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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】SiC焼結部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/576 20060101AFI20230125BHJP
   B28B 11/12 20060101ALI20230125BHJP
   B28B 11/10 20060101ALI20230125BHJP
   B28B 7/28 20060101ALI20230125BHJP
   B28B 3/06 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
C04B35/576
B28B11/12
B28B11/10
B28B7/28
B28B3/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019092243
(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公開番号】P2020186151
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】畑山 聡
(72)【発明者】
【氏名】大崎 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良太
(72)【発明者】
【氏名】傳井 美史
【審査官】有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-233883(JP,A)
【文献】特開2005-289744(JP,A)
【文献】特開2015-124124(JP,A)
【文献】特開2002-338334(JP,A)
【文献】特開平10-100121(JP,A)
【文献】米国特許第04806295(US,A)
【文献】特開2005-093961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00-35/84
B28B 11/12
B28B 11/10
B28B 7/00-7/46
B28B 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化珪素粉末を第1の圧力で一軸加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、
前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させるとともに前記凹部に中子を挿入した状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、
前記積層した前記複数の1次成形体を、前記第1の圧力の1.1倍以上5.0倍以下且つ25MPa以上50MPa未満の第2の圧力で前記積層方向に一軸加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、
前記2次成形工程の後に、前記中子を除去する工程と、
前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とするセラミックス部材の製造方法。
【請求項2】
炭化珪素粉末を第1の圧力で一軸加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、
前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させるとともに前記凹部内が空の状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、
前記積層した前記複数の1次成形体を、前記第1の圧力の1.1倍以上2.5倍未満且つ25MPa以上50MPa未満の第2の圧力で前記積層方向に一軸加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、
前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とするセラミックス部材の製造方法。
【請求項3】
炭化珪素粉末を冷間静水等方圧加圧法を用いて第1の圧力で等方的に加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、
前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させた状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、
前記積層した前記複数の1次成形体を、前記第1の圧力の1.1倍以上且つ25MPa以上前記複数の1次成形体の圧縮強度以下の第2の圧力で前記積層方向に一軸加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、
前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とするセラミックス部材の製造方法。
【請求項4】
炭化珪素粉末を第1の圧力で一軸加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、
前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させた状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、
前記積層した前記複数の1次成形体を、冷間静水等方圧加圧法を用いて前記第1の圧力の1.1倍以上且つ25MPa以上前記複数の1次成形体の圧縮強度以下の第2の圧力で等方的に加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、
前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とするセラミックス部材の製造方法。
【請求項5】
炭化珪素粉末を冷間静水等方圧加圧法を用いて第1の圧力で等方的に加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、
前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させた状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、
前記積層した前記複数の1次成形体を、冷間静水等方圧加圧法を用いて前記第1の圧力の1.1倍以上且つ25MPa以上前記複数の1次成形体の圧縮強度以下の第2の圧力で等方的に加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、
前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とするセラミックス部材の製造方法。
【請求項6】
前記積層工程において、前記凹部に中子を挿入した状態で前記複数の1次成形体を積層し、
前記2次成形工程の後に前記中子を除去することを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載のセラミックス部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiC焼結部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置において、ウエハなどの基板を表面に保持するセラミック製静電チャックなどの載置台として基台には、静電チャックなどと膨張係数が近似し、高周波電力が付加される場合があるので体積抵抗率が低い素材からなることが好ましい。このような素材として、SiC焼結体が挙げられる。
【0003】
しかしながら、SiC焼結体は焼結性及び加工性に難があるので、SiC焼結体からなる基台は実用化されていない。
【0004】
なお、特許文献1には、セラミックス仮焼体同士を通常の焼成温度より高い温度で常圧、荷重化で焼成することにより、一体化する技術が開示されている。ただし、錘を載置した荷重化でアルミナ及びムライトの仮焼体を一体化した実施例しか挙げられておらず、SiC仮焼体を一体化する実施例は挙げられていない。
【0005】
また、特許文献2には、2つの被焼結体をホットプレス成形をすることにより厚さの異なるセラミックス焼結体を得る技術が開示されている。被焼結体には、セラミックス粉末、セラミックス成形体、セラミックス脱脂体及びセラミックス焼結体が含まれるとされている。ただし、窒化アルミニウム粉末を用いた実施例のみが挙げられおり、SiC仮焼体を用いた実施例は挙げられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平6-298574号公報
【文献】特開2000-141336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1,2に記載された技術では、実際にはSiC仮焼体同士を焼成しても一体化することはできないという課題があった。なお、SiC成形体やSiC脱脂体同士を焼成して一体化した場合、これらの形成した凹部などの形状が焼成時に変形するために、寸法精度が高い中空構造などが得られないという課題があった。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、寸法精度が高い中空構造を得ることが可能なSiC焼結部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1のセラミックス部材の製造方法は、炭化珪素粉末を第1の圧力で一軸加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させるとともに前記凹部に中子を挿入した状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、前記積層した前記複数の1次成形体を、前記第1の圧力の1.1倍以上5.0倍以下且つ25MPa以上50MPa未満の第2の圧力で前記積層方向に一軸加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、前記2次成形工程の後に、前記中子を除去する工程と、前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2のセラミックス部材の製造方法は、炭化珪素粉末を第1の圧力で一軸加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させるとともに前記凹部内が空の状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、前記積層した前記複数の1次成形体を、前記第1の圧力の1.1倍以上2.5倍未満且つ25MPa以上50MPa未満の第2の圧力で前記積層方向に一軸加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3のセラミックス部材の製造方法は、炭化珪素粉末を冷間静水等方圧加圧法を用いて第1の圧力で等方的に加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させた状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、前記積層した前記複数の1次成形体を、前記第1の圧力の1.1倍以上且つ25MPa以上前記複数の1次成形体の圧縮強度以下の第2の圧力で前記積層方向に一軸加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
なお、本発明の圧縮強度とは、JIS K7181に準じて測定され、正四角柱の試験片(1辺10mm、高さ20mm)に単純圧縮応力を付加した時の降伏点又は破壊点のどちらか低い方の応力値を意味する。
【0013】
本発明の第4のセラミックス部材の製造方法は、炭化珪素粉末を第1の圧力で一軸加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させた状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、前記積層した前記複数の1次成形体を、冷間静水等方圧加圧法を用いて前記第1の圧力の1.1倍以上且つ25MPa以上前記複数の1次成形体の圧縮強度以下の第2の圧力で等方的に加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第5のセラミックス部材の製造方法は、炭化珪素粉末を冷間静水等方圧加圧法を用いて第1の圧力で等方的に加圧成形して、複数の1次成形体を形成する1次成形工程と、前記複数の1次成形体のうち少なくとも一の1次成形体の表面に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部が形成された前記一の1次成形体の表面を他の前記1次成形体に対向させた状態で前記複数の1次成形体を積層する積層工程と、前記積層した前記複数の1次成形体を、冷間静水等方圧加圧法を用いて前記第1の圧力の1.1倍以上且つ25MPa以上前記複数の1次成形体の圧縮強度以下の第2の圧力で等方的に加圧成形して一体化し、2次成形体を形成する2次成形工程と、前記2次成形体を焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第1から第5のセラミックス部材の製造方法によれば、後述する実施例及び比較例から分かるように、物性の均一性に優れ、所望の中空構造を有するセラミックス部材の製造を図ることが可能となる。これは、1次成形工程において同じ加圧成形法で複数の1次成形体を形成すると共に、1次成形工程において加える第1の圧力よりも大きな第2の圧力を2次成形体を形成する2次成形工程において加えていることに基づくものである。
【0016】
さらに、本発明の第1のセラミックス部材の製造方法によれば、1次成形工程及び2次成形工程において共に一軸加圧成形しているので、1次成形体及び2次成形体を共に加圧方向に緻密化を図ることが可能となる。これにより、セラミックス部材の緻密性の均一化を図ることが可能となる。
【0017】
2次成形工程において加える第2の圧力が1次成形工程において加える第1の圧力と比較して差が小さい場合は、1次成形体同士の接合界面において十分な密着が得られず2次成形体の緻密性が均一化されないおそれがある。しかしながら、2次成形工程において加える第2の圧力は、1次成形工程における第1の圧力の1.1倍以上且つ25MPa以上である。これにより、2次成形体の緻密性の均一化を図ることが可能となる。
【0018】
2次成形工程において一軸加圧成形を行っているので、1次成形体の生嵩密度は主に加圧方向に一様に影響を受けて変化するものの、加圧方向と垂直な平面方向への1次成形体の変形を相対的に小さくすることができる。
【0019】
さらに、2次成形工程において、凹部に中子が挿入された状態であるため、2次成形工程において加える第2の圧力の一部を中子が受けて1次成形体における中子の周辺部への負荷を分散させることができる。その結果、凹部に中子を挿入しない場合と比べて2次成形工程において加える第2の圧力を大きくすることができる。
【0020】
また、2次成形工程において加える第2の圧力が第1の圧力の5.0倍以下且つ50MPa未満であるので、凹部に不本意な変形が生じることを抑制することができ、所望の中空部を得ることが可能となる。
【0021】
さらに、本発明の第2のセラミックス部材の製造方法によれば、1次成形工程及び2次成形工程において共に一軸加圧成形しているので、1次成形体及び2次成形体を共に加圧方向に緻密化を図ることが可能となる。これにより、セラミックス部材の緻密性の均一化を図ることが可能となる。
【0022】
2次成形工程において加える第2の圧力が1次成形工程において加える第1の圧力と比較して差が小さい場合は、1次成形体同士の接合界面において十分な密着が得られず2次成形体の緻密性が均一化されないおそれがある。しかしながら、2次成形工程において加える第2の圧力は、1次成形工程における第1の圧力の1.1倍以上且つ25MPa以上である。これにより、2次成形体の緻密性の均一化を図ることが可能となる。
【0023】
2次成形工程において一軸加圧成形を行っているので、1次成形体の生嵩密度は主に加圧方向に一様に圧力の影響を受けて変化するものの、加圧方向と垂直な平面方向への1次成形体の変形を相対的に小さくすることができる。
【0024】
また、2次成形工程において加える第2の圧力が第1の圧力の2.5倍未満且つ50MPa未満であるので、凹部に不本意な変形が生じることを抑制することができ、所望の中空部を得ることが可能となる。
【0025】
さらに、本発明の第3のセラミックス部材の製造方法によれば、1次成形工程において冷間静水等方圧加圧法を用いて成形しているので、1次成形体を均一に緻密化を図ることが可能となると共に、2次成形工程において一軸加圧成形しているので、2次成形体を加圧方向に緻密化を図ることが可能となる。これにより、セラミックス部材の緻密性の均一化を図ることが可能となる。
【0026】
また、1次成形工程において冷間静水等方圧加圧法を用いているため、一軸加圧を行う場合と比べて緻密性がより均一化した1次成形体を作製することができる。そのため、2次成形工程における一軸加圧成形を行う際に加える第2の圧力を大きくしたとしても、1次成形体の圧縮強度以下であれば、凹部に不本意な変形が生じずに、所望の中空部を有する緻密性の均一なセラミックス部材を得ることが可能となる。
【0027】
さらに、本発明の第4のセラミックス部材の製造方法によれば、1次成形工程において一軸加圧成形しているので、1次成形体を加圧方向に緻密化を図ることが可能となると共に、2次成形工程において冷間静水等方圧加圧法を用いて成形しているので、1次成形体の生嵩密度は一様に圧力の影響を受けて変化するため、1次成形体は等方的に変形(収縮)し、2次成形体を均一に緻密化を図ることが可能となる。これにより、セラミックス部材の緻密性の均一化を図ることが可能となる。
【0028】
また、2次成形工程において冷間静水等方圧加圧法を用いて成形するので、等方的な圧力が1次成形体に負荷されるため、この加圧成形の際に加える第2の圧力を大きくしたとしても、1次成形体の圧縮強度以下であれば、凹部に不本意な変形が生じずに、所望の中空部を有する緻密性の均一なセラミックス部材を得ることが可能となる。
【0029】
さらに、本発明の第5のセラミックス部材の製造方法によれば、1次成形工程及び2次成形工程において共に冷間静水等方圧加圧法を用いて成形しているので、1次成形体及び2次成形体を共に均一に緻密化を図ることが可能となる。これにより、セラミックス部材の緻密性の均一化を図ることが可能となる。また、1次成形工程において冷間静水等方圧加圧法を用いているので、一軸加圧を行う場合と比べて緻密性がより均一化した1次成形体を作製することができる。
【0030】
さらに、2次成形工程において冷間静水等方圧加圧法を用いて成形するので、1次成形体に等方的な圧力が負荷され、1次成形体の生嵩密度は一様に圧力の影響を受けて変化するため、1次成形体は等方的に変形(収縮)する。そのため、この加圧成形の際に加える第2の圧力を大きくしたとしても、1次成形体の圧縮強度以下であれば、凹部に不本意な変形が生じずに、所望の中空部を有する緻密性の均一なセラミックス部材を得ることが可能となる。
【0031】
本発明の第3から第5のセラミックス部材の製造方法において、前記積層工程において、前記凹部に中子を挿入した状態で前記複数の1次成形体を積層し、前記2次成形工程の後に前記中子を除去することが好ましい。
【0032】
この場合、凹部に中子が挿入された状態で2次成形工程が行われるので、2次成形工程において凹部に不本意な変形が生じることを抑制することができ、所望の中空部を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態に係るセラミックス部材の製造方法を示すフローチャート。
図2A】1次成形体を示す模式断面図。
図2B】1次成形体を積層した状態を示す模式断面図。
図2C】2次成形体を示す模式断面図。
図2D】セラミックス部材を示す模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施形態に係るセラミックス部材10の製造方法について図面を参照して説明する。なお、図2Aから図2Dは、セラミックス部材10及び構成要素などを明確化するためにデフォルメされており、実際の比率を表すものではなく、上下などの方向も単なる例示である。
【0035】
本発明の実施形態に係るセラミックス部材10の製造方法は、図1に示すように、1次成形工程STEP1、凹部形成工程STEP2、積層工程STEP3、2次成形工程STEP4及び焼成工程STEP5を備えている。
【0036】
1次成形工程STEP1は、図2Aを参照して、炭化珪素粉末を成形して、複数の1次成形体1を形成する工程である。
【0037】
1次成形工程STEP1においては、炭化珪素粉末を第1の圧力P1で一軸加圧成形して、複数の1次成形体1を形成する。あるいは、1次成形工程STEP1において、炭化珪素粉末を冷間静水等方圧加圧(CIP:Cold Isostatic Pressing)法を用いて第1の圧力P1で等方的に加圧成形して、複数の1次成形体1を形成する。
【0038】
具体的には、例えば、炭化珪素(SiC粉末)に、焼結助剤、有機バインダなどの添加剤を適宜添加して混合して、成形原料を作製し、この成形材料を用いて加圧成形して1次成形体1を形成する。混合方法は、湿式、乾式の何れであってもよく、例えばボールミル、振動ミルなどの混合器を用いることができる。また、炭化珪素顆粒を加圧成形して1次成形体1を形成してもよい。
【0039】
炭化珪素粉末は、高純度であることが好ましく、その純度は、好ましくは96%以上、より好ましくは98%以上である。また、炭化珪素粉末の平均粒径は、好ましくは0.3μm以上1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以上0.7μm以下である。
【0040】
1次成形工程STEP1において、複数の1次成形体1を形成するが、これらの1次成形体1は、全て一軸加圧成形法又はCIP法の何れかで成形することが好ましい。また、1次成形工程STEP1において一軸加圧成形法を用いて1次成形体1を形成する場合、積層工程STEP3における積層方向に第1の圧力P1を加えることが好ましい。
【0041】
凹部形成工程STEP2は、複数の1次成形体1のうち少なくとも一の1次成形体1の表面1aに凹部1bを形成する工程である。
【0042】
凹部形成工程STEP2においては、積層工程STEP3において積層されて当接する1次成形体1の当接面1aの何れか一方、又は双方から掘り込むように形成する。当接面1aと凹部1bの境界部分及び凹部1bの底隅部分には、R面やC面などの面取り加工を施すことが好ましい。また、1次成形体1の凹部1bに後述の中子2を挿入する場合は、熱可塑性ワックスなどの樹脂からなる中子2を追って外部に排出するため、凹部1bと連通する孔を1次成形体1に設けることが好ましい。
【0043】
そして、当接面1aに対して、NC旋盤、MC加工機などを用いて、例えば、平坦度が、好ましくは1000μm以下、より好ましくは300μm以下となるように加工する。
【0044】
積層工程STEP3は、図2Bを参照して、凹部1bが形成された一の1次成形体1の表面を他の1次成形体1に対向させた状態で複数の1次成形体1を積層する工程である。
【0045】
なお、積層工程STEP3において、凹部1bに中子2を挿入した状態で1次成形体1を積層してもよい。中子2は、例えば、凹部1bのなす形状に倣った樹脂体などであるが、凹部1bに充填される多数の微小な樹脂体などであってもよい。ただし、中子2は、2次成形工程STEP4において加えられる第2の圧力P2に抗して、凹部1bに不所望な変形を生じさせるものでないことが好ましい。
【0046】
2次成形工程STEP4は、図2Cを参照して、積層した複数の1次成形体1を成形して一体化し、2次成形体3を形成する工程である。
【0047】
2次成形工程STEP4においては、積層した複数の1次成形体1を積層方向に第2の圧力P2で一軸加圧成形して一体化し、2次成形体2を形成する。あるいは、2次成形工程STEP4においては、積層した複数の1次成形体1をCIP法を用いて第2の圧力P2で等方的に加圧成形して、2次成形体3を形成する。
【0048】
2次成形工程STEP4においては、1次成形工程STEP1における成形方法、及び2次成形工程STEP4における成形方法に応じて、成形時に加える第2の圧力P2の値が重要となる。
【0049】
具体的には、1次成形工程STEP1において、第1の圧力P1で一軸加圧成形して、1次成形体1を形成し、2次成形工程STEP4において、凹部1bに中子2を挿入した状態で積層した複数の1次成形体1を一軸加圧成形して一体化し、2次成形体3を形成する場合、2次成形工程STEP4において積層方向に加える第2の圧力P2は、第1の圧力P1の1.1倍以上5.0倍以下且つ25MPa以上50MPa未満の圧力であればよい。
【0050】
1次成形工程STEP1において、第1の圧力P1で一軸加圧成形して、1次成形体1を形成し、2次成形工程STEP4において、凹部1bに中子2を挿入せず凹部1bが空の状態で積層した複数の1次成形体1を一軸加圧成形して体化し、2次成形体3を形成する場合、2次成形工程STEP4において積層方向に加える第2の圧力P2は、第1の圧力P1の1.1倍以上2.5倍未満且つ25MPa以上50MPa未満の圧力である必要がある。
【0051】
また、1次成形工程STEP1において、CIP法を用いて第1の圧力P1で等方的に加圧成形して、複数の1次成形体1を形成し、2次成形工程STEP4において、積層した複数の1次成形体1を一軸加圧成形して一体化し、2次成形体3を形成する場合、2次成形工程STEP4において積層方向に加える第2の圧力P2は、第1の圧力P1の1.1倍以上且つ25MPa以上複数の1次成形体1の圧縮強度以下の圧力であればよい。
【0052】
また、1次成形工程STEP1において、第1の圧力P1で一軸加圧成形して、複数の1次成形体1を形成し、2次成形工程STEP4において、積層した複数の1次成形体1を、CIP法を用いて等方的に加圧成形して一体化し、2次成形体3を形成する場合、2次成形工程STEP4において等方的に加える第2の圧力P2は、第1の圧力P1の1.1倍以上且つ25MPa以上複数の1次成形体1の圧縮強度以下の圧力であればよい。
【0053】
また、1次成形工程STEP1において、CIP法を用いて第1の圧力P1で等方的に加圧成形し、2次成形工程STEP4において、積層した複数の1次成形体1を、CIP法を用いて等方的に加圧成形して一体化し、2次成形体3を形成する場合、2次成形工程STEP4において等方的に加える第2の圧力P2は第1の圧力P1の1.1倍以上且つ25MPa以上複数の1次成形体1の圧縮強度以下の圧力であればよい。
【0054】
焼成工程STEP5は、図2Dを参照して、2次成形体3を焼成して焼結体10を形成する工程である。
【0055】
焼成工程STEP5において、常圧焼結、加圧焼結、反応焼結などの公知の焼結方法により焼結体10を作製すればよい。焼成工程STEP5において、不都合な変形が生じず焼結体10が所望の形状となるように、焼成条件を定めればよい。例えば、加熱温度が、好ましくは1800℃以上2200℃以下、より好ましくは1900℃以上2100℃以下であり、加熱時間が、好ましくは0.1時間以上10時間以下、より好ましくは1時間以上5時間以下である。そして、焼成雰囲気は、例えば不活性ガス雰囲気であるが、真空雰囲気であってもよい。
【0056】
なお、積層工程STEP3において凹部1bに中子2を挿入した場合、2次成形工程の後であって、例えば、焼成工程STEP5の前、焼成工程STEP5の途中又は焼成工程STEP5後に中子を除去すればよい。例えば、凹部1bが外部に連通している場合、溶解した中子2を外部に排出すればよい。
【0057】
上述した本発明の実施形態に係るセラミックス部材10の製造方法によれば、後述する実施例及び比較例から分かるように、緻密均一性に優れ、所望の中空部10aを有するセラミックス部材10の製造を図ることが可能となる。これは、1次成形工程STEP1において同じ加圧成形法で複数の1次成形体1を形成すると共に、1次成形工程STEP1において加える第1の圧力P1よりも大きな第2の圧力P2を2次成形体3を形成する2次成形工程STEP4において加えていることに基づくものである。
【0058】
さらに、1次成形工程STEP1及び2次成形工程STEP4において共に一軸加圧成形によって成形し、且つ凹部1bに中子2を挿入する場合、2次成形工程において加える第2の圧力P2が第1の圧力P1の5.0倍以下且つ50MPa未満であるので、凹部1bに不本意な変形が生じることを抑制することができ、所望の中空部10aを得ることが可能となる。
【0059】
また、1次成形工程STEP1及び2次成形工程STEP4において共に一軸加圧成形によって成形し、且つ凹部1bに中子2を挿入しない場合、2次成形工程において加える第2の圧力P2が第1の圧力P1の2.5倍未満且つ50MPa未満であるので、凹部1bに不本意な変形が生じることを抑制することができ、所望の中空部10aを得ることが可能となる。
【0060】
また、1次成形工程STEP1においてCIP法を用いて等方的に加圧して加圧成形している場合、1次成形体1に密度むらが生じていないので、2次成形工程において一軸加圧成形を行う際に加える第2の圧力P2を大きくしたとしても1次成形体1の圧縮強度以下であれば、凹部1bに不本意な変形が生じずに、所望の中空部10aを得ることが可能となる。
【0061】
また、2次成形工程STEP4においてCIP法を用いて成形する場合、1次成形工程STEP1において一軸加圧成形を行っても、2次成形工程STEP4において等方的に加える第2の圧力P2の最大値を大きくしたとしても1次成形体1の圧縮強度以下であれば、凹部1bに不本意な変形が生じずに、所望の中空部10aを得ることが可能となる。
【0062】
また、1次成形工程STEP1及び2次成形工程STEP4において共にCIP法を用いて等方的に加圧して加圧成形する場合も、2次成形工程STEP2の加圧成形の際に加える第2の圧力P2の最大値を大きくしたとしても1次成形体1の圧縮強度以下であれば、凹部に不本意な変形が生じずに、所望の中空部を得ることが可能となる。
【0063】
また、凹部1bに中子2が挿入された状態で2次成形工程STEP4を行うことにより、2次成形工程STEP4において凹部1bに不本意な変形が生じることを抑制することができ、さらに確実に所望の中空部10aを得ることが可能となる。
【実施例
【0064】
(実施例1~6、比較例1~3)
1次成形工程STEP1として、まず、純度98%、平均粒径0.5μmの炭化珪素粉末に、焼結助剤としてBCを0.1~0.5質量%、C(カーボン)、成形助剤としてPVAなどのバインダなどを添加したものを原料粉末とした。次に、この原料粉末をスプレードライヤーで顆粒化して顆粒を得た。
【0065】
そして、この顆粒を金型に充填し、第1の圧力P1を表1に記載のものとして一軸加圧成形して2個の1次成形体1を得た。そして、これらの1次成形体1を外径300mm、高さ10mmの円板状に加工した。
【0066】
そして、凹部形成工程STEP2として、それぞれの1次成形体1の一方の円形状の表面1aに、直径7mm、深さ7mmの円形状の凹部1bを形成した。さらに、2個の1次成形体1のうち1個に凹部1bと連通し、中子2を外部に排出するための孔を形成した。凹部1bが形成された表面1aの平坦度は300μmであった。
【0067】
また、別途、凹部1bの形状に形成された金型を加熱し、融点が100℃以下、100℃環境下における粘度が120CPS以下の熱可塑性ワックス(樹脂)を流し込み、凹部1b形成用の中子本体を作製した。そして、固化した中子本体の表面に、ワックスよりも融点が高く、かつ焼成時に800℃以下で脱脂可能な有機系コート材を塗布して、中子2を作製した。
【0068】
次に、積層工程STEP3として、1次成形体1を、凹部1bに中子2を挿入し、凹部1bが重なり合うように凹部1bが形成された側の面1aを当接させて積層した。
【0069】
次に、2次成形工程STEP4として、このように積層した2個の1次成形体1に対して、第2の圧力P2を表1に記載のものとして一軸加圧成形して2次成形体3を得た。
【0070】
次に、2次成形体3を100℃以下で加熱し、凹部1bと連通する孔を通じて中子2を外部に排出した。その後、焼成工程STEP5として、2次成形体3を焼成炉内にてアルゴン雰囲気で炉内温度を2000℃として3時間焼成して、炭化珪素焼結体からなるセラミックス部材10を得た。
【0071】
そして、このセラミックス部材10に対して、接合部を拡大鏡などを用いて実験者が目視した。実施例1~6においては、破損などは確認されなかったが、比較例1~3においては、破損が確認された。また、このセラミックス部材10の元来が凹部1bである中空部10aに0.5MPaの水圧を負荷した。実施例1~6においては、水漏れは確認されなかったが、比較例1~3においては、エア漏れが確認された。これらより、実施例1~6においては、セラミックス部材10は接合不良がないが、比較例1~3においては、セラミックス部材10に接合不良が存在することが分かった。
【0072】
また、セラミックス部材の嵩密度をJIS R1634:1998に準拠して測定した。元来が異なる1次成形体1である部分の嵩密度は共に、実施例1~6及び比較例1,3においては3.09~3.10g/cmであり、十分に緻密であることが分かった。一方、比較例2においては嵩密度が共に3.04g/cmであり、十分に緻密でないことが分かった。結果を表1にまとめた。
【0073】
実施例1~6においては、表1から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1の1.1倍以上5.0倍以下、且つ、第2の圧力P2が25MPa以上50MPa未満であった。これにより、セラミックス部材10は、接合不良が存在せず、且つ、緻密となることが分かった。
【0074】
一方、比較例1においては、表1から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1より大きいが、第2の圧力P2が50MPaを超えていた。これにより、セラミックス部材10は、十分に緻密であるが、接合不良が存在することが分かった。
【0075】
比較例2においては、表1から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1より大きいが、第2の圧力P2が25MPa未満であった。これにより、セラミックス部材10は、接合不良が存在し、且つ緻密が不十分となることが分かった。
【0076】
比較例3においては、表1から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1より大きく、且つ、第2の圧力P2が25MPa以上50MPa未満であるが、第1の圧力P1の1.1倍未満であった。これにより、セラミックス部材10は、十分に緻密であるが、接合不良が存在することが分かった。
【0077】
比較例3においては、第2の圧力P2と第1の圧力P1の比(P2/P1)が小さいために、2次成形工程STEP4での1次成形体1の収縮しろが小さく、2次成形工程STEP4において1次成形体1の全体が均等に収縮しなかったため、接合不良が発生したと推定される。
【0078】
【表1】
【0079】
(実施例7,8、比較例4,5)
実施例7,8及び比較例4,5においては、1次成形工程STEP1における第1の圧力P1及び2次成形工程STEP4における第2の圧力P2を表2に記載のものにしたこと、並びに、中子2を作製せず、凹部1bに中子2を挿入しないことを除いて、実施例1~6及び比較例1~3と同様にして、セラミックス部材10を作製した。
【0080】
実施例7,8においては、表2から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1の1.1倍以上2.5倍未満、且つ、第2の圧力P2が25MPa以上50MPa未満であった。これにより、セラミックス部材10は、接合不良が存在せず、且つ、緻密となることが分かった。
【0081】
一方、比較例4においては、表2から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1より大きいが、第2の圧力P2が25MPa未満であった。これにより、セラミックス部材10は、接合不良が存在し、且つ緻密が不十分となることが分かった。
【0082】
比較例5においては、表2から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1より大きく、且つ、第2の圧力P2が25MPa以上50MPa未満であるが、第2の圧力P2が第1の圧力P1の2.5倍以上であった。これにより、セラミックス部材10は、緻密であるが、接合不良が存在することが分かった。比較例5においては、第1の圧力P1が第2の圧力P2に比べ非常に小さく、2次成形工程STEP4において加えられる圧力が1次成形体1の強度に対して相対的に大き過ぎて中空部が2次成形時に破損したものと推測される。
【0083】
【表2】
【0084】
(実施例9,10)
実施例9,10においては、2次成形工程STEP4においてCIP法を用いて等方的に加圧成形したこと、及び、1次成形工程STEP1における第1の圧力P1及び2次成形工程STEP4における第2の圧力P2を表3に記載のものにしたこと、を除いて、実施例1~6及び比較例1~3と同様にして、セラミックス部材10を作製した。
【0085】
実施例9,10においては、表3から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1の1.1倍以上、且つ、第2の圧力P2が25MPa以上であった。これにより、セラミックス部材10は、接合不良が存在せず、且つ、緻密となることが分かった。
【0086】
【表3】
【0087】
(実施例11,12)
実施例11,12においては、1次成形工程STEP1及び2次成形工程STEP4においてCIP法を用いて等方的に加圧成形したこと、及び、1次成形工程STEP1における第1の圧力P1及び2次成形工程STEP4における第2の圧力P2を表3に記載のものにしたことを除いて、実施例1~6及び比較例1~3と同様にして、セラミックス部材10を作製した。
【0088】
実施例11,12においては、表3から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1の1.1倍以上、且つ、第2の圧力P2が25MPa以上であった。これにより、セラミックス部材10は、接合不良が存在せず、且つ、緻密となることが分かった。
【0089】
(実施例13)
実施例13においては、2次成形工程STEP4においてCIP法を用いて等方的に加圧成形したこと、及び、1次成形工程STEP1における第1の圧力P1及び2次成形工程STEP4における第2の圧力P2を表3に記載のものにしたことを除いて、実施例1~6及び比較例1~3と同様にして、セラミックス部材10を作製した。
【0090】
実施例13においては、表3から分かるように、第2の圧力P2が第1の圧力P1の1.1倍以上、且つ、第2の圧力P2が25MPa以上であった。これにより、セラミックス部材10は、接合不良が存在せず、且つ、緻密となることが分かった。
【符号の説明】
【0091】
1…1次成形体、 1a…当接面、表面、 1b…凹部、 2…中子、 3…2次成形体、 10…セラミックス部材、焼結体、 10a…中空部。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D