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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】撮像装置及び携帯型電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20230125BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20230125BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20230125BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20230125BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20230125BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20230125BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20230125BHJP
   G03B 17/04 20210101ALI20230125BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/04 E
G03B17/02
G03B11/00
G03B30/00
H04N23/57
H04N23/50
G03B17/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022059568
(22)【出願日】2022-03-31
【審査請求日】2022-03-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320011719
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス (ソシュウ) カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176337
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
【審査官】小川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-207785(JP,A)
【文献】特開2021-128317(JP,A)
【文献】特開2016-131265(JP,A)
【文献】特開2013-073201(JP,A)
【文献】特開2007-199583(JP,A)
【文献】特開2011-154403(JP,A)
【文献】特表2021-529344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/04
G03B 17/02
G03B 11/00
G03B 30/00
H04N 23/57
H04N 23/50
G03B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
収容キャビティを有するケース、前記収容キャビティ内に設けられたレンズ及び防振機構を含み、
前記防振機構は、第1可動部、第1固定部、第1コイル、第1磁石、光学フィルタ及びフォトセンサを含み、
前記第1コイル、前記光学フィルタ及び前記フォトセンサは、いずれも前記第1可動部に固定接続され、
前記第1磁石は、前記第1固定部に固定接続され、
前記第1磁石と前記第1コイルは、対向して間隔をあけて設けられることによって、前記第1可動部が光軸方向に直交する平面で往復移動するように駆動し、
前記第1可動部における前記光軸方向の像側に第1突起が凸設され、前記第1突起における前記第1可動部から離れる端面に第1溝が凹設され、
前記第1固定部における前記光軸方向の物体側に第2溝が凹設され、前記第2溝が前記第1溝に対応し、
前記フォトセンサは前記第1突起に固定され、前記フォトセンサは、一端が前記第1溝内に延入し、他端が前記第2溝内に延入する、ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1可動部における前記光軸方向の物体側に段差溝が貫通し、前記段差溝は、前記第1溝に対応しかつ前記第1溝に連通するまで貫通し、前記光学フィルタは、前記段差溝内に固定され、前記光学フィルタと前記フォトセンサは、前記光軸方向に沿って対向して間隔をあけて設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1可動部は、前記第1固定部における前記光軸方向の物体側に設けられ、
前記第1コイルは、前記第1可動部における前記第1固定部に向かう側に固定され、前記第1コイルは、前記フォトセンサの周囲に設けられ、
前記第1磁石は、前記第1固定部における前記第1可動部に向かう側に固定され、前記第1磁石と前記第1コイルは一対一に対応する、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1可動部における前記光軸方向の像側に第3溝が凹設され、前記第3溝内に磁気ヨークが固定され、前記磁気ヨークは、前記第1コイルと一対一に対応する、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1可動部における前記光軸方向の像側に第2突起が凸設され、前記第2突起における前記第1可動部から離れる端面に第4溝が凹設され、前記第4溝内に第1板体が設けられ、
前記第1固定部における前記光軸方向の物体側に第5溝が凹設され、前記第5溝が前記第4溝と一対一に対応し、前記第5溝内に第2板体が設けられ、
前記第1板体と前記第2板体との間にボールが設けられ、前記ボールにおける前記第1可動部に近接する一端は、前記第4溝内に延入し、かつ前記第1板体に転動接続され、前記ボールにおける前記第1固定部に近接する一端は、前記第5溝内に延入し、かつ前記第2板体に転動接続され、それによって前記第1可動部は、光軸方向に直交する平面で往復移動することができる、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記ケースの少なくとも一部の箇所は、金属材質であり、前記収容キャビティ内には、熱伝導部材が設けられ、前記熱伝導部材は、前記フォトセンサ及び前記ケースの何れとも接触することによって、前記フォトセンサの熱を前記ケースに伝導する、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記収容キャビティ内には、さらに前記レンズを駆動してオートフォーカスを行わせるためのオートフォーカス機構が設けられ、前記オートフォーカス機構は、第2可動部、第2固定部、第2コイル及び第2磁石を含み、
前記レンズ及び前記第2コイルは、いずれも前記第2可動部に固定接続され、
前記第2磁石は、前記第2固定部に固定接続され、
前記第2磁石と前記第2コイルは、対向して間隔をあけて設けられることによって、前記第2可動部が前記光軸方向に沿って往復移動するように駆動する、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記レンズは、ズームレンズである、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記レンズは、光路の方向を変更するための少なくとも1つのプリズムを含むレンズ構造である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の撮像装置を含む、ことを特徴とする携帯型電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置の技術分野に関し、特に撮像装置及び携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影技術の急速な発展に伴い、レンズを含む撮像装置は、多くの様々な携帯型電子装置に広く応用され、例えば携帯電話、タブレットコンピュータ等である。
【0003】
一般的な携帯型電子機器に適用される撮像装置は、一般に、光軸方向において焦点を調整するオートフォーカス機構と、光軸方向に直交する平面を移動駆動する手振れ補正機構とを備えることが多い。
【0004】
オートフォーカスの機能は、いずれもコイル及び磁石によって形成され、コイルがレンズ支持体の外周に固定される。コイルに電流を印加するとき、電磁力の作用によって、コイルは、レンズ支持体を動かしてレンズの光軸方向に沿って移動させることによって、焦点を合わせることができる。
【0005】
また、ユーザが手で電子機器を持ちながら撮影する際に、手振れによる撮像装置の振れに対して、光軸に垂直な方向に駆動することで、振れを補正することができる。
【0006】
しかしながら、例えば携帯型電子機器に搭載される小型機器としては、光学全長の長い中望遠などの光学系における手振れ補正機構は、駆動量の長さやレンズの重量が大きいという問題などがあることによって、低背化や小型化が難しい課題があった。
【0007】
また、光軸方向に沿って駆動されるとともに焦点を調整するためのオートフォーカス機構と光軸に直交する平面で駆動される手振れ補正機構が一体であるため、さらにそれぞれの固有振動を抑制するための機構、レンズの芯出し調整機構などを設ける必要があるため、組立難易度が高く、構造安定性が低い傾向にある。
【0008】
従来技術において、IRCF枠はIRCFのみを搭載し、OIS駆動枠と別々に設けられているため、センサとの間にチルト誤差が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために、部品を簡略化しつつ、占有スペースを縮小することができるとともに、センサのチルト誤差を低減することができる撮像装置及び携帯型電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、撮像装置であって、収容キャビティを有するケース、前記収容キャビティ内に設けられたレンズ及び防振機構を含み、前記防振機構は、第1可動部と、第1固定部と、第1コイルと、第1磁石と、光学フィルタ及びフォトセンサを含み、
ここで、前記第1コイル、前記光学フィルタ及び前記フォトセンサは、いずれも前記第1可動部に固定接続され、
前記第1磁石は、前記第1固定部に固定接続され、
前記第1磁石は、前記第1コイルに対向して間隔をあけて設けられることによって、前記第1可動部を光軸方向に直交する平面で往復移動するように駆動する、ことを特徴とする撮像装置を提供する。
【0011】
前記のような撮像装置であって、ここで、好ましくは、前記第1可動部における前記光軸方向の像側に第1突起が凸設され、前記第1突起における前記第1可動部から離れる端面には第1溝が凹設されており、
前記第1固定部における前記光軸方向の物体側に第2溝が凹設され、前記第2溝が前記第1溝に対応し、
前記フォトセンサは、前記第1突起に固定され、前記フォトセンサは、一端が前記第1溝内に延入し、他端が前記第2溝内に延入する。
【0012】
前記のような撮像装置であって、ここで、好ましくは、前記第1可動部における前記光軸方向の物体側に段差溝が貫通し、前記段差溝は、前記第1溝に対応しかつ前記第1溝に連通するまで貫通し、前記光学フィルタは、前記段差溝内に固定され、前記光学フィルタと前記フォトセンサは、前記光軸方向に沿って対向して間隔をあけて設けられる。
【0013】
前記のような撮像装置であって、ここで、好ましくは、前記第1可動部は、前記第1固定部における前記光軸方向の物体側に設けられ、
前記第1コイルは、前記第1可動部における前記第1固定部に向かう側に固定され、前記第1コイルは、前記フォトセンサの周囲に設けられ、
前記第1磁石は、前記第1固定部における前記第1可動部に向かう側に固定され、前記第1磁石は、前記第1コイルと一対一に対応する。
【0014】
前記のような撮像装置であって、ここで、好ましくは、前記第1可動部における前記光軸方向の像側に第3溝が凹設され、前記第3溝内に磁気ヨークが固定され、前記磁気ヨークは、前記第1コイルと一対一に対応する。
【0015】
前記のような撮像装置であって、ここで、好ましくは、前記第1可動部における前記光軸方向の像側に第2突起が凸設され、前記第2突起における前記第1可動部から離れる端面に第4溝が凹設され、前記第4溝内に第1板体が設けられ、
前記第1固定部における前記光軸方向の物体側に第5溝が凹設され、前記第5溝は前記第4溝と一対一に対応し、前記第5溝内に第2板体が設けられ、
前記第1板体と前記第2板体との間にボールが設けられ、前記ボールにおける前記第1可動部に近接する端は前記第4溝内に延入し、かつ前記第1板体に転動接続され、前記ボールの前記第1固定部に近接する一端は、前記第5溝内に延入し、かつ前記第2板体に転動接続されることによって、前記第1可動部が光軸方向に直交する平面で往復移動することを可能にする。
【0016】
前記のような撮像装置であって、ここで、好ましくは、前記ケースの少なくとも一部の箇所は、金属材質であり、前記収容キャビティ内に熱伝導部材が設けられ、前記熱伝導部材は、前記フォトセンサ及び前記ケースの両方と接触を保持することによって、前記フォトセンサの熱を前記ケースに伝導する。
【0017】
前記のような撮像装置であって、ここで、好ましくは、前記収容キャビティ内には、さらに前記レンズを駆動してオートフォーカスを行うためのオートフォーカス機構が設けられ、前記オートフォーカス機構は、第2可動部と、第2固定部と、第2コイルと、第2磁石とを含み、
ここで、前記レンズ及び前記第2コイルは、いずれも前記第2可動部に固定接続され、
前記第2磁石は、前記第2固定部に固定接続され、
前記第2磁石は、前記第2コイルに対向して間隔をあけて設けられることによって、前記第2可動部を前記光軸方向に沿って往復移動するように駆動する。
【0018】
前記のような撮像装置であって、ここで、好ましくは、前記レンズは、ズームレンズである。
【0019】
前記のような撮像装置であって、ここで、好ましくは、前記レンズは、沈胴レンズである。
【0020】
本発明は、さらに前述の撮像装置を含む携帯型電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0021】
従来技術に比べて、本発明は、第1コイル、光学フィルタ及びフォトセンサをいずれも第1可動部に固定接続することによって、撮像装置の低背化、小型化を実現し、部品を簡略化し、占有スペースを縮小し、撮像画像の品質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に提供される実施例の撮像装置の全体構造の斜視図である。
図2】本発明に提供される実施例の撮像装置の全体構造の立体分解図である。
図3】本発明に提供される実施例の撮像装置の全体構造の側面図である。
図4】本発明に提供される実施例の撮像装置の全体構造の平面図である。
図5図4のA-A矢視断面図である。
図6図5のC箇所の拡大構造概略図である。
図7】本発明に提供される実施例の撮像装置の第1可動部の斜視図である。
図8】本発明に提供される実施例の撮像装置の第1可動部の別の視角の概略図である。
図9図8のB-B矢視断面図である。
図10】本発明に提供される実施例の撮像装置の全体構造におけるケースの一部を隠した状態での斜視図である。
図11】本発明に提供される実施例のズーム式レンズ構造の構造概略図である。
図12】本発明に提供される実施例のズーム式レンズ構造のズーム式レンズ収縮の概略図である、
図13】本発明に提供される実施例の沈胴式レンズ構造の構造概略図である。
図14】本発明に提供される実施例の携帯型電子機器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に図面を参照しながら説明する実施例は、例示的なものであり、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではないと解釈されるべきである。
【0024】
図1図10に示すように、本発明の実施例は、撮像装置10を提供し、当該撮像装置10は、収容キャビティ100aを有するケース100と、収容キャビティ100a内に設けられたレンズ200及び防振機構300とを含み、レンズ200及び防振機構300は、光軸500方向に沿って順に設けられ、レンズ200は、光軸500方向の物体側に位置する。
【0025】
ここで、ケース100は、頂壁101、底壁102及び周壁103を含み、周壁103は、頂壁101及び底壁102に接続され、収容キャビティ100aは、頂壁101、底壁102及び周壁103で囲まれてなり、頂壁101に収容キャビティ100aに連通する貫通孔104が開設され、レンズ200の少なくとも一部が突出するために用いられる。
【0026】
防振機構300は、第1可動部301、第1固定部302、第1コイル306、第1磁石307、光学フィルタ303及びフォトセンサ304を含み、第1固定部302は、収容キャビティ100a内に固定され、第1可動部301は、収容キャビティ100a内に可動に設けられ、第1可動部301は、光軸500方向に直交する平面で移動することができ、第1磁石307は、第1固定部302に固定され、第1コイル306、光学フィルタ303及びフォトセンサ304は、いずれも第1可動部301に固定接続される。光学フィルタ303は、フォトセンサ304よりも光軸500方向の物体側に位置する。いくつかの実施例において、光学フィルタ303は、赤外線カット光学フィルタ303であり、それは、通常、フォトセンサ304を保護しかつ一部の波長の光線を遮断し、不要な光をフィルタリングして、可視光のみを通過させる。
【0027】
第1コイル306、光学フィルタ303及びフォトセンサ304の信号線、電源線などは、防振機構300の動作の妨げにならないように、第1フレキシブル基板308を介して防振機構300の外側へ設けることができる。好ましくは、収容キャビティ100a内には、少なくとも第1フレキシブル基板308の曲げ面が平面で移動する際に動作の妨げにならないように、自由に移動するための空間が設けられている。
【0028】
上記防振機構300の動作原理は、以下の通りである。すなわち、第1コイル306に通電すると、第1磁石307の磁場と第1コイル306に流れる電流との間の相互作用によって、第1コイル306にローレンツ力が発生する。ローレンツ力の方向は、第1磁石307の磁場の方向及び第1のコイル306に流れる電流の方向に直交する方向である。第1磁石307が固定されるため、反力が第1コイル306に作用する。当該反力は、第1可動部301の駆動力となり、第1コイル306を備える第1可動部301は、光軸500方向に直交する平面で移動し、それによって防振補正を行う。
【0029】
本実施例において、防振機構300は、第1可動部301で光軸500に直交する平面内で光学フィルタ303及びフォトセンサ304を移動する形態によって手振れ補正を行いながら、第1コイル306、光学フィルタ303及びフォトセンサ304をいずれも第1可動部301に固定接続することによって、撮像装置10の低背化、小型化を実現し、部品を簡略化して占有スペースを縮小し、センサのチルト誤差を減少させ、撮像画像の品質を改善することができる。
【0030】
さらに、図7図9に示すように、いくつかの実施例において、第1可動部301の本体は板状構造であり、第1可動部301の本体における光軸500方向の像側に第1突起3011が凸設され、第1突起3011は、第1可動部301の中央部に位置することが好ましく、フォトセンサ304は、第1突起3011に固定され、第1可動部301の移動に伴って同期に移動することができ、第1突起3011における第1可動部301から離れる端面に第1溝3012が凹設され、第1溝3012は、フォトセンサ304の部分構造を収容するために用いられ、フォトセンサ304の一端は、第1溝3012内に延入し、それによってフォトセンサ304が光軸500方向に占用するスペースをさらに圧縮することができるとともに、フォトセンサ304に対する保護作用を果たすことができ、第1溝3012の形状及び寸法は、いずれもフォトセンサ304の形状及び寸法に基づいて定めることができ、ここで限定されない。
【0031】
第1固定部302における光軸500方向の物体側に第2溝3021が凹設され、第2溝3021は第1溝3012に対応し、第2溝3021はフォトセンサ304の部分構造を収容するために用いられ、フォトセンサ304の一端は第2溝3021内に延入し、それによってフォトセンサ304が光軸500方向に占用するスペースをさらに圧縮することができるとともに、フォトセンサ304に対する保護作用を果たすことができる。第2溝3021の形状及びサイズは、いずれもフォトセンサ304の形状及びサイズに基づいて定めることができ、ここで限定されないが、当業者であれば分かるように、第2溝3021の内径は、フォトセンサ304が第2溝3021内に延入する構造のサイズよりも大きくする必要があり、それによってフォトセンサ304の第2溝3021内における横方向移動が阻止されず、第2溝3021の内壁がフォトセンサ304の移動を制限することが回避される。
【0032】
フォトセンサ304を第1溝3012及び第2溝3021内に収容することによって、フォトセンサ304の光軸500方向における投影と第1可動部301及び第1固定部302との間に重合領域が存在し、第1可動部301、第1固定部302とフォトセンサ304の厚さを重合することによって、防振機構300の占めるスペースを減少させ、撮像装置10の小型化に有利であるとともに、部材の削減及びフォトセンサ304の光軸500に対するチルト誤差の削減の効果を効果的に兼ね備えることができ、さらにフォトセンサ304の取り付け精度を向上させつつ、フォトセンサ304全体の剛性を向上させ、撮像装置10の落下衝撃に対する安定性を向上させることができる。
【0033】
さらに、図7図9に示すように、第1可動部301における光軸500方向の物体側に段差溝3013が貫通し、段差溝3013は第1突起3011に対応する位置に開設され、段差溝3013は第1溝3012に対応しかつ第1溝3012に連通するまで貫通し、光学フィルタ303は段差溝3013内に固定され、光学フィルタ303とフォトセンサ304は、光軸500方向に沿って対向して間隔をあけて設けられ、光学フィルタ303は光軸500方向の物体側により近く、光学フィルタ303の光軸500方向における投影と第1可動部301との間に重合領域が存在し、第1可動部301と光学フィルタ303の厚さを重合することによって、防振機構300の占めるスペースを減少させ、撮像装置10の小型化に有利であるとともに、部材の削減及び光学フィルタ303の光軸500に対するチルト誤差の削減の効果を効果的に兼ね備えることができ、さらに光学フィルタ303の取付精度を向上させつつ、光学フィルタ303全体の剛性を向上させ、かつ撮像装置10の落下衝撃に対する安定性を向上させることができる。
【0034】
さらに、図5及び図6に示すように、第1可動部301は、第1固定部302における光軸500方向の物体側に設けられ、第1コイル306は、第1可動部301における第1固定部302に向かう側に固定され、第1コイル306は、フォトセンサ304の周囲に設けられ、第1磁石307は、第1固定部302における第1可動部301に向かう側に固定され、第1磁石307は、第1コイル306と一対一に対応し、いくつかの実施例において、第1磁石307及び第1コイル306はいずれも複数設けられ、複数の第1磁石307及び複数の第1コイル306は一対一に対応し、好ましくは、第1コイル306は4つ設けられ、4つの第1コイル306は、フォトセンサ304を中心として等間隔で設けられ、当業者であれば分かるように、第1コイル306の数及び分布は、いずれも実際の状況に応じて定めることができ、ここで限定されない。
【0035】
さらに、図5図6及び図7に示すように、第1可動部301における光軸500方向の像側に第3溝3014が凹設され、第3溝3014内に磁気ヨーク305が固定され、磁気ヨーク305は、第1コイル306と一対一に対応する。磁気ヨーク305が第3溝3014内に設けられることによって、磁気ヨーク305の表面が第1可動部301の表面よりも低くなり、同様に撮像装置10の小型化に有利となる。
【0036】
磁気ヨーク305を第1可動部301に取り付けることで、常に磁気ヨーク305と第1磁石307によって防振機構300を光軸500の中心に引き寄せる磁気バネ効果を有するため、効果的にガタ取りを行う効果を備え、第1可動部301の光軸500に対するチルトを低減することができる。それと同時に、第1コイル306、第1磁石307及び磁気ヨーク305によってガタ取り及び付勢を行うことができるため、付勢のための他の部材を必要とせず、部品の大幅な削減に寄与し、小型化、組立容易化を実現することができる。
【0037】
さらに、図5図9に示すように、第1可動部301における光軸500方向の像側に第2突起3015が凸設され、第2突起3015における第1可動部301から離れる端面に第4溝3016が凹設され、第4溝3016内に第1板体312が設けられ、第1板体312が第4溝3016の底面に固定される。
【0038】
第1固定部302における光軸500方向の物体側に第5溝3022が凹設され、第5溝3022が第4溝3016と一対一に対応し、第5溝3022内に第2板体313が設けられ、第2板体313が第5溝3022の底面に固定される。
【0039】
第1板体312と第2板体313との間にボール314が設けられ、第1板体312、第2板体313及びボール314がいずれも複数設けられ、複数の第1板体312、複数の第2板体313及び複数のボール314が一対一に対応し、それによってバランスよく均一に分布する支持力を提供することが可能となり、第1可動部301が移動過程でチルトすることを回避することができ、ボール314の第1可動部301に近接する一端が第4溝3016内に延入して、第1板体312に転動接続され、ボール314の第1固定部302に近接する一端が第5溝3022内に延入して、第2板体313に転動接続されることによって、第1可動部301が光軸500方向に直交する平面で往復移動することを可能にする。
【0040】
ボール314を第4溝3016及び第5溝3022に収容することによって、ボール314の移動を制限して、第1可動部301の移動幅が大きすぎることを回避することができるとともに、ボール314の光軸500方向における投影と第1可動部301及び第1固定部302との間に重合領域が存在し、第1可動部301、第1固定部302とボール314の厚さを重合することによって、ボール314の占めるスペースを減少させることができ、撮像装置10の小型化及び落下衝撃に対する保護作用を向上させることに有利となる。
【0041】
さらに、図5に示すように、第1可動部301における光軸500方向の物体側に第3突起3017が凸設され、第3突起3017に第1振れ止め用緩衝部材311が被覆され、いくつかの実施例において、第3突起3017が複数設けられ、均等分散の緩衝及び支持作用を向上させるために、複数の第3突起3017が第1可動部301に環状に間隔をあけて設けられ、当業者であれば分かるように、第3突起3017の数及び分布は、いずれも実際の状況に応じて定めることができ、ここで限定されない。第1振れ止め用緩衝部材311は制震ゲルであることが好ましく、防振機構300の突発的な通電に対してリップル動作を制御する制震効果を生成することによって、より正確な防振機能を有することが可能となる。
【0042】
いくつかの実施例において、図1に示すように、第1コイル306には第1磁石307の磁束を検出できる第1位置検出素子310が搭載され、好ましくは、第1位置検出素子310は、少なくとも2つ設けられ、第1磁石307の磁束を検出することによって、第1可動部301に対して正確な位置検出及び防振の制御を行うことができる。
【0043】
上記実施例の技術案によれば、小型化が進行する携帯型電子機器においてより効率的な防振機構300を実現するという目的を達成することができ、撮像画像の品質がよくなる。
【0044】
図1図5及び図10に示すように、収容キャビティ100a内には、さらにレンズ200を駆動してオートフォーカスを行うためのオートフォーカス機構400が設けられ、オートフォーカス機構400と防振機構300の部品を分離して固有振動を抑制するため、設計難度が低下し、同時にレンズ200を3次元的に移動させる必要がなくなり、それに応じてレンズ200の芯出しも容易になる。
【0045】
さらに、オートフォーカス機構400は、第2可動部401、第2固定部402、第2コイル403及び第2磁石404を含み、第2可動部401は、光軸500の方向に沿って往復移動することができ、レンズ200及び第2コイル403は、いずれも第2可動部401に接続される。
【0046】
第2可動部401の中部には円筒状の貫通溝が貫通し、レンズ200は、接着、螺着又は他の接続方式によって貫通溝の内周面に固定され、第2コイル403は、ピント合わせのときに通電する中空コイルであり、光軸500方向に沿ってみると、第2コイル403は、例えば四角形構造などの多角形であり、第2コイル403は、第2可動部401の外壁面に外嵌されつつ、光軸500方向に沿ってみると、第2固定部402は、方形の筐体構造であり、第2可動部401は、第2固定部402の筐体内に延入し、第2磁石404は、第2固定部402の内壁面に設けられ、第2磁石404は、第2コイル403の周囲に設けられ、第1磁石307、第1コイル306及び第2磁石404は、光軸方向に沿って順に間隔をあけて設けられる。
【0047】
オートフォーカス機構400が自動的にピント合わせする場合に、第2コイル403に通電する。第2磁石404の磁場と第2コイル403に流れる電流との間の相互作用によって、第2コイル403にローレンツ力が発生する。ローレンツ力の方向は、第2の磁石404の磁場の方向及び第2のコイル403に流れる電流の方向に直交する方向である。第2磁石404が固定されるため、反力は第2コイル403に作用する。この反力が第2可動部401の駆動力となり、第2コイル403を有する第2可動部401が光軸500方向に移動することで、ピント合わせが行われる。
【0048】
引き続き、図1及び図10に示すように、オートフォーカス機構400は、さらに弾性支持部405を含み、弾性支持部405の両端は、それぞれ第2可動部401及び第2固定部402に接続されることによって、第2可動部401を収容キャビティ100a内に懸架し、それぞれの弾性によって、電磁力が作用しない状態でレンズ200を懸架状態に保持することができる。
【0049】
いくつかの実施例において、弾性支持部405は、上板バネ4051及び下板バネ4052を含み、上板バネ4051は、第2可動部401における光軸500方向の物体側に近接する側に位置し、上板バネ4051の両端は、それぞれ第2可動部401及び第2固定部402の上端面に接続され、第2可動部401及び第2固定部402の上端面には複数の位置決め突起が設けられ、上板バネ4051には位置決め突起とマッチングする位置決め貫通溝が設けられ、同様に、下板バネ4052は、第2可動部401における光軸500方向の物体側から離れた側に位置し、下板バネ4052は、上板バネ4051に対向して設けられ、下板バネ4052の両端は、それぞれ第2可動部401及び第2固定部402の下端面に接続され、第2可動部401及び第2固定部402の下端面には複数の位置決め突起が設けられ、下板バネ4052には位置決め突起とマッチングする位置決め貫通溝が設けられる。
【0050】
さらに、図1に示すように、第2コイル403内には第2磁石404の磁束を検出可能な第2位置検出素子406が搭載され、第2磁石404の磁束を検出することによって、レンズ200に対して正確な位置検出及びフォーカス制御を行うことができる。
【0051】
図1図5及び図6に示すように、第2位置検出素子406の信号線、電源線は、第2フレキシブル基板407を介してオートフォーカス機構400の外側に設けることができ、好ましくは、第2フレキシブル基板407は第1フレキシブル基板308と一体化され、第1フレキシブル基板308に制御用の駆動集積回路を搭載する場合、オートフォーカスのための通電、第2位置検出素子406の信号をフィードバックするサーボ制御などを行うことができる。
【0052】
さらに、図1に示すように、第2可動部401内には第2振れ止め用緩衝部材408が設けられ、第2振れ止め用緩衝部材408は、制震ゲルであることが好ましく、オートフォーカスの突発的な通電に対してリップル動作を制御する制震効果を生成することによって、より正確なオートフォーカス機能を有することができる。
【0053】
従来技術において、さらに、撮像素子アセンブリが大きくなるにつれて、発熱量が増大し、撮像素子アセンブリを防振する防振機構300では、その排熱が問題となり、動作に制限がかかることや撮像素子アセンブリ自体の熱による素子の破壊が起きる可能性があるという問題があった。撮像素子アセンブリの排熱の技術問題を解決するために、ケース100の少なくとも一部の箇所は、熱伝導性の高い金属材質であり、当該一部の箇所は、フォトセンサ304に隣接することが好ましく、例えば、一部の箇所が底壁102に位置し、又は底壁102全体が金属材質であり、収容キャビティ100a内に熱伝導部材309が設けられ、熱伝導部材309がフォトセンサ304及びケース100といずれも接触することによって、フォトセンサ304の熱をケース100に伝導する。
【0054】
これによって、新たな放熱構造の採用や、空気循環のためのファン等の多くの部材を投入して放熱することも不要となるため、本実施例では、フォトセンサ304への損傷を低減し、放熱効果が高く、小型薄型化に寄与するという利点を有する。
【0055】
いくつかの実施例において、熱伝導部材309は、放熱ゲルであり、フォトセンサ304から発した熱をケース100に効率的に伝達することができるだけでなく、放熱ゲルは、同様に、防振機構300の突発的な通電に対してリップル動作を制御する制震効果を生成することによって、より正確な防振機能を有することができる。熱伝導部材309がより多くの実施形態を有することは、当業者にとって自明なことであり、ここで一々列挙しない。
【0056】
前述の実施例のレンズ200は、オートフォーカス式レンズであり、いくつかの実施例において、図11及び12に示すように、上記防振機構300は、ズーム式レンズ構造60に適用することもでき、ズーム式レンズ構造60は、ズームレンズ600を含み、ズームレンズ600は、光軸方向に沿って間隔をあけて設けられた少なくとも2組のレンズを含み、ズーム式レンズ構造60は、2組のレンズにおける光軸方向に沿った間隔を変更することによってズームを実現し、具体的に、複数組のレンズを含むズームレンズ600は、伸縮運動を行うことができ、図12の左側には、ズームレンズ600が伸び出す時の側面図を示し、右側には、ズームレンズ600が収縮する時の側面図を示す。ズーム式レンズ構造60を設けることによって、撮像装置の撮影効果を向上させることに寄与するだけでなく、さらに使用者の体験感を向上させることにも有利となる。
【0057】
図13に示すように、上記防振機構300は、沈胴式レンズ構造70に適用することもでき、沈胴式レンズ構造70は、沈胴レンズ700を含み、沈胴レンズ700は、光路の方向を変更するための少なくとも1つのプリズムを含む。光路を変更できるプリズムを設けることによって、撮像装置の体積を減少させることに有利であり、撮像装置の小型化及び携帯化を実現することに有利となる。
【0058】
上記実施例に基づいて、図14に示すように、本発明は、さらに携帯型電子装置20を提供し、例えば、スマートフォン又はタブレット装置等であり、いずれも前述の撮像装置10を含む。
【0059】
以上、図面に示された実施例に基づいて本発明の構造、特徴及び作用効果を詳細に説明したが、上記したのは本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明は、図面に示された実施範囲に限定されるものではないと理解されるべきである。本発明の構想に基づいて行われた変更、又は同等変化の等価実施例に修正したものは、依然として明細書及び図面に含まれた主旨を超えない場合、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0060】
10…撮像装置
20…携帯型電子機器
100…ケース、100a…収容キャビティ、101…頂壁、102…底壁、103…周壁、104…貫通孔
200…レンズ
300…防振機構、301…第1可動部、3011…第1突起、3012…第1溝、3013…段差溝、3014…第3溝、3015…第2突起、3016…第4溝、3017…第3突起、302…第1固定部、3021…第2溝、3022…第5溝、303…光学フィルタ、304…フォトセンサ、305…磁気ヨーク、306…第1コイル、307…第1磁石、308…第1フレキシブル基板、309…熱伝導部材、310…第1位置検出素子、311…第1振れ止め用緩衝部材、312…第1板体、313…第2板体、314…ボール
400…オートフォーカス機構、401…第2可動部、402…第2固定部、403…第2コイル、404…第2磁石、405…弾性支持部、4051…上板バネ、4052…下板バネ、406…第2位置検出素子、407…第2フレキシブル基板、408…第2振れ止め用緩衝部材
500…光軸
60…ズーム式レンズ構造、600…ズームレンズ
70…沈胴式レンズ構造、700…沈胴レンズ。
【要約】
【課題】本発明は、撮像装置及び携帯型電子機器を開示する。
【解決手段】撮像装置は収容キャビティを有するケース、収容キャビティ内に設けられたレンズ及び防振機構を含み、防振機構は第1可動部、第1固定部、第1コイル、第1磁石、光学フィルタ及びフォトセンサを含み、ここで、第1コイル、光学フィルタ及びフォトセンサはいずれも第1可動部に固定接続され、第1磁石は第1固定部に固定接続され、第1磁石と第1コイルは対向して間隔をあけて設けられることによって、第1可動部を光軸方向に直交する平面で往復移動するように駆動する。従来技術に比べて、本発明では、第1コイル、光学フィルタ及びフォトセンサをいずれも第1可動部に固定接続することによって、撮像装置の低背化、小型化を実現し、部品を簡略化して占有スペースを縮小し、撮像画像の品質を改善することができる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14