(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】電動車椅子の利用者のための高性能な足位置センサー、ならびにそれを使用するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61G 5/12 20060101AFI20230125BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
A61G5/12 705
G01L5/00 101Z
G01L5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020502547
(86)(22)【出願日】2018-04-03
(86)【国際出願番号】 US2018025872
(87)【国際公開番号】W WO2018187320
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2021-03-30
(32)【優先日】2017-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505133696
【氏名又は名称】ザ・ユナイテッド・ステイツ・ガバメント・アズ・リプレゼンティッド・バイ・ザ・デパートメント・オヴ・ヴェテランズ・アフェアズ
(73)【特許権者】
【識別番号】500429332
【氏名又は名称】ケース ウェスタン リザーブ ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】CASE WESTERN RESERVE UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ボギー キャサリン エム
(72)【発明者】
【氏名】ヘンゼル メアリー クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】マジェルス スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル スティーブン ジェイ
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-523299(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1688763(KR,B1)
【文献】特開2006-266812(JP,A)
【文献】特表2017-500545(JP,A)
【文献】特開2016-054849(JP,A)
【文献】特開2006-094903(JP,A)
【文献】国際公開第2015/033669(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/12
G01L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び底面を画定する、底板と、
前記底板の前記上面に固定され、足との係合のための
上向きの接触面を画定する、センサーサブアセンブリと
を備える、
車椅子と接続されるように構成された足板アセンブリであって、
前記センサーサブアセンブリが、
前記足
のそれぞれの領域が加えた力を示す、それぞれの出力を生成するように構成される、複数の力センサーと、
前記足
のそれぞれの領域と前記接触面との間の距離を示す、それぞれの出力を生成するように構成される、複数の近接センサーと
、を備え、
前記足板アセンブリは、
前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーに通信可能に接続され、前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーからの前記出力を受信して保存する、処理回路を備える、
前記足板アセンブリ。
【請求項2】
前記センサーサブアセンブリが、前記接触面を少なくとも部分的に画定する、コーティング構造を更に備える、
請求項1に記載の足板アセンブリ。
【請求項3】
前記コーティング構造が、
複数の上敷き部であって、各上敷き部が前記複数の力センサーの各々の力センサー上に直接置かれる、前記複数の上敷き部と、
複数の上塗り部であって、各上塗り部がそれぞれの上敷き部に固定され、対応する力センサーに直接重なる、前記複数の上塗り部と、
を含む、
請求項2に記載の足板アセンブリ。
【請求項4】
前記複数の上塗り部のうちの少なくとも1つの上塗り部が、中央点及び周辺部を有し、
前記中央点の前記上塗り部の高さが、前記周辺部の前記上塗り部の高さより大きい、
請求項3に記載の足板アセンブリ。
【請求項5】
前記複数の上塗り部のうちの各上塗り部が、中央点及び周辺部を有し、
前記中央点の各上塗り部の高さが、前記周辺部の前記上塗り部の高さより大きい、
請求項3に記載の足板アセンブリ。
【請求項6】
前記複数の上塗り部が熱可塑性ウレタン(TPU)コーティング材料を含む、
請求項3に記載の足板アセンブリ。
【請求項7】
前記複数の力センサーが、複数の力検知抵抗器を含む、請求項1に記載の足板アセンブリ。
【請求項8】
前記複数の近接センサーが、複数の赤外線距離センサーを含む、請求項1に記載の足板アセンブリ。
【請求項9】
前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーが、前記底板の前記上面に対して、複数の行及び複数の列に配置され、前記底板が、前記底板の足指部と踵部との間に延在する長さを有し、
前記複数の列が前記底板の長さに沿って延在し、前記複数の行が垂直にまたは実質的に垂直に前記複数の列まで延在し、
前記複数の列が、前記力センサーだけを含む第1の複数の列、及び前記近接センサーだけを含む第2の複数の列を備える、
請求項1に記載の足板アセンブリ。
【請求項10】
前記第1及び前記第2の複数の列が交互配置で提供される、
請求項9に記載の足板アセンブリ。
【請求項11】
前記複数の行の少なくとも一部が、少なくとも1つの前記力センサー及び少なくとも1つの前記近接センサーを含む、
請求項10に記載の足板アセンブリ。
【請求項12】
前記複数の行が少なくとも4つの行を含み、前記複数の列が少なくとも5つの列を含む、
請求項11に記載の足板アセンブリ。
【請求項13】
前記複数の近接センサーが複数の群の中に分配され、
前記複数の群が、前記底板の前記足指部に近接する第1群、前記底板の前記踵部に近接する第2群、及び前記第1群と前記第2群とから離間配置され、かつ前記第1群と前記第2群との間に配置される第3群を含む、
請求項11に記載の足板アセンブリ。
【請求項14】
前記複数の力センサーが、複数の正方形の力検知抵抗器を含む、請求項1に記載の足板アセンブリ。
【請求項15】
前記複数の正方形の検知抵抗器が、第1サイズを有する少なくとも1つの微細な力検知抵抗器、前記第1サイズより大きい第2サイズを有する中程度の力検知抵抗器、及び前記第2サイズより大きい第3サイズを有する粗い力検知抵抗器を備える、
請求項14に記載の足板アセンブリ。
【請求項16】
前記処理回路がマイクロコントローラを含む、
請求項1に記載の足板アセンブリ。
【請求項17】
前記マイクロコントローラと通信接続される、遠隔伝送器を更に含む、
請求項16に記載の足板アセンブリ。
【請求項18】
前記足板アセンブリに電力を供給するように構成される、再充電可能な電源を更に含む、
請求項1に記載の足板アセンブリ。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の足板アセンブリを少なくとも1つ有する車椅子と、
少なくとも1つの前記足板アセンブリの前記処理回路と無線通信する処理装置を有する、遠隔計算装置を備え、前記遠隔計算装置は、保存された前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーからの前記出力を受信する、システム。
【請求項20】
前記処理回路が、足と少なくとも1つの前記足板アセンブリの前記接触面との間の接触の質を示す出力を生成するように構成される、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記遠隔計算装置が、スマートフォンまたはタブレットである、
請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
請求項1~18のいずれか一項に記載されて
いる、少なくとも1つの足板
アセンブリを有する車椅子を使用すること
と、
前記処理回路を使用して、前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーからの前記出力を受信すること、を含む方法。
【請求項23】
前記処理回路が、足と前記少なくとも1つの足板アセンブリの前記接触面との間の接触の質を示す、ユーザーが観察可能な出力を生成する、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ユーザーが観察可能な出力が、視覚警報、可聴警報、振動またはこれらの組み合わせを含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記処理回路を使用して、前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーからの前記出力を示す情報を、遠隔計算装置に無線で送信することを更に含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記遠隔計算装置の処理装置を使用して、足と前記少なくとも1つの足板アセンブリの前記接触面との間の接触の質を示す視覚出力または可聴出力を生成することを更に含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記遠隔計算装置が、スマートフォンまたはタブレットである、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記複数の力センサーは、少なくとも2種類の力センサーを含み、該少なくとも2種類の力センサーは、力検知抵抗器、力検知キャパシタ、力検知インダクター、力検知オシレーター、歪み感受性、非晶質、結晶質もしくは磁気材料、からなる力センサーの種類の群から選択される、請求項1に記載の足板アセンブリ。
【請求項29】
前記センサーサブアセンブリが、加速度計、ジャイロスコープまたはGPSセンサーのうちの少なくとも1つを更に含み、前記センサーサブアセンブリは、重力に対する足板傾斜を示す出力を生成するように構成されている、請求項1に記載の足板アセンブリ。
【請求項30】
前記処理回路は、前記センサーサブアセンブリの前記接触面と前記足の間の距離閾値
の検出に応答して、警報を生成するように構成されている、請求項1に記載の足板アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、足板アセンブリに関し、更に具体的には、車椅子の使用中、足位置を監視するためのセンサーを有する足板アセンブリに関する。更に本明細書に記載されているように、足板アセンブリは、足板構造の位置決めのための上敷きとして、または足板構造に一体化された構成要素として、もしくは足板構造として独立して機能する構成要素として提供されることができる。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年4月3日出願の米国特許仮出願第62/480,804号、及び2017年4月14日出願の米国特許仮出願第62/485,666号の出願日の利益を主張する。これらの先に出願された出願書の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
連邦政府の支援による研究に関する陳述
本発明は、米国退役軍人省により付与されたVA Innovators Network Programからの政府支援によりなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有している。
【背景技術】
【0004】
神経障害のある電動車椅子の利用者は、足板上の間違った足の位置決めによって重度の損傷を生じる危険性がある。これは、その足の位置を認識することができない脊髄損傷のあるヒトにとって、重度のもしくは致命的な損傷である、衝突または足の引きずりをもたらす場合がある。足は、圧力除去のために傾いて、臀部上の圧迫潰瘍/損傷を回避する必要性があるため、安全に固定されることができない。したがって、足は、ユーザーがそれを認識することなく、容易に不安定な配置になってしまう場合がある。
【0005】
したがって、本明細書に記載されているように、従来の車椅子の不備のうちの1つ以上を対象にする装置、システム及び方法の必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
種々の態様で、車椅子の使用中に、足位置を監視するための足板アセンブリが、本明細書に開示される。足板アセンブリは、底板及びセンサーアセンブリを含むことができる。底板は、上面及び底面を画定することができる。センサーサブアセンブリは、底板の上面に固定することができて、足との係合のための接触面を画定することができる。センサーサブアセンブリは、足が加えた力を示す、それぞれの出力を生成するように構成される、複数の力センサーを備えることができる。センサーサブアセンブリは、足と接触面の間の距離を示す、それぞれの出力を生成するように構成される、複数の近接センサーも含むことができる。
【0007】
任意で、足板アセンブリは、複数の力センサー及び複数の近接センサーに通信接続して、複数の力センサー及び複数の近接センサーからの出力を受信する、処理回路を有することができる。処理回路は、足と少なくとも1つの足板アセンブリの接触面の間の接触の質を示す、出力を生成するように構成されることができる。足板アセンブリを使用するシステム及び方法も、本明細書で開示される。
【0008】
本発明のこれらの及び他の特徴及び効果は、以下の説明、添付の図面及び特許請求の範囲と共に考慮されるとき、より容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、足板上の靴/足位置及び圧力を測定するために、互いに嵌合された力センサー(例えば、力検知抵抗器(FSR))及び近接/距離センサー(例えば、IR距離センサー)の列を有する、例示の足板アセンブリを示す。距離センサーは、足板の近くにあるが、それに接触していない靴の領域(例えば、靴でよく見られるミッドソールのアーチ)を検出できる。
図1Aは、本明細書で開示する、足板アセンブリの底板の上面に固定される、複数の力センサー及び複数の近接センサーを有する、例示のセンサーサブアセンブリの図を提供する。
【
図1B】
図1Bは、足板上の靴/足位置及び圧力を測定するために、互いに嵌合された力センサー(例えば、力検知抵抗器(FSR))及び近接/距離センサー(例えば、IR距離センサー)の列を有する、例示の足板アセンブリを示す。距離センサーは、足板の近くにあるが、それに接触していない靴の領域(例えば、靴でよく見られるミッドソールのアーチ)を検出できる。
図1Bは、コーティング構造を有する、例示の足板アセンブリを示す。示すように、コーティング構造は、対応する力センサー上に直接置かれている上敷き部と、上塗り部と、を有することができ、そこで、各上塗り部は、本明細書に記載のとおり、それぞれの上敷き部に固定され、それぞれの力センサーを直接覆っている。
【
図2】本明細書で開示する、足位置の状況を示す視覚警報を備える、開示する足板システムの例示のユーザーインターフェイスを示す。
【
図3】
図3A及び
図3Bは、個々の力センサー(例えば、FSR)測定における、行-列フレームワークを使用する、例示のセンサーアレイを示し、そこで、すべてのIRフォトトランジスタのコレクタは共通の読み出しバスを共有する(
図3A)。IRセンサー読み出しは、
図3Bに示すように、交流結合電荷減衰方式を使用できる。相関する二重測定は、相殺される暗状態を測定するために、オフされたIR LEDを始めとして各アレイ部位で行われることができる。
【
図4】
図4Aは、本明細書で開示する、足板センサーアレイで覆われる、高解像度CONFORMatシステムからの出力を示す。
図4Bは、本明細書で開示する、互いに嵌合する力センサーの3つの変形の設計のための、予想される圧力値を提供する。
【
図5】
図5A及び
図5Bは、標準PWCの足板での使用のためにサイズ設定されて、不適当または安全でない足位置をユーザーへ通知するのためのスマートフォンへのリアルタイムデータストリーミングを備える、生成されかつ封入されたセンサーサブアセンブリを示す。
【
図6】PWCの足板にわたる足圧分布を測定するのに十分な重量への単純反応曲線を示す、例示の足板アセンブリで使用する、FSRの3つの変化を示す。
【
図7】本明細書に開示する、例示の足板アセンブリのIRセンサーの測定された反応を示す。感度は、過度の足と足板の間隔の検出を改善する、2cmの後で減少する。
【
図8】
図8A及び
図8Bは、左側足板上の義足用靴を備える、遠隔計算装置の例示の出力を示す。出力は、ユーザー通知のための3つのスクリーン表示(全体の状況(
図8A)、存続する圧力及び測定されたIR距離マップ(
図8B)、ならびに各足板における視覚的状況(
図8C))をもたらすように構成されることができる、実行可能なアプリケーションの形で提供され得る。
【
図9】本明細書に開示される、警報評価オプションを含む、ユーザーインターフェイスの例を示す。
【
図10】本明細書に開示される、足板の接触の質を特性決定するためのアルゴリズムの例示のシミュレーションを示す。足板センサー値は、安全な足テンプレートに対する整合精度を算出するために使用できるが、他のセンサー様式(例えば、椅子の速度)は、時間τ
predictによって足位置の変化を予測できる場合がある。
【
図11】本明細書で開示される、足板アセンブリ及び遠隔計算装置を含む、例示のシステムの構成要素の間の通信を示す、概略図である。
【
図12】足板アセンブリが、車椅子の従来の足板構造上に配置される上敷きとして提供されている、例示の実験的な配置を示す。
【
図13】本明細書で開示される、足板アセンブリ、処理回路及び遠隔計算装置を有する、例示のシステムを示す、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、本明細書に含まれる、以下の本発明の詳細な説明、図及び例を参照することでより容易に理解されることができる。
【0011】
本発明はここで、添付の図面を参照して以下でより完全に記載されており、そこで、すべてではないが本発明のいくつかの実施形態が示される。実際に、本発明は多くの異なる形で実施されることができて、本明細書に記載される実施形態に限定されるとして解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が関連する法的必要用条件を満たすように提供される。同じ数字は、全体を通じて同じ要素を表す。本発明が、記載されている特定の方法及びプロトコルに限られず、したがって変化できることを理解すべきである。本明細書で用いる用語は、特定の実施形態だけを記述するためのものであり、本発明の範囲を制限するとは意図されないことも理解されるべきである。
【0012】
本明細書で記載する本発明の多くの変更態様及び他の実施形態は、前述及び関連する図面に示される教示を利用する、本発明に関する当業者であれば思い浮かぶであろう。したがって、本発明が開示される特定の実施形態に限定されないこと、ならびに変更態様及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれることを目的とすることを理解すべきである。特定の用語が本明細書で用いられているが、それらは一般的及び説明的な意味だけで使用されており、限定のためではない。
【0013】
更に、明示的に別段の定めがある場合を除いて、本明細書で記載される任意の方法が、その工程が特定の順番で実施されることを必要とするものとして解釈されることを意図するものではないことを理解すべきである。したがって、方法クレームが、その工程が後に続くような順序を実際に述べていない場合、または、工程が特定の順序に限定されることが特許請求の範囲または記述で具体的に明記されていない場合、どんな点でも順序を推測することは、まったく意図されていない。これは、工程または実施フローの配置に関する論理的事項、文法構成または句読点から導かれる平明な意味、本明細書に記載される態様の数または種類を含む、解釈のための任意の可能性のある非発現基準にも当てはまる。
【0014】
本明細書に記載されている、すべての出版物は、その出版物が引用されたことに関連する方法及び/または材料を開示かつ記載するために、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で示す出版物は、本出願の出願日前のその開示のためだけに提供される。本明細書のいずれの内容も、本発明が、先行発明という理由でそのような出版物に先行する資格を有しないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、本明細書で提供される出版物の日付は、実際の出版日とは異なる場合があり、それぞれ確認する必要があり得る。
【0015】
定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」「an」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことができる。
【0016】
本明細書で使用する場合「または」という語は、特定のリストの任意の1部材を意味し、そのリストの部材の任意の組み合わせも含む。
【0017】
本明細書の記載及び請求項の全体を通して、「含む(comprise)」という語及びその変形(例えば、「含んでいる(comprising)」及び「含む(comprises」)は「を含むが、これに限定されない」を意味し、例えば、他の添加物、構成要素、整数または工程を除外しないことを意図する。特に、1つ以上の工程または操作を含むとして述べられる方法で、各工程がリストされていることを含む(その工程が、制限する語句(例えば「からなる」)を含まない限り)ことが特に想到されており、各工程が、例えば、工程にリストされていない他の添加物、構成要素、整数または工程を除外しないことを意図することを意味する。
【0018】
範囲は、「約」もしくは「およそ」1つの特定の値から及び/または「約」もしくは「およそ」別の特定の値までとして本明細書で表されることができる。このような範囲が表されているとき、更なる態様は、1つの特定の値から及び/または他の特定の値までを含む。同様に、値が先行する「約」または「およそ」を用いることにより近似値として表されているとき、特定の値が更なる態様を形成するものと理解されるであろう。範囲のそれぞれの端点が、他の端点に関して及び他の端点と独立して両方とも重要であると更に理解されるであろう。本明細書で開示される多くの値があり、各値は、その値に加えて「約」その特定の値としても、本明細書に開示されていると理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示されている。2つの特定の集団の間の各集団も開示されると理解される。例えば、10及び15が開示される場合、11、12、13及び14も開示されている。同様に、いくつかの任意の態様で、値が「実質的に」という用語を使用して近似されるとき、特定の値の最高15%、最高10%または最高5%(越えてもしくは下回って)内の値が、その態様の範囲内に含まれ得ることが想到されている。
【0019】
本明細書で使用する場合「任意の」または「任意に」という用語は、続いて記載された事象または状況が起きても起きなくてもよいことを意味しており、この説明は、その事象または状況が起こる場合とそれが起こらない場合とを包含することを意味する。
【0020】
種々の態様で、電動車椅子(PWC)ユーザーである対象(例えば、退役軍人)の満たされていないニーズに対処する革新的な方法が、本明細書に開示される。足位置検出をPWCユーザーに提供するために装置の開発に取り組んでいる、周知の個人または製造業者は存在しない。
【0021】
序論
電動車椅子(PWC)または複雑なリハビリ用電動車椅子は、感覚運動障害(例えば、脊髄損傷/障害(SCI/D))及び他の神経筋障害による感覚運動障害の個人に、可動の独立性及び改善された生活の質を提供する。これを達成するために、PWCは、現実の世界で使用するために、十分コンパクトかつ敏捷の両方でなければならない。残念なことに、良好に構成されたPWCでさえ、その下肢(LL)に容易にさわることができない、またはその位置を動かすことができないユーザーによる、日常社会での使用で危険であると証明できる。多くの状態及び日常生活動作(ADL)(例えば、起伏の多い地形上のPWCの操作)は、足を足板から移す場合がある。椅子が後方に傾く際、足置きがしばしば足から離れて伸張するので、ティルト・イン・スペース式構造を使用する重要な圧力除去によって、足の定期的な移動も生じる。しかし、足または下肢が車椅子の足板に不適切に配置されるとき、圧迫部分または足の引きずりまたは障害物との衝突のため、怪我が生じる場合がある。これらの深刻な怪我は、多くの場合、長期にわたる入院をもたらし、死さえ引き起こしてきた。車椅子使用による怪我発生率は十分には実証されていないが、関連する医療費は高くなる場合がある。1つの研究は、FDAに、車椅子関連の好ましくない報告(最も一般的には骨折、次に裂傷及び挫傷/擦過傷)の概要を述べた。別の研究によって、慢性SCI群の47.5%が、再入院を必要とする脛骨/腓骨骨折を経験し、6.7%が、車椅子操作の間、ドアの枠に下肢を引っ掛けたことが原因だったことが判明した。これらの入院は、長期入院、医学的合併症、そして多くの場合、介護施設への転出に至った。更に別の研究は、車椅子利用者の54.7%が3年間の調査中、少なくとも1つの事故に遭って、PWCユーザーの33%が障害物と偶発接触したと報告した。SCI/Dのヒトの車椅子使用中の、足の圧迫潰瘍の発生は十分には実証されていない。
【0022】
足の誤配置による擦傷/挫傷、圧迫潰瘍及び外傷性低エネルギー骨折の一次予防のための技術は、感覚運動障害のPWCユーザーにとって満たされていないニーズである。
【0023】
PWC使用及び損傷の危険性に影響を及ぼす、SCI/D合併症:SCI/D及び他の感覚運動障害(例えば、脳卒中)がある個人は、例えば、痙縮、拘縮、及びPWC関連の外傷性損傷に脆弱性を増加させる骨粗鬆症を含む、合併症の危険にさらされている。下肢可動障害のあるヒトは、皮膚裂傷及び圧迫潰瘍の形成に対する大きな感染性に至る、従属性水腫ならびに慢性静脈鬱血の傾向もある。
【0024】
痙縮は、一般に中枢神経系(CNS)損傷の機能障害性を引き起こす合併症である。それは、増加した筋緊張及び痙攣、亢進した腱反射及びクローヌス(周期的肢振動)として現れる。痙攣は、刺激(例えば、関連のある筋肉の伸展または皮膚の軽い接触)により誘発される、突然の不随意収縮である。機械的特性を変える痙攣性筋のため、拘縮、線維症及び萎縮は、CNS損傷の後に多くみられて、可動域の減少につながる。足及び足首の拘縮(例えば、足底屈、内反及び内反尖足変形)は、めずらしくない。足底屈は、足が、車椅子の足板から滑り落ちる、または前足の圧迫部分を引き起こす原因となり得る。足板上の内反足の位置決めは、踵及び足の側方の圧迫潰瘍につながる場合がある。痙縮は動的であり、適切な位置での小さい変化(例えば、車椅子の背もたれをリクライニングすること)は、臀部もしくは膝の伸展または屈曲痙攣を介して、突然の位置変化をもたらす場合がある。痙縮は、健康状態、神経学的回復、ならびに薬物及びストレッチレジメンを厳守する能力に基づいても変動する。新しいSCIのヒトは、完全に適合した車椅子と共にリハビリ病院を出ることができる。しかし、体重の変化、痙縮及び/または拘縮が、回復中に発生し得る場合、座位及び下肢の位置決めも、損傷後の数か月から数年の間、著しく変化する可能性がある。診療予約への移動に対する実際的及び財政的障壁のため、SCI/Dのある多くのヒト(特に、PWCを使用するヒト)は、すぐに症状を治療する、もしくは四肢の損傷を回避するために座位を適応させる、座位の専門家またはSCI/D専門の医師に面会することができない。回復過程で、座位及び足位置の変化を遠隔で取り込む方法は、間違った足の位置決めに関連した、その後の損傷の防止のために非常に有益である。
【0025】
骨折感受性は、SCI/D及び骨粗鬆症(OP)のヒトで増大して、移動及び低速PWC操作と同程度の安全な動作中に発生する。SCI後の2年以内に生じる最も劇的な骨密度の変化により、骨量減少が急速にSCIレベル以下になって、5~23倍に増加した骨折の危険性を伴う。SCI後の骨折は、骨塩量、小柱及び皮質の骨密度、ならびにねじり剛性及び強度の減少により、脛骨近位端及び大腿遠位で主に発生する。低エネルギー骨折は、容易に治療されないSCI後の重大な問題である。SCIの成人1137人における研究は、OPを報告する割合と治療を受ける割合の間に不一致を示した。骨折の素因となるハイリスクの状況(例えば、置き場所を間違えた足位置)を回避することは、PWCユーザーにとって望ましい。
【0026】
感覚運動障害のヒトは、活動が減少するため、多くの場合太りすぎになる。肥満は、足及び肢の間違った位置決めの視覚的検出を妨げて、ユーザーが車椅子より大きくなると、位置の変更が生じる場合がある。ユーザーは、意図しない表面(例えば、壁またはドア枠)と接触する、自らの肢を見ることができず、足が足板に接触しないとき、彼らは感じることができない。四肢からの阻害された感覚のフィードバックのため、足位置への絶え間ない注意に必要な、著しい認知的負荷もある。足の間違った位置決めを検出することのこうした難しさは、多くの場合一層大きくなって、SCI/Dのユーザーは、脆弱な位置の足への損傷を容易に受け得る。
【0027】
組織の健康及び静脈還流は、多くの場合、SCIのヒトの下肢で損なわれる。従属性水腫及び慢性静脈鬱血は、多くの場合、足の間違った位置決めを検出することの難しさを一層大きくする。下肢可動障害のあるヒトは、皮膚裂傷及び圧迫潰瘍の形成の傾向がある。
【0028】
SCI/Dのユーザーは、脆弱な位置にあるその足及び下肢のため、重度の致命的な損傷を容易に受ける場合がある。これは、過小に報告されているが、広範囲にわたる問題である。足の誤配置による、外傷性低エネルギー骨折、擦傷/挫傷及び圧迫潰瘍の一次予防を可能にするために、感覚運動障害のあるPWCユーザーが現時点で利用できる技術がない。
【0029】
上肢機能を維持する必要性などの要因のため、彼らが年をとるにつれて、例えば、以前に手動車椅子の利用者だったSCI/Dのある退役軍人は、ますますPWC使用に移行している。VA Informatics and Computing Infrastructure(VINCI)データは、SCI/Dである退役軍人におけるPWCの処方が、過去3年以内でほぼ60%増加して、劇的に増加したことを示す。PWCの使用は可動の独立性を可能にするが、日常生活動作(ADL)中の間違った/危険な足の位置決めの高い危険性を含む、座位姿勢を構成する際に同時に増大する課題がある。地元のLouis Stokes Cleveland VA Medical Center(LSCVAMC)のSCI/D群は、間違った足の位置決めのため、1つ以上の下肢損傷を受けた複数の個人を含む。損傷は、裂傷/擦過傷、脛骨腓骨骨折及び足圧潰瘍を含んだ。
【0030】
PWC設計及び損傷の危険性への影響:PWCの仕様は、ユーザーの身体状態及び生活空間を考慮することにより、できるだけ譲歩せずに、可能な限り多くのユーザーのニーズを満たす構成の最適なモデルを選択することによって、通常得られて、それは多くの場合、ユニバーサルデザインではない。
【0031】
以前、多くのPWCは、標準的な回転移動可能な脚掛けを搭載していて、それは、調整可能な足置き角度により、足及び脚の位置決めのための広い空間を提供して、一部の内反変形に適応する。しかし、これらのPWCデザインは、小型で経済的なこと及び耐久性に限界があり、横方向の管要素は、外側に回転した臀部位置をもつユーザーにとって、腓骨頭での不必要な圧点に関与する可能性がある。回転移動可能な脚掛けは依然として使用されているが、大部分の最新のモデルは、中心取り付け型脚掛けを備えて、操作性を改善する。
【0032】
中心取り付け型脚掛けは、短い単位長さ及び足跡、密な回転半径を提供して、そうして操作性を改善する。前輪駆動モデルで、中心取り付け型デザインは、良好な人間工学的機能を提供する。前輪駆動型の足板は、足の位置決めのために最大限の表面積を可能にして、収容用の緩やかに丸みをおびた隆起リップを含む。通常の足間隔及び適切な大腿骨位置合わせが、可能である。足板の側面から落下する足の危険性は、比較的最小である。しかし、大部分のデザインは、平均的な成人男性の足の全長を延長しない。狭苦しい場所での操作の間、隣接する物体との任意の足指の接触は、それに気がつかないユーザーの足を移動させる場合がある。前輪駆動または後輪駆動基盤より更に小さい回転半径が可能なので、米国で現在処方される大部分のPWCは、中輪駆動デザインを使用する。足板の幅は、前輪駆動モデルとは異なり、中心取り付け型脚掛けを備える中輪駆動モデルの懸念材料である。台昇降または車両傾斜路で運転する中輪駆動基盤において、前キャスターは、内向きに旋回するとき、約11~12インチ間隔であり得る。この設計は、中輪駆動モデルの中心取り付け型脚掛け用の足板の選択を制限する。好ましい位置決めのためにより広い足板を選択する場合、脚掛けは、キャスターを通過させるために、上方へ曲げられることができる。これは、椅子の有効長、その回転半径、及び狭い場所での操作の間、ユーザーの足が周囲環境に接触し得る危険性を増大させる。この問題は、前キャスターの間に適合して、椅子長を減らすように設計された、より狭い足板を使用して回避できるが、そこで引き換えに、ユーザーの足が足板上に収容されることが少なくなり得る。
【0033】
電動車椅子システムは、一般的な姿勢に応じて、ユーザーの足が地面または近くの物体に接触するのを防ぐことができない、足板を通常含む。このようなPWCシステムは、足板の平面以外の足位置を制限して、及び内反及び回外のカスタマイズを妨げて、関節拘縮及び痙縮のために調整される、中心取り付け支柱を通常有する。そのうえ、追加の変更をしないと、中心取り付け型足板は不適切な横方向の支持体を提供して、麻痺下肢が外側に回転するのを妨害する。この設計制限は、座席に載置される横方向の大腿支持体を用いることにより、克服できる。しかし、横方向の大腿支持体及び体躯支持体を必要としている人は、これらの追加の支持体のうちの1つの支払いをする、Medicareにより制限されている。多くのPWCは、下腿を支持するための前方及び後方ふくらはぎ当ての調整能力を欠いており、それは、ユーザーの足が足板から外れた場合、それは脚位置の不安定性を増大させる。
【0034】
ユーザーが体重移動できない場合、圧力除去を提供する、電動傾斜及びリクライニングを備えるPWCの位置決めは、傾斜中の車椅子形状の変化により、及び痙攣または重力が四肢を足置きから外すことにより、動的である。椅子が、圧力除去及び従属性水腫のドレナージのために延長される脚掛けによる傾きに置かれるとき、椅子にユーザーが押し戻されるのを防ぐためにヒンジが開くので、中心取り付け支柱は長くなる。そうして、ユーザーの足は一般的に足板と接触しなくなる。1つの研究は、血流の有効な回復を達成するために、45度~60度の傾斜が必要であると報告した。この程度の傾斜で、ユーザーは、その脚掛けを完全に上げる必要があり、脚掛けがその最大長さであるのに対して、足は、座位保持システムのユーザーの後方移動のため、足板との接触をほぼ必ず失う。ユーザーが直立位置に戻るとき、足が、足板に正確に位置しない可能性は極めて高い。足板を中心取り付け支柱に取り付けるために用いるヒンジ及び機器は、製造業者に応じて足板長の1.5~2インチを取る場合がある。椅子が上昇した脚掛けにより傾斜するとき、ユーザーの踵は、意図しない圧点を生成するヒンジの最上部で静止できる。
【0035】
足指カップ及び足ストラップを使用することで、足板の適所に足を保持できるが、位置を固定することで、更なる問題が生じ得る。例えば、傾斜の生体力学または伸筋痙攣が固定した足指で足位置を変える場合、骨折または他の重大な障害の可能性がある。
【0036】
SCI/D、ならびに骨粗鬆症、痙縮、拘縮及び皮膚統合性の障害への感受性を生じさせる他の神経障害をもつPWCユーザーの、下肢障害の防止にとって重要な不安定または安全でない、足と足板のインターフェイスの早期警告システムが、本明細書に開示される。こうした有害な結果を防ぐことは、患者に、ならびに医療費を減少させて、不必要な失われた生産性を回避することによって、全体として医療システム及び社会に利益をもたらすことができる。
【0037】
更に具体的には、PWC使用の間、リアルタイムの足の位置を測定するために使用できる装置、システム及び方法を、本明細書で開示する。開示する装置、システム及び方法は、足が足板の安全な範囲を離れる場合、ユーザーに警告できる、またはPWC制御システムに通信して、損傷を防ぐために車椅子を減速できる、もしくは停止できる。また、PWC足板の使用のため、及びスマートフォンのアプリケーションを介して誤配置した足のユーザーに警告するためプロトタイプの設計及びテストも、本明細書に開示される。以下の説明の全体にわたって、「足板圧力及び位置決めセンサー」及び「FoPPS」という用語は、本明細書に開示されるように、足位置を判定する装置、システム及び方法を一般に指すと理解される。
【0038】
足板アセンブリ
種々の態様で及び
図1A~
図11に関連して、足板アセンブリ10が本明細書で開示される。代表的な態様で、足板アセンブリ10は、底板12及びセンサーサブアセンブリ30を含むことができる。これらの態様で、底板12は、上面14及び底面16を画定する。底板12は、底板12の足指部18と踵部20の間に延在する長さを有することができる。センサーサブアセンブリ30は、底板12の上面14に固定することができて、足との係合のための接触面32を画定することができる。所望により、いくつかの態様で、底板12は、電動車椅子(PWC)の支持脚に直接固定するように構成されることができる。その結果、足板アセンブリ10そのものが形成される、またはPWCに固定する足板構造内に組み込まれる。あるいは、他の例示の態様で、底板12が、基材の頂面上に配置される、または固定される上敷きとして提供され得ると想到されている。代表的な態様で、足板アセンブリ10が上敷きとして提供されるとき、上敷きの底板が、PWCの支持脚にすでに固定されている(または、将来固定される)従来のPWC足板構造200(
図12を参照)の頂面上に配置されることができる、またを固定できると想到されている。これらの態様で、足板アセンブリ10の形状及び寸法が、PWCの下にある足板構造の形状及び寸法と適合するように、または相補的であるように選択されることができると想到されている。足板アセンブリ10が上敷きとして提供されるとき、上敷きが、例えば、これらに限定されないが、接着剤、テープ、面ファスナーまたは他の従来の機械的締結具を含む、従来の取り付け手段を使用して、下にあるPWC足板に取り付けられ得ると、更に想到されている。しかし、いくつかの態様で、上敷きが、下にあるPWC足板構造に固定する必要がないことも想到されている-例えば、上敷きが、固定されずに、PWC足板構造の上面に載っていることができると想到されている。
【0039】
更なる態様で、ならびに
図1A~
図1B、
図3A及び
図5Aに関連して、センサーサブアセンブリ30は、足100が加えた力を示す、対応する出力を生成するように構成される、複数の力センサー34を含むことができる。更に他の態様で、センサーサブアセンブリ30は、足(すなわち、足の底面)と接触面32の間の距離(一般に、足の底面と対応する近接センサーの間の測定した距離に対応する)を示す、それぞれの出力を生成するように構成される、複数の近接センサー50を含むことができる。センサーサブアセンブリ30が、近接センサー50の力センサー34に対する等しいまたは不均等な割合を含み得ると想到されている。例示の非限定的な態様で、力センサーの数は近接センサーの数より多くなり得ると想到されている。あるいは、他の代表的な態様で、近接センサーの数が力センサーの数より多くなり得ると想到されている。使用中、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50によって生成される出力が、足板アセンブリ10への経時的な足圧変化を示す情報を提供できると想到されており、それは、圧迫潰瘍または十分には適していない車椅子の危険度を示すことができる。そのうえ、近接センサー50は、例えば、上下に跳ね上がるが足板の領域内にとどまる通常の使用中、ユーザーの足が、足板アセンブリ10との接触を頻繁に失っているかどうか判定して、接触圧の喪失に基づく誤警報を防ぐことができる。更なる態様で、力センサー及び近接センサーの位置が、意味のある圧力または位置の変化を示す可能性が高い、足の一部に対応するように選択されることができると想到されている。
【0040】
図1B及び
図5A~
図5Bで示すように、いくつかの代表的な態様で、センサーサブアセンブリ30は、接触面32を少なくとも部分的に画定する、コーティング構造58を更に含むことができる。これらの代表的な態様で、コーティング構造58は、複数の上敷き部60を含むことができ、各上敷き部は、複数の力センサーのうちの対応する力センサー34上に直接静止している。任意に、各上敷き部60は、フィルム(例えば、これに限定されるものではないが、当技術分野で周知のように、力検知抵抗器(FSR)フィルム)を含むことができる。適切なFSRフィルムの非限定例は、XactFSRフィルム(Sensitronics、Bow、WA)である。任意に、各上敷き部60の表面積は、通常、下にある力センサー34の表面積に合致できる。しかし、他の任意の態様で、各上敷き部60の表面積が下にある力センサー34の表面積を超えることができると想到されている。
【0041】
そのうえ、更に代表的な態様で、コーティング構造58は、複数の上塗り部62を有する上塗り層68を含むことができる。任意に、代表的な態様で、上塗り層68は、当技術分野で周知のように、3次元(3D)プリンタを用いて形成される(印刷される)ことができる。これらの態様で、上塗り層68が、本明細書で更に開示される、複数の上塗り部62を有するためにパターニングされることができると想到されている。各上塗り部62は、対応する上敷き部60に固定することができて、対応する力センサー34上に直接、重なることができる。任意には、いくつかの態様で、複数の上塗り部62のうちの少なくとも1つの上塗り部は、中央点64及び周辺部66を有することができる。これらの態様で、中央点64の上塗り部の高さは、
図1Bに示すように、周辺部66の上塗り部の高さより大きくなることができる。他の任意の態様で、複数の上塗り部62のうちの各上塗り部は、中央点64及び周辺部66を有することができ、中央点64の各上塗り部の高さは、周辺部66の上塗り部の高さより大きい。任意に、各上塗り部の中央点64と上塗り部の周辺領域66の間の高さの違いは、約2mmであり得るが、他の高さの違いが可能である。更に一般的には、各上塗り部の有効高さが、上塗り部の上面に沿って変化できると想到されており、それにより、隆起または突起を画定する。増大した高さ(例えば、隆起または突起)を有する上塗り部の一部が、対応する力センサー34上に配置されることができて、患者の足100によって印加される圧力が、対応する力センサー上に分配されることを確実にするために、応力コンセントレータとして機能するように構成され得ると、更に想到されている。任意に、各上敷き部60が、対応する上塗り部62の下側に接着され得る、またはそれに固定され得る(例えば、接着によって固定される)ことが想到されており、その結果、対応する力センサー34上に直接静止する。任意に、上塗り層68(及び、複数の上塗り部62)が、増加した耐久性を構造へ提供する、熱可塑性ウレタン(TPU)コーティング材料を含むことができると想到されている。任意に、他の代表的な態様で、上塗り層68(及び、複数の上塗り部62)が可撓性ポリ乳酸(PLA)材料(例えば、Flex EcoPLA)を含むことができると想到されている。更に一般的には、上塗り層68が、少なくともショア硬さ45Dを有する、または履物との接触からの損傷に耐えるのに十分な材料の耐久性を有する、材料を含むことができると想到されている。任意に、更に代表的な態様で、上塗り層68が、上方構成要素及び下方構成要素に対応する、2つの別個の3次元印刷した構成要素を含むことができると想到されている。そこで、上方構成要素は、複数の上塗り部を含み、足板アセンブリの上部に相補的に重なるために成形されており、下方構成要素は、足板アセンブリの下部を相補的に収容するために成形されている。これらの態様で、上塗り層68の上下の構成要素が、完全に足板アセンブリ10の構成要素を囲んで、封入するために、グルーまたは他の接着剤(例えば、シリコーンコーク)を使用して一緒に固定され得ることが想到されている。任意に、更に代表的な態様で、上塗り層68の上部構成要素が、近接センサーの上を覆う開口または間隙と共に形成されて、近接センサーの機能に対する干渉を回避することができると想到されている。任意に、これらの態様で、上塗り層68の開口または間隙は、光学的に透明な材料(例えば、エポキシまたはシリコーン)を充填することができる、またはそれで覆われることができる。
【0042】
更に代表的な態様で及び
図3A~
図4Bに関連して、複数の力センサー34は、複数の力検知抵抗器を含むことができる。任意に、複数の力センサー34は、複数の正方形の力検知抵抗器を含むことができる。力検知抵抗器を本明細書で詳述するが、他の力センサーが、開示するセンサーサブアセンブリ30内で使用されることができると想到されている。例えば、力センサーが、力検知キャパシタ、力検知インダクター、力検知オシレーター、歪み感受性、非晶質、結晶質もしくは磁気材料、またはこれらの組み合わせを含むことができると想到されている。代表的的な態様で、複数の力センサー34が、上で概説した種類の力センサーから選択される、少なくとも2つの異なる種類の力センサーを含むことができると想到されている。
【0043】
任意に、
図4Aに示すように、複数の正方形の力検知抵抗器は、少なくとも1つの「微細な」力検知抵抗器42、少なくとも1つの「中程度の」力検知抵抗器44、及び少なくとも1つの「粗い」力検知抵抗器46を含むことができる。典型的な態様において、「微細な」力検知抵抗器42、「中程度の」力検知抵抗器44及び「粗い」力検知抵抗器46のすべてが、選択された分離距離によって離れている導電/検知材料の平行(または実質的に平行)部分を備える、同じまたは実質上同じパターン(例えば、
図4Bを参照)で適用される導電/検知材料を有する、類似の構造レイアウトを含むことができると想到されている。これらの態様で、「微細な」力検知抵抗器42の選択された分離距離は、「中程度の」及び「粗い」力抵抗抵抗器44、46の選択された分離距離より少なくなることができ、「粗い」力抵抗抵抗器46の選択された分離距離は、「微細な」及び「中程度の」力検知抵抗器42、44の選択された分離距離より大きくなることができる。「微細な」「中程度の」及び「粗い」力検知抵抗器42、44、46の代表的な分離距離は、本出願の実施例部分の表1に提供されている。更なる態様で、導電/検知材料部分の幅が「微細な」「中程度の」及び「粗い」力検知抵抗器中で変化できると想到されており、そこで、その幅は、「中程度の」及び「粗い」力検知抵抗器より「微細な」力検知抵抗器のほうが小さく、その幅は、「微細な」及び「中程度の」力検知抵抗器より「粗い」力検知抵抗器のほうが大きい。「微細な」「中程度の」及び「粗い」力検知抵抗器42、44、46の代表的な幅は、本出願の実施例部分の表1に提供されている。任意に、分離距離及び検知材料の幅は、各力検知抵抗器内で等しい場合がある、または実質的に等しくなり得る。操作中、力センサー応答が、検知素子の幅、及び検知素子が互いにどのくらい近くにあるかにより画定され得ると考えられている。したがって、複数の力センサーが、異なる力センサー応答を提供するセンサーを含むことができると想到されている。任意に、代表的な態様で、これらの力検知抵抗器の導電材料の異なるサイズ設定及び間隔をとった配置のため、「微細な」力検知抵抗器42が第1サイズを有することができ、「中程度の」力検知抵抗器44が第1サイズより大きい第2サイズを有することができ、「粗い」力検知抵抗器は第2サイズより大きい第3サイズを有することができると想到されている。
【0044】
追加の代表的な態様で、複数の近接センサー50は、複数の赤外線距離センサーを含むことができる。赤外線距離センサーを本明細書で詳述するが、他の距離または近接センサーが、開示するセンサーサブアセンブリ30内で使用されることができると想到されている。本明細書で開示するように使用できる距離または近接センサーの他の非限定例は、光学距離センサー(例えばレーザー、赤外線または光学非同期式光源)、影センサー(例えば、周囲照明を遮断する)、熱電気または焦電気センサー、超音波距離センサー、レーダー距離センサー、静電フリンジ場センサーを含む。更に一般的には、本明細書で開示するように、任意の非接触距離センサーを使用できると想到されている。任意に、代表的な態様で、複数の近接センサー50が、上述の少なくとも2種類の異なる距離または近接センサーを含むことができると想到されている。
【0045】
更なる代表的な態様で、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50は、
図1A、
図3A及び
図5Aに示すように、底板12の上面14に対して、複数の行70及び複数の列72に配置されることができる。複数の列72は、底板12の長さに沿って延在することができて、複数の行70は、垂直にまたは実質的に垂直に複数の列72まで延在できる。任意に、これらの態様で、複数の列72は、力センサー34だけを含む第1の複数の列及び近接センサー50だけを含む第2の複数の列を含むことができる。第1及び第2の複数の列が、交互配置で提供され得ると想到されている。しかし、他の態様で、第1の複数の列のうちの2つ以上の列、または第2複数の列のうちの2つ以上の列が、互いに隣接して配置され得ると想到されている。代表的な態様で、複数の行70のうちの一部(すなわち、少なくとも1つの行)は、少なくとも1つの力センサー34(任意に、複数の力センサー)及び少なくとも1つの近接センサー50(任意に、複数の近接センサー)を含むことができる。複数の行70が少なくとも4つの行を含むことができ、及び複数の列72が少なくとも5つの列を含むことができると想到されている。任意に、
図13に示すように、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50が互いにオフセットされることができ、その結果、複数の行のうちの対応する行70が力センサーだけまたは近接センサーだけを含み、複数の列のうちの対応する各列72が力センサーだけまたは近接センサーだけを含むと想到されている。したがって、これらの構成で、行または列は、力センサー及び近接センサーの両方は含まない。
【0046】
任意に、代表的な態様で、複数の近接センサー50は、他の群から離間配置される(例えば、少なくとも1つの行だけ間隔を置かれる)複数の群の中に分配され得ることが想到されている。例示の非限定的な態様で及び
図1Aに示すように、複数の群は、底板12の足指部18に近接する近接センサー50aの第1群、底板12の踵部20に近接する近接センサー50bの第2群、及び第1群及び第2群から離間配置されて及び第1群と第2群の間に配置されている近接センサー50cの第3群を含むことができる。
【0047】
任意に、更なる代表的な態様で、複数の力センサー34が、一様にまたは実質的に一様に底板12の表面積中に分配されることができると想到されている。しかし、例えば、複数のサイズの力センサーが1つのセンサーサブアセンブリ30内で使用されるとき、力センサー34中の間隔の変化が許容され得ると想到されている。
【0048】
更なる代表的な態様で、足板アセンブリ10は、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50と通信接続した処理回路86を含み、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50からの出力を受信することができる(
図5A、
図5B、
図11及び
図13を参照)。これらの態様で、処理回路86は、足100と少なくとも1つの足板アセンブリ10の接触面32との間の接触の質を示す、ユーザーが観察可能な出力(例えば、可聴、視覚または振動の出力)を生成するように構成されることができる。本明細書において、「足の間の接触」という用語は、履物と接触面の間の接触を含むことができると理解されている(すなわち、車椅子利用者の足との直接の接触は、必要とされない)。代表的な態様で、処理回路は集積回路として機能できる。他の代表的な態様で、センサーサブアセンブリ30、及び処理回路の少なくとも一部は、足板アセンブリ10内に埋め込まれる、またはそれに固定できる。あるいは、
図13に示すように、少なくとも一部の処理回路86が、足板アセンブリ10と物理的に関連していない処理モジュール89中に提供され得ると想到されている。例えば、処理モジュール89が、車椅子120の一部に固定することができて、
図13に示すようにケーブル87を用いてセンサーサブアセンブリ30と電気接続して配置され得ることが想到されている。
【0049】
一態様で、処理回路は、足板アセンブリ10の複数の力センサー34及び/または複数の近接センサー50と操作的に接続する、少なくとも1つのメモリを含むことができる。この態様で、少なくとも1つのメモリが、足板アセンブリ10の複数の力センサー34及び/または複数の近接センサー50からの出力を受信して、保存するように構成され得ると想到されている。いくつかの態様で、少なくとも1つのメモリは、足板アセンブリ10に連結できる。しかし、他の別の態様で、少なくとも1つのメモリが、ユーザーから遠隔位置に配置され得ると想到されている。
【0050】
いくつかの任意の態様で、処理回路は、処理回路86のうちの1つ以上の構成要素と操作的に接続する、マイクロコントローラ88を含むことができる。これらの態様で、マイクロコントローラ88が、マイクロコントローラ88と操作的に接続する処理回路の構成要素の動作を制御するように構成される、ハードウェア及びソフトウェアを含むことができると想到されている。例えば、マイクロコントローラ88が、少なくとも1つのメモリに保存される出力の送信を開始するように構成されることができると想到されている。
【0051】
別の態様で、処理回路86は、少なくとも1つの無線伝送器90(例えば、当技術分野で周知のように、ワイヤレストランシーバ)を含むことができる。無線伝送器90の例示の非限定例は、Bluetooth(登録商標)対応無線通信(例えば、Bluetooth Low Energy(BLE)4.1無線通信)を含む。しかし、任意の適切な無線伝送器を使用できると想到されている。少なくとも1つの無線伝送器90が、処理回路86のマイクロコントローラ88及び/または少なくとも1つのメモリと操作的に無線通信することができると想到されている。この態様で、少なくとも1つの無線伝送器90が、マイクロコントローラ88で受信したまたは少なくとも1つのメモリに保存した、センサー34、50から出た1つ以上の出力を無線で送信するように構成されることができると想到されている。無線伝送器が好ましいが、少なくとも1つのメモリならびに複数の力センサー34及び近接センサー50が、従来の有線接続によって互いに接続できると想到されている。任意に、開示する無線伝送器90は、本明細書で更に開示するように、処理モジュール89内に提供されることができる。
【0052】
代表的な態様で、マイクロコントローラ88は、少なくとも1つの無線伝送器90と操作的に接続して配置されることができる。これらの態様で、マイクロコントローラ88が、力センサー34及び/または近接センサー50に保存した出力(必要に応じて、アナログ-デジタル転換の後)をサーバに選択的に送信するように、所望により構成されることができると想到されており、それは、いくつかの態様で、無線受信器と通信できる。サーバがユーザーから遠隔で配置され得ることが、更に想到されている。代表的な態様で、サーバは、プロセッサ及びプロセッサと有効に通信するメモリを有する、コンピュータの一部として提供されることができる。任意に、コンピュータのプロセッサが、サーバへの力センサー34及び/または近接センサー50に格納した出力の送信を開始できると想到されている。
【0053】
追加の態様で、処理回路が、当技術分野で従来から公知のアナログ-デジタル変換器を含むことができると想到されている。この態様で、アナログ-デジタル変換器は、複数の力センサー34と少なくとも1つのメモリの間及び/または複数の近接センサー50と少なくとも1つのメモリの間に動作可能に連結されて、そこに配置されることができる。アナログ-デジタル変換器が、複数の力センサー34及び/または複数の近接センサー50の出力を受信して、処理回路による更なる処理のために構成される対応するデジタル信号に、各種信号及び出力を変換するように構成されることができると更に想到されている。
【0054】
更なる代表的な態様で、処理回路86が、本明細書で開示されるユーザーが観測可能な出力(例えば、複数の力センサー34及び/または複数の近接センサー50の出力信号のうちの1つ以上に応答する警報)を生成するための手段を含むことができると想到されている。これらの態様で、警報を生成するための手段が、光学、熱、視覚、振動及び/または可聴警報信号を選択的に生成する従来の装置を含むことができると想到されている。特定の非限定例を、以下に開示する。追加の代表的な態様で、処理回路が、力センサー34及び/または近接センサー50の出力信号のうちの1つ以上の閾値に対応する警報状態を識別するように構成されることができると想到されている。これらの態様で、処理回路が、警報状態に応答して警報を生成するように構成されることができると想到されている。
【0055】
任意に、1つの代表的な態様で、足が一定時間、足板アセンブリ10と接触しないとき、警報状態は引き起こされることができる。任意に、1つの代表的な態様で、足板アセンブリ10の接触面32と足の間の距離閾値に達したとき(足板アセンブリ10から測定されて、複数の近接センサー出力信号で反映される)、警報状態は引き起こされることができる。別の任意の代表的な態様で、限界力に達したとき(足板アセンブリ10から測定されて、複数の力センサー出力信号で反映される)、警報状態は引き起こされることができる。実際のトリガーが作動する前に、選択された期間、事前に設定した閾値が越えられて、それにより疑似トリガーを回避するという要件により、種々の警報状態が、従来の超-未満トリガーと識別されることができる。
【0056】
任意に、別の代表的な態様で、警報を生成するための手段は、少なくとも1つの視覚インジケータ(例えば、これらに限定されないが、発光ダイオードまたは他の選択的照光式インジケータ)を含むことができる。この態様で、少なくとも1つの視覚インジケータが、本明細書に記載されているように警報状態に応答して起動できる(照光する)と想到されている。例えば、
図13に示すように、処理モジュール89が、車椅子120または足板アセンブリ10と動作可能に関連する、通知モジュール91に通信接続できる(任意に、WiFiまたはBluetooth接続による無線接続)と想到されている。代表的な態様で、通知モジュール91は、少なくとも1つの視覚インジケータ93を含むことができる。更なる代表的な態様で及び
図13に関連して、警報を生成するための手段は、音響出力モジュール92を含むことができ、それは、任意に通知モジュール91の一部として提供されることができる。これらの態様で、音響出力モジュール92が、本明細書に記載されているように警報状態に応答して、可聴警報出力を生成するために起動されることができると想到されている。音響出力モジュール92が、警報状態の受信に応答して、選択された予めプログラムされた音声出力を生成するように構成される、スピーカ及び他の従来のハードウェアを含むことができると更に想到されている。
【0057】
出力信号データから生成するデータが格納されて回復される方法が、装置の複雑さ、サイズ及び所要電力に著しく影響を与えることができると想到されている。例えば、しばらく経ってから有線接続を用いてダウンロードするためにデータを格納することが、足板アセンブリ電子装置の複雑さ、サイズ及び所要電力を著しく減らすことができると想到されている。
【0058】
図11に示すように、足板アセンブリ10が、足板アセンブリ10に電力を供給するように構成される、電源94を含むことができると、更に想到されている。この態様で、電源94は、処理回路86と操作的に接続することができ、その結果、電源94が、足板アセンブリ10の力センサー34及び/または近接センサー50、ならびに処理回路に電力を供給するように構成される。電源94が、従来のバッテリ、キャパシタまたは電磁電源であり得ると想到されている。任意に、少なくとも1つの電源94が、足板アセンブリ10または車椅子120に画定される第1ポート(図示せず)により再充電可能であり得ると、更に想到されている。電源94が、取り外し可能かつ入れ替え可能であり得ると、また更に想到されている。代表的な態様で、電源94が、ユーザーから受けた機械的エネルギーにより駆動する、発電機であり得ると想到されている。この態様で、発電機が、ユーザーによって足板アセンブリ10に印加される機械的エネルギーを、電気エネルギーに変換するように構成されることができると想到されている。発電機が、任意に、圧電効果を示す1つ以上の材料(例えば、これに限定されるものではないが、石英)を含む、圧電発電機であり得ると想到されている。適切な回路と連結するとき、このような圧電発電機が、周期的機械的歪みから電気エネルギーを発生させるように構成されることができると想到されている。
【0059】
足板システム
本明細書に開示されるように、少なくとも1つの足板アセンブリ10(任意に、両側性足板アセンブリまたは2つの足板アセンブリ)を有する、車椅子120を含むシステム110も、
図11~
図13に関連して本明細書に開示される。代表的な態様で、少なくとも1つの足板アセンブリは、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50に通信接続して、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50からの出力を受信する、処理回路86を有することができる。このような態様で、処理回路86は、足と2つの足板アセンブリ10のうちの少なくとも1つの接触面の間の接触の質を示す、出力を生成するように構成される。任意に、これらの態様で、処理回路86の出力は、力センサー34及び近接センサー50から受信するそれぞれの出力に対応できる。
【0060】
更に代表的な態様で、システム110は、少なくとも1つの足板アセンブリの処理回路86と無線通信する処理装置132を有する、遠隔計算装置130(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォン)を含むことができる。本明細書に更に開示されるように、遠隔計算装置130の処理装置132は、少なくとも1つの足板アセンブリの処理回路から受信する出力(複数可)を分析して、患者の足と対応する足板アセンブリとの接触の質を判定するように構成されることができる。代表的な態様で、遠隔計算装置130の処理装置132は、足と足板アセンブリ10のうちの少なくとも1つの接触面32の間の接触の質を示す、出力(例えば、視覚、振動または可聴出力)を生成するように構成されることができる。任意に、これらの態様で、遠隔計算装置はスマートフォンまたはタブレットであることができて、スマートフォンまたはタブレットの処理装置132は、スマートフォンまたはタブレットの表示に少なくとも1つの視覚的出力を生成するように構成される、アプリケーションを実行するように構成されることができる。更にまたはあるいは、処理装置132が、スマートフォンまたはタブレットのスピーカを用いて可聴出力を生成するように構成されることができると想到されている。更にまたはあるいは、処理装置132が、スマートフォンまたはタブレットの振動モータ制御を用いて振動警報を生成するように構成されることができると想到されている。
【0061】
足板アセンブリを使用する方法
開示された装置10及びシステム110を使用する方法が、本明細書で更に開示される。一態様で、対象は、本明細書に記載されているように、少なくとも1つの足板アセンブリ10(例えば、2つの足板)を有する車椅子120を使用できる。本明細書に更に記載されているように、少なくとも1つの足板アセンブリ10は、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50に通信接続する処理回路86を備えることができる。この態様において、方法は、処理回路86を使用して、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50からの出力を受信することを更に含むことができる。本明細書でより詳細に説明したように、処理回路は、足と2つの足板アセンブリ10のうちの少なくとも1つの接触面32の間の接触の質を示す、ユーザーが観察可能な出力を生成することができる。
【0062】
代表的な態様で、方法は、処理回路86を使用して、複数の力センサー34及び複数の近接センサー50から出る出力を示す情報を、遠隔計算装置130に無線で送信することを更に含むことができる。任意に、いくつかの代表的な態様で、方法は、遠隔計算装置130の処理装置132を使用して、足と足板アセンブリ10のうちの少なくとも1つの接触面32の間の接触の質を示す出力(例えば、視覚、振動または可聴出力)を生成することも含み得る。
【0063】
任意に、本明細書で更に開示されるように、遠隔計算装置から離れて処理装置により実行されるとき、足と少なくとも1つの足板アセンブリ10の接触面32の間の接触の質を示す出力を生成することができるソフトウェアを有するアプリケーション(「app」)を実行するように、遠隔計算装置130は構成されることができる。任意に、出力は、本明細書に更に開示されるように、警報または警告を含むことができる。代表的な態様で、電力排出を最小化するために、appはスリープ/スニフ操作を使用できる。具体的には、appは、スリープ、装置の無線伝送器を受信するために選択した頻度(例えば、2秒ごと)で起動、そうして不適当な位置決め事象が起こらない限り、スリープに戻るように構成されることができる。この場合、警報は、足が不適当に配置されるとユーザーに通知するために、視覚、視聴及び/または振動通知を使用して発することができる(
図2)。任意に、足が誤配置されたとき、中程度の警報を発することができて、足が完全に足板を離れた場合、緊急(高強度)の警報を発することができる。ユーザーは、視覚、視聴及び/または振動を含む警告及び警報通知のモードまたはその複数のモードを選択できる、選択権を有することができる。中程度の視聴覚警報は、足が足板に不正確に置かれることをユーザーに知らせることができるが、足が完全に足板から離れた場合、より緊急の警報を起動できる。リアルタイムの足位置決めフィードバックをPWCユーザーに提供することに加えて、データ記録を臨床医がダウンロードすることにより、位置決めの危険性をさらによく理解することができる。例えば、本明細書に更に開示されるように、足板アセンブリ10の処理回路86は、無線通信を通して、またはポートもしくはバスを通して、記録データをサーバまたはコンピュータにアップロードするように構成されることができる。記録データがサーバにあった後、臨床医が、ダイレクト(有線ネツトワーク)サーバまたはコンピュータへのアクセスを通して、またはクラウドベースのサーバ/コンピュータへのアクセスを介して、データにアクセスすることができると想到されている。BLE4.0スリープ/スニフ通信を用いた平均電流利用は、1μΑであり、そこでピーク使用は、最高15mAのアクティブな通知中である。位置及び力データの局部記憶装置は、誤った足位置決めの頻度の変化について臨床チームに定期的な最新情報を送って、問題が進展するのを監視することを可能にする能力を備えて、提供されることができる。この低いデータ転送速度のBLE方式は、バッテリ寿命に比較的小さい影響を及ぼすことができ、無線の音楽配信及びナビゲーションタスクよりはるかに少ない電力を利用して、それは、最新のモバイルプラットフォームによって日常的に処理される。
【0064】
更に具体的には、センサーデータは、iPhone6またはiPod Touchで作動するカスタムiOS appによって受信されることができる。appは、足位置のリアルタイム検出をシミュレーションして、フィードバック及び警告をユーザーに提供するように構成されることができる。appは、日常生活動作によって気が散るかもしれないPWCユーザーにとって、解釈しやすく設計された3つのユーザーインターフェイス(
図8A~
図8C)を有する。例えば、
図8A~
図8Cに示すように、appは、足位置の質(「良好」「悪い」など)を述べている色分けした文字警報による第1ユーザーインターフェイス、センサーサブアセンブリのセンサーの位置の出力に対応する色分けした格子による第2ユーザーインターフェイス、及び靴の色分けした視覚表示による第3のユーザーインターフェイス、を生成することができる。そこで、各色は、足位置の質に対応する(例えば、「良好」=黒または無色、「悪い」=赤)。appは、本明細書に開示するセンサーフレームを受信することができて、ユーザーが危険または不適当な足位置に注意を怠らないようにしければならないかどうか判定するために、それらを処理できる。appは足板圧力値を平均して、加重センサー値が閾値以下にある場合、ユーザーに警告するようにプログラムされることができる。
【0065】
任意に、力センサー及び近接センサーを含むことに加えて、開示するシステムが、加速度計、ジャイロスコープまたはGPSセンサーのうちの少なくとも1つを含むことができると想到されている。任意に、本明細書に開示される遠隔計算装置を、車椅子に載置することができ、その結果、スマートフォンがその搭載センサー(加速度計、ジャイロスコープ及びGPS)を使用して、椅子の空間運動(傾斜、回転速度及び地上検証速度(GPSデータによる))を表示できると想到されている。足板及びスマートフォンの加速度計は、ユーザーが、傾斜路を上り下りして移動するのではなく、椅子を傾けるまたは倒しているかを判定するために使用できる。したがって、本明細書に開示されるセンサーサブアセンブリのセンサーと組み合わせて、システムは、2D力分布、足までの2D赤外線距離及び重力データに対する足板傾斜を、スマートフォンappへ送信できる。収集したすべてのデータチャンネルが、アルゴリズムの決定のための事後解析で使われて、本明細書で更に開示される、椅子力学に基づいて差し迫った足の動きを、ユーザーに警告できると想到されている。
【実施例】
【0066】
実施例1:足板圧力及び位置決めセンサー
本明細書で開示されるようにFSR/IRセンサーアレイ(
図1A)と組み合わせた、足板圧力及び位置決めセンサー(FoPPS)装置が、本明細書で開示される。開示するシステムは、足板の力の大きさと分布、及び足板周囲の物体との近さをリアルタイム監視する無線通信技術によって、足位置及び力分布の両方の正確な監視を可能にできる(
図2)。本明細書に記載のシステムは、複数の車椅子製造業者及び足板デザインの中で携帯式であり得る、ユニバーサルデザイン方法を使用する。ユーザーのスマートフォンのインターフェイスは、視覚、視聴及び/または振動通知の選択権を有して、システム警報の応答性を強化することができて、社会生活での使用の足位置に関する情報を臨床エンドユーザーに提供するのを可能にできる。開示する足板アセンブリ及びシステムが、持続的な足位置の異常による、圧迫潰瘍の危険性の初期指標を提供できると想到されている。
【0067】
センサーの構造。足位置は、多くのセンサー様式を有する足板と関連して、検出されることができる。開示する装置及びシステムが広範囲の履物に適合して、費用効率を高くして、環境回復を増大させるために、単純な構造は、力検知抵抗器及び赤外線距離センサーのアレイからなることを採用された。
【0068】
図1Bに示すように、この配置は、防水及び耐摩耗性の熱可塑性ウレタン(TPU)層で上塗りされる場合、経済的かつ耐久性が高くあり得る。ユーザーの足圧が時間と共に変化しているかどうか判断できるので、本明細書に開示する負荷検出装置は、追加の臨床有用性を有しており、それは、圧迫潰瘍危険性または十分に適合していないPWCを示す可能性がある。IRセンサーは、例えば、上下に跳ね上がるが足板の領域内にとどまる通常の使用中、ヒトの足100が、足板との接触を頻繁に失っているかどうかを判定して、接触圧の喪失に基づく誤警報を防ぐことができる。
【0069】
本明細書に開示するシステムは、生理学的に適切な足板負荷及び足位置を監視しかつ報告するために、可撓性を付加して製造され、継ぎ目なく封入された力センサーアレイを含むことができる。Flex EcoPLA(ショア硬さ45Dを有する可撓性ポリ乳酸(PLA)材料)、または作動検知及び通信構成要素を封入するための本明細書に開示する他の類似材料の使用が、使用中の頑強性、湿度及び耐温度性を提供できると想到されている。粘着性基層は、力の大きさ及び分布を監視するために、足板にセンサーサブアセンブリを確実に取り付けることができる。
【0070】
足板-スケールセンサーアレイ。車椅子の座シート基部及び背もたれを通じて働く力のいくつかの研究があるが、正常な使用中、PWCユーザーによって足板に印加される力の範囲に関する限られた情報である。本明細書に記載されているように、開示する装置及びシステムに必要な力センサーの範囲が決定されて、足板インターフェイス力の大きさ及び分布は、前足ならびに中足及び踵の内側面の下に配置される、Flexiforce力検知抵抗器(Tekscan Inc.)を使用して評価された。
【0071】
全範囲の予想される圧力を検出できるFSRの設計を助けるために、対象は、1,000以上のsensels(個々の検知素子)の14.7mm2アレイを備える、CONFORMat(Tekscan Inc.、Boston、MA)圧力センサーマットに足を載せて、椅子にまっすぐに座った。最高圧力は、1.3psiにて踵下で観察された。より少ない圧力は、前足下で観察されて、中足下で圧力は、たとえあったとしてもほとんど観察されなかった。予想される圧力値は、150%の安全係数によって、より重いユーザーを収容するように調整された。
【0072】
踵、中足と前足の間の圧力差を判定するために、開示されたセンサーサブアセンブリは、3つのFSR型を使用できる(
図4A)。リフレッシュ速度及びコストと圧力マップ精度とのバランスをとるために、開示されたセンサーサブアセンブリ上のFSRは、両端の間に10mmで離間配置された30mmの正方形だった。このセンサー密度は、高い解像度のCONFORMatセンサーと比較したとき、高圧または低圧の領域を見つけるために、十分な解像度を更に提供する(
図4A)。足板からの距離を推定するために用いるIRセンサーは、FSR(
図1A)の間の列に置かれる(
図1A)。
【0073】
センサーアレイ読み出し電子回路。開示するシステムで、結果は、足板の足の誤配置による、相対的な印加力の変化を含むことができる。ADLで、運転中の振動による、足の位置決め及び力の小さな変化が、比較的頻繁にかつ速くなり得ると予想される。これらの高い一時的速度及び低い空間振幅の変化は、完全に免荷されずに力減少を引き起こすことがあり得る。周期的なティルト・イン・スペース式圧力除去工程による足板荷重の変化も、完全に免荷されずに力減少を引き起こすことがあり得る。この場合、足板力の変化は、位置変化の種々の程度により遅いと予想され得る。足の誤配置は、少しずつ変化しないで、足板力の大きい変化として示されることができる。足の接触の全喪失は、更にまれであり得て、印加力をゼロまで減少させる場合がある。
【0074】
卓上試験は、ADL中、生理学的負荷レジメンを表す、周期的及び持続的に加えた負荷下で、抵抗の変化を特性決定するために実施できる。10つのFSRが、更に製造されて試験された。足配置のティルト・イン・スペース式変化の効果は、10分間60%まで下げて、次に100%まで戻して、30分間、100%の予測した足板負荷に負荷を適用することにより評価されることができる。周期は、PWCユーザーの1日の体重移動レジメンを示すために、15回、繰り返されることができる。誤配置で座っている間の長期負荷、及び足配置全体のまれな損失の効果は、30分間80%まで次第に下げて、素早く免荷する前に更に1.5時間100%まで次第に戻して、100%の予測した足板負荷に負荷を適用することにより評価されることができる。段階的な低減及び免荷は、誤った位置決め及び足板から落ちている足を模倣できる。そうして、負荷サイクルは、5日間の現実の使用を模倣するために、12時間の免荷後に、合計5日間繰り返されることができる。抵抗は、負荷サイクルの全体にわたって10分ごとに監視され得る。
【0075】
全体的な薄型を確実にして、可撓性を維持するために、14つの赤外線(IR)近接センサーと組み合わされる23つの力検出領域(FSR)のアレイは、各足板上に配布されることができる(
図5A)。圧電抵抗FSRは、力の増加による抵抗の減少を示して、様々な感度及び範囲を提供するように調整されることができる。
【0076】
個々の部位の値を決定するために、IRバス電圧のベースライン測定は、IR LEDオフでなされることができる。この測定の直後に、1つのIR LEDは照光されることができ、別の測定が実行され得る。2つの測定値の違いは、特定のセンサー部位に反射された総光量を表すことができる。左右の足板からのFSR及びIR信号は、別々のチャンネル上へ多重送信されることができ、そうして、2つのADC入力及び2つの多目的入出力ピンの合計は、アレイ値を取り込むために必要であり得る。各センサー部位の量子化されたセンサー値のセットは、センサー「フレーム」を形成でき、各フレームは、足当たりNFSR=23及びNIR=14部位を含む。IRセンサーは、相関二重サンプリング法の各変換で2回測定した。各測定値で、読み出し回路は、光が検出器に達するとき、発生する交流(AC)光電流を検出するためにだけ構成された。読み出し回路は、少なくとも150Hz及び20,000Hz以下のAC周波数を有する光を検出するためにだけ調整された。これは、世の中の一般的な光源を受け入れない。相関二重サンプリング工程は、オフにされるすべてのIRエミッタによる第1測定をすることと、それにより、検出器内に通過するAC周波数による環境照明のレベルを測定することと、を含む。次に、10ミリ秒未満以内に、1つのIRエミッタはオンにされて、測定が繰り返される。2つの測定値は互いから減算されて、IRエミッタから検出器へ反射される光の総量を決定する。サンプルが立て続けに短期間に取られるので、2つの測定値の環境照明が同じである、または「相関して」いると推定されて、その結果、それを減算することは、制御不能の干渉の効果を除去する。
【0077】
通常のマイクロコントローラにおいて、フレームは、3.7kHzの多重更新速度で10ミリ秒以内に生成され得る。8ビット切り捨て及び毎秒10フレームのフレーム速度と仮定して、開示された足板アセンブリ用のデータ転送速度は、わずか370バイト/秒で低くなることができる。このデータ転送速度は、通常の低出力無線通信(例えば、Bluetooth Low Energy)によって容易に扱われることができる。
【0078】
センサー作製。一実施例で、本明細書に開示されるセンサーサブアセンブリは、商業的なガラス繊維PCBで製造されて、低コストを維持した。FSRは、表1の形状で最上部金属上に作成された(
図4Bを参照)。本明細書に開示されるセンサーアレイは、信頼性を提供して、FSRトレース上の接触抵抗を最小化するために、無電解ニッケル置換金(ENIG)仕上げを使用して、flexPCB基板上へ印刷されることができる。各FSRの範囲及び感度は、櫛型チャンネルのピッチ及び間隔を変えることによって、上で決定した仕様を満たすように調整することができる。各25mm×25mmのFSRは、徐々の最小の移動及び5~15%の精度による力測定を可能にする、厚さ2mmのXactFSR圧電抵抗フィルム(すなわち、Sensitronics、Bow、MA製)で覆われることができる。IRセンサー、マルチプレクサ及び受動素子は、PCBに取り付けられた。いくつかの態様で、組み立てられた電子装置全体の厚さは、3mm未満であった。ワイヤヘッダーコネクタは、左右の足板を、RedBear Duo(RedBear Lab、Hong Kong、CN)Arduino互換ボードに一緒に接続するために使用した(
図5A~
図5B)。Duoは、センサー変換のためのオンボードADCを用いて、すべてのセンサーマルチプレクサにより両側で閃光を発した。センサーの閃光速度は、毎秒10フレームで、両側に完全な「フレーム」を生成するようにプログラムされた。それから、本明細書に開示されるセンサーサブアセンブリは、Flex EcoPLA、ショア硬度45Dを備える可撓性頑強材料、または他の類似材料を含む上塗り層で覆われて、使用中の湿度及び耐温度性を可能にできる。封入層は、力アキュムレータとして機能して、表面性状を提供するために、各FSR上の隆起を含むように設計され得る。間隙は、IR近接センサー上の上塗り層に残されることができて、それは、光学的に透明なエポキシまたはシリコーンによって気密封止されることができる。本明細書に開示される完成したセンサーアレイは、6~8mmの全体の厚さを備える継ぎ目のない力/位置センサーアレイであり得る。
【表1】
【0079】
開示されたセンサーアレイは、18×44×4.3mmのプラットフォーム内の一体型マイクロコントローラ(すなわち、ATmega32U4製)を備えるプロセッサモジュール(すなわち、Blend Micro(RedBearLabs)製)に接続できる。FoPPSアレイが、誤配置及び/または傾斜動作による免荷の間に識別できるように、低出力三軸加速度計(すなわち、Analog Devices製ADXL345)は、足板に配向検知を提供するために接続されることができる。ミニプロセッサボードは、内蔵アンテナ及び最高30mの動作領域を使用する、安全な低電力通信のためのBluetooth Low Energy4.0(BLE)または4.1通信を含むことができる。それらが、すなわち1秒につき10回受信するので、BLE無線通信を使用して、センサーフレームを送信した。無線通信は、20メートルの有効な見通し線範囲を有して、Duoは、センサーデータを測定かつ送信すると共に、連続的に35mAを消費した。いずれの構成要素も必要に応じて速やかに交換されることができるように、通信モジュールは、可撓性リボンケーブルを用いて各センサーサブアセンブリに接続できる。
【0080】
開示されたセンサーサブアセンブリは、薄型5.8×54×60mmの2000mAh再充電型リチウムポリマバッテリ(すなわち、Sparkfun製)によって作動して、薄い形状因子に高エネルギー密度を提供できる。初期計算は、4Hzで出力/画像を生成するための、3.7mAの総システム電力消費を示す。毎日18時間監視すると仮定すると(ユーザーが寝ている間はスタンバイ動作モードのシステムによる)、30日の操作が、1回のバッテリ充電当たり提供されることができる。例えば、上述のシステムは、500mAhのリチウムポリマ二次電池によって作動し、それは、再充電の間に2週間の連続監視を可能にする。
【0081】
別の代表的な製造工程で、開示された足板アセンブリの電子装置は、環境抵抗及び耐摩耗性を加えると共に、FSR及びIR機能を保持するために、多層処理で上塗りした。2層の保護TPU上塗りコーティング(上部及び底部を分離)は、低コストの溶融製造(FFF)プリンタで3Dプリントした。2mmのXactFSRフィルム(Sensitronics、Bow、WA)の小さい1インチ正方形は、TPU上塗りコーティングの最上層の下側に接着されて、その結果、それらは、FoPPSの各FSR上に直接置かれる。TPU上塗りコーティングの最上部の高さ2mmの隆起は、応力集中部分として機能するFoPPSの各FSR上に配置されて、患者の足からの圧力が、FoPPS PCBの別の部分ではなく、FSR上へ分配されるのを確実にする。シリコーンコークは2つのTPU部を一緒に接着して、PCB上にぴったりに適合させ、完全にそれを封入する(
図5A~
図5B)。
【0082】
実施例2:足板圧及び位置決めセンサーの特性決定ならびに実証試験
製造したプロトタイプは、最初に静的条件で特性決定して、次に、現実的な力分布を表す運動靴を履いて義下肢端で試験した。義肢で試験することは、スマートフォンappを介してセンサーデータのリアルタイム読み出しを生成した。このデータは、定性的に提示される。
【0083】
力センサー応答曲線。3つのFSRレイアウト(粗い、微細な及び中間の)のそれぞれは、連続して1つのセンサー部位に適用された精密質量(0.00~1.05kg)を使用して試験した。この範囲は、ヒトのボランティアによるCONFORMatデータから得られた圧力範囲に基づいて選択された。静的抵抗測定値は、Agilent3441OAデジタルマルチメーターで計測した。試験したセンサーは、印加力への単調かつ非線形反応を示した(
図6)。予想されるように、微細なセンサーは印加力に最も影響された。センサーは200g負荷超に感度を低減したが、最大値になったセンサーはなかった。これは、センサー過負荷が、通常の足圧分布及びこのFSR配置によって(最も微細なFSR間隔でさえ)生じる可能性が低いことを示唆する。
【0084】
赤外線のセンサー応答曲線。IRセンサー距離反応は、靴の下側をシミュレーションするために、黒色ゴム標的を使用して試験した。IRセンサーは、周囲照明源の干渉を低減するために、前述のとおりパルス化された。Duoマイクロコントローラは、
図3Bに記載されている、切り替え及び相関電荷減衰測定値を生成するようにプログラムされた。要素値は、500μsの名目τ
Dを達成するように選択されて、Duoはコード実行速度制限に基づいて約1%以内の遅延時間を算出することができる。IR LEDは、電流制限抵抗器を用いてDuoによって制御されて、ピーク電流を20mAに設定した。IR距離データは、データ収集のためのコンピュータシリアルポートに送信された。この試験の照明条件はほぼ一定だったが、IRセンサーは、設計どおり、環境照明条件に感度を示さなかった。通常のIRセンサー応答曲線は、2cm超の著しく低減した感度で、標的距離に単調な反応を示した(
図7)。この範囲は足検出に十分であり、IR LED電力消費を代償にして調整されることができる。
【0085】
無線読み出し電子装置及びスマートフォンapp。データ処理appは、任意のスマートフォンまたは他の遠隔計算装置と連動するために開発され得る。電力排出を最小化するために、appはスリープ/スニフ操作を使用できる。具体的には、appは、スリープ、装置の無線伝送器を受信するために2秒ごとに起動、そうして誤配置事象が起こらない限り、スリープに戻ることができる。この場合、警報は、足が不適当に配置されるとユーザーに通知するために、視覚、視聴及び/または振動通知を使用して聞くことができる(
図2)。足が誤配置されたとき、中程度の警報が聞こえることができ、足が完全に足板を離れた場合、緊急の警報が聞こえる。ユーザーには、視覚、視聴及び/または振動を含む警告及び警報通知のモードまたはその複数のモードを選択できる、選択権を有することができる。中程度の視聴覚警報は、足が足板に誤配置されたことをユーザーに知らせるが、足が完全に足板から離れた場合、より緊急の警報を起動する。リアルタイムの足位置決めフィードバックをPWCユーザーに提供することに加えて、データ記録は臨床医によってダウンロードされて、位置決めの危険性をもっと理解できる。BLE4.0スリープ/スニフ通信を用いた平均電流利用は、1μΑであり、そこでピーク使用は、最高15mAのアクティブな通知中である。位置及び力データの局部記憶装置は、足の誤配置が出現する頻度の変化について臨床チームに定期的な最新情報を送って、問題が進展するのを監視することを可能にする能力を備えて、提供されることができる。この低いデータ転送速度のBLE方式は、バッテリ寿命に比較的小さい影響を及ぼすことができ、無線の音楽配信及びナビゲーションタスクよりはるかに少ない電力を利用して、それは、最新のモバイルプラットフォームによって日常的に処理される。
【0086】
更に具体的には、センサーデータは、iPhone6またはiPod Touchで作動するカスタムiOS appによって受信された。このappは、足位置のリアルタイム検出をシミュレーションして、フィードバック及び警告をユーザーに提供するように開発された。appは、日常生活動作によって気が散るかもしれないPWCユーザーにとって、解釈しやすく設計された3つのユーザーインターフェイス(
図8A~
図8C)を有する。appは、センサーフレームを受信して、ユーザーが危険または不適当な足位置に注意を怠らないようにしければならないかどうか判定するために、それらを処理する。appは足板圧力を平均して、加重センサー値が閾値以下にある場合、ユーザーに警告する簡易アルゴリズムによってプログラムされた。
図8A~
図8Cは、3つのユーザーインターフェイスをそれぞれ示す。このシステムが、パイロット試験のために使用された(表2)。
【表2】
【0087】
ユーザーインターフェイス設計のオプションは、警報オプション及びユーザーオーバーライド(例えば、手動でまたは言葉で、監視をやめさせる(例えば、乗り移りまたは脚を組んで座っているとき)ためのオプション)を含んでよい。適切なSCI/Dサービス入院患者を、開示したシステムの評価で使用できる(そのPWCに取り付けたものを有することができて、1週間監視した通常のADLの間、その足位置を有することができる10人のユーザーを含む)。
【0088】
監視の期間は、機能及びユーザー満足度の判定を可能にする。ノンパラメトリック統計的検定は、足板力の変化を測定するために使用できて、異なる足領域が、足板に異なる大きさ及び力範囲を及ぼすので、Flex EcoPLA力アキュムレータ形状及びFSR設計の適応性は、同じセンサーアレイ内で感度を変化させる力センサーを特定できる。例えば、センサーサブアセンブリのハードウェアが、ADLの間、足位置及び力の取り込みのために必要以上に情報を提供する場合、センサーのより限定的なセットが、足位置の決定のために使用され得て、そこで、未読センサーは、一次センサーが失敗する場合、選択されることができるバックアップとして機能する。この刈り込み方法は、センサー読み出し/処理オーバーヘッドを合理化することができて、コスト削減及び更なる改良のための機会を提供する。更に、臨床エンドユーザー及びPWCユーザーは、ユーザー重視の要因(例えば、警報オプション及びユーザーオーバーライド)の異なる視点を有することができる。例えば、彼らは、警告及び警報のための単一の方法を有するのを好み得る。この課題に応ずるために、取り付けでユーザーインターフェイスを個人専用にするオプションは、特定のユーザー選択のための機能を制限するために提供されることができる。
【0089】
実施例3:FoPPsシステムの開発
開示したシステムは、足がPWCユーザーの下肢にとって差し迫った危険を有する足板から誤配置されたとき、リアルタイムのフィードバックを提供する、第1の種類のソフトウェア(例えば、第1のソフトウェアモジュール)を含むことができる。システムは、システムアルゴリズムを拡張することによって、更に開発されて、PWCユーザー、介護者及び医療提供者のための追加のセンサー入力ならびに予測アルゴリズムを組み込むことができる。第2の種類のソフトウェア(例えば、第2のソフトウェアモジュール)は、それらが差し迫った危険を有しないが、対処されなければならない潜在的に危険な状況を区別できるフィードバックを、PWCユーザー及び介護者に提供できる。このような通知は、実際の現場で有効であり得て、第1の種類のソフトウェアよりあまり気にならないことができる、またはユーザーは警報疲労にさらされる。第3の種類のソフトウェア(例えば、第3のソフトウェアモジュール)は、臨床医がデータの意味を理解して、日常的な使用の間、足板で起こることの力学を理解するのを可能にする。「報告」機能は、PWCユーザーがセンサー/アルゴリズムが確認しなかった安全上の懸念を報告するのを可能にする。第3の種類のソフトウェアは、比較的有益な事象とは対照的に、シナリオが潜在的に安全な問題である情報を提供できる。
【0090】
この目的で、センサー構成要素は、実際の現場のアルゴリズムを学習することと、PWC技術を提供するSCI/DのPWCユーザー及び臨床医からのフィードバックを得ることと、を加えられることができる。このフィードバックは、データ監視の微調整警報周波数及び種類を使用して、エンドユーザーがLL位置認識のための満たされていない必要性を採用かつ対処するのを確実にできる。
【0091】
第2の種類のソフトウェア(「分化」ソフトウェア)の開発及び実施試験:加速度計、ジャイロスコープ及びGPSセンサーは、開示したシステムのセンサーサブアセンブリ内に組み込まれることができ、その結果、各足板センサーは、2D力分布、足までの2D赤外線の距離及び重力に対する足板傾斜を、スマートフォンappへ送信できる。スマートフォンは、その搭載センサー(加速度計、ジャイロスコープ及びGPS)を使用して、椅子の空間運動(傾斜、回転速度及び地上検証速度(GPSデータによる))を表示できる。足板及びスマートフォンの加速度計は、ユーザーが、傾斜路を上り下りして移動するのではなく、椅子を傾けるまたは倒しているかを判定するために使用できる。収集したすべてのデータチャンネルは、第2の種類のソフトウェアを用いるアルゴリズム決定のための事後解析で使用されて、椅子力学に基づいて差し迫った足の動きを、ユーザーに警告できる。
【0092】
システム評価及びデータ収集。15人の適切なPWCユーザーの実験群は、SCI/D Seating Clinicから選択されて、SCI専門Assistive Technology Professional(ATP)によって、彼らのPWC上にインストールされた本明細書に開示するシステムを有することができる。「安全な」足板位置は、本明細書に開示されるスマートフォンappに保存される、ATP及びセンサーデータテンプレートで測定されることができる。そうして各実験参加者は、社会生活での使用で2週間、システムを評価できる。この期間中、appは、連続的にセンサー値を監視することができて、予備的パターン適合アルゴリズムに基づいて警告を出すことができる。更に、ユーザーは、警報を評価して、ソフトウェアにより使用されるアルゴリズムの有用性及び適切さを判定できる。
【0093】
「分化」ソフトウェア技術の開発及び実施試験:足板上の垂直及び水平移動及び力を記録する、封入された力及び近接センサーアレイを含むことに加えて、開示したシステムは、追加の加速度計を更に含むことができ、既存のスマートフォンセンサーを利用して、PWC動作(速度、回転)及び座位位置の変化の通知をリアルタイムに提供できる。これらの機能は、表面接触、位置及び/または圧力データに加えられて、修正されない場合、足圧損傷の増加した危険性を生じさせ得る足位置パターンを明らかにすることができる。これは、2週間の社会生活での使用でシステムを評価できる15人のPWCユーザーの多様な一群で、試験できた。位置及びセンサーデータは、開示したシステムを用いて連続的に監視されることができる。
【0094】
加速度計、ジャイロスコープ及びGPSセンサーの取り込み。開示したセンサーサブアセンブリは、変更されて、各足板装置に小型、精密、低電力、3軸加速度計(例えば、ADXL345(Analog Devices Inc.、Norwood、MA))を含むことができる。使用中、各足板センサーは、データの3つのチャンネル(2D力分布、足までの2D赤外線の距離及び重力に対する足板傾斜)を椅子に載置したスマートフォンに送信できる。スマートフォンは、ユーザーインターフェイス及びデータ処理装置として機能する他に、搭載センサーを使用して、椅子の空間運動を示す3つの追加データ群(椅子の傾斜(スマートフォンの加速度計)、椅子の回転速度(ジャイロスコープ)及び椅子の地上検証速度(GPSデータから))を提供できる。足板と椅子間の角度差は、ユーザーが、傾斜路を上り下りして移動するのではなく、椅子を傾けるまたは脚掛けを動かしているかを判断する、両方の加速度計の角度差として計算されることができる。すべてのデータチャンネルは、特定の事象(例えば、傾斜中の足の移動、横になる、または高速回転)と相関する、足位置の変化の事後解析のためのユーザー試験の間、収集されることができる。最終的に、これらのセンサーデータは、予測的特徴を「分化」ソフトウェアに加えるために使用することができ、それは、椅子力学に基づいて差し迫った足の動きを、ユーザーに警告できる。
【0095】
システム評価及びデータ収集。それらの主要な可動源としてPWCを使用するSCI/Dの退役軍人は、開示したシステムを評価するように選択される。ユーザーは、そのPWC上にインストールした開示するシステムを有して、社会生活の通常のADLの間のセンサー出力を2週間監視する。各実験参加者に、カスタマイズされた足テンプレートが、指紋及び顔認証システムのトレーニングフェーズと同様に計算される。PWCユーザーは、LSCVAMC SCI/D Wheelchair ClinicのATPと連携することができ、彼らは開示された装置を足板上に取り付けることができ、最適な足位置のために椅子を再調整できる。ユーザーの足は、足板の標準化した一連の「安全な」位置へ移動することができて、位置ごとに、写真画像及びセンサーデータ(各アレイ位置についてのFSR及びIR値)は、両足に関して記録されることができる。これは、安全な足位置に対応するセンサー値のテンプレートセットを生成して、それは開示したapp内に組み込まれて、同様に正確な足位置を確認する画像を取り込む。共同体試験期間の間に、開示したappは、絶対差の合計によるテンプレート照合を使用して、開示されたセンサー値を連続的に監視することができる。FSRとIR値の間の共分散行列は、安全なテンプレートの最大マハラノビス距離を計算するために使用できる。PWCの操作中、絶対差が閾値を超える場合、またはFSR/IR共分散が最大安全マハラノビス距離を超える場合、ユーザーは警告される可能性がある。警報ごとに、ユーザーは、警報(
図9)を評価するように求められて、その足がその瞬間に誤配置だったかを示す。追加のapp機能は、PWCユーザーがセンサー/アルゴリズムが確認しなかった潜在的安全懸念を報告できる「報告」機能であり得る。開示されたappは、ユーザーの入力を記録して、この第1のアルゴリズムに関する真陽性、偽陽性及び偽陰性を決定でき、それは次に第3の種類のソフトウェアにアルゴリズムを通知して、それは臨床医のために設計される。
【0096】
実験期間中、センサーチャンネルは、スマートフォンの内部メモリに記録されることができる。各足板は、少なくとも10フレーム/秒の速度で、FSR及び赤外線センサー用の8ビット値からなるセンサー「フレーム」を生成できる。速いフレーム速度が、現実世界の状況のデータ分散により、必要かもしれない。記録される他のセンサーチャンネルは、スマートフォン及び足板加速度計角度(地球重力と関連)、角速度、ならびにGPSから得られた速度を含む。開示したシステムは、参加者のプライバシーを守るために、GPS座標を記録しない。センサーは、デジタル・アンチエイリアス・フィルタを用いてフィルタを適用され、必要に応じて削減または補間されて、足板フレーム速度に適合することができる。したがって、各足板センサーフレームは他のセンサーデータの適合セットを備えることができ、そうして、PWC角度、傾斜及び速度がフレーム単位で相関できる。更に、スマートフォンのソフトウェアは、ユーザーがいつ警告されたか、警告されているかどうか、及び警報が適切だったとユーザーが同意したかどうか、コメントがついている。
【0097】
臨床医のためのソフトウェア技術の開発。集計データの評価及び予測アルゴリズムの開発:第1のアルゴリズムのための偽及び真陽性率を、ユーザー試験から決定することができる。人間中心設計(HCD)の原則は、システムがユーザーの警報疲労の危険性とはずれた妖精の危険性のバランスをとることを確実にするために、ATP及びPWCユーザーと連携するために使用できる。予測的アルゴリズムは、偽陽性を最小化して、真陽性の前の警告時間を最大化すると共に、位置関連の危険性を決定するために、速度及び椅子角度測定を使用して開発されることができる。
【0098】
アルゴリズムの再評価及びPWCユーザーの満足度評価。初期試験及びアルゴリズム学習が完了した後、15人PWCユーザー及び上記の実験に参加したATPは、再召集されて、更に2週間、アップデートしたシステムを評価して、更新されたシステム警報の信頼度及び使用性の反復フィードバックを提供できる。PWCユーザー及びATPは、QUEST2.0手段に基づいて、有効かつ確立した技術満足度アンケートに記入できる。FoPPSユーザー実施試験に最も関連したQUEST2.0の満足度領域の項目は、調整、安全性、耐久性、使用の単純性、快適さ及び効果である。
【0099】
集計データの評価及び予測的アルゴリズムの開発:初期のアルゴリズムのための偽及び真陽性率を、ユーザー試験から決定することができる。事後の改良は、改変パラメータ(例えば、安全なテンプレートアレイ加重、最大マハラノビス距離及び絶対合計差閾値)によって、または対センサー/テンプレートフレームの確率分布解析により、通知アルゴリズムに適用されることができる。改良は、調整されたパラメータごとに真陽性、偽陽性及び偽陰性率を計算することによって、誘導された方法(例えば、傾斜降下)を使用できる。次に、速度及び椅子角度測定の予測プロパティを解析できる。足の位置異常、椅子速度または傾斜変化とユーザーappフィードバックの間の相関は、変動する時間ウインドウ上で算出されて、事象と足の移動の間の時間のずれを決定できる(下のデータ解析を参照)。これらの時間のずれ(T
predict)は、椅子の動きに基づく足位置の移動の予測を容易にすることができる(
図10)。臨床使用アルゴリズムは、関連するセンサーデータをテンプレートフレームの不整合の算出に組み込むことができて、その結果、動的な警告閾値を算出できる。例えば、速度の急変化が検出される場合、警告閾値は一時的に危険確率により減少できる。アルゴリズムは、偽陽性及び偽陰性を最小化するように調整されることができ、真陽性の前に、同時に警告時間を最大化にする。
【0100】
足板界面圧力マップ及び問題(例えば、足の誤配置への速度または回転の影響)関する情報を含めた報告のユーザーのプロバイダーチームへの提供は、更に大惨事になる足の誤配置事象を最小化するために、早めの座位介入を開始かつ導く可能性を有する。
【0101】
データ分析:対象は、初期のアルゴリズム開発を実行して、開示したシステムの「分化」及び「臨床」ソフトウェア構成要素のユーザー満足度を決定するために、包含される。先行実験に基づいて、変数の正規分布を想定することはできない。したがって、ノンパラメトリック統計的検定は、経時的にセンサー分布の結果の変数の変化を決定するために使用される。各対象が、ATPにより監督された訓練を通して生成される、カスタマイズされた「安全な」足位置テンプレートを有するので、各対象は、対象自身の対照として機能できる。テンプレートは、様々な足位置から生成できる。各足位置のフレーム値のローリング分散は、十分な足位置を試験したかどうか決定するために算出されることができる。テンプレート精度の95%の確実性が統計学的に得られるまで、テンプレート生成を続けることができる。平均的「安全な」テンプレートからの足位置ごとのマハラノビス距離は、2週間の試験期間のユーザー通知のための閾値として算出されることができる。
【0102】
通常のユーザーからのデータは、データの11つのチャンネルを生成できる(23つのFSR及び16つのセンサーフレームによって監視した両足、ならびに1つの傾斜センサー/足、スマートフォンの線形及び角速度ならびに傾斜)。記録は、2週間の試験当たり、ユーザー1人当たりの合計1.26GBのデータに関して、1日当たり90MBのデータ(タイムスタンプセンサーによる10フレーム、及び1フレーム当たりのユーザー入力値について)を生成できると推定される。データは、スマートフォンのインターネット接続を用いて、毎日またはより頻繁にアップロードされることができる。すべての最新のスマートフォンは、内部記憶装置及び最小限のWi-Fiアップロードでのこのレベルを提供する。MATLABスクリプトは、ユーザーが不適当な足位置または提供されたappフィードバックに対して警告された状況を検出するために、事象検出手段を用いて、データを自動的に処理するために使用できる。データセットの各真陽性または偽陰性について(足が間違った位置にあるとして確認されたことを意味する)、事前の10秒相当の加速度計、ジャイロスコープ及びGPS速度データは、足板アセンブリの開示したセンサーサブアセンブリからのフレームデータと同様に、選択されることができる。拡張カルマンフィルタ(EKF)は、ノイズの効果を低減して、本当の足位置及び椅子力学のより正確な推定値を提供するために、これらのデータに適用されることができる。センサーフレームのEKF処理は、100ミリ秒より急速にフレームの補間ができるようにすることもできる。フレームテンプレートの平均差とデータチャンネルの間の相互相関は、第1次階差の間の相互相関と同様に計算されることができる。すべての事象について、時間のずれ(τpredict値)を計算できる。ANOVAモデルは、ブロック要因として車椅子利用者と共に使用されて、どの要因が足位置変化を予測する際に統計学的に唯一の結果がでるか検出できる。効果上の信頼区間は、各種類のセンサーデータにおける平均τpredict値を決定するために計算されることができる。ハザード比は、各要因が、例えば、複数の椅子動作が検出される場合、ユーザーに警告することを優先させるためも、計算されることができる。「臨床」アルゴリズムはアップデートされて、コンテキストを意識した足検知閾値を含むことができ、それは、各種類のセンサーデータのτpredictのメモリにより検知閾値を動的に調整できる。そうして、「臨床」ソフトウェア(アップデートされたアルゴリズムに基づく)は、検出を最大化にして、偽陽性を最小化するために、収集したデータで調整されて再試験できる。
【0103】
本明細書に更に開示するように、場合によっては、本明細書に開示するプロトタイプセンサーが、ADLの間、足、足板及び車椅子位置を取り込むために必要以上の情報を提供するかもしれない。この場合、センサーの有限セットが、足位置の決定のために使用され得て、そこで、未読センサーは、一次センサーが失敗する場合、選択されることができるバックアップとして機能する。この刈り込み方法は、センサー読み出し/処理オーバーヘッドを合理化することができて、コスト削減及び更なる微調整のための機会を提供する。あるいは、高い相関を示しているセンサー群は、「多数票」スキームで使用されて、データ帯域幅を更に低減して、1つのセンサー故障に対する予防手段になることができる。データ格納/伝送で問題が発生する場合、データ流は、スマートフォンまたは使用方法(例えば、ランレングス符号化)で大幅に削減されて、記録データを圧縮できる。アルゴリズム開発への初期の方法が、足位置及び危険事象を予測する際に効果がない場合、アルゴリズム予測のための主成分分析の他の方法を使用できる。「臨床」アルゴリズムが、足の動きの前のユーザーの反応時間より早く足の動きを予測しない場合、椅子は、自動的に速度を落とすまたは停止して、差し迫った足の損傷を防ぐことができる。臨床エンドユーザー及びPWCユーザーは、ユーザー重視の要因(例えば、警報感度、警報オプション及びユーザーオーバーライド)の異なる視点を有する。例えば、1つの群は、警報疲労を最小化するために感受性が低い警報設定、または1つの種類の警報を好む場合がある。この場合、オプションは、取り付けでユーザーインターフェイスを個人専用にして、特定のユーザー選択のための機能を制限するために開発されることができる。使用中、足が、足板との良好な接触をほとんど維持しないかもしれない。開示したシステムを組み込んだPWC足板の再設計が、必要な場合もある。ユーザーは、開示したシステムを使用するとき、安全について非現実的な感覚を生じさせて、足が足板に誤配置されても、修正をすることができると考えてPWC操作でより大きな危険を冒す可能性がある。しかし、開示したシステムの加速度計は、ユーザーに速度超過、ADAに対応していない傾斜路について警告することができ、そうして安全性を増加させる。
【0104】
代表的な態様
記載されている製品、システム及び方法、ならびにその変形という観点から、記載されている特定のより具体的に記載されている本発明の態様は、以下のとおりである。しかし、これらの特に詳述した態様は、本明細書に記載の異なる、またはより一般的な教示を含んでいる、任意の異なる請求項への任意の制限効果も有する、または「特定の」態様は、本明細書で文字どおり使用される語法の本来の意味以外の何らかの意味でいくらか制限される、と解釈されるべきではない。
【0105】
態様1:上面及び底面を画定する、底板と、前記底板の前記上面に固定され、足との係合のための接触面を画定する、センサーサブアセンブリとを備える、足板アセンブリであって、 前記センサーサブアセンブリが、前記足が加えた力を示す、それぞれの出力を生成するように構成される、複数の力センサーと、前記足と前記接触面との間の距離を示す、それぞれの出力を生成するように構成される、複数の近接センサーと、を備える、前記足板アセンブリ。
【0106】
態様2:前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーに通信可能に接続され、前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーからの前記出力を受信する、処理回路を更に備える、態様1に記載の足板アセンブリ。
【0107】
態様3:前記センサーサブアセンブリが、前記接触面を少なくとも部分的に画定する、コーティング構造を更に備える、態様2に記載の足板アセンブリ。
【0108】
態様4:複数の上敷き部であって、各上敷き部が前記複数の力センサーの各々の力センサー上に直接置かれる、前記複数の上敷き部と、複数の上塗り部であって、各上塗り部がそれぞれの上敷き部に固定され、対応する力センサーに直接重なる、前記複数の上塗り部と、を含む、態様3に記載の足板アセンブリ。
【0109】
態様5:前記複数の上塗り部のうちの少なくとも1つの上塗り部が、中央点及び周辺部を有し、前記中央点の前記上塗り部の高さが、前記周辺部の前記上塗り部の高さより大きい、態様4に記載の足板アセンブリ。
【0110】
態様6:前記複数の上塗り部のうちの各上塗り部が、中央点及び周辺部を有し、前記中央点の各上塗り部の高さが、前記周辺部の前記上塗り部の高さより大きい、態様4に記載の足板アセンブリ。
【0111】
態様7:前記複数の上塗り部が熱可塑性ウレタン(TPU)コーティング材料を含む、態様4~6のいずれか1つに記載の足板アセンブリ。
【0112】
態様8:前記複数の力センサーが、複数の力検知抵抗器を含む、先行態様のいずれか1つに記載の足板アセンブリ。
【0113】
態様9:前記複数の近接センサーが、複数の赤外線距離センサーを含む、先行態様のいずれか1つに記載の足板アセンブリ。
【0114】
態様10:前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーが、前記底板の前記上面に対して、複数の行及び複数の列に配置され、前記底板が、前記底板の足指部と踵部との間に延在する長さを有し、前記複数の列が前記底板の長さに沿って延在し、前記複数の行が垂直にまたは実質的に垂直に前記複数の列まで延在し、前記複数の列が、前記力センサーだけを含む第1の複数の列、及び前記近接センサーだけを含む第2の複数の列を備える、先行態様のいずれか1つに記載の足板アセンブリ。
【0115】
態様11:第1及び第2の複数の列が交互配置で提供される、態様10に記載の足板アセンブリ。
【0116】
態様12:前記複数の行の少なくとも一部が、少なくとも1つの前記力センサー及び少なくとも1つの前記近接センサーを含む、態様11に記載の足板アセンブリ。
【0117】
態様13:前記複数の行が少なくとも4つの行を含み、前記複数の列が少なくとも5つの列を含む、態様12に記載の足板アセンブリ。
【0118】
態様14:前記複数の近接センサーが複数の群の中に分配され、前記複数の群が、前記底板の前記足指部に近接する第1群、前記底板の前記踵部に近接する第2群、及び前記第1群と前記第2群とから離間配置され、かつ前記第1群と前記第2群との間に配置される第3群を含む、先行態様のいずれか1つに記載の足板アセンブリ。
【0119】
態様15:前記複数の力センサーが、複数の正方形の力検知抵抗器を含む、先行態様のいずれか1つに記載の足板アセンブリ。
【0120】
態様16:前記複数の正方形の検知抵抗器が、第1サイズを有する少なくとも1つの微細な力検知抵抗器、前記第1サイズより大きい第2サイズを有する中程度の力検知抵抗器、及び前記第2サイズより大きい第3サイズを有する粗い力検知抵抗器を備える、態様15に記載の足板アセンブリ。
【0121】
態様17:前記処理回路がマイクロコントローラを含む、態様2~16のいずれか1つに記載の足板アセンブリ。
【0122】
態様18:前記マイクロコントローラと通信接続される、遠隔伝送器を更に含む、態様17に記載の足板アセンブリ。
【0123】
態様19:前記足板アセンブリに電力を供給するように構成される、再充電可能な電源を更に含む、態様2~18のいずれか1つに記載の足板アセンブリ。
【0124】
態様20:先行態様のいずれか1つに記載の少なくとも1つの足板アセンブリを有する車椅子を含む、システムであって、前記車椅子が、(a)前記車椅子の足板構造への上敷き、または(b)前記車椅子の足板構造の一体化部分、として提供される、前記システム。
【0125】
態様21:前記少なくとも1つの足板アセンブリが、前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーに通信接続され、前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーからの前記出力を受信する処理回路を有し、前記処理回路が、足と少なくとも1つの前記足板アセンブリの前記接触面との間の接触の質を示す出力を生成するように構成される、態様20に記載のシステム。
【0126】
態様22:前記少なくとも1つの足板アセンブリの前記処理回路と無線通信する処理装置を有する、遠隔計算装置を更に含む、態様21に記載のシステム。
【0127】
態様23:前記遠隔計算装置が、スマートフォンまたはタブレットである、態様22に記載のシステム。
【0128】
態様24:態様1~19のいずれか一項に記載されているように、少なくとも1つの足板を有する車椅子を使用することを含む、方法。
【0129】
態様25:前記少なくとも1つの足板アセンブリが、前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーに通信接続される処理回路を有し、前記方法が、前記処理回路を使用して、前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーからの前記出力を受信することを更に含む、態様24に記載の方法。
【0130】
態様26:前記処理回路が、足と前記2つの足板アセンブリのうちの少なくとも1つの前記接触面との間の接触の質を示す、ユーザーが観察可能な出力を生成する、態様25に記載の方法。
【0131】
態様27:前記ユーザーが観察可能な出力が、視覚警報、可聴警報、振動またはこれらの組み合わせを含む、態様26に記載の方法。
【0132】
態様28:前記処理回路を使用して、前記複数の力センサー及び前記複数の近接センサーから出る前記出力を示す情報を、遠隔計算装置に無線で送信することを更に含む、態様25に記載の方法。
【0133】
態様29:前記遠隔計算装置の処理装置を使用して、足と少なくとも1つの足板アセンブリの前記接触面との間の接触の質を示す視覚出力または可聴出力を生成することを更に含む、態様28に記載の方法。
【0134】
態様30:前記遠隔計算装置が、スマートフォンまたはタブレットである、態様29に記載の方法。