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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】次亜塩素酸水噴霧装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/14 20060101AFI20230126BHJP
   B05B 17/06 20060101ALI20230126BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20230126BHJP
   A61L 101/06 20060101ALN20230126BHJP
【FI】
A61L9/14
B05B17/06
A61L2/18
A61L101:06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018196857
(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公開番号】P2020062289
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】518370932
【氏名又は名称】株式会社エムファームランド
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】籾木 芳治
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-249337(JP,A)
【文献】特開2004-216221(JP,A)
【文献】特開2011-024804(JP,A)
【文献】特開平07-213968(JP,A)
【文献】特開2012-149812(JP,A)
【文献】特開2011-201838(JP,A)
【文献】登録実用新案第3121972(JP,U)
【文献】実開平05-037368(JP,U)
【文献】国際公開第2014/003260(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00-9/22
A61L 2/00-2/28,11/00-12/14
B05B 17/00-17/08
F24F 6/00-6/18
F24F 8/00-8/99
A01N 1/00-65/48
A01P 1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次亜塩素酸水を貯蔵した水槽容器内の当該次亜塩素酸水を超音波振動によって超微細霧化し、ノズルを介して噴霧することによりビニルハウスを含む室内の雰囲気の除菌消臭を行う次亜塩素酸水噴霧装置であって、前記水槽容器の次亜塩素酸水内に、トレー容器の底面に超音波振動子を配してなる超微細霧化発生装置を浸漬浮遊させてなり、前記水槽容器には、前記超微細霧化発生装置の超音波振動子を駆動する超音波発振機が装備され、前記超音波振動子の表面が次亜塩素酸水で浸漬されている状態では前記超音波発振機の電源をオン状態にし、前記水槽容器の傾きにより前記超音波振動子の表面の次亜塩素酸水が無くなるのを契機に前記超音波発振機の電源をオフにする電源オンオフ用の水位センサを前記超微細霧化発生装置に備え、前記超音波振動子の内部には電歪型のセラミック振動素子が固着されるとともに、超微細霧化発生装置の四周の各側壁面中央には開口部が形成され、側面4方向からトレー容器内に次亜塩素酸水が浸入でき、超微細霧化発生装置は所定の深さ位置で浮遊した状態を維持することを特徴とした次亜塩素酸水噴霧装置。
【請求項2】
水槽容器は、少なくとも前記ビニルハウス内に噴霧できるだけの容量を確保できる容積を備え、キャスタ・タイヤ等の車輪を備えた把持部付架台によって移動可能にしたことを特徴とした請求項1記載の次亜塩素酸水噴霧装置。
【請求項3】
ノズルは、水槽容器の天面の開口部に装着された可撓性を有する蛇腹状円筒部材によって形成されてなり、その背部には前記ノズルから噴霧された超微細霧化した次亜塩素酸水を室内に拡散させるためのブロワを備えたことを特徴とした請求項1乃至2のいずれか記載の次亜塩素酸水噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビニルハウス等の農業施設における室内環境改善のための弱酸性の次亜塩素酸水による除菌消臭を行う次亜塩素酸水噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弱酸性次亜塩素酸水の噴霧の霧化による鶏等の種卵の表面の殺菌に使われている。次亜塩素酸水は、塩酸または塩化ナトリウム水溶液を電気分解することにより得られる次亜塩素酸(HClO)を主成分とする水溶液である。また、殺菌剤等の薬剤を散布し、これによって室内を殺菌・消毒する方法が行なわれている。弱酸性次亜塩素酸水は、ハウス内の,菌、ウイルス、雑菌に顕著に効果があり、しかも人体には殆ど影響がないこので、殆どの殺菌・消毒剤として普及されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているように、弱酸性の次亜塩素酸水の容器と混合噴霧装置と液体用チューブで接続され、コンプレッサと混合噴霧装置がエアー用チューブで接合されており、ブロワの前面に混合噴霧装置ホルダーが施され、容器に貯えられている弱酸性の次亜塩素酸水を空気圧が0.2MPaから0.5MPaの範囲にてコンプレッサを作動させることにより、液体・エアー用チューブを経て、大きさ7μから10μに治まる噴霧粒子として混合噴霧装置から噴霧するウイルス感染拡大予防対策噴霧殺菌装置が提供されている。
【0004】
ところが上記したような従来の殺菌剤による方法は、必ずしも殺菌力が十分ではないために多量の殺菌剤を散布しなければならず、また大きな粒子の水滴で散布していたために、室内を通常の使用状態で殺菌することが非常に困難であった。因みに、手軽に使えるスプレーボトルの噴霧による粒子径は約10~20マイクロメートルと粒が大きいので遠くに飛ぶ前に下に落下してしまう。
【0005】
そこで近年では、殺菌性水溶液を超音波等で霧状の微粒子にして放出する方法が試みられている。例えば、特許文献2に開示されているように、次亜塩素酸水溶液の微粒子を広範囲にわたって放出することによって、室内の広範囲の雰囲気空気の殺菌および除菌を少量の次亜塩素酸水溶液によって行なうようにした次亜塩素酸水溶液による殺菌方法および殺菌装置が提供されている。
【0006】
これは、供給タンクから供給される次亜塩素酸水溶液貯留部内の次亜塩素酸水溶液に対して超音波振動子によって超音波を作用させ、微粒子発生部で次亜塩素酸水溶液の微粒子を発生させ、この微粒子を誘導管路によって噴霧口から大気中に放出する。このときに噴霧口の直下に設けられた噴射口から送出される搬送流にのせて上記噴霧を遠くまで搬送して放出するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実用新案登録第3156288号公報
【文献】特開2003-169842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した特許文献2の場合、装置全体は卓上型であって、供給タンクから貯留部内に貯えられる次亜塩素酸水の量は限られているため、微粒子を大量に且つ長時間にわたって広範囲に散布することは不可能である。
【0009】
しかも、上記した特許文献2の場合、貯留部の内底部(底面)に超音波振動板をボルトで取り付けるタイプであるため、貯留部内の次亜塩素酸水溶液の水深が大きい場合には、水面から底部の超音波振動板までの長さが大きいことから、水面から効率良く微粒子を発生させることが困難となる。
【0010】
また、上記した特許文献2の場合、装置全体は据え置き型であって移動式ではないため、例えばビニルハウス等の農業施設における広面積の室内での搬送が困難である。
【0011】
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、例えばビニルハウス等の農業施設における室内環境改善のための弱酸性の次亜塩素酸水による除菌消臭を行う次亜塩素酸水噴霧装置において、広面積のビニルハウス内で広範囲に噴霧できるだけの容量を確保できる大容量の水槽容器であっても、次亜塩素酸水の超微粒子を効率良く発生させることができ、しかも大量に且つ長時間にわたって広範囲に散布することができ、また広面積の室内での搬送が容易となる治具次亜塩素酸水噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明に係る次亜塩素酸水噴霧装置にあっては、次亜塩素酸水を貯蔵した水槽容器内の当該次亜塩素酸水を超音波振動によって超微細霧化し、ノズルを介して噴霧することによりビニルハウスを含む室内の雰囲気の除菌消臭を行う次亜塩素酸水噴霧装置であって、前記水槽容器の次亜塩素酸水内に、トレー容器の底面に超音波振動子を配してなる超微細霧化発生装置を浸漬浮遊させてなり、前記水槽容器には、前記超微細霧化発生装置の超音波振動子を駆動する超音波発振機が装備され、前記超音波振動子の表面が次亜塩素酸水で浸漬されている状態では前記超音波発振機の電源をオン状態にし、前記水槽容器の傾きにより前記超音波振動子の表面の次亜塩素酸水が無くなるのを契機に前記超音波発振機の電源をオフにする電源オンオフ用の水位センサを前記超微細霧化発生装置に備え、前記超音波振動子の内部には電歪型のセラミック振動素子が固着されるとともに、超微細霧化発生装置の四周の各側壁面中央には開口部が形成され、側面4方向からトレー容器内に次亜塩素酸水が浸入でき、超微細霧化発生装置は所定の深さ位置で浮遊した状態を維持することを特徴とした
【0014】
水槽容器は、少なくとも前記ビニルハウス内に噴霧できるだけの容量を確保できる容積を備え、キャスタ・タイヤ等の車輪を備えた把持部付架台によって移動可能にしたことを特徴とした。
【0015】
ノズルは、水槽容器の天面の開口部に装着された可撓性を有する蛇腹状円筒部材によって形成されてなり、その背部には前記ノズルから噴霧された超微細霧化した次亜塩素酸水を室内に拡散させるためのブロワを備えたことを特徴とした。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、例えばビニルハウス等の農業施設における室内環境改善のための弱酸性の次亜塩素酸水による除菌消臭を行う次亜塩素酸水噴霧装置において、広面積のビニルハウス内で広範囲に噴霧できるだけの容量を確保できる大容量の水槽容器であっても、次亜塩素酸水の超微粒子を効率良く発生させることができ、しかも大量に且つ長時間にわたって広範囲に散布することができ、また広面積の室内での搬送が容易となる治具次亜塩素酸水噴霧装置を提供することができる。
【0017】
すなわち、本発明は、次亜塩素酸水を貯蔵した水槽容器内の当該次亜塩素酸水を超音波振動によって超微細霧化し、ノズルを介して噴霧することによりビニルハウスを含む室内の雰囲気の除菌消臭を行う次亜塩素酸水噴霧装置であって、前記水槽容器の次亜塩素酸水内に、トレー容器の底面に超音波振動子を配してなる超微細霧化発生装置を浸漬浮遊させてなるので、大容量の水槽容器により次亜塩素酸水の水深が大きくても、水面直下で浮遊する超微細霧化発生装置により、次亜塩素酸水を約4~5マイクロメートルの超微粒子にして水面から効率良く発生させることができ、このように超音波式を採用した次亜塩素酸水の超微細霧は室内空間の全域隅々まで行き渡り、しかも熱くない霧を効率良く且つ優しく噴霧することができる。
【0018】
また、噴霧した霧はすぐに見えなくなってしまうが、成分は落下しないので遠くまで風に乗って室内の隅々まで行き渡って空気を除菌することができ、しかも次亜塩素酸水は安全な成分から造られているので、噴霧された霧を吸い込んでも健康に影響はない。
【0019】
さらに、超微細霧化発生装置自体は水槽容器に直接底付けされておらず、次亜塩素酸水の中で浮遊しているので、水槽容器に外部から強制的な剛体振動が作用しても超微細霧化発生装置自体にはこの振動が直接伝わらず、流体状の次亜塩素酸水によって緩衝的に保護されている状態で振動伝達されるため、超微細霧化発生装置に外的損傷を直接与えてしまうことはない。しかも、超微細霧化発生装置のメンテナンスも容易となる。
【0020】
水槽容器には、前記超微細霧化発生装置の超音波振動子を駆動する超音波発振機が装備され、前記超音波振動子の表面が次亜塩素酸水で浸漬されている状態では前記超音波発振機の電源をオン状態にし、前記水槽容器の傾きにより前記超音波振動子の表面の次亜塩素酸水が無くなるのを契機に前記超音波発振機の電源をオフにする電源オンオフ用の水位センサを前記超微細霧化発生装置に備えたので、水槽容器が傾いて超微細霧化発生装置の超音波振動子表面の水が無くなっても、自動的に超音波発振機の電源がオフとなるので、無水での不用意な発振駆動により超微細霧化発生装置の超音波振動子が破損してしまうのを未然に防止することができる。
【0021】
水槽容器は、少なくとも1反の前記ビニルハウス内に噴霧できるだけの容量を確保できる容積を備え、キャスタ・タイヤ等の車輪を備えた把持部付架台によって移動可能にしたので、次亜塩素酸水の超微細霧を大量に且つ長時間にわたって広範囲に散布することができ、また広面積の室内での搬送が容易となる。
【0022】
ノズルは、水槽容器の天面の開口部に装着された可撓性を有する蛇腹状円筒部材によって形成されてなり、その背部には前記ノズルから噴霧された超微細霧化した次亜塩素酸水を室内に拡散させるためのブロワを備えたので、広面積の室内であってもノズルとブロワとの協働作用により、次亜塩素酸水の超微細霧を広範囲に散布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明を実施するための一形態における次亜塩素酸水噴霧装置の使用状態を示す斜前方視の斜視図である。
図2】同じく次亜塩素酸水噴霧装置の使用状態を示す斜後方視の斜視図である。
図3】同じく水槽容器の蓋部を開けた状態の斜視図である。
図4】水槽容器内で超微細霧化発生装置を次亜塩素酸水に浮かせた状態を示す斜視図である。
図5】次亜塩素酸水噴霧装置の水槽容器の一部を断面で示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を詳細に説明すると、図において示される符号1は、例えばビニルハウス等の農業施設における室内環境改善のための弱酸性の次亜塩素酸水9による除菌消臭を行う次亜塩素酸水噴霧装置である。
【0025】
次亜塩素酸水噴霧装置1は、図1及び図2に示すように、蓋部2aによって上部を開放可能とし且つ内部に後述する所定量の次亜塩素酸水9を収容可能にした(クーラー)ボックスタイプの水槽容器2と、後述する超微細霧化発生装置4の超音波振動子4aを励振駆動させる電源付きの超音波発振機3とが、キャスタ・タイヤ等の車輪5aを下面四隅に備え且つ縦長コ字枠状の把持部5bを端部に立設した架台5上に搭載されて移動可能としてある。
【0026】
図1乃至図3に示すように、蓋部2aの天面に形成された開口部に、可撓性を有する蛇腹状円筒部材によって形成された次亜塩素酸水9噴霧用のノズル6が装着され、その背部には前記ノズル6から噴霧された超微細霧化した次亜塩素酸水9を室内に拡散させるためのブロワ8(図2図3中では2個)を備えている。なお、図2ではノズル6を2連に並設されている。また、水槽容器2の外側には、前記超微細霧化発生装置4の超音波振動子4aを駆動するための電源(不図示の例えばACアダプタ付きバッテリ等)付きの超音波発振機3が装備されている。
【0027】
図3乃至図5に示すように、水槽容器2の内部に収容された次亜塩素酸水9の中には、トレー容器の底面に複数(図示では合計12個)の超音波振動子4aを配してなる超微細霧化発生装置4を複数個(図示では2個)を浸漬浮遊させてある。この超音波振動子4aの内部には、例えば電界が加わると伸び縮みする電歪型(ランジュバン型振動子)のセラミック振動素子(ピエゾ素子)が固着されている。外付けされている超音波発振機3は、これら個々の超微細霧化発生装置4の電極に、例えばワニグチプラグ付きのケーブル4bを介して電気接続されている。
【0028】
また、超微細霧化発生装置4(トレー容器)の四周の各側壁面中央には開口部4cが形成されており、側面4方向からトレー容器内に次亜塩素酸水9が(導入)浸入できるようになっている。これにより超微細霧化発生装置4は所定の深さ位置(例えば水面すれすれかあるいは深さ数センチ程度でも可)で浮遊した状態を維持する(図5参照)。
【0029】
セラミック振動素子は超音波発振機3が出す高周波電力を機械振動に変換し、強力な超音波を超音波振動子4aから発生させ、次亜塩素酸水9の約4~5マイクロメートルの超微粒子を当該次亜塩素酸水9の水面より生起させ、前記ノズル6から外部に噴霧させるものである。なお、図2図3図5中、符号10は水槽容器2の内部に生起した次亜塩素酸水9の超微粒子を攪拌するための攪拌ファンである。
【0030】
図4及び図5に示すように、前記超微細霧化発生装置4を形成するトレー容器の内底面端部には略コ字枠状に立設した電源オンオフ用の水位センサ7を備えている。この水位センサ7は、前記超音波発振機3の電源に電気接続されており、前記超音波振動子4aの表面が次亜塩素酸水9で浸漬されている状態では超音波発振機3の電源をオン状態(発振状態)にする。一方、水槽容器2の傾きにより前記超音波振動子4aの表面の次亜塩素酸水9が無くなるのを契機に前記超音波発振機3の電源をオフ状態(無発振状態)にする。
【0031】
水位センサ7は、一対の電極間、又は一本の電極と金属タンク間の静電容量を検出してレベルを求める方式であって、空時の電気的な状態と満時の電気的な状態の違いからレベル検出を行うものである。水位センサ7として、例えば静電容量式レベルスイッチの場合では検出部は互いに絶縁された検出電極と接地電極から構成され、この2つの電極間に生じる静電容量の変化から測定物の有無を検出する。
【0032】
水槽容器2は、少なくとも1反のビニルハウス内に噴霧できるだけの容量を確保できる容積を備えている。また、濃度200PPMの原液の希釈倍数として4倍とし、濃度を50PPM、原液を5.0L、水を15.0Lとすれば比較的好適な次亜塩素酸水9の濃度となる。また、ビニルハウス1反当たりの散布量としては、2時間10Lが好ましいが本発明はこれに限定されない。例えば、ビニルハウス2反では3~4時間とし、さらに濃度50PPM~65PPMでは2時間から3時間の噴霧を行う。
【0033】
次に、以上のように構成された形態についての使用・動作の一例について説明すると、先ず、水槽容器2の蓋部2aを開けて、内部に前記一対の超微細霧化発生装置4を収容し、これら個々の超微細霧化発生装置4の電極に、外付けされている超音波発振機3を、例えばワニグチプラグ付きのケーブル4bを介して電気接続しておく。
【0034】
そして水槽容器2に前記した所定量の次亜塩素酸水9を収容し、蓋部2aを閉める。その後、超音波発振機3の電源をONにして高周波発振信号を前記超微細霧化発生装置4に送り全ての超音波振動子4aを一斉に励振駆動させる。
【0035】
このときセラミック振動素子は超音波発振機3が出す高周波電力を機械振動に変換し、強力な超音波を超音波振動子4aから発生し、次亜塩素酸水9の約4~5マイクロメートルの超微粒子が当該次亜塩素酸水9の水面より生起され、ブロワ8によって室内に拡散させつつ前記ノズル6から外部に噴霧する。
【0036】
水槽容器2が傾いたりして前記超微細霧化発生装置4の超音波振動子4a表面の次亜塩素酸水9が無くなると、前記水位センサ7によって超音波発振機3の電源をオフ状態(超音波振動子4aの振動駆動停止)にする。これによって超音波振動子4aの次亜塩素酸水9に浸漬されていないときの空振動による損傷を未然に防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
なお、本発明に係る次亜塩素酸水噴霧装置を、病院内のウイルス感染防止対策や冬季における家畜のインフルエンザ流行防止対策として使用する等、その他様々な用途に応用しても良い。
【符号の説明】
【0038】
1…次亜塩素酸水噴霧装置
2…水槽容器
2a…蓋部
3…超音波発振機
4…超微細霧化発生装置
4a…超音波振動子
4b…ケーブル
4c…開口部
5…架台
5a…車輪
5b…把持部
6…ノズル
7…水位センサ
8…ブロア
9…次亜塩素酸水
10…攪拌ファン
図1
図2
図3
図4
図5