(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】マグネットシートの巻取り装置とその立て掛け具
(51)【国際特許分類】
B65H 75/10 20060101AFI20230125BHJP
B43L 1/08 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
B65H75/10
B43L1/08
(21)【出願番号】P 2018219321
(22)【出願日】2018-11-22
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】P 2017245127
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000200666
【氏名又は名称】泉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】関 和治
(72)【発明者】
【氏名】亀田 周兵
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晃之
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特許第4221138(JP,B2)
【文献】実開平04-089585(JP,U)
【文献】特開2003-226470(JP,A)
【文献】特許第5233870(JP,B2)
【文献】特開2006-171563(JP,A)
【文献】実開昭64-003496(JP,U)
【文献】特開2001-033877(JP,A)
【文献】特開2014-016442(JP,A)
【文献】特開2016-167025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/00-75/50
B43L 1/04-1/12
G03B 21/56-21/625
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するマグネットシートと、該マグネットシートの一側に取り付けられて該マグネットシートを巻き取る所要径の筒状巻取り具とを有し、使用時にマグネットシートを筒状巻取り具から展開して被磁着体に磁着させ、非使用時にはマグネットシートを筒状巻取り具に巻き取るようにしたマグネットシートの巻取り装置において、
上記筒状巻取り具を、筒状部材を軸方向に分割した複数の長尺部材から構成するとともに、各長尺部材を円周方向にヒンジ結合し、使用時には各長尺部材を展開させて、各長尺部材を上記被磁着体上に展開されたマグネットシートと同一平面上に配置可能とし、非使用時には各長尺部材を円周方向に集合させ、隣接する長尺部材の各端面の当接部を相互に当接させて上記所要径の筒状巻取り具を形成させる
ように構成し、
上記各長尺部材の外周面における円周方向両端部分は円弧状に形成され、かつ円周方向中央部分は平面状に形成されており、上記使用時においては、各長尺部材における平面状となった円周方向中央部分が上記被磁着体に安定して磁着されることを特徴とするマグネットシートの巻取り装置。
【請求項2】
上記長尺部材の当接部に、各長尺部材を集合させた際に相互に係合する係合部が形成されており、両係合部は各長尺部材を集合させた際に相互に係合して各長尺部材の円周方向の位置を位置決めすることを特徴とする
請求項1に記載のマグネットシートの巻取り装置。
【請求項3】
上記ヒンジ結合は、上記各長尺部材に貼着されて各長尺部材を連結する上記マグネットシート、又は上記各長尺部材を相互に連結した状態で製造された合成樹脂、又は上記各長尺部材に貼着されて各長尺部材を連結するテープによって構成されていることを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載のマグネットシートの巻取り装置。
【請求項4】
上記長尺部材に、該長尺部材を上記被磁着体に磁着させるマグネットが設けられていることを特徴とする請求項1ないし
請求項3のいずれかに記載のマグネットシートの巻取り装置。
【請求項5】
上記各長尺部材が展開された際に一側となる長尺部材の端部と他側となる長尺部材の端部とにマグネットが設けられ、両マグネットは各長尺部材を集合させた際に相互に磁着して、上記筒状巻取り具の形状を維持することを特徴とする請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載のマグネットシートの巻取り装置。
【請求項6】
上記長尺部材の内側に、マーカーペンとイレーサーの一方または双方を着脱自在に保持するためのホルダが設けられており、該ホルダは、マーカーペンとイレーサーの一方または双方を保持した状態で、非使用時に筒状巻取り具の内側に収容されることを特徴とする請求項1ないし
請求項5のいずれかに記載のマグネットシートの巻取り装置。
【請求項7】
上記マグネットシートの端部に被磁着体に磁着するエンドバーを設けるとともに、当該エンドバーにマグネットシートの巻取り状態を維持するための結束バンドを設け、
上記結束バンドにおける上記エンドバーよりも外部側に突出した部分の長さを、筒状巻取り具に巻回されたマグネットシートの外周を1周未満で巻回するような長さに設定し、さらに当該結束バンドの先端部分を上記マグネットシートの外周面で保持するようにし、
非使用状態では上記エンドバーを上記被磁着体に磁着させて保持することを特徴とする請求項1ないし
請求項6のいずれかに記載のマグネットシートの巻取り装置。
【請求項8】
請求項1ないし
請求項7のいずれかに記載のマグネットシートの巻取り装置の立て掛け具であって、
被磁着体に磁着される磁着部と、当該磁着部から斜め前方に突出する2つの拡開部と、これら拡開部の先端部の間に設けられる転倒防止部材とを備え、
上記磁着部を被磁着体に磁着させた状態で、非使用状態の巻取り装置を上記拡開部の間に位置させ、さらに拡開部に上記転倒防止部材を設けて転倒を防止するようにしたことを特徴とするマグネットシートの巻取り装置の立て掛け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマグネットシートの巻取り装置とその立て掛け具に関し、より詳しくは、非使用時にマグネットシートを筒状巻取り具に巻き取ることができるようにしたマグネットシートの巻取り装置とその立て掛け具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可撓性を有するマグネットシートと、該マグネットシートの一側に取り付けられて該マグネットシートを巻き取る所要径の筒状巻取り具とを有し、使用時にマグネットシートを筒状巻取り具から展開して被磁着体に磁着させ、非使用時にはマグネットシートを筒状巻取り具に巻き取るようにしたマグネットシートの巻取り装置が知られている(特許文献1)。
上記構成の巻取り装置においては、使用時にはマグネットシートを筒状巻取り具から展開して被磁着体に磁着させることにより、当該マグネットシートをホワイトボード用のシートとして使用したり、或いは映写機等のプロジェクタ用反射型スクリーンとして使用したりすることができる。他方、非使用時にはマグネットシートを筒状巻取り具に巻き取ることができるので、巻取り装置をコンパクトに収容することができる。
また従来、上述した筒状巻取り具の代わりに、マグネットシートの一側に複数の棒状のマグネットを平行に取り付けたマグネットシートの巻取り装置も知られている(特許文献2)。
このマグネットシートの巻取り装置においては、使用時にマグネットシートを展開した際に上記複数の棒状のマグネットも展開させることができ、他方、非使用時には複数の棒状のマグネットを中心としてこれにマグネットシートを巻き取ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4221138号公報
【文献】特許第5233870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前者の巻取り装置においては、マグネットシートを筒状巻取り具から展開して被磁着体に磁着させた使用時には、マグネットシートの一側に筒状巻取り具が取り付けられた状態のままとなるので、マグネットシートの一側からの視界の邪魔となったり、或いは当該マグネットシートをホワイトボードとして使用する場合には、筒状巻取り具に隣接したシート部分を使用する際に、筒状巻取り具が邪魔になることがあった。これに対し、所要径を有する筒状巻取り具はマグネットシートをシワを生じさせることなく巻き取るのに好適な直径に予め設定することができるので、当該筒状巻取り具を中心としてマグネットシートをシワを生じさせることなく円滑に巻き取ることができるという利点がある。
これに対し後者の巻取り装置においては、使用時にマグネットシートを展開した際に上記複数の棒状のマグネットも展開させることができるので、前者の巻取り装置のように筒状巻取り具が邪魔になることを防止することができるという利点がある。他方、上記複数の棒状のマグネットを中心としてマグネットシートを巻き取る際に、複数のマグネットの外径を一定とすることが困難で、マグネットシートを円滑に巻き取ることができなかったり、マグネットシートにシワができ易いという欠点があった。
本発明はそのような事情に鑑み、マグネットシートをシワを生じさせることなく円滑に巻き取ることができ、かつ筒状巻取り具が邪魔になることを防止できるようにしたマグネットシートの巻取り装置と、当該マグネットシートの巻き取り装置に好適な立て掛け具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、可撓性を有するマグネットシートと、該マグネットシートの一側に取り付けられて該マグネットシートを巻き取る所要径の筒状巻取り具とを有し、使用時にマグネットシートを筒状巻取り具から展開して被磁着体に磁着させ、非使用時にはマグネットシートを筒状巻取り具に巻き取るようにしたマグネットシートの巻取り装置において、
上記筒状巻取り具を、筒状部材を軸方向に分割した複数の長尺部材から構成するとともに、各長尺部材を円周方向にヒンジ結合し、使用時には各長尺部材を展開させて、各長尺部材を上記被磁着体上に展開されたマグネットシートと同一平面上に配置可能とし、非使用時には各長尺部材を円周方向に集合させ、隣接する長尺部材の各端面の当接部を相互に当接させて上記所要径の筒状巻取り具を形成させるように構成し、
上記各長尺部材の外周面における円周方向両端部分は円弧状に形成され、かつ円周方向中央部分は平面状に形成されており、上記使用時においては、各長尺部材における平面状となった円周方向中央部分が上記被磁着体に安定して磁着されることを特徴とするものである。
また請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のマグネットシートの巻取り装置の立て掛け具であって、
被磁着体に磁着される磁着部と、当該磁着部から斜め前方に突出する2つの拡開部と、これら拡開部の先端部の間に設けられる転倒防止部材とを備え、
上記磁着部を被磁着体に磁着させた状態で、非使用状態の巻取り装置を上記拡開部の間に位置させ、さらに拡開部に上記転倒防止部材を設けて転倒を防止するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
上記請求項1の発明にかかるマグネットシートの巻取り装置によれば、使用時には各長尺部材を展開させて、各長尺部材を上記被磁着体上に展開されたマグネットシートと同一平面上に配置することができる。その際には、各長尺部材における平面状となった円周方向中央部分が上記被磁着体に安定して磁着される。そのため、各長尺部材の被磁着体からの突出量を小さくすることができ、これにより筒状巻取り具を構成する各長尺部材がマグネットシートの一側からの視界の邪魔となったり使用の邪魔となったりすることを低減することができる。
そして非使用時には各長尺部材を円周方向に集合させ、隣接する長尺部材の各端面の当接部を相互に当接させて上記所要径の筒状巻取り具を形成することができるので、マグネットシートを筒状巻取り具にシワを生じさせることなく円滑に巻き取ることができるという効果が得られる。
また請求項8の発明にかかる立て掛け具によれば、磁力によって巻取り装置を被磁着体に保持させることができない場合であっても、上記立て掛け具によって当該巻取り装置を転倒しないように保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】本発明の第2実施例を示す筒状巻取り具の断面図。
【
図5】本発明の第3実施例を示す筒状巻取り具の断面図。
【
図6】本発明の第4実施例を示す筒状巻取り具の断面図。
【
図7】本発明の第5実施例を示す筒状巻取り具の断面図。
【
図8】本発明の第6実施例を示す筒状巻取り具の断面図。
【
図9】本発明の第7実施例を示す筒状巻取り具の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について本発明を説明すると、
図1は本発明に係るマグネットシートの巻取り装置1の使用状態を示した正面図で、
図2は
図1のII-II線に沿う断面図である。
上記巻取り装置1は可撓性を有するマグネットシート2と、該マグネットシート2の一側(
図1の右側)に取り付けられて該マグネットシート2を巻き取る筒状巻取り具3とを備えており、巻取り装置1の使用時には、上記マグネットシート2は筒状巻取り具3から引き出されて展開されて、黒板あるいはホワイトボード等の被磁着体4(
図2)に磁着される。
他方、上記筒状巻取り具3は、後に詳述するように、本実施例では筒状部材を軸方向に三等分に分割した3つの断面円弧状の長尺部材5から構成されており、巻取り装置1の使用時には、各長尺部材5は筒状の状態(
図3b参照)からマグネットシート2と同一平面上に展開されてそれぞれ被磁着体4に磁着されている。
【0009】
上記マグネットシート2の他側(
図1の左側)には、その高さ方向の全長にわたって中空で断面方形のエンドバー6が接着剤等により固着されており、該エンドバー6の内部上下位置にそれぞれ矩形状の永久磁石7が粘着剤等により固定されている。
上記マグネットシート2は被磁着体4に自己の磁力により磁着されるが、これと同時にマグネットシート2の左端部は上記エンドバー6内の永久磁石7によっても磁着され、これによりマグネットシート2の左端部の確実な磁着が図られるとともに反りが防止される。
上記マグネットシート2としては、可撓性および磁性を有する従来公知の種々の構成のマグネットシートを使用することができる。例えばプラスチックフィルム等の基材の表面及び裏面に特殊コート層及び磁性を有するシートをそれぞれ設けた筆記ボード/反射型スクリーン両用シート等を使用することができる。
【0010】
図3aは上記使用時における筒状巻取り具3の断面図で、
図2に示す筒状巻取り具3の拡大断面図となっている。また
図3bは巻取り装置1の非使用時に、各長尺部材5を円周方向に集合させて予め定めた所要径の筒状巻取り具3を形成した断面図で、この状態で筒状巻取り具3にマグネットシート2を巻き取ることができるようになっている。
上記筒状巻取り具3は、上述したように、筒状部材を軸方向に三等分に分割した3つの断面円弧状の長尺部材5から構成されており、各長尺部材5は隣接した長尺部材5、5間でヒンジ結合されている。
本実施例では、
図3bで示すように、各長尺部材5を円周方向に集合させて筒状巻取り具3を形成した状態で、マグネットシート2の左端部分を筒状巻取り具3の外周面に巻き付け、かつその巻き付けた部分を各長尺部材5に接着剤等によって固着させている。そして
図3aで示すように、各長尺部材5を展開した際には、各長尺部材5をマグネットシート2の左端部分によって相互に連結するようにしてある。つまり本実施例では、隣接した長尺部材5、5間をマグネットシート2によってヒンジ結合してある。
【0011】
上記各長尺部材5は同一形状を有しており、集合させた際に外周面となる円弧状の外周部5aと、各外周部5aの両端にそれぞれ半径方向内方に向けて突出形成されて各端面となる当接部5bとを備えている。
上記各円弧状の外周部5aの外周面は、各外周部5aの両端に形成した当接部5bとなる両方の端部部分5a′においてはそれぞれ上記所要径を形成するために同一の曲率で円弧状に形成してあるが、両方の端部部分5a′の中間となる中央部分5a″においては平面状に形成してあり、各長尺部材5を展開した際に、平面状の中央部分5a″のマグネットシート2を被磁着体4に安定した状態で磁着させることができるようにしてある。
【0012】
そして上記マグネットシート2は、
図3aで示すように、展開した際にマグネットシート2の左側となる2つの長尺部材5の外周面全域にそれぞれ固着してあるが、展開した際に最も左側となる長尺部材5の外周面については、該長尺部材5の右側の端部部分5a′と中央部分5a″とだけに固着して、左側の端部部分5a′には固着していない。
これにより、3つの長尺部材5の各中央部分5a″をそれぞれマグネットシート2を介して被磁着体4に磁着させることができるようにするとともに、最も左側となる長尺部材5からさらに左側に展開されるマグネットシート2が面一で被磁着体4に磁着されるようにしてある。
【0013】
上記各当接部5bは、各長尺部材5を集合させた際に相互に当接するようになっており、かつ相互に当接する当接部5b、5bの一方に長手方向(軸方向)に沿って係合凹部5cを、他方に係合凸部5dを形成してある。
上記各長尺部材5を集合させて当接部5b、5bを相互に当接させた際には、上記係合凸部5dは係合凹部5c内に係合するようになっており、それによって各長尺部材5を円周方向に位置決めして、安定した状態で所要径の筒状巻取り具3を形成することができるようにしてある。
さらに、各長尺部材5を展開した際に、最も右側となる当接部5bと最も左側となる当接部5bとにそれぞれラバーマグネット8を設けてあり、各長尺部材5を集合させた際に両ラバーマグネット8を磁着させて集合形成した筒状巻取り具3が容易に展開されることがないようにしてある。
【0014】
図1、
図2に示すように、展開した際に最も左側となる長尺部材5には、ホワイトボード用のマーカーペン10とイレーサー11とをそれぞれ保持するホルダ12を取り付けてある。
上記各ホルダ12は合成樹脂で製造され、
図3aに拡大して示すように、マーカーペン10やイレーサー11の筒状部を保持するC字状のクリップ部12aと、該クリップ部12aの中央部に連設した2つの連結部12bとを備えている。各連結部12bは、C字状のクリップ部12aの半径方向外方に伸びる脚部12cと各脚部の先端部に設けた係合部12dとを備えており、一方の係合部12dが長尺部材5の一側の当接部5bに係合し、他方の係合部12dが長尺部材5の他側の当接部5bに係合することによって、長尺部材5に着脱可能に取り付けられている。
上記マーカーペン10およびイレーサー11はホルダ12に着脱自在に取り付けられた状態で、上記各長尺部材5を集合させて筒状巻取り具3を形成した際に、当該筒状巻取り具3内に収容されるようになっている。
なお、上記イレーサー11は、筒状の把持部11aとこれよりも大径のイレーサー部11bとを備えており、把持部11aをC字状のクリップ部12aに係合させることにより、ホルダ12に着脱自在に取り付けている。また
図1では1つのマーカーペン10を長尺部材5に取り付けているが、上記ホルダ12を増やして複数のマーカーペンを長尺部材5に取り付けられるようにしてもよいことは勿論である。
【0015】
以上の構成において、マグネットシートの巻取り装置1を使用する際には、先ず筒状巻取り具3に巻き取られたマグネットシート2の先端部に設けたエンドバー6をその内部に設けた永久磁石7によって被磁着体4に磁着させる。次にこの状態から筒状巻取り具3を被磁着体4上で転動させて、筒状巻取り具3からマグネットシート2を相対的に引き出しながら被磁着体4上に展開させて磁着させる。
そしてマグネットシート2から筒状巻取り具3が露出されるようになったら、上記2つのラバーマグネット8を分離させて集合されていた各長尺部材5を展開して、各長尺部材5をマグネットシート2を介して被磁着体4に磁着させる。
この状態では、各長尺部材5の被磁着体4からの突出量は、筒状巻取り具3が形成されたままの状態に比較して小さくすることができるので、各長尺部材5が視界の邪魔となったり使用の邪魔となったりすることを低減することができる。
【0016】
上述したマグネットシート2の使用状態から該マグネットシート2を巻き取る際には、先ず展開されていた各長尺部材5を集合させる。この際、上記マグネットシート2によるヒンジ結合部分の長さは、各長尺部材5を集合させた際に隣接する長尺部材5の各端面である各当接部5b、5bが相互に自然に当接される長さに設定してある。
換言すれば、上記マグネットシート2は、各長尺部材5を集合させて筒状巻取り具3を構成した状態で、該筒状巻取り具3の外周面に貼着してあり、それによってマグネットシート2によるヒンジ結合部分の長さは、上述したように各長尺部材5を集合させた際に隣接する長尺部材5の各当接部5b、5bが自然に相互に当接される長さに設定されることになる。
そして本実施例では、上記相互に当接する当接部5b、5bの一方に係合凹部5cを、他方に係合凸部5dを形成してあるので、係合凹部5cと係合凸部5dとの係合により各長尺部材5を円周方向に位置決めするようになり、さらに各長尺部材5を展開した際に最も右側となる当接部5bと最も左側となる当接部5bとに設けたラバーマグネット8が相互に磁着するので、所要径の筒状巻取り具3が安定した状態で形成されるようになる。
この状態となったら、次に筒状巻取り具3を展開されているマグネットシート2上で転動させながら該筒状巻取り具3にマグネットシート2を巻き取ればよい。この際には、筒状巻取り具3は予めマグネットシート2を巻き取るのが好適でかつシワが生じない径に設定してあるので、マグネットシート2をシワを生じさせることなく円滑に巻き取ることができる。その後、紐でくくるか、あるいは、所定の筒に入れて収納すればよい。
なお、上記ラバーマグネット8は必要に応じて省略することができる。
【0017】
図4a、
図4b、
図4cは本発明の第2実施例を示したもので、上述の第1実施例では隣接した長尺部材5、5間をマグネットシート2によってヒンジ結合してあるのに対し、本実施例では筒状巻取り具23を構成する長尺部材25、25間を、各長尺部材25を構成する合成樹脂と一体に製造された樹脂ヒンジによってヒンジ結合するようにしたものである。
より詳細には、本実施例では各長尺部材25をそれぞれ外側部材26と内側部材27とから構成してある。各外側部材26は集合させた際に筒状巻取り具23の外周面を構成するもので、それぞれをアルミ等の硬質部材から別個に構成してある。各外側部材26の外周面の中央部に長手方向に伸びる凹部26aを形成してあり、各凹部26a内に各長尺部材25を被磁着体4に磁着させるためのラバーマグネット28を設けてある。
上記各外側部材26の外周面は、中央の凹部26aを形成した部分を除いて、それぞれ端部部分においては第1実施例と同様に同一の曲率半径で円弧状に形成してあり、他方、上記各ラバーマグネット28における被磁着体4に磁着される面は平面としてあり、これにより各長尺部材25を展開した際に、各長尺部材25を被磁着体4に安定した状態で磁着させることができるようにしてある。
【0018】
上記各内側部材27は、各外側部材26の内周側に取り付けられるもので、3つの内側部材27は合成樹脂によって一体に製造されて、隣接する内側部材27、27間はその合成樹脂によって相互に一体に連結されている。そして各連結部が、上記樹脂ヒンジを構成している。
図4cに示すように、各外側部材26の内周面の両側部に長手方向に沿って係合凸部26bがそれぞれ形成されるとともに、各内周部材27の両側部に長手方向に沿って係合凹部27aがそれぞれ形成され、各係合凸部26bと係合凹部27aとを係合させることにより、外側部材26と各内周部材27とがそれぞれ一体に連結されるとともに、隣接する長尺部材25が上記樹脂ヒンジによってヒンジ結合されるようになる。
【0019】
上記各内側部材27の両側には、第1実施例の当接部5bに相当する当接部をそれぞれ形成するとともに、相互に当接する当接部の一方に長手方向に沿って係合凹部27cを、他方に係合凸部27dを形成してある。これら係合凹部27cと係合凸部27dは、第1実施例の係合凹部5cと係合凸部5dとに相当するもので、各長尺部材25を集合させて上記当接部を相互に当接させた際に、上記係合凹部27cと係合凸部27dとが係合するようになっている。
また
図4a、
図4cに示すように、展開した際に最も左側となる長尺部材25の内側部材27には、上記ホワイトボード用のマーカーペン10やイレーサー11を保持するホルダ32を取り付けるために長手方向に沿ってアリ溝27eを形成してある。
上記各ホルダ32は合成樹脂で製造され、マーカーペン10やイレーサー11の筒状部を保持するC字状のクリップ部32aと、該クリップ部32aの中央部に連設した2つの係合凸部32bとを備え、両係合凸部32bを上記アリ溝27eに係合させることにより、該アリ溝27eの長手方向に沿って位置調整可能にホルダ32を内側部材27に取り付けている。
【0020】
本実施例では、各長尺部材25を樹脂ヒンジによってヒンジ結合してあるので、マグネットシート2の右端部は、展開した際に最も左側となる長尺部材25の外側部材26に第1実施例と同様の態様で貼着してあるだけで、当該長尺部材25よりも右側となる2つの外側部材26には貼着していない。そして当該2つの外側部材26を被磁着体4に磁着させるために、これら2つの外側部材26を含めて、全ての長尺部材25に上述したラバーマグネット28を設けてある。
以上の構成を有する第2実施例においても、上記第1実施例と同等の作用効果が得られることは明らかである。
なお、上記第2実施例において、内側部材26と外側部材27とを一体に合成樹脂で製造し、かつ各長尺部材25を樹脂ヒンジによってヒンジ結合するようにしてもよい。
【0021】
図5a、
図5b、
図5cは本発明の第3実施例を示したもので、本実施例においても筒状巻取り具43は、筒状部材を軸方向に三等分に分割した3つの断面円弧状の長尺部材45から構成してあり、各長尺部材45は、隣接した長尺部材45、45間を柔軟性を有するテープ41によってヒンジ結合してある。
本実施例では各長尺部材45はそれぞれ外側部分45aと内側部分45bとを有する中空部材から一体に構成してある。上記各外側部分45aの外周面は、円周方向両端部分は円弧状に、円周方向中央部分は平面状に形成され、これにより上述した実施例と同様に、各長尺部材45を展開した際に、各長尺部材45を被磁着体4に安定した状態で磁着させ、また各長尺部材45を集合させた際には所要径の筒状巻取り具43を形成することができるようにしてある。
各長尺部材45の円周方向両端面は、展開した際の右端部と左端部となる2つの端面を除いて平坦に形成してあり、各平坦面を相互に当接する当接部45cとしてある。これに対し、展開した際の右端部と左端部となる2つの端面も集合させた際に相互に当接する当接部45cとして形成してあるが、両当接部45cの一方に係合凹部45dを、他方に係合凸部45eを形成してあり、集合させた際に係合凹部45dと係合凸部45eとを相互に係合させて、筒状巻取り具43を安定した状態で形成することができるようにしてある。
その際、ヒンジ結合を構成するテープ41は、各長尺部材45を集合させて筒状巻取り具43を構成した状態で、隣接する長尺部材45を連結するようにピンと貼ってあり、それによってテープ41によるヒンジ結合部分の長さは、各長尺部材45を集合させた際に隣接する長尺部材45の各当接部5b、5bが相互に自然に当接される長さに設定されることになる。
【0022】
図5cに示すように、上記中空の長尺部材45の両端部にはキャップ47をそれぞれ取り付けてある。このキャップ47は長尺部材45の中空部内に嵌着される円弧状の嵌合部47aと、長尺部材45の長手方向開口部の端面に当接する鍔部47bとを有しており、かつ嵌合部47aの中央の平坦部内に永久磁石48を取り付けている。
したがって筒状巻取り具43を展開した際に、各長尺部材45を被磁着体4に上記永久磁石48によって磁着させることができる。
また本実施例では、マグネットシート2の左端部に設けたエンドバー6の長さ方向中央部に、筒状巻取り具43にマグネットシート2を巻き取った後に、その巻取り状態を維持するための結束バンド49(
図1参照)が取り付けられている。この結束バンド49は面ファスナーから構成され、一端が上記エンドバー6の長手方向中央部に固定され、他端にウェイト50が固定されている。
この結束バンド49は、非使用時には、上記筒状巻取り具43にマグネットシート2が巻き取られた後に、マグネットシート2の外周に巻回されて面ファスナーにより巻回し部が相互に固着され、これによりマグネットシート2の巻取り状態を安定して維持することができるようになっている。
他方、使用時には、
図1ではマグネットシート2を展開した際に上記結束バンド49も展開した状態として示してあるが、実際にはマグネットシート2の使用の邪魔にならないようにウェイト50により安定した状態で垂れ下がるようにしてある。
以上の構成を有する第3実施例においても、上記第1実施例、第2実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0023】
図6a、
図6bは本発明の第4実施例を示したもので、上記実施例がいずれも筒状巻取り具3、23、43を、筒状部材を軸方向に三等分に分割した3つの長尺部材5、25、45から構成しているのに対し、本実施例では筒状巻取り具53を、筒状部材を軸方向に二等分に分割した2つの断面半円形状の長尺部材55から構成したものである。
本実施例の長尺部材55も、円周方向両端部分は円弧状に、円周方向中央部分は平面状に形成してあり、これにより上記各実施例と同様に、各長尺部材55を展開した際に、各長尺部材55を被磁着体4に安定した状態で磁着させることができるようにしてある。
また本実施例では2つの長尺部材55を円周方向に集合させて筒状巻取り具53を形成した際には、筒状巻取り具53の両端部が閉鎖されるように各長尺部材55の長手方向両端部に半円状の蓋部材55aを設けてある。
各蓋部材55aの合わせ面の両端部には相互に係合する係合凹部55bと係合凸部55cとを形成してあり、両長尺部材55を集合させて筒状巻取り具53を形成した際には各係合凹部55bと係合凸部55cとが係合するようにしてある。
【0024】
本実施例におけるヒンジ結合は第1実施例と同様にマグネットシート2を利用しており、該マグネットシート2の右端部は展開時に右方となる長尺部材55の外周面のほぼ全域に貼着するとともに、展開時に左方となる長尺部材55の外周面の右半分に貼着してある。
これにより、2つの長尺部材55を上記マグネットシート2によってヒンジ結合してあり、展開時には両長尺部材55の各中央部分をそれぞれマグネットシート2を介して被磁着体4に磁着させることができるようにするとともに、左側となる長尺部材55からさらに左側に展開されるマグネットシート2が面一で被磁着体4に磁着されるようにしてある。
本実施例のマグネットシート2によるヒンジ結合の長さは第1実施例と同様に設定してあり、したがって本実施例においても、上記第1実施例ないし第3実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
図7は本発明の第5実施例を示したもので、本実施例では筒状巻取り具63を、筒状部材を軸方向に八等分に分割した8つの円弧状の長尺部材65から構成したものである。そして本実施例の長尺部材65においても、各円周方向両端部分は円弧状に、円周方向中央部分は平面状に形成してあり、これにより上記各実施例と同様に、各長尺部材65を展開した際に、各長尺部材65の中央部を被磁着体4に安定した状態で磁着させ、また各長尺部材65を集合させた際には所要径の筒状巻取り具63を形成することができるようにしてある。
本実施例では上記8つの長尺部材65を円周方向に集合させて筒状巻取り具63を形成した際には、各長尺部材65の円周方向両端面が相互に密着した状態で当接する当接部となっている。
また本実施例におけるヒンジ結合は第1実施例と同様にマグネットシート2を利用しており、該マグネットシート2の右端部は展開時に右方となる長尺部材65aの外周面のほぼ全域に貼着するとともに、その他の長尺部材65の外周面の全域にそれぞれ貼着してある。これに対し、展開時に左方となる長尺部材65bについては、円周方向右方の円弧状部分と中央の平面状部分に貼着してあり、円周方向左方の円弧状部分には貼着してない。
このように、本実施例では8つの長尺部材65をそれぞれ上記マグネットシート2によってヒンジ結合してあり、展開時には各長尺部材65をそれぞれマグネットシート2を介して被磁着体4に磁着させることができるようにするとともに、左側となる長尺部材65bからさらに左側に展開されるマグネットシート2が面一で被磁着体4に磁着されるようにしてある。
またマグネットシート2の巻取り時には、8つの長尺部材65の当接部を相互に密着した状態で当接させながら安定した状態で所要径の筒状巻取り具63を構成することができるようになり、したがって本実施例においても、上記第1~第4実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
図8a、
図8bは本発明の第6実施例を、
図9a、
図9bは本発明の第7実施例をそれぞれ示したもので、筒状巻取り具43にマグネットシート2を巻き取った巻取り装置1の非使用時に、上記エンドバー6を被磁着体4に磁着させた状態で当該巻取り装置1を保持可能としたものである。
エンドバー6の内部には、非使用状態の巻取り装置1を被磁着体4に保持可能な強さの永久磁石7が収容され、また
図1に示すように上記エンドバー6の長さ方向中央部には結束バンド49が設けられている。
なお、これらの実施例にかかる巻取り装置1を説明するため、
図5に示す第3実施例に記載の巻取り装置1の筒状巻取り具43を用いるが、他の実施例の筒状巻取り具3、23、53、64に適用することができることは勿論である。
【0027】
以下具体的に
図8を用いて第6実施例の巻取り装置1を説明すると、本実施例の巻取り装置1において、上記結束バンド49は面ファスナーではなく、柔軟性を有する所要の材料によって構成され、当該結束バンド49の内側には、上記ウェイト50に隣接した位置に永久磁石70が設けられている。
上記結束バンド49の基端部は上記エンドバー6に固定されており、また結束バンド49における上記エンドバー6よりも外部側に突出した部分の長さは、非使用状態の巻取り装置1の外周を1周未満で巻回するような長さとなっており、これにより当該突出部分が被磁着体4とエンドバー6との間を通過しないようになっている。
上記永久磁石70は、使用時には被磁着体4に磁着されて結束バンド49を被磁着体4に保持するとともに、非使用時には、上記結束バンド49を巻取り装置1に巻回させた際に、筒状巻取り具43を構成するいずれかの長尺部材45の平面状部分に位置するようになっている。
そして上記永久磁石70が位置する長尺部材45の内部には、上記永久磁石70と引き付けあうように永久磁石71が収容されており、これら永久磁石70、71が引き付けあうことでマグネットシート2の巻取り状態を安定して維持するようになっている。
上記第6実施例によれば、非使用状態の巻取り装置1をエンドバー6に設けた永久磁石7によって被磁着体4に磁着させることができ(
図8a参照)、さらにこの状態から上記永久磁石70をマグネットシート2の外周から離脱させて結束バンド49を展開し、そのまま筒状巻取り具43に巻き取ったマグネットシート2を被磁着体4上に展開することができる(
図8b参照)。
換言すると、マグネットシート2を展開する際に、非使用状態の巻取り装置1を被磁着体4から一旦離脱させる必要はなく、逆に巻取り装置1を使用状態から非使用状態にする際にも、エンドバー6を被磁着体4に磁着させたまま、筒状巻取り具43にマグネットシート2を巻き取ることができる。
【0028】
次に、
図9に示す第7実施例の巻取り装置1を説明すると、本実施例の結束バンド49は面ファスナーによって構成されており、当該結束バンド49の基端部49aはエンドバー6を超えてマグネットシート2側まで突出させた位置に固着されている
そして結束バンド49における上記エンドバー6よりも外部に突出した部分の長さは、上記第6実施例と同様、非使用状態の巻取り装置1の外周を1周未満で巻回するような長さに設定され、これにより当該突出部分が被磁着体4とエンドバー6との間を通過しないようになっている。
このような構成により、非使用状態の巻取り装置1に結束バンド49を巻回させると、その先端部が基端部49aと所要の範囲で重合し、重合した部分が面ファスナーにより相互に固着するようになっている。
上記第7実施例によれば、上記第6実施例と同様、非使用状態の巻取り装置1をエンドバー6に設けた永久磁石7によって被磁着体4に磁着させることができ(
図9a参照)、さらに結束バンド49の先端部をその末端部49aから引き剥がすことで、筒状巻取り具43に巻き取ったマグネットシート2を被磁着体4上に展開することができる(
図9b参照)。
なお、第7実施例の構成の場合、上記結束バンド49がエンドバー6よりもマグネットシート2側に突出しているため、マグネットシート2の使用状態では結束バンド49の一部がマグネットシート2と被磁着体4との間に位置することとなる。
このため、当該結束バンド29の重なった位置にはマグネットシート2にしわが発生する恐れがあるため、マグネットシート2における結束バンド29の重なっている範囲については、例えばその表面を黒色にして、筆記ボードやスクリーンとして使用できないようにすることが望ましい。
【0029】
上記第6、第7実施例に対し、
図5(b)に示す第3実施例の巻取り装置1の結束バンド49は、巻取り装置1の非使用時には、マグネットシート2の外周に1周以上巻回され、エンドバー6よりも外側に突出した部分が当該エンドバー6と被磁着体4との間を通過するようになっている。
その結果、筒状巻取り具43に巻き取ったマグネットシート2を被磁着体4上に展開する際には、結束バンド49をエンドバー6と被磁着体4との間を通過させてからでないと、上記マグネットシート2を展開させることができない。
換言すると、エンドバー6を被磁着体4に磁着させたまま展開することはできず、逆にエンドバー6を被磁着体4に磁着させたまま、マグネットシート2の巻取りをすることもできない。
【0030】
図10は巻取り装置1の立て掛け具80を示したもので、上記第6、第7実施例では上記エンドバー6を被磁着体4に磁着させて巻取り装置1を保持する構成だったのに対し、本実施例では巻取り装置1を立て掛け具80を用いて被磁着体4に保持するものとなっている。
上記立て掛け具80は、一枚の鉄製のプレートを所要の形状に切り抜いた後、これを折り曲げて製造することができ、被磁着体に磁着される磁着部81と、磁着部81から前方に突出して上記巻取り装置1を支持する支持部82とを有している。
上記磁着部81には、上記被磁着体4側の面に永久磁石83が設けられており、これにより立て掛け具1を被磁着体4に磁着させることが可能となっている。
上記支持部82は、被磁着体4側に形成された平坦部82aと、当該平坦部82aより斜めに広がるように形成された拡開部82bとから構成され、上記平坦部82aと拡開部82bとの間に形成された空間に、非使用状態の巻取り装置1を収容するようになっている。
また上記拡開部82bの略中央には、ボールチェーンなどの鎖状部材からなる転倒防止部材84を係合するためのフック82cが形成されている。
【0031】
このような構成により、上記エンドバー6の永久磁石7が十分な磁力を有していない場合には、上記立て掛け具80を用いて巻取り装置1を被磁着体4に保持することが可能となっている。
具体的には、予め上記立て掛け具80を被磁着体4の所要の位置に磁着させておき、この状態でマグネットシート2を巻き取った非使用状態の巻取り装置1を上記支持部82に収容する。
この時、上記エンドバー6を上記支持部82の平坦部82aに向けて収容することにより、巻き取られたマグネットシート2が上記拡開部82bに均等に接触し、安定して巻取り装置1を保持することができる。
その後、2つの拡開部82bに形成されたフック82cに転倒防止部材84を装着することにより、非使用状態の巻取り装置1を脱落しないように保持することができる。
ここで、例えば上記被磁着体4としての黒板やホワイトボードに巻取り装置1を保持する場合、黒板の下部に設けられたチョーク受けやホワイトボードの下部に設けられたマーカー受けによって、上記巻取り装置1を下方から支持するようにしてもよい。
【0032】
なお、ヒンジ結合としては上述のマグネットシート2を利用したヒンジ結合や合成樹脂を利用した樹脂ヒンジ、或いはテープ41に限定されるものではなく、各長尺部材5、25、45、55、65を円周方向に集合させる際に、各長尺部材の円周方向両端の当接部が自然に相互に当接して安定した筒状巻取り具43を構成することができれば、ヒンジ結合の構成を問わない。他のヒンジ結合の例として蝶番を利用してもよい。
また上記第2実施例ないし第5実施例では、第1実施例のラバーマグネット8に相当するラバーマグネットは省略してあるが、必要に応じてラバーマグネットを設けてもよいことは勿論である。
さらに筒状巻取り具を形成する長尺部材は、上記実施例では2つ、3つ又は8つ用いているが、それ以外であってもよく、また必ずしも筒状部材を軸方向に等間隔に分割した構成である必要はなく、非等間隔に分割した長尺部材を用いてもよい。さらに筒状部材は中空である必要はなく、中実であってもよい
また上記実施例では筒状巻取り具3、23、43、53、63とマグネットシート2とは一体に連結されているが、各筒状巻取り具をマグネットシート2から着脱自在に分離されるようにしてもよい。この場合であっても、各筒状巻取り具をマグネットシート2に取り付けたまま使用する場合には、上述した本願発明の作用効果が得られることは明らかである。
【符号の説明】
【0033】
1 マグネットシートの巻取り装置 2 マグネットシート
3、23、43、53、63 筒状巻取り具 4 被磁着体
5、25、45、55、65 長尺部材 5a 外周部
5b、45c 当接部 5a’ 端部部分
5c、27c、45d、55b 係合凹部 5a” 中央部分
5d、27d、45c 係合凸部 8、28 マグネット
10 マーカーペン 11 イレーサー
12、32 ホルダ