(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】可動接点及び可動接点を用いたスイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 13/52 20060101AFI20230125BHJP
【FI】
H01H13/52 F
(21)【出願番号】P 2018232777
(22)【出願日】2018-12-12
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】312013273
【氏名又は名称】不二電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097043
【氏名又は名称】浅川 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100128071
【氏名又は名称】志村 正樹
(72)【発明者】
【氏名】天野 香織
(72)【発明者】
【氏名】小山田 哲
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 健
(72)【発明者】
【氏名】大熊 哲
(72)【発明者】
【氏名】金澤 明寛
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202839391(CN,U)
【文献】特開2001-216865(JP,A)
【文献】特開2012-064401(JP,A)
【文献】特開2016-181366(JP,A)
【文献】国際公開第2017/056601(WO,A1)
【文献】特開2017-204456(JP,A)
【文献】特開2004-234991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 3/00 - 7/16
H01H 13/00 - 13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板状の金属ばねであって、反転可能な中央部分を有するドーム形状の膨出部と、膨出部の外周縁から斜め下方に突出する少なくとも一対の対向する突出部とを備える可動接点と、この可動接点が載置される基板を備え、基板の上面には可動接点の膨出部が反転することで中央部分の下面と接触する第1固定接点と、第1固定接点の外側に配置され可動接点の突出部が接触する少なくとも一対の対向する第2固定接点と、が配置されるスイッチであって、
前記可動接点の突出部は、
膨出部の外周縁との間に設けられる連結部から突出部の先端部に向けてほぼ直線的に延びる直線部と、可動接点の膨出部が押圧されない状態で第2固定接点に接触する第1接触部と、膨出部が押圧され且つスイッチオフ状態の間で第2固定接点と接触する第2接触部と、を有し、
前記第2接触部は、突出部の直線部に形成される平坦な下面に位置するスイッチ。
【請求項2】
前記第1接触部は、突出部の先端部に位置する請求項
1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記可動接点の膨出部は、膨出部が押圧されて中央部分が反転し第1固定接点と接触したスイッチオン状態で第2固定接点と接触する第3接触部を有する請求項
1に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記第3接触部は、少なくとも突出部が連結される膨出部の外周縁内側に位置する請求項
3に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記第2接触部は、膨出部が押圧されて中央部分が反転し第1固定接点と接触したスイッチオン状態では第2固定接点と接触しない請求項
1に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記
可動接点の膨出部は、反転可能な中央部分を含む本体部と、該本体部の外側の外周部とを有し、前記本体部と前記外周部との間に折れ曲がり部が設けられることで、前記外周部が前記本体部に対して下向きにカーブ
する請求項1に記載のスイッチ。
【請求項7】
前記
可動接点の突出部は
、前記直線部が連結部を境にして前記膨出部の外周部に対して上向きに屈曲し、水平基準に対する直線部の傾斜角度が、前記水平基準に対する外周部の傾斜角度より小さい
請求項1に記載のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、薄板状の金属ばねからなる可動接点及び可動接点を用いたスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンのキーボードや携帯電話など様々な電子機器の操作信号入力用スイッチとして使われているプッシュスイッチは、例えば、基板上に配置された中央固定接点及び周辺固定接点と、両接点の上方に配置された可動接点とを備え、可動接点を押し込んで反転させ、中央固定接点と周辺固定接点とを導通させる構成となっている。可動接点は、薄板状の金属ばねからなり、外形が円形状に形成され、中央部がドーム状に膨出されている。また、薄型スイッチに対応するように、金属ばねの外周縁の互いに対向する位置には、一対の突出部が形成されており、可動接点のばね特性を損なわないようにしている。すなわち、金属ばねの一対の対向する突出部を基板の周辺固定接点の上面に接触させ、可動接点の頂部を下方に押し込み中央部が反転して中央固定接点に接触するまでの所定ストロークを確保することで、良好なクリック感を得られるようにしている(特許文献1)。
【0003】
上記のプッシュスイッチでは、可動接点の頂部を下方に押し込んだ時に、金属ばねの外周縁には円周方向に延びようとする力が加わると共に、突出部が外方に押されて周辺固定接点の上を接触しながらスライドする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の可動接点は、金属ばねの頂部を繰り返し押圧操作することにより、突出部の基端部に繰り返しの応力が集中し、金属ばねの中心部に向けてクラックが発生するおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、金属ばねの周縁部に突出部が設けられた可動接点を繰り返し押圧操作しても、金属ばねにクラックが発生しにくい長寿命の可動接点及びこれを用いたスイッチを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る可動接点は、薄板状の金属ばねであって、反転可能な中央部分を有するドーム形状の膨出部と、膨出部の外周縁から斜め下方に突出する少なくとも一対の対向する突出部、とを備え、前記膨出部は、反転可能な中央部分を含む本体部と、該本体部の外側の外周部と、を有し、前記本体部と前記外周部との間に折れ曲がり部が設けられることで、前記外周部が前記本体部に対して下向きにカーブし、前記突出部は、前記膨出部の外周縁との間に設けられる連結部から突出部の先端部に向けてほぼ直線的に延びる直線部を有し、前記直線部が連結部を境にして前記膨出部の外周部に対して上向きに屈曲し、水平基準に対する直線部の傾斜角度が、前記水平基準に対する外周部の傾斜角度より小さい。
【0008】
また、本発明に係るスイッチは、薄板状の金属ばねであって、反転可能な中央部分を有するドーム形状の膨出部と、膨出部の外周縁から斜め下方に突出する少なくとも一対の対向する突出部とを備える可動接点と、この可動接点が載置される基板を備え、基板の上面には可動接点の膨出部が反転することで中央部分の下面と接触する第1固定接点と、第1固定接点の外側に配置され可動接点の突出部が接触する少なくとも一対の対向する第2固定接点と、が配置されるスイッチであって、前記可動接点の突出部は、膨出部の外周縁との間に設けられる連結部から突出部の先端部に向けてほぼ直線的に延びる直線部と、可動接点の膨出部が押圧されない状態で第2固定接点に接触する第1接触部と、膨出部が押圧され且つスイッチオフ状態の間で第2固定接点と接触する第2接触部と、を有し、前記第2接触部は、突出部の直線部に形成される平坦な下面に位置する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る可動接点は、ドーム形状の膨出部の外周縁から斜め下方に突出する少なくとも一対の対向する突出部を備え、この突出部が膨出部の外周縁との連結部から突出部の先端部に向けてほぼ直線的に延びる直線部を有するので、直線部の高さ分のストロークを稼ぐことができ、可動接点を押圧した時に良好なクリック感が得られる。また、可動接点を押圧したときに、連結部付近に掛かる応力を突出部の直線部にも分散させることができる。
【0010】
また、本発明に係るスイッチは、可動接点の膨出部が、膨出部が押圧されて中央部分が反転し第1固定接点と接触したスイッチオン状態で第2固定接点と接触する第3接触部を有するので、膨出部と突出部の連結部付近に集中していた応力を分散させることができる。そのため、突出部の連結部付近でのクラックを抑えることができ、良好なクリック感を保持しつつスイッチ寿命を延ばすことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る可動接点を示し、(a)は可動接点の平面図、(b)は可動接点の断面図である。
【
図3】可動接点を作製する際の一工程を示す斜視図である。
【
図4】可動接点の突出部の先端形状の変形例を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るスイッチを分解した斜視図である。
【
図6】
図5に示されたスイッチを組みつけた時の断面図である。
【
図7】可動接点が押圧されていない時のスイッチの内部を示し、(a)はスイッチの部分断面図、(b)は要部拡大図である。
【
図8】可動接点が軽く押圧された状態のスイッチの内部を示し、(a)はスイッチの部分断面図、(b)は要部拡大図である。
【
図9】可動接点がさらに押圧された状態のスイッチの内部を示し、(a)はスイッチの部分断面図、(b)は要部拡大図である。
【
図10】可動接点が反転して第1固定接点に接触した状態のスイッチの内部を示し、(a)はスイッチの部分断面図、(b)は要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る可動接点及びこの可動接点を用いたスイッチの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は、本発明の可動接点及びスイッチを模式的に表したものである。これらの実物の寸法及び寸法比は、図面上の寸法及び寸法比と必ずしも一致していない。また、重複説明は適宜省略させることがあり、同一部材には同一符号を付与することがある。さらに、本発明の技術的範囲は以下で説明する各実施の形態には限定されず、請求の範囲の記載内容とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
(第1実施形態)
図1及び
図2には、本発明の一実施形態に係る可動接点1が示されている。この可動接点1は、薄板状の金属ばねからなり、弾性を有するステンレスなどの金属板によって形成されている。
【0014】
可動接点1を構成する金属ばねは、半径寸法R1の外形を有する円形の上下の一部を切り欠いたもので、左右に円弧状の外周縁2を有する楕円形状をしている。可動接点1は、反転可能な中央部分を有するドーム形状の膨出部3と、膨出部3の円弧状の外周縁2の互いに対向する位置から外側に所定寸法突出する少なくとも一対の突出部4と、を備えている。
【0015】
前記膨出部3は、反転可能な中央部分を含む本体部5と、その外側を取り囲む外周部6と、を有する。膨出部3は全体が緩やかな曲面形状となっており、本体部5と外周部6との間には折れ曲がり部7が設けられている。この折れ曲がり部7によって外周部6が僅かに下向きにカーブする。なお、本体部5の周縁、すなわち折れ曲がり部7と、外周部6の外周縁、すなわち膨出部3の外周縁2は、膨出部3の中心に対して同心円となっている。
【0016】
前記一対の突出部4は、膨出部3の外周縁2から斜め下方に突出しており、膨出部3の外周縁2上に沿った連結部8から突出部4の先端部に向けてほぼ直線的に真っすぐ延びる直線部4aを有し、この直線部4aには平坦な下面4bが形成されている。また、突出部4の先端部には、上向きの屈曲部4cが設けられ、この屈曲部4cと直線部4aとの間には屈曲突部4dが形成されている。
【0017】
図2に示したように、前記突出部4は、鉛直方向と直交する水平方向の水平基準Hに対する直線部4aの傾斜角度α1が、水平基準Hに対する前記連結部8における膨出部3の外周縁2の内側、すなわちこの実施例では膨出部3の外周部6の傾斜角度α2より小さいものとなっている。このように、傾斜角度α1を傾斜角度α2より小さくしたことで、突出部4のスライドを可能として膨出部3と突出部4との連結部8付近に集中していた応力を分散させることができる。そのため、前記連結部8付近でのクラックを効果的に抑えることができ、可動接点1として良好なクリック感を保持しつつ金属ばねとしての寿命を延ばすことが可能となった。
【0018】
この実施形態において、前記突出部4の左右両側の側縁4eは、膨出部3の外周縁2に湾曲状につながっている。このような湾曲形状とすることで、可動接点1を押圧操作したときに、膨出部3の外周縁2と突出部4との連結部8に掛かる繰り返しの応力を軽減することができる。
【0019】
図3に示されるように、前記可動接点1は、キャリア9に連結された状態でプレス加工され、一対のキャリア9に連結された左右の脚10を所定の位置で切断することによって得られる。切断された脚10の一部がそのまま可動接点1の膨出部3から突出する突出部4となる。脚10の幅寸法w1は特に限定されるものではなく、0.1mmから可動接点1の幅寸法w2の1/2以下の範囲であれば十分である。
【0020】
上述した実施形態では可動接点1の外形はほぼ楕円形であるが、外形全体が円形であってもよい。また、突出部4の先端部の形状は、
図2に示したような直線部4aの先端に上向きの屈曲部4cが設けられたものでなくてもよく、例えば
図4に示されるように、突出部4の直線部4aの先端で切れているような形状であってもよい。
【0021】
図5及び
図6には、前記構成からなる可動接点1を利用したスイッチ11の一例が示されている。このスイッチ11は、押し釦型のプッシュスイッチであって、前記可動接点1と、可動接点1が配置される基板12と、基板12上に配置されて可動接点1の外周を取り囲むフレーム13と、可動接点1の膨出部3のほぼ頂部に接触するように配置される円盤状の押圧体14と、押圧体14を介して可動接点1の上方に配置されフレーム13の上面に接着されるカバーシート15と、を備える。押圧体14はカバーシート15の中央部15aの下面に接着されていてもよい。
【0022】
基板12の上面にはその中央部に第1固定接点16が配置され、第1固定接点16の左右両側に一対の第2固定接点17が配置される。
図5において、第1固定接点16はほぼ円形状に形成されているが、円形状に限定されるものではない。また、第2固定接点17は、ほぼ台形状に形成されているが、台形状に限定されるものではない。また、基板12の長辺側の左右両側面には片側に2つずつのスルーホール電極18が設けられている。なお、
図5では基板12上に形成される電子回路が省略されている。なお、本実施形態では基板12にスルーホール電極18を配置したが、リードフレームを用いることもできる。
【0023】
フレーム13は絶縁性材料によって形成され、基板12の上面形状にほぼ対応した大きさである。中央には前記可動接点1が収容される空間部19が設けられている。空間部19の形状は可動接点1の外形の形状にほぼ対応しており、これによって可動接点1の水平方向の位置ずれが防止される。また、フレーム13の上面にはカバーシート15の下面と接着する接着シート13aが設けられ、フレーム13の下面には基板12の上面と接着する接着シート13bが設けられている。なお、接着シートの代わりにフレーム13の上面と下面にそれぞれ接着剤を塗布してあってもよい。さらに、
図5において、フレーム13の長辺側の左右両側面にはスイッチ11をマザーボード(図示せず)に半田付けする際又は樹脂を塗布する際などに利用される作業用の切り欠き20が基板12のスルーホール電極18に対応した位置に設けられている
【0024】
カバーシート15の上から操作した押圧力は、押圧体14を介して可動接点1に伝えられる。そのため、押圧体14は、押圧したときに容易に変形しない材質が望ましい。例えば、ポリイミドやナイロンなどのプラスチックによって形成される。また、押圧体14の形状も円形状に限られるものではない。さらに、押圧体14の大きさや厚みなども機能を損なわない限り自由に設計可能である。
【0025】
カバーシート15は、柔軟性を有する薄いプラスチックシートが望ましい。カバーシート15の周囲の下面がフレーム13の上面に接着シート13aによって接着されている。カバーシート15の下面が押圧体14を介して可動接点1の膨出部3の頂部に接触している。そのため、カバーシート15の中央部15aが周辺部15bに比べて山形に盛り上がる。カバーシート15の中央部15aを押し下げることで、押圧体14を介して可動接点1の頂部付近を押圧することができる。
【0026】
前記可動接点1は、第1固定接点16と第2固定接点17を覆うようにして基板12の上方に配置される。膨出部3の中央部分が第1固定接点16の上方に位置しており、中央部分が反転することで、その下面が第1固定接点16と接触して第2固定接点17と導通し、スイッチオン状態となる。一方、膨出部3の外周縁2から突出する一対の突出部4は、第2固定接点17の上部に位置し、突出部4の屈曲突部4dが第2固定接点17の上面17aに接触している。可動接点1は、金属ばねを複数枚重ねて使用することも可能である。その場合、同一形状の金属ばねを重ねて使用してもよく、また、突出部を有する金属ばねを一番下にしてその上に突出部を持たない金属ばねを重ねて使用することもできる。
【0027】
次に、上記構成からなるスイッチ11の押圧操作ついて説明する。
図7乃至
図10にはスイッチ11がオフ状態からオン状態に移るまでの可動接点1の押圧位置及び第2固定接点17に接触する突出部4の姿勢が示されている。
【0028】
図7(a),(b)には可動接点1がまだ押圧されていない時のスイッチオフ状態が示されている。この状態では可動接点1の突出部4の先端部に設けられた屈曲突部4dが第1接触部として第2固定接点17の上面17aに接触する。このように突出部4の屈曲突部4dを第2固定接点17に接触させることで、突出部4の高さ分のストロークを稼げることになり、可動接点1を押圧した時に良好なクリック感が得られる。
【0029】
図8(a),(b)には押圧体14を介してカバーシート15の上から可動接点1の中央部分を軽く押圧した時のスイッチオフ状態が示されている。この状態では第2固定接点17との接触が可動接点1の突出部4の屈曲突部4dから直線部4aへと移動し、直線部4aの平坦な下面4bが第2接触部として第2固定接点17の上面17aに接触する。
【0030】
図9(a),(b)には押圧体14を介してカバーシート15の上から可動接点1の中央部分をさらに押圧した時のスイッチオフ状態が示されている。この状態では可動接点1の突出部4と膨出部3との連結部8側に近い直線部4aの平坦な下面4bの基端部側が第2接触部として第2固定接点17の上面17aに接触すると共に、連結部8に近い膨出部3の外周部6が沈み込む。
【0031】
図10(a),(b)には可動接点1の中央部分が反転して第1固定接点16に接触した時のスイッチオン状態が示されている。この状態では可動接点1と第2固定接点17との接触が、突出部4が連結される膨出部3の外周縁2の内側に移動し、連結部8に近い位置の外周部6の一部の下面6aが第3接触部として第2固定接点17の上面17aに接触する。なお、外周部6の下面6aと共に、連結部8近い位置の突出部4の平坦の下面4bが第2固定接点17の上面17aに接触してもよい。このように、可動接点1の中央部分が反転した状態では、可動接点1の突出部4が第2固定接点17に接触せずに、主に可動接点1の外周縁2の内側が第2固定接点17に接触するので、突出部4の直線部4a及び突出部4の連結部8付近に集中していた繰り返しの応力を直線部4aと膨出部3の外周部6とに分散させることができる。そのため、突出部4の連結部8付近でのクラックを抑えることができる。また、良好なクリック感を保持しつつスイッチ寿命を延ばすことが可能となった。
【0032】
本発明の可動接点及び可動接点を用いたスイッチは、上述した実施形態の内容に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0033】
1 可動接点
2 外周縁
3 膨出部
4 突出部
4a 直線部
4b 直線部の平坦な下面
4c 屈曲部
4d 屈曲突部
4e 側縁
5 本体部
6 外周部
6a 外周部の下面
7 折れ曲がり部
8 連結部
9 キャリア
10 脚
11 スイッチ
12 基板
13 フレーム
13a,13b 接着シート
14 押圧体
15 カバーシート
15a カバーシートの中央部
15b カバーシートの周辺部
16 第1固定接点
17 第2固定接点
17a 第2固定接点の上面
18 スルーホール電極
19 空間部
20 作業用の切り欠き
H 水平基準
w1 脚の幅寸法
w2 可動接点の幅寸法