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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】受発注システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20230125BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230125BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q30/06 320
G06Q30/06 340
B65G61/00 300
B65G61/00 210
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019525558
(86)(22)【出願日】2018-06-15
(86)【国際出願番号】 JP2018022861
(87)【国際公開番号】W WO2018230693
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】P 2017118081
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392028321
【氏名又は名称】株式会社小林製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 靖典
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-297954(JP,A)
【文献】特開2004-326369(JP,A)
【文献】米国特許第11004126(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の装置からデータを受信する受信部と、外部の装置にデータを送信する送信部と、データを記憶する記憶部と、ユーザが使用する端末装置により情報を表示し当該ユーザによるデータの入力を受け付ける画面であるユーザインタフェースを示すユーザインタフェースデータを生成する生成部とを備え、
前記受信部は発注者が使用する端末装置から製造対象の製品の仕様と数量と納期を示す発注データを受信し、
前記記憶部は前記発注データを記憶し、
前記送信部は前記発注データを受注者が使用する端末装置に送信し、
前記受信部は撮影装置から製造中又は製造完了後の前記製品の画像を示す画像データを受信し、
前記記憶部は前記受信部が受信した画像データを前記製品の製造に要する複数の工程のうち当該画像データに対応する工程に対応付けて記憶し、
前記生成部は、前記複数の工程の中から前記発注者が指定した工程に対応付けて記憶されている画像データが示す画像を表示するためのユーザインタフェースデータを生成し、
前記送信部は前記発注者が使用する端末装置に前記画像を表示するためのユーザインタフェースデータを送信し
前記受信部は、前記発注者が使用する端末装置から前記複数の工程の中から選択された工程に関する要望を示す要望データを受信し、
前記送信部は、前記要望データを前記受注者が使用する端末装置に送信し、
前記受信部は前記発注者が使用する端末装置から前記要望データが示す要望に対する返答を示す返答データを受信し、
前記送信部は、前記返答データを前記発注者が使用する端末装置に送信し、
前記ユーザインタフェースは、指定された工程に関する前記要望データの入力を受ける欄、入力された前記要望データ、及び入力された前記要望データに対する返答データの少なくとも一つを表示する
受発注システム。
【請求項2】
前記受信部は前記受注者が使用する端末装置から前記製品の製造に要する複数の工程の各々が実行される予定の期間を示す製造スケジュールデータを受信し、
前記記憶部は前記製造スケジュールデータを記憶し、
前記生成部は前記製造スケジュールデータが示す期間を表示するためのユーザインタフェースデータを生成し、
前記送信部は前記発注者が使用する端末装置に前記期間を表示するためのユーザインタフェースデータを送信する
請求項1に記載の受発注システム。
【請求項3】
前記受信部は前記受注者が使用する端末装置から前記製品の製造に伴う見積費用を示す見積費用データを受信し、
前記送信部は前記見積費用データを前記発注者が使用する端末装置に送信する
請求項1又は2に記載の受発注システム。
【請求項4】
前記受注者は複数の作業担当者を含み、
前記受信部は前記受注者が使用する端末装置から前記複数の工程の各々の作業担当者を識別する作業担当者識別データを受信し、
前記記憶部は前記作業担当者識別データを記憶し、
前記送信部は前記返答データを、前記複数の作業担当者のうち前記作業担当者識別データにより識別される前記要望の対象の工程の作業担当者が使用する端末装置に送信する
請求項1から3のいずれか1項に記載の受発注システム。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1から4のいずれか1項に記載の受発注システムが備える前記受信部、前記送信部、前記記憶部、及び、前記生成部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の受発注を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
作業の様子を撮影した画像を記憶しておき、必要に応じて画像を読み出して表示させることにより、過去に行われた作業の様子を確認できるようにした仕組みが提案されている。例えば、本願の出願人による出願に係る特許文献1に記載の仕組みにおいては、作業場毎に設けられた撮影装置が撮影した画像が蓄積され、表示装置に表示される複数の進捗表示欄のなかからユーザによりいずれかの進捗表示欄が特定されると、当該特定された進捗表示欄に応じた画像が表示装置に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5416322号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製品の受注生産を行う受注者に製品を発注した発注者は、一般的に、完成した製品が手元に届くまで、その製品が要望どおりに製造されているか否かを確認する手段がない。従って、要望と異なる製品が手元に届く等の不都合が生じる場合がある。
【0005】
本発明の目的は、受注生産を行う受注者に製品を発注した発注者が、要望どおりに製品が製造されているか否かを容易に確認することを可能とする手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、外部の装置からデータを受信する受信部と、外部の装置にデータを送信する送信部と、データを記憶する記憶部と、ユーザが使用する端末装置により情報を表示し当該ユーザによるデータの入力を受け付ける画面であるユーザインタフェースを示すユーザインタフェースデータを生成する生成部とを備え、前記受信部は発注者が使用する端末装置から製造対象の製品の仕様と数量と納期を示す発注データを受信し、前記記憶部は前記発注データを記憶し、前記送信部は前記発注データを受注者が使用する端末装置に送信し、前記受信部は撮影装置から製造中又は製造完了後の前記製品の画像を示す画像データを受信し、前記記憶部は前記受信部が受信した画像データを前記製品の製造に要する複数の工程のうち当該画像データに対応する工程に対応付けて記憶し、前記生成部は、前記複数の工程の中から前記発注者が指定した工程に対応付けて記憶されている画像データが示す画像を表示するためのユーザインタフェースデータを生成し、前記送信部は前記発注者が使用する端末装置に前記画像を表示するためのユーザインタフェースデータを送信する受発注システムを提供する。
【0007】
上記の受発注システムによれば、受注製造を行う受注者に製品を発注した発注者は、要望どおりに製品が製造されているか否かを容易に確認することができる。
【0008】
上述した受発注システムにおいて、前記受信部は前記受注者が使用する端末装置から前記製品の製造に要する複数の工程の各々が実行される予定の期間を示す製造スケジュールデータを受信し、前記記憶部は前記製造スケジュールデータを記憶し、前記生成部は前記製造スケジュールデータが示す期間を表示するためのユーザインタフェースデータを生成し、前記送信部は前記発注者が使用する端末装置に前記期間を表示するためのユーザインタフェースデータを送信してもよい。
【0009】
上記の受発注システムによれば、発注者は発注した製品の製造スケジュールを容易に確認することができる。
【0010】
上述した受発注システムにおいて、前記受信部は前記受注者が使用する端末装置から前記製品の製造に伴う見積費用を示す見積費用データを受信し、前記送信部は前記見積費用データを前記発注者が使用する端末装置に送信してもよい。
【0011】
上記の受発注システムによれば、受注者は製品の製造に要する費用の見積額を容易に発注者に提示でき、発注者は受注者が提示する見積費用を考慮して発注を行うか否かを判断することができる。
【0012】
上述した受発注システムにおいて、前記受信部は、前記発注者が使用する端末装置から前記複数の工程の中から選択された工程に関する要望を示す要望データを受信し、前記送信部は前記要望データを前記受注者が使用する端末装置に送信し、前記受信部は前記発注者が使用する端末装置から前記要望データが示す要望に対する返答を示す返答データを受信し、前記送信部は前記返答データを前記発注者が使用する端末装置に送信してもよい。
【0013】
上記の受発注システムによれば、発注者は受注者に対し、製品の製造に要する複数の工程のいずれかに関する要望を容易に行うことができ、受注者は発注者から受けた要望に容易に返答することができる。従って、受発注システムを用いた受発注において、発注者の要望が工程の作業担当者に伝わりにくい、という問題が軽減される。
【0014】
上述した受発注システムにおいて、前記受注者は複数の作業担当者を含み、前記受信部は前記受注者が使用する端末装置から前記複数の工程の各々の作業担当者を識別する作業担当者識別データを受信し、前記記憶部は前記作業担当者識別データを記憶し、前記送信部は前記返答データを、前記複数の作業担当者のうち前記作業担当者識別データにより識別される前記要望の対象の工程の作業担当者が使用する端末装置に送信してもよい。
【0015】
上記の受発注システムによれば、発注者は受注者のうち要望の対象の工程を担当する作業担当者に直接要望を伝えることができる。
【0016】
また、本発明は、コンピュータを、上述した受発注システムが備える前記受信部、前記送信部、前記記憶部、及び、前記生成部として機能させるためのプログラムを提供する。
【0017】
上記のプログラムによれば、コンピュータにより上述した受発注システムが実現される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、受注生産を行う受注者に製品を発注した発注者は、要望どおりに製品が製造されているか否かを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る受発注システム及び当該受発注システムとデータ通信を行う装置を示した図。
図2】一実施形態に係る受発注システムの実現のために用いられるコンピュータの構成を示した図。
図3】一実施形態に係る受発注システムの構成を示した図。
図4】一実施形態に係る受発注システムに記憶されるデータの構成を例示した図。
図5A】一実施形態に係る受発注システムに記憶されるデータの構成を例示した図。
図5B】一実施形態に係る受発注システムに記憶されるデータの構成を例示した図。
図6】一実施形態に係る受発注システムに記憶されるデータの構成を例示した図。
図7】一実施形態に係る受発注システム及び当該受発注システムとデータ通信を行う装置が行う処理のシーケンスを示した図。
図8】一実施形態に係る受発注システムにアクセスした端末装置に表示されるユーザインタフェースを示した図。
図9】一実施形態に係る受発注システム及び当該受発注システムとデータ通信を行う装置が行う処理のシーケンスを示した図。
図10】一実施形態に係る受発注システムにアクセスした端末装置に表示されるユーザインタフェースを示した図。
図11】一実施形態に係る受発注システムにアクセスした端末装置に表示されるユーザインタフェースを示した図。
図12】一実施形態に係る受発注システム及び当該受発注システムとデータ通信を行う装置が行う処理のシーケンスを示した図。
図13】一実施形態に係る受発注システムにアクセスした端末装置に表示されるユーザインタフェースを示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の一実施形態に係る受発注システム1を説明する。図1は、受発注システム1と、受発注システム1とデータ通信を行う装置を示した図である。図1の例では、受発注システム1はサーバ装置により構成されるが、受発注システム1が互いに連携して動作する複数の装置により構成されてもよい。
【0021】
受発注システム1とデータ通信を行う装置には、発注者が使用する端末装置2と、受注者が使用する端末装置3及び端末装置4と、製品が製造される状況を撮影する撮影装置5が含まれる。端末装置3は、受注者が発注者に対し製品の製造に伴う費用の見積額や、発注者からの要望に対する返答等を入力するために使用する端末装置である。端末装置4は、撮影装置を内蔵する携帯端末であり、製品の製造に要する複数の工程の各々の着手時及び完了時に製品を撮影するために受注者が使用する端末装置である。
【0022】
本願において、発注者及び受注者の各々は、1人の人物に限られず、例えば法人に属する複数の人物であってもよい。また、発注者は端末装置2として常に同じ装置を使用する必要はない。同様に、受注者は端末装置3及び端末装置4として常に同じ装置を使用する必要はない。
【0023】
撮影装置5は、受注者が製品を製造する空間内に配置され、当該空間の画像を撮影するネットワークカメラである。撮影装置5の数は1つに限れない。本実施形態において、撮影装置5は、製品の製造作業が行われているか否かにかかわらず、常時、所定時間(例えば1分)の経過毎に静止画の撮影を行う。撮影装置5は撮影した画像を示す画像データを受発注システム1に送信する。なお、画像データには撮影時刻を示すデータが伴っている。受発注システム1は撮影装置5から受信した画像データを記憶する。
【0024】
本実施形態において、受発注システム1はコンピュータのプロセッサがプログラムに従ったデータ処理を行うことにより実現される。すなわち、受発注システム1のハードウェアはコンピュータである。図2は、受発注システム1の実現のために用いられるコンピュータ10の構成を示した図である。コンピュータ10は各種データ処理を行うプロセッサ101、各種データを記憶するメモリ102、外部の装置との間で各種データの送受信を行う通信インタフェース103を備える。
【0025】
プロセッサ101がメモリ102に記憶されている本実施形態に係るプログラムに従うデータ処理を行うと、図3に示す構成を備える受発注システム1が実現される。すなわち、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータ10を、外部の装置からデータを受信する受信部11と、外部の装置にデータを送信する送信部12と、データを記憶する記憶部13と、ユーザインタフェースを示すユーザインタフェースデータを生成する生成部14を備える。ユーザインタフェースは、端末装置2により情報を表示し発注者によるデータの入力を受け付ける画面、もしくは、端末装置3又は端末装置4により情報を表示し受注者によるデータの入力を受け付ける画面を意味する。
【0026】
受信部11及び送信部12はプロセッサ101の制御下で動作する通信インタフェース103により実現される。記憶部13はプロセッサ101の制御下で動作するメモリ102により実現される。生成部14はプロセッサ101により実現される。
【0027】
記憶部13には、発注者に関するデータ(以下、「発注者データ」という)を格納する発注者テーブル、注文に関するデータ(以下、「注文データ」という)を格納する注文テーブル、発注者から受注者に対する要望とその要望に対する受注者からの返答に関するデータ(以下、「交信データ」という)を格納する交信テーブルが記憶されている。
【0028】
図4は発注者テーブルのデータ構成を例示した図である。図4に例示の発注者テーブルは、複数の発注者の各々に関し、発注者を識別する発注者名、発注者の本人確認を行うためのパスワード(以下、「発注者パスワード」という)、発注者のメールアドレス、発注者が費用見積の依頼又は発注を行った製品を識別する注文番号を格納する。なお、1つの発注者名に対応付けられる注文番号は1つに限られない。
【0029】
図5A及び図5Bは注文テーブルのデータ構成を例示した図である。図5Bは、図5Aに示される工程番号1欄、工程番号2欄、等に格納されるデータの構成の詳細を示した図である。
【0030】
図5に例示の注文テーブルは、注文番号、発注者名等の注文情報、受注者のうち見積等を担当する管理担当者の氏名、管理担当者のメールアドレス、製品の製造に要する複数の工程の各々に関する情報を格納する。
【0031】
複数の工程の各々に関する情報には、当該工程の作業内容、受注者のうち作業を担当する作業担当者の氏名、作業担当者のメールアドレス、着手予定日、完了予定日、着手日、完了日、ステイタス、作業が行われた期間が含まれる。
【0032】
図6は交信テーブルのデータ構成を例示した図である。図6に例示の交信テーブルは、注文番号、要望を識別する要望ID(Identifier)、工程を識別する工程番号、要望が行われた時刻(以下、「要望時刻」という)、要望の内容、要望に対する返答が行われた時刻(以下、「返答時刻」という)、返答の内容を格納する。
【0033】
以下に、受発注システム1の動作を説明する。図7は、製品の製造が受発注される段階で受発注システム1、端末装置2及び端末装置3が行う処理のシーケンスを示した図である。なお、図7及び後述の図9図12に示されるシーケンスにおいて、端末装置2、端末装置3及び端末装置4が受発注システム1にアクセスするために通常行われるログインの処理、受発注システム1が発注者又は受注者に提示するユーザインタフェースを示すユーザインタフェースデータを生成し送信する処理、受発注システム1が注文テーブル(図5)、交信テーブル(図6)等のテーブルを更新する処理は省略されている。
【0034】
まず、発注者は端末装置2を用いて受発注システム1にアクセスし、費用見積依頼を行う(ステップS101)。
【0035】
図8は、ステップS101において端末装置2に表示されるユーザインタフェースを示した図である。発注者は図8に示されるインタフェースにおいて、受注者に対し製造の依頼を検討している製品に関し、製品名、数量、納期を入力する。
【0036】
また、発注者は、製品の仕様等を示す図面のファイル名を入力する。このファイル名の入力に応じて、ユーザインタフェース内の領域A01には、発注者により入力されたファイル名の画像が表示される。その後、発注者は「送信」ボタンを例えばマウスでクリックする。その操作に応じて、発注者により入力された製品の製品名、数量、納期、製品の仕様等を示す図面を含む費用見積依頼データが端末装置2から受発注システム1に送信される。受発注システム1は端末装置2から受信した費用見積依頼データに基づき、注文テーブル(図5)を更新する。なお、注文データに格納された費用見積依頼データは、後に発注が行われた場合、発注の内容を示す発注データとして用いられる。
【0037】
続いて、受発注システム1は端末装置3に費用見積の依頼があったことを通知する(ステップS102)。この通知は、例えば、発注者の管理担当者のメールアドレス宛に電子メールで送信される。
【0038】
費用見積の依頼の通知を受けた管理担当者は、費用見積を行う。また、管理担当者は、発注者が希望している納期を守れない場合、実現可能な新たな納期を特定する。管理担当者は、端末装置3を用いて受発注システム1にアクセスし、費用の見積額と納期の提示を行う(ステップS103)。その際、端末装置3から受発注システム1に送信されるデータは、見積費用示す見積費用データの役割を果たす。受発注システム1は端末装置3から受信した情報に基づき、注文テーブル(図5)を更新する。
【0039】
続いて、受発注システム1は端末装置3から提示された費用の見積額及び納期を端末装置2に通知する(ステップS104)。この通知は、例えば、発注者のメールアドレス宛に電子メールで送信される。
【0040】
費用の見積額及び納期の提示を受けた発注者は製品の発注を行うか否かを決定した後、発注を行う場合、端末装置2を用いて受発注システム1にアクセスし、発注を行う(ステップS105)。受発注システム1は端末装置2から受信した情報に基づき、注文テーブル(図5)を更新する。
【0041】
発注が行われた場合、受発注システム1は端末装置3に発注が行われたことを通知する(ステップS106)。この通知は、例えば、発注者の管理担当者のメールアドレス宛に電子メールで送信される。
【0042】
受注者は、発注の通知を受けると、受注した製品に関し、製造に要する複数の工程を特定し、特定したそれらの工程の各々を実行する予定の期間(例えば、着手予定日と完了予定日)と、それらの工程の各々を実行する作業担当者を決定する。受注者は端末装置3を用いて受発注システム1にアクセスし、決定したそれらのデータを入力する。受注者により入力されたデータ(各工程が実行される予定の期間を示す製造スケジュールデータと、各工程の作業担当者を識別する作業担当者識別データを含む)は端末装置3から受発注システム1に送信される。受発注システム1は、端末装置3から受信したデータを注文テーブル(図5)に格納する。
【0043】
受注者の作業担当者は、受注した製品の製造の作業を開始する際、端末装置3を用いて受発注システム1にアクセスし、の作業の開始を通知する。この通知には、作業を行う工程の工程番号と、新たな工程の作業を開始(すなわち、着手)であるか、仕掛かり中の工程の作業の再開であるかを区別するデータが含まれる。受発注システム1は端末装置3から受信した情報に基づき、注文テーブル(図5)を更新する。
【0044】
また、作業担当者は、作業を終了する際、端末装置3を用いて受発注システム1にアクセスし、作業の終了を通知する。この通知には、作業を終了する工程の工程番号と、工程の作業が全て終了(すなわち完了)したか、工程の作業が未完了で中断されるかを区別するデータが含まれる。受発注システム1は端末装置3から受信した情報に基づき、注文テーブル(図5)を更新する。
【0045】
また、作業担当者は、新たな工程の作業に着手する際と工程の全ての作業を完了した際、端末装置4を用いて受発注システム1にアクセスした後、端末装置4で製品を撮影する。端末装置4は撮影した画像を示す画像データを受発注システム1に送信する。受発注システム1は端末装置4から受信した画像データを記憶する。
【0046】
発注者は、発注した製品が製造されている間、端末装置2を用いて受発注システム1にアクセスし、製造の進捗を確認するとともに、製品が製造される様子を画像で確認することができる。
【0047】
図9は、発注者が、製品が製造される様子を画像で確認する際に、受発注システム1及び端末装置2が行う処理のシーケンスを示した図である。発注者は、端末装置2を用いて受発注システム1にアクセスし、発注した製品の製造の進捗情報を表示するユーザインタフェースの送信を要求する(ステップS301)。
【0048】
この要求に応じて、受発注システム1は進捗情報表示用のユーザインタフェースデータを生成し、端末装置2に送信する(ステップS302)。その結果、端末装置2には図10に示されるユーザインタフェース(以下、「進捗確認インタフェース」という)が表示される(ステップS303)。進捗確認インタフェースには、製品の工程の順序、各工程の現在のステイタス、未完了の工程の完了予定日等が表示される。
【0049】
発注者が進捗確認インタフェースに表示されるいずれかの工程に応じたマークを例えばマウスで右クリックすると、図11に示されるように、「画像」ボタンと「要望」ボタンがポップアップ表示される。発注者が「画像」ボタンを例えばマウスでクリックすると、端末装置2から受発注システム1に画像の要求が行われる(図9、ステップS304)。
【0050】
受発注システム1は端末装置2からの要求に応じて注文テーブル(図5)を参照し、要求において指定された工程の作業期間を特定し、特定した作業期間中に撮影された画像を示す画像データを抽出する(ステップS305)。続いて、受発注システム1は、抽出した画像データを端末装置2に送信する(ステップS306)。端末装置2は受発注システム1から送信された画像データが示す画像を進捗確認インタフェースの領域A02(図11)に表示する(ステップS307)。その結果、発注者は先に右クリックで選択した工程における製品の様子を画像で確認することができる。なお、発注者は、領域A02に表示される各種ボタンを例えばマウスでクリックしたり、領域A02に表示されるスライドバーを例えばマウスでドラッグすることで、希望するタイミングの画像を端末装置2に表示させることができる。
【0051】
また、発注者は、いずれかの工程に関する要望がある場合、進捗確認インタフェースにおいて受注者との間で交信を行うことができる。
【0052】
図12は、発注者が受注者との間で交信を行う際に、受発注システム1、端末装置2及び端末装置3が行う処理のシーケンスを示した図である。図12のステップS301~S303は、図9のステップS301~S303と同じ処理である。
【0053】
発注者が進捗確認インタフェースに表示されるいずれかの工程に応じたマークを例えばマウスで右クリックすると、既述のとおり、「画像」ボタンと「要望」ボタンがポップアップ表示される(図11)。発注者が「要望」ボタンを例えばマウスでクリックすると、図13に示されるように、チャット欄がポップアンプ表示される。発注者がチャット欄に、先に右クリックで選択した工程に関する要望を入力し「送信」ボタンを例えばマウスでクリックすると、入力された要望を示す要望データが端末装置2から受発注システム1に送信される(ステップS404)。受発注システム1は端末装置2から受信した情報に基づき、交信テーブル(図6)を更新する。
【0054】
受発注システム1は端末装置3に端末装置2から受けた要望を通知する(ステップS405)。この通知は、例えば、要望の対象の工程の作業担当者のメールアドレス宛に電子メールで送信される。作業担当者は端末装置3を用いて受発注システム1にアクセスし、要望に対する返答を入力する。端末装置3に入力された返答を示す返答データは端末装置3から受発注システム1に送信される(ステップS406)。受発注システム1は端末装置3から受信した情報に基づき、交信テーブル(図6)を更新する。
【0055】
受発注システム1は端末装置2に端末装置3から受けた返答を通知する(ステップS407)。この通知は、例えば、発注者のメールアドレス宛に電子メールで送信される。また、端末装置2に通知される返答は、例えば進捗確認インタフェースにおいてポップアップ表示されるチャット欄において、対応する要望の下に表示される(ステップS408)。
【0056】
上述した受発注システム1によれば、発注者は、発注した製品の製造の進捗を知ることができる。また、発注者は、発注した製品が製造される様子を画像で確認することができる。また、発注者は、発注した製品の製造に関し、特定の工程に関する交信を行うことができる。
【0057】
[変形例]
上述した実施形態は様々に変形されてよい。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下の変形例の2以上が組み合わされてもよい。
【0058】
(1)上述した実施形態において、受発注システム1が自装置にアクセスしてきた端末装置2又は端末装置3に直接送信するものとしたデータが、電子メールの形式で送信され、電子メールを保管するサーバ装置経由で端末装置2又は端末装置3に送信されてもよい。
【0059】
(2)上述した実施形態において、端末装置2又は端末装置3が受発注システム1にアクセスし受発注システム1に直接送信するものとしたデータが、電子メールの形式で送信され、電子メールを保管するサーバ装置経由で受発注システム1に送信されてもよい。
【0060】
(3)端末装置2又は端末装置3が常駐型のアプリケーションプログラムを実行し、常時、受発注システム1にアクセスしている状態を維持していてもよい。この場合、端末装置2又は端末装置3は受発注システム1からデータが送信されてきた場合、音等で発注者又は受注者にデータの受信を通知してもよい。
【0061】
(4)上述した実施形態において、撮影装置5及び端末装置4が有する撮影装置は静止画を撮影するものとしたが、これらの撮影装置が撮影する画像は静止画に限られず、動画であってもよい。また、撮影装置5が動画を撮影する場合、撮影装置5は常時、動画を撮影しなくてもよい。例えば、撮影装置5が所定時間(例えば10分)の経過毎に所定時間(例えば30秒)の動画を撮影してもよい。
【0062】
(5)画像の撮影は、撮影装置5及び端末装置4の両方により行われなくてもよい。撮影装置5のみによって画像の撮影が行われ、端末装置4による画像の撮影が行われなくてもよい。また、端末装置4のみによって画像の撮影が行われ、撮影装置5による画像の撮影が行われなくてもよい。
【0063】
(6)上述した実施形態において、工程の着手及び完了の際、受注者が端末装置3を用いてその旨の入力を行うものとした。これに代えて、端末装置4から受発注システム1に工程の開始時の画像データが送信された場合に受発注システム1が自動的に工程の着手時刻を注文テーブルに格納し、端末装置4から受発注システム1に工程の完了時の画像データが送信された場合に受発注システム1が自動的に工程の完了時刻を注文テーブルに格納してもよい。
【0064】
(7)進捗確認インタフェースにおいて、発注者が閲覧できる画像が制限されてもよい。例えば、受発注システム1に記憶されている画像のうち、所定時間(例えば30分)の経過毎のタイミングで撮影された画像が抽出され、抽出されたそれらの画像のみを発注者が閲覧可能としてもよい。
【0065】
(8)上述した実施形態では、工程が実行された期間と画像の撮影時刻によって、工程と画像の対応付けが行われるものとした。工程と画像の対応付けの方法はこれに限られない。例えば、受発注システム1が撮影装置5から画像データを受信した時点で作業中の工程があれば、その工程に受信した画像データのファイル名を対応付けて注文テーブルに格納してもよい。
【0066】
(9)製品の仕様を示すデータは製品の図面を示すデータに限られない。例えば、製造対象の製品が、仕様が定まっている規格品の場合、規格番号を示すデータが仕様を示すデータとして用いられてもよい。
【0067】
(10)上述した実施形態では、進捗確認インタフェース(図10)において、未完了の工程に関する情報が表示されるものとした。進捗確認インタフェースにおいて、未完了の工程の情報に関しては表示されなくてもよい。
【0068】
(11)受発注システム1が複数の発注者と複数の受注者の間における製品の製造の受発注を管理してもよい。この場合、発注者は複数の受注者の候補の中から希望する受注者を選択し製品の製造を発注することができる。
【0069】
(12)受発注システム1が、プログラムに従いデータ処理を行うコンピュータに代えて、専用装置により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…受発注システム、2…端末装置、3…端末装置、4…端末装置、5…撮影装置、10…コンピュータ、11…受信部、12…送信部、13…記憶部、14…生成部、101…プロセッサ、102…メモリ、103…通信インタフェース。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13