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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】スイッチ支持構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20230125BHJP
【FI】
B60R16/02 630Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019029022
(22)【出願日】2019-02-21
(65)【公開番号】P2020131988
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174366
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 史郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘和
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-216731(JP,A)
【文献】特開2014-216730(JP,A)
【文献】特開2010-143357(JP,A)
【文献】特開2000-062539(JP,A)
【文献】実開平02-148848(JP,U)
【文献】特開2008-201221(JP,A)
【文献】特開2018-002118(JP,A)
【文献】特開2015-003678(JP,A)
【文献】特開2015-160566(JP,A)
【文献】特開2018-124855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルーフパネルに接合されマップランプを取り付けるフロントブラケット及びリアブラケットと、緊急通報スイッチを取り付けるスイッチブラケットとで構成されるスイッチ支持構造であって、
前記フロントブラケットは前記スイッチブラケットに向かって延設した第1の延設部を備え、前記リアブラケットは前記スイッチブラケットに向かって延設した第2の延設部を備え、前記第1の延設部と前記第2の延設部とを重ね合わせた接合面で、前記フロントブラケットと前記リアブラケットとを接合すると共に、
前記スイッチブラケットは第3の延設部を備え、前記第3の延設部を前記接合面へ取り付ける
ことを特徴とするスイッチ支持構造。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ支持構造において、
前記接合面は溶接により接合される接合部を有し、
前記第3の延設部は、締結部材により前記接合面に取り付けられ、
前記締結部材により前記第3の延設部を前記接合面に取り付ける締結部は、前記接合面の長手方向で前記接合部に挟み込まれる位置に形成される
ことを特徴とするスイッチ支持構造。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチ支持構造において、
前記第3の延設部は、前記接合面の長手方向に沿って延設すると共に一対で形成され、延設方向の基端と他端にはビードを備え、前記ビードに挟まれた箇所に前記締結部が形成される
ことを特徴とするスイッチ支持構造。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ支持構造において、
前記基端に設けられた一対のビードは、前記締結部の周囲で互いに接近する方向に湾曲している
ことを特徴とするスイッチ支持構造。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のスイッチ支持構造において、
前記他端に設けられた一対のビードは、端部が車室から離れる方向を向くように形成されている
ことを特徴とするスイッチ支持構造。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか1つに記載のスイッチ支持構造において、
前記締結部より前記フロントブラケット及び前記リアブラケット側の前記第3の延設部をカットした
ことを特徴とするスイッチ支持構造。
【請求項7】
請求項2から請求項6のいずれか1つに記載のスイッチ支持構造において、
一対の前記締結部の間の前記接合面を切り欠く
ことを特徴とするスイッチ支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両におけるスイッチの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、緊急通報スイッチを有するものがある。例えば、事故などの緊急時に乗員などが緊急通報スイッチを押すことにより、車両の位置や車両の状況を緊急通報センタへ緊急通報しており、場合によっては、緊急通報センタのオペレータとの通話が可能となっている。このような緊急通報スイッチは、車両の仕様によるオプションであり、車両の天井のマップランプの近くに、マップランプの支持構造を利用して取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-160566号公報
【文献】特開2018-124855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
緊急通報スイッチは、緊急時に押されるものであり、そのため、乗員が緊急事態発生時に力加減を考えることなく押される可能性がある。その場合、緊急通報スイッチの支持構造が変形したり、更には、緊急通報スイッチの取り付けに利用したマップランプの支持構造までが変形したりするおそれがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、押圧時に変形することのないスイッチ支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する第1の発明に係るスイッチ支持構造は、
車両のルーフパネルに接合されマップランプを取り付けるフロントブラケット及びリアブラケットと、緊急通報スイッチを取り付けるスイッチブラケットとで構成されるスイッチ支持構造であって、
前記フロントブラケットは前記スイッチブラケットに向かって延設した第1の延設部を備え、前記リアブラケットは前記スイッチブラケットに向かって延設した第2の延設部を備え、前記第1の延設部と前記第2の延設部とを重ね合わせた接合面で、前記フロントブラケットと前記リアブラケットとを接合すると共に、
前記スイッチブラケットは第3の延設部を備え、前記第3の延設部を前記接合面へ取り付ける
ことを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決する第2の発明に係るスイッチ支持構造は、
上記第1の発明に記載のスイッチ支持構造において、
前記接合面は溶接により接合される接合部を有し、
前記第3の延設部は、締結部材により前記接合面に取り付けられ、
前記締結部材により前記第3の延設部を前記接合面に取り付ける締結部は、前記接合面の長手方向で前記接合部に挟み込まれる位置に形成される
ことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する第3の発明に係るスイッチ支持構造は、
上記第2の発明に記載のスイッチ支持構造において、
前記第3の延設部は、前記接合面の長手方向に沿って延設すると共に一対で形成され、延設方向の基端と他端にはビードを備え、前記ビードに挟まれた箇所に前記締結部が形成される
ことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する第4の発明に係るスイッチ支持構造は、
上記第3の発明に記載のスイッチ支持構造において、
前記基端に設けられた一対のビードは、前記締結部の周囲で互いに接近する方向に湾曲している
ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する第5の発明に係るスイッチ支持構造は、
上記第3又は第4の発明に記載のスイッチ支持構造において、
前記他端に設けられた一対のビードは、端部が車室から離れる方向を向くように形成されている
ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決する第6の発明に係るスイッチ支持構造は、
上記第3~第5のいずれか1つの発明に記載のスイッチ支持構造において、
前記締結部より前記フロントブラケット及び前記リアブラケット側の前記第3の延設部をカットした
ことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決する第7の発明に係るスイッチ支持構造は、
上記第2~第6のいずれか1つの発明に記載のスイッチ支持構造において、
一対の前記締結部の間の前記接合面を切り欠く
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、押圧時に変形することのないスイッチ支持構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】緊急通報スイッチを有する車両の天井部分を示す斜視図である。
図2】本発明に係るスイッチ支持構造を示す図であって、マップランプ、緊急通報スイッチを取り外した状態を示す斜視図である。
図3図2に示したスイッチ支持構造を別の方向から見た斜視図である。
図4図2図3に示したスイッチ支持構造からスイッチブラケットを取り外した状態を別の方向から見た斜視図である。
図5図2に示したスイッチ支持構造の一部を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るスイッチ支持構造の実施形態について、図1図5を参照して説明を行う。なお、図中において、矢印Frは、車両前方を示している。
【0016】
[実施例1]
図1に示すように、車両の天井はヘッドライニング10で覆われており、その車両中央前方側にはマップランプユニット20が配置されている。そして、緊急通報スイッチユニット30は、このマップランプユニット20の近くに取り付けられている。
【0017】
マップランプユニット20は、マップランプ21と、後述するフロントブラケット40及びリアブラケット50から構成されており、また、緊急通報スイッチユニット30は、緊急通報スイッチ31と、後述するスイッチブラケット60から構成されている。この緊急通報スイッチ31は、そのスイッチ部32を乗員が図1中のP方向に押すことで、所定の緊急通報を行うことになる。
【0018】
詳細は後述する図4を参照して説明するが、フロントブラケット40とリアブラケット50は、複数のスポット溶接で互いに接合されている。そして、スイッチブラケット60は、フロントブラケット40及びリアブラケット50に、後述するボルト71を用いて取り付けられており、車両の仕様上必要な場合に、後付けできる構成となっている。
【0019】
まず、フロントブラケット40及びリアブラケット50について、図2図4を参照して説明する。
【0020】
フロントブラケット40及びリアブラケット50は、マップランプ21が取り付けられるものであり、また、スイッチブラケット60が取り付けられるものである。
【0021】
フロントブラケット40は、マップランプ21を取り付ける枠状の取付枠部41と、取付枠部41の車幅方向の両側面に設けられた側面部42と、側面部42の内側に設けられ、後述するリアブラケット50の脚部55と共に、ルーフパネル11に接合されるL字形状の脚部43と、取付枠部41の車両前方側の2箇所に設けられ、ルーフパネル11に接合されるL字形状の前脚部44と、取付枠部41の車両後方側(所定の方向)に延設された、言い換えると、取り付けられるスイッチブラケット60に向かって延設された延設部45(第1の延設部)とを有している。
【0022】
また、延設部45の車両後方側の中央部分には、切欠部46が形成されている。この部分は、後述する接合面81の2つの締結部84の間であり、強度に影響のない部分であり、このように、強度に影響のない部分をカットすることで、形状の最小化(軽量化)を図っている。
【0023】
フロントブラケット40は、所定の厚さの鋼板から形成されており、上述した取付枠部41、側面部42、脚部43、前脚部44、延設部45、切欠部46は、鋼板を打ち抜いたり、折り曲げたりすることで形成されている。そして、薄い鋼板であっても、所定の強度を保つように、フロントブラケット40には、複数のビード47a~47eが形成されている。
【0024】
例えば、取付枠部41の車両前方側の2箇所にビード47aが形成されている。また、両側の側面部42にも、それぞれ、ビード47b、47c、47dが形成されている。また、スイッチブラケット60を支持する延設部45にも、ビード47eが形成されている。これらのビード47a~47eは、例示であって、各部に適宜に設ければ良い。
【0025】
このように、複数のビード47a~47eを形成することにより、フロントブラケット40の鋼板の厚さを最小限としつつ、フロントブラケット40自体の強度を確保することができる。
【0026】
リアブラケット50は、フロントブラケット40を補強するために、フロントブラケット40の裏側(車両上方側)に接合されたものである。
【0027】
このリアブラケット50は、車幅方向に延設されると共に、フロントブラケット40の取付枠部41に対し略垂直となるように配置された垂直板部51と、垂直板部51の車両後方側(所定の方向)に延設された、言い換えると、取り付けられるスイッチブラケット60に向かって延設された延設部52(第2の延設部)と、延設部52の車幅方向の両側面に設けられた側面部53と、垂直板部51の車両前方側に設けられ、フロントブラケット40の取付枠部41に対し略平行となるように配置された平行板部54と、平行板部54の車幅方向の両側面に設けられ、前述したフロントブラケット40の脚部43と共に、ルーフパネル11に取り付けられるL字形状の脚部55とを有している。垂直板部51と平行板部54とは、一方が折り曲げられたL字形状となっている。
【0028】
また、延設部52の車両後方側の中央部分には、フロントブラケット40の切欠部46と同様に、切欠部56が形成されている。この部分は、後述する接合面81の2つの締結部84の間であり、強度に影響のない部分であり、このように、強度に影響のない部分をカットすることで、形状の最小化(軽量化)を図っている。
【0029】
リアブラケット50も、所定の厚さの鋼板から形成されており、上述した垂直板部51、延設部52、側面部53、平行板部54、脚部55、切欠部56は、鋼板を打ち抜いたり、折り曲げたりすることで形成されている。そして、薄い鋼板であっても、所定の強度を保つように、リアブラケット50にも、複数のビード57a、57bが形成されている。
【0030】
例えば、垂直板部51と平行板部54との間の折り曲げ部分には、車幅方向の2箇所にビード57aが形成されている。また、垂直板部51と延設部52との間の折り曲げ部分にも、車幅方向の2箇所にビード57bが形成されている。これらの57a、57bも、例示であって、各部に適宜に設ければ良い。
【0031】
このように、複数のビード57a、57bを形成することにより、リアブラケット50の鋼板の厚さを最小限としつつ、リアブラケット50自体の強度を確保することができる。
【0032】
そして、フロントブラケット40とリアブラケット50とは、延設部45と延設部52とが重ね合わされ、スポット溶接により接合部82で接合されて、同一面となる接合面81が形成されており、また、側面部42と側面部53とが重ね合わされて、スポット溶接により接合部83で接合されている。なお、接合部82、83は、図4中にドットで誇張して表示している。また、延設部45と延設部52(接合面81)における接合部82については、締結部材(ボルト)71を締結する受け部材(ナット)72を接合面81の長手方向で挟み込む位置でスポット溶接を行っており、溶接する接合部82で挟まれた箇所に、ボルト71とナット72で締結する締結部84を設けることで、スイッチブラケット60を強固に取り付けることが可能となる。
【0033】
また、脚部43と脚部55とは、それらのルーフパネル11側の面が重なり合って、ルーフパネル11へ接合されており、ルーフパネル11への取り付けは、前脚部44と共に、スポット溶接などで行えば良い。
【0034】
このようにして、リアブラケット50は、フロントブラケット40に下方から覆われるように接合されて、フロントブラケット40を補強することになり、フロントブラケット40及びリアブラケット50全体として、強度を確保することができる。そして、このように接合されたフロントブラケット40及びリアブラケット50が、それらの脚部43及び脚部55と前脚部44とを介して、ルーフパネル11へ接合されている。
【0035】
また、フロントブラケット40の延設部45とリアブラケット50の延設部52が接合されて接合部82を形成して、特に、フロントブラケット40の車両後方側(延設部45及び延設部52側)を補強することになるので、後述するスイッチブラケット60の延設部62は、延設部45及び延設部52に片持ちで取り付けても、緊急通報スイッチ31を押す力に耐えることができる強度を有することになる。
【0036】
スイッチブラケット60は、緊急通報スイッチ31が取り付けられるものであり、また、フロントブラケット40及びリアブラケット50に片持ちで取り付けられるものである。
【0037】
このスイッチブラケット60は、緊急通報スイッチ31を取り付ける枠状の取付枠部61と、取付枠部61の車幅方向(所定の方向と交差(直交)する方向)の両側に互いに離間する方向に延設した略三角形状の一対の延設部62(第3の延設部)とを有している。具体的には、スイッチブラケット60の取付枠部61からフロントブラケット40とリアブラケット50で構成される接合面81の長手方向(車幅方向)と沿う方向に、互いに離間する方向に延びる一対の延設部62が形成されている。
【0038】
スイッチブラケット60も、所定の厚さの鋼板から形成されており、上述した取付枠部61、延設部62は、鋼板を打ち抜いたり、折り曲げたりすることで形成されている。そして、薄い鋼板であっても、所定の強度を保つように、スイッチブラケット60にも、複数のビード63a~63cが形成されている。
【0039】
例えば、取付枠部61の車両前方側には車幅方向に延びるビード63aが形成されている。また、取付枠部61と延設部62との間の折り曲げ部分には、折り曲げ部分が延設する車両前後方向に沿って、ビード63bが形成されている。また、延設部62の端部には、その端部に沿って、ビード63cが形成されている。つまり、各延設部62には取付枠部61からの延設方向の一端(基端)と他端にビード63b、63cがそれぞれ配置され、より詳細には、各延設部62を車幅方向の外側と内側で挟むようにビード63b、63cが各々配置されている。また、ビード63b、63cに挟まれた箇所に締結部84が形成されている。
【0040】
そして、内側の端部(基端)に設けられた一対のビード63bにおいては、ボルト71の工軸を確保すると共に、その強度を保つため、ボルト71の周囲におけるビード63b同士が互いに近接する方向に湾曲する湾曲部64が形成されており、一対の締結部84の間隔を狭めることができると共に、スイッチブラケット60の寸法としてもより小型にすることができる。また、外側の端部(他端)に設けられた一対のビード63cは、そのエッジが車室から離れる方向である車両上方を向くように複数回折り曲げて形成されており、ヘッドライニング10側(車両下方側)にエッジが出ないように、つまり、乗員側にエッジが向かないようにして、乗員に対する安全性を確保できるようにしている。
【0041】
このように、複数のビード63a~63cを形成することにより、スイッチブラケット60の鋼板の厚さを最小限としつつ、スイッチブラケット60自体の強度を確保するようにしている。
【0042】
特に、延設部62は、その両側に2つのビード63b及びビード63cを形成することで、緊急通報スイッチ31を押す方向Pに対して、ボルト71からの強度を保てるようにしている。また、延設部62自体は、強度に影響のない部分をカットすることで、形状の最小化(軽量化)を図っており、例えば、図2を参照して説明すると、ボルト71(締結部84)よりフロントブラケット40及びリアブラケット50側、つまり、車両前方側の部分の延設部62をカットしている。
【0043】
このような構造のスイッチブラケット60の一対の延設部62を、ボルト71及びナット72などの締結部材を用いて、フロントブラケット40の延設部45及びリアブラケット50の延設部52(接合面81)に取り付けることで、フロントブラケット40及びリアブラケット50の車両後方側にスイッチブラケット60を片持ちで取り付けている。
【0044】
上述したように、フロントブラケット40及びリアブラケット50は、強度を確保した構造であり、また、スイッチブラケット60自体も強度を確保した構造であるので、緊急通報スイッチ31を押すとき、過度な力で押したとしても、変形し難い構造となっている。
【0045】
また、フロントブラケット40の延設部45及びリアブラケット50の延設部52で形成される接合面81は、締結部材(ナット72)を挟むようにしてスポット溶接で接合しており、また、延設部62は、その両側に2つのビード63b及び63cを有するので、強度も確保しつつ、互いの取り付け座面を簡素化することができる。
【0046】
以上説明したように、本実施例では、フロントブラケット40の延設部45及びリアブラケット50の延設部52を車両後方側に延設して、スイッチブラケット60をフロントブラケット40及びリアブラケット50の車両後方側に取り付けているが、スイッチブラケット60を取り付ける位置は適宜に変更可能である。
【0047】
例えば、スイッチブラケット60をフロントブラケット40及びリアブラケット50の車両前方側に取り付ける場合には、延設部45及び延設部52はフロントブラケット40及びリアブラケット50の車両前方側に延設すればよい。また、スイッチブラケット60をフロントブラケット40及びリアブラケット50の車両側方側に取り付ける場合には、延設部45及び延設部52はフロントブラケット40及びリアブラケット50の車両側方側に延設すればよい。このような取り付け位置の変更に従って、各ブラケットの各部の位置は適宜に変更される。
【0048】
なお、フロントブラケット40及びリアブラケット50にスイッチブラケット60を取り付けなければ(又は、フロントブラケット40及びリアブラケット50からスイッチブラケット60を取り外せば)、緊急通報スイッチユニット30が不要な車両にも対応可能であり、この場合、スイッチブラケット60を不要として、汎用性など構造の合理化を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、緊急通報スイッチを有する車両に好適なものである。
【符号の説明】
【0050】
10 ヘッドライニング
11 ルーフパネル
21 マップランプ
31 緊急通報スイッチ
40 フロントブラケット
45 延設部(第1の延設部)
46 切欠部
47a~47e ビード
50 リアブラケット
52 延設部(第2の延設部)
56 切欠部
57a、57b ビード
60 スイッチブラケット
62 延設部(第3の延設部)
63a~63c ビード
81 接合面
82、83 接合部
84 締結部
図1
図2
図3
図4
図5