(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
A01D 31/00 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
A01D31/00
(21)【出願番号】P 2018232937
(22)【出願日】2018-12-12
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】宝蔵 伸行
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 聖太
(72)【発明者】
【氏名】有村 洋三
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-220917(JP,A)
【文献】特開平10-113025(JP,A)
【文献】特開2012-130310(JP,A)
【文献】特開平11-318164(JP,A)
【文献】特開平06-311811(JP,A)
【文献】特開平09-065739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体の前方に設けられ、農作物の根部を載せて搬送する第1搬送装置と、
前記第1搬送装置の上方に設けられ、前記農作物の茎葉部を挟持し後方に搬送する第2搬送装置と、
前記第2搬送装置の後方に設けられ、前記第2搬送装置によって搬送された前記農作物を収納するための作業台と、
前記作業台の後方に設けられ、前記機体に対して昇降可能に設けられた第1載置台と、
前記第1載置台の後方に設けられた第2載置台と、
を備え
、
第1の状態と、第3の状態と、第4の状態と、に遷移可能であって、
側面視において、
前記第1の状態は、前記第1載置台の載置面に対して前記第2載置台の載置面が略同一面に位置した状態であり、
前記第3の状態は、前記第1載置台の載置面と前記第2載置台の載置面とのなす角度が鋭角な状態であり、
前記第4の状態は、前記第1載置台と共に前記第2載置台が前記機体側にたたまれた状態である、
収穫機。
【請求項2】
機体と、
前記機体の前方に設けられ、農作物の根部を載せて搬送する第1搬送装置と、
前記第1搬送装置の上方に設けられ、前記農作物の茎葉部を挟持し後方に搬送する第2搬送装置と、
前記第2搬送装置の後方に設けられ、前記第2搬送装置によって搬送された前記農作物を収納するための作業台と、
前記作業台の後方に設けられ、前記機体に対して昇降可能に設けられた第1載置台と、
前記第1載置台の後方に設けられた第2載置台と、
を備え、
第2の状態と、第3の状態と、第4の状態と、に遷移可能であって、
側面視において、
前記第2の状態は、前記第1載置台の載置面に対して前記第2載置台の載置面が下方に位置した状態であり、
前記第3の状態は、前記第1載置台の載置面と前記第2載置台の載置面とのなす角度が鋭角な状態であり、
前記第4の状態は、前記第1載置台と共に前記第2載置台が前記機体側にたたまれた状態である、
収穫機。
【請求項3】
側面視において、前記第2載置台は、
前記第1載置台の載置面に対して前記第2載置台の載置面が略同一面に位置するように固定可能である、
請求項1
又は2に記載の収穫機。
【請求項4】
側面視において、前記第2載置台は、
前記第1載置台の載置面に対して前記第2載置台の載置面が下方に位置するように固定可能である、
請求項1
又は2に記載の収穫機。
【請求項5】
前記第2載置台は使用状態と、非使用状態と、に遷移可能である、
請求項1
又は2に記載の収穫機。
【請求項6】
前記第2載置台は第1部分と第2部分とを有し、
前記第1部分の一方は前記第1載置台に対して回動可能に前記第1載置台に連結され、
前記第1部分の他方は前記第2部分の一方に対して回動可能に前記第2部分の一方に連結される、
請求項1~請求項5の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項7】
機体と、
前記機体の前方に設けられ、農作物の根部を載せて搬送する第1搬送装置と、
前記第1搬送装置の上方に設けられ、前記農作物の茎葉部を挟持し後方に搬送する第2搬送装置と、
前記第2搬送装置の後方に設けられ、前記第2搬送装置によって搬送された前記農作物を収納するための作業台と、
前記作業台の後方に設けられ、前記機体に対して昇降可能に設けられた第1載置台と、
前記第1載置台の後方に設けられた第2載置台と、
を備え、
前記第2載置台は第1部分と第2部分とを有し、
前記第1部分の一方は前記第1載置台に対して回動可能に前記第1載置台に連結され、
前記第1部分の他方は前記第2部分の一方に対して回動可能に前記第2部分の一方に連結される、
収穫機。
【請求項8】
機体と、
前記機体の前方に設けられ、農作物の根部を載せて搬送する第1搬送装置と、
前記第1搬送装置の上方に設けられ、前記農作物の茎葉部を挟持し後方に搬送する第2搬送装置と、
前記第2搬送装置の後方に設けられ、前記第2搬送装置によって搬送された前記農作物を収納するための作業台と、
前記作業台の後方に設けられ、前記機体に対して昇降可能に設けられた第1載置台と、
前記第1載置台の後方に設けられた第2載置台と、
を備え、
第1の状
態と、第3の状態と、第4の状態と、に遷移可能であって、
前記第2載置台は第1部分と第2部分とを有し、
前記第1部分の一方は前記第1載置台に対して回動可能に前記第1載置台に連結され、
前記第1部分の他方は前記第2部分の一方に対して回動可能に前記第2部分の一方に連結され、
側面視において
、
前記第1の状態は、前記第2部分が前記第1部分にたたまれ、前記第1載置台の載置面に対して前記第2部分の載置面及び前記第1部分の載置面が略同一面に位置する状態であり
、
前記第3の状態は、前記第2部分が前記第1部分にたたまれ、かつ、前記第2部分の載置面及び前記第1部分の載置面と、前記第1載置台の載置面とのなす角は鋭角な状態であり、
前記第4の状態は、前記第1載置台と共に前記第2載置台が前記機体側にたたまれた状態である
、
収穫機。
【請求項9】
機体と、
前記機体の前方に設けられ、農作物の根部を載せて搬送する第1搬送装置と、
前記第1搬送装置の上方に設けられ、前記農作物の茎葉部を挟持し後方に搬送する第2搬送装置と、
前記第2搬送装置の後方に設けられ、前記第2搬送装置によって搬送された前記農作物を収納するための作業台と、
前記作業台の後方に設けられ、前記機体に対して昇降可能に設けられた第1載置台と、
前記第1載置台の後方に設けられた第2載置台と、
を備え、
第2の状態と、第3の状態と、第4の状態と、に遷移可能であって、
前記第2載置台は第1部分と第2部分とを有し、
前記第1部分の一方は前記第1載置台に対して回動可能に前記第1載置台に連結され、
前記第1部分の他方は前記第2部分の一方に対して回動可能に前記第2部分の一方に連結され、
側面視において、
前記第2の状態は、前記第1部分の載置面が前記第1載置台の載置面に対して略垂直な状態であり、前記第2部分の載置面が前記第1部分の載置面に対して略垂直な状態であり、
前記第3の状態は、前記第2部分が前記第1部分にたたまれ、かつ、前記第2部分の載置面及び前記第1部分の載置面と、前記第1載置台の載置面とのなす角は鋭角な状態であり、
前記第4の状態は、前記第1載置台と共に前記第2載置台が前記機体側にたたまれた状態である、
収穫機。
【請求項10】
前記第1載置台は、前記第1載置台又は前記第2載置台に載置される収納部材及び/又は前記農作物の自重によって、昇降可能に設けられている、
請求項1~請求項
9の何れか一項に記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物の収穫機に関する。特に、根深ねぎの収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、根深ねぎ(長ねぎ、白ねぎともいう。以下、単に「ねぎ」という。)の収穫を自動化するために、自走式のねぎ収穫機が広く利用されている。ねぎ収穫機とは、圃場の畝に栽植されたねぎを掘り上げ、収穫機後方の収納部に搬送する経路において根部に付着した土の除去作業や根切り作業を自動的に行うことが可能な作業機である。ねぎ収穫機を用いると、ねぎの掘り上げからコンテナへの収納に至る一連の作業を連続的に行うことができ、ねぎの収穫効率を大幅に向上させることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、収納部として、作業台及びコンテナ載置台を備えたねぎ収穫機が開示されている。コンテナ載置台をねぎ収穫機に備えることによって、作業者は作業台においてねぎを収納したコンテナを、コンテナ載置台の上に移動することができる。そして、コンテナ載置台の上にねぎを収納したコンテナが置ききれなくなると、作業者は、ねぎを収納したコンテナをコンテナ載置台から圃場にまとめて一カ所に置くことができる。したがって、コンテナ載置台をねぎ収穫機に備えることによって、作業者がねぎを収納したコンテナを運搬車等に集積し運搬する作業の効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された収穫機において、コンテナ載置台の上にねぎを収納したコンテナが置ききれなくなると、作業者は、農作物を収納したコンテナをコンテナ載置台から圃場にまとめて一カ所に置いた後に、農作物の入っていないコンテナ(空コンテナ)を、圃場、又は運搬車などから収穫機に移動する。すなわち、コンテナを配置するスペースが少ないという課題がある。また、コンテナ載置台の上にねぎを収納したコンテナが置ききれなくなると、作業者が空コンテナを準備するために時間がかかるという課題がある。
【0006】
本発明の課題の一つは、作業者の作業効率を向上させる収穫機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る収穫機は、機体と、前記機体の前方に設けられ、農作物の根部を載せて搬送する第1搬送装置と、第1搬送装置の上方に設けられ、農作物の茎葉部を挟持し後方に搬送する第2搬送装置と、第2搬送装置の後方に設けられ、第2搬送装置によって搬送された農作物を収納するための作業台と、作業台の後方に設けられ、機体に対して昇降可能に設けられた第1載置台と、第1載置台の後方に設けられた第2載置台と、を備える。
【0008】
側面視において、第2載置台は、第1載置台の載置面に対して第2載置台の載置面が略同一面に位置するように固定可能であってもよい。
【0009】
側面視において、第2載置台は、第1載置台の載置面に対して第2載置台の載置面が下方に位置するように固定可能であってもよい。
【0010】
第2載置台は、使用状態と、非使用状態と、に遷移可能であってもよい。
【0011】
第1の状態及び/又は第2の状態と、第3の状態と、第4の状態と、に遷移可能であって、側面視において、第1の状態は、第1載置台の載置面に対して第2載置台の載置面が略同一面に位置した状態であり、第2の状態は、第1載置台の載置面に対して第2載置台の載置面が下方に位置した状態であり、第3の状態は、第1載置台の載置面と第2載置台の載置面とのなす角度が鋭角な状態であり、第4の状態は、第1載置台と共に第2載置台が機体側にたたまれた状態であってもよい。
【0012】
第2載置台は第1部分と第2部分とを有し、第1部分の一方は第1載置台に対して回動可能に第1載置台に連結され、第1部分の他方は第2部分の一方に対して回動可能に第2部分の一方に連結されていてもよい。
【0013】
第1の状態及び/又は第2の状態と、第3の状態と、第4の状態と、に遷移可能であって、側面視において、第1の状態は、第2部分が第1部分にたたまれ、第1載置台の載置面に対して第2部分の載置面及び第1部分の載置面が略同一面に位置する状態であり、第2の状態は、第1部分の載置面が第1載置台の載置面に対して略垂直な状態であり、第2部分の載置面が第1部分の載置面に対して略垂直な状態であり、第3の状態は、第2部分が前記第1部分にたたまれ、かつ、第2部分の載置面及び第1部分の載置面と、第1載置台の載置面とのなす角は鋭角な状態であり、第4の状態は、第1載置台と共に第2載置台が機体側にたたまれた状態であってもよい。
【0014】
第1載置台は、第1載置台又は第2載置台に載置される収納部材及び/又は農作物の自重によって、昇降可能に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施形態によれば、作業者の作業効率を向上させる収穫機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態に係るねぎ収穫機の第1の状態の構成を上方から見た平面図である。
【
図2】第1実施形態に係るねぎ収穫機の第1の状態の構成を左方から見た側面図である。
【
図3】第1実施形態に係るねぎ収穫機の第1の状態の構成を後方から見た図である。
【
図4】第1実施形態に係るねぎ収穫機の第1の状態の構成を左方から見た側面図である。
【
図5】第1実施形態に係るねぎ収穫機が有する第1載置台及び第2載置台の構成を上方から見た平面図である。
【
図6】第1実施形態に係るねぎ収穫機が有する第2載置台の構成を左方から見た側面図である。
【
図7】(A)は第1実施形態に係るねぎ収穫機の第2の状態の構成を上方から見た平面図である。(B)は第1実施形態に係るねぎ収穫機の第2の状態の構成を左方から見た側面図である。
【
図8】(A)は第1実施形態に係るねぎ収穫機の第3の状態の構成を上方から見た平面図であり、ストッパーを外した状態を示す。(B)は第1実施形態に係るねぎ収穫機の第3の状態の構成を左方から見た側面図である。
【
図9】(A)は第1実施形態に係るねぎ収穫機の第4の状態の構成を上方から見た平面図である。(B)は第1実施形態に係るねぎ収穫機の第4の状態の構成を左方から見た側面図である。
【
図10】第2実施形態に係るねぎ収穫機の構成を上方から見た平面図である。
【
図11】第2実施形態に係るねぎ収穫機の構成を左方から見た側面図である。
【
図12】第2実施形態に係るねぎ収穫機の構成を後方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の収穫機の実施形態について説明する。但し、本発明の収穫機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
本願の明細書及び特許請求の範囲において、「上」は圃場から略垂直に遠ざかる方向を示し、「下」は圃場に向かって略垂直に近づく方向を示す。また、「前」は収穫機が進行する方向を示し、「後」は前とは反対の方向を示す。また、「左」は収穫機が進行する方向に向かったときの左を示し、「右」は左とは反対の方向を示す。
【0019】
以下の実施形態では、農作物の収穫機の一例として、ねぎ収穫機を例示するが、これに限られるものではない。つまり、以下の実施形態に示す収穫機は、ねぎ以外の農作物を収穫するための収穫機であってもよい。
【0020】
1.第1実施形態
1-1.ねぎ収穫機10の構成
本発明の第1実施形態に係るねぎ収穫機10の概略の構成について
図1~
図4を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10の構成を上方から見た平面図である。
図2は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10の構成を左方から見た側面図である。
図3は、
図3は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10の構成を後方から見た図である。
図4は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10において、収納部材を載せた状態を、左方から見た側面図である。
図1~
図4に示されるように、本実施形態のねぎ収穫機10は、大別して、駆動部100、作業部200、搬送部300、支持部400、及び収納部500を含む。
【0021】
駆動部100は、機体110及び走行装置120を含む。機体110は、ねぎ収穫機10の駆動源となるエンジン112を搭載し、ねぎ収穫機10の本体部として機能する。機体110の上部は、作業台114として機能する。作業台114では、作業者が、搬送部300によって搬送されたねぎを結束したり所定量にまとめて収納部500に置かれた収納部材に収納したりする作業を行う。なお、駆動部100を自走機体と呼ぶ場合もある。また、収納部材は、例えば、コンテナ(図示せず)、ネット(図示せず)など、農作物を収納可能な部材である。
【0022】
走行装置120は、機体110の下方に配置され、ねぎ収穫機10を自走させるための機構である。本実施形態における走行装置120は、機体110の左右端下方に対をなして配置されたクローラである。走行装置120は、機体110の下部に設けられたトランスミッション122を含み、該トランスミッション122により変速駆動される。なお、走行装置120としては、クローラに限らず、タイヤ等の車輪を用いることも可能である。
【0023】
作業部200は、作業者がねぎの収穫作業を行う部位である。作業部200は、操縦部210、作業用ステップ220、補助ステップ230及び座席240を含む。操縦部210は、ねぎ収穫機10の操縦を行うための部位であり、駆動部100及び搬送部300の操作を行うことができる。作業者は、旋回可能な座席240に座ったまま、ねぎ収穫機10を操縦したり作業台114にて収穫作業を行ったりすることができる。作業用ステップ220及び補助ステップ230は、作業者が前後方向に移動できるようにするための足場として機能する。
【0024】
搬送部300は、圃場の畝に栽植されたねぎを掘り上げ、掘り上げたねぎを後方に搬送しつつ根部に付着した土の除去作業や根切り作業を行う機構である。搬送部300は、ねぎの根部を載せて後方に搬送する第1搬送装置310、ねぎの茎葉部を挟持して後方に搬送する第2搬送装置320、ねぎの茎葉部及び根部に付着した土を落とすための第1土除去部330及び第2土除去部340を含む。搬送部300は、駆動部100の前方に設けられ、駆動部100の走行装置120の進行に応じて、ねぎの掘り上げ作業、土除去作業、根切り作業といった一連の作業を連続的に行う。
【0025】
第1搬送装置310は、機体110の前方に配置される。本実施形態において、第1搬送装置310は、先端に掘取り刃311を有する無端のバーコンベアである。掘取り刃311は、ねぎ収穫機10の進行に伴い、土中からねぎを掘り取る。掘り取られたねぎは、根部がバーコンベアに載った状態で、縦姿勢を保ちつつ後方へ搬送される。第1搬送装置310の後端部は、機体110に対して軸を介して回動可能に連結されている。第1搬送装置310と機体110との間には油圧シリンダ312が設けられ、油圧シリンダ312の伸縮動作により、第1搬送装置310の上下方向の回動動作が制御される。
【0026】
第2搬送装置320は、第1搬送装置310の上方に配置される。第2搬送装置320は、ねぎの茎葉部を挟持して縦姿勢で搬送する左右一対の第1搬送ベルト321a及び321bと、該第1搬送ベルト321a及び321bの対向面同士が近接するように対向面の裏側に作用する複数組のローラ322a及び322bを含む。第1搬送ベルト321a及び321bは、第1搬送装置310よりも長さが長く、ねぎの茎葉部を挟持してねぎを縦姿勢に保持したまま、第1搬送装置310よりも後方(機体110に近い側)にねぎを搬送することができる。
【0027】
第2搬送装置320は、さらに、第1搬送ベルト321a及び321bの終端部に連続して左右一対の第2搬送ベルト323a及び323bを含む。第2搬送ベルト323a及び323bは、第1搬送ベルト321a及び321bにより搬送されたねぎを受け、機体110の作業台114付近までねぎを搬送する。この搬送過程において、第2搬送ベルト323a及び323bは、ねぎの姿勢を縦姿勢から順次捩じって斜め横姿勢に変換する。すなわち、第2搬送ベルト323a及び323bの前端部では、ねぎの茎葉部が縦姿勢に挟持され、後端部では、第2搬送ベルト323a及び323bが捩れることにより、ねぎの茎葉部が斜め横姿勢に挟持されるように構成されている。なお、第2搬送ベルト323a及び323bの終端部付近には、第3搬送ベルト324が配置され、斜め横姿勢になったねぎの葉部を支えつつ、ねぎを後方に搬送できるようになっている。
【0028】
第2搬送装置320の前端部は、リンクアーム325の先端部に連結され、後端部は、リンクアーム326を介して機体110に連結される。上述の油圧シリンダ312の伸縮動作により第1搬送装置310の先端側が上下に回動すると、これに連動して、リンクアーム325及び326により第2搬送装置320も後方に移動する。このように、第1搬送装置310と第2搬送装置320は、連動して回動するが、リンクアーム325及び326の働きにより、両者の間には所定の間隔が保たれる。
【0029】
上述の第1土除去部330及び第2土除去部340は、いずれも第2搬送装置320の下方に配置される。第1土除去部330は、縦姿勢で搬送されるねぎの茎葉部及び根部の移動経路を間に挟んで配置される、一対の回転体で構成される。第1土除去部330は、回転することにより該回転体が有する複数の突起部材をねぎの茎葉部又は根部に当て、茎葉部又は根部に付着した土を落とす役割を果たす。
【0030】
第2土除去部340は、第1土除去部330の後方に配置される回転体であり、縦姿勢で搬送されるねぎの根部の移動経路上もしくは移動経路よりやや下方に配置される。第2土除去部340は、回転することにより該回転体が有する複数の環状プレートをねぎの根部に当て、根部に付着した土を落とす役割を果たす。
【0031】
支持部400は、機体110の前方に、第1搬送装置310と併設された左右一対の支持アーム410、支持アーム410の先端に取り付けられたホイール420、及びホイール420と第1搬送装置310との間に設けられたディスク430を含む。ホイール420は、第1搬送装置310の上下位置を調節する機能を有するとともに、圃場に形成された畝の傾斜部(肩部)に当接して畝に沿って機体110を移動させるための畝追従装置としての機能も有する。第1搬送装置310の上下位置は、油圧シリンダ440によって調節することができる。ディスク430は、畝の傾斜部に当接する位置に配置され、畝の傾斜部を崩す役割を果たす。
【0032】
収納部500は、第1載置台510、平行リンク機構520、支持部材530、及び第2載置台540を含む。第1載置台510は、収穫したねぎを収納するコンテナやネット等の収納部材を置く台であり、作業台114の後方に位置する。第1載置台510の一端は、機体110に対して回動可能に連結され、第1載置台510を上方に持ち上げることが可能となっている。なお、本実施形態の第1載置台510は、作業面に複数のローラが配置されている。また、複数のローラは、ねぎ収穫機10の中心軸線及び第1載置台510の中心軸線と直交又は略直交し、かつ、第1載置台510の中心軸線に対して線対称になるように配置されている。そのため、作業者は、ねぎを収納したコンテナ等の収納部材を少ない力で第1載置台510に対して前後方向に移動させることが可能である。また、第1載置台510の右側にはストッパー514aが、第1載置台の後部にはストッパー514bがそれぞれ配置されている。ストッパー514a及び514bによって、作業者はねぎを収納したコンテナ等の収納部材が落下すること又は位置ずれすることを防止することができる。
【0033】
また、第1載置台510は、平行リンク機構520及びガススプリング522を介して機体110と連結される。また、平行リンク機構520は、例えば、連結部材526aを有する。連結部材526aは第1載置台510に連結(固定)される。この構成により、
図4に示すように、作業者が第1載置台510の上に収納部材524を載せた際、第1載置台510は、収納部材524の重さ(又は収納部材とねぎの重さ(自重ともいう))により下方(白抜き矢印の方向)に移動する。したがって、第1載置台510の載置面510aがちょうど作業者の腰のあたりに位置するようにガススプリング522の付勢力を調整することにより、ねぎの収納作業の効率を向上させることができる。一方、作業者が、収納部材524を、第1載置台510から圃場又は運搬車等に移動すると、第1載置台510は上方に移動する。第1載置台510の下方又は上方への移動に伴い、第1載置台510の重さとガススプリング522の付勢力とが釣り合うと、第1載置台510の下方又は上方への移動は止まる。すなわち、ねぎ収穫機10は、平行リンク機構520とガススプリング522とを有することによって、第1載置台510の下方又は上方への移動、つまり、第1載置台510の昇降が可能となっている。
【0034】
なお、本実施形態では、平面視において、第1載置台510の中心軸線よりも右寄りに平行リンク機構520が配置されている。本実施形態のねぎ収穫機10においては、収穫されたねぎが作業台114に到着した時点でねぎの根部が右側に位置し、葉部が左側に位置する。そのため、ねぎを第1載置台510に置かれた収納部材に入れた場合、第1載置台510の右側に重心が位置することとなる。そこで、本実施形態では、収納時の重量バランスを考慮して、第1載置台510の中心軸線512よりも右寄りに平行リンク機構520を配置した構成としている。また、支持部材530は第1載置台510をバランスよく支持可能なように、平面視において、第1載置台510の中心軸線と同じ位置又は略同じ位置に配置される。支持部材530の一端は連結部材526aの開口部527aに連結部材526aに対して回動可能に連結され、支持部材530の他端は第1載置台510に対して回動可能に設けられる。ただし、平行リンク機構520又は支持部材530の位置は任意であり、
図1~
図4に示される構造に限定されるものではない。
【0035】
第2載置台540は、第1載置台510と同様に、収穫したねぎを収納するコンテナ、空コンテナ、又はネット等の収納部材を置く台であり、第1載置台510の後方に位置する。第2載置台540は第1部分542及び第2部分544を有する。第2載置台540の第1部分の一端は、第1載置台510の後端部に回動可能に連結され、第2載置台540を上方又は下方に回動させることが可能となっている。また、第2部分544の一端は第1部分542の他端に回動可能に連結される。第2載置台540を回動させた場合における第1載置台510に対する第2載置台540の位置は、例えば第2載置台540を構成する支持部材に、位置調節用の部材を設けて調節できるようにすればよい。すなわち、第2載置台540は第1載置台510に対して回動可能であり、第2載置台540の第2部分544は第1部分542に対して回動可能である。第2載置台540は、以上のような構成を有することによって、作業者は、第2載置台540を、作業に適した状態に遷移させることができる。なお、
図1~
図4に示されたねぎ収穫機10の状態を、第1の状態と呼ぶ。第1の状態において、第2載置台540の第1部分542の載置面542a又は第2部分544の載置面544aは、第1載置台510の載置面510aに対して、略平行又は平行となるように固定される。また、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10の第1の状態における第2載置台540の状態は、コンテナ等の置き場として使用可能な状態であるため、使用状態と呼ばれることがある。なお、詳細は後述するが、位置調節用の部材とは、本発明の第1実施形態に係るねぎ収穫機に係る第1の状態、第2の状態、第3の状態、及び第4の状態への遷移を可能にする部材であり、第1ピン状部材550、第2ピン状部材552、第3ピン状部材592a及び第3ピン状部材592b、第4ピン状部材534、ストッパー560a、ストッパー560b、ストッパー562a、ストッパー562bなどが位置調節用の部材にあたる。なお、位置調節用の部材は、本明細書等で説明された部材に限らず、本発明の一実施形態に係る収穫機を逸脱しない範囲において、適宜選択されればよい。例えば、ピン状部材は、ピン状部材のみで構成されていてもよいし、ピン状部材とバネ状の弾性部材とを備える構成を有していてもよいし、また、ストッパーの形状はコの字形状であってもよいし、ストッパーがピン状部材で形成されピン状部材を抜き差しすることでストッパーの機能を有していてもよい。また、第2載置台540についての詳細も後述する。
【0036】
また、作業者は、コンテナ等を第1載置台510又は第2載置台540の上に段積みすることができる。なお、第2載置台540は第1載置台510の後端部に回動可能に連結されるため、作業者は第1載置台510に連動して第2載置台540を移動させることができる。すなわち、第2載置台540は、第1載置台510と同様に、平行リンク機構520とガススプリング522とによって、下方又は上方へ移動することができる。
【0037】
本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10は、第2載置台540を備えることによって、第2載置台540の第1部分542の載置面542a又は第2部分544の載置面544aは、第1載置台510の載置面510aに対して、略平行又は平行となるように固定される第1の状態をとることができる。本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10は、第2載置台540を備えることによって、第1載置台510のみを備える場合と比較して、作業スペースが拡張され、作業者は、収穫したねぎを収納するコンテナを多く配置することができる。したがって、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10は、作業者のねぎ収納作業の効率を向上させることができる。
【0038】
1-2.第2載置台540の構成
第2載置台540の構成について
図1~
図6、主に
図5及び
図6を用いて説明する。
図5は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10が有する第2載置台の構成を上方から見た平面図である。
図6は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10が有する第2載置台の構成を左方から見た側面図である。なお、
図1~
図4と同一、又は類似する構成については説明を省略することがある。
【0039】
上述したように、第2載置台540は第1部分542及び第2部分544を有する。
図5又は
図6に示されるように、第1部分542は、第1ピン状部材550、第2ピン状部材552、ストッパー560a、ストッパー560b、ストッパー562a、ストッパー562b、支持部材566a、支持部材566b、及び連結部材570aを有する。第2部分544は、弾性部材546、連結部材570b、支持部材590a、及び支持部材590bを有する。
【0040】
図5(A)及び
図5(B)を用いて、第1部分542について説明する。
図5(A)に示されるように、支持部材566aは、第1載置台510に含まれる支持部材580aに対して、第2ピン状部材552によって、回動可能に連結される。ストッパー560aが支持部材566aに設けられる。ストッパー560aが支持部材580aに嵌ることによって、支持部材566aが支持部材580aに固定される。支持部材566aに対向するように設けられる支持部材566bは、第1載置台510に含まれる支持部材580bに対して、第1ピン状部材550によって、回動可能に連結される。また、ストッパー560bが支持部材566bに設けられる。ストッパー560bが支持部材580bに嵌ることによって、支持部材566bが支持部材580bに固定される。このような構成によって、第2載置台540に含まれる第1部分542の一対の支持部材566a及び566bは、第1載置台510に含まれる一対の支持部材580a及び580bに対して固定される。なお、第1ピン状部材550は、ピン状部がバネ状部に挿通された構成を有する。
【0041】
図5(B)に示されるように、平面視において、第1部分542を、右方に移動することによって、第1ピン状部材550に含まれるバネ状部が縮み、支持部材580a及び支持部材580bのそれぞれに嵌っていたストッパー560a及びストッパー560bが、支持部材580a及び支持部材580bから外れる。ストッパー560a及びストッパー560bが、支持部材580a及び支持部材580bから外れることによって、第1部分542が第1載置台510に対して上方又は下方に回動可能となる。すなわち、第2載置台540が第1載置台510に対して上方又は下方に回動可能となる。
【0042】
また、
図5(A)及び
図6(A)~
図6(C)を用いて、第2部分544について説明する。
図5(A)に示されるように、平面視において、支持部材590aは、第1部分542の支持部材566aに対して、第3ピン状部材592aによって、回動可能に連結される。支持部材590aに対向するように設けられる支持部材590bは、第1部分542の支持部材566bに対して、第3ピン状部材592bによって、回動可能に連結される。支持部材590aと支持部材590bとは、連結部材570bによって連結されると共に枠体を構成している。弾性部材546の一方と他方とは、それぞれが、連結部材570aと連結部材570bとに連結される。このような構成によって、第2載置台540に含まれる第2部分544の一対の支持部材590a及び590bは、第1部分542の一対の支持部材566a及び566bに対して、回動可能に設けられる。
【0043】
図6(A)に示されるように、側面視において、第2部分544(支持部材590a)の大部分は第1部分542(支持部材566a)と重なっている。支持部材590a及び連結部材570bを第3ピン状部材592aの中心を軸として時計回りに回動させることによって、弾性部材546が徐々に伸びて、第2部分544は
図6(A)に示される状態から
図6(B)に示される状態になる。支持部材590a及び連結部材570bを第3ピン状部材592aの中心を軸としてさらに時計周りに回動させることによって、連結部材570bが支持部材566aの上下方向に対して平行な位置よりも前方に移動する(支点越え)。これによって、
図6(C)に示されるように、弾性部材546は伸びる方向から縮む方向に変化し、連結部材570bが弾性部材546によって下方に引っ張られることで、支持部材590a及び連結部材570bが、ストッパー562aによって、支持部材566aに対して垂直又は略垂直になる位置で固定される。
【0044】
第2部分544の支持部材590aに対向するように設けられる支持部材590bは、支持部材590aと同様に、第1部分542(支持部材566a)と重なっている。また、支持部材590b及び連結部材570bを第3ピン状部材592bの中心を軸として時計回りに回動させることによって、弾性部材546が徐々に伸びて、連結部材570bが支持部材566bの上下方向に対して平行な位置よりも前方に移動する(支点越え)と、弾性部材546は伸びる方向から縮む方向に変化し、さらに、連結部材570bが弾性部材546によって下方に引っ張られることで、支持部材590b及び連結部材570bが、ストッパー562bによって、支持部材566bに対して垂直又は略垂直になる位置で固定される。
【0045】
なお、
図6に示される側面図において、実際は、弾性部材546は支持部材566aに隠れているが、説明の理解の促進のため、弾性部材546は見えるように記載されている。
【0046】
以上の通り、第2載置台540は第1部分542と第2部分544とを有し、第1部分542の一方(一対の支持部材566a及び566bのそれぞれに対して第2ピン状部材552及び第1ピン状部材550が設けられる側)は第1載置台510(一対の支持部材580a及び580b)に対して回動可能に第1載置台510に連結され、第1部分542の他方(一対の支持部材566a及び566bのそれぞれに対して第3ピン状部材592a及び第3ピン状部材592bが設けられる側)は第2部分544の一方(連結部材570bが設けられる側)に対して回動可能に第2部分544の一方に連結される。
【0047】
第2載置台は、以上のような構成を有することによって、作業者は、第2載置台540を、複数の状態に遷移させることができ、各状態に適した作業を行うことができる。
【0048】
1-3.第2の状態
第1実施形態に係るねぎ収穫機10の第2の状態について、
図7を用いて説明する。
図7(A)は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10の第2の状態の構成を上方から見た平面図である。
図7(B)は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10の第2の状態の構成を左方から見た側面図である。
図7において、収納部500における第1載置台510及び第2載置台540の周辺部が拡大して示されている。なお、
図1~
図6と同一、又は類似する構成については説明を省略することがある。
【0049】
図7(B)に示されるように、ねぎ収穫機10の第2の状態は、側面視において、第2載置台540に含まれる第1部分542の載置面542aは、第1載置台510の載置面510aに対して垂直又は略垂直に位置するように固定される。また、側面視において、第2載置台540に含まれる第2部分544の載置面544aは、第1載置台510の載置面510aに対して平行又は略平行に配置され、かつ、第1部分542の載置面542aに対して垂直又は略垂直に配置される。
【0050】
上述の「1-2.第2載置台540の構成」において、
図5(A)及び
図5(B)を用いて説明されたように、第1部分542は第1載置台510に対して下方に回動可能である。第1部分542を第1載置台510に対して下方に回動し、第1部分542の載置面542aが第1載置台510の載置面510aに対して垂直又は略垂直に配置された後に、
図5(B)に示された白抜きの矢印と反対の方向に、第1部分542の一対の支持部材566a及び566bを移動することによって、ストッパー560a及びストッパー560bが第1載置台510に含まれる一対の支持部材580a及び580bに、当接する又は嵌る構成でもよい。よって、第1載置台510に含まれる一対の支持部材580a及び580bに対する第1部分542の一対の支持部材566a及び566bの回動が規制される。よって、第1部分542の載置面542aが第1載置台510の載置面510aに対して垂直又は略垂直に配置された状態を維持することができる。
【0051】
また、上述の「1-2.第2載置台540の構成」において、
図6(A)~
図6(C)を用いて説明されたように、第2部分544の一対の支持部材590a及び590bと連結部材570bが、ストッパー562a及びストッパー562bによって、第1部分542の一対の支持部材566a及び支持部材566bに対して垂直又は略垂直になる位置で固定される。よって、第1部分542の一対の支持部材566a及び支持部材566bに対する第2部分544の一対の支持部材590a及び590bの回動が規制される。したがって、ねぎ収穫機10は、第2部分544の載置面544aが第1部分542の載置面542aに対して垂直又は略垂直に配置された状態を維持することができる。すなわち、第2の状態は、第1載置台510の載置面510aに対して第2載置台540に含まれる第1部分542の載置面542aが垂直又は略垂直、かつ、第1載置台510の載置面510aに対して第2載置台540に含まれる第2部分544の載置面544aが下方に位置するように固定された状態である。
【0052】
第2載置台540が以上のような構成を有することによって、作業者は、空コンテナ、農作物が収納されていないネットなどの収納部材を、第2載置台540に設けることができる。よって本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10は第2載置台540を有することによって、作業者は、空コンテナを作業者の近くに配置可能なため、収穫したねぎを収納するコンテナを第1載置台510に移動し、空コンテナを第2載置台540から作業台114に移動することで、空コンテナを準備するための時間を短縮できる。したがって、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10は、作業者のねぎ収納作業の効率を向上させることができる。なお、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10の第2の状態における第2載置台540の状態は、第1の状態における第2載置台540の状態と同様に、コンテナ等の置き場として使用可能な状態であるため、使用状態と呼ばれることがある。
【0053】
1-4.第3の状態
第1実施形態に係るねぎ収穫機10の第3の状態について、
図8を用いて説明する。
図8(A)は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10の第3の状態の構成を上方から見た平面図である。
図8(B)は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10の第3の状態の構成を左方から見た側面図である。
図8において、収納部500における第1載置台510及び第2載置台540の周辺部が拡大して示されている。また、
図8は、第1載置台510にねぎを収納したコンテナが置かれており、第1載置台510及び第2載置台540はねぎを収納したコンテナの自重によって下方に移動している例が示される。なお、
図1~
図7と同一、又は類似する構成については説明を省略することがある。
【0054】
図8(B)に示されるように、ねぎ収穫機10の第3の状態は、側面視において、第2載置台540が、第1載置台510の下方にたたまれた状態である。また、第2載置台540に含まれる第1部分542の載置面542a又は第2部分544の載置面544aと、第1載置台510の載置面510aとがなす角θの角度は鋭角である。
【0055】
上述の「1-2.第2載置台540の構成」において、
図5(A)及び
図5(B)を用いた説明と同様に、第1部分542を第1載置台510に対して下方に回動し、第2載置台540を第1載置台510の下方にたたみ、載置面542a又は載置面544aと載置面510aとがなす角θの角度が鋭角になるように、第2載置台540を移動することによって、ストッパー560a及びストッパー560bが第1載置台510に含まれる一対の支持部材580a及び580bに嵌る。よって、第1載置台510に対する第2載置台540の回動が規制される。したがって、ねぎ収穫機10は、載置面542a又は載置面544aと載置面510aとがなす角θの角度が鋭角に配置された状態を維持することができる。
【0056】
第2載置台が以上のような構成を有することによって、作業者は、ストッパー514bを外し、第2載置台540の後方からねぎを収納したコンテナを、例えば、背負子に乗せて、背負って運搬することができる。本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10の第3の状態における第2載置台540の状態は、コンテナ等の置き場として使用可能な状態でないため、非使用状態と呼ばれることがある。本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10は第2載置台540を有することによって、ねぎを収納したコンテナを第1載置台から圃場にまとめて一カ所に置くことで運搬することと、ねぎを収納したコンテナを背負って運搬することとを、作業量、収穫量、作業人数、作業スペースなどによって使い分けることができる。例えば、作業スペースが狭い場合、作業者はねぎを収納したコンテナを背負って運搬することができ、作業量が多い場合、作業者はねぎを収納したコンテナを第1載置台から圃場にまとめて一カ所に置くことで運搬することと、ねぎを収納したコンテナを背負って運搬することとを、併用することもできる。したがって、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10は、作業者のねぎ収納作業の効率を向上させることができる。
【0057】
1-5.第4の状態
第1実施形態に係るねぎ収穫機10の第4の状態について、
図9を用いて説明する。
図9(A)は、第1実施形態に係るねぎ収穫機の第4の状態の構成を上方から見た平面図である。
図9(B)は、第1実施形態に係るねぎ収穫機の第4の状態の構成を左方から見た側面図である。
図9において、収納部500における第1載置台510及び第2載置台540の周辺部が拡大して示されている。なお、
図1~
図8と同一、又は類似する構成については説明を省略することがある。
【0058】
図9(B)に示されるように、ねぎ収穫機10の第4の状態は、側面視において、第1載置台510と共に第2載置台540が機体110側にたたまれた状態である。このとき、第2載置台540に含まれる第1部分542の載置面542a又は第2部分544の載置面544aと、第1載置台510の載置面510aとがなす角θの角度は、第3の状態と同様に鋭角である。
【0059】
載置面542a又は載置面544aと載置面510aとがなす角θの角度が鋭角に配置された状態を維持する方法の説明は、上述の「1-4.第3の状態」において、
図8を用いた説明と同様であるから、ここでの説明は省略する。
【0060】
第1の状態、第2の状態、及び第3の状態において、支持部材530の一端は開口部532を有し、前記開口部532と連結部材526aの開口部527aとを貫通するように第4ピン状部材534を設けることで、支持部材530は連結部材526a及び第1載置台510に対して連結(固定)される。一方、第4の状態において、支持部材530の一端の開口部532と連結部材526aの開口部527bとを貫通するように第4ピン状部材534を設けることで、支持部材530は連結部材526a及び第1載置台510に対して連結(固定)される。
【0061】
第2載置台が以上のような構成を有することによって、作業者は、第1載置台510と共に第2載置台540を、機体110側にたたむことができる。例えば、ねぎ収穫機10を圃場に運搬する、又はねぎ収穫機10を圃場から運搬するとき、ねぎ収穫機10を第4の状態のように、第1載置台510及び第2載置台540を機体110側にたたんだ状態にすることで、ねぎ収穫機10を小さくまとめて格納し運搬することができる。したがって、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10によって、作業者は運搬作業を円滑に行うことができ、ねぎ収納作業の効率を向上させることができる。なお、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10の第4の状態における第2載置台540の状態は、コンテナ等の置き場として使用可能な状態でないため、非使用状態と呼ばれることがある。
【0062】
本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機は以上のような構成を有することによって、第2載置台の状態が、使用状態である第1の状態又は第2の状態と、非使用状態である第3の状態又は第4の状態と、に遷移可能である。すなわち、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機は、複数の状態に遷移することができ、作業者は、作業量、収穫量、作業人数、作業スペースなどによって、前記ねぎ収穫機の作業に適した状態を使い分けることができる。したがって、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機10は、作業者のねぎ収納作業の効率を向上させることができる。
【0063】
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態に係るねぎ収穫機20の概略の構成について
図10~
図12を用いて説明する。第2実施形態に係るねぎ収穫機20は、第1実施形態に係るねぎ収穫機10に対して、農作物を収納していない空コンテナを置くための空コンテナ載置台をさらに備える点が異なる。よって、第2実施形態に係るねぎ収穫機20の構成の説明においては、第1実施形態に係るねぎ収穫機10の構成と異なる点が主に説明される。
図10は、第2実施形態に係るねぎ収穫機20の構成を上方から見た平面図である。
図11は、第2実施形態に係るねぎ収穫機20の構成を左方から見た側面図である。
図12は、第2実施形態に係るねぎ収穫機20の構成を後方から見た図である。なお、
図1~
図9と同一、又は類似する構成については説明を省略することがある。
【0064】
図10及び
図11に示されるように、ねぎ収穫機20は、例えば、空コンテナ載置台を4つ備える。そのうちの一つは、第1実施形態において説明されたねぎ収穫機が第2の状態の場合である。空コンテナ載置台600aは作業用ステップ220の後方部に設けられる。空コンテナ載置台600bは操縦部210の側方部かつ作業用ステップ220の前方部に設けられる。空コンテナ載置台600cは作業台114の後方部に設けられる。
図10~
図12は、例えば、空コンテナ526が空コンテナ載置台600cに載置される例を示している。なお、ねぎ収穫機20において、空コンテナ載置台が設けられる位置及び/又は数は任意であり、
図10~
図12に示される構造に限定されるものではない。空コンテナ載置台が設けられる位置及び/又は数は、空コンテナの大きさ、重さ、作業者が作業するための作業空間、作業者の手が届く範囲などに基づき、適宜決定されればよい。なお、第1載置台510又は第2載置台540の少なくとも一部を空コンテナ載置台として利用してもよい。
【0065】
図10及び
図12に示されるように、空コンテナ載置台600aは連結部材604aによって作業用ステップ220に連結される。
図10に示されるように、空コンテナ載置台600bは連結部材604bによって作業用ステップ220に連結される。
図10~
図12に示されるように、空コンテナ載置台600cは連結部材604cによって作業台114に連結される。
【0066】
空コンテナ載置台600a、空コンテナ載置台600b及び空コンテナ載置台600cは、それぞれ、コンテナを前後方向で支えるストッパー602a、ストッパー602b、及びストッパー602cを備える。また、空コンテナ載置台600a、空コンテナ載置台600b及び空コンテナ載置台600cは、それぞれ、コンテナを左右方向で支えるストッパー606a、ストッパー606b、及びストッパー606cを備える。空コンテナ載置台600a、空コンテナ載置台600b及び空コンテナ載置台600cは、ストッパーを備えることによって、空コンテナの落下、位置ずれなどが防止される。なお、ねぎ収穫機20において、空コンテナ載置台に設けられるストッパーの位置及び/又は数は任意であり、
図10~
図12に示される構造に限定されるものではない。空コンテナ載置台に設けられるストッパーの位置及び/又は数は、空コンテナの大きさ、重さなどに基づき、適宜決定されればよい。
【0067】
本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機は、空コンテナ載置台を備えることによって、作業者は、ねぎ収穫作業に先立ち、空コンテナを運搬車等から圃場に一定間隔ごとに置く作業と、圃場に置かれた空コンテナを作業台又は載置台に置く作業とを省略することができる。また、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機には、空コンテナが、作業者が作業するための作業空間又は作業者の手が届く範囲に備えられているため、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機の構造は、作業者が空コンテナを空コンテナ載置台から作業台に置きやすい構造となっている。したがって、本発明の一実施形態に係るねぎ収穫機は、作業者の収穫作業の作業効率を向上させることができる。
【0068】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、上述した各実施形態は、特に技術的な矛盾を生じない限り、それぞれ組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0069】
10:収穫機、20:収穫機、100:駆動部、110:機体、112:エンジン、114:作業台、120:走行装置、122:トランスミッション、200:作業部、210:操縦部、220:作業用ステップ、230:補助ステップ、240:座席、300:搬送部、310:第1搬送装置、311:刃、312:油圧シリンダ、320:第2搬送装置、321a:第1搬送ベルト、321b:第1搬送ベルト、322a:ローラ、322b:ローラ、323a:第2搬送ベルト、323b:第2搬送ベルト、324:第3搬送ベルト、325:リンクアーム、326:リンクアーム、330:第1土除去部、340:第2土除去部、400:支持部、410:支持アーム、420:ホイール、430:ディスク、440:油圧シリンダ、500:収納部、510:第1載置台、510a:載置面、512:中心軸線、514a:ストッパー、514b:ストッパー、520:平行リンク機構、522:ガススプリング、524:収納部材、526:空コンテナ、526a:連結部材、527a:開口部、527b:開口部、530:支持部材、532:開口部、534:第4ピン状部材、534:第4ピン状部材、540:第2載置台、542:第1部分、542a:載置面、544:第2部分、544a:載置面、546:弾性部材、550:第1ピン状部材、552:第2ピン状部材、560a:ストッパー、560b:ストッパー、562a:ストッパー、562b:ストッパー、566a:支持部材、566b:支持部材、570a:連結部材、570b:連結部材、580a:支持部材、580b:支持部材、590a:支持部材、590b:支持部材、592a:第3ピン状部材、592b:第3ピン状部材、600a:空コンテナ載置台、600b:空コンテナ載置台、600c:空コンテナ載置台、602a:ストッパー、602b:ストッパー、602c:ストッパー、604a:連結部材、604b:連結部材、604c:連結部材、606a:ストッパー、606b:ストッパー、606c:ストッパー