(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】商品管理装置、商品管理方法及び商品管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20230124BHJP
【FI】
G06Q10/087
(21)【出願番号】P 2021172401
(22)【出願日】2021-10-21
【審査請求日】2022-06-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月22日に、セブン‐イレブンの店舗にて、藤田重人、新居義典、安達到、阿部光太郎、大森栄治、落合剛弘、葛西昭芳、小寺高載、中島崇博、山口翔大、由井大輔、吉澤宏祐が発明した商品管理装置を公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591156788
【氏名又は名称】株式会社セブン-イレブン・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】藤田 重人
(72)【発明者】
【氏名】新居 義典
(72)【発明者】
【氏名】安達 到
(72)【発明者】
【氏名】阿部 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】大森 栄治
(72)【発明者】
【氏名】落合 剛弘
(72)【発明者】
【氏名】葛西 昭芳
(72)【発明者】
【氏名】小寺 高載
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇博
(72)【発明者】
【氏名】山口 翔大
(72)【発明者】
【氏名】由井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 宏祐
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-047164(JP,A)
【文献】特開2003-085254(JP,A)
【文献】特開2019-061472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗で販売する商品ごとに、店舗で販売可能な数及びネットワーク上で販売可能な数を記憶する記憶部と、
前記商品が店舗で販売された数及び前記商品がネットワーク上で販売された数に基づいて、前記店舗で販売可能な数及び前記ネットワーク上で販売可能な数を管理する販売数管理部と、
ネットワーク上で商品の注文を受け付ける注文受付部と、
前記注文受付部により前記注文が受け付けられてから、所定時間以内に、注文された商品を確保する作業が開始されない場合に、前記注文を取り消す注文取消部と、
を備え
る、
商品管理装置。
【請求項2】
店舗端末からの操作指示に従って、店舗で販売する商品の一部又は全部を、ネットワーク上で販売する対象から除外する販売対象除外部を、さらに備える、
請求項1記載の商品管理装置。
【請求項3】
注文された商品を確保する作業が店舗で開始されたことを示す作業開始メッセージを受信する受信部
をさらに備え、
前記注文取消部は、前記注文受付部により前記注文が受け付けられてから、所定時間以内に、
前記受信部により前記注文された商品に対応する前記作業開始メッセージ
が受信
されない場合に、前記注文を取り消
す、
請求項1又は2記載の商品管理装置。
【請求項4】
プロセッサにより実行される方法であって、
店舗で取り扱う商品ごとに、店舗で販売可能な数及びネットワーク上で販売可能な数を記憶することと、
前記商品が店舗で販売された数及び前記商品がネットワーク上で販売された数に基づいて、前記店舗で販売可能な数及び前記ネットワーク上で販売可能な数を管理することと、
ネットワーク上で商品の注文を受け付けることと、
前記注文が受け付けられてから、所定時間以内に、注文された商品を確保する作業が開始されない場合に、前記注文を取り消すことと、
を含
む、
商品管理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
店舗で取り扱う商品ごとに、店舗で販売可能な数及びネットワーク上で販売可能な数を記憶する記憶部、
前記商品が店舗で販売された数及び前記商品がネットワーク上で販売された数に基づいて、前記店舗で販売可能な数及び前記ネットワーク上で販売可能な数を管理する販売数管理部、
ネットワーク上で商品の注文を受け付ける注文受付部、
前記注文受付部により前記注文が受け付けられてから、所定時間以内に、注文された商品を確保する作業が開始されない場合に、前記注文を取り消す注文取消部、
として機能させ
る、
商品管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品管理装置、商品管理方法及び商品管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、小売店の店頭に並ぶ商品を販売及び管理する商品販売システムが開示されている。この商品販売システムでは、ネットワーク上で購入を希望する商品が在庫切れで購入できない問題を解消するために、複数の系列小売店で扱う商品を統合して注文や販売を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、店頭に並ぶ商品をネットワーク上でも販売する場合、ネットワーク上で販売された商品が店頭で確保される前に、店頭で売り切れて欠品が発生してしまう可能性がある。これは、複数の系列小売店で扱う商品を統合する特許文献1の商品販売システムでも同様である。欠品が発生すると販売機会を失うことに繋がりかねないため、できる限り回避する必要がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、欠品が発生する機会を減らすことができる商品管理装置、商品管理方法及び商品管理プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る商品管理装置は、店舗で販売する商品ごとに、店舗で販売可能な数及びネットワーク上で販売可能な数を記憶する記憶部と、前記商品が店舗で販売された数及び前記商品がネットワーク上で販売された数に基づいて、前記店舗で販売可能な数及び前記ネットワーク上で販売可能な数を管理する販売数管理部と、を備え、前記販売数管理部は、前記店舗で販売可能な数から、商品に対応付けて予め定められた安全数を減算することで、前記ネットワーク上で販売可能な数を算出する。
【0007】
この態様によれば、店舗で販売する商品ごとに、店舗で販売可能な数とネットワーク上で販売可能な数とを区別して管理することができ、ネットワーク上で販売可能な数を、店舗で販売可能な数から、その商品に対応する安全数を差し引いた数により管理することができる。これにより、店舗で販売可能な数が、ネットワーク上で販売可能な数よりも安全数分多くなるように管理することができるため、ネットワーク上で販売された商品が店頭で確保される前に、店頭で売り切れて欠品が発生してしまう事態を減らすことが可能性となる。
【0008】
上記態様において、店舗端末からの操作指示に従って、店舗で販売する商品の一部又は全部を、ネットワーク上で販売する対象から除外する販売対象除外部を、さらに備えてもよい。
【0009】
この態様によれば、店舗側でネットワーク上の販売対象から特定の商品を能動的に除外できるようになる。
【0010】
上記態様において、ネットワーク上で商品の注文を受け付ける注文受付部と注文された商品を確保する作業が店舗で開始されたことを示す作業開始メッセージを受信する受信部と、前記注文受付部により前記注文が受け付けられてから、所定時間以内に、注文された商品に対応する前記作業開始メッセージを受信しない場合に、前記注文を取り消す注文取消部と、をさらに備えてもよい。
【0011】
この態様によれば、店員が多忙等により所定時間以内に商品確保作業を開始できない場合には、注文を自動的に取り消すことができる。
【0012】
本発明の他の態様に係る商品管理方法は、プロッセサにより実行される方法であって、店舗で取り扱う商品ごとに、店舗で販売可能な数及びネットワーク上で販売可能な数を記憶することと、前記商品が店舗で販売された数及び前記商品がネットワーク上で販売された数に基づいて、前記店舗で販売可能な数及び前記ネットワーク上で販売可能な数を管理することと、を含み、前記管理することは、前記店舗で販売可能な数から、商品に対応付けて予め定められた安全数を減算することで、前記ネットワーク上で販売可能な数を算出することを含む。
【0013】
この態様によれば、店舗で販売する商品ごとに、店舗で販売可能な数とネットワーク上で販売可能な数とを区別して管理することができ、ネットワーク上で販売可能な数を、店舗で販売可能な数から、その商品に対応する安全数を差し引いた数により管理することができる。これにより、店舗で販売可能な数が、ネットワーク上で販売可能な数よりも安全数分多くなるように管理することができるため、ネットワーク上で販売された商品が店頭で確保される前に、店頭で売り切れて欠品が発生してしまう事態を減らすことが可能性となる。
【0014】
本発明の他の態様に係る商品管理プログラムは、コンピュータを、店舗で取り扱う商品ごとに、店舗で販売可能な数及びネットワーク上で販売可能な数を記憶する記憶部、前記商品が店舗で販売された数及び前記商品がネットワーク上で販売された数に基づいて、前記店舗で販売可能な数及び前記ネットワーク上で販売可能な数を管理する販売数管理部、として機能させ、前記販売数管理部は、前記店舗で販売可能な数から、商品に対応付けて予め定められた安全数を減算することで、前記ネットワーク上で販売可能な数を算出する。
【0015】
この態様によれば、店舗で販売する商品ごとに、店舗で販売可能な数とネットワーク上で販売可能な数とを区別して管理することができ、ネットワーク上で販売可能な数を、店舗で販売可能な数から、その商品に対応する安全数を差し引いた数により管理することができる。これにより、店舗で販売可能な数が、ネットワーク上で販売可能な数よりも安全数分多くなるように管理することができるため、ネットワーク上で販売された商品が店頭で確保される前に、店頭で売り切れて欠品が発生してしまう事態を減らすことが可能性となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、欠品が発生する機会を減らすことができる商品管理装置、商品管理方法及び商品管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る商品管理装置を含む商品管理システムの構成を例示する図である。
【
図2】
図1に示す商品管理装置の物理的な構成を例示する図である。
【
図3】ネットワーク上で販売可能な商品数を管理する仕組みを説明するための概念図である。
【
図4】
図1に示す商品管理装置の機能的な構成を例示する図である。
【
図5】
図1に示す商品管理装置で商品の販売可能数を管理する手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
[商品管理システム1の概要]
図1を参照して、実施形態に係る商品管理装置2を含む商品管理システム1の構成について説明する。商品管理システム1は、サーバ装置である商品管理装置2と、店舗システム3と、を備える。商品管理装置2及び店舗システム3は、ネットワークNを介して相互に通信できるように構成される。
【0020】
本実施形態では、例示的に、コンビニエンスストアの各店舗に店舗システム3をそれぞれ備える場合について説明する。店舗システム3は、例えば、パーソナルコンピュータ等の店舗装置、タブレット端末やスマートフォン等の店舗端末、POS(Point Of Sales)レジ等を、店舗の商品を管理するための運用に合わせて適宜備えることができる。
【0021】
商品管理装置2は、例えば、演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。ここで、商品管理装置2を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、ネットワーク上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0022】
ネットワークNは、商品管理装置2と店舗システム3との間で情報を送受信可能な通信網を含む。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0023】
[商品管理装置2の物理的な構成]
図2に示すように、商品管理装置2は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ21と、通信部22と、記憶装置23とを備える。
【0024】
プロセッサ21は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット及び各種レジスタから構成され、記憶装置23に格納されているプログラム231を実行することで、後述する各種機能を実現する。
【0025】
通信部22は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の装置と通信するハードウェアモジュールである。
【0026】
記憶装置23は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。この記憶装置23には、例えば、プログラム231や、データベース232、データベース232に登録される各種データ等が格納される。
【0027】
プログラム231は、所定の処理を行うためのコンピュータプログラムであり、商品管理装置2のメインプログラムや、そのメインプログラムの動作中に適宜呼び出されて実行される複数のソフトウェアモジュールを有する。ソフトウェアモジュールは、それぞれ特定の処理を実行するためにモジュール化されたサブプログラムであり、例えば、プロシージャ、サブルーチン、メソッド、関数及びデータ構造等を用いて作成される。
【0028】
図3を参照し、データベース232に登録される各種データについて説明する。各種データとして、例えば、店舗販売商品情報232a、安全数情報232b及びネット上販売商品情報232cがある。
【0029】
[店舗販売商品情報232a]
店舗販売商品情報232aは、各店舗で販売される商品に関する情報である。店舗の商品は、店頭で顧客に直接販売されるとともに、ネットワーク上(電子商取引)でも顧客に販売される。ネットワーク上で店舗が指定されて商品が注文されると、注文された商品を店舗の店員が確保し、指定された届け先に対する配送が行われる。
【0030】
店舗販売商品情報232aは、データ項目として、例えば、店舗コード項目、商品カテゴリ項目、商品コード項目、商品名項目及び店舗販売可能数項目等を含む。各データ項目について、以下に説明する。
【0031】
店舗コード項目は、店舗を特定するための識別情報を格納する。商品カテゴリ項目は、例えば、おにぎり、弁当、文具等のように、商品が属するカテゴリの名称を格納する。商品コード項目は、商品を特定するための識別情報を格納する。商品名項目は、例えば、手巻きおにぎり、しゅうまい弁当等のように、商品の名称を格納する。店舗販売可能数項目は、店舗で販売できる数、つまり店舗の在庫数を、店舗販売可能数として格納する。この店舗販売可能数は、商品ごとに管理される。
【0032】
[安全数情報232b]
安全数情報232bは、ネットワーク上で販売される商品が、ネットワーク上の注文によって欠品にならないように調整するための情報である。安全数情報232bは、データ項目として、例えば、商品カテゴリ項目及び安全数項目等を含む。
【0033】
商品カテゴリ項目は、前述した店舗販売商品情報232aの商品カテゴリ項目と同様である。安全数項目は、ネットワーク上で販売される商品が、ネットワーク上の注文によって欠品にならないように、店舗販売可能数から予め差し引いておく商品数を、安全数として格納する。安全数は、商品カテゴリごとに管理される。
【0034】
[ネット上販売商品情報232c]
ネット上販売商品情報232cは、ネットワーク上で販売される商品に関する情報である。店舗販売商品情報232aは、データ項目として、例えば、店舗コード項目、商品カテゴリ項目、商品コード項目、商品名項目及びネット販売可能数項目等を含む。
【0035】
店舗コード項目、商品カテゴリ項目、商品コード項目及び商品名項目は、前述した店舗販売商品情報232aの店舗コード項目、商品カテゴリ項目、商品コード項目及び商品名項目と同様である。ネット販売可能数項目は、ネットワーク上で販売できる商品数を、ネット販売可能数として格納する。ネット販売可能数は、店舗販売商品情報232aの店舗販売可能数から安全数情報232bの安全数を減算することで算出する。
【0036】
なお、前述したデータベース232に登録される各種データの構成等は例示に過ぎず、運用するシステムに合わせて適宜変更することができる。
【0037】
[商品管理装置2の機能的な構成]
図4を参照し、商品管理装置2のプログラム231を実行することで実現される機能について説明する。商品管理装置2は、機能的な構成として、例えば、記憶部211、販売数管理部212、販売対象除外部213、注文受付部214、メッセージ受信部215及び注文取消部216を有する。各部について、以下に説明する。
【0038】
記憶部211は、物理的には、記憶装置23であり、例えば、前述した店舗販売商品情報232a、安全数情報232b及びネット上販売商品情報232cを記憶する。つまり、記憶部211は、店舗で販売する商品ごとに、店舗で販売可能な数及びネットワーク上で販売可能な数を記憶する。
【0039】
販売数管理部212は、商品が店舗で販売された数及び商品がネットワーク上で販売された数に基づいて、商品ごとに設けられた店舗販売可能数及びネット販売可能数を管理する。
【0040】
具体的に、販売数管理部212は、
図3の店舗販売商品情報232aの店舗販売可能数を登録及び更新することで、商品ごとに設けられた店舗販売可能数を管理する。
【0041】
店舗販売商品情報232aの店舗販売可能数は、販売商品データに基づいて更新する。販売商品データは、各店舗の販売商品に関するデータであり、例えば、各店舗の売上データ、検品データ、補正データ及び棚卸データを含む。
【0042】
売上データは、例えば、店舗やネットワーク上での売り上げに関するデータであり、商品が店舗で販売された数や、商品がネットワーク上で販売された数を含む。検品データは、例えば、各店舗に定期的に納入される商品に関するデータである。補正データは、例えば、各店舗の在庫数を補正するためのデータである。棚卸データは、例えば、各店舗の棚卸しにより確認された在庫数に関するデータである。
【0043】
店舗販売商品情報232aの店舗販売可能数は、各店舗の売上データに基づいて、可能な限り短い周期(例えば1分ごと)で更新することが好ましい。更新周期が短いほど、欠品が発生する可能性を減らすことができる。また、店舗販売可能数は、各店舗に定期的に納入される商品の検品データに基づいて定期的に更新してもよいし、各店舗の補正データや各店舗の棚卸データに基づいて適宜更新してもよい。
【0044】
また、販売数管理部212は、
図3のネット上販売商品情報232cのネット販売可能数を登録及び更新することで、商品ごとに設けられたネット販売可能数を管理する。ネット上販売商品情報232cのネット販売可能数は、店舗販売商品情報232aの店舗販売可能数と、安全数情報232bの安全数と、を用いて、例えば、以下(1)、(2)のように算出する。
【0045】
(1)
図3の店舗販売商品情報232aの商品名“手巻きおにぎり”に対応する店舗販売可能数は“4”であり、商品名“手巻きおにぎり”が属する商品カテゴリは“おにぎり”である。この商品カテゴリ“おにぎり”に基づいて安全数情報232bを参照すると、商品カテゴリ“おにぎり”に対応する安全数は“1”であることがわかる。
【0046】
この場合、販売数管理部212は、店舗販売可能数“4”から安全数“1”を差し引いた“3”を、ネット販売可能数として算出する。そして、ネット上販売商品情報232cの商品名“手巻きおにぎり”に対応するネット販売可能数に、“3”を格納する。
【0047】
これにより、店舗コード“111111”に対応する実店舗では、“手巻きおにぎり”を“4”個販売できるが、その実店舗に対応するネットワーク上の店舗では、“手巻きおにぎり”を“3”個までしか販売できないことになる。
【0048】
(2)
図3の店舗販売商品情報232aの商品名“しゅうまい弁当”に対応する店舗販売可能数は“1”であり、商品名“しゅうまい弁当”が属する商品カテゴリは“弁当”である。この商品カテゴリ“弁当”に基づいて安全数情報232bを参照すると、商品カテゴリ“弁当”に対応する安全数は“1”であることがわかる。
【0049】
この場合、販売数管理部212は、店舗販売可能数“1”から安全数“1”を差し引いた“0”を、ネット販売可能数として算出する。そして、ネット上販売商品情報232cの商品名“しゅうまい弁当”に対応するネット販売可能数に、“0”を格納する。
【0050】
これにより、店舗コード“111111”に対応する実店舗では、“しゅうまい弁当”を“1”個販売できるが、その実店舗に対応するネットワーク上の店舗では、“しゅうまい弁当”を販売できないことになる。
【0051】
なお、
図3の安全数情報232bでは、商品カテゴリごとに、安全数を設けているが、これに限定されず、各商品に対応付けて安全数が定められていればよい。例えば、商品コードごとに、安全数を設けてもよい。商品ごとに安全数を設定することで、安全数をよりきめ細かく定めることが可能となり、欠品が発生する機会をより減らすことが可能になる。
【0052】
図4の説明に戻る。販売対象除外部213は、店舗システム3からの指示に従って、店舗で販売する商品の一部又は全部を、ネットワーク上の販売対象から除外する。販売対象からの除外は、例えば、ネットワーク上で販売する商品の一覧に表示されている商品を削除してもよいし、非表示に切り替えることとしてもよい。
【0053】
これにより、特定の商品に欠品が発生しないように、店舗側で調整することが可能となる。例えば、ある顧客から注文を受け付ける場合などに、ネットワーク上で他の顧客に先に購入されて在庫が無くなることが起こらないように、店舗側でネットワーク上の販売対象から特定の商品を能動的に除外できるようになる。
【0054】
ネットワーク上の販売対象からの除外は、以下のように行うことができる。例えば、店舗システム3の店舗端末等に、店舗で販売する商品の一覧を表示させ、その一覧で除外対象としてチェックされた商品の情報を、除外対象情報として商品管理装置2に送信させる。商品管理装置2は、除外対象情報に含まれる商品を、ネットワーク上の販売対象から除外する。上記で一覧に付されたチェックを外すことで、販売対象から除外した商品を販売対象に復帰させてもよい。
【0055】
注文受付部214は、ネットワーク上で商品の注文を受け付ける。商品の注文は、例えば、ネットワーク上で販売される商品の中から一つ以上の商品が顧客により選択され、注文が確定されることで受け付けられる。
【0056】
メッセージ受信部215は、作業開始メッセージを店舗システム3の店舗端末から受信する。作業開始メッセージは、注文された商品を確保する作業が店舗で開始されたことを示すメッセージである。商品を確保する作業は、例えば、商品に付されたバーコードを店舗端末等のカメラで読み取り、注文された商品と一致するかどうかを確認しながら行われる。
【0057】
注文取消部216は、注文受付部214により注文が受け付けられてから、所定時間以内に、注文された商品に対応する作業開始メッセージが受信されない場合に、受け付けられた注文を取り消す。所定時間は、注文が確定してから顧客に商品を届けるまでの目標時間に基づいて適宜設定することができる。例えば、目標時間が30分である場合に、所定時間を15分に設定してもよい。これにより、店員が多忙等により所定時間以内に商品確保作業を開始できない場合には、注文を自動的にキャンセルすることができる。よって、商品を届けるまでの目標時間を超過して顧客を大幅に待たせることになる事態を回避することが可能となる。
【0058】
[商品管理装置2の動作]
図5を参照し、商品管理装置2において商品の販売可能数を管理する手順の一例について説明する。
【0059】
最初に、商品管理装置2の通信部22は、各店舗における売上データ、検品データ、補正データ及び棚卸データ等を含む販売商品データを各店舗システム3から受信する(ステップS101)。
【0060】
続いて、商品管理装置2の販売数管理部212は、上記ステップS101で受信した販売商品データに基づいて、各店舗の商品ごとに設けられた店舗販売可能数及びネット販売可能数を管理する(ステップS102)。
【0061】
上述したように、実施形態に係る商品管理装置2によれば、店舗で販売する商品ごとに、店舗で販売可能な数とネットワーク上で販売可能な数とを区別して管理することができ、ネットワーク上で販売可能な数を、店舗で販売可能な数から、その商品に対応する安全数を差し引いた数により管理することができる。
【0062】
これにより、店舗で販売可能な数が、ネットワーク上で販売可能な数よりも安全数分多くなるように管理することができるため、ネットワーク上で販売された商品が、店頭で確保される前に、店頭で売り切れて欠品が発生してしまう事態を減らすことが可能性となる。
【0063】
それゆえ、実施形態に係る商品管理装置2によれば、欠品が発生する機会を減らすことが可能となる。
【0064】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…商品管理システム、2…商品管理装置、3…店舗システム、21…プロセッサ、22…通信部、23…記憶装置、211…記憶部、212…販売数管理部、213…販売対象除外部、214…注文受付部、215…メッセージ受信部、216…注文取消部、231…プログラム、232…データベース、232a…店舗販売商品情報、232b…安全数情報、232c…ネット上販売商品情報
【要約】 (修正有)
【課題】欠品が発生する機会を減らすことができる商品管理装置、商品管理方法及び商品管理プログラムを提供する。
【解決手段】商品管理装置及び店舗システムが、ネットワークを介して相互に通信する商品管理システムにおいて、商品管理装置2は、店舗で販売する商品毎に、店舗で販売可能な数及びネットワーク上で販売可能な数を記憶する記憶部211と、商品が店舗で販売された数及び商品がネットワーク上で販売された数に基づいて、店舗で販売可能な数及びネットワーク上で販売可能な数を管理する販売数管理部212と、を備える。販売数管理部212は、店舗で販売可能な数から、商品に対応付けて予め定められた安全数を減算することで、ネットワーク上で販売可能な数を算出する。
【選択図】
図4