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特許7216828マスク姿勢監視方法、装置及びマスク粒度検出機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】マスク姿勢監視方法、装置及びマスク粒度検出機器
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/22 20060101AFI20230125BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20230125BHJP
   G03F 1/84 20120101ALI20230125BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
G01B21/22
G01N21/956 A
G03F1/84
G03F7/20 521
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021537801
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 CN2019128600
(87)【国際公開番号】W WO2020135557
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】201811630079.0
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】309012351
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 一志
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲暁▼青
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-201092(JP,A)
【文献】特開2005-026667(JP,A)
【文献】特開2000-331924(JP,A)
【文献】特開2009-031169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/22
G01N 21/956
G03F 1/84
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離を取得することと、
前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点までの前記第1方向に沿った距離、前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第2検出点までの前記第1方向に沿った距離、及び前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第3検出点までの前記第1方向に沿った距離をそれぞれ取得し、ここで、前記第1検出点と前記第2検出点の前記基準面内での投影が第2方向に沿って配列され、前記第1検出点と前記第3検出点の前記基準面内での投影が第3方向に沿って配列され、前記第1方向と、第2方向と、第3方向とは互いに垂直であり、前記基準面が前記第1方向に垂直であることと、
前記第1検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離、前記第1検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離、前記第2検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離、前記第2検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離、及び前記第1検出点と前記第2検出点の前記第2方向に沿った距離により、前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第3方向回りの偏向角度を算出することと、
前記第1検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離、前記第1検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離、前記第3検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離、前記第3検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離、及び前記第1検出点と前記第3検出点の前記第3方向に沿った距離により、前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第2方向回りの偏向角度を算出することと、を含
前記少なくとも1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離を取得する前に、
標定マスクをレベリングすることにより、前記標定マスクが前記第1方向に垂直で、前記標定マスクの表面が前記基準面であるようにすることをさらに含む、マスク姿勢監視方法。
【請求項2】
前記標定点が第1標定点及び第2標定点を含み、前記第1標定点及び第2標定点が前記第2方向に沿って配列され、前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点までの前記第1方向に沿った距離、前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第2検出点までの前記第1方向に沿った距離、及び前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第3検出点までの前記第1方向に沿った距離をそれぞれ取得することは、
前記第1標定点から前記第1検出点までの前記第1方向に沿った距離、及び前記第2標定点から前記第2検出点までの前記第1方向に沿った距離を取得することと、
前記第3方向に沿って前記測定対象であるマスクを移動し、前記第1標定点から前記第3検出点までの前記第1方向に沿った距離を取得し、ここで、前記測定対象であるマスクの前記第3方向に沿って移動する距離が前記第1検出点と第3検出点の前記第3方向に沿った距離であることと、を含む、請求項1に記載のマスク姿勢監視方法。
【請求項3】
前記第1標定点及び前記第2標定点が前記測定対象であるマスクの同側又は異側に位置する、請求項に記載のマスク姿勢監視方法。
【請求項4】
前記標定点が第3標定点及び第4標定点を含み、前記第3標定点及び第4標定点が前記第3方向に沿って配列され、前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点までの前記第1方向に沿った距離、前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第2検出点までの前記第1方向に沿った距離、及び前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第3検出点までの前記第1方向に沿った距離をそれぞれ取得することは、
前記第3標定点から前記第1検出点までの前記第1方向に沿った距離、及び前記第4標定点から前記第3検出点までの前記第1方向に沿った距離を取得することと、
前記第2方向に沿って前記測定対象であるマスクを移動し、前記第3標定点から前記第2検出点までの前記第1方向に沿った距離を取得し、ここで、前記測定対象であるマスクの前記第2方向に沿って移動する距離が前記第1検出点と前記第2検出点の前記第2方向に沿った距離であることと、を含む、請求項1に記載のマスク姿勢監視方法。
【請求項5】
前記第3標定点及び前記第4標定点が前記測定対象であるマスクの同側又は異側に位置する、請求項に記載のマスク姿勢監視方法。
【請求項6】
前記標定点が第5標定点を含み、前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点までの前記第1方向に沿った距離、前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第2検出点までの前記第1方向に沿った距離、及び前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第3検出点までの前記第1方向に沿った距離をそれぞれ取得することは、
前記第2方向及び第3方向のうちの少なくとも1つの方向に沿って前記測定対象であるマスクを移動し、前記第5標定点から前記第1検出点までの前記第1方向に沿った距離、前記第5標定点から前記第2検出点までの前記第1方向に沿った距離、及び前記第5標定点から前記第3検出点までの前記第1方向に沿った距離をそれぞれ取得し、ここで、前記測定対象であるマスクの前記第2方向に沿って移動する距離が前記第1検出点と前記第2検出点の前記第2方向に沿った距離であり、前記測定対象であるマスクの前記第3方向に沿って移動する距離が前記第1検出点と前記第3検出点の前記第3方向に沿った距離であることを含む、請求項1に記載のマスク姿勢監視方法。
【請求項7】
前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第3方向回りの偏向角度を算出することは、
以下の式により、前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第3方向回りの偏向角度を算出し、
【数1】
ここで、θ1が前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第3方向回りの偏向角度であり、H1’が前記第1検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離であり、H1が前記第1検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離であり、H2’が前記第2検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離であり、H2が前記第2検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離であり、L1が前記第1検出点と第2検出点の前記第2方向に沿った距離であることを含む、請求項1に記載のマスク姿勢監視方法。
【請求項8】
前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第2方向回りの偏向角度を算出することは、
以下の式により、前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第2方向回りの偏向角度を算出し、
【数2】
ここで、θ2が前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第2方向回りの偏向角度であり、H1’が前記第1検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離であり、H1が前記第1検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離であり、H3’が前記第3検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離であり、H3が前記第3検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離であり、L2が前記第1検出点と第3検出点の前記第3方向に沿った距離であることを含む、請求項1に記載のマスク姿勢監視方法。
【請求項9】
測定対象であるマスクの上方に設けられ、少なくとも1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離を取得し、及び、前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点までの前記第1方向に沿った距離、前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第2検出点までの前記第1方向に沿った距離、及び前記少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第3検出点までの前記第1方向に沿った距離をそれぞれ取得し、ここで、前記第1方向と、第2方向と、第3方向とは互いに垂直であり、前記基準面が前記第1方向に垂直であり、前記第1検出点と前記第2検出点の前記基準面内での投影が前記第2方向に沿って配列され、前記第1検出点と前記第3検出点の前記基準面内での投影が前記第3方向に沿って配列される、ように構成される少なくとも1つの距離センサと、
前記測定対象であるマスクを前記第2方向及び前記第3方向のうちの少なくとも1つの方向に沿って移動するように駆動するように構成される移動機構と、
前記第1検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離、前記第1検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離、前記第2検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離、前記第2検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離、及び第1検出点と前記第2検出点の前記第2方向に沿った距離により、前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第3方向回りの偏向角度を算出し、及び、
前記第1検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離、前記第1検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離、前記第3検出点から対応する標定点までの前記第1方向に沿った距離、前記第3検出点に対応する標定点から前記基準面までの前記第1方向に沿った距離、及び第1検出点と前記第3検出点の前記第3方向に沿った距離により、前記基準面に対する前記測定対象であるマスクの前記第2方向回りの偏向角度を算出する、ように構成される制御算出ユニットと、を含む、マスク姿勢監視装置。
【請求項10】
前記マスク姿勢監視装置が、前記第2方向に沿って配列される2つの距離センサを含む、請求項に記載のマスク姿勢監視装置。
【請求項11】
前記マスク姿勢監視装置が、前記第3方向に沿って配列される2つの距離センサを含む、請求項に記載のマスク姿勢監視装置。
【請求項12】
前記2つの距離センサが、前記測定対象であるマスクの同側又は異側に位置する、請求項10又は11に記載のマスク姿勢監視装置。
【請求項13】
請求項12のいずれか一項に記載のマスク姿勢監視装置を含む、マスク粒度検出機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願日2018年12月28日で、出願番号が201811630079.0である中国特許出願の優先権を主張するものであり、該出願のすべての内容が引用により本出願に援用される。
【0002】
本出願の実施例は、半導体リソグラフィの技術分野に関し、例えば、マスク姿勢監視方法、装置及びマスク粒度検出機器に関する。
【背景技術】
【0003】
マスクは、挟持、搬送、貯蔵及び露光などの過程において汚染されてその表面に粒子、擦れ目、ピンホールなどの欠陥が生じる可能性がある。露光過程において、上記の欠陥の存在は、リソグラフィ機の画像性能および収率に直接に影響を及ぼし、厳しい場合、収率はゼロに下がる可能性がある。
【0004】
マスク粒度検出システムは、リソグラフィ機マスク搬送サブシステムの主な部品の1つとして、マスク表面上の欠陥の大きさや位置を検出することができる。検出結果により、リソグラフィ機操作システムまたは操作者は、このマスクが後続の露光過程に使用されることができるかを判定することができる。検出結果はマスクの欠陥を除去する際の入力データとすることができる。
【0005】
照明および撮像システムに制約され、マスクがスキャンテストを行う前に、マスクに対して焦点調節および水平姿勢(X軸回りの偏向RxおよびY軸回りの偏向Ry)の検出を行うことが必要である。現在、特別設計のマスクを使用して、Rx/Ryを測定し、特別設計のマスク上には特定構造の回折マークが設計され、レーザーが特定の角度に沿って入射すると、リニア(linear)電荷結合素子(Charge Coupled Device、CCD)は回折マークの散乱光の強度を受信でき、光スポットのリニアCCDカメラでの位置及び偏向により、マスクのRx/Ryを測定する。しかし、この方法はマスク粒度を検出する前の調整にしか適用できないが、具体的な作業工程において、ロボットハンドは往復運動において偏向が発生する可能性があるため、常に水平状態を維持することができなく、これにより、マスクも偏向が発生し、粒度の検出結果の異常をもたらす。現在、Rx/Ryをオンラインで直接に監視することが困難であり、コストが高く効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、マスク粒度の検出過程において、マスクの姿勢をオンラインで監視し、監視機器を簡略化し、監視の効率を向上させるマスク姿勢監視方法、装置及びマスク粒度検出機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1方面において、本出願の実施例は、少なくとも1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離を取得することと、少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスクの第1検出点までの第1方向に沿った距離、少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスクの第2検出点までの第1方向に沿った距離、及び少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスクの第3検出点までの第1方向に沿った距離をそれぞれ取得し、ここで、第1検出点と第2検出点の基準面内での投影が第2方向に沿って配列され、第1検出点と第3検出点の基準面内での投影が第3方向に沿って配列され、第1方向と、第2方向と、第3方向とはお互いに垂直であり、基準面が第1方向に垂直であることと、第1検出点から対応する標定点までの第1方向に沿った距離、第1検出点に対応する標定点から基準面までの第1方向に沿った距離、第2検出点から対応する標定点までの第1方向に沿った距離、第2検出点に対応する標定点から基準面までの第1方向に沿った距離及び第1検出点と第2検出点の第2方向に沿った距離により、基準面に対する測定対象であるマスクの第3方向回りの偏向角度を算出することと、第1検出点から対応する標定点までの第1方向に沿った距離、第1検出点に対応する標定点から基準面までの第1方向に沿った距離、第3検出点から対応する標定点までの第1方向に沿った距離、第3検出点に対応する標定点から基準面までの第1方向に沿った距離及び第1検出点と第3検出点の第3方向に沿った距離により、基準面に対する測定対象であるマスクの第2方向回りの偏向角度を算出することと、を含む、マスク姿勢監視方法を提供する。
【0008】
第2方面において、本出願の実施例は、測定対象であるマスクの上方に設けられ、少なくとも1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離を取得し、及び、少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点までの第1方向に沿った距離、少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第2検出点までの第1方向に沿った距離、及び少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第3検出点までの第1方向に沿った距離をそれぞれ取得し、ここで、第1方向と、第2方向と、第3方向とはお互いに垂直であり、基準面が第1方向に垂直であり、第1検出点と第2検出点の基準面内での投影が第2方向に沿って配列され、第1検出点と第3検出点の基準面内での投影が第3方向に沿って配列される、ように構成される少なくとも1つの距離センサと、測定対象であるマスクを第2方向及び/又は第3方向に沿って移動するように駆動するように構成される移動機構と、第1検出点から対応する標定点までの第1方向に沿った距離、第1検出点に対応する標定点から基準面までの第1方向に沿った距離、第2検出点から対応する標定点までの第1方向に沿った距離、第2検出点に対応する標定点から基準面までの第1方向に沿った距離及び第1検出点と第2検出点の第2方向に沿った距離により、基準面に対する測定対象であるマスクの第3方向回りの偏向角度を算出し、及び、第1検出点から対応する標定点までの第1方向に沿った距離、第1検出点に対応する標定点から基準面までの第1方向に沿った距離、第3検出点から対応する標定点までの第1方向に沿った距離、第3検出点に対応する標定点から基準面までの第1方向に沿った距離及び第1検出点と第3検出点の第3方向に沿った距離により、基準面に対する測定対象であるマスクの第2方向回りの偏向角度を算出するように構成される制御算出ユニットと、を含む、マスク姿勢監視装置をさらに提供する。
【0009】
第3方面において、本出願の実施例は、本出願の第2方面のいずれかに記載のマスク姿勢監視装置を含む、マスク粒度検出機器をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本出願の実施例が提供するマスク姿勢監視方法である。
図2】本出願の実施例に係る測定対象であるマスクの偏向角度を算出する原理図である。
図3】本出願の実施例に係る測定対象であるマスクの各検出点の分布模式図である。
図4】本出願の実施例に係る測定対象であるマスクの偏向角度を算出する他の原理図である。
図5】本出願の実施例が提供するマスク姿勢監視装置の第3方向に沿った模式図である。
図6図5におけるマスク姿勢監視装置の第2方向に沿った模式図である。
図7】本出願の実施例が提供するマスク姿勢監視装置の第3方向に沿った模式図である。
図8】本出願の実施例が提供するマスク粒度検出機器の検出原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本出願の実施例の技術方案について図面を参照しながらさらに詳しく説明する。明らかに、説明される実施例は、全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例に過ぎない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働がなされていない前提として取得した他のすべての実施例は、本出願の保護範囲に属する。
【0012】
本出願の説明において、特に明確な規定と限定がない限り、用語「接する」、「接続」、「固定」は広義の理解をすべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、又は一体になってもよく、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよく、直接的に接してもよいし、中間媒体により間接的に接してもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子のお互いの作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0013】
本出願において、特に明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又はその「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接に接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴が直接に接触することではなく、それらの間の他の特徴を介して接触することも含んでもよい。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の直上及び斜め上方にあることを含み、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを表すことである。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の直下及び斜め下方にあることを含み、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴より小さいことを表すことである。
【0014】
本出願の実施例は、マスク姿勢監視方法を提供し、図1は、本出願の実施例が提供するマスク姿勢監視方法であり、図1に示すように、該マスク姿勢監視方法は、ステップS11~ステップS13を含む。
【0015】
ステップS11において、少なくとも1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離を取得する。
【0016】
ここで、基準面が第1方向Zに垂直な平面である。例示的に、少なくとも1つの標定点が3つの標定点であってもよく、3つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離を取得する。なお、3つの標定点が位置する平面は基準面と平行であってもよく、この場合、そのうちの1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離を取得すればよい。
【0017】
ステップS12において、少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点、第2検出点及び第3検出点までの第1方向に沿った距離を取得する。
【0018】
ここで、第1検出点、第2検出点及び第3検出点が測定対象であるマスク上に位置し、3つの標定点と一対一に対応し、第1検出点と第2検出点の基準面内での投影が第2方向Xに沿って配列され、第1検出点と第3検出点の基準面内での投影が第3方向Yに沿って配列され、第1方向と、第2方向と、第3方向とはお互いに垂直である。少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点、第2検出点及び第3検出点までの第1方向に沿った距離を取得することは、各検出点から対応する標定点までの第1方向に沿った距離を取得することを含む。
【0019】
ステップS13において、取得されたデータにより、基準面に対する測定対象であるマスクの第2方向回りの偏向角度及び第3方向回りの偏向角度を算出する。
【0020】
図2は、本出願の実施例に係る測定対象であるマスクの偏向角度を算出する原理図であり、図3は、本出願の実施例に係る測定対象であるマスク上の各検出点の分布模式図である。なお、各検出点は、測定対象であるマスク上に固定された点ではなく、検出のニーズに応じて配置されるものであり、第1検出点と第2検出点の基準面内での投影が第2方向Xに沿って配列され、第1検出点と第3検出点の基準面内での投影が第3方向Yに沿って配列されることを満たせばよい。基準面に対する測定対象であるマスクの第3方向回りの偏向角度を算出することを例として、図2に示すように、一実施例において、第1検出点a1から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H1’、第1検出点a1に対応する標定点から基準面Aまでの第1方向Zに沿った距離H1、第2検出点a2から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H2’、第2検出点a2に対応する標定点から基準面Aまでの第1方向Zに沿った距離H2、及び第1検出点a1と第2検出点a2の第2方向Xに沿った距離L1により、基準面Aに対する測定対象であるマスク200の第3方向Y回りの偏向角度θ1を算出する。ここで、第1検出点a1と第2検出点a2の第2方向Xに沿った距離L1は、対応する2つの標定点の第2方向Xに沿った距離である。一実施例において、計算式は以下の通りである。
【数1】
【0021】
基準面Aに対する測定対象であるマスク200の第2方向X回りの偏向角度の算出原理は、測定対象であるマスク200の第3方向Y回りの偏向角度の算出原理と類似し、一実施例において、第1検出点a1から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H1’、第1検出点a1に対応する標定点から基準面Aまでの第1方向Zに沿った距離H1、第3検出点a3から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H3’、第3検出点a3に対応する標定点から基準面Aまでの第1方向Zに沿った距離H3、及び第1検出点a1と第3検出点a3の第3方向Yに沿った距離L2により、基準面Aに対する測定対象であるマスク200の第2方向X回りの偏向角度θ2を算出する。ここで、第1検出点a1と第3検出点a3の第3方向Yに沿った距離L2は、対応する2つの標定点の第3方向Yに沿った距離である。一実施例において、計算式は以下の通りである。
【数2】
【0022】
本出願の実施例は、少なくとも1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離、及び少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点、第2検出点及び第3検出点までの第1方向に沿った距離を取得し、取得されたデータから、測定対象であるマスクの第2方向回りの偏向角度及び第3方向回りの偏向角度を算出することにより、測定対象であるマスクの偏向角度をオンラインで監視することが実現でき、監視の過程が簡単で、監視の効率が高く、且つ特別設計のマスク及びリニアCCDカメラが必要ではなくて監視のコストが低い。
【0023】
一実施例において、少なくとも1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離を取得する前に、標定マスクをレベリングすることにより、標定マスクが第1方向に垂直で、標定マスクの表面が基準面であるようにすることをさらに含む。
【0024】
一実施例において、オフラインの状態で、標定マスクをレベリングする。標定マスクは、測定対象であるマスク200と同じパラメータ及び設計を有するマスクであってもよく、標定マスクが第1方向Zに垂直にして、標定マスクの上面及び下面が基準面とすることができ、標定マスクが特別に設計される必要がない。
【0025】
一実施例において、図2を参照し続け、本出願の他の実施例において、少なくとも1つの標定点が2つの標定点であってもよく、それぞれに第1標定点及び第2標定点であり、第1標定点及び第2標定点が第2方向Xに沿って配列され、少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点、第2検出点及び第3検出点までの第1方向に沿った距離を取得することは、第1標定点から第1検出点a1までの第1方向Zに沿った距離H1’、及び第2標定点から第2検出点a2までの第1方向Zに沿った距離H2’を取得することと、第3方向Yに沿って測定対象であるマスク200を移動し、第1標定点から第3検出点a3までの第1方向Zに沿った距離を取得し、該距離を第3検出点a3から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H3’とし、ここで、測定対象であるマスク200の第3方向Yに沿って移動する距離は、第1検出点a1と第3検出点a3の第3方向Yに沿った距離L2であることと、を含む。
【0026】
本出願の実施例は、標定点の数を減少し、監視装置の構造を簡略化することができ、関連技術におけるマスク移動機構を用いて測定対象であるマスクを移動することができて、監視のコストを下げる。
【0027】
一実施例において、図2に示すように、第1標定点及び第2標定点が測定対象であるマスク200の同側に位置する。図4は本出願の実施例に係る他の測定対象であるマスクの偏向角度を算出する原理図であり、図4に示すように、第1標定点及び第2標定点が測定対象であるマスク200の異側に位置してもよい。
【0028】
本出願の他の実施例において、少なくとも1つの標定点が2つの標定点であってもよく、それぞれに第3標定点及び第4標定点であり、第3標定点及び第4標定点が第3方向Yに沿って配列され、少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点、第2検出点及び第3検出点までの第1方向Zに沿った距離を取得することは、第3標定点から第1検出点a1までの第1方向Zに沿った距離を取得し、該距離を第1検出点a1から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H1’とし、及び第4標定点から第3検出点a3までの第1方向に沿った距離を取得し、該距離を第3検出点a3から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H3’とすることと、第2方向Xに沿って測定対象であるマスク200を移動し、第3標定点から第2検出点a2までの第1方向Zに沿った距離を取得し、該距離を第2検出点a2から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H2’とし、ここで、測定対象であるマスク200の第2方向Xに沿って移動する距離は第1検出点a1と第2検出点a2の第2方向Xに沿った距離L1であることとを含む。
【0029】
一実施例において、第3標定点及び第4標定点が測定対象であるマスクの同側又は異側に位置する。
【0030】
本出願の他の実施例において、標定点が第5標定点を含み、少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点、第2検出点及び第3検出点までの第1方向Zに沿った距離を取得することは、第2方向X及び/又は第3方向Yに沿って測定対象であるマスク200を移動し、第5標定点から第1検出点a1までの第1方向Zに沿った距離、第5標定点から第2検出点a2までの第1方向Zに沿った距離、及び第5標定点から第3検出点a3までの第1方向Zに沿った距離を取得し、それぞれに各検出点から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H1’、H2’及びH3’とし、ここで、測定対象であるマスク200の第2方向Xに沿って移動する距離は第1検出点a1と第2検出点a2の第2方向Xに沿った距離であり、測定対象であるマスク200の第3方向Yに沿って移動する距離は第1検出点a1と第3検出点a3の第3方向Yに沿った距離であることを含む。
【0031】
本出願の実施例は、標定点の数をさらに減少し、1つの標定点を採用すれば監視過程を完成でき、監視装置の構造を簡略化し、関連技術におけるマスク移動機構を用いて測定対象であるマスクを移動することができて、監視コストを下げる。
【0032】
本出願の実施例はマスク姿勢監視装置をさらに提供し、図5は本出願の実施例が提供するマスク姿勢監視装置の第3方向に沿った模式図であり、図6図5におけるマスク姿勢監視装置の第2方向に沿った模式図であり、図5及び図6に示すように、マスク姿勢監視装置は、測定対象であるマスク200の上方に設けられ、取付枠300上に固定される少なくとも1つの距離センサ101を含み、例示的に、少なくとも1つの距離センサは3つの距離センサ101であってもよく、3つの標定点から基準面Aまでの第1方向Zに沿った距離を取得し、及び、測定対象であるマスク200上の第1検出点a1、第2検出点a2及び第3検出点a3から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離を取得するように構成され、ここで、第1方向Zと、第2方向Xと、第3方向Yとはお互いに垂直であり、基準面Aは第1方向Zに垂直であり、第1検出点a1と第2検出点a2の基準面A内での投影が第2方向Xに沿って配列され、第1検出点a1と第3検出点a3の基準面A内での投影が第3方向Yに沿って配列され、距離センサは検出点と一対一に対応して設けられる。ここで、基準面Aは、オフラインの状態で、標定マスクをレベリングした後、標定マスクの上面及び下面であり、標定マスクは測定対象であるマスク200と同じパラメータ及び設計を有するマスクであってもよく、標定マスクをレベリングすることにより、標定マスクは第1方向Zに垂直であるようにする。
【0033】
移動機構400は、測定対象であるマスク200を第2方向X及び/又は第3方向Yに沿って移動するように駆動するように構成される。移動機構400はロボットハンドであってもよく、ロボットハンドの自由端にはマスクフォーク(中国語:版叉)が設けられ、測定対象であるマスク200を載置するように構成される。
【0034】
制御算出ユニット(図示しない)は、距離センサ101が取得したデータにより、基準面Aに対する測定対象であるマスク200の第2方向X回りの偏向角度及び第3方向Y回りの偏向角度を算出するように構成される。
【0035】
一実施例において、第1検出点a1から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H1’、第1検出点a1に対応する標定点から基準面Aまでの第1方向Zに沿った距離H1、第2検出点a2から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H2’、第2検出点a2に対応する標定点から基準面Aまでの第1方向Zに沿った距離H2及び第1検出点a1と第2検出点a2の第2方向Xに沿った距離L1により、基準面Aに対する測定対象であるマスク200の第3方向Y回りの偏向角度θ1を算出する。ここで、第1検出点a1と第2検出点a2の第2方向Xに沿った距離L1は、対応する2つの距離センサ101の第2方向Xに沿った距離である。一実施例において、計算式は以下の通りである。
【数3】
【0036】
基準面Aに対する測定対象であるマスク200の第2方向X回りの偏向角度の算出原理は、測定対象であるマスク200の第3方向Y回りの偏向角度の算出原理と類似し、一実施例において、第1検出点a1から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H1’、第1検出点a1に対応する標定点から基準面Aまでの第1方向Zに沿った距離H1、第3検出点a3から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H3’、第3検出点a3に対応する標定点から基準面Aまでの第1方向Zに沿った距離H3、及び第1検出点a1と第3検出点a3の第3方向Yに沿った距離L2により、基準面Aに対する測定対象であるマスク200の第2方向X回りの偏向角度θ2を算出する。ここで、第1検出点a1と第3検出点a3の第3方向Yに沿った距離L2は、対応する2つの距離センサ101の第3方向Yに沿った距離である。一実施例において、計算式は以下の通りである。
【数4】
【0037】
本出願の実施例は、少なくとも1つの距離センサが少なくとも1つの標定点から基準面までの第1方向に沿った距離、及び少なくとも1つの標定点から測定対象であるマスク上の第1検出点、第2検出点及び第3検出点までの第1方向に沿った距離を取得し、制御算出ユニットは、取得されたデータにより、測定対象であるマスクの第2方向回りの偏向角度及び第3方向回りの偏向角度を算出することにより、測定対象であるマスクの偏向角度をオンラインで監視することが実現でき、監視の過程が簡単で、監視の効率が高く、且つ特別設計のマスク及びリニアCCDカメラが必要ではなくて監視のコストが低い。
【0038】
本出願の他の実施例において、図5を参照し、マスク姿勢監視装置は、第2方向Xに沿って配列され、それぞれに第1標定点及び第2標定点に対応する2つの距離センサ101を含む。2つの距離センサ101は、まず、第1標定点から第1検出点a1までの第1方向Zに沿った距離H1’、及び第2標定点から第2検出点a2までの第1方向Zに沿った距離H2’を取得する。そして、制御算出ユニットは、移動機構400が測定対象であるマスク200を連れて第3方向Yに沿って移動するように制御され、対応する距離センサ101は、第1標定点から第3検出点a3までの第1方向Zに沿った距離を取得し、該距離を第3検出点a3から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H3’とし、ここで、測定対象であるマスク200の第3方向Yに沿って移動する距離は、第1検出点a1と第3検出点a3の第3方向Yに沿った距離L2である。
【0039】
図6を参照し、本出願の他の実施例において、マスク姿勢監視装置は、第3方向Yに沿って配列され、それぞれに第3標定点及び第4標定点に対応する2つの距離センサ101を含む。2つの距離センサ101は、まず、第3標定点から第1検出点a1までの第1方向Zに沿った距離H1’、及び第4標定点から第3検出点a3までの第1方向Zに沿った距離H3’を取得する。そして、制御算出ユニットは、移動機構が測定対象であるマスク200を連れて第2方向Xに沿って移動するように制御され、対応する距離センサ101は、第3標定点から第2検出点a2までの第1方向Zに沿った距離を取得し、該距離を第2検出点a2から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H2’とし、ここで、測定対象であるマスク200の第2方向Xに沿って移動する距離は、第1検出点a1と第2検出点a2の第2方向Xに沿った距離L2である。
【0040】
図7は本出願の実施例が提供するマスク姿勢監視装置の第3方向に沿った模式図であり、一実施例において、図5、6又は7を参照し、2つの距離センサ101は測定対象であるマスク200の同側又は異側に位置する。
【0041】
本出願の実施例は、距離センサの数を減少し、監視装置の構造を簡略化することができ、関連技術におけるマスク移動機構を用いて測定対象であるマスクを移動することができて、監視のコストを下げる。
【0042】
本出願の他の実施例において、マスク姿勢監視装置は第5標定点に対応する1つの距離センサ101を含む。一実施例において、移動機構400は第2方向X及び/又は第3方向Yに沿って測定対象であるマスク200を移動し、距離センサ101は第5標定点から第1検出点a1までの第1方向Zに沿った距離、第5標定点から第2検出点a2までの第1方向Zに沿った距離、及び第5標定点から第3検出点a3までの第1方向Zに沿った距離を取得し、それぞれに各検出点から対応する標定点までの第1方向Zに沿った距離H1’、H2’及びH3’とし、ここで、測定対象であるマスク200の第2方向Xに沿って移動する距離は、第1検出点a1と第2検出点a2の第2方向Xに沿った距離L1であり、測定対象であるマスク200の第3方向Yに沿って移動する距離は、第1検出点a1と第3検出点a3の第3方向Yに沿った距離L2である。
【0043】
本出願の実施例は、距離センサの数をさらに減少し、1つの距離センサを採用して監視過程を完成でき、監視装置の構造を簡略化し、関連技術におけるマスク移動機構を用いて測定対象であるマスクを移動することができて、監視のコストを下げる。
【0044】
本出願の実施例は、本出願のいずれかの上記した実施例に記載のマスク姿勢監視装置を含む、マスク粒度検出機器をさらに提供する。
【0045】
マスク粒度検出機器は、リソグラフィ機マスク搬送サブシステムの主な部材の1つとして、マスクのペリクル(pellicle)面及びベース(glass)面上の汚染粒子の大きさや位置を検出することができる。検出結果により、リソグラフィ機操作システム又は操作者は、該マスクが後続の露光過程に使用されることができるかを判定できる。検出結果はマスク上の汚染粒子を除去する際の入力データとすることができる。
【0046】
図8は、本出願の実施例が提供するマスク粒度検出機器の検出原理図であり、図8に示すように、マスクのペリクル201及びベース202の表面には、それぞれに1セットの照明及び検知ユニットが配置される。粒子に対する検知感度を向上させるために、マスク粒度検出は、画素サイズ未満の粒子を検知可能な散乱暗視野測定技術を採用する。
【0047】
光源601が生じた光は、照明システム602を介してコリメートされ、ビーム拡大され、均一化された後、一定の傾きでpellicle面(又はglass面)に入射し、pellicle面には一本の高輝度の線形光スポットを形成し、該光スポットは検知領域であり、検知領域は第3方向Yに沿って分布され、検知領域に汚染粒子がない場合、光束は正反射方向に沿って吸収装置603に入り、この時、検知ユニット604は光信号を検出できない。検知領域に汚染粒子がある場合、部分の光束が粒子により散乱されて検知ユニット604に入り、検出した光強度の値により粒子サイズを確定する。移動機構がマスクを載置して第2方向Xに沿って移動し、検知領域は、マスクの表面全体を走査する。
【0048】
用語「上」などの方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、単に説明しやすくし操作を簡略化するためのものであり、指定された装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されることを指示又は示唆するものではないことを理解する必要があり、よって、本出願を限定するものと理解すべきではない。
【0049】
本明細書の説明において、参照用語「一実施例」などの説明は、該実施例と結び付ける特徴、構造、材料、または特色が、本出願の少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを意味する。本明細書において、上述した用語の模式的な表現は必ずしも同じ実施例を指すものではない。
【0050】
また、本明細書は実施形態に従って説明されているが、各実施形態には1つの独立した技術方案のみが含まれるわけではなく、明細書のような説明方式は、デバイスを明確にするためだけであり、当業者は説明書を全体として、各実施例における技術方案も適切に組み合わせられて当業者が理解可能な他の実施形態を形成するということを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8