IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イエティ クーラーズ、エルエルシーの特許一覧

特許7216017ポータブルチェア及びポータブルチェアを形成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】ポータブルチェア及びポータブルチェアを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 5/10 20060101AFI20230124BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20230124BHJP
   A47C 9/10 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
A47C5/10 C
A47C5/10 L
A47C7/02 A
A47C5/10 E
A47C9/10
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019563539
(86)(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 US2018034040
(87)【国際公開番号】W WO2018217838
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】15/602,841
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519138232
【氏名又は名称】イエティ クーラーズ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドーラン、ウィリアム エス.
(72)【発明者】
【氏名】ニコルス、スティーブ チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】サイダーズ ロイ、ジョゼフ
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-231809(JP,A)
【文献】特開2002-282094(JP,A)
【文献】特開2016-101301(JP,A)
【文献】特開2001-224461(JP,A)
【文献】特開2002-136384(JP,A)
【文献】特公昭48-002071(JP,B1)
【文献】英国特許出願公告第01222908(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/02,7/32,9/10,4/04-4/26,5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部スレッドによって接続された第1の前脚及び第2の前脚と、
後部スレッドによって接続された第1の後脚及び第2の後脚と、
シートフレーム境界部を含むシートであって、前記シートは高い透水性の織物型構造であり、前記シートフレーム境界部は、射出成型プロセスによって前記シートに堅固に取り付けられた剛体オーバーモールドであり、前記射出成型プロセスは、前記シートフレーム境界部の下側部分上に複数の突出部を形成する、シートと、
第1の終端部、第2の終端部、シート取付レール、及びキャリーハンドルを含むシートフレームであって、前記キャリーハンドルは前記シートフレームの前部分の内面から延び、且つ前記シートフレーム境界部を受けるように構成され、前記シートフレーム境界部の前記下側部分上の前記複数の突出部は、前記シート取付レール及び前記キャリーハンドルと取り外し可能に係合するように構成されている、シートフレームと
を有するポータブルチェア。
【請求項2】
前記キャリーハンドルは、側部開口を有し、前記シートフレーム境界部は、前記側部開口を覆うためのキャリーハンドル側部カバーを有する、請求項1に記載のポータブルチェア。
【請求項3】
前記シート取付レールは、前記複数の突出部を受けるように構成された複数のスロットを有し、前記シート取付レールはチャネルをさらに有し、前記シートフレーム境界部は、一連のリブをさらに有し、前記チャネルは前記一連のリブを支持し、前記リブは、前記シートフレーム境界部上の前記複数の突出部の負荷を軽減するように構成されている、請求項1に記載のポータブルチェア。
【請求項4】
前記複数の突出部はそれぞれ別個の突起部を有し、前記突起部は、前記複数の突出部が前記シート取付レールの前記複数のスロット内に配置されたときに前記別個の突起部は前記複数のスロットに垂直に延び、それにより前記シートフレーム境界部を前記シートフレームに固定する、請求項3に記載のポータブルチェア。
【請求項5】
前記一連のリブは、前記シートフレーム境界部の前記下側部分から延びるフランジに接合される、請求項3に記載のポータブルチェア。
【請求項6】
前記シートフレーム境界部は、前記シートフレーム境界部の第1の端部を前記シートフレームの第1の端部内に配置すること、及び前記シートフレーム境界部を前記シートフレームの前記第1の端部から前記シートフレームの第2の端部へ回転及び撓ませることによって前記シートフレームに固定され、それにより前記複数の突出部を前記シート取付レール内の前記複数のスロットと整列させて、前記シートフレーム境界部を前記シートフレーム上の所定の位置に固定する、請求項3に記載のポータブルチェア。
【請求項7】
前記複数の突出部はそれぞれネジインターフェイス突起を有し、また前記複数の突出部が前記複数のスロット内に挿入されている状態において、前記シートフレーム境界部は、少なくとも1つのネジを前記複数の突出部の少なくとも1つ内に挿入することによって、前記シートフレームに固定される、請求項3に記載のポータブルチェア。
【請求項8】
管状突出部を含む第1の前脚造作インターフェイスであって、前記第1の前脚は前記管状突出部上に挿入され且つ溶接されるように構成されている、第1の前脚造作インターフェイスと、
管状突出部を含む第1の後脚造作インターフェイスであって、前記第1の後脚は前記管状突出部上に挿入され且つ溶接されるように構成されている、第1の後脚造作インターフェイスと
をさらに有する請求項1に記載のポータブルチェア。
【請求項9】
第1の前部ピンを介して前記第1の前脚造作インターフェイス及び前記第1の後脚造作インターフェイスに回転可能に取り付けられるように構成された第1のアームレストをさらに有する請求項8に記載のポータブルチェア。
【請求項10】
管状突出部を含む第2の前脚造作インターフェイスであって、前記第2の前脚は前記管状突出部上に挿入され且つ溶接されるように構成されている、第2の前脚造作インターフェイスと、
管状突出部を含む第2の後脚造作インターフェイスであって、前記第2の後脚は前記管状突出部上に挿入され且つ溶接されるように構成されている、第2の後脚造作インターフェイスと
をさらに有する請求項8に記載のポータブルチェア。
【請求項11】
第2の前部ピンを介して前記第2の前脚造作インターフェイス及び前記第1の後脚造作インターフェイスに回転可能に取り付けられるように構成された第2のアームレストをさらに有する請求項10に記載のポータブルチェア。
【請求項12】
背もたれフレーム境界部を含む背もたれであって、前記背もたれは高い透水性の織物型構造であり、前記背もたれフレーム境界部は、射出成型プロセスによって前記背もたれに堅固に取り付けられた剛体オーバーモールドであり、前記射出成型プロセスは、前記背もたれフレーム境界部の裏側部分上に複数の突出部を形成する、背もたれと、
第1の終端部、第2の終端部、第1の背もたれ取付レール、及び第2の背もたれ取付レールを含む背もたれフレームであって、前記背もたれフレーム境界部の前記裏側部分上の前記複数の突出部は、前記第1の背もたれ取付レール及び前記第2の背もたれ取付レールと取り外し可能に係合するように構成されている、背もたれフレームと
をさらに有する請求項1に記載のポータブルチェア。
【請求項13】
管状突出部を含む第1の背もたれ造作インターフェイスであって、前記背もたれフレームの前記第1の終端部は前記管状突出部上に挿入され且つ溶接されるように構成されている、第1の背もたれ造作インターフェイスと、
管状突出部を含む第2の背もたれ造作インターフェイスであって、前記背もたれフレームの前記第2の終端部は前記管状突出部上に挿入され且つ溶接されるように構成されている、第2の背もたれ造作インターフェイスと
をさらに有する請求項12に記載のポータブルチェア。
【請求項14】
管状突出部を含む第1のシート造作インターフェイスであって、前記シートフレームの前記第1の終端部は前記管状突出部上に挿入され且つ溶接されるように構成されている、第1のシート造作インターフェイスと、
管状突出部を含む第2のシート造作インターフェイスであって、前記シートフレームの前記第2の終端部は前記管状突出部上に挿入され且つ溶接されるように構成されている、第2のシート造作インターフェイスと
をさらに有する請求項13に記載のポータブルチェア。
【請求項15】
前記第1の前脚、前記第2の前脚、前記前部スレッド、前記第1の後脚、前記第2の後脚、前記後部スレッド、前記シートフレーム、及び前記背もたれフレームのそれぞれが、ハイドロフォーミングされたアルミニウムからなり、前記前部スレッドは、第1の前足及び第2の前足を含み、前記後部スレッドは、第1の後足及び第2の後足を含み、前記第1の前足、前記第2の前足、前記第1の後足、及び前記第2の後足のそれぞれが保持機能穴を含み、前記保持機能穴は、前記保持機能穴に関連する前記足と、前記足が取り付けられる特定の前記スレッドとの間のインターフェイスから水が排出され得るように構成されている、請求項14に記載のポータブルチェア。
【請求項16】
射出成型プロセスによってシートに取り付けられたシートフレーム境界部の第1の側部上の最後尾側部取付ネジインターフェイスを、シートフレームに取り付けられた第1の側部取付レールの最後尾側部取付穴内に挿入し、また前記シートフレーム境界部の第2の側部上の最後尾側部取付ネジインターフェイスを、前記シートフレームに取り付けられた第2の側部取付レールの最後尾側部取付穴内に挿入するステップと、
前記シートフレーム境界部の第1の側部上の第1の中間側部取付ネジインターフェイス及び第2の中間側部取付ネジインターフェイスを、前記第1の側部取付レールの第1の中間側部取付穴及び第2の中間側部取付穴内に挿入し、また前記シートフレーム境界部の前記第2の側部上の第1の中間側部取付ネジインターフェイス及び第2の中間側部取付ネジインターフェイスを、前記第2の側部取付レールの第1の中間側部取付穴及び第2の中間側部取付穴内に挿入するステップと、
前記シートフレーム境界部の前記第1の側部上の最前部側部取付ネジインターフェイスを、前記第1の側部取付レールの最前部側部取付穴内に挿入し、また前記シートフレーム境界部の前記第2の側部上の最前部側部取付クリップを、前記第2の側部取付レールの最前部側部取付穴内に挿入するステップと、
前記シートフレーム境界部の第3の側部上の前部取付クリップを、前記シートフレームに取り付けられたキャリーハンドルの第1の端部分の前部取付穴と整列させ、また前記シートフレーム境界部の前記第3の側部上の前部取付クリップを、前記キャリーハンドルの第2の端部分上の前部取付穴と整列させるステップと、
前記シートフレーム境界部の前記第1の側部上の前記前部取付クリップを、前記キャリーハンドルの前記第1の端部分上の前記前部取付穴内に挿入し、また前記シートフレーム境界部の前記第2の側部上の前記前部取付クリップを、前記キャリーハンドルの前記第2の端部分上の前記前部取付穴内に挿入するステップと
を含む方法。
【請求項17】
前記第1の側部取付レールのネジアクセスパネル及び前記第2の側部取付レールのネジアクセスパネルを取り除くステップと、
ネジを、前記シートフレーム境界部の前記第1の側部上の前記最後尾側部取付ネジインターフェイス、前記第1の中間側部取付ネジインターフェイス、前記第2の中間側部取付ネジインターフェイス、及び前記最前部側部取付ネジインターフェイスのそれぞれに挿入し、またネジを、前記シートフレーム境界部の前記第2の側部上の前記最後尾側部取付ネジインターフェイス、前記第1の中間側部取付ネジインターフェイス、前記第2の中間側部取付ネジインターフェイス、及び前記最前部側部取付ネジインターフェイスのそれぞれに挿入するステップであって、それにより前記シートを前記シートフレームに固定するステップと
をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記シートを前記シートフレームに組み付けている間にシートが後ろ側から前側に回転される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記シートフレーム境界部は、前記第1の側部上に、前記最後尾側部取付ネジインターフェイス及び前記第1の中間側部取付ネジインターフェイスの間の後部リブと、前記第1の中間側部取付ネジインターフェイス及び前記第2の中間側部取付ネジインターフェイスの間の中間リブと、前記第2の中間側部取付ネジインターフェイス及び前記最前部側部取付ネジインターフェイスの間の前部リブとを含み、また前記第2の側部上に、前記最後尾側部取付ネジインターフェイス及び前記第1の中間側部取付ネジインターフェイスの間の後部リブと、前記第1の中間側部取付ネジインターフェイス及び前記第2の中間側部取付ネジインターフェイスの間の中間リブと、前記第2の中間側部取付ネジインターフェイス及び前記最前部側部取付ネジインターフェイスの間の前部リブとを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本願は、2017年5月23日付けで出願され「ポータブルチェア及びポータブルチェアを形成する方法」と題された米国特許出願番号第15/602,841号の優先権を主張するものであり、非限定的な目的でその全体が参照により本願に明白に組み込まれる。
【0002】
ここに記載される観点はポータブルチェアに関する。より具体的には、本願の観点はポータブル(可搬式)で折り畳み可能なチェアに関する。
【背景技術】
【0003】
ポータブルチェアは、テールゲートピクニックやキャンプ、アウトドアバーベキューなどの、座ることが望まれるが常時提供はされていないイベントやアクティビティにおいてよく使用される。しかし、多くの場合、そのようなチェアは安くて低級の材料で作られており、したがって座り心地の悪い経験、貧弱な耐久性、低い長期存続性及び環境事象に対する露出下での加速的な劣化しやすさをもたらす。したがって低級ポータブルチェアによる全ユーザの満足は低く、交換頻度が高い。
【0004】
より高い品質の材料がポータブルチェア製造に使用されている他の場合、低級の提供物に対して拡張された長寿命が達成されるかもしれない。しかし、そのような高級チェアは非常に高価格で提供される一方で、馴染み性、天候要因の劣化に対する耐性、及び全体的な耐久性の改善はそれほどでもない。
【0005】
したがって、高品質で快適且つ耐久性のあるポータブルチェアに対する要求が存在する。
【発明の概要】
【0006】
以下では、本明細書に記載する様々な観点の簡略化した要約を提示する。この要約は広い概要ではなく、またキーとなる又は臨界的な要素を特定すること及び特許請求の範囲の輪郭を示すことを意図していない。以下の要約は、後から提供されるより詳細な記載の導入的な前置きとして、単純化した形態でいくつかの概念を単に提示するものである。
【0007】
上述した従来技術の制限を克服するため、及び本明細書を読んで理解することで明らかになる他の制限を克服するために、本明細書に記載される観点は、ポータブルチェア及びポータブルチェアを形成する方法を対象とする。
【0008】
1以上の実施形態によれば、ポータブルチェアは、前部スレッドによって連結された第1の前脚及び第2の前脚、ならびに後部スレッドによって連結された第1の後脚及び第2の後脚を含み得る。前部スレッドは第1の前足及び第2の前足を含んでいてもよく、また後部スレッドは第1の後足及び第2の後足を含んでいてもよい。前部及び後部スレッドに取り付けられた足のそれぞれは、スレッド/足のインターフェイス(界面)から水を排出することを可能にするように構成された保持機能穴を有していてもよい。ポータブルチェアは、高い透水性の織物型構造であるシート(座部)をさらに含んでいてもよく、シートはシートフレーム境界部を含んでいてもよい。シートフレーム境界部は、下側部分に複数の突出部を含む剛体で(リジッドな)熱可塑性のオーバーモールドであってよい。シートフレーム境界部は、射出成型プロセスによってシートに堅固に(リジッドに)取り付けられてもよく、射出成型プロセスは上記複数の突出部を形成し得る。ポータブルチェアはまた、第1の終端部、第2の終端部、第1のシート取付レール、及び第2のシート取付レールを含むシートフレームを含んでいてもよい。シートフレーム境界部の下側部分上の複数の突出部は、第1のシート取付レール及び第2のシート取付レールと取り外し可能に係合するように構成されていてもよい。さらに、シートフレームはキャリーハンドルを含んでいてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、シートのシートフレーム境界部が第1のシート取付レール及び第2のシート取付レールに取り外し可能に係合されている状態において、シートは、前端部分で下向きに傾斜するように構成されていてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、ポータブルチェアは、管状突出部を含む第1の前脚造作インターフェイスをさらに含んでいてもよく、第1の前脚は管状突出部の上に挿入され構造用接着剤によって固定されるように構成されていてもよい。ポータブルチェアはまた、管状突出部を含む第1の後脚造作インターフェイスを含んでいてもよく、第1の後脚は管状突出部の上に挿入され構造用接着剤によって固定されるように構成されていてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、ポータブルチェアは第1のアームレストをさらに含んでいてもよく、第1のアームレストは、第1の前部ピンによって第1の前脚造作インターフェイス及び第1の後脚造作インターフェイスに回転可能に固定されるように構成されていてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、ポータブルテーブルチェアは、管状突出部を含む第2の前脚造作インターフェイスをさらに含んでいてもよく、第2の前脚は管状突出部の上に挿入され構造用接着剤によって固定されるように構成されていてもよい。ポータブルチェアはまた、管状突出部を含む第2の後脚造作インターフェイスを含んでいてもよく、第2の後脚は管状突出部の上に挿入され構造用接着剤によって固定されるように構成されていてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、ポータブルチェアは第2のアームレストをさらに含んでいてもよく、第2のアームレストは、第2の前部ピンによって第2の前脚造作インターフェイス及び第2の後脚造作インターフェイスに回転可能に固定されるように構成されていてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、ポータブルチェアは、高い透水性で織物型構造の背もたれをさらに含んでいてもよく、背もたれは背もたれフレーム境界部を含んでいてもよい。背もたれフレーム境界部は、裏側部分に複数の突出部を含む剛体の熱可塑性オーバーモールドであってもよい。背もたれフレーム境界部は、射出成型プロセスによって背もたれに堅固に取り付けられてもよく、射出成型プロセスは複数の突出部を形成してもよい。ポータブルチェアはまた、第1の終端部、第2の終端部、第1の背もたれ取付レール、及び第2の背もたれ取付レールを含む背もたれフレームを含んでいてもよい。背もたれフレーム境界部の裏側部分上の複数の突出部は、第1の背もたれ取付レール及び第2の背もたれ取付レールと取り外し可能に係合するように構成されていてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、ポータブルチェアは第1の背もたれ造作インターフェイスをさらに含んでいてもよい。第1の背もたれ造作インターフェイスは管状突出部を含んでいてもよく、背もたれフレーム第1の終端部は管状突出部の上に挿入され構造用接着剤によって固定されるように構成されていてもよい。ポータブルチェアはまた、第2の背もたれ造作インターフェイスを含んでいてもよい。第2の背もたれ造作インターフェイスは管状突出部を含んでいてもよく、背もたれフレームの第2の終端部は管状突出部の上に挿入され構造用接着剤によって固定されるように構成されていてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、ポータブルチェアは第1のシート造作インターフェイスをさらに含んでいてもよい。第1のシート造作インターフェイスは管状突出部を含んでいてもよく、シートフレームの第1の終端部は管状突出部の上に挿入され構造用接着剤によって固定されるように構成されていてもよい。ポータブルチェアはまた、第2のシート造作インターフェイスを含んでいてもよい。第2のシート造作インターフェイスは管状突出部を含んでいてもよく、シートフレームの第2の終端部は管状突出部の上に挿入され構造用接着剤によって固定されるように構成されていてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1の前脚、第2の前脚、前部スレッド、第1の後脚、第2の後脚、後部スレッド、シートフレーム、及び背もたれフレームのそれぞれが、ハイドロフォーミングされたアルミニウムからなっていてもよい。
【0018】
これらの構成は、多くの他の構成と共により詳細に以下で説明される。
【0019】
ここで説明される観点及びその利点のより完全な理解は、類似の参照番号が類似の構成を示している添付図面を考慮して以下の説明を参照することによって獲得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ここで説明される1以上の観点によるポータブルチェアの実施例の正面斜視図である。
図2A】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの例示セクションの正面斜視図である。
図2B】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの例示セクションの正面斜視図である。
図2C】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの例示セクションの正面斜視図(perspective view)である。
図3】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの側部斜視図(prospective view)である。
図4A】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの第1の例示シートの下側斜視図である。
図4B】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの第1の例示シートフレームの頂部斜視図である。
図4C】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの、第1の例示シートフレームと係合される第1の例示シートの断面図である。
図4D】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの第1の例示シート及び第1の例示シートフレームの構成要素の拡大図である。
図5A】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの第2の例示シートフレームの正面斜視図である。
図5B】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの第2の例示シートの正面斜視図である。
図5C】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの第2の例示シートの下側斜視図である。
図5D】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの第2の例示シートフレームと係合される第2の例示シートの断面図である。
図5E】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの第2の例示シートフレームと係合される第2の例示シートの正面斜視図である。
図6A】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの例示背もたれの背面図である。
図6B】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの例示背もたれフレームの正面図である。
図6C】ここで説明される1以上の観点による図1の例示ポータブルチェアの例示背もたれフレームと係合される例示背もたれの断面図である。
図7A】ここで説明される1以上の観点による、折り畳まれた構成である図1の例示ポータブルチェアの正面斜視図である。
図7B】ここで説明される1以上の観点による、折り畳まれた構成である図1の例示ポータブルチェアの断面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の様々な実施例及び構成要素の以下の説明において、本開示の一部を構成する添付図面が参照され、そこでは様々な例示構造及び状況が例として示され、また本開示の観点が実践され得る。他の構造及び状況が利用されてもよいこと、ならびに具体的に記載された構造及び方法から構造的及び機能的修正が、本開示の範囲から逸脱することなくなされてもよいことが理解されるべきである。
【0022】
また、語句「頂部」、「底部」、「表側(front)」、「裏側(back)」、「側部」、「後部」、「上側」、「下側」、右、左などは本発明の様々な例示構成及び要素を説明するために本明細書で使用されていることがあり、これらの語句は、例えば図面に示される例示的な方向又は典型的な使用における方向に基づいて便宜上ここで使用される。さらに、ここで使用される語句「複数の(plurality)」は、必要に応じて、分離的又は接続的に、無限数までの1より大きいいずれかの数である。本発明の範囲に該当するために、本明細書のいずれも、構造の特定の3次元方向を要求するものとして理解されるべきではない。また、添付図面は必ずしも正しい縮尺で描かれていないことに留意すべきである。
【0023】
(チェアの概要)
図1は、チェア100の実施例の正面斜視図を示し、このチェアは折り畳み可能なポータブル(可搬式)チェアである。チェア100は、前脚112A及び112Bを接続する前部スレッド110、ならびに後脚122A及び122Bを接続する後部スレッド120を含んでいてもよい。前部スレッド110及び後部スレッド120は、表面上にチェア100を支えるように構成されていてもよい。前脚112A及び112Bは、前部クロスバー114によってさらに接続及び強化されていてもよい。チェア100はまた、シートフレーム131に接続されたシート130、及び背もたれフレーム141に接続された背もたれ140を含んでいてもよい。チェア100はアームレスト150A及び150Bを含んでいてもよい。以下でさらに詳細に議論されるように、チェア100は、保管及び移送可能性を容易にするためにより小さいプロファイルに折り畳まれるように構成されることができる。
【0024】
さらに、チェア100は、チェア100の左側(例えばアームレスト150Bに相当する側)の構成要素が右側(例えばアームレスト150Aに相当する側)と鏡映であるような対称構造であってもよい。したがって前脚112Bは前脚112Aに対応してもよく、アームレスト150Bはアームレスト150Aに対応してもよく、他も同様である。加えて、以下でさらに詳細に議論されるように、チェア100の左側から右側に延びるシートフレーム131及び背もたれフレーム141といったチェア100の構成要素もまた対称構造であってもよい。例えば、シートフレーム131は左側に第1のシート取付レールを、右側に第2のシート取付レールを含んでいてもよく、背もたれフレーム141は左側に第1の背もたれ取付レールを、右側に第2の背もたれ取付レールを含んでいてもよく、他も同様である。
【0025】
(脚)
ポータブルチェア100は2つの前脚112A及び112B、ならびに2つの後脚122A及び122Bを含んでいてもよい。2つの前脚112A及び112B、ならびに2つの後脚122A及び122Bは、円筒状のロッド、管(チューブ)、及び/又はシャフトであってよく、またポリマー、複合材、炭素繊維、及び/又は竹などの木材から形成されていてもよい。アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金が2つの前脚112A及び112B、ならびに2つの後脚122A及び122Bの製造に使用される例において、金属はハイドロフォーミング及び真空鋳造されてもよく、また塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメルの塗布の処理をされていてもよい。加えて、脚112A、112B、122A、及び122Bの製造に使用される金属及び合金は、硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0026】
ポータブルチェア100の前脚112A及び112Bは、前部クロスバー114によって接続されていてもよい。前部クロスバー114は、前脚112A及び112Bと同じ材料(例えばアルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹)から作られていてもよく、又は前脚112A及び112Bと異なる材料から作られていてもよい。前脚112A及び112Bが金属から作られ、且つ前部クロスバー114もまた金属から作られる例において、前部クロスバー114は前脚112A及び112Bの内側部分に溶接されていてもよい。加えて、前脚112A及び112B、ならびに前部クロスバー114は、成形作業において単一の連続部片に作られてもよい。そのような例において、製造はハイドロフォーミングにより行われてもよい。同様に、前脚112A及び112Bが炭素繊維で作られ、且つ前部クロスバー114もまた炭素繊維で作られる例において、前脚112A及び112B、ならびに前部クロスバー114は、成形作業において単一の連続部片に作られてもよい。しかし、前脚112A及び112Bが前部クロスバー114と異なる材料で作られる例において、例えば前部クロスバー114が前脚112A及び112Bの内側部分にねじ込まれ、ボルト締めされ、クランプされ、又は他の方法で固定されることも予期される。前部クロスバー114は、低フレックス且つ低クリープの部材であってよく、また適用荷重500lb(226.8kg)まで支持することができてもよい。図1には示されていないが、いくつかの例において、ポータブルチェア100の後脚120A及び120Bは、前脚110A及び110Bならびに前部クロスバー114に関連して上で述べた配置に似た態様で後部クロスバーによって接続されていてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、異なる材料の組み合わせが、チェア100を形成するために使用され得る。例えば、前脚110A及び110B、ならびに前部クロスバー114は、後脚120A及び120Bとは異なる材料で作られていてもよい。例えば、前脚110A及び110B、ならびに前部クロスバー114は炭素繊維で作られていてもよく、また後脚120A及び120Bは金属で作られていてもよい。あるいは、前脚110A及び110B、ならびに後脚120A及び120Bが第1の材料(例えば金属)で作られていてもよく、また前部クロスバー114が第2の材料(例えば炭素繊維)で作られていてもよい。
【0028】
後部クロスバーが含まれる配置構成において、上述したような異なる材料の同様の組み合わせが、チェア100を形成するために使用されてもよい。例えば、前脚110A及び110B、ならびに前部クロスバー114は、後脚120A及び120B、ならびに後部クロスバーと異なる材料で作られていてもよい。例えば、前脚110A及び110B、ならびに前部クロスバー114は炭素繊維で作られていてもよく、また後脚120A及び120B、ならびに後部クロスバーは金属で作られていてもよい。あるいは、前脚110A及び110B、ならびに後脚120A及び120Bが第1の材料(例えば金属)から作られていてもよく、また前部クロスバー114及び後部クロスバーが第2の材料(例えば炭素繊維)から作られていてもよい。
【0029】
(スレッド及び足)
2つの前脚112A及び112Bは、連続接続部材であってもよい前部スレッド110によって接続されていてもよい。そして、2つの前脚112A及び112B、ならびに前部スレッド110は、例えばここで説明された製造方法のいずれかによって単一の連続部片に作られてもよい。同様に、2つの後脚122A及び122Bは後部スレッド120によって接続されていてもよく、また単一の連続部片に作られてもよい。前部スレッド110及び後部スレッド120は、塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメルの塗布の処理をされていてもよく、また硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0030】
加えて、前部スレッド110は前足111A及び前足111Bを有していてもよく、これらはスレッド110の最下部及び/又は最低部分のところのプラスチック及び/又はゴム製のキャップであってもよく、それにより、隣接する接触表面(例えば床、地面等)との摩擦係合を容易に又は向上する。前足は、前足と、チェアが配置される表面との間の摩擦係数を増加させるために、適切な材料又はテクスチャを含み得る。図2A、2B、及び2Cに示されるように、前足111A及び111Bは、前脚112A及び112Bに近い前部スレッド110の区域と係合するように構成されていてもよい。すなわち、前足111Aは、前脚112Aに近い前部スレッド110の区域と係合するように構成されていてもよく、また前足111Bは、前脚112Bに近い前部スレッド110の区域と係合するように構成されていてもよい。
【0031】
図2Cに示されるように、前足111Bは係合プラグ117Bを含んでいてもよい。いくつかの例において、係合プラグ117Bは前足111Bから径方向に延びるプラスチック、ゴム、及び/又は金属製の突出部分であってもよい。加えて、及び/又は代替的に、係合プラグ117Bは、プラスチック、ゴム、及び/又は金属でできたネジ状(スクリュー状)構造物であってもよい。係合プラグ117Bは、前部スレッド110に挿入されるように構成されていてもよい。挿入の前、最中、又は後で、結合剤及び/又は構造用接着剤が係合プラグ117Bに適用されてもよく、それにより前足111Bを前部スレッド110に固定する。加えて、前足111Bは保持機能穴115Bを含んでいてもよく、これは、水が足/スレッドのインターフェイス(界面)から排出されるのを可能にするように構成されていてもよい。前足111Bと同様に、前足111Aは係合プラグ117A及び保持機能穴115Aを含んでいてもよく、これらはそれぞれ、スレッド110と連動するように、また前足111Bに関して記載した態様で機能するように構成されていてもよい。
【0032】
係合プラグ117A、117Bもまた、それぞれが一連の穴123を含んでいてもよく、これらはフレーム内の湿気のためのチャネルを提供する。一連の穴123は保持機能穴115A、115Bとの組み合わせで、チェアのフレームの内部に集まる湿気のための出口を生成する。1つの実施例において、単一の穴又は複数の穴が係合プラグ117A、117Bの端部に含まれ得る。他の実施例において、係合プラグ117A、117Bは、水が係合プラグ117A、117Bを通過して流れて保持機能穴115A、115Bを通って脱出することを可能にする多孔性材料で形成され得る。別な穴がフレームに、また前足111A、111Bに含まれることができ、それにより水又は湿気がチェアのフレームから脱出することを可能にし得ることも想定される。
【0033】
他の実施例において、前足111A及び111Bは、プラスチック及び/又は前部スレッド110に塗布されたゴム製コーティングであってよく、また2つの前脚112A及び112Bの近くの凹んだ又は切り欠かれたポケット(図示せず)に含まれていてもよい。代替的に、プラスチック及び/又はゴム製コーティングは、最低部及び/又は最底部分ならびに第1及び第2の前部係合面のところで前部スレッド110の長さに沿って適用されてもよく、また連続する前部係合面を形成してもよい。他の実施例において、プラスチック及び/又はゴム製のコーティングは、最低部及び/又は最底部分のところで前部スレッド110の長さに沿って均一な間隔で断続的に適用されてもよい。そのような実施例において、前足は断続的な前部係合面を形成してもよい。
【0034】
前部スレッド110と同様に、後部スレッド120は後足121A及び後足121Bを含んでいてもよく、これらは、最低部及び/又は最底部分におけるプラスチック及び/又はゴム製のキャップであってよく、それにより、隣接する接触表面(例えば床、地面等)との摩擦係合を容易にする。後足121A及び121Bは、後脚122A及び122Bの近くの後部スレッド120の区域と係合するように構成されていてもよい。すなわち、後足121Aは後脚122Aの近くの後部スレッド120の区域と係合するように構成されていてもよく、また後足121Bは後脚122Bの近くの後部スレッド120の区域と係合するように構成されていてもよい。
【0035】
前足111A及び111Bと同様に、後足121A及び121Bはそれぞれが係合プラグ及び保持機能穴を含んでいてもよい。後足121A及び121Bの係合プラグ及び保持機能穴は、スレッド120と連動するように、また前足111A及び111Bに関して述べた態様で機能するように構成されていてもよい。後足121A及び121Bもまた、前足111A及び111Bに関連して述べたような類似の排水構成を備え得る。
【0036】
再度、他の実施例において、後足121A及び121Bは、後部スレッド120に適用されるプラスチック及び/又はゴム製のコーティングであってよく、また2つの後脚122A及び122Bの近くの凹んだポケット内に含まれていてもよい。あるいは、プラスチック及び/又はゴム製のコーティングは、最低部及び/又は最底部分、ならびに第1及び第2の後部係合面のところで後部スレッド120の長さに沿って適用されていてもよく、また連続的な後部係合面を形成していてもよい。他の実施例において、プラスチック及び/又はゴム製のコーティングは、最低部及び/又は最底部分において後部スレッド120の長さに沿って均一な間隔で断続的に適用されていてもよい。そのような実施例において、第1及び第2の後部係合面は、断続的な後部係合面を形成していてもよい。
【0037】
(造作インターフェイス)
図3に示されるように、上部及び/又は頂部近傍端部分において、前脚112Aは前脚造作インターフェイス116Aと交わっていてもよい。特に、前脚造作インターフェイス116Aは、前脚112Aが挿入されるように構成された管状端末部を含まれていてもよい。挿入の前、最中、または後に、結合剤及び/又は構造用接着剤が前脚造作インターフェイス116Aの管状端末部、及び/又は前脚112Aの上側/頂部近傍端部分に適用されてもよく、それにより前脚112Aを前脚造作インターフェイス116Aに固定する。そのような接着剤は、乾燥接着剤、感圧接着剤、接触接着剤、ホット接着剤、反応性接着剤、マルチパート接着剤、ワンパート接着剤を含んでいてもよい。接着剤は、天然又は合成であってよく、またエポキシ、ポリウレタン、シアノアクリレート、またはアクリルポリマーの1つ以上を含む、熱可塑性、エマルジョン、又は熱硬化性の1つ以上に基づいていてもよい。加えて、及び/又は代替的に、前脚112Aは前脚造作インターフェイス116Aに溶接されていてもよい。
【0038】
前脚112Bは、前脚112A及び前脚造作インターフェイス116Aに関して述べた態様で(例えば接着及び/又は溶接によって)前脚造作インターフェイス116Bと係合するように構成されていてもよい。
【0039】
同様に、上部及び/又は頂部近傍端部分において、後脚122Aは後脚造作インターフェイス126Aと交わっていてもよい。特に、後脚造作インターフェイス126Aは、後脚122Aが挿入されるように構成された管状端末部を含んでいてもよい。挿入の前、最中、又は後に、ここで述べた結合剤及び/又は構造用接着剤が、後脚造作インターフェイス126Aの管状端末部、及び/又は後脚122Aの上部及び/又は頂部近傍端部分に適用されてもよく、それにより後脚122Aを後脚造作インターフェイス126Aに固定する。加えて及び/又は代替的に、後脚122Aは後脚造作インターフェイス126Aに溶接されてもよい。後脚122Bは、後脚122A及び後脚造作インターフェイス126Aに関して述べたように(例えば接着及び/又は溶接によって)後脚造作インターフェイス126Bと係合するように構成されていてもよい。にもかかわらず、ここで述べた接合部は、摩擦嵌合、ネジ、ボール・アンド・ソケット、バヨネット接続といった機械的固定技術によって形成されてもよいことも予期される。
【0040】
特定の配置構成では、前脚112Aの上側及び/又は頂部近傍端部分において、前脚112Aは、鈍角で後方に曲げられていてもよく、また前脚造作インターフェイス116Aのところで終端してもよい。いくつかの例では、前脚造作インターフェイス116Aは、前脚110Aの連続的な上側及び/又は頂部終端部分であってもよく、また前脚112Aと同じ材料(例えばアルミニウム、チタニウム、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹)で作られていてもよい。
【0041】
後脚122Aは、上側及び/又は頂部近傍端部分へと直線的に延びていてもよく、後脚造作インターフェイス126Aのところで終端していてもよい。後脚造作インターフェイス126Aは、後脚122Aの連続的な上側及び/又は頂部終端部分であってよく、また後脚122Aと同じ材料(例えばアルミニウム、チタニウム、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹)で作られていてもよい。
【0042】
前脚造作インターフェイス116A、116Bは、後脚造作インターフェイス126A、126Bと接合、調和、及び/又はそうでなければ接続するように構成されていてもよい。1つの実施例において、前部造作インターフェイス116A、116B及び背もたれ造作インターフェイス126A、126Bはピン128A、128Bの周りで枢動するように構成され、それにより前脚112A、112Bは、後脚122A、122Bに対して枢動するように構成される。
【0043】
(シート及びシートフレーム)
ポータブルチェア100はシート130を含んでいてもよく、これはシートフレーム131に取り外し可能に取り付けられていてもよい。前脚112A及び112Bは、ピン171A及び171Bによってシートフレーム131の前脚取付部分170A及び170Bにそれぞれ、回転可能に接合及び/又は固定されるように構成されていてもよい。
【0044】
シートフレーム131は、円筒状ロッド、管、シャフト、及び/又は押し出しIビームであってよく、またアルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹から作られていてもよい。アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金がシートフレーム131の製造に使用される例において、材料はハイドロフォーミング及び真空鋳造されてもよく、また塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメル塗装によって処理されていてもよい。加えて、シートフレーム131の製造に使用される材料は、硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0045】
シートフレーム131は前脚取付部分170A及び170Bを含んでいてもよく、これらは、ピン171A及び171Bによってシートフレーム131のそれぞれ前脚112A及び112Bへの回転可能な取り付けを容易にするように構成されていてもよい。加えて、シートフレーム131はシート造作インターフェイス133A及び133Bと交わっていてもよい。特に、シート造作インターフェイス133A及び133Bは、シートフレーム131が挿入されるように構成された管状端末部を含んでいてもよい。挿入の前、最中、または後に、ここで述べた結合剤及び/又は構造用接着剤が、シート造作インターフェイス133Aの管状端末部及び133B及び/又はシートフレーム131の終端部に適用されてもよく、それによりシートフレーム131をシート造作インターフェイス133A及び133Bに固定する。
【0046】
図4B、5A、7A、及び7Bに示されるように、シートフレーム131はキャリーハンドル172を含んでいてもよい。キャリーハンドル172は、シートフレーム131の内面から延びる前部オーバーモールド固定エクストルージョン(front over-mold fixing extrusion)であってもよい。ハンドル172は、チェア100を運ぶために大きく把持容易なキャリーハンドルとして2つ折りになっていてもよい。キャリーハンドル172は、シートフレーム131の前部分の内面上に位置していてもよく、またシートフレーム131と同じ材料(例えばアルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹)で作られていてもよい。したがってキャリーハンドル172はシートフレーム131の連続部片として製造されてもよい。それゆえ、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金がシートフレーム131及びキャリーハンドル172の製造に使用される例において、材料はハイドロフォーミング及び真空鋳造されてもよく、またシートフレーム131及びキャリーハンドル172内に、そして塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメル塗装によって処理されていてもよい。加えて、シートフレーム131及びキャリーハンドル172の製造に使用される金属は、硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0047】
あるいは、キャリーハンドル172はシートフレーム131との連続部片を形成していなくてもよく、したがって別個の構成要素であってもよい。そのような例において、キャリーハンドル172はシートフレーム131と同じ材料で、又は異なる材料で作られていてもよい。いずれの場合も、キャリーハンドル172は、接着、溶接、機械的固定(例えばナット及びボルト)等シートフレーム131に取り付けられていてもよい。
【0048】
(シート/シートフレームの係合の第1の実施形態)
シート/シートフレーム係合の第1の実施形態によれば、また図4Bに示されるように、キャリーハンドル172は、キャリーハンドル172の第1の側(例えばキャリーハンドル172の左側)の前部取付穴177B、キャリーハンドル172の第2の側(例えばキャリーハンドル172の右側)の前部取付穴177A、及びキャリーハンドル172の第3の側(例えばキャリーハンドル172の中央)の前部取付穴177を含んでいてもよい。以下でさらに詳細に述べるように、前部取付穴177、177A、及び177Bは、シート130の前部取付クリップ187、187A、及び187Bとそれぞれ係合するように構成されていてもよい。
【0049】
さらに、シートフレーム131はシート取付レール172Bも含んでいてもよい。シート取付レール172Bは、アームレスト150B、前脚112B等の近くのシートフレーム131の側部分の内面上に配置されてもよい。シート取付レール172Bはシートフレーム131と同じ材料(例えばアルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹)で製造されてもよい。したがってシート取付レール172Bは、シートフレーム131の連続部片として製造されていてもよい。それゆえ、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金がシートフレーム131及びシート取付レール172Bの製造に使用される例において、材料は、ハイドロフォーミング及び真空鋳造されてもよく、またシートフレーム131及びシート取付レール172B内に、そして塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメル塗装によって処理されていてもよい。加えて、シートフレーム131及びシート取付レール172Bの製造に使用される金属は、硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0050】
加えて、シート取付レール172Bはシートフレーム131との連続部片を形成していなくてもよく、それゆえ別個の構成部品であってもよい。そのような例において、シート取付レール172Bはシートフレーム131と同じ材料で、又は異なる材料で作られていてもよい。いずれの場合においても、シート取付レール172Bは、接着、溶接、機械的固定(例えばナット及びボルト)等によってシートフレーム131に取り付けられてもよい。
【0051】
シート取付レール172Bはリブ係合チャネル及び複数の側部取付穴を含んでいてもよい。例えば、図4Bに示されるように、シート取付レール172Bはリブ係合チャネル175B及び側部取付穴174Bを含んでいてもよい。リブ係合チャネル175Bはシート取付レール172Bの長さの全体に沿って延びていてもよい。リブ係合チャネル175Bはシート130の側部リブ185B及びフランジ191Bを支持するように構成されていてもよい。複数の側部取付穴174Bはリブ係合チャネル175B上に位置していてもよい。各側部取付穴174Bは、シート130の側部取付ネジインターフェイス184Bを受け入れるように構成されていてもよい。5つの側部取付穴174Bが図4Bに示されているが、より少ない(例えば1、2、3、又は4の)、あるいはより多い(6、10等の)側部取付穴174Bが含まれていてもよい。
【0052】
シートフレーム131は、シート取付レール172Aも含んでいてもよい。シート取付レール172Aは、アームレスト150A、前脚112A等の近くのシートフレーム131の側部分の内面上に位置していてもよい。シート取付レール172Aはシートフレーム131と同じ材料(例えばアルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹)で製造されていてもよい。したがってシート取付レール172Aは、シートフレーム131の連続部片として製造されてもよい。それゆえ、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金がシートフレーム131及びシート取付レール172Aの製造に使用される例において、材料はハイドロフォーミング及び真空鋳造されてもよく、またシートフレーム131及びシート取付レール172A内に、そして塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメル塗装により処理されていてもよい。加えて、シートフレーム131及びシート取付レール172Aの製造に使用される金属は、硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0053】
あるいは、シート取付レール172Aはシートフレーム131との連続部片を形成していなくてもよく、したがって別個の構成部品であってもよい。そのような例において、シート取付レール172Aはシートフレーム131と同じ材料又は異なる材料で作られていてもよい。いずれの場合においても、シート取付レール172Aは、接着、溶接、機械的固定(例えばナット及びボルト)等によってシートフレーム131に取り付けられていてもよい。
【0054】
シート取付レール172Aはリブ係合チャネル及び複数の側部取付穴を含んでいてもよい。例えば、図4Bに示されるように、シート取付レール172Aはリブ係合チャネル175A及び側部取付穴174Aを含んでいてもよい。リブ係合チャネル175Aはシート取付レール172Aの長さの全体に沿って延びていてもよい。リブ係合チャネル175Aは、シート130の側部リブ185A及びフランジ191Aを支持するように構成されていてもよい。複数の側部取付穴174Aはリブ係合チャネル175A上に位置していてもよい。各側部取付穴174Aはシート130の側部取付ネジインターフェイス184Aを受け入れるように構成されていてもよい。5つの側部取付穴174Aが図4Bに示されているが、より少ない(例えば1、2、3、又は4の)、あるいはより多い(6、10等の)側部取付穴174Aが含まれていてもよい。
【0055】
図4Aを参照すると、シート130は、限定されるものではないが、鎧布(armored fabric)、帆布、日よけ布(awning fabric)、ケブラー、タープキャンバス、ビニールコーティングポリエステル、ナイロンメッシュ、ネオプレン、アルミ化ナイロン、及び/又は綿キャンバスを含む多くの材料のうちのいずれかによって構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、材料は、増大された紫外線安定化処理及び対候性、耐火性、耐摩耗性及び引裂き抵抗、及び耐水性を提供するように処理されていてもよい。
【0056】
シート130の製造に使用される材料は高い透水性の、織物型及び/又はメッシュ状構造に製造されてもよく、したがって増大した許容荷重及びユーザ快適性を提供してもよい。シート130の織物型及び/又はメッシュ状繊維構造の周辺部は、シートフレーム境界部183とのインターフェイスとなるように構成されていてもよく、シートフレーム境界部183は、剛体熱可塑性オーバーモールドであってよい。シート130及びシートフレーム境界部183の間のインターフェイスの形成において、シートフレーム境界部183は、局所射出成型方法によってシート130にオーバーモールドされてもよい。このプロセスは、シート130の周辺部に沿って繊維織物を通して熱可塑性構成(例えばシートフレーム境界部183及びそこに含まれる構成要素)を形成してもよい。局所射出成型方法が完了した後、シート130の織物型及び/又はメッシュ状繊維構造は張りつめる(ぴんと張る)ことができ、そしてシートフレーム境界部183はシート130に剛的に取り付けられてもよい。そのような取付方法はシート繊維内の縫い目を低減してもよく、また拡大解釈すれば、繰り返し性、耐久性、寸法正確性、フレーム取付の柔軟性及び向上された審美性を含む利点をもたらす。
【0057】
シートフレーム境界部183は、シート130及びシートフレーム131の間の係合を補助及び/又は容易にするように構成された様々なタイプの複数の突出部を含んでいてもよい。特に、シートフレーム境界部183は、前部取付クリップ187、187A、及び187B、シートフレームコーナー係合面189A及び189B、側部取付ネジインターフェイス184A及び184B、側部リブ185A及び185B、フランジ191A及び191B、ならびに後部バー溝196を含んでいてもよい。
【0058】
シート130は、シートフレーム131に取り外し可能に取り付け及び/又は係合されるように構成されていてもよい。この取り外し可能な取り付け及び/又は係合において、シート130のシートフレーム境界部183の様々な突出部は、前部ハンドル172及びシート取付レール172A及び172Bの特定の形状と取り外し可能に接続、挿入、及び/又はインターフェイスとなるように構成されていてもよい。例えば、前部取付クリップ187、187A、及び187Bならびにシートフレーム境界部183の側部取付ネジインターフェイス184A及び184Bは、キャリーハンドル172の前部取付穴177、177A、及び177B、ならびにシート取付レール172A及び172Bの側部取付穴174A及び174Bとそれぞれ取り外し可能に接続、挿入及び/又はインターフェイスとなるように構成されていてもよい。加えて、シートフレームコーナー係合面189A及び189B、及びシート130のシートフレーム境界部183の後部バー溝196は、シートフレーム131のシートフレームコーナー179A及び179B、ならびに後部バー197とそれぞれ取り外し可能なインターフェイスとなるように構成されていてもよい。
【0059】
さらに、側部リブ185A及び185B、ならびにシート130のシートフレーム境界部183のフランジ191A及び191Bは、シート取付レール172A及び172Bのリブ係合チャネル175A及び175Bと取り外し可能なインターフェイスとなるように構成されていてもよい。側部リブ185A、185Bは、荷重支持リブであってよく、またシート取付レール172A、172Bのリブ係合チャネル175A、175Bとのインターフェイスとなるように構成されていてもよい。側部リブ185A、185Bは、シートフレーム境界部183の右側及び左側の底部表面から延びていてもよく、またフランジ191A、191Bは、シートフレーム境界部183のそれぞれの側部上に位置していてもよい。一連のフランジ191A、191Bは、シートフレーム境界部183の底部表面及び側部リブ175A、175Bの外側面に垂直に延びることができる。側部リブ185A、185B及び一連のフランジ191A、191Bは、シートに負荷がかかったときに側部リブが捻じれるのを防止することができる。したがって側部リブ185A、185B及びフランジ191A、191Bは、シート130及びシートフレーム131が取り付けられた又は取り外された状態にあるときに側部取付ネジインターフェイス184A、184Bからの構造的負荷を軽減してもよく、またシート130がシートフレーム131に取り付けられた状態にあるときに側部取付ネジインターフェイス184A、184Bによって提供される力に対する無償の力も提供してもよい。取り付けられた状態において、側部リブ185A、185Bはシート取付レール172A、172Bの長さを横切っており、またフランジ191A、191Bはシート取付レール172A、172Bの水平エリアに広がっている。フランジ191A、191Bの数は、チェアの所望の限界荷重、各フランジの厚さ、及びチェアの荷重分布に基づいて選択されることができる。
【0060】
より詳細に図4C及び4Dを参照すると、側部取付ネジインターフェイス184Bは、シート130及びシートフレーム131の間の取り外し可能な取り付けを形成している間、側部取付穴174Bを通して挿入されるように構成されていてもよい。側部取付ネジインターフェイス184Bは、シート130をシートフレーム131に固定するために、ネジ194Bを受け入れるように構成されていてもよい。例えば、側部取付ネジインターフェイス184Bは側部取付穴174Bを通して挿入されてもよい。ネジアクセスパネル195Bが、側部取付ネジインターフェイス184Bを露出するために側部レール172Bから取り外されてもよい。ネジアクセスパネル195Bの取り外し後、ネジ194Bは側部取付ネジインターフェイス184B内に回転可能に挿入されてもよい。同様に、ネジ194Bが、各側部取付ネジインターフェイス184B内に回転可能に挿入されてもよい。それぞれのネジ194Bが側部取付ネジインターフェイス184B内に挿入された後、ネジアクセスパネル195Bは側部取付レール172Bに再び取り付けられる。同様のプロセスが、側部取付ネジインターフェイス184A、側部取付穴178A、ネジアクセスパネル195A、及びネジ195Aのために行われてもよい。
【0061】
上述したように、シート130は、シートフレーム境界部183及びそこに形成された複数の突出部によって、側部取付レール172A及び172Bならびにシートフレーム131のキャリーハンドル172と係合するように構成されていてもよい。いくつかの例において、シートフレーム境界部183は、シートフレーム境界部183の第1の端部(例えば前部分)をシートフレーム131の第1の端部(例えば前部分)内に配置すること、ならびにシートフレーム131の第1の端部からシートフレーム131の第2の端部(例えば後部分)に丸める及び/又は撓ませることによって、シートフレーム131に固定されてもよい。シートフレーム境界部183をシートフレーム131の第1の端部から第2の端部へと丸める及び/又は撓ませることで、シートフレーム境界部183の複数の突出部をシート取付レールの複数のスロットと整合させ、またシートフレーム境界部183をシートフレーム131上に取り外し可能に取り付ける。
【0062】
あるいは、シートフレーム境界部183は、シートフレーム境界部183の左側の最後部側部取付ネジインターフェイス184Bを左側部取付レール172Bの最後部側部取付穴174B内に挿入すること、ならびにシートフレーム境界部183の右側の最後部側部取付ネジインターフェイス184Aを右側部取付レール172Aの最後部側部取付穴174A内に挿入することによって、シートフレーム131に固定されてもよい。次いで、シートフレーム境界部183の左側の第1の、第2の、及び第3の中央側部取付ネジインターフェイス184Bが、左側部取付レール172Bの第1の、第2の、及び第3の中央側部取付穴174B内に挿入されてもよい。同様に、シートフレーム境界部183の右側の第1の、第2の、及び第3の中央側部取付ネジインターフェイス184Aが、右側部取付レール172Aの第1の、第2の、及び第3の中央側部取付穴174A内に挿入されてもよい。その後、シートフレーム境界部183の左側の最前部側部取付ネジインターフェイス184Bが、左側部取付レール172Bの最前部側部取付穴174B内に挿入されてもよく、またシートフレーム境界部183の右側の最前部側部取付ネジインターフェイス184Aが右側部取付レール172Aの最前部側部取付穴174A内に挿入されてもよい。そして、シート130は、シートフレーム境界部183によって、シート130の前部分のところで下向き方向に丸められ及び/又は撓まされてもよく、それによりシートフレーム境界部183の前部取付クリップ187、187A、及び187Bをキャリーハンドル172の前部取付穴177、177A、及び177Bと、またシートフレーム境界部183の右側の前部取付クリップをキャリーハンドル172の右側の前部取付穴と、整合させ、挿入する。次いで、ネジアクセスパネル195A及び195Bは、側部取付レール172A及び172Bから取り外されてもよく、また各ネジ194A及び194Bは、それぞれの側部取付ネジインターフェイス184A及び184B内にねじ込まれてもよい。挿入後、ネジアクセスパネル195A及び195Bは側部取付レール172A及び172Bに再び取り付けられてもよい。
【0063】
シートフレーム131へのシートフレーム境界部183の組み付け中、シートフレーム境界部183は後端部から前端部へと丸められ得る。そのようなステップが後ろから前への特定の順に説明されているが、それらのステップはそのような順で行われなくてもよく、いかなる特定の順で行われてもよい。
【0064】
さらに、シート130がシートフレーム131に取り付けられた状態において、図4Cに示されるように、シートフレーム境界部183はシートフレーム131の外側部分とのインターフェイスとなっていてもよい。いくつかの例において、シートフレーム境界部183は、シートフレーム境界部とシートフレームのインターフェイスの表面制御を可能にするために、上述した射出成型プロセスの後で機械加工されてもよい。
【0065】
(シート/シートフレームの係合の第2の実施形態)
シート/シートフレーム係合の第2の実施形態によれば、また図5Aに示されるように、キャリーハンドル172は、キャリーハンドル172の第1の側(例えばキャリーハンドル172の左側)に前部取付穴177B及び側部開口178Bを、キャリーハンドル172の第2の側(例えばキャリーハンドル172の右側)に前部取付穴177A及び側部開口178Aを、またキャリーハンドル172の第3の側(例えばキャリーハンドル172の中央)に前部取付穴177を含んでいてもよい。以下でより詳細に述べられるように、前部取付穴177B及び側部開口178Bは、図5Bに示されるようにシート130の前部取付クリップ187B及びキャリーハンドル側部カバー188Bにそれぞれ係合するように構成されていてもよい。上で記載したように、チェア100左側から右側に延びるチェア100の構成要素(例えばキャリーハンドル172)は対称構造であってよい。したがって、キャリーハンドル172は、キャリーハンドル172の第2の側(例えばキャリーハンドル172の右側)に、前部シート取付穴177B及び側部開口178Bと類似の向き及び構成の前部シート取付穴及び側部開口をさらに含んでいてもよい。
【0066】
図5Aを参照すると、シートフレーム131はシート取付レール172Bもまた含んでいてもよい。シート取付レール172Bは、アームレスト150B、前脚112B等の近くのシートフレーム131の側部分の内面上に位置してもよい。シート取付レール172Bは、シートフレーム131と同じ材料(例えばアルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹)で製造されていてもよい。したがってシート取付レール172Bはシートフレーム131の連続部片として製造されてもよい。それゆえ、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金がシートフレーム131及びシート取付レール172Bの製造に使用される例において、材料はハイドロフォーミング及び真空鋳造されてもよく、またシートフレーム131及びシート取付レール172B内に、そして塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメル塗装によって処理されていてもよい。加えて、シートフレーム131及びシート取付レール172Bの製造に使用される金属は、硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0067】
あるいは、シート取付レール172Bはシートフレーム131との連続部片を形成していなくてもよく、したがって別個の構成部品であってもよい。そのような例において、シート取付レール172Bはシートフレーム131と同じ材料で、又は異なる材料で作られていてもよい。いずれの場合も、シート取付レール172Bは、接着、溶接、機械的固定(例えばボルト及びナット)等によってシートフレーム131に取り付けられていてもよい。
【0068】
シート取付レール172Bは、側部開口、リブ係合チャネル、及び複数の側部取付穴を含んでいてもよい。例えば、図5Aに示されるように、シート取付レール172Bは、側部開口176B(例えば遠位及び近位側部開口)、リブ係合チャネル175B、及び側部取付穴174Bを含んでいてもよい。側部開口176Bは開口を提供してもよく、それを通して、シート取付レール172Bの内部及び/又は内部がアクセスされてもよい。側部開口176Bは、シート130のシート取付レール側部カバー186Bによって覆われるように構成されていてもよい。レール側部カバー186は、シートフレーム境界部の付加的な支持を提供するように一体型リブ192を備えていてもよい。リブ係合チャネル175Bはシート取付レール172Bの長さの全体に沿って、シート取付レール172Bが取り付けられるシートフレーム131の面と平行な線に沿って第1の側部開口176B(例えば背もたれ140から最も遠い遠位側部開口)から第2の側部開口176B(例えば背もたれ140に最も近い近位側部開口)まで、延びていてもよい。リブ係合チャネル175Bは、シート130側部リブ185Bを支持するように構成されていてもよい。複数の側部取付穴174Bがリブ係合チャネル175B上に位置していてもよい。各側部取付穴174Bは、シート130の側部取付クリップ184Bを受け入れるように構成されていてもよい。4つの側部取付穴174Bが図4Bに示されているが、より少ない(例えば1、2、3、又は4の)、あるいはより多い(6、10等の)側部取付穴174Bが含まれていてもよい。シートフレーム131は、シート取付レール172Bの側部分と反対のシートフレーム131の対向内面上に位置する追加のシート取付レールをさらに含んでいてもよい。この追加のシート取付レールはシート取付レール172Bと同様であってもよい。
【0069】
図5Bを参照して、シートフレーム境界部183は、シート130及びシートフレーム131の間の係合を助ける及び/又は容易にするように構成された様々なタイプの複数の突出部を含んでいてもよい。特に、シートフレーム境界部183は、前部取付クリップ187B、キャリーハンドル側部カバー188B、シートフレームコーナー係合面189B、シート取付レール側部カバー186B、側部取付クリップ184B、及び側部リブ185Bを含んでいてもよい。そのような突出部のそれぞれがシート130の左側に位置していてもよく、またシート130がシートフレーム131に係合されている状態において前脚112B、アームレスト150B等の近くであってもよい。さらに、シート130は、前部取付クリップ、キャリーハンドル側部カバー、シートフレームコーナー係合面、シート取付レール側部カバー、側部取付クリップ、及びシート130の右側の側部リブを追加で含んでいてもよい。そのような突出部は、シート130の左側(例えば前部取付クリップ187B、キャリーハンドル側部カバー188B、シートフレームコーナー係合面189B等)と同様であってよいが、シート130の右側において鏡面配向である。したがって、シート130がシートフレーム131と係合している状態において、シート130の右側のそのような突出部は前脚112A、アームレスト150A等の近くにあってもよい。
【0070】
シート130は、シートフレーム131に取り外し可能に取り付けられ及び/又は係合されるように構成されていてもよい。取り外し可能な取り付け及び/又は係合を形成する際、シート130のシートフレーム境界部183の様々な突出部は、前部ハンドル172及びシート取付レール172Bの特定の形状と取り外し可能に接続及び/又はインターフェイスとなるように構成されていてもよい。例えば、前部取付クリップ187B及びシートフレーム境界部183の側部取付クリップ184Bは、キャリーハンドル172の前部取付穴177B及びシートフレーム131のシート取付レール172Bの側部取付穴174Bとそれぞれ取り外し可能に接続及び/又はインターフェイスとなるように構成されていてもよい。さらに、キャリーハンドル側部カバー188B及びシート130のシートフレーム境界部183のシート取付レール側部カバー186Bは、キャリーハンドル172の側部開口178B及びシートフレーム131のシート取付レール172Bの側部開口176Bとそれぞれ取り外し可能にインターフェイスとなるように構成されていてもよい。加えて、シートフレームコーナー係合面189B及びシート130のシートフレーム境界部183の側部リブ185Bは、シートフレーム131のシートフレームコーナー179B及びシート取付レール172Bのリブ係合チャネル175Bとそれぞれ取り外し可能にインターフェイスとなるように構成されていてもよい。上述した接続及び/又はインターフェイスは、チェア100の左側で生じていてもよい。シート130がシートフレーム131に取り外し可能に取り付けられ及び/又は係合されている状態において、そのような接続及び/又はインターフェイスは、前脚112B、アームレスト150B等の近くであってよい。
【0071】
同様に、シート130のシートフレーム境界部183の右側の前部取付クリップ、キャリーハンドル側部カバー、シートフレームコーナー係合面、シート取付レール側部カバー、側部取付クリップ、及び側部リブは、キャリーハンドル172の右側の前部シート取付穴及びシートフレーム131の右側のシートフレームコーナー、ならびにシートフレーム131の右側のシート取付レールの側部開口、リブ係合チャネル及び複数の側部取付穴と、上で述べたように取り外し可能に接続され及び/又はインターフェイスとなるように構成されていてもよい。
【0072】
図5Dをより詳細に参照すると、側部取付クリップ184Bは、シート130及びシートフレーム131の間の取り外し可能な取り付けの間、側部取付穴174Bを通して挿入されるように構成されていてもよい。側部取付クリップ184Bは、半矢印形状の遠位端部を備えた延長矩形構成を有していてもよく、これは、挿入及び取り外しの際の回転柔軟性を、また係合中の垂直力分配を可能にする。例えば、側部取付穴174B内への挿入の間、回転力が、側部取付クリップ184Bの半矢印終端部の外側面に適用され得る。この回転力に応答して、側部取付クリップ184Bは、回転可能に変位して側部取付穴174B内への側部取付クリップ184Bの挿入を可能にするように構成されていてもよい。挿入が完了して回転力が取り除かれた後、側部取付クリップ184Bは、静的姿勢に戻るように構成されていてもよく、また側部取付クリップ184Bの半矢印部分の上側面及び/又はオーバーハング面は、シート取付レール172Bのリブ係合チャネル175Bの最底面とのインターフェイスとなるように構成されていてもよい。側部取付クリップ184Bによって提供されるそのようなインターフェイスは、他の側部及び前部取付クリップとの組み合わせにより、シート130のシート131への取り外し可能な取り付けを提供してもよい。
【0073】
側部リブ185A、185Bは、荷重支持リブであってもよく、またシート取付レール172A、172Bのリブ係合チャネル175A、175Bとのインターフェイスとなるように構成されていてもよい。側部リブ185A、185Bは、シートフレーム境界部183の右側及び左側の底表面から延びていてもよく、また一連のフランジ191はシートフレーム境界部183のそれぞれの側に位置していてもよい。一連のフランジ191は、シートフレーム境界部183の底表面に垂直に延びることができる。一連のフランジ191及びシートフレーム境界部183の底表面は、シートが荷重を受けたときに側部リブが捻じれるのを防ぐことができる。したがって側部リブ185A、185B及びフランジ191は、シート130及びシートフレーム131が取り付け又は取り外し状態にあるときの使用中に側部取付クリップ184A、184B及び他の側部取付クリップからの構造的荷重を軽減してもよく、またシート130がシートフレーム131に取り付けられた状態において側部取付クリップ184A、184Bによって提供される力に対する無償の力も提供してもよい。側部リブ185の数は、チェアの所望の限界荷重、各側部リブの厚さ、及びチェアの重量分布に基づいて選択されることができる。加えて、側部リブが、取付レール175A、175Bのチャネルの長さを走る一体型延長リブで形成できることも想定される。
【0074】
上で述べたように、シート130は、シートフレーム境界部183及びそこに形成された複数の突出部によって、側部取付レール及びシートフレーム131のキャリーハンドル172と係合するように構成されていてもよい。特に、シートフレーム境界部183は、シートフレーム境界部183の第1の端部(例えば前部分)をシートフレーム131の第1の端部(例えば前部分)内に配置すること、ならびにシートフレーム131の第1の端部からシートフレーム131の第2の端部(例えば後部分)に丸める及び/又は撓ませることによって、シートフレーム131に固定されてもよい。シートフレーム境界部183をシートフレーム131の第1の端部から第2の端部へと丸める及び/又は撓ませることで、シートフレーム境界部183の複数の突出部をシート取付レールの複数のスロットと整合させ、またシートフレーム境界部183をシートフレーム131上に取り外し可能に取り付ける。
【0075】
あるいは、シートフレーム境界部183は、シートフレーム境界部183の左側の最後部側部取付クリップ186Bを左側部取付レール172Bの最後部側部取付穴176B内に挿入すること、ならびにシートフレーム境界部183の右側の最後部側部取付クリップを右側部取付レールの最後部側部取付穴内に挿入することによって、シートフレーム131に固定されてもよい。次いで、シートフレーム境界部183の左側の第1の中央側部取付クリップ186B及び第2の中央側部取付クリップ186Bは、左側部取付レール172Bの第1の中央側部取付穴176B及び第2の中央側部取付穴176B内に挿入されてもよく、またシートフレーム境界部183の右側の第1の中央側部取付クリップ及び第2の中央側部取付クリップは、右側部取付レールの第1の中央側部取付穴及び第2の中央側部取付穴内に挿入されてもよい。次に、シートフレーム境界部183の左側の最前部側部取付クリップ186Bは、左側部取付レール176Bの最前部側部取付穴176B内に挿入されてもよく、またシートフレーム境界部183の右側の最前部側部取付クリップは、右側部取付レールの最前部側部取付穴内に挿入されてもよい。そして、シート130は、シートフレーム境界部183によって、シート130の前部分のところで下向き方向に丸められ及び/又は撓まされてもよく、それによりシートフレーム境界部183の左側の前部取付クリップ187Bをキャリーハンドル172の左端部分の前部取付穴177Bと、またシートフレーム境界部183の右側の前部取付クリップをキャリーハンドル183の右端部分の前部取付穴と、整合させる。次に、シートフレーム境界部183の左端部分の前部取付クリップ187Bは、キャリーハンドル172の左端部分の前部取付穴177B内に挿入されてもよく、またシートフレーム境界部183の右側の前部取付クリップは、キャリーハンドル172の右端部分の前部取付穴内に挿入されてもよい。
【0076】
シートフレーム131とのシートフレーム境界部183の組み立ての間、シートフレーム境界部183は、後端部から前端部へと丸められることができる。そのようなステップは後ろから前の特定の順で述べられているが、それらのステップはそのような順で行われなくてもよく、いかなる特定の順で行われてもよい。
【0077】
(背もたれ及び背もたれフレーム)
シート130と関連して、ポータブルチェア100は背もたれ140を含んでいてもよく、背もたれ140は、背もたれフレーム141に取り外し可能に取り付けられていてもよい。背もたれフレーム141は、円筒状ロッド、管、シャフト、及び/又は押し出しIビームであってよく、またアルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹で作られていてもよい。アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金が背もたれフレーム141の製造に使用される例において、材料はハイドロフォーミング及び真空鋳造されてもよく、また塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメル塗装によって処理されていてもよい。加えて、背もたれフレーム141の製造に使用される金属は、硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0078】
背もたれフレーム141はアームレスト取付部分を含んでいてもよく、アームレスト取付部分は、ピン157Bを含むピンによって、アームレスト150A及び150Bへの背もたれフレーム141の回転可能な取り付けを容易にするように構成されていてもよい。加えて、背もたれフレーム141は、背もたれ造作インターフェイス143A及び143Bと交わっていてもよい。特に、背もたれ造作インターフェイス143A及び143Bは管状端末部を含んでいてもよく、背もたれフレーム141は管状端末部の上に挿入されるように構成されていてもよい。挿入の前、最中、又は後に、結合剤及び/又は構造用接着剤が背もたれ造作インターフェイス143Aの管状端末部及び143B及び/又は背もたれフレーム141終端部に適用されてもよく、それにより背もたれフレーム141が背もたれ造作インターフェイス143A及び143Bに固定される。
【0079】
シートフレーム131に関して上で述べたのと似たように、背もたれフレーム141は、キャリーハンドル及び1以上の背もたれ取付レールを含んでいてもよい。例えば、図6Bに示されるように、キャリーハンドル272は、キャリーハンドル272の第1の側(例えばキャリーハンドル272の左側)の頂部取付穴277B、キャリーハンドル272の第2の側(例えばキャリーハンドル172の右側)の頂部取付穴277A、及びキャリーハンドル272の第3の側(例えばキャリーハンドル272の中央)の頂部取付穴277を含んでいてもよい。以下でより詳細に述べるように、頂部取付穴277、277A、及び277Bは、背もたれ140の頂部取付クリップ287、287A、及び287Bとそれぞれ係合するように構成されていてもよい。
【0080】
さらに、背もたれフレーム141は背もたれ取付レール272Bも含んでいてもよい。背もたれ取付レール272Bは、アームレスト150B、前脚112B等に近い背もたれフレーム141の側部分の内面上に位置していてもよい。背もたれ取付レール272Bは、背もたれフレーム141と同じ材料(例えばアルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹)で作られていてもよい。したがって背もたれ取付レール272Bは、背もたれフレーム141の連続部片として製造されてもよい。それゆえ、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金が背もたれフレーム141及び背もたれ取付レール272Bの製造に使用される例において、材料はハイドロフォーミング及び真空鋳造されてもよく、また背もたれフレーム141及び背もたれ取付レール272B内に、そして塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメル塗装によって処理されていてもよい。加えて、背もたれフレーム141及び背もたれ取付レール272Bの製造に使用される金属は、硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0081】
あるいは、背もたれ取付レール272Bは背もたれフレーム141との連続部片を形成していなくてもよく、したがって別個の構成部品であってもよい。そのような例において、背もたれ取付レール272Bは、背もたれフレーム141と同じ材料で作られていてもよく、又は異なる材料で作られていてもよい。いずれの場合も、背もたれ取付レール272Bは、接着、溶接、機械的固定(例えばナット及びボルト)等によって背もたれフレーム141に取り付けられていてもよい。
【0082】
背もたれ取付レール272Bは、リブ係合チャネル及び複数の側部取付穴を含んでいてもよい。例えば、図6Bに示されるように、背もたれ取付レール272Bはリブ係合チャネル275B及び側部取付穴274Bを含んでいてもよい。リブ係合チャネル275Bは、背もたれ取付レール272Bの長さの全体に沿って延びていてもよい。リブ係合チャネル275Bは、背もたれ140の側部リブ285B及びフランジ291Bを支持するように構成されていてもよい。複数の側部取付穴274Bがリブ係合チャネル275B上に位置していてもよい。各側部取付穴274Bは、背もたれ140の側部取付ネジインターフェイス284Bを受け入れるように構成されていてもよい。5つの側部取付穴274Bが図6Bに示されているが、より少ない(例えば1、2、3、又は4の)、あるいはより多い(6、10等の)側部取付穴274Bが含まれていてもよい。
【0083】
背もたれフレーム141は背もたれ取付レール272Aもまた含んでいてもよい。背もたれ取付レール272Aは、アームレスト150A、前脚112A等の近くの背もたれフレーム141の側部分の内面上に位置していてもよい。背もたれ取付レール272Aは、背もたれフレーム141と同じ材料(例えばアルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、金属合金、炭素繊維、及び/又は竹)で製造されていてもよい。したがって背もたれ取付レール272Aは背もたれフレーム141の連続部片として製造されてもよい。それゆえ、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼、スカンジウム、及び/又は金属合金が背もたれフレーム141及び背もたれ取付レール272Aの製造に使用される例において、材料はハイドロフォーミング及び真空鋳造されてもよく、また背もたれフレーム141及び背もたれ取付レール272A内に、そして塩水噴霧などの環境条件によって引き起こされる腐食を防ぐために、陽極酸化、めっき、塗装、粉体塗装、及び/又はエナメル塗装によって処理されていてもよい。加えて、背もたれフレーム141及び背もたれ取付レール272Aの製造に使用される金属は、硬さ、靭性、ならびに引張及びせん断強度を向上させるために、焼なまし、表面硬化、析出硬化、焼戻し、焼きならし、及び/又は焼き入れの処理をされていてもよい。
【0084】
あるいは、背もたれ取付レール272Aは背もたれフレーム141と連続部片を形成していなくてもよく、したがって別個の構成部品であってもよい。そのような例において、背もたれ取付レール272Aは、背もたれフレーム141と同じ材料で作られていてもよく、又は異なる材料で作られていてもよい。いずれの場合も、背もたれ取付レール272Aは、接着、溶接、機械的固定(例えばナット及びボルト)等によって背もたれフレーム141に取り付けられていてもよい。
【0085】
背もたれ取付レール272Aはリブ係合チャネル及び複数の側部取付穴を含んでいてもよい。例えば、図6Bに示されるように、背もたれ取付レール272Aはリブ係合チャネル275A及び側部取付穴274Aを含んでいてもよい。リブ係合チャネル275Aは背もたれ取付レール272Aの長さの全体に沿って延びていてもよい。リブ係合チャネル275Aは、背もたれ140の側部リブ285A及びフランジ291Aを支持するように構成されていてもよい。複数の側部取付穴274Aがリブ係合チャネル275A上に位置していてもよい。各側部取付穴274Aは、背もたれ140の側部取付ネジインターフェイス284Aを受け入れるように構成されていてもよい。5つの側部取付穴274Aが図6Bに示されているが、より少ない(例えば1、2、3、又は4の)、あるいはより多い(6、10等の)側部取付穴274Aが含まれていてもよい。
【0086】
図6Aを参照すると、背もたれ140は、限定されるものではないが、鎧布、帆布、日よけ布、ケブラー、タープキャンバス、ビニールコーティングポリエステル、ナイロンメッシュ、ネオプレン、アルミ化ナイロン、及び/又は綿キャンバスを含む多くの材料のうちのいずれかによって構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、材料は、増大された紫外線安定化処理及び対候性、耐火性、耐摩耗性及び引裂き抵抗、及び耐水性を提供するように処理されていてもよい。
【0087】
特定の例において、背もたれ140はシート130と同様の材料によって構成されていてもよい。しかし、いくつかの場合には、背もたれ140の製造に使用される材料は、シート130の製造に使用される材料と異なっていてもよい。例えば、背もたれ140は、第1の材料及び/又はいくつかの材料の組み合わせで作られていてもよく、またシート130は、第2の材料及び/又は第1の材料とは異なるいくつかの材料の組み合わせ及び/又はいくつかの材料の組み合わせで作られていてもよい。
【0088】
背もたれ140の製造に使用される材料は高い透水性の、織物型及び/又はメッシュ状構造に製造されてもよく、したがって増大した許容荷重及びユーザ快適性を提供してもよい。背もたれ140の織物型及び/又はメッシュ状繊維構造の周辺部は、背もたれフレーム境界部193とのインターフェイスとなるように構成されていてもよく、背もたれフレーム境界部193は、剛体熱可塑性オーバーモールドであってよい。背もたれ140及び背もたれフレーム境界部193の間のインターフェイスの形成において、背もたれフレーム境界部193は、局所射出成型方法によって背もたれ140にオーバーモールドされてもよい。このプロセスは、背もたれ140の周辺部に沿って繊維織物を通して熱可塑性構成(例えば背もたれフレーム境界部193及びそこに含まれる構成要素)を形成してもよい。局所射出成型方法が完了した後、背もたれ140の織物型及び/又はメッシュ状繊維構造は張りつめる(ぴんと張る)ことができ、そして背もたれフレーム境界部193は背もたれ140に剛的に取り付けられてもよい。そのような取付方法はシート繊維内の縫い目を低減してもよく、また拡大解釈すれば、繰り返し性、耐久性、寸法正確性、フレーム取付の柔軟性及び向上された審美性を含む利点をもたらす。
【0089】
背もたれフレーム境界部193は、背もたれ140及び背もたれフレーム141の間の係合を補助及び/又は容易にするように構成された様々なタイプの複数の突出部を含んでいてもよい。特に、背もたれフレーム境界部193は、頂部取付クリップ287、287A、及び287B、背もたれフレームコーナー係合面289A及び289B、側部取付ネジインターフェイス284A及び284B、側部リブ285A及び285B、ならびにフランジ291A及び291Bを含んでいてもよい。
【0090】
背もたれ140は、シートフレーム141に取り外し可能に取り付けられ及び/又は係合されるように構成されていてもよい。取り外し可能な取り付け及び/又は係合を形成する際、背もたれ140の背もたれフレーム境界部193の様々な突出部が、頂部ハンドル272ならびに背もたれ取付レール272A及び272Bの特定の形状と取り外し可能に接続、挿入、及び/又はインターフェイスとなるように構成されていてもよい。例えば、頂部取付クリップ287、287A、及び287B、ならびにフレーム境界部193での背もたれの側部取付ネジインターフェイス284A及び284Bは、キャリーハンドル272の頂部取付穴277、277A、及び277B、ならびに背もたれ取付レール272A及び272Bの側部取付穴274A及び274Bとそれぞれ取り外し可能に接続、挿入、及び/又はインターフェイスとなるように構成されていてもよい。加えて、背もたれ140の背もたれフレーム境界部283の背もたれフレームコーナー係合面289A及び289Bは、背もたれフレーム141の背もたれフレームコーナー279A及び279Bとそれぞれ取り外し可能にインターフェイスとなるように構成されていてもよい。
【0091】
さらに、背もたれ140の背もたれフレーム境界部193の側部リブ285A及び285Bならびにフランジ291A及び291Bは、背もたれ取付レール272A及び272Bのリブ係合チャネル275A及び275Bとの取り外し可能なインターフェイスとなるように構成されていてもよい。側部リブ285A、285Bは荷重支持リブであってもよく、また背もたれ取付レール272A、272Bのリブ係合チャネル275A、275Bとのインターフェイスとなるように構成されていてもよい。側部リブ285A、285Bは、背もたれフレーム境界部193の右側及び左側の底表面から延びていてもよく、またフランジ291A、291Bは、背もたれフレーム境界部193のそれぞれの側に位置していてもよい。一連のフランジ291A、291Bは、背もたれフレーム境界部193の底表面及び側部リブ275A、275Bの外側面に垂直に延びることができる。側部リブ285A、285B及び一連のフランジ291A、291Bは、背もたれが荷重を受けたときに側部リブが捻じれることを防止することができる。したがって、側部リブ285A、285B及びフランジ291A、291Bは、背もたれ140及び背もたれフレーム141が取り付け又は取り外し状態にあるときに側部取付ネジインターフェイス284A、284Bからの構造的荷重を軽減してもよく、また背もたれ140が背もたれフレーム141に取り付けられた状態において側部取付ネジインターフェイス284A、284Bによって提供される力に対する無償の力(complimentary force)も提供してもよい。取り付け状態において、側部リブ285A、285Bは、背もたれ取付レール272A、272Bの長さを横切っていてもよく、またフランジ291A、291Bは背もたれ取付レール272A、272Bの水平エリアに広がっていてもよい。フランジ291A、291Bの数は、チェアの所望の限界荷重、各フランジの厚さ、及びチェアの荷重分布に基づいて選択されることができる。
【0092】
図6Cを参照すると、側部取付ネジインターフェイス284Aは、背もたれ140及び背もたれフレーム141の間の取り外し可能な取り付けを形成している間、側部取付穴274Aを通して挿入されるように構成されていてもよい。側部取付ネジインターフェイス284Aは、背もたれ140を背もたれフレーム141に固定するために、ネジ294Aを受け入れるように構成されていてもよい。例えば、側部取付ネジインターフェイス284Aは側部取付穴274Aを通して挿入されてもよい。ネジアクセスパネル295Aは側部レール272Aから取り外されてもよく、それにより側部取付ネジインターフェイス284Aを露出する。ネジアクセスパネル295Aを取り外した後、ネジ294Aは側部取付ネジインターフェイス284A内に回転可能に挿入されてもよい。同様に、ネジ294Aは、側部取付ネジインターフェイス284Aのそれぞれに回転可能に挿入されてもよい。各ネジ294Aが側部取付ネジインターフェイス284A内に挿入された後、ネジアクセスパネル295Aは側部取付レール272Aに再び取り付けられてもよい。同様のプロセスが、側部取付ネジインターフェイス284B、側部取付穴278B、ネジアクセスパネル295B、及びネジ295Bのために行われてもよい。
【0093】
上で述べたように、背もたれ140は、背もたれフレーム境界部193及びそこに形成された複数の突出部によって、背もたれフレーム141の側部取付レール272A及び272Bならびにキャリーハンドル272と係合するように構成されていてもよい。いくつかの例において、背もたれフレーム境界部183は、背もたれフレーム境界部193の第1の端部(例えば頂部分)を背もたれフレーム141の第1の端部(例えば頂部分)内に配置すること、ならびに背もたれフレーム境界部193を背もたれフレーム141の第1の端部から背もたれフレーム141の第2の端部(例えば底部分)へと丸めること及び/又は撓ませることによって、背もたれフレーム141に固定されてもよい。背もたれフレーム境界部193を背もたれフレーム141の第1の端部から第2の端部へと丸めること及び/又は撓ませることで、背もたれフレーム境界部193の複数の突出部を背もたれ取付レール内の複数のスロットと整合させて、背もたれフレーム境界部193を背もたれフレーム141上に取り外し可能に取り付ける。
【0094】
あるいは、背もたれフレーム境界部193は、背もたれフレーム境界部193の左側の最底部側部取付ネジインターフェイス284Bを左側部取付レール272Bの最底部側部取付穴274B内に挿入すること、及び背もたれフレーム境界部193の右側の最底部側部取付ネジインターフェイス284Aを右側部取付レール272Aの最底部側部取付穴274A内に挿入することによって、背もたれフレーム141に固定されてもよい。次いで、背もたれフレーム境界部193の左側の第1の、第2の、及び第3の中央側部取付ネジインターフェイス284Bが、左側部取付レール272Bの第1の、第2の、及び第3の中央側部取付穴274B内に挿入されてもよい。同様に、背もたれフレーム境界部193の右側の第1の、第2の、及び第3の中央側部取付ネジインターフェイス284Aが、右側部取付レール272Aの第1の、第2の、及び第3の中央側部取付穴274A内に挿入されてもよい。その後、背もたれフレーム境界部193の左側の最頂部側部取付ネジインターフェイス284Bが、左側部取付レール272Bの最頂部側部取付穴274B内に挿入されてもよく、また背もたれフレーム境界部193の右側の最頂部側部取付ネジインターフェイス284Aが、左側部取付レール272Aの最頂部側部取付穴274A内に挿入されてもよい。そして、背もたれ140は、背もたれフレーム境界部193によって、背もたれ140の頂部分で後ろ側方向に丸められ及び/又は撓ませられてもよく、それにより背もたれフレーム境界部193の頂部取付クリップ287、287A、及び287Bをキャリーハンドル272の頂部取付穴277、277A、及び277Bと、また背もたれフレーム境界部193の右側の頂部取付クリップをキャリーハンドル272右端部分の頂部取付穴と、整合させて挿入する。次いで、ネジアクセスパネル295A及び295Bは側部取付レール272A及び272Bから取り外されてもよく、また各ネジ294A及び294Bは、それぞれの側部取付ネジインターフェイス284A及び284B内にねじ込まれてもよい。挿入の後、ネジアクセスパネル295A及び295Bは、側部取付レール272A及び272Bに再び取り付けられてもよい。
【0095】
いくつかの例において、背もたれフレーム境界部193は、シートフレーム境界部183に関して上で述べたように、背もたれ取付ネジインターフェイス284Aと対向するように複数の背もたれ取付クリップを有していてもよい。そのような例において、側部取付クリップは、背もたれ140及び背もたれフレーム141の間の取り外し可能な取り付けを形成している間、側部取付穴274Bを通して挿入されるように構成されていてもよい。側部取付クリップは、半矢印形状の遠位端部を備えた延長矩形構成を有していてもよく、これは、挿入及び取り外しの間の回転柔軟性を、また係合の間の垂直力分配を可能にする。例えば、側部取付穴274Bへの挿入の間、回転力が側部取付クリップの半矢印終端部の外側面に適用されてもよい。この回転力に応答して、側部取付クリップは、回転的に変位するように、また側部取付穴274Bへの側部取付クリップの挿入を可能にするように構成されていてもよい。挿入が完了して回転力が取り除かれた後、側部取付クリップは静的姿勢に戻るように構成されていてもよく、また側部取付クリップの半矢印部分の上側面及び/又はオーバーハング面は、背もたれ取付レール272Bのリブ係合チャネル275Bの最底面とのインターフェイスとなるように構成されていてもよい。側部取付クリップによって提供されるそのようなインターフェイスは、他の側部及び頂部取付クリップと組み合わせて、背もたれ140の背もたれ141への取り外し可能な取り付けを提供してもよい。
【0096】
他の例において、背もたれフレーム境界部193の背もたれフレーム141への組み立ての間、背もたれフレーム境界部193は底端部から頂端部へと丸められることができる。そのようなステップは底部から頂部への特定の順で説明されたが、それらのステップはそのような順で行われる必要はなく、いかなる特定の順で行われてもよい。さらに、背もたれ140が背もたれフレーム141に取り付けられた状態において、図6Cに示されるように、背もたれフレーム境界部193は背もたれフレーム141の外側部分とのインターフェイスとなってもよい。いくつかの例において、背もたれフレーム境界部193は、背もたれフレーム境界部と背もたれフレームのインターフェイスの表面制御を可能にするために、上述した射出成型プロセスの後で機械加工されてもよい。
【0097】
(アームレスト)
再び図1を参照すると、ポータブルチェア100はアームレスト150A及び150Bも含んでいてもよい。アームレスト150A及び150Bは、ピン157Bを含むピンによって、背もたれフレーム141のアームレスト取付部分に枢動可能に取り付けられていてもよい。アームレスト150A及び150Bは、ピン128Aによって前部造作インターフェイス116A及び背もたれ造作インターフェイス126Aに、またピン128Bによって前部造作インターフェイス116B及び背もたれ造作インターフェイス126Bに、それぞれ取り付けられるようにさらに構成されていてもよい。
【0098】
アームレスト150A及び150Bは、プラスチック、ゴム、金属、炭素繊維等で作られていてもよく、また1つの例において荷重500lb(226.8kg)まで支持することができるように構成されていてもよい。いくつかの例において、アームレスト150A及び150Bは、ポータブルチェア100の水没を妨げる浮揚補助として働いてもよい。同様に、1つの例において、アームレスト150A及び150Bはガス援助射出成型プロセスによって製造されてもよく、それによりアームレストの内部に中空キャビティが形成される。そのような中空キャビティはチェア100の浮揚補助として働いてもよい。
【0099】
(折り畳み性)
図7Aを参照すると、ポータブルチェア100は折り畳み可能で可搬性のチェアであってもよい。回転及び枢動可能インターフェイスの作動によって、ポータブルチェア100はポータブル構成に折り畳まれること、及び着座構成に広げられることができる。折り畳まれたポータブル構成にある間、チェア100は、1以上の戻り止め(又はラチェット)によって、折り畳まれたポータブル構成に固定及び/又は維持されてもよい。1以上の戻り止めにより、チェア100が折り畳まれたポータブル構成から広げられた着座構成に開くことに対する抵抗が提供されてもよい。広げられた着座構成にある間、1以上の戻り止めにより、チェア100が広げられた着座構成から折り畳まれたポータブル構成に閉じることに対する抵抗をさらに提供されてもよい。
【0100】
さらなる例において、チェア100は、折り畳まれたポータブル構成から広げられた着座構成に開くように構成されていてもよい。折り畳まれたポータブル構成において、前脚112A及び112Bは後脚122A及び122Bと実質的に平行であってよく、またシート130は背もたれ140と実質的に平行であってよい。1以上の戻り止めは、シートフレーム131のシート造作インターフェイス133A及び133Bの間の取付インターフェイス内に含まれていてもよい。付加的に及び/又は代替的に、1以上の戻り止めは、前脚取付部分170A及び170Bならびに前脚112A及び112Bの間の取付インターフェイス内にピン171A及び171Bを介して含まれていてもよい。
【0101】
1以上の戻り止めは、前脚112A及び112Bならびにシート130が後脚122A及び122Bならびに背もたれ140から離れる開放変位に対する抵抗を提供してもよく、したがって折り畳まれたポータブル構成にチェアを固定及び/又は維持するように機能してもよい。この抵抗に加えて、1以上の戻り止めは、チェア100を折り畳まれたポータブル構成から広げられた着座構成に開く試みがなされたときにチェア100が固定位置にあることを示す意図的な可聴フィードバックをチェア100のユーザに提供してもよい。
【0102】
折り畳まれたポータブル構成にある間に、1以上の戻り止めにより提供される固定力及び/又は抵抗より大きい開放力がチェア100に適用されたとき、チェア100は開放可能になってもよく、また前脚112A及び112Bならびにシート130は後脚122A及び122Bならびに背もたれ140から回転可能に変位してもよい。そのような点において、チェア100は、折り畳まれたポータブル構成と広げられた着座構成との間の固定されていない一時的な状態にあってもよい。開放力が継続的に提要されると、チェア100は最大開放変位を達成し、広げられた着座構成に到達する。広げられた着座構成において、前脚112A及び112Bならびにシート130は、後脚122A及び122Bならびに背もたれ140に対して角度をなしていてもよい。
【0103】
加えて、ピン171A及び171Bを介した前脚取付部分170A及び170Bならびに前脚112A及び112Bの間の取付インターフェイスに含まれる1以上の戻り止めは、後脚122A及び122Bならびに背もたれ140に向かう前脚112A及び112Bならびにシート130の閉鎖変位に対する抵抗を提供してもよい。したがって、1以上の戻り止めは、チェア100を広げられた着座構成に固定及び/又は維持するように機能してもよい。この抵抗に加えて、1以上の戻り止めは、チェア100を広げられた着座構成から折り畳まれたポータブル構成に閉じる試みがなされたときにチェア100が固定位置にあることを示す意図的な可聴フィードバックをチェア100のユーザに提供してもよい。広げられた着座構成にある間に、1以上の戻り止めによって提供される固定力及び/又は抵抗よりも大きい閉鎖力がチェア100に適用されたとき、チェア100は閉鎖可能であってよく、また前脚112A及び112Bならびにシート130は後脚122A及び122Bならびに背もたれ140に向かって回転可能に変位してもよい。
【0104】
(カップホルダー)
以下でさらに詳細に述べるように、シートフレーム131の前脚取付部分170Aとの交差部分の近くの前脚112A上に、チェア100はカップホルダー(図示せず)を含んでいてもよい。いくつかの例において、カップホルダーは第1の前脚112Aに剛的に取り付けられてもよく、一方、他の例において、カップホルダーは取り外し可能に取り付けられるアクセサリーに含まれていてもよい。
【0105】
いずれの例(例えば剛的に取り付けられ又は取り外し可能に取り付けたアクセサリー)においても、カップホルダーは、カップ、ボトル、サーモス、グラス、缶、マグ、又は複数のサイズのいずれかの飲料容器を固定するように構成されていてもよい。カップホルダーは、真空断熱カップホルダー又はエーロゲルカップホルダーであってよく、また周囲環境より低い又は高い温度を維持するように構成されていてもよい。カップホルダーは、挿入された飲料容器を冷やすように、及び/又は挿入された飲料容器の周囲温度より下の期間を維持及び長引かせるように構成されていてもよい。付加的に及び/又は代替的に、カップホルダーは、挿入された飲料容器の冷却を助けるため及び周囲温度より下の期間を長引かせるために、アイスパック及び/又は天然氷インサートを受け入れるように構成されていてもよい。
【0106】
1つの実施例において、シートフレーム131の前脚取付部分170Aとの交差部分の近くの前脚112A上に、チェア100はアクセサリー取付インターフェイス(図示せず)を含んでいてもよい。アクセサリー取付インターフェイスは、前脚112A内に作られてもよく、またYETI(登録商標)のBeverage Holder、YETI(登録商標)のRod Holster、YETI(登録商標)のMolle Zinger等を含むYETI(登録商標)のTundoraアクセサリーを受け入れるように構成されていてもよい。加えて、アクセサリー取付インターフェイスは、防水格納区画、虫除けデバイス、魚群探知機等を受け入れるように構成されていてもよい。
【0107】
付加的に及び/又は代替的に、シートフレーム131の前脚取付部分170Bとの交差部分の近くの前脚112B上に、チェア100は、剛的に取り付けられたカップホルダー、取り外し可能に取り付けられたカップホルダーアクセサリー、及び/又はYETI(登録商標)のTundraアクセサリー及び上述したような追加のアクセサリーを受け入れるように構成されたアクセサリー取付インターフェイスを含んでいてもよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B