IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノース アメリカン ライティング インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-車両ランプ光アセンブリ 図1
  • 特許-車両ランプ光アセンブリ 図2
  • 特許-車両ランプ光アセンブリ 図3
  • 特許-車両ランプ光アセンブリ 図4
  • 特許-車両ランプ光アセンブリ 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】車両ランプ光アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20230125BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230125BHJP
【FI】
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 600
F21Y115:10
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017205774
(22)【出願日】2017-10-25
(65)【公開番号】P2018110101
(43)【公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-10-12
(31)【優先権主張番号】15/335,154
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517374306
【氏名又は名称】ノース アメリカン ライティング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(72)【発明者】
【氏名】ボウルズ ディーン
(72)【発明者】
【氏名】バンガラ パナカル
(72)【発明者】
【氏名】ベル マーク
(72)【発明者】
【氏名】ベンカナガリ パバーヌ
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-007106(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0133169(US,A1)
【文献】特開2011-222366(JP,A)
【文献】特開2014-235874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/47
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに接続され、前記ハウジングとの間にランプチャンバを規定する透明レンズと、
前記ランプチャンバ内に配置された、前記レンズを通して光を反射するためのリフレクタと、
前記ランプチャンバ内に配置され、前記リフレクタに対して方向付けられた電装基板と、
前記電装基板に実装された、光を放出するための発光ダイオード(LED)と、
金属で形成され、前記発光ダイオードに隣り合う内面が反射防止膜を有し、前記LEDに対して所定の向きで前記電装基板にはんだ付けされ、前記LEDにより放出される光線を遮蔽する光シェードとを有し、前記光シェードが、前記電装基板にはんだ付けされる支持壁と、前記支持壁により前記電装基板から離間された遮蔽壁を有するエンクロージャを形成し、前記遮蔽壁が投光パターン縁部を有し、前記LEDからの光の第1部分が前記投光パターン縁部を通り過ぎて投光され、前記LEDからの光の第2部分が前記遮蔽壁により遮蔽され、
前記光シェードが、前記電装基板上に規定されたはんだパッドを介して前記電装基板にはんだ付けされており、
前記光シェードが、前記はんだパッドの位置に基づいて前記リフレクタに対して方向付けられる車両ランプ。
【請求項2】
前記光シェードが前記リフレクタに接触しない、請求項1記載の車両ランプ。
【請求項3】
前記電装基板がプリント回路基板である、請求項1記載の車両ランプ。
【請求項4】
前記電装基板がフレキシブル回路基板及びリジダイザを含む、請求項1記載の車両ランプ。
【請求項5】
前記光シェードが、リフレクタ表面と同じように見えるように仕上げられた外観面を有する、請求項1記載の車両ランプ。
【請求項6】
ハウジングと、
前記ハウジングに接続され、前記ハウジングとの間でランプチャンバを規定する透明レンズと、
前記ランプチャンバ内に配置された、前記レンズを通して光を反射するためのものであり、位置決め機構を有するリフレクタと、
前記ランプチャンバ内に配置された光アセンブリと
を有し、
前記光アセンブリが、
自身の位置決め機構を前記リフレクタ上の対応する位置決め機構に位置合わせすることにより、前記リフレクタに対して方向付けられる電装基板と、
前記ランプチャンバ内に配置され、前記電装基板に実装される発光ダイオード(LED)と、
金属で形成され、前記発光ダイオードに隣り合う内面が反射防止膜を有し、前記LEDに対する所定の位置に規定された取付け機構において前記電装基板にはんだ付けされて、前記LEDにより放出された光線を遮蔽する光シェードと、
を有し、
前記光シェードが前記リフレクタに接触せず、前記光シェードの前記所定の位置が、前記電装基板上の前記位置決め機構に基づいて決定され、前記光シェードが、前記電装基板から離間された遮蔽壁と、前記遮蔽壁から延び、自身の一端部が前記電装基板にはんだ付けされる支持壁と、を有するエンクロージャを形成する車両ランプ。
【請求項7】
前記位置決め機構が実装孔を含む、請求項6記載の車両ランプ。
【請求項8】
支持構造体から延びる位置決めピンを有する支持構造を更に有し、
前記位置決めピンが、前記実装孔を貫通して位置合わせし、前記LED及び光シェードを前記リフレクタに対して位置決めする、請求項7記載の車両ランプ。
【請求項9】
前記発光ダイオード(LED)が前記電装基板上の第1取付け機構に設けられ、前記光シェードが、前記電装基板上の、前記第1取付け機構に関する前記所定の位置にある第2取付け機構に設けられ、
前記第1及び第2取付け機構が、前記電装基板上に規定された前記位置決め機構に基づくことにより、前記電装基板上の前記位置決め機構と前記リフレクタ上の前記対応する位置決め機構とが位置合わせされると、前記LED及び前記光シェードが前記リフレクタに対する所定の位置に位置決めされることを確実にする、請求項6記載の車両ランプ。
【請求項10】
電装基板と、
前記電装基板に実装された発光ダイオード(LED)と、
前記LEDに対して所定の向きに方向づけられて前記電装基板にはんだ付けされたシェードと
を有し、
前記シェードが、エンクロージャを形成し、前記LEDからの光がエンクロージャの外に部分的に投光されないようにし、
前記エンクロージャが少なくとも4つのエンクロージャ表面により規定され、
前記シェードが、前記エンクロージャ表面のうちの少なくとも3つにより規定される縁部に沿って前記電装基板にはんだ付けされる光アセンブリ。
【請求項11】
前記エンクロージャが投光パターン縁部を備えた遮蔽面を含み、
前記LEDからの光の第1部分が前記投光パターン縁部を通り過ぎて投光され、前記LEDからの光の第2部分が前記遮蔽面により遮蔽される、請求項10記載の光アセンブリ。
【請求項12】
前記遮蔽面が、前記電装基板からずれており、前記電装基板にはんだ付けされていない、請求項11記載の光アセンブリ。
【請求項13】
前記投光パターン縁部が、前記LEDの焦点から所定の距離のところに方向付けされる、請求項11記載の光アセンブリ。
【請求項14】
ロボット機構を用いて、前記発光ダイオード(LED)を前記電装基板上の第1取付け機構に設置する工程と、
前記ロボット機構を用いて、前記シェードを、前記電装基板上の、前記第1取付け機構に対する前記所定の位置にある第2取付け機構に設置する工程と
を含む、請求項10記載の光アセンブリの組立方法。
【請求項15】
前記LED及びシェードを前記電装基板にはんだ付けする工程を更に含む、請求項14記載の光アセンブリの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、車両ランプ、特に、光源が発光ダイオード(LED)である車両ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
車両ランプ内の光源は、光がリフレクタに向かって放射され、その後、リフレクタからの光が、車両ランプの前の領域において所望の配光パターンに反射されて投射されるように位置決めされる。しかし、発光ダイオード(LED)のような光源が精密なビームを放射しても光ビームが幾らか分散することがある。散乱光ビームが所望の配光の外へ反射しないようにするのを助けるために、分散及び散乱した光ビームを遮蔽するように、光源に隣接してシェードが配置される。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施形態によれば、車両ランプは、ハウジングと、当該ハウジングに接続されてその間にランプチャンバを規定する透明レンズとを備える。当該ランプチャンバ内に、レンズを通して光を反射するためのリフレクタが配置される。電装基板が、前記ランプチャンバ内に配置され、前記リフレクタに対して方向付けられる。当該電装基板には、光を放射するための発光ダイオード(LED)が実装される。当該LEDにより放射される光線を遮蔽(または、「遮断」、「遮光」、block)するように、シェードが、当該LEDに対して所定の方向を向くようにして、前記電装基板にはんだ付けされる。
【0004】
他の実施形態において、前記光シェードはリフレクタに接触しない。
【0005】
他の実施形態において、前記光シェードは、電装基板上に規定されたはんだパッドを介して電装基板にはんだ付けされる。光シェードはそこで、はんだパッドの位置に基づいて、リフレクタに対して方向付けられる。
【0006】
他の実施形態において、電装基板はプリント回路基板である。
【0007】
他の実施形態において、電装基板は、フレキシブル回路基板及びリジダイザを含む。
【0008】
他の実施形態において、光シェードは、リフレクタ表面と同じように見えるように仕上げられた外観面を有する。
【0009】
他の一実施形態によれば、車両ランプは、ハウジングと、このハウジングに接続されてその間でランプチャンバを規定する透明レンズとを備える。ランプチャンバ内に、レンズを通して光を反射するためのリフレクタが配置される。ランプチャンバ内に光アセンブリが配置される。光アセンブリは、リフレクタに対して方向付けられた(oriented relative to the reflector)電装基板を有する。発光ダイオード(LED)が、ランプチャンバ内に配置され、電装基板に実装される。LEDにより放射された光線を遮蔽するように、光シェードが、LEDに関する所定の場所に規定された取付け機構にて電装基板に実装されるが、光シェードはリフレクタには接触しない。
【0010】
別の実施形態において、電装基板上の位置決め機構(locating features)とリフレクタ上の対応する位置決め機構とを整列させることにより、光アセンブリはリフレクタに対して方向付けられる。
【0011】
別の実施形態において、光シェードの所定の場所が、電装基板上の位置決め機構に基づいて決定される。
【0012】
別の実施形態において、発光ダイオード(LED)は電装基板上の第1取付け機構に設置され、光シェードは電装基板上の、第1取付け機構に対する所定の位置にある第2取付け機構に設置される。第1取付け機構及び第2取付け機構は、電装基板上に規定される位置決め機構に基づいており、それにより、電装基板上の位置決め機構とリフレクタ上の対応する位置決め機構とが位置合わせされるとLED及び光シェードがリフレクタに対する所定の位置に位置決めされることが確実になる。
【0013】
別の実施形態において、位置決め機構は実装孔を含む。
【0014】
別の実施形態において、支持構造体が、この支持構造体から延びる位置決めピンを有する。位置決めピンは、実装孔を貫通してこれらの実装孔を整列させ(extends through and aligns the mounting apertures)、LED及び光シェードをリフレクタに対して位置決めする。
【0015】
他の一実施形態によれば、光アセンブリが提供される。発光ダイオード(LED)が電装基板に実装される。LEDに対する所定の方向を向くように、シェードが電装基板にはんだ付けされる。シェードはエンクロージャを形成し、このエンクロージャは、LEDからの光がエンクロージャの外に部分的に投光されないようにする。
【0016】
別の実施形態において、エンクロージャは、投光パターン縁部を備えた遮蔽面を有する。LEDからの光の第1部分が投光パターン縁部を通り過ぎて投光され、LEDからの光の第2部分が遮蔽面により遮蔽される。
【0017】
別の実施形態において、遮蔽面は、電装基板からずれており、電装基板にはんだ付けされていない。
【0018】
別の実施形態において、遮蔽面は、LEDの焦点から所定の距離のところで方向付けされる投光パターン縁部を有する。
【0019】
別の実施形態において、エンクロージャは少なくとも4つの表面により規定される。
【0020】
別の実施形態において、シェードは、エンクロージャ表面のうちの少なくとも3つにより規定される縁部に沿って、電装基板にはんだ付けされる。
【0021】
別の実施形態において、光アセンブリの組立方法が提供される。この組立方法は、ロボット機構を用いて、発光ダイオード(LED)を電装基板上の第1取付け機構に設置する工程を有する。光シェードは、電装基板上の、第1取付け機構に対する所定の位置にある第2取付け機構に、ロボット機構を用いて設置される。
【0022】
別の実施形態において、光アセンブリを組立てる方法は、LED及びシェードを電装基板にはんだ付けするステップを有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態における光シェードを有する車両ランプの一部を示す分解組立斜視図である。
【0024】
図2図1の車両ランプの一部を示す組立斜視図である。
【0025】
図3】組立てられた車両ランプを示す側断面図である。
【0026】
図4図1の車両ランプの組立て部分を示す側断面図である。
【0027】
図5図1の光シェードを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の詳細な実施形態を開示する。ただし、ここで開示する実施形態は、本発明を例示的に示すものであり、他の種々の形態において具体化されてよいことが理解されるべきである。図は必ずしも縮尺通りでない。幾つかの機構を、誇張し又は最小限にして特定の部品の詳細を示すことがある。従って、本明細書において開示する具体的な構造及び機能の詳細は、限定的に解釈されるものではなく、単に、本発明を様々に採用するよう当業者に教示するための代表的な基準であると解釈されるべきである。
【0029】
図1図4は、一実施形態にかかる光シェード又は光シールド20を有する車両ランプ10を示す。図1図4は車両ヘッドランプを示すが、この車両ランプ10は、テールランプ、方向指示ランプ、フォグランプ、又は光シェードを活用する任意の適切なランプであってもよい。
【0030】
車両ランプ10は、ランプの前面開口部24を規定する凹部を有するランプ本体22と、ランプ本体22の前面開口部24を閉鎖する透明カバー26又はレンズとを有する。ランプ本体22とカバー26との間に形成される内側空間は、ランプチャンバ28を形成する。
【0031】
車両ランプ10は、ランプチャンバ28内に配置された光源アセンブリ30を有する。光源アセンブリ30は、発光ダイオード(LED)32、電装基板34及び光シェード20を有する。LED32は、電装基板34に実装され、電装基板34に部品を接続するための、はんだ又はその他の適切な方法を使用してこの電装基板に接続されている。
【0032】
LED32は、電装基板34にて供給される電流に応答して光を放射する。電装基板34は、LED32に電気的接続を提供するとともに、コネクタ36にて車両ワイヤハーネスに接続されている。ワイヤハーネスは、車両制御モジュールにより電装基板34に送信される電力及び制御信号を搬送し、例えばLED32を作動させる。電装基板34は、プリント回路基板又はフレキシブル回路基板であってよい。プリント回路基板は、メタルコアボード、又は、金属シート上に積層した単一層又は二重層の回路基板から成る絶縁金属基板であってもよい。フレキシブル回路基板は、略剛性の電装基板を形成するリジダイザを有してもよい。
【0033】
電装基板34を支持部38に取付け、LEDにより発生する熱を消散させることができる。支持部38は、熱を消散させるのに充分な寸法のヒートシンクとすることができる。図1に示すように、支持部38は、熱を消散させる複数のフィン40又はリブを有する。支持部38は、電装基板34が取り付けられる支持面42を有する。フィン40は支持面42の反対側でこの支持面から離れるように延びる。
【0034】
光源アセンブリ30は、ランプチャンバ28内に規定されたリフレクタ50に向かってLED32が光を放射するように構成される。リフレクタ50は、LED32からの光が反射したものが、所望の配光パターンで又は所望の放射軸に沿って、レンズ26に向かって投光(または「投射」、projected)されるように構成される。リフレクタ50は、回転放物面に基づいて形成される反射面52を有するパラボラ型のリフレクタであってよいし、ランプの型に基づいて、所望の配光パターンで光を反射する任意の適切な形状のリフレクタであってもよい。
【0035】
リフレクタ50は、電装基板34の頂面(又は上面、a top surface)46に隣接して配置され、反射面52がLED32を覆う。LED32は、反射面52の焦点に配置されてよい。反射面52は、LED32からの光を反射させ、光パターンを前方へ投光するレンズ26に向かって所望の配光パターンを照射する。
【0036】
LEDにより放射された直接光は、歩行者又は対向車の運転手に対してグレア(glare)を生じることがある。グレアを生じさせないようにするために、光シェード20が、LED32に隣り合い、かつリフレクタ50に対向するように設けられ、レンズ26に向かって伝搬する直接光を遮蔽する。所望の配光パターンを規定するとともに所望の配光パターンの外の不用の光及び眩輝を防止するために、光シェード20はまた、LED32からの散乱光又は散光がリフレクタ50の特定の領域に向かって投光されないようにする。
【0037】
所望の配光パターンを投光するために、LED32は、リフレクタ50に対して比較的正確な位置に、例えば反射面52の焦点に設置されなければならない。例えば、LED32は、焦点がリフレクタ50から15mmのところにある場合にリフレクタの焦点の位置公差が±0.3mmの範囲内にある所定の位置に設置する必要があり得る。あるいは、LED32は、±0.1mm~±0.3mmの位置公差を有する所定の位置に設置する必要があり得る。
【0038】
光シェード20も同様に、直接光を遮蔽しながら所望の配光パターンを可能にするように、LED32及びリフレクタ50に対して比較的正確な位置に設置されねばならない。光シェード20が設置される位置がLED32に近ければ近いほど、光シェード20を所定の場所に位置決めするのに求められる位置公差が大きくなる。一方、光シェード20が設置される位置がLED32から遠いほど、光シェード20がリフレクタ50から遮蔽する光が多くなり、このことはランプ性能に悪影響を与えることがある。光シェード20は、例えば、±0.2mmの位置公差を有する所定の位置にあるLED32の焦点から5mmのところに設置する必要があり得る。別の例では、光シェード20は、±0.1mmの位置公差を有する所定の位置にあるLED32の焦点まで2.5mmのところに設置することができる。
【0039】
光シェード20をLED32に対して所要の公差で正確に設置することができれば、光シェード20をLED32に、光シェード20をLEDにより近いところに設置することにより、光シェード20に関する美的問題を最小にしつつランプ10の性能を改良することができる。図1図4は、LED32及び光シェード20が、付加的なコネクタ、緊締具、又はより大きな公差誤差を有するその他の配向機構を必要することなく、電装基板34上で互いに関連する所定の場所に正確に配向されているランプ10を示す。
【0040】
ある先行技術においては、LEDは、一つの位置決め機構に基づいてリフレクタに対して位置決めされ、それから光シェードが、異なる一つの位置決め機構に基づいてリフレクタに対して位置決めされる。これらの先行技術では、多数の位置決め機構に基づいて公差が積み重なることにより、光LEDに対する光シェードの位置合わせが誤ることがあり、これにより、配光が望ましくないものとなる。あるいは、先行技術において、この位置合わせを維持するためには、多数の位置決め機構の夫々が厳しい公差を必要とし、これにより、部品全ての費用が高くなる。
【0041】
LED32及び光シェード20を有する光源アセンブリ30は、リフレクタ50に対して正確に設置される。電装基板34上には、複数の設置孔(locating apertures)60が形成される。設置孔60は、電装基板34上に比較的正確な場所に形成され、位置基準点として機能する。例えば、設置孔60は各々、二自由度を制御することができる。図1に示すように、少なくとも1つの設置孔62が四自由度を制御することができる。電装基板34は、少なくとも2つの設置孔60を有する。図1に示すように、電装基板34は3つの設置孔60を有する。例えば、3mmである設置孔62は、±0.1mmの位置公差で設置される必要があり得る。
【0042】
同様に、設置孔64がリフレクタ50上に形成される。電装基板34をリフレクタ50に正確に位置合わせさせるために、設置孔64は、リフレクタ50上の比較的正確な場所に形成される。例えば、設置孔64は各々、二自由度を制御することができ、少なくとも1つの設置孔66が四自由度を制御することができる。
【0043】
支持部38は、支持面42から延びる複数の位置決めピン58を有する。図示するように、位置決めピン58は支持面42から大体垂直に延びる。位置決めピン58は、設置孔60、64に位置合わせされて、これらの設置孔を貫通し、リフレクタ50に対して光源アセンブリ30を正確に位置決めする。電装基板34を支持部38に固定するように、ねじ又はボルト等の緊締具が、電装基板34上及び支持部38上に形成された貫通して延びる緊締機構を緊締するように構成してよい。
【0044】
光源アセンブリ30の電装基板34の製造及び組立工程を通じて、LED32、光シェード20及び設置孔60が、電装基板34上に正確に設置される。空気及び部品を汚染しないよう保つことのできる極度に清潔な環境において、プリント回路基板等の電装基板が自動ロボット設備を用いて製造されるため、回路構成要素及び電気部品を厳しい公差でもって置くことができる。
【0045】
例えば、製造中、電装基板は幾つかの機械を通過させられ、基板に複数の設置孔60が穿孔され、回路内の適切な場所に電子部品が置かれる。設置孔60が初期工程において形成され、それから、この設置孔60が、後に続く作業用の位置基準点として機能させてもよい。更に、表面実装技術を使用して、LED32及び光シェード20を、設置孔60に対する実装点において、電装基板に実装することができる。或る量のはんだペーストが各実装点に自動的に置かれ、その後、LED32及び光シェード20を、正確な実装点に、ロボット制御により置かれてもよい。それから、複数の部品が電装基板にはんだ付けされてもよい。表面実装技術を用いると、はんだペーストを溶解させて接続を行うリフロー工程に電装基板を通過させることにより、はんだ付けを行うことができる。
【0046】
電装基板34上に形成された電気回路に対してLED32を非常に正確に位置決めする任意の適切な工程により、LED32を電装基板34に電気的に接続することができる。同様に、光シェード20が、電装基板34に、正確な所定の実装場所にて接続される。
【0047】
LED32とは異なり、光シェード20は、電装基板34上の如何なる部品とも電気的に接続している必要がない。そのようなものとして、光シェード20の実装場所を、はんだ点以外の取付け機構を用いて電装基板34に接続することができる。例えば、光シェード20は、電装基板34上に形成された実装孔に嵌め込まれる場合、例えばスナップ式のような、締まり嵌めを用いて電装基板34に接続することができる。
【0048】
光源アセンブリ30を製造する自動工程により、LED32及び光シェード20を電装基板34上の所定の場所に正確に置くことができる。特に、LED32及び光シェード20をロボット機構を用いて自動的に置くことにより、LED32及び光シェード20を、電装基板34上の位置決め機構60に対して正確に置くことを確実にできる。
【0049】
次に図5を見ると、光シェード20の一例の詳細図が示される。光シェード20は金属シートから型打ち又は形成することができる。例えば、光シェード20はニッケル‐銀合金から形成することができる。

光シェード20は、はんだ付けを促進するために、錫メッキ冷延鋼又は任意の適切な金属から形成することもできる。一実施形態において、光シェード20は、0.2mm~0.4mmの間の厚さを有することができる。しかし、この厚さは、光シェードの寸法及び材料に基づいて変動させてもよい。更に、外観を変化させるため又は腐食を防止するために、外面70に金属シートをコーティングしてもよい。
【0050】
光シェード20は、LED32から放射される光の部分を遮蔽するための遮蔽壁(blocking wall)74を有する。遮蔽壁74は、所望の配光パターンを規定するよう輪郭をつけた投光パターン縁部76を有してもよい。スクロールパターン縁部(scroll- pattern edge)76の輪郭は、所望の配光パターン、LED光源の種類、リフレクタの形状、あるいはその他の設計要因に基づいて変えてもよい。投光パターン縁部76は、LED32の焦点から所定の距離のところに配向することができる。例えば、投光パターン縁部76は、LED32の焦点から2mm~8mmの間のところに位置決めされてよい。光シェード20が位置決めされるのがLED32に近ければ近いほど、光シェード20はLED32に対して、より正確に設置されなければならない。光シェード20が位置決めされるのがLED32から遠いほど、光シェードはランプの外からより見えるように、光シェード20が遮蔽するリフレクタからの反射光が多くなる。このことはランプ性能に影響を与えることがある。光シェード20及び縁部76のLED32からの距離は、当業者により理解されるランプの設計、LEDの寸法、所望の配光パターン、あるいはその他の変数に応じて、変動させることができる。
【0051】
遮蔽壁74は、支持壁80の分だけ電装基板からずれている。図5に示すように、支持壁80は、側部支持壁84間に配置された中央支持壁82を有する。
遮蔽壁74を有する支持壁80は、LED32からの望ましくない散乱光を遮蔽するとともに、リフレクタ50に向かって投光された光が投光開口部88を通るようにするための遮蔽エンクロージャ86を規定する。図5に示すように、側部支持壁84は、中央支持壁82に対して概ね垂直である。これらの支持壁80は垂直以外の角度をつけて構成してもよい。更に、任意の数又は構成の支持壁80を用いて、遮蔽エンクロージャ86及び投光開口部88を規定してもよい。
【0052】
一実施形態において、中央支持壁82は約16mm幅であり、側部支持壁84は約10mm長であってよい。支持壁80は約6mm高であり、それによって遮蔽壁74が、支持壁80の高さだけ電装基板34からずれている。
【0053】
遮蔽壁74は、支持壁80の第1端部90に接続され、エンクロージャ86を規定する。図5に示すように、遮蔽壁74は支持壁80に対して概ね垂直である。支持壁80の末端(a distal end)92が、電装基板34に接触するための接触面94を規定する。接触面94は、電装基板34の上面(top surface)46と対応するように概ね平面状であってよい。接触面94は、電装基板34上に形成された取付け機構と対応する形状にしてもよい。
【0054】
一実施形態において、光シェード20の内面96がLED32の近傍(又は、隣り合うように、adjacent)に配置され、この内面は、散乱光が望ましくないパターンとなって更に反射しないようにするための反射防止面を有する。例えば、内面96は、誘電体コーティングを用いてコーティングしたり、あるいはエッチングすることにより、反射防止散乱面(an anti-reflective and scattering surface)を作ってもよい。
【0055】
図3の断面図に示すように、電装基板34上に光シェード20が実装される際、中央支持壁82はレンズ26に面している。同様に、投光開口部88はリフレクタ50に概ね向いている。図3に示すように、遮蔽壁74は、電装基板34に対してずれており(be offset)、かつ概ね平行である。他の幾つかの実施形態では、遮蔽壁74は、電装基板34に対して平行以外の角度をつけて形成することができる。
【0056】
図3に示すように、光シェード20は、遮蔽壁74がLED32に重ならないように、電装基板34上に実装されてよい。別の実施形態において、遮蔽壁74がLED32から5mm~20mmの間のところにあるように、光シェード20が電装基板34上で実装されてよい。LED32が複数の側部支持壁84の中央に置かれるように、光シェード20が位置決めされてもよい。中央支持壁82はレンズ26に面している。同様に、投光開口部88はリフレクタ50に概ね向いている。図3に示すように、遮蔽壁74は、電装基板34に対してずれており、かつ概ね平行である。他の幾つかの実施形態では、遮蔽壁74は、電装基板34に対して平行以外の角度をつけて形成することができる。
【0057】
上で例示的な実施形態を記載しているが、これらの実施形態が本発明の可能な形態を全て記載することを意図しているわけではない。むしろ、本明細書において使用する用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができるということが理解される。更に、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、本発明の更なる実施形態を形成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5