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特許7216844突入電流が防止された電気自動車の充電方法及びそのための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】突入電流が防止された電気自動車の充電方法及びそのための装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230125BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20230125BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20230125BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20230125BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20230125BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20230125BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/00 P
H02J7/00 S
H02H7/18
H02H7/00 K
B60L53/62
B60L53/66
B60L53/14
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021571516
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 KR2021007759
(87)【国際公開番号】W WO2022065634
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122162
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0076934
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521522744
【氏名又は名称】エスケイ シグネッイブイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SK Signet Inc.
【住所又は居所原語表記】49, Jeongicha-ro, Daema-myeon Yeonggwang-gun Jeollanam-do 57055 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ホチョル
(72)【発明者】
【氏名】イ、チュンヨル
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ホビョン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、キョンセ
(72)【発明者】
【氏名】ハム、ジェウク
【審査官】麻川 倫広
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-090416(JP,A)
【文献】特開2016-073146(JP,A)
【文献】特開2015-073431(JP,A)
【文献】特開2003-153588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02H 7/18
H02H 7/00
B60L 53/62
B60L 53/66
B60L 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車充電器の突入電流防止方法において、
充電対象電気自動車の要請に従って、前記充電対象電気自動車に現在供給中の充電電流レベルの増加または減少の要否を判断する段階と、
前記充電電流レベルの増加または減少が必要であると判断した場合、前記充電電流レベルを既設定された割合に減らす段階と、
前記充電電流レベルを既設定された割合に減らした後の第1時間の間で突入電流が発生するかを確認する段階と、
前記第1時間の間で前記突入電流が発生しない場合、前記充電電流レベルを前記充電電気自動車の要請に従って増加または減少させるために、少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化する段階と、
前記少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化した後の第2時間の間で前記突入電流が発生するかを確認する段階と、
前記第2時間の間で前記突入電流が発生しない場合、前記充電対象電気自動車が要請した充電電流レベルまで前記充電電流レベルを上昇させる段階とを含む、電気自動車充電器の突入電流防止方法。
【請求項2】
前記突入電流は、予め定義された基準電流より既設定されたレベル以上に高いレベルの電流に該当する、請求項1に記載の電気自動車充電器の突入電流防止方法。
【請求項3】
前記既設定された割合は、前記充電電流レベルの10%に該当する、請求項1に記載の電気自動車充電器の突入電流防止方法。
【請求項4】
前記充電電流レベルの増加または減少の要否を判断する段階は、
前記充電対象電気自動車が要請した電流レベルを前記充電電流レベルと比較する段階と、
前記要請した電流レベルが前記充電電流レベル未満の場合、前記充電電流レベルの減少が必要であると判断する段階と、
前記要請した電流レベルが前記充電電流レベルを超える場合、前記充電電流レベルの増加が必要であると判断する段階とを含む、請求項1に記載の電気自動車充電器の突入電流防止方法。
【請求項5】
前記少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化する段階は、
前記充電電流レベルの減少が必要であると判断した場合、現在活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的非活性化する段階と、
前記充電電流レベルの増加が必要であると判断した場合、現在非活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的活性化する段階とを含む、請求項4に記載の電気自動車充電器の突入電流防止方法。
【請求項6】
前記現在活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的非活性化する段階は、
前記現在活性化中の充電モジュールのうち最も多い回数及び最も頻繁な周期のうち少なくとも一つで活性化された充電モジュールから優先的に選択的非活性化する段階である、請求項5に記載の電気自動車充電器の突入電流防止方法。
【請求項7】
前記現在非活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的活性化する段階は、
前記現在非活性化中の充電モジュールのうち最も少ない回数及び最も頻繁でない周期のうち少なくとも一つで活性化された充電モジュールから優先的に選択的活性化する段階である、請求項5に記載の電気自動車充電器の突入電流防止方法。
【請求項8】
前記少なくとも一つの充電モジュールが活性化された回数及び活性化周期のうち少なくとも一つに関する情報を記録する段階をさらに含む、請求項5に記載の電気自動車充電器の突入電流防止方法。
【請求項9】
電気自動車充電器において、
複数の充電モジュールを含む、充電部と、
充電対象電気自動車と通信を行う、通信部と、
前記充電部及び通信部を制御する、制御部とを含み、
前記制御部は、
前記通信部を通じて受信した前記充電対象電気自動車の要請に従って、前記充電対象電気自動車に現在供給中の充電電流レベルの増加または減少の要否を判断し、
前記充電電流レベルの増加または減少が必要であると判断した場合、前記充電部を制御して前記充電電流レベルを既設定された割合に減らし、
前記充電電流レベルを既設定された割合に減らした後の第1時間の間で突入電流が発生するかを確認し、
前記第1時間の間で前記突入電流が発生しない場合、前記充電電流レベルを前記充電電気自動車の要請に従って増加または減少させるために前記充電部を制御して少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化し、
前記少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化した後の第2時間の間で前記突入電流が発生するかを確認し、
前記第2時間の間で前記突入電流が発生しない場合、前記充電部を制御して前記充電対象電気自動車が要請した充電電流レベルまで前記充電電流レベルを上昇させる、電気自動車充電器。
【請求項10】
前記突入電流は、予め定義された基準電流より既設定されたレベル以上に高いレベルの電流に該当する、請求項9に記載の電気自動車充電器。
【請求項11】
前記既設定された割合は、前記充電電流レベルの10%に該当する、請求項9に記載の電気自動車充電器。
【請求項12】
前記充電電流レベルの増加または減少の要否を判断する場合、前記制御部は、
前記充電対象電気自動車が要請した電流レベルを前記充電電流レベルと比較し、
前記要請した電流レベルが前記充電電流レベル未満の場合、前記充電電流レベルの減少が必要であると判断し、
前記要請した電流レベルが前記充電電流レベルを超える場合、前記充電電流レベルの増加が必要であると判断する、請求項9に記載の電気自動車充電器。
【請求項13】
前記少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化する場合、前記制御部は、
前記充電電流レベルの減少が必要であると判断した場合、現在活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的非活性化し、
前記充電電流レベルの増加が必要であると判断した場合、現在非活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的活性化する、請求項12に記載の電気自動車充電器。
【請求項14】
前記現在活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的非活性化する場合、前記制御部は、
前記現在活性化中の充電モジュールのうち最も多い回数及び最も頻繁な周期のうち少なくとも一つで活性化された充電モジュールから優先的に選択的非活性化する、請求項13に記載の電気自動車充電器。
【請求項15】
前記現在非活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的活性化する場合、前記制御部は、
前記現在非活性化中の充電モジュールのうち最も少ない回数及び最も頻繁でない周期のうち少なくとも一つで活性化された充電モジュールから優先的に選択的活性化する、請求項13に記載の電気自動車充電器。
【請求項16】
前記制御部は、
前記少なくとも一つの充電モジュールが活性化された回数及び活性化周期のうち少なくとも一つに関する情報を記録する、請求項13に記載の電気自動車充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、複数の充電モジュールを用いて電気自動車を充電する方法及びそのための装置を提案する。
【0002】
また、本明細書は、突入電流防止方法及びそのための装置を提案する。
【背景技術】
【0003】
最近、世界的な環境規制の強化及びエネルギー費用を節減する傾向により、環境親和的な電気自動車(EV、Electric Vehicle)に対する要求が増加している。世界各国政府の自動車燃費及び排気ガスの規制がますます強化されながら、EVの普及が義務化されている状況であり、国内でも低炭素グリーン成長の一環としてグリーンカー(親環境車)に対する関心と研究が活発に進行されている。
【0004】
電気自動車(EV)の普及拡大のためには、電気自動車の電源を充電することができる充電インフラの構築が必須である。特に、電気自動車のバッテリー容量を増やすことは、車体の重さを加重させるという短所があり、一度の緩衝で電気自動車が運行可能な距離は制限的である。そこで、家庭用充電設備を含み、中長距離の運行中に何時でも何処でも電気自動車を充電できるように多くの充電器が必須で設置されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の充電器の場合、一つの充電モジュールのみを使用するため、電気自動車の充電に最大効率を使用することができず、電力浪費が発生するという問題点が存在する。
【0006】
例えば、充電器に具備された一つの充電モジュールの最大出力レベルが500V及び20Aの場合、電気自動車が次第に充電されるにつれて、充電出力量を次第に減らさなければならない。結局、充電器の最大出力レベルを使用し切れないため、充電効率が落ちるだけでなく、電力浪費が発生するようになる。
【0007】
本明細書は、このように一つの充電モジュールを使用することにより発生し得る電力浪費問題を解決することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例による電気自動車充電器の充電方法において、第1充電対象電気自動車から前記第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルに関する第1情報を受信する段階と、前記第1情報に基づいて前記第1充電対象電気自動車の充電モードを決める段階において、前記充電モードは、前記複数の充電モジュールのうち非活性化中の少なくとも一つの充電モジュールを選択的活性化して前記第1充電対象電気自動車を充電する増加(Increase)モード、及び前記第1充電対象電気自動車の充電のために活性化された少なくとも一つの充電モジュールを選択的非活性化する減少(Decrease)モードを含む段階と、前記決定された充電モードで前記第1充電対象電気自動車を充電する段階とを含むことができる。
【0009】
また、前記複数の充電モジュールはいずれも最大出力電流が同一であることができる。
【0010】
また、前記充電モードを決定する段階は、前記第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルが前記第1充電対象電気自動車に現在連結中の充電モジュールの最大出力電流の和より大きい場合、前記増加モードとして決定し、前記第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルが前記第1充電対象電気自動車に現在連結中の充電モジュールの最大出力電流の和より小さい場合、前記減少モードとして決定することができる。
【0011】
また、前記増加モードが適用された場合、前記第1充電対象電気自動車を充電する段階は、前記第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルを前記最大出力電流で分けた結果に切り上げ演算した数ほどの充電モジュールを選択的活性化し、前記活性化された充電モジュールを用いて前記第1充電対象電気自動車を充電する段階を含むことができる。
【0012】
また、前記増加モードで選択的活性化可能な充電モジュールの最大数は、現在非活性化中の充電モジュールの数で制限されることができる。
【0013】
また、前記減少モードが適用される場合、前記第1充電対象電気自動車を充電する段階は、前記第1充電対象電気自動車の充電のために活性化された充電モジュールの数において、前記第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルを前記最大出力電流で分けた結果に切り上げ演算した数を引いた分だけ充電モジュールを選択的非活性化する段階を含むことができる。
【0014】
また、前記減少モードで選択的非活性化可能な充電モジュールの最大数は、現在前記第1充電対象電気自動車の充電のために活性化中の充電モジュールの数で制限されることができる。
【0015】
また、前記減少モードが適用されることにより選択的非活性化された充電モジュールを後順位充電対象である第2充電対象電気自動車の充電のために使用する段階をさらに含むことができる。
【0016】
また、前記電気自動車充電器の充電方法は、前記複数の充電モジュールそれぞれの活性化された回数及び/または活性化周期に関する第2情報を格納する段階をさらに含むことができる。
【0017】
また、前記第2情報に基づいて、前記増加モードの場合、前記複数の充電モジュールのうち最も少ない回数及び/または最も頻繁でない周期で活性化された充電モジュールから優先的に選択して活性化され、前記減少モードの場合、前記複数の充電モジュールのうち最も多い回数及び/または最も頻繁な周期で活性化された充電モジュールから優先的に選択して非活性化されることができる。
【0018】
また、前記充電する段階は、前記少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化する前に、前記第1充電対象電気自動車に対して現在充電中の電流レベルを既設定された割合に減らす段階と、第1時間の間で突入電流が発生するかを確認する段階と、前記突入電流が発生しない場合、前記少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化する段階と、活性化または非活性化後、第2時間の間で前記突入電流が発生するかを確認する段階と、前記突入電流が発生しない場合、前記第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルほど充電電流レベルを上昇させる段階とを含むことができる。
【0019】
また、前記既設定された割合は、前記現在充電中の電流レベルの10%に該当することができる。
【0020】
また、本発明の他の一実施例による電気自動車充電器において、複数の充電モジュールを含む、充電部と、充電対象電気自動車と通信を行う、通信部と、前記充電部及び通信部を制御する、制御部とを含み、前記制御部は、第1充電対象電気自動車から前記第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルに関する第1情報を受信し、前記第1情報に基づいて前記第1充電対象電気自動車の充電モードを決定し、前記充電モードは、前記複数の充電モジュールのうち非活性化中の少なくとも一つの充電モジュールを選択的活性化して前記第1充電対象電気自動車を充電する増加(Increase)モード、及び前記第1充電対象電気自動車の充電のために活性化された少なくとも一つの充電モジュールを選択的非活性化する減少(Decrease)モードを含み、前記決定された充電モードで前記第1充電対象電気自動車を充電することができる。
【0021】
本発明の一実施例による電気自動車充電器の突入電流防止方法において、充電対象電気自動車の要請に従って、前記充電対象電気自動車に現在供給中の充電電流レベルの増加または減少の要否を判断する段階と、前記充電電流レベルの増加または減少が必要であると判断した場合、前記充電電流レベルを既設定された割合に減らす段階と、第1時間の間で突入電流が発生するかを確認する段階と、前記第1時間の間で前記突入電流が発生しない場合、前記充電電流レベルを前記充電電気自動車の要請に従って増加または減少させるために、少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化する段階と、第2時間の間で前記突入電流が発生するかを確認する段階と、前記第2時間の間で前記突入電流が発生しない場合、前記充電対象電気自動車が要請した充電電流レベルほど前記充電電流レベルを上昇させる段階とを含むことができる。
【0022】
また、前記突入電流は、予め定義された基準電流より既設定されたレベル以上に高いレベルの電流に該当することができる。
【0023】
また、前記既設定された割合は、前記充電電流レベルの10%に該当することができる。
【0024】
また、前記充電電流レベルの増加または減少の要否を判断する段階は、前記充電対象電気自動車が要請した電流レベルを前記充電電流レベルと比較する段階と、前記要請した電流レベルが前記充電電流レベル未満の場合、前記充電電流レベルの減少が必要であると判断する段階と、前記要請した電流レベルが前記充電電流レベルを超える場合、前記充電電流レベルの増加が必要であると判断する段階とを含むことができる。
【0025】
また、前記少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化する段階は、前記充電電流レベルの減少が必要であると判断した場合、現在活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的非活性化する段階と、前記充電電流レベルの増加が必要であると判断した場合、現在非活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的活性化する段階とを含むことができる。
【0026】
また、前記現在活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的非活性化する段階は、前記現在活性化中の充電モジュールのうち最も多い回数及び最も頻繁な周期のうち少なくとも一つで活性化された充電モジュールから優先的に選択的非活性化する段階であることができる。
【0027】
また、前記現在非活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的活性化する段階は、前記現在非活性化中の充電モジュールのうち最も少ない回数及び最も頻繁でない周期のうち少なくとも一つで活性化された充電モジュールから優先的に選択的活性化する段階であることができる。
【0028】
また、前記突入電流防止方法は、前記少なくとも一つの充電モジュールが活性化された回数及び活性化周期のうち少なくとも一つに関する情報を記録する段階をさらに含むことができる。
【0029】
また、本発明の他の実施例による電気自動車充電器において、複数の充電モジュールを含む、充電部と、充電対象電気自動車と通信を行う、通信部と、前記充電部及び通信部を制御する、制御部とを含み、前記制御部は、前記通信部を通じて受信した前記充電対象電気自動車の要請に従って、前記充電対象電気自動車に現在供給中の充電電流レベルの増加または減少の要否を判断し、前記充電電流レベルの増加または減少が必要であると判断した場合、前記充電部を制御して前記充電電流レベルを既設定された割合に減らし、第1時間の間で突入電流が発生するかを確認し、前記第1時間の間で前記突入電流が発生しない場合、前記充電電流レベルを前記充電電気自動車の要請に従って増加または減少させるために前記充電部を制御して少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化し、第2時間の間で前記突入電流が発生するかを確認し、前記第2時間の間で前記突入電流が発生しない場合、前記充電部を制御して前記充電対象電気自動車が要請した充電電流レベルほど前記充電電流レベルを上昇させることができる。
【0030】
また、前記突入電流は、予め定義された基準電流より既設定されたレベル以上に高いレベルの電流に該当することができる。
【0031】
また、前記既設定された割合は、前記充電電流レベルの10%に該当することができる。
【0032】
また、前記充電電流レベルの増加または減少の要否を判断する場合、前記制御部は、前記充電対象電気自動車が要請した電流レベルを前記充電電流レベルと比較し、前記要請した電流レベルが前記充電電流レベル未満の場合、前記充電電流レベルの減少が必要であると判断し、前記要請した電流レベルが前記充電電流レベルを超える場合、前記充電電流レベルの増加が必要であると判断することができる。
【0033】
また、前記少なくとも一つの充電モジュールを活性化または非活性化する場合、前記制御部は、前記充電電流レベルの減少が必要であると判断した場合、現在活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的非活性化し、前記充電電流レベルの増加が必要であると判断した場合、現在非活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的活性化することができる。
【0034】
また、前記現在活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的非活性化する場合、前記制御部は、前記現在活性化中の充電モジュールのうち最も多い回数及び最も頻繁な周期のうち少なくとも一つで活性化された充電モジュールから優先的に選択的非活性化することができる。
【0035】
また、前記現在非活性化中の充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的活性化する場合、前記制御部は、前記現在非活性化中の充電モジュールのうち最も少ない回数及び最も頻繁でない周期のうち少なくとも一つで活性化された充電モジュールから優先的に選択的活性化することができる。
【0036】
また、前記制御部は、前記少なくとも一つの充電モジュールが活性化された回数及び活性化周期のうち少なくとも一つに関する情報を記録することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の一実施例によると、各充電モジュールの最大出力レベルを最大限使用することができ、充電効率が高く、電力浪費が減るという効果がある。
【0038】
また、本発明の一実施例によると、複数の充電モジュールを用いてパワーシェアリング(Power Sharing)動作が可能であるため、複数の電気自動車を同時に充電することができるという効果が発生する。
【0039】
また、本発明の一実施例によると、突入電流を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施例による充電器を例示した図面である。
図2】本発明の一実施例による充電モードを例示した図面である。
図3】本発明の一実施例による充電器の充電方法を例示したフローチャートである。
図4】本発明の一実施例による充電器の増加モードにおける充電方法を例示したフローチャートである。
図5】本発明の一実施例による充電器の減少モードにおける充電方法を例示したフローチャートである。
図6】本発明の一実施例によるパワーシェアリング動作を例示した図面である。
図7】本発明の一実施例による突入電流発生時に充電器で感知された電流グラフである。
図8】本発明の一実施例による充電器の減少モード適用時に突入電流防止動作を示すグラフである。
図9】本発明の一実施例による充電器の増加モード適用時に突入電流防止動作を示すグラフである。
図10】本発明の一実施例による充電器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下で説明する技術は、多様な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、特定の実施例を図面に例示し詳細に説明する。しかし、これは、以下で説明する技術を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、以下で説明する技術の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されるべきである。
【0042】
「第1」、「第2」、「A」、「B」などの用語は、多様な構成要素を説明することに使用されることができるが、当該構成要素は上記用語により限定されず、単に一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、以下で説明する技術の権利範囲から逸脱せず第1構成要素は第2構成要素として命名されることができ、同様に第2構成要素も第1構成要素として命名されることができる。「及び/または」という用語は、複数の関連の記載項目の組み合わせ、または複数の関連の記載項目のいずれかの項目を含む。
【0043】
本明細書で使用される用語において、単数の表現は文脈上明らに異なって解釈されない限り、複数の表現を含むと理解されるべきであり、「含む」などの用語は、説示された特徴、個数、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらの組み合わせが存在することを意味するもので、一つまたはそれ以上の他の特徴や個数、段階、動作、構成要素、部分品、またはこれらの組み合わせなどの存在または付加可能性を排除しないと理解されるべきである。
【0044】
図面に対する詳細な説明をするに先立ち、本明細書における構成部に対する区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したものに過ぎないことを明確にする。即ち、以下で説明する2個以上の構成部が一つの構成部として合せられるか、または一つの構成部がより細分化された機能別に2個以上に分化して具備されることもできる。そして、以下で説明する構成部のそれぞれは、自分が担当する主機能以外にも、他の構成部が担当する機能のうち一部または全部の機能を追加的に行うこともでき、構成部のそれぞれが担当する主機能のうち一部機能が他の構成部により専担されて行われてもよいことは言うまでもない。
【0045】
また、方法または動作方法を行うにあたって、上記方法をなす各過程は、文脈上明らかに特定の手順を記載しない限り、明記された手順と異なって行われてもよい。即ち、各過程は、明記された手順と同一に行われてもよく、実質的に同時に行われてもよく、反対の手順で行われてもよい。
【0046】
図1は、本発明の一実施例による充電器を例示した図面である。
【0047】
図1を参照すると、本明細書で提案する充電器130は、複数の充電モジュール120-1~120-Nを含む。
【0048】
上述したように、従来の充電器は一つのモジュールのみを使用したため、電気自動車が次第に充電されるにつれて出力電力(特に、電流)を減らしてゆき、充電効率が落ち電力浪費が激しいという問題点が存在した。かかる問題点を解決するために、本明細書では、複数の充電モジュール120-1~120-Nを用いて充電を行う充電器130を提案する。
【0049】
充電器130は、複数の充電モジュール120-1~120-Nを用いる時、電気自動車110の充電が既設定された割合ほど完了すると、充電モジュール120を一つずつ非活性化させ、残りの活性化された充電モジュール120の最大出力電力を最大限利用して電気自動車110を充電することができる。その結果、各充電モジュール120が最大充電効率を出しながら充電可能であるため、全体的な充電効率が向上し、電力浪費が減るようになる。
【0050】
かかる複数の充電モジュール120-1~120-Nは、パワーシェアリング(Power Sharing)動作のためにも容易に使用されることができる。例えば、電気自動車110の充電時に各充電モジュール120は他の充電モジュール120とは独立して動作することができる。よって、充電器130は、一つの電気自動車110を使用するのに全ての充電モジュール120-1~120-Nを使用/活性化するか、一つの充電モジュール120のみを使用/活性化して充電を行うことができる。充電に使用されない充電モジュール120は、他の電気自動車110を充電するのに使用されることができ、これは結局、パワーシェアリング動作に該当する。
【0051】
複数の充電モジュール120-1~120-Nは、最大出力電流(または、電力)レベルが同一であるか異なることができる。本明細書では、説明の便宜のために、充電器130内の複数の充電モジュール120-1~120-Nは、いずれも同一の最大出力電流レベルを有すると仮定する。
【0052】
基本的に、本発明の充電器130は、先ず充電予約された(あるいは、充電要請をした)電気自動車110-1から充電に使用する充電モジュールを優先的に割り当て、後順位の電気自動車110-2~110-Nに対しては、当該電気自動車110-2~110-Nの要請充電量と現在割り当て可能な充電モジュール(即ち、非活性化/不使用中の充電モジュール)120の数などを総合的に考慮して充電モジュールを割り当てる。以下では、説明の便宜のために、現在充電器130が少なくとも一つの充電モジュールを用いて充電中の電気自動車を「第1充電対象電気自動車110-1」と、後順位の充電対象電気自動車110-2~110-Nを「第2充電対象電気自動車」と指称する。
【0053】
さらに、本発明の充電器130は、充電を要請した電気自動車110の充電モードを優先的に決定し、当該充電モードに基づいて充電を行うが、かかる充電モードについては図2を参照して詳しく後述する。
【0054】
図2は、本発明の一実施例による充電モードを例示した図面である。
【0055】
図2を参照すると、充電器は、電気自動車を増加(Increase)モード210または減少(Decrease)モード220で充電することができる。
【0056】
増加モード210は、複数の充電モジュールのうち非活性化中の少なくとも一つの充電モジュールを選択的活性化して第1充電対象電気自動車を充電するモードに該当する。減少モード220は、第1充電対象電気自動車の充電のために活性化された少なくとも一つの充電モジュールのうち少なくとも一つを選択的非活性化するモードに該当する。各モードの具体的な実施例については、図3~5を参照して以下で詳しく後述する。
【0057】
充電器は、充電対象電気自動車の充電要請電流レベル及び充電状態(例えば、現在充電に使用されている充電モジュールの数など)によって如何なるモードを適用するかをリアルタイムで決定し、決定されたモードによって充電動作を行う。
【0058】
図3は、本発明の一実施例による充電器の充電方法を例示したフローチャートである。図4は、本発明の一実施例による充電器の増加モードにおける充電方法を例示したフローチャートである。図5は、本発明の一実施例による充電器の減少モードにおける充電方法を例示したフローチャートである。
【0059】
先に図3を参照すると、先ず充電器は、第1充電対象電気自動車から第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルに関する第1情報を受信することができる(S310)。そのため、充電器は、充電対象電気自動車の規格による多様な通信プロトコルを利用することができる。
【0060】
例えば、第1充電対象電気自動車がDC(Direct Current)コンボ規格を満たす場合、第1充電対象電気自動車は、PLC(Programmable Logic Controller)通信プロトコルを利用して「CurrentDemand」というメッセージ内に要請電流情報に該当する「EVTargetCurrent」を含ませて充電器に伝達することができる。または、第1充電対象電気自動車がチァデモ(CHAdeMO)規格を満たす場合、第1充電対象電気自動車は、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルを利用して「CAN ID 0x102」中に要請電流値を含ませて充電器に伝達することができる。または、第1充電対象電気自動車がGB/T規格を満たす場合、第1充電対象電気自動車は、CAN通信プロトコルを利用して「CAN ID BLC」メッセージ中に要請電流値を含ませて充電器に伝達することができる。
【0061】
次に、充電器は、第1情報に基づいて第1充電対象電気自動車の充電モードを決定することができる(S310)。
【0062】
より具体的に、第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルが第1充電対象電気自動車に現在連結中の充電モジュールの最大出力電流の和より大きい場合、充電器は、第1充電対象電気自動車の充電モードを増加モードとして決定することができる。
【0063】
例えば、図4のように、充電器420が最大50Aの出力電流レベルを有する4個の充電モジュール430-1~430-4を含み、第1充電対象電気自動車410が現在充電器420から2個の充電モジュール430-1、430-2を通じて100Aの充電電流レベルの供給を受けている場合を仮定してみることができる。この時、第1充電対象電気自動車410が要請する電流のレベルが多様な原因により(例えば、使用者が自動車充電速度/量の増加命令を入力した場合など)200Aに増加することができる。この場合、充電器420は、第1充電対象電気自動車410の充電モードを増加モードとして決定することができる。
【0064】
また、第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルが第1充電対象電気自動車に現在連結中の充電モジュールの最大出力電流の和より小さい場合、充電器は、第1充電対象電気自動車の充電モードを減少モードとして決定することができる。
【0065】
例えば、図5のように、充電器510が最大50Aの出力電流レベルを有する4個の充電モジュール530-1~530-4を含み、第1充電対象電気自動車510が現在充電器から4個の充電モジュール530-1~530-4を通じて200Aの充電電流レベルの供給を受けている場合を仮定してみることができる。この時、第1充電対象電気自動車510が要請する電流のレベルが多様な原因により(例えば、バッテリー充電が既設定された割合ほど完了した場合など)100Aに減少することができる。この場合、充電器520は、第1充電対象電気自動車510の充電モードを減少モードとして決定することができる。
【0066】
次に、充電器は、前段階で決定した充電モードで第1充電対象電気自動車を充電することができる(S330)。
【0067】
より詳細には、増加モードが適用された場合、充電器は、第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルを最大出力電流で分けた結果に切り上げ演算した数ほどの充電モジュールを選択的活性化し、活性化された充電モジュールを用いて第1充電対象電気自動車を充電することができる。
【0068】
例えば、図4を参照すると、第1充電対象電気自動車410が要請する充電電流レベルが200Aであり、最大出力電流レベルが50Aであるため、4個(=200A/50A)の充電モジュール430-1~430-4を活性化しなければならない。現在2個の充電モジュール430-1、430-2のみが第1充電対象電気自動車410を充電するために活性化されているため、充電器420は、現在非活性化されている充電モジュールのうち2個430-3、430-4を選択的活性化して第1充電対象電気自動車410を充電するのに使用することになる。これによると、増加モードで選択的活性化可能な充電モジュールの最大数は、現在非活性化中の充電モジュールの数で制限されるようになる。
【0069】
これと同様に、減少モードが適用された場合、充電器は、第1充電対象電気自動車の充電のために活性化された充電モジュールの数において、第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルを最大出力電流で分けた結果に切り上げ演算した数を引いた分だけ充電モジュールを選択的非活性化することができる。
【0070】
例えば、図5を参照すると、第1充電対象電気自動車510が現在提供を受けている充電電流レベルは200A、要請する充電電流レベルは100A、最大出力電流レベルが50Aであるため、4(200A/50A)から2(=100A/50A)を引いた結果である2個だけ充電モジュールを非活性化しなければならない。現在4個の充電モジュール530-1~530-4が第1充電対象電気自動車510を充電するために活性化されているため、充電器520は、活性化されている4個の充電モジュール530-1~530-4のうち2個530-3、530-4を選択的非活性化して第1充電対象電気自動車510を充電するようになる。これによると、減少モードで選択的非活性化可能な充電モジュールの最大数は、現在第1充電対象電気自動車の充電のために活性化中の充電モジュールの数で制限されるようになる。
【0071】
充電器は、充電対象電気自動車の充電モードによって充電モジュールの活性化/非活性化状態を切り換えるが、この時、充電器は各充電モジュールの活性化された回数及び/または活性化周期に基づいて選択的に充電モジュールの活性化/非活性化を行うことができる。
【0072】
より具体的に、充電器は、先ず複数の充電モジュールのそれぞれの活性化された回数及び/または活性化周期に関する第2情報を格納することができる。このように格納しておいた第2情報に基づいて、充電器は、増加モードの適用時に、複数の充電モジュールのうち最も少ない回数及び/または最も頻繁でない周期で活性化された充電モジュールから優先的に選択して活性化することができる。また、充電器は、減少モードの適用時に、複数の充電モジュールのうち最も多い回数及び/または最も頻繁な周期で活性化された充電モジュールから優先的に選択して非活性化することができる。
【0073】
このように充電器は、各充電モジュールの活性化周期/頻度を考慮して選択的に活性化/非活性化動作を行うため、一部の充電モジュールの集中的劣化を防止し、充電モジュールの全体的な寿命を同一に管理することができるという効果が発生する。
【0074】
図6は、本発明の一実施例によるパワーシェアリング動作を例示した図面である。
【0075】
上述したように、本発明の充電器620は、複数の充電モジュールを含み、これらのそれぞれは独立した充電動作が可能であるため、一度に複数の電気自動車610-1、610-2を同時に充電することができるパワーシェアリング機能を行うことができる。従って、第1充電対象電気自動車610-1の充電が完了していくことにより、順次に非活性化された充電モジュールは、後順位充電対象である第2充電対象電気自動車610-2を充電するのに使用されることができる。
【0076】
例えば、図6を参照すると、第1充電対象電気自動車610-1が現在提供を受けている充電電流レベルが200Aであり、要請電流が100Aの場合、減少モードが適用されることができ、その結果、50A充電モジュール2個が非活性化されることができる。このように非活性化された2個の充電モジュールは、後順位の充電対象電気自動車610-2の充電に使用されることができる。本図面において、第2充電対象電気自動車610-2が要請する電流が100Aであるため、2個の充電モジュールは、いずれも第2充電対象電気自動車610-2を充電するのに使用されることができる。もし、第2充電対象電気自動車610-2の要請電流が50Aの場合に、一つの充電モジュールのみが第2充電対象電気自動車610-2のために活性化されることができ、残りの充電モジュールは、その次の後順位充電対象電気自動車の充電のために使用されることができる。
【0077】
図7は、本発明の一実施例による突入電流発生時に充電器で感知された電流グラフである。
【0078】
充電器が充電モジュールを活性化/非活性化させる動作のうち、図7のように急に高いレベルの電流である突入電流が流入され得る。突入電流は、基準充電電流より非常に高いレベルの電流であり、電気自動車の充電過程で安全問題と維持補修問題を発生させる。特に、電気自動車に3相交流電源を供給する電気自動車充電器では、かかる突入電流により充電器内で不要な遮断機の動作と漏電遮断機の不要なトリッピング(tripping)が発生するようになる。よって、充電モジュールを活性化/非活性化するにあたって、突入電流を防止することが非常に重要である。
【0079】
本明細書では、かかる突入電流を防止するための充電器の動作について提案し、これについては図8及び9を参照して以下で後述する。
【0080】
図8は、本発明の一実施例による充電器の減少モード適用時に突入電流防止動作を示すグラフである。
【0081】
図8を参照すると、充電器は、突入電流を防止するために減少モードを適用する時、先ず第1充電対象電気自動車に対して現在充電中の電流レベルを既設定された割合A0に減らすことができる。ここで既設定された割合は、例えば、現在充電中の電流レベルの10%に該当することができる。
【0082】
次に、充電器は、既設定された時間t0の間で突入電流が発生するかを確認することができる。もし、既設定された時間t0の間で突入電流が発生しなかったことが確認されると、充電器は非活性化しようとした充電モジュールを非活性化することができる。その結果、充電器の最大充電可能電流は、非活性化された充電モジュールの最大充電可能電流ほど減るようになる。
【0083】
次に、充電器は、充電モジュールの非活性化による突入電流が発生するかを既設定された時間t1の間で再び確認することができる。もし、既設定された時間t1の間で突入電流が発生しなかったことが確認されると、充電器は第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルほど充電電流レベルを上昇させることで、本来の充電動作/アルゴリズムに回帰することができる。
【0084】
図9は、本発明の一実施例による充電器の増加モードの適用時に突入電流防止動作を示すグラフである。
【0085】
図9を参照すると、充電器は、突入電流を防止するために増加モードを適用する時、先ず第1充電対象電気自動車に対して現在充電中の電流レベルを既設定された割合A0に減らすことができる。ここで既設定された割合は、例えば、現在充電中の電流レベルの10%に該当することができる。
【0086】
次に、充電器は、既設定された時間t0の間で突入電流が発生するかを確認することができる。もし、既設定された時間t0の間で突入電流が発生しなかったことが確認されると、充電器は活性化しようとした充電モジュールを活性化することができる。その結果、充電器の最大充電可能電流は、活性化された充電モジュールの最大充電可能電流ほど増加するようになる。
【0087】
次に、充電器は、充電モジュールの活性化による突入電流が発生するかを既設定された時間t1の間で再び確認することができる。もし、既設定された時間t1の間で突入電流が発生しなかったことが確認されると、充電器は第1充電対象電気自動車が要請する充電電流レベルほど充電電流レベルを上昇させることで、本来の充電動作/アルゴリズムに回帰することができる。
【0088】
このように上述した図8及び9の実施例によると、本明細書の充電器は、充電モジュールを活性化するか非活性化する前に、充電電流レベルを一定割合ほど低くすることで突入電流を予め防止し、活性化/非活性化前後に突入電流を持続的に感知することで、突入電流の発生による被害を最小化するという長所を有する。
【0089】
図10は、本発明の一実施例による充電器のブロック図である。
【0090】
以下で後述する構成は、少なくとも一つのハードウェア的な/ソフトウェア的な構成要素として具現されることができ、上述した実施例を行うことに使用されることができる。
【0091】
図10を参照すると、充電器は、制御部1010、充電部1020、センサー部1030、通信部1040及び/またはメモリー部1050を含むことができる。
【0092】
制御部1010は、充電器に含まれた他の構成要素と通信を行うだけでなく、これらを制御することができる。特に、制御部1010は、本明細書に開示された多様な実施例を充電器に含まれた少なくとも一つの構成要素を制御することで主体的に行うことができる。よって、本明細書の充電器は、制御部1010と同一視されて説明されることができる。制御部1010は、少なくとも一つのプロセッサで具現されることができる。
【0093】
充電部1020は、電気自動車の充電に必要なハードウェア的な構成要素を含むことができる。例えば、充電部1020は、複数の充電モジュール及び電力を供給するために電気自動車と充電器を連結する充電連結部を含むことができる。
【0094】
センサー部1030は、充電器の内部/外部の周辺環境をセンシングし、センシング結果を制御部に伝送することができる。例えば、センサー部1030は、少なくとも一つの電流/電圧感知センサーを含むことができ、内部の電流/電圧をリアルタイムで監視してその結果を制御部に通報することができる。特に、センサー部1030は、充電モジュールの活性化/非活性化の前後に突入電流をセンシングすることができ、結果を制御部1010に伝達することができる。
【0095】
通信部1040は、少なくとも一つの通信プロトコルを利用して外部と通信を行うことができる。特に、通信部1040は、少なくとも一つの通信プロトコルとしてPLC、CAN、WiFi、ブルートゥース、NFCなどを利用して通信を行うことができる。通信部1040は、通信を通じて取り交わした信号/情報/データは制御部に伝達することができ、制御部1010から受信した信号/情報/データを外部に伝送することができる。
【0096】
メモリー部1050は、多様な情報/データ/プログラム/アプリケーションなどを格納することができる。メモリー部1050は、格納した情報/データを制御部に伝送するか、制御部1010から受信することができる。特に、本発明によるメモリー部1050は、各充電モジュールが活性化された(または、非活性化された)頻度/回数/周期などに関する情報/データを格納することができる。
【0097】
一方、説明の便宜のために、本明細書において、図1及び6などに一つの充電器に複数の連結端子が具備され、かかる複数の連結端子を通じて複数の電気自動車と連結される実施例を図示したが、これに限定されるものではなく、一つの充電器に複数のディスペンサーが具備され、かかる複数のディスペンサーを通じて複数の電気自動車と連結可能なことは言うまでもない。
【0098】
説明の便宜のために各図面を分けて説明したが、各図面に述べられている実施例を併合して新しい実施例を具現するように設計することも可能である。また、本発明は、上述したように説明された実施例の構成と方法が限定して適用可能なものではなく、上述した実施例は多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成されることもできる。
【0099】
また、以上では、好ましい実施例について図示し説明したが、本明細書は、上述した特定の実施例に限定されず、請求の範囲で請求する要旨を逸脱することなく、当該明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能なことは勿論、かかる変形実施は本明細書の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはならない。
【産業上利用可能性】
【0100】
本発明は、多様な電気自動車充電の技術分野及び突入電流防止の技術分野に適用されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10