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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】手摺エンドブラケット
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
E04F11/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020024699
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021127670
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000152572
【氏名又は名称】株式会社日中製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】特許業務法人安田岡本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱川 義則
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-080295(JP,A)
【文献】特開平09-203181(JP,A)
【文献】特開平10-248663(JP,A)
【文献】特開2012-233555(JP,A)
【文献】特開平09-302881(JP,A)
【文献】特開2003-049521(JP,A)
【文献】実開平02-093427(JP,U)
【文献】特開2016-65368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺(3)の端部に手摺長手方向から嵌脱可能に嵌合される嵌合部(4A)と、壁面(W)のボルト(B)に固定される底部(4B)とを有するブラケット本体(4)と、
基部が前記ブラケット本体(4)の嵌合部(4A)内に固定されかつ先端が嵌合部(4A)から突出して手摺(3)の端部内に固定される連結軸(5)と、
前記ブラケット本体(4)の底部(4B)の上面側に添接される底板(6)とを備えており、
前記底部(4B)には、ボルト(B)に対して手摺長手方向移動可能に嵌合する長孔(7)が形成され、
前記底板(6)には、嵌合部(4A)が手摺(3)の端部に嵌合した位置でボルト(B)に嵌合するボルト孔(8)が形成されており、
前記壁面(W)のボルト(B)は手摺長手方向に沿って複数本が配置されており、
前記底部(4B)の長孔(7)の長さは、複数本のボルト(B)に嵌合した状態で嵌合部(4A)を手摺(3)の端部に嵌脱移動可能な寸法(L1)に設定されていることを特徴とする手摺エンドブラケット。
【請求項2】
前記手摺(3)は芯材(3a)の外周にタイヤ(3b)を被覆しており、
前記連結軸(5)の先端は芯材(3a)の端部に挿入して固定されており、連結軸(5)の基部は嵌合部(4A)の背後から貫通される締結具(9)を介して固定されていることを特徴とする請求項1に記載の手摺エンドブラケット。
【請求項3】
前記底部(4B)には、長孔(7)の上側に前記底板(6)の外周と嵌合してボルト(B)と直交する方向の相対移動を阻止する板嵌合部(10)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の手摺エンドブラケット。
【請求項4】
前記ブラケット本体(4)は、嵌合部(4A)の外径(D)が底部(4B)の幅(E)より大であって、嵌合部(4A)から底部(4B)にかけて次第に幅狭に形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の手摺エンドブラケット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階段や廊下の手摺の端部に設けられる手摺エンドブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
階段の壁には、上下方向、水平方向、斜め方向等に長い手摺が取り付けられ、廊下には水平方向に長い手摺が取り付けられており、これらの手摺の端部には、端部を覆うとともに壁面に固定するための手摺エンドブラケットが設けられている。
この種の手摺エンドブラケットとしては、特許文献1に記載の手摺があり、この手摺は、パイプ状の手摺桿と、前記手摺桿を支持固定するブラケットとを備えた手摺であって、前記ブラケットは、前記手摺桿の端部が挿嵌される有底筒状の手摺桿受け部が備えられ、前記手摺桿の端部は、前記手摺桿受け部の底部に当接し、前記手摺桿の内周面には、長手方向に連続する複数のビスホールが突設され、前記手摺桿受け部の底部には、前記ビスホールに対応する位置にそれぞれネジ挿通孔が設けられ、各前記ネジ挿通孔を介して各前記ビスホールに螺合された複数のネジにより、前記手摺桿が前記ブラケットに固定されている(請求項1)。
【0003】
そして、特許文献1の公報段落0022には、「ブラケット本体9の壁面固定部12には、図2に示すように、厚み方向に貫通する貫通孔17が形成されている。壁面固定部12は、この貫通孔17を介してネジ等の固定手段18によって壁面Aに固定される。また、壁面固定部12には、ブラケットカバー10の係止凸部22を係止する係止凹部19が設けられている。」と開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-155004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術のブラケットは、ブラケット本体はネジ等の固定手段によって壁面に固定できるが、その固定をより強固なものにできるように、壁面にボルトを予め固定(植設)しておいて、その植設ボルトにブラケット本体を嵌合固定する構造のものには適用困難であり、また、複数本のビスで手摺桿受け部と手摺桿とを連結できるが、ビスは小径のものしか使用できず、芯材や芯軸となるものがないので、摺桿受け部と手摺桿との連結をより強固にすることは困難である。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした手摺エンドブラケットを提供することを目的とする。
本発明は、ブラケット本体と手摺の端部との連結及び壁面のボルトとブラケット本体の底部との固定を強固にでき、メンテナンス等が簡単かつ容易にできる手摺エンドブラケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における課題解決のための具体的手段は、手摺の端部に手摺長手方向から嵌脱可能に嵌合される嵌合部と壁面のボルトに固定される底部とを有するブラケット本体と、基部が前記ブラケット本体の嵌合部内に固定されかつ先端が嵌合部から突出して手摺の端部内に固定される連結軸と、前記ブラケット本体の底部の上面側に添接される底板とを備えており、前記底部には、ボルトに対して手摺長手方向移動可能に嵌合する長孔が形成され、前記底板には、嵌合部が手摺の端部に嵌合した位置でボルトに嵌合するボルト孔が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ブラケット本体の嵌合部と手摺の端部との連結を強固にでき、壁面のボルトとブラケット本体の底部との固定を強固にでき、それらを可能にした上で、ブラケット本体を着脱する施工、メンテナンス等が簡単かつ容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態を示す取り付け状態の手摺エンドブラケットの断面側面図である。
図2図1のX-X線断面図である。
図3】手摺エンドブラケットの分解斜視図である。
図4】手摺エンドブラケットの斜め下方から見た斜視図である。
図5】ブラケット本体の斜め上方から見た斜視図である。
図6】手摺エンドブラケットの底面図である。
図7】取り付け状態の手摺エンドブラケットの側面図である。
図8図7のY-Y線断面図である。
図9】取り付けブラケットの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~8において、階段又は廊下の壁面に取り付けられる長尺の手摺3は、中途部が取り付けブラケット21によって支持され、両端が手摺エンドブラケット1によって覆われかつ固定される。
図1、2において、手摺3は、アルミニウム又は硬質樹脂等で形成された芯材3aの外周に、合成樹脂で形成されたタイヤ3bを被覆しており、芯材3aは断面形状が4つの角部を有し、中心に角穴3cを有し、この角穴3cを1面側で外方に開放する開放溝3dを有しており、芯材3aは押し出し成形することにより、角穴3c及び開放溝3dは芯材3aの全長に渡って形成されている。
【0011】
前記タイヤ3bは、外周面が芯材3aの軸心を略中心とする円弧形状で、概ね断面がC字形状であり、C字の開口3b’は芯材3aの開放溝3dと対応しており、取り付けブラケット21の先端部を開放溝3d及び角穴3cに挿入可能にしている。
前記手摺エンドブラケット1は、嵌合部4Aと底部4Bとを一体的に有するブラケット本体4と、嵌合部4Aと手摺3の端部とを連結する連結軸5と、底部4Bの上面側に添接される底板6と、ブラケット本体4の後上部を覆うカバー13とを備えている。
【0012】
なお、図1~8に示す手摺エンドブラケット1において、嵌合部4Aは底部4Bより上側にあり、嵌合部4Aの手摺3側を前側、底部4Bの幅方向を左右方向と称する。
前記ブラケット本体4及びカバー13は樹脂で形成され、連結軸5は樹脂又はアルミニウム合金等の軽金属又は金属で形成されている。前記樹脂は例えば、耐候性のあるASA樹脂等が用いられる。
【0013】
ブラケット本体4の嵌合部4Aは、手摺3の端部に手摺長手方向から嵌脱可能に嵌合される略円筒形状であり、その外径Dは手摺3の外径より大であり、その内奥に手摺3の端部が当接する嵌合底部4aを有する。
前記嵌合底部4aには、中心位置に締結具9としてのビス14が挿入されるビス孔15が貫通形成され、また、このビス孔15と同心に連結軸5の基部が嵌入する有底状の嵌合凹部16が形成されている。嵌合凹部16の断面形状は4角形又は連結軸5の断面形状と略同一である。
【0014】
ブラケット本体4は嵌合部4Aの内奥の下側に前壁4bを、嵌合底部4aの下側に中間壁4cを、嵌合底部4aの左右側部から下方に左右側壁4dをそれぞれ一体成形され、これら前壁4b、中間壁4c及び左右側壁4dの下部が底部4Bと一体化されている。
図1、4~6において、前記嵌合底部4aの嵌合凹部16の径外側には、嵌合部4A内に開放された抜き空間4eが形成され、前壁4bと中間壁4cとの間には下方に開放された抜き空間4fが形成されている。
【0015】
ブラケット本体4の嵌合部4Aの下方には、左右側壁4d間を3区分する2枚の仕切り壁4gが形成され、この2枚の仕切り壁4gの前後は前壁4b及び中間壁4cと一体化され、これらによって前記抜き空間4fは3つ空間に区分されている。
ブラケット本体4の底部4Bは、壁面Wに添接可能な平板形状であって、その前部は中間壁4c及び2枚の仕切り壁4gに接続され、左右部は左右側壁4dに接続され、後部には後壁4hが立ち上がり形成されている。
【0016】
この底部4Bには、底部4Bの後部から前方へ前後方向に長い長孔7が形成されており、この長孔7は中間壁4cの下方を通って3つの抜き空間4fの内の中央抜き空間4fと連通し、前壁4bで閉鎖されている。
底部4Bの長孔7は壁面Wに固定のボルトBに嵌合されるものであり、長孔7の長さは、複数本のボルトBに嵌合した状態でブラケット本体4を前後方向(手摺長手方向)に移動して、嵌合部4Aを手摺3の端部に嵌脱移動可能な全寸法L1に設定されている。
【0017】
前記ボルトBは壁面Wにアンカーボルトを手摺3の手摺長手方向に沿って2本を埋め込んで(植設)構成されており、長孔7の全寸法L1から2本のボルトBの外径間隔を差し引いた残りの有効寸法L2が、ブラケット本体4の前後移動可能寸法となり、この前後移動可能な寸法L2は嵌合部4Aの嵌合寸法L3より長くなっている。
前記ブラケット本体4は、図2に示すように、嵌合部4Aの外径Dが底部4Bの幅Eより大であって、嵌合部4Aから底部4Bにかけて次第に幅狭に形成されており、底部4Bは長孔7を形成するために前後方向に長くなっており、底部4Bの上面は前方後円形状であり、中間壁4c、左右側壁4d及び後壁4hによって囲まれた板嵌合部10も前方後円形状になっている。
【0018】
この底部4Bの上面側に添接される底板6は、外周が板嵌合部10に嵌合する前方後円形状であり、板嵌合部10に嵌合することにより、底部4Bの上面との相対移動は阻止される。
前記底部4B、嵌合部4Aが手摺3の端部に嵌合した位置で2本のボルトBに嵌合する2つのボルト孔8が形成されている。即ち、嵌合部4Aが手摺3の端部に嵌合した状態で、底板6を2本のボルトBに嵌合することにより、ブラケット本体4は長孔7を有していても、前後方向の移動、ボルトB廻りの回動等のボルトBと直交する方向の相対移動が阻止される。
【0019】
前記底板6には、2つのボルト孔8の配列と直交する方向に2つのネジ孔24が穿孔されている。このネジ孔24は、壁面Wに植設ボルトBがない場合に補助的に使用されるものであり、ネジを上方からネジ孔24に挿入して壁面Wに螺合して、底部4Bを壁面Wに固定する。なお、底部4Bには2つのネジ孔24に対応する位置に、長孔7と連通する凹部4jが形成されている。
【0020】
前記底板6は、2本のボルトBに嵌合し、ボルトBにナットNを螺合するすることにより固定され、ブラケット本体4のボルトBと直交する方向の相対移動を阻止してその位置を確定するとともに、底部4Bの補強材にもなる。
ブラケット本体4は嵌合部4Aの背面側が締結具9を挿入するために開放空間となっており、また、底部4Bの上面側が底板6の嵌合及びボルトBへのナットNの螺合のために開放空間となっており、両開放空間はブラケット本体4の後上部にあって1つの空間となっていて、カバー13によって閉鎖される。
【0021】
このカバー13を装着するために、嵌合部4Aの嵌合底部4aから左右側壁4dの上縁及び後壁4hにかけて、カバー装着縁26が形成されている。
前記連結軸5はアルミニウム合金等で形成できるが、図1においては、締結具としてのビス14が螺合されるナット部5aを金属で形成し、このナット部5aを樹脂にインサート成形している。
【0022】
連結軸5は断面略四角形であって、芯材3aの中心の断面略四角形の角穴3cに適合嵌入する形状であり、基部に前記ナット部5aを埋設し、先端に2本のビス孔5b,5cを穿孔しており、2本のビス孔5b,5cは連結軸5の軸心方向に位置がずれかつ直交方向になっている。
前記連結軸5は、ブラケット本体4とは別個に形成され、嵌合部4Aに連結する前に先端を芯材3aの角穴3cに挿入して、芯材3aの開放溝3dを通って一方のビス孔5bから挿入した軸ビス25を芯材3aに螺合して連結固定し、その後に、連結軸5の基部に嵌合部4Aの嵌合凹部16を嵌合し、嵌合部4Aの背面側からビス孔15を通したビス14をナット部5aに螺合して、連結軸5の基部と嵌合部4Aとを連結固定する。
【0023】
手摺3の中途部を支持する取り付けブラケット21には、図7、8に示すように、芯材
3aの開放溝3dが壁面Wに対向していて直線形状(図7はT字形状)のもの(縦付けブラケット)と、図9の変形例で示すように、芯材3aの開放溝3dが壁面Wに対向しない(平行する)屈曲形状のもの(壁面付けブラケット)があり、どちらの場合にも芯材3aの角穴3cに連結軸5の先端を挿入できるが、開放溝3dに対向するビス孔5b,5cが異なる。
【0024】
従って、直線形状の取り付けブラケット21を使用しているときは、連結軸5はビス孔5b,5cの一方を使用して軸ビス25を螺合し、屈曲形状の取り付けブラケット21を使用しているときは、連結軸5は90度方向の異なるビス孔5b,5cの他方を使用して軸ビス25を螺合する。
前記手摺3及び手摺エンドブラケット1の施工例を説明する。
【0025】
芯材3aが適正位置に配置できるように取り付けブラケット21を壁面Wに固定する。取り付けブラケット21に芯材3aを固定する又は固定する前に、芯材3aの長手方向端部に連結軸5の先端を挿入して軸ビス25で連結する。
この連結軸5の基部にブラケット本体4の嵌合部4Aを嵌合するとともにその底部4Bに底板6を挿入し、底板6におけるボルト孔8の位置を壁面Wに罫書きする。
【0026】
ボルト孔8位置の罫書き後に一旦、連結軸5からブラケット本体4を外し、壁面Wの罫書き位置にドリルで孔を開けてアンカーボルトBを打ち込む。
前記芯材3aにタイヤ3bを被覆し、ボルトBに対してブラケット本体4の長孔7を嵌合しながら、底部4Bを壁面Wに当接し、さらに長孔7にそってブラケット本体4を手摺3の端部に近づけ、嵌合部4Aを手摺3の端部に嵌合しながら嵌合底部4aの嵌合凹部16を連結軸5の基部に嵌合する。
【0027】
嵌合部4Aが手摺3の端部及び連結軸5に嵌合した後に、締結具9のビス14をビス孔15から挿入して連結軸5のナット部5aに螺合し、ブラケット本体4と手摺3及び連結軸5との連結を完了する。
その後、底板6のボルト孔8をボルトBに合わせながら嵌合し、底板6を底部4Bに添接するように挿入し、底板6の上側からナットNをボルトBに螺合し、ブラケット本体4の底部4Bを壁面Wに固定する。そして、ボルトB、ナットN及びビス14を隠すように、ブラケット本体4にカバー13を装着する。
【0028】
メンテナンスをする場合は、ブラケット本体4からカバー13を外すと、前記ナットN及びビス14が露出するので、これらを外すと、ボルトBが残ったままで、ブラケット本体4は手摺3の長手方向に移動でき、嵌合部4Aを手摺3の端部及び連結軸5から離脱させることができる。
前記施工例において、取り付けブラケット21及び手摺エンドブラケット1のためのアンカーボルトBは、位置設定治具等を用いて予め位置決めしかつ打ち込んでおくことができる。
【0029】
ボルトBを予め打ち込んでおくと、罫書き工程を省略できるので、その場合の施工は、芯材3aに連結軸5を連結しかつタイヤ3bを被覆し、取り付けブラケット21を介して壁面Wに固定しておき、その状態の手摺3の端部及び連結軸5に対して、長孔7をボルトBに嵌合したブラケット本体4を移動して、嵌合部4Aを嵌合することになる。
前述の実施形態で示した本発明の手摺エンドブラケット1は、手摺3の端部に手摺長手方向から嵌脱可能に嵌合される嵌合部4Aと、壁面WのボルトBに固定される底部4Bとを有するブラケット本体4と、基部が前記ブラケット本体4の嵌合部4A内に固定されかつ先端が嵌合部4Aから突出して手摺3の端部内に固定される連結軸5と、前記ブラケット本体4の底部4Bの上面側に添接される底板6とを備えており、前記底部4Bには、ボルトBに対して手摺長手方向移動可能に嵌合する長孔7が形成され、前記底板6には、嵌合部4Aが手摺3の端部に嵌合した位置でボルトBに嵌合するボルト孔8が形成されている。
【0030】
この構成によって、ブラケット本体4の嵌合部4Aを手摺3の端部及び連結軸5に嵌合し、かつ嵌合部4Aに連結軸5を強固に連結するとともに、底板6を底部4Bの上面に添接した状態で、ブラケット本体4で手摺3の端部を覆いながら壁面WのボルトBに対して
強固に固定することができ、また、ブラケット本体4の嵌合部4Aから連結軸5が外れかつ底板6が底部4Bの上面に存在しない状態で、ブラケット本体4が長孔7の範囲内でボルトBに対して手摺長手方向に移動でき、この移動により、嵌合部4Aが手摺3の端部及び連結軸5に嵌合・離脱ができ、ブラケット本体4を着脱する施工、メンテナンス等が簡単かつ容易にできる。
【0031】
また、本発明の手摺エンドブラケット1は、前記手摺3は芯材3aの外周にタイヤ3bを被覆しており、前記連結軸5の先端は芯材3aの端部に挿入して固定されており、連結軸5の基部は嵌合部4Aの背後から貫通される締結具9を介して固定されている。
この構成によって、連結軸5を介して手摺3は芯材3aとブラケット本体4とを強固に連結できる。
【0032】
さらに、本発明の手摺エンドブラケット1は、前記壁面WのボルトBは手摺長手方向に沿って複数本が配置されており、前記底部4Bの長孔7の長さは、複数本のボルトBに嵌合した状態で嵌合部4Aを手摺3の端部に嵌脱移動可能な寸法L1に設定されている。
この構成によって、複数本のボルトBでブラケット本体4を固定するので、ブラケット本体4の固定が回ることのない強固なものにすることができ、そのような複数本のボルトBで固定する場合でも、底部4Bの長孔7を嵌合部4Aの嵌脱移動可能な寸法L1に設定することにより、ブラケット本体4を着脱する施工、メンテナンス等が簡単かつ容易にできる。
【0033】
さらにまた、本発明の手摺エンドブラケット1は、前記底部4Bには、長孔7の上側に前記底板6の外周と嵌合してボルトBと直交する方向の相対移動を阻止する板嵌合部10が形成されている。
この構成によって、底板6によって、底部4Bを補強するだけでなく、長孔7の長手方向の移動、ボルトB廻りの移動等のブラケット本体4のボルトBと直交する方向の移動を阻止することができる。
【0034】
さらに、本発明の手摺エンドブラケット1は、前記ブラケット本体4は、嵌合部4Aの外径Dが底部4Bの幅Eより大であって、嵌合部4Aから底部4Bにかけて次第に幅狭に形成されている。
この構成によって、手摺3を握る人にとって、嵌合部4Aが径大である違和感触によって手摺3の端部であることを認識でき、底部4Bの幅Eが狭いことにより、違和感覚が解消され、手摺3から手を離し易くなる。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、手摺3は、中途部に取り付けブラケット21がなく、両端の手摺エンドブラケット1のみで壁に固定される長さのものでもよい。
手摺エンドブラケット1の嵌合凹部16の奥面に連結軸5の基部の端面は当接するが、嵌合底部4aに手摺3の端部が当接しなくてもよく、嵌合部4Aは手摺3の端部に嵌合するだけでもよい。
【0036】
ブラケット本体4を固定するためのアンカーボルトBは、1本でも3本以上の複数本でもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 手摺エンドブラケット
3 手摺
3a 芯材
3b タイヤ
3c 角穴
3d 開放溝
4 ブラケット本体
4A 嵌合部
4B 底部
4a 嵌合底部
4b 前壁
4c 中間壁
4e 抜き空間
4f 抜き空間
4g 仕切り壁
4h 後壁
5 連結軸
5a ナット部
5b,5c ビス孔
6 底板
7 長孔
8 ボルト孔
9 締結具
10 板嵌合部
12 壁面固定部
13 カバー
14 ビス
15 ビス孔
16 嵌合凹部
17 貫通孔
18 固定手段
19 係止凹部
21 取り付けブラケット
22 係止凸部
24 ネジ孔
25 軸ビス
26 カバー装着縁
A 壁面
B ボルト
D 外径
E 幅
L1 全寸法
L2 有効寸法
L3 嵌合寸法
N ナット
W 壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9