(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】負荷センサを使用したセンサ取り付け高さの推定
(51)【国際特許分類】
B60D 1/36 20060101AFI20230124BHJP
B60D 1/06 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
B60D1/36
B60D1/06
(21)【出願番号】P 2021537904
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(86)【国際出願番号】 US2019064276
(87)【国際公開番号】W WO2020139522
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-08-06
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】313005662
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティブ システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTINENTAL AUTOMOTIVE SYSTEMS, INC.
【住所又は居所原語表記】1 Continental Drive, Auburn Hills, Michigan 48326-1581, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク フレーリヒ
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-308029(JP,A)
【文献】特開2006-281836(JP,A)
【文献】特開2015-134517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60D 1/36
B60D 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を、離れた物体と整列するための方法であって、
前記車両に配置された物体と地面レベルとの間の第1の距離を、前記車両の車両負荷の関数として判定するステップと、
前記車両に配置されたセンサの前記地面レベルからの高さを、(i)前記センサと前記物体との間の第2の距離、および(ii)前記物体と前記地面レベルとの間の前記第1の距離に基づいて判定するステップと、
前記車両から離れて配置された前記離れた物体と前記地面レベルとの間の第3の距離を、前記センサの前記地面レベルからの前記高さに基づいて判定するステップと、
前記物体が前記離れた物体と垂直方向に整列しているか否かを、(i)前記物体と前記地面レベルとの間の前記第1の距離、および(ii)前記離れた物体と前記地面レベルとの間の前記第3の距離に基づいて判定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記物体がトレーラヒッチを備え、前記離れた物体がトレーラレシーバを備える、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記センサが、少なくとも1つのカメラを備える、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記センサが、前記車両のテールゲートまたはリフトゲートに配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記車両負荷を判定するステップをさらに含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記車両負荷を判定するステップが、
前記車両のタイヤの少なくとも1つのタイヤ負荷を判定するステップと、
前記車両負荷を、前記少なくとも1つのタイヤ負荷に基づいて判定するステップと、
を含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのタイヤ負荷を判定するステップが、電子タイヤ情報システムが前記少なくとも1つのタイヤ負荷を判定するステップを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記電子タイヤ情報システムが、前記車両の各リアタイヤに関連付けられている複数のタイヤ負荷センサを備え、
前記少なくとも1つのタイヤ負荷を判定するステップが、
リアタイヤごとの負荷を、各リアタイヤに関連付けられている前記複数のタイヤ負荷センサによって検出された負荷に基づいて推定するステップと、
前記車両に配置された前記物体と前記地面レベルとの間の前記第1の距離を、前記各リアタイヤの平均負荷または前記リアタイヤの全てについて測定した負荷に基づいて判定するステップと、
を含む、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
車両に取り付けられたセンサと、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラが、
前記センサから第2の距離で前記車両に配置された物体と地面レベルとの間の第1の距離を、前記車両の車両負荷の関数として判定するステップと、
前記車両に配置された前記センサの前記地面レベルからの高さを、(i)前記センサと前記物体との間の第2の距離、および(ii)前記物体と前記地面レベルとの間の前記第1の距離に基づいて判定するステップと、
前記車両から離れて配置された離れた物体と前記地面レベルとの間の第3の距離を、前記センサの前記地面レベルからの前記高さに基づいて判定するステップと、
前記物体が前記離れた物体と垂直方向に整列しているか否かを、(i)前記物体と前記地面レベルとの間の前記第1の距離、および(ii)前記離れた物体と前記地面レベルとの間の前記第3の距離に基づいて判定するステップと、
を実行するように構成されている、
先進運転者支援システム(ADAS)。
【請求項10】
前記物体がトレーラヒッチを備え、前記離れた物体がトレーラレシーバを備える、請求項9記載の先進運転者支援システム(ADAS)。
【請求項11】
前記センサが、前記車両のテールゲートまたはリフトゲートに配置されている、請求項10記載の先進運転者支援システム(ADAS)。
【請求項12】
前記コントローラが、(i)前記センサと前記物体との間の前記第2の距離と、(ii)前記物体と前記地面レベルとの間の前記第1の距離との和を計算することによって、前記センサの前記地面レベルからの前記高さを判定するように構成されている、請求項11記載の先進運転者支援システム(ADAS)。
【請求項13】
前記先進運転者支援システム(ADAS)が、前記車両のタイヤのタイヤ負荷を検出するように構成された少なくとも1つのタイヤ負荷または圧力センサをさらに備え、
前記コントローラが、前記少なくとも1つのタイヤ負荷または圧力センサからの前記タイヤの前記負荷に基づいて前記車両負荷を判定することによって、前記物体と前記地面レベルとの間の前記第1の距離を判定するように構成されている、請求項12記載の先進運転者支援システム(ADAS)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのタイヤ負荷または圧力センサが、前記コントローラと通信している電子タイヤ情報システムの一部である、請求項13記載の先進運転者支援システム(ADAS)。
【請求項15】
前記少なくとも1つのタイヤ負荷または圧力センサが、前記車両の各リアタイヤに関連付けられている複数のタイヤ負荷または圧力センサを備え、
前記コントローラが、
リアタイヤごとの負荷を、各リアタイヤに関連付けられている前記複数のタイヤ負荷または圧力センサによって検出された負荷に基づいて推定し、
前記車両に配置された前記物体と前記地面レベルとの間の前記第1の距離を、前記各リアタイヤの平均負荷または前記リアタイヤの全てについて測定した負荷に基づいて判定する
ように構成されている
請求項14記載の先進運転者支援システム(ADAS)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
主題発明は、車両上のセンサを使用して、負荷の変化に基づいて変化しうる地面レベルに対する物体の高さを推定する方法および装置である。
【0002】
背景技術
先進運転者支援システム(ADAS)には、運転者を運転プロセスで支援する種々異なるタイプの車両システムが含まれる。これらのインテリジェントシステムは、多くの異なるセンサを使用して、安全性およびより良い運転のために車両システムを自動化、適応化、および強化する。例えば、特定の状況では、地面に対する車両上または車両近くの物体の高さを知ることが重要である。例えば、トレーラを車両に連結する場合、トレーラのレシーバが車両のヒッチと適切に整列されるかどうかを判定するために、トレーラヒッチおよび/またはトレーラレシーバの地面からの高さを知ることが重要である。しかしながら、例えば車両の異なる負荷などの外部要因により、トレーラヒッチの地面までの距離が変化しうるため、レシーバおよび/またはヒッチの高さを判定するために使用されるセンサ読み取りの精度が低下する可能性がある。
【0003】
概要
例示的な一実施形態では、方法は、車両上の構造部に取り付けられた少なくとも1つのセンサを提供する。少なくとも1つのセンサは、地面レベルに対するセンサ高さに配置されている。第1の物体は、少なくとも1つのセンサから固定の距離で、かつ地面レベルから可変の距離で車両に配置されている。可変の距離は、車両負荷の関数として(as a function of)推定される。車両負荷の任意の変化を考慮するために、センサ高さは、可変の距離に基づいて調整される。第2の物体は、地面レベルからの垂直方向距離で離間されている。調整されたセンサ高さが、第2の物体の地面レベルからの垂直方向距離との比較のために使用される。
【0004】
前述の実施形態による別の実施形態では、第1の物体はトレーラヒッチを備え、第2の物体はトレーラレシーバを備え、方法は、第1の物体の可変の距離と第2の物体の垂直方向距離とを比較することを含む。
【0005】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つのカメラを備える。
【0006】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、構造部は、テールゲートまたはリフトゲートを備える。
【0007】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、コントローラは、車両負荷の重量を判定することによって、車両負荷の関数として可変の距離を推定するように構成されている。
【0008】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、方法は、コントローラと通信している少なくとも1つのタイヤ負荷センサまたは圧力センサを使用することによって達成される、車両負荷の重量を判定することを含む。
【0009】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、少なくとも1つのタイヤ負荷センサまたは圧力センサは、電子タイヤ情報システムの一部である。
【0010】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、車両負荷は、車両のリアタイヤによって支持される貨物エリアに位置し、少なくとも1つのタイヤ負荷センサは、各リアタイヤに関連付けられている少なくとも1つのタイヤ負荷センサを有する複数のタイヤ負荷センサを備え、方法は、リアタイヤのタイヤ負荷センサまたは圧力センサを使用してリアタイヤごとの負荷を推定することと、リアタイヤ上の平均負荷を使用して可変の距離を推定することと、を含む。
【0011】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、車両負荷は、車両のリアタイヤによって支持される貨物エリアに位置し、少なくとも1つのタイヤ負荷センサは、各リアタイヤに関連付けられている少なくとも1つのタイヤ負荷センサを有する複数のタイヤ負荷センサを備え、方法は、リアタイヤのタイヤ負荷センサまたは圧力センサを使用してリアタイヤごとの負荷を推定することと、全てのリアタイヤの測定負荷を使用して可変の距離を推定することと、を含む。
【0012】
別の例示的な実施形態では、装置は、車両上の構造部に取り付けられた少なくとも1つのセンサを含む。少なくとも1つのセンサは、地面レベルに対するセンサ高さに配置されている。第1の物体は、少なくとも1つのセンサから固定の距離で、かつ地面レベルから可変の距離で、車両に配置されている。第2の物体は、地面レベルからの垂直方向距離で離間されている。コントローラは、車両負荷の関数として可変の距離を推定し、車両負荷の任意の変化を考慮するために、可変の距離に基づいてセンサ高さを調整し、垂直方向距離との比較のために、調整されたセンサ高さを使用するように構成されている。
【0013】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、第1の物体はトレーラヒッチを備え、第2の物体はトレーラレシーバを備え、コントローラは、可変の距離を垂直方向距離と比較して、トレーラヒッチおよびトレーラレシーバが長手方向に互いに整列しているかどうかを判定する。
【0014】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、構造部は、テールゲートまたはリフトゲートを備える。
【0015】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、少なくとも1つのセンサは、テールゲートまたはリフトゲートの上端近くに配置されており、トレーラヒッチは、テールゲートまたはリフトゲートの下端に配置されており、固定の距離と可変の距離とが一緒に加えられて、少なくとも1つのセンサの地面レベルからの距離が判定される。
【0016】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、コントローラは、車両負荷の重量を判定することによって、車両負荷の関数として可変の距離を推定するように構成されている。
【0017】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、装置は、少なくとも1つのタイヤ負荷センサまたは圧力センサを含み、コントローラは、少なくとも1つのタイヤ負荷センサまたは圧力センサからのデータを使用することによって、車両負荷の重量を判定するように構成されている。
【0018】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、少なくとも1つのタイヤ負荷センサまたは圧力センサは、コントローラと通信している電子タイヤ情報システムの一部である。
【0019】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、車両負荷は、車両のリアタイヤによって支持される貨物エリアに位置し、少なくとも1つのタイヤ負荷センサまたは圧力センサは、各リアタイヤに関連付けられている少なくとも1つのタイヤ負荷センサまたは圧力センサを有する複数のタイヤ負荷センサまたは圧力センサを備え、コントローラは、リアタイヤのタイヤ負荷センサまたは圧力センサからのデータを使用してリアタイヤごとの負荷を推定し、かつリアタイヤの平均負荷を使用して可変の距離を推定する。
【0020】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、車両負荷は、車両のリアタイヤによって支持される貨物エリアに位置し、少なくとも1つのタイヤ負荷センサまたは圧力センサは、各リアタイヤに関連付けられている少なくとも1つのタイヤ負荷センサまたは圧力センサを有する複数のタイヤ負荷または圧力センサを備え、コントローラは、リアタイヤのタイヤ負荷センサまたは圧力センサからのデータを使用してリアタイヤごとの負荷を推定し、かつ全てのリアタイヤの測定負荷を使用して可変の距離を推定する。
【0021】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、コントローラは、車両負荷の変化に基づいて可変の距離を調整して、少なくとも1つのセンサの地面レベルからの調整された距離を提供し、続いて、第2の物体の地面レベルからの垂直方向距離と調整された可変の距離とを比較する。
【0022】
前述の実施形態のいずれかによる別の実施形態では、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つのカメラを備える。
【0023】
本開示は、添付の図面に関連して検討される場合に、以下の詳細な説明を参照することによってさらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】主題発明を組み込んだ高さ推定システムを有する車両およびトレーラの概略図である。
【0025】
前述の段落、特許請求の範囲または以下の詳細な説明および図面の実施形態、実施例、および代替案は、その様々な態様またはそれぞれの個々の特徴のいずれかを含めて、独立してまたは任意の組み合わせで採用されうる。一実施形態に関連して説明される特徴は、このような特徴に互換性がない場合を除いて、全ての実施形態に適用可能である。
【0026】
実施形態の詳細な説明
図1は、車両10およびこの車両10に連結されるトレーラ12を示している。この実施例では、車両10はピックアップトラックであり、一対のリアホイール16(1つのリアホイールのみが示されている)上に延在する貨物ベッド14を備えている。車両10は、トレーラ12上のレシーバ20に結合された牽引ボールまたはヒッチ18を含む。少なくとも1つのADASセンサ22は、車両10のリア構造部24に配置されている。この実施例では、リア構造部24はテールゲートを備えるが、リア構造部はまた、リフトゲートまたは他の同様の構造体を備えていてもよい。ADASセンサ22は、例えば、動きセンサ、光学カメラセンサ、レーダーセンサ、LIDARセンサ、レーザーセンサ、および/または超音波センサのうちの1つ以上を含みうる。この実施例では、ADASセンサ22は、少なくとも1つの光学カメラセンサを含む。
【0027】
図1には、垂直方向Zと水平方向または長手方向Xすなわち移動方向とが示されている。ヒッチ18は、通常、車両本体の下端に配置され、車両フレームまたはシャーシから長手方向Xで外側へ延在する。ADASセンサ22は、テールゲートの上端近くに取り付けられ、垂直方向Zにおいて車両本体のヒッチ18または下端に対して既知の固定の高さH1を有する。また、車両本体のヒッチ18または下端と地面Gとの間に、可変の高さΔHが存在する。この高さΔHは、貨物ベッド14に載置される負荷26の結果として変化しうる。負荷がより重くなると高さΔHが減少し、負荷が軽くなると高さΔHが増大しうる。レシーバ20は、トレーラ12から外側へ長手方向Xでヒッチ18に向かって延在している。レシーバ20は、既知のまたは測定された地面G上の高さH2に配置されている。
【0028】
カメラおよび他の視覚ベースのセンサを使用して、車両10から離れて位置する地面G上の物体、例えばトレーラレシーバ20の高さを推定することができる。車両10から離れて位置する地面上の物体の高さを判定するための一実施例の方法およびシステムは、同じ譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれているUS16/364/151に見出される。
【0029】
開示している実施例では、ADASセンサ22を使用して、ヒッチ18がレシーバ20と整列し、これによってヒッチ18がレシーバ20と接触してトレーラ12が車両10に接続されるかどうかを判定する。この判定のため、地面Gに対するヒッチ18およびレシーバ20の垂直位置が高精度で既知でなければならない。単眼カメラは、自動トレーラヒッチング、トレーラリバースアシスタンス、運転者用リアビューなどの多数の機能を実施するために使用されるため、この状況では好ましいタイプのセンサである。
【0030】
このようなセンサを用いて地面G上の物体の高さを正確に推定するためには、地面上のセンサ22の有効高さが既知でなければならない。地面Gに対するセンサ22の有効高さは、フレームまたはシャーシ上のセンサ22とヒッチ18との間の固定取り付け高さH1によって判定され、次いで、これが可変の高さΔHに加えられる。可変の高さ成分は、車両負荷の関数である。システムは、負荷26の変化に起因する、地面Gに対するセンサ22の高さの任意の変化を検出する。
【0031】
上述したように、負荷は、リアホイール16によって支持されている貨物ベッド14に位置する。各ホイール16は、タイヤ28を含む。一実施例では、リアタイヤ28の負荷または圧力センサ30を使用して、タイヤ28ごとの負荷を推定する。各リアタイヤ28は、少なくとも1つの負荷センサまたは圧力センサ30を含む。
図1に示されていないリアタイヤの負荷センサまたは圧力センサは、30aに概略的に示されている。各タイヤ負荷センサまたは圧力センサ30、30aは、タイヤ圧力または負荷データをコントローラCに通信する。例えば、コントローラCは、経時的にタイヤ圧を監視して、貨物負荷の増大または減少の結果としての任意の変化を判定することができる。したがって、システムは、ΔHの第1または初期の高さに設定され、次いで、貨物負荷に対する変化に基づいてこの高さΔHを調整する。
【0032】
単純な解決策の実施例では、システムは、リアタイヤ28上の平均負荷を使用して、リアセンサ22、例えばカメラのセンサ高さ(H1+ΔH)を推定する。より複雑な解決策の実施例では、全てのタイヤの測定負荷が使用される。したがって、センサ高さ(H1+ΔH)は、可変の高さΔHの変化に応じて連続的に調整される。これにより、センサ高さの精度が大幅に向上し、センサ22が高さH2に対する可変の高さのより正確な比較を行うことが可能になる。
【0033】
一実施例では、システムは、カメラセンサ22を使用して、レシーバ20の高さを推定、例えば、地面レベルGに対するレシーバ20の高さH2を推定する。カメラセンサ22および圧力センサ30,30aは、データをシステムコントローラCに通信する。システムは、負荷または圧力センサ30からの負荷データを使用して可変の高さΔHを判定し、次いでこれを固定の高さH1に加えて、地面Gからのセンサ22の実際のリアルタイム高さを判定する。したがって、センサ22の精度は、地面Gに対するその高さが負荷26に対して調整されるように補正されることで改善される。それゆえ、地面に対するレシーバ20の高さH2を判定するためのその読み取りは、より正確である。さらに、レシーバ高さH2と比較するための、地面Gに対するヒッチ18の可変の高さΔHの判定は、可変の高さΔHが負荷26の変化を考慮するため、より正確である。
【0034】
一実施例では、負荷センサ30は、電子タイヤ情報システム(eTIS)の一部である。このシステムは、タイヤセンサを使用してタイヤ空気圧、負荷などを監視する電子システムである。このシステムからのセンサを使用することにより、追加の負荷センサが必要でないため、コストが削減される。コントローラCは、eTISの一部にすることも、eTISと通信している別個のコントローラにすることもできる。
【0035】
主題発明により、カメラセンサ22の高さが車両負荷情報に基づいて補正または調整されるため、以前の設計よりも改善された精度を提供する。
【0036】
特定の構成要素配置が例示される実施形態に開示されているが、他の配置がここから利益を得るであろうことも理解されるべきである。特定のステップシーケンスが示され、説明され、かつ特許請求されているが、ステップは、他に示されない限り、任意の順序で実行され、分離され、または組み合わされてもよく、それでもなお本発明から利益を得るであろうことが理解されるべきである。
【0037】
種々の各実施例は例示した特定の構成要素を有するが、本発明の実施形態はその特定の組み合わせに限定されない。実施例のうちの1つの構成要素または特徴の一部を、実施例のうちの別の1つの特徴または構成要素と組み合わせて使用することが可能である。
【0038】
例示的な実施形態を開示したが、当業者であれば、特定の修正形態が特許請求の範囲内に入ることを認識するであろう。このため、以下の特許請求の範囲を検討して、その真の範囲および内容を判定すべきである。