(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】動的UL/DL構成を備えたLTE TDDのためのチャネル状態情報の構成、測定、及びレポートのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20230125BHJP
H04B 17/24 20150101ALI20230125BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20230125BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20230125BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04B17/24
H04L27/26 113
H04W24/10
H04W28/06 130
(21)【出願番号】P 2019220966
(22)【出願日】2019-12-06
(62)【分割の表示】P 2016528180の分割
【原出願日】2014-11-04
【審査請求日】2019-12-20
(32)【優先日】2014-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ランフア チェン
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー エデット エクペニョン
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/112004(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/094985(WO,A1)
【文献】Potevio,Discussion on CSI feedback for eIMTA[online],3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-135444,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_75/Docs/R1-135444.zip>,2013年11月15日,pp.1-3
【文献】Alcatel-Lucent Shanghai Bell et al.,Remaining details on CSI measurement for TDD eIMTA[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #75 R1-135150,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_75/Docs/R1-135150.zip>,2013年11月15日,pp.1-3
【文献】Intel Corporation,Discussion on CSI Enhancements for eIMTA Support[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #74bis R1-135099,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_75/Docs/R1-135099.zip>,2013年11月15日,pp.1-5
【文献】LG Electronics,Remaining Details of CSI Measurement and Report for TDD eIMTA[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #75 R1-135453,<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_75/Docs/R1-135453.zip>,2013年11月15日,pp.1-4
【文献】Renesas Mobile Europe Ltd,CSI measurement and reporting in TDD eIMTA[online], 3GPP TSG-RAN WG1#74b R1-134476,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_74b/Docs/R1-134476.zip>,2013年10月
【文献】Ericsson, ST-Ericsson, Nokia, Nokia Siemens Networks, Renesas, Qualcomm, Samsung,Way Forward on Limiting UE Complexity for CoMP CSI Processing[online], 3GPP TSG-RAN WG1#70 R1-123931,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70/Docs/R1-123931.zip>,2012年
【文献】ZTE,UE processing related aspects on CSI Feedback[online], 3GPP TSG-RAN WG1#70b R1-124195,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1-124195.zip>,2012年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 17/24
H04W 24/10
H04W 28/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時分割複信(TDD)通信システムを動作させる方法であって、
静的サブフレームとフレキシブルサブフレームとを含むサブフレーム構成を判定することと、
前記サブフレーム構成を伝送することと、
アップリンクグラントを伝送することと、
前記アップリンクグラントに応答してサブフレームnにおいてチャネル状態情報(CSI)レポートを受け取ることと、
を含み、
前記CSIレポートがチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)リソースと少なくとも2つのチャネル状態情報干渉測定(CSI-IM)リソースとを含むCSIプロセスに基づいて判定され、
前記CSIレポートがサブフレームn-n
CQI,refにおけるCSI基準リソースに基づいて判定され、n
CQI,refがn
thresholdより大きいか又は等しい整数であり、
n
thresholdが、ユーザー機器(UE)のために構成されるCSIプロセスの数
及び動的にシグナリングされる時分割複信(TDD)アップリンク(UL)/ダウンリンク(DL)構成の関数である、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
無線リソース制御(RRC)により前記静的サブフレームをシグナリングすることと、
ダウンリンク制御情報(DCI)パケットにより前記フレキシブルサブフレームをシグナリングすることと、
を更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
どのサブフレームが前記CSIレポートのために用いられるかを示すためにアップリンクグラントにおいて複数のビットを伝送することを更に含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記CSIレポートが、前記静的サブフレームか前記フレキシブルサブフレームか又はこれら両方のサブフレームのいずれから判定されるかを示すために、アップリンクグラントにおいて複数のビットを伝送することを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
第1のCSI-IMリソースが静的サブフレーム干渉を判定し、第2のCSI-IMリソースがフレキシブルサブフレーム干渉を判定する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
周期的CSIレポートを受け取ることを更に含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
CSIサブフレームセット優先度とCSIタイプとサービングセルインデックスとCSIプロセスインデックスとに従って降順の優先度で選択されるとおりに前記CSIレポートを受け取ることを更に含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
CSIタイプとCSIプロセスインデックスとサービングセルインデックスとCSIサブフレームセット優先度とに従って降順の優先度で選択されるとおりに前記CSIレポートを受け取ることを更に含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記判定することが無線リソース制御(RRC)シグナリングに応答する、方法。
【請求項10】
無線通信のための方法であって、
ユーザー機器(UE)において静的サブフレームとフレキシブルサブフレームとを含むサブフレーム構成を受け取ることと、
アップリンクグラントを受け取ることと、
前記アップリンクグラントに応答してチャネル状態情報(CSI)レポートを生成することであって、前記CSIレポートがチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)リソースと少なくとも2つのチャネル状態情報干渉測定(CSI-IM)リソースとを含むCSIプロセスに基づいて生成される、前記CSIレポートを生成することと、
サブフレームnにおいて前記CSIレポートを伝送することと、
を含み、
前記CSIレポートがサブフレームn-n
CQI,refにおけるCSI基準リソースに基づいて判定され、n
CQI,refがn
thresholdより大きいか又は等しい整数であり、
n
thresholdが、ユーザー機器(UE)のために構成されるCSIプロセスの数
及び動的にシグナリングされる時分割複信(TDD)アップリンク(UL)/ダウンリンク(DL)構成の関数である、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記静的サブフレームが無線リソース制御(RRC)によりシグナリングされ、前記フレキシブルサブフレームがダウンリンク制御情報(DCI)パケットによりシグナリングされる、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、
どのサブフレームが前記CSIレポートのために用いられるかを示すためにアップリンクグラントにおいて複数のビットを受け取ることを更に含む、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、
前記静的サブフレームか前記フレキシブルサブフレームか又はこれら両方のサブフレームのいずれから前記CSIレポートが判定されるかを示すために、アップリンクグラントにおいて複数のビットを受け取ることを更に含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
第1のCSI-IMリソースが静的サブフレーム干渉を判定し、第2のCSI-IMリソースがフレキシブルサブフレーム干渉を判定する、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であって、
前記静的サブフレームと前記フレキシブルサブフレームとの一方に対してチャネル状態情報(CSI)レポートを生成することと、
CSIサブフレームセット優先度とCSIタイプとサービングセルインデックスとCSIプロセスインデックスとのうち少なくとも1つに従って前記CSIレポートを選択することと、
を更に含む、方法。
【請求項16】
時分割複信基地局であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され、静的サブフレームとフレキシブルサブフレームとを含むサブフレーム構成を送信するように配されるトランシーバであって、アップリンクグラントを送信し、前記アップリンクグラントに応答してチャネル状態情報(CSI)レポートを受信するように更に配される、前記トランシーバと、
を含み、
前記CSIレポートがチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)リソースと少なくとも2つのチャネル状態情報干渉測定(CSI-IM)リソースとを含むCSIプロセスに基づいて判定され、
前記CSIレポートがサブフレームn-n
CQI,refにおけるCSI基準リソースに基づいて判定され、n
CQI,refがn
thresholdより大きいか又は等しい整数であり、
n
thresholdが、ユーザー機器(UE)のために構成されるCSIプロセスの数
及び動的にシグナリングされる時分割複信(TDD)アップリンク(UL)/ダウンリンク(DL)構成の関数である、時分割複信基地局。
【請求項17】
請求項16に記載の時分割複信基地局であって、
前記静的サブフレームが無線リソース制御(RRC)によりシグナリングされ、前記フレキシブルサブフレームがダウンリンク制御情報(DCI)パケットによりシグナリングされる、時分割複信基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概してワイヤレス通信システムに関し、特に、ユーザー機器(UE)が一つ又は複数の基地局と通信するダウンリンク(DL)時間スロット及びアップリンク(UL)時間スロットの動的再構成を備えた、時分割複信通信システムのオペレーションに関連する。
【背景技術】
【0002】
直交周波数分割多重(OFDM)では、直交性を提供するために離間された複数のキャリアで複数の記号が伝送される。OFDM変調器は典型的に、データ記号をシリアルパラレルコンバータに取り込み、シリアルパラレルコンバータの出力は周波数ドメインデータ記号である。帯域の両端における周波数ドメイントーンは、ゼロに設定され得、ガードトーンと称される。これらのガードトーンは、OFDM信号を適切なスペクトルマスクにフィットさせ得る。周波数ドメイントーンの幾つかは、レシーバにおいて既知となり得る値に設定される。これらの中には、セル固有基準信号(CRS)、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)、及び復調基準信号(DMRS)がある。これらの基準信号は、レシーバにおけるチャネル及び干渉測定に有用である。セル固有基準信号及びチャネル状態情報基準信号は、事前符号化されず、物理セルIDの関数として擬似ランダムシーケンス生成器により生成される。従来のポイント・ツー・ポイント通信のために設計されたユニバーサルモバイルテレコミニケーションズシステム(UMTS)のロングタームエボリューション(LTE)のRelease 8~10において、セルIDは、基地局(eNBと称される)によって明示的にシグナリングされないが、一次同期化信号(PSS)及び二次同期化信号(SSS)の関数としてUEにより暗黙的に導出される。ワイヤレスネットワークに接続するため、UEは、最良セルへの同期化のためにダウンリンクセルサーチを実施する。基準信号受信電力(RSRP)の点などで、各利用可能なセルのPSS及びSSSを検出すること、及びそれらのそれぞれの信号品質を比較することによって、セルサーチが実施される。セルサーチが実施された後、UEは、そのセルのための関連システム情報を導出することにより最良セルとの接続を確立する。同様に、LTE Release 11では、UEは、最良セルに接続するために初期セルサーチを実施する。マルチポイントCoMPオペレーションを可能にするため、接続されたセルは、マルチポイントCoMPオペレーションにおいて関与される各それぞれの基地局に関連付けられる各CSI-RSリソースのためのバーチャルセルIDを備えた一層高い層シグナリングによりUEを構成する。UEは、バーチャルセルIDの関数として各CSI-RSリソースに対して擬似ランダムシーケンスを生成する。
【0003】
従来のセルラー通信システムは、ポイント・ツー・ポイント単一セル伝送方式で動作し、この方式では、ユーザー端末又は機器(UE)が、所与の時間に単一セルラー基地局(eNB又はeNodeB)に固有に接続され、単一セルラー基地局によりサービングされる。このようなシステムの一例は、3GPP Long Term EvolutionのRelease 8である。アドバンストセルラーシステムは、同時にUEをサービングするように複数の基地局が協調してダウンリンク伝送を設計し得る、マルチポイント・ツー・ポイント又は協調多地点(CoMP)通信を採用することによりデータレート及び性能を更に改善することが意図される。このようなシステムの一例は、3GPP LTEアドバンストシステムである。これは、異なる基地局から各UEに同じ信号を伝送することによって、UEにおける受信信号強度を著しく改善させる。これは、特に、近隣の基地局からの強い干渉を観測するセルエッジUEに対して有益となる。
【0004】
図1は、基地局101、102、及び103を含む例示のワイヤレステレコミニケーションズネットワーク100を示す。オペレーションにおいて、ネットワーク100は更に多くの基地局を含む。基地局101、102、及び103(eNB)の各々は、対応するカバレッジエリア104、105、及び106にわたって動作可能である。各基地局のカバレッジエリアは、セルに更に分割される。例示のネットワークにおいて、各基地局のカバレッジエリアは3つセルに分割されている。ハンドセット又はその他のユーザー機器(UE)109をセルA108に示す。セルA108は基地局101のカバレッジエリア104内にある。基地局101は、伝送をUE109に送信し、UE109から受信する。UE109がセルA108を出てセルB107内へ移動するにつれて、UE109は、基地局102にハンドオーバーされ得る。UE109は基地局101と同期化されるため、UE109は、基地局102へのハンドオーバーのために非同期化ランダムアクセスを用いることができる。UE109は、アップリンク111の時間又は周波数或いは符号リソースの割当てを要求するためにも非同期ランダムアクセスを用いる。伝送のために準備ができているデータ(これは、ユーザーデータ、測定値レポート、又は追跡エリア更新であり得る)をUE109が有する場合、UE109は、アップリンク111でランダムアクセス信号を送信し得る。このランダムアクセス信号は、UE109がUEのデータを送信することをアップリンクリソースに要求していることを基地局101に通知する。基地局101は、UE109アップリンク伝送に割り当てられたリソースのパラメータを含むメッセージを、生じ得るタイミング誤り訂正とともに、ダウンリンク110を介してUE109に送信することによって応答する。基地局101によってダウンリンク110で送信されるリソース割当て及び生じ得るタイミング予告メッセージを受け取った後、UE109は、任意選択で、その送信タイミングを調整し、所定の時間インタバルの間この割り当てられたリソースを用いてアップリンク111でデータを送信する。基地局101は、周期的アップリンクサウンディング参照信号(SRS)伝送に対してUE109を構築する。基地局101は、このSRS伝送からアップリンクチャネル品質情報(CQI)を推定する。
【0005】
従来のワイヤレス通信システムは、周波数分割複信(FDD)モード又は時分割複信(TDD)モードのいずれかで動作する。FDDモードにおいて、一対の無線周波数(RF)キャリアが、通信システムのダウンリンク及びアップリンク方向にそれぞれアサインされる。これに対し、TDDシステムは、同じRFキャリア上で固定時間インタバル内で時間多重アップリンク及びダウンリンク伝送により動作する。固定時間インタバルにおけるUL及びDL伝送間の比は、UL/DLデータトラフィックパターンに従って、又は異なるTDDワイヤレスシステム間の共存をサポートするために選択され得る。TDDシステムにおけるユーザー機器は半二重モードで動作し、そのため、ユーザー機器は、任意の時刻に基地局から受信又は基地局へ送信するが、同時に送信/受信しない。
【0006】
図2は、ロングタームエボリューション(LTE)TDDシステムの
図200を示す。10ミリ秒(ms)の無線フレームが1msのサブフレームに区分され、各サブフレームセットは、ダウンリンク(D)、アップリンク(U)、又はスペシャルサブフレーム(S)のいずれかである。7つのアップリンク-ダウンリンク(UL/DL)構成が、異なるアップリンク、ダウンリンク、及びスペシャルサブフレームパターンを有する。eNBが、制御下のセルに対して、これら7つのUL/DL構成の一つを選択し、システム情報における構成をブロードキャストする。eNBによりサービングされるユーザー機器は、そのセルに対する正しいアップリンク/ダウンリンクサブフレーム構成を判定するためにセルのシステム情報をデコードする。
【0007】
図3は、LTEにおけるダウンリンクサブフレームの図を示す。各サブフレームセットは、エクステンデットサイクリックプレフィックス(CP)(Extended Cyclic Prefix)を備えた12個のOFDM記号、又はノーマルサイクリックプレフィックス(CP)(Normal Cyclic Prefix)を備えた14個のOFDM記号を含む。システム帯域幅315が、複数のL個の物理リソースブロック(PRB)で構成され、各PRBは、サブキャリアと称される12個のOFDMトーンで構成される。PRBは、LTEにおける最小時間周波数リソース割り当てユニットであり、ユーザーへのデータ伝送は一つ又は複数のPRB上でスケジュールされる。一つのサブフレームセット301における異なるPRBが、異なるユーザーへのデータ伝送のために割り当てられる。また、ユーザーがダウンリンクデータ伝送を受信するPRBのセットは、一つのサブフレームセットか別のサブフレームセットへ変わり得る。
【0008】
図4は、LTE TDDシステムにおけるスペシャルサブフレームの図を示す。スペシャルサブフレーム400が、ダウンリンクパイロット時間スロット(DwPTS)401、ガードピリオド402、及びアップリンクパイロット時間スロット(UpPTS)403で構成される。ガードピリオド(GP)402は、ユーザー機器を、受信モードから伝送モードへ切り替え得る。GP期間は、LTE TDDと時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)との間の共存など、異なるTDDシステム間の共存をサポートするように寸法付けられ得る。ダウンリンクデータ伝送がDwPTS領域401において成され得、これは、3個及び12個のOFDM記号間をサポートする。UpPTS領域403は、1個又は2個のOFDM記号で構成され、物理ランダムアクセスチャネルで伝送すること又はSRSをeNBに伝送することのいずれかのために用いられ得る。
【0009】
ダウンリンクデータに加えて、基地局はまた、制御情報をモバイルユーザーに送信する。これは、共通制御情報及びユーザー固有制御情報両方を含む。共通制御情報は、ネットワークへのユーザーの接続を維持するため、コールが到来するときユーザーをアイドルモードでページングするため、ランダムアクセス応答をスケジューリングするため、及びセルにおけるクリティカルシステム情報変化を示すために、セルにおけるすべてのユーザーに送信される。また、ユーザー固有の制御情報は、UEがダウンリンクデータを受信する又はアップリンクデータを送信することが予期される周波数リソースを示すなどのために、各スケジュールされたユーザーに送信される。
図3を参照すると、各LTEサブフレームが、ダウンリンク制御情報伝送のためのレガシー制御領域306、及びダウンリンクデータ伝送のためのデータ領域307に分割される。レガシー制御領域306は、システム帯域幅が10PRBより大きいときOFDM記号1~3、そうでない場合OFDM記号2~4を含む。レガシー制御領域の正確なサイズは、物理ダウンリンク制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)上でシグナリングされる。データチャネル領域307は、レガシー制御チャネル領域306の後に位置し、各物理リソースブロック(PRB)に対して割り当てられる。レガシー制御チャネル領域306は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)がマッピングされる領域である。データチャネル領域307は、物理ダウンリンク共用チャネル(PDSCH)がマッピングされる領域であり、ダウンリンクデータ伝送をモバイルユーザーに搬送する。更に、拡張された物理ダウンリンク制御チャネルEPDCCH Set 1 309及びEPDCCH Set 2 313が、UEへの伝送のためデータチャネル(PDSCH)311で周波数多重化される。従って、EPDCCH Set 1 309及びEPDCCH Set 2 313が、PDSCH311と共にデータチャネル領域307にマッピングされる。レガシー制御チャネル領域がサブフレームのはじめに配置するのは、UEが最初に、PDSCHの伝送の存在を認識するためにレガシー制御チャネル領域306に割り当てられるPDCCHを受け取るためである。PDSCH伝送の存在が認識された後、UEは、PDSCHの受信オペレーションを実施するか否かを判定し得る。UEに送信されるPDCCHがない場合、データチャネル領域307にマッピングされたPDSCHを受信する必要はない。従って、UEは、PDSCHの受信オペレーションにおいて消費される電力を節約し得る。一方、UEは、スケジューリング遅延を低減するために、制御チャネル領域に位置するPDCCHをPDSCH311より速く受信し得る。しかし、PDCCHは全システム帯域幅にわたって送信されるため、干渉制御は不可能である。
【0010】
レガシー制御チャネル領域306は、既存の又はレガシーUEとの互換性を維持するために周波数多重化構造に変更されない可能性がある。しかし、eNodeBが、データチャネル領域307の対応する領域を以前のLTEバージョンのUEに割り当てない場合、以前のLTEバージョンのUEは対応するデータチャネル領域307にマッピングされたリソースを受け取らない。従って、eNodeBは、UEに割り当てられていないデータチャネル領域307において新たなLTEバージョンのUEに対してEPDCCHを伝送し得る。例えば、新たなLTEバージョンのUEに対する制御チャネルであるEPDCCHが、PDSCHで多重化される構造を有する。
【0011】
図5は、物理リソースブロック(PRB)対の図である。eNBは、UEへの伝送のために1、2、4、又は8個のPRB対を構成し得る。しかし、各PRB対はレプリカであり、説明の目的のため一つのPRB対のみが示されている。サブフレームの図の各コラムは、OFDM記号における12個のサブキャリア又はトーンに対応する。14個のOFDM記号が、ノーマルサイクリックプレフィックス(CP)を備えたサブフレームにある。サブフレームの左側の3個のOFDM記号は、レガシー物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及びレガシーセル固有基準信号(CRS)の伝送のためのリソース要素(RE)を含む。これらの3個のOFDM記号は、以前のワイヤレス規格との下位互換性のために提供される。右の11個のOFDM記号は、拡張された物理ダウンリンク制御チャネル(EPDCCH)、復調基準信号(DMRS)、セル固有基準信号(CRS)及びオーファン(orphan)の伝送のためのリソース要素(RE)、又は未使用REを含む。UEは、EPDCCH伝送に対して構成されるPRB対におけるDMRS伝送のために24個のREがリザーブされると仮定するので、オーファンREが存在し得る。
【0012】
前述のアプローチは、ワイヤレス通信のための干渉測定及びチャネル状態情報レポーティングにおける安定した改善を提供するが、改善が可能である。
【発明の概要】
【0013】
記載される例において、時分割複信(TDD)ワイヤレス通信システムを動作させるため、遠隔トランシーバを用いて通信が確立される。静的及びフレキシブルサブフレームを含むサブフレーム構成が、判定され、遠隔トランシーバに送信される。サブフレーム構成に応答して遠隔トランシーバからチャネル状態情報(CSI)レポートが受信される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【0015】
【
図2】従来のLTE TDDアップリンク/ダウンリンク構成の表である。
【0016】
【
図3】従来のLTEダウンリンクサブフレームの図である。
【0017】
【
図4】従来のLTEスペシャルサブフレームの図である。
【0018】
【
図5】例示の実施例に従った物理リソースブロック(PRB)対の図である。
【0019】
【
図6】例示の実施例に従ったユーザー機器及び基地局のオペレーションを示すブロック図である。
【0020】
【
図7】例示の実施例に従ったLTE TDD固定及びフレキシブルサブフレーム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
マクロセル配備の従来の同種TDDネットワークにおいて、UL及びDLトラフィックパターンは、実質的に静的又は準静的であり得る。従って、同じTDD UL/DL構成が、少なくとも数百ミリ秒(ms)又は数百秒の範囲の時間インタバルの間用いられ得る。しかし、小さなセル配備の異種ネットワーク(het-net)では、UL及びDLトラフィックパターンは、事実上一層動的であり得る。また、近隣の小さなセルの近接が、セル間干渉に一層の変動(dynamism)をもたらし得、これはシステム性能及び/又は容量に影響し得る。従って、het-netにおける動的トラフィック及び干渉パターンに応答したTDD UL/DL構成の一層高速の適合(adaption)によって、ワイヤレスシステム性能が著しく改善され得る。TDD拡張された干渉緩和及びトラフィック適合(eIMTA)は、PDCCH又はEPDCCH上の再構成コマンドを動的にシグナリングすることによりTDD UL/DL構成の高速適合を導入する、LTE Release 12の特徴である。適合のレートは、10msのLTE無線フレーム程度に速くし得る。しかし、TDD UL/DL構成の動的再構成が、LTE Release 8~11などの以前のLTEリリースのUEに適用可能でない可能性がある。従って、第1のUEが、TDD UL/DL構成における変化に対してダウンリンク制御チャネルを監視するように構成され得る一方で、以前のリリースの第2のUEが、システム情報ブロックタイプ1(SIB1)においてシグナリングされた準静的構成されたTDD UL/DL構成に従う。同じセルラーオペレータの近隣セルが同じTDD UL/DL構成を用いる従来のLTE TDDシステムとは異なり、eIMTA特徴を利用する近隣セルは、同じ無線フレームにおいて異なるTDD UL/DL構成を構成し得る。この差は、UL-DL及びDL-UL両方においてセル間干渉となり得る。
【0022】
チャネル状態情報(CSI)は、ユーザー機器へのダウンリンクの又はユーザー機器からのアップリンクのデータ伝送をスケジュールするためeNBにおいて極めて重要である。従って、例示の実施例が、セルのTDD UL/DL構成の動的適合のためCSIを構成し、測定し、及びeNBにレポートする方法を含む。
【0023】
下記略称の幾つかが、本願明細書にわたって用いられる。
CCE(制御チャネル要素:Control Channel Element)
CQI(チャネル品質インジケータ:Channel Quality Indicator)
CRS(セル固有基準信号:Cell-specific Reference Signal)
CSI(チャネル状態情報:Channel State Information)
CSI-IM(チャネル状態情報干渉測定:Channel State Information Interference Measurement)
CSI-RS(チャネル状態情報基準信号:Channel State Information Reference Signal)
DCI(ダウンリンク制御情報:Downlink Control Information)
DL(ダウンリンク:DownLink)
DMRS(復調基準信号:Demodulation Reference Signal)
eICIC(拡張されたセル間干渉協調:Enhanced Inter-CellInterference Coordination)
eIMTA(拡張された干渉緩和及びトラフィック適合:Enhanced Interference Mitigation and Traffic Adaption)
eNB(E-UTRAN Node B又は基地局又はevolved Node B)
EPDCCH(拡張された物理ダウンリンク制御チャネル:Enhanced Physical Downlink Control Channel)
E-UTRAN(エボルブドユニバーサルテレストリアル無線アクセスネットワーク:Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)
feICIC(更に拡張されたセル間干渉協調:Further Enhanced Inter-Cell Interference Coordination)
HARQ(ハイブリッドオートマチックリピートリクエスト:Hybrid Automatic Repeat Request)
ICIC(セル間干渉協調:Inter-Cell Interference Coordination)
LTE(ロングタームエボリューション:Long Term Evolution)
MIMO(マイモ:Multi-Input Multi-Output)
PCFICH(物理制御フォーマットインジケータチャネル:Physical Control Format Indicator Channel)
PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル:Physical Downlink Control Channel)
PDSCH(物理ダウンリンク共用チャネル:Physical Downlink Shared Channel)
PMI(プリコーディングマトリックスインジケータ:Precoding Matrix Indicator)
PRB(物理リソースブロック:Physical Resource Block)
PUCCH(物理アップリンク制御チャネル:Physical Uplink Control Channel)
PUSCH(物理アップリンク共用チャネル:Physical Uplink Shared Channel)
RE(リソース要素:Resource Element)
RI(ランクインジケータ:Rnaki Indicator)
RRC(無線リソース制御:Radio Resource Control)
SIB1(システム情報ブロックタイプ1:System Information Block Type 1)
SNR(信号対雑音比:Signal to Noise Ratio)
SRS(サウンディング基準信号:Sounding Reference Signal)
TDD(時分割複信:Time Division Duplex)
UE(ユーザー機器:User Equipment)
UL(アップリンク:UpLink)
ZP-CSI-RS(ゼロパワーチャネル状態情報基準信号:Zero-PowerChannel State Information Reference Signal)
【0024】
ワイヤレスネットワークにおけるスケジューリングは、ダウンリンク制御情報をモバイル端子(LTEにおけるUE)に伝送する基地局(LTEにおけるeNB)によって達成される。セルラーワイヤレスネットワークにおいて、基地局は、同時に複数のモバイルユーザーへの伝送をスケジューリングする必要があり得、そのため、基地局はダウンリンク制御情報を異なるユーザーに同時に送信する必要がある。また、基地局は、共通制御情報及びUE固有制御情報など、異なるタイプの制御情報をUEに同時に伝送し得る。
【0025】
LTEにおいて、ダウンリンク制御情報ビットが、ダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットで搬送される。DCIが、チャネル符号化され、変調され、エアインタフェースを介して特定の物理伝送チャネルで伝送される。レガシーシステムでは、DCIフォーマットが、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)により伝送される。PDCCHがレガシーPDCCH領域において伝送される。異なるDCIフォーマットが、異なるスケジューリング目的のために用いられる。DCIは、セルにおける全てのユーザーに共通制御情報を、UEへのPDSCHデータ伝送をスケジュールするためにUE固有ダウンリンク制御情報を、又はUEからeNBへのアップリンクデータ伝送をスケジュールするためにUE固有ダウンリンク制御情報を、伝送するために用いられ得る。
【0026】
下記表1は、DCIフォーマットと対応するダウンリンク伝送モードとの間の関係である。DCIフォーマットは、UE固有であり、UEによって監視され、C-RTIによりスクランブルされる。
【0027】
LTE Release 11において、拡張された物理ダウンリンク制御チャネル(EPDCCH)と称される新たな物理チャネルが、セルにおいてダウンリンク制御情報を伝送するために定義される。
図3を参照すると、制御情報のための付加的な物理リソースとして、EPDCCHは、データ領域307において及びレガシーPDCCH制御領域306の外で物理リソースブロック(PRB)のサブセットで伝送される。eNBは、ダウンリンクにおいて複数のEPDCCHセットを構成し得る。各EPDCCHセットは、PRBのサブセットを含み、これらは、無線リソース制御(RRC)高次層信号により準静的構成される。各UEでは、構成されるEPDCCHセットは直交し得るか又は部分的に重なり得る。EPDCCHセットは、UE固有の方式で構成され、異なるユーザーに対して同一であり得又は異なり得る。
【0028】
図5は、第1の実施例に従った物理リソースブロック(PRB)対の図である。eNBは、UEへの伝送のため1、2、4、又は8個のPRB対を構成し得る。しかし、各PRB対はレプリカであり、説明の目的のため一つのPRB対のみが示されている。サブフレームの図の各コラムは、OFDM記号における12個のサブキャリア又はトーンに対応する。14個のOFDM記号が、ノーマルサイクリックプレフィックス(CP)を備えたサブフレームにある。サブフレームの左側の3個のOFDM記号は、レガシー物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及びレガシーセル固有基準信号(CRS)の伝送のためのリソース要素(RE)を含む。これらの3個のOFDM記号は、以前のワイヤレス規格との下位互換性のために提供される。右の11個のOFDM記号は、拡張された物理ダウンリンク制御チャネル(EPDCCH)、復調基準信号(DMRS)、セル固有基準信号(CRS)及びオーファンの伝送のためのリソース要素(RE)、又は未使用REを含む。UEは、EPDCCH伝送に対して構成されるPRB対におけるDMRS伝送のために24個のREがリザーブされると仮定するので、オーファンREが存在し得る。サブフレームも、拡張されたリソース要素グループ(eREG)に分割される。eREGは、それらが局地化された又は分配されたEPDCCH候補に属するかどうかに関係なく、拡張された制御チャネル要素(eCCE)を形成するために用いられる。
図3の例において、PRBの単一のロー又はトーンは一つのeREGを形成し得、そのため、12個のeREGは、EPDCCH伝送に対して構成されるPRB毎の各サブフレームセットにある。
【0029】
ダウンリンクデータの最適なスケジューリングを促進するため、UEが、チャネル状態情報を測定するように及びeNBにレポートするように構成され得る。eNBは、時間周波数CSI基準リソースを備えたUEを構成する。CSI基準リソースの周波数部分は、CSIレポートが有効なPRBのセットで構成される。時間成分とは、データ搬送ブロックの仮想伝送が多くとも10%のブロック誤り率パーセンテージでUEにより受け取られ得るサブフレームを指す。周期的及び/又は非周期的CSIレポートがUEに対して構成され得、周期的レポートはPUCCHで伝送され、非周期的レポートはPUSCHで伝送される。
【0030】
CSI測定は、UEにより見られるSNRの関数である。LTE伝送モード1~8において、UEが、伝送されたセル固有基準信号(CRS)からのCSIレポートのチャネル及び干渉成分を測定する。LTE伝送モード9及び10において、UEが、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)に基づいてチャネル部分を測定するように構成され得る。また、伝送モード10において動作するUEが、ゼロパワーCSI-RS構成に含まれる干渉測定リソースに基づいて干渉部分を測定するように構成され得る。
【0031】
例示の実施例において、レガシーLTE(Release 8~11)及びeIMTA対応UEの組み合わせが、同じセルにおけるeNBによりサービングされ得る。レガシーUEは、SIB1においてシグナリングされたUL/DLサブフレーム構成に従ってUL/DL/Specialサブフレームパターンを判定する。eIMTA対応UEが、UL/DLサブフレーム構成の動的再構成を含むDCIパケットを搬送するPDCCH又はEPDCCHに対して監視するように構成され得る。PDCCH又はEPDCCHにおける検出されたDCIにおいて受け取られる有効UL/DL構成は、7個のLTE UL/DL構成(
図2)の一つであるはずである。UEは、検出されたDCIにおいて受け取られるUL/DL構成に基づいて再構成時間期間内の全ての無線フレームに対してUL/DL/Specialサブフレームパターンを判定する。TDD拡張された干渉緩和(eIMTA)下で、DLサブフレームは静的(常にDL)又はフレキシブルであり得る。或るサブフレームが、全てのあり得るUL/DL構成にわたってUL又はDLいずれかの共通方向を有する。
図6の表は、サブフレーム610が静的DL方向を有し、サブフレーム614が固定UL方向を有し、サブフレーム612が固定Specialサブフレームを有することを示す。サブフレーム616は、それらがDL又はSpecialサブフレームのいずれかであるため、DLデータ伝送をスケジューリングするコンテキストにおいて比較的静的である。サブフレーム618は、それらが、シグナリングされたUL/DL構成に応じてDL又はULのいずれかであるため、フレキシブルサブフレームである。
【0032】
図7は、例示の実施例に従った、ユーザー機器(UE)700と基地局(eNB)720との間の通信の図を示す。UE700は、携帯電話、コンピュータ、又はその他のワイヤレスネットワークデバイスであり得る。UE700は、メモリ704及びトランシーバ710に結合されるプロセッサ706を含む。プロセッサ706は、信号処理及びチャネル測定及び演算を含む、UEの種々の動作タスクに適合される幾つかのプロセッサを含み得る。メモリは、プロセッサがユーザーにより指示されるように実行し得るアプリケーションソフトウェア、及びUEのための動作命令をストアする。プロセッサ706はまた、マイクロホン、スピーカー、ディスプレイ、及び関連するソフトウェアを含み得る、入力/出力(I/O)回路要素708に結合される。トランシーバ710は、eNB720とのワイヤレス通信に適した、レシーバ712及びトランスミッタ714を含む。トランシーバ710は典型的に、種々の通信チャネルを介してeNB720と通信する。例えば、トランシーバ710は、物理アップリンク制御チャネルPUCCH及び物理アップリンク共用チャネルPUSCHを介して、アップリンク情報をeNB720に送る。これに対応して、トランシーバ710は、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH及び物理ダウンリンク共用チャネルPDSCHを介して、eNB720からダウンリンク情報を受け取る。
【0033】
基地局720はプロセッサ726を含み、プロセッサ726は、バス736を介して、メモリ724、記号処理回路728、及びトランシーバ730に結合される。プロセッサ726及び記号処理回路728は、信号処理及びチャネル測定及び演算を含む種々の動作タスクに適合される幾つかのプロセッサを含み得る。メモリは、プロセッサが特定のユーザーに対して実行し得るアプリケーションソフトウェア、及びeNB720のための動作命令をストアする。トランシーバ730は、UE700とのワイヤレス通信に適した、レシーバ732及びトランスミッタ734を含む。トランシーバ730は典型的に、種々の通信チャネルを介してUE700と通信する。例えば、トランシーバ730は、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH及び物理ダウンリンク共用チャネルPDSCHを介して、UE700にダウンリンク情報を送る。これに対応して、トランシーバ730は、物理アップリンク制御チャネルPUCCH及び物理アップリンク共用チャネルPUSCHを介して、UE700からアップリンク情報を受け取る。
【0034】
通信がeNB720を用いて確立された後、トランシーバ710は、ダウンリンク(DL)サブフレームにおいてアップリンク(UL)グラントを受け取る。トランシーバ710は、後続のULサブフレームにおいてeNB720に伝送されるCSI測定レポートをつくるために、一つ又は複数のDLサブフレームにおいてCRS又はCSI-RSを用いる。静的及びフレキシブルDLサブフレームは、異なる干渉条件に遭遇する。フレキシブルサブフレームにおいて、セル間干渉は、近隣セルの現在のUL/DL構成に応じて、DL-UL及びUL-DL干渉で構成される。従って、DL又はULスループットを最大化するために、各それぞれのサブフレームセットタイプに対応するeNB720に個別のCSI干渉レポートを提供することが利点となる。eIMTAオペレーションに対して構成されるUEによるCSI構成及びレポートでは、DLサブフレームのセットは、CSIセット0及びCSIセット1として示される2つのCSI測定サブフレームセットに細分化され得る。一実施例において、CSIセット0は、
図6に示すような静的サブフレーム610で構成され得、CSIセット1は、
図6におけるフレキシブルサブフレーム618で構成され得る。eNBは無線フレームにおけるサブフレームの任意のサブセットをCSIセット0又は1に構成し得るので、CSIサブフレームセットの他の構成も排除されない。
【0035】
例示の実施例は、静的及びフレキシブル両方のDLサブフレームに対してeNB720に改善されたCSI干渉レポートを提供する。eIMTAオペレーションのためのCSI測定が、SIB1システム情報においてシグナリングされたUL/DL構成、又はPDCCH又はEPDCCHにおいて動的にシグナリングされたUL/DL構成のいずれかによって決められた通りに、DLサブフレームにおいて実施される。従って、一つの無線フレームにおけるDLサブフレームが、後続の無線フレームにおけるULサブフレームとなるように動的にシグナリングされる場合、UEは、後続の無線フレームのサブフレームにおいてCSI測定を実施しない可能性がある。これに対し、レガシーUEは、SIB1によりシグナリングされたUL/DL構成のDLサブフレームにおいてのみCRS及び/又はCSI-RSに基づいてCSIを測定する。従って、下位互換性をサポートするために、SIB1-シグナリングされたUL/DL構成のDLサブフレームは、ULサブフレームに動的に変えられない可能性がある。静的DLサブフレームのセットには、全ての有効LTE TDD UL/DL構成に共通のDLサブフレーム、及びSIB1-シグナリングされたUL/DL構成に従ったDLサブフレームが含まれる。この制約の利点は、PUSCH上の以前のUL伝送に応答したeIMTAオペレーションに対して構成されるUEに対するHARQ-ACKフィードバックのタイミングが、以前のLTEリリースに類似するSIB1-シグナリングされたUL/DL構成によって決められるUL HARQタイミングに従い得ることである。また、PUSCHでのULグラントスケジューリング伝送が、静的DLサブフレーム(CSIサブフレームセット0など)においてのみ伝送され得る。従って、レガシーCSIタイミングと整合性のあるフレキシブルDLサブフレームのためのCSIレポートをトリガーすることができない可能性がある。
【0036】
この問題に対して複数の解決策が可能である。第1の解決策では、UE700は、2つのCSI測定セットが構成されるときはいつでも静的及びフレキシブルDLサブフレーム両方に対してCSIレポートを提供し得る。これは、常に最大フィードバックオーバーヘッドを要求し、UE700に対する複雑性を著しく増大させるので、望ましくない可能性がある。第2の解決策では、レポートされるべきCSI測定セットを判定するためにDLサブフレーム位置が用いられ得る。例えば、ULグラントが伝送される各DLサブフレームが、2つのCSIサブフレーム測定セットの一つに関連付けられる。代替として、非周期的CSIがレポートされる各ULサブフレームが、2つのCSIサブフレーム測定セットの一つに関連付けられる。2つ目の解決策も、付加的なスケジューラ制約を課するので望ましくない可能性がある。第3の解決策では、どのCSIサブフレーム測定セットがレポートされるべきかを示すために、付加的な情報が各ULグラントのCSIリクエストフィールドに含まれ得る。eNB720は一度に一つのULグラントを備えた一つのCSIレポートのみトリガーし得るので、これもまた制約となり得る。
【0037】
第1の実施例に従って、無線リソース制御(RRC)層からの高次層シグナリングが、ULグラントに含まれる既存のCSIリクエストフィールドの各状態に対してレポートされるべきCSIサブフレーム測定セットを構成する。UEに伝送されるULグラントにおけるCSIリクエストフィールドは、UEが単一セルオペレーションに対して構成されるとき1ビットで、又はUEがキャリアアグリゲーションに対して又はCoMPオペレーションに対してのいずれかで構成されるとき2ビットで構成され得る。例示の一実施例において、eNBは、2ビットCSIフィールドを備えたULグラントを受信するようにRRCシグナリングによりUEを構成し得、ここで、「00」はCSI伝送がないことを示し、「01」はCSIサブフレームセット0に対する非周期的CSIリクエストを示し、「10」はCSIサブフレームセット1に対する非周期的CSIリクエストを示し、「11」はCSIサブフレームセット0及び1両方に対する非周期的CSIリクエストを示す。ULグラントにおけるCSIフィールドに対するCSIレポートの他のマッピング配置も排除されない。というのは、フレキシブルCSIレポート構成が、RRCシグナリングにより可能とされ得るためである。この実施例は、付加的なUE複雑性、スケジューラ制約、及びCSIレポート制約を有利に回避する。この実施例の重要性は、CSI基準リソースはもはや非周期的CSIリクエストを示すULグラントを搬送するサブフレームに結びつけられていないという点である。レガシーLTEシステムにおいて、非周期的CSIリクエストを含むULグラントを搬送するDLサブフレームは、典型的に、CSI基準リソースであり、関連するUL伝送前に、UE処理時間を含む少なくとも4msインタバルを備える。本実施例に従って、一つのCSIレポートが1サブフレームセットに対してトリガーされる場合、時間ドメインにおいて対応するCSI基準リソースは、ULグラントを搬送するサブフレームの前でありULグラントを搬送するサブフレームまでの直近の有効DLサブフレームであり、非周期的CSIレポートがトリガーされるサブフレームセットにある。2つのCSIレポートが、同じULグラントにおける非周期的CSIリクエストにより2つのサブフレームセットに対してトリガーされる場合、時間ドメインにおける各非周期的CSIレポートのための関連するCSI基準リソースは、ULグラントを搬送するサブフレームの前であり及びULグラントを搬送するサブフレームまでの直近の有効DLサブフレームであり、非周期的CSIレポートがトリガーされるサブフレームセットにある。例えば、一つのULサブフレームにおいて伝送される2つの非周期的CSIレポートのCSI基準リソースは、2つの異なるDLサブフレーム及び2つの異なるサブフレームセットタイプ(静的及びフレキシブル)に対応し得る。例えば、一つのDLサブフレームが、SIB1シグナリングされたTDD UL/DL構成によって決められるDLサブフレームのセットに属し得、他のDLサブフレームが、PDCCH又はEPDCCHにおいて動的にシグナリングされたTDD UL/DL構成のDLサブフレームのセットに属し得る。
【0038】
レガシーLTEシステムにおいて、CSIプロセスが、チャネル測定のための一つのCSI-RSリソース、及び干渉測定のための一つのチャンネル状態情報干渉測定(CSI-IM)リソースに関連付けられる。第2の実施例に従って、eIMTAに対するCSIプロセスが、一つのCSI-RSリソース及び2つのCSI-IMリソースに関連付けられる。この実施例の一例において、各CSI-IMリソースは、それぞれ、静的(CSIサブフレームセット0)及びフレキシブルDLサブフレーム(CSIサブフレームセット1)において見られる干渉を測定するように構成され得る。各CSI-IMリソースのレポート周期性及びサブフレームオフセットは、各サブフレームセットの時間ドメインパターンに合致するようにRRCシグナリングにより構成されることが好ましい。従って、CSI-IM 0が、CSIサブフレームセット0の干渉測定のために用いられ、CSI-IM 1が、CSIサブフレームセット1の干渉測定のために用いられる。UEが複数のCSIプロセスを備えて構成され得る伝送モードでは、別の実施例がCSIプロセス毎に静的及びフレキシブル両方のサブフレームに対する干渉測定値をサポートする。この場合、それに従って、UEにおけるCSI処理タイムバジェットが増大される必要がある。CSI基準リソースは更に、nCQI,ref≧nthresholdにより得られる充分なCSI処理時間を保証する閾値を満足させ得、ここで、nthreshold≧4msである。この処理閾値は、SIB1シグナリングされた又は動的にシグナリングされたTDD UL/DL構成、及び/又は構成されるCSIプロセス数の関数であり得る。
【0039】
レガシーLTEシステムにおいて、一つのCSIプロセスが、チャネル測定のため一つのノンゼロパワーCSI-RSリソースに、及び対応する干渉測定のため一つのCSI-IMリソースに関連付けられる。また、CSI-IMリソースの周波数ドメイン成分は、ゼロ-パワーCSI-RS構成により特定されるリソース要素のサブセットであるリソース要素で構成される。一実施例において、UE機器は、サブフレームセット内に含まれるCSI-IMリソースのリソース要素を用いて干渉測定を実施する。eIMTAオペレーションにおける2つのCSIサブフレームセットをサポートするため、異なる代替例が考えられ得る。一つの代替例において、CSI基準リソースに属するサブフレームセット内の構成されたCSI-IMリソースは、干渉測定を引き出すために用いられる。異なる実施例において、CSI-RSプロセスが、一つのCSI-RSリソース、及びCSIサブフレームセット0及び1にそれぞれ関連付けられる2つのCSI-IMリソースで構成される。これらのCSI-IMリソースの各々の周期性及びサブフレームオフセットは、各CSIサブフレームセットのパターンに合致するようにRRCシグナリングにより個別に構成され得る。従って、CSIサブフレームセット0のためのCSI測定がCSI-IM 0を用い、サブフレームセット1のためのCSI測定がCSI-IM 1を用いる。一つのCSI-IMが、対応するサブフレームセットに充分に含まれない(例えば、CSI-IM 0が、CSIサブフレームセット1の幾つかのサブフレームにおいて生じる)場合、サブフレームセット0(又は1)のためのCSI測定が、CSIサブフレームセット0(又はセット1)においてのみCSI-IM 0(又はCSI IM 1)を用い得る。
【0040】
PUCCHでの周期的CSIフィードバックでは、PUCCHは、小さなペイロードを備えた狭帯域チャネルである。レガシーLTEシステムにおいて、一つのみのCSIレポートがサブフレームにおいてPUCCHで伝送され得る。UEがeIMTAオペレーションに対して構成される場合、やはり、2つのCSIサブフレームセットの周期的CSIレポートをサポートすることが望ましい。各CSIサブフレームセットのためのCSIレポート周期性及びサブフレームオフセットは、RRCシグナリングにより独立的に構成される。伝送モード1~9では、サブフレームnにおけるPUCCH伝送に関連付けられるCSI基準リソースは、nCQI,refが、nthreshold=4より大きい最小値であり、それが有効DLサブフレームであり、リクエストされた周期的CSIレポートに対応するCSIサブフレームセットにある、という条件を満たすように、サブフレームn-nCQI,refである。伝送モード10では、サブフレームnにおけるPUCCH伝送に関連付けられるCSI基準リソースは、nCQI,refが、nthreshold=4より大きいか又はそれに等しい最小値であり、それが有効DLサブフレームであり、リクエストされた周期的CSIレポートに対応するCSIサブフレームセットにある、という条件を満たすように、サブフレームn-nCQI,refである。また、閾値nthresholdの正確な値は、UEに対して構成されるCSIプロセスの数の関数である。
【0041】
eIMTAオペレーションにおける周期的CSIレポートの独立構成に起因して、同じULサブフレームにおいて衝突が起こり得、この場合、UEが、PUCCH上の両方のCSIサブフレームセットに対してCSI測定値をレポートするように構成される。一つのみのレポートがサブフレームにおいて伝送され得るので、衝突処理メカニズムが望ましい。例示の実施例が、異なるサブフレームセットに対して異なる優先度をシグナリングするRRCを介して構成する。異なるサブフレームセットのCSIレポートが同じULサブフレームにおいて衝突するとき、一層高い優先度のサブフレームセットのCSIがレポートされる一方、一層低い優先度のCSIサブフレームのセットは伝送されない。レガシーLTE TDDシステムにおいて、優先度ルールは、CSIタイプ(ランク対CQI/PMI情報)に基づき得、UEが、キャリアアグリゲーションに対して又は複数のCSIプロセスを備えてそれぞれ構成されるときインデックス又はCSIプロセスインデックスをサービングする。
【0042】
幾つかの優先度ルールが例示の実施例において説明されている。第1の代替例において、CSIレポートは、CSIサブフレームセットの準静的構成される優先順位付けに従って優先順位が決定される。例えば、CSIサブフレームセット0が静的DLサブフレームのみを含む場合、これには、フレキシブルサブフレームを含むCSIサブフレームセット1に比較して高い優先度を与えられ得る。続いて、衝突に対するタイブレークルールは、第2にCSIタイプに、第3にサービングセルインデックスに、そして最終的にCSIプロセスインデックスに従い得る。
【0043】
4つのカテゴリー、即ち、CSIサブフレームセット、CSIタイプ、サービングセルインデックス、及びCSIプロセスインデックスの間の、この優先順位付け/タイブレークルールの他の取り合わせも排除されない。例えば、空間多重化伝送に優先順位をつけることは、CSIタイプに従って最高優先度をアサインするために利点となり得る。従って、下記の優先順位付けルールが構成され得、ここで、各ルールにおけるカテゴリーは、優先度の降順レベルに従う。
1.CSIサブフレームセット優先度-CSIタイプ-サービングセルインデックス-CSIプロセスインデックス
2.CSIタイプ-CSIサブフレームセット優先度-サービングセルインデックス-CSIプロセスインデックス
3.CSIタイプ-サービングセルインデックス-CSIサブフレームセット優先度-CSIプロセスインデックス
4.CSIタイプ-CSIプロセスインデックス-サービングセルインデックス-CSIサブフレームセット優先度
【0044】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、多くの他の実施例が可能である。