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特許7215996少なくとも1つの物体を光学的に検出するための検出器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】少なくとも1つの物体を光学的に検出するための検出器
(51)【国際特許分類】
   G01C 3/06 20060101AFI20230124BHJP
   G01S 7/486 20200101ALI20230124BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
G01C3/06 110B
G01S7/486
G01S7/481 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019526507
(86)(22)【出願日】2017-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2017079564
(87)【国際公開番号】W WO2018091640
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-11-13
(31)【優先権主張番号】16199397.7
(32)【優先日】2016-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16199398.5
(32)【優先日】2016-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16199399.3
(32)【優先日】2016-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17161334.2
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17195398.7
(32)【優先日】2017-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】17195427.4
(32)【優先日】2017-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517267802
【氏名又は名称】トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】レンナルツ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】シルトクネヒト,クリスティアン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ルンゲンシュミート,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ハーネ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ブルーダー,イングマル
(72)【発明者】
【氏名】エバーシュパッハ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】エギュン,セラル モハン
(72)【発明者】
【氏名】シンドラー,パトリク
(72)【発明者】
【氏名】フェイェス,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】シレン,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ゼント,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ファローフ,ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンゲン,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】オーマー,トマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルメス,ヴィルフリート
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-281452(JP,A)
【文献】特開平04-339209(JP,A)
【文献】特表2020-500310(JP,A)
【文献】特許第6979068(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 3/06
G01B 11/00-11/30
G01S 7/486
G01S 7/481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物体(112,1112)の位置を決定するための検出器(110,1110,2110)であって、
- 前記物体(112,1112,2112)から前記検出器(110,1110,2110)に伝播する少なくとも1つ入射光ビーム(116,1116)に応じて少なくとも1つの焦点距離を有する、少なくとも1つの転送装置(128,1128,2128)と、
- 少なくとも2つの光センサ(113,1118,1120,2113)であって、各光センサ(113,1118,1120)は少なくとも1つの感光エリア(121,1122,1124,2121)を有し、各光センサ(113,1118,1120,2113)は前記光ビーム(116,1116,2131)によるそれぞれの感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている、少なくとも2つの光センサ(113,1118,1120,2113)と、
- 前記センサ信号からの商信号Qを評価することによって前記物体(112,1112,2112)の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される、少なくとも1つの評価装置(132,1132,2133)と、を有し、
前記検出器(110,1110,2110)が、物体平面内の前記物体サイズから独立して少なくとも1つの測定範囲における前記物体(112,1112,2112)の縦方向座標zを決定するように適合されており、
各前記センサ信号は、前記光ビームの少なくとも1つのビームプロファイルの少なくとも1つのビームプロファイル面積の少なくとも1つの情報を含み、
前記感光エリア(121,1122,1124,2121)は、第1のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第1領域の情報を含み、第2のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第2領域の情報を含むように構成され、前記ビームプロファイルの第1領域と前記ビームプロファイルの第2領域は、隣接領域または重複領域の一方または両方であり、
前記ビームプロファイルの第1領域は、本質的に前記ビームプロファイルのエッジ情報を含み、前記ビームプロファイルの第2領域は、本質的に前記ビームプロファイルの中心情報を含み
前記評価装置(132,1132,2133)は、数式1によって前記商信号Qを導出するように構成され、ここで、xおよびyは横方向座標であり、A およびA はセンサ位置におけるビームプロファイルの面積であり、E(x,y,z )は物体距離z において与えられるビームプロファイルを表す、検出器(110,1110,2110)。
【数1】
【請求項2】
前記測定範囲は、前記物体から前記転送装置までの縦方向距離zと;前記転送装置の焦点距離fと;前記転送装置の射出瞳の直径Eと;前記転送装置から前記感光エリアまでの縦方向距離zと;前記転送装置から前記物体の像までの距離zと;前記物体平面における前記物体(112,111,2112)の大きさOsizeと、からなる群から選択される1つ以上のパラメータを調整することによって調整可能であり、
前記検出器(110,1110,2110)は、前記物体(112,111,2112)の少なくとも1つの点から放射された少なくとも1つの光ビームの錯乱円が前記物体(112,1112,2112)の像の大きさより大きい場合は、前記物体の大きさから独立して前記物体の縦方向座標zを決定するように適合され、
前記検出器(110,1110,2110)は、数式が少なくとも1つの距離で真である場合に、前記物体の大きさから独立して前記物体の縦方向座標zを決定するように適合されている、請求項1に記載の検出器(110,1110,2110)。
【数2】
【請求項3】
前記評価装置(132)は、前記センサ信号の非線形変換によって前記センサ信号を処理するように構成されている、請求項1又は2に記載の検出器(110,1110,2110)。
【請求項4】
前記評価装置(132)は、前記センサ信号を割算すること、前記センサ信号の倍数を割算すること、前記センサ信号の線形結合を割算することのうちの1つまたは複数により前記商信号Qを導出するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の検出器(110,1110,2110)。
【請求項5】
前記評価装置(132)は、前記縦方向座標を決定するために前記商信号Qと前記縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の検出器(110,1110,2110)。
【請求項6】
前記検出器(110,1110,2110)は、前記物体(112)を照射するための照射源(136)をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の検出器(110,1110,2110)。
【請求項7】
少なくとも1つの検出器(110,1110,2110)を使用することによって少なくとも1つの物体(112)の位置を決定するための方法であって、
- 少なくとも2つの光センサ(113)であって、各光センサ(113)は感光エリア(121)を有し、各光センサ(113)は光ビーム(116)によるそのそれぞれの感光エリアの照射に応答してセンサ信号を生成するように構成され、前記検器は少なくとも1つの転送装置(128)を有し、前記転送装置(128)は前記物体(112)から前記検出器(110,1110,2110)に伝播する前記光ビーム(116)に応じて少なくとも1つの焦点距離を有している、光センサ(113)を提供する、ステップと、
- 前記物体(112)から前記検出器(110,1110,2110)へ伝播する前記光ビーム(116)によって、前記検出器の少なくとも2つの光センサ(113)の各感光エリア(121)を照射し、それによって、各感光エリア(121)が少なくとも1つのセンサ信号を生成する、ステップと、
- 前記センサ信号を評価し、それによって前記物体(112)の少なくとも1つの縦方向座標zを決定し、前記評価は前記センサ信号の商信号Qの導出を含み、前記物体の前記縦方向座標zは物体平面内の物体サイズから独立して少なくとも1つの測定範囲内で決定される、ステップと、を含み、
各前記センサ信号は、前記光ビームの少なくとも1つのビームプロファイルの少なくとも1つのビームプロファイル面積の少なくとも1つの情報を含み、
前記感光エリア(121,1122,1124,2121)は、第1のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第1領域の情報を含み、第2のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第2領域の情報を含むように構成され、前記ビームプロファイルの第1領域と前記ビームプロファイルの第2領域は、隣接領域または重複領域の一方または両方であり、
前記ビームプロファイルの第1領域は、本質的に前記ビームプロファイルのエッジ情報を含み、前記ビームプロファイルの第2領域は、本質的に前記ビームプロファイルの中心情報を含み、
前記評価は、数式1によって前記商信号Qを導出するように構成され、ここで、xおよびyは横方向座標であり、A およびA はセンサ位置におけるビームプロファイルの面積であり、E(x,y,z )は物体距離z において与えられるビームプロファイルを表す、方法。
【数1】
【請求項8】
前記方法は、前記評価によって前記センサ信号の非線形変換により前記センサ信号を処理ずるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
使用目的が、交通技術における位置測定、娯楽用途、光データ記憶用途、セキュリティ用途、監視用途、安全用途、ヒューマンマシンインターフェース(148)用途、物流用途、追跡用途、写真撮影用途、マシンビジョン用途、ロボット用途、品質管理用途、製造用途、光データの記憶および読出しと組み合わせ用途、からなる群から選択される、検出器(110,1110,2110)に関する請求項1~6のいずれか一項に記載の検出器(110,1110,2110)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器、検出器システムおよび方法に関する。さらに本発明は、ユーザとマシンとの間の情報の少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、追跡システム、カメラ、走査システムおよび検出装置の様々な使用に関する。本発明による装置、システム、方法および使用は、具体的には、例えば、日常生活、ゲーム、交通技術、製造技術、セキュリティ技術、例えば美術用のデジタル写真またはビデオ写真などの写真撮影、ドキュメンテーションまたは技術的目的、医療技術または科学における様々な分野で採用され得る。さらに、本発明は特に1つまたは複数の物体を走査するために、および/または例えば建築、計測学、考古学、芸術、医学、工学または製造の分野で物体または場景の奥行きプロファイルを生成するために、場景を走査するために使用することができる。ただし、他の適用も可能である。
【背景技術】
【0002】
多数の光センサおよび光起電装置が、先行技術から公知である。光起電装置は、一般的に、紫外光、可視光、または赤外光等の電磁放射を、電気信号または電気エネルギーに変換するために使用されるが、光検出器は、一般的に、画像情報の取得および/または、輝度等の少なくとも1つの光学パラメータを検出するために使用される。
【0003】
一般的に無機センサ材料および/または有機センサ材料の使用に基づき得る多数の光センサが、先行技術から公知である。このようなセンサの例は、US 2007/0176165 A1、US 6,995,445 B2、DE 2501124 A1、DE 3225372 A1、US2007/0176165A1、WO 2009/013282 A1、WO 2012/110924 A1、WO 2014/097181 A1、WO 2015/024871 A1、US 4,767,211、WO 2014/198629A1、WO 2014/198626 A1、WO 2014/198629 AまたはWO 2014/198625 A1に開示され、その全内容は参照により本明細書に含まれる。さらに、本発明の文脈においても採用される可能性のある材料および光センサを参照すると、参照は、2015年1月30日に出願された欧州特許出願EP15153215.7、2015年3月3日に出願されたEP15157363.1、2015年4月22日に出願されたEP15164653.6、2015年7月17日に出願されたEP15177275.3、2015年8月10日に出願されたEP15180354.1およびEP15180353.3、ならびに2015年9月14日に出願されたEP15185005.4、2015年11月25日に出願されたEP15196238.8およびEP15196239.6、2015年12月3日に出願されたEP15197744.4号に記載されており、それらの全ての全内容も参照により本明細書に含まれる。
【0004】
さらに、物体の位置を決定するために少なくとも2つの異なるソースの信号を比較する検出器の概念を参照することができる。したがって、一例として、すべて2016年2月16日に出願されたEP16155834.1、EP16155835.8、またはEP16155845.7を参照することができ、その全開示は参照により本明細書に含まれる。さらに、P.Bartu,R.Koeppe,N.Arnold,A.Neulinger,L.Fallon, and S.Bauer、Conformable large-area position-sensitive photodetectors based on luminescence collecting silicone waveguides、J.Appl.Phys.107、123101(2010)にも、一種の位置検出装置(PSD)が記載されており、これは大面積や湾曲表面に適すると考えられ得る。
【0005】
例えば、US5,323,222Aには、光束を被写体に投射するための投光部を含む距離測定装置が記載されている。受光部は、投光部からベース長方向に離れて配置されており、被写体からの反射光を受け取り、そして受光量に応じて光電流を発生させる。受光部は、ベース長と直角に交差する最初の分割線によって、および最初の分割線を斜めに横切る2番目の分割線によって、少なくとも4つの受光要素に分割されている。第1比率算出部は、第1分割線の片側の受光要素によって発生した光電流の和の、一方の受光要素によって発生した光電流の和に対する比率を算出する。第2比率算出部は、第2分割線の片側の受光要素によって発生した光電流の和の、一方の受光要素によって発生した光電流の和に対する比率を算出する。距離決定部は、第1および第2の比率計算部の出力の和を計算し、結果として得られた値に基づいて、装置から被写体までの距離を決定する。
【0006】
US 4,675,517 Aは、第1および第2の感光領域を有する感光要素が記載されており、第1および第2の感光領域はその間の境界を跨ぐ光スポットを受けるように配置され、第1および第2の感光領域によって受光されるスポット光の2つの部分の面積の比は、それぞれ、光スポットの受光位置によって異なり、それにより、光スポットの受光位置が第1および第2の感光領域の出力の比の変動から検出され、光スポットの受光位置に対する第1および第2の感光領域の出力の比の変動の誤差は、光スポットの直径が第1および第2の感光領域をオーバーランするほど大きい場合に生じ、第1または第2の感光領域を囲む補足感光エリアを設けることによって補正される。
【0007】
WO 2015/024871 A1には、光検出器が記載されている。光検出器は、
- 空間的に分解される方法で光ビームの少なくとも1つの特性を修正するように適合され、ピクセルの行列を有し、各ピクセルは、ピクセルを通過する光ビームの一部の少なくとも1つの光学特性を個々に修正するように制御可能である、少なくとも1つの空間光変調器;
- 空間光変調器のピクセルマトリックスを通過した後に光ビームを検出し、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように構成された少なくとも1つの光センサ;
- 少なくとも2つのピクセルを異なる変調周波数で周期的に制御するように適合された少なくとも1つの変調装置;および
- 変調周波数についてのセンサ信号の信号成分を決定するために周波数分析を実行するように適合された少なくとも1つの評価装置、を含む。
【0008】
しかしながら、これらの既知の方法および装置を用いた物体までの距離の決定は物体サイズに依存する。特に、光センサは、輝度依存性を示す可能性があり、これは測定結果の評価をより困難にし、さらに、ターゲットスポットサイズに依存する可能性がある。物体サイズに依存することで、許容誤差や環境条件によって距離が決定されやすくなる。さらに、これらの方法および装置は大きなベースラインを必要とし、したがって、信頼性のある距離値に達するために大きな面積を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、既知の装置および方法の上述の技術的課題に対する装置および方法を提供することである。具体的には、好ましくは低い技術的努力で、かつ技術的資源およびコストの観点から低い要求で、空間内の物体の位置を確実に決定することができる装置および方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、独立特許請求項の特徴を有する本発明によって解決される。個別にまたは組み合わせて実現することができる本発明の有利な発展形態は、従属請求項および/または以下の明細書および詳細な実施形態によって提示される。
【0011】
本明細書で使用されるとき、「有する」、「含む」、または「含有する」という表現ならびにそれらの文法上の変形は、非排他的な形で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴の他に、この文脈において説明されている対象においてさらなる特徴が存在していないという状況、および、1つまたは複数のさらなる特徴が存在しているという状況の両方を指し得る。例として、「AはBを有する」、「AはBを含む」、および「AはBを含有する」という表現は、B以外に他の要素がA中に存在しないという状況(すなわち、Aは単独でかつ排他的にBからなるという状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、または、さらに別の要素などのような、1つまたは複数のさらなる要素が、対象物Aにおいて存在するという状況の両方を指し得る。
【0012】
さらに、用語「少なくとも1つ」、「1つまたは複数(1つ以上)」、または特徴または要素が1回または複数回存在し得ることを示す同様の表現は、通常それぞれの特徴または要素を導入するときに1回だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を参照するときに、表現「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」は、それぞれの特徴または要素が1回または複数回存在してもよいという事実にもかかわらず、繰り返されないことになる。
【0013】
さらに、以下において使用されているように、「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「さらに詳細には」、「具体的には」、「より具体的には」という用語、または、同様の用語は、代替的な可能性を制限することなく、任意の特徴と共に使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は任意選択の特徴であり、決して特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。当業者が認識するように、本発明は代替的な特徴を使用することによって実行されてもよい。同様に、「本発明の実施形態において」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替的な実施形態に関していかなる制限を課すものではなく、本発明の範囲に関していかなる制限を課すものではなく、また、そのようにして導入される特徴と本発明の他の任意の特徴または非任意の特徴を組み合わせることの可能性に関していかなる制限を課すものではない。
【0014】
本発明の第1の態様では、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器が開示されている。本明細書で使用されるとき、「物体」という用語は、少なくとも1つの光ビームを放射する点または領域を指す。光ビームは物体から、例えば、物体および/または光ビームを発する物体に一体化または取り付けられた少なくとも1つの照射源によって発してもよく、あるいは異なる照射源から、例えば、物体を直接または間接的に照射する照射源から生じてもよく、光ビームは物体によって反射または散乱される。本明細書で使用されるとき、「位置」という用語は、空間内の物体の場所および/または方向および/または物体の少なくとも一部に関する少なくとも1つの情報項目を指す。したがって、少なくとも1つの情報項目は、物体の少なくとも1つの点と少なくとも1つの検出器との間の少なくとも1つの距離を意味し得る。以下にさらに詳細に概説されるように、距離は縦方向座標であり得るか、または物体の点の縦方向座標を決定することに寄与し得る。追加的にまたは代替的に、物体および/または物体の少なくとも1つの部分の位置および/または方向に関する1つまたは複数の他の情報項目を決定することができる。一例として、さらに、物体および/または物体の少なくとも1つの部分の少なくとも1つの横方向座標が決定され得る。したがって、物体の位置は、物体および/または物体の少なくとも1つの部分の物体の少なくとも1つの縦方向座標を意味し得る。追加的にまたは代替的に、物体の位置は、物体の少なくとも1つの部分の少なくとも1つの横方向座標を意味し得る。追加的にまたは代替的に、物体の位置は、空間内の物体の方向を示す、物体の少なくとも1つの方向情報を示唆することが可能である。
【0015】
検出器は、
- 物体から検出器に伝播する少なくとも1つ入射光ビームに応じて少なくとも1つの焦点距離を有する、少なくとも1つの転送装置;
- 少なくとも2つの光センサであって、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている、少なくとも2つの光センサ;
- センサ信号からの商信号Qを評価することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される、少なくとも1つの評価装置と、を有する。
【0016】
検出器が、物体平面内の物体サイズから独立して少なくとも1つの測定範囲における物体の縦方向座標zを決定するように適合されてもよい。
【0017】
本明細書で使用されるように、「光センサ」は、一般に、光ビームを検出するための感光装置を指し、例えば、照射および/または少なくとも1つの光ビームによって発生した光スポットを検出するための感光装置を指す。本明細書でさらに使用されるように、「感光エリア」は、一般に、少なくとも1つの光ビームによって外部から照射され得る光センサのエリアを指し、その照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号が生じる。感光エリア、具体的には、それぞれの光センサの表面に配置されてもよい。しかしながら、他の実施形態も可能である。本明細書で使用するとき、「それぞれ少なくとも1つの感光エリアを有する少なくとも2つの光センサ」という用語は、各々が1つの感光エリアを有する2つの単一の光センサを伴う構成を指し、および、少なくとも2つの感光エリアを有する1つの組み合わされた光センサを伴う構成を指す。したがって、「光センサ」という用語はさらに、1つの出力信号を生成するように構成された感光装置を指すのに対し、本明細書では、2つ以上の出力信号を生成するように構成された感光装置、例えば少なくとも1つのCCDおよび/またはCMOS装置は、2つ以上の光センサを指す。以下にさらに詳細に概説するように、各光センサは、例えば、照射され得る正確に1つの感光エリアを提供することによって、正確に1つの感光エリアがそれぞれの光センサに存在するように具体化することができ、照射に応答して、光センサ全体に対して正確に1つの均一なセンサ信号が生成される。したがって、各光センサは、単一領域光センサであり得る。しかしながら、単一領域光センサの使用は、検出器の構成を特に簡単かつ効率的にする。したがって、一例として、市販の光センサ、例えば各々が正確に1つの感光エリアを有する市販のシリコンフォトダイオードが構成に使用され得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。したがって、一例として、本発明の文脈において、2つ、3つ、4つ、または4つより多くの光センサと見なされる、2つ、3つ、4つ、または4つより多くの感光エリアを含む光学装置が使用され得る。一例として、光学装置は感光エリアのマトリックスを含むことができる。したがって、一例として、光センサは、ピクセル化光学装置の一部であるかまたはそれを構成することができる。一例として、光センサは、ピクセルのマトリックスを有する少なくとも1つのCCDおよび/またはCMOS装置の一部であってもよく、各ピクセルは感光エリアを形成する。
【0018】
本明細書でさらに使用されるように、「センサ信号」は、一般に、光ビームによる照射に応答して光センサによって、生成される信号を指す。具体的には、センサ信号は、少なくとも1つのアナログ電気信号および/または少なくとも1つのデジタル電気信号などの少なくとも1つの電気信号であり得るか、またはそれを含み得る。より具体的には、センサ信号は、少なくとも1つの電圧信号および/または少なくとも1つの電流信号であり得るかまたはそれらを含み得る。より具体的には、センサ信号は少なくとも1つの光電流を含み得る。さらに、生のセンサ信号を使用することができ、あるいは検出器、光センサまたは任意の他の要素がセンサ信号を処理または例えばフィルタリングなどによる前処理など前処理するように適合させることができ、それによって、センサ信号としても使用することができる第2のセンサ信号を生成する。
【0019】
感光エリアは、具体的には物体に向けて配向されてもよい。本明細書で使用されるとき、「物体に向けて配向される」という用語は、一般に、感光エリアのそれぞれの表面が物体から完全にまたは部分的に見えるという状況を指す。具体的には、物体の少なくとも1つの点とそれぞれの感光エリアの少なくとも1つの点との間を相互に繋ぐ少なくとも1つの線は、0°以外の角度、例えば20°から90°、好ましくは80°から90°、例えば90°で、感光エリアの表面要素と角度を形成してもよい。したがって、物体が光軸上または光軸の近くに位置するとき、物体から検出器に向かって伝播する光ビームは、光軸と本質的に平行であり得る。本明細書で使用されるとき、「本質的に垂直」という用語は垂直配向の状態を指し、例えば±20°以下の許容誤差、好ましくは±10°以下の許容誤差、より好ましくは±5°以下の許容誤差である。同様に、「本質的に平行」という用語は平行配向の状態を指し、例えば±20°以下の許容誤差、好ましくは±10°以下の許容誤差、より好ましくは±5°以下の許容誤差である。
【0020】
光ビームは物体から検出器に向かって伝播し得る。以下にさらに詳細に概説するように、光ビームは、例えば、物体および/または光ビームを発する物体に一体化または取り付けられた少なくとも1つの照射源によって、物体から発してもよく、あるいは、物体を直接または間接的に照射する照射源からなど、異なる照明源から生じてもよく、光ビームは物体によって反射または散乱され、それによって少なくとも部分的に検出器に向けられる。一例として、照射源は、1つまたは複数の外部照射源、検出器に一体化された照射源、または、物体に取り付けられ、物体に一体化され、または物体によって保持されているうちの1つまたは複数であるビーコン装置に一体化された照射源であってよい。したがって、検出器は能動的および/または受動的な照射シナリオで使用されてよい。例えば、照射源は物体を照射するように適合されてもよく、例えば、光ビームを反射する物体に光ビームを向けることによって物体を照射するように適合されてもよい。追加的にまたは代替的に、物体は少なくとも1つの光ビームを生成および/または放射するように適合されてもよい。光源は、少なくとも1つのマルチビーム光源であり得るか、またはそれを含み得る。例えば、光源は、少なくとも1つのレーザ源と1つ以上の回折光学要素(DOE)とを含み得る。
【0021】
本明細書で使用されるように、「光線(ray)」という用語は一般に、エネルギーの流れの方向を示す光の波面に対して垂直である線を指す。本明細書で使用されるように、「ビーム」という用語は一般に光線の集まりを指す。以下では、用語「光線」および「ビーム」は同義語として使用される。本明細書でさらに使用されるように、用語「光ビーム」は、一般に光量を指し、具体的には、本質的に同じ方向に進む光量であって、光ビームが拡張角または広がり角を有する可能性を含む。光ビームは空間的広がりを有することができる。具体的には、光ビームは、非ガウスビームプロファイルを有することができる。ビームプロファイルは台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイル、からなる群から選択されてもよい。台形ビームプロファイルは、プラトー領域と少なくとも1つのエッジ領域とを有することができる。本明細書で使用されるとき、用語「ビームプロファイル」は、一般に、光ビームの横方向強度プロファイルを指す。以下でさらに詳細に概説するように、光ビームは具体的にはガウス光ビームまたはガウス光ビームの線形結合であり得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。転送装置は、ビームプロファイル、特にビームプロファイルの形状を調整、定義および決定することのうちの1つまたは複数のために構成されてもよい。
【0022】
光ビームは、単色光ビームであり得る。光ビームは狭帯域の波長を含むことができ、好ましくは光ビームは単一の波長を含むことができる。少なくとも1つの光源は、少なくとも1つの単色光ビームを生成するように構成されてもよく、および/または検出器は、狭帯域波長をフィルタリングするように適合された少なくとも1つのフィルタ要素、例えばモノクロメータを含み得る。
【0023】
照射源は、物体を照射するための少なくとも1つの照射パターンを生成するように適合されていてもよい。追加的にまたは代替的に、照射パターンは少なくとも1つの周囲光源によって生成されてもよい。検出器は、照射パターンが検出器から、特にハウジングの少なくとも1つの開口部から検出器の光軸に沿っておよび/またはそれに平行に物体に向かって伝播するように構成されてもよい。この目的のために、検出器は、照射パターンが光軸に沿って、または平行に伝播するように照射パターンを偏向するための少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを含むことができる。具体的には、照射源は、少なくとも1つのレーザおよび/またはレーザ源を含み得る。半導体レーザなどの様々な種類のレーザを使用することができる。追加的にまたは代替的に、LEDsおよび/または白熱電球などの非レーザ光源を使用することができる。本明細書で使用されるとき、「パターン」という用語は、少なくとも1つの任意の形状の特徴を含む任意の既知または所定の配置を指す。パターンは、点または記号などの少なくとも1つの特徴を含み得る。パターンは複数の特徴を含んでもよい。パターンは、周期的または非周期的特徴の配列を含み得る。本明細書で使用されるとき、「照射パターン」という用語は、物体を照射するパターンを指す。照射パターンは周囲光源によって生成されてもよく、例えば、少なくとも1つの周囲光源によって、または、少なくとも1つの照射源によって生成されてもよい。照射パターンは、少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターン、ランダム点パターンまたは準ランダムパターン;少なくとも1つのソボルパターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン;少なくとも1つの矩形パターン;凸状の均一傾斜を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線または交差線などの少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン;少なくとも1つの縞模様、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含み得る。例えば、照射源は、点群を生成および/または投影するように適合されてもよい。照射パターンは、規則的および/または一定および/または周期的パターン、例えば、三角形パターン、長方形パターン、六角形パターン、またはさらなる凸状傾斜を含むパターンを含むことができる。照射パターンは、面積当たり可能な限り多くの特徴を含むことができ、その結果、六角形パターンが好ましい場合がある。照射パターンの2つの特徴間の距離および/または少なくとも1つの照射特徴の面積は、画像内の錯乱円に依存し得る。
【0024】
照射源は、少なくとも1つの光プロジェクタ;デジタル光処理プロジェクタ(DLP)、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの発光ダイオードアレイ;少なくとも1つのレーザ光源アレイ、のうちの1つまたは複数を含むことができる。照射源は、照射パターンを直接生成するように適合された少なくとも1つの光源を含み得る。例えば、照射源は少なくとも1つのラインレーザを含み得る。ラインレーザは、例えば水平または垂直のレーザ線などのレーザ線を物体に送るように適合されてもよい。照射源は、複数のラインレーザを含み得る。例えば、照射源は照射パターンが少なくとも2本の平行線または交差線を含むように配置され得る少なくとも2本の線レーザを含んでもよい。照射源は、照射パターンが複数の点パターンを含み得るように点群を生成するように適合された少なくとも1つの光プロジェクタを含んでもよい。照射源は、照射源によって生成された少なくとも1つの光ビームから照射パターンを生成するように適合された少なくとも1つのマスクを含んでもよい。照射源は、スマートフォンなどのモバイル装置に取り付けられているか、または一体化されているもののうちの1つであり得る。照射源は、オートフォーカス機能などの画像を決定する際に使用されるさらなる機能のために使用され得る。照射源は、ヘッドフォンジャックなどのUSBコネクタまたは電話コネクタなどのコネクタを使用することなどによって、モバイル装置に取り付けることができる。
【0025】
照射源は、パルス照射を生成するように適合されていてもよい。照射源は、少なくとも1つの光パルスを生成するように適合されていてもよい。本明細書で使用されるとき、「光パルス」または「パルス照射」という用語は、時間的に制限された光ビームを指す。光パルスは、例えばナノ秒の範囲の所定の長さまたは持続時間を有することができる。例えば、照射源は、10分の1ナノ秒から10分の1秒までなど、ナノ秒未満のパルス長を有するパルスを生成するように適合されてもよい。照射源は、光パルスを周期的に生成するように適合されていてもよい。例えば、照射源は、10Hzから10GHzの周波数を有する光パルスを生成するように適合されていてもよい。
【0026】
照射源は、パルス光ビームを生成するように適合されていてもよい。例えば、照射源は、連続照射光ビームを生成するように適合されてよく、検出器は、特に周期的に照射を遮断するように適合された少なくとも1つの遮断装置を含んでよい。遮断装置は、少なくとも1つのシャッターおよび/またはビームチョッパまたは、他の何らかのタイプの機械的または電子的、周期的ビーム遮断装置、例えば好ましくは一定速度で回転し、周期的に照射を遮断することができる、少なくとも1つの遮断ブレードまたは遮断ホイールを含み得る。一例として、少なくとも1つの遮断装置は、全体的にまたは部分的に照射源に一体化することもできる。さまざまな可能性が考えられる。
【0027】
光センサは、紫外線、可視光、または赤外線のスペクトル範囲のうちの1つまたは複数で感度があり得る。具体的には、光センサは、500nmから780nm、最も好ましくは650nmから750nmまたは690nmから700nmの可視スペクトル範囲で感度があり得る。具体的には、光センサは、近赤外領域において感度があり得る。具体的には、光センサは、近赤外領域の部分において感度があり、シリコンフォトダイオードが特に適用可能である700nmから1000nmの範囲内で感度があり得る。光センサは、具体的には、赤外線スペクトル範囲、特に780nmから3.0マイクロメートルの範囲で感度があり得る。例えば、光センサは、それぞれ独立して、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体(フォトコンダクター)、フォトトランジスタ、またはそれらの任意の組み合わせ、からなる群から選択される少なくとも1つの要素であり得るか、またはそれを含み得る。例えば、光センサは、CCDセンサ要素、CMOSセンサ要素、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタ、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であり得るかまたはそれを含み得る。他のいかなる種類の感光要素を使用してもよい。以下にさらに詳細に概説されるように、感光要素は、一般に、完全にまたは部分的に無機材料から作られてもよく、および/または完全にまたは部分的に有機材料から作られてもよい。最も一般的には、以下にさらに詳細に概説されるように、商業的利用可能なフォトダイオードのような、例えば無機半導体フォトダイオードなどの1つまたは複数のフォトダイオードを使用することができる。本明細書でさらに使用されるように、用語「感光要素」は、一般的に要素を指し、これは、紫外線、可視光、または赤外線のスペクトル範囲のうちの1つまたは複数における照射に対して感度がある。具体的には、感光要素は、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタ、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であり得るか、またはそれを含み得る。他のいかなる種類の感光要素を使用してもよい。
【0028】
上述した従来技術の文書に含まれる技術的課題を考慮して、特に技術的な努力、WO 2015/024871に記載されているようないわゆるFiP効果を発生させるために必要とされる技術的な努力を考慮して、本発明は、具体的に非FiP光センサを使用することによって実現され得ることに留意されたい。実際、FiP特性を有する光センサは典型的には焦点においてそれぞれのセンサ信号が強いピークを示すので、光センサとしてFiPセンサを使用する(ときの)本発明による検出器の測定範囲は、2つの位置と第1および第2の光センサが光ビームの焦点にある範囲に制限される。しかしながら、線形光センサを使用するとき、すなわちFiP効果を示さない光センサを使用するとき、本発明の構成では、この問題は一般に回避され得る。その結果、第1および第2の光センサはそれぞれ、少なくとも測定範囲内で、線形信号特性を有し、それぞれの第1および第2のセンサ信号がそれぞれの光センサの照射の総出力に依存し、かつ、照射の光スポットの直径とは無関係であり得る。しかしながら、他の実施形態もまた実現可能であることに留意されたい。
【0029】
第1および第2の光センサはそれぞれ、具体的には半導体センサ、好ましくは無機半導体センサ、より好ましくはフォトダイオード、最も好ましくはシリコンフォトダイオードであり得る。したがって、複雑で高価なFiPセンサとは対照的に、本発明は、市販の無機フォトダイオード、すなわち1つの小フォトダイオードと1つの大面積フォトダイオードを使用することによって簡単に実現することができる。したがって、本発明の構成は安価で費用をかけない方法で実現することができる。
【0030】
しかしながら、以下に詳細に概説するように、検出器は、WO 2015/024871に記載されているようないわゆるFiP効果を生成するように適合された少なくとも1つのFiPセンサを含み得る実施形態は実行可能である。
【0031】
検出器は、物体を照射するための少なくとも1つの照射源をさらに含み得る。一例として、照射源は、物体を照射するための照射光ビームを生成するように構成することができる。検出器は、照射光ビームが検出器から物体に向かって検出器の光軸に沿って伝播するように構成されてもよい。この目的のために、検出器は、照射光ビームを光軸上に偏向させるための少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを含むことができる。
【0032】
照射源は、具体的には、赤外線スペクトル範囲の光を放射するように構成されてもよい。しかしながら、追加的にまたは代替的に、他のスペクトル範囲も可能であることに留意されたい。さらに、上記で概説したように、照射源は特に変調光または非変調光を放射するように構成されてもよい。複数の照射源が使用される場合、異なる射明源は異なる変調周波数を有することができ、それは以下でさらに詳細に概説されるように、後で光ビームを区別するために使用されることができる。照射源は、点群を生成および/または投影するように適合されてもよく、例えば照射源は1つまたは複数の、デジタル光処理プロジェクタ(DLP)、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの発光ダイオードアレイ;少なくとも1つのレーザ光源アレイ、を含んでよい。
【0033】
具体的には、照射源は、少なくとも1つのレーザおよび/またはレーザ源を含み得る。様々な種類のレーザ、例えば半導体レーザなどを使用することができる。追加的にまたは代替的に、非レーザ光源、例えばLEDおよび/または白熱電球などを使用することができる。照射源は、点群を生成および/または投影するように構成されてもよく、例えば照射源は、少なくとも1つのデジタル光処理プロジェクタ(DLP)、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの発光ダイオードアレイ;少なくとも1つのレーザ光源アレイ、のうち1つまたは複数を含み得る。照射源および光センサは、共通の平面または異なる平面に配置することができる。照射源と光センサは異なる空間方向を有することができる。特に、照射源および光センサは、ねじれ配置で配置されてもよい。
【0034】
照射光ビームは、一般に、光軸に対して平行であってもよく、または光軸に対して傾いていてもよく、例えば、光軸との角度を含む。一例として、レーザ光ビームなどの照射光ビームと光軸とは、10°未満、好ましくは5°未満、さらには2°未満の角度を含んでもよい。しかしながら、他の実施形態も可能である。また、照射光ビームは光軸上にあっても光軸外にあってもよい。一例として、照射光ビームは、光軸に対して10mm未満、好ましくは光軸に対して5mm未満、さらには光軸に対して1mm未満の距離を有する光軸に対して平行であり得か、または光軸と一致してもよい。
【0035】
検出器は少なくとも1つの転送装置を含む。「転送システム」とも呼ばれる「転送装置」という用語は一般に例えば、光ビームのビームパラメータ、光ビーム幅、または光ビームの方向のうちの1つまたは複数を修正することによって、光ビームを修正するように適合された1つまたは複数の光学要素を指し得る。転送装置は、光ビームを光センサ上にガイドするように適合されてもよい。転送装置は、具体的には、例えば、少なくとも1つのレンズであって、例えば少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズ、からなる群から選択される、少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの非球面レンズ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向素子、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブまたはビーム分割ミラーのうちの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0036】
本明細書で使用するとき、転送装置の「焦点距離」という用語は距離、該距離をかけて転送装置に衝突し得る入射コリメート光線が「焦点」とも呼ばれる「フォーカス」に送られる距離を指す。したがって、焦点距離は、衝突する光ビームを収束させる転送装置の能力の尺度を構成する。したがって、転送装置は、収束レンズの効果を有することができる1つまたは複数の撮像要素を備えることができる。例として、転送装置は、1つまたは複数のレンズ、特に1つまたは複数の屈折レンズ、および/または1つまたは複数の凸面鏡を有することができる。この例では、焦点距離は、薄い屈折レンズの中心から薄いレンズの主焦点までの距離として定義することができる。収束する薄い屈折レンズ、例えば、凸レンズまたは両凸の薄いレンズの場合、焦点距離は、正であると考えられ得、転送装置としての薄いレンズに当たるコリメート光のビームが単一スポットに集束され得る距離を提供してもよい。さらに、転送装置は少なくとも1つの波長選択要素、例えば少なくとも1つの光フィルタを含むことができる。さらに、転送装置は、電磁放射に関する所定のビームプロファイルを、例えばセンサ領域、特にセンサエリアの位置に印加するように設計され得る。転送装置の上述の任意の実施形態は、原則として、それぞれまたは任意の所望の組み合わせで実現することができる。
【0037】
転送装置は光軸を有してもよい。特に、検出器と転送装置は共通の光軸を有する。本明細書で使用されているように、「転送装置の光軸」という用語は、一般的にレンズまたはレンズ系の鏡面対称または回転対称軸を指す。検出器の光軸は、検出器の光学構成の対称線であり得る。検出器は少なくとも1つの転送装置、好ましくは少なくとも1つのレンズを有する少なくとも1つの転送システムを含む。一例として、転送システムは少なくとも1つのビーム経路を含み、ビーム経路内の転送システムの要素は光軸に対して回転対称に配置されている。それでもなお、以下にさらに詳細に概説されるように、ビーム経路内に位置する1つまたは複数の光学要素はまた、光軸に対して偏心または傾斜していてもよい。しかしながら、この場合、光軸は、ビーム経路内の光学要素の中心を相互接続することなどによって、例えばレンズの中心を相互接続することによって順次定義されてもよく、この文脈では、光センサは光学要素としてみなされない。光軸は一般にビーム経路を示すことができる。その中で、検出器は、光ビームが沿って物体から光センサへ進むことができる単一のビーム経路を有することができ、または複数のビーム経路を有することができる。一例として、単一のビーム経路が与えられてもよく、またはビーム経路は2つ以上の部分ビーム経路に分割されてもよい。後者の場合、各部分ビーム経路はそれ自体の光軸を有することができ、上述の条件は一般に各ビーム経路を独立して指すことができる。光センサは、同一のビーム経路または部分ビーム経路に配置されてもよい。しかしながら、代わりに、光センサはまた、異なる部分ビーム経路に配置されてもよい。光センサが異なる部分ビーム経路にわたって分布している場合、上述の条件は、少なくとも1つの第1の光センサが少なくとも1つの第1の部分ビーム経路内に配置され、第1の空間的オフセットによって第1の部分ビーム経路の光軸からずれており、少なくとも1つの第2の光センサが少なくとも1つの第2の部分ビーム経路内に配置され、少なくとも1つの第2の空間的オフセットによって第2の部分ビーム経路の光軸からずれており、第1の空間的オフセットと第2の空間的オフセットとは異なる、というように表現され得る。
【0038】
転送装置は光軸を有し、転送装置は座標系を構成し、縦方向座標は光軸に沿った座標であり、dは光軸からの空間的オフセットである。座標系は、極座標系であり得、転送装置の光軸がz軸を形成し、z軸からの距離および極角が追加座標として使用され得る。z軸に平行または逆平行な方向は縦方向と見なすことができ、z軸に沿った座標は縦方向座標Iと見なすことができる。z軸に垂直な任意の方向は横方向と見なすことができ、極座標および/または極角は横方向座標と見なすことができる。
【0039】
光センサは焦点から外れて配置されてもよい。本明細書で使用されるとき、「焦点」という用語は、一般に、転送装置または転送装置の焦点距離によって引き起こされる、光ビーム、特に物体の一点から発せされる少なくとも1つの光ビームの最小錯乱円の広がりの一方または両方を指す。本明細書で使用されるとき、「錯乱円」という用語は、転送装置によって集束される光ビームの円錐状の光線によって引き起こされる光スポットを指す。錯乱円は、転送装置の焦点距離f、物体から転送装置までの縦方向距離、転送装置の射出瞳の直径、転送装置から感光エリアまでの縦方向距離、転送装置から物体の画像までの距離に依存し得る。例えば、ガウスビームの場合、錯乱円の直径はガウスビームの幅とすることができる。特に、検出器から無限の距離に位置または配置された物体のような点については、転送装置は、転送装置の焦点距離において物体から焦点に光ビームを集束させるように適合されてもよい。検出器から無限の距離に位置または配置された非点状の物体については、転送装置は、転送装置の焦点距離において物体の少なくとも1つの点から焦点面に光ビームを集束させるように適合されてもよい。検出器から無限の距離に位置しないまたは配置されていない点状の物体については、錯乱円は少なくとも1つの縦方向座標において最小の広がりを有することができる。検出器から無限の距離に位置しないまたは配置されていない非点状の物体については、物体の少なくとも1つの点からの光ビームの錯乱円は、少なくとも1つの縦方向座標において最小範囲を有し得る。本明細書で使用するとき、「焦点からずらして配置される」という用語は、一般に、転送装置または転送装置の焦点距離によって引き起こされる光ビームの錯乱円の最小範囲以外の位置を指す。特に、焦点または錯乱円の最小範囲は縦方向座標lfocusにあってもよいが、光センサの位置は縦方向座標lfocusとは異なる縦方向座標lsensorを有してもよい。例えば、縦方向座標lsensorは、縦方向において縦方向座標lfocusよりも転送装置の位置に近い位置に配置されてもよく、縦方向座標lfocusよりも転送装置の位置から離れて配置されてもよい。したがって、縦方向座標lsensorおよび縦方向座標lfocusは、転送装置から異なる距離に位置してもよい。例えば、光センサは、縦方向の錯乱円の最小範囲から±2%の焦点距離、好ましくは±10の焦点距離、最も好ましくは±20%の焦点距離だけ離間していてもよい。例えば、転送装置の焦点距離が20mmであり、縦方向座標lsensorが19.5mmであり得る、すなわち、lsensorが焦点から焦点距離の2.5%離間するように、センサが97.5%の焦点距離に配置され得るとよい。光センサは、光センサの感光エリアが縦方向座標または空間的オフセットまたは表面積の少なくとも1つで異なるように構成されている。
【0040】
各感光エリアは幾何学中心を有することができる。本明細書で使用されるとき、ある領域の「幾何学中心」という用語は、一般に、その領域の重心を指し得る。一例として、領域の内側または外側の任意の点が選択され、この任意の点と領域のそれぞれの点とを結ぶベクトル上に積分が形成される場合、積分は任意の点の位置の関数である。任意の点が領域の幾何学中心に位置する場合、積分の絶対値の積分は最小化される。つまり、言い換えれば、幾何学中心は、領域の全点から最小の全体距離または合計距離を有する領域の内側または外側の点とすることができる。
【0041】
例えば、各感光エリアの各幾何学中心は、縦方向座標Icenter,iに配置することができ、iはそれぞれの光センサの番号を表す。検出器が正確に2つの光センサを含む場合、および検出器が2つより多い光センサを含む場合、光センサは、特に幾何学中心が、第1の縦方向座標Icenter,1に配置される少なくとも1つの第1の光センサを含むことができ、および、特に幾何学中心が、第2の縦方向座標Icenter,2に配置される少なくとも1つの第2の光センサを含むことができ、ここで第1の縦方向座標と第2の縦方向座標は異なる。例えば、第1の光センサと第2の光センサとは、光軸方向にずれた異なる平面に配置されていてもよい。第1の光センサは第2の光センサの前方に配置されてもよい。第1光センサは、前記第2光センサの前方に配置されてよい。したがって、一例として、第1の光センサは単に第2の光センサの表面に配置されてもよい。追加的にまたは代替的に、第1光センサは、第2光センサから第1感光エリアの表面積の平方根の5倍以下の距離で離間されてもよい。追加的にまたは代替的に、第1光センサは、第2光センサの前方に配置され、第2光センサから50mm以下、好ましくは15mm以下だけ離間されてもよい。第1の光センサと第2の光センサとの相対距離は、例えば焦点距離または物体距離に依存し得る。
【0042】
上述の条件のうちの1つが満たされる限り、光センサの縦方向座標も同一であり得る。例えば、光センサの縦方向座標は同一であってもよいが、感光エリアは光軸から離れていてもよく、および/または表面積は異なっていてもよい。
【0043】
各感光エリアの各幾何学中心は、転送装置の光軸、例えば、ビーム経路の光軸またはそれぞれの光センサが位置されているそれぞれのビーム経路から離間してよい。幾何学中心と光軸との間の距離であって、特に横方向の距離は、用語「空間的オフセット」によって表される。正確に2つの光センサを含む検出器の場合、および2つより多い光センサを含む検出器の場合は、光センサは、第1の空間的オフセットによって光軸から離間した少なくとも1つの第1の光センサと、第2の空間的オフセットによって光軸から離間した少なくとも1つの第2の光センサとを含み、第1の空間的オフセットと第2の空間的オフセットは異なる。一例として、第1および第2の空間的オフセットは、少なくとも1.2倍、より好ましくは少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍異なることがある。上記の条件の1つが満たされる限り、空間的オフセットもゼロであるか、または負の値をとることができる。
【0044】
本明細書で使用するとき、用語「表面積」は、一般に、少なくとも1つの感光エリアの形状と包含の両方を指す。正確に2つの光センサを含む検出器の場合、および2より大きい光センサを含む検出器の場合、光センサは、第1の表面積を有する少なくとも1つの第1の光センサと、第2の表面積を有する少なくとも1つの第2の光センサとを含み得る。2つより多い光センサ、例えば光センサのマトリックスを含むセンサ要素を含む検出器の場合、第1の群の光センサまたは少なくとも1つのマトリックスの光センサは、第1の表面積を形成してもよく、第2の群の光センサまたは少なくとも1つのマトリックスの他の光センサは、第2の表面積を形成してもよい。第1の表面積と第2の表面積は異なってよい。特に、第1の表面積と第2の表面積とは正確に合致しない。したがって、第1の光センサおよび第2の光センサの表面積は、形状または包含のうちの1つ以上において異なり得る。例えば、第1の表面積は第2の表面積よりも小さくてもよい。一例として、第1の表面領域と第2の表面領域の両方が正方形または長方形の形状であり得る場合、第1の表面領域の正方形または長方形の辺の長さは第2の表面領域の正方形または長方形の対応する辺の長さよりも小さい。あるいは、一例として、第1の表面積と第2の表面積の両方が円形であり得る場合、第1の表面積の直径は第2の表面積の直径よりも小さい。また、あるいは、一例として、第1の表面積は第1の等価直径を有し、第2の表面積は第2の等価直径を有し得る場合、第1の等価直径は第2の等価直径よりも小さい。上述の条件のうちの1つが満たされる限り、表面積は一致してもよい。
【0045】
光センサ、特に感光エリアは、重なっていてもよく、または光センサ間に重なりが生じないように配置されていてもよい。
【0046】
本明細書でさらに使用されるように、「評価装置」という用語は、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置を使用することによって、より好ましくは、少なくとも1つのプロセッサおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することによって、指定された動作を実行するように適合された任意の装置を一般に指す。したがって、一例として、少なくとも1つの評価装置には多数のコンピュータコマンドを含むソフトウェアコードを記憶した少なくとも1つのデータ処理装置を含むことができる。評価装置は、1つまたは複数の指定動作を実行するための1つまたは複数のハードウェア要素を提供してもよく、および/または1つまたは複数の指定動作を実行するために1つまたは複数のプロセッサとプロセッサ上で実行するソフトウェアを提供してもよい。
【0047】
物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定することを含む上述の動作は、少なくとも1つの評価装置によって実行される。したがって、一例として、1つまたは複数の上述の関係は、1つまたは複数のルックアップテーブルを実装することなどによって、ソフトウェアおよび/またはハードウェアで実装され得る。したがって、一例として、評価装置は、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、上述の評価を実行するように構成される、1つまたは複数のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASICs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、またはデジタル信号プロセッサ(DSPs)などの1つまたは複数のプログラム可能な装置を含み得る。しかしながら追加的にまたは代替的に、評価装置はまた、完全にまたは部分的にハードウェアによって具体化されてもよい。
【0048】
評価装置は、センサ信号の商信号Qを評価することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される。本明細書で使用されるとき、用語「商信号Q」は、センサ信号を組み合わせることによって生成される信号を指し、特に、センサ信号を割算すること、センサ信号の倍数を割算すること、またはセンサ信号の線形結合を割算すること、のうちの1つまたは複数によって生成される信号を指す。以下では、商信号は結合信号または結合センサ信号とも呼ばれる。
【0049】
物体サイズは事前的に未知であり得る。物体の画像サイズ、すなわち画像平面内の物体サイズは、距離に依存し得る。しかしながら、異なる材料は、異なる散乱特性を持ち、ランバート分布からの逸脱が発生する可能性がある。特に、輝度依存性は1/zから著しく逸脱する可能性がある。さらに、散乱の種類および/または物体の反射特性および/または物体の散乱特性、例えば、物体の材質に依存して、物体の画像サイズ、特にスポットの直径は変わり得る。したがって、距離を決定するためにスポットサイズを使用する方法および装置、例えば、ピクセル、または絶対光子数を数える方法および装置は、物体の材質によっては、適切ではない場合があり、較正が必要になる場合がある。物体サイズとは無関係に距離を決定するように適合された方法および装置は、1回の較正のみで任意の材料に対して確実な距離測定をするために必要である。さらに、物体サイズは光源自体によって変更されてよい。例えば、光学系の特性は、汚れ、雨滴、引っかき傷、または光源および/またはその光学部品の製造精度のうちの1つまたは複数によって変更される可能性がある。したがって、光源によって放射された光ビームは、その特性、例えば、直径、ビームプロファイル、発散などの1つまたは複数において変化することがある。したがって、物体サイズとは無関係に距離を決定するのに適した方法および装置は、1回の較正だけで、より高い製造公差またはより厳しい環境条件などに対して確実な距離決定を可能にするために必要である。さらに、物体サイズは、検出器の光学特性として温度に依存して変更されてもよく、および/または、光源は、例えば、発光体と光源の光学系との間の距離の温度依存性の変化によって、または、センサと検出器の光学系との間の距離の温度依存性の変化によって、あるいは、レンズの屈折特性などの温度依存性の変化などによって変化し得る。したがって、物体サイズの独立性は、測定物体、測定環境、検出器の温度およびその環境、センサおよび/または光源の製造品質の1つ以上についての事前知識がほとんど、または、全くない測定にとって重要である。さらに、物体サイズの独立性は、測定対象、測定環境、検出器の温度とその環境、センサの製造品質および/または光源のうちの1つ以上に関して高い柔軟性を必要とする測定にとって重要である。さらに、物体サイズの独立性は、発散または収束照射光ビームを使用する場合、例えば、発散または収束レーザ光ビームが照射スポットのサイズが距離とともに変化する場所で使用される場合に重要である。したがって、さらに物体サイズの独立性は、測定対象から独立した測定品質、測定環境、検出器の温度とその環境、センサの製造品質および/または光源のうちの1つ以上において高い確実性を必要とする測定にとって重要である。
【0050】
既知の3D感知方法は物体サイズに依存する。例えば、US 4,675,517およびUS 5,323,222は、物体サイズへの依存性を示す装置および方法を記載している。具体的には、US 4,675,517は、図3A~3Cの第2列目16行目に関して、距離情報がスポットサイズと共に変化することを記載している。特に、実際には、このようなシステムを使用すると、投影像スポットPの反射の像の直径がランダムに変化、または光学位置がずれるため、規定された物体距離境界が大きくシフトする。特に、大きすぎるスポットサイズによる問題が解決される。スポットサイズが大きすぎる場合、センサはより明るくなり、結果として得られる比率は正しくない。US 4,675,517は、センサエリアを拡大することによってこのスポットサイズ依存性を補正することを記載している。しかしながら、スポットサイズ依存性は排除されない。特に、小さすぎるスポットサイズによる問題が解決されていない。さらに具体的には、US 5,323,222は、距離を決定するために使用される比率が光源のチップサイズに依存することを記載している。特に、第2列目11行目において、図14Aの実線I1、I2は、それぞれ投光チップサイズt1、t2(t1<t2)に対する距離aの逆数と演算出力I1/(I1+I2)との関係を示す。さらに、投射レンズと発光要素との間の距離をfT、ベース長をL、および発光要素のチップサイズをtとすると、その場合、測定距範囲Sは、S=∞からfT*L/tとなる。しかしながら、US 5,323,222は、物体サイズの依存性の影響を排除することについてはこれ以上対処をしていない。
【0051】
本明細書で使用するとき、用語「物体サイズ」は、一般に、物体平面内の物体サイズ、特にスポットのサイズおよび/または領域のサイズ、および/または少なくとも1つの光ビームを放射する物体全体のサイズを指す。本明細書でさらに使用されるように、用語「物体サイズから独立している」および「物体サイズの独立性」は、物体の大きさの変動が縦方向座標zの決定に影響を及ぼさないという事実を指す。以下に詳細に概説するように、商信号Qは縦方向座標を決定するために使用されてもよい。したがって、物体サイズの独立性はさらに、商信号が物体サイズから本質的に独立しているという事実を意味し、同一の物体距離の場合、第1の物体サイズで決定された第1の商信号および異なる物体サイズで決定された第2の商信号は同一であり、±20%以下の許容誤差、好ましくは±10%以下の許容誤差、より好ましくは±5%以下の許容誤差を有する。物体サイズの独立性の要件または条件は、次のように述べることができ:物体の少なくとも1つの点から放射される少なくとも1つの光ビームの錯乱円は、物体の像サイズ、すなわち、画像平面内の物体のサイズより大きい。検出器は、検出器の少なくとも1つの点から放射された少なくとも1つの光ビームの錯乱円が物体の像の大きさより大きい場合は、物体サイズから独立して物体の縦方向座標zを決定するように適合されている。この条件は、数式1によって計算できる。
【0052】
【数1】
【0053】
ここで、zは物体から転送装置までの縦方向距離;Eは転送装置の射出瞳の直径;zは転送装置から感光エリアまでの縦方向距離;zは転送装置から物体の像までの距離;Osizeは物体平面にある物体の物体サイズである。本明細書で使用されるとき、用語「射出瞳の直径」は、転送装置の開口を指す。測定範囲が与えられると、条件は、例えばセンサ位置、射出瞳の直径、または物体の像を変えることによって、例えば焦点距離を変えることによって、満たされることができる。検出器は、上記数式1が少なくとも1つの距離zで真である場合に、物体サイズから独立して前記物体の縦方向座標zを決定するように適合されている。例えば、検出器は、物体サイズが大きい範囲で変動および/または変化する場合、例えば物体サイズの100%以上で変動および/または変化する場合、少なくとも1つの距離zにおける縦座標zを決定するように適合されてよい。検出器は、物体サイズが小さい範囲で変動および/または変化する場合、特に物体サイズが±20%以下、好ましくは±10%以下、より好ましくは±5%以下で変動および/または変化する場合、上記の条件である数式1をわずかだが満たす距離における縦方向座標zを決定するように適合されてよい。検出器は、上記数式1が少なくとも1つの距離zについて真であり、かつ、物体サイズが±20%以下、好ましくは±10%以下、より好ましくは±5%以下だけ変動および/または変化する場合、全測定範囲にわたって縦方向座標zを決定するように適合されてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「少なくとも1つの距離について真である」は、特に、完全測定範囲内または全体測定範囲内で物体サイズが±20%以下、好ましくは±10%以下、より好ましくは±5%以下だけ変動および/または変動する場合、少なくとも1つの距離で縦方向座標zが物体サイズとは無関係に決定され、検出器が他の距離で縦方向座標zを決定するように適合されることを指す。
【0054】
本明細書で使用されるとき、用語「測定範囲」は、一般に、縦方向座標zの決定が行われる任意の範囲を指す。測定範囲は、物体から転送装置までの縦方向距離z;転送装置の焦点距離f;転送装置の射出瞳の直径E;転送装置から感光エリアまでの縦方向距離z;転送装置から物体の像までの距離z;物体平面における物体サイズOsizeと、からなる群から選択される1つまたは複数のパラメータを調整することによって調整可能である。例えば、物体サイズが物体サイズの限度を超えていない場合には、物体から転送装置までの縦方向距離に対する商信号Qの独特な関係が存在する。物体サイズの限度は、転送装置から感光エリアまでの縦方向距離、物体から転送装置までの縦方向距離、転送装置のF番号F#、すなわち、転送装置の焦点距離と転送装置の射出瞳の直径との比に依存する。例えば、測定範囲は、転送装置から感光エリアまでの縦方向距離z、転送装置から物体の像までの距離z、転送装置から感光エリアまでの縦方向距離、転送装置の焦点距離とF番号、のうち1つまたは複数を選択および/または選ぶことによって適合させることができる。例えば、焦点距離および/またはF番号は、ズーム対物レンズを使用することによって調整することができる。特に、焦点距離は10から200mmの間、好ましくは20から150mmの間であり得る。F番号は1から10の間、好ましくは1、5および6であり得る。転送装置からの縦方向距離は可能な限り短くてもよい。転送装置から感光エリアまでの縦方向距離は0から200mmの間、好ましくは20から50mmの間であり得る。与えられたシステム設定(f,F#,z)に対して、物体サイズ制限の固有値を計算することができる。例えば、焦点距離が3.5mmでF番号が2.0の場合、物体サイズは1.75mmより小さくてもよい。好ましくは、物体サイズの下限は0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、最も好ましくは10μm以上であり得る。物体サイズの下限は、能動的測定システムを用いた最小物体サイズ、特にレーザスポットサイズを指す。
【0055】
評価装置は、センサ信号を割算すること、センサ信号の倍数を割算すること、センサ信号の線形結合を割算すること、のうちの1つまたは複数により商信号Qを導出するように構成されている。評価装置は、縦方向座標を決定するために商信号Qと縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている。例えば、評価装置は、以下の数式2によって商信号Qを導出するように構成される。
【0056】
【数2】
【0057】
ここで、xおよびyは横方向座標であり、A1およびA2はセンサ位置におけるビームプロファイルの面積であり、E(x,y,z)は物体距離zにおいて与えられるビームプロファイルを表す。エリアA1とエリアA2は異なる場合がある。特に、A1とA2は一致しない。本明細書で使用されるとき、「ビームプロファイル」という用語は、特に光ビームの伝播に対して垂直な少なくとも1つの平面における、光ビームの強度の空間分布に関する。ビームプロファイルは、光ビームの断面であり得る。ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイル;ガウスビームプロファイルの線形結合、からなる群から選択されてもよい。一般に、ビームプロファイルは輝度L(z)とビーム形状S(x,y;z),E(x,y;z)=L・Sに依存する。したがって、商信号を導出することにより、輝度値とは無関係に縦方向座標を決定することが可能になり得る。さらに、商信号を使用することにより、物体の大きさとは無関係に距離zを決定することができる。したがって、商信号は、物体の材料特性および/または反射特性および/または散乱特性とは無関係に、例えば、製造精度、熱、水、汚れ、レンズの損傷などによる光源の変化とは無関係に距離zを決定することを可能にする。さらに、非常に大きなスポットサイズは、例えば輝いているときでさえも、物体の縦方向座標の信頼ある決定が可能であり得る。
【0058】
各センサ信号は、光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つのエリアの少なくとも1つの情報を含み得る。本明細書で使用されるとき、「ビームプロファイルの領域」という用語は、一般に、商信号Qを決定するために使用されるセンサの位置におけるビームプロファイルの任意の領域を指す。感光領域は、第1のセンサ信号がビームプロファイルの第1の領域の情報を含み、第2のセンサ信号がビームプロファイルの第2の領域の情報を含むように配置されてもよい。ビームプロファイルの第1の領域およびビームプロファイルの第2の領域は、隣接する領域または重なり合う領域の一方または両方であり得る。ビームプロファイルの第1の領域およびビームプロファイルの第2の領域は、領域が一致しないことがある。
【0059】
評価装置は、ビームプロファイルの第1の領域およびビームプロファイルの第2の領域とを決定および/または選択するように構成されてもよい。ビームプロファイルの第1の領域は、本質的にビームプロファイルのエッジ情報を含み、ビームプロファイルの第2の領域は、本質的にビームプロファイルの中心情報を含むことができる。ビームプロファイルは、中心、すなわちビームプロファイルの最大値および/またはビームプロファイルのプラトーの中心点および/または光スポットの幾何学中心、ならびに中心から延びる立ち下がりエッジを有し得る。第2の領域は断面の内側領域を含み、第1の領域は断面の外側領域を含み得る。本明細書で使用するとき、「本質的に中心情報」という用語は、一般に、中心情報の割合、すなわち中心に対応する強度分布の割合と比較すると、低い割合のエッジ情報、すなわち、エッジに対応する強度分布の割合を指す。好ましくは中心情報は10%未満のエッジ情報の割合を有し、より好ましくは5%未満のエッジ情報の割合を有し、最も好ましくは中心情報はエッジ内容を含まない。本明細書で使用するとき、「本質的にエッジ情報」という用語は、一般に、エッジ情報の割合と比較すると、中心情報の割合が低いことを指す。エッジ情報は、特に中心領域およびエッジ領域からのビームプロファイル全体の情報を含み得る。エッジ情報は、10%未満、好ましくは5%未満の中心情報の割合を有することができ、より好ましくは、エッジ情報は中心コンテンツを含まない。ビームプロファイルの少なくとも1つの領域は、それが中心に近いかまたは中心の周りにあり、本質的に中心情報を含む場合、ビームプロファイルの第2の領域として決定および/または選択され得る。ビームプロファイルの少なくとも1つの領域が、それが断面の立ち下がりエッジの少なくとも一部を含む場合、ビームプロファイルの第1の領域として決定および/または選択され得る。例えば、断面の全エリアを第1領域としてもよい。ビームプロファイルの第1の領域は領域A2であり得、ビームプロファイルの第2の領域は領域A1であり得る。
【0060】
第1の領域A1と第2の領域A2の他の選択も可能であり得る。例えば、第1の領域はビームプロファイルの本質的に外側の領域を含み、第2の領域はビームプロファイルの本質的に内側の領域を含み得る。例えば、中心信号は、光スポットの中心を含む矩形の縞に対応する信号であり得る。評価装置は、中心信号と加算信号との第1の線形結合と、中心信号と加算信号との第2の線形結合との商を形成するように適合されていてもよい。特に、2次元ビームプロファイルの場合、ビームプロファイルは左部分と右部分に分割されてもよく、第1の領域はビームプロファイルの左側部分の領域を本質的に含み、第2の領域はビームプロファイルの右側部分の領域を本質的に含み得る。一例として、第1および第2の領域は、互いに最小の間隔で隣接していてもよい。しかしながら、商信号のダイナミックレンジを改善するために、隣接する領域間の間隔を拡大するなどして変化させることもできる。一例として、第1領域と第2領域の間の領域を評価しないことによって2つの隣接領域の分離を増大させることができる。これは、領域の一方の領域の光を隣接する領域比較して相対的および/または絶対的に減少させ、2つの領域の信号の商を増加させ得る。さらに、領域の一方または両方は、互いに隣接していてもよく、および/または評価されていない領域によって分離されていてもよく、および/または異なる商の一部として評価されてもよい。さらに、第1および第2の領域は、サブ領域の線形結合からなってもよく、各サブ領域によって寄与される信号は、中心信号および/または和信号を形成する場合に異なるように重み付けされてもよい。これは商システムのダイナミックレンジを増加させるためにさらに有益であり得る。
【0061】
錯乱円の広がりは、光センサの範囲よりも大きくてもよい。例えば、光センサは、錯乱円が光センサを越えて延びるように配置されてもよい。したがって、光センサは、光ビームのビームプロファイルを部分的にしか評価できない。評価装置は、対称性を考慮することによって、または部分的なビームプロファイルを予め記録されたビームプロファイルなどと比較することによって、ビームプロファイルを外挿するように適合させることができる。さらに、評価装置は部分ビームプロファイルの部分和信号および部分中心信号を評価し、それを外挿および/または適合および/または予め記録されたビームプロファイルなどの和信号に変換するように適合されてもよい。
【0062】
エッジ情報は、ビームプロファイルの第1の領域内の光子の数に関する情報を含み得、中心情報は、ビームプロファイルの前記第2の領域内の光子の数に関する情報を含み得る。評価装置は、ビームプロファイルの面積積分を決定するように適合されてもよい。評価装置は、第1のエリアの積分および/または加算によってエッジ情報を決定するように構成されていてもよい。評価装置は、第2の領域の積分および/または加算によって中心情報を決定するように構成されていてもよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は台形の積分を決定するように適合され得る。さらに、台形ビームプロファイルを仮定することができる場合、エッジおよび中央信号の決定は、例えば、エッジの傾斜および位置ならびに中央のプラトーの高さの決定、および幾何学的考察によるエッジおよび中心信号の導出など台形ビームプロファイルの特性を利用する同等の評価によって置き換えられてもよい。
【0063】
追加的にまたは代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライスまたはカットから中心情報またはエッジ情報の一方または両方を決定するように適合されてもよい。これは、例えば、商信号Q内の面積積分をスライスまたはカットに沿った線形積分で置き換えることによって実現することができる。精度を向上させるために、光スポットを通るいくつかのスライスまたはカットを使用して平均化することができる。楕円形のスポットプロファイルの場合、いくつかのスライスまたはカットにわたって平均化すると、距離情報が改善される可能性がある。
【0064】
評価装置は、エッジ情報と中心情報を割算すること、エッジ情報と中心情報の倍数を割算すること、エッジ情報と中心情報の線形結合を割算すること、のうちの1つまたは複数によって商信号Qを導出するように構成されてもよい。したがって、本質的には、光子比を本方法の物理的基礎として使用することができる。
【0065】
検出器は少なくとも2つの光センサ上の光ビームプロファイルの少なくとも2つの非対称領域の放射輝度比から奥行き情報、特に絶対奥行き情報を決定するように適合されてもよい。例えば、検出器は、マトリックス状に配置された複数の光センサを含み得る。検出器は、取り囲まれた、特にCMOS検出器などの光センサの単一マトリックスによって捕捉されたデフォーカスビームプロファイル内の少なくとも2つの非対称領域の放射輝度比から奥行き情報を決定するように適合され得る。特に、検出器は、特定の物体サイズの範囲とは無関係に放射輝度比を使用して奥行き情報を決定するように適合され得る。この原理はフォトンレシオによる距離(DPR)と呼ばれる。
【0066】
DPR原理は、例えば、1つのセグメント画像プロファイルの多くのサブ領域、例えば後述する光センサのマトリックス上の少なくとも1つの光ビームによって生成される少なくとも1つの特徴のセグメント化された画像、に適用することができる。2次元の場合の商QA(z)は次の数式3のように書くことができる。
【0067】
【数3】
【0068】
ここで、P(x,y,z)は2次元のビームプロファイルで、rinとroutはそれぞれ内円と外円の半径である。y次元に沿った線分商Q(z)の場合、これは次の数式4ように書き換えることができる。
【0069】
【数4】
【0070】
この理論に縛られたくはないが、全体のデフォーカスビームプロファイルP(x,z)は、像幅b(x,z)に沿ったデフォーカスイメージポイントプロファイルp(x,z)の重ね合わせと見なすことができる。この関係は、数式5によって与えられる畳み込みとしてモデル化できる。
【0071】
【数5】
【0072】
ここで、p(x,z)はデフォーカス状態にあるレンズの点像分布関数(PSF)を表し、近軸光学の分野では錯乱円(CoC)としても知られている。p(x,z)をQ(z)に挿入することによって、上述の商Q(z)は以下の数式6のように書き直すことができる。
【0073】
【数6】
【0074】
CoC半径はrであり得、rは光センサのマトリックス上の特徴の像スポット半径であり得、そしてrout=r+r⇒rout≧rおよびrout≧rであり、数式7となる。
【0075】
【数7】
【0076】
≦rin<rの場合、数式8となる。
【0077】
【数8】
【0078】
これは、商が物体サイズにr<rという条件で依存しないことを示す。
【0079】
DPRにおける物体サイズ独立性(OSI)は、画像幅iがcとして示される錯乱円(CoC)幅より小さいままである限り適用される。一次元の場合、これは直径d<dによって表される。近軸光学系を使用すると、これらの直径は次の数式9のように置き換えることができる。
【0080】
【数9】
【0081】
ここで、aは物体距離、iは像距離、Oは物体サイズ、Dはレンズ射出瞳直径、およびdは像側主平面に対するセンサ位置である。並べ替えた後、これは次の数式10のように書くことができる。
【0082】
【数10】
【0083】
単レンズを無限遠にフォーカスすると、これは数式11に単純化される。
【0084】
【数11】
【0085】
ここで、fは焦点距離、およびF#はレンズのF番号である。
【0086】
さらに、光センサのマトリックスを用いて、デフォーカスされたビームプロファイルは、ある角度θの線に沿って縦座標の原点から距離ωを有する断面に細分され得る。したがって、単線のパラメータ化は、以下の数式12によって与えられ得る。
【0087】
【数12】
【0088】
平行線に沿った強度の積分は、周知のラドン変換の積分射影R{・}によって数学的に記述することができ、以下の数式13のように表される。
【0089】
【数13】
【0090】
δはディラックデルタ関数を表し、f(x,y)は閉じられたデフォーカスビームプロファイルの強度である。所与の角度θおよび投影幅ωに対する光子比Rは、f’(x,y)を内側領域として有する数式14によって与えられる。
【0091】
【数14】
【0092】
θの変動は、特定の距離で傾斜した物体表面に対して異なる比率Rを生み出す可能性がある。次の数式15の間隔でθを変化させれば十分である。
【0093】
【数15】
【0094】
一実施形態では、物体から検出器まで伝播する光ビームは、少なくとも1つの特徴点を含む少なくとも1つのパターンでセンサ要素を照射することができる。本明細書で使用されるとき、「特徴点」という用語は、パターンの少なくとも1つの少なくとも部分的に延在する特徴を指す。特徴点は以下少なくとも1点;少なくとも1行;少なくとも1つのエッジ、からなる群から選択されてもよい。パターンは、例えば、少なくとも1つのパターンを含む照射パターンを有する少なくとも1つの照射源による照射に応答して、物体によって生成されてもよい。A1は、光センサ上の特徴点の完全なまたは全領域に対応し得る。A2は、光センサ上の特徴点の中心領域であり得る。中心領域は一定値であり得る。中心領域は、特徴点の全領域と比較して小さくてもよい。例えば、円形の特徴点の場合、中心領域は、特徴点の全半径の0.1から0.9まで、好ましくは全半径の0.4から0.6までの半径を有することができる。
【0095】
例えば、物体から検出器まで伝播する光ビームは、少なくとも1つの線パターンで光センサを照らすことができる。線パターンは、例えば、少なくとも1つの線パターンを含む照射パターンを有する少なくとも1つの照射源による照射に応答して、物体によって生成されてもよい。A1は、光センサ上、特に光センサの感光エリア上の、線パターンの全線幅を有する領域に対応し得る。光センサ上の線パターンは光センサ上の線幅が広くなるように、照射パターンの線パターンと比較して拡大および/または変位させることができる。特に、光センサのマトリックスの場合、光センサ上の線パターンの線幅はある列から別の列へと変化する可能性がある。A2は、光センサ上の線パターンの中心領域であり得る。中心領域の線幅は一定の値であり得、特に照射パターンの線幅に対応し得る。中心領域は、全線幅に比べてより小さい線幅を有することができる。例えば、中心領域は、全線幅の0.1から0.9まで、好ましくは全線幅の0.4から0.6までの線幅を有することができる。線パターンは光センサ上でセグメント化されてもよい。光センサのマトリックスの各列は線パターンの中心領域の強度の中心情報および線パターンの中心領域からさらに外側にエッジ領域まで広がる領域からの強度のエッジ情報を含み得る。
【0096】
例えば、物体から検出器へ伝播する光ビームは少なくとも1つの点パターンでセンサ要素を照らすことができる。点パターンは、例えば、少なくとも1つの点パターンを含む照射パターンを有する少なくとも1つの照射源による照射に応答して、物体によって生成されてもよい。A1は、光センサ上の点パターンの点の全半径を有する領域に対応し得る。A2は、光センサ上の点パターンの点の中心領域であり得る。中心エリアは一定値であり得る。中心エリアは、全半径と比較する半径を有することができる。例えば、中心エリアは、全半径の0.1から0.9まで、好ましくは全半径の0.4から0.6までの半径を有することができる。
【0097】
物体から検出器へ伝播する光ビームは、点パターンと線パターンの両方を含む反射パターンでセンサ要素を照らすことができる。線パターンおよび点パターンに加えてまたはその代わりに他の実施形態も可能である。
【0098】
例えば、光センサは、第1の感光エリアを有する第1の光センサおよび第2の感光エリアを有する第2の光センサを含み得、第1および第2の感光エリアは、例えば以下の数式16の条件が満たされるように配置される。
【0099】
【数16】
【0100】
ここで、「a」は、転送装置の焦点距離の半分に等しい距離で光軸と交差する光軸に垂直な平面の内側領域と、第1感光エリアの両方に当たる光子の比率であり、「b」は平面の内側領域と第2感光エリアの両方に当たる光子の比率であり、「c」は平面の外側領域と第1感光エリアの両方に当たる光子の比率であり、「d」は平面の外側領域と第2感光エリアの両方に当たる光子の比率である。第1の感光エリアおよび第2の感光エリアは、内側領域が、光軸上に幾何学中心点を有する領域、および光子の半分が内側領域の内で平面に当たり、残りの半分が内側領域の外で平面に当たる延長を有するように、配置され得る。第1感光エリアおよび第2感光エリアは、内側領域が、光軸上に中心点を有する円として、および、光子の半分が円の内で平面に当たり、残りの半分が円の外で平面に当たるように選択された半径rとして設計されるように、配置されている。
【0101】
上記で概説したように、検出器は少なくとも1つの照射源を含み得る。照射源と光センサとの間の検出器の光軸に垂直な距離は小さくてもよい。照射源と光センサとの間の検出器の光軸に垂直な距離は0.1m未満、好ましくは0.05m未満、より好ましくは0.025m未満であり得る。照射源と光軸は小さなベースラインによって分離されてもよい。本明細書で使用するとき、基線とも呼ばれる用語「ベースライン」は、例えば、xy平面における、光軸と照射源との間の距離、特に光軸と照射光ビームのz成分との間の距離を指す。照射源は、光軸から最小距離だけ離れていてもよい。光軸からの最小距離は光センサおよび少なくとも1つの任意選択の転送装置のサイズおよび位置などのさらなる検出器要素によって定義することができ、これについては以下で詳細に説明する。ベースラインは、0.1m未満、好ましくは0.05m未満、より好ましくは0.025m未満であり得る。例えば、ベースラインは21mmであり得る。好ましくは、照射源は転送装置のすぐ隣に配置されてもよい。例えば、転送装置は照射源が光軸にさらに近く配置されることができるように平らにされてもよい。照射源は、転送装置の後ろに配置されてもよい。
【0102】
光センサのうちの少なくとも1つは、飛行時間(TOF)に応じて少なくとも1つのセンサ信号を生成するように適合されてもよく、照射光ビームは照射源から物体まで進行し、反射光ビームは物体から光センサの感光エリアまで進行した。評価装置は、TOFセンサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つのTOF縦方向座標zTOFを決定するように構成されてもよい。TOFセンサ信号を生成するように適合されている光センサは、飛行時間検出器として設計することができる。飛行時間検出器は少なくとも1つのパルス飛行時間検出器;少なくとも1つの位相変調飛行時間検出器;少なくとも1つの直接飛行時間検出器;少なくとも1つの間接飛行時間検出器、からなる群から選択されてもよい。例えば、位相変調飛行時間検出器は、少なくとも1つの位相検出器を有する少なくとも1つのRF変調光源であり得る。光センサは、照射源による照射光ビームの放射と反射光ビームの受信との間の時間遅延を決定するように構成されてもよい。
【0103】
例えば、TOFセンサ信号を生成するように適合された光センサはパルス飛行時間検出器として設計されてもよい。検出器は、パルス光ビームを生成するようになっている少なくとも1つのシャッター素子などの少なくとも1つの遮断装置を含むことができる。光センサは、反射光ビームの受信時間に応じてTOFセンサ信号を複数の時間窓、特にその後の時間窓に格納するように適合されてもよい。光センサは、反射光ビームの受信時間に応じて生成されたTOFセンサ信号を少なくとも1つの第1の時間窓および/または少なくとも1つの第2の時間窓に格納するように適合されてもよい。第1および第2の時間窓は、遮断装置の開閉と相関し得る。第1および第2の時間窓の期間は予め定義されてもよい。例えば、TOFセンサ信号は、遮断装置の開放中に第1の時間窓に格納されてもよく、遮断装置の閉鎖中には、TOFセンサ信号は第2の時間窓に格納されてもよい。他の期間の時間窓も考えられる。第1および第2の時間窓は、背景、信号の高さおよび信号のシフトに関する情報を含み得る。
【0104】
例えば、TOFセンサ信号を生成するように適合された光センサは、直接飛行時間型撮像素子として適合することができる。直接飛行時間型撮像素子は、少なくとも1つの単一レーザパルスを発生するように適合されている少なくとも1つの照射源を含むことができる。単一レーザパルスは、物体から光センサ上に反射して戻ることがある。光センサは、少なくとも1つのフォトダイオード、例えば少なくとも1つのSiAPD、または少なくとも1つのInGaAsAPD、または少なくとも1つのPIN光検出器アレイなどの少なくとも1つのアバランシェフォトダイオード(APD)、または反射光ビームを結像するように適合された少なくとも1つの単一光子アバランシェフォトダイオード(SPAD)を備えることができる。直接飛行時間型撮像素子は、空間的および時間的データを含む少なくとも1つの画像を撮像するように適合されていてもよい。
【0105】
例えば、TOFセンサ信号を生成するように適合された光センサは、位相変調飛行時間変調器として設計されてもよい位相変調飛行時間変調器は、放射信号、すなわち照射光ビームを用いて例えば受信信号、すなわち反射光ビームの乗算によって相関信号を決定することによって、位相差、特に位相シフトを測定するように適合されてもよい。相関信号のDC成分は、位相差に関する情報を含み得る。評価装置は、位相差から物体の第2の縦方向座標を決定するように適合されていてもよい。例えば、TOFセンサ信号を生成するように適合された照射源および光センサは、少なくとも1つの位相検出器を備えるRF変調光源として設計され得る。照射源は、例えば、少なくとも1つのLEDおよび/または少なくとも1つのレーザを含み得る。照射源は、あらかじめ定義された位相シフトを有する光ビームを変調するように適合された少なくとも1つの変調装置を含み得る。例えば、変調装置は少なくとも1つの無線周波数モジュールを含み得る。無線周波数モジュールは、照射ビームをRF搬送波で変調するように適合されていてもよい。光センサは、光センサに当たる反射光ビームの位相シフトを決定するように適合されていてもよい。
【0106】
光センサは、少なくとも1つの飛行時間型ピクセルとして設計されてもよく、および/またはそれを含んでもよい。好ましくは、検出器は少なくとも2つの光センサを含み、各光センサは少なくとも1つのTOFピクセルとして設計され、および/またはそれを含む。例えば、検出器、特に光センサは、TOFセンサ信号を生成するよう適合された象限ダイオードを含むことができる。例えば、検出器、特に光センサは、少なくとも1つのピクセル化TOF撮像装置を含み得る。
【0107】
評価装置は、TOFセンサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つのTOF縦方向座標zTOFを決定するように構成することができる。本明細書で使用されるとき、「TOF縦方向座標」という用語は、TOFセンサ信号から導出された縦方向座標を指す。上述のように、照射光源は少なくとも1つの光パルスを周期的に発生させるように適合されてもよい。検出器は、各期間について第1の縦方向センサ信号を生成するように適合されてもよい。評価装置は、第2の縦方向座標を用いてTOFセンサ信号がどのパルス周期で生成されたかを決定するように適合されてもよい。検出器は、組み合わされたセンサ信号を使用することによって、ToF信号がどの期間を指すのかを独自に割り当てるように適合されてもよい。TOFセンサ信号と合成センサ信号の両方は、縦方向座標zrealの非単調関数であり得る。したがって、縦方向座標は、TOFセンサ信号または合成センサ信号の一方のみから独自に決定されることはできず、測定範囲は、信号がzrealの固有の関数である縦方向座標範囲に制限されることはない。「測定範囲」という用語は、一般に、物体から検出器までの範囲内であって、縦方向座標の決定が可能である範囲を指す。「縦方向範囲」という用語は、一般に、物体から検出器までの範囲であって、縦方向座標の独自の決定が可能である範囲を指す。物体から検出器までの特定の距離の下および/または上では縦方向座標の決定は不可能かもしれない。例えば、おそらく内部クロックの最小測定時間のため、飛行時間測定は物体から検出器までの一定の距離以下では不可能である。さらに、飛行時間測定では、センサ信号は縦方向周期内で固有であり得るが、縦方向周期の整数倍が加算されて、決定された縦方向座標が非固有の場合、センサ信号は同じであってもよい。従って、同じTOFセンサ信号が、距離z1と距離z+n・z1pに対して得られ、ここで、nは縦周期を表す整数であり、z1pはTOFセンサ信号の縦方向周期であり、距離zおよびz+n・z1pは測定範囲内にある。本明細書で使用されるとき、「縦方向の周期」という用語は、縦方向座標がTOFセンサ信号から明白に決定され得る周期のパターン、特に距離範囲を指す。非固有の縦方向座標は、相対的縦方向座標として表すことができ、そして固有の縦方向座標は絶対的縦方向座標として表すことができる。
【0108】
TOFセンサ信号F1と合成センサ信号F2の両方が利用可能である場合、各信号対(F1、F2)が固有の距離に対応する限り、縦方向座標を独自に決定し、縦方向範囲を拡大することが可能であり、そしてその逆も同様である。特に、縦方向座標ごとに固有の信号対(F1、F2)が存在する場合およびその逆の場合、評価装置は、
(1)TOFセンサ信号および/または結合センサ信号などの少なくとも1つの第1の選択された信号を選択し、非固有の第1の縦方向座標を決定すること;
(2)ステップ(1)で選択されなかった結合信号Qおよび/またはTOFセンサ信号などの第2の選択された信号を選択し、非固有の第2の縦方向座標を決定すること;
(3)非固有の第1の縦方向座標および非固有の第2の縦方向座標のうちの一方が所定の許容誤差閾値まで一致するかどうかを判定すること;
(4)組み合わされた固有の縦方向座標を一致する縦方向座標に設定すること;
によって固有の縦方向座標を決定するように構成され得る。
【0109】
ステップ(1)およびステップ(2)において、信号は所与の順序で選択されてもよく、または異なる順序で実行されてもよい。例えば、ステップ(1)においてTOFセンサ信号が選択され、ステップ(2)において結合信号Qが選択されてもよい。別の例では、ステップ(1)において、結合センサ信号が選択されてもよく、それから非固有の第1の縦方向センサ信号が決定されてもよい。ステップ(2)において、TOFセンサ信号が選択されてもよい。
【0110】
ステップ(4)に加えてまたはその代わりに、評価装置は、一致座標が見つからない場合にはエラー信号を出力し、および/または複数の一致座標が見つかった場合にはエラー信号を出力するようにしてもよい。追加的にまたは代替的に、信号対およびそれらの対応する縦方向座標はルックアップテーブルに格納されてもよい。追加的にまたは代替的に、信号対およびそれらの対応する縦方向座標は、所与の信号対に対応する縦方向座標を見つけるために評価される解析関数によって近似または記述されてもよい。
【0111】
評価装置は少なくとも2つのメモリ素子を含み得る。本明細書で使用されるとき、「メモリ素子」という用語は、情報を記憶するように適合された装置を指す。評価装置は、光センサによって提供される情報、例えば少なくとも1つの第1のセンサ信号を受信して記憶するように適合されてもよい。そのような情報は、生のセンサデータおよび/または処理されたセンサデータを含み得る。例えば、メモリ素子は、評価装置によるさらなる評価のための情報を記憶するように適合されていてもよい。メモリ素子は揮発性または不揮発性メモリ素子であり得る。
【0112】
上述のように、光センサは、少なくとも1つのToFピクセルとして設計されてもよく、および/またはそれを含んでもよい。検出器は少なくとも2つのスイッチを含み得る。各スイッチは、例えば少なくとも1つのコネクタによって、第1のセンサ信号を生成するように適合された光センサに接続することができる。特に、各スイッチはToFピクセルに接続されてもよい。スイッチは、TOFセンサ信号をメモリ素子のうちの1つに供給するよう適合される。特に、スイッチは、反射光ビームの受信時間に応じて、生成されたTOFセンサ信号をスイッチのうちの1つを通過させるように適合させ得る。例えば、TOFセンサ信号は、遮断装置の開放中にスイッチのうちの1つを通過でき、遮断装置の閉鎖中にTOFセンサ信号は他のスイッチを通過することができる。各スイッチは、照射源によって生成された光パルスのパルス長と同一のパルス長を有する制御信号によって制御されてもよい。一方のスイッチの制御信号が遅延する可能性がある。例えば、遅延は光パルスのパルス長に対応し得る。評価装置は、遅延に応じて、第1のメモリ要素内の第1のスイッチを介してTOFセンサ信号の第1の部分、または分数をサンプリングおよび/または格納するように適合され、もう一方は第2のメモリ要素内の第2のスイッチを介してTOFセンサ信号の第2の部分、または分数をサンプリングおよび/または格納するように適合され得る。評価装置は、TOFセンサ信号の第1の部分および第2の部分を評価することによって第1の縦方向座標を決定するように適合させることができる。評価装置は、第1の縦座標zを次の数式17によって決定するように適合されてもよい。
【0113】
【数17】
【0114】
決定される距離オフセット、S1とS1はそれぞれTOFセンサ信号の第1の部分と第2の部分である。
【0115】
上記で概説したように、検出器はさらに1つまたは複数の追加の光学要素などの1つまたは複数の追加の要素を含むことができる。さらに、検出器は少なくとも1つのハウジングに完全にまたは部分的に一体化されてもよい。
【0116】
本発明の第1の好ましい実施形態では、
検出器は、
- 第1感光エリアを有する少なくとも1つの第1光センサであって、物体から検出器に伝播する光ビームによる第1感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第1センサ信号を生成するように構成されている、第1光センサと、
- 第2感光エリアを有する少なくとも1つの第2光センサであって、光ビームによる第2感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第2センサ信号を生成するように構成され、第1感光エリアは第2感光エリアより小さい、第2光センサと、
- 第1および第2のセンサ信号を評価することにより、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている、評価装置と、
を有する。
【0117】
この第1の好ましい実施形態では、光センサの感光エリアの縦方向座標および/またはそれらの表面積が異なるように、光センサを配置することができる。
【0118】
以下にさらに詳細に概説するように、各光センサは、好ましくは、照射される正確に1つの感光エリアを提供することにより各光センサに正確に1つの感光エリアが存在し、照射に応答して全光センサに正確に1つの均一なセンサ信号が生成されるように具現化され得る。したがって、各光センサは、ピクセル化光センサではなくセンサマトリックスのような単一領域光センサであることが好ましい。しかしながら、他の実施形態も可能である。しかしながら、単一領域光センサの使用は、検出器の設定を特に簡単かつ効率的にする。したがって、一例として、各々が正確に1つの感光エリアを有する市販のシリコンフォトダイオードのような市販の光センサ、すなわち小さい感光エリアを有するもの及びより大きい感光エリアを有するものを、以下にさらに詳細に説明されるように、構成に使用することができる。
【0119】
第1および第2の感光エリアは、具体的には物体に向けられてもよい。
【0120】
具体的に、物体から検出器まで伝播する光ビームは、光ビームの幅が第1の光センサの感光エリアよりも大きく、第1の感光エリアが光ビーム内に完全に位置するように、第1の感光エリアを完全に照射することができる。反対に、好ましくは、物体から検出器へ伝播する光ビームは、具体的に、第2の感光エリア内に光スポットが完全に位置するように、第2の感光エリア上に第2の感光エリアよりも小さい光スポットを生成することができる。第2の感光エリア上の光スポット内には、第1の光センサによって生成された影が位置している可能性がある。したがって、一般に、より小さい第1の感光エリアを有する第1の光センサは、物体から見て、第2の光センサの前に配置されることができ、これは第1感光エリアが光ビーム内に完全に配置され、光ビームが第2の感光エリアよりも小さい第1の感光エリア上に光スポットを生成し、第1光センサによってさらなる影が該光スポット内に生成される状況になる。この状況は、光学の当業者により、光ビームにフォーカス効果またはデフォーカス効果を有する1つまたは複数の適切なレンズまたは要素を選択されることによって、例えば、以下にさらに詳細に概説されるように、適切な転送装置を使用することによって簡単に調整され得る。本明細書でさらに使用されるように、光スポットは一般に、光ビームによる、物品、領域または物体の、可視または検出可能な、円形または非円形の照射を指す。
【0121】
上記で概説したように、第1の感光エリアは第2の感光エリアよりも小さい。本明細書で使用されるとき、用語「より小さい」は、第1の感光エリアの表面積が第2の感光エリアの表面積よりも小さいこと、例えば少なくとも0.9倍、例えば少なくとも0.7倍、さらには少なくとも0.5倍であるという事実を指す。一例として、第1の感光エリアと第2の感光エリアの両方が正方形または長方形の形状を有することができ、第1の感光エリアの正方形または長方形の一辺の長さは、第2の感光エリアの正方形または長方形の対応する一辺よりも小さい。あるいは、一例として、第1の感光エリアと第2の感光エリアの両方が円形の形状を有することができ、第1の感光エリアの直径が第2の感光エリアの直径よりも小さい。また、一例として、第1の感光エリアは第1等価直径を有し、第2の感光エリアは第2等価直径を有し、第1等価直径は第2等価直径よりも小さい。
【0122】
第1の感光エリアは、光ビームの伝播方向において、第2の感光エリアと重なってもよい。光ビームは、完全にまたは部分的に、第1の感光エリアと第2の感光エリアの両方を照らすことができる。したがって、一例として、検出器の光軸上に位置する物体から見たとき、第1の感光エリアは、第2の感光エリアの前方に位置し、例えば、物体から見て、第1の感光エリアが第2の感光エリア内に完全に位置する。上に概説したように、この物体からの光ビームが第1および第2の感光エリアに向かって伝播すると、光ビームは第1の感光エリアを完全に照らし、第2の感光エリア上に光スポットを作り出し、第1の光センサによって生成された影は光スポット内に位置する。しかしながら、他の実施形態も可能であることに留意されたい。
【0123】
具体的には、以下にさらに詳細に概説するように、評価装置は、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを、第1のセンサ信号と第2のセンサ信号との間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、または所定の関係を使用することによって決定するように構成され得る。特に、評価装置は、物体の少なくとも1つの座標zを、第1のセンサ信号および第2のセンサ信号から導出された商信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、または所定の関係を使用することによって決定するように構成される。
【0124】
したがって、評価装置は、前記第1および第2のセンサ信号を割算することにより、または、前記第1および第2のセンサ信号の倍数を割算することにより、または、前記第1および第2のセンサ信号の線形結合を割算することにより、商信号Qを導出するように構成され、前記評価装置は、前記商信号Qを評価することによって縦方向座標を決定するように構成されている。一例として、Qは以下のように単に決定され得る。
【0125】
Q=s/s
または
Q=s/s
は第1のセンサ信号を示し、sは第2のセンサ信号を示す。追加的にまたは代替的に、Qは、
Q=a・s/b・s
または
Q=b・s/a・s
として決定されてもよく、aおよびbは実数であり、一例として、それは所定のものでもまたは決定可能なものでもよい。追加的にまたは代替的に、Qは、
Q=(a・s+b・s)/(c・s+d・s),
として決定されてもよく、a、b、cおよびdは実数であり、一例として、それは所定のものでもまたは決定可能なものでもよい。後者の簡単な一例として、Qは、
Q=s/(s+s),
他の商信号も可能である。
【0126】
通常、上記の構成では、Qは、物体の縦方向座標および/または光スポットの直径または等価直径などの光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、特に線形光センサが使用される場合、商Q=s/sは、光スポットのサイズの単調減少関数である。この理論に拘束されることを望むものではないが、これは、上述の好ましい構成において、検出器に到達する光量が減少するため、第1のセンサ信号sおよび第2のセンサ信号sの両方が、光源までの距離が増すにつれて二乗関数として減少する、という事実によると考えられる。しかしながら、そこでは、実験で使用されたような光構成では、第1のセンサ信号sが第2のセンサ信号sよりも急速に減少するため、像平面内の光点は大きくなり、したがって、より広い領域にわたって広がる。したがって、第1のセンサ信号sおよび第2のセンサ信号sの商は、第1の感光エリアおよび第2の感光エリアにおいて光ビームの直径または光スポットの直径が増加するにつれて連続的に減少する。さらに、光ビームの総出力が第1のセンサ信号sおよび第2のセンサ信号sの両方において要素を形成するので、商は、主に光ビームの総出力から独立している。その結果、商Qは、第1のセンサ信号sおよび第2のセンサ信号sと光ビームのサイズまたは直径との間の一意的かつ明白な関係を提供する第2の信号を形成することができる。その一方で、光ビームのサイズまたは直径は、光ビームが検出器に向かって伝播する物体と検出器自体との間の距離、すなわち物体の縦方向座標に依存するので、一方では第1のセンサ信号と第2のセンサ信号の間に他方では第1のセンサ信号と縦方向座標との間に一意的かつ明白な関係が存在し得る。後者については、WO 2014/097181 A1を参照することができる。所定の関係は、ガウス光ビームの線形結合を仮定するなどによる分析的考察によって、複合信号および/または第1のセンサ信号と第2のセンサ信号もしくはそれらから導出された第2の信号を物体の縦方向座標の関数として測定する測定などの経験的測定によって、またはその両方によって決定され得る。
【0127】
評価装置は、商信号Qを評価することによって縦方向座標を決定するように構成される。評価装置は、商信号Qと縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてもよい。所定の関係は、経験的関係、半経験的関係および分析的に導出された関係のうちの1つまたは複数であり得る。評価装置は、ルックアップリストまたはルックアップテーブルなどの所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ記憶装置を含むことができる。
【0128】
商信号Qは、様々な手段を用いて決定され得る。一例として、商信号を導出するためのソフトウェア手段、商信号を導出するためのハードウェア手段、またはその両方を使用することができ、評価装置内に実装することができる。したがって、評価装置は、一例として、少なくとも1つのデバイダを含むことができ、デバイダは商信号を導出するように構成され得る。デバイダは、ソフトウェアデバイダまたはハードウェアデバイダの一方または両方として完全にまたは部分的に具体化され得る。
【0129】
具体的には、第1および第2の光センサは、検出器の同一のビーム経路内に線形的に配置され得る。本明細書で使用されるとき、用語「線形的に」は、一般に、センサが1つの軸に沿って配置されていることを指す。したがって、一例として、第1および第2の光センサは両方とも検出器の光軸上に配置されてもよい。具体的には、第1および第2の光センサは、検出器の光軸に対して同心的に配置されてもよい。
【0130】
第1光センサは、前記第2光センサの前方に配置されてよい。したがって、例えば、第1の光センサは単に第2の光センサの表面に配置されてもよい。追加的にまたは代替的に、第1光センサは、第2光センサから前記第1感光エリアの表面積の平方根の5倍以下の距離で離間している。追加的にまたは代替的に、第1光センサは、第2光センサの前方に配置され、第2光センサから50mm以下、好ましくは15mm以下で離間されてもよい。
【0131】
上記で概説したように、第2感光エリアは第1感光エリアより大きい。したがって、第2感光エリアは第1感光エリアに比して、少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、最も好ましくは少なくとも5倍大きくてよい。
【0132】
第1感光エリアは、具体的には、小さい感光エリアであってもよく、そのため、好ましくは、光ビームはこの感光エリアを完全に照射する。したがって、典型的な光学構成に適用可能であり得る一例として、第1感光エリアは、1mm~150mmの表面積、より好ましくは10mm~100mmの表面積を有することができる。
【0133】
第2感光エリアは、具体的には広い領域であり得る。したがって、好ましくは、検出器の測定範囲内で、検出器の物体から伝播する光ビームによって生成された光スポットは、光スポットが第2の感光エリアの境界内に完全に位置するように、第2の感光エリア内に完全に位置することができる。例えば典型的な光学構成に適用可能であり得る一例として、第2感光エリアは、160mm~1000mmの表面積、より好ましくは200mm~600mmの表面積を有することができる。
【0134】
第1の光センサ、第2の光センサまたは第1の光センサおよび第2の光センサに使用できる赤外線光センサは、Hamamatsu Photonics Deutschland GmbHから市販されているD-82211 Herrsching am Ammersee、Germanyの赤外線光センサのような市販の赤外線光センサでよい。したがって、一例として、第1の光センサ、第2の光センサまたは第1の光センサおよび第2の光センサは、固有の光起電型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくはGeフォトダイオード、InGaAsフォトダイオード、拡張InGaAsフォトダイオード、InAsフォトダイオード、InSbフォトダイオード、HgCdTeフォトダイオード、からなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含み得る。追加的にまたは代替的に、第1の光センサ、第2の光センサまたは第1の光センサおよび第2の光センサは、外因性光起電型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくはGe:Auフォトダイオード、Ge:Hgフォトダイオード、Ge:Cuフォトダイオード、Ge:Znフォトダイオード、Si:Gaフォトダイオード、Si:Asフォトダイオードなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含み得る。追加的にまたは代替的に、第1の光センサ、第2の光センサまたは第1の光センサおよび第2の光センサは、少なくとも1つのボロメータ、好ましくはVOボロメータおよびアモルファスSiボロメータからなる群から選択されるボロメータを含み得る。
【0135】
第1および第2の光センサは、それぞれ独立して、不透明、透明または半透明であり得る。しかしながら、これらの不透明なセンサは一般に広く市販されているので、便宜上、光ビームに対して透明ではない不透明なセンサを使用することができる。
【0136】
第1および第2の光センサはそれぞれ、それぞれの単一の感光エリアを有する均一なセンサであり得る。したがって、第1および第2の光センサは具体的には非ピクセル化光センサであり得る。
【0137】
上記で概説したように、第1のおよび第2のセンサ信号を評価することによって、検出器は物体全体またはその1部もしくは複数の部分の縦方向座標を決定する選択肢を含む、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定し得る。しかしながら、さらに、1つまたは複数の横方向座標および/または回転座標を含む、物体の他の座標が、検出器によって具体的には評価装置によって決定されてもよい。したがって、一例として、物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するために、1つまたは複数の横方向センサを使用することができる。WO 2014/097181 A1に開示されている横方向センサおよび/または象限ダイオード、CCDまたはCMOSチップなどの他の位置検出装置(PSD)のような様々な横方向センサが当技術分野において一般的に知られている。これらの装置は、一般に、本発明による検出器にも実装することができる。一例として、光ビームの一部は、少なくとも1つのビーム分割要素によって検出器内で割られてもよい。一例として、分割部分は、CCDまたはCMOSチップまたはカメラセンサなどの横方向センサに向かってガイドされてもよく、そして横方向センサ上の分割部分によって生成された光スポットの横方向位置が決定されてもよく、それによって物体の少なくとも1つの横方向座標が決定される。その結果、本発明による検出器は、単純な距離測定装置のような一次元検出器であってもよく、あるいは2次元検出器またはさらに3次元検出器として具体化されてもよい。さらに、上で概説したように、または以下でさらに詳細に概説したように、場景または環境を1次元様式でスキャンすることによって、3次元画像も作成することができる。その結果、本発明による検出器は、具体的には、1次元検出器、2次元検出器または3次元検出器のうちの1つであり得る。評価装置は、物体の少なくとも1つの横方向座標x,yを決定するようにさらに構成されてもよい。
【0138】
他の実施形態では、検出器は、
- 第1感光エリアを有する少なくとも1つの第1光センサであって、物体から検出器に伝播する光ビームによる第1感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第1センサ信号を生成するように構成されている、第1光センサ;
- 第2感光エリアを有する少なくとも1つの第2光センサであって、光ビームによる第2感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第2センサ信号を生成するように構成され、第1感光エリアは第2感光エリアより小さい、第2光センサ;および
- 第1および第2のセンサ信号を評価することにより、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている、評価装置と、
を有する。
【0139】
定義および実施形態に関して、第1の好ましい実施形態の説明を参照することができる。特に、第1の感光エリアは第2の感光エリアより小さくてもよい。
【0140】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、検出器は以下を含み得る:
- 光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素であって、前記光センサはそれぞれ感光エリアを有し、各光センサは、前記物体から前記検出器まで伝播する少なくとも1つの光ビームによる前記感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように構成され得る、センサ要素と、
- 少なくとも1つの評価装置であって、
a)最高のセンサ信号を有し、少なくとも1つの中心信号を形成する少なくとも1つの光センサを決定すること;
b)前記マトリックスの光センサのセンサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること;
c)前記中心信号と前記和信号を結合することによって少なくとも1つの結合信号を決定すること:および
d)前記結合信号を評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定すること、
により前記センサ信号を評価するように構成され得る、評価装置。
【0141】
このさらなる好ましい実施形態では、光センサは、光センサの感光エリアが空間的オフセットおよび/または表面積において異なるように配置されてもよい。
【0142】
本明細書で使用されるとき、「センサ要素」という用語は、一般に、少なくとも1つのパラメータを感知するように構成された装置または複数の装置の組み合わせを指す。この場合、パラメータは具体的には光学パラメータであり得、センサ要素は具体的には光センサ要素であり得る。センサ要素は一体として、単体の装置として、またはいくつかの装置と組み合わせて形成されてもよい。本明細書でさらに使用されるように、「マトリックス」という用語は、一般に、所定の幾何学的順序での複数の要素の配置を指す。マトリックスは、以下にさらに詳細に概説されるように、具体的には、1つまたは複数の行および1つまたは複数の列を有する長方形のマトリックスであり得るか、またはそれを含み得る。行と列は具体的には直角に配置することができる。しかしながら、長方形以外の配置のような他の配置も可能であることを概説しなければならない。一例として、円形配置もまた可能であり、その場合、要素は中心点の周りに同心円または楕円に配置される。例えば、マトリックスはピクセルの単一の行であってもよい。他の配置も可能である。
【0143】
マトリックスの光センサは、具体的には、サイズ、感度、および他の光学的、電気的および機械的特性のうちの1つまたは複数において等しくてもよい。マトリックスの全ての光センサの感光エリアは特に共通平面に配置されてもよく、物体から検出器まで伝播する光ビームが共通平面に光スポットを生成することができるように、共通平面は物体に面しているのが好ましい。
【0144】
例えばWO 2012/110924 A1またはWO 2014/097181 A1でより詳細に説明されるように、典型的には、所定のまたは決定可能な関係が光スポットの直径、ビームウェストまたは等価直径などの光スポットのサイズと、そこから光ビームが検出器に向かって伝播する物体の縦方向座標との間に存在する。この理論に束縛されることを望むものではないが、光スポットは、2つの測定変数によって特徴付けられ:中心信号とも呼ばれる光スポットの中心または中心付近の小さな測定パッチで測定された測定信号、および中心信号の有無にかかわらず、光スポットにわたって積分された積分または和信号である。ビームが広げられたり集束されたりしても変化しない一定の総出力を有する光ビームの場合、和信号は、光スポットのスポットサイズとは無関係であるべきであり、したがって、少なくともそれぞれの測定範囲内の線形光センサが使用される場合は、物体と検出器との間の距離とは無関係であるべきである。ただし、中心信号はスポットサイズに依存する。したがって、中心信号は、典型的には、光ビームがフォーカスすると増加し、光ビームがデフォーカス(焦点ぼかし)すると減少する。したがって、中心信号と和信号とを比較することによって、光ビームによって生成される光スポットのサイズに関する情報項目、したがって物体の縦方向座標に関する情報項目を生成することができる。一例として、中心信号と和信号との比較は、中心信号と和信号から商信号Qを形成することによって、および縦方向座標を導出するために縦方向座標と商信号との間の所定のまたは決定可能な関係を使用することによって行うことができる。
【0145】
光センサのマトリックスの使用は複数の利点および利益を提供する。したがって、センサ要素の光センサの感光エリアの共通平面上など、センサ要素上の光ビームによって生成される光スポットの中心は、物体の横方向の位置によって変化する可能性がある。光センサのマトリックスを使用することによって、本発明による検出器はこれらの条件の変化に適することができ、したがって単にセンサ信号を比較することによって光スポットの中心を決定することができる。したがって、本発明による検出器は、それ自体で、中心信号を選択して和信号を決定し、そしてこれら2つの信号から、物体の縦方向座標に関する情報を含む結合信号を導出することができる。このように、結合された信号を評価することによって、物体の縦方向座標が決定される。したがって、光センサのマトリックスの使用は、物体の位置に関して、特に物体の横方向位置に関して、かなりの柔軟性を提供する。
【0146】
センサ信号を生成する少なくとも1つの光センサの横方向位置など、光センサのマトリックス上の光スポットの横方向位置は、追加の情報項目として使用することさえ可能であり、WO 2014/198629 A1に開示されているように、そこから物体の横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を導出することができる。追加的にまたは代替的に、以下にさらに詳細に概説されるように、本発明による検出器は、少なくとも1つの物体の縦方向座標に加えて、少なくとも1つの横方向座標を検出するための少なくとも1つの追加の横方向検出器を含み得る。
【0147】
その結果、本発明によれば、「中心信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルの中心情報を本質的に含む少なくとも1つのセンサ信号を指す。本明細書で使用されるとき、「最高のセンサ信号」という用語は、関心領域における極大値または最大値の一方または両方を指す。例えば中心信号とは、複数のセンサ信号のうち最高のセンサ信号を有する、少なくとも1つの光センサの信号であり得、複数のセンサ信号は、マトリックス全体の光センサまたはマトリックス内部の関心領域の光センサによって生成され、ここで関心領域は、マトリックスの光センサによって生成された画像内で予め定められているかまたは決定可能であり得る。中心信号は単一の光センサから、または以下にさらに詳細に概説されるように、一群の光センサから生じることができ、後者の場合、一例として、中心信号を決定するために、一群の光センサのセンサ信号を加算、積分または平均化することができる。中心信号が発生する一群の学センサは、最高のセンサ信号を有する実際の光センサから所定の距離より短い距離を有する光センサなどの一群の隣接する光センサであり得るか、あるいは、最高のセンサ信号から所定の範囲内にあるセンサ信号を発生する一群の光センサであってもよい。最大のダイナミックレンジを許容するために、中心信号が発生する光センサの一群はできるだけ広く選択されてもよい。評価装置は、複数のセンサ信号、例えば、最高のセンサ信号を有する光センサ周囲の複数の光センサなど、複数のセンサ信号の積分によって中心信号を決定するように適合されてもよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルとすることができ、評価装置は台形の積分、特に台形のプラトーの積分を決定するように適合させることができる。
【0148】
同様に、「和信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルのエッジ情報を本質的に含む信号を指す。例えば、センサ信号を加算する、センサ信号を積分する、またはマトリックス全体またはマトリックス内の関心領域のセンサ信号を平均化することを指し、関心領域は、マトリックスの光センサによって生成された画像内で予め決められているかまたは決定可能であり得る。センサ信号を加算、積分または平均化する場合、センサ信号が生成される元の実際の光センサは、加算、積分、または平均化から除外されてもよく、あるいは、加算、積分または平均化に含めることができる。評価装置は、マトリックス全体またはマトリックス内の関心領域の信号を積分することによって和信号を決定するように適合させ得る。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は台形全体の積分を決定するように適合され得る。さらに、台形ビームプロファイルが仮定され得る場合、エッジおよび中心信号の決定は、例えばエッジの傾斜および位置ならびに中央プラトーの高さの決定ならびに幾何学的考察によるエッジおよび中心信号の導出など、台形ビームプロファイルの特性を利用して、信号を同等の評価に置き換えることができる。
【0149】
追加的にまたは代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライスまたはカットから中心情報またはエッジ情報の一方または両方を決定するように構成されてもよい。これは、例えば、商信号Q内の面積積分値をスライスまたはカットに沿った線積分値で置き換えることによって実現することができる。精度を向上させるために、光スポットを通るいくつかのスライスまたはカットを使用して平均化することができる。楕円形のスポットプロファイルの場合、いくつかのスライスまたはカットにわたって平均すると、距離情報が改善される可能性がある。
【0150】
同様に、本明細書で使用される「結合信号」という用語は、一般に、中心信号と和信号とを結合することによって生成される信号を指す。具体的には、組み合わせは、中心信号と和信号との商またはその逆の商の形成;中心信号の倍数と和信号の倍数との商またはその逆の商の形成;中心信号の線形結合と和信号の線形結合との商またはその逆の商の形成;中心信号と和信号との第1の線形結合と、中心信号と和信号との第2の線形結合との商を形成、のうちの1つまたは複数を含み得る。追加的にまたは代替的に、結合信号は、中心信号と和信号との間の比較に関する少なくとも1つの情報項目を含む任意の信号または信号の組合せを含むことができる。
【0151】
物体から検出器まで伝播する光ビームは、具体的には中心信号が発生する少なくとも1つの光センサが光ビーム内に完全に配置されるように、光ビームの幅は、センサ信号が生じる少なくとも1つの光センサの感光エリアよりも広く、中心信号が生成される少なくとも1つの光センサを特に完全に照らすことができる。反対に、好ましくは、物体から検出器へ伝播する光ビームは、光スポットが完全にマトリックス内に配置されるように、具体的には、マトリックスよりも小さい光スポットをマトリックス全体上に作り出すことができる。この状況は、光ビームのフォースまたはデフォース効果を有する1つまたは複数の適切なレンズまたは要素を選択することによって、以下にさらに詳細に概説されるように、適切な転送装置を使用することなどにより、光学分野における当業者によって容易に調整され得る。本明細書でさらに使用されるように、「光スポット」は、一般に、光ビームによる物品、領域または物体の可視または検出可能な円形または非円形の照射を指す。
【0152】
具体的には、以下でさらに詳細に概説するように、評価装置は、センサ信号間の少なくとも1つの既知の決定可能または既定の関係を使用することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される。具体的には、以下でさらに詳細に概説するように、結合信号は商信号であり得る。
【0153】
上記で概説したように、中心信号は一般に、光スポットの中心にある光センサからのセンサ信号のような単一のセンサ信号でもよく、または光スポットの中心にある光センサから生じるセンサ信号の組み合わせのような複数のセンサ信号の組み合わせ、または前述の可能性のうちの1つまたは複数によって導出されるセンサ信号を処理することによって導出される第2センサ信号など、複数のセンサ信号の組合せであり得る。中心信号の決定は、センサ信号の比較が従来の電子機器によってかなり簡単に実施されるので、電子的に実行されてもよく、またはソフトウェアによって完全にまたは部分的に実行されてもよい。具体的には、中心信号は、最高のセンサ信号;最高のセンサ信号から所定の許容誤差内にあるセンサ信号群の平均;最高のセンサ信号を有する光センサを含む一群および隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の平均;最高のセンサ信号を有する光センサを含む光センサの一群および隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の総和値;最高のセンサ信号からの所定の許容誤差内にあるセンサ信号の一群の総和値;所定の閾値を超えているセンサ信号群の平均;所定の閾値を超えているセンサ信号群の合計;最高のセンサ信号を有する光センサを含む光センサの一群と隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の積分値;最高のセンサ信号からの所定の許容誤差内にあるセンサ信号の一群の積分値;所定の閾値を超えているセンサ信号の一群の積分値、からなる群から選択されてもよい。
【0154】
上記で概説したように、光センサの生のセンサ信号を評価またはそれから導出された第2センサ信号に使用することができる。本明細書で使用されるとき、「第2センサ信号」という用語は、一般に、例えば、フィルタリング、平均化、復調などによる、1つまたは複数の生の信号を処理することによって得られる、電子信号、より好ましくはアナログおよび/またはデジタル信号など信号を指す。したがって、画像処理アルゴリズムはマトリックスのセンサ信号全体からまたはマトリックス内の関心領域から第2センサ信号を生成するために使用され得る。具体的には、評価装置などの検出器は、光センサのセンサ信号を変換し、それによって第2光センサ信号を生成するように構成されることができ、評価装置は、第2光センサ信号を使用することによってステップa)~d)を実行するように構成される。センサ信号の変換は、具体的には、フィルタ処理;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって生成された画像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された画像を反転させることによるセンサ信号の反転;異なる時間にセンサ信号によって生成された画像間の差画像の形成;バックグラウンド補正;カラーチャンネルへの分解;色相と彩度と明度のチャンネルへの分解;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ラプラシアンガウシアンフィルタの適用;差分ガウスフィルタの適用;ソーベル演算子の適用;ラプラス演算子の適用;シャール演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;キルシュ演算子の適用;ハイパスフィルターの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;しきい値処理;バイナリ画像の作成、からなる群から選択される少なくとも1つの変換を含み得る。関心領域は、ユーザによって手動で決定されてもよく、または光センサによって生成された画像内の物体を認識することなどによって自動的に決定されてもよい。一例として、車両、人または他の種類の所定の物体は、画像内、すなわち、光センサによって生成されたセンサ信号の全体の範囲内の自動画像認識によって決定されてもよく、そして物体が関心領域内に位置するように関心領域を選択することができる。この場合、縦方向座標の決定等の評価は、関心領域についてのみ行われてもよい。しかしながら、他の実施も可能である。
【0155】
上で概説したように、光スポットの中心の検出、すなわち、中心信号および/または中心信号が発生する少なくとも1つの光センサの検出は、1つまたは複数のソフトウェアアルゴリズムを使用することによって、完全または部分的に電子的にあるいは完全にまたは部分的に実行することができる。具体的には、評価装置は、少なくとも1つの最高のセンサ信号を検出するための、および/または中心信号を形成するための少なくとも1つの中心検出器を備えることができる。中心検出器は、具体的には完全にまたは部分的にソフトウェアで具体化することができ、および/または完全にまたは部分的にハードウェアで具体化することができる。中心検出器は、少なくとも1つのセンサ要素に完全にまたは部分的に一体化されてもよく、および/またはセンサ要素から独立して完全にまたは部分的に具体化されてもよい。
【0156】
上記で概説したように、和信号は、マトリックスの全てのセンサ信号から、関心領域内のセンサ信号から、または中心信号に寄与する光センサから生じるセンサ信号を除くこれらの可能性のうちの1つから導出され得る。いずれの場合も、縦方向座標を決定するために、中心信号と確実に比較される可能性がある信頼性のある和信号が生成され得る。一般に、和信号は、マトリックスの全てのセンサ信号にわたる平均;マトリックスの全てのセンサ信号の総和;マトリックスの全てのセンサ信号の積分;中心信号に寄与するそれらの光センサからのセンサ信号を除くマトリックスの全てのセンサ信号にわたる平均;中心信号に寄与するそれらの光センサからのセンサ信号を除くマトリックスのすべてのセンサ信号の総和;中心信号に寄与するそれらの光センサからのセンサ信号を除くマトリックスのすべてのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の総和;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内に位置する光センサの特定の閾値を超えるセンサ信号の総和;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内に位置する光センサの特定の閾値を超えるセンサ信号の積分、からなる群から選択されてもよい。しかしながら、他の選択肢も存在する。
【0157】
加算は、ソフトウェアで完全にまたは部分的に実行することができ、および/またはハードウェアで完全にまたは部分的に実行することができる。加算は一般に純粋に電子的な手段、典型的には、検出器に容易に実装可能な手段によって可能である。したがって、電子技術の分野において、2つ以上の電気信号、アナログ信号とデジタル信号の両方を加算するための合算装置が一般に知られている。したがって、評価装置は、和信号を形成するための少なくとも1つの合算装置を備えることができる。合算装置は、完全にまたは部分的にセンサ要素に一体化されてもよく、または完全にまたは部分的にセンサ要素とは独立して具体化されてもよい。合算装置は、ハードウェアまたはソフトウェアの一方または両方で完全にまたは部分的に具現化することができる。
【0158】
上記で概説したように、中心信号と和信号との間の比較は、具体的には、1つまたは複数の結合信号を形成することによって実行され得る。したがって、一般に商信号は、中心信号と和信号との商またはその逆の商を形成;中心信号の倍数と和信号の倍数との商またはその逆の商を形成;中心信号の線形結合と和信号の線形結合との商またはその逆の商を形成;中心信号と和信号と中心信号との線形結合の商、またはその逆の商を形成;和信号と和信号と中心信号との線形結合の商またはその逆;中心信号のべき乗と和信号のべき乗との商またはその逆の商を形成;中心信号と和信号との第1の線形結合の商および中心信号と和信号との第2の線形結合の商を形成、のうちの1つまたは複数によって導出される商信号Qとすることができる。しかしながら、他の選択肢も存在する。評価装置は、1つまたは複数の商信号を形成するように構成されてもよい。評価装置はさらに、少なくとも1つの商信号を評価することによって少なくとも1つの縦方向座標を決定するように構成されてもよい。
【0159】
評価装置は特に、少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、商信号Qと縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてもよい。したがって、上記に開示された理由および縦方向座標への光スポットの特性の依存性によって、商信号Qは、典型的には、物体の縦方向座標および/または光スポットの直径または等価直径などの光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、特に線形光センサが使用される場合、センサ信号scenterと和信号ssumの単純な商Q=scenter/ssumは距離の単調減少関数であり得る。この理論に縛られたくはないが、これは上記の好ましい設定では、検出器に到達する光の量が減少するので、中心信号scenterおよび和信号ssumの両方は、光射源までの距離が増すにつれて二乗関数として減少するという事実によると考えられる。しかしながら、そこでは、実験で使用されたような光学装置では、像平面内の光スポットが増大し、したがってより広い領域にわたって広がるため、中心信号scenterは和信号ssumよりも急速に減少する。したがって、中心信号と和信号との商は、光ビームの直径またはマトリックスの光センサの感光エリア上の光スポットの直径が増加するにつれて連続的に減少する。さらに、商は、光ビームの総出力が中心信号と和センサ信号の両方においてファクタを形成するので、典型的には光ビームの総出力から独立している。その結果、商Qは、中心信号と和信号と光ビームのサイズまたは直径との間に一意的かつ明白な関係を与える第2の信号を形成することができる。その一方で、光ビームのサイズまたは直径は、光ビームが検出器に向かって伝播する物体と検出器自体との間の距離、すなわち物体の縦方向座標に依存するので、一方では中心信号と和信号の間に他方では中心信号と縦方向座標との間に一意的かつ明白な関係が存在し得る。後者については、WO 2014/097181 A1を参照することができる。所定の関係は、ガウス光ビームの線形結合を仮定するなどによる分析的考察によって、複合信号および/または中心信号および和信号もしくはそれらから導出された第2の信号を物体の縦方向座標の関数として測定する測定などの経験的測定によって、またはその両方によって決定され得る。
【0160】
したがって、一般に、評価装置は、商信号Q、例えば結合信号を評価することによって縦方向座標を決定するように構成され得る。この決定は、例えば中心信号と和信号を直接結合し、そして、その縦方向座標を導き出すことによるワンステッププロセスでよく、または、例えば第一に中心信号と和信号から結合信号を導き出し、第二に結合信号から縦方向座標を導き出すことによる多段階プロセスでもよい。上記で概説したように、光センサは、具体的には、光検出器、好ましくは無機光検出器、より好ましくは無機半導体光検出器、最も好ましくはシリコン光検出器であるか、それらを含み得る。
【0161】
上記で概説したように、光センサは、具体的には光検出器、好ましくは無機光検出器、より好ましくは無機半導体光検出器、最も好ましくはシリコン光検出器であるか、それらを含むことができる。具体的には、光センサは、赤外線スペクトル範囲において感度あり得る。マトリックスの全ての光センサ、またはマトリックスの少なくとも一群の光センサは具体的には同一であってもよい。マトリックスの同一の光センサの一群は、異なるスペクトル範囲に対して具体的に提供されてもよく、または全ての光センサはスペクトル感度に関して同一であってもよい。さらに、光センサは、大きさが同一でもよく、および/またはそれらの電子的または光電子的特性に関して同一でもよい。
【0162】
マトリックスは独立した光センサから構成されてもよい。したがって、無機フォトダイオードのマトリックスを構成することができる。しかしながら、代替的に、市販のマトリックス、例えばCCD検出器チップなどのCCD検出器、および/またはCMOS検出器チップなどのCMOS検出器のうちの1つまたは複数などを使用することができる。
【0163】
したがって、一般に、検出器の光センサは、センサアレイを形成してもよく、またはセンサアレイの一部、例えば上述のマトリックスであってもよい。したがって、一例として、検出器は、光センサのアレイ、例えばm、nが独立した正の整数であり、m行n列を有する長方形のアレイを含むことができる。好ましくは、2つ以上の列および2つ以上の行が与えられ、すなわち、n>1、m>1である。したがって、一例として、nは2から16以上であり得、mは2から16以上であり得る。好ましくは、行数と列数との比は1に近い。一例として、nおよびmは、例えばm/n=1:1、4:3、16:9、または同様のものを選択することによって、例えば0.3≦m/n≦3となるようになど選択することができる。一例として、アレイは、m = 2、n=2またはm=3、n=3などを選択することによるなど、等しい数の行および列を有する正方形のアレイであり得る。
【0164】
上記でさらに概説したように、マトリックスは具体的には少なくとも1行、好ましくは複数の行および複数の列を有する長方形のマトリックスであり得る。一例として、行および列は、本質的に垂直に配向されてもよく、ここで、用語「本質的に垂直」に関しては、上記で与えられた定義を参照することができる。したがって、一例として、20°未満、具体的には10°未満、さらには5°未満の許容誤差が許容可能であり得る。広範囲の視野を提供するために、マトリックスは具体的には少なくとも10行、好ましくは少なくとも50行、より好ましくは少なくとも100行を有することができる。同様に、マトリックスは少なくとも10列、好ましくは少なくとも50列、より好ましくは少なくとも100列を有することができる。マトリックスは少なくとも50個の光センサ、好ましくは少なくとも100個の光センサ、より好ましくは少なくとも500個の光センサを含み得る。マトリックスは、マルチメガピクセル範囲内のいくつかのピクセルを含み得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。したがって、上で概説したように、軸方向の回転対称性が予想される設定では、ピクセルとも呼ばれ得るマトリックスの光センサの円形配置または同心配置が好ましい場合がある。
【0165】
上記でさらに概説したように、好ましくは、センサ要素は検出器の光軸に対して本質的に垂直に配向されてもよい。また、用語「本質的に垂直」に関しては、上記の定義および許容誤差を参照することができる。光軸は、直線的な光軸であってもよく、または湾曲または分離さえもあり得、例えば1つ以上の偏向要素を使用することにより、および/または1つ以上のビームスプリッタを使用することにより、本質的に垂直な配向は、後者においては、光学構成のそれぞれの分岐またはビーム経路内の局所的な光軸に関する。
【0166】
検出器は、三角測量および/または構造化光技術を使用することによって物体の少なくとも1つの距離情報を決定するように適合され得る。三角測量または構造化光技術を使用する装置のような既知の3D感知装置では、対応問題のために、規則的、一定または周期的パターンは各測定点が参照パターンの1つの基準点に割り当てられなければならないため適していない。物体から検出器まで伝播する少なくとも1つの光ビームは、光センサのマトリックス上に少なくとも1つの反射パターンを生成するように適合されていてもよい。「反射パターン」という用語は、照射パターンによる照射に応答して生成された、物体から検出器に伝播する光ビームによる感光エリアの照射に応答して光センサによって決定される少なくとも1つの画像を指す。反射パターンは、照射パターンの対応する照射特徴に応じて少なくとも1つの反射特徴を含み得る。検出器は、商信号から反射パターンの少なくとも1つの反射特徴に対する物点の縦方向座標を決定するように適合されてもよい。したがって、検出器は、反射パターンの少なくとも1つの反射特徴を事前分類するように適合させることができる。これにより、三角形パターン、長方形パターン、六角形パターン、またはさらなる凸状傾斜を含むパターンなどの規則的および/または一定および/または周期的パターンを含む照射パターンを使用することが可能になる。照射パターンは、六角形パターンが好ましいように、可能な限り多くの面積当たりの特徴を含んでもよい。
【0167】
評価装置は、反射特徴を識別するために少なくとも1つの画像解析および/または画像処理を実行するように適合されてもよい。画像解析および/または画像処理は、少なくとも1つの特徴検出アルゴリズムを使用することができる。画像解析および/または画像処理は、フィルタリング;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって生成された像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された像を反転させることによるセンサ信号の反転;異なる時間に前記センサ信号によって生成された像の間の差分画像の形成;バックグラウンド補正;カラーチャンネルへの分解;色相、彩度、および明度チャネルへの分解;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウシアンフィルタのラプラス演算子の適用;ガウスフィルタの微分の適用;ソーベル演算子の適用;ラプラス演算子の適用;シャール演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;キルシュ演算子の適用;ハイパスフィルターの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリ画像の作成、のうちの1つまたは複数を含み得る。関心領域は、ユーザによって手動で決定されてもよく、または光センサによって生成された画像内の物体を認識することなどによって自動的に決定されてもよい。
【0168】
評価装置は、少なくとも1つの反射特徴に対応する少なくとも1つの参照パターン内の少なくとも1つの参照特徴を決定するように適合されていてもよい。「参照パターン」という用語は、少なくとも1つの参照特徴を含む特定の空間位置における比較の画像を指す。上記で概説したように、評価装置は画像分析を実行しそして反射パターンの特徴を識別するように適合させることができる。評価装置は、選択された反射特徴として本質的に同一の縦方向座標を有する参照パターン内の少なくとも1つの参照特徴を識別するように適合されてもよい。「本質的に同一」という用語は、10%以内、好ましくは5%以内、最も好ましくは1%以内の同一性を指す。反射特徴に対応する参照特徴は、エピポーラ幾何学を使用して決定され得る。エピポーラ幾何学の説明については、例えば、X.Jiang,H.Bunke:“Dreidimensionales Computersehen”第2章 Springer,Berlin Heidelberg,1997を参照されたい。エピポーラ幾何学では、参照パターンおよび反射パターンは異なる空間位置および/または固定距離を有する空間方位で決定された物体の画像であり得ると仮定し得る。この距離は、ベースラインとも呼ばれる相対距離であり得る。評価装置は、参照パターンにおけるエピポーラ線を決定するように適合されてもよい。参照パターンと反射パターンとの相対位置は既知であり得る。例えば、参照パターンと反射パターンとの相対位置は、評価装置の少なくとも1つの記憶ユニット内に記憶することができる。評価装置は、選択された反射特徴からそれが由来する現実世界の特徴まで延びる直線を決定するように適合されてもよい。したがって、直線は、選択された反射特徴に対応する可能な物体特徴を含み得る。直線とベースラインはエピポーラ平面に広がっている。参照パターンは反射パターンとは異なる相対配置で決定されるため、対応する可能な物体の特徴は参照パターンにおいてエピポーラ線と呼ばれる直線上に結像されてもよい。エピポーラ線は、エピポーラ平面と参照パターンとの交点であり得る。したがって、反射パターンの選択される特徴に対応する参照パターンの特徴はエピポーラ線上にある。
【0169】
物体までの距離に応じて、反射特徴の像位置に対応する参照特徴は、反射パターン内の像位置と比較して参照パターン内で変位し得る。参照パターンは、選択された反射特徴に対応する参照特徴を結像することができる少なくとも1つの変位領域を含むことができる。変位領域は、ただ1つの参照特徴を含んでもよい。変位領域はエピポーラ線に沿って延びてもよい。評価装置は、エピポーラ線に沿って参照特徴を決定するように適合されてもよい。評価装置は、z±εに対応するエピポーラ線に沿った変位領域を決定するために、指数信号Qから反射特徴とエラー間隔±εに対する縦方向座標zを決定するように適合されてもよい。評価装置は、選択された反射特徴を変位領域内の少なくとも1つの参照特徴と一致させるように適合されてもよい。本明細書で使用されるとき、「一致」という用語は、対応する参照特徴および反射特徴を決定および/または評価することを指す。評価装置は、決定された縦方向座標zを考慮して少なくとも1つの評価アルゴリズムを使用することによって、反射パターンの選択された特徴を変位領域内の参照特徴と一致させるように適合させることができる。評価アルゴリズムは線形スケーリングアルゴリズムであり得る。好ましくは、検出器は、1つの参照特徴への明確な割り当てが可能であるように、商信号Qを用いて選択された反射特徴を事前分類するように適合されてもよい。特に、照射パターンの照射特徴は、参照パターンの対応する参照特徴がエピポーラ線上でできるだけ大きい互いの相対的距離を有するように配置されてもよい。照射パターンの照射特徴は、少数の参照特徴のみがエピポーラ線上に位置するように配置されてもよい。例えば、照射パターンは少なくとも1つの六角形パターンを含み得る。好ましくは、照射パターンは少なくとも1つの六角形パターンを含み、該パターンはベースラインに対して回転している。好ましくは、照射パターンは少なくとも1つの変位角形パターンを含み、六角形パターンの個々の点は、例えばその点のエピポーラ線に直交して規則的な位置からランダムな距離によって変位する。個々の点の変位は、2本の平行するエピポーラ線間の距離の半分より小さく、好ましくは2本の平行するエピポーラ線間の距離の1/4より小さい。個々の点の変位は、2つの点が互いの上に変位しないようなものであり得る。
【0170】
評価装置は、参照特徴および反射特徴の変位を決定するように適合されてもよい。評価装置は、整合参照特徴と選択された反射特徴との変位を決定するように適合されてもよい。本明細書で使用されるとき、「変位」という用語は、基準画像内の画像位置と反射画像内の画像位置との間の差を指す。評価装置は縦方向座標と変位との間の所定の関係を使用して一致した特徴の縦方向情報を決定するように適合されてもよい。本明細書で使用されるとき、「縦方向情報」という用語は、縦方向座標ztriangに関する情報を指す。例えば、縦方向情報は距離値であり得る。評価装置は、三角測量法を用いることによって所定の関係を決定するように適合されてもよい。反射パターン内の選択された反射特徴の位置および一致した参照特徴の位置、および/または選択された反射特徴および一致した参照特徴の相対変位が既知である場合、対応する物体特徴の縦方向座標は三角測量によって決定され得る。したがって、評価装置は、例えば後続および/または列ごとに反射特徴を選択し、三角測量を用いて参照特徴の各潜在的位置について対応する距離値を決定するように適合させることができる。変位および対応する距離値は、評価装置の少なくとも1つの記憶装置に記憶することができる。一例として、評価装置は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのDSP、少なくとも1つのFPGAおよび/または少なくとも1つのASICなどの少なくとも1つのデータ処理装置を含むことができる。さらに、縦方向座標zと変位との間の少なくとも1つの所定のまたは決定可能な関係を記憶するために、所定の関係を記憶するための1つまたは複数のルックアップテーブルを提供するためなど、少なくとも1つのデータ記憶装置が設けられ得る。
【0171】
検出器は、WO 2015/024871またはWO 2016/120392に記載されているようないわゆるFiP効果を生成するように適合された少なくとも1つのFiPセンサを備えていてもよい。例えば、光センサのマトリックスのうちの少なくとも1つの光センサは、いわゆるFiP信号を生成するように適合されてもよい。例えば、マトリックスの各光センサは、少なくとも1つのFiP信号を生成するように適合されてもよい。例えば、光センサのマトリックスは、ピクセル化FiPセンサであってもよい。追加的にまたは代替的に、FiP信号は、マトリックスのセンサ信号から抽出および/またはシミュレーションなどのように決定することができ、そして、上記で概説したような商は、センサ信号から決定することができる。
【0172】
上記で概説したように、中心信号および和信号を評価することによって、検出器は物体全体またはその1部もしくは複数の部分の縦方向座標を決定する選択肢を含む、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定し得る。しかしながら、さらに、1つまたは複数の横方向座標および/または回転座標を含む、物体の他の座標が、検出器によって具体的には評価装置によって決定されてもよい。したがって、一例として、物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するために、1つまたは複数の横方向センサを使用することができる。上記で概説したように、中心信号が発生する少なくとも1つの光センサの位置は物体の少なくとも1つの横方向座標に関する情報を提供してもよく、一例として、単純なレンズ方程式を光学変換および横方向座標の導出に使用することができる。追加的にまたは代替的に、1つまたは複数の追加の横方向センサを使用することができ、それらを検出器に含めることができる。WO 2014/097181 A1に開示されている横方向センサおよび/または象限ダイオード、CCDまたはCMOSチップなどの他の位置検出装置(PSD)のような様々な横方向センサが当技術分野において一般的に知られている。追加的にまたは代替的に、一例として、本発明による検出器は、R.A.Street (Ed.):Technology and Applications of Amorphous Silicon,Springer-Verlag Heidelberg,2010,pp.346-349に開示される1つまたは複数のPSDを含んでもよい。他の実施形態も可能である。これらの装置は、一般に、本発明による検出器にも実装することができる。一例として、光ビームの一部は、少なくとも1つのビーム分割要素によって検出器内で分割されてもよい。一例として、分割部分は、CCDまたはCMOSチップまたはカメラセンサなどの横断センサに向かってガイドされてもよく、そして横方向センサ上の分割部分によって生成された光スポットの横方向位置が決定されてもよく、それによって物体の少なくとも1つの横方向標が決定される。その結果、本発明による検出器は、単純な距離測定装置のような1次元検出器であってもよく、あるいは2次元検出器またはさらに3次元検出器として具体化されてもよい。さらに、上で概説したように、または以下でさらに詳細に概説したように、場景または環境を一次元様式で走査することによって、3次元画像も作成することができる。その結果、本発明による検出器は、具体的には、1次元検出器、2次元検出器または3次元検出器のうちの1つであり得る。評価装置は、物体の少なくとも1つの横方向座標x,yを決定するようにさらに構成されてもよい。評価装置は、縦方向座標および横方向座標の情報を組み合わせ、空間内の物体の位置を決定するように適合されていてもよい。
【0173】
検出器は、単一の光ビームまたは複数の光ビームを評価するように構成されてもよい。複数の光ビームが物体から検出器まで伝播する場合、光ビームを区別する手段を設けることができる。したがって、光ビームは異なるスペクトル特徴を有することができ、検出器は異なる光ビームを区別するための1つまたは複数の波長選択素子を含んでもよい。次に、各光ビームを独立して評価してもよい。一例として、波長選択素子は、1つまたは複数のフィルタ、1つまたは複数のプリズム、1つまたは複数の格子、1つまたは複数のダイクロイックミラー、またはそれらの任意の組み合わせであり得るかまたはそれらを含み得る。さらに、追加的にまたは代替的に、2つ以上の光ビームを区別するために、光ビームは特定の方法で変調されてもよい。したがって、一例として、光ビームは周波数変調されてもよく、センサ信号は、それらの復調周波数に従って、異なる光ビームから生じるセンサ信号を部分的に区別するために復調されてもよい。これらの技術は一般に高周波エレクトロニクスの分野の当業者に知られている。一般に、評価装置は、異なる変調を有する異なる光ビームを区別するように構成することができる。
【0174】
照射源は、複数の照射領域が光センサのマトリックス、例えばCMOS検出器に生成されるように点群を生成および/または投影するように適合されてもよい。さらに、スペックルおよび/または外部光および/または多重反射による擾乱などの擾乱が光センサのマトリックス上に存在することがある。評価装置は、少なくとも1つの関心領域、例えば物体の縦方向座標の決定に使用される光ビームによって照射される1つまたは複数のピクセルを決定するように適合されてもよい。例えば、評価装置はフィルタリング方法、例えばブロブ分析および/または物体認識方法を実行するように適合されてもよい。
【0175】
好ましくは、照射源は可動式および/またはモバイル照射源であり得る。例えば、照射源を測定中に移動させて、物体を異なる位置および/または角度から照射するようにしてよい。しかしながら、例えば完全な測定時間中に、照射源を少なくとも1つの固定位置に配置することができる実施形態も可能である。評価装置は高い製造公差および/またはユーザの相互作用および/またはユーザの組み立てなどのために、不明な位置を有する照射源に適合させることができる。
【0176】
照射源は、収束および/または発散および/または平行光ビームを用いて物体を照らすことができる。
【0177】
さらなる好ましい実施形態では、検出器は、
- 少なくとも2つの光センサであって、各光センサは感光エリアを有し、各感光エリアは幾何学中心を有し、光センサの幾何学中心は検出器の光軸から異なる空間的オフセットで離れており、各光センサは、物体から検出器へ伝播する光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答してセンサ信号を生成するように構成されている、光センサと;そして
- 少なくとも2つのセンサ信号を結合することによって、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている少なくとも1つの評価装置と、
を有する。
【0178】
このさらなる好ましい実施形態では、光センサは、光センサの感光エリアの空間的オフセットが異なるように、および/またはそれらの表面積が異なるように配置されてもよい。
【0179】
光センサの感光エリアは、物体から見えるように重なっていてもよく、または、重なっていなくてもよく、すなわち重ならずに互いに隣接して配置されてもよい。感光エリアは互いに離間していてもよいし、直接隣接していてもよい。
【0180】
検出器は、2つより多い光センサを含み得る。いかなる場合でも、すなわち正確に2つの光センサを含む検出器の場合、および2つより多い光センサを含む検出器の場合には、光センサは、第1の空間的オフセットで光軸から離れている少なくとも1つの第1の光センサと、第2の空間的オフセットで光軸から離れている少なくとも1つの第2の光センサとを含むことができ、ここで、第1の空間的オフセットと第2の空間的オフセットは異なる。第1および第2の光センサの他にさらに光センサが設けられている場合、これらの追加の光センサもまた条件を満たし得、あるいはその代わりに第1の空間的オフセットで、第2の空間的オフセットで、または異なる空間的オフセットで光軸から離れてよい。一例として、第1および第2の空間的オフセットは、少なくとも1.2倍、より好ましくは少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍異なることがある。上記の条件が満たされる限り、空間的オフセットもゼロであるか、または負の値をとることができる。
【0181】
上記で概説したように、各感光エリアは幾何学中心を有する。各感光エリアの各幾何学中心は、検出器の光軸から、例えば、ビーム経路の光軸またはそれぞれの光センサが配置されているそれぞれのビーム経路から離れていてもよい。
【0182】
上記で概説したように、光センサは、具体的には同一平面内に配置することができ、好ましくは、光軸に垂直な平面である。しかしながら、他の構成も可能である。したがって、2つ以上の光センサを光軸と平行な方向に離れて配置させることができる。
【0183】
例えば、光センサはセグメント化ダイオードの部分ダイオードであり得、セグメント化ダイオードの中心は検出器の光軸から偏心している。本明細書で使用されるとき、「部分ダイオード」という用語は、直列または並列に接続された、いくつかのダイオードを含み得る。この例はかなり単純で費用対効果に優れている。したがって、一例として、バイセルダイオードまたは象限ダイオードは低コストで広く市販されており、およびこれらの象限ダイオードの駆動方式は一般に知られている。本明細書で使用されるとき、用語「バイセルダイオード」という用語は、一般に、1つのパッケージ内に2つの部分ダイオードを有するダイオードを指す。バイセルダイオードおよび象限ダイオードは、2つまたは4つの別々の感光エリア、特に2つまたは4つのアクティブエリアを有することができる。一例として、バイセルダイオードはそれぞれ、ダイオードの全機能を有する独立したダイオードを形成することができる。一例として、各バイセルダイオードは正方形または長方形の形状を有することができ、2つの部分ダイオードが合計で1×2または2×1の長方形のマトリックスを形成するように2つのダイオードを1つの平面内に配置することができる。しかしながら、本発明では、以下にさらに詳細に概説されるように、バイセルダイオードまたは象限ダイオードのセンサ信号を評価するための新しい方式が提案される。しかしながら、一般に、光センサは、特に、象限ダイオードの中心が検出器の光軸から偏心している、象限ダイオードの部分ダイオードであり得る。本明細書で使用されるとき、「象限ダイオード」という用語は、一般に、1つのパッケージ内に4つの部分ダイオードを有するダイオードを指す。一例として、4つの部分ダイオードはそれぞれダイオードの全機能を有する独立したダイオードを形成することができる。一例として、4つの部分ダイオードはそれぞれ正方形または長方形の形状を有することができ、4つの部分ダイオードは合計で長方形または正方形の形状を有する2×2マトリックスを形成するように1つの平面に配置することができる。さらなる例では、全部で4つの部分ダイオードは、円形または楕円形を有する2×2マトリックスを形成することができる。一例として、部分ダイオードは互いに最小離間で隣接していてもよい。しかしながら、商信号のダイナミックレンジを改善するために、隣接するダイオード間の間隔も変えることができる。一例として、2つの隣接するダイオード間の間隔は、不透明マスクを使用することによって増大させることができる。これは、2つのダイオードの信号の商を増大させる可能性がある隣接ダイオードと比較して、一方のダイオード上の光を相対的および/または絶対的に減少させる可能性がある。
【0184】
部分ダイオードの2×2マトリックスを有する象限ダイオードが使用される場合、象限ダイオードの中心は特に光軸から偏心しているかまたはオフセットされていてもよい。したがって、一例として、象限ダイオードの光センサの幾何学中心の交点であり得る象限ダイオードの中心は、光軸から少なくとも0.2mm、より好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも1.0mm、さらには2.0mmだけ偏心していてもよい。同様に、複数の光センサを有する他の種類の光センサ設定を使用する場合、光センサの中心全体は、光軸から同じ距離だけオフセットされてもよい。
【0185】
上記で概説したように、バイセルダイオードおよび象限ダイオードは、2つまたは4つの別々の感光エリア、特に2つまたは4つのアクティブエリアを有することができる。感光エリアは分割線によって分離されてもよい。例えば2つのSiダイオードの分割線は、検出器のベースラインと平行に、特に光センサ上のスポット移動と平行に配置することができる。しかしながら、他の配置も可能である。例えば、象限ダイオードは2本の分割線を含むことができる。分割線は互いに直交するように配置されてもよい。分割線の直交配置は、互いに独立して近距離場および遠距離場の適用のための商信号の調整を可能にする。象限ダイオードの2つの光センサのセンサ信号の商信号を決定することに加えて、評価装置は、象限ダイオードの少なくとも3つまたは4つすべてのセンサ信号を使用して第2の商を決定するように適合され得る。2つの商は、2つの異なる距離範囲をカバーするように形成することができる。近距離場および遠距離場に対する2つの商信号は、両方の商信号が縦方向距離zの合理的な決定を得ることを可能にする重なり領域を有することができる。例えば、商信号は、トップセグメントとも呼ばれる2つの頂部象限のセンサ信号を、ボトムセグメントとも呼ばれる2つの底部象限のセンサ信号で割算することによって決定することができる。検出器の基線に平行な分割線を有する2つのセンサエリアによって決定されたセンサ信号の商信号を使用することは、光スポットのどんな距離依存的な動きなしででも商を決定することを可能にし得る。特に、一例として、トップセグメントとボトムセグメントとの間の分割線がベースラインに平行である場合、トップセグメントをボトムセグメントで除算した商信号を近距離場で使用することができ、光スポットは象限ダイオードの左側または右側のセグメントの一方のみを照射することができる。この場合、左右のセグメントのセンサ信号を割算することによって商信号を決定することは可能ではないかもしれない。しかしながら、トップセグメントとボトムセグメントのセンサ信号を割算することによって商を決定することは、妥当な距離測定値を提供することができる。左右のセグメントのセンサ信号を割算することによって決定された商信号は、遠距離場測定に使用することができ、光スポットは左側と右側の両方のセグメントを照射する。さらに、評価装置は、対向するセグメントまたは隣接するセグメントのセンサ信号を割算することによって商信号を決定するように適合させることができる。評価装置は、距離測定が広い範囲にわたって大きな分解能で可能であるように、象限で取得されたセンサ信号を結合するように適合され得る。
【0186】
一般に、光センサの感光エリアは、任意の表面積またはサイズを有することができる。しかしながら、好ましくは、特にセンサ信号の単純化された評価を考慮して、光センサの感光エリアは、例えば10%未満、好ましくは5%未満、さらには1%未満の許容誤差など本質的に等しい。これは、特に、典型的な市販の象限ダイオードの場合である。
【0187】
検出器は、4つの象限を含む少なくとも1つの象限ダイオードを含み得る。例えば、象限ダイオードの左上象限を「ol」、左下象限を「ul」、右上象限を「or」、右下象限を「ur」と表記することができる。光スポットは、近距離範囲内で左から遠距離範囲内で左へ移動することがある。検出器は少なくとも1つの減光フィルタを含み得る。近距離範囲の象限は、減光フィルタによってカバーされてもよい。近距離範囲では、商ol/ulを使用して縦座標zを決定することができる。遠距離範囲では、商or/urおよび/またはすべての象限の組み合わせからの商を使用することができる。減光フィルタは、近距離範囲内の物体が、増幅器を飽和させることなく、一定の増幅によってより明るく光センサを照らすように適合されることを可能にする。同時に遠距離範囲でより多くの信号を得ることが可能である。したがって、減光フィルタは検出器の動特性を向上させ得る。
【0188】
具体的には、以下により詳細に概説されるように、評価装置は、センサ信号および/またはそれから導出される任意の第2の信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの既知であり、決定可能であり、または所定の関係を使用することによって、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。したがって、評価装置は、少なくとも2つのセンサ信号のうち、すなわち、少なくとも1つの第1の光センサの少なくとも1つのセンサ信号、および、少なくとも1つの第2の光センサの少なくとも1つのセンサ信号のうちから少なくとも1つの組み合わされたセンサ信号を決定するように構成され得る。
【0189】
検出器は、WO 2015/024871またはWO 2016/120392に記載されているようないわゆるFiP効果を生成するように適合された少なくとも1つのFiPセンサを備えることができる。例えば、バイセルダイオードまたは象限ダイオードは、いわゆるFiP信号を生成するように構成されてもよい。WO 2015/024871またはWO 2016/120392で概説したように、FiP信号は、広い距離範囲にわたって深さ情報を決定するために使用することができる。FiPセンサは、正および/または負のFiP効果を示すように適合されてもよい。FiP効果によれば、同じ総出力が与えられた場合、縦方向センサ信号は、1つまたは複数の集束および/またはセンサ領域上またはセンサ領域内の1つまたは複数の特定サイズの光スポットに対して少なくとも1つの顕著な最大値を示すことができる。比較目的のために、光レンズの影響を受けるように材料が焦点またはその近くに配置される場合のように、対応する材料ができる限り小さい横断面を有する光ビームに当たる条件における縦方向センサ信号の最大値の観測は、「正のFiP効果」として示すことができる。負のFiP効果は、特に、光レンズの影響を受けるように材料が焦点またはその近くに配置される場合、対応する材料が利用可能な最小の横断面を有する光ビームに当たる条件における縦方向センサ信号の最小値の観測を示す。負のFiP効果は、遠距離で小さい画像効果を調整するために使用され得る。位置、サイズ、形状、シャープネスなどの画像の変化は、遠距離で消え得るが、負のFiP効果は増大する。さらに、両方のセルが同じ縦方向位置にあるため同一の光子密度を受け取るので、輝度依存性は導入され得ない。
【0190】
上記で概説したように、検出器は少なくとも1つの照射源を含み得る。照射源とバイセルまたは象限ダイオードとの間の検出器の光軸に垂直な距離は小さくてもよい。照射源とバイセルまたは象限ダイオードとの間の検出器の光軸に垂直な距離は0.1m未満、好ましくは0.05m未満、より好ましくは0.025m未満であり得る。照射源と光軸は小さなベースラインによって分離されてもよい。照射源は、光軸から最小距離だけ離れていてもよい。光軸からの最小距離はバイセルまたは象限ダイオードおよび少なくとも1つの任意選択の転送装置のサイズおよび位置などのさらなる検出器要素によって定義することができる。ベースラインは、0.1m未満、好ましくは0.05m未満、より好ましくは0.025m未満であり得る。例えば、ベースラインは21mmであり得る。好ましくは、照射源は転送装置のすぐ隣に配置されてもよい。例えば、転送装置は照射源が光軸にさらに近く配置されることができるように平らにされてもよい。照射源は、転送装置の後ろに配置されてもよい。
【0191】
本明細書で一般的に使用されるとき、「結合する」という用語は、一般に、信号のような2つ以上の成分が少なくとも1つの結合された結合信号を形成するために1つまたは複数の数学的に結合されたおよび/または少なくとも1つの比較信号または比較結果を形成するために比較される任意の演算を指す。以下にさらに詳細に概説されるように、結合センサ信号または第2の信号は、少なくとも1つの商信号であり得るか、またはそれを含み得る。
【0192】
一例として、3つ以上のセンサ信号が提供される場合、2つ以上の一対のセンサ信号の商信号を形成することなどによって、2つ以上の商信号が生成されてもよい。
【0193】
したがって、一例として、3つ以上の光センサが設けられている場合、上述の商形成は、これらの光センサによって生成された2つのセンサ信号の間で行われてもよく、または、3つ以上のセンサ信号間で行われてもよい。したがって、上記の式において、センサ信号の第1のものおよびセンサ信号の2番のものを使用する代わりに、結合センサ信号を商形成に使用することができる。
【0194】
商信号Qは一般に、感光エリア上の光ビームによって生成された光スポットの非対称性または非対称分布を示す非対称性パラメータの一例である。2つ以上のフォトダイオードなどの2つ以上の光センサの商は、以下の実験データによって示されるように、典型的には検出器と光ビームが検出器に向かって進む物体との間の距離に単調に依存する結合信号を提供し得る。商信号に加えて、またはその代わりとして、本発明のセットアップにおいて2つ以上のセンサのセンサ信号を実行する他の種類の組み合わせ機能を使用することもでき、これもまた、物体と検出器との間の距離に対する依存性を示し得る。一例として、光スポットの非対称性または非対称性パラメータは、光ビームの幅の指標であり得る。この非対称パラメータが距離のみに依存する場合は、測定値を使用して距離を決定し得る。
【0195】
典型的なセットアップにおいては、象限フォトダイオードのような市販の象限ダイオードが位置決めのために、すなわち象限フォトダイオードの平面内の光スポットの横座標を調整および/または測定するために使用される。したがって、一例として、象限フォトダイオードの使用によるレーザビーム位置決めはよく知られている。しかしながら、典型的な先入観によれば、象限フォトダイオードは、x-y位置決めにのみ使用される。この仮定によると、象限フォトダイオードは距離の測定には適していない。しかしながら、検出器の光軸に関して偏心象限フォトダイオードを使用した上記の結果、以下のさらなる測定で示されるように別の事実を示している。したがって、上記のように、象限フォトダイオードでは、スポットの非対称性は、上述のオフセットなどによって象限ダイオードをわずかに軸外へずらして測定することができる。それによって、例えば象限フォトダイオードの2つ以上の部分フォトダイオード、すなわち象限の2つ以上のセンサ信号の商信号Qを形成することによって、単調なz依存関数を生成することができる。そこでは、原則として、測定に必要なフォトダイオードは2つだけである。他の2つのダイオードは、ノイズキャンセルやより正確な測定値の取得に使用できる。
【0196】
象限ダイオードまたは象限フォトダイオードを使用することに加えてまたはその代わりとして、他の種類の光センサを使用することができる。したがって、以下でさらに詳細に示されるように、スタガード光センサを使用することができる。
【0197】
象限ダイオードの使用は、既知の光検出器を超える多数の利点を提供する。このように、象限ダイオードは、LEDまたは能動ターゲットと組み合わせて多数の用途に使用されており、非常に低価格で、分光感度などの様々な光学特性を有し、様々なサイズで広く市販されている。市販の製品を本発明による検出器に実装することができるので、特別な製造工程を確立する必要はない。
【0198】
本発明による検出器は、特に、2015年3月26日に出願された国際特許出願番号PCT/IB 2015/052233に開示されているような多層光記憶ディスクに使用することができる。本発明による検出器を使用することによって実行される測定は、具体的には、光記憶ディスクにおける焦点位置を最適化するために使用され得る。
【0199】
以下により詳細に概説されるように、本発明による検出器を使用することによる距離測定は、1つまたは複数の追加の距離測定手段を検出器に実装することによって、および/または検出器を他のタイプの距離測定手段と組み合わせることによって向上され得る。したがって、一例として、検出器は少なくとも1つの三角測量距離測定装置を含むか、またはそれと組み合わせることができる。従って、距離測定は、上述の測定原理と三角測量型距離測定との組み合わせを利用することによって向上させることができる。さらに、x座標および/またはy座標などの1つまたは複数の他の座標を測定するための手段を設けることができる。
【0200】
象限ダイオードが使用される場合、象限ダイオードは追加の目的にも使用され得る。したがって、象限ダイオードは、オプトエレクトロニクスおよびレーザ物理学の分野で一般的に知られているように、光スポットの従来のx-y測定にも使用することができる。したがって、一例として、レンズまたは検出器の位置は、距離測定のためのスポットの位置を最適化するために象限ダイオードの従来のxy位置情報を使用して調整することができる。実際的な例として、光スポットは、最初は、象限ダイオードの真ん中に配置され得、これは通常、商関数Qを用いた上述の距離測定を可能にしない。したがって、第1に、従来の象限フォトダイオード技術は、象限フォトダイオード上の光スポットの位置を偏心させるために使用することができ、それによって、たとえば象限ダイオード上でのスポット位置の測定に最適となる。したがって、一例として、光スポットは、光軸に対して、そして光センサのアレイの幾何学中心に対して偏心しているように、検出器の光センサの異なる偏心は、単に光軸に対する光センサの移動の開始点であり得る。
【0201】
したがって、一般に、検出器の光センサは、センサアレイを形成してもよく、または上述の象限ダイオードなどのセンサアレイの一部であってもよい。m=2、n=2の場合は、象限ダイオードまたは象限光センサの場合であり、象限フォトダイオードが広く利用可能であるので、実用上の理由から、好ましい場合の1つである。
【0202】
開始点として、アレイ内の光センサの幾何学中心は、上述のオフセットなどによって、光軸から偏心していてもよい。センサアレイは、具体的には、光軸に対して、例えば勾配に沿って、例えば光軸に垂直な平面内でセンサアレイを動かすことなどによって、および/または例えば、光軸を平行にシフトさせたり、および/または光軸を傾けたりして光軸自体を動かすことによって、好ましくは自動的に移動可能であり得る。したがって、センサアレイの平面内で光ビームによって生成される光スポットの位置を調整するために、センサアレイをシフトさせることができる。追加的にまたは代替的に、1つまたは複数の偏向要素および/または1つまたは複数のレンズを使用するなど、適切な要素を使用することによって、光軸をシフトおよび/または傾斜させることができる。一例として、移動は、光軸を平行移動させることおよび/または光軸を傾けることなど、光軸を動かすために、例えばアレイを移動および/またはシフトする、および/または、ビーム経路内の1つまたは複数の光学要素を移動および/またはシフトおよび/または傾けるなど、1つまたは複数のピエゾアクチュエータおよび/または1つまたは複数の電磁アクチュエータおよび/または1つまたは複数の空気圧式または機械式アクチュエータなどの1つまたは複数の適切なアクチュエータを使用することによって行われ得る。評価装置は、具体的には、光軸に対するセンサアレイの相対位置を、例えば光軸に垂直な平面内で制御するように調整することができる。評価装置が、第1に、センサ信号を使用することによって、センサアレイ上の光ビームによって生成された光スポットの少なくとも1つの横方向位置を決定するように、第2に、アレイおよび/または光軸を動かすことによる等、例えば光スポットが偏心するまで平面内のアレイを光軸に移動することによって、および/または、光スポットが偏心するまでレンズを傾けることによって、光軸に対してアレイを動かするように、構成されているという点で調整手順が行われてもよい。ここで使用されているように、横方向位置は、x-y平面とも呼ばれ得る光軸に垂直な平面内の位置とすることができる。横方向座標の測定のために、一例として、光センサのセンサ信号が比較されてもよい。一例として、センサ信号が等しいことが判明した場合、したがって、象限ダイオードの中心など、光スポットが光センサに関して対称的に配置されていると決定された場合、アレイ内の光スポットを偏心させるために、アレイのシフトおよび/またはレンズの傾斜が起こり得る。したがって、上で概説したように、光軸から象限フォトダイオードの中心を偏心させることによるような、光軸からのアレイの偏心は、光スポットが光軸上に位置し、したがって中心とする典型的な状況を回避するための単に出発点であり得る。したがって、光軸に対してアレイを偏心させることによって、光スポットは偏心されるはずである。これが当てはまらないことが判明した場合、光スポットが付随的にアレイの中心に位置し、全ての光センサを等しく照射するように、光軸に対するアレイの上述のシフトは、アレイ上の光スポットを偏心させるために、好ましくは自動的に行われてもよい。それによって、信頼性のある距離測定が行われ得る。
【0203】
さらに、可動光源を備えた走査システムでは、象限ダイオード上の光スポットの位置は固定されてなくてもよい。これはまだ可能だが、ダイオード内のスポットのxy位置に応じて、異なるキャリブレーションを使用する必要がある。
【0204】
さらに、上述の商信号Qの使用は、距離測定のための非常に信頼できる方法である。典型的には、Qは、物体の縦方向座標および/または光スポットの直径または等価直径などの光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、特に線形光センサが使用される場合、商Q=s/sは、光スポットのサイズの単調減少関数である。この理論に拘束されることを望むものではないが、これは、上述の好ましいセットアップにおいて、上述の第1のセンサ信号sおよび上述の第2のセンサ信号sなどのセンサ信号は、検出器に到達する光量が減少するため、光源までの距離が増すにつれて二乗関数として減少する、という事実によると考えられる。しかしながら、そこでは、偏心のために、実験で使用されたような光セットアップでは、センサ信号の一方が他方よりも急速に減少するため、像平面内の光点は大きくなり、したがって、より広い領域にわたって広がる。しかしながら、光スポットを広げることによって、光スポットの中心の外側の1つまたは複数の光センサを照らす光の部分は、非常に小さい光スポットの状況と比較して増加する。したがって、センサ信号の商は、光ビームの直径または光スポットの直径が増加するにつれて連続的に変化、すなわち増加または減少する。さらに、光ビームの総出力がすべてのセンサ信号において1つの要素を形成するので、商は、主に光ビームの総出力から独立しているようになるかもしれない。その結果、商Qは、センサ信号と光ビームのサイズまたは直径との間の一意的かつ明白な関係を提供する第2の信号を形成することができる。
【0205】
上記で概説したように、具体的には、象限フォトダイオードを使用することができる。一例として、例えば、紫外線スペクトル範囲から近赤外線スペクトル範囲において感度ある、タイプS4349の4分割Si PINフォトダイオードなど、Hamamatsu Photonics Deutschland GmbHから市販されているD-82211 Herrsching am Ammersee、Germanyから入手可能な1つまたは複数の象限フォトダイオードなどの4つの光センサを提供するために、市販の象限フォトダイオードを一体化することができる。光センサのアレイが使用される場合、アレイは裸のチップであり得るか、またはTO-5金属パッケージ内に封入されるような封入アレイであり得る。追加的にまたは代替的に、TT Electronics plc, Fourth Floor, St Andrews House, West Street Woking Surrey, GU21 6EB, Englandから入手可能なTT Electronics OPR5911などの表面実装型デバイスを使用することができる。他の光センサも使用できることに留意されたい。
【0206】
さらに、正確に1つの象限フォトダイオードを使用する選択肢に加えて、2つ以上の象限フォトダイオードを使用することもできることに留意されたい。したがって、一例として、第1象限フォトダイオードを上述のように距離測定に使用して、2つ以上の光センサを提供することができる。他の象限フォトダイオードを、例えば少なくとも1つの横方向座標xおよび/またはyを使用するためなどの横方向位置測定のために、第1の象限フォトダイオードのビーム経路から分割された第2の部分ビーム経路内で使用することができる。一例として、第2の象限フォトダイオードは、光軸に対して軸上に配置されてもよい。
【0207】
さらに、1つまたは複数の象限フォトダイオードを使用するという選択肢に加えて、1つまたは複数の象限フォトダイオード、またはさらなるフォトダイオードアレイは、また、互いに近接して、好ましくは2×2マトリックスなどの長方形マトリックスなどの対称形状に配置または組み立てられる別々のフォトダイオードによって置き換えられるかまたは模倣され得る。しかしながら、さらなる配置も可能である。そのような配置または組み立てにおいては、フォトダイオードは、単一のハウジングまたはマウント内にあるすべてのフォトダイオード、あるいは単一のハウジングまたはマウント内にあるフォトダイオードのグループ、あるいは別々のハウジングまたはマウント内にあるそれぞれのフォトダイオードなど、ハウジングまたはマウント内に配置または組み立てることができる。さらに、フォトダイオードは回路基板上に直接組み立てることもできる。このような配置または組み立てでは、フォトダイオードは、フォトダイオードの活性領域間の間隔が1センチメートル未満、好ましくは1ミリメートル未満、より好ましくはできるだけ小さいような明確な値を有するように配置することができる。さらに、測定を悪化させる可能性がある光反射、歪みなどを回避するために、活性領域間の空間は、空であるか、または好ましくはブラックシリコン、ブラックポリオキシメチレンなどのブラックポリマーなどの光吸収材料で充填されていてもよく、より好ましくは、黒色セラミックまたは黒色シリコンなどの絶縁性黒色ポリマーなどの光吸収性および電気絶縁性材料である。さらに、フォトダイオード分離の明確な値は、プラスチックセパレータなどのフォトダイオード間に明確な基礎的要素を追加することによっても実現することができる。さらなる実施形態が実現可能である。活性化領域間の距離が最小の2×2の長方形マトリックスなど、同様のセットアップで配置された単一ダイオードによる象限フォトダイオードの置き換えは、光検出器のコストをさらに最小限に抑えることができる。さらに、象限ダイオードからの2つ以上のダイオードを並列または直列に接続して単一の感光エリアを形成することができる。
【0208】
光センサはそれぞれ、具体的には、それぞれ単一の感光エリアを有する均一なセンサであり得る。したがって、光センサは具体的には非ピクセル化光センサであり得る。
【0209】
さらなる好ましい実施形態において、検出器は、
- 第1感光エリアを有する少なくとも1つの第1光センサであって、物体から検出器へ伝播する光ビームによる第1感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第1センサ信号を生成するように構成される、少なくとも1つの第1光センサ;
- 少なくとも1つの第2光センサであって、
・ 第2感光エリアを形成する少なくとも1つの蛍光導波シートであって、蛍光導波シートは、物体から検出器に向かって伝播する少なくとも1つの光ビームが第2感光エリアに少なくとも1つの光スポットを生成するように、物体に向けられ、蛍光導波シートは少なくとも1つの蛍光材料を含み、蛍光材料は、光ビームの照射に応答して蛍光を発する、少なくとも1つの蛍光導波シート;と、
・ 蛍光導波シートの少なくとも1つのエッジに配置される少なくとも1つの感光要素であって、蛍光導波シートによって光スポットから感光要素へガイドされる蛍光を検出することができ、光ビームによる第2感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第2センサ信号を生成することができ、第1感光エリアは第2感光エリアより小さい、少なくとも1つの感光要素;と、
を有する、少なくとも1つの第2光センサと、
- 少なくとも1つの評価装置であって、第1および第2のセンサ信号を評価することによって、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている、少なくとも1つの評価装置、
とを有する。
【0210】
このさらなる好ましい実施形態では、光センサは、光センサの感光エリアがそれらの空間的オフセットおよび/またはそれらの表面積において異なるように配置されてもよい。第1および第2の感光エリアは、具体的には物体に向けられてもよい。
【0211】
物体から検出器まで伝播する光ビームは、具体的には、第1の光センサの感光エリアよりも大きい幅の光ビームで第1の感光エリアを完全に照射することができ、これにより、第1の感光エリアが光ビーム内に完全に配置され得る。反対に、好ましくは、物体から検出器まで伝播する光ビームは、特に光スポットが第2の感光エリア内に完全に位置するように、第2の感光エリアより小さい光スポットを第2の感光エリア上に作り出すことができる。第2の感光エリア上の光スポット内には、第1の光センサによって生成された影が位置している可能性がある。したがって、一般に、より小さい第1の感光エリアを有する第1の光センサは、物体から見て、第2の光センサの前に配置されることができ、これは第1感光エリアが光ビーム内に完全に配置され、光ビームが第2の感光エリアよりも小さい第1の感光エリア上に光スポットを生成し、第1光センサによってさらなる影が該光スポット内に生成される状況になる。この状況は、光ビームにフォーカスまたはデフォーカス効果を有する1つまたは複数の適切なレンズまたは要素を選択することによって、例えば、以下にさらに詳細に概説されるように、適切な転送装置を使用することで、光学分野の当業者により容易に調整され得る。本明細書でさらに使用されるように、光スポットは一般に光ビームによる物品、領域または物体の可視または検出可能な円形または非円形の照射を指す。
【0212】
第1および第2の光センサは、1つまたは複数の紫外線、可視光または赤外線のスペクトル範囲において感度があり得る。第1および第2の光センサは、全く同一のスペクトル範囲において感度があってよく、あるいは異なるスペクトル感度を有してよい。
【0213】
本明細書でさらに使用されるとき、「蛍光性導波シート」は一般的に、導波特性と蛍光特性の両方を有する要素を指す。その場合、「導波」は一般的に、紫外線スペクトル、可視光スペクトルまたは赤外線スペクトルの範囲の1つまたは複数の光を内部反射、具体的には内部全反射によってガイドする特性または複数の要素を指す。「蛍光」という用語は一般的に、1つまたは複数の紫外線スペクトル、可視光スペクトルまたは赤外線スペクトルの範囲の蛍光ライトとも呼ばれる二次発光を、例えば一次発光または励起発光など一次放射または励起放射とも呼ばれる電磁放射による励起に応答して放出する要素または材料の特性を指す。ほとんどの場合、放出光、蛍光ライトまたは二次発光は、一次放射と比べ波長が長くエネルギーが低い。一次放射は典型的に、蛍光性材料の内部でいわゆる励起子など、励起状態の存在を誘発する。典型的に、UVから近赤外に移行するエネルギーを伴う光子放出の励起状態減衰時間は、0.5から20ナノ秒の範囲である。しかしながら、他の例も本発明の範囲内で実現可能である。同様に、本明細書で使用されるとき、「蛍光材料」という用語は一般的に、蛍光特性を有する材料を指す。「蛍光ライト」という用語は一般的に、上述の蛍光プロセス中で生じる二次発光を指す。
【0214】
蛍光導波シートの可能性のある実施形態については、一般的に、いわゆる「Q-Foil Technology」を参照することができ、例えば、P.Bartu, R.Koeppe, N.Arnold, A.Neulinger, L.FallonおよびS.BauerらによるConformable large-area position-sensitive photodetectors based on luminescence collecting silicone waveguides、J.Appl.Phys.107,123,101(2010)を参照することができる。そこに開示されているような蛍光導波シートおよび/または第2の光センサもまた、本発明の文脈において、第2の光センサ内で使用することができる。
【0215】
以下にさらに詳細に概説されるように、蛍光導波シートは、具体的にはシート状の形状を有するかもしくはシートである要素であり得るか、または、該要素を含み得る。本明細書で使用されるとき、「シート」は、一般に、要素の厚さを大幅に超え、例えば、少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍、さらにより好ましくは少なくとも20倍、50倍、さらには100倍である、直径または等価直径のような側方の広がりを有する要素を指す。シートは具体的には可撓性、可塑性または剛性であってもよい。
【0216】
以下にさらに詳細に概説されるように、蛍光導波シートは具体的には、透明の材料、具体的には透明のシートであるか、または透明のシートを含み得る。透明性は可視スペクトル範囲またはその一部において少なくとも50%から70%、例えば500nmから700nmの範囲の透明性であってもよい。他の実施形態も実現可能である。
【0217】
本明細書でさらに使用されるとき、「感光エリア」という用語は一般的に、要素の2次元領域または3次元領域、特に蛍光導波または光センサの領域であって、外部の影響を受けやすく、また例えば外部から刺激されたことに応答して少なくとも1つの反応を生じる2次元領域または3次元領域を指す。この場合、具体的には、感光エリアは光励起に対して感度があり得る。感光エリアは、具体的には、蛍光導波シートの表面または容積の一部、例えば蛍光導波シートの表面全体またはその一部であってもよい。
【0218】
本明細書でさらに使用されるように、用語「蛍光導波シートは物体の方向を向いている」とは、一般に、蛍光導波シートの表面またはこの表面の一部、特に感光エリアが物体から完全にまたは部分的に見えるという状況を指す。具体的には、物体の少なくとも1つの点と感光エリアの少なくとも1つの点との間の少なくとも1つの相互接続線が、20°から90°の範囲の角度など、0°とは異なる、感光エリアまたは蛍光導波シートの表面要素と角度を形成してもよい。しかしながら、他の実施形態も可能である。
【0219】
しかしながら、最も好ましくは、少なくとも1つの蛍光導波シート、その感光エリア、またはその一部は、光センサおよび/または検出器の光軸に対して本質的に垂直に配向されている。
【0220】
本明細書でさらに使用されるとき、蛍光導波シートの「エッジ」という用語は一般に、少なくとも1つの蛍光導波シートの境界、例えば、蛍光導波シートの側方境界もしくは側方エッジまたは表面もしくは裏面を指す。このように、当業者であれば認識するとおり、「エッジ」という用語は一般的に、蛍光導波シートと空気など周囲雰囲気との間の界面または境界を指し得る。具体的には、エッジは蛍光導波シートによって形成される感光エリアの境界であってもよい。「~に位置する」という用語は一般的に、感光要素がエッジに直接位置する、またはエッジに近接するという事実を指す。一例として、エッジから放出して感光要素の方向に向かう光の少なくとも50%が、散乱、ビーム拡幅または他の損失によって失われることなく、それぞれの感光要素によって収集される。一例として、感光要素はエッジから10mm以内、より好ましくは5mm以内の離れた位置に配置することができる。しかしながら、蛍光ライトを接続するための他の実施形態も実現可能であることに留意されたい。最も好ましくは、すべての感光要素について同様の測定条件を提供するために、すべての感光要素はそれぞれ対応する蛍光導波シートのエッジと相対的に同じ形で位置する。
【0221】
一例として、蛍光導波シートの少なくとも1つのエッジに位置する感光要素は、完全にまたは部分的に蛍光導波シートと同一面内に位置してもよく、および/または完全にまたは部分的に別の面内に位置してもよい。後者の場合、以下にてさらに詳しく概説するとおり、一例として、蛍光導波シートのエッジと少なくとも1つの感光要素との間に、少なくとも1つの光学的結合要素の使用による光学的結合が起こり得る。さらに、第2の光センサに複数の感光要素が設けられる場合、少なくとも1つの感光要素が蛍光導波シートと同一面内に位置し、少なくとも1つの感光要素が蛍光導波シートの面外に位置してもよい。さらに、少なくとも1つの感光要素の視野方向が蛍光導波シートの面と平行であるか、またはその面に対して垂直のような、他の方向であってもよい。ここで、蛍光導波シートの「面」について説明する場合、この用語は必ずしも蛍光導波シートが完全に平面であることを意味するわけではない。このように、一例として、蛍光導波シートは湾曲または屈曲していてもよく、また蛍光導波シートにおいて各感光要素が位置する部分の面は局所的に接平面であってもよい。
【0222】
本発明で使用されるとき、蛍光導波シートの「エッジ」という用語は、以下では「直線エッジ」とも呼ばれる、蛍光導波シートにおける直線または直線状境界域を指す場合もあり、または、蛍光導波シートの隅部など、蛍光導波シートの非直線または非直線状境界域を指す場合もある。したがって、複数の感光要素が提供される場合において、少なくとも1つの感光要素または、感光要素の少なくとも1つが、少なくとも1つの蛍光導波シートの隅部、例えば蛍光導波シートによって形成される第2の感光エリアの少なくとも1つの隅部に位置してもよい。したがって、具体的には、エッジは蛍光導波シートのリムまたはリムの一部分、例えば隅部および/または直線的なリム部を含み得る。ただし付加的または代替的に、エッジは蛍光導波シートの平坦面、例えば表面または裏面を含んでもよい。
【0223】
上記にて既に概説のとおり、光スポットから少なくとも1つの感光要素に向けて少なくとも1つの対応する感光要素へと誘導される蛍光ライトの供給を改善するため、蛍光導波シートと対応する感光要素との間に少なくとも1つの光学的結合要素を使用することによって、少なくとも1つの光学的結合が起こり得る。したがって、少なくとも1つの感光要素、または複数の感光要素が提供される場合において、少なくとも1つの感光要素は、蛍光導波シートによって案内される蛍光を蛍光導波シート外へ、そして好ましくは少なくとも部分的に感光要素内に、少なくとも部分的に結合するように構成された少なくとも1つの光結合要素によって蛍光導波シートに光学的に結合され得る。本明細書で使用されるとき、用語「光結合要素」は一般的に、蛍光導波シート内で導波中に起こる蛍性導波シート内の内部全反射の乱れ、減衰または遮断の1つまたは複数のために構成される任意の要素を指す。従って、一例として、光結合要素は蛍光導波シートと感光要素の屈折率および/または空気など周囲雰囲気との間に屈折率を有する任意の透明な要素であってもよい。従って、一例として、蛍光導波シートの屈折率をn1で表わし、感光要素の屈折率をn2で表わすとすると、光結合要素の屈折率n3はn1<n3<n2またはn1>n3>n2であってもよい。
【0224】
光結合要素は蛍光導波シートと直接接触してもよく、例えば少なくとも1つの表面、例えば蛍光導波シートの物体に面する表面および/または物体から見て外方を向いている表面と直接接触してもよい。さらに、光結合要素は少なくとも1つの感光要素と直接接触してもよい。さらに、感光要素に独立した光結合要素を設けてもよいし、複数の感光要素で共通の光結合要素を共有してもよいし、1つの感光要素に複数の光結合要素を結合してもよい。
【0225】
様々な光結合方法が当業者に一般的に知られており、蛍光導波シートから感光要素へ蛍光ライトを結合するために使用され得る。したがって、一例として、少なくとも1つの光結合要素は、感光要素を蛍光導波シートに取り付ける透明接着剤の一部;蛍光導波シートにおける物体に向いている表面および/または物体と反対向きの表面のような蛍光導波シート表明内のような蛍光導波シート内のエッチング部分;蛍光導波シートにおける物体に向いている表面および/または物体と反対向きの表面のような蛍光導波シートの表面内のスクラッチのような蛍光導波シート内のスクラッチ;プリズム、からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含み得る。付加的または代替的に、他の光結合要素も一般的に知られており、本発明においても使用され得る。最も簡単な場合において、少なくとも1つの感光要素は蛍光導波シートの表面に、少なくとも1つの透明接着剤、例えば透明エポキシによって単に接着されてもよい。他の光結合方法も実現可能である。
【0226】
第1の光センサと第2の光センサは、具体的には、本質的に同一の電気容量を有することができる。光センサの電気容量に言及するとき、一般に、電子技術の当業者が一般に認めるように、発振回路において決定され得るような容量Cが言及される。したがって、第1の光センサ、あるいは第2の光センサを発振回路に実行する場合、発振回路は、一例として、本質的に同一の共振周波数を有することができる。本明細書で使用されるとき、用語「本質的に同一」は、一般に、一例として、第1の光センサの電気容量と第2の光センサの電気容量の差は10倍以下、より好ましくは5倍以下、または2倍以下でさえあるという事実を指す。さらに、第2の光センサの電気容量を参照するとき、感光要素は電気的挙動、具体的には、第2の光センサの高周波挙動を決定するので、第2の光センサの少なくとも1つの感光要素の電気容量が参照される。第2の光センサ内に複数の感光要素が存在する場合、これらの感光要素の少なくとも1つの電気容量を意味する。
【0227】
上記で概説したように、例えば第1の好ましい実施形態に関して、第1および第2のセンサ信号を評価するために、第1および第2のセンサ信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの所定のまたは決定可能な関係が使用され得る。第1および第2のセンサ信号の評価に関しては、第1の好ましい実施形態の説明を参照することができる。たがって、評価装置は、具体的に、第1および第2のセンサ信号を割算することによって、第1および第2のセンサ信号の倍数を割算することによって、または第1および第2のセンサ信号の線形結合を割算することによって商信号Qを導出するように構成することができる。評価装置は、商信号Qを評価することによって縦方向座標を決定するように構成されてもよい。
【0228】
典型的に、上記の構成において、Qは、物体の縦方向座標および/または光スポットの直径または等価直径のような光スポットのサイズの単調関数であり得る。したがって、一例として、特に線形光センサが使用される場合、商Q=s1/s2は光スポットのサイズの単調減少関数である。これは、上述の好ましい構成では、第1の感光エリアは完全に照射されており、好ましくは光軸上などの光スポットの中心に配置されているという事実による。その結果、光スポットの直径が大きくなるにつれて、主に第1の感光エリア内に位置し得る照射のピーク強度が減少し、したがって第1のセンサ信号が減少する。ただし、第2のセンサ信号は、第1の光センサによって生じる影を除いて、光スポットが第2の感光エリア上に位置している限り、光スポットのサイズから多かれ少なかれ独立していてもよい。その結果、第2のセンサ信号は、多かれ少なかれ一定のままであり得る。したがって、第1および第2のセンサ信号の商は、第1および第2の感光エリア上の光ビームの直径または光スポットの直径が増加するにつれて、連続的に減少する。さらに、商は、光ビームの総出力が第1のセンサ信号および第2のセンサ信号の両方においてファクタを形成するので、主に光ビームの総出力から独立している。その結果、商Qは、第1および第2のセンサ信号と光ビームのサイズまたは直径との間の一意的かつ明白な関係を提供する第2の信号を形成することができる。一方、光ビームのサイズまたは直径は、そこから光ビームが検出器に向かって伝播する物体と検出器自体との間の距離に依存するので、すなわち、物体の縦方向座標に応じて、第1および第2のセンサ信号と縦方向座標との間に一意的かつ明白な関係が存在し得る。後者については、例えば、WO 2014/097181 A1を参照することができる。所定の関係は、分析的考察によって、例えば物体の縦方向座標の関数として第1および第2のセンサ信号またはそれから導出された第2の信号、または両方を測定する測定値などの経験的測定値によるガウス光ビームの線形結合を仮定することによって決定され得る。所定の関係は、分析的考察によって決定され得、例えば、ガウス光ビームの線形結合を仮定することによって、例えば、物体の縦方向座標の関数として第1および第2のセンサ信号またはそれから導出された第2の信号を測定する測定値などの経験的測定によって、またはその両方によって決定され得る。
【0229】
第1の光センサと第2の光センサの配置は様々であり得る。したがって、第1の例では、第1の光センサは第2の光センサの前に配置され、例えば、光ビームは、まず、第1の光センサを通過し、その後、第2の光センサに到達する。しかしながら、代替的に、逆の順序も可能である。したがって、代替として、第2の光センサは、第1の光センサの前に配置されてもよく、例えば、光ビームは、まず、第2の光センサを完全にまたは部分的に通過し、第2の光センサに到達し、その後、第1の光センサに到達する。後者の代替は、主に、第2の光センサの蛍光導波シートが、この実施形態または他の実施形態において、特に光ビームのスペクトル範囲内で、完全にまたは部分的に透明であるように具体化され得るという事実によって可能である。したがって、物体の視点から、より小さい第1の光センサを第2の光センサの裏側に配置することができる。
【0230】
第2の光センサ、より具体的には、第2の光センサの蛍光導波シートは、1つまたは複数のビーム経路内の様々な位置に配置することができる。したがって、一例として、第2の光センサおよび/または第2の光センサの蛍光導波シートは、ビーム経路内の焦点の近くに配置されてもよい。しかしながら、代替的に、特に加算の機能を向上させるために、第2の光センサはまた、例えば、1、2または3以上のレイリー波長によって、焦点から離れて配置されてもよい。
【0231】
上で概説したように、第2の光センサは少なくとも1つの感光要素を含み、そこから少なくとも1つの第2のセンサ信号が生じる。そこでは、例えば、少なくとも蛍光ライトの一部を集めるため、および、それに応答して第2のセンサ信号を生成するため、正確に1つの感光要素を使用することができる。しかしながら、代替的に、第2の光センサは、好ましくは、蛍光導波シートの少なくとも2つのエッジ、例えば、蛍光導波シートの縁の少なくとも2つの対向部分に配置される、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の感光要素を含んでもよい。感光要素は、蛍光導波路シートによって光スポットから感光要素に向けて案内された蛍光ライトを検出することができ、およびそれぞれ少なくとも1つのセンサ信号を生成することができる。したがって、複数の第2のセンサ信号が存在し得る。
【0232】
蛍光導波シートの少なくとも2つのエッジに配置されていて、少なくとも2つの感光要素が設けられる場合には、複数の可能性が存在する。したがって、一例として、少なくとも2つの感光要素は、蛍光導波シートの少なくとも2つの直線エッジ、例えば少なくとも2つの対向するエッジ、例えば対向する隅部;蛍光導波シートの少なくとも2つの隅部、例えば少なくとも2つの対向する隅部;蛍光導波シートの少なくとも1つの隅部および蛍光導波シートの少なくとも1つの直線のエッジ、例えば少なくとも1つの直線状の縁部分、のうち1つまたは複数に配置することができる。他の可能性が一般的に与えられている。
【0233】
検出器、好ましくは評価装置は、具体的には、少なくとも2つのこれらの第2のセンサ信号を組み合わせて少なくとも1つの共通の第2のセンサ信号を形成するように具体化されてもよい。この少なくとも1つの共通の第2のセンサ信号は、具体的には、縦方向座標を決定するために、第1第2のセンサ信号と合わせて使用され得る。さらに、以下でさらに詳細に概説するように、少なくとも1つの共通の第2のセンサ信号は、物体の横方向位置またはその一部に関する少なくとも1つの情報項目などの追加情報を取得するために使用することができる。
【0234】
したがって、少なくとも2つの第2のセンサ信号を結合するために、評価装置は、少なくとも2つの感光要素のセンサ信号を合計し、それによって和信号Sを形成するように構成される少なくとも1つの合算装置を含み得る。一例として、和信号は、以下の数式18を使用することによって導出することができ、
【数18】
iは、第2のセンサ信号を表し、i=1…Nであり、Nは、感光要素の数を示す正の整数またはより小さい正の整数であり、ciは、それぞれの補正係数である。
【0235】
上記で概説したように、評価装置は、具体的には、第1のセンサ信号、少なくとも1つの第2のセンサ信号と縦方向座標zとの間の少なくとも1つの所定の関係を使用することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。上記で概説したように、複数の第2のセンサ信号が与えられる場合、少なくとも1つの組み合わされた第2のセンサ信号がこの関係で使用されてもよい。したがって、具体的には、和信号Sを用いればよい。このように、一例として、評価装置は、第1のセンサ信号と、第2のセンサ信号と縦方向座標zの和信号Sとの間の少なくとも1つの所定の関係を使用することによって少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。
【0236】
少なくとも1つの縦方向座標に加えて、検出器はさらに、物体の少なくとも1つの横方向座標および/またはその一部の横座標方向を決定するように構成されてもよい。この目的のために、検出器は少なくとも1つの横方向光センサを含み得る。様々な横方向センサが当技術分野において一般的に知られており、例えば、WO 2014/097181 A1および/またはWO 2014/198629 A1に開示されている横方向センサ、および/または他の位置検出装置(PSD)、例えば象限ダイオード、CCDまたはCMOSチップなどが一般的に知られている。したがって、一例として、本発明による検出器は、R.A.Street(Ed.):Technology and Applications of Amorphous Silicon, Springer-Verlag Heidelberg,2010,pp.346-349に開示されている1つまたは複数のPSDを含むことが可能である。他の実施形態も可能である。一例として、光ビームの一部は、少なくとも1つのビーム分割要素によって検出器内で分割されてもよい。一例として、分割部分は、横方向センサ、例えばCCDまたはCMOSチップまたはカメラセンサに向かってガイドされてもよく、そして横方向センサ上の分割部分によって生成された光スポットの横方向位置が決定され得、それによって物体の少なくとも1つの横方向座標が決定される。しかしながら、好ましくは、少なくとも1つの第2の光センサ自体が、物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するための横方向光センサとして使用されてもよい。この構成は、第2の光センサが、複数の感光要素が第2光センサに使用される場合、例えば異なる位置に配置され、蛍光導波路シートの異なるエッジに配置される場合において特に有利である。評価装置は、感光要素のセンサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの横方向座標x,yを決定するようにさらに構成されてもよい。評価装置は、縦方向座標および横方向座標の情報を組み合わせ、および空間内の物体の位置を決定するように適合されていてもよい。
【0237】
したがって、概して、評価装置は、感光要素の第2のセンサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの横方向座標x,yを決定するようにさらに構成され得る。1つまたは複数の方向の少なくとも1つの横方向座標を決定する目的で、感光要素のセンサ信号を比較することができる。したがって、当業者には明らかなように、光スポットから、したがって蛍光ライトの発生位置から、蛍光導波シートによって感光要素にガイドされる蛍光ライトを表す、それぞれの感光要素のセンサ信号は、光スポットとそれぞれの感光要素との間の距離に依存する。一般に、光スポットと感光要素との間の距離が増すにつれて、それぞれの感光要素のセンサ信号は、例えば導波中の損失に起因して/または蛍光ライトの拡散に起因して減少するであろう。異なる既知の位置に配置された感光要素のセンサ信号を比較することによって、蛍光導波シート上の光スポットの横方向または横方向の位置は、例えば光スポットの横方向位置と物体の横方向座標との間の既知のまたは決定可能な関係を使用することによって決定することができ、そこから、物体の横方向座標が決定され得る。やはり、経験的関係および/または半経験的関係および/または分析的関係、例えば当業者に一般に知られているレンズ方程式を使用することができる。
【0238】
したがって、評価装置は特に、少なくとも2つの異なる感光要素の少なくとも2つの第2のセンサ信号を評価するように構成することができる。一例として、これらの少なくとも2つの第2のセンサ信号は、蛍光導波シート上の光スポットの横方向位置を決定するために、および/または物体の横方向位置を直接導出するために比較され得る。したがって、一例として、少なくとも2つの第2のセンサ信号間の差が物体の横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目を導出するために、決定され得る。その結果、評価装置は、少なくとも2つの感光要素によって生成される第2のセンサ信号間に少なくとも1つの差信号Dを形成するように構成された少なくとも1つの減算装置を含むことができる。第2のセンサ信号は、少なくとも1つの第2のセンサ信号s21と少なくとも1つの第2のセンサ信号s22とを含み、少なくとも1つの差信号Dは、a・s21-b・s22に比例する:
【数19】
【0239】
a、bは実数係数であり、好ましくはa=1およびb=1である。追加的に代替的に、少なくとも1つの差信号Dは次の数式20に従って導出されてもよい:
【数20】
【0240】
減算装置は、具体的には、減算装置は、具体的には、物体の少なくとも1つの第1の横方向座標xから導出される、少なくとも1つの第1の差信号Dを形成するように構成されてもよい。追加的に代替的に、減算装置はさらに、物体の少なくとも1つの第2の横方向座標yが導出される、少なくとも1つの第2の差信号Dを形成するように構成されてもよい。したがって、第1の差信号Dは、第1の次元において導波シートの対向するエッジに配置された少なくとも2つの感光要素の少なくとも2つの第2のセンサ信号sx1、sx2から生成され得る。第2の差信号Dは、第2の次元において導波シートの対向するエッジに配置された少なくとも2つの感光要素の少なくとも2つの第2のセンサ信号sy1、sy2から生成され得る。少なくとも1つの第1の差信号Dは、以下の数式21に従って導出され得る。
【0241】
【数21】
そして、少なくとも1つの第2の差分信号Dは、以下の数式22に従って導出され得る。
【0242】
【数22】
【0243】
a、b、c、dは実数係数であり、好ましくはa=1、b=1、c=1およびd=1である。
【0244】
上記で概説したように、第2の光センサが複数の感光要素を含む場合、第2の光センサは、具体的には、蛍光導波シートの対向するエッジに配置された少なくとも2つの感光要素を含み得る。感光要素は、座標系の第1の次元において蛍光導波シートの対向するエッジに配置された少なくとも1つの第1の対の感光要素を含むことができ、感光要素は、座標系の第2の次元において蛍光導波シートの対向するエッジに配置された少なくとも1つの第2の対の感光要素を含むことができる。
【0245】
さらなる任意の詳細では、少なくとも1つの蛍光導波シートおよび/または第2の感光エリアに言及し得る。したがって、一例として、第2の感光エリアは具体的には均一な感光エリアであってもよい。したがって、第2の感光エリアは、ピクセルなど部分的エリアに物理的に細分化されなくてもよい。反対に、感光エリアは均等な蛍光を形成する1つの均一なエリアであってもよい。
【0246】
第2の感光エリアは具体的には大型感光エリアであってもよい。したがって、一例として、第2の感光エリアの表面積は少なくとも5mm、好ましくは少なくとも10mm、より好ましくは少なくとも100mm、より好ましくは少なくとも400mmであってもよい。一例として、感光エリアの表面積は5mmから10,000mmの範囲、例えば100mmから2500mmの範囲であってもよい。感光エリアの大面積設計は多数の面で有利である。このように、具体的には第2の感光エリアの表面積を増やすことにより、横方向座標の決定の解像度を高めることができる。さらに、検出器の視野、例えば視角を、大型の第2の感光エリアの使用によって拡げることができる。
【0247】
蛍光導波シートは具体的には少なくとも1つの平面シートを含み得る。ただし、その場合、わずかな曲率もまた許容され得る。しかし、他の実施形態では、例えば特定の用途において望ましいと考えられる特有の光学効果を引き起こす目的で、蛍光導波シートを湾曲型蛍光導波シートとして具体化することもできる。このように、本発明の検出器の優位性の1つは、蛍光導波シートが具体的に湾曲している、可撓性である、または特有の幾何学を有し得るという事実にある。
【0248】
蛍光性導波シートは厚さが10μmから3mm、好ましくは100μmから1mm、例えば50μmから2mmの厚さである。導波シートの厚さは具体的には検出器の光軸に沿った導波シートの1つの次元であってもよい。厚さは蛍光ライトの導波特性を改善または最適化するように適合され得る。
【0249】
蛍光性導波シートは完全にまたは部分的に剛性であってもよく、あるいは、完全にまたは部分的に可撓性もしくは変形性として具体化され得る。
【0250】
蛍光導波シートは少なくとも1つのマトリックス材料を含み得る。本明細書で使用されるとき、「マトリックス材料」という用語は一般的に、蛍光導波シートの主要部分を形成し、蛍光導波シートの本体を規定する材料を指す。一例として、マトリクッス材料は1つまたは複数の付加的材料を、例えば混合、化学結合、分散または溶解によって受け入れる能力を有する材料であってもよい。このように、少なくとも1つの蛍光材料は、マトリックス中に混合されるか、マトリックス材料中に分散されるか、マトリックス材料に化学結合されるか、またはマトリックス材料中に溶解されるか、の1つまたは複数であってもよい。
【0251】
マトリックス材料は具体的には少なくとも1つのプラスチック材料であるか、またはそれを含み得る。プラスチック材料は具体的には少なくとも1つのポリマー材料であるか、またはそれを含み得る。プラスチック材料は、一例として、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルからなる群から選択される少なくとも1つの材料であり得るかまたはそれを含み得る。しかしながら他の材料も可能である。
【0252】
蛍光材料は一般的に任意の蛍光体を含み得る。具体的には、少なくとも1つの蛍光材料は少なくとも1つの蛍光染料を含み得る。多様な蛍光染料が一般的に当業者に知られている。その中で、上記にて概説のとおり、これらの蛍光染料はほとんどが上述の飽和効果を示し、それによって、蛍光を励起の非線形関数とする。一例として、蛍光染料は光ビームによって飽和状態になり得ることにより、蛍光染料によって生じる蛍光ライトの総出力は光ビームの強度の非線形関数である。具体的には、蛍光ライトの総出力は光ビームの強度に対して準比例的であってもよい。
【0253】
蛍光染料は具体的には少なくとも1つの有機蛍光染料を含み得る。しかしながら、付加的または代替的に、無機染料を使用してもよい。蛍光染料は具体的には、キサンテン誘導体、好ましくはフルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン、テキサスレッド、またはその任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;シアニン誘導体、好ましくはシアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;スクアライン誘導体または環置換スクアライン、好ましくはSeta、SeTau、およびSquare染料、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;ナフタレン誘導体、好ましくはダンシルもしくはそのプロダン誘導体のうちの1つまたは複数;クマリン誘導体;オキサジアゾール誘導体、好ましくはピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;アントラセン誘導体、好ましくはアントラキノン、DRAQ5、DRAQ7、CyTRAKオレンジ、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;ピレン誘導体、好ましくはカスケードブルー;オキサジン誘導体、好ましくはナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;アクリジン誘導体、好ましくはプロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;アリールメチン誘導体、好ましくはオーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;テトラピロール誘導体、好ましくはポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンのうちの1つまたは複数;ペリレン染料またはリレン染料のようなその任意の誘導体;ナフタレンイミドまたはペリレンイミド;WO 2012/168395 A1に公開されているようなナフトイレンベンズイミダゾール染料;またはそれらの任意の成分の誘導体、から成る群から選択され得る。しかしながら、付加的または代替的に、他の色素を使用してもよいことに留意されたい。
【0254】
検出器のさらなる任意の詳細は、少なくとも1つの感光要素または複数の感光要素を参照した。したがって、一例として、少なくとも1つの感光要素は、少なくとも1つのフォトダイオード、好ましくは少なくとも1つの無機フォトダイオード、例えばシリコンフォトダイオードなどを含むことができる。少なくとも1つの感光要素は、導波シートのエッジまたはリム部の少なくとも1つのセグメントに沿って延びる少なくとも1つの細長い感光要素を含み得る。
【0255】
上記で概説したように、蛍光導波シートは、具体的には長方形の蛍光導波シート、好ましくは正方形の導波シートであり得る。この構成では、一例として、感光要素は、4つのエッジのそれぞれに配置することができ、例えば、導波シートの4つの直線のリムセクションまたはリム部のそれぞれに配置することができる。他の実施形態も可能である。
【0256】
第1および第2の光センサは、それぞれ独立して、不透明、透明または半透明であり得る。しかし、便宜上、光ビームに対して透明ではない不透明なセンサは、これらの不透明センサは一般に広く市販されているため使用され得る。しかしながら、蛍光導波シートは、完全にまたは部分的に透明であってもよい。
【0257】
第1の光センサは、具体的には、均一な感光エリアを有する均一センサであり得る。したがって、特に、第1の光センサは、具体的には、ピクセル化されていない光センサであってもよい。しかしながら、代替的に、少なくとも1つの第1の光センサはそれぞれが2つ以上のピクセルを有する1つまたは複数のピクセル化センサを含むことができる。他の実施形態も可能である。
【0258】
同様に、以下でさらに詳細に論じるように、少なくとも1つの第2の光センサは、正確に1つの第2の光センサまたは複数の光センサを含むことができる。さらに、第2の光センサの少なくとも1つの蛍光導波シートは、正確に1つの干渉性蛍光導波シートであり得る。しかしながら、代替的に、少なくとも1つの第2の光センサは、複数の第2の光センサも含み得る。一例として、後者の代替は、複数の蛍光導波シートを設けることによって実現することができる。したがって、したがって、それぞれが1つまたは複数の感光要素を有する複数の蛍光導波シートを提供することができる。他の実施形態も可能である。
【0259】
第2の光センサなどの検出器は、少なくとも1つの光フィルタ要素、好ましくは少なくとも1つの光学ショートパスフィルタをさらに含むことができる。したがって、一例として、蛍光ライトを励起することができる光子のみが、蛍光導波シートを通過することができる。しかしながら、他の実施形態も可能である。
【0260】
第1および第2の光センサは、具体的には、検出器の同一のビーム経路内に直線的に配置されてもよい。したがって、一例として、第1および第2の光センサは、検出器の光軸に対して同心円状に、特に第1の光センサが第2の光センサの前に置かれるように配置されてもよい。しかしながら、他の実施形態も可能であり、例えば第1の光センサと第2の光センサが別々の異なるビーム経路に配置され、検出器のビーム経路が1つまたは複数のビーム分割要素によって分割されている実施形態も可能である。しかしながら、第1および第2の光センサを同一のビーム経路内に配置した線形構成は、簡単な光学的構成および検出器に必要とされる小体積のために、好ましい。したがって、本発明は特に、簡単で効率的で安価な光学設定を可能にする。
【0261】
上記のように、第1の光センサは、具体的には、半導体センサ、好ましくは無機半導体センサ、より好ましくはフォトダイオード、最も好ましくはシリコンフォトダイオードであり得る。一例として、第1の光センサは単一の感光エリアを有する均一センサであってもよい。一例として、市販のシリコンフォトダイオードを使用することができる。
【0262】
さらなる好ましい実施形態では、検出器は、
- 少なくとも1つの角度依存光学要素であって、前記物体から前記検出器に向かって伝播して該角度依存光学要素を照射する入射光ビームの入射角に応じて、少なくとも1つのビームプロファイルを有する少なくとも1つの伝送光ビームを生成するように適合された角度依存光学要素と;
- 少なくとも2つの光センサであって、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは、前記角度依存光学要素によって生成された光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応じて少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計された、光センサと;
- 前記センサ信号から商信号Qを評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成された少なくとも1つの評価装置、
とを有する。
【0263】
角度依存光学要素は、少なくとも1つの光ファイバ、特に少なくとも1つの多分岐光ファイバ、特に少なくとも1つの二分岐光ファイバ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの角度依存反射要素、少なくとも1つの回折格子要素、特にブレーズ格子要素;少なくとも1つの開口絞り;少なくとも1つのプリズム;少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つのレンズアレイ、特に少なくとも1つのマイクロレンズアレイ;少なくとも1つの光フィルタ;少なくとも1つの偏光フィルタ;少なくとも1つの帯域通過フィルタ;少なくとも1つの液晶フィルタ、特に液晶チューナブルフィルタ;少なくとも1つのショートパスフィルタ;少なくとも1つのロングパスフィルタ;少なくとも1つのノッチフィルタ;少なくとも1つの干渉フィルタ;少なくとも1つの伝送格子;少なくとも1つの非線形光学要素、特に1つの複屈折光学要素、からなる群から選択される少なくとも1つの光学要素を含み得る。
【0264】
感光エリアのうちの少なくとも1つは、物体に向いていてもよい。具体的には、物体の少なくとも1つの点とそれぞれの感光エリアの少なくとも1つの点との間の少なくとも1つの相互接続線は、0°とは異なる、感光エリアの表面要素と角度を形成してもよく、例えば、20°から90°の角度範囲、好ましくは80°から90°の角度範囲、例えば90°である。したがって、物体が光軸上または光軸の近くに位置するとき、物体から検出器に向かって伝播する光ビームは、光軸と本質的に平行であり得る。追加的に代替的に、少なくとも1つの感光エリアは、物体に対する方向とは異なる方向に向いていてもよい。例えば、光センサのうちの少なくとも1つは、垂直にまたは任意の角度で、光軸に対して、かつ物体に対して配向されてもよい。角度依存光学要素は、光ビームが感光エリアに当たるように、光ビームを生成するように適合されてもよい。例えば、少なくとも1つの感光エリアが光軸に対して任意の角度で配向されている場合、角度依存光学要素は光ビームを感光エリア上に案内するように適合されてもよい。
【0265】
本明細書で使用されるとき、用語「角度依存光学要素」は、物体から検出器に向かって伝播し、角度依存光学要素を照射する入射光ビームの入射角に応じて少なくとも1つのビームプロファイルを有する少なくとも1つの光ビームを生成するように適合された光学要素を指す。特に、角度依存性光学要素は、入射光ビームのビームプロファイルに影響を及ぼし、および/またはそれを変更および/または調整するように適合されてよい。例えば、角度依存光学要素は、角度依存の伝送特性、角度依存の反射特性、または角度依存吸収特性のうちの1つまたは複数を有することができる。角度依存性光学要素によって生成された光ビームは、少なくとも1つの伝送光ビームおよび/または少なくとも1つの反射光ビームを含み得る。入射角は、角度依存光学要素の光軸に対して測定されてもよい。
【0266】
第1の側面に衝突する電磁波、例えば、角度依存光学要素の表面および/または入口は、角度依存光学要素の特性に応じて、部分的に吸収および/または反射および/または伝送されてもよい。用語「吸収」は、角度依存性光学要素によって入射光ビームの出力および/または強度の減少を指す。例えば、入射光ビームの出力および/または強度は、角度依存光学要素によって熱または他の種類のエネルギーに変換されてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「伝送」は、電磁波の一部を指し、該電磁波の一部は、光軸に対して90°以上の角度を有する半空間内の角度依存性光学要素の外側で測定可能である。例えば、伝送は、角度依存性光学要素の第1の側面に衝突し、角度依存性光学要素を貫通し、角度依存性光学要素を第2の側面、例えば反対側および/または出口に残す、電磁波の残りの部分であり得る。用語「反射」は、電磁波の一部を指し、該電磁波の一部は、光軸に対して90°未満の角度を有する半空間内の角度依存性光学要素の外側で測定可能である。例えば、反射は、角度依存性光学要素との相互作用による入射光ビームの波面の方向の変化であり得る。
【0267】
角度依存光学要素に衝突する電磁波の総出力は、角度依存光学要素によって少なくとも3つの成分に分配されてもよく、すなわち、吸収成分、反射成分および伝送成分に分配されてよい。伝送度は、角度依存光学要素に衝突する電磁波の総出力によって正規化された伝送成分の出力として定義されてよい。吸収度は、角度依存光学要素に衝突する電磁波の総出力によって正規化された吸収成分の出力として定義されてよい。反射度は、角度依存光学要素に衝突する電磁波の総出力によって正規化された反射成分の出力として定義されてよい。
【0268】
本明細書で使用されるとき、用語「角度依存伝送」とは、伝送度は、物体から検出器に向かって伝播する入射光ビームが角度依存光学要素に衝突する入射角に依存するという事実を指す。上記で概説したように、入射角は角度依存光学要素の光軸に関して測定することができる。角度依存光学要素は、少なくとも1つの転送装置の背後で伝播方向に配置されてもよい。転送装置は、例えば、少なくとも1つのコリメーティングレンズを含み得る。角度依存光学要素は、より小さい角度で入射する光線と比較して、より大きい角度で入射する光線を弱めるように設計されてもよい。例えば、伝送度は、光軸に平行な光線、すなわち0°に対して最も高くなり得、角度が大きくなるにつれて減少し得る。特に、少なくとも1つのカットオフ角度では、伝送度は急にゼロまで低下することがある。 したがって、大きな入射角を有する光線は遮断され得る。
【0269】
本明細書で使用されるとき、用語「角度依存吸収」とは、吸収度は、物体から検出器に向かって伝播する入射光ビームが角度依存光学要素に衝突する入射角に依存するという事実を指す。例えば、物体から検出器まで伝播する光ビームの光子エネルギーおよび/または強度は、入射角に依存して減少され得る。
【0270】
本明細書で使用されるとき、用語「角度依存反射」とは、反射度は、物体から検出器に向かって伝播する入射光ビームが角度依存光学要素に衝突する入射角に依存するという事実を指す。
【0271】
例えば、角度依存光学要素は少なくとも1つの光ファイバを含む。光ファイバは、反射の影響を無視して、光ファイバに対して平行に、すなわち0°の角度で入射光線に対して伝送度が最大になるように設計することができる。光ファイバは、より高い角度、例えば1°から10°の角度では、伝送度が平行光線に対する伝送度の約80%まで滑らかに減少する可能性があり、および光ファイバの許容角度に至まで、このレベルに一定に留まることができる。本明細書で使用されるとき、用語「許容角」は、それを超えると、光ファイバ内の全反射が不可能になるため、光線が光ファイバから反射される角度を指し得る。光ファイバは、許容角において、伝送度が急にゼロまで低下するように設計されてもよい。大きな入射角を有する光線は遮断され得る。
【0272】
光ファイバは、光ファイバの両端間で、吸収および/または反射されない入射光ビームの少なくとも一部を伝送するように適合されてよい。光ファイバは、ある長さを有してもよく、ある距離にわたる伝送を可能にするように適合されてもよい。光ファイバは、シリカ、アルミノケイ酸塩ガラス、ゲルマンケイ酸塩ガラス、フルオロハフニウム酸塩、希土類ドープガラス、フッ化物ガラス、カルコゲナイドガラス、サファイア、特にシリカガラス、リン酸塩ガラスのドープ変異体、PMMA、ポリスチレン、ポリ(ペルフルオロ-ブテニルビニルエーテル)のようなフルオロポリマーなど、からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含み得る。光ファイバは、シングルモードファイバでもマルチモードファイバでもよい。光ファイバは、ステップインデックスファイバ、偏光繊維、偏光維持繊維、プラスチック光ファイバなどであり得る。光ファイバは、ファイバコアとしてより低い屈折率を有する少なくとも1つのファイバクラッドによって囲まれている少なくとも1つのファイバコアを含むことができる。ファイバクラッディングは、ダブルまたはマルチクラッディングでもあり得る。ファイバクラッディングは、いわゆる外側ジャケットを含み得る。ファイバクラッディングは、光ファイバを損傷および湿気から保護するように適合される、いわゆるバッファによって被覆され得る。バッファは、少なくとも1つのUV硬化ウレタンアクリレート複合材料および/または少なくとも1つのポリイミド材料を含み得る。一実施形態では、ファイバコアの屈折率は、ファイバクラッド材料の屈折率よりも高くてよく、および光ファイバは許容角以下の全反射によって入射光ビームをガイドするように適合されてよい。一実施形態では、光ファイバは、フォトニックバンドギャップファイバとも呼ばれる少なくとも1つの中空コアファイバを含み得る。中空コファイバは入射光ビームを本質的にいわゆる中空領域内に案内する適合させることができ、光ビームのごく一部は、ファイバクラッディング材料内への伝播に起因して失われる。
【0273】
光ファイバは、ファイバの端部に1つまたは複数のファイバーコネクタを含み得る。光ファイバは、エンドキャップ、例えばコアレスエンドキャップを含むことができる。光ファイバは、ファイバーカプラ、ファイバブラッググレーティング、ファイバ偏光子、ファイバーアンプ、ファイバ結合ダイオードレーザ、ファイバコリメータ、ファイバージョイント、ファイバースプライス、ファイバーコネクタ、メカニカルスプライシング、フュージョンスプライシング、などのうち1つまたは複数を含むことができる。光ファイバはポリマー被覆を含んでもよい。
【0274】
光ファイバは少なくとも2つ以上のファイバを含み得る。光ファイバは、少なくとも1つの多分岐光ファイバ、特に少なくとも1つの二分岐光ファイバであり得る。例えば、二分岐光ファイバは、2つのファイバ、特に少なくとも1つの第1のファイバと少なくとも1つの第2のファイバとを含むことができる。第1のファイバと第2のファイバとは、互いに近接して二分岐光ファイバの入射端に配置されていてよく、および2つの脚に分割されて二分岐光ファイバの出射端で距離をおいて分岐されてよい。第1および第2のファイバは、同一の特性を有するファイバとして設計されてよく、または異なる種類のファイバとして設計されてもよい。第1のファイバは少なくとも1つの第1の伝送光ビームを生成するように適合され、第2のファイバは少なくとも1つの第2の伝送光ビームを生成するように適合されてもよい。二分岐光ファイバは、入射光ビームが第1の入射角で第1のファイバに入射するように配置されてもよく、
および、伝送度が第1の伝送光および第2の伝送光と異なるように第1の角度とは異なる第2の入射角で、第2のファイバに入射するように配置されてもよい。一方の光センサを第1のファイバの出射端に配置し、他方の光センサを第2のファイバの出射端に配置することができる。光ファイバは、2本を超えるファイバ、例えば3本、4本、またはそれ以上のファイバを含み得る。例えば、多分岐は複数のファイバを含むことができ、各ファイバはコア、クラッディング、バッファ、ジャケットの少なくとも1つを含むことができ、1つまたは複数のファイバはポリマーホースなどのさらなるジャケットによって部分的または全体的に束ねられ得、ファイバが、ファイバの一端などで互いに近接した状態を保つようにすることができる。
【0275】
検出器は、複数の光ファイバ、例えば複数の単一の光ファイバまたは複数の多分岐光ファイバを含むことができる。例えば、検出器は複数の単一の光ファイバ、例えば同一の性質を有する光ファイバを含むことができる。光ファイバ、すなわち単一の光ファイバまたは多分岐光ファイバは、入射光ビームがそれぞれの光ファイバに異なる入射角で入射でき、それによって伝送度が光ファイバごとに異なるように配置されてもよい。各光ファイバの出射端に少なくとも1つの光センサを配置することができる。あるいは、少なくとも2つ以上の光ファイバが同じ光センサを使用してもよい。
【0276】
照射源は、角度依存光学要素を通して物体を照射するように適合されてよい。光ファイバは、それが物体を照射するように照射源によって生成された少なくとも1つの入射光ビームを伝送するように適合された少なくとも1つの照射ファイバを含むことができる。照射源は、照射源によって生成された少なくとも1つの光ビームを照射ファイバに結合するように適合されてよい。検出器は少なくとも1つの結合要素、例えば、光ファイバの前方および/または後方に配置することができる、少なくとも1つのインカップリング要素および/または少なくとも1つのアウトカップリング要素を含むことができる。結合要素は、少なくとも1つの転送装置であり得るか、またはそれを含み得る。
【0277】
検出器は、物体から検出器まで進行する光ビームを照射ファイバ内に結合するように適合された、さらなる結合要素、特にさらなるインカップリング要素を含むことができる。さらなる結合要素は、物体から光ファイバの前方の検出器まで進行する光ビームの伝播方向に配置されてよい。さらなる結合要素は、少なくとも1つの転送装置であり得るか、またはそれを含んでよい。
【0278】
検出器が複数の光ファイバを含む場合、検出器は1つの照射源または複数の同一の照射源および/または複数の異なる照射源を含み得る。例えば、複数の照射源は、色または変調周波数などの異なる特性を有する光を生成する少なくとも2つの照射源を含み得る。一実施形態では、複数の光ファイバのうちの少なくとも2つの光ファイバは、同じ照射源および/または2つの同一の照射源を使用して照射されてもよい。同じ照射源および/または同一の照射源によって照射された各光ファイバの出射端には、少なくとも1つの光センサを配置することができる。あるいは、同じ照射源によって照射される少なくとも2つ以上の光ファイバが同じ光センサを使用してもよい。一実施形態では、複数の光ファイバのうちの少なくとも2つの光ファイバは、少なくとも2つの異なる照射源を使用することによって照射され得る。各光ファイバの出射端には、少なくとも1つの光センサを配置することができる。あるいは、少なくとも2つ以上の光ファイバが同じ光センサを使用してもよい。
【0279】
上記で概説したように、照射源と光センサとの間の検出器の光軸に垂直な距離は小さくてよい。ベースラインは、0.1m未満、好ましくは0.05m未満、より好ましくは0.025m未満であり得る。例えば、ベースラインは21mmであり得る。特に角度依存光学要素が光ファイバである場合、ベースラインは転送装置の半径よりもさらに小さくてよい。
【0280】
例えば、角度依存光学要素は光ファイバであってよい。照射源は光ファイバを介して案内されてもよく、照射ビームは、転送装置の半径よりも小さいベースライン内で転送装置の背後で光ファイバを出てもよい。照射源は、少なくとも1つの照射光ビームを生成するように適合されてもよく、照射ビームを案内する光ファイバは、屈折率の差が大きい界面での反射を減らすため、ポリマーまたは接着剤などによって転送装置に取り付けられてもよい。例えば、検出器は、さらなる光学要素を含まないコンパクトな装置であってもよく、照射源は、転送装置のエッジにできるだけ近くに配置されてもよい。したがって、ベースラインは、転送装置の半分に近くなり得、具体的にはレンズの直径、レンズと光源のハウジングの直径の半分に近くになり得る。例えば、検出器は、さらに小型の装置であってもよく、照射ビームをビーム経路に結合するために、ミラー、特に小さなミラーは、転送装置の前、特に中心、例えば幾何学中心、または転送装置の中心近くに配置することができる。従って、ベースラインは転送装置の直径の半分未満であり得る。照射源は、ベースラインができるだけ小さくなるように配置することができる。照射光ビームの伝播方向が光軸と本質的に平行であり、かつ照射源と光軸とが小さなベースラインによって分離されるように照射源を配置することによって、非常にコンパクトな装置が可能である。例えば、転送装置の中心から照射源までの距離、特に、転送装置の中心から照射源への接続線に沿った距離は、転送装置の場合は、転送装置の中心からエッジまでの距離の2.5倍未満であることが好ましく、より好ましくは、転送装置の中心からエッジまでの距離の中心の1.5倍未満、最も好ましくは、転送装置の中心からエッジまでの距離の1倍未満である。転送装置は任意の形状を有することができ、特に非円形形状が可能である。短い距離では、照射源の開口は小さくなり得、ベースラインは小さくなり得る。大きい距離では、照射源の開口は大きくなり得、ベースラインは小さくなり得る。これは、大きな距離では大きなベースラインが必要である三角測量法とは逆である。さらに、三角測量に基づくシステムは、ベースラインの必要な空間的広がりに起因して、例えば検出器システムから20cmのようにゼロよりかなり大きい最小検出範囲を有する。このような大きなベースラインは、物体から散乱された照射光が、転送装置の背後の光センサの感光エリアに到達しないことがある。さらに、三角測量に基づくシステムにおいて、小さいベースラインの使用は最小検出範囲が狭くなり、しかし、同時に最大検出範囲が狭くなる。さらに、三角測量に基づくシステムは、複数の感光エリアおよびセンサ信号、例えば少なくとも1つの検出器列のセンサ信号を必要とする。本発明によれば、縦方向座標zの決定は、センサ信号の数を減らしても可能であり、特に20個未満、好ましくは10個未満、より好ましくは5個未満のセンサ信号で可能である。照射源および角度依存光学要素は、物体から転送装置の背後の検出器へ進む光ビームの伝播方向に配置されてもよく、これについては以下で詳細に説明する。照射源と光センサとの間の検出器の光軸に垂直な距離は、転送装置の半径よりも小さくてもよい。
【0281】
照射源と光センサ、および/または、照射源と角度依存光学要素、および/または、光センサは、検出器の光軸からの相対的な空間的オフセットで配置されてもよい。そのような配置は、商の傾向、ひいては距離測定の精度を高めることを可能にし得る。特に、空間的オフセットが増加すると、Q対距離の図の傾きが大きくなるため、類似した距離をより正確に区別し得る。例えば、照射源と光センサの一方を光軸上に配置し、他方を光軸から離して配置してもよい。例えば、照射源と光センサの両方が、少なくとも1つの異なる距離で光軸から離れ、特に光軸に対して垂直に配置されてもよい。例えば、多分岐光ファイバの少なくとも2つのファイバは、光軸から異なる距離に配置されてもよい。角度依存光学要素は、照射源および/または光センサを移動させずに、照射源と光センサの間の光軸に垂直な実際の距離と比較してより大きな距離を模倣するように適合される。
【0282】
例として、転送装置は、1つ以上のレンズ、特に1つ以上の屈折レンズ、および/または1つ以上の凸面鏡を有することができる。この例では、焦点距離は、薄い屈折レンズの中心から薄いレンズの主焦点までの距離として定義することができる。収束する薄い屈折レンズの場合、
例えば、凸レンズや薄い両凸レンズなどは、焦点距離は、正であると考えられてもよく、転送装置として薄いレンズに衝突するコリメート光のビームが単一スポットに集束され得る距離を提供してもよい。さらに、転送装置は少なくとも1つの波長選択要素、例えば少なくとも1つの光フィルタを含むことができる。さらに、転送装置は、例えばセンサ領域、特にセンサエリアの位置で、電磁放射に所定のビームプロファイルを印加するように設計することができる。転送装置の上述の任意の実施形態は、原則として、個々にまたは任意の所望の組み合わせで実現することができる。
【0283】
2つの光センサを直線状に配置する代わりに、光センサを検出器の異なるビーム経路に配置してよい。角度依存光学要素は、第1の光ビームと第2の光ビームとを生成するように適合されてよい。第1の光ビームと第2の光ビームは、異なる伝送度で生成されてもよい。第1の光センサは、角度依存光学要素によって生成された第1の光ビームによる第1の感光エリアの照射に応答して、第1のセンサ信号を生成するように構成されてよい。第2の光センサは、角度依存光学要素によって生成された第2の光ビームによる第2の感光エリアの照射に応答して、第2のセンサ信号を生成するように構成されてよい。例えば、上記で概説したように、角度依存光学要素は、少なくとも1つの多分岐光ファイバを含むことができ、該多分岐光ファイバは、入射光ビームは、第1の入射角で第1のファイバに入射し、第1の入射角とは異なる第2の入射角で第2のファイバに入射するように配置することができ、これは伝送度が異なるように、すなわち、第1の光ビームこの場合では第1の伝送光ビームと、第2の光ビームこの場合では第2の伝送光ビームの伝送度が異なるようにすることができる。第1および第2の光センサの一方を第1のファイバの出射端に配置し、他方の光センサを第2のファイバの出射端に配置することができる。
【0284】
少なくとも1つのセンサ素子は、光センサのマトリックスを有してよく、光センサはそれぞれ感光エリアを有し、各光センサは、角度依存光学要素によって生成された光ビームによる感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように構成されてよい。
【0285】
例えば、検出器は、検出器の異なるビーム経路に配置された2つのセンサ要素、特に少なくとも1つの第1のセンサ要素と少なくとも1つの第2のセンサ要素とを含むことができる。角度依存光学要素は、第1の光ビームと第2の光ビームとを生成するように適合されてよい。第1の光ビームと第2の光ビームは、異なる伝送度で生成されてよい。第1のセンサ要素は、角度依存光学要素によって生成された第1の光ビームによる照射に応答して第1のセンサ信号を生成するように構成されてよい。第2のセンサ要素は、角度依存光学要素によって生成された第2の光ビームによる照射に応答して第2のセンサ信号を生成するように構成されてよい。例えば、上記で概説したように、角度依存光学要素は、例えば、入射光ビームが第1の入射角で第1のファイバに、および第1の入射角とは異なる第2の入射角で第2のファイバへ入射し得るように、伝送度が、第1の伝送光ビームと第2の伝送光ビームとで異なるように、配置され得る少なくとも1つの多分岐光ファイバを含んでもよい。第1および第2のセンサ要素の一方を第1のファイバの出射端に配置し、他方のセンサ要素を第2のファイバの出射端に配置することができる。
【0286】
検出器は少なくとも2つの光センサを含み、各光センサは感光エリアを有し、各感光エリアは幾何学中心を有し、光センサの幾何学中心は、異なる空間的オフセットで検出器の光軸から離間し、各光センサは、角度依存光学要素によって生成された光ビームによって、それぞれの感光エリアの照射に応答してセンサ信号を生成するように構成される。
【0287】
評価装置は、少なくとも2つのセンサ信号を組み合わせることによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。このさらなる実施形態では、光センサは、例えば、光センサの感光エリアが空間的オフセットおよび/またはそれらの表面積が異なるように配置されてもよい。
【0288】
検出器は、それに沿って光ビームが物体から光センサへ進むことができる単一のビーム経路を有してもよく、または複数のビーム経路を有してもよい。例えば、角度依存光学要素が少なくとも1つの多分岐光ファイバを含む場合、多分岐光ファイバの各ファイバは独立したビーム経路を構成することができる。一例として、単一のビーム経路が与えられてもよく、またはビーム経路は2つ以上の部分ビーム経路に分割されてもよい。後者の場合、各部分ビーム経路はそれ自身の光軸を有することができ、上述の状態は一般に各ビーム経路を独立して指すことができる。光センサは、同一のビーム経路または部分ビーム経路に配置されてもよい。しかしながら、代替的に、光センサはまた、異なる部分ビーム経路にも配置されてもよい。光センサが異なる部分ビーム経路にわたって分布している場合、上述の状態は、例えば、少なくとも1つの第1の光センサが少なくとも1つの第1の部分ビーム経路内に配置され、第1の空間的オフセットで第1の部分ビーム経路の光軸からオフセットされ、少なくとも1つの第2の光センサが少なくとも1つの第2の部分ビーム経路内に配置され、少なくとも1つの第2の空間的オフセットで第2の部分ビーム経路の光軸からオフセットされ、第1の空間的オフセットと第2の空間的オフセットが異なるように記述され得る。
【0289】
上記で概説したように、各感光エリアは幾何学中心を有する。各感光エリアの各幾何学中心は、検出器の光軸から離間してよく、例えば、ビーム経路の光軸またはそれぞれの光センサが配置されているそれぞれのビーム経路など、検出器の光軸から離間していてよい。
【0290】
上記で概説したように、光センサは特に同一平面内に配置することができ、これは好ましくは光軸に垂直な平面である。しかしながら、他の構成も可能である。したがって、2つ以上の光センサを光軸に平行な方向に離間させてもよい。
【0291】
例えば、光センサは、セグメント化ダイオードの部分ダイオードであり得、セグメント化ダイオードの中心は検出器の光軸から偏心している。一例として、バイセルまたは象限ダイオードは低コストで広く市販されており、これらのバイセルまたは象限ダイオードの駆動方式は一般に知られている。一例として、バイセルダイオードはそれぞれ、ダイオードの全機能を有する独立したダイオードを形成することができる。一例として、各バイセルダイオードは正方形または長方形の形状を有し、2つのダイオードは、1つの平面内に、例えば、2つの部分ダイオードが全体として長方形を有する1×2または2×1のマトリックスを形成するように配置することができる。しかしながら、本発明では、以下にさらに詳細に概説するように、バイセルダイオードおよび象限ダイオードのセンサ信号を評価するための新しい方式が提案される。しかしながら、一般に、光センサは、具体的には、象限ダイオードの部分ダイオードであり得、象限ダイオードの中心が検出器の光軸から偏心している。一例として、4つの部分ダイオードはそれぞれダイオードの全機能を有する独立したダイオードを形成することができる。例として、4つの部分ダイオードはそれぞれ正方形または長方形の形状を有することができ、4つの部分ダイオードは、1つの平面内に配置することができ、例えば、4つの部分ダイオードが全体として、長方形または正方形の形状を有する2×2マトリックスを形成する。さらなる例では、4つの部分ダイオードが全体として、円形または楕円形の形状を有する2×2マトリックスを形成することができる。一例として、部分ダイオードは互いに最小の間隔で隣接していてよい。
【0292】
部分ダイオードの2×2マトリックスを有する象限ダイオードが使用される場合、象限ダイオードの中心は特に光軸から偏心しているか、またはオフセットされていてよい。したがって、一例として、象限ダイオードの中心、該中心は象限ダイオードの光センサの幾何学中心の交点であり得、光軸から少なくとも0.2mm、より好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも1.0mm、さらには2.0mm、偏心していてよい。同様に、複数の光センサを有する他の種類の光センサ構成を使用するとき、光センサの中心全体が同じ距離で光軸からオフセットしていてよい。
【0293】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器システムが開示されている。検出器システムは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば上記で開示された1つまたは複数の実施形態によるか、または以下にさらに詳細に開示される1つまたは複数の実施形態による、少なくとも1つの検出器を含む。検出器システムは、少なくとも1つの光ビームを検出器に向けるように適合された少なくとも1つのビーコン装置をさらに備え、ビーコン装置は、物体に取り付け可能、物体により保持可能、物体に一体化可能の少なくとも1つである。ビーコン装置に関するさらなる詳細は、その潜在的な実施形態を含めて以下に与えられる。したがって、少なくとも1つのビーコン装置は、1つまたは複数の照射源、例えば、レーザ、LED、電球などのような1つまたは複数の光源を含む少なくとも1つの能動型ビーコン装置であり得るか、またはそれを備え得る。一例として、照射源によって放射された光は、300~500nmの波長を有することができる。あるいは、上記で概説したように、例えば780nmから3.0μmの範囲の赤外線スペクトル範囲を使用することができる。具体的には、シリコンフォトダイオードが特に適用可能な700~1000nmの範囲の近赤外領域を使用することができる。2つ以上の光ビームを区別するために、1つ以上のビーコン装置によって放射される光は、変調されなくても、または上で概説したように変調されてもよい。追加的にまたは代替的に、少なくとも1つのビーコン装置は、1つまたは複数の反射要素を備えることなどによって、1つまたは複数の光ビームを検出器に向かって反射するように適合され得る。さらに、少なくとも1つのビーコン装置は、光ビームを散乱させるように適合された1つまたは複数の散乱要素であり得るか、またはそれを含み得る。そこでは、弾性散乱または非弾性散乱を使用することができる。少なくとも1つのビーコン装置が検出器に向かって一次光線を反射および/または散乱させるように適合されている場合、ビーコン装置は、光ビームのスペクトル特性に影響を受けないままでいるように適合されてもよく、あるいは、例えば光ビームの波長を変更することによって、光ビームのスペクトル特性を変化させるように適合されてもよい。
【0294】
本発明のさらなる態様では、ユーザとマシンとの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシンインターフェースが開示されている。ヒューマンマシンインターフェースは、上記で開示された実施形態による、および/または、以下にさらに詳細に開示される実施形態のうちの1つまたは複数による、少なくとも1つの検出器システムを備える。そこでは、少なくとも1つのビーコン装置は、直接または間接的にユーザに取り付けられるか、またはユーザによって保持されるかのうちの少なくとも1つに適合される。ヒューマンマシンインターフェースは、検出システムを用いることによってユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計され、ヒューマンマシンインターフェースは、少なくとも1つの情報項目をその位置に割り当てるように設計されている。
【0295】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置が開示されている。娯楽機器は、上記で開示された実施形態による、および/または以下にさらに詳細に開示される実施形態のうちの1つまたは複数による、少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを備える。娯楽機器は、少なくとも1つの情報項目が、ヒューマンマシンインターフェースを用いてプレーヤによって入力されることを可能にするように構成される。娯楽機器は、情報に従って娯楽機能を変えるようにさらに構成される。
【0296】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの可動物体の位置を追跡するための追跡システムが開示されている。追跡システムは、上記で開示されたような、および/または以下にさらに詳細に開示されたような検出器システムを参照する、1つまたは複数の実施形態による少なくとも1つの検出器システムを備える。追跡システムは、少なくとも1つの追跡制御装置をさらに備える。追跡コントローラは、特定の時点における物体の一連の位置を追跡するように適合されている。
【0297】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体を撮像するためのカメラが開示されている。カメラは、上記で開示されたような、または以下でさらに詳細に開示されるような検出器を参照する、実施形態のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を備える。
【0298】
本発明のさらなる態様では、光記憶媒体のための読出し装置が提案される。読み出し装置は、検出器を参照する前述の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を備える。その中で使用されているように、光記憶媒体のための読み出し装置は、一般に、光記憶ディスクなど光記憶媒体に記憶されている情報を光学的に取得することができる装置を指し、例えば、CCD、DVD、またはBlu-ray(登録商標)ディスクである。したがって、本発明による検出器の上述の測定原理は、光記憶ディスク内などの光記憶媒体内のデータモジュールを検出するために使用することができる。一例として、反射データモジュールが存在し、照射光ビームを反射する場合、検出器は上述の測定原理に従って反射光ビームを検出するだけでなく、検出器と反射データモジュールとの間の距離、すなわち、光記憶媒体内の反射データモジュールの深さを検出する。したがって、一例として、検出器は、光記憶媒体内の情報モジュールまたはデータモジュールの異なる層を検出するために使用されてもよい。これにより、一例として、2層ディスクまたは3層ディスク、さらには3層以上を有するディスクさえ、生成して読み出すことができる。
【0299】
本発明のさらなる態様では、場景の奥行きプロファイルを決定するための走査システムであって、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの位置を決定することをも含む走査システムが、提供される。走査システムは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば、上記で列挙した実施形態の1つ以上に開示されているような、および/または以下の実施形態の1つ以上に開示されているような少なくとも1つの検出器を備える。走査システムは、照射光ビームまたは走査光ビームとも呼ばれ得る、少なくとも1つの光ビームで場景を走査するように適合された少なくとも1つの照射源をさらに備える。本明細書で使用されるとき、用語「場景」は、一般に、検出器によって見える2次元または3次元の範囲を指し、2次元または3次元の範囲の少なくとも1つの幾何学特性または空間的特性を検出器で評価することができる。本明細書でさらに使用されるように、用語「走査」は、一般に、異なる領域における連続的な測定を指す。したがって、走査は、具体的には、照射光ビームが第1のやり方で配向または指向する少なくとも1つの第1の測定を含み、および照射光ビームが第2のやり方で配向または指向する少なくとも1つの第1のやり方とは異なる第2の測定を含む。走査は、連続的走査でも段階的走査でもよい。したがって、連続的または段階的なやり方において、照射光ビームは場景の異なる領域に向けられてよく、検出器は少なくとも1つの情報項目、例えば各領域に関する少なくとも1つの縦方向座標などを生成するように検出されてもよい。一例として、物体を走査するために、1つまたは複数の照射光ビームが、連続的にまたは段階的なやり方で、物体の表面上に光スポットを生成することができ、縦方向座標が光スポットに対して生成される。しかしながら、代わりに、光パターンが走査に使用されてもよい。走査は、ポイント走査またはライン走査、あるいはさらに複雑な光パターンを用いた走査であってもよい。走査システムの照射源は、検出器の任意の照射源とは性質が異なり得る。しかしながら、代替として、走査システムの照明源はまた、検出器の少なくとも1つの任意の照射源と完全にまたは部分的に同一であるか、またはその中に一体化されてもよい。
【0300】
したがって、走査システムは、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面に配置された少なくとも1つのドットを照明するように構成されている少なくとも1つの光ビームを放射するように適合される少なくとも1つの照射源を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「ドット」は、例えば、走査システムのユーザにより、照射源によって照射されるように、選択され得る物体の表面の一部上のエリア、具体的には小さいエリアを指す。好ましくは、ドットは、一方では、走査システムが走査システムに含まれる照射源と、可能な限り正確に配置され得る物体の表面の部分の距離の値を決定することを可能にするように、可能な限り小さいサイズを示してよく、他方では、走査システムのユーザまたは走査システム自体が、特に自動手順によって、物体の表面の関連部分上のドットの存在を検出することを可能にするように、可能な限り大きいサイズを示してよい。
【0301】
この目的のために、照射源は、人工照射源、特に少なくとも1つのレーザ源および/または少なくとも1つの白熱灯および/または少なくとも1つの半導体光源、例えば、少なくとも1つの発光ダイオード、特に有機発光ダイオードおよび/または無機発光ダイオードを含み得る。一例として、照射源によって放射された光は、300~500nmの波長を有し得る。追加的にまたは代替的に、780nmから3.0μmの範囲内などの赤外線スペクトル範囲内の光を使用することができる。具体的には、シリコンフォトダイオードが特に適用可能な700nmから1000nmの範囲の近赤外領域を使用することができる。それらの一般的に定義されたビームプロファイルおよび他の取り扱い性の特性のために、照射源として少なくとも1つのレーザ源の使用が特に好ましい。本明細書では、単一のレーザ源の使用が好ましい場合があり、特に、ユーザによって容易に保管および移動可能であり得るコンパクトな走査システムを提供することが重要であり得る場合がある。したがって、照射源は、好ましくは検出器の構成部分であり得、したがって、特に検出器のハウジングなどの検出器内へ一体化され得る。好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングは、距離に関する情報をユーザに、読みやすい方法などで、提供するように構成された少なくとも1つのディスプレイを含むことができる。さらなる好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングは、さらに、走査システムに関連する少なくとも1つの機能を動作させるように、例えば1つまたは複数の動作モードを設定するように構成され得る、少なくとも1つのボタンを含むことができる。さらなる好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングは、特にユーザによる走査システムの距離測定および/または操作性の精度を向上させるために、磁性材料を含むベースプレートまたはホルダ等のような、例えば、ゴム足、ベースプレートまたは壁ホルダなど、走査システムをさらなる表面に固定するように構成され得る、少なくとも1つの固定ユニットをさらに含むことができる。
【0302】
したがって、特に、走査システムの照射源は、単一のレーザビームを放射することができ、物体の表面に配置された単一のドットを照射するように構成され得る。本発明による少なくとも1つの検出器を使用することによって、少なくとも1つのドットと走査システムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成することができる。これにより、好ましくは、走査システムに含まれるような照射システムと、照射源によって生成されるような単一のドットとの間の距離が、例えば少なくとも1つの検出器に含まれる評価装置を使用することによって決定され得る。しかしながら、走査システムは、さらに、特にこの目的に適合させることができる追加の評価システムを含むことができる。代替的にまたは追加的に、走査システムのサイズ、特に走査システムのハウジングのサイズは考慮され得、したがって、走査システムのハウジング上の特定の点、例えば、ハウジングの前エッジや後エッジと単一のドットとの間の距離は、代わりに決定することができる。照射源は、点群を生成および/または投影するように構成され得、例えば、照射源は、少なくとも1つのデジタル光処理プロジェクタ(DLP)、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの発光ダイオードアレイ;少なくとも1つのレーザ光源アレイ、のうちの1つまたは複数を備えることができる。
【0303】
代替的に、走査システムの照射源は、2つの個別のレーザビームを放射してもよく、該レーザビームは、ビームの放射方向の間に直角などのそれぞれの角度を提供するように構成されることができ、それにより、同じ物体の表面に位置する個別のドットまたは2つの別々の物体の2つの異なる表面が照射され得る。しかしながら、2つの個別のレーザビーム間のそれぞれの角度に関する他の値もまた実現可能であり得る。この特徴は、特に、例えば走査システムとドットの間の1つ以上の障害の存在またはその以外のことにより届くのが困難など、例えば直接的にアクセスできない間接的な距離の導出のために、間接測定機能に採用されることができる。例として、したがって、2つの個別の距離を測定し、ピタゴラスの公式を使用することによって高さを導出することによって、物体の高さの値を決定することが実現可能であり得る。特に物体に対して所定のレベルを維持することができるようにするために、走査システムはさらに、少なくとも1つの水平ユニット、特にユーザによって所定の高さを維持するために使用される一体型バブルバイアルを備えてもよい。
【0304】
さらなる代替として、走査システムの照射源は、複数の個々のレーザビーム、例えば互いに対してそれぞれのピッチ、特に規則的なピッチを示し得るレーザビームのアレイを放射することができ、該レーザビームのアレイは少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面上に配置されたドットのアレイを生成するようなやり方で構成されてよい。この目的のために、ビーム分割装置およびミラーのような特別に適合された光学要素が設けられてよく、該光学要素は記載されたレーザビームのアレイの生成を可能にすることができる。特に、照明源は、1つ以上の可動ミラーを使用して周期的または非周期的に光ビームを指向することによって、領域または空間を走査するように指向されてもよい。
【0305】
したがって、走査システムは、1つ以上の物体の1つ以上の表面上に配置された1つ以上のドットの静的配置を提供することができる。あるいは、走査システムの照射源、特に、上述したレーザビームアレイなどの1つ以上のレーザビームは、経時的に変化する強度を示すことができ、および/または、特に上述したマイクロミラーのアレイ内に含まれるマイクロミラーのような1つ以上のミラーを移動させることによって時間の経過中に放出方向を変えることができる、1つ以上の光ビームを提供するように構成されてよい。結果として、照射源は、走査装置の少なくとも1つの照射源によって生成される変化する特徴を有する1つ以上の光ビームを使用することにより、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面の一部を画像として走査するように構成され得る。特に、走査システムは、したがって、1つ以上の物体の1つ以上の表面を順次または同時に走査するように、少なくとも1つのロー走査および/またはライン走査を使用することができる。したがって、走査システムは、3つ以上のドットを測定することによって角度を測定するように適合されることがで、または走査システムは、従来の測定スティックを使用してアクセスできないコーナーまたは屋根の切妻のような狭い領域を測定するように適合されることができる。非限定的な例として、走査システムは、例えば生産環境における安全レーザスキャナ、および/または3D印刷に関連してなどの物体の形状を決定に使用される3D走査装置、身体走査、品質管理、例えばレンジメータのような建設用途、小包のサイズまたは体積を決定するための物流用途、例えばロボット真空掃除機や芝刈機における家庭用途、または走査ステップを含む他の種類の用途、に使用され得る。非限定的な例として、走査システムは産業用安全カーテン用途に使用されてもよい。非限定的な例として、走査システムは、拭き掃除、真空吸引、モップがけ、またはワックスがけ機能、または草刈りまたは掻き取りなどのヤードまたは庭の手入れ機能を実行するのに使用することができる。非限定的な例として、走査システムは、コリメート光学系を有するLED照照射源を使用してよく、また、より正確な結果を得るために照射源の周波数を異なる周波数にシフトさせ、および/または他の光を伝達しながら特定の光を減衰させるためにフィルタを使用してもよい。非限定的な例として、走査システムおよび/または照射源は、全体として回転させ、または動作中に専用のモータを使用してミラーやビームスプリッタなどの特定の光学パッケージのみを回転させることができ、走査システムは、全360度視野を有し得るか、または走査領域をさらに増大させるために平面外に移動および/または回転さえされ得る。さらに、照射源は所定の方向に能動的に向けられてもよい。さらに、有線の電気システムの回転を可能にするために、スリップリング、光データ伝送、または誘導結合を使用することができる。
【0306】
非限定的な例として、走査システムは三脚に取り付けられ、いくつかの角部および表面を有する物体または領域を向くように向けることができる。1つ以上の柔軟に移動可能なレーザ源が走査システムに取り付けられている。1つ以上のレーザ源は、それらが関心点を照射するように動かされる。走査システム上の指定されたボタンを押すと、照射された点の走査システムに関する位置が測定され、位置情報が無線インターフェースを介して携帯電話に送信される。位置情報は携帯電話アプリケーションに保存される。レーザ源は、位置が測定され携帯電話アプリケーションに送信されるさらなる関心点を照射するように移動される。携帯電話アプリケーションは、隣接する点を平面で接続することによって、一組の点を3次元モデルに変換することができる。3次元モデルはさらに記憶され処理されてもよい。測定された点または表面間の距離および/または角度は、走査システムに取り付けられたディスプレイに、または位置情報が送信される携帯電話に直接表示されてよい。
【0307】
非限定的な例として、走査システムは、点を投影するための2つ以上のよりフレキシブルな可動レーザ源と、線を投影する1つのさらなる可動レーザ源とを含み得る。線は、2つ以上のレーザスポットを線に沿って配置するように使用されてもよく、走査装置のディスプレイは、線に沿って配置された2つ以上のレーザスポット間の距離を等距離などで距離を表示してよい。
【0308】
2つのレーザスポットの場合、単一のレーザ源を使用することができるが、投影点の距離は、1つ以上のビームスプリッタまたはプリズムを使用して修正され、ビームスプリッタまたはプリズムは、投影されたレーザスポットが互いに離れたり近づいたりするように移動することができる。さらに、走査システムは、直角、円、正方形、三角形などのさらなるパターンを投影するように適合されてもよく、該パターンに沿ってレーザスポットを投影し、それらの位置を測定することによって測定を行うことができる。
【0309】
非限定的な例として、走査システムはライン走査装置として適合させることができる。特に、走査装置は少なくとも1つのセンサライン(行)またはロー(列)を含むことができる。三角測量システムは、近距離場では検出が不可能であり得るように、十分なベースラインを必要とする。レーザスポットが転送装置の方向に傾けられている場合、近距離場検出は可能であり得る。しかしながら、傾斜は光スポットが視野外に移動させ、遠距離場での検出を制限することにつながる。これらの近距離場および遠距離場の問題は、本発明による検出器を使用することによって克服することができる。特に、検出器は光センサのCMOSラインを含むことができる。走査システムは、物体から検出器までCMOSライン上で伝播する複数の光ビームを検出するように構成されてよい。光ビームは、物体上の異なる位置で、または照射源の移動によって発生させることができる。走査システムは、上述し且つ以下により詳細に説明するように商信号Qを決定することによって各光スポットの少なくとも1つの縦方向座標を決定するように適合され得る。
【0310】
非限定的な例として、走査システムは、のこぎり、穴あけ機などの木材または金属の加工工具のような、工具を用いた作業を支援するように適合され得る。したがって、走査システムは、2つの反対方向の距離を測定し、そして2つの測定された距離または距離の合計をディスプレイに表示するように適合され得る。さらに、走査システムは、表面上に走査システムが配置されたときに、レーザポイントが自動的に表面に沿って走査システムから離れ、距離測定が表面の角またはエッジによる突然の変化を見せるまで移動するように、表面の縁までの距離を測定するように適合されてよい。これにより、走査装置が板の上にその端から離れて置かれている時に、木板の端までの距離を測定することが可能になる。さらに、走査システムは、一方向における厚板の端部の距離を測定し、反対方向に指定された距離で線または円または点を投影することができる。走査システムは、所定の合計距離に応じてなど、反対方向で測定された距離に応じて所定の距離に線または円または点を投影するように構成されてよい。これにより、走査システムを工具から安全な距離に配置しながら、のこぎりや穴あけ機などの工具を投影位置で使用して作業し、同時に板の端部まで所定の距離で工具を使用して処理を実行することができる。さらに、走査システムは、2つの反対方向に所定の距離に点または線などを投影するように構成されてもよい。距離の合計が変更されると、投影距離のうちの1つのみが変更される。
【0311】
非限定的な例として、走査システムは、切断、鋸引き、穴あけなどの作業が行われる表面などの表面上に配置され、走査装置上のボタンなどを用いて調節できる所定の距離の表面上に線を投影するように適合され得る。
【0312】
非限定的な例として、走査システムは、例えば生産環境における安全レーザスキャナ、および/または3D印刷に関連してなどの物体の形状を決定に使用される3D走査装置、身体走査、品質管理、例えばレンジメータのような建設用途、小包のサイズまたは体積を決定するための物流用途、例えばロボット真空掃除機や芝刈機における家庭用途、または走査ステップを含む他の種類の用途、に使用され得る。
【0313】
転送装置は、上記で説明したように、物体から検出器に伝播する光を光センサへ、好ましくは連続的に供給するように設計することができる。上記で説明したように、この供給は任意選択的に画像形成によって、あるいは転送装置の非画像形成特性によって行うことができる。特に、転送装置は、後者が光センサに供給される前に電磁放射を収集するように設計することもできる。転送装置はまた、例えばガウスビーム特に知られたビームプロファイルを有する少なくとも1つ光ビームの少なくとも1つの線形結合のように、例えば、定義されたまたは正確に知られたビームプロファイルのように、例えば、定義された光学特性を有する光ビームを供給するように設計された照射源により、全体的にまたは部分的に少なくとも1つの任意選択的な照射源の構成部分であることができる。
【0314】
ビーコン装置および/または少なくとも1つの任意の照射源は、一般的に、紫外線スペクトル範囲、好ましくは、200nmから380nmの範囲;可視光スペクトル範囲(380nmから780nm);赤外線スペクトル範囲、好ましくは、780nmから3.0マイクロメートル、より好ましくは、シリコンフォトダイオードが適用可能である近赤外領域の部分において、特に700nmから1000nmの範囲、のうちの少なくとも1つの範囲内の光を放出することが可能である。熱画像形成用途の場合、ターゲットは、遠赤外線スペクトルの範囲、好ましくは、3.0マイクロメートルから20マイクロメートルの範囲の中の光を放出することが可能である。例えば少なくとも1つの照射源は、可視光スペクトル範囲、好ましくは、500nmから780nmの範囲、最も好ましくは、650nmから750nm、または、690nmから700nmの範囲内にある光を放出するように適合されている。例えば、少なくとも1つの照射源は、赤外線スペクトル範囲の光を放射するように適合されている。しかしながら、他の選択肢も可能である。
【0315】
センサ要素への光ビームの供給は、特に、例えば、円形、楕円形または異なる構成の断面を有する光スポットが光センサの任意のセンサエリア上に生成されるように成立され得る。一例として、検出器は、視覚範囲、特に立体角範囲および/または空間範囲を有することができ、その範囲内で物体を検出することができる。好ましくは、転送装置は、例えば検出器の視覚範囲内に配置された物体の場合には、光スポットが完全にセンサ領域上および/または光センサのセンサエリア上に配置されるように設計される。一例として、センサエリアは、この状態を確実にするために対応するサイズを有するように選択され得る。
【0316】
さらなる態様において、本発明は、電子装置において使用するための慣性測定ユニットを開示する。電子機器は、モバイル電子機器であり得る。電子機器はカメラであってよい。電子機器はモバイルフォンであってよい。慣性測定ユニットは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば、上記で開示されたような、または以下でさらに詳細に開示されるような検出器に関する1つまたは複数の実施形態による少なくとも1つの検出器、を含む少なくとも1つの慣性測定ユニットによって決定されたデータを受信するように適合されている。本明細書で使用されるとき、用語「少なくとも1つの検出器によって決定されたデータ」は、少なくとも1つの縦方向座標zに関する少なくとも1つの情報を指す。慣性測定ユニットはさらに、車輪速度センサ、回転速度センサ、傾斜センサ、方位センサ、動きセンサ、磁気流体力学センサ、力センサ、角度センサ、角速度センサ、磁界センサ、磁力計、加速度計;ジャイロスコープ、からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるセンサによって決定されたデータを受け取るように適合されている。本明細書で使用されるとき、用語「少なくとも1つのさらなるセンサによって決定されたデータ」は、角度情報;スピード情報;回転率に関する情報;傾斜に関する情報、からなる群から選択される少なくとも1つの情報を指す。慣性測定ユニットは、検出器および少なくとも1つのさらなるセンサからのデータを評価することによって、空間位置、相対運動または絶対運動、回転、加速度、方向、角度位置、傾斜、回転測度、速度、からなる群から選択される電子装置の少なくとも1つの特性を決定するように適合されている。慣性測定ユニットは、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。プロセッサは、さらなるセンサによって記録されたデータを評価するように適合され得る。特に、プロセッサは、空間位置、空間配向、動きおよび速度のうちの1つまたは複数を決定および/または計算するように適合され得る。慣性測定ユニットは、複数のさらなるセンサを含み得る。
【0317】
慣性測定ユニットは、少なくとも2つのさらなるセンサから決定された情報を融合するように適合され得る。慣性測定ユニットは、少なくとも1つのカルマンフィルタを使用することによって少なくとも2つのさらなるセンサの情報を融合するように適合され得る。上記で概説したように、検出器は、縦方向座標zの絶対的測定値を提供するように適合され得る。プロセッサ、例えば、上述の評価装置は、縦方向座標zを考慮して少なくとも2つのさらなるセンサの情報を融合するように適合され得る。様々なセンサ信号は、各センサ信号は測定誤差および不正確さを受けやすいことを考慮するために、推定されるカルマンフィルタまたは線形二次内で使用され得る。カルマンフィルタ内でこれらのセンサ信号を融合することにより、例えば縦方向座標の測定のための推定値を改善することができる。
【0318】
さらなる態様において、本発明は、本発明による検出器のような、例えば、上で開示されたような、または以下でさらに詳細に開示されるような検出器を参照する1つまたは複数の実施形態による、検出器を使用することによって少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法を開示する。それでも、他の種類の検出器を使用することができる。方法は、以下の方法ステップを含み、方法ステップは所与の順序で実行されてもよく、または異なる順序で実行されてもよい。さらに、列挙されていない1つまたは複数の追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、方法ステップのうちの1つ、1つより多く、またはすべてさえも、繰り返し実行され得る。
【0319】
この方法は以下の方法ステップを含む:
- 少なくとも2つの光センサを提供し、各光センサは感光エリアを有し、各光センサは、光ビームによるそのそれぞれの感光エリアの照射に応答してセンサ信号を生成するように構成され、検出器は少なくとも1つの転送装置を有し、転送装置は物体から検出器に伝播する光ビームに応じて少なくとも1つの焦点距離を有する、ステップ;
- 前記物体から前記検出器に伝播する光ビームによって前記検出器の前記少なくとも2つの光センサの各感光エリアを照射することによって、各感光エリアは少なくとも1つのセンサ信号を生成する、ステップ;および
- 前記センサ信号を評価し、それによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定し、前記評価は前記センサ信号の商信号Qを導出すること。
【0320】
物体の縦方向座標zは、物体平面内の物体サイズから独立して、少なくとも1つの測定範囲において決定されてもよい。
【0321】
商信号Qの導出は、センサ信号を割算すること、センサ信号の倍数を割算すること、またはセンサ信号の線形結合を割算する、のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0322】
方法は、物体から転送装置までの縦方向距離z;転送装置の焦点距離f;転送装置の射出瞳の直径E;転送装置から感光エリアまでの縦方向距離z;転送装置から物体の像までの距離z;前記物体平面における物体サイズOsize、からなる群から選択される1つまたは複数のパラメータを調整することにより測定範囲を調整することを含む。
【0323】
転送装置は光軸を有してよい。転送装置の実施形態に関して、上記の第1の態様に関して説明した転送装置の実施形態を参照する。
【0324】
詳細、選択肢および定義については、上述のように検出器を参照することができる。したがって、具体的には、上記で概説したように、方法は、本発明による検出器を使用すること、例えば上記で与えられた、または以下でさらに詳細に与えられる実施形態のうちの1つまたは複数に従うことを含み得る。
【0325】
第1の好ましい実施形態において、方法は以下の方法ステップを含むことができ、方法ステップは所与の順序で実行することができ、または異なる順序で実行することができる。さらに、1つまたは複数の列挙されていない追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、方法ステップのうちの1つ、1つより多く、またはすべてさえも、繰り返し実行することができる。
【0326】
方法ステップは以下の通りであり得る:
- 物体から検出器に伝播する光ビームによって検出器の少なくとも1つの第1光センサの少なくとも1つの第1感光エリアを照射し、それによって少なくとも1つの第1センサ信号を生成する、ステップ;
- 光ビームによって検出器の少なくとも1つの第2光センサの少なくとも1つの第2感光エリアを照射し、それによって少なくとも1つの第2センサ信号を生成し、第1感光エリアは第2感光エリアより小さい、ステップ;および
- 第1および第2のセンサ信号を評価し、それによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定する、ステップ。
【0327】
具体的には、第1と第2のセンサ信号の評価は、第1および第2のセンサ信号を割算すること、第1および第2のセンサ信号の倍数を割算すること、または第1および第2のセンサ信号の線形結合を割算することによって商信号Qを導出することを含み得る。さらに、縦方向座標の決定は商信号Qを評価することを含み得る。
【0328】
第2の好ましい実施形態において、方法は以下の方法ステップを含むことができ、方法ステップは所与の順序で実行することができ、または異なる順序で実行することができる。さらに、1つまたは複数の列挙されていない追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、方法ステップのうちの1つ、1つより多く、またはすべてさえも、繰り返し実行することができる。
【0329】
方法ステップは以下の通りであり得る。
【0330】
- 物体から検出器に伝播する少なくとも1つの光ビームによって検出器の少なくとも1つのセンサ要素を照射し、検出器は光センサのマトリックスを有し、光センサはそれぞれ感光エリアを有し、各光センサは照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成する、ステップ;
- センサ信号を、
- 最高のセンサ信号を有し、少なくとも1つの中心信号を形成する少なくとも1つの光センサを決定することによって評価する、ステップ;
a) 前記マトリックスの前記光センサの前記センサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること;
b) 中心信号と和信号を結合することにより少なくとも1つの結合信号を決定すること;および、
c) 結合信号を評価することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定すること。
【0331】
具体的には、第1および第2のセンサ信号の評価は、中心信号と前記和信号の商またはその逆の商を形成すること、中心信号の倍数と和信号の倍数の商またはその逆の商を形成すること、中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商またはその逆の商を形成すること、前記中心信号と前記和信号の第1の線形結合と前記中心信号と前記和信号の第2の線形結合の商を形成すること、のうちの1つまたは複数によって商信号Qを導出することを含み得る。さらに、縦方向座標の決定は、商信号Qを評価することを含み得る。商信号の評価は、特に、縦方向座標を決定するために、商信号Qと縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用することを含み得る。
【0332】
第3の好ましい実施形態において、方法は以下の方法ステップを含むことができ、方法ステップは所与の順序で実行することができ、または異なる順序で実行することができる。さらに、1つまたは複数の列挙されていない追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、方法ステップのうちの1つ、1つより多く、またはすべてさえも、繰り返し実行することができる。
【0333】
方法ステップは以下の通りであり得る。
【0334】
- 少なくとも2つの光センサを提供し、各光センサは感光エリアを有し、各感光エリアは幾何学中心を有し、光センサの幾何学中心は検出器の光軸から異なる距離で離間し、各光センサは、光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答してセンサ信号を生成するように構成されているステップ;
- 検出器の少なくとも2つの光センサの少なくとも2つの感光エリアを、物体から検出器に伝播する光ビームによって照射し、それによって少なくとも2つのセンサ信号を生成するステップ;および
- 少なくとも2つのセンサ信号を結合することによって前記センサ信号を評価し、それによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップ。
【0335】
具体的には、第1および第2のセンサ信号の評価は、センサ信号を割算すること、センサ信号の倍数を割算すること、またはセンサ信号の線形結合を割算すること、のうちの1つまたは複数によって商信号Qを導出することを含み、縦方向座標の決定は、商信号Qを評価することを含み得る。さらに、縦方向座標の決定は、商信号Qを評価することを含み得る。
【0336】
さらなる好ましい実施形態において、方法は以下の方法ステップを含むことができ、方法ステップは所与の順序で実行することができ、または異なる順序で実行することができる。さらに、1つまたは複数の列挙されていない追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、方法ステップのうちの1つ、1つより多く、またはすべてさえも、繰り返し実行することができる。
【0337】
方法ステップは以下の通りであり得る。
【0338】
- 物体から検出器に伝播する光ビームによって少なくとも1つの第1光センサの少なくとも1つの第1感光エリアを照射し、第1の感光エリアの照射に応答して、第1の光センサによって少なくとも1つの第1センサ信号を生成する、ステップ;
- 光ビームによって少なくとも1つの第2光センサの少なくとも1つの第2感光エリアを照射し、第2の感光エリアの照射に応答して、第2の光センサによって少なくとも1つの第2センサ信号を生成し、第2の光センサは:
・第2の感光エリアを形成する少なくとも1つの蛍光導波シートであって、前記蛍光導波シートは、物体から検出器に向かって伝播する少なくとも1つの光ビームが第2の感光エリアに少なくとも1つの光スポットを生成するように、物体に向かって配向し、前記蛍光導波シートは、少なくとも1つの蛍光材料を含み、前記蛍光材料は、前記光ビームによる照射に応答して蛍光ライトを生成するように適合されている、蛍光導波シートと;
・前記蛍光導波シートの少なくとも1つのエッジに配置された少なくとも1つの感光要素であって、前記蛍光導波シートによって、前記光スポットから前記感光要素へガイドされた蛍光ライトを検出することができ、前記光ビームによる前記第2の感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第2センサ信号を生成することができ、前記第1の感光エリアは前記第2の感光エリアよりも小さい、感光要素と;
を有する、ステップと
- 前記第1および第2のセンサ信号を評価することにより、前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップ。
【0339】
具体的には、上述のように、第1および第2のセンサ信号の評価は、第1および第2のセンサ信号を割算すること、第1および第2のセンサ信号の倍数を割算すること、または第1および第2のセンサ信号の線形結合を割算することによって商信号Qを導出することを含み得る。物体の縦方向座標の決定は商信号Qを評価することを含み得る。上述のように、商信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係は、縦方向座標を決定するために使用することができる。
【0340】
また上述したように、第2の光センサは具体的には少なくとも2つの感光要素を含み得る。方法は、感光要素のセンサ信号を評価することによって、物体の少なくとも1つの横方向座標x,yを決定することをさらに含むことができる。
【0341】
詳細、選択肢および定義については、上述のように検出器を参照することができる。したがって、具体的には、上記で概説したように、方法は、本発明による検出器を使用すること、例えば上記で与えられた、または以下でさらに詳細に与えられる実施形態のうちの1つまたは複数に従うことを含み得る。
【0342】
さらに好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
- 少なくとも1つの角度依存光学要素を提供し、入射角に依存する少なくとも1つのビームプロファイルを有する少なくとも1つの光ビームを生成するステップ;
- 少なくとも2つの光センサを提供し、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは角度依存光学要素によって生成された光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されているステップ;
- 角度依存光学要素によって生成された光ビームによって検出器の少なくとも2つの光センサの各感光エリアを照射することによって、各感光エリアが少なくとも1つのセンサ信号を生成するステップ;および
センサ信号を評価し、それによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定し、評価がセンサ信号の結合信号Qを導出することを含む。
【0343】
具体的には、第1および第2のセンサ信号を評価することは、第1および第2のセンサ信号を割算することによって、第1および第2のセンサ信号の倍数を割算することによって、または第1および第2のセンサ信号の線形結合を割算することによって商信号Qを導出することを含み得る。さらに、縦方向座標を決定することは、商信号Qを評価することを含むことができる。
【0344】
また上述したように、第2の光センサは具体的には少なくとも2つの感光要素を含み得る。この方法は、感光要素のセンサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの横方向座標x,yを決定することをさらに含むことができる。
【0345】
詳細、選択肢および定義については、上述のように検出器を参照することができる。したがって、具体的には、上記で概説したように、方法は、本発明による検出器を使用すること、例えば上記で与えられた、または以下でさらに詳細に与えられる実施形態のうちの1つまたは複数に従うことを含み得る。
【0346】
本発明のさらなる態様において、本発明による検出器の使用、例えば上記で与えられた、または以下でさらに詳細に与えられる1つまたは複数の実施形態による検出器の使用は、交通技術における位置測定;娯楽用途;光データ記憶用途;セキュリティ用途;監視用途;安全用途;ヒューマンマシンインターフェース用途;追跡用途;写真撮影用途;撮像またはカメラ用途;少なくとも1つの空間のマップを発生させるためのマッピングの用途;車両用のホーミングまたは追跡ビーコン検出器;マシンビジョン用途;ロボット用途;品質管理用途、製造用途、からなる群から選択される使用目的が提案される。
【0347】
物体は、一般的に、生物であってもよく、または、非生物であってもよい。また、検出器または検出器システムは、少なくとも1つの物体を含むことが可能であり、それによって、物体は、検出器システムの一部を形成している。好ましくは、しかしながら、好ましくは、物体は少なくとも1つの空間的次元において、検出器から独立して移動することが可能である。
【0348】
物体は、一般的に、任意の物体であり得る。一実施形態では、物体は硬質物体であり得る。他の実施形態も可能であり、例えば、物体が非剛体物体である実施形態、または、その形状を変化させ得る物体など、他の実施形態も実行可能である。
【0349】
さらに詳細に下記に概説されることになるように、本発明は、具体的には、人の位置および/または人の動きを追跡するために使用され得、例えば、マシンの制御、ゲーミング、または、スポーツのシミュレーションなどの目的のために使用され得る。この実施形態または他の実施形態では、具体的には、物体は、スポーツ用品、好ましくは、ラケット、クラブ、バットからなる群から選択される物品;衣料品;帽子;靴からなる群から選択され得る。
【0350】
したがって、一般的に、本発明による装置、例えば検出器は、様々な分野で適用され得る。具体的には交通技術における位置測定;娯楽用途;セキュリティ用途;ヒューマンマシンインターフェース用途;追跡用途;写真撮影用途;少なくとも1つの空間のマップを発生させるためのマッピングの用途、例えば、部屋、建物、および街路からなる群から選択される少なくとも1つの空間のマップを発生させるためのマッピング用途;モバイルの用途;ウェブカム;オーディオデバイス;ドルビーサラウンドオーディオシステム;コンピュータ周辺デバイス;ゲーミングの用途;カメラまたはビデオの用途;セキュリティ用途;監視用途;自動車用途;輸送用途;医療用途;スポーツ用途;マシンビジョン用途;車両用途;飛行機用途;船舶用途;宇宙船用途;建物用途;建築用途;地図製作用途;製造用途、からなる群から選択される使用目的が適用され得る。追加的にまたは代替的に、ローカルポジショニングシステムおよび/またはグローバルポジショニングシステムにおける用途も挙げることが可能であり、特に、ランドマークを基礎とする位置決めおよび/またはインドアナビゲーションおよび/またはアウトドアナビゲーション、具体的には、車または他の車両(例えば、列車、オートバイ、自転車、貨物輸送のためのトラックなど)、ロボットにおける使用のための、または、歩行者による使用のためのものも挙げることが可能である。さらに、インドアポジショニングシステムは、例えば、家庭内アプリケーションに関して、および/または、製造技術、輸送、監視またはメンテナンス技術において使用されるロボットに関して、考えられる用途として挙げられ得る。
【0351】
本発明による装置は、モバイルフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートパネル、または、他の据置型コンピュータ,モバイルコンピュータ、または通信の用途において使用され得る。したがって、本発明による装置は、性能を向上させるために、少なくとも1つの能動型光源と組み合わせられ得、例えば、可視光範囲または赤外線スペクトル範囲の光を放出する光源などと組み合わせられ得る。したがって、一例として、本発明による装置は、カメラおよび/またはセンサとして使用され得、例えば、環境、物体、および生物を走査および/または検出するためのモバイルソフトウェアと組み合わせて使用され得る。本発明による装置は、画像効果を高めるために、2Dカメラ、例えば従来のカメラと組み合わせられ得る。本発明による装置は、さらに、監視のために、および/もしくは、記録目的のために使用され得、または、モバイル装置を制御するための入力装置として、特に、声および/もしくはジェスチャ認識と組み合わせて使用され得る。したがって、具体的には、ヒューマンマシンインターフェースとして作用する本発明による装置は、入力装置とも称され、モバイル用途、例えば、モバイルフォンなどのようなモバイル装置を介して、他の電子装置またはコンポーネントを制御するためなどのために使用され得る。例として、本発明による少なくとも1つの装置を含むモバイルの用途は、テレビジョンセット、ゲームコンソール、音楽プレーヤもしくは音楽デバイス、または、他の娯楽装置を制御するために使用され得る。
【0352】
さらに、本発明による装置、ウェブカム、または、コンピューティング用途のための他の周辺装置において使用され得る。したがって、一例として、本発明による装置は、画像ング、記録、監視、走査、または運動検出に関するソフトウェアと組み合わせて使用され得る。ヒューマンマシンインターフェースおよび/または娯楽装置の文脈において概説されているように、本発明による装置は、顔表現および/または身体表現によってコマンドを与えることに関して、特に有用である。本発明による装置は、他の入力発生デバイス、例えば、マウス、キーボード、タッチパッド、マイクロフォンなどと組み合わせられ得る。さらに、本発明による装置は、例えば、ウェブカムを使用することなどによるゲーミングに関する用途において使用され得る。さらに、本発明による装置は、バーチャルトレーニングの用途および/またはビデオ会議において使用され得る。さらに、本発明による装置は、特に、ヘッドマウントディスプレイを装着しているときに、バーチャルリアリティまたはオーグメンテッドリアリティの用途において使用される手、腕、または物体を認識または追跡するために使用され得る。
【0353】
さらに、本発明による装置は、部分的に上記に説明されているように、モバイルオーディオ装置、テレビジョン装置、およびゲーミング装置において使用され得る。具体的には、本発明による装置は、電子装置または娯楽装置などのための制御または制御装置として使用され得る。さらに、本発明による装置は、視線検出またはアイトラッキングに関して使用され得、例えば、2Dディスプレイ技法および3Dディスプレイ技法において、特に、オーグメンテッドリアリティの用途のために、および/または、ディスプレイが見られているかどうかを認識するために、および/または、どの視点からディスプレイが見られているかを認識するために、透明なディスプレイとともに使用され得る。さらに、本発明による装置は、特に、ヘッドマウントディスプレイを装着しているときに、バーチャルリアリティまたはオーグメンテッドリアリティの用途に関連して、部屋、境界線、障害物を探索するために使用され得る。
【0354】
さらに、本発明による装置は、DSCカメラなどのようなデジタルカメラの中で使用され得、または、デジタルカメラとして使用され得、および/または、SLRカメラなどのようなレフレックスカメラの中で使用され得、または、レフレックスカメラとして使用され得る。これらの用途に関して、上記に開示されているように、モバイルフォンなどのようなモバイルの用途における、本発明による装置の使用が参照され得る。
【0355】
さらに、本発明による装置は、セキュリティおよび監視の用途のために使用され得る。したがって、一例として、本発明による少なくとも1つの装置は、1つまたは複数のデジタル電子機器および/またはアナログ電子機器と組み合わせられ得、1つまたは複数のデジタル電子機器および/またはアナログ電子機器は、(例えば、銀行または博物館における監視の用途に関して)対象が所定のエリアの中または外側にある場合に、信号を与えることになる。具体的には、本発明による装置は、光学的な暗号化のために使用され得る。本発明による少なくとも1つの装置を使用することによる検出は、波長を補完する他の検出装置、例えばIR、X線、UV-VIS、レーダーまたは超音波検出器と組み合わせられ得る。本発明による装置は、さらに、能動型赤外線光源と組み合わせられ得、低い光の周囲の中での検出を可能にする。本発明による装置は、一般的に、能動型検出器システムと比較して有利であり、それは特に本発明による装置は、例えば、レーダー用途、超音波用途、LIDARまたは同様の能動型検出器装置の場合のように、第三者によって検出される可能性がある信号を能動的に送信することを回避するためである。したがって、一般的に、本発明による装置は、移動している物体を認識せずかつ検出不可能な追跡のために使用され得る。追加的に、本発明による装置は、一般的に、従来のデバイスと比較して、不正操作されにくく、また過敏になりにくい。
【0356】
さらに、本発明による装置を使用することによる3D検出の容易さおよび精度を考えると、本発明による装置は、一般的に、顔、身体、および人の認識および識別のために使用され得る。その中で、本発明による装置は、識別または個人化の目的のために他の検出手段、例えば、パスワード、指紋、虹彩検出、音声認識、または他の手段と組み合わせられ得る。したがって、一般的に、本発明による装置は、セキュリティ装置および他の個人化された用途において使用され得る。
【0357】
さらに、本発明による装置は、製品の識別のための3Dバーコードリーダーとして使用され得る。
【0358】
上述のセキュリティおよび監視の用途に加えて、本発明による装置は、一般的に、空間およびエリアの監視およびモニタリングのために使用され得る。したがって、本発明による装置は、空間およびエリアを監視およびモニタリングするために使用され得、例として、禁止エリアが侵入された場合に警報をトリガまたは実行するために使用され得る。したがって、一般的に、本発明による装置は、建物監視または博物館における監視目的のために使用され得、任意に、他のタイプのセンサと組み合わせて使用され得、例えば、モーションセ増強装置または画像強調装置および/または光電子増倍管と組み合わせて使用され得る。さらに、本発明による装置は、公共空間または混雑した空間において使用され、潜在的に危険な活動、例えば、駐車場における盗難などのような犯罪行為、または、空港における持ち主不明の手荷物などのような、持ち主不明の物体の検出が可能である。
【0359】
さらに、本発明による装置は、ビデオおよびカムコーダ用途などのカメラ用途において有利に適用され得る。したがって、本発明による装置は、モーションキャプチャおよび3Dムービー記録のために使用され得る。その中で、本発明による装置は、一般的に、従来の光学的なデバイスを上回る多数の利点を提供する。したがって、本発明による装置は、一般的に、光学コンポーネントに関して、より低い複雑さを必要とする。したがって、例として、レンズの数は、例えば、1つのレンズだけを有する本発明による装置を提供することなどによって、従来の光学的な装置と比較して低減され得る。複雑さを低減しているため、例えば、モバイルの用途などの非常にコンパクトな装置が可能である。高品質の2つ以上のレンズを有する従来の光学システムは、体積の大きいビームスプリッタの一般的な必要性に起因して、一般的に体積が大きい。さらに、本発明による装置は、一般的に、オートフォーカスカメラなどのような、フォーカス/オートフォーカスデバイスのために使用され得る。さらに、本発明による装置は、また、光学顕微鏡において、特に、共焦点顕微鏡において使用され得る。
【0360】
さらに、本発明による装置は一般的に、自動車技術および輸送技術の技術分野においても適用可能である。このように、一例として、本発明による装置は例えば適応型クルーズコントロール、非常用ブレーキアシスト、車線離脱警告、サラウンドビュー、死角検出、交通標識検出、交通標識認識、車線認識、後部横断通行警告、接近する交通量または前方に走行する車両に応じてヘッドライトの強度と範囲を調整するための光源認識、適応型フロントライトシステム、ハイビームヘッドライトの自動制御、フロントライトシステムの適応型カットオフライト、防眩フロントライトシステム、ヘッドライト照射による動物または障害物などのマーキング、後部横断通行警告、高度運転者支援システムなどおよび他の運転者支援システムまたは他の自動車および交通用途などのための距離センサおよび監視センサとして使用され得る。さらに、本発明による装置は、特に衝突回避のために運転者の操縦を事前に予測するように適合され得る運転者支援システムに使用され得る。さらに、本発明による装置は、本発明による検出器を使用することによって得られる位置情報の第1および第2の時間微分を分析することなどによって、速度および/または加速度の測定にも使用され得る。この特徴は一般的に、自動車技術、輸送技術または全般的交通技術に適用可能である。他の分野の技術への応用も実現可能である。車室内測位システムにおける具体的用途として、輸送における乗客の位置の検出、より具体的にはエアバッグなど安全システムの使用の電子制御が挙げられる。エアバッグの使用によって深刻な怪我を引き起こすような乗客の車両内での位置の場合には、エアバッグの使用を防止することができる。さらに、乗り物、例えば自動車、電車、航空機など、特に自律走行車において、本発明による装置は、運転者が交通に注意を配っているか、または気が散っているか、眠気があるか、または疲労があるか、またはアルコールなどの消費が原因で運転ができない状態かどうかの判定に使用することができる。
【0361】
これらの用途または他の用途では、一般的に、本発明による装置は、独立型装置としてあるいは他のセンサ装置と組み合わせて、例えば、レーダーおよび/または超音波デバイスと組み合わせて使用され得る。具体的には、本発明による装置は、自動運転および安全性問題に関して使用され得る。さらに、これらの用途では、本発明による装置は、赤外線センサ、音波センサであるレーダーセンサ、2次元カメラ、または、他のタイプのセンサと組み合わせて使用され得る。本発明による装置の一般的に受動的な性質は有利である。このように、本発明による装置は一般的に信号を放出する必要がないため、能動的センサ信号が他の信号源と干渉するリスクを回避することができる。本発明による装置は特に標準的な画像認識ソフトウェアなど、認識ソフトウェアと組み合わせて使用され得る。このように、本発明による装置によって提供される信号およびデータは典型的に、容易に処理可能であり、したがって一般的に、計算能力に対する要求は、確立された3D測定システムよりも低い。低い空間需要を考えると、カメラのような本発明による装置は、例えば、窓スクリーンの上または後ろ、フロントフード上、バンパー上、ライト上、ミラー上、または他の場所など、車両内の事実上あらゆる場所に配置することができる。本発明による様々な検出器、例えば本発明の範囲内に開示された効果に基づく1つまたは複数の検出器は、自律的な運転を可能にするため、または能動的な安全コンセプトの性能を向上させるために組み合わせることができる。したがって、本発明による様々な装置は、本発明による1つまたは複数の他の装置および/または従来のセンサ、例えば後部窓、側部窓または前部窓のような窓の中、バンパー上またはライト上などにおいて組み合わせることができる。
【0362】
本発明による少なくとも1つの検出器のような本発明による少なくとも1つの装置と、1つまたは複数の雨検出センサとの組み合わせも可能である。これは、本発明による装置が一般にレーダーのような従来のセンサ技術より、特に大雨の間に有利であるという事実による。本発明による少なくとも1つの装置とレーダーなどの少なくとも1つの従来の感知技術との組み合わせは、ソフトウェアが気象条件に応じて信号の適切な組み合わせを選択させることができる。
【0363】
さらに、本発明による装置は一般的に、ブレーキアシストおよび/またはパーキングアシストおよび/または速度測定のためにも使用され得る。速度測定は、車両と一体化または車両の外部において使用されることが可能であり、例えば交通管制における他の自動車の速度を測定するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、駐車場で空き駐車スペースを検出するためにも使用され得る。
【0364】
さらに、本発明による装置は、医療システムおよびスポーツの分野でも使用され得る。したがって、医療技術分野において例えば内視鏡で使用される手術用ロボットが挙げられるが、なぜなら上記で概説したように、本発明による装置は少ない容量しか必要とせず、他の装置に一体化することができるからである。具体的に、せいぜい1つのレンズを有する本発明による装置は、内視鏡など医療用装置において3D情報を取り込むために使用され得る。さらに、本発明による装置は、運動の追跡および分析を可能にするために、適切なモニタリングソフトウェアと組み合わされ得る。これにより、内視鏡や外科用メスなどの医療用装置の位置を磁気共鳴画像法、X線撮像、または超音波撮像から得られるような医療画像からの結果と即座に重ね合わせることができる。これらの用途は具体的に、例えば脳手術および遠隔診断および遠隔治療など、精密な位置情報が重要となる医療処置において有益である。さらに、本発明による装置は、3Dボディスキャンにも使用され得る。ボディスキャンは医療分野において、歯科手術、形成手術、肥満手術または美容整形手術などに適用され得るか、あるいは筋膜疼痛症候群、癌、身体醜形傷害または他の疾患などの医療診断分野に適用され得る。ボディスキャンはさらに、スポーツ用具の人間工学的な使用または適合を評価する目的で、スポーツ分野でも適用され得る。さらに、本発明による装置は、ウェアラブルロボット、例えば外骨格または人工補綴物に使用することができる。
【0365】
ボディスキャンはさらに、衣類の文脈において、例えば衣類の適切なサイズやフィット感の判定にも使用され得る。この技術はテーラーメードの衣類の文脈で、あるいはインターネットまたはセルフサービスのショッピング装置、例えばマイクロキオスク装置または顧客コンシェルジュ装置などから注文した衣類または履物の文脈で使用され得る。衣類の文脈におけるボディスキャンは、しっかりと正装した顧客を走査するために特に重要である。
【0366】
さらに、本発明による装置は、人数計数システムの文脈において、例えばエレベーター、列車、バス、乗用車、または航空機内の人数の計数、あるいは玄関、扉、通路、小売店舗、スタジアム、娯楽会場、博物館、図書館、公共の場所、映画館、劇場などを通過する人数を計数するために使用され得る。さらに、人数計数システムにおける3D機能は、計数される人々に関する詳細情報、例えば身長、体重、年齢、体力などの情報を取得または推定するために使用され得る。この情報は、ビジネスインテリジェンス測定基準向けに、および/または人々が数えられ得る局所をさらに最適化し、それをより魅力的で安全にするために使用され得る。小売環境において、人数計数の文脈における本発明による装置は、再来店顧客または横切る買物客を認識、買物行動の評価、購入する来訪者の割合の評価、スタッフのシフトの最適化、あるいはショッピングモールにおける来訪者1人当たりコストのモニタリングなどに使用され得る。さらに、人数計数システムは身体計測調査にも使用され得る。さらに、本発明による装置は公共輸送システムにおいて、輸送距離に応じた自動運賃課金にも使用され得る。さらに、本発明による装置は子どもの遊び場において、負傷した子どもまたは危険な活動に関わっている子どもを認識するために使用され得、遊び場の玩具とのさらなる相互作用を可能にし、遊び場の玩具などの安全な使用の確保等にも使用され得る。
【0367】
さらに、本発明による装置は建設用具、例えば物体または壁までの距離を判定し、表面が平面かどうかを評価し、物体を正しい順番で整列または配置するための距離計、あるいは建設環境などで使用するための検査用カメラにおいて使用され得る。
【0368】
さらに、本発明による装置は例えばトレーニング、遠隔指導または競技目的などのスポーツおよび運動の分野でも適用され得る。具体的に、本発明による装置は、ダンス、エアロビクス、フットボール、サッカー、バスケットボール、野球、クリケット、ホッケー、陸上競技、水泳、ポロ、ハンドボール、バレーボール、ラグビー、相撲、柔道、フェンシング、ボクシング、ゴルフ、カーレース、レーザタグ、戦場シミュレーションなどの分野でも適用され得る。本発明による装置は、スポーツと試合の両方において、ボール、バット、剣、動きなどの位置を検出するために使用され得、例えば、試合の監視、審判の支援、または判断、特にスポーツにおける特定の状況の自動判断、例えばポイントまたはゴールが実際に行われたかどうかを判定するために、使用され得る。
【0369】
さらに、本発明による装置は自動車レースまたは自動車運転訓練または自動車の安全性の訓練などの分野において、自動車の位置または自動車の進路、あるいは前の進路または理想的な進路からの逸脱などを判定するために使用され得る。
【0370】
本発明による装置はさらに、楽器の練習の補助、特に遠隔レッスンをサポートするために使用され得、例えば弦楽器のレッスン、例えばフィドル、バイオリン、ビオラ、チェリー、ベース、ハープ、ギター、バンジョー、またはウクレレなど、鍵盤楽器、例えば、ピアノ、オルガン、キーボード、ハープシコード、ハーモニウムまたはアコーディオンなど、および/または打楽器、例えば、ドラム、ティンパニ、マリンバ、木琴、ビブラホン、ボンゴ、コンガ、ティンバー、ジャンベまたはタブラなどのレッスンをサポートするためにさらに使用され得る。
【0371】
本発明による装置はさらに、リハビリテーションおよび理学療法においても、トレーニングを促進するために、および/または動きを調査して修正するために使用され得る。この場合、本発明による装置は遠隔診断にも適用され得る。
【0372】
さらに、本発明による装置はマシンビジョンの分野でも適用され得る。したがって、1つまたは複数の本発明による装置を、例えば自律運転および/またはロボットの作業用の受動的制御ユニットとして使用することができる。移動ロボットと組み合わせることにより、本発明による装置は、自律的な移動および/または部品の不具合の自律的な検出を可能にし得る。本発明による装置は、例えばロボットと製造部品と生物との間での事故、衝突を含むがそれに限定されない事故を回避するために、製造および安全性の監視にも使用され得る。ロボット工学では、ロボットが人間を認識しないと人間に深刻な傷を負わせるおそれがあることから、人間とロボットの安全で直接的な相互作用がしばしば問題となる。本発明による装置は、ロボットがより良くかつ迅速に物体や人間の位置を確認するのに役立ち、安全な対話を可能にし得る。本発明による装置の受動的性質を考えると、本発明による装置は能動的な装置よりも有利であり、および/または、既存のレーダー、超音波、2Dカメラ、IR検出などの現存する解決法を補完するために使用することができる。本発明による装置における1つの特有の利点は、信号干渉の可能性が低いことである。したがって、信号干渉のリスクを伴わずに複数のセンサが同じ環境で同時に、作動し得る。このように、本発明による装置は、一般的に、例えば、それに限定されないが、自動車、採鉱、鉄鋼などのような、高度に自動化された生産環境において有用である可能性がある。本また、本発明による装置は、生産における品質制御のために使用され得、例えば、品質制御または他の目的のために、例えば2D撮像、レーダー、超音波、IRなど他のセンサと組み合せて使用され得る。さらに、本発明による装置は、マイクロメートル範囲からメートル範囲まで、製品の表面の均一性または規定寸法の順守調査のためなど、表面品質の評価に使用することができる。他の品質管理用途も実現可能である。製造環境において、本発明による装置は、大量の廃棄物を避けるために、食品または木材など複雑な三次元構造を有する天然物を加工するために特に有用である。さらに、本発明による装置は、タンクやサイロなどの充填レベルを監視するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、欠落部品、不完全な部品、緩んでいる部品、または低品質部品の検査などの複雑な製品検査に使用され得、例えば自動光学検査で、例えばプリント回路基板に関連する検査、組立品または部分組立品の検査、工学的構成要素の検証、エンジン部品検査、木材品質検査、ラベル検査、医療機器検査、製品配向検査、包装検査、食品包装検査などに使用され得る。
【0373】
さらに、本発明による装置は車両、列車、航空機、船舶、宇宙船および他の交通用途にも使用され得る。このように、交通用途の文脈においては上述の用途に加え、航空機や車両などのための受動型追跡システムも挙げることができる。本発明による少なくとも1つの装置の使用、例えば移動中の物体の速度および/または方向を監視するために、本発明による少なくとも1つの検出器を使用することは実現可能である。具体的に、陸地、海および宇宙空間を含む空における高速移動中の物体の追跡が挙げられる。本発明による少なくとも1つの装置、例えば発明による少なくとも1つの検出器は、具体的に、固定型および/または移動型の装置に取り付けることができる。本発明による少なくとも1つの装置の出力信号は、例えば他の物体の自律移動または誘導移動のための誘導機構と組み合わせることができる。したがって、衝突を回避するための用途、または、追跡物体と操作物体の間で衝突を可能にするための用途も実行可能である。追跡物体と操作物体の間で衝突を回避するためまたは衝突を可能にするための用途が実現可能である。本発明による装置は、要求される計算能力が低いことと、応答が速いことに起因して、および、例えばレーダーなど能動型システムと比較して検出および妨害がより困難な検出システムの受動的性質に起因して、一般的に有用かつ有利である。本発明による装置は、例えば速度制御装置や航空交通制御装置に特に有用であるが、これらに限られるわけではない。さらに、本発明による装置は、道路課金に関する自動料金徴収システムで使用され得る。
【0374】
本発明による装置は、一般に受動的用途に使用することができる。受動的な用途としては、港や危険な場所にある船舶、および着陸時または発進時の航空機に対するガイダンスがある。この場合、精密な誘導のため、固定型の既知の能動的標的が使用され得る。鉱山用車両など、危険であるが明白に定められているルートを走行する車両にも同じものを使用することができる。さらに、本発明による装置は、自動車、列車、飛行物体、動物など、急速に接近する物体の検出にも使用され得る。さらに、本発明による装置は、物体の速度または加速度を検出するため、あるいは、時間に応じて、その位置、速度、および/または加速度のうちの1つまたは複数を追跡することにより物体の動きを予測するために使用できる。
【0375】
さらに、上で概説したように、本発明による装置はゲーミングの分野で使用することができる。したがって、本発明による装置は、動きをその内容に組み込むソフトウェアと組み合わせた動きの検出など、同じまたは異なるサイズ、色、形状などの複数のオブジェクトとともに使用するために受動的であり得る。特に、アプリケーションは、グラフィック出力へ動きを実行するのに適している。さらに、例えば、ジェスチャ認識または顔認識のために本発明による装置のうちの1つまたは複数を使用することなどによって、コマンドを与えるための本発明による装置の用途も実行可能である。本発明による装置は、暗い場所や周囲の状況を改善する必要があるその他の状況の下で動作するために能動型システムと組み合わせることができる。追加的または代替的に、本発明による1つまたは複数の装置と1つまたは複数のIRまたはVIS光源との組み合わせが可能である。本発明による検出器と特別な装置との組み合わせもまた可能であり、該組み合わせは、システムおよびそのソフトウェアにより、限定されないが例えば、特別な色、形状、他の機器との相対位置、動きの速さ、光、装置の光源を変調するために使用される周波数、表面特性、使用材料、反射特性、透明度、吸収特性などにより容易に区別される。該装置は、他の可能性の中でも特に、スティック、ラケット、クラブ、銃、ナイフ、ホイール、指輪、ステアリングホイール、ボトル、ボール、ガラス、花瓶、スプーン、フォーク、立方体、サイコロ、フィギュア、人形、テディ、ビーカー、ペダル、スイッチ、グローブ、宝石、楽器、または、楽器を演奏するための補助装置、例えば、ピック、ドラムスティックなどに似ていることが可能である。他の選択肢も可能である。
【0376】
さらに、本発明による装置は、例えば、高温またはさらなる発光プロセスなどにより、それ自体で発光する物体を検出および/または追跡するために使用することができる。発光部は、排気流などであってもよい。さらに、本発明による装置は、反射物体を追跡し、これらの物体の回転または配向を分析するために使用することができる。
【0377】
さらに、本発明による装置は、一般に、建築、建設および地図作成の分野で使用することができる。したがって、一般に、本発明による1つまたは複数の装置は、例えば田舎や建物の環境領域を測定および/または監視するために使用することができる。その中で、本発明による1つまたは複数の装置は、他の方法および装置と組み合わせるか、あるいは単独で、建築プロジェクト、変化す物体、家などの進捗および正確さを監視するために使用されてもよい。本発明による装置は、部屋、街路、家、コミュニティまたは風景の地図を構築するために、地上または空中から走査された環境の三次元モデルを生成するために使用され得る。潜在的可能な適用分野は、建築、地図作成、不動産管理、土地調査などであり得る。一例として、本発明による装置はドローンやマルチコプターを使用し、建物、生産拠点、煙突、畑などの農業生産環境、生産プラントまたは風景を監視するために、救助活動を支援するために、危険な環境での仕事を支援するために、屋内または屋外の燃える場所で消防隊を支援するために、1人以上の人や動物などを見つけたり監視したりするために、あるいは、スキーやサイクリングなどのスポーツをしている1人または複数の人を、例えばドローンが追従して記録するなど、ヘルメット、マーク、ビーコン装置などを追従することによって実現可能な娯楽目的のために使用することができる。本発明による装置は、障害物を認識すること、所定の経路を追従すること、エッジ、パイプ、建物などを追従すること、または環境の地球なまたは地域の地図を記録することに使用することができる。さらに、本発明による装置は、室内または屋外でのドローンの位置特定および位置決めのため、気圧センサが十分に正確でない屋内でドローンの高さを安定させるため、またはいくつかのドローンの協調運動や空中での充電または燃料補給など複数のドローンの相互作用のために使用することができる。
【0378】
さらに、本発明による装置は、CHAIN(Cedec Home Appliances Interoperationg Network)などのような、家庭用電気製品の相互接続ネットワークの中で使用され得、家庭での基礎的な電気製品関連のサービス、例えば、エネルギーまたは負荷管理、遠隔診断、ペット関連の電気製品、子供関連の電気製品、子供監視、電気製品関連の監視、高齢者または病人に対するサポートもしくはサービス、ホームセキュリティ、および/または、監視、電気製品動作の遠隔制御、および、自動的なメンテナンスサポートを相互接続し、自動化し、および制御するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、空気調節システムなどのような加熱または冷却システムにおいて使用され得、特に、1つまたは複数の人の場所に応じて、部屋のどの部分が特定の温度または湿度にするかを特定するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、家事に使用することができるサービスロボットまたは自律型ロボットなど、家庭用ロボットにおいても使用され得る。本発明による装置は、複数の異なる目的のために使用され得、例えば、衝突を回避したり、または、環境地図の作成に使用されるだけでなく、ユーザを識別し、所与のユーザに関して、セキュリティ目的に関して、または、ジェスチャ認識もしくは顔の認識に関して、ロボットの性能をパーソナル化するために使用され得る。一例として、本発明による装置は、ロボット掃除機、床洗浄ロボット、乾拭きロボット、衣類のアイロン掛け用ロボット、犬や猫のトイレ砂ロボットなどの動物用トイレロボット、電気自動車用充電ロボット、侵入者を検出するセキュリティロボット、芝刈り機ロボット、自動化されたプールクリーナー、雨樋清掃ロボット、ロボットショッピングカート、荷物運搬ロボット、ライン追従ロボット、洗濯ロボット、アイロンロボット、窓掃除ロボット、おもちゃのロボット、患者監視ロボット、赤ちゃん監視ロボット、高齢者監視ロボット、子供監視ロボット、搬送ロボット、テレプレゼンスロボット、専門サービスロボット、プログラム可能なおもちゃのロボット、パスファインダーロボット、動くことの少ない人々に交わりを提供するソーシャルロボット、ロボットに追従するスマートカード、心理療法のロボット、または、スピーチを手話に、または、手話をスピーチに変換するロボット、において使用され得る。高齢者などのような、動くことの少ない人々の文脈において、本発明による装置を有する家庭用ロボットは、物体の拾上げ、物体の運搬、そして物体やユーザとの安全な方法での相互交流のために使用され得る。さらに、本発明による装置は、人型ロボットに使用することができ、特に物体を拾い上げる、保持する、または配置するために人型ロボットの手を使用するという文脈において使用することができる。さらに、本発明による装置は、オーディオインターフェースと組み合わせて、特にオンラインまたはオフラインのコンピュータアプリケーションへのインターフェースを備えたデジタルアシスタントとして機能することができる家庭用ロボットと組み合わせて使用することができる。さらに、本発明による装置は、工業用および家庭用の目的でスイッチおよびボタンを制御することができるロボットに使用することができる。さらに、本発明による装置は、スマートホームロボット、例えばメイフィールドのKuriなどに使用することができる。さらに、本発明による装置は、有害な材料もしくは対象物とともに動作し、または、危険な環境において動作する、ロボットにおいて使用され得る。非限定的な例として、本発明による装置は、ロボットまたは無人の遠隔制御された車両において使用され得、特に災害の後に、化学物質または放射性物質などの有害物質とともに動作し、または、地雷もしくは不発弾などのような、他の有害な対象物、または、潜在的に有害な対象物と共に動作し、あるいは、鉱山、不発弾などの他の危険または潜在的に危険な物体と共に、または例えば、焼失物の近くや被災地の近く、あるいは空中、海中、地下などでの有人または無人の救助活動など安全でない環境において動作し、安全でない環境を調査する。
【0379】
さらに、本発明による装置は、例えば崩壊、スラブ、収縮、非対称、局所的な欠陥などを認識するためなどに、接着剤ビード、封止ビードなどの検査に使用することができる。さらに、本発明による装置は、例えばコンベアベルト上のドライフルーツが、例えば色および形状が類似している果実が互いに直接接触している場合などの困難な状況において、物体を数えるために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、ダイカストまたは射出成形部品の品質管理に使用することができ、例えば完璧な鋳造または成形を確実にするため、表面の損傷、工具の磨耗などを認識するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、品質管理およびレーザの位置決めなどのレーザスクライビングに使用することができる。さらに、本発明による装置は、分類システムに使用することができ、例えば、物体の位置、回転、および形状を検出し、それを物体のデータベースと比較し、物体を分類することに使用することができる。さらに、本発明による装置は、スタンピング部品検査、食品および医薬品の包装検査などの包装検査、フィラメント検査などに使用することができる。
【0380】
さらに、本発明による装置は、全地球測位システム(GPS)が十分に信頼できないところにおけるナビゲーション目的に使用することができる。GPS信号は一般的に、屋内または屋外の樹木限界下の渓谷または森では遮断されているか受信が困難である電波を使用する。さらに、特に無人の自律走行車両では、システムの重量が重要になり得る。特に無人自律走行車は、信頼性の高いフィードバックとその制御システムの安定性のために高速位置データを必要とする。本発明による装置を使用することは、装置が重いため重量を増すことなく短時間の応答および位置決めを可能にし得る。
【0381】
さらに、本発明による装置は、家庭用装置、モバイル装置または娯楽装置において使用され得、例えば冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、ブラインドまたはシャッター、家庭用アラーム、空気調節装置、加熱装置、テレビジョン、オーディオ機器、スマートウォッチ、携帯電話、電話、食器洗い機、ストーブなどにおいて使用され得、人の存在を検出し、装置の内容または機能を監視し、人と相互作用しおよび/またはその人に関する情報をさらなる家庭用装置、可動装置や娯楽装置と共有するために使用することができる。
【0382】
さらに、本発明による装置は、高齢者または身体障害者、または視覚が制限または視覚を有しない人を支援するために使用することができ、例えば、家庭であるいは仕事で、例えば、物を保持、運搬、または拾い上げるための装置、あるいは、環境内の障害物を知らせる光信号または音響信号を備えた安全システムに使用することができる。
【0383】
本発明による装置は、農業においてさらに使用され得、例えば害虫、雑草、および/または、感染した作物プラントを完全にまたは部分的に検出および選別し、作物プラントは、菌類または昆虫によって感染する可能性がある。さらに、作物を収穫するために、本発明による装置は、そうでなければ収穫装置によって傷つけられる可能性がある鹿などの動物を検出するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、田畑または温室内の植物の成長を監視するために使用され得、特に、田畑または温室内の所与の領域に関して、または、さらに所与の植物に関して、水または肥料または作物保護製品の量を調節するために使用され得る。さらに、農業バイオテクノロジーにおいて、本発明による装置は、植物のサイズおよび形状を監視するために使用され得る。
【0384】
さらに、本発明による装置は、除草剤の使用を回避するなどのために、機械的手段などを用いて雑草を自動的に除去するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、農業の分野において、作物保護物質または施肥物質を適用するかどうかを決定するなど、適用物質の量を減らすためまたは蜂などの動物の特定のグループを保護するためなど、特に特定の昆虫を検出および/または位置を突き止めるために使用することができる。
【0385】
さらに、本発明による装置は、ひげ剃り、調髪、または化粧品処置などの間にユーザをガイドするために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、バイオリンなどの楽器で演奏されたものを記録または監視するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば、冷蔵庫の内容を監視し、内容に応じて通知を伝送するなど、スマート冷蔵庫などのスマート家電製品に使用することができる。さらに、本発明による装置は、人間、動物、または植物の個体群、例えば、森の中のシカの個体群または木の個体群などを監視または追跡するために使用することができる。さらに、本発明による装置は収穫機に使用することができ、作物、花または果物、例えばブドウ、トウモロコシ、ホップ、リンゴ、穀物、米、イチゴ、アスパラガス、チューリップ、バラ、大豆などの収穫などに使用することができる。さらに、本発明による装置は、植物、動物、藻類、魚などの成長を監視するために使用することができ、例えば、繁殖、食料生産、農業、研究用途などにおいて、灌漑、施肥、湿度、温度、除草剤の使用、殺虫剤の使用、殺菌剤の使用、殺鼠剤の使用などを制御するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、ウシ、ブタ、ネコ、イヌ、鳥、魚などのような動物またはペット用の給餌機に使用することができる。さらに、本発明による装置は、例えば、自動搾乳または精肉処理工程において、牛乳、卵、毛皮、肉などを収集するため、動物製品の製造工程において使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば、トウモロコシ、ニンニク、木、サラダなどを植えるため、自動播種機、または播種機、または植栽機に使用することができる。さらに、本発明による装置は、例えば、雲、霧などの気象現象を評価または監視するため、あるいは雪崩、津波、強風、地震、雷雨などの危険からの警告をするために使用することができる。さらに、本発明による装置は、地震の危険を監視するためなど、作動、衝撃、震動などを測定するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、交通技術において、危険な交差点を監視するため、交通量に応じて信号機を制御するため、公共スペースを監視するため、道路、体育館、競技場、スキー場、公共のイベントなどを監視するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は医療用途に使用することができ、網膜スキャン、呼吸または脈拍測定、胃内視鏡検査、患者監視などのために、例えば、組織、医学的または生物学的アッセイ、ほくろまたはメラノーマなどの組織の変化などをモニタリングまたは分析するため、バクテリア、血球、細胞、藻類などを数えるために使用することができる。さらに、本発明による装置は、例えば風洞などにおいて、液滴、流れ、噴出などの形状、大きさ、または円周を監視するため、または、プロファイルまたは気体または液体の流れを分析、評価、または監視するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、例えば、車や電車の運転手に彼らが病気になったり、または疲れているなどの場合に、警告するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、自動的になど、航海位置を監視し、最適化するために航海において使用されてもよい。さらに、本発明による装置は燃料レベルゲージに使用することができる。
【0386】
さらに、本発明による装置は、化学物質または汚染物質を検出するセンサ、電子嗅覚チップ、バクテリアまたはウイルスなどを検出する微生物センサチップ、ガイガーカウンタ、触覚センサ、熱センサなどと組み合わせることもできる。これは例えば危険または困難な作業を取り扱うよう構成されるスマートロボットの構築に使用され、例えば感染性の高い患者の治療、きわめて危険な物質の取扱いまたは除去、高放射能区域または化学物質漏出など高度汚染区域の浄化、または農業での害虫駆除のために使用され得る。
【0387】
本発明による1つまたは複数の装置はさらに、物体のスキャンのために、例えばCADまたは同様のソフトウェアと組み合わせて、例えば積層造形および/または3Dプリンティング向けにも使用され得る。その中で、本発明による装置の高い寸法精度は、例えばx方向、y方向またはz方向において、またはこれらの方向の任意の組み合わせで、例えば同時に利用され得る。さらに、本発明による装置は例えばパイプライン検査ゲージなど、検査および保守にも使用され得る。さらに、生産環境において、本発明による装置は、悪い所定の形状の対象物、例えば自然に育った対象物、例えば形状またはサイズによって分類された野菜または他の自然物、加工工程に必要とされる精度よりも低い精度で製造された肉または対象物などの切断製品を扱うために使用され得る。
【0388】
さらに、本発明による装置は、ローカルナビゲーションシステムにおいて使用され得、屋内空間または屋外空間を通して、車両またはマルチコプターなどを自律的にまたは部分的に自律的に移動させることを可能にする。非限定的な例は、物体を拾い上げてそれらを異なる場所に設置するための自動化された保管庫を通って移動する車両を含み得る。屋内ナビゲーションは、ショッピングモール、小売店、博物館、空港、または列車の駅においてさらに使用され得、モバイル商品、モバイル装置、手荷物、顧客または従業員の場所を追跡し、または、場所特有の情報、例えば、地図上の現在位置、または、販売された商品に関する情報を、ユーザに供給するに使用され得る。
【0389】
さらに、本発明による装置は、自動二輪車の安全運転を確実にするために使用され得、例えば速度、傾斜、接近中の障害物、道路の凹凸、またはカーブのモニタリングなどによって自動二輪車の運転支援のために使用され得る。さらに、本発明による装置は、列車または路面電車の衝突回避にも使用され得る。
【0390】
さらに、本発明による装置は、ハンドヘルド装置において使用され得、例えば、物流プロセスを最適化するために包装または小包を走査するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、さらにハンドヘルド装置において使用され得、例えば、パーソナルショッピングデバイス、RFIDリーダー、病院または健康環境において使用するため、例えば、医療使用のためのハンドヘルド装置において使用され得、または、患者もしくは患者の健康に関連する情報、または、小売業または健康環境に関するスマートバッジなどを取得し、交換し、または記録するために使用され得る。
【0391】
上記に概説されているように、本発明による装置は、製造用途、品質制御用途、または識別用途において、さらに使用され得、例えば、製品識別またはサイズ識別などにおいて使用され得る(例えば、最適な場所または包装を見つけるために、また、廃棄物を低減させるために使用され得る)。さらに、本発明による装置は、物流の用途において使用され得る。したがって、本発明による装置は、コンテナまたは車両への最適化された積載または梱包のために使用され得る。さらに、本発明による装置は、製造の分野において表面損傷を監視または制御をするために使用され得、レンタル車両などのレンタル対象物を監視または制御をするために使用され得、および/または、保険の用途のために、例えば、損害の査定のために使用され得る。さらに、本発明による装置は、材料、物体、またはツールのサイズを識別するために使用され得、例えば、最適な材料の取り扱いのために、特に、ロボットと組み合わせて使用され得る。さらに、本発明による装置は、生産におけるプロセス制御に関して使用され得、例えば、タンクの充填レベルを観察するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、それに限定されないが、タンク、パイプ、反応器、ツールなどのような、製品資産のメンテナンスのために使用され得る。さらに、本発明による装置は、3D品質マークを分析するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、歯のインレイ、歯列矯正具、補綴物、または衣服などのような、オーダーメイドの商品を製造に使用され得る。本発明による装置は、高速プロトタイピングまたは3Dコピーなどのために、1つまたは複数の3Dプリンタと組み合わせられ得る。さらに、本発明による装置は、例えば、海賊品防止および模倣品防止の目的などのために、1つまたは複数の物品の形状を検出するために使用され得る。
【0392】
したがって、具体的には、本出願は、写真撮影の分野に適用され得る。したがって、検出器は、写真撮影装置の一部であることが可能であり、具体的には、デジタルカメラの一部であることが可能である。具体的には、検出器は、3D写真撮影に関して使用され得、具体的には、デジタル3D写真撮影に関して使用され得る。したがって、検出器は、デジタル3Dカメラを形成することが可能であり、または、デジタル3Dカメラの一部であってよい。本明細書で使用されているように、写真撮影という用語は、一般的に、少なくとも1つの物体の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用されているように、カメラは、一般的に、写真撮影を実施するように適合されている装置である。本明細書でさらに使用されているように、デジタル写真撮影という用語は、一般的に、照射の強度および/または照射の色を示す電気信号、好ましくは、デジタル電気信号を発生させるように適合されている複数の感光要素を使用することによって、少なくとも1つの物体の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用されているように、3D写真撮影という用語は、一般的に、3次元空間的な少なくとも1つの物体の画像情報を取得する技術を表している。したがって、3Dカメラは、3D写真撮影を実施するように適合されている装置である。カメラは、一般的に、単一の3D画像など、単一の画像を取得するために適合され得、または、一連の画像など、複数の画像を取得するように適合され得る。したがって、カメラは、ビデオカメラであることも可能であり、ビデオカメラは、ビデオの用途のために適合され得、例えば、デジタルビデオシーケンスを取得するように適合され得る。
【0393】
したがって、一般的に、本発明は、少なくとも1つの物体を撮像するためのカメラ、具体的には、デジタルカメラ、より具体的には、3Dカメラまたはデジタル3Dカメラを表している。上記に概説されているように、撮像という用語は、本明細書で使用されているように、一般的に、少なくとも1つの物体の画像情報を取得することを表している。カメラは、本発明による少なくとも1つの検出器を含む。カメラは、上記に概説されているように、単一の画像を取得するように適合され得、または、画像シーケンスなどのような、複数の画像を取得するように適合され得、好ましくは、デジタルビデオシーケンスを取得するように適合され得る。したがって、例として、カメラは、ビデオカメラであるか、または、それを含み得る。後者の場合、カメラは、好ましくは、画像シーケンスを記憶するためのデータメモリを含むことが好ましい。
【0394】
本発明の中で使用されているように、「位置」という表現は、一般的に、物体の1つまたは複数の点の絶対的な位置および配向のうちの1つまたは複数に関する少なくとも1つの情報項目を指す。したがって、具体的には、位置は、検出器の座標系において決定され得、例えば、デカルト座標系において決定され得る。しかし、追加的にまたは代替的に、極座標系および/または球面座標系など他のタイプの座標系が使用されてもよい。
【0395】
上記に概説されているように、および、さらに詳細に下記に概説されることになるように、本発明は、好ましくは、ヒューマンマシンインターフェースの分野、スポーツの分野、および/またはコンピュータゲームの分野において適用され得る。したがって、好ましくは、対象物は、スポーツ用品、好ましくは、ラケット、クラブ、バット、衣料品、帽子、靴からなる群から選択され得る。他の実施形態も実行可能である。
【0396】
本明細書で使用されているように、物体は一般的に、生物物体および非生物物体から選択される1つの任意の物体であってもよい。したがって、例として、少なくとも1つの物体は、1つもしくは複数の物品、および/または、1つもしくは複数の物品の部分を含むことが可能である。追加的にまたは代替的に、物体は、1つもしくは複数の生物および/または、1つまたは複数の生物の部分、例えば、ユーザなど人間および/または動物の1つまたは複数の身体の部分であってもよく、または、それを含んでもよい。
【0397】
検出器の座標系であり得る、物体の位置を決定するための座標系に関して、検出器は、座標系を構成することが可能であり、該座標系において、検出器の光軸がz軸を形成し、さらに、その座標系において、追加的に、z軸に対して垂直で、そして互いに対して垂直なx軸およびy軸も設けられ得る。例として、検出器、および/または、検出器の一部は、この座標系の中の特定の点に静止してよい。この座標系において、z軸に対して平行または逆平行の方向は、縦方向とみなされ、また、z軸に沿った座標は、縦方向座標と考えられ得る。縦方向に対して垂直の任意の方向は、横方向と考えられ得、また、x座標および/またはy座標は、横方向座標と考えられ得る。
【0398】
代替的に、他の種類の座標系も使用され得る。したがって、例として、極座標系も使用され得、極座標系において、光軸はz軸を形成し、極座標系において、z軸からの距離および極角度は、追加的な座標として使用され得る。やはり、z軸に対して平行または逆平行の方向は、縦方向と考えられ、また、z軸に沿った座標は、縦方向座標と考えられ得る。z軸に対して垂直の任意の方向は、横方向と考えられ、極座標および/または極角度は、横方向座標と考えられ得る。
【0399】
検出器は、少なくとも1つの物体および/またはその一部の位置に関する少なくとも1つの情報を提供するように構成された装置であり得る。したがって、位置は、好ましくは、検出器の座標系において、物体もしくはその一部の位置を完全に記述する情報項目を指すか、または、位置を部分的にのみ記述する部分的な情報を指し得る。検出器は、一般的に、光ビーム、例えば、ビーコン装置から検出器に向けて伝播する光ビームなどを検出するように適合された装置であり得る。
【0400】
評価装置および検出器は、完全にまたは部分的に単一の装置に完全にまたは部分的に一体化され得る。したがって、一般的に、評価装置も、検出器の一部を形成することが可能である。代替的に、評価装置および検出器は、別々の装置として完全にまたは部分的に具体化され得る。検出器はさらなる構成要素を含み得る。
【0401】
検出器は、据置型装置またはモバイル装置でよい。さらに、検出器は、独立型装置でもよく、またはコンピュータ、車両もしくは他の任意の装置などの別の装置の一部を形成してもよい。さらに、検出器はハンドヘルド装置でもよい。検出器の他の実施形態も可能である。
【0402】
検出器は、具体的には、プレノプティックカメラまたはライトフィールドカメラに匹敵する、検出器のレンズまたはレンズシステムの後ろのライトフィールドを記録するために使用され得る。したがって、具体的には、検出器は、例えば同時に、複数の焦点面の中の画像を取得するように適合されたライトフィールドカメラとして具体化され得る。本明細書で使用されているように、ライトフィールドという用語は、一般的に、インサイドカメラなどのような検出器の内側の光の空間的光伝播を指す。本発明による検出器は、具体的には、光センサのレイヤセットアップを有し、検出器またはカメラの中に、例えば、レンズの後ろなどに、ライトフィールドを直接的に記録する能力を有することが可能である。複数のセンサは、レンズから異なる距離において画像を記録することが可能である。例えば、「デプス-フローム-フォーカス」または「デプス-フローム-デフォーカス」などの畳み込みに基づくアルゴリズムを使用して、レンズの後ろの光の伝播方向、焦点、および広がりをモデル化することができる。レンズの後ろの光のモデル化された伝播から、レンズに対するさまざまな距離での画像の抽出、被写界深度の最適化、さまざまな距離での焦点の合っている写真の抽出がされ、または、物体の距離が計算され得る。さらなる情報が抽出され得る。
【0403】
いくつかの光センサの使用は、画像を記録した後の画像処理工程において、レンズエラーを補正することをさらに可能にする。光学機器は、レンズエラーを補正する必要がある場合、高価になり構築が難しいことが多い。これらは、特に、顕微鏡および望遠鏡において問題がある。顕微鏡では、典型的なレンズエラーは、光軸に対して異なる距離の光線が異なって歪められるというものである(球面収差)。望遠鏡では、焦点を変化させることは、大気中の変化する温度から起こり得る。球面収差または製造からのさらなる誤差などの静的誤差は、較正工程におけるエラーを決定することによって、ならびに、次いで、ピクセルおよびセンサの固定されたセットなど固定された画像処理を使用することによって、または、光伝播情報を使用するより入り組んだ処理技法を使用することによって、球面収差などのような静的エラー、または、生産からのさらなるエラーが補正され得る。レンズエラーが、時間依存性が強く、すなわち、望遠鏡において天候条件に依存する場合、レンズエラーは、レンズの後ろの光伝播を使用することによって、拡大された被写界深度画像を計算することによって、デプス-フローム-フォーカス技法およびその他を使用することによって、補正され得る。
【0404】
本発明による検出器は、色検出をさらに可能にし得る。色検出のために、異なるスペクトル特性を有する複数の光センサを使用してもよく、これらの光センサのセンサ信号を比較してもよい。さらに、本発明による装置はジェスチャ認識の文脈で使用され得る。この文脈で、ジェスチャ認識と本発明による装置の組み合わせは、特に、身体、身体部位または物体の動きを介して情報をマシンに伝送するためのヒューマンマシンインターフェースとして使用され得る。本発明では、情報は好ましくは、手または手の部位、例えば指などの動きを介して、特に物体を指さすことによって、例えば聴覚障害者のために手話に利用すること、数字、承認、不承認などのサインをすることなど、手を振ることによって、誰かに近づくこと、離れること、人に挨拶すること、物を押すこと、物を取ることなどを頼む場合、あるいはスポーツや音楽の分野では、ウォームアップなど手または指の運動において、伝送され得る。さらに、情報は、例えばスポーツ、音楽、例えば娯楽、エクササイズ、または機械の機能訓練などを目的とする場合において、腕または脚の動き、例えば腕や足や両腕や両足や腕と足の組合せによる回転、蹴り、掴み、ねじり、回転、スクロール、ブラウジング、押し、曲げ、パンチ、揺すりによって伝送される。さらに、情報は全身または身体の主要部位の動作、例えばジャンプ、回転、あるいは例えば空港職員または交通警察によって情報を伝送するために使用される手話など、例えば「右折」、「左折」、「進め」、「徐行」、「停車」、「エンジン停止」などの情報を伝送するための複雑なサインを作ることによって、あるいは泳ぐ真似、飛び込む真似、走る真似、射撃する真似などによって、あるいはヨガ、ピラティス、柔道、空手、ダンス、またはバレエなどにおける複雑な動きまたは身体位置によって伝送され得る。さらに、情報は、例えば、コンピュータプログラムで仮想ギターの機能を制御するためにモックアップギターを使用すること、コンピュータプログラムで仮想ギター機能を制御するために本物のギターを使用すること、電子書籍を読んだり、仮想ドキュメントにおいてページを移動したり、閲覧したりするために実際の書籍またはモックアップ書籍を使用すること、コンピュータプログラムで描画するために本物のペンまたはモックアップペンを使用することなど、モックアップ装置に対応する仮想装置を制御するために、本物の装置またはモックアップ装置を使用して情報を送信することができる。さらに、情報の伝送は例えば音、振動または動きなど、ユーザへのフィードバックに連動され得る。
【0405】
音楽および/または楽器の文脈において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、練習目的、楽器の制御、楽器の録音、モックアップ楽器の使用による、またはエアギターを演奏するなど単に楽器の存在を装うことによる音楽の演奏または録音のために、または例えば、ノイズを回避するため、または録音を行うため、または仮想オーケストラ、アンサンブル、バンド、ビッグバンド、聖歌隊など指揮のため、練習、運動、記録、または娯楽目的などで、使用され得る。
【0406】
さらに、安全性および監視の文脈において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、例えば歩行または身体の動きによる人の認識など、人の動作プロファイルを認識するために使用され、または、本人確認のサインや本人確認の動きなどアクセスまたは認証制御としての手のサインまたは動き、または、身体部分または全身のサインまたは動きの認識に使用され得る。
【0407】
さらに、スマートホーム用途またはモノのインターネットの文脈において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、家電製品および/または家庭用装置、例えば冷蔵庫、セントラルヒーティング、空調、電子レンジ、製氷機または湯沸かし器など、あるいは娯楽装置、例えばテレビジョンセット、スマートフォン、ゲームコンソール、ビデオレコーダー、DVDプレーヤ、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、またはこれらの組み合わせ、または家庭用装置と娯楽装置の組み合わせを相互に接続するネットワークの一部である家庭用装置、の中央制御または非中央制御用に使用されことができる。
【0408】
さらに、仮想現実または拡張現実の環境において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、仮想現実アプリケーションまたは拡張現実アプリケーションの動きまたは機能の制御、例えばサイン、ジェスチャ、身体の動きまたは身体部位の動きなどを使用するゲームのプレイまたは制御、仮想世界の中での移動、仮想物体の操作、スポーツ、芸術、工芸、ボール、チェス駒、碁石、楽器、道具、ブラシなど仮想物体を使用した音楽またはゲームにおけるプレイおよび制御などに使用され得る。
【0409】
さらに、医療の文脈において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、リハビリテーション訓練、遠隔診断のサポート、または手術もしくは治療をモニタリングまたは調査し、医療画像を医療装置の位置に重ねて表示すること、例えば、磁気共鳴断層撮影法またはX線撮影などからの予め記録された医用画像を、外科手術または治療中に記録された内視鏡または超音波などからの画像と重ねて表示することに使用され得る。
【0410】
さらに、製造および工程自動化の文脈において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、プログラミング、制御、製造、操作、補修または教示など、ロボット、ドローン、無人自律車両、サービスロボット移動可能物体などを制御、教示、またはプログラム、あるいは安全上の理由、または保守目的のためなどの物体または領域の遠隔操作に使用され得る。
【0411】
さらに、ビジネスインテリジェンスメトリクスの文脈において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、人数計数、顧客の動向調査、顧客が時間を費やすエリア、オブジェクト、顧客テスト、売上高、プローブ調査などに使用することができる。
【0412】
さらに、本発明による装置は日曜大工またはプロ用の道具の文脈において、特に電動式またはモータ駆動式または動力工具、例えばドリル機械、鋸、のみ、ハンマー、レンチ、ステープルガン、ディスクカッター、金属鋏および金属ニブラー、アングルグラインダー、ダイグラインダー、ドリル、ハンマードリル、ヒートガン、レンチ、サンダース、彫刻機、釘打機、糸鋸、ビスケットジョイナー、木材ルーター、かんな、ポリッシャー、タイルカッター、ワッシャ、ローラー、ウォールチェイサー、旋盤、イパクトドライバー、ジョインター、塗装用ローラー、スプレーガン、モーティマー、または溶接機などに、特に製造時の精度補助、最低または最大距離の維持、または安全対策のために目的に使用され得る。
【0413】
さらに、本発明による装置は視覚障害者を補助するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、小売環境、医療用途、生産環境などで使用される可能性がある衛生上の理由などで直接環境を回避するためにタッチスクリーンで使用することができる。さらに、本発明による装置は農業生産環境において、例えば安定洗浄ロボット、採卵機、搾乳機、収穫機、農機具、刈り取り機、フォワーダ、コンバイン収穫機、トラクター、耕運機、鋤、石抜き機、馬鋤、ストリップティル、ばらまき機、ジャガイモ種蒔き機などの種蒔き機、肥料拡散機、噴霧器、スプリンクラーシステム、スワサー、ベイラ-、ローダー、フォークリフト、芝刈り機などに使用され得る。
【0414】
さらに、本発明による装置は、子供または障害者など、コミュニケーション能力または可能性が限られている人または動物のための、衣類、靴、眼鏡、帽子、人工補綴物、歯列矯正具を選択および/または適合に使用できる。さらに、本発明による装置は倉庫、物流、流通、輸送、荷物の積み降ろし、スマート製造、インダストリー4.0などの文脈で使用され得る。さらに、製造の文脈では、本発明による装置は加工、分注、曲げ加工、材料処理などの文脈で使用され得る。
【0415】
評価装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つまたは複数の集積回路、および/または、1つまたは複数のデータ処理装置、例えば、1つまたは複数のコンピュータ、好ましくは1つまたは複数のマイクロコンピュータ、および/または、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルアレイ、またはデジタルシグナルプロセッサであるか、またはこれらを含み得る。および/またはマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルアレイ、またはデジタルシグナルプロセッサ。付加的な構成要素が含まれてもよく、例えば1つまたは複数の前処理装置および/またはデータ取得装置、例えば1つまたは複数のセンサ信号の受信および/または前処理を行う装置、例えば1つもしくは複数のAD変換器および/または1つもしくは複数のフィルタを含み得る。さらに、評価装置は1つまたは複数の測定装置、例えば電流および/または電圧を測定する1つまたは複数の測定装置を含んでもよい。さらに、評価装置は、1つまたは複数のデータ記憶装置を含み得る。さらに、評価装置は、1つもしくは複数の無線インターフェースおよび/または1つもしくは複数の有線インターフェースなど、1つまたは複数のインターフェースを含んでもよい。
【0416】
少なくとも1つの評価装置は、本発明による方法における1つまたは複数またはさらにすべての方法ステップを実行または補助するように適合される少なくとも1つのコンピュータプログラムなど、少なくとも1つのコンピュータプログラムを実行するように適合され得る。一例として、1つまたは複数のアルゴリズムは、センサ信号を入力変数として使用することによって物体の位置を決定するよう実装され得る。
【0417】
評価装置は、少なくとも1つのさらなるデータ処理装置に接続され得、または、それを含み得、少なくとも1つのさらなるデータ処理装置は、光センサおよび/または評価装置によって得られる情報など、情報を表示すること、可視化すること、分析すること、配布すること、通信すること、または、さらに処理することのうちの1つまたは複数のために使用され得る。データ処理装置は、例として、ディスプレイ、プロジェクタ、モニタ、LCD、TFT、ラウドスピーカ、マルチチャネルサウンドシステム、LEDパターン、または、さらなる可視化装置のうちの少なくとも1つに接続され得、または、それを組み込むことができる。それは、通信装置または通信インターフェース、コネクタまたはポートのうちの少なくとも1つにさらに接続され得、または、それを組み込むことが可能であり、それは、Eメール、テキストメッセージ、電話、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線またはインターネットインターフェース、ポートまたは接続部のうちの1つまたは複数を使用して、暗号化された情報または暗号化されていない情報を送ることができる。それは、さらに、プロセッサ、グラフィックプロセッサ、CPU、Open Multimedia Applications Platform(OMAP(商標))、集積回路、Apple AシリーズまたはSamsung S3C2シリーズの製品、マイクロコントローラ、またはマイクロプロセッサなどのシステム-オン-チップ、1つまたは複数のメモリブロック、例えば、ROM、RAM、EEPROM、またはフラッシュメモリなど、タイミング供給源、例えば、発振器もしくは位相同期ループ、カウンタタイマ、リアルタイムタイマ、またはパワーオン-リセット-ジェネレーターなど、電圧調整器、電力管理回路、またはDMAコントローラのうちの少なくとも1つにさらに接続され得、または、それを組み込むことが可能である。個々のユニットは、AMBAバスなどのようなバスによって、さらに接続され得るか、モノのインターネットまたはインダストリー4.0タイプのネットワークに統合されてもよい。
【0418】
評価装置および/またはデータ処理装置は、さらなる外部インターフェースまたは外部ポート、例えば、シリアルインターフェースもしくはシリアルポート、または、パラレルインターフェースもしくはパラレルポート、USB、Centronics Port、FireWire(登録商標)、HDMI(登録商標)、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、RFID、Wi-Fi、USART、もしくはSPIのうちの1つまたは複数など、または、アナログインターフェースまたはアナログポート、例えば、ADCもしくはDAC、または、標準化されたインターフェースもしくは標準化されたポートのうちの1つまたは複数などによって、CameraLinkなどのようなRGBインターフェースを使用する2Dカメラデバイスなどのようなさらなる装置に接続され、または、それらを有することが可能である。さらに、評価装置および/またはデータ処理装置は、プロセッサ間インターフェースもしくはプロセッサ間ポート、FPGA-FPGA-インターフェース、または、シリアルインターフェースポートもしくはパラレルインターフェースポートのうちの1つまたは複数によって接続され得る。さらに、評価装置およびデータ処理装置は、光学ディスクドライブ、CD-RWドライブ、DVD+RWドライブ、フラッシュドライブ、メモリカード、ディスクドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスク、またはソリッドステートハードディスクのうちの1つまたは複数に接続され得る。
【0419】
評価装置および/またはデータ処理装置は、1つまたは複数のさらなる外部コネクタ、例えば、フォンコネクタ、RCAコネクタ、VGAコネクタ、雄雌同体コネクタ、USBコネクタ、HDMI(登録商標)コネクタ、8P8Cコネクタ、BCNコネクタ、IEC60320 C14コネクタ、光ファイバーコネクタ、Dサブミニチュアコネクタ、RFコネクタ、同軸コネクタ、SCARTコネクタ、XLRコネクタのうちの1つまたは複数などによって接続され得、または、それらを有することが可能であり、および/または、これらのコネクタのうちの1つまたは複数のための少なくとも1つの適切なソケットを組み込むことが可能である。
【0420】
本発明による1つまたは複数の検出器を組み込む単一の装置の可能な実施形態は、例えば、光センサ、光学システム、評価装置、通信装置、データ処理装置、インターフェース、システム-オン-チップ、ディスプレイ装置、またはさらなる電子装置のうちの1つまたは複数などを組み込む、評価装置またはデータ処理装置は、モバイルフォン、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、テレビジョン、ゲームコンソール、または、さらなる娯楽装置である。さらなる実施形態では、さらに詳細に下記に概説されることになる3Dカメラ機能性は、デバイスのハウジングまたは外見における顕著な相違なしに、従来の2Dデジタルカメラとともに利用可能なデバイスの中に一体化され得、ユーザにとっての顕著な相違は、3D情報を取得および/または処理することの機能性だけであることが可能である。さらに本発明による装置は、360度デジタルカメラまたはサラウンドビューカメラに使用することができる。
【0421】
具体的には、検出器および/またはその一部、例えば、評価装置および/またはデータ処理装置などを組み込む実施形態は、3Dカメラの機能性に関して、ディスプレイ装置、データ処理装置、光センサ、任意のセンサオプティクス、および、評価装置を組み込む、モバイルフォンであることが可能である。本発明による検出器は、具体的には、娯楽装置および/または通信装置の中に、例えば、モバイルフォンなどの中に一体化するのに適切であり得る。
【0422】
本発明のさらなる実施形態は、検出器またはその一部、例えば、自動車において使用するための、自動運転において使用するための、または、例えばDaimler社のIntelligent Driveシステムなどのようなカーセーフティシステムにおいて使用するための、装置の中の評価装置および/またはデータ処理装置の組み込みであることが可能であり、例として、光センサ、任意の1つまたは複数の光学システム、評価装置、任意の通信装置、任意のデータ処理装置、任意の1つまたは複数のインターフェース、任意のシステム-オン-チップ、任意の1つもしくは複数のディスプレイ装置、または、任意のさらなる電子装置のうちの1つまたは複数を組み込む装置は、車両、車、トラック、列車、自転車、飛行機、船舶、オートバイの一部であることが可能である。自動車の用途において、自動車設計への装置の一体化は、外部または内部からの最小の可視性で、光センサ、任意のオプティクス、または装置を一体化することを必要とし得る。検出器またはその一部、例えば、評価装置および/またはデータ処理装置などは、自動車設計の中へのそのような一体化のために特に適切であり得る。
【0423】
本明細書で使用されているように、光という用語は、一般的に、可視光スペクトルの範囲、紫外線スペクトルの範囲、および赤外線スペクトルの範囲のうちの1つまたは複数の電磁放射線を指す。この場合に、可視光スペクトルの範囲という用語は、一般的に、380nmから780nmまでのスペクトルの範囲を指す。赤外線スペクトルの範囲という用語は、一般的に、780nmから1mmまでの範囲の中の、好ましくは、780nmから3.0マイクロメートルまでの範囲の中の電磁放射線を指す。紫外線スペクトルの範囲という用語は、一般的に、1nmから380nmまでの範囲の中の、好ましくは、100nmから380nmまでの範囲の中の電磁放射線を指す。好ましくは、本発明の中で使用されるような光は、可視光、すなわち、可視光スペクトルの範囲の中の光である。
【0424】
光ビームという用語は、一般的に、特定の方向へ放出および/または反射された光の量を指し得る。したがって、光ビームは、光線の束であって、光ビームの伝播の方向に対して垂直の方向に所定の延在を有する光線の束であり得る。好ましくは、光ビームは、1つまたは複数のガウシアン光ビーム、例えばガウシアン光ビームの線形結合であり得るか、または、それを含み得、ガウシアン光ビームは、1つまたは複数のガウシアンビームパラメータ、例えば、ビームウェスト、レイリー長、もしくは、任意の他のビームパラメータのうちの1つもしくは複数、または、ビーム直径および/もしくは空間内のビーム伝播の発達を特徴付けるのに適しているビームパラメータの組み合わせによって、特徴付けられ得る。
【0425】
本発明による検出器は、1つまたは複数の他のタイプのセンサまたは検出器とさらに組み合わせられ得る。したがって、検出器は、少なくとも1つの追加的な検出器をさらに含むことが可能である。少なくとも1つの追加的な検出器は、少なくとも1つのパラメータを検出するように適合され得、例えば、周囲環境のパラメータ、例えば、周囲環境の温度および/または輝度など;検出器の位置および/または配向に関するパラメータ;検出されることになる物体の状態を特定するパラメータ、例えば、物体の位置など、例えば、空間内の物体の絶対的位置および/または物体の配向、のうちの少なくとも1つを検出するように適合され得る。したがって、一般的に、本発明の原理は、追加情報を得るために、および/または、測定結果を検証するために、または、測定エラーもしくはノイズを低減させるために、他の測定原理と組み合わせられ得る。
【0426】
上記で概説したように、ヒューマンマシンインターフェースは、直接的または間接的に、ユーザに取り付けられ、およびユーザにより保持されることのうちの少なくとも1つであるように適合される複数のビーコン装置を含むことができる。したがって、ビーコン装置はそれぞれ、任意の適切な手段によって、例えば適切な固定型装置によって、独立してユーザに取り付けることができる。追加的に代替的に、ユーザは、少なくとも1つのビーコン装置、または、1つまたは複数のビーコン装置を自分の手で、および/または、少なくとも1つのビーコン装置を身につけること、および/または、ビーコン装置を格納する衣類を身体部分に着用することによって、保持、および/または、携帯することができる。
【0427】
ビーコン装置は一般に、少なくとも1つの検出器によって検出可能な任意の装置、および/または、少なくとも1つの検出器による検出を容易にされる可能性のある任意の装置であり得る。したがって、上で概説したように、または以下でさらに概説するように、ビーコン装置は、例えば、少なくとも1つの光ビームを生成するための1つまたは複数の照射源を有することによって、検出器によって検出される少なくとも1つの光ビームを生成するように適合される能動型ビーコン装置であり得る。追加的に代替的に、ビーコン装置は、例えば、別個の照射源によって生成された光ビームを反射するように適合された1つまたは複数の反射要素を備えることによって、完全にまたは部分的に受動型ビーコン装置として設計されてもよい。少なくとも1つのビーコン装置は、直接的または間接的な方法で恒久的または一時的にユーザに取り付けてもよく、および/またはユーザによって携帯または保持されてもよい。取り付けは、例えば、1つまたは複数の取り付け手段を使用することによって、および/またはユーザ自身により、例えばユーザが少なくとも1つのビーコン装置を手で保持することにより、および/またはユーザがビーコン装置を着用することによって行われてよい。
【0428】
追加的に代替的に、ビーコン装置は、物体に取り付けられ、およびユーザによって保持されている物体に一体化されたもののうちの少なくとも1つであり得、これは、本発明の意味では、ユーザがビーコン装置を保持するとい選択肢の意味に含まれるべきである。したがって、以下にさらに詳細に概説されるように、ビーコン装置は、ヒューマンマシンインターフェースの一部であり得、およびユーザによって保持または携帯され得、その配向は検出器装置によって認識され得る、制御要素に取り付けてよく、または統合されてもよい。したがって、一般に、本発明は、また本発明による少なくとも1つの検出器装置を含み、さらに少なくとも1つの物体を含み得る検出器システムを指し、ビーコン装置は、物体に取り付けられ、物体によって保持され、物体に統合されたものの1つである。一例として、物体は好ましくは制御要素を形成してもよく、その配向はユーザによって認識されてもよい。したがって、検出器システムは、上で概説したように、または以下でさらに詳細に概説するように、ヒューマンマシンインターフェースの一部であり得る。一例として、ユーザは、1つまたは複数の情報をマシンに伝送するため、例えば、1つまたは複数のコマンドをマシンに伝送するために特定の方法で制御要素を扱うことができる。
【0429】
あるいは、検出器システムは他の方法で使用されてもよい。したがって、一例として、検出器システムの物体は、ユーザまたはユーザの身体部分とは異なり得、例えば、ユーザから独立して動く物体であり得る。例えば、検出器システムは、製造工程および/またはロボット工学工程など、装置を制御するためおよび/または工業工程を制御するために使用されてもよい。したがって、例えば、物体は、マシンおよび/またはロボットアームなどのマシン部品であり、その配向は検出器システムを使用することによって検出され得る。
【0430】
ヒューマンマシンインターフェースは、検出装置がユーザの位置またはユーザの少なくとも1つの身体部分の位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように適合させることができる。具体的には、少なくとも1つのビーコン装置をユーザへの取り付け方法が知られている場合、少なくとも1つのビーコン装置の位置を評価することによって、ユーザまたはユーザの身体部分の位置および/または配向に関する少なくとも1つの情報項目を取得することができる。
【0431】
ビーコン装置は、好ましくは、ユーザの身体またはユーザの身体部分に取り付け可能なビーコン装置、およびユーザが保持し得るビーコン装置の1つである。上記にて概説のように、ビーコン装置は、完全にまたは部分的に能動型ビーコン装置として設計され得る。したがって、ビーコン装置は、検出器へと伝送されることになる少なくとも1つの光ビーム、好ましくはビーム特性が既知である少なくとも1つの光ビームを生成するように適合された少なくとも1つの照射源を含み得る。付加的または代替的に、ビーコン装置は、照射源により生成される光を反射するように適合された少なくとも1つの反射体を含むことにより、検出器へと伝送されることになる反射された光ビームを生成し得る。
【0432】
物体は、検出器システムの一部を形成してもよく、一般的に任意の形状を有し得る。好ましくは、検出器システムの一部である物体は、上記にて概説のように、ユーザによって例えば手動で扱うことができる制御要素であってもよい。一例として制御要素は、手袋、ジャケット、帽子、靴、ズボンおよびスーツ、手で保持できる杖、バット、クラブ、ラケット、鞭、トイガンのような玩具から成る群から選択される少なくとも1つの要素であるか、またはそれを含み得る。従って、一例として、検出器システムはヒューマンマシンインターフェースおよび/または娯楽装置の一部であってもよい。
【0433】
本明細書で使用されるとき、娯楽装置は、1人または複数のユーザ(以下では1人または複数のプレーヤともいう)におけるレジャーおよび/または娯楽の目的に役立ち得る装置である。一例として、娯楽装置はゲーミング、好ましくはコンピュータゲーミングの目的に役立ち得る。従って、娯楽装置は、コンピュータ、コンピュータネットワークまたはコンピュータシステムに実装される、または1つもしくは複数のゲーミングソフトウェアプログラムを実行するコンピュータ、コンピュータネットワークまたはコンピュータシステムを含み得る。
【0434】
娯楽装置は、本発明による少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェース、例えば上記にて開示されている1つまたは複数の実施形態および/または以下にて開示される1つまたは複数の実施形態に記載の少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを含む。娯楽装置は、ヒューマンマシンインターフェースを手段として、少なくとも1つの情報をプレーヤによって入力可能となるように設計される。少なくとも1つの情報項目は、娯楽装置の制御装置および/またはコンピュータへと伝送され得、および/または娯楽装置の制御装置および/またはコンピュータによって使用され得る。少なくとも1項目の情報は、好ましくはゲームのコースに影響を及ぼすように適合された少なくとも1つのコマンドを含み得る。従って、一例として、少なくとも1項目の情報がプレーヤおよび/またはプレーヤの身体部分の1部または複数のうち、少なくとも1つの配向に関する少なくとも1項目の情報を含むことより、プレーヤはゲームに必要な特定の位置および/または配向および/または動作をシミュレートすることができる。一例として、以下の動き、ダンス;ランニング;ジャンプ;ラケットのスイング;バットのスイング;クラブのスイング;ある物体から別の物体への指向、例えば標的に向けたトイガンの指向、のうちの動きの1つまたは複数をシミュレートし、娯楽装置の制御装置および/またはコンピュータに伝達することができる。
【0435】
一部としてまたは全体として娯楽装置は、好ましくは娯楽装置のコントローラおよび/または娯楽装置のコンピュータは、情報に応じて娯楽機能を変更するよう設計される。したがって、上記で概説したように、ゲームのコースは、少なくとも1つの情報項目に従って影響を受ける可能性がある。したがって、娯楽機器は、1つまたは複数のコントローラを含み得、これは、少なくとも1つの検出器の評価装置とは別であり得、および/または、少なくとも1つの評価装置と完全にまたは部分的に同一であり得るか、少なくとも1つの評価装置さえも含み得る。好ましくは、少なくとも1つのコントローラは、1つまたは複数のデータ処理装置、例えば、1つまたは複数のコンピュータおよび/またはマイクロコントローラを含み得る。
【0436】
本明細書で使用されるとき、追跡システムは、少なくとも1つの物体および/または物体の少なくとも一部における、一連の過去の位置に関する情報を収集するように適合される装置である。付加的に、追跡システムは、少なくとも1つの物体または物体の少なくとも一部について予測される少なくとも1つの将来の位置および/または配向に関する情報を提供するように適合され得る。追跡システムは少なくとも1つの追跡コントローラを有し、追跡コントローラは完全にまたは部分的に電子装置として、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置、より好ましくは少なくとも1つのコンピュータまたはマイクロコントローラとして具現化され得る。同じく、少なくとも1つの追跡コントローラは少なくとも1つの評価装置を完全にまたは部分的に含み得、および/または少なくとも1つの評価装置の一部であってもよく、および/または完全にまたは部分的に少なくとも1つの評価装置と同一であってもよい。
【0437】
追跡システムは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば上記に挙げた1つまたは複数の実施形態において開示されているような、および/または下記の1つまたは複数の実施形態において開示されているような、少なくとも1つの検出器を含む。追跡システムはさらに、少なくとも1つの追跡コントローラを含む。追跡装置は、例えば、データ群またはデータ対、少なくとも1つの位置情報および少なくとも1つの時間情報を含む各データ群またはデータ対を記録することによって、特定の時点での物体の一連の位置を追跡するように適合され得る
【0438】
追跡システムはさらに、本発明による少なくとも1つの検出器システムを含んでもよい。したがって、少なくとも1つの検出器および少なくとも1つの評価装置および任意の少なくとも1つのビーコン装置に加え、追跡システムはさらに、物体自体またはその一部、例えばビーコン装置を含む少なくとも1つの制御要素または少なくとも1つのビーコン装置を含んでもよく、制御要素は追跡物体に直接または間接的に取り付け可能または一体化可能である。
【0439】
追跡システムは、追跡システム自体における1つまたは複数の動作、および/または1つもしくは複数の別個の装置における1つまたは複数の動作を開始するように適合され得る。後者を目的とする場合、追跡システム、好ましくは、追跡制御装置は、少なくとも1つの動作を開始するための、1つもしくは複数の無線および/または有線のインターフェース、および/または他の種類の制御接続を有し得る。好ましくは、少なくとも1つの追跡制御装置は、物体の少なくとも1つの実際の位置に従って、少なくとも1つの動作を開始するように適合され得る。一例として、動作は、物体の将来の位置の予測;物体に対する少なくとも1つの装置の指向;検出器に対する少なくとも1つの装置の指向;物体の照射;検出器の照射、から成る群から選択され得る。
【0440】
追跡システムの用途の一例として、追跡システムは、少なくとも1つの第1の物体を、少なくとも1つの第2の物体に、たとえ第1の物体および/または第2の物体が動いても、継続的に指向するために使用され得る。同じく潜在的な例は、ロボット工学におけるような産業への用途、および/または製造ラインもしくは組み立てラインにおける製造途中のような、たとえ物品が移動中であっても物品に対する継続的な作業に対して見出すことができる。付加的または代替的に、追跡システムは、照射目的に使用され得、たとえ物体が移動中であっても物体に対して照射源を継続的に指向することによって物体を継続的に照射するために使用され得る。さらなる用途は、例えば、移動中の物体に対して送信機を指向することによって、移動中の物体に情報を継続的に伝送するため、通信システムに見出すことができるかもしれない。
【0441】
本発明による検出器は、1つまたは複数の横方向座標を測定するという追加のオプションを伴い、距離測定の機能またはz座標測定の機能を組み合わせた単純な装置として実現することができ、それによってPSDの機能を統合する。
【0442】
測定範囲について言及すると、測定範囲は、本発明による検出器と共に使用することができる明るさの範囲、例えば光ビームの総出力の範囲、および、検出器と測定され得る物体との間の距離の範囲との両方を指してもよい。上記に列挙した文書のうちの1つまたは複数による従来の検出器は、典型的には、両方の測定範囲において制限されている。反対に、上記のような商信号の使用は、商信号から縦方向座標を決定するために使用され得る広範囲の連続的かつ単調に減少または増加する関数を提供する。その結果、物体と検出器との間の距離に関して非常に広い範囲の測定値が与えられる。同様に、光ビームの総出力からの商信号の一般的な独立性に起因して、少なくとも一方または両方の光センサの飽和が達成されない限り、すなわち、光ビームの総出力に関して、非常に広い範囲の測定を提供される。
【0443】
検出器内の光ビームは、一般に、検出器の光軸に沿って伝播し得る。第1および第2の光センサは光軸上に配置されてもよい。しかしながら、光ビームはまた、光軸に沿った以外の方法で伝播してもよい。一例として、光軸に沿って伝播、または光軸に平行に、または光軸に対して0°とは異なる角度、例えば1°から20°の角度で伝播する、照射光ビームを生成することができる。他の実施形態も可能である。
【0444】
全体的に、本発明の文脈において、以下の実施形態が、好適であるとみなされる。
【0445】
実施形態1:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器であって、
- 前記物体から前記検出器に伝播する少なくとも1つ入射光ビームに応じて少なくとも1つの焦点距離を有する、少なくとも1つの転送装置と、
- 少なくとも2つの光センサであって、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは前記光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている、少なくとも2つの光センサと、
- 前記センサ信号からの商信号Qを評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される、少なくとも1つの評価装置と、を有する検出器。
【0446】
実施形態2:検出器が、物体平面内の前記物体サイズから独立して少なくとも1つの測定範囲における前記物体の縦方向座標zを決定するように適合されている、実施形態1による検出器。
【0447】
実施形態3:前記測定範囲は、前記物体から前記転送装置までの縦方向距離zと;前記転送装置の焦点距離fと;前記転送装置の射出瞳の直径Eと;前記転送装置から前記感光エリアまでの縦方向距離zと;前記転送装置から前記物体の像までの距離zと;前記物体平面における前記物体サイズOsizeと、からなる群から選択される1つ以上のパラメータを調整することによって調整可能である、実施形態1または2による検出器。
【0448】
実施形態4:前記検出器は、前記検出器の少なくとも1つの点から放射された少なくとも1つの光ビームの錯乱円が前記物体の像の大きさより大きい場合は、前記物体サイズから独立して前記物体の縦方向座標zを決定するように適合されている、実施形態3による検出器。
【0449】
実施形態5:前記検出器は、数式23が少なくとも1つの距離で真である場合に、前記物体サイズから独立して前記物体の縦方向座標zを決定するように適合されている、実施形態4による検出器。
【0450】
【数23】
【0451】
実施形態6:前記評価装置は、前記センサ信号を割算すること、前記センサ信号の倍数を割算すること、前記センサ信号の線形結合を割算することのうちの1つまたは複数により前記商信号Qを導出するように構成されている、実施形態5による検出器。
【0452】
実施形態7:前記評価装置は、前記縦方向座標を決定するために前記商信号Qと前記縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、実施形態6による検出器。
【0453】
実施形態8:前記評価装置は、数式24によって前記商信号Qを導出するように構成され、ここで、xおよびyは横方向座標であり、AおよびAはセンサ位置におけるビームプロファイルの面積であり、E(x,y,z)は物体距離zにおいて与えられるビームプロファイルを表す、実施形態1~7のうちのいずれか1つによる検出器。
【0454】
【数24】
【0455】
実施形態9:前記光センサが焦点からずれて配置されている、実施形態1~8のうちのいずれか1つによる検出器。
【0456】
実施形態10:前記転送装置は光軸を有し、前記転送装置は座標系を構成し、縦方向座標は前記光軸に沿った座標であり、dは前記光軸からの空間的オフセットであり、前記光センサは、前記光センサの前記感光エリアが縦方向座標または空間的オフセットまたは表面積の少なくとも1つで異なるように構成されている、実施形態1~9のうちのいずれか1つによる検出器。
【0457】
実施形態11:前記光ビームは、単色光ビームであり得る、実施形態1~10のうちのいずれか1つによる検出器。
【0458】
実施形態12:各センサ信号は、前記光ビームの少なくとも1つのビームプロファイルの少なくとも1つのビームプロファイル面積の少なくとも1つの情報を含む、実施形態1~11のうちのいずれか1つによる検出器。
【0459】
実施形態13:前記ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル、三角形ビームプロファイル、円錐形ビームプロファイルおよびガウスビームプロファイルの線形結合からなる群から選択される、実施形態12による検出器。
【0460】
実施形態14:前記感光領域は、第1のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第1の領域の情報を含み、第2のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第2の領域の情報を含むように構成され、前記ビームプロファイルの第1の領域と前記ビームプロファイルの第2の領域は、隣接する領域または重なり合う領域の一方または両方である、実施形態12または13による検出器。
【0461】
実施形態15:前記評価装置は、前記ビームプロファイルの前記第1の領域と前記ビームプロファイルの前記第2の領域とを決定するように構成されている、実施形態14による検出器。
【0462】
実施形態16:前記ビームプロファイルの前記第1の領域は、本質的に前記ビームプロファイルのエッジ情報を含み、前記ビームプロファイルの前記第2の領域は、本質的に前記ビームプロファイルの中心情報を含む、実施形態12~15のうちのいずれか1つによる検出器。
【0463】
実施形態17:前記エッジ情報は、前記ビームプロファイルの前記第1の領域内の光子の数に関する情報を含み、前記中心情報は、前記ビームプロファイルの前記第2の領域内の光子の数に関する情報を含む、実施形態1~16のうちのいずれか1つによる検出器。
【0464】
実施形態18:前記評価装置は、前記エッジ情報と前記中心情報を割算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の倍数を割算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の線形結合を割算することのうちの1つ以上によって前記商信号Qを導出するように構成されている、実施形態16または17による検出器。
【0465】
実施形態19:前記物体から前記検出器に伝播する前記光ビームは、少なくとも1つの線パターンで前記光センサを照射し、A1は前記光センサ上の前記線パターンの全線幅を有する領域に対応し、A2は前記光センサ上の前記線パターンの中心領域である、実施形態16~18のうちのいずれか1つによる検出器。
【0466】
実施形態20:前記物体から前記検出器に伝播する前記光ビームは、少なくとも1つの点パターンで前記光センサを照射し、Aは前記光センサ上の前記点パターンの点の全半径を有する領域に対応し、Aは前記光センサ上の前記点パターンの点の中心領域である、実施形態16~19のうちのいずれか1つによる検出器。
【0467】
実施形態21:前記光センサは、第1感光エリアを有する第1光センサと第2感光エリアを有する第2光センサを有し、前記第1と第2の感光エリアは、数式25に示す条件が満足されるように配置され、ここで、aは、前記転送装置の焦点距離の半分に等しい距離で前記光軸と交差する前記光軸に垂直な平面の内側領域と、前記第1感光エリアの両方に当たる光子の比率であり、bは前記平面の内側領域と前記第2感光エリアの両方に当たる光子の比率であり、cは前記平面の外側領域と前記第1感光エリアの両方に当たる光子の比率であり、dは前記平面の外側領域と前記第2感光エリアの両方に当たる光子の比率である、実施形態1~20のうちのいずれか1つによる検出器。
【0468】
【数25】
【0469】
実施形態22:前記第1感光エリアおよび前記第2感光エリアは、前記内側領域が、前記光軸上に幾何学中心点を有する領域を有し、および光子の半分が前記内側領域の内で前記平面に当たり、残りの半分が前記内側領域の外で前記平面に当たる延長を有するように、構成されている実施形態21による検出器。
【0470】
実施形態23:前記第1感光エリアおよび前記第2感光エリアは、前記内側領域が、前記光軸上に中心点を有する円として、および、前記光子の半分が前記円の内で前記平面に当たり、残りの半分が前記円の外で前記平面に当たるように選択された半径rとして設計されるように、構成されている実施形態22による検出器。
【0471】
実施形態24:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器であって、
- 第1感光エリアを有する少なくとも1つの第1光センサであって、前記物体から前記検出器に伝播する光ビームによる前記第1感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第1センサ信号を生成するように構成されている、第1光センサと、
- 第2感光エリアを有する少なくとも1つの第2光センサであって、前記光ビームによる前記第2感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第2センサ信号を生成するように構成され、前記第1感光エリアは前記第2感光エリアより小さい、第2光センサと、
- 前記第1および第2のセンサ信号を評価することにより、前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている、評価装置と、
を有する検出器。
【0472】
実施形態25:前記評価装置は、前記第1および第2のセンサ信号を割算することにより、または、前記第1および第2のセンサ信号の倍数を割算することにより、または、前記第1および第2のセンサ信号の線形結合を割算することにより、商信号Qを導出するように構成され、前記評価装置は、前記商信号Qを評価することによって縦方向座標を決定するように構成されている、実施形態24による検出器。
【0473】
実施形態26:前記評価装置は、前記商信号Qと前記縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、実施形態25による検出器。
【0474】
実施形態27:前記所定の関係は、経験的関係、半経験的関係および分析的に導出された関係のうちの1つまたは複数である、実施形態26による検出器。
【0475】
実施形態28:前記評価装置は、前記所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ記憶装置を含む、実施形態26または27による検出器。
【0476】
実施形態29:前記評価装置は少なくとも1つのデバイダを含み、前記デバイダは前記商信号を導出するように構成されている、実施形態25~28のうちのいずれか1つによる検出器。
【0477】
実施形態30:前記デバイダは、ソフトウェアデバイダまたはハードウェアデバイダの一方または両方として完全にまたは部分的に具体化されている、実施形態29による検出器。
【0478】
実施形態31:前記第1および第2の光センサは、前記検出器の同一のビーム経路内に直線的に配置されている、実施形態24~30のうちのいずれか1つによる検出器。
【0479】
実施形態32:前記第1および第2の光センサは、前記検出器の光軸に対して同心的に配置されている、実施形態31による検出器。
【0480】
実施形態33:前記第1光センサは、前記第2光センサの前に配置され、前記第2光センサから前記第1感光エリアの表面積の平方根の5倍以下の距離で離間している、実施形態25~32のうちのいずれか1つによる検出器。
【0481】
実施形態34:前記第1光センサは、前記第2光センサの前方に配置され、前記第2光センサから50mm以下、好ましくは15mm以下で離間している、実施形態25~33のうちのいずれか1つによる検出器。
【0482】
実施形態35:前記第2感光エリアは前記第1感光エリアに比して、少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、最も好ましくは少なくとも5倍大きい、実施形態25~34のうちのいずれか1つによる検出器。
【0483】
実施形態36:前記第1感光エリアは、1mm~150mmの表面積、より好ましくは10mm~100mmの表面積を有する、実施形態25~35のうちのいずれか1つによる検出器。
【0484】
実施形態37:前記第2感光エリアは、160mm~1000mmの表面積、より好ましくは200mm~600mmの表面積を有する、実施形態25~36のうちのいずれか1つ、特に実施形態36による検出器。
【0485】
実施形態38:前記第1および第2の光センサはそれぞれ、少なくとも測定範囲内で、それぞれの第1および第2のセンサ信号がそれぞれの光センサの照射の総出力に依存し、前記照射の光スポットの直径から独立しているような、線形信号特性を有している、実施形態25~37のうちのいずれか1つによる検出器。
【0486】
実施形態39:前記第1および第2の光センサはそれぞれ、半導体センサ、好ましくは無機半導体センサ、より好ましくはフォトダイオード、最も好ましくはシリコンフォトダイオードである、実施形態25~38のうちのいずれか1つによる検出器。
【0487】
実施形態40:前記第1および第2の光センサはそれぞれ、それぞれの単一の感光エリアを有する均一なセンサである、実施形態25~39のうちのいずれか1つによる検出器。
【0488】
実施形態41:前記検出器は、前記物体を照射するための照射源をさらに含む、実施形態25~40のうちのいずれか1つによる検出器。
【0489】
実施形態42:前記照射源は、前記物体を照射するための照射光ビームを生成するように構成され、前記検出器は、前記照射光ビームが前記検出器から前記物体に向かって前記検出器の光軸に沿って伝播するように構成されている、実施形態41による検出器。
【0490】
実施形態43:前記検出器は、前記照射光ビームを前記光軸上に偏向させるための少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを有している、実施形態42による検出器。
【0491】
実施形態44:前記照射源は、前記物体を照射するための少なくとも1つの照射パターンを生成するように適合され、前記照射パターンは、少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターンまたはランダム点パターン;少なくとも1つのソボルパターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン、特に回転六角形パターンおよび/または変位六角形パターン;少なくとも1つの矩形パターン;凸状の均一傾斜を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの縞模様;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線または交差線を含む少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン、からなる群から選択される少なくとも1つパターンを有している、実施形態41~43のうちのいずれか1つによる検出器。
【0492】
実施形態45:前記光センサは、少なくとも1つの反射パターンを決定するように適合され、前記評価装置は、前記反射パターンの少なくとも1つの特徴を選択し、前記商信号Qを評価することにより前記反射パターンの前記選択された特徴の前記縦方向座標zを決定するように適合されている、実施形態44による検出器。
【0493】
実施形態46:前記検出器は、少なくとも1つの転送装置をさらに有し、前記転送装置は、前記光ビームを前記光センサ上に案内するように適合されている、実施形態25~45のうちのいずれか1つによる検出器。
【0494】
実施形態47:前記転送装置は、少なくとも1つのレンズ、例えば少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズ、少なくとも1つの回折光学要素、からなる群から選択される少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向素子、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくは少なくとも1つのビーム分割キューブまたはビーム分割ミラー;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つまたは複数を含む、実施形態46による検出器。
【0495】
実施形態48:前記第1感光エリアは、前記光ビームの伝播方向において、前記第2感光エリアと重なる、実施形態25~47のうちのいずれか1つによる検出器。
【0496】
実施形態49:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器であって、
- 光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素であって、前記光センサはそれぞれ感光エリアを有し、各光センサは、前記物体から前記検出器まで伝播する少なくとも1つの光ビームによる前記感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように構成されている、少なくとも1つのセンサ要素と、
- 少なくとも1つの評価装置であって、
a)最高のセンサ信号を有し、少なくとも1つの中心信号を形成する少なくとも1つの光センサを決定すること;
b)前記マトリックスの光センサのセンサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること;
c)前記中心信号と前記和信号を結合することによって少なくとも1つの結合信号を決定すること:および
d)前記結合信号を評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定することにより前記センサ信号を評価するように構成された評価装置と、
を有する検出器。
【0497】
実施形態50:前記中心信号が、前記最高のセンサ信号;前記最高センサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号群の平均;前記最高のセンサ信号を有する光センサと隣接する光センサの所定の群を含む光センサ群のセンサ信号の平均;前記最高のセンサ信号を有する光センサと隣接する光センサの所定の群を含む光センサ群のセンサ信号の合計;前記最高のセンサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号群の合計;所定の閾値を超えているセンサ信号群の平均;所定の閾値を超えているセンサ信号群の合計;前記最高のセンサ信号を有する光センサと隣接する光センサの所定の群を含む光センサ群のセンサ信号の積分;前記最高のセンサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号群の積分;所定の閾値を超えているセンサ信号群の積分、からなる群から選択される、実施形態49による検出器。
【0498】
実施形態51:前記検出器、特に前記評価装置は、前記光センサの前記センサ信号を変換し、それによって第2の光センサ信号を生成するように構成され、前記評価装置は、前記第2の光センサ信号を使用することによってステップa)~d)を実行するように構成されている、実施形態49または50による検出器。
【0499】
実施形態52:前記センサ信号の変換は、フィルタリング;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって生成された像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された像を反転させることによるセンサ信号の反転;異なる時間に前記センサ信号によって生成された像の間の差分画像の形成;バックグラウンド補正;カラーチャンネルへの分解;色相、彩度、および明度チャネルへの分解;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウシアンフィルタのラプラス演算子の適用;ガウスフィルタの微分の適用;ソーベル演算子の適用;ラプラス演算子の適用;シャール演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;キルシュ演算子の適用;ハイパスフィルターの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリ画像の作成、からなる群から選択される少なくとも1つの変換を含む、実施形態51による検出器。
【0500】
実施形態53:前記評価装置が、少なくとも1つの前記最高センサ信号を検出するための、および/または前記中心信号を形成するための少なくとも1つの中心検出器を有している、実施形態49~52のうちのいずれか1つによる検出器。
【0501】
実施形態54:前記中心検出器が前記センサ要素に完全にまたは部分的に一体化されている、実施形態53による検出器。
【0502】
実施形態55:前記中心検出器は、ソフトウェアまたはハードウェアの一方または両方によって完全にまたは部分的に具体化されている、実施形態53または54による検出器。
【0503】
実施形態56:前記和信号は、前記マトリックスの全センサ信号の平均;前記マトリックスの全センサ信号の合計;前記マトリックスの全センサ信号の積分;前記中心信号に寄与する光センサのセンサ信号を除く前記マトリックスの全センサ信号の平均;前記中心信号に寄与する光センサのセンサ信号を除く前記マトリックスの全センサ信号の合計;前記中心信号に寄与する光センサのセンサ信号を除く前記マトリックスの全センサ信号の積分;前記最高センサ信号を有する光センサから所定範囲内の光センサのセンサ信号の合計;前記最高センサ信号を有する光センサから所定範囲内の光センサのセンサ信号の積分;前記最高センサ信号を有する光センサから所定範囲内に位置する光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の合計;前記最高センサ信号を有する光センサから所定範囲内に位置する光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の積分、からなる群から選択される、実施形態49~55のうちのいずれか1つによる検出器。
【0504】
実施形態57:前記評価装置が、前記和信号を形成するための少なくとも1つの合算装置を含む、実施形態56による検出器。
【0505】
実施形態58:前記合算装置は前記センサ要素に完全にまたは部分的に一体化されている、実施形態57による検出器。
【0506】
実施形態59:前記合算装置は、ソフトウェアまたはハードウェアの一方または両方によって完全にまたは部分的に具体化されている、実施形態57または58による検出器。
【0507】
実施形態60:前記結合信号は、前記中心信号と前記和信号の商またはその逆の商を形成すること;前記中心信号の倍数と前記和信号の倍数の商またはその逆の商を形成すること;前記中心信号の線形結合と前記和信号の線形結合の商またはその逆の商を形成すること;前記中心信号と前記和信号の第1の線形結合と、前記中心信号と前記和信号の第2の線形結合の商を形成すること、のうちの1つまたは複数から導出される前記商信号Qである、実施形態49~59のうちのいずれか1つによる検出器。
【0508】
実施形態61:前記評価装置は、前記縦方向座標を決定するために、前記商信号Qと前記縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、実施形態60による検出器。
【0509】
実施形態62:前記所定の関係は、経験的関係、半経験的関係および分析的に導出された関係のうちの1つまたは複数である、実施形態61による検出器。
【0510】
実施形態63:前記評価装置は、前記所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ記憶装置を含む、実施形態61または62による検出器。
【0511】
実施形態64:前記評価装置は少なくとも1つのデバイダを含み、前記デバイダは前記商信号を導出するように構成されている、実施形態60~63のうちのいずれか1つによる検出器。
【0512】
実施形態65:前記デバイダは、ソフトウェアデバイダまたはハードウェアデバイダの一方または両方として完全にまたは部分的に具体化されている、実施形態64による検出器。
【0513】
実施形態66:前記デバイダは、前記センサ要素に完全にまたは部分的に一体化されている、実施形態64または65による検出器。
【0514】
実施形態67:前記光センサは、光検出器、好ましくは無機光検出器、より好ましくは無機半導体光検出器、最も好ましくはシリコン光検出器である、実施形態49~66のうちのいずれか1つによる検出器。
【0515】
実施形態68:前記光センサは、赤外線スペクトル範囲において感度が高い、実施形態49~67のうちのいずれか1つによる検出器。
【0516】
実施形態69:前記マトリックスが、CCD検出器、好ましくはCCD検出器チップ、または、CMOS検出器、好ましくはCMOS検出器チップの一方または両方を含む、実施形態49~68のうちのいずれか1つによる検出器。
【0517】
実施形態70:前記マトリックスは、少なくとも1行、好ましくは複数行、および複数列を有する長方形のマトリックスである、実施形態49~69のうちのいずれか1つによる検出器。
【0518】
実施形態71:前記行および列が本質的に垂直に配向されている、実施形態70による検出器。
【0519】
実施形態72:前記マトリックスは少なくとも10行、好ましくは少なくとも50行、より好ましくは少なくとも100行を有している、実施形態70または71による検出器。
【0520】
実施形態73:前記マトリックスは少なくとも10列、好ましくは少なくとも50列、より好ましくは少なくとも100列を有している、実施形態70~72のうちのいずれか1つによる検出器。
【0521】
実施形態74:行数と列数の比が1に近く、好ましくは1:3より大きく、より好ましくは1:2より大きい、実施形態70~73のうちのいずれか1つによる検出器。
【0522】
実施形態75:前記マトリックスは、少なくとも50個の光センサ、好ましくは少なくとも100個の光センサ、より好ましくは少なくとも500個の光センサを含む、実施形態49~74のうちのいずれか1つによる検出器。
【0523】
実施形態76:前記センサ要素は、前記検出器の光軸に対して実質的に垂直に配向されている、実施形態49~75のうちのいずれか1つによる検出器。
【0524】
実施形態77:前記光センサはそれぞれ、少なくとも測定範囲内において、それぞれのセンサ信号がそれぞれの光センサの照射の総出力に依存しているような、線形信号特性を有している、実施形態49~76のうちのいずれか1つによる検出器。
【0525】
実施形態78:前記検出器は、前記物体を照射するための照射源をさらに備えている、実施形態49~77のうちのいずれか一つによる検出器
【0526】
実施形態79:前記照射源は、前記物体を照射するための照射光ビームを生成するように構成され、前記検出器は、前記照射光ビームが前記検出器から前記物体に向かって前記検出器の光軸に沿って伝播するように構成されている、実施形態78による検出器。
【0527】
実施形態80:前記検出器は、前記照射光ビームを前記光軸上に偏向させるための少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを含む、実施形態79による検出器。
【0528】
実施形態81:前記照射源は、前記物体を照射するための少なくとも1つの照射パターンを生成するように適合され、前記照射パターンは、少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターンまたはランダム点パターン;少なくとも1つのソボルパターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン、特に回転六角形パターンおよび/または変位六角形パターン;少なくとも1つの矩形パターン;凸状の均一傾斜を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの縞模様;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線または交差線を含む少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含む、実施形態78~80のうちのいずれか1つによる検出器。
【0529】
実施形態82:前記光センサは、少なくとも1つの反射パターンを決定するように構成され、前記評価装置は前記反射パターンの少なくとも1つの特徴を選択し、前記商信号Qを評価することにより前記反射パターンの選択された特徴の縦方向座標zを決定するように構成されている、実施形態81による検出器。
【0530】
実施形態83:前記検出器は、少なくとも1つの転送装置をさらに備え、前記転送装置は、前記光ビームを前記光センサ上に案内するように適合されている、実施形態49~82のうちのいずれか1つによる検出器。
【0531】
実施形態84:前記転送装置は、少なくとも1つのレンズ、例えば少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズからなる群から選択される少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向素子、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくは少なくとも1つのビーム分割キューブまたはビーム分割ミラー;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つまたは複数を有している、実施形態84による検出器。
【0532】
実施形態85:前記評価装置はさらに、前記最高のセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサの横方向位置を評価することにより、前記物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するように構成されている、実施形態49~84のうちのいずれか1つによる検出器。
【0533】
実施形態86:前記評価装置は、異なる変調を有する異なる光ビームを区別するように構成されている、実施形態48~85のうちのいずれか1つによる検出器検出器。
【0534】
実施形態87:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器であって、
- 少なくとも2つの光センサであって、各光センサは感光エリアを有し、各感光エリアは幾何学中心を有し、前記光センサの前記幾何学中心は前記検出器の光軸から異なる空間的オフセットで離れており、各光センサは、前記物体から前記検出器へ伝播する光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答してセンサ信号を生成するように構成されている、光センサと;そして
- 少なくとも2つのセンサ信号を結合することによって、前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている少なくとも1つの評価装置と、
を有する検出器。
【0535】
実施形態88:前記光センサは同一平面内に位置している、実施形態87による検出器。
【0536】
実施形態89:前記光センサはセグメント化ダイオードの部分ダイオードであり、前記セグメント化ダイオードの中心は前記検出器の光軸から偏心している、実施形態87または88による検出器。
【0537】
実施形態90:前記光センサは、2~4個の光センサを有する象限フォトダイオードのようなセンサアレイの一部である、実施形態87~89のうちのいずれか1つによる検出器。
【0538】
実施形態91:前記センサアレイの幾何学中心が前記光軸からずれている、実施形態90による検出器。
【0539】
実施形態92:前記センサアレイは、好ましくは自動的に、前記光軸に対して移動可能である、実施形態90または91による検出器。
【0540】
実施形態93:前記評価装置は、最初に、前記センサ信号を使用することによって、前記光ビームによって生成された前記センサアレイ上の光スポットの少なくとも1つの横方向位置を決定し、次に、前記光スポットが偏心するまで前記センサアレイを前記光軸に対して移動させるように構成されている、実施形態92に記載の検出器。
【0541】
実施形態94:前記光センサは、象限ダイオードの部分ダイオードであり、前記象限ダイオードの幾何学中心は前記検出器の前記光軸から偏心している、実施形態87~93のうちのいずれか1つによる検出器。
【0542】
実施形態95:前記光センサの感光面積が等しい、実施形態87~94のうちのいずれか1つによる検出器。
【0543】
実施形態96:前記検出器は、少なくとも1つのレンズを含み、前記検出器の光軸は前記レンズの対称軸である、実施形態87~95のうちのいずれか1つによる検出器。
【0544】
実施形態97:前記評価装置は、前記センサ信号を割算すること、前記センサ信号の倍数を割算すること、または、前記センサの線形結合を割算することのうちの1つまたは複数によって商信号Qを導出するように構成され、前記評価装置はさらに、前記商信号Qを評価することによって縦方向座標を決定するように構成されている、実施形態87~96のうちのいずれか1つによる検出器。
【0545】
実施形態98:前記評価装置は、前記商信号Qと前記縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、実施形態97による検出器。
【0546】
実施形態99:前記所定の関係は、経験的関係、半経験的関係および分析的に導出された関係のうちの1つまたは複数である、実施形態98による検出器。
【0547】
実施形態100:前記評価装置は、前記所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ記憶装置を含む、実施形態98または99による検出器。
【0548】
実施形態101:前記評価装置は少なくとも1つのデバイダを含み、前記デバイダは前記商信号を導出するように構成されている、実施形態97~100のうちのいずれか1つによる検出器。
【0549】
実施形態102:前記デバイダは、ソフトウェアデバイダまたはハードウェアデバイダの一方または両方として完全にまたは部分的に具体化されている、実施形態101による検出器。
【0550】
実施形態103:前記光センサは、前記検出器の同一のビーム経路内に配置されている、実施形態87~102のうちのいずれか1つによる検出器。
【0551】
実施形態104:前記光センサはそれぞれ、半導体センサ、好ましくは無機半導体センサ、より好ましくはフォトダイオード、最も好ましくはシリコンフォトダイオードである、実施形態87~103のうちのいずれか1つによる検出器。
【0552】
実施形態105:前記光センサはそれぞれ、単一の感光エリアをそれぞれ有する均一なセンサである、実施形態87~104のうちのいずれか1つによる検出器。
【0553】
実施形態106:前記光センサはそれぞれ、少なくとも測定範囲内において、前記センサ信号が各光センサの照射の総出力に依存し、照射の光スポットの直径から独立しているような、線形信号特性をそれぞれ有している、実施形態87~105のうちのいずれか1つによる検出器。
【0554】
実施形態107:前記検出器が、前記光軸上にあるかまたは前記光軸上にない少なくとも1つの照射光ビームを提供する照射源のような、前記物体を照射するための照射源、例えば、少なくとも1つのレーザを有する照射源をさらに有している、実施形態87~106のうちのいずれか1つによる検出器。
【0555】
実施形態108:前記照射源は、前記物体を照射するための照射光ビームを生成するように構成され、前記検出器は、前記照射光ビームが前記検出器から前記物体に向かって前記検出器の光軸に沿って伝播するように、構成されている、実施形態107による検出器。
【0556】
実施形態109:前記検出器は、前記照射光ビームを前記光軸上に偏向させるための少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを含む、実施形態108による検出器。
【0557】
実施形態110:前記照射源は、前記物体を照射するための少なくとも1つの照射パターンを生成するように適合され、前記照射パターンは、少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターンまたはランダム点パターン;少なくとも1つのソボルパターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン、特に回転六角形パターンおよび/または変位六角形パターン;少なくとも1つの矩形パターン;凸状の均一傾斜を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの縞模様;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線または交差線のような少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン、からなる群から選択される少なくとも1つの照射パターンを含む、実施形態107~109のうちのいずれか1つによる検出器。
【0558】
実施形態111:前記光センサは少なくとも1つの反射パターンを決定するように適合され、前記評価装置は前記反射パターンの少なくとも1つの特徴を選択し、前記商信号Qを評価することによって前記反射パターンの選択された特徴の前記縦方向座標zを決定するように適合されている、実施形態110による検出器。
【0559】
実施形態112:前記検出器は少なくとも1つの転送装置をさらに有し、前記転送装置は前記光ビームを前記光センサ上に案内するように適合されている、実施形態87~111のうちのいずれか1つによる検出器。
【0560】
実施形態113:前記転送装置は、少なくとも1つのレンズ、例えば、少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズからなる群から選択される少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向素子、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つのフレネルレンズ;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブまたはビーム分割ミラーのうちの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つまたは複数を有している、実施形態112による検出器。
【0561】
実施形態114:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器であって、
- 第1感光エリアを有する少なくとも1つの第1光センサであって、前記物体から前記検出器へ伝播する光ビームによる前記第1感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第1センサ信号を生成するように構成される、第1光センサと、
- 少なくとも1つの第2光センサであって、
・ 第2感光エリアを形成する蛍光導波シートであって、前記蛍光導波シートは、前記物体から前記検出器に向かって伝播する少なくとも1つの光ビームが前記第2感光エリアに少なくとも1つの光スポットを生成するように、前記物体に向けられ、前記蛍光導波シートは少なくとも1つの蛍光材料を含み、前記蛍光材料は、前記光ビームの照射に応答して蛍光ライトを発する、蛍光導波シートと、
・ 前記蛍光導波シートの少なくとも1つのエッジに配置される少なくとも1つの感光要素であって、前記蛍光導波シートによって前記光スポットから前記感光要素へガイドされる蛍光ライトを検出することができ、前記光ビームによる前記第2感光エリアの照射に応答して少なくとも1つの第2センサ信号を生成することができ、前記第1感光エリアは前記第2感光エリアより小さい、感光要素と、
を有する、第2光センサと、
- 前記第1および第2のセンサ信号を評価することにより、前記物体の少なくとも1つ縦方向座標zを決定するように構成されている少なくとも1つの評価装置と、
を有する検出器。
【0562】
実施形態115:前記少なくとも1つの感光要素は、前記蛍光導波シートの隅部;直線的なエッジ、例えば前記蛍光導波シートの直線的なリム部分、のうちの少なくとも1つに配置されている、実施形態114による検出器。
【0563】
実施形態116:前記少なくとも1つの感光要素は、前記蛍光導波シートによって案内される蛍光ライトを前記蛍光導波シートの外へ少なくとも部分的に結合するように構成された少なくとも1つの光結合要素によって前記蛍光導波シートに光学的に結合されている、実施形態114または115による検出器。
【0564】
実施形態117:前記光結合要素は、前記蛍光導波シート外へ結合された前記蛍光ライトを少なくとも部分的に前記感光要素に結合するように構成されている、実施形態116による検出器。
【0565】
実施形態118:前記光結合要素は、前記感光要素を前記蛍光導波シートに取り付ける透明接着剤の一部;前記蛍光導波シート内のエッチング部分;前記蛍光導波シート内のスクラッチ;プリズム、からなる群から選択される、実施形態116または117による検出器。
【0566】
実施形態119:少なくとも1つの前記第1光センサと少なくとも1つの前記第2光センサの少なくとも1つの前記感光要素は、実質的に同一の電気容量を有する、実施形態114~118のうちのいずれか1つによる検出器。
【0567】
実施形態120:前記評価装置は、前記第1および第2のセンサ信号を割算することにより、または前記第1および第2のセンサ信号の倍数を割算することにより、または前記第1および第2のセンサ信号の線形結合を割算することにより前記商信号Qを導出するように構成され、前記評価装置は、前記商信号Qを評価することによって前記縦方向座標を決定するように構成されている、実施形態114~119のうちのいずれか1つによる検出器。
【0568】
実施形態121:前記評価装置は、前記商信号Qと前記縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、実施形態120による検出器。
【0569】
実施形態122:前記所定の関係は、経験的関係、半経験的関係および分析的に導出された関係のうちの1つまたは複数である、実施形態121による検出器。
【0570】
実施形態123:前記評価装置は、前記所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ記憶装置を含む、実施形態121または122による検出器。
【0571】
実施形態124:前記評価装置は、少なくとも1つのデバイダを含み、前記デバイダは前記商信号を導出するように構成されている、実施形態120~123のうちのいずれか1つによる検出器。
【0572】
実施形態125:前記デバイダは、ソフトウェアデバイダまたはハードウェアデバイダの一方または両方として完全にまたは部分的に具体化されている、実施形態124による検出器。
【0573】
実施形態126:前記第1光センサは、前記光ビームが所与の順序で前記第1光センサを照射し、次に、前記第2光センサを照射するように、前記第2光センサの前に配置される、実施形態114~125のうちのいずれか1つによる検出器。
【0574】
実施形態127:前記第2光センサは、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、最も好ましくは少なくとも4つの感光要素であって、前記蛍光導波シートの少なくとも2つエッジに配置され、前記蛍光導波シートによって前記光スポットから前記感光要素へガイドされる蛍光ライトを検出することができ、それぞれ少なくとも1つのセンサ信号を生成することができる、感光要素を有している、実施形態114~126のうちのいずれか1つによる検出器。
【0575】
実施形態128:少なくとも2つの感光要素が、少なくとも2つの直線的なエッジ、例えば、前記蛍光導波シートの直線的なリム部、前記蛍光導波シートの少なくとも2つの隅部、前記蛍光導波シートの1つの隅部と前記蛍光導波シートの少なくとも1つの直線的なエッジ、のうちの1つまたは複数に配置されている、実施形態127による検出器。
【0576】
実施形態129:前記評価装置は、前記少なくとも2つの感光要素の前記センサ信号を合算し、それにより和信号Sを形成するように構成された少なくとも1つの合算装置を有する、実施形態128による検出器。
【0577】
実施形態130:前記和信号は、式S=Σ、ここでsはセンサ信号、i=1・・・NはNが前記感光要素の数を表す正の整数またはより小さい正の整数、cはそれぞれの較正係数である該式を使用することにより導出される、実施形態129による検出器。
【0578】
実施形態131:前記評価装置は、前記第1センサ信号、前記第2センサ信号の前記和信号、及び前記縦方向座標zの間の少なくとも1つの所定の関係を使用することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている、実施形態129または130による検出器。
【0579】
実施形態132:前記評価装置は、前記感光要素の前記センサ信号を評価することにより、前記物体の少なくとも1つの横方向座標x,yを決定するようにさらに構成されている、実施形態128~131のうちのいずれか一つによる検出器。
【0580】
実施形態133:前記評価装置は、少なくとも2つの前記感光要素によって生成された前記第2センサ信号間の少なくとも1つの差信号Dを形成するように構成された少なくとも1つの減算装置を備えている、実施形態132による検出器。
【0581】
実施形態134:前記第2センサ信号は、少なくとも1つの第2センサ信号s21と少なくとも1つの第2センサ信号s22を含み、前記少なくとも1つの差信号Dはa・s21 - b・s22に比例し、ここで、a,bは実数係数であり、好ましくはa = 1およびb = 1である、実施形態133による検出器。
【0582】
実施形態135:前記少なくとも1つの差信号Dは、式D = (a・s21 - b・s22)/(a・s21 + b・s22)によって導出される、実施形態134による検出器。
【0583】
実施形態136:前記減算装置は、前記物体の少なくとも1つの第1横方向座標xが導き出される少なくとも1つの第1差信号Dを形成するように構成され、前記減算装置はさらに、前記物体の少なくとも1つの第2横方向座標y導出される少なくとも1つの第2差信号Dを形成するように構成される、実施形態133~135のうちのいずれか一つによる検出器。
【0584】
実施形態137:前記第1差信号Dは、第1の次元で前記導波シートの対向するエッジ、例えば対向するリム部および/または隅部に配置された少なくとも2つの感光要素の少なくとも2つの第2センサ信号sx1,sx2から生成され、前記第2差信号Dは、第2の次元で前記導波シートの対向するエッジ、例えば対向するリム部および/または隅部に配置された少なくとも2つの感光要素の第2センサ信号sy1,sy2から生成される、実施形態136による検出器。
【0585】
実施形態138:前記少なくとも1つの第1差信号Dは、式D=(a・sx1 - b・sx2)/(a・sx1 + b・sx2)によって導出され、前記少なくとも1つの第2差信号Dは、式D=(c・sy1 - d・sy2)/(c・sy1 + d・sy2)によって導出され、ここで、a,b,c,dは実数係数であり、好ましくはa = 1,b = 1,c = 1,d = 1である、実施形態137による検出器。
【0586】
実施形態139:前記感光要素は、前記蛍光導波シートの対向するエッジ、例えば対向するリム部および/または隅部に配置された少なくとも2つの感光要素を含む、実施形態128~138のうちのいずれか1つによる検出器。
【0587】
実施形態140:前記感光要素は、座標系の第1の次元で前記蛍光導波シートの対向するエッジ、例えば対向するリム部および/または隅部に配置された感光要素の少なくとも1つの第1の対を含み、前記感光要素は、前記座標系の第2の次元で前記蛍光導波シートの対向するエッジ、例えば対向するリム部および/または隅部に配置された感光要素の少なくとも1つの第2の対をさらに含む、実施形態128~139のうちのいずれか1つによる検出器。
【0588】
実施形態141:前記第2感光エリアは均質な感光エリアである、実施形態114~140のうちのいずれか1つによる検出器。
【0589】
実施形態142:前記第2感光エリアは、少なくとも5mm、好ましくは少なくとも10mm、より好ましくは少なくとも100mm、より好ましくは少なくとも400mmの表面積を有する、実施形態114~141のうちのいずれか1つによる検出器。
【0590】
実施形態143:前記蛍光導波シートは少なくとも1つの平面シートを含む、実施形態114~142のうちのいずれか1つによる検出器。
【0591】
実施形態144:前記蛍光導波シートは、10μm~3mmの厚さ、好ましくは100μm~1mmの厚さ、例えば50μm~2mmの厚さを有する、実施形態114~143のうちのいずれか1つによる検出器。
【0592】
実施形態145:前記蛍光導波路シートは可撓性または変形可能である、実施形態114~144のうちのいずれか1つによる検出器。
【0593】
実施形態146:前記蛍光導波シートは少なくとも1つのマトリックス材料を含み、前記少なくとも1つの蛍光材料は、前記マトリックス材料に混合され、前記マトリックス材料に分散され、前記マトリックス材料に化学的に結合するか、または前記マトリックス材料に溶解している1つ以上のものである、実施形態114~145のうちのいずれか1つによる検出器。
【0594】
実施形態147:前記マトリックス材料は少なくとも1つのプラスチック材料を含む、実施形態146による検出器。
【0595】
実施形態148:前記プラスチック材料は少なくとも1つのポリマー材料を含む、実施形態147による検出器。
【0596】
実施形態149:前記プラスチック材料は、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、実施形態147または148による検出器。
【0597】
実施形態150:前記蛍光材料が少なくとも1つの蛍光染料を含む、実施形態114~149のうちのいずれか1つによる検出器。
【0598】
実施形態151:前記蛍光染料は少なくとも1つの有機蛍光染料を含む、実施形態150による検出器。
【0599】
実施形態152:前記蛍光染料は、キサンテン誘導体、好ましくはフルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン、テキサスレッド、またはその任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;シアニン誘導体、好ましくはシアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;スクアライン誘導体または環置換スクアライン、好ましくはSeta、SeTau、およびSquare染料、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;ナフタレン誘導体、好ましくはダンシルもしくはそのプロダン誘導体のうちの1つまたは複数;クマリン誘導体;オキサジアゾール誘導体、好ましくはピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;アントラセン誘導体、好ましくはアントラキノン、DRAQ5、DRAQ7、CyTRAKオレンジ、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;ピレン誘導体、好ましくはカスケードブルー;オキサジン誘導体、好ましくはナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;アクリジン誘導体、好ましくはプロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;アリールメチン誘導体、好ましくはオーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、またはそれらの任意の成分の誘導体のうちの1つまたは複数;テトラピロール誘導体、好ましくはポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンのうちの1つまたは複数;ペリレン染料またはリレン染料のようなその任意の誘導体;ナフタレンイミドまたはペリレンイミド;WO 2012/168395 A1に公開されているようなナフトイレンベンズイミダゾール染料;またはそれらの任意の成分の誘導体、からなる群から選択される、実施形態150または151による検出器。
【0600】
実施形態153:前記少なくとも1つの感光要素は、前記蛍光導波シートのエッジの少なくとも1つのセグメントに沿って延びる少なくとも1つの引き延ばされた感光要素を含む、実施形態114~152のうちのいずれか1つによる検出器。
【0601】
実施形態154:前記蛍光導波シートは矩形蛍光導波シート、好ましくは正方形蛍光導波シートであり、前記感光要素は前記蛍光導波シートの4つのエッジのそれぞれ、例えば4つのリム部および/または隅部のそれぞれに配置されている、実施形態114~153のうちのいずれか1つによる検出器。
【0602】
実施形態155:前記検出器はさらに、少なくとも1つの光フィルタ要素、好ましくは少なくとも1つの光ショートパスフィルタを含む、実施形態114~154のうちのいずれか1つによる検出器。
【0603】
実施形態156:前記第1および第2の光センサは、前記検出器の同一のビーム経路内に直線的に配置されている、実施形態114~155のうちのいずれか1つによる検出器。
【0604】
実施形態157:前記第1および第2の光センサは、前記検出器の光軸に対して同心的に配置されている、実施形態156による検出器。
【0605】
実施形態158:前記第1光センサは、前記第2光センサの前に配置され、前記第2光センサから前記第1感光エリアの表面積の平方根の5倍以下の距離で離間している、実施形態114~157のうちのいずれか1つによる検出器。
【0606】
実施形態159:前記第1光センサは前記第2光センサの前に配置され、前記第2光センサから50mm以下、好ましくは15mm以下の距離で離間している、実施形態114~158のうちのいずれか1つによる検出器。
【0607】
実施形態160:前記第2感光エリアは前記第1感光エリアに比して、少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、最も好ましくは少なくとも5倍大きい、実施形態114~159のうちのいずれか1つによる検出器。
【0608】
実施形態161:前記第1感光エリアは、1mm~150mmの表面積、より好ましくは10mm~100mmの表面積を有する、実施形態114~160のうちのいずれか1つによる検出器。
【0609】
実施形態162:前記第2感光エリアは、160mm~1000mmの表面積、より好ましくは200mm~600mmの表面積を有する、実施形態114~161のうちのいずれか1つ、特に実施形態161による検出器。
【0610】
実施形態163:前記第1および第2の光センサはそれぞれ、少なくとも測定範囲内で、それぞれの第1および第2のセンサ信号がそれぞれの光センサの照射の総出力に依存し、前記照射の光スポットの直径から独立しているような、線形信号特性を有している、実施形態114~162のうちのいずれか1つによる検出器。
【0611】
実施形態164:前記第1光センサは、半導体センサ、好ましくは無機半導体センサ、より好ましくはフォトダイオード、最も好ましくはシリコンフォトダイオードである、実施形態114~163のうちのいずれか1つによる検出器。
【0612】
実施形態165:前記第1光センサは、単一の感光エリアを有する均一なセンサである、実施形態114~164のうちのいずれか1つによる検出器。
【0613】
実施形態166:前記検出器は、前記物体を照射するための照射源をさらに含む、実施形態114~165のうちのいずれか1つによる検出器。
【0614】
実施形態167:前記照射源は、前記物体を照射するための照射光ビームを生成するように構成され、前記検出器は、前記照射光ビームが前記検出器から前記物体にむかって前記検出器の光軸に沿って伝播するように構成されている、実施形態166による検出器。
【0615】
実施形態168:前記検出器は、前記照射光ビームを前記光軸上に偏向させるための少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを有している、実施形態167による検出器。
【0616】
実施形態169:前記検出器は、少なくとも1つの転送装置をさらに有し、前記転送装置は、前記光ビームを前記光センサ上に案内するように適合されている、実施形態114~168のうちのいずれか1つによる検出器。
【0617】
実施形態170:前記転送装置は、少なくとも1つのレンズ、少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つのビーム偏向素子、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブまたはビーム分割ミラー;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つまたは複数を含む、実施形態169による検出器。
【0618】
実施形態171:前記第1感光エリアは、前記光ビームの伝播方向において、前記第2感光エリアと重なる、実施形態114~170のうちのいずれか1つによる検出器。
【0619】
実施形態172:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器であって、
- 少なくとも1つの角度依存光学要素であって、前記物体から前記検出器に向かって伝播して該角度依存光学要素を照射する入射光ビームの入射角に応じて、少なくとも1つのビームプロファイルを有する少なくとも1つの伝送光ビームを生成するように適合された角度依存光学要素と;
- 少なくとも2つの光センサであって、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは、前記角度依存光学要素によって生成された光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応じて少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計された、光センサと;
- 前記センサ信号から商信号Qを評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成された少なくとも1つの評価装置と、
を有する検出器。
【0620】
実施形態173:前記角度依存光学要素は、少なくとも1つの光ファイバ、特に少なくとも1つの多分岐光ファイバ、特に少なくとも1つの二分岐光ファイバ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの角度依存反射要素、少なくとも1つの回折格子要素、特にブレーズ格子要素;少なくとも1つの開口絞り;少なくとも1つのレンズアレイ、特に少なくとも1つのマイクロレンズアレイ;少なくとも1つの光フィルタ;少なくとも1つの偏光フィルタ;少なくとも1つの帯域通過フィルタ;少なくとも1つの液晶フィルタ、特に液晶チューナブルフィルタ;少なくとも1つのショートパスフィルタ;少なくとも1つのロングパスフィルタ;少なくとも1つのノッチフィルタ;少なくとも1つの干渉フィルタ;少なくとも1つの伝送格子;少なくとも1つの非線形光学要素、特に1つの複屈折光学要素、からなる群から選択される少なくとも1つの光学要素を有している、実施形態172による検出器。
【0621】
実施形態174:前記検出器は、少なくとも1つの転送装置を含み、前記転送装置は、前記物体から前記検出器へ伝播する少なくとも1つの入射光ビームに応じて少なくとも1つの焦点距離を有する、実施形態172または173による検出器。
【0622】
実施形態175:前記検出器は、前記物体を照射するための照射源をさらに含む、実施形態172~174のうちのいずれか1つによる検出器。
【0623】
実施形態176:前記照射源は、前記角度依存光学要素を通して前記物体を照射するように適合されている、実施形態175による検出器。
【0624】
実施形態177:前記照射源および前記角度依存光学要素は、前記転送装置の後方で前記物体から前記検出器に進む光ビームの伝播方向に配置されている、実施形態175または176による検出器。
【0625】
実施形態178:前記照射源と前記光センサの間の前記検出器の光軸に垂直な距離が小さい、実施形態175~177のうちのいずれか1つによる検出器。
【0626】
実施形態179:前記照射源と前記光センサの間の前記検出器の光軸に垂直な距離が0.1m未満、好ましくは0.05m未満、より好ましくは0.025m未満である、実施形態178による検出器。
【0627】
実施形態180:前記角度依存光学要素は光ファイバであり、前記照射源は前記光ファイバを通って案内され、前記照射源は少なくとも1つの照射ビームを生成するように適合され、前記照射ビームは前記転送装置の後方で前記転送装置の半径より小さいベースライン内で前記光ファイバから出て、前記照射ビームを案内する前記光ファイバは屈折率の差が大きい界面における反射を低減するために前記転送装置に取り付けることができる、実施形態178または179による検出器。
【0628】
実施形態181:前記光ファイバは、ポリマー、接着剤または他の取り付け手段のうちの1つまたは複数によって前記転送装置に取り付けられる、実施形態180による検出器。
【0629】
実施形態182:前記照射源と前記光センサの間の前記検出器の光軸に垂直な距離は、前記転送装置の半径よりも小さい、実施形態178~181のうちのいずれか1つによる検出器。
【0630】
実施形態183:前記評価装置は、前記センサ信号を割算すること、前記センサ信号の倍数を割算すること、前記センサ信号の線形結合を割算することのうちの1つまたは複数によって前記商信号Qを導出するように構成されている、実施形態172~182のうちのいずれか1つによる検出器。
【0631】
実施形態184:前記評価装置は、前記縦方向座標を決定するために、前記商信号Qと前記縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成される、実施形態183による検出器。
【0632】
実施形態185:前記評価装置は、数式26によって前記商信号Qを導出するように構成されており、ここで、xおよびyは横方向座標、AおよびAは前記光センサのセンサ位置における前記ビームプロファイルの面積、E(x,y,z)は物体距離zにおいて与えられるビームプロファイルを示す、実施形態172~184のうちのいずれか1つによる検出器。
【0633】
【数26】
【0634】
実施形態186:前記評価装置は少なくとも1つのデバイダを含み、前記デバイダは前記商信号を導出するように構成されている、実施形態172~185のうちのいずれか1つによる検出器。
【0635】
実施形態187:前記光センサは、焦点からずらして配置されている、実施形態172~186のうちのいずれか1つによる検出器。
【0636】
実施形態188:前記センサ信号のそれぞれは、前記角度依存光学要素によって生成された光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つの面積の少なくとも1つの情報を含む、実施形態172~187のうちのいずれか1つによる検出器。
【0637】
実施形態189:前記ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル、三角形ビームプロファイル、円錐形ビームプロファイル、およびガウスビームプロファイルの線形結合、からなる群から選択される、実施形態188による検出器。
【0638】
実施形態190:前記感光エリアは、第1のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第1領域の情報を含み、第2のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第2領域の情報を含むように構成され、前記ビームプロファイルの第1領域と前記ビームプロファイルの第2領域は、隣接領域または重複領域の一方または両方である、実施形態188または189による検出器。
【0639】
実施形態191:前記評価装置は、前記ビームプロファイルの第1領域と前記ビームプロファイルの第2領域を決定するように構成されている、実施形態190による検出器。
【0640】
実施形態192:前記ビームプロファイルの第1領域は、本質的に前記ビームプロファイルのエッジ情報を含み、前記ビームプロファイルの第2領域は、本質的に前記ビームプロファイルの中心情報を含む、実施形態188~191のうちのいずれか1つによる検出器。
【0641】
実施形態193:前記エッジ情報は前記ビームプロファイルの第1領域内の光子の数に関する情報を含み、前記中心情報は前記ビームプロファイルの第2領域内の光子の数に関する情報を含む、実施形態173~192のうちのいずれか1つによる検出器。
【0642】
実施形態194:前記物体から前記検出器に伝播する光ビームは少なくとも1つの線パターンで前記光センサを照射し、A1は前記光センサ上の前記線パターンの全線幅を有する領域に対応し、A2は前記光センサ上の前記線パターンの中心領域である、実施形態192または193による検出器。
【0643】
実施形態195:前記物体から前記検出器に伝播する光ビームは少なくとも1つの点パターンで前記光センサを照射し、A1は前記光センサ上の前記点パターンの点の全半径を有する領域に対応し、A2は前記光センサ上の点パターンの点の中心領域である、実施形態191~194のうちのいずれか1つによる検出器。
【0644】
実施形態196:前記評価装置は、前記エッジ情報と前記中心情報を割算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の倍数を割算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の線形結合を割算すること、のうちの1つまたは複数によって前記商信号Qを導出するように構成されている、実施形態194または195による検出器。
【0645】
実施形態197:前記検出器は、光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素を有し、前記光センサはそれぞれ感光エリアを有し、各光センサは、前記角度依存光学要素によって生成された光ビームによる前記感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように構成されている、実施形態174~196のうちのいずれか1つによる検出器。
【0646】
実施形態198:前記評価装置は、
a)前記最高のセンサ信号を有し、少なくとも1つの中心信号を形成する少なくとも1つの光センサを決定すること;
b)前記マトリックスの光センサのセンサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること;
c)前記中心信号と前記和信号を結合することによって少なくとも1つの結合信号を決定すること:および
d)前記結合信号を評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定すること、
によって前記センサ信号を評価するように構成されている、実施形態197による検出器。
【0647】
実施形態199:前記中心信号が、前記最高のセンサ信号;前記最高センサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号群の平均;前記最高のセンサ信号を有する光センサと隣接する光センサの所定の群を含む光センサ群のセンサ信号の平均;前記最高のセンサ信号を有する光センサと隣接する光センサの所定の群を含む光センサ群のセンサ信号の合計;前記最高のセンサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号群の合計;所定の閾値を超えているセンサ信号群の平均;所定の閾値を超えているセンサ信号群の合計;前記最高のセンサ信号を有する光センサと隣接する光センサの所定の群を含むセンサ信号群のセンサ信号の積分;前記最高のセンサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号群の積分;所定の閾値を超えているセンサ信号群の積分、からなる群から選択される、実施形態198による検出器。
【0648】
実施形態200:前記和信号は、前記マトリックスの全センサ信号の平均と、前記マトリックスの全センサ信号の和と、前記マトリックスの全センサ信号の積分と、前記中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く前記マトリックスの全センサ信号の平均と、前記中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く前記マトリックスの全センサ信号の和と、前記中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く前記マトリックスの全センサ信号の積分と、前記最高のセンサ信号を有する前記光センサから所定範囲内の光センサのセンサ信号の和と、前記最高のセンサ信号を有する前記光センサから所定範囲内の光センサのセンサ信号の積分と、前記最高のセンサ信号を有する前記光センサから所定範囲内に位置する光センサの所定の閾値より高いセンサ信号の和と、前記最高のセンサ信号を有する前記光センサから所定範囲内に位置する光センサの所定の閾値より高いセンサ信号の積分、からなる群から選択される、実施形態198または199による検出器。
【0649】
実施形態201:前記結合信号は、前記中心信号と前記和信号の商またはその逆の商を形成すること、前記中心信号の倍数と前記和信号の倍数の商またはその逆の商を形成すること、前記中心信号の線形結合と前記和信号の線形結合の商またはその逆の商を形成すること、前記中心信号と前記和信号の第1の線形結合と前記中心信号と前記和信号の第2の線形結合の商またはその逆の商を形成すること、のうちの1つまたは複数によって導出される商信号Qである、実施形態198~200のうちのいずれか1つによる検出器。
【0650】
実施形態202:各感光エリアは幾何学中心を有し、前記光センサの前記幾何学中心は前記検出器の光軸から異なる空間的オフセットで離れており、各光センサは前記角度依存光学要素によって生成された光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答してセンサ信号を生成するように構成されている、実施形態175~201のうちのいずれか1つによる検出器。
【0651】
実施形態204:前記光センサはセンサアレイの一部であり、前記センサアレイの幾何学中心は前記光軸からオフセットされている、実施形態202による検出器。
【0652】
実施形態205:前記センサアレイは前記光軸に対して移動可能である、実施形態204による検出器。
【0653】
実施形態206:前記評価装置は、最初に、前記センサ信号を使用することによって、前記光ビームによって生成された前記センサアレイ上の光スポットの横方向位置を決定し、次に、前記光スポットが偏心するまで前記センサアレイを前記光軸に対して移動させるように構成されている、実施形態205による検出器。
【0654】
実施形態207:前記光センサは、バイセルまたは象限ダイオードの部分ダイオードであり、前記象限ダイオードの幾何学中心は、前記検出器の前記光軸から偏心している、実施形態203~206のうちのいずれか1つによる検出器。
【0655】
実施形態208:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器システムであって、実施形態1~207のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を含み、前記検出器システムは少なくとも1つの光ビームを前記検出器に指向させる少なくとも1つのビーコン装置をさらに有し、前記ビーコン装置は前記物体に取り付け可能なもの、前記物体によって保持可能なもの、前記物体に一体化されたもののうちの少なくとも1つである、検出器システム。
【0656】
実施形態209:ユーザとマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するためのヒューマンマシンインターフェースであって、実施形態208による少なくとも1つの検出器システムを備え、前記少なくとも1つのビーコン装置が前記ユーザに直接的または間接的に取り付けられるものおよび前記ユーザによって保持されもののうちの少なくとも1つであるように適合され、前記検出器システムによって前記ユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計され、前記位置に少なくとも1つの情報項目を割り当てるように設計されている、ヒューマンマシンインターフェース。
【0657】
実施形態210:少なくとも1つの娯楽機能を実行する娯楽装置であって、前記娯楽装置は実施形態209による少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを有し、前記娯楽装置はプレーヤが前記ヒューマンマシンインターフェースによって少なくとも1つの情報項目を入力できるように設計され、前記娯楽装置は前記情報によって前記娯楽機能を変化させるように設計されている、娯楽装置。
【0658】
実施形態211:少なくとも1つの移動可能な物体の位置を追跡するための追跡システムであって、前記追跡システムは検出器システムを参照する実施形態1~210のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器システムを含み、前記追跡システムは少なくとも1つの追跡コントローラをさらに有し、前記追跡コントローラは所定の時点における前記物体の一連の位置を追跡するように適合されている、追跡システム。
【0659】
実施形態212:場景の奥行きプロファイルを決定するための走査システムであって、前記走査システムは検出器を参照する実施形態1~211のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を有し、前記走査システムはさらに、少なくとも1つの光ビームによって前記場景を走査するように適合された少なくとも1つの照射源をさらに有している、走査システム。
【0660】
実施形態213:少なくとも1つの物体を撮像するためのカメラであって、検出器を参照する実施形態1~212のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を有している、カメラ。
【0661】
実施形態214:電子機器において使用するための慣性測定ユニットであって、前記慣性測定ユニットは検出器を参照する実施形態1~213のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器によって決定されたデータを受信するように適合され、前記慣性測定ユニットはさらに車輪速度センサ、回転速度センサ、傾斜センサ、方位センサ、動きセンサ、電磁流体力学センサ、力センサ、角度センサ、角速度センサ、磁界センサ、磁力計、加速度計、ジャイロスコープからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるセンサによって決定されたデータを受信するように適合され、前記慣性測定ユニットは前記検出器と前記少なくとも1つのセンサからのデータを評価することにより、空間位置、相対運動または絶対運動、回転、加速度、方向、角度位置、傾斜、回転速度、速度からなる群から選択される前記電子機器の少なくとも1つの特性を決定するように適合されている、慣性測定ユニット。
【0662】
実施形態215:光記憶媒体のための読出し装置であって、検出器を参照する実施形態1~214のいずれか1つによる検出器を有している、読出し装置。
【0663】
実施形態216:少なくとも1つの検出器を使用することによって少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法であって、
- 少なくとも2つの光センサを提供し、各光センサは感光エリアを有し、各光センサは、光ビームによるそのそれぞれの感光エリアの照射に応答してセンサ信号を生成するように構成され、前記検出器は少なくとも1つの転送装置を有し、前記転送装置は前記物体から前記検出器に伝播する光ビームに応じて少なくとも1つの焦点距離を有する、ステップ;
- 前記物体から前記検出器に伝播する光ビームによって前記検出器の前記少なくとも2つの光センサの各感光エリアを照射することによって、各感光エリアは少なくとも1つのセンサ信号を生成する、ステップ;および
- 前記センサ信号を評価し、それによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定し、前記評価は前記センサ信号の商信号Qを導出することを含む、ステップ、
を含む方法。
【0664】
実施形態217:前記物体の縦方向座標zは、物体平面内の物体サイズから独立して、少なくとも1つの測定範囲において決定される、実施形態216による方法。
【0665】
実施形態218:前記商信号Qの導出は、前記センサ信号を割算すること、前記センサ信号の倍数を割算すること、前記センサ信号の線形結合を割算すること、のうちの1つまたは複数を含む、実施形態217による方法。
【0666】
実施形態219:前記物体から前記転送装置までの縦方向距離z;前記転送装置の焦点距離f;前記転送装置の射出瞳の直径E;前記転送装置から前記感光エリアまでの縦方向距離z;前記転送装置から前記物体の像までの距離z;前記物体平面における物体サイズOsize、からなる群から選択される1つ以上のパラメータを調整することにより測定範囲を調整することを含む、方法を参照する実施形態1~218のいずれか1つによる方法。
【0667】
実施態様220:前記転送装置は光軸を有し、前記転送装置は座標系を構成し、縦方向座標lは光軸に沿った座標であり、dは前記光軸からの空間的オフセットであり、前記光センサの前記感光エリアが縦方向座標、空間的オフセット、表面積のうちの少なくとも1つで異なるように前記光センサを構成することを含む、方法を参照する実施形態1~219のいずれか1つによる方法。
【0668】
実施形態221:前記センサ信号のそれぞれは、前記光ビームの少なくとも1つのビームプロファイルの少なくとも1つの情報を含み、前記ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイルおよびガウスビームプロファイルの線形結合からなる群から選択され、前記感領域は、第1のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第1領域の情報を含み、第2のセンサ信号が前記ビームプロファイルの第2領域の情報を含むように構成され、前記ビームプロファイルの第1領域と前記ビームプロファイルの第2領域は、隣接領域または重複領域の一方または両方である、方法を参照する実施形態1~220のいずれか1つによる方法。
【0669】
実施形態222:前記評価が、前記ビームプロファイルの第1領域および前記ビームプロファイルの第2領域を決定することを含む、実施形態221による方法。
【0670】
実施形態223:前記ビームプロファイルの第1領域は、本質的に前記ビームプロファイルのエッジ情報を含み、前記ビームプロファイルの第2領域は、本質的に前記ビームプロファイルの中心情報を含み、前記エッジ情報は前記ビームプロファイルの第1領域内の光子の数に関する情報を含み、前記中心情報は前記ビームプロファイルの第2領域内の光子の数に関する情報を含み、前記評価は、前記エッジ情報と前記中心情報を割算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の倍数を割算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の線形結合を割算すること、のうちの1つまたは複数によって商信号Qを導出することを含む、実施形態221または222による方法。
【0671】
実施形態224:少なくとも1つの検出器を使用することによって少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法であって、
- 前記物体から検出器に伝播する光ビームによって前記検出器の少なくとも1つの第1光センサの少なくとも1つの第1感光エリアを照射し、それによって少なくとも1つの第1センサ信号を生成するステップ;
- 前記光ビームによって前記検出器の少なくとも1つの第2光センサの少なくとも1つの第2感光エリアを照射し、それによって少なくとも1つの第2センサ信号を生成し、前記第1感光エリアは前記第2感光エリアより小さい、ステップ;および
- 前記第1および第2のセンサ信号を評価し、それによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップ、
を含む方法。
【0672】
実施形態225:前記第1と第2のセンサ信号の評価は、前記第1および第2のセンサ信号を割算すること、前記第1および第2のセンサ信号の倍数を割算すること、または前記第1および第2のセンサ信号の線形結合を割算することによって商信号Qを導出することを含み、前記縦方向座標の決定は前記商信号Qを評価することを含む、実施形態224による方法
【0673】
実施形態226:少なくとも1つの検出器を使用することによって少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法であって、
- 前記物体から前記検出器に伝播する少なくとも1つの光ビームによって前記検出器の少なくとも1つのセンサ要素を照射し、前記検出器は光センサのマトリックスを有し、前記光センサはそれぞれ感光エリアを有し、前記各光センサは照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成する、ステップと、
- 前記センサ信号を、
a) 最高のセンサ信号を有し、少なくとも1つの中心信号を形成する少なくとも1つの光センサを決定すること;
b) 前記マトリックスの前記光センサの前記センサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること;
c) 前記中心信号と前記和信号を結合することにより少なくとも1つの結合信号を決定すること;および、
d) 前記結合信号を評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定すること、によって決定するステップと、
を有する方法。
【0674】
実施形態227:前記結合信号は、前記中心信号と前記和信号の商またはその逆の商を形成すること、前記中心信号の倍数と前記和信号の倍数の商またはその逆の商を形成すること、前記中心信号の線形結合と前記和信号の線形結合の商またはその逆の商を形成すること、前記中心信号と前記和信号の第1の線形結合と前記中心信号と前記和信号の第2の線形結合の商を形成すること、のうちの1つまたは複数によって導出される商信号Qである、実施形態226による方法。
【0675】
実施形態228:前記縦方向座標の決定は、前記商信号Qを評価することを含み、前記商信号の評価は、前記縦方向座標を決定するために前記商信号Qと前記縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を用いることを含む、実施形態227による方法。
【0676】
実施形態229:検出器を参照する実施形態1~228のうちのいずれか1つによる前記検出器を使用することを含む、方法の実施形態226~228のうちのいずれか1つによる方法。
【0677】
実施形態230:少なくとも1つの検出器を使用することによって少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法であって、
- 少なくとも2つの光センサを提供し、各光センサは感光エリアを有し、各感光エリアは幾何学中心を有し、前記光センサの幾何学中心は前記検出器の光軸から異なる距離で離間し、各光センサは、光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答してセンサ信号を生成するように構成されているステップ;
- 前記検出器の少なくとも2つの光センサの少なくとも2つの感光エリアを、前記物体から前記検出器に伝播する光ビームによって照射し、それによって少なくとも2つのセンサ信号を生成するステップ;および
- 少なくとも2つのセンサ信号を結合することによって前記センサ信号を評価し、それによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップ、
を含む方法。
【0678】
実施形態231:前記センサ信号の評価は、前記センサ信号を割算すること、前記センサ信号の倍数を割算すること、または前記センサ信号の線形結合を割算すること、のうちの1つまたは複数によって商信号Qを導出することを含み、前記縦方向座標の決定は、前記商信号Qを評価することを含む、実施形態230による方法。
【0679】
実施形態232:少なくとも1つの検出器を使用することによって少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法であって、
- 少なくとも1つの角度依存光学要素を提供し、入射角に依存する少なくとも1つのビームプロファイルを有する少なくとも1つの光ビームを生成するステップ;
- 少なくとも2つの光センサを提供し、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは前記角度依存光学要素によって生成された光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されているステップ;
- 前記角度依存光学要素によって生成された光ビームによって前記検出器の前記少なくとも2つの光センサの各感光エリアを照射することによって、各感光エリアが少なくとも1つのセンサ信号を生成するステップ;および
- 前記センサ信号を評価し、それによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定し、前記評価が前記センサ信号の結合信号Qを導出することを含むステップ、を含む方法。
【0680】
実施形態233:前記結合信号Qの導出は、前記センサ信号を割算すること、前記センサ信号の倍数を割算すること、前記センサ信号の線形結合を割算すること、のうちの1つまたは複数を含む、実施形態232による方法。
【0681】
実施形態234:使用目的が、交通技術における位置測定、娯楽用途、光データ記憶用途、セキュリティ用途、監視用途、安全用途、ヒューマンマシンインターフェース用途、追跡用途、写真撮影用途、物流用途、マシンビジョン用途、ロボット用途、品質管理用途、製造用途、光データの記憶および読出しと組み合わせ用途、からなる群から選択される、検出器に関する実施形態1~233のいずれか1つによる検出器の使用。
【図面の簡単な説明】
【0682】
本発明のさらなる任意の詳細および特徴は、従属請求項と併せて続く好ましい例示的な実施形態の説明から明らかである。これに関連して、特定の特徴は、独立したやり方で、または他の特徴と組み合わせて実施することができる。本発明は例示的な実施形態に限定されない。例示的な実施形態は、図面に概略的に示されている。個々の図における同一の参照番号は、同一の要素または同一の機能を有する要素、またはそれらの機能に関して互いに対応する要素を指す。
具体的には、図中では:
図1】本発明による検出器の異なる実施形態を示す図である。
図2】本発明による検出器の異なる実施形態を示す図である。
図3】光源の様々な強度について、物体の縦方向座標zの関数としての商信号Qを示す図である。
図4】様々なターゲットサイズに対する物体の縦方向座標zの関数としての商信号Qを示す図である。
図5】本発明による検出器、検出器システム、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、追跡システム、走査システム、およびカメラの例示的な実施形態を示す図である。
図6】本発明による検出器のさらに異なる実施形態を示す図である。
図7】本発明による検出器のさらに異なる実施形態を示す図である。
図8】光センサのマトリックス上の光スポットおよびその評価の例を示す図である。
図9】本発明による検出器、検出器システム、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、追跡システム、走査システムおよびカメラのさらなる例示的な実施形態を示す図である。
図10】様々な照射強度についての縦方向座標zの関数としての商信号Qの例示的な実施形態を示す図である。
図11】本発明による検出器のさらに異なる実施形態を示す図である。
図12】本発明による検出器のさらに異なる実施形態を示す図である。
図13】本発明による検出器、検出器システム、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、追跡システム、走査システム、およびカメラのさらなる例示的な実施形態を示す図である。
図14】検出器の光軸と象限ダイオード上の光スポットの偏心した位置を示す図である。
図15】スタガード光センサを有する検出器の代替実施形態を示す図である。
図16】様々な測定条件下での物体の縦方向座標zの関数としての象限フォトダイオードの2つのフォトダイオードの2つのセンサ信号の商信号Qを示す図である。
図17】様々な測定条件下での物体の縦方向座標zの関数としての象限フォトダイオードの2つのフォトダイオードの2つのセンサ信号の商信号Qを示す図である。
図18】様々な測定条件下での物体の縦方向座標zの関数としての象限フォトダイオードの2つのフォトダイオードの2つのセンサ信号の商信号Qを示す図である。
図19AB図19ABは、オフアクシス照射光ビームを用いた、図12の実施形態の変形例を示す図である。
図19CDE図19CDEは、光センサとしてバイセルを用いた図19Aによる検出器構成を用いた2つの実験構成と実験結果の比較を示す図である。
図20】本発明による検出器のさらに異なる実施形態を示す図である。
図21】本発明による検出器のさらに異なる実施形態を示す図である。
図22図22ABは、本発明で使用することができる第2の光センサの例示的実施形態の異なる図を示す。
図23】光ビームによって生成された光スポットを有する、図22Aおよび図22Bに示されている第2光センサの感光エリアの上面図である。
図24】評価装置のさらなる例示的な概略構成を示す図である。
図25】本発明による検出器、検出器システム、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、追跡システム、走査システムおよびカメラのさらなる例示的実施形態を示す図である。
図26図26ABは、本発明で使用することができる第2光センサの代替実施形態を示す図である。
図27図27ABは、本発明による検出器のさらなる例示的実施形態を示す図である。
図28】本発明による検出器を用いた距離決定の実験結果を示す図である。
図29】本発明による検出器のさらなる例示的実施形態を示す図である。
図30】センサ要素に衝突する例示的な点群を示す図である。
図31図31A~Oは、本発明による光センサのさらなる例示的構成を示す図である。
図32】異なる物体サイズに対する縦方向座標zの決定の実験結果を示す図である。
図33図33ABは、例示的なビームプロファイルと該ビームプロファイルの第1領域および第2領域の決定を示す図である。
図34】検出器のさらなる例示的実施形態を示す図である。
図35】本発明による検出器の例示的実施形態を示す図である。
図36】多分岐光ファイバを有する実施形態を示す図である。
図37図36の光ファイバの断面を示す図である。
図38】角度依存光学要素の角度に依存した転送を視覚化した図である。
図39】一定の照射パワーにおける光ファイバの角度依存伝送パワーを示す図である。
図40図40ABは、距離測定の実験結果を示す図である。
図41】本発明による検出器、検出器システム、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、追跡システム、走査システム、およびカメラの例示的実施形態を示す図である。
図42】線パターンを使用して縦方向座標zを決定する一実施形態を示す図である。
図43】計算光線追跡法を用いた一次元の場合の物体サイズの独立性のシミュレーションテストを示す図である。
図44図44ABは、所定の角度θの線に沿って座標原点から距離ωを有する断面に細分化されたデフォーカスビームプロファイルと、光センサのマトリックス上の異なる画像領域のラドン変換を示す図である。
図45図45ABは、少なくとも1つのバイセルを含む本発明による検出器のさらなる実施形態を示す図である。
図46】結合センサ信号のスポット径の独立性を示す図である。
図47図47A~Cは、六角形照射パターンの3つの実施形態を示す図である。
図48】走査装置の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0683】
図1では、少なくとも1つの物体112の位置を決定するための検出器110の第1の実施形態の概略図が示されている。検出器110は、少なくとも2つの光センサ113、例えばそれぞれが少なくとも1つの感光エリア121を有する第1光センサ118および第2光センサ120を含む。この場合、物体112はビーコン装置114を含み、そこから光ビーム116が第1光センサ118および第2光センサ120に向かって伝播する。第1光センサ118は第1感光エリア122を含み、第2光センサ120は第2感光エリア124を含むことができる。光ビーム116は、一例として、検出器110の光軸126に沿って伝播し得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。光検出器110はさらに、特にビーム整形のための少なくとも1つの転送装置128、例えば少なくとも1つのレンズまたはレンズシステムを備えることができる。転送装置128は、物体112から検出器110に伝播する入射光ビーム116に応じて少なくとも1つの焦点距離を有する。転送装置128は光軸129を有し、転送装置128と光検出器は好ましくは共通の光軸を有することができる。搬送装置128は座標系を構成している。光軸126,129に平行または逆平行な方向は縦方向と定義することができ、一方、光軸126,129に垂直な方向を横方向と定義することができ、縦方向座標lは、光軸126,129に沿った座標であり、ここで、dは光軸126,129からの空間的オフセットである。したがって、光ビーム116は、1つ以上の焦点130などで集束され、光ビーム116のビーム幅は、物体112の縦方向座標z、例えば検出器110とビーコン装置114および/または物体112の間の距離に依存し得る。光センサ118,120は焦点から外れて配置されてもよい。縦方向座標に対するこのビーム幅の依存性の詳細については、WO 2012/110924 A1および/またはWO 2014/097181 A1のうちの1つまたは複数を参照することができる。
【0684】
この第1の好ましい実施形態では、光センサ118,120は、感光エリア122,124がそれらの縦方向座標および/またはそれらの表面積および/またはそれらの表面形状が異なるように構成されてもよい。図1から分かるように、第1光センサ118は小型の光センサであり、第2光センサ120は大型の光センサである。したがって、光ビーム116の幅は第1感光エリア122を完全に覆い、一方、第2感光エリア124上には、第2感光エリア124よりも小さい光スポットが生成され、該光スポットは第2感光エリア124内に完全に位置するようになる。一例として、第1感光エリア122は1mm~100mmの表面積を有し、第2感光エリア124は50~600mmの表面積を有する。しかしながら、他の実施形態も可能である。
【0685】
第1光センサ118は、光ビーム116による照射に応答して、第1センサ信号sを生成し得る一方、第2光センサ120は第2センサ信号sを生成し得る。好ましくは、光センサ118,120は線形光センサであり、すなわちセンサ信号sおよびsはそれぞれ、光ビーム116の総出力またはそれぞれの感光エリア122,124を照射する光ビーム116の部分の総出力にのみ依存し、これらのセンサ信号sおよびsは照射の光スポットの実際のサイズから独立している。言い換えれば、好ましくは、光センサ118,120は、上記のFiP効果を示さない。
【0686】
センサ信号sおよびsは、検出器110の評価装置132に提供される。評価装置132は、図1に象徴的に示されるように、上で説明されたように、商信号Qを導出するように具体化される。センサ信号sおよびsまたはそれらの倍数もしくはそれらの線形結合を割算することによって導出される商信号Qは、物体112および/またはビーコン装置114の縦方向座標zに関する少なくとも1つの情報項目を導出するために使用され得、該物体112および/またはビーコン装置114から光ビーム116が検出器110へ伝播する。この評価のさらなる詳細については、以下の図3および図4を参照する。
【0687】
検出器110は、少なくとも1つのビーコン装置114と組み合わされて、図5を参照して以下でさらに詳細に説明されるように、検出器システム134として言及されることがある。
【0688】
図2では、図1の実施形態の変形例が示されており、これは代替の検出器110を形成する。検出器110の代替の実施形態は、図1に示す実施形態と広く対応している。能動的な光源、すなわち光ビーム116を生成する発光特性を有するビーコン装置114を使用する代わりに、検出器110は少なくとも1つの照射源136を含む。照射源136は、一例として、レーザを含むことができ、一方図1では、一例として、ビーコン装置114は発光ダイオード(LED)を含むことができる。照射源136は、物体112を照射するための少なくとも1つの照射光ビーム138を生成するように構成され得る。照射光ビーム138は、物体112によって完全にまたは部分的に反射され、検出器110に向かって戻り、それによって光ビーム116を形成する。
【0689】
図2に示されるように、一例として、照射光ビーム138は検出器110の光軸126と平行であり得る。他の実施形態、すなわちオフアクシス照射および/またはある角度での照射も可能である。オンアクシス照射を提供するために、図2に示されるように、一例として、一つ以上の反射要素140、例えば一つ以上のプリズムおよび/またはダイクロイックミラーのようなミラー、例えば可動ミラーまたは可動プリズムが使用され得る。
【0690】
これらの変更の他は、図2の実施形態の構成は図1の構成に対応する。したがって、同様に、例えば商信号Qを形成するための少なくとも1つのデバイダ142、および一例として、商信号Qから少なくとも1つの縦方向座標zを導出するための少なくとも1つの位置評価装置144を有する評価装置132が使用され得る。評価装置132は、完全にまたは部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアによって具体化され得ることに留意されたい。したがって、一例として、構成要素142,144のうちの1つまたは複数は適切なソフトウェア構成要素によって具体化され得る。
【0691】
さらに、図1および図2に示す実施形態は単に、物体112の縦方向座標zを決定するための実施形態を提供するものであることに留意されたい。しかしながら、図1および図2の構成を変更して、物体112および/またはその一部の横方向座標に関する追加の情報を提供することも可能である。一例として、例えば転送装置128と光センサ118,120の間で、光ビーム116は、1つ以上の部分が分岐され、位置検出装置例えば1つ以上のCCDおよび/またはCMOSピクセル化センサおよび/または象限検出器および/または他の位置検出装置にガイドされ、それらの上に生成された光スポットの横方向位置から、物体112および/またはその部分の横方向座標を導出することができる。横方向座標は、距離情報の品質を検証および/または向上させるために使用され得る。さらなる詳細については、一例として、横方向センサの潜在的に可能な解決策を提供する上述の先行技術文献のうちの1つまたは複数を参照することができる。
【0692】
図3および図4には、典型的な商信号Qが、実験構成における物体112の縦方向座標zの関数として示されている。そこには、物体110の例示的な構成のための簡単な商s / sが示されている。図3および図4はそれぞれ、これらの図では解決されていない一連の実験を示している。したがって、図3では、LEDを有する能動型ビーコン装置114を有する図1に示す構成のための様々な曲線が与えられている。この実験では、ビーコン装置114のLEDターゲットの電流は、1000mAから25mAに変更されている。基本的に、250mmから2250mmの空間測定範囲では、縦方向座標z(mmで与えられる)の関数としての商信号の差は検出されない。
実験は、本発明による検出器110の構成が光ビーム116の総出力から独立していることを明らかに示している。したがって、光ビームの総出力に関する追加の情報、および、従って、輝度に関する追加の照射は、縦方向座標を導出するために必要とされない。したがって、図3に示すように、一例として、実験で測定された商信号Qと縦方向座標zの間には一意的な関係が存在する。
【0693】
したがって、一例として図3に示された曲線は、商信号Qと縦方向座標との間の一意的かつ所定のまたは決定可能な関係を示すための較正曲線として使用され得る。
図3に一例として示された曲線は、データ記憶装置および/またはルックアップテーブルに記憶されてもよい。
【0694】
較正曲線Qは、単に較正実験によって決定することができる。
【0695】
しかし、モデリング、分析的、半経験的および経験的のうちの1つまたは複数によってこれらの曲線を導出することも可能である。
【0696】
図3に示される実験は、本発明による検出器110の構成が、空間の観点(例えば、270mmから2,250mmの測定範囲)からも、明るさまたは光ビーム116の総出力の観点からも広い測定範囲を提供していることを明確に示している。図4では、追加の実験が示され、該構造がターゲットサイズ、すなわちビーコン装置114の横方向の直径から著しく独立していることが示されている。この実験でも、図1に示した構成と同様に、LEDビーコン装置114が使用され、ターゲットのサイズ、すなわちLEDの可視部分は、ディフューザおよび調整可能な開口を使用することによって変更された。それによって、開口またはターゲットサイズは、直径1mmから25mmまで変化した。図4に示される曲線を詳細に解くことなく、商信号Qもやはり、ターゲットサイズが1mmから25mmの間において、ターゲットサイズから著しく独立していることが明らかである。したがって、やはり、商信号Qと縦方向座標zとの間の一意的な関係が、様々なターゲットサイズについて導出することができ、評価に使用することができる。
【0697】
図3および図4に示される結果は、挙げられたパラメータを変更し適切な信号を測定することにより、実験的に得られた。結果は、しかし、分析的に、半分析的に、またはモデル化によっても導き出され得る。比較可能な結果が得られた。
【0698】
図5は、検出器110の例示的な実施形態、例えば図1または図2に示した実施形態を非常に概略的な図で示している。検出器110は、特にカメラ146および/またはカメラ146の一部として具体化されてよい。カメラ146は、撮像のため、特に3D撮像のために作られてもよく、また、静止画像および/またはデジタルビデオクリップのような画像シーケンスの取得のために作られてもよい。他の実施形態も可能である。
【0699】
図5はさらに、検出器システム134の実施形態を示し、該検出器システム134は、少なくとも1つの検出器110に加えて、1つ以上のビーコン装置114を含み、この例では該ビーコン装置114は物体112に取り付けられおよび/または一体化され得、該物体112の位置は検出器110を用いて検出される。図5は、ヒューマンマシンインターフェース148の例示的実施形態をさらに示し、少なくとも1つの検出器システム134と、さらに、ヒューマンマシンインターフェース148を含む娯楽装置150を含む。この図はさらに、検出器システム134を含む、物体112の位置を追跡するための追跡システム152の一実施形態を示す。装置およびシステムの構成要素は、以下にさらに詳細に説明される。
【0700】
図5は、物体112を含む場景を走査するため、例えば少なくとも1つの物体112を走査するため、および/または少なくとも1つの物体112の少なくとも1つの位置を決定するための走査システム154の例示的実施形態をさらに示す。走査システム154は、少なくとも1つの検出器110と、さらに、任意選択可能な少なくとも1つの照射源136と、同様に任意選択可能な少なくとも1つのさらなる照射源136を備える。照射源136は、一般に、少なくとも1つの照射光ビーム138を放射するように、例えば少なくとも1つのドット、例えばビーコン装置114の1つ以上の位置および/または物体112の表面上に位置するドットを照射するように構成される。走査システム154は、物体112を含む場景のプロファイルおよび/または物体112のプロファイルを生成するように設計されてもよく、および/または少なくとも1つの検出器110を使用して少なくとも1つのドットと走査システム154特に検出器110の間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されてもよい。
【0701】
上記で概説したように、図5の構成で使用することができる検出器110の例示的実施形態が図1および図2に示されている。したがって、検出器110は、光センサ118,120に加えて、例えば図5に象徴的に示す少なくとも1つのデバイダ142および/または少なくとも1つの位置評価装置144を有する少なくとも1つの評価装置132を有している。評価装置132の構成要素は、完全にまたは部分的に別個の装置に統合されてもよく、および/または完全にまたは部分的に検出器110の他の構成要素に統合されてもよい。2つ以上の構成要素を完全にまたは部分的に組み合わせる可能性に加えて、1つ以上の光センサ118,120および評価装置132の1つ以上の構成要素が、図5に象徴的に描かれているように、1つ以上のコネクタ156および/または1つ以上のインターフェースによって相互接続され得る。さらに、1つ以上のコネクタ156は、センサ信号を変更または前処理するための1つ以上のドライバおよび/または1つ以上の装置を含むことができる。さらに、少なくとも1つの任意のコネクタ156を使用する代わりに、評価装置132は、光センサ118,120の一方または両方に、および/または検出器110のハウジング158の中に完全にまたは部分的に一体化されてもよい。追加的または代替的に、評価装置132は完全にまたは部分的に分離した装置として設計されてもよい。
【0702】
この例示的な実施形態では、位置を検出することができる物体112は、スポーツ用品として設計することができ、および/またはその位置がユーザ162によって操作できる制御要素もしくは制御装置160を形成することができる。一例として、物体112は、バット、ラケット、クラブ、または他の任意のスポーツ用品および/または偽のスポーツ用品であってもよく、それらを含んでもよい。他の種類の物体112も可能である。さらに、ユーザ162自身が、位置検出される物体112と見なされてよい。
【0703】
上記で概説したように、検出器110は少なくとも光センサ118,120を含む。光センサ118,120は、検出器110のハウジング158の内側に配置することができる。さらに、少なくとも1つの転送装置128は、1つ以上の光学系、好ましくは1つ以上のレンズを含む。
【0704】
ハウジング158内の開口部164は、該開口部164は好ましくは検出器110の光軸126に対して同心状に配置されるのが好ましいが、好ましくは検出器110の視野方向166を画定する。座標系168を定義することができ、該座標系168において、光軸126に平行または逆平行な方向を縦方向と定義し、光軸126に垂直な方向を横方向と定義することができる。図5に象徴的に描かれている座標系128では、縦方向はzで表され、横方向はそれぞれxおよびyで表わされる。他の種類の座標系168、例えば非デカルト座標系も実現可能である。
【0705】
検出器110は、光センサ118,120、ならびに任意選択可能なさらなる光センサを含み得る。光センサ118,120は、第1光センサ118が第2光センサ120の一部を覆うように、一方が他方の後ろに同一のビーム経路に配置されるのが好ましい。しかしながら代替的に、例えば物体112および/またはその一部の横方向座標を決定するために少なくとも一つの横方向検出器または横方向横方向センサのためのビーム経路を分岐することによるように、1つ以上の追加のビーム経路における追加の光センサを用いることにより、分岐ビーム経路が可能であり得る。
【0706】
1つ以上の光ビーム116が物体112から、および/または1つ以上のビーコン装置114から、検出器110に向かって伝播している。検出器110は、少なくとも1つの物体112の位置を決定するように構成されている。この目的のために、図1から図4に関連して上述したように、評価装置132は、光センサ118,120によって提供されるセンサ信号を評価するように構成されている。検出器110は、物体112の位置を決定するように適合され、光センサ118,120は、物体112から、特に1つ以上のビーコン装置114から、検出器110に向かって伝播する光ビーム116を検出するように適合されている。照射源136が使用されない場合、ビーコン装置114および/またはこれらのビーコン装置114の少なくとも1つは、一体化された照射源、例えば発光ダイオードを有する能動型ビーコン装置であり得るか、またはそれを含み得る。照射源136が使用される場合、ビーコン装置114は必ずしも能動型ビーコン装置である必要はない。反対に、物体112の反射面、例えば、ミラー、再帰反射体、反射膜などの少なくとも1つの反射面を有する一体型反射ビーコン装置114を使用することができる。光ビーム116は、直接および/または転送装置128によって修正された後に、例えば一つ以上のレンズによって集束された後に、光センサ118,120の感光エリア112,124を照射する。評価の詳細については、上記の図1から図4を参照することができる。
【0707】
上記で概説したように、検出器110を使用することによる物体112および/またはその一部の位置の決定は、少なくとも1つの情報項目をマシン170に提供するために、ヒューマンマシンインターフェース148を提供するために使用され得る。図5に概略的に示される実施形態では、マシン170は、コンピュータであり得、および/またはコンピュータを含み得る。他の実施形態も可能である。評価装置132は、マシン170に、例えばコンピュータに、完全にまたは部分的に一体化されていてもよい。
【0708】
上記で概説したように、図5はまた、少なくとも1つの物体112および/またはその一部の位置を追跡するように構成された追跡システム152の一例を示す。追跡システム152は、検出器110と少なくとも1つの追跡コントローラ172とを含む。追跡コントローラ172は、特定の時点における物体112の一連の位置を追跡するように適合されてよい。追跡コントローラ172は、独立した装置とすることができ、および/または完全にまたは部分的にマシン170に、特に図5に示すようにコンピュータに、および/または評価装置132に一体化されてよい。
【0709】
同様に、上記で概説したように、ヒューマンマシンインターフェース148は娯楽機器150の一部を形成してもよい。マシン170、特にコンピュータもまた、娯楽機器150の一部を形成してもよい。したがって、ユーザ162が物体112として機能することにより、および/または制御装置160を取り扱うユーザ162が物体112として機能することにより、ユーザ162は、少なくとも1つの情報項目、例えば少なくとも1つの制御コマンドをコンピュータに入力することができ、それにより、娯楽機能を変化させられ、例えばコンピュータゲームのコースをコントロールすることができる。
【0710】
図6では、少なくとも1つの物体112の位置を決定するための検出器110のさらなる実施形態の概略図が描かれている。この場合、物体112は少なくとも1つのビーコン装置114を含み、該ビーコン装置114から光ビーム116が少なくとも1つのセンサ要素115に向かって伝播する。センサ要素115は、光センサ113のマトリックス117を含み、各光センサ113は、物体112に面する少なくとも1つの感光エリア121を有する。この第2の好ましい実施形態では、光センサ118,120は、光センサ113の感光エリアが空間的オフセットおよび/または表面積において異なるように構成され得る。光ビーム116は、一例として、検出器110の光軸126に沿って伝播し得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。光検出器110は、少なくとも1つの転送装置128、例えばビーム整形のための少なくとも1つのレンズおよび/または少なくとも1つのレンズシステムを含む。結果として、光ビーム116は例えば一つ以上の焦点130で集束され、光ビーム116のビーム幅は物体112の縦方向座標zに、例えば検出器110とビーコン装置114および/または物体112の間の距離に依存することができる。転送装置128は、光軸129を構成し、転送装置128と光検出器は好ましくは共通の光軸を有することができる。結果として、光ビーム116は例えば一つ以上の焦点130で集束され、光ビーム116のビーム幅は物体112の縦方向座標z、例えば検出器110とビーコン装置114および/または物体112の間の距離に依存することができる。光センサ118,120は焦点から外れて配置されている。縦方向座標に対するこのビーム幅の依存性の詳細については、WO 2012/110924 A1および/またはWO 2014/097181 A1のうちの1つ以上を参照することができる。
【0711】
図6に見られるように、光ビーム116はマトリックス117上に光スポット131を生成する。図8では、マトリックス117上の光スポット131の例示的な図が示されている。理解されるように、この例示的な実施形態では、マトリックス117は、具体的には、「i」によって1からnまでで番号が付けられた行と、「j」によって1からmまでで表された列を有する、n,mが整数である長方形マトリックスであり得る。光スポット131の中心は、この例示的な実施形態では、i,jで示されるセンサ要素に位置している。光センサ113は、センサ信号sijを評価装置132に提供することができ、該評価装置132は、センサ信号から、si*j*によって象徴的に示される少なくとも1つの中心信号を決定する。上記でさらに詳細に概説したように、中心信号を生成するために、評価装置132は少なくとも1つの中心検出器133を含み得る。一例として、中心検出器133は、光センサ113によって生成された複数のセンサ信号から最大センサ信号を単に決定してよい。他の方法も可能である。したがって、一例として、単一の最大光センサ信号を決定する代わりに、複数のセンサ信号が中心信号を生成するために使用され得る。したがって、一例として、光センサi,jに隣接する隣接光センサ、例えば座標i-1,・・・,i+1とj-1,・・・,j+1を有する光センサが中心信号に寄与し得る。これらの座標は、単純な例示的実施形態では、光センサi,jの周りに一辺が3の正方形を形成し得る。この実施形態のように、一辺の長さが3の正方形の代わりに、最高センサ信号を有する光センサの周囲の他の環境は、例えば検出器信号の信号対雑音比および/または距離情報の信号対雑音比の最適化に使用され得る。さらに、追加的または代替的に、中心信号は、最高センサ信号から所定範囲内のセンサ信号の加算および/または平均により、生成されることができ、それは例えばピクセルノイズのようなノイズに関して測定精度に有利であり得る。さらに、追加的または代替的に、中心信号または和信号の決定のために、例えばサブピクセル処理、補間、正規化などの画像処理技術が使用され得る。他の代替案も可能である。評価装置132は、複数のセンサ信号、例えば最高センサ信号を有する光センサの周りの複数の光センサを積分することによって中心信号を決定するように適合されてもよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルとすることができ、評価装置132は台形の積分、特に台形のプラトー積分を決定するように適合され得る。さらに、台形ビームプロファイルを仮定することができる場合、評価装置132は、台形ビームプロファイルの特性、例えば傾斜とエッジの位置と中心プラトーの高さの決定を利用して等価評価により、幾何学的考察によってエッジと中心信号を導出し、エッジと中心信号を決定するように適合され得る。追加的または代替的に、評価装置132は、光スポットの少なくとも1つのスライスまたはカットから中心情報またはエッジ情報の一方または両方を決定するように適合され得る。これは、例えば、商信号Q内の面積分を、スライス又はカットに沿った線積分で置き換えることによって実現することができる。精度を向上させるために、光スポットを通るいくつかのスライスまたはカットが使用され、平均化され得る。楕円形のスポットプロファイルの場合、いくつかのスライスまたはカットにわたる平均は、改善された距離情報をもたらし得る。
【0712】
さらに、評価装置132は、マトリックス117のセンサ信号から少なくとも1つの和信号を決定するように構成される。この目的のために、評価装置132は少なくとも1つの合算装置135を含むことができる。合算装置135は、マトリックス117内の関心領域のマトリックス117全体のセンサ信号を、中心信号が生成される光センサを有するか有しないか選択可能で加算、積分または平均化するように構成されてよい。したがって、図8に示す例示的な実施形態では、合算装置135は、座標i,jを有する中心光検出器を除き、単にマトリックス117全体のセンサ信号sijにわたって加算するように構成されている。しかしながら、他の選択肢も可能である。評価装置132は、マトリクス117内の関心領域のマトリクス117全体の信号を積分することによって和信号を決定するように適合されてよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置132は台形全体の積分を決定するように適合され得る。
【0713】
評価装置132は、マトリックス内の少なくとも1つの関心領域、例えば物体の縦方向座標を決定するために使用される光ビームによって照射された1つ以上のピクセルを決定するように適合され得る。例えば、評価装置は、少なくとも1つのフィルタリング、例えば少なくとも1つの物体認識方法を実行するように適合されてよい。関心領域は、ユーザによって手動で決定されてもよく、または、例えば光センサによって生成された画像内の物体を認識することによるように、自動的に決定するようにしてもよい。
【0714】
評価装置132はさらに、中心信号および和信号から少なくとも1つの結合信号を形成するように構成される。この目的のために、評価装置132は、一例として、少なくとも1つの結合装置137、例えば少なくとも1つのデバイダ142を有することができる。非常に簡単な実施形態として、商Qは中心信号を和信号で割算することまたはその逆によって形成することができる。他の選択肢も実行可能であり、上記に示されている。
【0715】
最後に、評価装置132は、結合信号を評価することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される。この目的のために、評価装置は、少なくとも1つのさらなる構成要素、例えば少なくとも1つの評価構成要素、例えば位置評価装置144を含むことができる。図8に示される評価装置132の構成要素は、完全にまたは部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアで具体化されてもよいことに留意されたい。さらに、構成要素は完全にまたは部分的に独立または分離した構成要素として具体化されてもよく、および/または完全にまたは部分的にセンサー要素115に一体化される構成要素として具体化されてもよい。
【0716】
図8の実施形態はさらに、縦方向座標zに加えて、物体112および/またはビーコン装置114の横方向座標に関する少なくとも1つの情報項目が生成され得ることを示している。したがって、座標i*およびj*は、物体112および/またはビーコン装置114の横方向位置に関する追加の情報項目を提供する。図6の構成では、ビーコン装置114は、簡単のために、中心に、すなわち光軸126,129上に配置されている。この場合、光スポット131はマトリックス117の中央に中心が置かれる可能性が高い。しかしながら、図8に示す実施形態では、容易に検出できるように、光スポット131は偏心している。この偏心は、座標i によって特徴付けられている。この偏心と物体112および/またはビーコン装置114の横方向位置の間の既知の光学的関係を使用することにより、例えばレンズ方程式を使用することにより、物体112および/またはビーコン装置114の少なくとも1つの横方向座標が生成され得る。この選択肢も図8の例示的実施形態に示されている。
【0717】
図7には、代替検出器110を形成する図6の実施形態の変形例が示されている。検出器110の代替の実施形態は、図6に示される実施形態に広く対応している。しかしながら、光ビーム116を生成するために発光特性を有する能動型ビーコン装置114を使用する代わりに、検出器110自体が少なくとも1つの照射源136を備えている。照射源136は一例として少なくとも1つのレーザを含むことができ、一方、図6では一例としてビーコン装置114が発光ダイオード(LED)を含むことができる。しかしながら、他の実施形態も可能である。照射源136は、物体112を完全にまたは部分的に照射するための少なくとも1つの照射光ビーム138を生成するように構成され得る。照射光ビーム138は、物体112によって完全にまたは部分的に反射され、検出器110に向かって戻り、それによって光ビーム116を形成する。
【0718】
図7に示されるように、一例として、照射光ビーム138は検出器110の光軸126と平行であり得る。他の実施形態、すなわちオフアクシス照射および/またはある角度での照射も可能である。オンアクシス照射を提供するために、図7に示すように、一例として、1つ以上の反射要素140、例えば1つ以上のプリズムおよび/またはダイクロイックミラーなどのミラー、例えば可動ミラーまたは可動プリズムが使用され得る。
【0719】
これらの修正の他は、図7の実施形態の構成は図6の構成に対応する。したがって再び、例えば商信号Qを形成するための少なくとも1つのデバイダ142と、一例として商信号Qおよび/または他の種の結合信号から少なくとも1つの縦方向座標zを導出する少なくとも1つの位置評価装置144、を有する評価装置132が使用され得る。評価装置132はまた、完全にまたは部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアによって具体化されることに留意されたい。したがって、一例として、構成要素133,135,137,142,144のうちの1つ以上は、適切なソフトウェア構成要素によって完全にまたは部分的に具体化されることができ、および/またはハードウェア構成要素によって完全にまたは部分的に具体化されることができる。
【0720】
マトリックス117の光センサ113は、一例として、ピクセル化された光センサ、例えばCCDおよび/またはCMOSセンサチップのピクセルとすることができる。したがって、一例として、光センサ113は、数マイクロメートルから数百マイクロメートルの範囲の一辺の長さおよび/または等価直径を有することができる。しかしながら、より大きなピクセルまたは光センサ113を使用することができることに留意されたい。さらに、CCDおよび/またはCMOSセンサチップなどの集積センサ要素115を使用する代わりに、非集積マトリクスを使用することができる。
【0721】
図9は、非常に概略的な図で、検出器110の例示的な実施形態、例えば図6または図7による検出器110の実施形態を示している。検出器110は、具体的には、カメラ146として具体化することができ、および/またはカメラ146の一部とすることができる。カメラ146は、撮像のため、特に3D撮像のために作られてもよく、および静止画像および/またはデジタルビデオクリップのような画像シーケンスの取得のために作られてもよい。他の実施形態も可能である。
【0722】
図9はさらに、検出器システム134の一実施形態を示し、該検出器システム134は、少なくとも1つの検出器110の他に、1つ以上のビーコン装置114を含み、該ビーコン装置114は、この実施形態では、検出器110を使用して位置が検出される物体112に取り付けられおよび/または一体化され得る。図9はさらに、ヒューマンマシンインターフェース148の例示的な実施形態を示し、該ヒューマンマシンインターフェースは、少なくとも1つの検出器システム134と、さらに、ヒューマンマシンインターフェース151を含む娯楽装置150を有している。この図はさらに、検出器システム134を含み、物体112の位置を追跡する追跡システム152の実施形態を示している。装置およびシステムの構成要素は、以下にさらに詳細に説明される。
【0723】
図9はさらに、物体112を走査するため、および/または少なくとも1つの物体112の少なくとも1つの位置を決定するためなど、少なくとも1つの物体112を含む場景を走査するための走査システム154の例示的な実施形態を示している。走査システム154は、少なくとも1つの検出器110と、さらに任意選択的な少なくとも1つの照射源136と、同様に図示していない少なくとも1つのさらなる照射源136とを備える。照射源136は、一般に、例えば、少なくとも1つのドット、例えばビーコン装置114の1つ以上の位置上および/または物体112の表面上に位置するドットを照射するために、少なくとも1つの照射光ビーム138を照射するように構成され得る。しかしながら、例えば図6の構成に示されているような能動型ビーコン装置114が使用されてもよく、従って、一体化された照射源136が無い構成も実現可能である。走査システム154は、物体112を含む場景のプロファイルおよび/または物体112のプロファイルを生成するように設計されてもよく、および/または、少なくとも1つのドットと走査システム154、特に検出器110との間の距離に関して、少なくとも1つの検出器110を使用することによって少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されてもよい。
【0724】
上記で概説したように、図9の構成で使用され得る検出器110の例示的実施形態が、図6および図7に示されている。したがって、検出器110は、センサ要素115の他に、例えば少なくとも1つの中心検出器133と、少なくとも1つの合算装置135と、少なくとも1つの結合装置140と、少なくとも1つのデバイダ142と、少なくとも1つの位置評価装置144および/またはそれらの組合せを有する少なくとも1つの評価装置132を備えている。これらの構成要素は、それらは任意に存在することができるが、図9に象徴的に示されている。評価装置132の構成要素は、完全にまたは部分的に別個の装置に統合されてもよく、および/または完全にまたは部分的に検出器110の他の構成要素に統合されてもよい。2つ以上の構成要素を完全にまたは部分的に組み合わせる可能性に加えて、評価装置132の1つ以上の構成要素およびセンサ要素115の1つ以上の構成要素は、1つ以上のコネクタ156により、および/または図9に象徴的に示されているような1つ以上のインターフェースにより相互接続され得る。さらに、1つ以上のコネクタ156は、センサ信号の修正または前処理のための1つ以上のドライバおよび/または1つ以上の装置を含むことができる。さらに、少なくとも1つの任意選択的なコネクタ156を使用する代わりに、評価装置132は、センサ要素115および/または検出器110のハウジング158の一方または両方に完全にまたは部分的に一体化されてよい。追加的または代替的に、評価装置132は、完全にまたは部分的に別個の装置として設計されてよい。
【0725】
この例示的な実施形態では、位置が検出される物体112は、スポーツ用品の物品として設計されてもよく、および/またはユーザ162によって位置が操作され得る制御要素もしくは制御装置160を形成してもよい。一例として、物体112は、バット、ラケット、クラブ、または他の任意のスポーツ用品および/または擬似スポーツ用品の物品であってもよく、それらを含んでもよい。他の種類の物体112も可能である。さらに、ユーザ162自身が、位置が検出される物体112と見なされてもよい。
【0726】
上記で概説したように、検出器110は少なくともセンサ要素115を含む。センサ115は、そこには1つ以上のセンサ要素115が提供され得るが、検出器110のハウジング158内部に配置することができる。さらに、少なくとも1つの転送装置128は、1つ以上の光学系など、好ましくは1つ以上のレンズを含むように構成される。
【0727】
ハウジング158内の開口部164は、該開口部164は好ましくは検出器110の光軸126に関して同心的に配置されるが、好ましくは検出器110の視野方向を画定する。図9に象徴的に描かれている座標系168では、縦方向はzで表され、横方向はそれぞれxおよびyで表される。非デカルト座標系のような他の種類の座標系168も実現可能である。
【0728】
検出器110は、センサ要素115、ならびに任意選択的に1つ以上のさらなる光センサを備えることができる。非分岐ビーム経路が使用されてもよく、あるいは代替的に、例えば1つ以上の追加の分岐ビーム経路における追加の光センサを有する分岐ビーム経路、例えば物体112および/またはその部分の横方向座標を決定するための少なくとも1つの横方向検出器または横方向センサのためにビーム経路を分岐させることにより、分岐ビーム経路も可能である。しかしながら、上で概説したように、図8の状況では、少なくとも1つの横方向座標は、センサ要素115自体によって決定されてもよく、例えば光スポット131の中心の横方向座標を決定することによって決定されてもよい。
【0729】
1つ以上の光ビーム116は、物体112から、および/または1つ以上のビーコン装置114から、検出器110に向かって伝播している。検出器110は、少なくとも1つの物体112の位置を決定するように構成されている。この目的のために、図6から図8に関連して上記で概説したように、評価装置132は、センサ要素115のマトリックス117の光センサ113によって提供されるセンサ信号を評価するように構成されてもよい。検出器110は、物体112の位置を決定するように適合され、光センサー113は、物体112特に1つ以上のビーコン装置114から検出器110に向かって伝播する光ビーム116を検出するように適合されている。照射源136が使用されない場合、ビーコン装置114および/またはこれらのビーコン装置114の少なくとも1つは、発光ダイオードのような統合された照射源を有する能動型ビーコン装置を含み得る。照射源136が使用される場合、ビーコン装置は必ずしも能動型ビーコン装置である必要はない。反対に、物体112の反射的な表面、例えば少なくとも1つの反射表面を有する一体型反射ビーコン装置114が使用され得る。光ビーム116は、直接および/または転送装置128によって修正された後に、例えば1つ以上のレンズによって集束された後に、センサ要素118を照射する。評価の詳細については、上記の図6から図8を参照することができる。
【0730】
上記で概説したように、検出器110を使用することによる物体112および/またはその一部の位置の決定は、少なくとも1つの情報項目をマシン170に提供するために、ヒューマンマシンインターフェース148を提供するために使用され得る。図9に概略的に示されている実施形態では、マシン170はコンピュータであるかおよび/またはコンピュータを含むことができる。他の実施形態も可能である。評価装置132は、マシン170に、例えばコンピュータに完全にまたは部分的に一体化されていてもよい。
【0731】
上記で概説したように、図9はまた、少なくとも1つの物体112および/またはその一部の位置を追跡するように構成された追跡システム152の一例を示す。追跡システム152は、検出器110と少なくとも1つの追跡コントローラ172を含む。追跡コントローラ172は、特定の時点における物体112の一連の位置を追跡するように適合され得る。トラックコントローラ172は、独立した装置とすることができ、かつ/または完全にまたは部分的に図9に示すようにマシン170に、具体的にはコンピュータに、および/または評価装置132に組み込むことができる。
【0732】
同様に、上記で概説したように、ヒューマンマシンインターフェース148は娯楽装置150の一部を形成してもよい。マシン170、具体的にはコンピュータもまた娯楽装置150の一部を形成してもよい。したがって、物体112として機能するユーザ162によって、および/または物体112として機能する制御装置160を取り扱うユーザ162によって、ユーザ162は、少なくとも1つの情報項目、例えば少なくとも1つの制御命令をコンピュータに入力することができ、これにより、娯楽機能を変えられ、例えばコンピュータゲームのコースを制御することができる。
【0733】
図10では、測定データに関して本発明の例示的な実施形態を示す実験データが示されている。この図は、様々な照射強度について、ミリメートルで与えられる縦方向座標zの関数としての商信号Qを示す。
【0734】
図10に示される実験データを得るために、Nikkor 50mmレンズによって形成された転送装置128と共に、Basler AC 1920-40GCカメラによって形成されたセンサ要素118を有する実験装置が使用された。
【0735】
ビーコン装置114として、532nmの中心公称波長を有する発光ダイオード(LED)が使用された。5mmの直径を有する明確に規定された発光領域を提供するために、LEDおよび絞りの前に、テフロン(登録商標)フィルムから製造されたディフューザが使用された。LEDの強度は、LEDの駆動電流を5mAから150mAの間で変えることによって、変えられた。
【0736】
実験において、LEDとレンズの間の距離zは、300mmから1700mmまで変えられた。Basler AC 1920-40GCカメラの信号は以下の手順で評価された。中心信号として、光スポットが光軸に中心が位置した状態で、光軸を中心とした半径15ピクセルの半径を有する内円の累積信号が決定された。和信号として、光スポット内のカメラの全ピクセルの信号の和が生成された。商信号が、和信号を中心信号で割算することにより形成された。
【0737】
図10では、重なっている実線の曲線は、150mA,125mA,100mAおよび50mAのLED電流に対する商信号曲線を示している。見てわかるように、全測定範囲内で、これらの曲線間に基本的に違いはない。この実験は明らかに、商信号が光ビームの総出力に広く依存していないことを示している。より低い強度でのみ、曲線は区別され得る。したがって、点線の曲線は、25mAのLED電流での測定値、一点鎖線は10mAのLED電流での測定値、および鎖線は5mAのLED電流での測定値を示す。それでもこれらの低い強度でも、測定曲線は実線に非常に近く、これは測定の高い許容誤差を示している。
【0738】
図11では、少なくとも1つの物体112の位置を決定するための検出器110のさらなる実施形態の概略図が示されている。この場合、物体112はビーコン装置114を含み、該ビーコン装置114から光ビーム116が第1光センサ118および第2光センサ120に向かって伝播する。第1光センサ118は第1感光エリア122を含み、第2光センサ120は第2感光エリア124を含む。光センサ118,120は、例えば図14に示すように、センサ176のアレイ174の一部に、例えば第1光センサ118がアレイ174の上左隅部の光センサ176、第2光センサ120がアレイ174の下右隅部の光センサ176のように、なっていてよい。他の選択も可能である。アレイ174は一例として、象限フォトダイオード178とすることができ、光センサ176は象限フォトダイオード178の部分ダイオードとすることができる。
【0739】
光ビーム116は、一例として、検出器110の光軸126に沿って伝播し得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。光検出器110は、特にビーム整形のため、少なくとも1つの転送装置128、例えば少なくとも1つのレンズおよび/または少なくとも1つのレンズシステムを備える。結果として、光ビーム116は、1つ以上の焦点130などに集束させることができ、光ビーム116のビーム幅は、物体112の縦方向座標zに、例えば検出器110とビーコン装置114および/または物体112の間の距離に依存することができる。光センサ118,120は、焦点から外れて配置されている。この第3の好ましい実施形態では、光センサ118,120は、光センサの感光エリアがそれらの空間的オフセットおよび/またはそれらの表面積において異なるように構成されてもよい。
【0740】
縦方向座標に対するこのビーム幅の依存性の詳細については、WO 2012/110924 A1および/またはWO 2014/097181 A1のうちの1つ以上を参照することができる。
【0741】
図14から分かるように、検出器110の構成は様々な方法で偏心している。したがって、アレイ174の幾何学中心180は、オフセットdだけ光軸126,129から偏心してよい。さらに、第1光センサ118の幾何学中心182は、光軸126からオフセットdだけ偏心しており、第2光センサ120の幾何学中心184は、光軸126からオフセットdだけ偏心しており、ここで、d≠dである。言い換えれば、光スポット186が形成され、それは感光エリア122,124に不均等に分布している。
【0742】
以下にさらに詳細に示されるように、検出器110は、アレイ174上の光スポット186の偏心位置を自動的に確立するように構成されてもよい。この目的のために、最初に、検出器110は、アレイ174の光センサ176によって生成されたセンサ信号が等しいかどうかを判定するように構成され得る。そうである場合、検出器110は、光スポット186がアレイ174の中心にあると決定し、その結果、光スポット186をアレイ174の幾何学中心180から外れるようにシフトすることができ、例えばアレイ174全体を光軸126,129に垂直な平面内でシフトさせることによってシフトすることができる。この目的のために、図13に関して以下でさらに詳細に示されるように、1つ以上のアクチュエータが検出器110に設けられ得る。
【0743】
図11の構成に戻ると、光ビーム116による照射に応答して、第1光センサ118は第1センサ信号sを生成し、第2光センサ120は第2センサ信号sを生成する。好ましくは、光センサ118,120は線形光センサであり、すなわちセンサ信号sおよびsはそれぞれ、それぞれの感光エリア122,124を照射する光ビーム116または光ビーム116の部分の総出力にのみ依存し、これらのセンサ信号sおよびsは、照射の光スポットの実際のサイズとは無関係である。言い換えれば、好ましくは、光センサ118,120は、上述のFiP効果を示さない。
【0744】
センサ信号sおよびsは、検出器110の評価装置132に供給される。評価装置132は、図1に象徴的に示されているが、上記で説明されたように、特に商信号Qを導出するように具体化されてよい。センサ信号s1およびs2またはそれらの倍数もしくは線形結合を割算することによって導出される商信号Qは、物体112および/またはビーコン装置114の縦方向座標zに関する少なくとも1つの情報項目を導出するために使用されることができ、該物体112および/またはビーコン装置114からは光ビーム116が、以下の図16から18に示される信号を参照してさらに詳細に説明されるように、検出器110に向かって伝播する。
【0745】
検出器110は、少なくとも1つのビーコン装置114と組み合わされて、図13を参照して以下にさらに詳細に説明されるように、検出器システム134と呼ばれることがある。
【0746】
図12には、代替の検出器110を形成する図11の実施形態の変形例が示されている。検出器110の代替の実施形態は、図11に示される実施形態と広く対応している。しかしながら、能動光源を使用する代わりに、すなわち光ビーム116を生成するための発光特性を有するビーコン装置114を使用する代わりに、検出器110が少なくとも1つの照射源136を備える。照射源136は、一例としてレーザを含むことができ、一方図11では、一例としてビーコン装置114は発光ダイオード(LED)を含むことができる。照射源136は、物体112を照射するための少なくとも1つの照射光ビーム138を生成するように構成され得る。照射光ビーム138は、物体112によって完全にまたは部分的に反射され、検出器110に向かって戻り、それによって光ビーム116を形成する。照射源136は、一例として一つ以上の絞り190、例えば調節可能な絞り190、例えば調節可能な虹彩絞りおよび/またはピンホールを含み得る。
【0747】
図12に示される構成はまた、一例として光記憶媒体用の読出し装置192内で使用されてもよく、または読出し装置192として使用されてもよい。したがって、一例として、物体112は光記憶媒体、例えば光記憶ディスク例えばCCD、DVD、またはBlu-ray(登録商標)ディスクであってよい。上述の測定原理を使用することによって、データ記憶モジュールの有無および物体112内のデータ記憶モジュールの深さを測定することにより、データの読み出しが行われ得る。
【0748】
光ビーム116は、特に検出器110の光軸126に沿って進み得る。図12に示されるように、一例として、照射光ビーム138は検出器110の光軸126と平行であり得る。他の実施形態、すなわちオフアクシス照射および/またはある角度での照射も、以下の図19Aおよび図19Bに関連して示されるように、可能である。オンアクシス照射を提供するために、図12に示されるように一例として、一つ以上の反射要素140が使用され得、例えば一つ以上のプリズムおよび/または例えばダイクロイックミラーのようなミラー、例えば可動ミラーまたは可動プリズムが使用され得る。
【0749】
これらの修正の他は、図12の実施形態の構成は図11の構成と対応する。したがって、やはり、例えば商信号Qを形成するための少なくとも1つのデバイダ142、および、一例として少なくとも1つの商信号Qから少なくとも1つの縦方向座標zを導出するための少なくとも1つの位置評価装置144、を有する評価装置132が使用され得る。評価装置132は、完全にまたは部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアで具体化することができることに留意されたい。したがって、一例として、構成要素142,144のうちの1つ以上を適切なソフトウェア構成要素によって具体化することができる。
【0750】
さらに、図11および図12に示す実施形態は、単に物体112の縦方向座標zを決定するための実施形態を提供するものであることに留意されたい。しかしながら、図11および図12の構成を変更して、物体112および/またはその一部の横方向座標に関する追加の情報を提供することも可能である。一例として、例えば転送装置128と光センサ118,120の間で、光ビーム116の1つ以上の部分が分岐されてもよく、1つ以上のCCDおよび/またはCMOSピクセル化センサおよび/または追加の象限検出器および/または他の位置検出装置上に導かれてもよく、それは、その上に生成された光スポットの横方向位置から、物体112および/またはその一部の横方向座標を導き出すことができる。さらなる詳細については、一例として、横方向センサの潜在的可能な解決策を提供する上述の先行技術文献のうちの1つ以上を参照することができる。
【0751】
図13は、非常に概略的な図で、検出器110の例示的な実施形態、例えば図11または図12に示した実施形態を示している。カメラ146は、撮像のために、特に3D撮像のために作られてもよく、また、静止画像および/またはデジタルビデオクリップのような画像シーケンスを取得するために作られてもよい。他の実施形態も可能である。
【0752】
図13は、少なくとも1つの検出器110の他に、1つ以上のビーコン装置114を含む検出器システム134の実施形態をさらに示し、該ビーコン装置114は、この例では、位置が検出器110を用いて検出される物体112に取り付けおよび/または一体化することができる。図13はさらに、少なくとも1つの検出器システム134を含むヒューマンマシンインターフェース148と、さらに、ヒューマンマシンインターフェース148を含む娯楽装置150の例示的実施形態を示している。この図はさらに、検出器システム134を含む、物体112の位置を追跡するための追跡システム152の一実施形態を示している。装置およびシステムの構成要素は、以下にさらに詳細に説明される。
【0753】
図13は、物体112を含む場景を走査するための走査システム154、例えば物体を走査するため、および/または少なくとも1つの物体112の少なくとも1つの位置を決定するための走査システム154の例示的な実施形態をさらに示している。走査システム154は、少なくとも1つの検出器110と、さらに、任意選択的な少なくとも1つの照射源136と、同様に任意選択的な少なくとも1つのさらなる照射源136を備えている。
【0754】
照射源136は、一般に、少なくとも1つの照射光ビーム138を放射するように、例えば少なくとも1つのドット、例えばビーコン装置114の一つ以上の位置に位置するドッド、および/または物体112の表面上の位置する少なくとも1つのドッドを照射するように構成される。走査システム154は、物体112を含む場景のプロファイルおよび/または物体112のプロファイルを生成するように設計されてもよく、および/または少なくとも1つの検出器110を使用することによって、少なくとも1つのドットと走査システム154特に検出器110の間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計されてもよい。
【0755】
上記で概説したように、図13の構成で使用することができる検出器110の例示的実施形態が図11および図12に示され、あるいは代替実施形態として以下の図15に示される。したがって、検出器110は、光センサ118,120に加えて、少なくとも1つの評価装置132、例えば図13に象徴的に示されているように少なくとも1つのデバイダ142および/または少なくとも1つの位置評価装置144を有する評価装置132を有している。評価装置132の構成要素は、完全にまたは部分的に別個の装置に統合されてもよく、および/または完全にまたは部分的に検出器110の他の構成要素に統合されてもよい。2つ以上の構成要素を完全にまたは部分的に組み合わせる可能性の他に、1つ以上の光センサ118,120および評価装置132の1つ以上の構成要素は、1つ以上のコネクタ156および/または図15に象徴的に描かれているように、一つ以上のインターフェースで相互接続され得る。さらに、1つ以上のコネクタ156は、一つ以上のドライバとセンサ信号を修正または前処理するための1つ以上の装置を含むことができる。さらに、少なくとも1つの任意選択のコネクタ156を使用する代わりに、評価装置132は、光センサ118,120の一方または両方、および/または検出器110のハウジング158に完全にまたは部分的に一体化されてもよい。追加的または代替的に、評価装置132は、完全にまたは部分的に別個の装置として設計されてもよい。
【0756】
図13では、一例として、1つ以上の反射要素140が使用され得る、たとえば部分的に透明な、例えば1つ以上のプリズムおよび/またはダイクロイックミラーなどのミラー、例えば可動ミラーと可動プリズムが使用され得る。
【0757】
図13の例示的な実施形態に象徴的に示されるような検出器110はまた、光軸126に対して光センサ176のアレイ174を移動させるための少なくとも1つのアクチュエータ188を含み得る。上記で概説したように、この移動を提供するために、光軸126を移動することにより、アレイ174を移動することにより、またはその両方により、光軸126をアレイ174に関して移動することができる。したがって、一例として、光軸は、1つ以上の偏向要素を使用することによって、および/または転送装置128を使用することによって移動させることができる。簡単な例として、転送装置128のレンズは、1つ以上のアクチュエータ188(図示せず)を使用することなどによって傾けられてよい。
【0758】
追加的または代替的に、アレイ174は、一つ以上のアクチュエータ188により、好ましくは光軸126に垂直な平面内でシフトされてよい。一例として、x方向用の1つの電気機械式アクチュエータおよびy方向用の別の電気機械式アクチュエータなどの1つ以上の電気機械式アクチュエータを使用することができる。他の実施形態も可能である。
【0759】
それによって、上述の偏心手順は、例えば図14に示すように偏心した状況を確立するために実施することができる。
【0760】
さらに、図13に示す例示的な実施形態では、位置が検出される物体112は、スポーツ用品の物品として設計されることができ、および/または位置がユーザ162によって操作され得る制御装置160の制御要素を形成することができる。一例として、物体112は、バット、ラケット、クラブ、または他の任意のスポーツ用品および/または擬似スポーツ用品の物品であってもよく、それらを含んでいてもよい。他の種類の物体112も可能である。さらに、ユーザ162自身が、位置が検出される物体112と見なされることができる。
【0761】
上記で概説したように、検出器110は、少なくとも光センサ176を含み、該光センサ176は少なくとも第1光センサ118および第2光センサ120を含む。光センサ176は、検出器110のハウジング158の内側に配置され得る。さらに、好ましくは1つ以上のレンズを含む、例えば1つ以上の光学系などの少なくとも1つの転送装置128が含まれる。
【0762】
ハウジング158の内側の開口部164は、好ましくは検出器110の光軸126に対して同心状に配置されるが、検出器110の視野方向166を画定するのが好ましい。図15に象徴的に示されている座標系128では、縦方向はzで示され、横方向はそれぞれxおよびyで示されている。他の種類の座標系168、例えば非デカルト座標系も実現可能である。
【0763】
検出器110は、光センサ118,120、ならびに任意選択可能なさらなる光センサを含み得る。光センサ118,120は、好ましくは同一のビーム経路に、一方が他方の後ろに配置され、第1光センサ118が第2光センサ120の一部を覆うように配置されるのが好ましい。しかしながら代わりに、一つ以上の追加のビーム経路に少なくとも1つの追加の光センサを備えることにより、分岐ビーム経路が可能であり、例えば物体112および/またはその部分の横方向座標を決定するために、少なくとも1の横方向検出器または横方向センのためにビーム経路を分岐することができる。
【0764】
1つ以上の光ビーム116が物体112からおよび/または1つ以上のビーコン装置114から検出器110に向かって伝播している。検出器110は、少なくとも1つの物体112の位置を決定するように構成されている。この目的のために、図11,12および14に関連して上述したように、評価装置132は、光センサ118,120によって提供されたセンサ信号を評価するように構成されている。検出器110は物体112の位置を決定するように適合されており、光センサ118,120は物体112から、具体的には1つ以上のビーコン装置114から検出器110に向かって伝搬する光ビーム116を検出するように適合されている。照射源136が使用されない場合、ビーコン装置114および/またはこれらのビーコン装置114の少なくとも1つは、発光ダイオードなどの統合された照射源を有する能動型ビーコン装置であり得るか、またはそれを含み得る。照射源136が使用される場合、ビーコン装置114は必ずしも能動型ビーコン装置である必要はない。反対に、物体112の反射面を使用することができ、例えば少なくとも1つの反射面を有する一体型反射ビーコン装置114を使用することができる。光ビーム116は、直接および/または1つ以上のレンズによって集束されるなど、転送装置128によって修正された後に、光センサ118,120の感光エリア122,124を照射する。評価の詳細については、上記の図11,12および14を参照することができる。
【0765】
上記で概説したように、検出器110を使用することによる物体112および/またはその一部の位置の決定は、少なくとも1つの情報項目をマシン170に提供するために、ヒューマンマシンインターフェース148を提供するために使用され得る。図13に概略的に示される実施形態では、マシン170はコンピュータであり得、および/またはコンピュータを含み得る。他の実施形態も可能である。評価装置132は、コンピュータなどのマシン170に完全にまたは部分的に一体化されてよい。
【0766】
上記で概説したように、図13はまた、少なくとも1つの物体112および/またはその部分の位置を追跡するように構成された追跡システム152の一例を示している。追跡システム152は、検出器110と少なくとも1つの追跡コントローラ172を含む。追跡コントローラ172は、特定の時点における物体112の一連の位置を追跡するように適合されてよい。追跡コントローラ172は、独立した装置とすることができ、および/またはマシン170、具体的には図13に示すようにコンピュータおよび/または評価装置132に完全にまたは部分的に統合され得る。
【0767】
同様に、上記で概説したように、ヒューマンマシンインターフェース148は娯楽装置150の一部を形成してよい。マシン170、具体的にはコンピュータもまた、娯楽装置150の一部を形成してよい。したがって、物体112として機能するユーザ162によって、および/または物体112として機能する制御装置160を取り扱うユーザ162によって、ユーザ162は、少なくとも1つの情報項目、例えば少なくとも1つの制御命令をコンピュータに入力することができ、これにより、娯楽機能を変えられ、例えばコンピュータゲームのコースを制御することができる。
【0768】
図11,12および13に示されるような検出器110の構成において、光センサー176はアレイ174の一部であり、そして全ての光センサー176は光軸126に対して本質的に垂直に配向された同一平面内に配置されることができる。これに関連して述べたように、「垂直」または「本質的に垂直」と言うときは、好ましくは90°の方向が与えられる。しかしながら、許容誤差、例えば20°以下、好ましくは10°以下、より好ましくは5°以下の角度の許容誤差が存在してよい。光センサ176は、しかしながら、必ずしもアレイ174内に配置される必要はなく、また、図15に示される検出器110の代替の構成に示されるように、必ずしも同一平面内に配置される必要もない。この図では、光学部品のみが示されている。他の構成要素については、上記の図11,12および13を参照することができる。
【0769】
図から分かるように、この代替的な構成では、2つ以上の光センサ176が存在し、z方向とも呼ばれる光軸126の方向にオフセットされている異なる平面に位置する、少なくとも1つの第1光センサ118と少なくとも1つの第2光センサ120とを含む。したがって、さらに見られるように、光センサ118,120は重なってもよいが、先の実施形態では、好ましくは光センサ176の間に重なりがない。これらの修正とは別に、センサ信号の機能および評価は、概して、上記の図11,12および13の実施形態に対応する。
【0770】
上述のように、少なくとも2つの光センサ176の少なくとも2つのセンサ信号を評価するため、および、検出器110と物体の間の位置および/または物体112のz座標などの物体112の縦方向位置に関する情報を導出するため、好ましくは、少なくとも1つの結合センサ信号が評価装置132によって生成される。結合センサ信号は、この結合センサ信号が少なくとも測定範囲にわたって距離に関する一意的な関数を提供する限り、縦方向座標を導出するために使用され得る。一例として、結合センサ信号は、少なくとも1つの商信号Qであり得るか、またはそれを含み得る。図16図18では、2つの光センサ176の2つのセンサ信号の商信号Qが、様々な測定条件下で示されている。各場合において、商信号Qは、垂直軸上に、水平軸上の物体112の縦方向座標zの関数として示され、後者はセンチメートルで与えられる。
【0771】
全ての実験において、図12に示すような構成が使用された。照射源136として、図16および図17の実験では、焦点距離100mmのレンズと共に、980nmのピコトロニックレーザ源が使用された。図18の実験では、79mmの焦点距離を有するレンズと共に、850nmの波長を有するレーザコンポーネントレーザ光源が使用された。全ての実験において、レーザビームは、レンズ128の前にある反射要素140を形成する小さなプリズムを介して光軸126上に整列された。レーザ源の前の絞り190がスポットサイズを変えるのに使用された。象限ダイオード178が、異なる材料上のレーザ源の反射を測定するために使用された。すべての実験において、距離依存性は2つの隣接する象限の電流の商Qよって与えられる。
【0772】
図16では、レーザ出力は実験中に、点線で示されている8nAのレーザ電流から実線で示されている106nAまで変化させられた。そこでは、レーザ電流は典型的にはレーザ強度についての尺度を提供しないため、そこに示されているレーザ電流は、レンズから330mmの距離の白い紙をレーザが照射する測定構成におけるシリコン光検出器の電流である。明らかに分かるように、曲線はほぼ同一であり、少なくともレーザ出力のこの変動範囲内では、レーザ出力に大きく依存しない。この実験は、商信号が照射源の明るさの影響から独立して、縦方向座標の信頼できる単調な関数を提供することを示している。
【0773】
図17では、照射源136のスポットサイズは、レーザの前の絞り190の開口径を変えることによって変化させられた。スポットサイズは、点線で示される1.5mmから、実線で示される3.5mmまで、0.5mmのステップで変化させられた。見てわかるように、約200cmの距離までは、商信号Qは、スポットサイズに依存せず、従ってやはり、この変動によって悪影響を受けない。
【0774】
図18では、レーザビームによって照射される物体112の材料が変化させられている。ここで、点線は白紙を示し、最小の破線を有する破線は黒色の紙を示し、中間の破線を有する破線は木材を示し、そして最大の破線を有する破線はアルミニウム板を示している。分かるように、少なくとも約250cmの測定範囲までは、実験は物体112に使用される材料の種類に強く依存しない。
【0775】
したがって、図16から図18に示される実験は、商信号Qが距離の信頼できる関数を提供することを明確に示している。少なくとも測定範囲内で、関数は距離と共に単調に増加する。この関数は、照射源の明るさ、照射源のスポットサイズ、または物体112の材料など、実際の測定で発生する可能性がある最も大きな変動による影響を強く受けない。したがって、2つ以上の光センサ176の商信号Qを評価することによって、信頼性のある距離情報が生成され得る。したがって、一例として、図16図18に示す曲線は評価装置132のための較正曲線として直接使用され得る。しかしながら、他の評価方法も可能である。
【0776】
図19Aおよび図19Bには、図2に示された構成の変形である検出器110の代替実施形態が示されている。したがって、ほとんどの要素および任意選択可能な詳細、並びに概略的な図19Aおよび図19Bに示されていないさらなる要素については、上記の図12の説明を参照することができる。
【0777】
図12では、照射光ビーム138は、上述のように、好ましくは光軸126に沿って進み、すなわち光軸126に平行に、または光軸126上をさえも進む。この構成において、光スポット186の中心位置は、典型的には、物体112のz座標に、例えば物体112と検出器110の間の距離に依存しない。言い換えれば、光スポット186の直径または等価直径は、物体112と検出器110の間の距離と共に変化するが、典型的には、アレイ174上の光スポット186の位置は変化しない。
【0778】
これに反して、図19Aおよび図19Bでは、照射光ビーム138がオフアクシス、すなわち、光軸126に対して0°以外の角度で、または、光軸126対して平行にしかし光軸126からずれて、またはその両方で照射光ビーム138が進行する、検出器110の構成が示されている。この実施形態は、以下でさらに詳細に論じるように、本発明による方法が、結合センサ信号のz依存性を増大させることによってさらに改良され得ることを示している。したがって、図19Aでは、物体112の2つの異なる位置、すなわち実線で描かれたzの第1位置と破線で描かれたzの第2位置の側面図が示されている。図から分かるように、照射光ビーム138が、一例として、光軸126に対して5°から30°の角度で、例えば約10°から20°の角度で伝播するが、どちらの場合も異なる位置で物体112に当たる。照射光ビーム138によって照射された物体112のこれらの点から、光ビーム116は検出器110に向かって伝播するが、ここでもまた、位置zに位置する物体112の光ビーム116は実線で描かれ、位置zに位置する物体112のビーム116は破線で描かれている。
【0779】
図19Bでは、アレイ174、例えば、象限フォトダイオードが拡大して示されている。この構成から分かるように、光スポット186の位置は、物体112の縦方向位置zと共に移動する。したがって、光スポット186のサイズが縦方向位置zによって影響を受けるだけでなく、光スポット186のアレイ174上の位置も変化する。図19Bでは、光スポット186のこの移動は矢印zで示されている。
【0780】
その結果、この光スポット186の移動により、光センサ176の少なくとも2つのセンサ信号を考慮に入れた結合センサ信号のz依存性が増大され得る。一例として、アレイ174の4つのダイオードが、図19Bでは、D1~D4で示されている。商信号Qは、一例として、Q = i(D1)/ i(D4)として形成することができ、ここで、i(D1)はフォトダイオードD1のセンサ信号、i(D4)はフォトダイオードD4のセンサ信号である。図19Bに示されるように、象限ダイオードは2つの分割線を含み得る。分割線は互いに直交するように配置されてよい。分割線の直交配置は、近距離場および遠距離場の商信号の互いに独立した調整を可能にする。象限ダイオードの2つの光センサのセンサ信号の商信号を決定することに加えて、評価装置132は、象限ダイオードの少なくとも3つまたは4つすべてのセンサ信号を使用して第2の商を決定するように適合され得る。2つの商は、2つの異なる距離範囲がカバーされるように形成され得る。近距離場および遠距離場に対する2つの商信号は、両方の商が縦方向距離zの合理的な決定を得ることを可能にするオーバーラップ領域を有することができる。例えば、商は、Q = i(D1 + D2)/ i(D3 + D4)によって決定されてよく、ここで、トップセグメントとも呼ばれる2つのトップ象限のセンサ信号は、ボトムセグメントとも呼ばれる2つのボトム象限のセンサ信号によって割られる。検出器のベースラインに平行な分割線を有する2つのセンサ領域によって決定されたセンサ信号の商を使用することは、光スポットの距離に依存する移動なしに商を決定することを可能にし得る。特に、一例として、トップセグメントとボトムセグメントの間の分割線がベースラインと平行である場合、トップセグメントをボトムセグメントで割算することによって決定される商信号は、近距離場において使用されてよく、そこでは光スポットは、象限ダイオードの左側または右側のセグメントの一方のみを照射してよい。この場合、左右のセグメントのセンサ信号で除算することによって商信号を決定することは可能ではないかもしれない。しかしながら、トップセグメントとボトムセグメントのセンサ信号を除算することによって商を決定することは、妥当な距離測定値を提供することができる。左右のセグメントのセンサ信号を除算することによって決定される商信号、すなわち、Q = i(D1 + D3)/ i(D2 + D4)は遠距離場の測定に使用することができ、ここでは光スポットは左右両方のセグメントを照射する。さらに、評価装置は、対向するセグメントまたは隣接するセグメントのセンサ信号を除算することによって商を決定するように適合され得る。評価装置は、距離測定が広い範囲にわたって大きな分解能で可能なように、象限の取得されたセンサ信号i(D1),i(D2),i(D3)およびi(D4)を結合させるように適合され得る。
【0781】
図12に示す状況では、光スポット186の位置はzに依存しない。光学的状況に応じてzが変化すると、スポットは、例えばより拡散するかまたはより集束することにより、拡大または縮小する。スポットサイズが増大し、スポットがより拡散するようになる場合、i(D4)はi(D1)よりも急速に増大し、その結果商信号Qは減少する。
【0782】
反対に、図19Aの状況では、光スポット186のサイズと位置の両方がz座標に依存している。従って、商信号Qのような結合センサ信号のz依存性の傾向は増大する。図12の状況では、z座標に応じて、少なくとも1つのセンサのセンサ信号が増加し、同時に少なくとも1つの異なるセンサのセンサ信号が減少し、その結果z依存商信号Qが得られる。図19Aの状況では、光スポット186の位置依存性は、光源の相対位置、光軸、およびセンサに応じて3つの異なる状況をもたらす可能性がある。第1に、光スポット186の位置依存性は、z座標に応じて少なくとも1つの減少するセンサ信号のさらなる減少をもたらし得るが、同時に、光スポット186の位置依存性は、図12の状況と比較してz座標に応じて少なくとも1つの減少するセンサ信号のさらなる増加をもたらし得る。第2に、光スポット186の位置依存性は、z座標に応じて少なくとも1つの減少するセンサ信号の縮小された減少またはさらなる増加さえをもたらす可能性があり、同時に、光スポット186の位置依存性は、図12の状況と比較してz座標に応じて少なくとも1つの減少するセンサ信号の縮小された増加または減少さえももたらし得る。第3に、光スポット186の位置依存性は、図12の状況と比較してセンサ信号のz依存性がほとんど変わらないようなものであり得る。しかし、本発明によれば、物体距離は、三角測量法で行われるようにセンサ上の光スポット186の位置からは決定されない。代わりに、アレイ174上の光スポット186の移動が、センサ信号および/または結果として得られる商信号Qの動的特性を向上させることに使用され、これによりz依存性の向上した動的特性が得られる。さらに、測定中のアレイ174上の光スポット186の移動は、光センサ176と照射源136の適切な相対位置決めにより、測定範囲全体に対する物体サイズの独立性の確立および/または向上に使用され得る。したがって、光スポット186の移動は、三角測量の目的ではなく、物体サイズの独立性の目的で使用され得る。
【0783】
加えて、先行技術から知られているように、センサ信号i(D1),i(D2),i(D3),i(D4)はまた、物体112の横方向位置x,yを決定するために使用され得る。さらに、センサ信号は、本発明によって決定されたz座標の検証のためにも使用され得る。
【0784】
図19Cは、2つの感光エリアを有する光センサ176としてバイセルを有する図19Aによる検出器構成を用いた2つの実験構成の比較を示す。第1の実験構成では、照射光源、光軸、およびセンサの相対位置に応じて、光スポット186が、バイセルの2つの光センサ176の線形境界に平行に、物体距離に応じて移動方向210に沿って移動してよい。光スポット186の移動方向210は、物体距離に応じて2つの感光エリアの線形境界と平行であるため、結果として得られるセンサ信号は、物体距離に依存する図12に示すような光スポット186の移動がない状況と同じである。第2の実験構成では、照射光源、光軸およびセンサの相対位置に応じて、光スポット186が、光スポット186の中心からバイセルの2つの光センサ176の境界までの距離が物体距離に応じて変化するように移動することができ、例えば2つの光センサ176の境界に対して垂直に移動、例えば物体距離に応じて移動方向208に沿って移動することができる。光スポット186の移動を可能にする検出器構成は、図19Aに示される構成の修正であり得る。したがって、ほとんどの要素および任意な詳細、ならびにさらなる要素については、上記の図19Aの説明を参照することができる。図19Cでは、光センサ176はバイセルダイオードであり得る。
【0785】
図19Dは、図19Aによる検出器構成を用いた2つの実験構成の比較の実験結果を示しており、移動方向210と208に沿った光スポットの移動に沿う物体距離に応じる光スポットの移動により、図19Cによる光スポット186の移動を可能にしている。曲線212は、図19Cに示すようなバイセルの光センサの境界に平行である移動方向210に沿った光スポット186の移動を許容し、それは物体距離に依存する光スポットの移動がない図12と等価な状況である、検出器構成の商Qの縦方向座標zに対する依存性を示している。曲線214は、図19Aによる検出器構成、および移動方向208に沿う物体距離に応じる光スポットの移動を伴う図19Cによる光スポット186の移動を伴う光スポット186の移動を可能にする検出器構成を使用した場合の商Qの縦方向座標zに対する依存性を示している。実験構成は以下の通りであって:光センサ176はバイセルダイオード、特にSiバイセルであってよい。照射源136は、4mmのスポットサイズを有する950nmのレーザであり得る。転送装置128は、20mmの焦点距離のレンズ、例えばThorlabs Asphere,f=20mmとして入手可能なレンズを有し得る。物体112の距離は0から3000mmまで変化された。縦方向座標zの決定は、光スポット186の移動を許容することなく可能であり得る。特に、本発明によれば、光スポットの移動は、縦方向座標zの決定にとって必須ではない。方向210に沿った光スポット186の移動を可能にする検出器構成により、または移動なしに、非常に小さい距離で物体距離の決定は可能であるが、方向208に沿った移動により、500mmより大きいような物体距離において、物体距離の決定が可能である。
【0786】
図19Eは、移動方向208および210に沿った物体距離に応じた光スポットの移動を伴う図19Cによる光スポット186の移動を可能にする、図19Aによる検出器構成を用いた2つの実験構成の物体の独立性を示す。さらに、両方の実験構成で、レーザ照射源の開口を変えることによって、物体サイズは1mm(破線)、2mm(点線)、6mm(実線)および12mm(大まかな点線)から変えた。一連の曲線216は、方向208に沿った光スポット186の移動を可能にする実験構成の縦方向座標zに対する商Qの依存性を示す。一連の曲線218は、方向210に沿う光スポット186の移動を可能にする、またはいかなる移動もない実験構成の縦方向座標zに対する商Qの依存性を示す。一連の曲線216は、小さな偏差、具体的には5%未満の偏差のみを示し、一方、一連の曲線218は、特に距離zが大きくなるにつれて、より大きい偏差を示す。したがって、測定中のアレイ174上の光スポット186の移動は、光センサ176と照射源136の適切な相対位置決めによって、測定範囲全体に対する物体サイズの独立性を確立および/または向上させるのに用いられる。
【0787】
図20には、少なくとも1つの物体1112の位置を決定するための検出器1110のさらなる実施形態の概略図が示されている。この場合、物体1112は、ビーコン装置1114を備え、該ビーコン装置1114から光ビーム1116が第1光センサ1118および第2光センサ1120に向かって伝播する。第1光センサ1118は、第1感光エリア1122を含み、第2光センサ1120は第2感光エリア1124を含む。第2光センサ1120および第2感光エリア124の詳細は、図22A図22Bおよび図23を参照して以下にさらに詳細に説明される。
【0788】
ここで、図20に示す実施形態では、第1光センサ1118は、第2光センサ1120の前に配置され、この結果光ビーム1116は第2光センサ1120に届く前に第1光センサ1118に届く。しかしながら、上述したように、他の順序も可能である。したがって、一例として、第2光センサ1120は第1光センサ1118の前に配置されてもよい。本明細書には示されていない後者の選択肢は、第2感光エリア1124が完全にまたは部分的に透明である場合に、例えば以下にさらに詳細に概説されるように透明蛍光導波シート1174を設けることによって特に可能である。
【0789】
一例として、光ビーム1116は、検出器1110の光軸1126に沿って伝播し得る。
【0790】
しかしながら、他の実施形態も可能である。
【0791】
検出器1110は、さらに、少なくとも1つの転送装置1128、特にビーム整形のため、例えば少なくとも1つのレンズまたはレンズ系を備えることができる。したがって、光ビーム1116は、1つ以上の焦点1130内などで集束させられ、光ビーム1116のビーム幅は、物体1112の縦方向座標z、例えば検出器1110とビーコン装置1114および/または物体1112の間の距離に依存することができる。この縦方向座標に対するビーム幅の依存性の詳細については、WO 2012/110924 A1および/またはWO 2014/097181 A1のうちの1つ以上を参照することができる。
【0792】
図20から分かるように、第1光センサ1118は小型の光センサであり、第2光センサ1120は大型の光センサである。したがって、光ビーム1116の幅は第1感光エリア1122を完全に覆うことができ、一方、第2感光エリア1124上では、感光エリア1124よりも小さい光スポットが生成され、この結果光点は、第2感光エリア1124内に完全に位置するようになる。可能な実施形態は、図23を参照して以下に説明される。したがって、一例として、第1感光エリア1122は10mm~100mmの表面積を有し、第2感光エリア1124は100mmを超える、例えば200mm以上の表面積、例えば200mm~600mm、または500mm以上を有することができる。しかしながら、他の実施形態も可能である。
【0793】
第1光センサ1118は、光ビーム1116による照射に応答して、第1センサ信号sを生成し、第2光センサ1120は、少なくとも1つの第2センサ信号sを生成することができる。一例として、第1の光センサ1118は線形光センサであってもよく、すなわちセンサ信号sは光ビーム1116の総出力または第1感光エリア1122を照射する光ビーム1116の部分に依存し、一方、センサ信号sは照射の光スポットの実際の大きさから独立である。言い換えれば、第1光センサ1118は、好ましくは、上述のFiP効果を示さない。
【0794】
センサ信号sおよびsは、検出器1110の評価装置1132に提供され得る。図20に象徴的に描かれている評価装置1132は、上で説明されたように、商信号Qを導出するために具体的に具体化されてもよい。商信号Qは、例えばセンサ信号sおよびs、またはそれらの倍数または線形結合を割算することによって導出されるが、物体1112および/またはビーコン装置1114の縦方向座標zの少なくとも1つの情報項目を導出するために使用され、該物体1112および/またはビーコン装置1114から光ビーム1116が検出器1110にむかって伝播する。したがって、一例として、各商信号Qに対して縦方向座標zが割り当てられる一意的な評価曲線が存在し得る。
【0795】
検出器1110は、少なくとも1つのビーコン装置1114と組み合わせて、図25を参照して以下にさらに詳細に説明するように、検出器システム1134と呼ぶことができる。
【0796】
図21では、図20の実施形態の変形例が示されており、これは代替の検出器1110を形成している。検出器1110の代替の実施形態は、図20に示す実施形態に広く対応している。能動型光源、すなわち光ビーム1116を生成するための発光特性を有するビーコン装置1114を使用する代わりに、しかし、検出器1110は少なくとも1つの照射源1136を含んでよい。一例として、照射源1136はレーザを含むことができ、一方、図20では、一例として、ビーコン装置1114は発光ダイオード(LED)を含むことができる。照射源1136は、物体1112を照射するための少なくとも1つの照射光ビーム1138を生成するように構成され得る。照射光ビーム1138は、完全にまたは部分的に物体1112によって反射され、検出器1110に向かって戻ることができ、それによって光ビーム1116を形成する。
【0797】
図20に示すように、一例として、照射光ビーム1138は検出器1110の光軸1126と平行であり得る。他の実施形態、すなわちオフアクシス照射および/または所定の角度での照射も可能である。図21に示されるように、オンアクシス照射を提供するために、一例として、1つ以上の反射要素1140、例えば一つ以上のプリズムおよび/またはダイクロイックミラーなどのミラー、例えば可動ミラーまたは可動プリズムが使用され得る。
【0798】
これらの修正の他は、図21の実施形態の構成は図20の構成に対応する。したがって、やはり、商信号Qを形成するための少なくとも1つのデバイダ1142、および一例として、商信号Qから少なくとも1つの縦方向座標zを導出するための少なくとも1つの位置評価装置1144、を有する評価装置1132を使用することができる。評価装置1132は、完全にまたは部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアで具体化することができることに留意されたい。したがって、一例として、構成要素1142,1144のうちの1つ以上は適切なソフトウェア構成要素によって具体化され得る。
【0799】
さらに、図20および図21に示す実施形態は、単に物体1112の縦方向座標を決定するための実施形態を提供するものであることに留意されたい。図22Aおよび図22Bならびに図23を参照して以下でさらに詳細に概説されるように、検出器1110は、物体1112および/またはその部分の少なくとも1つの横方向座標に関する追加の情報を提供するためにも使用され得る。
【0800】
図22Aおよび図22Bには、例えば図20および/または図21の構成に使用され得る第2光センサ1120の上面図(図22A)および横断面図が示されている。第2の光センサ1120は、物体1112に面する第2感光エリア1124を形成する蛍光導波シート1174を含み得る。蛍光導波シート1174は、この例示的な実施形態では、フラット導波シートであって、そこでは図22Bに矢印1176によって象徴的に示されるように、内部反射特に内部全反射による導波が生じ、特に蛍光導波路シート1174内で発生した蛍光の導波が生じるフラット導波シートとして設計され得る。蛍光導波シート1174は、一例として、少なくとも25mm、例えば少なくとも100mm、より好ましくは少なくとも400mmの横方向の広がりを有することができる。一例として、10mm×10mmの正方形シート、20mm×20mmの正方形シート、50mm×50mmの正方形シート、または他の寸法を使用することができる。しかしながら、円形または楕円形または多角形のような、正方形ではない形状または長方形ですらない形状も使用できることに留意されたい。
【0801】
蛍光導波路シート1174は、一例として、マトリックス材料1178と、その中に配置される少なくとも1つの蛍光材料1180、例えば少なくとも1つの蛍光体例えば蛍光染料を含むことができる。例示的な実施形態については、上述の材料、例えばWO 2012/168395 A1に挙げられた材料の一つ以上を参照することができる。一例として、以下の化学式1の蛍光材料を使用することができる。
【0802】
【化1】
【0803】
この蛍光材料は、可能性のある合成方法を含めて、WO 2012/168395 A1に物質34.2として開示されている。材料は、0.001~0.5重量%の濃度などでポリスチレンに浸漬されてもよい。蛍光材料1180は、光ビーム1116による照射に応答して蛍光ライトを発生するように設計されてもよい。
【0804】
蛍光材料1180および/またはマトリックス材料1178内の蛍光材料1180の濃度は、特に、少なくとも測定範囲内、すなわち強度範囲内で線形特性を示すように選択されることができ、結果として励起に応答して生成される蛍光ライトの総出力は、励起光による、すなわち光ビーム1116による照射の強度の線形関数である。一例として、材料および/または強度は、飽和効果が回避されるように選択されてもよい。
【0805】
第2光センサ1120はさらに、この実施形態では、図22Aおよび図22BにおいてPD1~PD4と参照され、蛍光導波シート174のそれぞれのエッジ190,192,194,196、例えば蛍光導波シート1174のリム部分に配置された複数の感光要素1182,1184,1186,1188を含むことができる。この例示的な実施形態では、蛍光導波シート1174は、一対のエッジ、例えば一対のエッジ1190,1192および一対のエッジ1194,1196が互いに対向するような矩形の形状を有することができる。蛍光導波シート174の矩形形状の辺は、図22Aに示すように、エッジ1190と192の間の相互接続によって定義されるx次元と、エッジ1196,1194の間の相互接続によって定義されるy次元とを有するデカルト座標系を定義することができる。しかしながら、他の座標系が実現可能であることに留意されたい。
【0806】
感光要素1182,1184,1186,1188は、一例として、フォトダイオードを含むことができる。具体的には、これらの感光要素1182,1184,1186,1188は、それぞれ、第1光センサ1118と同等、好ましくは同一の電気容量を有することができる。しかしながら、他の実施形態も可能であることに留意されたい。感光要素1182,1184,1186,1188は、一例として、好ましくはそれぞれのエッジ1190,1192,1194,1196の全長を覆う、または好ましくはそれぞれのエッジ1190,1192,1194,1196の長さの少なくとも50%以上を、またはより好ましくは少なくとも70%を覆う、帯状のフォトダイオードであってもよく、またはそれらを含んでもよい。しかしながら、他の実施形態も可能であり、例えば2つ以上の感光要素がそれぞれのエッジに配置されている実施形態も可能である。
【0807】
感光要素1182,1184,1186,1188はそれぞれ、感光要素1182,1184,1186,1188によって検知された光特に蛍光ライトに応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成する。全てのセンサ信号は第2センサ信号として参照され、以下では、PD1はセンサ信号s2,1を生成し、PD2はセンサ信号s2,2を生成し、PD3はセンサ信号s2,3を生成し、PD4はセンサ信号s2,4を生成し、第1の添え字2はこれらのセンサ信号は第2センサ信号であることを示し、1から4までの第2の添え字はそれぞれの信号が起源するそれぞれの感光要素1182,1184,1186,1188を示している。
【0808】
図20および図21において上記で概説したように、少なくとも1つの第1センサ信号s1および第2センサ信号s2,j(ただしj = 1,・・・,4)は、検出器1110の評価装置1132に提供され、該評価装置1132の機能は具体的に図24を参照して以下に詳細に説明される。
【0809】
評価装置1132は、第1と第2センサ信号を評価することにより物体1112の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され、該物体1112はこれらの図示されておらず、そこから光ビーム1116が検出器1110に向かって伝播する。さらに、以下でさらに詳細に概説するように、図3および図24を参照して、以下でさらに詳細に概説するように、少なくとも1つの横方向座標xおよび/またはyが決定され得る。
【0810】
第2光センサ1120は、図22Bに示されるように、少なくとも1つの光フィルタ要素1198をさらに任意に含んでよい。光フィルタ要素1198は、任意の参照感光要素1200の前に配置されてよく、該参照感光要素1200はさらに、光フィルタ要素1198を伴ってまたは伴わずに検出器1110内に存在してよい。一例として、参照感光要素1200は大面積フォトダイオードを含むことができる。しかしながら、他の設定も可能である。したがって、第1光センサ1118は参照感光要素の機能を引き継ぐことができるため、参照感光要素1200は本実施形態で省くことができることに留意されたい。特に、透明蛍光導波シート1174が使用される場合、および第1光センサ1118が第2光センサ1120の後ろに配置される場合、第1光センサ118も参照感光要素1200の機能を引き継ぐことができる。さらに、第1光センサ1118および第2光センサ1120の一方または両方は、それぞれ単一の感光エリア1122,1124を有する均一な光センサであってもよく、あるいはこれらの光センサ1118の一方または両方がピクセル化されてよいことに留意されたい。
【0811】
一例として、少なくとも1つの光フィルタ要素1198は、蛍光ライトが参照感光要素1200に入るのを防ぐように設計されてもよく、または少なくとも、蛍光ライトを少なくとも70%、または好ましくは少なくとも80%減衰させてもよい。
【0812】
図23では、光ビーム1116による第2感光エリア1124の照射が示されている。そこには、光ビーム1116が発して検出器1100に伝播する物体1112と検出器1110自体の間の距離が異なり、結果として光ビームによって蛍光導波シート1174に生成された光スポットの2つの異なるサイズ2つが得られる2つの異なる状況が示されている。第1に、小さい光スポット1202、および、第2に、大きい光スポット1204である。両方の場合において、光ビームの全体のパワーは、光スポット1202,1204にわたって同じである。さらに、第2光センサ1120の前に配置される第1光センサ118によって生成される影1206が示されている。以下では、第1光センサ1118が依然として光ビーム1116によって完全に照らされていると仮定する。
【0813】
光ビーム1116による照射は蛍光を誘導し、該蛍光は上記の図22Bに示されるように、導波によって感光要素1182,1184,1186,1188に向かって完全にまたは部分的に輸送される。上述のように、対応する第2センサ信号は、これらの感光要素によって生成され、第1センサ信号と共に、また任意選択的に、少なくとも1つの参照感光要素1200によって生成された少なくとも1つの参照センサ信号と共に、評価装置1132に提供される。
【0814】
図24に象徴的に描かれているように、評価装置1132は、上記に概説したように表されたセンサ信号を評価するように設計されている。センサ信号は、物体1112の位置情報および/または幾何学情報、例えば物体1112の少なくとも1つの縦方向座標z、および任意選択的に物体1112の1つ以上の横方向座標を決定するために、評価装置によって様々な方法で評価され得る。
【0815】
第1に、評価装置1132は、例えば第2センサ信号s2,i,i=1,・・・,4(第1添え字は簡単のために上記式(1)では省略されている)について上記式(1)によって、センサ信号PD1~PD4の和信号Sを生成するように構成された少なくとも1つの合算装置1208を含み得る。この和信号Sは、一般に第2のセンサ信号s2と置き換えることができ、および/またはさらなる評価の一部のために、第2光センサ1120の「第2の」センサ信号として使用することができる。この和信号Sは、光ビーム1116によって生成された蛍光ライトの総出力を表すことができる。たとえそうであっても、一般に、蛍光ライトのすべてが実際には感光要素1182,1184,1186,1188に到達するわけではないため、いくらかの損失が生じる可能性がある。このように、一例として、導波の損失が生じる可能性があり、または蛍光ライトの一部が実際には、感光要素1182,1184,1186,188によって覆われていない方向に、エッジ1190,1192,1194,1196から放射される可能性がある。それでもなお、和信号Sは、蛍光導波シート1174内で生成された蛍光ライトの総出力に対するかなり良好な尺度を提供する。
【0816】
評価装置1132は、少なくとも1つのデバイダ1142を含むことができ、該デバイダ1142は、図24に象徴的に示されるように、位置評価装置1144の一部であり得、かつ、第1および第2のセンサ信号s,s(ここで、sは一例として上述したようにそれぞれの第2センサ信号の和信号Sである)から、少なくとも1つの商信号を形成するように構成され得る。したがって、一例として、デバイダ1142は、第1および第2のセンサ信号を割算すること、第1および第2のセンサ信号の倍数を割算すること、または第1および第2のセンサ信号の線形結合を割算することのうちの1つ以上のためのように構成され得る。位置評価装置1144はさらに、商信号Qを評価することにより、例えば商信号Qと縦方向座標の間の少なくとも1つの所定のまたは決定され得る関係を使用して評価することにより、少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。一例として、構成曲線を使用することができる。デバイダ1142および/または位置評価装置1144は、一例として、少なくとも1つのデータ処理装置、例えば少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのDSP、少なくとも1つのFPGAおよび/または少なくとも1つのASICを含むことができる。さらに、縦方向座標zと商信号の間の少なくとも1つの所定のまたは決定可能な関係を記憶するために、少なくとも1つのデータ記憶装置、例えば所定の関係を記憶するための1つ以上のルックアップテーブルを提供するためのデータ記憶装置が提供され得る。
【0817】
上記で概説したように、物体の少なくとも1つの縦方向座標z以外に、追加の情報が第2センサ信号s2,1,s2,2,s2,3およびs2,4からを導出され得る。したがって、さらに、少なくとも1つの横方向座標x,yが導出され得る。これは主に、光スポット1202,1204の中心と感光要素1182,1184,1186,1188の間の距離が等しくないという事実によるものである。したがって、光スポット1202,1204の中心は、感光要素1182からl、感光要素1184からl、感光要素1186からl、および感光要素1188からlの距離を有する。蛍光ライトの発生位置と前記蛍光ライトを検出する感光要素の間のこれらの距離の差のために、センサー信号が異なる。これはさまざまな影響によるものです。第一に、やはり、各内部全反射が所定の損失を含み、例えば蛍光ライトは経路長に応じて途中で減衰するように、所定の損失を含むため、内部損失が導波中に発生する。移動距離が長いほど、減衰が大きくなり、損失が大きくなる。さらに、吸収効果が生じる。第三に、光の広がりを考慮されなければならない。光スポット1202,1204とそれぞれの感光要素1182,1184,1186,1188の間の距離が長いほど、光子が感光要素以外の方向に向けられる可能性が高くなる。その結果、感光要素1182,1184,1186,1188のセンサ信号を比較することにより、光スポット1202,1204の、したがって物体1112の横方向座標に関する少なくとも1つの情報項目が生成され得る。
【0818】
センサ信号の比較は様々な方法で行われる。したがって、概して、評価装置1132は、物体1112および/または光スポット1202,1204の少なくとも1つの横方向座標を導出するためにセンサ信号を比較するように設計され得る。一例として、評価装置1132は、少なくとも1つの減算装置1210および/または物体1112の座標x,yなどの少なくとも1つの横方向座標に依存する関数を提供する他の任意の装置を含み得る。例示的な実施形態では、減算装置1210および/または任意の他の装置は、座標x,yなどの少なくとも1つの横方向座標に依存する関数を提供することができる。例示的な実施形態では、減算装置1210は、少なくとも1つの差信号、例えば図23の次元x,yのうちの1つまたはそれぞれについて、上記の式(4)および/または(5)による信号を生成するように設計され得る。例として、PD1とPD2の間の簡単な差、例えばPD1 - PD2 /(PD1 + PD2)がx座標の尺度として使用され得、および、PD3とPD4の間の差、例えば(PD3 - PD4)/(PD 3 + PD 4)がy座標の尺度として使用され得る。第2感光エリア1124の平面内の光スポット1202,1204の横方向座標から、一例として、そこから光ビーム1116が検出器1110に伝播する物体の横方向座標への変換は、よく知られているレンズ方程式を使用して簡単に作成され得る。さらなる詳細については、一例として、WO 2014/097181 A1を参照することができる。
【0819】
しかしながら、評価装置1140によってセンサ信号を処理するための他の変換または他のアルゴリズムが実現可能であることに留意されたい。したがって、減算または正または負の係数との線形結合に加えて、非線形変換は一般的に実行可能である。一例として、センサ信号をz座標および/またはx,y座標に変換するために、1つ以上の既知のまたは決定可能な関係を使用することができ、それは一例として、経験的に導出することができ、例えば、検出器1110から様々な距離に配置された物体による較正実験、および/または様々な横方向位置または三次元位置に配置された物体による較正実験により、およびそれぞれのセンサ信号の記録により導出される。
【0820】
図25は、非常に概略的な図で、検出器1110の例示的な実施形態、例えば図20または図21に示した実施形態を示している。検出器1110は、具体的には、カメラ1146および/またはカメラ1146の一部として具体化することができる。カメラ1146は、撮像のために、特に3D撮像のために作られてもよく、静止画像および/またはデジタルビデオクリップのような画像シーケンスを取得するために作られてよい。他の実施形態も可能である。
【0821】
図25はさらに、検出器システム1134の実施形態を示しており、該検出器システム1134は、少なくとも1つの検出器1110の他に、1つ以上のビーコン装置1114を含み、該ビーコン装置1114はこの例では、物体1112に取り付けられおよび/または一体化され得、その位置は検出器1110によって検出される。図25は、ヒューマンマシンインターフェース1148とさらに該ヒューマンマシンインターフェース1148を含む娯楽機器1150の例示的な実施形態をさらに示しており、該ヒューマンマシンインターフェース1148は少なくとも1つの検出器システム1134を備えている。図はさらに、物体1112の位置を追跡するための追跡システム1152の実施形態を示しており、該追跡システム1152は検出器システム1134を含んでいる。装置およびシステムの構成要素は、以下にさらに詳細に説明される。
【0822】
図25は、物体1112を含む場景を走査するため、例えば物体1112を走査するため、および/または少なくとも1つの物体1112の位置を決定するための走査システム1154の例示的な実施形態をさらに示している。走査システム1154は、少なくとも1つの検出器1110、そしてさらに、任意選択的に少なくとも1つの照射源1136、並びに任意選択的に少なくとも1つのさらなる照射源1136を含んでいる。照射源1136は、一般的に、少なくとも1つの照射光ビーム1138を放射するように、例えば少なくとも1つのドット、例えば1つ以上のビーコン装置上および/または物体1112の表面上に位置するドットを照射するように構成されている。走査システム1154は、物体1112を含む場景のプロファイル、および/または物体1112のプロファイルを生成するように設計されてもよく、および/または少なくとも1つのドットと走査システム1154特に検出器1110の間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を、少なくとも1つの検出器1100を使用することによって生成するように決定されてもよい。図13では、一例として、1つ以上の反射要素1140、例えば1つ以上のプリズムなどの部分的に透明なものが使用され得る。
【0823】
上記で概説したように、図25の構成で使用することができる検出器1110の例示的実施形態を図20および図21に示す。したがって、検出器1110は、光センサ1118,1120の他に、例えば少なくとも1つのデバイダ1142および/または図25に象徴的に示すように少なくとも1つの位置評価装置1144を有する位置評価装置1132を備えている。評価装置1132の構成要素は、完全にまたは部分的に別個の装置に統合されてもよく、および/または完全にまたは部分的に検出器1110の他の構成要素に統合されてもよい。2つ以上の構成要素を完全にまたは部分的に組み合わせる可能性の他に、1つ以上の光センサ1118,1120および評価装置1132の1つ以上の構成要素は、1つ以上のコネクタ1156および/または図25に象徴的に示されているような1つ以上のインターフェースによって相互接続され得る。さらに、1つ以上のコネクタ1156は、センサ信号を修正または前処理するための1つ以上のドライバおよび/または1つ以上の装置を備えることができる。さらに、少なくとも1つの任意選択可能なコネクタ1156を使用する代わりに、評価装置1132は、光センサ1118,1120の一方または両方、および/または検出器1110のハウジング1158に完全にまたは部分的に一体化されてもよい。追加的にまたは代替的に、評価装置1132は、完全にまたは部分的に別個の装置として設計されてもよい。
【0824】
この例示的な実施形態では、その位置が検出される物体1112は、スポーツ用品の物品として設計することができ、および/または位置がユーザ1162によって操作されることができる制御要素または制御装置1160を形成することができる。一例として、物体1112は、バット、ラケット、クラブ、またはスポーツ用品および/または擬似スポーツ用品のその他の任意の物品であってもよく、それらを含んでもよい。他の種類の物体1112も可能である。さらに、ユーザ1162自身が、その位置が検出される物体1112と見なされることも可能である。
【0825】
上記で概説したように、検出器1110は少なくとも光センサ1118,1120を含む。光センサ1118,1120は、検出器1110のハウジング1158の内側に配置することができる。さらに、少なくとも1つの転送装置1128は、1つ以上の光学系、好ましくは1つ以上のレンズを含むなどの構成とすることができる。
【0826】
好ましくは検出器1110の光軸1126に対して同心状に配置されるハウジング1158内の開口部1164は、好ましくは検出器1110の視線方向1166を画定する。座標系1168を定義することができ、該座標系1168においては光軸1126に平行または逆平行な方向を縦方向と定義することができ、光軸1126に垂直な方向を横方向と定義することができる。図25に象徴的に描かれている座標系1128においては、縦方向はzで表され、横方向はxおよびyでそれぞれ表されている。非デカルト座標系などの他の種類の座標系1168も実現可能である。
【0827】
検出器1110は、光センサ1118,1120、ならびに任意選択的にさらなる光センサを含み得る。光センサ1118,1120は、好ましくは、同一のビーム経路に、第1光センサ1118が第2光センサ1120の一部を覆うように、一方が他方の背後に配置され得る。しかしながら代替的に、1つ以上の追加のビーム経路に追加の光センサを有することにより、分岐ビーム経路が可能であり、例えば物体1112および/またはその部分の横方向座標を決定するための少なくとも1つの横方向検出器または横方向センサのためにビーム経路を分岐することにより、分岐ビーム経路が可能である。
【0828】
1つ以上の光ビーム1116が、物体1112および/または1つ以上のビーコン装置1114から検出器1110に向かって伝播している。検出器1110は、少なくとも1つの物体1112の位置を決定するように構成されている。この目的のために、図20から図23に関連して上述したように、評価装置1132は、光センサ1118,1120によって提供されるセンサ信号を評価するように構成される。検出器1110は、物体1112の位置を決定するように適合されており、光センサ1118,1120は、物体1112特に1つ以上のビーコン装置1114から検出器1110に伝播する光ビーム1116を検出するように適合されている。照射源1136が使用されない場合、ビーコン装置1114および/またはこれらのビーコン装置1114のうちの少なくとも1つは、発光ダイオードなどの一体化照射源を有する能動型ビーコン装置であり得るか、またはそれを含み得る。照射源1136が使用される場合、ビーコン装置1114は必ずしも能動型ビーコン装置である必要はない。反対に、物体1112の反射表面が使用することができ、例えば少なくとも1つの反射表面を有する一体型反射ビーコン装置1114を使用することができる。光ビーム1116は、直接および/または転送装置1128によって修正された後に、例えば1つ以上のレンズによって集束された後に、光センサ1118,1120の感光エリア1122,1124を照射する。評価の詳細については、上記の図20から図23を参照することができる。
【0829】
上記で概説したように、検出器1110を使用することによる物体1112および/またはその一部の位置の決定は、少なくとも1つの情報項目をマシン1170に提供するために、ヒューマンマシンインターフェース1148を提供するために使用され得る。図25に概略的に示される実施形態では、マシン1170はコンピュータであり得、および/またはコンピュータを含み得る。他の実施形態も可能である。評価装置1132は、コンピュータなどのマシン1170に完全にまたは部分的に一体化されていてもよい。
【0830】
上記で概説したように、図25はまた、少なくとも1つの物体1112および/またはその部分の位置を追跡するように構成された追跡システム1152の一例を示している。追跡システム1152は、検出器1110と少なくとも1つの追跡コントローラ1172を含む。追跡コントローラ1172は、特定の時点における物体1112の一連の位置を追跡するように適合されてよい。追跡コントローラ1172は、独立した装置とすることができ、および/または図25に示すようにマシン1170、具体的にはコンピュータ、および/または評価装置1132に完全にまたは部分的に一体化され得る。
【0831】
同様に、上記で概説したように、ヒューマンマシンインターフェース1148は、娯楽装置1150の一部を形成してよい。マシン1170、特にコンピュータも、娯楽装置1150の一部を形成してもよい。したがって、物体1112として機能するユーザ1162によって、および/または物体1112として機能する制御装置1160を取り扱うユーザ1162によって、ユーザ1162は、例えば少なくとも1つの制御命令のような少なくとも1つの情報項目を、コンピュータに入力することができ、それによって、娯楽機能を変化させ、例えばコンピュータゲームのコースを制御することができる。
【0832】
図26Aおよび図26Bでは、第2光センサ1120の代替実施形態が上面図(図26A)および断面図(図26B)で示されている。第2光センサ1120の詳細の大部分については、上記の図22Aおよび図22Bを参照することができる。しかしながら、この実施形態は、図22Aおよび図22Bの実施形態からの様々な変形例を示しており、それらは単独でまたは組み合わせた形で実現することができる。
【0833】
このように、第1に、この実施形態は、感光要素の配置の変形例を示している。この実施形態では真っ直ぐなエッジである対向するエッジ1190,1192,1194,1196に位置する感光要素1182,1184,1186,1188に加えて、追加の感光要素1212が蛍光導波シート1174の隅部1214に位置している。エッジ1190,1192,1194,1196は、組み合わせて、例えば長方形のエッジなどの蛍光導波シート1174のリムを形成することができる。リム自体は、リムからの反射を回避するために、粗面化あるいは黒くさえされていてよい。隅部1214も蛍光導波シート1174のエッジの一部である。隅部1214に位置する感光要素1212は、追加の第2センサ信号を提供することができ、該追加の第2センサ信号は、例えば図24に示すものと同様の方法で評価することができる。それらは、z座標および/またはx,y座標の決定の精度を高め得る。したがって、一例として、これらの追加のセンサ信号は、上記の式(1)を使用することによって形成されるような和信号に含まれ得る。追加的または代替的に、これらの追加のセンサ信号は、上記の式(2)および/または(3)によるように、差信号の形成に実装されてもよい。一例として、対向する隅部1214に位置する2つの感光要素1212の間の差信号が形成されることができ、および/または、隅部1214に位置する1つの感光要素1212と直線的なエッジ、例えば直線的なリム部に位置する1つの感光要素の差信号が形成されることができる。それぞれの場合における差信号Dは、2つの感光要素を相互に接続する軸上の光スポットの位置を示すことができる。
【0834】
さらに、図26Aおよび図26Bの実施形態は、蛍光導波シート1174に対する感光要素1182,1184,1186,1188,1212の配置の変形例を示している。
したがって、図22Aおよび図22Bの実施形態において、感光要素1182,1184,1186,1188は、蛍光導波シート1174の平面内に位置することができる。追加的または代替的に、図26Aおよび26Bの実施形態に示されるように、感光要素1182,1184,1186,1188,1212のうちのいくつかは、あるいはすべてさえも、蛍光導波シート1174の平面の外側に配置されてよい。具体的には、図26Bの断面図に示されるように、一例として、感光要素1182,1184,1186,1188,1212は、光結合要素1216によって蛍光導波シート1174に光学的に結合されてよい。一例として、感光要素1182,1184,1186,1188,1212は、エポキシ接着剤などの1つ以上の透明接着剤を使用することによって、単に蛍光導波シート1174に接着することができる。
【0835】
さらに、図26Aおよび図26Bの実施形態は、感光要素1182,1184,1186,1188,1212のサイズおよび状の変形例を示している。したがって、感光要素1182,1184,1186,1188,1212は、必ずしも帯状の感光要素である必要はない。一例として、非常に小さいフォトダイオードを使用することができ、例えば長方形フォトダイオードまたは点状もしくはスポット状フォトダイオードでさえ使用することができる。上記で概説したように、小さいサイズのフォトダイオードは、一般により低い静電容量になる可能性があり、したがって、第2光センサ1120のより速い応答をもたらす可能性がある。
【0836】
さらに、図26Aおよび図26Bの実施形態は、参照感光要素1200が不要であることを示している。したがって、上述のように、和信号自体が参照感光要素1200の機能を置き換えることができる。したがって、図26Aおよび図26Bの実施形態に示されるような第2光センサ1120は、完全に機能的で、任意選択的に透明なPSDを提供する。それ以上のPSDは必要ない。
【0837】
図27Aおよび図27Bは、本発明による検出器110のさらなる例示的実施形態の概略図を示す。図27Aでは、検出器110は、少なくとも2つの光センサ113、例えばそれぞれが少なくとも1つの感光エリア121を有する第1光センサ118および第2光センサ120を有している。光検出器110はさらに、特にビーム整形のための少なくとも1つの転送装置128、例えば少なくとも1つのレンズまたはレンズシステムを有している。転送装置128は光軸129を有し、該転送装置128と光検出器は共通の光軸を有することが好ましい。検出器110は少なくとも1つの照射源136を含み得る。照射源136は、一例として、レーザ源を含むことができる。照射源136は、照射光ビーム138が光軸126に対して非平行であるがオフアクシスであること、または光軸126からずれていること、の一方または両方であるように構成されてもよい。照射源136は、物体112を照射するための少なくとも1つの照射光ビーム138を生成するように構成され得る。照射光ビーム138は、物体112によって完全にまたは部分的に反射され、検出器110に向かって戻り、それによって光ビーム116を形成する。光ビーム116は、物体112から第1光センサ118および第2光センサ120に向かって伝播する。第1光センサ118は第1感光エリア122を含み、第2光センサ120は第2感光エリア124を含むことができる。この実施形態では、光センサ118,120は、感光エリア122,124が同一の表面積を有するように構成され得る。例えば、光センサ118,120は同一でもよい。検出器110は、反射要素140をさらに含むことができ、例えば光ビーム116を転送装置128から光センサ118,120の両方に導くように適合された少なくとも1つのビームスプリッタをさらに含むことができる。第1光センサ118は、ビームスプリッタからの距離dbを有し、第2光センサ120はビームスプリッタからの距離dbを有することができ、ここで、db≠db
である。再び、例えば商信号Qを形成するための少なくとも1つのデバイダ142と、一例として、商信号Qから少なくとも1つの縦方向座標zを導出するための少なくとも1つの位置評価装置144とを有する、評価装置132を使用することができる。評価装置132は、完全にまたは部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアで具体化することができることに留意されたい。したがって、一例として、構成要素142,144のうちの1つ以上が適切なソフトウェア構成要素によって具体化され得る。
【0838】
図27Bでは、検出器110は、少なくとも2つの光センサ113、例えば、それぞれが少なくとも1つの感光エリア121を有する第1光センサ118および第2光センサ120を備えている。光検出器110は、さらに、少なくとも1つの転送装置128、例えば少なくとも1つのレンズまたはレンズシステムを備えることができる。転送装置128は光軸129を有し、転送装置128と光検出器は共通の光軸を有することが好ましい。検出器110は少なくとも1つの照射源136を含み得る。照射源136は、一例として、例えば1550nmのレーザ源を有するレーザ源を含むことができる。照射源136は、照射光ビーム138が光軸126に対して非平行であるが軸から外れていること、または光軸126からずれていること、の一方または両方であるように構成されてよい。照射源136は、物体112を照射するための少なくとも1つの照射光ビーム138を生成するように構成されてよい。照射光ビーム138は、物体112によって完全にまたは部分的に反射され、検出器110に向かって戻り、それによって光ビーム116を形成する。光ビーム116は、物体112から第1光センサ118および第2光センサ120に向かって伝播する。第1光センサー118は第1感光エリア122を含み、第2光センサー120は第2感光エリア124を含むことができる。図27Bから分かるように、第1光センサ118は小型の光センサであり、第2光センサ120は大型の光センサである。光センサ118,120はGeセンサであり得る。第1光センサ118は転送装置128から第1の距離を有し、第2光センサ120は転送装置128から第2の距離を有する。図27Bでは、第1光センサ118は転送装置128に近接していてよく、第2光センサ120は焦点の方向にさらに離れて配置されてよい。第1光センサ118は、物体からの距離から独立であるように構成されてよく、第1光センサ118のセンサ信号は転送装置128を通過する光ビームの総出力に比例していてよい。再び、商信号Qを形成するための少なくとも1つのデバイダ142、および一例として、商信号Qから少なくとも1つの縦方向座標zを導出するための少なくとも1つの位置評価装置144を有する、評価装置132を使用することができる。評価装置132は、完全にまたは部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアで具現化することができることに留意されたい。したがって、一例として、構成要素142,144のうちの1つ以上を適切なソフトウェア構成要素によって具体化することができる。
【0839】
図28に、検出器110を用いた距離決定の実験結果を示す。この実験構成では、転送装置128は、焦点距離150mm、直径75mmを有し、1050~1700nmの範囲の反射防止コーティングで被覆された、Thorlabs LA1002-Cとして入手可能な平凸レンズであった。物体112は、この場合ではカーペット片であるが、Schatter + Kirchhoff 55cm - 1550-30-Q04-T12-C-6として入手可能な、1550nmの波長で30mWのCWパワー出力を有するレーザダイオードによって照射された。照射源136は、転送装置に隣接して横方向に配置され、50:50の矩形変調を用いて367Hzで操作された。第2光センサ120、この実験構成ではThorlabs FDG1010として入手可能な10mm x 10mmの寸法を有するGeフォトダイオードが、転送装置上に直接的に配置され、および、Thorlabs FDG05として入手可能な5mmの直径を有する第1光センサー118が転送装置128から0.85mの距離に配置された。図28は、決定された商信号Qの、物体の縦方向座標zに対応する距離d(メートル単位)の依存性を示す。
【0840】
図29には、検出器110のさらなる例示的実施形態が示されている。光センサ113の詳細については、上記の図6を参照する。図27Aおよび図27Bのように、照射源136はオフアクシスに位置してよい。照射源136は、点の群を生成および/または投影するように構成されてよく、例えば、照射源136は、1つの光学要素194、特に、少なくともに一つのデジタル光処理プロジェクタ(DLP)、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの発光ダイオードアレイ;少なくとも1つのレーザ光源アレイ、からなる群から選択される一つ以上の光学要素を含んでよい。センサ要素115は、光センサ113のマトリックス117を含むことができ、各光センサ113は、物体112に面する少なくとも1つの感光エリア121を有している。センサ要素115は、少なくとも1つのCMOSセンサを含み得る。図30には、センサ要素115に当たる点群が概略的に描かれている。さらに、スペックルおよび/または外来光および/または多重反射による擾乱などの擾乱がマトリックス117上に存在することがある。評価装置132は、少なくとも1つの関心領域196、例えば、物体112の縦方向座標の決定に使用される光ビーム116によって照射された1つ以上のピクセルを決定するように構成されてよい。図30では、関心領域196が例示的に破線の円形領域として示されている。例えば、評価装置132は、フィルタリング方法、例えばブロブ分析および/または物体認識方法を実行するように構成されてよい。
【0841】
図31A~Oは、本発明による光センサのさらなる例示的な構成、特に光ビーム116の伝播方向の上面図を示す。図31Aでは、2つの長方形の光センサ113の上面図が示されており、第1光センサ118は、より大きな第2光センサ120の前にある小さな光センサである。第1光センサ118および第2光センサ120は、特に光軸126から横方向yに異なるオフセットで配置されてよい。図31Bおよび図31Cでは、大きな長方形の光センサ120の上面図が示されており、第1光センサ118はより大きな第2光センサ120の前にある小さな光センサであって、三角形(図31B)または星型(図31C)の感光エリア121を有している。図31M~Oには、2つの長方形の光センサー113の平面図が示されており、第1光センサー118と第2光センサー120は同じサイズの長方形のセンサーである。図31M~Oでは、マスク119が第1および第2の光センサ118,120の前に配置されている。マスク119は、光軸126から異なるオフセットで配置されてもよい。マスク119は任意のサイズおよび形状を有することができ、例えば、マスクは長方形(図31M)、三角形(図31N)または星形(図31O)とすることができる。しかしながら、他の大きさおよび形状も可能である。マスク119は、第1および第2の光センサ118,120の感光エリアに光が当たるのを防止するように適合され得る。
【0842】
第1光センサ118と第2光センサ120は、光軸126から異なるオフセットで配置されてよい。図31Kは、2つの円形の光センサ113を示し、ここでは、第1光センサ118は、より大きい第2光センサ120の前にある小さい光センサである。図31Dでは、第1光センサ118の感光エリアは正方形であり、第2光センサ120の感光エリアは長方形であり、したがってxとyの表面積は異なる。さらに、第1光センサ118の中心と第2光センサ120の中心は異なるx座標を有してよく、例えば光センサ118,120は、光軸からx方向およびy方向のうちの1つ以上において異なる空間的オフセットを有してよい。図31Hでは、第1光センサ118と第2光センサ120の両方が長方形であってよい。第1光センサ118と第2光センサ120は、第1光センサ118の中心と第2光センサ120の中心が異なるx座標を有してよく、xとyにおける表面積が異なるように、構成されてよい。第1光センサ118と第2光センサ120は、光軸126から異なるオフセットで配置されてよい。図31Lでは、第1光センサ118は、第2光センサ120の形状とは異なる形状を有することができ、例えば円形または半円形などの形状を有して良い。図31E,F,G,I,Jは、ピクセル117のマトリックスを有するセンサ要素115を示している。図31E,F,Gでは、センサ要素115は長方形の形状を有し、図31IおよびJでは、センサ要素115は円形形状を有している。行と列は、等距離または非等距離に配置できる。等距離の行および/または列の場合、センサ要素115は、光軸126に対して空間的にずれて配置されてよい。
【0843】
図32は、異なる物体サイズに対する縦方向座標zの決定の実験結果を示している。実験構成は図19Aに示す構成と同等であった。測定構成では、紙のターゲットである物体112が、905nmの波長、1.6mW、23Hzで変調したレーザ136で照射された。物体112から反射した光は、OSIオプトエレクトロニクス、OSI Spot-4Dとして入手可能な象限ダイオード178に導かれた。物体112と象限ダイオード178の間に、Thorlabs AL2520M-Bとして入手可能な非球面実効焦点距離20.0mm、直径25.0mmを有するレンズ128が配置された。象限ダイオード178からレンズ128までの距離は19.7mmであり、象限ダイオード178はy = 0.5mmで光軸からのオフセットを有していた。さらに、図19Aの状況と異なり、図19Aには示されていないが、図32の状況では、虹彩絞りまたはさらなるレンズが、レーザ136と物体112との間のレーザ136の前に、照射光ビーム138を変更するために配置された。虹彩絞りは、照射光ビーム138の幅を変更するために使用された。更なるレンズが、レーザ136からの距離と共に減少するビーム幅を有する発散照射光ビーム138を得るために使用された。図32は、距離すなわち物体112の縦方向座標z(mm単位)の関数として、2つの隣接象限電流の商Qを示している。第1の実験では、照射光ビーム138の直径は、虹彩絞りによって1mm(実線)から3.5mm(緩い破線)および5mm(一点鎖線)まで変化された。第2の実験では、照射光ビーム138の直径は、照射光ビーム138のビーム幅がさらなるレンズからの増加する距離と共に発散するように、さらなるレンズによって変化された。発散照射光ビーム138を特徴付けるために、レンズ128から1m、2m、および3mのビーム幅が与えられている。破線は商Qを示し、ビーム幅はレンズ128から1mの距離で10mm、2mの距離で16mm、3mの距離で22mmであった。点線は商Qを示し、ビーム幅はレンズ128から1mの距離で15mm、2mの距離で32mm、3mの距離で49mmであった。z = 2300mmより下では、すべての曲線は、zからのQの同じ依存性および±5%未満の偏差を示し、したがってビーム幅からの独立性を示す。図32の状況では、物体112におけるビーム幅は、測定される物体サイズに対応する。ビーム幅からの商Qの独立性、したがって物体サイズからの商Qの独立性は、物体サイズの独立性の性質を明確に示している。適用においては、発散照射光ビームをもたらすさらなるレンズの影響は、液滴、雨、またはレーザモジュール上などの汚れなどによって引き起こされ得る。したがって、物体サイズの独立性は、しっかりした測定にとって重要な特性である。
【0844】
図33Aおよび図33Bは、例示的なビームプロファイルと、ビームプロファイルの第1領域198および第2領域200の決定を示す。図33Aでは、横方向座標x(単位mm)の関数としての正規化強度Inormが示されている。物体サイズは20mmであり、センサまでの物体距離は1200mmであった。ビームプロファイルの第1領域198は、ビームプロファイルのエッジ情報を本質的に含み、ビームプロファイルの第2領域200は、ビームプロファイルの中心情報を本質的に含むことができる。ビームプロファイルは、中心、ビームプロファイルの最大値、および/またはビームプロファイルのプラトーの中心点を有してもよい。図33Aにおいて、プラトーの中心は500mmであり得る。ビームプロファイルは、プラトーから延びる立ち下がりエッジをさらに含み得る。第2領域200は断面の内側領域を含むことができ、第1領域198は断面の外側領域を含むことができる。ビームプロファイルの少なくとも1つの領域は、断面の立ち下がりエッジの少なくとも一部を含むとき、ビームプロファイルの第1領域198として決定および/または選択され得る。図33Aでは、中心から両側の第1領域198は濃い灰色で示されている。ビームプロファイルの少なくとも1つの領域は、中心に近いかまたは中心の周りにあり、かつ、本質的に中心情報を含む場合、ビームプロファイルの第2領域200として決定および/または選択され得る。図33Aでは、第2領域200は薄い灰色で示されている。図33Bは、図33Aに示されるような強度分布の対応する光スポットと、対応する第1の領域198と、第2の領域200を示している。
【0845】
図34は、検出器110のさらなる例示的実施形態を示す。光センサ113は、第1感光エリア122を有する第1光センサ118と、第2感光エリア124を有する第2光センサ120を含むことができる。第1感光エリア122と第2感光エリア124は、数式27の条件を満たすように配置されている。
【0846】
【数27】
【0847】
「a」は、転送装置128の焦点距離fの半分に等しい距離で光軸126と交差する光軸126に垂直な平面204の内側領域202と、第1感光エリアの両方に当たる光子の比率である。「b」は、平面204の内側領域202と第2感光エリア124の両方に衝突する光子の比率である。「c」は、平面204の外側領域206と第1感光エリア122の両方に衝突する光子の比率である。「d」は、平面204の外側領域206と第2感光エリア124の両方に衝突する光子の比率である。内側領域202は、光軸126上に幾何学的中心点を有し、光子の半分が内側領域202内で平面204に衝突し、他の半分が内側領域202の外側で平面204に衝突するような範囲を有する領域を有することができる。内側領域202は、光軸126上に中心点を有し、光子の半分が円内で平面204に衝突し、他の半分が円外で平面に衝突するように選択された半径rを有する円として設計することができる。
【0848】
図25には、少なくとも1つの物体2112の位置を決定するための検出器2110の例示的実施形態の概略図が示されている。図35では、物体2112は2つの異なる物体距離について示されている。検出器2110は、少なくとも2つの光センサ2113を有し、例えばそれぞれが少なくとも1つの感光エリア2121を有する第1光センサ2118と第2光センサ2120を有している。物体2112は少なくとも1つのビーコン装置2114を含むことができ、該ビーコン装置2114から入射光ビームとも呼ばれる光ビーム2116が検出器2110に向かって伝播する。追加的または代替的に、検出器は、物体2112を照射するための少なくとも1つの照射源2115を含み得る。一例として、照射源2115は、物体2112を照射するための照射光ビームを生成するように構成されてよい。具体的には、照射源2115は、少なくとも1つのレーザおよび/またはレーザ源を含み得る。半導体レーザなどの様々な種類のレーザを使用することができる。追加的または代替的に、LEDおよび/または電球などの非レーザ光源を使用することができる。照射源2115は、人工照射源を含むことができ、特に少なくとも1つのレーザ源および/または少なくとも1つの白熱灯および/または少なくとも1つの半導体光源、例えば少なくとも1つの発光ダイオード、特に、有機および/または無機発光ダイオードを含むことができる。一例として、照射源2115によって放射された光は、300~500nmの波長を有することができる。追加的または代替的に、780nmから3.0μmの範囲内などの赤外線スペクトル範囲内の光を使用することができる。具体的には、シリコンフォトダイオードが適用可能な近赤外領域の部分の光、特に700nm~1000nmの範囲の光を用いることができる。さらに、照射源2115は、変調光または非変調光を放射するように構成されてよい。複数の照射源2115が使用される場合、異なる照射源は異なる変調周波数を有してよく、それは以下で後にさらに詳細に概説されるように、光ビームを区別するために使用され得る。
【0849】
第1光センサ2118は第1感光エリア2122を含むことができ、第2光センサ2120は第2感光エリア2124を含むことができる。光ビーム2116は、一例として、検出器2110の光軸2126に沿って伝播し得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。第1感光エリア2122および第2感光エリアは、物体2112の方に向いていてよい。光検出器2110は、さらに少なくとも1つの転送装置2128を含むことができ、特にビーム整形のために、少なくとも1つのレンズまたはレンズ系などを含むことができる。転送装置2128は、物体2112から検出器2110へ伝播する入射光ビーム2116に応じた少なくとも1つの焦点距離を有することができる。転送装置2128は光軸2129を有することができ、転送装置2128と光検出器は好ましくは共通の光軸を有することができる。転送装置2128は座標系を構成することができる。光軸2126,2129に平行または逆平行な方向は縦方向と定義することができ、光軸2126,2129に垂直な方向は横方向と定義することができ、縦方向座標lは光軸2126,2129に沿う座標であり、dは光軸2126,2129からの空間的オフセットである。したがって、光ビーム2116は、1つ以上の焦点などで集束され、光ビーム2116のビーム幅は、物体2112の縦方向座標zに依存することができ、例えば検出器2110とビーコン装置2114および/または物体2112の間の距離に依存することができる。光センサ2118,2120は焦点から外れて配置されてよい。縦方向座標に対するこのビーム幅の依存性の詳細については、WO 2012/110924 A1および/またはWO 2014/097181 A1のうちの1つ以上を参照することができる。
【0850】
検出器は、少なくとも1つの光ビーム2131を生成するように適合された少なくとも1つの角度依存光学要素2130を有し、該光ビーム2131は物体2112から検出器2110に向かって伝播し該角度依存光学要素2130を照射する入射光ビームの入射角に応じた少なくとも1つのビームプロファイルを有する。角度依存光学要素2130は、例えば角度依存光学要素2130の表面および/または入り口などの第1側面2132に衝突する電磁波が、角度依存光学要素の特性に応じて部分的に吸収および/または反射および/または伝送される角度依存の伝送特性を有することができる。伝送度は、電磁波の伝送出力の商、すなわち角度依存光学要素2130の後の出力、および電磁波の入射出力、すなわち角度依存光学要素2130に衝突する前の出力の商として定義することができる。角度依存光学要素2130は、伝送度が、物体から検出器2116に向かって伝播する入射光ビームが角度依存光学要素2130に当たる入射角に依存するように設計されることができる。入射角は、角度依存光学要素2130の光軸に対して測定することができる。角度依存光学要素2130は、伝播方向で、転送装置2128の背後に配置されてよい。転送装置は、例えば、少なくとも1つのコリメーティングレンズを含み得る。角度依存性光学要素2130は、より小さい角度で衝突する光線と比較して、より大きい角度で衝突する光線を弱めるように設計され得る。例えば、伝送度は、光軸に平行な光線、すなわち0°で最も高くなり、角度が大きくなると減少するようにすることができる。特に、少なくとも1つのカットオフ角度で、伝送度は急速にゼロまで低下することができる。したがって、大きな入射角を有する光線は遮断され得る。
【0851】
角度依存光学要素2130は、少なくとも1つの光ファイバ、特に少なくとも1つの多分岐光ファイバ、特に少なくとも1つの分岐光ファイバ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの角度依存反射要素、少なくとも1つの回折格子要素、特にブレーズ格子要素;少なくとも1つの開口絞り;少なくとも1つのプリズム;少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つのレンズアレイ、特に少なくとも1つのマイクロレンズアレイ;少なくとも1つの光フィルタ;少なくとも1つの偏光フィルタ;少なくとも1つの帯域通過フィルタ;少なくとも1つの液晶フィルタ、特に液晶チューナブルフィルタ;少なくとも1つのショートパスフィルタ;少なくとも1つのロングパスフィルタ;少なくとも1つのノッチフィルタ;少なくとも1つの干渉フィルタ;少なくとも1つの伝送格子;少なくとも1つの非線形光学要素、特に1つの複屈折光学要素、からなる群から選択される少なくとも1つの光学要素を含むことができる。
【0852】
第1光センサ2118は、光ビーム2131による照射に応答して、第1センサ信号sを生成し得る一方、第2光センサ2120は、第2センサ信号sを生成し得る。好ましくは、光センサ2118,2120は線形光センサであり、すなわち、センサ信号sおよびsはそれぞれ、光ビーム131またはそれぞれの感光エリア2122,2124を照射する光ビーム131の部分の総出力にのみ依存する一方、これらのセンサ信号sおよびsは、照射の光スポットの実際のサイズから独立である。
【0853】
センサ信号sおよびsは、検出器2110の評価装置2133に供給される。評価装置2133は、上述したように、商信号Qを導出するように具体化されている。センサ信号sおよびsまたはそれらの倍数もしくは線形結合を割算することによって導出される商信号Qから、物体2112および/または光ビーム2116がそこから検出器2110に伝播するビーコン装置2114の縦方向座標zに関する少なくとも1つの情報項目を導出するために使用され得る。評価装置2133は、結合信号Qを形成するための少なくとも1つのデバイダ2134と、一例として、結合信号Qから少なくとも1つの縦方向座標zを導出するための少なくとも1つの位置評価装置2136を有することができる。評価装置2133は、完全にまたは部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアで具体化することができることに留意されたい。したがって、一例として、構成要素2134,2136のうちの1つ以上は、適切なソフトウェア構成要素によって具体化され得る。
【0854】
図36では、図35の実施形態の変形例が示されており、これは代替の検出器2110を形成する。検出器2110の代替の実施形態は、図35に示される実施形態に広く対応している。図36では、角度依存光学要素2130は少なくとも1つの光ファイバ2138を含み得る。光ファイバ2138は、入射光ビーム2116の少なくとも一部を伝送するように適合されることができ、該入射光ビーム2116は、光ファイバの2つの端部の間では吸収および/または反射されない。光ファイバ2138は、長さを有し、距離を超えた伝送を可能にするように適合されてよい。光ファイバ2138は、少なくとも1つのファイバコアを含むことができ、該ファイバコアはファイバコアより低い屈折率を有する少なくとも1つのファイバクラッドによって囲まれている。許容角より下では、光ファイバ2138は、内部全反射によって入射光ビームを案内するように構成され得る。
【0855】
光ファイバ2138は、伝送度が、反射の影響を無視して、光ファイバに対して平行、すなわち0°の角度での入射光線に対して最大になるように設計され得る。光ファイバ2130は、より高い角度、例えば1°から10°の角度では、伝送度が平行光線の伝送度の約80%まで滑らかに減少し、光ファイバ2138の受光角まではこのレベルに一定に留まるように設計され得る。光ファイバ2138は、許容角を超えると光ファイバ2138内の全反射が不可能であり、その結果光線が光ファイバ2138から反射して出るように設計され得る。光ファイバ2138は、許容角において、伝送度が急激にゼロまで落ちるように設計され得る。大きな入射角を有する光線は遮断され得る。
【0856】
図36に示されるように、照射源2115は、角度依存光学要素2130を通して物体2112を照射するように構成されてよい。光ファイバ2138は、照射源2115によって生成された光ビーム2142を伝送するように適合された少なくとも1つの照射ファイバ2140を、それが物体2112を照射するように含むことができる。照射源2115は、照射源2115によって生成された少なくとも1つの光ビーム2142を照射ファイバ2140に結合するように構成されてよい。
【0857】
光ファイバ2138は、少なくとも2つ以上のファイバを含み得る。光ファイバ2138は、少なくとも1つの多分岐光ファイバ、特に少なくとも1つの分岐光ファイバとすることができる。図36の実施形態では、図37のカットスルーに示されるように、光ファイバ2138は4本のファイバを含み得る。特に、光ファイバは、照射ファイバ2138と、第1ファイバ2144および第2ファイバ2146として示される少なくとも1つの光ビーム2131をそれぞれ生成するための少なくとも2つのファイバを含むことができる。図37に示されるように、第1ファイバ2144および第2ファイバ2146は、光ファイバ2138の入口端2148において互いに近接して配置されてよく、また、光ファイバ2138の出口端2150において所定距離だけ隔てられた脚に分割されてよい。第1ファイバ2144および第2ファイバ2146は、同一特性を有するファイバとして設計されてもよく、または異なるタイプのファイバであってもよい。第1ファイバ2144は少なくとも1つの第1光ビーム2152を生成するように構成されることができ、第2ファイバ2146は少なくとも1つの第2光ビーム2154を生成するように構成されることができる。光ファイバ138は、伝送度が第1光ビーム2152と第2光ビーム2154とで異なるように、入射光ビーム2116が第1入射角で第1ファイバ2144に入射し、第1入射角とは異なる第2入射角で第2ファイバ2146に入射するように構成されることができる。光センサ2113の一方は第1ファイバ2144の出口端に配置され、他方の光センサ2113は第2ファイバ2146の出口端に配置されることができる。光ファイバは3本より多くのファイバ、例えば図37に示すように4本のファイバを含むことができる。
【0858】
さらに、図35および図36に示めされる実施形態は、単に物体2112の縦方向座標zを決定するための実施形態を提供することに留意されたい。しかしながら、物体2112および/またはその一部の横方向座標に関する追加の情報を提供するように図35および図36の構成を変更することも可能である。一例として、例えば転送装置2128と光センサ2118,2120の間において、光ビーム2116の1つ以上の部分が分岐されてよく、1つ以上のCCDおよび/またはCMOSピクセル化センサおよび/または象限検出器および/または他の位置感知装置などの位置感知装置に導かれてよく、該位置感知装置はその上に生成された光スポットの横方向位置から、物体2112および/またはその一部の横方向座標を導出することができる。横方向座標は、距離情報の品質の検証および/または向上に使用され得る。さらなる詳細については、一例として、横方向センサの潜在的に可能な解決策を提供する上述の先行技術文献のうちの1つ以上を参照することができる。
【0859】
図38は、角度依存光学要素2130の角度依存伝送を視覚化している。角度依存光学要素2130は、伝送度が、物体から検出器2116に向かって伝播する入射光ビームが角度依存光学要素2130に当たる入射角に依存するように設計されてよい。角度依存光学要素2130は、より小さい角度で衝突する光線と比較して、より大きい角度で衝突する光線を弱めるように設計され得る。特に、伝送度はカットオフ角度で急激にゼロまで低下することができ、大きな入射角を有する光線を遮断し得る。図38に示されるように、入射光ビーム2116の領域は、生成された光ビーム2131内の角度依存光学要素2130によって遮断される。
【0860】
図39は、入射角A(単位度)の関数としての一定照射出力における光ファイバの伝送出力P(単位W)の依存性を示す。許容角は垂直線で示されている。伝送度は、反射効果を無視して、光ファイバに対して平行、すなわち0°の角度で入ってくる光線に対して最も高くなり得る。より高い角度、例えば1°から10°の角度では、伝送度は平行光線の伝送度の約80%まで滑らかに減少し、光ファイバ2138の許容角まではこのレベルに一定に留まる。許容角では、伝送度は急激にゼロまで低下する。大きな入射角を有する光線は遮断され得る。
【0861】
図40Aおよび40Bは、距離測定の実験結果を示す。決定距離zmeas(単位mm)は、物体距離zobj(単位mm)の関数として示されている。照射源115として、Flexpoint(登録商標)のLaserコンポーネントモジュールとして入手可能な980nmの波長および2.4mWの平均出力を有するレーザが使用された。光センサ113として、2つのSi光検出器が使用された。光ファイバ2138および転送装置2128としてThorlabs Fixed Focus CollimationパッケージF220SMA-980で入手可能なものを使用した。図40Aにおいて、実線は、zmeas=zobjのところを示す。測定のために、物体距離は変えられ、2つの異なる種類の物体、特に黒い紙の物体(曲線2156(点線))、および白い紙の物体(曲線2158(破線))が使用された。決定された物体距離は、中小距離では2%以内、長距離では10%以内で実際の距離と一致する。図40Bでは、距離zobj(単位mm)の関数として2つの光検出器の信号を割算することによって決定した結合信号Qが、黒い紙の物体(点線)および白い紙の物体(破線)について示されている。両方の物体の種類について決定された商は、近距離および中距離で2%以内、長距離で10%以内で一致している。
【0862】
図41は、非常に概略的な図で、例えば図35または図36に示される実施形態による検出器2110の例示的実施形態を示す。検出器2110は、具体的にはカメラ2156として具体化されてよく、および/またはカメラ2156の一部であってもよい。カメラ156は、撮像のために、特に3D撮像のために作られてもよく、静止画像および/またはデジタルビデオクリップのような画像シーケンスを取得するために作られてもよい。他の実施形態も可能である。
【0863】
図41は、検出器システム2158の実施形態をさらに示し、該検出器システム2158は、少なくとも1つの検出器2110の他に、この例では物体2112に取り付けおよび/または一体化され得る1つ以上のビーコン装置2114を含み、該ビーコン装置2114の位置は検出器2110を用いて検出される。図41は、少なくとも1つの検出器システム2158を備えるヒューマンマシンインターフェース2160の例示的な実施形態、およびさらにヒューマンマシンインターフェース2160を備える娯楽装置2162の例示的な実施形態をさらに示す。図はさらに、検出器システム2158を含む、物体2112の位置を追跡するための追跡システム2164の実施形態を示す。装置およびシステムの構成要素は、以下にさらに詳細に説明される。
【0864】
図41は、物体2112を含む場景を走査するための、例えば物体2112を走査するための、および/または少なくとも1つの物体2112の少なくとも1つの位置を決定するための走査システム2166の例示的実施形態をさらに示している。走査システム2166は、少なくとも1つの検出器2110と、さらに、任意選択的に少なくとも1つの照射源2115と、任意選択的に少なくとも1つのさらなる照射源2115とを備える。照射源2115は、一般的に、少なくとも1つの照射光ビーム2142を放射するように構成され、少なくとも1つのドット、例えばビーコン装置2114の一つ以上の位置上および/または物体2112の表面上に位置するドットを照射するためなどのように構成される。走査システム2166は、物体2112を含む場景のプロファイルおよび/または物体2112のプロファイルを生成するように設計されてもよく、および/または少なくとも1つのドットと走査システム2166特に検出器2110の間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を、少なくとも1つの検出器2110を使用することによって生成するように設計されてもよい。
【0865】
上記で概説したように、図41の構成で使用することができる検出器2110の例示的実施形態が図35および図36に示されている。したがって、検出器2110は、光センサ2118,2120の他に、例えば図41に象徴的に示されるように少なくとも1つのデバイダ2134および/または少なくとも1つの位置評価装置2136を有する少なくとも1つの評価装置2133を備えている。評価装置2133の構成要素は、完全にまたは部分的に別個の装置に統合されてもよく、および/または完全にまたは部分的に検出器2110の他の構成要素に統合されてもよい。2つ以上の構成要素を完全にまたは部分的に組み合わせる可能性に加えて、光センサ2118,2120の1つ以上および評価装置2133の構成要素の1つ以上は、1つ以上のコネクタ2168および/または図41に象徴的に描かれているような1つ以上のインターフェースによって相互接続され得る。さらに、1つ以上のコネクタ2168は、センサ信号を修正または前処理するための1つ以上のドライバおよび/または1つ以上の装置を備えることができる。さらに、少なくとも1つの任意選択のコネクタ2168を使用する代わりに、評価装置133は、完全にまたは部分的に光センサ2118,2120の一方または両方および/または検出器2110のハウジング2170に一体化されてよい。追加的または代替的に、評価装置2133は、完全にまたは部分的に別個の装置として設計されてよい。
【0866】
この例示的な実施形態では、その位置を検出することができる物体2112は、スポーツ用品の物品として設計されることができ、および/またはその位置がユーザ2174によって操作される制御要素もしくは制御装置2172を形成することができる。一例として、物体2112は、バット、ラケット、クラブ、または他のスポーツ用品および/または擬似スポーツ用品の任意の物品であってもよく、それらを含んでもよい。他の種類の物体2112も可能である。さらに、ユーザ2174自身が、その位置が検出される物体2112と見なされることができる。
【0867】
上記で概説したように、検出器2110は少なくとも光センサ2118,2120を含む。光センサ2118,2120は、検出器2110のハウジング2170内に配置することができる。さらに、少なくとも1つの転送装置2128は、1つ以上の光学系、好ましくは1つ以上のレンズなどを含むように構成される。
【0868】
好ましくは検出器2110の光軸2126に対して同心状に配置されるハウジング2170内の開口部2176が、検出器2110の視野方向2178を画定するのが好ましい。座標系2180を定義することができ、該座標系では、光軸2126に平行または逆平行な方向を縦方向と定義することができ、光軸126に垂直な方向を横方向と定義することができる。図41に象徴的に示されている座標系2180では、それぞれ縦方向はzで示され、横方向はxおよびyで示されている。非デカルト座標系のような他の種類の座標系2180も実現可能である。
【0869】
検出器2110は、光センサ2118,2120、ならびに任意でさらなる光センサを含み得る。光センサ2118,2120は、1つの同じビーム経路内に、例えば一つが他の後ろに、例えば第1光センサ2118が第2光センサ2120の一部を覆うように配置され得る。しかしながら、代替的に、例えば多分岐光ファイバを使用することにより、分岐ビーム経路が可能である。分岐ビーム経路は、例えば物体2112および/またはその一部の横方向座標を決定するための少なくとも1つの横方向検出器または横方向センサのためにビーム経路を分岐することにより、一つ以上の追加のビーム経路に追加の光センサを有することができる。しかしながら、代わりに、光センサ2118,2120が同じ縦方向座標に配置されてもよい。
【0870】
1つ以上の光ビーム2116が、物体2112および/または1つ以上のビーコン装置2114から検出器2110に向かって伝播している。検出器2110は、少なくとも1つの物体2112の位置を決定するように構成されている。この目的のために、図35から図40に関連して上述したように、評価装置2133は、光センサ2118,2120によって提供されるセンサ信号を評価するように構成される。検出器2110は、物体2112の位置を決定するように適合されており、光センサ2118,2120は、光ビーム2131を検出するように適合されている。照射源2115が使用されない場合、ビーコン装置2114および/またはこれらのビーコン装置2114のうちの少なくとも1つは、発光ダイオードなどの統合照射源を有する能動型ビーコン装置であり得るか、またはそれを含み得る。照射源2115が使用される場合、ビーコン装置2114は必ずしも能動型ビーコン装置である必要はない。反対に、物体2112の反射面を使用することができ、例えば少なくとも1つの反射面、例えばミラー、逆反射体、反射フィルムなどを有する一体型反射ビーコン装置2114を使用することができる。光ビーム2116は、直接および/または転送装置2128によって修正された後、例えば一つ以上のレンズによって集束された後に、角度依存要素2130に当たり、該角度依存要素2130は、光センサ2118,2120の感光エリア2122,2124を照射する少なくとも1つの光ビームを生成する。評価の詳細については、上記の図35から図40を参照することができる。
【0871】
上記で概説したように、検出器2110を使用することによる物体2112および/またはその一部の位置の決定は、少なくとも1つの情報項目をマシン2182に提供するために、ヒューマンマシンインターフェース2160を提供するために使用され得る。図41に概略的に示される実施形態では、マシン2182はコンピュータであり得、および/またはコンピュータを含み得る。他の実施形態も可能である。評価装置2133は、コンピュータ内など、マシン2182内に完全にさえもまたは部分的に一体化されてよい。
【0872】
上記で概説したように、図41はまた、少なくとも1つの物体2112および/またはその一部の位置を追跡するように構成された追跡システム2164の一例を示す。追跡システム2164は、検出器2110および少なくとも1つの追跡コントローラ2184を含む。追跡コントローラ2184は、特定の時点での物体2112の一連の位置を追跡するように適合され得る。追跡コントローラ2184は、独立した装置とすることができ、および/または完全にまたは部分的にマシン2182、具体的には図41に示すように、コンピュータおよび/または評価装置2133に統合することができる。
【0873】
同様に、上記で概説したように、ヒューマンマシンインターフェース2160は、娯楽装置2162の一部を形成することができる。マシン2182、具体的にはコンピュータはまた、娯楽装置2162の一部を形成することができる。したがって、物体2112として機能するユーザ2174により、および/または物体2112として機能する制御装置2172を扱うユーザ2174により、ユーザ2174は、少なくとも1つの情報項目、例えば少なくとも1つの制御命令をコンピュータに入力することができ、それによって娯楽機能を変化させ、例えばコンピュータの進路を制御することができる。
【0874】
図42を参照すると、検出器110,1110,2110、例えば図1から図41に関して説明したような検出器は、奥行き情報特に絶対奥行き情報を、少なくとも2つの光センサ113、1118、1120、2113上の光ビームプロファイルの少なくとも2つの非対称領域の放射輝度比から、決定するように適合され得る。例えば、検出器110,1110,2110は、マトリックス117内に配置された複数の光センサを含み得る。検出器110,1110,2110は、奥行き情報を、CMOS検出器のような光センサの単一マトリックスによって捕捉された、閉じられた特に焦点ぼかしされたビームプロファイル内の少なくとも2つの非対称領域の放射輝度比から、決定するように構成されてよい。特に、検出器110,1110,2110は、特定の物体サイズ範囲から独立な放射輝度比を使用することにより、奥行き情報を決定するように適合され得る。上で概説したように、この原理はフォトンレシオによる距離(DPR)と呼ばれる。一実施形態では、光ビーム116,1116は、少なくとも1つの特徴点を含む少なくとも1つのパターンでセンサ要素を照射することができる。特徴点は、少なくとも1つの点、少なくとも1つの線、少なくとも1つのエッジからなる群から選択されてよい。パターンは、物体によって、例えば少なくとも1つのパターンを含む照射パターンを有する少なくとも1つの光源による照射に応答して、生成されてもよい。評価装置132は、次の数式28によって商信号Qを導出するように構成され得る。
【0875】
【数28】
【0876】
ここで、xおよびyは横方向座標、AおよびAはセンサ位置におけるビームプロファイルの領域、そしてE(x,y,z)は物体距離zにおいて与えられるビームプロファイルを表す。Aは、光センサ上の特徴点の全部または完全な領域に対応し得る。Aは、光センサ上の特徴点の中心領域であり得る。中心領域は一定値であり得る。中心領域は、特徴点の全領域と比較して小さくてよい。例えば、円形の特徴点の場合、中心領域は、特徴点の全半径の0.1から0.9まで、好ましくは全半径の0.4から0.6までの半径を有することができる。
【0877】
図42に示す実施形態では、物体112,1112から検出器110,1110,2110に伝播する光ビーム116,1116は、少なくとも1つの線パターン2186でマトリックス117を照射することができる。線パターン2186は、例えば少なくとも1つの照射線パターンを含む照射パターンを有する少なくとも1つの照射源136による照射に応答して、物体112,1112によって生成することができる。Aは、マトリックス117の線パターン2186の全線幅の領域に対応する。マトリックス117内の線パターン2186は、例えばマトリックス117内の線幅が増加するように、照射パターンの線パターンと比較して拡大および/または変位させることができる。特に、マトリックス117内の線パターン2186の線幅は、ある列から別の列へと変化する可能性がある。Aは、マトリックス117内の線パターン2186の中心領域であり得る。中心領域の線幅は一定の値であり得、特に照射パターンの線幅に対応し得る。中心領域は、全線幅に比べて小さい線幅を有することができる。例えば、中心領域は、全線幅の0.1から0.9まで、好ましくは全線幅の0.4から0.6までの線幅を有することができる。線パターン2186は、マトリックス117でセグメント化されてよい。各列は、線パターン2186の中心領域における強度の中心情報と、線パターン2186の中心領域からエッジ領域までさらに外側に延びる領域からの強度のエッジ情報を含み得る。
【0878】
図43は、計算レイトレーシングを用いた一次元の場合についての物体サイズ独立性のシミュレーション試験を示す。シミュレーション試験では、100mm~600mmの距離範囲内でf = 10mm、瞳径10mmの非球面レンズが使用された。本仕様を使用して、スポットサイズが1mmから25mmまで変化するように、約10mmの物体サイズ独立性が得られた。図43では、縦方向座標zに対する商Q(z)が、1mmの変動(曲線2188)、2mmの変動(曲線2190)、5mmの変動(曲線2192)、15mmの変動(曲線2194)、20mmの変動(曲線2196)および25mmの変動(曲線2198)について示されている。10mmを超える物体サイズに対する商は逸脱するが、10mmより小さい物体サイズに対する商は同一の比率をもたらすことが分かる。この特徴は、さまざまなサイズのターゲットに対するキャリブレーション作業を削減し、DPR分析に固有である。
【0879】
図44AおよびBを参照すると、上記で概説したように、検出器110,1110,2110は、光センサ113,1118,1120,2113の少なくとも1つのマトリックス117を含むことができる。そのようなピクセル化された撮像装置を用いることにより、図44Aに示されるように、デフォーカスビームプロファイルは、ある角度θの線に沿って、縦座標の原点から距離ωの断面に細分化され得る。したがって、単一の線のパラメータ化は、ω=xcos(θ)+ysin(θ)によって与えられる。平行線に沿った強度の積分は、周知のラドン変換の積分射影R{・}によって数学的に記述することができ、該ラドン変換の積分射影は以下の数式29のように表される。
【0880】
【数29】
ここで、δはディラックデルタ関数を表し、f(x,y)は囲まれたデフォーカスビームプロファイルの強度である。与えられた角度θと投影幅ωに対する光子比Rは次の数式30で与えられる。
【0881】
【数30】
【0882】
図44Bで強調表示されたオーバーシャインド画像領域としてf’(x,y)を有する。θの変動は、傾斜した物体表面に対して異なる比率Rをもたらすことが予想される。
【0883】
以下の間隔でθを変化させれば十分である可能性がある。
【0884】
【数31】
【0885】
図45AおよびBは、少なくとも1つのバイセルを含む本発明による検出器110のさらなる実施形態を示す。レーザ源などの照射源136は、物体112を照射する光ビーム138を生成することができる。反射光ビーム116は、物体112から転送装置128に伝播することができ、光センサ176のバイセルに衝突することができる。図45Aに側面図を示し、図45Bに正面図を示す。検出器110は、WO 2015/024871またはWO 2016/120392に記載されているようないわゆるFiP効果を生成するように適合された少なくとも1つのFiPセンサを備えてよい。例えば、図45Aおよび図45Bのバイセルは、いわゆるFiP信号を生成するように構成され得る。WO 2015/024871またはWO 2016/120392に概説されているように、FiP信号は広い距離範囲にわたる奥行き情報を決定するのに使用することができる。FiPセンサは、ポジティブおよび/またはネガティブFiP効果を示すように適合され得る。ネガティブFiP効果は、遠距離で小さい画像効果を調整するために使用され得る。位置、サイズ、形状、シャープネスなどの画像の変化は、距離が遠くなると消える一方、ネガティブFiP効果は増大する。さらに、両方のセルが同じ縦方向位置にありしたがって同一の光子密度を受け取るため、輝度依存性は導入されないことがある。
【0886】
図46は、実験結果、特に、図46に示される検出器構造を用いて決定された、結合されたセンサ信号のスポット径独立性および輝度独立性を示している。特に、バイセルはPbSバイセルであり、1550nmのレーザが、4mmのレーザスポットサイズで使用された。ベースラインは12.5mmであった。転送装置は、焦点距離f = 20mm、直径D = 25mmのThorlabs Asphereレンズを用いた。図46は、異なる輝度およびスポット直径、特に、輝度2.6mWおよびスポット直径12mm(曲線2200)、2.4mWおよび6mm(曲線2202)、ならびに1.2mWおよびスポット直径3mm(曲線2204)についての、縦方向座標zに対する商Qを示している。すべての曲線は同一の曲線形状を示し、したがってスポット径に依存しない。
【0887】
図47Aから図47Cは、六角形照射パターンの3つの実施形態を示している。照射源136は、物体112を照射するための少なくとも1つの照射パターンを生成するように適合され得る。追加的または代替的に、照射パターンは少なくとも1つの周囲光源によって生成され得る。具体的には、照射源136は、少なくとも1つのレーザおよび/またはレーザ源を含み得る。半導体レーザなどの様々な種類のレーザを使用することができる。追加的または代替的に、LEDおよび/または電球などの非レーザ光源を使用することができる。照射パターンは、点またはシンボルなどの少なくとも1つの特徴を含み得る。照射パターンは複数の特徴を含んでもよい。照射パターンは、周期的または非周期的特徴のアレンジを含み得る。照射パターンは、少なくとも1つの周囲光、例えば少なくとも1つの周囲光源、または少なくとも1つの照射源によって、生成され得る。照射パターンは、少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターン、ランダム点パターンまたは準ランダムパターン;少なくとも1つのSobolパターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン;少なくとも1つの矩形パターン;凸状の均一傾斜を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線または交差線などの少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含むことができる。例えば、照射源は、点群を生成および/または投影するように構成されてよい。照射パターンは、規則的および/または一定および/または周期的パターン、例えば三角形パターン、長方形パターン、六角形パターン、またはさらなる凸状傾斜を含むパターンなどを含むことができる。照射パターンは、六角形パターンが好まれる場合があるように、面積当たり可能な限り多くの特徴を含むことができる。照射パターンの2つの特徴間の距離、および/または少なくとも1つの照射特徴の面積は、画像内の錯乱円に依存し得る。
【0888】
照射パターンの照射特徴は、少数の参照特徴のみがエピポーラ線上に配置されるように構成されてよい。図47Aに示すように、照射パターンは少なくとも1つの六角形パターンを含むことができ、個々の点はエピポーラ線2206上に配置される。図47Bに示すように、照射パターンは少なくとも1つの六角形パターンを含むことができ、パターンはベースラインに対して回転している。照射特徴のそのような位置決めは、各エピポーラ線上の個々の点の間の距離を向上させることを可能にする。例えば、図47Cに示すように、照射パターンは少なくとも1つの変位された六角形パターンを含むことができ、そこでは六角形パターンの個々の点は規則的な位置からランダムな距離だけ、例えば点のエピポーラ線に直交して変位される。個々の点の変位は、2本の平行なエピポーラ線間の距離の半分より小さく、好ましくは2本の平行なエピポーラ線間の距離の1/4より小さい。個々の点の変位は、2つの点が互いの上に変位しないようなものであり得る。そのような位置決めは、面積当たりの可能な特徴の数を増やすことを可能にする。
【0889】
図48は、走査装置154の一実施形態を示す。走査装置はライン走査装置として構成されてよい。特に、走査装置154は、光センサ113の少なくとも1つのセンサラインまたは列を含むことができる。さらに、走査装置は、少なくとも1つの転送装置128と少なくとも1つの照射源136とを含み得る。三角測量システムは十分なベースラインを必要とするが、近距離場におけるベースラインのために検出は不可能であり得る。光スポットが転送装置の方向に傾斜している場合、近距離場検出が可能であり得る。しかしながら、傾斜は、光スポットが視野外に移動することにつながり、それは遠距離領域での検出を制限することになる。したがって、三角測量システムでは、ゼロでないベースラインが常に、近距離場および/または遠距離場において、測定範囲の実質的な減少を許すことになる。したがって、本発明による検出器を用いてベースラインを可能な限り減少させることは、常に測定範囲を増加させることになる。さらに、これらの近距離場および遠距離場の問題は、図48の走査装置154を使用することによって克服することができる。走査装置154は、CMOSライン上で物体112から走査装置154へ伝播する複数の光ビーム116を検出するように適合され得る。光ビーム116は、物体112上の異なる位置に又は物体112の移動によって生成され得る。走査装置154は、上述のように商信号Qを決定することにより、各光点の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように適合され得る。
【符号の説明】
【0890】
110 検出器
112 物体
113 光センサ
114 ビーコン装置
115 センサ要素
116 光ビーム
117 マトリックス
118 第1光センサ
119 マスク
120 第2光センサ
121 感光エリア
122 第1感光エリア
124 第2感光エリア
126 検出器の光軸
128 転送装置
129 転送装置の光軸
130 焦点
131 光スポット
132 評価装置
133 中心検出器
134 検出器システム
135 合算装置
136 照射源
137 結合装置
138 照射光ビーム
140 反射要素
142 デバイス
144 位置評価装置
146 カメラ
148 ヒューマンマシンインターフェース
150 娯楽装置
152 追跡システム
154 走査システム
156 コネクタ
158 ハウジング
160 制御装置
162 ユーザ
164 開口部
166 視野方向
168 座標系
170 マシン
172 追跡コントローラ
174 アレイ
176 光センサ
178 象限ダイオード
180 アレイの幾何学中心
182 第1光センサの幾何学中心
184 第2光センサの幾何学中心
186 光スポット
188 アクチュエータ
190 絞り
192 光記憶媒体の読出し装置
194 光学要素
196 関心領域
198 第1領域
200 第2領域
202 内側領域
204 平面
206 外側領域
208 移動方向
210 移動方向
212 曲線
214 曲線
216 一連の曲線
218 一連の曲線
1110 検出器
1112 物体
1114 ビーコン装置
1116 光ビーム
1118 第1光センサ
1120 第2光センサ
1122 第1感光エリア
1124 第2感光エリア
1126 光軸
1128 転送装置
1130 焦点
1132 評価装置
1134 検出器システム
1136 照射源
1138 照射光ビーム
1140 反射要素
1142 デバイダ
1144 位置評価装置
1146 カメラ
1148 ヒューマンマシンインターフェース
1150 娯楽装置
1152 追跡システム
1154 走査システム
1156 コネクタ
1158 ハウジング
1160 制御装置
1162 ユーザ
1164 開口部
1166 視野方向
1168 座標系
1170 マシン
1172 追跡コントローラ
1174 蛍光導波シート
1176 導波
1178 マトリックス材料
1180 蛍光材料
1182 感光要素
1184 感光要素
1186 感光要素
1188 感光要素
1190 エッジ
1192 エッジ
1194 エッジ
1196 エッジ
1198 光フィルタ要素
1200 参照感光要素
1202 小さい光スポット
1204 大きい光スポット
1206 影
1208 合算装置
1210 減算装置
1212 感光要素
1214 隅部
1216 光結合要素
2110 検出器
2112 物体
2113 光センサ
2114 ビーコン装置
2115 照射源
2116 光ビーム
2118 第1光センサ
2120 第2光センサ
2121 感光エリア
2122 第1感光エリア
2124 第2感光エリア
2126 検出器の光軸
2128 転送装置
2129 転送装置の光軸
2130 角度依存光学要素
2131 光ビーム
2132 第1側面
2133 評価装置
2134 デバイダ
2136 位置評価装置
2138 光ファイバ
2140 照射ファイバ
2142 光ビーム
2144 第1ファイバ
2146 第2ファイバ
2148 入口端
2150 出口端
2152 第1光ビーム
2154 第2光ビーム
2156 カメラ
2158 検出器システム
2160 ヒューマンマシンインターフェース
2162 娯楽装置
2164 追跡システム
2166 走査システム
2168 コネクタ
2170 ハウジング
2172 制御装置
2174 ユーザ
2176 開口部
2178 視野方向
2180 座標系
2182 マシン
2184 追跡コントローラ
2186 線パターン
2188 曲線
2190 曲線
2192 曲線
2194 曲線
2196 曲線
2198 曲線
2200 曲線
2202 曲線
2204 曲線
2206 エピポーラ線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19AB
図19CDE
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48