(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】液体冷却用のクイックコネクタバルブ
(51)【国際特許分類】
F16L 37/373 20060101AFI20230125BHJP
G06F 1/20 20060101ALN20230125BHJP
【FI】
F16L37/373
G06F1/20 A
G06F1/20 C
(21)【出願番号】P 2021112801
(22)【出願日】2021-07-07
【審査請求日】2021-07-07
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Quanta Computer Inc.
【住所又は居所原語表記】No.188,Wenhua 2nd Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】陳 朝榮
(72)【発明者】
【氏名】黄 玉年
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05090448(US,A)
【文献】特開平02-154889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/28-39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を選択的に流動させるクイックコネクタであって、
前記クイックコネクタは、
第1流路を画定する第1本体部分と、
第2流路を画定する第2本体部分であって、前記第1流路が前記第2流路と位置合わせされて、前記クイックコネクタを通って延在する流路を形成するように前記第1本体部分に結合される第2本体部分と、
前記クイックコネクタを通って延在する前記流路内に配置された少なくとも1つのボールバルブと、を備え、
前記第1本体部分及び前記第2本体部分の相対的な移動によって、前記少なくとも1つのボール弁を流動位置と密封位置との間で移動させ、前記流動位置において、前記少なくとも1つのボールバルブは、流体が前記第1流路及び前記第2流路を流れるのを可能にし、前記密封位置において、前記少なくとも1つのボールバルブは、流体が前記第1流路及び前記第2流路を流れるのを抑制
し、
前記第1本体部分は、前記第2本体部分に向かって延在するアームを有し、前記アームは、前記第2本体部分が前記第1本体部分に結合された場合に、前記第2本体部分に画定されたガイドスロット内にスライドするように構成されたガイドレールを有することを特徴とするクイックコネクタ。
【請求項2】
前記第1本体部分の表面、前記第2本体部分の表面、又は、前記第1本体部分の前記表面及び前記第2本体部分の前記表面に形成された第1ギアと、
ギアシャフトを介して前記少なくとも1つのボールバルブに結合された第2ギアであって、前記第1ギアと噛合する第2ギアと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のクイックコネクタ。
【請求項3】
前記第1本体部分及び前記第2本体部分の相対的な移動によって前記第1ギアを駆動させ、前記第1ギアの駆動によって、前記第2ギアが、前記ボールバルブを前記流動位置と前記密封位置との間で移動させることを特徴とする請求項2に記載のクイックコネクタ。
【請求項4】
前記第1ギアはラックギアであり、前記第2ギアはピニオンギアであることを特徴とする請求項3に記載のクイックコネクタ。
【請求項5】
前記第2本体部分に対する前記第1本体部分の線形移動によって前記第1ギアを線形駆動させ、前記第1ギアの線形駆動によって、前記第2ギアを回転させ、前記ボールバルブを前記流動位置と前記密封位置との間で回転させることを特徴とする請求項4に記載のクイックコネクタ。
【請求項6】
前記第2ギア及び前記ボールバルブは、前記第1流路及び前記第2流路によって形成される前記流路に対して略垂直な軸で回転することを特徴とする請求項5に記載のクイックコネクタ。
【請求項7】
前記ラックギアは、前記第1本体部分の表面に形成されており、前記ピニオンギアは、前記第2本体部分に結合されており、前記第1本体部分が前記第2本体部分に結合された場合に、前記ラックギアは前記ピニオンギアと噛合することを特徴とする請求項4に記載のクイックコネクタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのボールバルブの第1の側に配置された第1密封部材と、前記少なくとも1つのボールバルブの第2の側に配置された第2密封部材と、をさらに備え、前記第1密封部材及び前記第2密封部材は、流体が前記少なくとも1つのボールバルブをバイパスするのを抑制するのに役立つことを特徴とする請求項1に記載のクイックコネクタ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのボールバルブは、前記第1流路内に配置された第1ボールバルブと、前記第2流路内に配置された第2ボールバルブと、を有し、前記第1本体部分及び前記第2本体部分の相対的な移動によって、前記第1ボールバルブ及び前記第2ボールバルブの両方を前記流動位置と前記密封位置との間で移動させることを特徴とする請求項1に記載のクイックコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体冷却アプリケーションのコンポーネントを結合するためのシステム及びデバイスに関する。具体的には、2つのコンポーネントがクイックコネクタによって接続されている場合に、流体が流れるのを可能にし、2つのコンポーネントがクイックコネクタによって接続されていない場合に、流体が流れるのを抑制するクイックコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ等の多くのコンピュータデバイスは、動作中に、大量の熱を発生する。例えば、空気をデバイスのハウジングに送る等して、この熱を除去し、コンピュータデバイスを冷却するために、異なる技術を使用することができる。このような技術の1つは、液体冷却であり、これは、液体を利用して、コンピュータデバイスによって生成された熱を取り除く。サーバで使用する場合、流体パイプを用いて、液体をソースからサーバ自身に送る。流体パイプ上のポートは、サーバのハウジング上の適切なポートに接続される。サーバハウジング上のポートは、必要に応じてサーバハウジング内で液体を輸送することができる内部管に接続される。従来のクイックコネクタは、液体がクイックコネクタを流れる場合に、液体に急激な圧力変化を生じさせることが多い。その結果、クイックコネクタを介して液体を送り込むために、より多くのエネルギーが必要とされる。よって、液体冷却アプリケーションにおいてコンポーネントを接続するための新しいシステム及びデバイスが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、液体冷却用のクイックコネクタバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の様々な例は、選択的に流体を流動させるクイックコネクタを対象とする。クイックコネクタは、第1本体部分と、第2本体部分と、少なくとも1つのボールバルブと、を備える。第1本体部分は、第1流路を画定する。第2本体部分は、第2流路を画定する。第2本体部分は、第1流路が第2流路と整列するように、第1本体部分に結合されている。第1流路及び第2流路は、クイックコネクタから延在する流路を形成する。少なくとも1つのボールバルブは、クイックコネクタから延在する流路内に配置されている。第1本体部分及び第2本体部分が相対的に移動することにより、少なくとも1つのボールバルブを、流動位置と密封位置との間で移動させる。流動位置において、少なくとも1つのボールバルブは、流体を第1流路及び第2流路に流入させる。密封位置において、少なくとも1つのボールバルブは、第1流路及び第2流路に液体が流れるのを抑制する。
【0005】
場合によっては、クイックコネクタは、第1ギアと、第2ギアと、を備える。第1ギアは、第1本体部分の表面、第2本体部分の表面、又は、第1本体部分の表面及び第2本体部分の表面に形成される。第2ギアは、ギア軸を介して少なくとも1つのボールバルブに結合されており、第1ギアと噛合する。場合によっては、第1本体部分及び第2本体部分の相対的な移動は、第1ギアを駆動させる。第1ギアの駆動によって、第2ギアが、ボールバルブを流動位置と密封位置との間で移動させる。場合によっては、第1ギアはラックギアであり、第2ギアはピニオンギアである。場合によっては、第2本体部分に対する第1本体部分の線形移動は、第1ギアを線形駆動させる。第1ギアの線形駆動は、第2ギアを回転させ、ボールバルブを流動位置と密封位置との間で回転させる。場合によっては、第2ギア及びボールバルブは、第1流路及び第2流路によって形成される流路に対して垂直な軸の周りを回転する。
【0006】
場合によっては、ラックギアは、第1本体部分の表面に形成されており、ピニオンギアは、第2本体部分に結合されており、第1本体部分が第2本体部分に結合された場合にラックギアがピニオンギアと噛合する。場合によっては、第1本体部分は、第2本体部分に向かって延在するアームを有する。アームは、第2本体部分が第1本体部分に結合された場合に、第2本体部分に画定されたガイドスロット内にスライドするように構成されたガイドレールを有する。場合によっては、ガイドレールは、突起の底表面上に形成されており、ラックギアは、突起の側面に形成されている。
【0007】
場合によっては、クイックコネクタは、第1密封部材と、第2密封部材と、を有する。第1密封部材は、少なくとも1つのボールバルブの第1の側に配置されている。第2密封部材は、少なくとも1つのボールバルブの第2の側に配置されている。第1密封部材及び第2密封部材は、流体が少なくとも1つのボールバルブを通過するのを抑制するのに役立つ。場合によっては、第1密封部材は、第1流路又は第2流路内に配置された第1のO型リングであり、第2密封部材は、第1流路又は第2流路内に配置された第2のO型リングである。
【0008】
場合によっては、少なくとも1つのボールバルブは、第1流路内に配置された第1ボールバルブと、第2流路内に配置された第2ボールバルブと、を有する。第1本体部分と第2本体部分とを相対的に移動させることにより、第1ボールバルブ及び第2ボールバルブの両方を、流動位置と密封位置との間で移動させる。場合によっては、第1本体部分は、第1本体部分の表面に形成された第1ラックギアと、第1ギアシャフトを介して第1ボールバルブに結合された第1ピニオンギアと、を有する。第2本体部分は、第2本体部分の表面に形成された第2ラックギアと、第2ギアシャフトを介して第2ボールバルブに結合された第2ピニオンギアと、を有する。場合によっては、第1本体部分が第2本体部分に結合された場合に、第1本体部分の第1ラックギアは、第2本体部分の第2ピニオンギアと噛合する。第1本体部分が第2本体部分に結合された場合に、第1本体部分の第1ピニオンギアは、第2本体部分の第2ラックギアと噛合する。場合によっては、第2本体部分に対する第1本体部分及び第1ラックギアの線形移動は、第2ピニオンギアを回転させるとともに、第2ボールバルブを、第2流路内の流動位置と密封位置との間で回転させる。第1本体部分に対する第2本体部分及び第2ラックギアの線形移動は、第1ピニオンギアを回転させるとともに、第1ボールバルブを、第1流路内の流動位置と密封位置との間で回転させる。
【0009】
場合によっては、少なくとも1つのボールバルブは、第1本体部分の第1流路内に配置される。場合によっては、第1流路は、ボールバルブの高さよりも高い高さを有する第1領域と、ボールバルブの高さよりも低い高さを有する第2領域と、を有する。場合によっては、第1ボールバルブは、第1流路の第1領域の第1端部に隣接して配置されている。第1本体部分は、第1流路内で第1ボールバルブを固定するために第1流路の第2端部に配置されたキャップを有する。
【0010】
場合によっては、第1本体部分は環状溝を有し、第2本体部分は、環状溝に嵌合するように構成された環形突起を有する。第1本体部分及び第2本体部分は、環状溝と環形突起との間の摩擦嵌合(friction fit)により、少なくとも部分的に互いに結合されている。場合によっては、クイックコネクタは、第1本体部分及び第2本体部分の下方に配置された流体トレイをさらに有する。流体トレイは、第1本体部分又は第2本体部分から漏れた流体を収集するように構成されている。
【0011】
上記の概要は、本発明の各実施形態又はあらゆる態様を示すことを意図していない。むしろ、上記の概要は、本明細書に記載されるいくつかの新規な態様及び特徴の例を単に提供する。本発明の上記の特徴及び利点、並びに、他の特徴及び利点は、添付の図面及び特許請求の範囲に関連して、本発明を実施するための代表的な実施形態及びモードの以下の詳細な記述から容易に明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0012】
本発明の液体冷却アプリケーション用のクイックコネクタによれば、サーバハウジングから分離されるときに液体が漏れるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本発明の実施形態による、結合構成における例示的なクイックコネクタの斜視図である。
【
図1B】本発明の実施形態による、
図1Aのクイックコネクタの第1本体部分の分解図である。
【
図1C】本発明の実施形態による、
図1Aのクイックコネクタの第2本体部分の分解図である。
【
図1D】本発明の実施形態による、結合構成における
図1Aの例示的なクイックコネクタの断面図である。
【
図2A】本発明の実施形態による、分離構成における
図1Aの例示的なクイックコネクタの斜視図である。
【
図2B】本発明の実施形態による、分離構成における
図1Aの例示的なクイックコネクタの断面図である。
【
図3A】本発明の実施形態による、
図1Aの例示的なクイックコネクタの第1本体部分の斜視図である。
【
図3B】本発明の実施形態による、
図1Aの例示的なクイックコネクタの第2本体部分の斜視図である。
【
図4A】本発明の実施形態による、分離構成にある場合に流体パイプ及びハウジングとともに使用される
図1Aの例示的なクイックコネクタの斜視図である。
【
図4B】本発明の実施形態による、結合構成にある場合に流体パイプ及びハウジングとともに使用される
図1Aの例示的なクイックコネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、様々な修正及び代替形態を受け入れることができる。いくつかの代表的な実施形態を、一例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、本発明は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。むしろ、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲に含まれる全ての修正、均等物、代替物を包含する。
【0015】
本発明は、多くの異なる形態で実施することができる。代表的な実施形態が図面に示され、本明細書で詳細に説明される。本発明を解釈する代表的な実施形態は、本発明の原理の例示又は説明としてみなされ、本発明の開示される広い態様を、説明する実施形態に限定することを意図していない。その範囲において、例えば、要約、発明内容及び詳細な説明に開示されているが、特許請求の範囲に明確に記載されていない要素及び限定は、含意、推論又はその他により、単独で又は一括して、特許請求の範囲に組み込まれるべきではない。本発明を詳細に説明する目的のために、特に断りのない限り、単数形は複数形を含み、逆もまた同様である。「含む」という用語は、「制限なしに含む」ことを意味する。さらに、「約(about)」、「ほとんど(almost)」、「実質的に(substantially)」、「おおよそ(approximately)」等の近似の用語は、本明細書において、例えば、「…で(at)」、「…の近くで(near)」、「…に近接して(nearly at)」、「…の3~5%内で」、「許容可能な製造公差内で」、又は、これらの任意の論理的組み合わせの意味を含むことができる。
【0016】
本発明の態様は、液体冷却アプリケーションにおいて用いられるクイックコネクタに関する。本明細書に記載されるクイックコネクタは、液体-輸送マニホールド(liquid-transporting manifold)上のポートを、サーバハウジング上のポートに接続し、マニホールドがサーバハウジングから取り外される場合に液体(又は、他の流体)が漏れるのを抑制するために、使用することができる。
【0017】
図1Aは、例示的なクイックコネクタ100を示す図である。クイックコネクタ100は、少なくとも、第1本体部分110と第2本体部分150と、から形成される。第1本体部分110は、流体入口101A(
図1Bに示す)を画定し、第2本体部分150は、流体出口101Bを画定する。
図1Aにおいて、クイックコネクタ100は、結合構成であり、第1本体部分110は、第2本体部分150に結合されている。結合構成において、大きい流路は、流体を、第1本体部分110から第2本体部分150に流動させ、流体入口101Aから流体出口101Bに流動させる。
【0018】
また、クイックコネクタ100は、第1本体部分110及び第2本体部分150の下方に配置された流体トレイ102を有する。流体トレイ102は、第1本体部分110と第2本体部分150との間の接合部103においてクイックコネクタ100から不注意に漏れる液体をキャッチするように構成されている。
【0019】
第1本体部分110は、ラックギア124及びピニオンギア130を有し、第2本体部分150は、ラックギア164及びピニオンギア170を有する。ピニオンギア130は、ギアシャフト132に取り付けられており、ピニオンギア170は、ギアシャフト172に取り付けられている。クイックコネクタ100が結合構成にある場合、第1本体部分110のラックギア124の歯は、第2本体部分150のピニオンギア170の歯と噛合し、第2本体部分150のラックギア164の歯は、第1本体部分110のピニオンギア130の歯と噛合する。ここでさらに詳細に説明するように、ラックギア124,164及びピニオンギア130,170は、液体(例えば、液体冷却アプリケーションに用いられる冷却液体等)をクイックコネクタ100に流入させるのに役立つ。
【0020】
さらに、クイックコネクタ100は、第1本体部分110及び第2本体部分150の上部を覆うカバー104を有する。第1本体部分110及び第2本体部分150の外端が上昇することによって、ラックギア124,164及びピニオンギア130,170は、下方の中央領域108内に配置される。カバー104は、下方の中央領域108を覆い、クイックコネクタ100の上部から液体が漏れるのを抑制するのに役立つ。
【0021】
図1Bは、第1本体部分110の部分的な分解図である。第1本体部分110は、流体入口101AからL軸に沿って第1本体部分110の全長に亘って延在する流路112Aを画定する。第1本体部分110は、全て流路112A内に配置される、ボールバルブ114と、2つの密封部材(ここでは、O型リング117A,117Bとして示されている)と、キャップ118と、を有する。ボールバルブ114は、略球状であり、且つ、ボールバルブ114の長さに沿って延在するバルブチャネル116を有する。スロット115がボールバルブ114の頂部に設けられている。キャップ118は、環形であり、外側部分119Aと内側部分119Bと、を有する。内側部分119Bは、軸Lに沿って短い。よって、キャップ118は、キャップ118の外側部分119Aと内側部分119Bとの間の接合部において、環形ショルダー部119Cを形成する。
【0022】
流路112Aは、内部領域113Aと、外部領域113Bと、を有する。内部領域113Aは、第1本体部分110と第2本体部分150との間の接合部103(
図1A)に隣接して配置されている。内部領域113A内の第1本体部分110の内側円柱面125には、ネジが切られている。外部領域113Bは、第1本体部分110と第2本体部分150との間の接合部103の遠位に配置されている。内部領域113Aが球状を有することによって、ボールバルブ114は、流路112Aの内部領域113A内に配置され得る。
【0023】
図示した実施形態において、外部領域113Bは、軸Lに沿って変化する高さを有する。他の実施形態において、外部領域113Bは、軸Lに沿って一定の高さを有する。何れの実施においても、内部領域113Aと外部領域113Bとの間の境界における外部領域113Bの高さは、ボールバルブ114の高さよりも低い。よって、第1本体部分110が組み立てられる場合に、ボールバルブ114は、流路112Aの球状の内部領域113A内に適合することができ、流路112Aの外部領域113B内に適合することができない。
【0024】
第1本体部分110は、外側環形突起120Aと、内側環形突起120Bと、を有する。内側環形突起120Bは、外側環形突起120Aから直接、半径方向内向きに延在し、内側環形突起120Bが軸Lに沿って延在する距離は、外側環形突起120Aが軸Lに沿って延在する距離よりも短い。よって、外側環形突起120Aと内側環形突起120Bとの間の接合部において、環形ショルダー部120Cが形成されている。また、第1本体部分110は、ギアシャフトチャネル134と、スロット121と、を画定する。ギアシャフトチャネル134は、外側環形突起120A及び内側環形突起120Bの頂部により画定されている。スロット121は、長方形形状を有し、外側環形突起120A上に画定されている。
【0025】
さらに、第1本体部分110は、アーム122と、ピニオンギア130と、ギアシャフト132と、密封部材(O型リング136として示されている)と、カバー板138と、を有する。カバー板138は、スロット121の長方形形状に適合する略長方形形状を有する。ラックギア124は、アーム122の内側側面123上に画定されている。ガイドレール126(
図3A)は、アーム122の下側から下方に突出している。ガイドレール126は、略正方形又は長方形形状を有することができる。第1本体部分110が組み立てられる場合、ギアシャフト132は、流路112Aの内部領域113Aからギアシャフトチャネル134を通って上方に延在する。さらに、ギアシャフト132は、第1本体部分110のスロット121内に配置されたO型リング136及びカバー板138の両方を通って延在する。
【0026】
図1Cは、第2本体部分150の部分的分解図である。第2本体部分150は、軸Lに沿って、第の本体部分150の全長に亘って流体出口101Bまで延在する流路112Bを画定する。第2本体部分150は、全て流路112B内に配置される、ボールバルブ154と、2つの密封部材(ここでは、O型リング157A,157Bとして示されている)と、キャップ158と、を有する。ボールバルブ154は、略球状であり、ボールバルブ154の長さ方向に延在するバルブチャネル156を有する。ボールバルブ154の頂部には、スロット155が設けられている。キャップ158は、環状であり、外側部分159Aと、内側部分159Bと、を有する。内側部分159Bは、軸Lに沿って短い。よって、キャップ158は、キャップ158の外側部分159Aと内側部分159Bとの間の接合部において、環形ショルダー部159Cを形成する。
【0027】
流路112Bは、内部領域113Cと、外部領域113Dと、を有する。内部領域113Cは、第1本体部分110と第2本体部分150との間の接合部103(
図1A)に隣接して配置されている。内部領域113C内の第2本体部分150の内側円柱面165には、ネジが切られている。外部領域113Dは、第1本体部分110と第2本体部分150との間の接合部の遠位に配置されている。内部領域113Cが球状であることによって、ボールバルブ154は、流路112Bの内部領域113C内に配置され得る。
【0028】
図示した実施形態において、外部領域113Dは、軸Lに沿って変化する高さを有する。他の実施形態において、外部領域113Dは、軸Lに沿った一定の高さを有する。何れの実施形態においても、内部領域113Cと領域113Dとの間の境界における外部領域113Dの高さは、ボールバルブ154の高さよりも低い。よって、第2本体部分150が組み立てられる場合に、ボールバルブ154は、流路112Bの球状の内部領域113C内に適合することができ、流路112Bの領域113D内に適合することができない。
【0029】
第2本体部分150は、外側環形突起160B及び内側環形突起160Cにより形成された環状溝160Aを有する。内側環形突起160Cが軸Lに沿って延在する距離は、外側環形突起160Bが軸Lに沿って延在する距離よりも短い。外側環形突起160B及び内側環形突起160Cは、環状溝160Aによって分離されている。
【0030】
さらに、第2本体部分150は、ギアシャフトチャネル174と、窪み161と、を有する。ギアシャフトチャネル174は、外側環形突起160B及び内側環形突起160Cの頂部により画定される。窪み161は、円形を有し、外側環形突起160Bの頂部に画定されている。
【0031】
さらに、第2本体部分150は、アーム162と、ピニオンギア170と、ギアシャフト172と、密封部材(O型リング176として示されている)と、カバー板178と、を有する。カバー板178は、窪み161の円形に適合する略円形を有している。ラックギア164は、アーム162の内側側面163に画定されている。ガイドレール166は、アーム162の下側から下方に突出している。ガイドレール166は、略方形又は長方形形状を有する。第2本体部分150が組み立てられる場合に、ギアシャフト172は、流路112Bの内部領域113Cから、外側環形突起160Bの頂部により画定されるギアシャフトチャネル174を通って上方に延在する。さらに、ギアシャフト172は、第2本体部分150の窪み161内に配置されたO型リング176及びカバー板178の両方を通って延在する。
【0032】
図1Dは、結合構成における例示的なクイックコネクタ100の断面図である。クイックコネクタ100が結合構成にある場合、流路112Aは、流路112Bと位置合わせされている。よって、流路112A及び流路112Bは、流体入口101A(流路112Aの一端)から流体出口101B(流路112Bの一端)まで、L軸に沿ってクイックコネクタ100の全長に亘って延在する、単一の大きい流路を形成する。ボールバルブ114は、流路112Bに最も近い流路112Aの端部に配置されている。ボールバルブ154は、流路112Aに最も近い流路112Bの端部に配置されている。
【0033】
図1Dにおいて、ボールバルブ114,154は、流動位置まで回転する。流動位置において、ボールバルブ114のバルブチャネル116は、流路112Aと位置合わせされており、よって、流路112Aとほぼ平行に延在している。同様に、ボールバルブ154のバルブチャネル156は、流路112Bと位置合わせされており、よって、流路112Bとほぼ平行に延在している。よって、ボールバルブ114,154が流動位置にある場合、流体(例えば、液体冷却アプリケーションに用いられる液体)は、(i)流路112A,112Bと、(ii)バルブチャネル116,156と、を通って、流体入口101Aから流体出口101Bに流れることができる。よって、結合構成にある場合、流体は、クイックコネクタ100を流れることができる。
【0034】
ボールバルブ114は、O型リング117A,117B及びキャップ118とともに、流路112Aの球状の内部領域113Aに配置されている。ボールバルブ114は、O型リング117AとO型リング117Bとの間に配置されている。O型リング117Aは、ボールバルブ114とキャップ118との間に配置されている。O型リング117Bは、内部領域113Aの表面とボールバルブ114との間に配置されている。O型リング117Bは、内部領域113Aの表面とボールバルブ114の外側との間に、実質的な液体-密封(liquid-tight seal)を形成する。
【0035】
同様に、ボールバルブ154は、O型リング157A,157B及びキャップ158とともに、流路112Bの球状の内部領域113Cに配置されている。ボールバルブ154は、O型リング157AとO型リング157Bとの間に配置されている。O型リング157Aは、ボールバルブ154とキャップ158との間に配置されている。O型リング157Bは、内部領域113Cの表面とボールバルブ154との間に配置されている。O型リング157Bは、内部領域113Cの表面とボールバルブ154の外側との間に、実質的な液体-密封を形成する。
【0036】
キャップ118は流路112Aの内側端部に配置されており、キャップ158は流路112Bの内側端部に配置されている。よって、クイックコネクタ100が結合構成にある場合、キャップ118及びキャップ158は互いに隣接する。O型リング117Aは、キャップ118の環形ショルダー部119C内に取り付けられ、O型リング157Bは、キャップ158の環形ショルダー部159C内に取り付けられる。よって、O型リング117Bは、キャップ118の環形ショルダー部119Cとボールバルブ114の外側との間に、実質的な液体-密封を形成する。同様に、O型リング157Bは、キャップ158の環形ショルダー部159Cとボールバルブ154の外側との間に、実質的な液体-密封を形成する。
【0037】
流体が流路112A,112Bを流れる場合、O型リング117A,117B,157A,157Bは、流体が、ボールバルブ114,154の外部で流動せずに、ボールバルブ114,154のバルブチャネル116,156を流れるのを確実にするのに役立つ。O型リング117A,117B,157A,157Bは、様々な異なる材料(例えば、ラバー、紙、シリコン、金属、コルク、フェルト、ネオプレン、ニトリルゴム、ファイバーガラス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、プラスチックポリマー、又は、任意の組み合わせ)から形成される。O型リングは、密封部材の一例として説明されているが、O型リング117A,117B,157A,157Bの代わりに任意のタイプの密封部材を使用することができる。
【0038】
キャップ118は、流路112Bに最も近い流路112Aの端部において、第1本体部分110の内側円柱面125(
図1B)に結合されている。キャップ118は、ボールバルブ114を流路112A内に固定し、第1本体部分110と第2本体部分150とが互いに分離される場合にボールバルブ114が流路112Aから脱落するのを抑制するのに役立つ。図示した実施形態において、キャップ118の外部表面には、ネジが切られている。キャップ118の外部表面のネジが内側円柱面125のネジと係合することによって、キャップ118は、流路112Bに最も近い内部領域113Aの端部において、第1本体部分110に結合される。よって、キャップ118は、ボールバルブ114を、流路112Aの内部領域113A内に保持する。
【0039】
キャップ118と同様に、キャップ158は、流路112Aに最も近い流路112Bの端部において、第2本体部分150の内側円柱面165(
図1C)に結合されている。キャップ158は、ボールバルブ154を流路112B内に固定し、第1本体部分110と第2本体部分150とが互いに分離される場合にボールバルブ154が流路112Bから脱落するのを抑制するのに役立つ。図示した実施形態において、キャップ158の外部表面には、ネジが切られている。キャップ158の外部表面のネジが内側円柱面165のネジと係合することによって、キャップ158は、流路112Aに最も近い内部領域113Cの端部において、第2本体部分150に結合される。よって、キャップ158は、ボールバルブ154を、流路112Bの内部領域113C内に保持する。
【0040】
第1本体部分110及び第2本体部分150は、摩擦嵌合により一緒に取り付けられる。クイックコネクタ100が、
図1Dに示すように、結合構成にある場合、第1本体部分110の外側環形突起120Aは、第2本体部分150の環状溝160A内に延在する。よって、第1本体部分110の外側環形突起120Aは、第2本体部分150の外側環形突起160Bと内側環形突起160Cとの間に位置する。これに応じて、第2本体部分150の内側環形突起160Cは、第1本体部分110の環形ショルダー部120Cに取り付けられる。
【0041】
また、クイックコネクタ100は、外側環形突起120Aを取り囲む密封部材(O型リング106A,106B,106Cとして示されている)を有する。クイックコネクタ100が結合構成にある場合、O型リング106A,106B,106Cは、第1本体部分110の外側環形突起120Aと第2本体部分150の外側環形突起160Bとの間に配置される。O型リング106A,106B,106C(O型リングとすることができる)は、外側環形突起120Aと外側環形突起160Bとの間でクイックコネクタ100から液体が漏れるのを抑制する。O型リング106A,106B,106Cは、O型リング117A,117B,157A,157Bと同じ材料又は同様の材料で形成され得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、外側環形突起120Aが環状溝160Aに挿入された場合に、O型リング106A,106B,106Cの有無にかかわらず、第1本体部分110と第2本体部分150との間に摩擦嵌合が存在する。これらの実施形態において、O型リング106A,106B,106Cは、第1本体部分110と第2本体部分150との間の摩擦嵌合を改善するか、影響を与えないようにすることができる。他の実施形態において、摩擦嵌合は、O型リング106A,106B,106Cが存在する場合にのみ存在する。
【0043】
図1Dに示すように、ギアシャフト132は、ギアシャフトチャネル134(
図1B)を通って上方に延在している。また、ギアシャフト132は、スロット121(
図1B)内に固定されたO型リング136及びカバー板138を通って上方に延在している。O型リング136は、ギアシャフトチャネル134から液体が漏れないようにするのに役立つ。O型リング136は、O型リング106A,106B,106C,117A,117B,157A,157Bと同じ材料又は同様のする材料で形成され得る。
【0044】
ギアシャフト172は、ギアシャフトチャネル174(
図1C)を通って上方に延在している。また、ギアシャフト172は、窪み161(
図1C)内に固定されたO型リング176及びカバー板178を通って延在している。O型リング176は、ギアシャフトチャネル174から液体が漏れないようにするのに役立つ。O型リング176は、O型リング106A,106B,106C,117A,117B,136,157A,157Bと同じ材料又は同様の材料で形成され得る。
【0045】
ここで説明するように、クイックコネクタ100が、
図1Dで示すように、結合構成にある場合、ボールバルブ114のバルブチャネル116は、第1本体部分110の流路112Aと位置合わせされている。同様に、ボールバルブ154のバルブチャネル156は、第2本体部分150の流路112Bと位置合わせされている。よって、クイックコネクタ100が結合構成にある場合、流体(例えば、液体冷却アプリケーションに用いられる液体)は、流路112A及び流路112Bを通ってクイックコネクタ100を流れることができる。
【0046】
図2Aは、分離構成にある例示的なクイックコネクタ100を示す図であり、第1本体部分110が第2本体部分150に結合されていない。クイックコネクタ100が結合構成(
図1Aに示す)から分離構成に移ると、第1本体部分110及び第2本体部分150の互いに関連する移動は、ラックギア124,164を線形駆動する。続いて、ラックギア124,164の線形移動は、ピニオンギア130,170を回転させる。特に、第1本体部分110のラックギア124が矢印A
1の方向に線形移動する場合、第2本体部分150のピニオンギア170は、矢印A
2の方向に時計回りに回転し、同様に、第2本体部分150のラックギア164が矢印B
1の方向に線形移動する場合、第1本体部分110のピニオンギア130は、矢印B
2の方向に時計回りに回転する。
【0047】
図2Bは、分離構成にある例示的なクイックコネクタ100の断面図である。図示するように、ピニオンギア130の回転運動は、流路112A内のギアシャフト132及びボールバルブ114を、流動位置から密封位置に回転させる。ボールバルブ114は、流路112Aに対して垂直な軸で回転する。よって、ボールバルブ114のバルブチャネル116は、もはや流路112Aと位置合わせされていないが、代わりに、流路112Aに対してほぼ垂直に延在する。よって、密封位置にある場合、ボールバルブ114は、流体が流路112Aに流入するのを抑制する。
【0048】
同様に、ピニオンギア170の回転運動は、流路112B内のギアシャフト172及びボールバルブ154を、流動位置から密封位置に回転させる。ボールバルブ154は、流路112Bに対して垂直な軸で回転する。よって、ボールバルブ154のバルブチャネル156は、もはや流路112Bと位置合わせされていないが、代わりに、流路112Bに対してほぼ垂直に延在する。よって、密封位置にある場合、ボールバルブ154は、流体が流路112Bに流入するのを抑制する。
【0049】
いくつかの実施形態において、ギアシャフト132,172は、例えば、接着剤又はその他の締結機構を介して、ボールバルブ114,154に固定される。他の実施形態において、ギアシャフト132,172は、ボールバルブ114,154に固定されないが、代わりに、ボールバルブ114,154の上面に画定されたスロット115,155内に配置される。ギアシャフト132,172及び/又はボールバルブ114,154は、それぞれギアシャフト132,172とボールバルブ114,154との間の相対的回転を抑制する回転ロック素子(rotation-locking feature)を有する。また、ギアシャフト132,172は、同様の態様で、それぞれピニオンギア130,170に結合される。
【0050】
例えば、ギアシャフト132,172は、第1形状(例えば、楕円形(oblong)、円形等)の形状を有し、ボールバルブ114,154の上面に画定されるスロット115,155は、第1形状と異なる第2形状(例えば、正方形、長方形)の形状を有する。ギアシャフト132,172が回転すると、形状が一致しないために、ボールバルブ114,154が、ギアシャフト132,172により回転する。さらに別の実施形態において、ギアシャフト132,172及びスロット115,155が全て同じ一般的形状(例えば、正方形、長方形)を有し、その結果、ギアシャフト132,172は、スロット115,155内で回転することができない。
【0051】
さらにまた別の例において、ギアシャフト132,172は、ボールバルブ114,154に画定された凹特徴(negative features)(例えば、開口、チャネル等)と係合する凸特徴(例えば、突起、突出物等)を有し、これにより、相対的回転をロックする。さらに別の例において、ボールバルブ114,154は、ギアシャフト132,172に画定された凹特徴と係合する凸特徴を有し、これにより、相対的回転をロックする。
【0052】
図3Aは、外側環形突起120A及び内側環形突起120Bに面する第1本体部分110の斜視図である。第1本体部分110のスロット121、ラックギア124及びガイドレール126が全て見える。また、
図3Aは、ガイドスロット128及びガイドピン140を示している。ガイドスロット128は、ほぼ正方形又は長方形形状を有する。ガイドスロット128は、第1本体部分110の上面のうちアーム122とは反対側の上面に画定されている。ガイドピン140は、第1本体部分110から外方に突出しており、アーム122と略平行である。ガイドピン140は、略円柱形状を有しており、先端がテーパ状になっていてもよい。
【0053】
図3Bは、外側環形突起160B、内側環形突起160C、及び、外側環形突起160Bと内側環形突起160Cとの間に画定された環状溝160Aに対向する第2本体部分150の斜視図である。第2本体部分150の窪み161、ラックギア164、ガイドレール166及びギアシャフトチャネル174の上端が全て見える。また、
図3Bは、ガイドスロット168及びガイドチャネル180を示す。ガイドスロット168は、ほぼ正方形又は長方形形状を有する。ガイドスロット168は、第2本体部分150の上面のうちアーム162とは反対側の上面に画定されている。ガイドチャネル180は、第2本体部分150内に延在しており、ほぼ円柱形状を有する。
【0054】
クイックコネクタ100が結合構成に移る場合、様々なレール、スロット、ピン及びチャネルは、第1本体部分110及び第2本体部分150の位置合わせに役立つ。ガイドレール166の正方形又は長方形形状は、第1本体部分110のガイドスロット128の正方形又は長方形形状と一致する。ガイドスロット168の正方形又は長方形形状は、第1本体部分110のガイドレール126の正方形又は長方形形状と一致する。ガイドチャネル180の円柱形状は、第1本体部分110のガイドピン140の円柱形状と一致する。
【0055】
第1本体部分110が第2本体部分150に結合されると、第1本体部分110のガイドレール126は、第2本体部分150のガイドスロット168に摺動する。第1本体部分110が第2本体部分150に結合されると、第2本体部分150のガイドレール166は、第1本体部分110のガイドスロット128に摺動する。第1本体部分110が第2本体部分150に結合されると、第1本体部分110のガイドピン140は、第2本体部分150のガイドチャネル180に摺動する。
【0056】
図4A及び
図4Bは、流体パイプ200及びハウジング202とともに使用されるクイックコネクタ100を示す図である。流体パイプ200は、流体(例えば、液体冷却アプリケーションに用いられる液体)をハウジング202に運ぶように構成された任意の適切なコンポーネントである。ハウジング202は、液体冷却を利用する任意のコンピュータデバイスのハウジングである。一例では、ハウジング202は、サーバデバイスのハウジングであり、流体パイプ200は、流体をハウジング202上の様々なポートに分配する大きい流体マニホールドの一部である。流体パイプ200は、ハウジング202が挿入されるラックの一部であってもよい。
【0057】
複数のハウジング(例えば、ハウジング202)が存在し得る。流体パイプ200は、液体冷却をハウジング(例えば、ハウジング202)内のコンポーネントに供給するために、各ポートのレベルで様々なコネクタに接続され得る。流体パイプ200は、ハウジング202を冷却するための大きい液体冷却システムの一部である。冷却液は、流体パイプ200からハウジングに循環するとともに、収集パイプ(図示省略)によって収集される。
【0058】
図4Aにおいて、クイックコネクタ100は分離構成にあり、よって、第1本体部分110は、第2本体部分150に結合されていない。第1本体部分110は、流体パイプ200上のポートに結合され、第2本体部分150は、ハウジング202上のポートに結合される。第1本体部分110は、第2本体部分150から間隔を置いて配置され、よって、ボールバルブ114,154は、密封位置に回転する。分離構成において、流体は、第1本体部分110又は第2本体部分150を流れることができない。
【0059】
図4Bにおいて、クイックコネクタ100は結合構成にあり、よって、第1本体部分110は、第2本体部分150に結合されている。いくつかの実施形態において、ハウジング202がサーバラックに挿入されると、クイックコネクタ100は、結合構成に移ることができる。ここで説明するように、第2本体部分150が第1本体部分110に向かって移動して結合すると、ボールバルブ114,154は、流動位置に移動する。ボールバルブが流動位置にあると、流体は、流体パイプ200からクイックコネクタ100を通過してハウジング202に流入する。一般的に、ハウジング202は、流体をハウジング202内の冷却メカニズム(例えば、冷却板)に運ぶための1つ以上チューブを有する。同様のコネクタが、加熱された流体を収集し、加熱された流体を、流体パイプ200と同様の別の排出流体パイプに戻す。サーバデバイスは、加熱された液体を冷却し、冷却された液体を流体パイプ200に戻す熱交換器を有する。
【0060】
ここで用いられる専門用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定するものではない。ここで使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈によって他の明確な指示がされない限り、複数形も含む。さらに、「含む」、「有する」又はこれらの変形は、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲に使用される限りにおいて、「備える」という用語と同様に包括的であることが意図される。
【0061】
特に定義されない限り、ここで用いられる全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0062】
本発明の様々な実施形態について上述したが、それらは限定ではなく単なる例として提示されたものであることを理解されたい。本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対する多数の変更を、本明細書の開示に従って行うことができる。従って、本発明の幅及び範囲は、上記の実施形態の何れかによって限定されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物に従って定義されるべきである。
【0063】
本発明の好ましい実施例を上述したように開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当業者であれば誰でも、本発明の思想を逸脱しない範囲内で様々な変形を加えることができる。
【符号の説明】
【0064】
100…クイックコネクタ
101A…流体入口
101B…流体出口
102…流体トレイ
103…接合部
104…カバー
106A,106B,106C,117A,117B,136,157A,157B,176…O型リング
108…下降中心領域
110…第1本体部分
112A,112B…流路
113A,113C…内部領域
113B,113D…外部領域
114,154…ボールバルブ
115,121,155…スロット
116,156…バルブチャネル
118,158…キャップ
119A,159A…外側部分
119B,159B…内側部分
119C,120C,159C…環形ショルダー部
120A,160B…外側環形突起
120B,160C…内側環形突起
122,162…アーム
123,163…内側側面
124,164…ラックギア
125,165…内側円柱面
126,166…ガイドレール
128,168…ガイドスロット
130,170…ピニオンギア
132,172…ギアシャフト
134,174…ギアシャフトチャネル
138,178…カバー板
140…ガイドピン
150…第2本体部分
161…窪み
160A…環状溝
180…ガイドチャネル
200…流体パイプ
202…ハウジング
A1,A2,B1,B2…矢印
L…軸