IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社瑞光の特許一覧

<>
  • 特許-着用物品におけるカフの製造方法 図1
  • 特許-着用物品におけるカフの製造方法 図2
  • 特許-着用物品におけるカフの製造方法 図3
  • 特許-着用物品におけるカフの製造方法 図4
  • 特許-着用物品におけるカフの製造方法 図5
  • 特許-着用物品におけるカフの製造方法 図6
  • 特許-着用物品におけるカフの製造方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-23
(45)【発行日】2023-01-31
(54)【発明の名称】着用物品におけるカフの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20230124BHJP
   A61F 13/494 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
A61F13/15 311Z
A61F13/15 355B
A61F13/15 370
A61F13/494 100
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022530531
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(86)【国際出願番号】 JP2021021329
(87)【国際公開番号】W WO2021251286
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2020100657
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】110001265
【氏名又は名称】特許業務法人山村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅林 豊志
(72)【発明者】
【氏名】藤田 英生
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-136667(JP,A)
【文献】特表2017-516543(JP,A)
【文献】国際公開第2017/159498(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/076223(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/056711(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シートS1を長手方向Yに搬送する工程と、
第2シートS2を長手方向Yに搬送する工程と、
第1シートS1および第2シートS2が互いに対面した状態で、第1シートS1と第2シートS2との間に少なくとも2本の連続弾性部材Fが互いに離間した状態で、かつ、伸張した状態で前記少なくとも2本の連続弾性部材Fを挟み込む工程と、
前記長手方向Yに間欠的に前記第1シートS1と第2シートS2とを熱融着して熱融着部Hを形成することで、前記両シートS1,S2に前記少なくとも2本の連続弾性部材Fを固定して積層体Wを形成する工程と、
前記少なくとも2本の連続弾性部材Fの間において、前記積層体Wを前記長手方向Yに沿ってスリットすることで、2分割された第1シートS1と2分割された第2シートS2との間に少なくとも1本の連続弾性部材Fが挟まれた一対のカフ用部材W4を得るスリット工程と、
前記一対のカフ用部材W4における前記スリットで生じた一対の側縁Eが互いに離間するように前記一対のカフ用部材W4を搬送する工程と、
前記一対のカフ用部材W4を着用物品の股部22の両側縁部に配置してカフを形成する工程と、を備える着用物品におけるカフの製造方法。
【請求項2】
請求項1において、前記スリット工程において、前記カフ用部材W4の側縁Eが波形状となるように前記スリットを実行する、製造方法。
【請求項3】
請求項2において、前記波形状の側縁Eは前記連続弾性部材Fに近い谷部Vと前記連続弾性部材Fから遠い山部Mとを繰り返し有しており、
前記熱融着部Hが前記谷部Vに位置するように、前記スリットが実行される、製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
前記第1シートS1の幅D1は前記第2シートS2の幅D2よりも大きく、
前記挟み込む工程において、前記第1シートS1の幅方向Dの中央部Cに前記第2シートS2が重ねられる、製造方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記挟み込む工程において、前記第1シートS1の一対の外側縁E1と前記第2シートS2の一対の外側縁E2とが互いに平行となるように重ねられる、製造方法。
【請求項6】
請求項1において、
前記2分割された一対のカフ用部材W4が互いに同じ数の前記連続弾性部材Fを含むように、前記スリット工程が実行される、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着用物品のカフと呼ばれる防漏壁(立体ギャザー)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、使い捨てパンツやオムツなどの着用物品(吸収性物品)には、体液の横漏れを抑制する一対のカフが設けられている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1のカフの構造では、シートの縁部を折り返し、シート基部と折り返した縁部との間に弾性部材が配置されている。このシートと弾性部材とは接着剤にて互いに接着されている。しかし近年、接着剤のような消耗品の使用を低減する努力がなされている。
【0004】
一方、下記の特許文献2においては、シートの基部に対しシートの縁部を折り返し、シート基部と折り返した縁部との間に弾性部材を挟み込み、シート基部と折り返した端縁とを熱融着させることで、弾性部材をシートに固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】JP2012-125454 A(フロントページ)
【文献】EP3 056 176 B1
【発明の概要】
【0006】
前記特許文献2の発明は、接着剤の使用を避けることは可能である。しかし、この先行技術では縁部を折り返すため、弾性部材をシート基部と折り返した縁部との間に導入する際に、弾性部材を正確にガイドすることができず、熱融着加工時に弾性部材の破断等を招くおそれがある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、着用物品におけるカフの製造方法において、接着剤を用いることなく、一対のカフを得ることができるとともに、製造に際して弾性部材が破断する等のトラブルを生じさせないことである。
【0008】
本発明のカフの製造方法は、
第1シートS1を長手方向Yに搬送する工程と、
第2シートS2を長手方向Yに搬送する工程と、
第1シートS1および第2シートS2が互いに対面した状態で、第1シートS1と第2シートS2との間に少なくとも2本の連続弾性部材Fが互いに離間した状態で、かつ、伸張した状態で前記少なくとも2本の連続弾性部材Fを挟み込む工程と、
前記長手方向Yに間欠的に前記第1シートS1と第2シートS2とを熱融着して熱融着部Hを形成することで、前記両シートS1,S2に前記少なくとも2本の連続弾性部材Fを固定して積層体Wを形成する工程と、
前記少なくとも2本の連続弾性部材Fの間において、前記積層体Wを前記長手方向Yに沿ってスリットすることで、2分割された第1シートS1と2分割された第2シートS2との間に少なくとも1本の連続弾性部材Fが挟まれた一対のカフ用部材W4を得るスリット工程と、
前記一対のカフ用部材W4における前記スリットで生じた一対の側縁Eが互いに離間するように前記一対のカフ用部材W4を搬送する工程と、
前記一対のカフ用部材W4を着用物品の股部22の両側縁部に配置してカフを形成する工程と、を備える。
【0009】
本発明によれば、第1シートと第2シートとを熱融着するから接着剤を用いる必要がない。
また、互いに別個の第1シートと第2シートとの間に連続弾性部材を挟むので、連続弾性部材Fを導入するのが容易であり、熱融着時に連続弾性部材Fが不用意に破断するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明の一実施形態を示しカフの製造方法の前半部を示す概念図である。
図2図2は同じく後半部を示す平面図である。
図3図3Aおよび図3Bは、それぞれ、カフ用部材を吸収コアに積層する工程を示す平面図および断面図である。
図4図4は溶着部を示す拡大平面図である。
図5図5Aおよび図5Bは、それぞれ、着用物品の一例を示す概略平面図および断面図、図5Cはカフの部分拡大図である。
図6図6Aおよび図6Bは、それぞれ、着用物品の他の例を示す概略平面図および断面図である。
図7】カフを着用物品に配置する工程の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
なお、本明細書中のカタカナ表記の一部には、その意味をより明瞭にするために英単語を( )で併記している。
【0012】
以下、本発明の実施形態1にかかる製造方法の説明に先立って、着用物品1の構造の一例が図面にしたがって説明される。
【0013】
図5Aおよび図5Bに示すように、本例の着用物品1は、吸収性本体2および前後の各胴回り部3F,3Bを備えている。吸収性本体2は、フロント(front)部20、バック(back)部21および股部22を有している。フロント部20は着用者の前胴(胴の前部)を覆う。バック部21は着用者の後胴(胴の後部)を覆う。股部22は前記フロント部20とバック部21との間の着用者の股間を覆う。
【0014】
股部22はフロント部20およびバック部21に連なり、吸収性本体2は胴回り方向Xに直交する縦方向(長手方向)Yに長い。
【0015】
図5Aにおいて、本着用物品1は、股部22が胴回り方向X(幅方向D)に平行な仮想のライン(line)において2つに折られた状態で着用される。これにより、前後の胴回り部3F,3Bの胴回り方向Xの端部同士つまりサイド同士が互いに重なる。
【0016】
図5Bに示すように、吸収性本体2には吸収コア(core)24が設けられている。この吸収コア24は体液を吸収する。吸収コア24は、トップシート(top sheet)26とバックシート(back sheet)27との間で挟まれている。各シート26,27および吸収コア24は互いに積層されている。
【0017】
図5Bにおいて、トップシート26は透液性の薄い不織布からなり、吸収コア24の肌面を覆う。このトップシート26の上には一対のカフ(cuff)25が設けられている。
本発明において「肌面」とは、オムツの着用時に直接的または間接的に着用者の肌に接する内側の面を意味し、着用者の肌に直接的または間接的に対面する。
【0018】
バックシート27は吸収コア24の非肌面を覆い、液不透過性の樹脂シートからなる。バックシート27の非肌面には通気性を有する外装不織布(図示せず)が接着されて積層されている。
本発明において「非肌面」とは、肌面とは反対側のオムツの着用時に着用者の肌に接しない外側の面を意味し、着用者の肌に対面しない。
【0019】
前後の胴回り部3F,3Bにはウエスト用やヒップ用の弾性部材31が設けられていてもよい。
【0020】
一対のカフ25は互いに幅方向Dに離間した状態でトップシート26上に配置されている。また、一対のカフ25は着用物品1の股部22の両側縁に配置されている。カフ25の側縁は吸収性本体2の側縁に固着されていてもよい。
【0021】
各カフ25は所定長の第1ウェブW1と第2ウェブW2との間に少なくとも1本の弾性部材Fが挟まれて形成されている。第2ウェブW2の幅は第1ウェブW1の幅よりも小さい。なお、弾性部材としては、たとえば、複数の糸ゴム(rubber)の他に発泡ウレタンを含む糸状又は帯状の材料を採用することができる。
【0022】
第1ウェブW1はトップシート26やバックシート27の側縁に固着されていてもよい。一方、弾性部材Fには図5Aの展開した状態では張力が付与されている。こうした構造であるため、着用物品1の着用時には弾性部材Fが収縮し、第1ウェブW1および第2ウェブW2が起立し、かつ、第2ウェブW2にギャザーが形成され、カフ25は周知の立体ギャザー(防漏壁)を構成する。
【0023】
一対のカフ25が互いに対峙する内側の側縁Eの各々は、図5Cに拡大して示すように、それぞれ、谷部Vと山部Mとが交互に繰り返す波形に形成されていてもよい。一対のカフ25の各カフ25において、谷部Vは当該カフに含まれる弾性部材Fに近く、一方、山部Mは当該カフ25に含まれる弾性部材Fから遠い。
【0024】
図5Cにおいて、カフ25の第1ウェブW1と第2ウェブW2とが熱融着された熱融着部Hをグレーで着色して示す。この図に示すように、熱融着部Hは長手方向Yに断続的に形成されている。また、弾性部材Fの一部を含むように、かつ、谷部Vに位置するように、かつ、山部Mが溶着されないように熱融着部Hが形成されている。これにより、山部Mにおいて第1ウェブW1および第2ウェブW2が硬くならず、そのため、肌当りが良好となる。
【0025】
次に、カフ25の製造方法の一例を図1図3にしたがって説明する。
【0026】
図1において、第1シートS1および第2シートS2を長手方向Yに搬送する。第1および第2シートS1,S2は長手方向Yに連続しており、第1シートS1の幅D1は第2シートS2の幅D2よりも大きい。なお、第1シートS1および第2シートS2は連続不織布であり、加工されることで各々第1ウェブW1および第2ウェブW2になる。
【0027】
ついで、第1シートS1および第2シートS2が互いに対面した状態で、かつ、少なくとも2本の連続弾性部材Fが互いに離間した状態で、かつ、長手方向Yに伸張した状態で第1シートS1と第2シートS2との間に前記少なくとも2本の連続弾性部材Fを挟み込む。第2シートS2は第1シートS1の幅方向Dの中央部Cに重ねられる。この際、第1シートS1の一対の外側縁E1と第2シートS2の一対の外側縁E2とが互いに平行となるように、両シートS1,S2が重ねられる。
【0028】
その後、長手方向Yに間欠的に第1シートS1と第2シートS2とを熱融着して熱融着部H(図4においてグレーで示す)を形成することで、両シートS1,S2に少なくとも2本の連続弾性部材Fを固定して積層体Wを形成する。なお、熱融着部については後に詳細に説明する。
【0029】
続いて、積層体Wを2分割するスリット工程を実行する。このスリット工程では、少なくとも2本の連続弾性部材Fの間において、積層体Wを長手方向Yに沿ってスリットすることで、2分割された第1シートS1と2分割された第2シートS2との間に少なくとも1本の連続弾性部材Fが挟まれた一対のカフ用部材W4を得る。
【0030】
前記スリット工程において、2分割された一対のカフ用部材W4が互いに同じ数の連続弾性部材Fを含むように積層体Wがスリットされる。カフ用部材W4の側縁Eが波形状となるように積層体Wがスリットされてもよい。
【0031】
続いて、拡幅工程が実行される。すなわち、一対のカフ用部材W4におけるスリットで生じた一対の側縁Eが互いに離間するように一対のカフ用部材W4,W4同士を拡幅しながら一対のカフ用部材W4を搬送する。この拡幅工程では拡幅後、図2Aのように、一対の外側縁E1,E1同士が互いに平行となるように一対のカフ用部材W4を搬送する。
【0032】
こうして生成された一対のカフ用部材W4は、図3Aおよび図3Bに示すように、第2シートS2を第1シートS1と吸収コア24のトップシート26との間に挟むように吸収性本体2に積層される。この際、吸収性本体2の外側縁に第1シートS1の一対の外側縁E1が接合されて、吸収性本体2の連続体が生成される。
【0033】
この接合後、吸収性本体2の連続体から、個々の着用物品の単位の吸収性本体2が切り取られる。個々の吸収性本体2は例えば図5Aに示すように、一対の胴回り部3F,3Bに架設されてもよい。こうして、一対のカフ用部材W4が着用物品1の股部22の両側縁に配置されてカフ25が形成される。
【0034】
なお、図5Aに示すように、胴回り部3F,3Bを構成するウェブ3Wを折り返して、吸収性本体2の長手方向Yの両端がウェブ3Wに覆われていてもよい。
【0035】
つぎに、図4の拡大図を用いて熱融着部Hについて説明する。
【0036】
図4において、スリット工程後の状態では、各熱融着部Hは2本の連続弾性部材Fを含み、かつ、内側の側縁Eの谷部Vまで延びており、かつ、山部Mまでは延びていない。つまり、熱融着部Hが谷部Vに位置するように、一対のシートS1,S2がスリットされてもよい。したがって、山部Mにおいては、第1シートS1と第2シートS2とは互いに融着されていない。
【0037】
図4において、このような状態を得るには、スリット工程前の熱融着工程において、2本の連続弾性部材Fを含み、かつ、両シートの中心線C1を含まないように、第1シートS1と第2シートS2とを互いに熱融着する。なお、熱融着は超音波接合により行われてもよいし、ヒートローラにより行われてもよい。
【0038】
図4に示すように、前述の熱融着部Hは中心線C1を股いで互いに離れた2箇所に形成される。前記スリット工程では、積層体Wが波形状に切断されて形成された内側の側縁E,Eと第2シートS2の一対の外側縁E2,E2の間に各々複数の熱融着部Hが搬送方向Y(長手方向Y)に断続的に表れるように積層体Wがスリットされて、カフ用部材W4が形成される。
【0039】
すなわち、図4の熱融着部Hは一対のカフ用部材W4のうちの一方に配置された熱融着部Hと、一対のカフ用部材W4のうちの他方に配置された熱融着部Hとを含む。前述の積層体Wを形成する工程において、一方と他方の熱融着部H,Hが長手方向に直交する幅方向Dに互いに離間するように形成される。これらの互いに離間した一方の熱融着部Hと他方の熱融着部Hとの間に側縁Eが現れるようにこれらの熱融着部H,Hの間において積層体Wがスリットされて一対のカフ用部材W4が形成される。
【0040】
ところで、図4の各熱融着部Hは中心線C1を含むように幅方向Dに連続していてもよい。この場合、各熱融着部Hが山部Mに配置されないように、側縁Eの山部Mと山部Mとの間に配置されてもよい。このようにすれば、山部Mにおいて各シートS1,S2が熱融着されていないため、肌当たりが良好であろう。
なお、熱融着部Hの長手方向Yのピッチは波形状の側縁E,Eの波形の波長と同程度でもよいし、異なっていてもよい。
【0041】
つぎに、本発明の実施形態2について説明する。
図6A図7は同実施形態2を示す。
図6Aおよび図6Bに示すように、一対のカフ25は使い捨てオムツの長手方向Yの一端から他端まで設けられており、かつ、胴回り方向Xの一端から他端まで設けられている。
【0042】
本例に示すように、カフ25および吸収性本体2にはレッグホールとなる括れが形成されていてもよい。なお、着用物品がオムツである場合、止着剤が塗布されたテープ(tape)材4やファスナ材が後の胴回り部3Bに固着されていてもよい。
【0043】
つぎに、本例において、図7のカフ用部材W4を着用物品1に配置してカフ25を形成する方法について説明する。本例はいわゆる縦流れの場合を示す。
【0044】
図7において、第1ウェブW1(不織布ウエブ)上にバックシート27の連続シート27Sを配置後、連続シート27Sの上に吸収コア24を配置すると共に、吸収コア24を連続シート27Sに接合してもよい。その後、図7の一対のテープ材4を第1ウェブW1に接合し、更に、吸収コア24および連続シート27Sを覆うように、トップシート26となる透液性の連続ウェブW3を積層する。
【0045】
その後、カフ25(図6A)となる一対のカフ用部材W4を積層して着用物品の中間品10が生成される。この積層後、第1ウェブW1(不織布ウエブ)およびカフ用部材W4の一部を切り欠いて、レッグホール3Lとなる部位が形成されてもよい。
【0046】
その後、図7の中間品10から個々の着用物品1を得るために、搬送方向Yに直交する幅方向Dに延びる仮想の切断ラインCLに沿って、中間品10を切断する。なお、この中間品10は互いに隣り合う吸収性本体2,2の間において切断される。こうして、図6A図6Bの着用物品1が得られる。
【0047】
上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれる。
【0048】
好ましい製造方法においては、スリット工程において、カフ用部材W4の側縁Eが波形状となるようにスリットを実行する。
【0049】
この場合、波形状の側縁Eが着用者の肌に触れる。そのため、肌当りや風合いが向上する。
【0050】
更に好ましくは、波形状の側縁Eは連続弾性部材Fに近い谷部Vと連続弾性部材Fから遠い山部Mとを繰り返し有しており、
熱融着部Hが谷部Vに位置するように、スリットが実行される。
【0051】
この場合、熱融着により硬くなった熱融着部Hが山部Mに存在しないため、肌当りが更に向上する。
【0052】
好ましくは、第1シートS1の幅D1は第2シートS2の幅D2よりも大きく、
挟み込む工程において、第1シートS1の幅方向Dの中央部Cに第2シートS2が重ねられる。
【0053】
この場合、一対の左右のカフが概ね対称になる。
【0054】
更に好ましくは、挟み込む工程において、第1シートS1の一対の外側縁E1と第2シートS2の一対の外側縁E2とが互いに平行となるように重ねられる。
この場合、一対の左右のカフが対称形状になる。
【0055】
好ましくは、2分割された一対のカフ用部材W4が互いに同じ数の連続弾性部材Fを含むように、スリット工程が実行される。
【0056】
この場合、一対の左右のカフが肌に対し均等に接触し易い。
【0057】
1つの実施態様または好ましい各実施形態に関連して説明/およびまたは図示した特徴は、1つまたはそれ以上の他の実施態様において同一または類似な形で、および/または他の実施態様と組み合わせて、または、その代わりに利用することができる。
【0058】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、各カフに設けた弾性部材は1本または3本以上であってもよい。
また、スリットで生じた一対の側縁は波形ではなく、直線状であってもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明はオムツ型およびパンツ型の使い捨て着用物品等の製造に適用し得る。
【符号の説明】
【0060】
S1:第1シート S2:第2シート
1:使い捨て着用物品 10:中間品
2:吸収性本体 20:フロント部 21:バッグ部 22:股部
24:吸収コア 25:カフ 26:トップシート 27:バックシート
3:外装不織布 3F,3B:胴回り部 3L:レッグホール
4:テープ材(止着部材)
C:中央部 CL:切断ライン C1:中心線
D:幅方向 D1,D2:幅
E:側縁 E1,E2:外側縁
F:連続弾性部材
H:熱融着部 X:胴回り方向 Y:長手方向
W:積層体 W1:第1ウエブ(不織布ウェブ) W3:連続ウェブ W4:カフ用部材
V:谷部 M:山部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7