(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】管状熱収縮スリーブを容器に対して方向付けるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65B 53/00 20060101AFI20230124BHJP
B65B 53/02 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
B65B53/00 E
B65B53/00 C
B65B53/02 H
B65B53/02 A
(21)【出願番号】P 2020515098
(86)(22)【出願日】2018-09-24
(86)【国際出願番号】 NL2018050633
(87)【国際公開番号】W WO2019059773
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-27
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】澤村 卓治
(72)【発明者】
【氏名】羽田 繁
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03015379(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/016575(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102013223639(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 53/00
B65B 53/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送経路に沿って移送方向に移送されている、管状熱収縮スリーブ
が周りに配置された容器に対して、前記管状熱収縮スリーブを方向付けるための装置であって、前記スリーブは未だ最終的に収縮した状態ではなく、前記装置は、前記移送経路の両側に配置された少なくとも1つのスリーブ方向付けユニットを備え、前記スリーブ方向付けユニットは、
前記移送経路と並んで配置されている、前記移送方向に沿った所定の長さに沿って前記スリーブを支持するように構成されたスリーブ支持コンベヤー・ベルトであって、前記移送方向に対して平行な1つまたは複数の方向に移動可能であり、複数の打抜き孔を有するスリーブ支持コンベヤー・ベルトと、
前記支持コンベヤー・ベルトの前記移動を駆動するための少なくとも1つのスリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニットと、
前記スリーブを前記支持コンベヤー・ベルトに対して保持するように構成された吸引ユニットとを備え、
前記装置は、前記スリーブが前記支持コンベヤー・ベルトに対して保持されている間、前記スリーブ方向付けユニットの前記支持コンベヤー・ベルトを移動させることによって、前記容器と前記スリーブとの間の角度位置差に応じて前記スリーブを前記容器に対して回転させることにより、前記スリーブを前記容器に対して方向付けるようにさらに構成され、
前記吸引ユニットは、吸引ポンプに接続することができる吸引チャンバーを形成するハウジングを備え、前記ハウジングは、前記支持コンベヤー・ベルトの前記打抜き孔のうちの1つまたは複数のみを介して吸引力が加えられるように、前記打抜き孔が穿たれたスリーブ支持コンベヤー・ベルトによって完全に覆われた開放入口を有し、前記スリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニットは、前記移送方向に沿って間隔を隔てた第1の回転要素および第2の回転要素を備え、前記第1の回転要素および前記第2の回転要素に沿って前記スリーブ支持コンベヤー・ベルトが巻かれ、前記吸引チャンバーの前記開放入口の移送方向の長さは、前記第1の回転要素と前記第2の回転要素との間の距離以下である、装置。
【請求項2】
前記吸引チャンバーの前記開放入口は、吸引口によって形成され、前記吸引口は、
長方形の断面形状を画定し、および/または前記吸引口は、前記吸引口に沿って移送される前記スリーブ支持コンベヤー・ベルトと接触するように構成された円周方向の自由縁を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記容器と前記スリーブとの間の角度位置差を決定するための決定ユニットと、
前記決定された角度位置差に基づいて、前記スリーブ方向付けユニットの前記スリーブ支持コンベヤー・ベルトが移動する速度を決定し、ならびに/または前記スリーブが前記スリーブ方向付けユニットの前記支持コンベヤー・ベルトに対して保持される保持時間を決定し、前記決定された保持時間および/もしくは速度を使用して、前記少なくとも1つの吸引ユニットおよび/もしくは前記スリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニットを制御するように構成された制御ユニットとを備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記スリーブが取り付けられた容器の前記スリーブと前記容器外部表面との間の隙間に水を供給するように構成された水供給デバイスを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記容器と前記スリーブとの間の角度位置差を決定するための決定ユニットを備え、前記決定ユニットは、
前記容器の角度位置を検出し、前記スリーブの角度位置を検出するように構成された検出ユニットと、
前記容器および前記スリーブの前記検出された角度位置に基づいて、前記スリーブを前記容器に対して適切に方向付けるために、前記スリーブを回転させる距離を決定し、好ましくは前記スリーブを回転させる回転方向も決定するように構成された距離決定ユニットと、
前記決定された距離にわたって、好ましくは前記決定された距離にわたって前記決定された方向に、前記スリーブを回転させるために、前記少なくとも1つの方向付けユニットを制御するように構成された制御ユニットと
を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
スリービング・システムであって、
容器の周りにスリーブを配置するためのスリービング・デバイスと、
スリーブを前記容器に対して方向付けるための、請求項1から5のうちの1つまたは複数に記載の装置と、
熱収縮によって前記スリーブを前記容器に完全に取り付けるために、前記スリーブが取り付けられた容器に熱を加えるための加熱ユニットとを備える、スリービング・システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状熱収縮スリーブを容器に対して方向付けるための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品を製造し、梱包している間に、商品を保持しているパッケージまたは容器にラベルが取り付けられることがある。例えば、飲料産業では、容器または瓶の周りにラベルを貼り付けて、その内容を示したり、ブランド名を示したりなどすることがある。非食品産業、より詳細には化粧品製品の分野においても、同様の適用を見出すことができる。シャンプーの容器には、シャンプーの特定のタイプ等を示すラベルが提供されることがある。
【0003】
ラベルの特定のタイプの1つは、スリーブとも呼ばれるスリーブ状ラベルである。スリーブは、容器の上端または下端に移動させることができる薄箔材料の管状片であってもよい。スリーブ状ラベルを多数の容器の上に加えるように構成されたスリービング・システムは、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれている欧州特許第2 949 451 B1号に記載されている。スリーブがこの方法で容器の外部表面に配置されると、スリーブを部分的または全面的に容器に取り付けることができる。熱収縮スリーブが利用される場合、熱収縮スリーブ材料に熱を加えてスリーブを収縮させることにより、容器の周りに配置されたスリーブを容器に取り付けることができ、それにより、熱収縮スリーブ自体を容器の外部表面に取り付けることができる。
【0004】
スリーブが容器の上に(緩く)配置されると、その位置が適切であり、スリーブを容器に直接取り付けることができるかどうかを決定するために、容器上のスリーブの位置がチェックされる。容器が厳密に正しい位置に配置されていない場合、スリーブが正しい位置に到達するまで、スリーブの方向付けを変更する必要がある。方向付けられた、または配置し直されたスリーブの位置が適切である場合にのみ、スリーブを容器に取り付けることが許容される。
【0005】
既述したように、スリーブが容器の周りに配置されると、スリーブは、容器に対して適切に位置決めされ、次に、スリーブが取り付けられた容器が熱に露出され、それによりスリーブの熱収縮材料が収縮し、したがってスリーブが容器に取り付けられる。容器の周りへのスリーブの適用、およびそれに引き続く(再)位置決め、ならびにスリーブの取り付けは、典型的には、高速-高スループット・スリービング・プロセスで実施される。このスリービング・プロセスでは、容器は、コンベヤー・ユニットの1つまたは複数のコンベヤー、例えば1つまたは複数のコンベヤー・ベルト上で移送され、この1つまたは複数のコンベヤー・ベルト上に容器が置かれ、通過する容器の周りに、例えば容器の上方または下方の位置へスリーブを下向きまたは上向きに発射することによってスリーブが加えられて、容器の外部表面の周りにスリーブが緩く配置されるスリービング・ステーション、スリーブが容器上の適切な位置に向き付けられるまで、容器の周りに配置されたスリーブの方向付け(すなわち位置)が容器に対して変更される方向付けステーション、ならびにスリーブが容器の周りに装着されるように、容器およびそのスリーブに熱を加えるためのオーブンまたは同様の加熱デバイスに沿って案内される。
【0006】
スリーブは、それ自体が容器上の意図された適切な位置にしっかりと取り付けられることが重要である。例えば、容器に対するスリーブの角度方向が正確であることが重要である。ここでは、本開示の文脈内で、「角度方向」という用語は、容器を移送するために使用されるコンベヤー・ベルトに対して垂直な仮想軸に対して定義される。本開示では、この仮想軸は、容器の「縦軸」と呼ばれることもある。
【0007】
スリーブと容器とを相互に方向付けるためのシステムが知られている。第1のタイプのシステムでは、明確に定義された方向付けを有していると仮定されるスリーブを容器の上に正確に置くことができるように、容器が移動されて、より詳細には、回転されて、容器が位置決めされる。通常、容器が、容器コンベヤー・ユニットのコンベヤー・ベルト上で移送される場合、容器の一番上の面、例えば容器の蓋またはキャップの部分で容器をつかむことができる。スリーブを所定の位置に保持している間、個別の手段を提供して容器を回転させることができる。2つのコンベヤー・ベルトを容器の横に配置して、これらのコンベヤー・ベルトを互いに逆方向に、および/または容器が移送される主コンベヤー・ベルトの速度とは異なる速度で移動させることも同じく可能である。したがって、容器が主コンベヤー・ベルトによって移送されると、2つの互いに逆に配置されたコンベヤー・ベルトによって容器が回転し、したがって容器は、スリーブに対して適切に方向付けられるようになり得る。このタイプのシステムは多くの欠点を有している。例えば、とりわけ、比較的重い容器(例えば既に充填済みの容器)の場合、回転させるべき質量が比較的大きい。容器を回転させるためには場合によっては費用がかかることがあり、および/または容器が転がり落ちる原因になることがあり、したがって達成可能な最大スループットは場合によっては限られている。
【0008】
別のタイプのシステムでは、容器ではなくスリーブが移動され、より詳細には、スリーブを容器に対して方向付けるためにスリーブが容器に対して回転される。このタイプのシステムの一例は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれている欧州特許第3 015 379 A1号に開示されている。この知られているシステムでは、スリーブが容器の周りに配置されると、スリーブを回転させるように構成されるスリーブ方向付けユニットが提供される。スリーブ方向付けユニットは、多数の容器を移送方向に移送するための水平方向のコンベヤー、および移送方向に対して平行な方向に移動可能な2つの直立サイド・コンベヤー・ベルトを備えている。スリーブが容器の周りに配置されると(上記で考察した加熱プロセスによって未だ完全に容器に取り付けられていない)、スリーブは両方のサイド・コンベヤー・ベルトに対して保持され、サイド・コンベヤー・ベルトは、容器とスリーブとの間の角度位置差に応じてスリーブを容器に対して回転させる。スリーブは、吸引ユニットを使用することによってサイド・コンベヤー・ベルトに対して保持することができる。吸引ユニットは、吸引チャンバーに接続された吸引ポンプを備えている。吸引チャンバーは、サイド・コンベヤー・ベルトによって部分的に覆われる開放入口を有しており、したがって支持表面によって覆われていない開放入口の部分を介して吸引力を加えることができる。サイド・コンベヤー・ベルトに打抜き孔が穿たれている例では、同じくベルトのこれらの打抜き孔を介して吸引力を付与することができるようにベルトを配置することができる。
【0009】
欧州特許第3 015 379 A1号のスリーブ方向付けユニットは、高い精度で高速スリービングを可能にするスリービング・システムを提供している。
【0010】
スリーブの回転は、吸引化のタイミング、不安定吸引力、支持コンベヤー・ベルトへのラベルの取り付けの継続期間等の多くの要因によって決まる。これらの要因をより一層正確に制御することができ、それによりスリービング・プロセスの精度がさらに改善されることが望ましい。
【0011】
また、スリービング・プロセス(スリービング・プロセスは、少なくとも、容器の周りにスリーブを(緩く)加えるステップ、スリーブを容器に対して方向付けるステップ、および方向付けられたスリーブを容器に取り付けるステップを含む)の総合速度も同じく様々な要因によって決まる。例えば、速度は、吸引力を変えるために、および、スリーブ方向付けユニットの周りに適切な吸引大気を生成するために必要な時間間隔に依存し得る。また、これは、スリーブの方向付けの精度および/または容器の速やかな移送を可能にするための機会に影響を及ぼし、したがって高速スリービング・プロセスに影響を及ぼすことがある。
【0012】
別の問題は、容器に取り付けられた(熱収縮動作によって)後のスリーブの品質が時によって容器毎に変化することである。スリーブのより一層安定した品質が同じく望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】欧州特許第2 949 451 B1号
【文献】欧州特許第3 015 379 A1号
【文献】NL 2013723 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の一目的は、改良された装置および方法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、スリーブを容器に対して方向付けるための高速かつ高精度の装置および方法を提供すること、ならびに/または容器の周りにスリーブを配置し、方向付けるための高速かつ精度のスリービング・システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の態様によれば、この目的は、移送経路に沿って移送方向に移送されている、管状熱収縮スリーブがその周りに配置された容器に対して、その管状熱収縮スリーブを方向付けるための装置を使用して達成することができ、スリーブは未だ最終的に収縮した状態ではなく、装置は、移送経路の両側に配置された少なくとも1つのスリーブ方向付けユニットを備え、スリーブ方向付けユニットは、
- 移送経路と並んで配置されている、移送方向に沿った所定の長さに沿ってスリーブを支持するように構成されたスリーブ支持コンベヤー・ベルトであって、移送方向に対して平行な1つまたは複数の方向に移動可能であり、複数の打抜き孔を有するスリーブ支持コンベヤー・ベルトと、
- 支持コンベヤー・ベルトの移動を駆動するための少なくとも1つのスリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニットと、
- スリーブを支持コンベヤー・ベルトに対して保持するように構成された吸引ユニットと
を備え、
装置は、スリーブが支持コンベヤー・ベルトに対して保持されている間、スリーブ方向付けユニットの支持コンベヤー・ベルトを移動させることによって、容器とスリーブとの間の角度位置差に応じてスリーブを容器に対して回転させることにより、スリーブを容器に対して方向付けるようにさらに構成され、
吸引ユニットは、吸引ポンプに接続することができる吸引チャンバーを形成するハウジングを備え、前記ハウジングは、支持コンベヤー・ベルトの打抜き孔のうちの1つまたは複数のみを介して吸引力が加えられるように、打抜き孔が穿たれたスリーブ支持コンベヤー・ベルトによって完全に覆われた開放入口を有し、スリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニットは、移送方向に沿って間隔を隔てた第1の回転要素および第2の回転要素を備え、第1の回転要素および第2の回転要素に沿ってスリーブ支持コンベヤー・ベルトが巻かれ、吸引チャンバーの開放入口の移送方向の長さは、第1の回転要素と第2の回転要素との間の距離以下である。
【0017】
本発明者らは、開放入口の長さが第1の回転要素と第2の回転要素の間との距離以下になるように開放入口を構成し、打抜き孔が穿たれた支持コンベヤー・ベルトによって完全に覆われたハウジングの開放入口を有することにより、吸引ユニットによって提供される吸引が、極めて正確な方法で、スリーブ支持コンベヤー・ベルト中の打抜き孔のみを介して加えられることを見出した。本質的に、打抜き孔を通る流れをバイパスする他の吸引流は生成されない。この方法によれば、スリーブをスリーブ支持コンベヤー・ベルトに対して保持するプロセスをより良好に制御することができ、および/または容器の外部表面へのスリーブの位置決めの精度を同じく改善することができる。試験は、この方法で、スリーブが支持コンベヤー・ベルトによって保持される期間のより正確な決定を達成することができることを立証した。これにより、容器に対するスリーブのより一層正確な位置決めがもたらされ得る。
【0018】
容器は、容器コンベヤー・ユニットによって、移送経路に沿って移送方向に移送することができる。容器コンベヤー・ユニットは、容器の底部端を支えて容器を移送方向に移送するようになされたコンベヤー(例えば可動コンベヤー・ベルトを含む)を備えることができる。本開示の実施形態では、容器コンベヤー・ユニットは、容器を支えるようになされた1つのコンベヤーしか有していないが、他の実施形態では、容器コンベヤー・ユニットは、第1の可動コンベヤー・ベルトの上方に配置された、容器の上部端を保持するための他の(第2の)コンベヤー(例えば第2の可動コンベヤー・ベルトを有するコンベヤー)も備えている。後者の実施形態では、容器は、下部コンベヤーと上部コンベヤーとの間に保持されている間、移送方向に移送される。容器コンベヤー・ユニットについてのさらなる詳細は、以下で提供される。
【0019】
容器は、連続方式または断続方式のいずれかで移送方向に沿って移送され、スリーブの方向付けは、移送が停止されている期間の間、または容器が移送方向に移動している間に実施することができる(スリーブを「オン・ザ・フライ」で方向付ける)。装置は、容器とスリーブとの間の、好ましくはコンベヤー・ユニットのコンベヤー・ベルトに対して垂直な軸に対する角度位置差を決定するための決定ユニットをさらに備えることも可能である。例えば角度位置差が下部(第1の)コンベヤーのコンベヤー・ベルトの軸に対して決定される場合、角度方向は、コンベヤー・ベルトの平らな上部表面に対して垂直な軸に対して定義することができる。しかしながら、角度方向は、別の軸に対して定義することも可能であり、例えば上部コンベヤーのコンベヤー・ベルトの平らな下部表面に対して、または容器の周りに緩く配置するために下もしくは上に向かって放出されるスリーブの縦軸に対して定義することも可能である。
【0020】
容器に対するスリーブの方向付けに先立って、熱収縮スリーブが容器の周りにごく緩やかに配置され、スリーブはこの時点では未だ最終的に収縮した状態ではない。いくつかの適用では、それにもかかわらずスリーブを幾分か容器に取り付けることができ、これは、スリーブを一時的に、すなわち移送中に所定の位置に維持するためにスリーブの小さい部分が収縮している場合を含む。この状況においては、本発明に従ってスリーブを容器に対して方向付けるプロセスは、スリーブと容器との間の取り付けを破壊する。次いで、スリーブが容器に対して適切に方向付けられると、例えばオーブンまたはヒート・トンネル中でスリーブを熱収縮させることによって、スリーブを最終的に容器に取り付けることができる。
【0021】
一実施形態では、吸引口と接触するスリーブ支持コンベヤー・ベルトは、移送経路に対して平行に形成される直線部分を有している。直線部分(の長さ)は、開放入口の長さに対応している。
【0022】
本開示の他の実施形態では、吸引チャンバーの開放入口は、吸引口によって形成される。吸引口は、本質的に長方形の断面形状を有している。代替的にまたは付加的に、吸引口は、吸引口に沿って移送されるスリーブ支持コンベヤー・ベルトと接触するように構成され、または吸引口に沿ってスリーブ支持コンベヤー・ベルトを少なくとも案内するように構成された円周方向の自由縁を有することも可能である。この方法によれば、スリーブ支持ベルト中の打抜き孔以外の他の開口を介して吸引ユニットによって吸引される空気流の危険が低減される。
【0023】
特定の実施形態では、ハウジングは、第1の回転要素と第2の回転要素との間の距離が、第1の回転要素の回転の軸と第2の回転要素の回転の軸の間の縦方向の距離になるように構成される。この方法によれば、吸引ユニットがスリーブを支持コンベヤー・ベルトに対して保持する明確に定義された保持期間を決定することができる。保持期間をより高い精度で決定することができる場合、容器壁のスリーブの適切な最終位置を得るためのスリーブの回転もより良好に制御された方法で実施することができ、したがってスリーブの位置決めを改善することができる。
【0024】
本発明の一実施形態では、装置は、決定された角度位置差に基づいて、少なくとも1つのスリーブ方向付けユニットのスリーブ支持コンベヤー・ベルトが移動する速度を決定し、ならびに/またはスリーブが少なくとも1つのスリーブ方向付けユニットの少なくとも1つの支持コンベヤー・ベルトに対して保持される保持時間を決定し、決定された保持時間および/もしくは速度を使用して、少なくとも1つの吸引ユニットおよび/もしくは少なくとも1つのスリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニットを制御するように構成された制御ユニットを備えている。
【0025】
本発明の別の態様によれば、移送経路に沿って移送方向に移送されている、管状熱収縮スリーブがその周りに配置された容器に対して、その管状熱収縮スリーブを方向付けるための装置が提供される。装置は、
容器を移送経路に沿って移送するための容器コンベヤー・ユニットと、
容器とスリーブとの間の角度位置差を決定するための決定ユニットと、
移送経路の両側に配置された少なくとも1つのスリーブ方向付けユニットであって、
- 移送経路と並んで配置されている、移送方向に沿った所定の長さに沿ってスリーブを支持するように構成されたスリーブ支持コンベヤー・ベルトであって、移送方向に対して平行な1つまたは複数の方向に移動可能であり、複数の打抜き孔を有するスリーブ支持コンベヤー・ベルト、
- 支持コンベヤー・ベルトの移動を駆動するためのスリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニット、
- スリーブをスリーブ支持コンベヤー・ベルトに対して保持するように構成された吸引ユニット
を備える、少なくとも1つのスリーブ方向付けユニットと
を備えることができ、
装置は、スリーブが少なくとも1つの支持コンベヤー・ベルトに対して保持されている間、少なくとも1つのスリーブ方向付けユニットの少なくとも1つの支持コンベヤー・ベルトを移動させることによって、容器とスリーブとの間の角度位置差に応じてスリーブを容器に対して回転させることにより、スリーブを容器に対して方向付けるようにさらに構成され、
コンベヤー・ユニットは、
容器の底部端を支えて容器を移送方向に移送するようになされた第1の可動コンベヤー・ベルトを有する第1のコンベヤー、
第1の可動コンベヤー・ベルトの上方に配置された、容器の上部端を保持するための第2の可動コンベヤー・ベルトを有する第2のコンベヤー、
第1のコンベヤーおよび第2のコンベヤーを駆動するためのコンベヤー・ドライブであって、第1の可動コンベヤー・ベルトおよび第2の可動コンベヤー・ベルトを同じ速度で移動させるように構成されるコンベヤー・ドライブ
を備えている。
【0026】
容器をコンベヤー・ユニット上で移送することにより、容器の上部端および容器の底部端の両方が同時に移送され、スリーブ方向付け動作の精度を改善することができる。スリーブを方向付けしている間、容器が転がり落ちる危険、またはコンベヤー・ユニット上のその位置からシフトする危険を低減することができ、移送動作全体にわたって、コンベヤー・ユニット上の容器の厳密な位置をより良好に制御することができる。
【0027】
上記で考察したように、スリーブ方向付けユニットは、スリーブが支持表面に対して保持されている間、支持表面を移動させることにより、決定ユニットによって決定された容器とスリーブとの間の角度位置差に応じて、スリーブを容器に対して回転させるように構成される。動作中、スリーブは1つまたは複数のスリーブ支持コンベヤー・ベルトに対して保持されることになり、一方、容器は、通常、支持表面に接触しない。さらに、スリーブは、移送方向に沿って、容器とは異なる速度で移動することができる。速度のこの相違のため、容器は、ある時点で、容器の前面または背面のいずれかでスリーブに当たることになる。スリーブがその時点で、またはその直前に解放されると、スリーブは、容器の周りの、容器に対する角度位置が変化した位置へ戻ることになる。角度位置が変化する量は、スリーブが支持表面に対して保持される保持時間、および/または支持表面の速度を変えることによって決定することができる。何らかのスリーブ支持コンベヤー・ベルトを全く移動させないことも同じく可能であり、その場合、スリーブ支持コンベヤー・ベルトとコンベヤー・ベルトの間の大きい速度差のため、保持時間は比較的短い。
【0028】
別の態様によれば、管状熱収縮スリーブを容器に対して方向付けるための装置が提供され、装置は、移送経路に沿って容器を移送するための容器コンベヤー・ユニットを備え、容器コンベヤー・ユニットは、
- 少なくとも1つの容器の底部端を支えて容器を移送方向に移送するようになされた、打抜き孔が穿たれた可動コンベヤー・ベルトを有するコンベヤーと、
- 打抜き孔が穿たれた可動コンベヤー・ベルト中の打抜き孔の下方に配置された吸引要素、および吸引要素に接続された吸引ポンプを備えた吸引システムと
を備え、打抜き孔は、少なくとも1つの容器の底部端に下向きの吸引力を加えるために、打抜き孔が穿たれた可動コンベヤー・ベルトに沿って縦方向に分散されている。
【0029】
この装置は、軽い容器を取り扱うためにとりわけ適しており、および/またはラベル幅の直径が小さい場合にとりわけ適している。言い換えると、コンベヤーは、スリーブの内側の円周が容器の外側の円周に比較的近い状況においてとりわけ良好に動作する。
【0030】
好ましい実施形態では、吸引要素は吸引ボックスを備えている。吸引ボックスは、方向付けユニットと並んで配置することができる。2つまたはそれ以上の方向付けユニットが利用される実施形態では、吸引ボックスはスリーブ方向付けユニット間に配置することができる。吸引ボックスは、スリーブ方向付けユニットの上流側の位置からスリーブ方向付けユニットの下流側の位置まで延在している静止ボックスであってもよい。これは、容器コンベヤー・ユニット上で移送されている容器のスリーブが方向付けユニットのうちの1つまたは複数によって方向付けられる場合、容器は、吸引ボックスの内部の吸引(すなわち低い圧力)によって生成される下向きの吸引力によって容器コンベヤー・ベルトに堅固に保持されることを意味している。特定の実施形態では、吸引ボックスは、吸引作用を容器コンベヤー・ベルト中の打抜き孔が吸引ボックスを通過する領域に限定するために、打抜き孔が穿たれた可動コンベヤー・ベルト中の打抜き孔の下方を延在している細長い上部開口を有している。
【0031】
他の実施形態では、打抜き孔は、移送方向に延在している打抜き孔のアレイで配置されている。アレイは、1行の打抜き孔からなっていてもよいが、複数の打抜き孔を含むことも可能であり、例えば複数の平行な行の打抜き孔を含むことも可能である。打抜き孔のアレイは、容器コンベヤー・ベルトの中心線に沿って延在することができ、したがって容器コンベヤー・ベルトの中央に容器を保持することができる。
【0032】
さらに、連続する打抜き孔の間の縦方向の相互距離は、断面における容器の最小寸法より短くすることができる。これは、コンベヤー・ベルト上の任意の縦方向の位置に配置された容器の底部端が少なくとも1つの打抜き孔によって必ず容器ベルト上に保持されることを保証する。第2の容器コンベヤー・ベルトが第1の容器コンベヤー・ベルトの上方に利用される他の実施形態では、他の吸引システムを提供して、上向きの吸引力によって上部容器端で容器を追加保持することができる。
【0033】
本開示の実施形態では、スリーブが取り付けられた容器の外部表面に水を供給し、それによりスリーブを容器外部表面の一部に粘着させるための水供給デバイスが提供される。水の供給は、スリーブが取り付けられた容器に向かって噴霧される水滴の形態であることが好ましい。水滴は比較的小さく、また、容器外部表面の少なくとも一部にわたって多少なりとも一様に分散することができ、したがって容器外部表面の「粘着性」部分が生成される。さらに、水(水滴)を噴霧することにより、システムを高速で動作させることができる。水供給デバイスは、この場合、スリーブが取り付けられた容器のスリーブと容器外部表面との間の隙間に水滴を提供するために、スリーブが取り付けられた容器に向かって水を噴霧するように構成された水噴霧デバイスであってもよい。しかしながら他のタイプの水供給デバイスを使用することも同じく可能であり、例えば1つまたは複数の濡れたブラシ、例えば回転円形ブラシが利用される水供給デバイス、濡れたスポンジ、スリーブの内側および/または容器の外側に水滴を加えるための水滴下ユニットを使用することができる。
【0034】
スリーブを方向付ける可能性、したがってスリーブを容器に対して移動させる可能性を保証するためには、水は、方向付けプロセスが完了した後にのみ容器に加えなければならない。したがって本開示の実施形態では、水噴霧デバイスは、少なくとも1つのスリーブ方向付けユニットの軸方向の位置、または少なくとも1つのスリーブ方向付けユニットの下流側に配置される。第1の位置では、水噴霧デバイスは、方向付けユニットがその方向付けタスクを完了した後にのみ水を噴霧するように制御しなければならず、後者の状況では、当然、スリーブは既に方向付けされている。水噴霧デバイス、より詳細にはそのノズルの高さ位置に関しては、水噴霧デバイスは、スリーブが取り付けられた容器の位置の方向に上向きまたは下向きに水を噴霧する位置に配置しなければならない。これは、水噴霧デバイスは、容器の底より低い高さ、または容器の頂部より高い高さに位置決めしなければならないことを意味している。ノズルは、重力の影響で容器外部表面を伝って下に向かって移動する水滴がスリーブと容器表面の間の隙間に入るよう、容器頂部より上に配置されることが好ましい。
【0035】
水噴霧デバイスは、容器に向かって水を噴霧するための単一のノズルを備えることができる。他の実施形態では、水噴霧デバイスは、異なる位置から容器に向かって水を噴霧するように配置された複数のノズルを備えている。ノズルは、適切な噴霧パターンが容器外部表面に達成されるよう、また、スリーブの位置決めの信頼性を高くするために、スリーブが取り付けられた容器の周囲に対して等距離の位置に一様に分散させることができる。
【0036】
様々な状況では、容器コンベヤーによって移送される容器は、容器コンベヤーに対して一定の方向付けで保持することができ(例えば容器コンベヤーのコンベヤー・ベルト上の一定の位置に保持することができ)、容器の方向付けは分かっている。方向付けは、静止案内要素であって、容器が該案内要素に沿って通過する際に、運ばれている容器が容器コンベヤーに対して、一定の相互に整列した方向付けに移動される方法で容器の外部表面と係合するように位置決めされる静止案内要素を利用して演繹的に知ることができる。しかしながらこのような一定の整列した方向付けは、例えば容器が円形の断面を有している状況では実現が困難である状況が存在し得る。これは、とりわけ、適切な取り付け位置に影響を及ぼし得るヒンジ・キャップなどの外部特徴を容器が備えている場合に、容器の周りのスリーブの適切な取り付け位置の識別に問題をもたらし得る。
【0037】
したがって、本開示の実施形態では、容器とスリーブとの間の角度位置差を決定するための決定ユニットを備えた装置は、
- 容器の角度位置を検出し、また、スリーブの角度位置を検出するように構成された検出ユニットと、
- 容器およびスリーブの検出された角度位置に基づいて、スリーブを容器に対して適切に方向付けるために、スリーブを回転させる距離を決定し、好ましくはスリーブを回転させる回転方向も決定するように構成された距離決定ユニットと、
- 決定された距離にわたって、好ましくは決定された距離にわたって決定された方向に、スリーブを回転させるために、少なくとも1つの方向付けユニットを制御するように構成された制御ユニットと
を備えた、少なくとも1つの決定ユニットを有することができる。
【0038】
これらの実施形態では、距離は、スリーブの方向付け(例えばスリーブ方向付け識別特徴の位置によって決定される)に基づいているばかりでなく、容器自体の方向付け(例えば容器方向付け識別特徴の位置によって決定される)に同じく基づいている。距離は、容器の外部表面にわたって(回転によって)適切な方向付けに到達するまでスリーブが移動される長さであってもよく、したがってスリーブを容器に対して適切に回転させるためにスリーブ支持ベルトが進行しなければならない距離に対応している。
【0039】
本開示の実施形態では、検出ユニットは、
- 容器の角度位置を検出するようになされた第1の検出器と、
- スリーブの角度位置を検出するようになされた第2の検出器と
を備えている。
【0040】
第1の検出器は、スリーブが取り付けられた容器の画像を容器の上方または下方の位置から捕獲するように配置された(第1の)カメラであってもよく、および/または第2の検出器は、スリーブが取り付けられた容器の画像をスリーブが取り付けられた容器の横側の位置から捕獲するように配置された(第2の)カメラであってもよい。第1のカメラの捕獲画像を使用して、容器の上に提供されたヒンジ・キャップのヒンジなどの容器方向付け識別特徴の位置を決定することができ、一方、第2のカメラの捕獲画像を使用して、スリーブ方向付け識別特徴の位置を決定することができる。
【0041】
距離決定ユニットは、容器およびスリーブの両方の角度位置に基づいて、および、容器円周情報に基づいて距離を計算するようにさらに構成することができる。容器円周情報は容器円周を表しており、より詳細には、決定された角度位置と、容器の外部表面上の対応する距離の間の関係を表している。円形の断面を有する容器の場合、距離(d)は、後で説明されるように、d=pi*容器の直径*(角度位置/360における差)として計算することができる。容器の直径は、例えば距離決定ユニットに予め記憶されたものであってもよい。代替的にまたは付加的に、容器の直径は、カメラ(すなわち上述した第1のカメラ)によって捕獲された画像から決定することも可能である。
【0042】
別の態様によれば、複数の容器にスリーブを取り付けるためのスリービング・システムが提供され、スリービング・システムは、
- 容器の周りにスリーブを配置するためのスリービング・デバイスと、
- 管状熱収縮スリーブを本明細書において定義されているように容器に対して方向付けるための装置と、
- 熱収縮によってスリーブを容器に完全に取り付けるために、スリーブが取り付けられた容器に熱を加えるための加熱ユニットと
を備えている。
【0043】
スリービング・システムは、スリービング・デバイスとスリーブを方向付けるための装置との間に配置された1つまたは複数の支持要素を備えることができ、支持要素は、スリーブが取り付けられた容器のスリーブを支持するために、容器コンベヤーと並んで配置される。
【0044】
本発明の他の特徴は、本発明の様々な好ましい実施形態についての以下の説明の中で明らかになるであろう。以下の説明では、添付の図が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】多数の容器にスリーブを取り付けるためのシステムであって、管状熱収縮スリーブを容器に対して方向付けるための装置の一実施形態を含むシステムの概略概要図である。
【
図2】管状熱収縮スリーブを容器に対して方向付けるための装置の一実施形態の概略概要図である。
【
図3】スリーブ方向付けユニットの一実施形態の、一部が取り除かれた図である。
【
図4A】例示的スリービング動作の様々なステージを示す図である。
【
図4B】例示的スリービング動作の様々なステージを示す図である。
【
図4C】例示的スリービング動作の様々なステージを示す図である。
【
図4D】例示的スリービング動作の様々なステージを示す図である。
【
図4E】例示的スリービング動作の様々なステージを示す図である。
【
図4F】例示的スリービング動作の様々なステージを示す図である。
【
図5】管状熱収縮スリーブを容器に対して方向付けるための装置の他の実施形態の、一部が取り除かれた図である。
【
図6】管状熱収縮スリーブを容器に対して方向付けるための装置のさらに他の実施形態の、一部が取り除かれた上面図である。
【
図8A】容器およびスリービング・システム1の一部を含む、容器に水を加えるための水噴霧デバイスの一実施形態の、移送方向(PT)に沿った側面図である。
【
図8B】
図8Aの水噴霧デバイスの容器の移送方向に対して垂直な同様の図である。
【
図9】
図8A~
図8Cの水噴霧デバイスの実施形態を含むスリービング・システムの概略概要図である。
【
図10A】容器の方向付けおよび容器の周りに配置されたスリーブの方向付けを検出するための検出システムの側面図である。
【
図11】
図10A~
図10Cに示されている検出システムの実施形態を含むスリービング・システムの概略概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下の説明では、説明を目的として、本発明についての完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明は、これらの特定の詳細がなくても実践することができることは明らかであろう。他の実施例では、本発明を不必要に曖昧にしないために、周知の構造およびデバイスについては、網羅的に詳細には説明されていない。
【0047】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されているように、単数形の表現「a」、「an」および「the」は、文脈が単数形であることを明確に示していない限り、複数の対象を含むことに留意されたい。さらに、特許請求の範囲は、任意選択要素を排除するように起案されていることがあることに留意されたい。したがって、本陳述は、請求項の要素の記載に関連して、「もっぱら」、「のみ」等のそのような排他的用語の使用、または「否定的な」限定の使用に対する先行する記載としての役割を果たすように意図されている。
【0048】
本開示を読めば当業者には明らかになるように、本明細書において説明され、かつ、示されている個々の実施形態の各々は、本発明の範囲から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちの任意の実施形態の特徴から容易に分離し、または組み合わせることができる離散要素、構成要素および特徴を有している。記載されている任意の方法は、記載されている事象の順序で実施することも、または論理的に可能である他の任意の順序で実施することも可能である。
【0049】
図1は、スリーブ状ラベル(本明細書においてはスリーブとも呼ばれている)を1列の容器に取り付けるためのスリービング・システムの例の概略概要図を示したものである。スリービング・システム1は、容器コンベヤー・ユニット6のコンベヤー上で進行している容器3の周りにスリーブを配置するためのスリービング(ラベリング)デバイス2を備えている。容器3は、任意のタイプのコンベヤー、例えば
図1に示されている被駆動エンドレス・コンベヤー・ベルト7上で支持することができる。スリーブは、箔ストック9の中に提供されている箔ロール8上に準備されている箔材料からなっている。箔材料10は、箔ストック9から箔バッファ11へ供給される(ステップS1)、平らに伸ばされた、好ましくは熱収縮タイプの管状箔材料によって形成することができる。バッファ11は、例えば平らに伸ばされた管状箔材料の連続給送12を静止展開ユニット13に提供するために、ロール8を新しいロールの材料に交換しなければならない場合に、箔材料の一時保存(ステップS2)を許容する。展開ユニット13はフレーム14に装着されており、より詳細にはいくつかのセットの駆動ホイールによって支持されている。
図1には駆動ホイール15の1つのセットしか示されていない。展開ユニット13は細長いマンドレル16を備えている。マンドレル内の凹所には、第1のセットの互いに対向しているホイールまたはローラ17、および第2のセットの互いに対向しているホイールまたはローラ18が提供されている。マンドレルは、フレーム上、例えばフレームの駆動ホイール15上に支持されている。
【0050】
平らに伸ばされた箔材料10は、マンドレル16の上部先端20を使用して開かれる(ステップS3)。先端はマンドレル16の入口側を形成しており、下流側の方向(方向Pd)に広がる平らな要素として構成されている。マンドレルの次の部分は、箔材料を下流側にさらに移動させ(ステップS4)、開いた箔材料を切断ユニット21を使用して個々のスリーブに切断することによって個々のスリーブを形成し、また、コンベヤー・ベルト7上で通過する容器3に向かって(下流側の方向19に)個々のスリーブを放出する、より詳細には容器3の周りにスリーブを緩く配置するためにスリーブを下に向かって連続的に発射することによって放出する(ステップS5)ように構成された多数のマンドレル要素によって形成されている。
【0051】
スリーブ22は、切断され、また、容器コンベヤー・ユニット6によって支持され、かつ、移送方向PTに運搬されている(S6)容器3の上に発射される。容器コンベヤー・ユニット6は、スリーブが取り付けられた容器3を移送方向に、スリーブをスリーブが取り付けられた容器3に対して方向付けるための装置30の中へさらに移送し、次に、加熱ユニット5の中、例えば蒸気オーブン、トンネル形熱風オーブンの中、および/またはスリーブが取り付けられた容器に赤外光を照射するための照射ユニットの中へさらに移送する。加熱ユニット5が蒸気オーブンである場合、蒸気が容器の周りに配置されたスリーブを加熱して、スリーブを容器の周りに収縮させる(ステップS7)ことになり、それによりスリーブは完全に容器に取り付けられるようになる。後続するステップで他の動作を実施することができ、例えば乾燥プロセスを実施することができる。
【0052】
図2は、方向付けユニット33の一実施形態をより詳細に示したものである。この図は、容器3を参照番号51によって示されている移送経路に沿って矢印P
Tによって示されている移送方向に移送するための容器コンベヤー・ユニット6の可動コンベヤー・ベルト7の上面図を示している。示されている実施形態では、スリーブ方向付けユニット33は、コンベヤー・ベルト7の両側に配置されている。他の実施形態では、コンベヤー・ベルト7の2つの側のうちの一方の側に配置された1つのスリーブ方向付けユニット33のみが提供され、または3つ以上のスリーブ方向付けユニットが提供される。スリーブ方向付けユニット33の一実施形態の斜視図は
図3に示されている。ユニット33は、ホイール/ローラ35の周りに巻かれるスリーブ支持コンベヤー・ベルト34の形態の支持表面を備えている。これらのホイール/ローラのうちの1つは、スリーブ支持コンベヤー・ベルト34を駆動する駆動ホイール/ローラ35である。このホイール/ローラ35はスリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニット36によって制御される。個々のスリーブ方向付けユニット33は、矢印38によって示されている吸引力を加える吸引ユニット37をさらに備えている。吸引ユニット37およびスリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニット36はいずれも制御ユニット39に接続されている。制御ユニット39は、スリーブが容器の周りに配置されると、そのすぐ後に、容器とスリーブとの間の角度位置差を決定するように構成される決定ユニットから入力を受け取る。決定ユニットは、スリーブ方向付けユニット33の上流側に配置され、位置決めされた、容器の周りに配置されたスリーブの表面の印刷画像を検出するための光学カメラ40を備えることができる。任意選択で、スリーブがスリーブ方向付けユニットによって方向付けされ、または配置し直された後に、容器とスリーブとの間の角度位置差を決定するように構成される他の決定ユニットを提供することも可能である。他の決定ユニットの例として、光学カメラ41をスリーブ方向付けユニット33の下流側に配置することができる。この下流側のカメラ41を使用して、スリーブ方向付けユニット33によって実施された方向付け動作の結果を検証し、および/または後で説明されるように制御ユニット39の自己学習動作を促進することができる。
【0053】
しかしながら光学カメラは可能検出器の例にすぎない。他の検出手段を同様に適用して、容器および/またはスリーブの上面、側面または底面から角度位置または角度位置差を検出することも可能である。例えばレーザ走査技法を使用して、側面からの容器の走査によって容器上の突起またはくぼみを検出することができ、前面または背面からの走査も可能である。
【0054】
任意選択で装置30は、制御ユニット39の計算結果を検査するように構成される制御モニタ50を備える。
【0055】
決定ユニットは、スリーブ方向付けユニットの上流側に位置決めされた、好ましくはコンベヤー・ベルトに対して垂直な軸に対するスリーブの角度位置を検出するように構成されたカメラ40を備えることができる。例えば光学カメラは、スリーブの現在の方向付けを決定することができるスリーブ方向付け識別特徴を検出するように構成することができる。スリーブ方向付け識別特徴の例は、折畳み線、継目、印刷画像、デザイン、識別可能な基準点等、または他の物理的構造であり、これらはすべて、スリーブの角度位置を決定するのに適している。より詳細には、スリーブは、スリーブ上の印刷画像中の領域または特徴などの識別可能な第1の基準点を備えることができる。第1の検出器は、第1の基準点を識別することにより、好ましくはコンベヤー・ベルトに対して垂直な軸に対するスリーブの角度位置を検出するように構成することができる。
【0056】
スリーブの角度位置は、識別された第1の基準点を第1の基準画像中の対応する第1の基準点に対して比較することによって決定することができ、第1の基準画像および/またはその第1の基準画像中の第1の基準点と結合した角度位置が分かる。例として、光学カメラ40を使用して、容器の周りに配置されているスリーブの画像を記録することができる。記録された画像は、第1の基準画像と比較することができる。基準画像は、スリーブ上に印刷されている画像に対応し得る。基準画像は、スリーブの特定の角度位置にさらに対応し得る。この場合、スリーブ位置は、物理的スリーブ自体の位置の代わりに、スリーブ上の印刷画像の位置を意味する。基準画像は、分かっている、スリーブ上の印刷画像の特定の位置に対応する。基準画像と記録されている画像を比較することにより、画像間の偏位、例えばシフトまたは回転を決定することができ、また、この偏位から、スリーブの角度位置、例えばスリーブ上の印刷画像の角度位置を決定することができる。偏位を決定するために、画像整合技法を使用することができる。そのために、画像中の特徴または特定の領域を識別することができる。例として、基準画像中の特定の特徴の位置、例えば特定の色パッチの中心領域を、記録されている画像中のこの同じ特徴の位置に対して比較することができ、その逆についても同様である。他の実施形態では、偏位の計算の精度を改善するために、基準画像中の特徴の2つまたはそれ以上の位置を、2つまたはそれ以上の検出された位置、すなわち記録されている画像中の位置に対して比較することができる。
【0057】
容器3は、物理的構造、例えば凹所または突起などの識別可能な第2の基準点を備えることができ、カメラ40は、第1の識別可能な基準点と第2の識別可能な基準点の間の距離から角度位置差を決定するように構成される。したがってスリーブおよび容器の両方の単一の記録された画像から角度位置差を決定することができる。代替的に、容器の角度位置は、既知の値を有しているか、または決定ユニットおよびスリーブ方向付けユニットの上流側で既知の値に設定されており、角度位置差は、決定ユニットまたは制御ユニットによって、スリーブの検出された角度位置を既知の値と比較することによって決定される。この場合、この値は分かっているため、容器の角度位置を決定する必要はない。
【0058】
動作中、制御ユニット39は、決定ユニットからの情報に基づく複数の制御パラメータを使用してスリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニット36を制御することができる。例えば支持表面は、スリーブを方向付けしている間、明確に定義された速度で移動するように構成される。このような場合、関連するパラメータは、支持表面の速度および/またはスリーブがこの支持表面に対して保持される保持時間のみであってもよい。しかしながらいくつかの状況では、速度と速度の間で支持表面が加速または減速し得るため、速度は一定ではない。したがって加速定数または減速定数、または支持表面の速度が変化する時間、ならびに開始速度および終了速度も同じく制御パラメータを形成し得る。
【0059】
制御ユニット39は自己学習することができる。例えば制御ユニット39は、スリーブ方向付けユニット33の下流側の他の角度位置差を記録する光学カメラ41からの入力を使用することができる。他の角度位置差の決定は、スリーブ方向付けユニット33の上流側の角度位置差の決定と同様に実施することができる。制御ユニットは、上流側角度位置差、この差を修正するために使用される制御パラメータ、および結果として得られる下流側角度位置差の間の、ルックアップ・テーブルなどの相関を決定することができる。相関は、角度位置差を許容可能なレベルまで小さくするために、制御ユニット39による適切な制御パラメータの選択を可能にしなければならない。
【0060】
スリーブ方向付けユニット33は、
図2の一部が取り除かれた図により詳細に示されている。スリーブ方向付けユニット33は、横たわる位置(例えば水平位置)に配置されるコンベヤー・ベルト7に対して直立位置(例えば垂直位置)に配置される、打抜き孔が穿たれたスリーブ支持コンベヤー・ベルト34を備えている。打抜き孔が穿たれたスリーブ支持コンベヤー・ベルト34は、3つの回転可能要素、この実施形態では3つのホイールおよび/またはローラ35の周りに装着されている。3つのホイール/ローラ35のうちの少なくとも1つは、スリーブ支持コンベヤー・ベルト駆動ユニット(図示せず)によって駆動することができ、例えば電動機がホイール/ローラの回転駆動軸65を駆動する。ホイール/ローラ35は、2つの互いに逆の回転方向60(時計回り方向および反時計回り方向)に回転することができ、したがって打抜き孔が穿たれたスリーブ支持コンベヤー・ベルト34をコンベヤー・ベルト7の移送方向P
Tに対応する前方方向62に移動させ、または後方方向63に移動させる。ホイール/ローラのうちの2つはコンベヤー・ベルト7と並んで位置決めされており、また、コンベヤー・ベルト7の移送方向P
Tと整列されている。より詳細には
図3は直線部分64を示しており、打抜き孔が穿たれたスリーブ支持コンベヤー・ベルト34は、横たわっているコンベヤー・ベルト7と平行に走っている。この直線部分64は、スリーブ支持コンベヤー・ベルト34が、移送方向P
Tに対して平行な前方方向または後方方向に移動する際に、移送方向に沿った所定の長さに沿ってスリーブ22を支持することができる。
【0061】
打抜き孔が穿たれたスリーブ支持コンベヤー・ベルト34は、細長い中央ベルト部分66、細長い上部縁部分67および細長い下部縁部分68によって形成されている。打抜き孔が穿たれたスリーブ支持コンベヤー・ベルト34は、細長い縁部分上のホイール/ローラ35の各々と係合する。より詳細には、細長い上部縁部分67はホイール/ローラ35の上部円板69と係合し、一方、細長い下部縁部分68はホイール/ローラ35の下部円板70と係合する。細長い中央ベルト部分66は、その表面にわたって一様に分散されていることが好ましい複数の打抜き孔72を備えている。
【0062】
また、スリーブ方向付けユニット33は、以下で説明されるように、スリーブ22を支持コンベヤー・ベルト34に対して保持するように構成された吸引ユニット37を同じく備えている。吸引ユニット37は、吐出コンジット77を介して吸引ポンプ76(
図1に概略的に示されている)に接続することができる吸引チャンバーを形成しているハウジング75を備えている。ハウジング75は、吸引口を形成している開放入口80を有している。入口80は、断面の形が概ね長方形で、容器の移送方向P
Tに対して平行に延在している。ハウジング75の入口80は、上部壁部分81、下部壁部分82、近位壁部分83および遠位壁部分84によって形成することができる。壁部分81~84は、入口80の開放端の周りの円周方向の縁を形成している。円周方向の縁は、吸引口に沿って移送されるスリーブ支持コンベヤー・ベルトと接触するように構成することができる。
【0063】
開放入口80の高さ(h)、すなわち近位壁部分および遠位壁部分83、84の高さは、本質的に細長い中央ベルト部分66の高さに対応し得る。したがって入口80は、スリーブ支持コンベヤー・ベルト34の細長い中央ベルト部分66によって完全に覆われる。より詳細には、打抜き孔72は細長い中央ベルト部分66にのみ存在し、細長い上部縁部分もしくは細長い下部縁部分67、68には存在しないため、また、さらには入口80と対向しているスリーブ支持コンベヤー・ベルト34の内側は、壁81~84によって形成された円周方向の縁と接触しているか、または少なくとも壁81~84に近接しているため、ベルト34が入口80に沿って移動していると、吸引ユニット37は、矢印85によって示されているように、スリーブ支持コンベヤー・ベルト34の細長い中央ベルト部分66の打抜き孔を介して大気のみを受け取る。これは、スリーブをスリーブ支持コンベヤー・ベルト34に対して保持することができる吸引力は、吸引チャンバーの長方形の入口80の前面に一時的に存在する打抜き孔を介してのみ加えられることを意味している。
【0064】
図3を参照すると、吸引チャンバーの開放入口80の長さ(l)、すなわち入口の近位壁部分と遠位壁部分の間の移送方向のその寸法は、本開示の実施形態では、第1の回転要素と第2の回転要素との間の距離以下にすることができる。言い換えると、開放入口80の長さ(l)は、直線部分64の長さに対応するように選択することができる(直線部分64は、打抜き孔が穿たれたスリーブ支持コンベヤー・ベルト34が、横たわっているコンベヤー・ベルト7に対して平行に走っている領域である)。この方法によれば、利用可能な空間を最大限に利用して適切な吸引長さを達成することができ、また、それと同時に、吸引領域と非吸引領域の間の移行が明確に画定され、したがって吸引動作を制御された方法で実施することができる。
【0065】
次に、装置の動作について、
図4A~
図4Fを参照して説明する。これらの図は、移送方向P
Tにおける仮想移送経路上で1列の容器3を運んでいる、
図1および
図2に示されている容器コンベヤー・ベルト7を示す上面図である。第1のスリーブ方向付けユニットおよび第2のスリーブ方向付けユニット90、91は、移送経路の両側に配置されている。スリーブ方向付けユニット90、91は、移送経路と並んで配置されたそれぞれのスリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94を備えている。個々の方向付けユニットは、移送方向に沿った所定の長さに沿ってスリーブを支持するように構成されている。所定の長さは、スリーブ方向付けユニット90、91の入口103の近位壁部分95と遠位壁部分96の間の距離に対応している。図では、スリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94の移動方向は、後で説明されるように矢印99、100によって示されている。さらに、矢印97、98は、吸引ユニットの各々によって生成される吸引力は、横方向に外向きで、かつ、互いに逆方向であることを示している。また、図は、容器3の各々は、その外部表面の周りに(緩く)配置されたスリーブ22を有していることを同じく示している。スリーブは、2つの異なるマーカー、すなわちマーカーAおよびマーカーBを備えている。
【0066】
図4Aには開始位置が示されており、容器3’は、容器コンベヤー・ベルト7によって、容器3’の中心がスリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94の両方の真っすぐな表面の近位壁部分(図の左端)の間に整列されると、スリーブが最初にスリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94に取り付けられる位置へ移送されている。スリーブ支持コンベヤー・ベルト93は反時計回り方向99に移動され、一方、スリーブ支持コンベヤー・ベルト94は時計回り方向100に移動される。スリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94の各々の直線部分の移動速度は、容器コンベヤー・ベルト7の速度に対応するように選択することができる。
【0067】
少し時間が経過すると(
図4Bに示されているように)、容器は、移送方向にある距離だけ進行している。スリーブ・コンベヤー・ベルト93の移動方向が反転され、一方、他のスリーブ・コンベヤー・ベルト94の移動方向は維持される。この場合、それぞれのマーカーAおよびBのシフトした位置から分かるように、スリーブ22の方向付けが移動する、すなわち容器コンベヤー・ベルト7の上部表面に対して垂直な仮想軸の周りに回転することになる。スリーブを容器3に対して回転させる場合、容器3自体の回転位置は変更されない。容器に対するスリーブ22の回転は、マーカーAおよびBが適切な位置に到達するまで継続される(
図4C~
図4E)(例えばそれらの元の方向付けに対して180度にわたって回転され、他の例では回転は任意の角度にわたり得る)。スリーブ22は、その最終位置で、
図4E/4Fに示されているように、容器3’の中心が遠位壁部分(右端)96と、支持コンベヤー・ベルトの真っすぐな表面との間に整列されると、最終的に容器3’から解放される。
【0068】
既に言及したように、吸引力は本質的に一定であり、また、連続的に、かつ、吸引力の方向を容器の移送方向PTに対して直角にしている、スリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94の打抜き孔72のみを介して加えられる。これは、スリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94に取り付けられるスリーブの期間が容易に決定され、また、方向付けが正確に制御されることを意味している。さらに、個々のスリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94を同じ方向または逆方向に移動させることも可能であり、それによりスリーブ方向付けをより速やかに完了することができる。
【0069】
図5は、装置112の他の実施形態を示したものである。装置112は、1つまたは複数の容器113の底部端を支えて容器を移送方向に移送するようになされた第1の可動コンベヤー・ベルト7を有する(第1の)容器コンベヤーを含む容器コンベヤー・ユニット6を備えているだけでなく、第1の容器コンベヤーの上方に置かれ、かつ、容器113の上部端を保持するようになされた第2の可動コンベヤー・ベルト117を有する第2の容器コンベヤー115を同じく備えている。また、図は、第2のコンベヤーを駆動するためのコンベヤー・ドライブ116を同じく示している。下部コンベヤーのコンベヤー・ドライブおよび上部コンベヤーのコンベヤー・ドライブを制御して、同期的に、すなわち本質的に同じ速度で容器コンベヤー・ベルト7、117を移動させることができる。
【0070】
したがって下部容器コンベヤー・ベルトと同期化される個別の上部容器コンベヤー・ベルト117が提供される。上部容器コンベヤー・ベルト117は、運搬されている間、容器の頂部(蓋またはキャップ)を保持することができる。下部容器コンベヤー・ベルトと上部容器コンベヤー・ベルトの間の高さは一定の高さであってもよい。しかしながら他の実施形態では、高さは調整可能であってもよく、例えば運搬される特定の容器の高さに調整することができる。この方法によれば、スリーブ支持コンベヤー・ベルトによってラベルが回転している間、容器が回転するのを防止するために容器の頂部を保持することができる。
【0071】
この構造は、通常、軽い容器、比較的薄いスリーブ、または内側の円周が容器の外側の円周により近いスリーブに適している。
【0072】
図6および
図7は、装置の他の実施形態を示したものである。装置は、
図2および
図3に関連して説明した装置30に対応しており、対応する部分および機能の詳細な説明は省略する。
図6および
図7の装置は、容器コンベヤー・ユニット6が、ベルトの中心線に沿って移送方向に延在している打抜き孔121のアレイを備えた容器コンベヤー・ベルト120を備えている点で異なっている。また、装置は、第1のスリーブ方向付けユニットおよび第2のスリーブ方向付けユニット90、91を同じく備えている。他の著しい特徴は、装置が、容器113の底部端を容器コンベヤー・ベルト120の上部表面に対してより確実に保持するために、打抜き孔121を介して下向きの吸引力を提供するための吸引システムを備えていることである。吸引力は、スリーブ方向付けユニット90、91のスリーブ方向付け動作の間、移動している容器コンベヤー・ベルト120に対して容器が移動する危険を低減することができる。吸引システムは、打抜き孔が穿たれた可動コンベヤー・ベルト中の打抜き孔の下方に配置された吸引要素122、吸引ホース124に接続された吸引ダクト123、および吸引ホース124に接続された吸引ポンプ(図示せず)を備えることができる。吸引要素は、スリーブ方向付けユニットの上流側の位置からスリーブ方向付けユニットの下流側の位置まで延在し、かつ、容器コンベヤー・ベルトの底部表面の真下に位置決めされ、また、中に打抜き孔が提供された静止ボックスであってもよい。
【0073】
吸引ポンプは、空気流(
図7の方向126)を誘導することによって吸引(低い圧力)を生成する。吸引ポンプは、下向きの吸引力(
図7に128によって示されている)を生成する。吸引ポンプは、吸引ユニット37の吸引ポンプであっても、または個別の吸引ポンプであってもよい。
【0074】
図6では、容器113の周りに配置され、かつ、スリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94の外部表面に対して保持されるスリーブ114(
図7参照)は、図面を複雑にしないために示されていない。実際には、この(極めて薄い)スリーブ114は、スリーブ支持コンベヤー・ベルト93、94の外部表面と容器113の外部表面の間のいずれか一方の間隙125(または両方の間隙125)に存在し、かつ、延在している。
【0075】
スリーブを容器コンベヤー7上で移送される容器に対して方向付けるためのこの装置30を使用して、容器の頂部と底部の間の位置に配置されるスリーブを方向付ける状況では(言い換えると、スリーブが部分ラベルであり、例えばスリーブが容器の中程に配置されて、スリーブの底部縁が容器の底より高い位置で延在する状況では)、スリーブが容器の周りに配置され、かつ、適切に位置決めされると、スリーブがその位置から下に向かってスライドしないように対策しなければならない。従来、水噴霧デバイスを使用して、スリーブが加えられる前に容器の外部表面を濡らすことによってラベルが容器に一時的に固定され、それにより容器外部表面に沿って下に向かって(または上に向かって)移動するスリーブが適切な位置で(すなわち正しい高さ、例えば中央で)容器表面に接着し、かつ、その位置を維持することが保証される。したがってスリーブがスリーブ・アプリケーション・デバイス(例えばスリーブ・ラベリング・デバイス2)に到達する前に、容器の下側の部分に水を噴霧することにより、スリーブは(スリーブがスリーブ・アプリケーション・デバイスに到達し、また、スリーブが容器の上に移動されると)、容器の外部表面の、水が加えられていない上側の部分へ降下することになるが、容器の下側の部分(すなわち容器表面に予め水が加えられている部分)が始まる特定の高さの位置からは、それ以上は降下しない。
【0076】
しかしながらスリーブがこの方法で容器の周りに配置されると、スリーブは、水の抵抗のため、容器の濡れた外部表面上を容易に移動することができない。これは、容器の周りにおける管状スリーブの回転を必然的に意味する、本明細書において説明されている装置30によるスリーブの方向付けが妨害され得ることを意味している。さらに、容器コンベヤー7に沿った、水噴霧デバイスとスリーブ・アプリケーション・デバイスの間の移送距離が長い場合、容器外部表面の濡れた下側の部分が少なくとも部分的に再び乾燥することになり得、したがって十分な長さにわたってスリーブを適切な位置に保持することができない危険が存在することになる。
【0077】
したがって本開示の実施形態によれば、水は、スリーブが容器に加えられ、かつ、スリーブがスリーブ方向付けユニット33の1つまたは複数のスリーブ支持ベルト93、94によってつかまれ、かつ、方向付けられるようになってから、容器の外部表面および/またはスリーブの内部表面に噴霧される。噴霧された水は、方向付けられたスリーブが容器の外部表面に粘着し、したがって加熱ユニット内でスリーブを熱収縮させることによってスリーブが最終的に容器に取り付けられるまで、所定の位置を維持することを保証する。
【0078】
図8A~
図8C、
図9は、容器3上の特定の高さ(すなわち容器3の底からスリーブ22の下部縁140までの高さh
1、
図8A)に取り付けられる管状スリーブに水滴を加えるための水噴霧デバイスの一実施形態を示したものである。スリーブ22がスリービング(ラベリング)・デバイス2(
図9)によって容器3の周りに配置されると(例えば下向きの方向19に、
図9を参照されたい)、スリーブ22は、容器3がスリーブ方向付け装置30に向かって進行している間、容器コンベヤー7の長さに沿って並んで配置された1つまたは複数の静止支持要素141(
図9)を使用することによって、容器3の底に対して、すなわち容器3が置かれているコンベヤー7の上部支持表面に対して正しい高さに維持される。1つまたは複数の支持要素141は、容器コンベヤー7の支持表面に対して平行に延在している。スリーブが取り付けられた容器が容器コンベヤー7上で移送されると、スリーブ22はその下部縁140で支持され、したがってスリーブ22は、容器3に対して適切な高さh
1で支えられる。
【0079】
スリーブが取り付けられた容器が方向付けユニット33に到達すると、スリーブ22は、スリーブ支持ベルト93、94によってつかまれ、次に、容器3に対するスリーブ22の回転位置を調整するために回転される(必要に応じて)。
図8Aおよび
図8Bには、スリーブ22の少なくとも下部縁140は、スリーブ支持ベルト93、94によって2つの側でつかまれることが示されている。スリーブ支持ベルト93、94の個々の移動により、スリーブ22を容器3に対して所望の回転位置へ回転させる。
【0080】
スリーブが取り付けられた容器3のスリーブ22が適切な最終位置へ回転されると、スリーブ22が不適切に方向付けられるようになることを回避するために、スリーブ22を容器3の上に熱収縮させるために方向付け装置30から加熱ユニット5へ進行させる際に、スリーブ22を容器3に一時的に取り付けなければならない。
【0081】
一時的な取り付けは、容器3に対するスリーブ22の位置を決定するためにスリーブ22を部分的に収縮させる(完全にではなく)予熱器を使用することによって達成することができる。このような予熱器が使用される場合、収縮したスリーブの最終的な見栄えは十分には良好ではないことがあり得る。容器3へのスリーブ22の一時的な取り付けは、代替的に、スリーブ22の内部表面と容器3の外部表面の間の位置に水が提供され、それにより多少なりともスリーブ22を容器3の外部表面に取り付ける方法で容器3の上に水を噴霧する水噴霧デバイス130によって達成することも可能である。位置を決定するための予熱器の代わりに水噴霧デバイス130を使用することにより、一度の加熱によってスリーブ22が完全に収縮するため、スリーブが取り付けられた容器の最終的な見栄えが比較的良好になる。
【0082】
図8A~
図8Cおよび
図9に示されている実施形態では、装置30は、方向付けユニット33の上方に配置された水噴霧デバイス130を備えている。水噴霧デバイス130は、水を供給するための水接続131、供給された水を、スリーブが取り付けられた容器(すなわち既にスリーブを備えている容器)に向けた1つまたは複数の噴霧ノズル133
1、133
2にポンプ供給するためのポンプ132を備えている。噴霧ノズルの数は変更することができ、いくつかの状況では、場合によっては、正しい量の水を正しい位置に準備して、スリーブを容器外部表面に一時的に粘着させるのに単一の噴霧ノズルで十分であり、一方、他の実施形態では、噴霧ノズルの数は3つ、さらにはそれ以上である。噴霧ノズルの数が多いほど、容器外部表面にわたってより一様に水を分散することができ、また、水が加えられていない部分にスリーブがうかつに移動する危険がより小さくなる。容器の周囲に対して等距離の位置に分散された、3つ以上または4つ以上の噴霧ノズルを使用することにより、スリーブ22をより均一に、また、比較的良好な平衡で維持することができる(すなわち好ましくは水平方向に)。
【0083】
水は、スリーブ22の内部表面と容器3の外部表面139の間の隙間137(
図8C)に位置決めしなければならない。水の量は比較的少なくてもよく、スリーブ22が加熱ユニット5に向かって進行する際に、スリーブ22を所定の位置に保持するには、スリーブ方向付け装置30/水噴霧デバイス130と加熱ユニット5の間の距離が長い場合であっても、および/または容器コンベヤー7上の容器3の移送速度が速い場合であっても、1滴または複数滴の水で十分であり得る。
【0084】
水噴霧デバイス130は、容器外部表面に加えられるスリーブ22が容器3の底の上方の特定の高さに配置される状況においてとりわけ有用であることに留意されたい。しかしながらスリーブ22が容器3の底まで延在し、かつ、容器コンベヤー7の支持表面に乗り得る状況においても、例えば容器3に対して正確に方向付けられた後で、かつ、加熱ユニット5へ向かう途中である場合にスリーブ22が移動する(とりわけ回転する)可能性を少なくするために、水噴霧デバイス130を使用することができる。
【0085】
さらに、
図9に示されている実施形態では、水は、容器3の上部端の、スリーブ22と容器3の間の隙間137に加えられる。水滴は重力によって下に向かって流れるため、この構造はとりわけ有利である。代替的にまたは付加的に、スリーブ22の底部縁140が容器3に粘着するよう、容器3の下部端に水を噴霧することも可能である。
【0086】
動作中、スリービング(ラベリング)・デバイスは、最初に、容器コンベヤー7上で移送された容器3の周りにスリーブ22を加える。スリーブが取り付けられた容器は、スリーブ22の下部縁または底部縁140が支持要素141上に支持されている間、方向付け装置30へ移送される。スリーブ方向付け装置30は、次に、スリーブ22を容器3に対して回転させることにより、スリーブ22を容器外部表面に対して適切に方向付ける(容器3は、スリービング(ラベリング)・デバイス2から加熱ユニット5へのその移送中、一定の回転位置を維持する)。装置30の方向付けユニット33による方向付けの直後に、水噴霧デバイス130の噴霧ノズル133は、スリーブ22および容器3に向かって、より詳細には容器3の軸方向に対して概ね平行な方向に、スリーブ22の内部表面と容器3の外部表面の間の隙間137の中に水を噴霧する。これにより、方向付けられたスリーブが(一時的に)容器3に取り付けられる。水は、スリーブ22が依然として1つまたは複数のスリーブ方向付けユニット33の1つまたは複数のスリーブ支持コンベヤー・ベルト34、93、94と接触し、かつ、それらによって保持されている間に噴霧されることが好ましい。この場合、水噴霧デバイス130は、1つまたは複数の方向付けユニット33の真上または真下に配置され、また、水は、スリーブ22がスリーブ支持ベルト93、94によって保持されている間に、下または上に向かって容器3の上に直接噴霧される。しかしながら他の実施形態では、水噴霧デバイス130は、方向付け装置30の方向付けユニット33の下流側に位置決めされ、したがって水は、スリーブ22がスリーブ支持ベルト93、94によってもはや保持されていない間に、スリーブが取り付けられた容器に加えられる。これらの実施形態では、水噴霧デバイス130は、適切に方向付けられたスリーブ22が例えば重力の影響によって不適切に方向付けられることになる危険を最小化するために、方向付けユニット33の近くに設置されることが好ましい。
【0087】
本明細書において説明されている容器コンベヤー7は、移送経路に沿って、円周方向に一定の位置で容器3を移送するように構成することができる。さらに、容器コンベヤー7上の連続する容器3は、それらのすべてが容器コンベヤー7に対して同じ方向付けを有するよう、相互に整列させることができる。したがって容器3は、加熱ユニット5に向かって移送されている間、同じ方向付けで円周方向に整列した状態を維持することができる。言い換えると、容器3の回転方向は、スリービング・デバイス2、スリーブ方向付け装置30、水噴霧デバイス130(存在している場合)および加熱ユニット5に沿った容器3の移送中、同じ方向付けを維持する。
【0088】
容器3が楕円形または多角形の断面を有するように形状化される場合、個々の容器3は、例えば1つまたは複数のコンベヤー・ガイドを利用することにより、一定の円周方向の方向付け(すなわち移送経路に沿って容器3を移送している間、本質的に変化しない容器コンベヤー7に対する方向付け)、さらには一定の円周方向に整列した方向付け(すなわち容器コンベヤー7上の連続する容器3が他の容器の各々に対して一定の円周方向に整列した方向付けで配置される方向付け)で比較的容易に配置することができる。実施形態(図には示されていない)では、コンベヤー・ガイドは互いに平行に延在し、また、容器の最も小さい直径よりごくわずかに長く(ただし最も大きい直径より短い)相互距離を有しており、したがって容器コンベヤー7上で移送され、かつ、容器ガイド間に案内される容器は、1つの方向に整列するように案内される。そのために、容器3を一定の円周方向の方向付けで配置するためのコンベヤー・ガイドとして従来のねじガイドを使用することができる。いくつかの別様に形状化された容器、例えば丸い(円形の)断面を有する容器(本明細書においては「丸い容器」とも呼ばれる)、外部特徴を有するキャップを含む容器の場合、容器には、円周方向に位置決めすること、さらには容器をこのタイプのコンベヤー・ガイドと整列させることがより困難になる傾向がある。とりわけ丸い容器がヒンジ・キャップ等の外部特徴を備えている場合、円形の断面を有する容器3を適切に整列させることができる技術的手段を決定することが場合によっては必要である。
【0089】
外部特徴は、丸い容器3の上に配置されたスリーブ22の(主)デザインを外部特徴(例えばヒンジ・キャップのフランジ・タブの両側に適切に配置された)と正確に整列させることができるよう、適切に、かつ、正確に方向付けする必要がある。外部表面のスリーブがヒンジを有するキャップに対して整列されるこのタイプの「丸い」容器は、食品産業においてますます使用される傾向にある。本発明者らは、以下で説明されるように、容器を方向付けるために使用することができる容器方向付け識別特徴としてこのような外部特徴を使用することを洞察するに至った。
【0090】
丸い容器を方向付けるためのオプションの1つは、外部特徴(例えばヒンジ・キャップ)を適切に方向付けるために、容器コンベヤー上で移送されている間に丸い容器自体を回転させることである。外部特徴が適切に方向付けられると、スリーブを丸い容器に対して適切に方向付けるために、本明細書において説明されている方法および装置によるスリーブ方向付けを施すことができる。丸い容器を回転させて、様々な方法(例えば文書NL 2013723 Aに記載されている方法)で、丸い容器のヒンジ・キャップを同じ方向に方向付けることができる。
1.テーブル上で容器を回転させる。テーブル上の容器は、カメラを使用して検出されるキャップ・画像と、予め登録されている基準画像との間の角度位置差に応じてテーブルを回転させることによって回転される。
2.キャップ部分を保持しながら容器を回転させる。容器のキャップ部分はベルトで保持され、また、容器は、角度位置差に応じてベルトを駆動することによって回転される。
3.本体部分を保持しながら容器を回転させる。容器の本体部分はベルトで保持され、また、容器は、角度位置差に応じてベルトを駆動することによって回転される。
【0091】
上記のすべての方法の欠点は、容器を回転させるための技術的手段(すなわち容器方向付け装置)が場合によっては複雑になり、また、比較的高価になる傾向があり、また、技術的手段はオペレータにとっては複雑であるため、それらの調整が場合によっては困難であり、また、技術的手段には、容器の直径(直径は著しく変化し得る)に応じて、場合によっては多くの種類の支持ユニットが必要であることである。さらに、上述した方法には、容器コンベヤー上での容器方向付け装置とスリーブ方向付け装置の間の移送中に容器が回転する可能性があるという懸念が存在している。
【0092】
より一般的には、必要な技術的手段の(少なくとも)複雑性およびそれらのエネルギー消費の点で、スリーブなどの軽い対象物の方向付けは、(充填された、または空の)容器などの重い対象物の方向付けよりも容易であるように思われる。さらに、スリーブの方向付けには、方向付けられる対象物の重量のため、容器の方向付けよりも正確になる傾向がある。
【0093】
したがって本開示の実施形態では、個々の容器は、一定の円周方向の方向付けで、さらには一定の円周方向に整列した方向付けで配置された状態を維持する(容器を回転させる代わりに)。検出された元のスリーブ方向付けに基づいて1つまたは複数のスリーブ方向付けユニットによって実施されるスリーブ方向付けアクションに加えて、容器の方向付けが同じく検出される。この場合、スリーブ方向付けは、検出された元のスリーブ方向付けに基づくばかりでなく、検出された元の容器方向付けに同じく基づく。
【0094】
図10A~
図10Cおよび
図11を参照すると、本開示の実施形態では、決定ユニットは、容器の角度位置を検出し、また、スリーブ22の角度位置を検出するように構成された検出ユニット138を備えることができる。より詳細には、検出ユニット138は、容器3の容器方向付け識別特徴143、144の角度位置を検出し、また、スリーブ22のスリーブ方向付け識別特徴155の角度位置を検出するように構成することができる。決定ユニット138は、容器3およびスリーブ22の検出された角度位置に基づいて、スリーブ22を容器3に対して適切に方向付けるためにスリーブ22を回転させる距離を計算するように構成された距離計算ユニット151をさらに備えることができる。好ましい実施形態では、計算ユニット151は、スリーブ22を回転させる回転方向を決定するように同じく構成されており、したがって最短距離を選択することができる。距離計算ユニット151は、既に定義した制御ユニット39の一部であってもよく、または個別のユニットとして具体化することも可能である。
【0095】
決定ユニットは、制御ユニット(例えば制御ユニット39(
図2参照)および/または追加の制御ユニット)をさらに備えることができる。制御ユニット39は、少なくとも1つの方向付けユニットを制御して、決定された距離にわたってスリーブ22を回転させるように構成されている。計算ユニット151が好ましい回転方向を決定した場合、制御ユニット39は、スリーブ支持ベルトを適切な方向に移動させてスリーブ22を好ましい方向に回転させることができる。
【0096】
検出ユニット138は、容器3の角度位置(容器3の容器方向付け識別特徴)を検出するようになされた第1の検出器、例えば第1のカメラ150、およびスリーブ22の角度位置を検出するようになされた第2の検出器、例えば
図2に示されている(第1の)カメラ40を備えることができる。より詳細には、
図10A~
図10Cを参照すると、第1のカメラ150は、スリーブが取り付けられた容器の画像を容器3の上方または下方の位置から捕獲するように配置することができる。第2のカメラ40は、スリーブが取り付けられた容器の横側の位置に配置されたカメラであってもよい。追加または代替的に、検出器のうちの少なくとも1つは、容器方向付け識別特徴の方向付けを知覚するように構成された機械式位置センサであってもよい。
【0097】
図10A~
図10Cに示されているように、方向付け装置30に到達するスリーブ22の方向付けは、スリーブの角度位置の決定を可能にする、定義済み基準記号、スリーブ22上の特殊なデザインまたは印刷画像、折畳み線、継目または他の物理的構造などのスリーブ方向付け識別特徴155の位置から決定することができる。容器3の方向付けは、容器3の容器方向付け識別特徴143、144の位置から決定することができる。容器方向付け識別特徴は、この実施形態では、キャップ142の横方向の一方の側に提供されているヒンジ部分143、およびキャップ142の反対側の横方向の側に提供されているグリッピング・タブ144によって形成されている(
図10B参照)。
【0098】
動作中、スリーブ22は、既に考察したようにスリービング・デバイス2を使用して容器3の周りに配置される。スリービング・デバイス2がスリーブ22を容器3の周りに加え、また、スリーブが取り付けられた容器3が方向付けユニット33の方向に進行すると、決定ユニットの検出ユニット138は、容器3の上方に置かれたカメラ150を使用することによって容器3の角度位置を検出し、また、容器3の側面に置かれたカメラ40を使用することによってスリーブ22の角度位置を検出する。距離計算ユニット151は、スリーブ22を容器3に対して適切に方向付けるためにスリーブ22を容器外部表面上を移動させなければならない距離(また、それによりスリーブ支持ベルトを移動させなければならない距離)を計算する。また、距離計算ユニット151は、スリーブ22を容器3に対して適切に方向付けるためにスリーブ22を回転させる回転方向を同じく計算する。この方法によれば、距離を最短化することができ、また、方向付け速度(すなわち方向付けユニット33がスリーブ22を容器3に対して方向付けることができる速度)を速くすることができる。
【0099】
図10Bおよび
図10Cを参照すると、カメラ150によって捕獲された、スリーブが取り付けられた容器3の上面図を示す画像、および直交基準線151、152の対を示す基準画像156を基本にして、容器3(のキャップ142)の中心153および容器方向付け識別特徴143、144のうちの少なくとも1つを通って延在する仮想直線153が引かれる。計算ユニットは、次に、第1の基準線151と仮想直線153の間の角度(α)を決定する。角度(α)および容器3の円周または周囲に関する容器円周情報から第1の距離(d
1)が決定される。容器3が円形の断面を有している場合、後者の情報は容器3の直径であってもよく、または容器3の形状および外部寸法を表す同様の情報であってもよい。容器3が楕円形または多角形の断面などの異なる断面を有している場合、位置差を計算するための換算が場合によっては必要である。容器円周情報は、装置30、例えば距離決定ユニットまたは個別の記憶装置に予め記憶しておくことができ、および/または例えばカメラによって捕獲された容器の1つまたは複数の画像に基づいて検出することができる。
【0100】
例えば角度(α)が140度で、容器の直径が66mmである場合、第1の距離(d1)(単位はmm)はd=3.14*66*(-140/360)=-81mm(角度の符号または結果として得られる距離の符号は回転方向を表す)。
【0101】
同様に、カメラ40によって捕獲された画像を基本にして、基準線151と、基準線151に対して平行に、かつ、スリーブ方向付け識別特徴155を通って延在している線157との間の第2の距離(d2)161が決定される。この距離は画像から直接決定することができる。上記の例では、第2の距離(d2)は-7mmであってもよい。したがってスリーブ22を回転させなければならない総距離(d)は、第1の距離(d1)と第2の距離(d2)の合計に対応する。例では、総距離dは(-81-(-7)=)-74mmになる。
【0102】
一度方向付けられたスリーブの誤った方向付けを回避するために、スリーブ方向付け装置30は加熱ユニット5の直前に設置することができ、および/または方向付けユニットとトンネルの間の移送距離が長い場合、予熱フェーズで(少量の)熱をスリーブの一部に加えることができる。追加または代替的に、
図10A~
図10C、
図11による容器方向付け識別ユニットの実施形態は、
図8A~
図8C、
図8による水噴霧ユニットの実施形態と組み合わせることも可能であり、それにより一度整列されたスリーブ22が誤って方向付けられることになる危険が低減される。
【0103】
本発明は、説明されている特定の態様に限定されず、したがって変更が可能であることを理解されたい。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書において使用されている専門用語は、特定の態様を説明するためのものにすぎず、限定するようには意図されていないことを理解されたい。