵の正面図である。
図2】本発明の木製防風柵の右側面図である。
図3】本発明の端部第1縦丸太の(a)正面図、(b)底面図、(c)右側面図である。
図4】本発明の端部第2縦丸太の(a)正面図、(b)底面図、(c)右側面図である。
図5】本発明の主縦丸太の(a)正面図、(b)底面図、(c)右側面図である。
図6】本発明の木製防風柵の説明のための正面図である。
図7】本発明の木製防風柵の説明のための右側面図である。
図8】本発明の木製防風柵の説明のための簡略斜視図である。
図9】従来の木製防風柵の正面図である。
図10】従来の木製防風柵の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の木製防風柵の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1の正面図、図2の右側面図に示すように、本発明の木製防風柵は、上下に平行に所定間隔を空けて配置した横つなぎ上丸太1及び横つなぎ下丸太2と、前記横つなぎ上丸太1及び横つなぎ下丸太2に嵌合する切欠き半円凹部6を外周面に備え、前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2の左右端部に嵌合配置される端部第1縦丸太3と、前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2に嵌合する切欠き半円凹部6を外周面に備え、前記端部第1縦丸太3の内側に隣接配置される端部第2縦丸太4と、前記端部第2縦丸太4の内側に連続的に隣接配置され、前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2に交互に嵌合する切欠き半円凹部6を外周面に備え、前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2に交互に交差状に前記半円凹部6を嵌合させて三角構造に配置される主縦丸太5とからなる。
【0011】
前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2は、同一規格に切削加工された同一直径の円柱体からなり、上下に平行に所定間隔を空けて配置し、薬剤注入に適するように天然又は人工乾燥処理を行った秋田産杉材を使用するのが最適である。
【0012】
前記端部第1縦丸太3は、図3の(a)正面図に示すように、前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2に嵌合する切欠き半円凹部6を外周面の上下対称位置に備え、(b)底面図に示すように、前記切欠き半円凹部6を外周面の頂点から半分だけ切り欠いている。
また、(a)正面図に示すように、前記切欠き半円凹部6の上下対称位置の中心部位置に木栓7を挿入する木栓穴8を貫通形成する。前記木栓穴8は、杉角材の前記木栓7が望ましい。
【0013】
前記端部第2縦丸太4は、図4の(a)正面図に示すように、前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2に嵌合する切欠き半円凹部6を前記端部第1縦丸太3とは反対側の外周面の上下対称位置に備えている。
また、前記端部第1縦丸太3と同様に、(a)正面図に示すように、前記切欠き半円凹部6の上下対称位置の中心部位置に木栓7を挿入する木栓穴8を貫通形成する。前記木栓穴8は、杉角材の前記木栓7が望ましい。
【0014】
前記主縦丸太5は、図5の(a)正面図に示すように、前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2に嵌合する切欠き半円凹部6を外周面の上下対称位置に備えている。
前記端部第2縦丸太4の内側に連続的に隣接配置され、前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2に交互に交差状に前記切欠き半円凹部6を嵌合させて三角構造に配置される。
【0015】
次に、本発明の木製防風柵の操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図6の正面図、図7の右側面図に示すように、横つなぎ上丸太及び横つなぎ下丸太2の両端に端部第1縦丸太3の切欠き半円凹部6を交互に嵌合させ、交差状の三角構造を形成する。
さらに前記端部第1縦丸太3の内側に隣接して逆向きに切欠き半円凹部6を交互に嵌合させ、交差状の三角構造を形成する。
そして、前記端部第1縦丸太3及び前記端部第2縦丸太4の木栓穴8に木栓7を挿入して、前記端部第1縦丸太3及び前記端部第2縦丸太4を固定する。
【0016】
前記横つなぎ上丸太1及び前記横つなぎ下丸太2の両端に前記端部第1縦丸太3及び前記端部第2縦丸太4が固定されているので、図8の簡略斜視図に示すように、後は前記端部第2縦丸太4の内側に連続的に隣接して交互に切欠き半円凹部6を嵌合させて交差状の三角構造を形成する。
このようにして形成された木製防風柵ユニットは、三角構造の底辺部分を地中に埋設して固定し、強風と冬季の土壌凍結から樹木を守ることができる。
また、必要に応じて、地表面から数十センチ幅の横板を配置して、砂などの移動を防止することも可能である。
【符号の説明】
【0017】
1 横つなぎ上丸太
2 横つなぎ下丸太
3 端部第1縦丸太
4 端部第2縦丸太
5 主縦丸太
6 切欠き半円凹部
7 木栓
8 木栓穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10