(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 7/02 20060101AFI20230125BHJP
H05B 6/64 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
F24C7/02 541M
H05B6/64 B
(21)【出願番号】P 2020126469
(22)【出願日】2020-07-27
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大都 紀之
(72)【発明者】
【氏名】平岩 成一
(72)【発明者】
【氏名】菅野 裕希
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-168534(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0402500(KR,B1)
【文献】特表2018-506688(JP,A)
【文献】実開昭61-7892(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第109041315(CN,A)
【文献】特開2016-223671(JP,A)
【文献】特開2010-181103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
H05B 6/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収容する加熱室と、マグネトロンと制御基板と冷却ファンユニットを収容する機械室と、前記加熱室と前記機械室を覆うキャビネットと、を備えた加熱調理器であって、
前記冷却ファンユニットは、
外殻を構成するケーシングと、
該ケーシングのファン収容部に収容した冷却ファンと、
前記ケーシングに固定したファンモータと、
前記ファン収容部の吸込側に設けた吸気空間と、
該吸気空間と連通する第1吸気口および第2吸気口と、
前記マグネトロンと前記制御基板を冷却する冷却経路と、を有し、
前記キャビネットは、
機体内部を経由した外気を前記吸気空間に導入できるように、前記第1吸気口から離して配置した第1外気導入口と、
機体外部からの外気を前記吸気空間に直接導入できるように、前記第2吸気口と対向して配置した第2外気導入口と、
を有することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
前記第1外気導入口と前記第1吸気口の間には、前記マグネトロンと前記制御基板以外の冷却対象部品が配置されることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
請求項2に記載の加熱調理器において、
前記冷却対象部品は、
前記加熱室の下方に配置されたアンテナを回転させるアンテナモータ、または、
前記加熱室の底面に設置されたテーブルの重量を検知する重量センサであることを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
請求項3に記載の加熱調理器において、
前記第1外気導入口は、前記アンテナモータまたは前記重量センサに近接して配置されることを特徴とする加熱調理器。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の加熱調理器において、
前記第1吸気口の吸気量は、前記第2吸気口の吸気量よりも少ないことを特徴とする加熱調理器。
【請求項6】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の加熱調理器において、
前記第1吸気口の大きさは、前記第2吸気口の大きさよりも小さいことを特徴とする加熱調理器。
【請求項7】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の加熱調理器において、
前記冷却ファンは、
前記冷却ファンと連結した回転軸と、
該回転軸が固定された主板と、
中央部に吸込口を備えた側板と、
前記主板と前記側板に挟まれる複数の羽根と、を備えたターボファンであることを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却ファンユニットを備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子レンジ等の加熱調理器には、インバータやマグネトロン等を冷却するために、冷却ファンユニットを備えたものがある。例えば、特許文献1には、樹脂材料で成型されたケーシングと、その内部に設置したターボファン(冷却ファン)と、このターボファンを回転させるモータと、から構成された冷却ファンユニットが開示されている。同文献の
図9等に開示されるように、このモータの外径は、ターボファンの羽根の外径より小さい寸法となっており、ターボファンの内側にモータが収容されている。このため、ターボファンが、インバータやマグネトロンに送風してこれらを冷却する際には、ターボファンの内側に収容されたモータも自冷却される構造となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の冷却ファンユニットを用いれば、同文献の
図11等に示されるように、多領域の部品を一つの冷却ファンで冷却することができたが、風を多領域に誘導するため、多方面に長い流路を設ける必要があり、冷却ファンユニットの設置に大きなスペースが必要であった。また、冷却ファンの吐出風が多方向に分散されるため、各方向への風量が低下し、各部品の冷却効率が低下しまうという課題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、狭いスペースにも設置でき、かつ、多領域の部品を効率よく冷却できる冷却ファンユニットを備えた加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の加熱調理器は、被加熱物を収容する加熱室と、マグネトロンと制御基板と冷却ファンユニットを収容する機械室と、前記加熱室と前記機械室を覆うキャビネットと、を備えた加熱調理器であって、前記冷却ファンユニットは、外殻を構成するケーシングと、該ケーシングのファン収容部に収容した冷却ファンと、前記ケーシングに固定したファンモータと、前記ファン収容部の吸込側に設けた吸気空間と、該吸気空間と連通する第1吸気口および第2吸気口と、前記マグネトロンと前記制御基板を冷却する冷却経路と、を有し、前記キャビネットは、機体内部を経由した外気を前記吸気空間に導入できるように、前記第1吸気口から離して配置した第1外気導入口と、機体外部からの外気を前記吸気空間に直接導入できるように、前記第2吸気口と対向して配置した第2外気導入口と、を有するものとした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、狭いスペースにも設置でき、かつ、多領域の部品を効率よく冷却できる冷却ファンユニットを備えた加熱調理器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】風の流れの概略を示した加熱調理器の底面斜視図
【
図3】冷却ファンユニットを第1ケーシング側から見た外観斜視図
【
図4】冷却ファンユニットを第2ケーシング側から見た外観斜視図
【
図5】ファンモータを取外した状態の第1ケーシングの外観斜視図
【
図6】冷却ファンユニットを第1ケーシング側から見た正面図
【
図8】側板を外した冷却ファンを側板側から見た正面図
【
図9】風の流れの概略を示した加熱調理器の背面斜視図
【
図10】風の流れの概略を示した加熱調理器の正面断面図
【
図11】風の流れの概略を示した加熱調理器の側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。なお、同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。また、本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
【0010】
図1は、本発明の一実施例に係る加熱調理器1の側面断面図である。ここに例示する加熱調理器1は、加熱室2の底面に着脱自在な略四角形のテーブル21を配置したターンテーブルレスオーブンレンジである。なお、加熱調理器1に相対したユーザの視線を基準として、各図に示すように前後・上下・左右を定義する。
【0011】
図1に示すように、加熱調理器1の加熱室2の前面には、食品(被加熱物)やテーブル21を出し入れする際に開閉するドア22が設けられる。また、加熱室2の上方、後方、側方、下方には、内面に断熱材31を設けたキャビネット3が配置される。
【0012】
加熱室2の底面の略中心の下方には、アンテナ23、導波管23a、アンテナモータ24が設けられ、また、加熱室2の底面の外周側下方には、テーブル21を支持する1つないし複数の重量センサ25が配置されている。アンテナ23は、加熱室2の底面近傍に設けられた凹部に収容されており、この凹部を塞ぐように保護板26が配置されている。加熱室2の底面は保護板26で覆われるので、加熱室2の底面にテーブル21がない状態でもアンテナ23を目視できない構成となっている。重量センサ25は、テーブル21とその上の食品の合計重量を正確に検知するため、テーブル21の外周側に設けられている。
【0013】
加熱室2の上側の略全面には、平面状のグリルヒータ27が設けられており、加熱室2の下側には、棒状の下ヒータ28が設けられている。また、加熱室2の両側面には、グリルヒータ27や下ヒータ28を用いて調理を行う際にテーブル21を載置する保持棚29が設けられている。
【0014】
図2は、キャビネット3の右面を省略した状態の加熱調理器1底面斜視図である。加熱調理器1の前面右側には、利用者が加熱調理を設定するための操作パネル(図示せず)が設けられており、この操作パネルの後方となる加熱室2の右側に機械室4が配置されている。機械室4には、被加熱物をマイクロ波加熱するために必要な部品、例えば、マグネトロン41、電源42、制御基板43、および、それらを冷却するための冷却ファン11等が収容されている。
【0015】
また、
図2に示すように、加熱調理器1の底面には複数の外気導入口32が開口しており、加熱調理器1の背面には外気導入口33が開口している。そして、冷却ファン11を駆動させると、外気導入口32からは風F
1が吸引され、外気導入口33からは風F
2が吸引される。なお、
図2では、加熱室2の右側に機械室4を配置した構成を例示しているが、加熱室2の下方に機械室4を配置する構成としてもよい。
【0016】
次に、加熱調理器1の加熱調理時の動作について説明する。
【0017】
<マイクロ波による加熱調理>
マイクロ波によって食品を加熱調理する場合には、利用者は、加熱調理器1のドア22を開け、加熱室2の底面に配置したテーブル21に食品を載置し、ドア22を閉めた後、操作パネルを操作してマイクロ波加熱調理を開始する。
【0018】
加熱が開始されると、マグネトロン41からマイクロ波エネルギーが放射され、導波管23aを介して加熱室2にマイクロ波エネルギーが供給される。マグネトロン41の発振とともに、アンテナモータ24が回転をはじめ、保護板26下方のアンテナ23が回転する。アンテナ23の回転によって、加熱室2のマイクロ波が拡散され、食品を均一に加熱させる。マイクロ波エネルギーの放射中は、機械室4内に配置した冷却ファン11を駆動して、マグネトロン41の温度上昇を抑制する。
【0019】
<オーブンによる加熱調理>
食品をオーブン調理する場合には、利用者は、加熱調理器1のドア22を開け、食品を載せたテーブル21を上下何れかまたは両方の保持棚29に載置し、ドア22を閉めた後、操作パネルを操作してオーブン調理を開始する。
【0020】
オーブン調理が開始されると、上方のグリルヒータ27と下方の下ヒータ28に通電され、加熱室2の上下から食品に熱が与えられる。オーブン調理時には、加熱室2の壁面が高温となるので、機械室4内に配置した冷却ファン11を駆動して、加熱室2からの熱漏洩による機械室4の温度上昇を抑制する。
【0021】
<冷却ファンユニット10>
本実施例の加熱調理器1は、上述したように、機械室4の内部を冷却する冷却ファン11を備えている。この冷却ファン11は、多領域の部品を効率よく冷却できるように、冷却ファンユニット10に組み込まれている。以下、本実施例の冷却ファンユニット10の詳細について、
図3乃至
図8を用いて説明する。なお、
図3は冷却ファンユニット10を第1ケーシング側から見た外観斜視図、
図4は冷却ファンユニット10を第2ケーシング側から見た外観斜視図、
図5はファンモータを取外した状態の第1ケーシングの外観斜視図、
図6は冷却ファンユニット10を第1ケーシング側から見た正面図、
図7は
図6のX-X線における断面図、
図8は側板を外した冷却ファン11を側板側から見た正面図である。
【0022】
本実施例の冷却ファンユニット10は、樹脂材料のケーシングにより外殻を構成している。このケーシングは、凹面(裏面)同士を対向配置した第1ケーシング13と第2ケーシング14から構成され、内部に空間を形成している。そして、
図3に示すように、冷却ファンユニット10には、マグネトロン41に向けた吹出口O
1と、機械室4に向けた吹出口O
2が開口している。
【0023】
第1ケーシング13の凹面(裏面)には、
図7に示すように、冷却ファン11を収容するファン収容部13aと、制御基板43を収容する基板収容部13bが設けられている。また、第1ケーシング13の表面の下方には、下保持部13cと上保持部13dが設けられており、両保持部によって、冷却ファン11を回転駆動するファンモータ12が第1ケーシング13に固定されている。
【0024】
ファンモータ12は、
図3、
図7に示すように、冷却ファン11の中心に連結される回転軸12aと、回転軸12aと一体に回転する回転子12bと、回転子12bの外周に配置した固定子12cと、固定子12cに巻き付けた巻線12dと、巻線12dに電力を供給するための端子12eと、端子12eを保持すると共に、上保持部13dの前方垂直部に固定した端子台12fを備えている。なお、巻線12dの上方では固定子12cと上保持部13dの間にダクトD
1が形成されており、巻線12dの下方では回転子12bと固定子12cの間にダクトD
2が形成されている。
【0025】
ファンモータ12を取外した状態の
図5に示すように、第1ケーシング13の表面下部には、ファンモータ12の回転軸12aを挿入するための回転軸用開口13eと、ファン収容部13aと連通する吸気口I
3を備えている。また、
図7に示すように、巻線12dの上下に形成されたダクトD
1、D
2は、吸気口I
3を介してファン収容部13aと連通しているため、冷却ファン11の駆動時には、各ダクトを通過する風によりファンモータ12が冷却され、ファンモータ12の長寿命化を図ることができる。
【0026】
一方、
図4に示すように、第2ケーシング14の表面には、冷却ファン11の軸方向に形成された吸気口I
1と、冷却ファン11の径方向に形成された吸気口I
2と、が設けられている。そして、第2ケーシング14の凹面(裏面)には、
図7に示すように、吸気口I
1,I
2と連通し、ファン収容部13aと対向する吸気空間14aと、制御基板43を載置する基板載置部14bが設けられている。基板載置部14bと対向する第1ケーシング13の基板収容部13bは、ファン収容部13aと連通しているため、ファン収容部13aから基板収容部13bに流れる風F
4によって、基板載置部14bに載置した制御基板43が冷却される。
【0027】
次に、
図7、
図8を用いて、冷却ファン11の構成について詳細に説明する。本実施例では、冷却ファン11として回転方向に対して後退する羽根を持つターボファンを用いている。この冷却ファン11は、回転軸12aが固定され(
図7参照)、中央部に複数の主板開口部を形成した(
図8参照)主板11aと、回転方向に対して後退するように主板11a上に配置された複数の羽根11bと、主板11aと共に複数の羽根11bを挟むように配置され、中央部に吸込口を備えた側板11cを備えている。そして、主板11a、側板11c、及び、複数の羽根11bによって、
図8に示す通風路11dが形成されている。主板11aは、
図7に示すように、側板11cの吸込口に向かって突出するよう湾曲して形成されている。この構成により通風路11d内を流れる流体を滑らかに流すことができる。なお、冷却ファン11はターボファンでなくても良く、例えば、シロッコファンであっても良い。
【0028】
上記構成において、ファンモータ12が回転駆動し、冷却ファン11が回転すると、
図7に示すように、吸気口I
1と吸気口I
2から吸気空間14a内に空気が吸引された後、吸引された空気が冷却ファン11の中心の吸込口に吸引される。また、吸気口I
3からも主板開口部を経て空気が冷却ファン11に吸引される。
【0029】
冷却ファン11に吸引された空気は、通風路11dを放射状に流れ、冷却ファン11の外周から吐出される。冷却ファン11から吐出された空気の一部は、吹出口O1から吐出され、風F3となってマグネトロン41を冷却する。また、冷却ファン11から吐出された空気の一部は、風F4となって上方の基板収容部13bに流れ、制御基板43を冷却した後、吹出口O2から機械室4に吐出される。
【0030】
<冷却ファンユニット10の外部での風の流れ>
上記した冷却ファンユニット10を利用することで、主要な冷却対象部品であるマグネトロン41や制御基板43を、冷却ファン11が吐出した風F3、F4で冷却することができるが、風F3、F4の冷却経路から外れた部品には、格別の冷却経路が形成されていない。このため、例えばオーブン調理時の加熱室2からの熱漏洩により温度が上昇した場合には、風F3、F4の冷却経路から外れた部品の温度規格値を超えてしまう虞がある。この課題を解決するための構成について以下説明する。
【0031】
図2、9~11は、それぞれ、本実施例の加熱調理器1における、風の流れの概略を示した、底面斜視図、背面斜視図、正面断面図、側面断面図である。なお、各図では、風の流れを説明するうえで障害となる構成は図示を省略している。
【0032】
上記したように、本実施例の加熱調理器1では、冷却ファン11を駆動させると、底面の外気導入口32から外気(風F
1)が吸引され、背面の外気導入口33から外気(風F
2)が吸引される。そして、
図2、
図9から明らかなように、本実施例では、吸気口I
1と底面の外気導入口32を離して設置しているのに対し、吸気口I
2と背面の外気導入口33を対向して設置している。従って、
図10に示すように、冷却ファンユニット10の吸気口I
1には、機体内部を経由した風F
1が吸引される一方、
図11に示すように、吸気口I
2には、機体外部から風F
2が直接吸引される。機体内部を経由した風F
1は、加熱室2からの熱漏洩等により温度が上昇するため、マグネトロン41や制御基板43を冷却するための空気としては、機体外部から直接吸引した風F
2に劣後するが、次のような利点を持つ。
【0033】
第一に、底面の外気導入口32と吸気口I1の間に配置された、アンテナモータ24や重量センサ25を、底面の外気導入口32から吸気した風F1により冷却することができる。従って、アンテナモータ24や重量センサ25をなるべく低温の風で冷却できるよう、外気導入口32をアンテナモータ24や重量センサ25に近接して設けることが望ましい。
【0034】
第二に、冷却ファンユニット10が吐出した風で、加熱室2の下方のアンテナモータ24や重量センサ25をも冷却する構成にすると、主要な冷却対象部品であるマグネトロン41や制御基板43に向かう風F3、F4が減少するが、冷却ファンユニット10が吸気する風F1でアンテナモータ24や重量センサ25を冷却すれば、風F3、F4の減少を回避することができる。
【0035】
なお、吸気口I1の吸気量が吸気口I2の吸気量より少なくなるように、吸気口I1の大きさを吸気口I2より小さく設計することが望ましい。これは、吸気口I1の吸気は吸気口I2の吸気より相対的に高温であるため、より低温の吸気口I2の吸気の割合を高めることで、マグネトロン41や制御基板43を冷却する風F3、F4の温度を所定以下に抑制できるからである。
【0036】
以上で説明した本実施例の加熱調理器によれば、狭いスペースに設置できる冷却ファンユニットによって、多領域の部品を効率よく冷却することができる。
【0037】
なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。
【符号の説明】
【0038】
1 加熱調理器、
10 冷却ファンユニット、
11 冷却ファン、
11a 主板、
11b 羽根、
11c 側板、
11d 通風路、
12 ファンモータ、
12a 回転軸、
12b 回転子、
12c 固定子、
12d 巻線、
12e 端子、
12f 端子台、
13 第1ケーシング、
13a ファン収容部、
13b 基板収容部、
13c 下保持部、
13d 上保持部、
13e 回転軸用開口、
14 第2ケーシング、
14a 吸気空間、
14b 基板載置部、
2 加熱室、
21 テーブル、
22 ドア、
23 アンテナ、
23a 導波管、
24 アンテナモータ、
25 重量センサ、
26 保護板、
27 グリルヒータ、
28 下ヒータ、
29 保持棚、
3 キャビネット、
31 断熱材、
32、33 外気導入口、
4 機械室、
41 マグネトロン、
42 電源、
43 制御基板、
I1、I2、I3 吸気口、
D1、D2 ダクト、
O1、O2 吹出口、
F1、F2、F3、F4 風