(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】塵芥濾過フィルター
(51)【国際特許分類】
B01D 29/27 20060101AFI20230126BHJP
B01D 35/027 20060101ALI20230126BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
B01D23/04
B01D35/02 F
F01N3/08 B
(21)【出願番号】P 2019051305
(22)【出願日】2019-03-19
【審査請求日】2021-12-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年1月30日に、小杉 秀恒が、円錐台形状であり不織布で構成された塵芥濾過フィルターの内容を、自己の顧客に対して口頭で説明した。 平成31年3月11日に、小杉 秀恒が、前記塵芥濾過フィルターの試作品を前記顧客に対して宅配便で発送することにより、公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】592062552
【氏名又は名称】中尾フイルター工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】516194000
【氏名又は名称】小杉 秀恒
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100114535
【氏名又は名称】森 寿夫
(74)【代理人】
【識別番号】100075960
【氏名又は名称】森 廣三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155103
【氏名又は名称】木村 厚
(74)【代理人】
【識別番号】100194755
【氏名又は名称】田中 秀明
(72)【発明者】
【氏名】小杉 秀恒
(72)【発明者】
【氏名】中原 裕亮
(72)【発明者】
【氏名】金岡 知志
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-001065(JP,A)
【文献】特表2016-512293(JP,A)
【文献】実開昭54-095082(JP,U)
【文献】特表2006-511340(JP,A)
【文献】特開2015-121102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00;3/02;3/04-3/38;9/00-11/00
B01D 24/00-35/04;35/08-37/08
B01D 53/73;53/86-53/90;53/9;53/96
B01D 39/00-41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元する液状の還元剤を貯留するタンクの注ぎ口に取り付けられる塵芥濾過フィルターであり、
塵芥濾過フィルターは、注ぎ口に対する取付部と、注ぎ口に注がれた液体を流入させる開口部と、袋状の濾過部とを有しており、
濾過部は、厚みが0.3~3.0mm
の不織布で構成されており、その形状は、取付部が位置する基端部から先端部に向かって、内径が徐々に大きくなるテーパー状部を含
み、
濾過部は、濾過部に液体が流入すると拡張する形状であるヒダを備えていない形状である塵芥濾過フィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元する液状の還元剤を貯留するタンクの注ぎ口に取り付けられる塵芥濾過フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンの排気ガスには、粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)が含まれる。軽油の燃焼温度を上げると排気ガスに含まれるPMの量が減り、NOxの量が増える。軽油を高温で燃焼することにより、PMの濃度を減少させて、増加したNOxについては、排気ガスに尿素などの液状の還元剤を噴射して、NOxを還元する技術が普及している。
【0003】
液状の還元剤は、タンクに一時的に貯留しておき、ポンプで加圧して、排気ガスに対して吹き付けられる。液状の還元剤に、塵芥が含まれていると、液状の還元剤を供給するポンプ、配管、噴射ノズルなどの系統が損耗する原因となる。このため、液状の還元剤に含まれる塵芥を濾過する目的で、例えば、特許文献1のような塵芥濾過フィルターが提案されている。
【0004】
特許文献1の塵芥濾過フィルターは、液体を内部に流入させる開口部と複数のヒダとを備える袋状の濾過部を有している。複数のヒダは、自由端を備えており、開口部から袋内に液体が流入すると、袋の内径が拡張するようになっている。
【0005】
また、液状の還元剤に含まれるゴミを除去するための器具として、例えば、特許文献2のようなストレーナーも提案されている。特許文献2のストレーナーは、円筒状であり、円筒の側面に複数の貫通孔が配されたフレームと、当該貫通孔に張られたスクリーンとを有する形状である。スクリーンとしては、ナイロンで構成された線材で織成されたものを使用するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-1065号公報
【文献】特開2016-196846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の塵芥濾過フィルターは、濾過部を構成する濾材を所定の形状に折った状態で縫製する必要がある。このため、濾過部には、極めて薄く、繊細な濾材が使用される。このため、この塵芥濾過フィルターは、摩擦や応力などによって、損傷することがある。
【0008】
特許文献2のようなストレーナーでは、ごみを漉す役割を担うスクリーンの目開きを小さくして、粒径の小さい塵芥を漉しとることができるよう設計すると、ストレーナーの形状が円筒形で濾過面積が小さく、ストレーナーに流入させた液状の還元剤がタンクの注ぎ口からタンクの外へ吹きこぼれることがあった。
【0009】
本発明は、摩擦等により損傷しにくく、液状の還元剤を注いだ際に吹きこぼれが生じにくい液状の還元剤用の塵芥濾過フィルターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元する液状の還元剤を貯留するタンクの注ぎ口に取り付けられる塵芥濾過フィルターであり、塵芥濾過フィルターは、注ぎ口に対する取付部と、注ぎ口に注がれた液体を流入させる開口部と、袋状の濾過部とを有しており、濾過部は、厚みが0.3~3.0mmの織布又は不織布で構成されており、その形状は、取付部が位置する基端部から先端部に向かって、内径が徐々に大きくなるテーパー状部を含む形状である塵芥濾過フィルターにより、上記の課題を解決する。この塵芥濾過フィルターは、取付部が位置する基端部から先端部に向かって、内径が徐々に大きくなるテーパー状部を含むので、液状の還元剤の濾過面積が増大する。このため、液状の還元剤を注いだ際に、液状の還元剤を吹きこぼれにくくすることができる。さらに上記の塵芥濾過フィルターの濾過部は、0.3~3.0mmの織布又は不織布で構成されているため、摩擦等により損傷しにくくなっている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、摩擦等により損傷しにくく、液状の還元剤を注いだ際に吹きこぼれが生じにくい液状の還元剤用の塵芥濾過フィルターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元するシステムの一例を示す模式図である。
【
図3】
図2の注ぎ口の周辺を拡大した断面図である。
【
図4】第1実施形態に係る塵芥濾過フィルターを示す斜視図である。
【
図5】第2実施形態に係る塵芥濾過フィルターを示す斜視図である。
【
図6】第3実施形態に係る塵芥濾過フィルターを示す斜視図である。
【
図7】第4実施形態に係る塵芥濾過フィルターを示す斜視図である。
【
図8】第5実施形態に係る塵芥濾過フィルターを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元するシステムの一例について説明する。その後、本発明の塵芥濾過フィルターの実施例を挙げて説明する。
【0014】
〔窒素酸化物を還元するシステムの一例〕
図1に排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元するシステムの一例を示す。
図1のシステムは、液状の還元剤を貯留するタンク11と、タンク11から液状の還元剤を吸い上げて排気管52に液状の還元剤を供給する供給管41と、供給管41の先端部に設けられており、供給管から供給された液状の還元剤を排気管52内に噴射するノズル53と、エンジン51と、エンジン51から排出される排気ガスが通る排気管52とを有する。供給管41には、液状の還元剤に含まれる塵芥を濾すための第2フィルター42と、タンク11内の還元剤を吸い上げて供給管41の先端部へと圧送するポンプ43とが設けられている。
【0015】
図1の例では、液状の還元剤として、尿素を含有する水溶液(以下、尿素水という。)を使用している。タンク11に貯留されている尿素水は、ポンプ43を作動させることにより、供給管41の一端部から吸い上げられ、第2フィルターを経て、ノズル53に供給される。エンジン51から排気管52に排出された排気ガスには、NOxが含まれている。このNOxは、ノズル53から噴射された尿素水により還元され、アンモニアとなって、大気中に放出される。
【0016】
タンク11に貯留される尿素水に、塵芥が含まれていると、ポンプ43、ノズル53、供給管41が損耗する原因となる。このため、供給管41には、第2フィルター42が配されている。しかしながら、第2フィルター42を取り換えるのは煩雑であるため、
図1のシステムでは、後述するように、タンク11の注ぎ口12に塵芥濾過フィルター13を着脱可能に取り付けられるように構成されており、注ぎ口12にストレーナー14が配される構成とされている。タンク11の注ぎ口12の周辺は、アクセスが容易であるため、第2フィルター42を取り換える場合に比して、容易に塵芥濾過フィルター13を取り換えることができる。
【0017】
上述のように、タンク11には、尿素水の注ぎ口12が設けられている。
図2に注ぎ口12の一例を示す。この注ぎ口12は、タンク11の内側に向けて突出する筒状の開口部121に嵌め込まれる筒状の第1受部材122と、第1受部材122に対して内嵌される筒状の第2受部材123と、第2受部材123に対して内嵌めされる中空かつ棒状のストレーナー14と、第2受部材123の上端部の筒状の内壁に設けられた螺子部に螺合されるキャップ15とを含む。ストレーナー14には、目開きの粗いメッシュが張られている。第1受部材122の先端部は、筒状の開口部121から突出した形状となっている。
図2に示した注ぎ口12では、第1受部材122の突出した外周面に対して、塵芥濾過フィルター13の取付部を、ジュビリークリップや結束バンドなどの留め具16で締結することにより着脱可能に固定することができるようになっている。
【0018】
注ぎ口12には、例えば、以下に示す第1実施形態から第5実施形態として示すような、塵芥濾過フィルターを取り付けることができる。
【0019】
〔第1実施形態〕
図4にタンクの注ぎ口に取り付けられる塵芥濾過フィルターの一実施形態を示す。この塵芥濾過フィルター13aは、注ぎ口12に対する取付部131aと、注ぎ口12に注がれた液体を流入させる開口部132aと、袋状の濾過部135aとを有する。濾過部135aの形状は、取付部131aが位置する基端部から先端部に向かって、内径が徐々に大きくなるテーパー状部133aを含む形状とされている。
【0020】
図4に示したように、取付部131aは、濾過部の延在方向に沿って延びる筒状である。取付部131aの内径は、注ぎ口12に設けられたフィルターの取付部として機能する第1受部材122の外周面に外嵌めできる程度に構成されている。
図4の例では、取付部131aの基端部が、注ぎ口12に注がれた液体を流入させる開口部132aとして機能する。テーパー状部133aは、円錐台形状であり、その基端部が取付部132aの先端部に接合され、その先端部が貯留部134aの基端部に接合されている。貯留部134aは、取付部131aの半径方向における外径に比して、外径が大きい筒状であり、その先端部は閉鎖されており、円柱状の袋を構成する。
図4の塵芥濾過フィルター13aでは、テーパー状部133aと貯留部134aとが袋状の濾過部を構成する。テーパー状部133aは、径が比較的小さい取付部131aと、径が比較的大きい貯留部134aとをつなぐ役割を果たす。そして、貯留部134aは、塵芥濾過フィルター13aの濾過面積を増大させて、塵芥濾過フィルター13aに多量の尿素水が注入された際に、尿素水を一時貯留し、外部への吹き戻しを防止する。
【0021】
〔第2実施形態〕
図5にタンクの注ぎ口に取り付けられる塵芥濾過フィルターの一実施形態を示す。この塵芥濾過フィルター13bは、注ぎ口12に対する取付部131bと、注ぎ口12に注がれた液体を流入させる開口部132bと、袋状の濾過部135bとを有する。濾過部135bの形状は、取付部131bが位置する基端部から先端部に向かって、内径が徐々に大きくなるテーパー状部133bを含む形状とされている。
【0022】
図5に示したように、取付部131bは、濾過部の延在方向に沿って延びる筒状である。取付部131bの内径は、注ぎ口12に設けられた円筒状の取付部として機能する第1受部材122の外周面に外嵌めできる程度に構成されている。テーパー状部133bは、円錐台形状であり、その基端部が取付部の先端部に接合され、その先端部が貯留部の基端部に接合されている。貯留部134bは、取付部131bの外径に比してその基端部においては外径が大きく、その先端部に向けて徐々に内径が小さくなる筒状である。貯留部134bの先端部は、閉鎖されており、袋を構成する。
図5の塵芥濾過フィルター13bでは、テーパー状部133bと貯留部134bとが袋状の濾過部を構成する。
【0023】
〔第3実施形態〕
図6にタンクの注ぎ口に取り付けられる塵芥濾過フィルターの一実施形態を示す。この塵芥濾過フィルター13cは、注ぎ口12に対する取付部131cと、注ぎ口12に注がれた液体を流入させる開口部132cと、袋状の濾過部135cとを有する。濾過部135cの形状は、取付部131cが位置する基端部から先端部に向かって、内径が徐々に大きくなるテーパー状部133cを含む形状とされている。
【0024】
図6に示したように、取付部131cは、濾過部の延在方向に沿って延びる筒状である。取付部131cの内径は、注ぎ口12に設けられたフィルターの取付部として機能する第1受部材122の外周面に外嵌めできる程度に構成されている。テーパー状部133cは、円錐台形状であり、その基端部が取付部の先端部に接合され、その先端部が閉鎖されており、袋を構成する。
図6の塵芥濾過フィルター13cでは、テーパー状部133cと閉鎖された先端部136cとが袋状の濾過部を構成する。
【0025】
〔第4実施形態〕
図7にタンクの注ぎ口に取り付けられる塵芥濾過フィルターの一実施形態を示す。この塵芥濾過フィルター13dは、注ぎ口12に対する取付部131dと、注ぎ口12に注がれた液体を流入させる開口部132dと、袋状の濾過部135dとを有する。濾過部13の形状は、取付部131dが位置する基端部から先端部に向かって、内径が徐々に大きくなるテーパー状部133dを含む形状とされている。
【0026】
図7に示したように、テーパー状部133dの基端に配された開口部132dの縁部が取付部131dとして機能する。開口部132dの内径は、注ぎ口12に設けられたフィルターの取付部として機能する第1受部材122の外周面に外嵌めできる程度に構成されている。テーパー状部133dは、円錐台形状であり、その先端部136dが閉鎖されており、袋を構成する。
図7の塵芥濾過フィルター13dでは、テーパー状部133dと閉鎖された先端部136dとが袋状の濾過部を構成する。
【0027】
〔第5実施形態〕
図8にタンクの注ぎ口に取り付けられる塵芥濾過フィルターの一実施形態を示す。この塵芥濾過フィルター13eは、注ぎ口12に対する取付部131eと、注ぎ口12に注がれた液体を流入させる開口部132eと、袋状の濾過部135eとを有する。濾過部135eの形状は、取付部131eが位置する基端部から先端部に向かって、濾過部135eの内径が徐々に大きくなるテーパー状部133eを含む形状とされている。
【0028】
図8に示したように、取付部131eは、濾過部の延在方向に沿って延びる筒状である筒状である。取付部131eの内径は、注ぎ口12に設けられたフィルターの円筒状の取付部として機能する第1受部材122の外周面に外嵌めできる程度に構成されている。テーパー状部133eは、底面が四角形である角錐台形状であり、その基端部が取付部の先端部に接合され、その先端部が閉鎖されており、袋を構成する。
図8の塵芥濾過フィルター13eでは、テーパー状部133eと閉鎖された先端部136eとが袋状の濾過部を構成する。テーパー状部133eの稜線は、濾材の端部が、接合された形状とされている。
【0029】
第1実施形態から第5実施形態の塵芥濾過フィルターでは、取付部を含むフィルターの全体が、いずれも、厚みが0.3~3.0mm濾過布又は不織布で構成されている。このため、外部からの応力や摩擦に対して損傷しにくくなっている。濾布の厚みを大きくすると、一般的には、濾液の抜けが悪くなり、注ぎ口から注入した尿素水が逆流しやすくなる。しかし、第1実施形態から第5実施形態の塵芥濾過フィルターは、いずれも、テーパー状部を有しており、塵芥濾過フィルターの開口部が位置する基端部から先端部に向けて、濾過部の内径が徐々に大きくなる形状とされている。これにより、濾過面積が増大し、濾液の抜けがよくなる。また、尿素水が一時的に貯留される空間が塵芥濾過フィルターの中に形成されるため、これにより、尿素水のタンク外部への吹き返しが防止される。
【0030】
上記のシステムでは、
図3に示したように、注ぎ口を以下のような構成にしている。タンク11に配される筒状の開口部121は、半径方向の内側に突出する第1鍔部611を備える。第1受部材122は、第1鍔部611に当接し半径方向の外側に突出する第1段部612と、その基端部に配され半径方向の外側に突出する第2鍔部613を有する。第2受部材123は、半径方向の外側に突出する第2段部614を有する。ストレーナー14は、その基端部に配され半径方向の外側に突出する第3鍔部615を有する。第1受部材122は、第1受部材122の第1段部612が筒状の開口部121の第1鍔部611に当接し、第1受部材122の第2鍔部613が開口部121の縁部に当接することにより、筒状の開口部121の内側に固定される。そして、第2受部材123は、第2受部材123の第2段部614が第1受部材122の第2鍔部613に対して当接することにより、第1受部材122の内側に固定される。ストレーナー14は、ストレーナー14の第3鍔部615が第2受部材123の第2段部614に当接することにより、第2受部材123の内側に固定される。以上のような構成により、タンクの開口部121に対して、第1受部材122、第2受部材123、ストレーナー14、及びキャップ15を固定している。ストレーナー14は、中空かつ棒状であり、内部を尿素水が流れて、その側壁部分に配されたメッシュにより、径の大きい塵芥が漉しとられるようになっている。
【0031】
タンクに設けられる注ぎ口の形状は、
図2に示した構成に限られず、尿素水をタンク内に注ぎ込むことができるものであればよい。塵芥濾過フィルターの取付部の形状も、注ぎ口の形状に合わせて、変更すればよい。例えば、タンク内に注ぎ口として開口部を設けて、開口部の縁部に複数の鍵爪状の突起を設けておき、塵芥濾過フィルターの基端部に、取付部として、上記の下記爪状の突起に掛けることができる複数の貫通孔を設ける構成が挙げられる。タンク側の複数の鍵爪状の突起に対して、塵芥濾過フィルターの貫通孔をかけることで、塵芥濾過フィルターをタンクの注ぎ口に吊り下げるようにして固定することができる。その他、雄側の釦と雌側の釦などの留め具などを利用して固定してもよい。また、例えば、第1受部材122とは、異なる構成を有する円筒状の取付部材に対して、塵芥濾過フィルターを固定するようにしてもよい。
【0032】
上記の実施形態に係る塵芥濾過フィルターでは、取付部の一例として筒状の部材を示した。取付部には、取付部を開閉することによって、塵芥濾過フィルターを注ぎ口に対して取り付けやすくする目的で、濾過部の延在方向に沿って延びるスリットを設けてもよい。取付部のスリットの部分で取付部を開閉することにより、注ぎ口に対して、塵芥濾過フィルターを取り付けやすくすることができる。
【0033】
濾過部は、テーパー状部を含む形状であればよい。濾過部の形状は、例えば、円錐台状、又は底面が四角形若しくは五角形などの多角形である角錐台状などにすることができる。濾過部は、立体的な形状に限定されず、封筒のように平面的な袋状にテーパー状部を設けた構成としてもよい。
【0034】
貯留部は、必須ではなく、設けてもよいし、省略してもよい。貯留部の形状は、例えば、円柱状、角柱状、円錐台状、角錐台状、又は球状などが挙げられる。貯留部も立体的な形状に限定されず、上述のように平面的な袋状としてもよい。
【0035】
濾過部は、織布又は不織布などの濾材で構成することが好ましい。取付部は、注ぎ口に対して、塵芥濾過フィルターを取り付けることができればよいので、その構成材は特に限定されない。しかし、取付部も濾過部と同様の素材で構成すれば、構成や製造工程を簡素化することができるので好ましい。
【0036】
塵芥濾過フィルターの製造方法は、特に限定されず、不織布又は織布を縫製して、上記のような形状としてもよいし、加熱による溶着により、上記のような形状としてもよい。熱溶着による場合は、不織布又は織布は、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂で構成することが好ましい。
【符号の説明】
【0037】
13a 塵芥濾過フィルター
131a 取付部
132a 開口部
135a 濾過部
133a テーパー状部
13b 塵芥濾過フィルター
131b 取付部
132b 開口部
135b 濾過部
133b テーパー状部
13c 塵芥濾過フィルター
131c 取付部
132c 開口部
135c 濾過部
133c テーパー状部
13d 塵芥濾過フィルター
131d 取付部
132d 開口部
135d 濾過部
133d テーパー状部
13e 塵芥濾過フィルター
131e 取付部
132e 開口部
135e 濾過部
133e テーパー状部