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特許7217057超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/08 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
A61C7/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021534761
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 KR2020010526
(87)【国際公開番号】W WO2021096029
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2021-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0145629
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520147625
【氏名又は名称】ウェルスメディテック カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ファン,キョン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ピョン ス
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1688545(KR,B1)
【文献】特開2004-113625(JP,A)
【文献】国際公開第2019/185671(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1920423(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0040300(US,A1)
【文献】登録実用新案第3135389(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内に挿入されるマウスピース及び連結部を含む本体と、
前記マウスピースの内側に設けられ、超音波振動を出力する第1の超音波振動子と、
前記第1の超音波振動子の作動を制御する制御部と、
前記マウスピースで発生した超音波振動を部分的に減衰するように、前記マウスピースに装着が可能な振動減衰部とを含み、
前記マウスピースは、前記口腔の上歯と下歯に安着され、複数の第1の溝部が形成され、前記振動減衰部は、前記第1の溝部に着脱可能であることを特徴とする超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器。
【請求項2】
前記振動減衰部は、
前記複数の第1の溝部に挿入されるように、円周形状からなる挿入部と、
前記挿入部の一端に形成され、前記挿入部よりも径が大きく形成された頭部と、
前記挿入部の内側に設けられ、振動吸収材質から構成されて、超音波振動を減衰する振動吸収部材と、
前記マウスピースに摩擦力を与えて、超音波振動を減衰するように、前記頭部の下面に形成された摩擦突起を備えた摩擦部とを含むことを特徴とする請求項に記載の超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器。
【請求項3】
前記連結部は、
前記制御部に接続するために設けられたシリコン材質の端子と、
前記端子の外側に複数突出して、前記制御部に接続された端子の結合力を増やす離脱防止部と、
口腔液が前記端子へ流れることを防止するために、前記端子の一側に設けられ、口腔液が溜まるように、端子方向に凹んで形成された口腔液防止部と、
前記マウスピースで発生した超音波振動を減衰するために、前記端子の外側に形成された複数のしわ部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器。
【請求項4】
前記マウスピースの両端には、結合溝が形成され、
前記マウスピースの両端にそれぞれ結合される複数の結合モジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器。
【請求項5】
前記結合溝には、超音波振動を出力する第2の超音波振動子が埋め込まれ、
前記結合モジュールは、一端に埋め込み突出した振動伝達部が形成され、
前記振動伝達部は、前記結合溝に結合され、前記第2の超音波振動子から出力された超音波振動を前記結合モジュールへ伝達するために、高密度弾性体からなることを特徴とする請求項に記載の超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器に関し、特に、マウスピースの内側に設けられた超音波振動子から発する超音波が、矯正が必要な歯牙の移動に影響して、矯正期間の短縮が可能であり、移動が不要な歯牙と接するマウスピースの外側には、振動減衰部を取り付けることで、矯正が必要な歯牙にのみ、超音波振動の伝達が可能な超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、歯牙矯正は、矯正装置を用いて歯槽骨に力を加えることで歯牙が移動することによって、正常咬合を作る治療であり、歯槽骨が圧迫を受ける部分には、骨吸収が起き、歯槽骨が牽引される部分には、骨添加が起きて、歯槽骨が改造される過程が繰り返すことによって、歯牙の移動が行われる。
【0003】
歯牙矯正に際して、歯牙の移動は、歯牙と歯茎に無理な力が加えられないように微細に移動され、前記のような微細な移動により、歯牙矯正の期間が長くなるという問題点があった。
【0004】
これを解決するために、超音波振動子を含む歯牙矯正用マウスピースが発売されている。このような技術の一例として、下記の特許文献1には、マウスピースに超音波発生装置などの波動刺激供給手段を設けて、治療期間を短縮する歯科矯正用マウスピース及びこれを用いた歯科矯正用装置が開示されている。
【0005】
また、下記の特許文献2には、歯牙のリモデリングのために、着脱式咬合板と、前記着脱式咬合板に作動式で結合される口腔外振動器を含む改善した振動歯科装置について開示されている。
【0006】
更に、下記の特許文献3には、マウスピース本体に超音波モジュールが装着することで、歯槽骨の治癒、再生、及びインプラントフィクスチャーと骨融合を促進させるインプラント用骨融合と歯周組織血行促進超音波装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2003-7004716号公報
【文献】韓国登録特許第10-1688545号公報
【文献】韓国登録特許第10-1879757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような特許文献に開示された技術では、超音波振動が不要な歯牙及び歯槽骨にも超音波振動が伝達されるので、口内炎や歯周炎が形成された部位には、痛みを伴うという問題があった。
【0009】
また、特許文献に開示された技術では、歯槽骨融合状態が一定でない場合、特定部位だけ、過矯正されるという問題があった。
【0010】
更に、特許文献に開示された技術では、マウスピースが電子制御を受ける構造であるにもかかわらず、口腔液が機器内に流入することで発生する故障を防止し難いという問題があった。
【0011】
また、特許文献に開示された技術では、マウスピースのサイズは固定しているので、子供や大人など口腔サイズが様々な患者が皆使用し難いという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、超音波振動が不要な部位には、振動減衰装置を取り付けることで、矯正が必要な歯牙にのみ、超音波振動が伝達される超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、患者の口腔液による電子機器の故障を防止することができる超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器を提供することである。
【0014】
本発明の更に他の目的は、超音波振動子を備えたマウスピースに、振動伝達部が設けられた結合モジュールが着脱されることで、様々な口腔サイズの患者が皆使用可能な超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するための本発明による超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器は、口腔内に挿入されるマウスピース及び連結部を含む本体と、前記マウスピースの内側に設けられ、超音波振動を出力する第1の超音波振動子と、前記第1の超音波振動子の作動を制御する制御部と、前記マウスピースで発生した超音波振動を部分的に減衰するように、前記マウスピースに装着が可能な振動減衰部とを含むことを特徴とする。
【0016】
前記マウスピースは、前記口腔の前記上歯と下歯に安着され、複数の第1の溝部が形成され、前記振動減衰部は、前記第1の溝部に着脱可能である。
【0017】
前記振動減衰部は、前記複数の第1の溝部に挿入されるように、円周形状からなる挿入部と、前記挿入部の一端に形成され、前記挿入部よりも径が大きく形成された頭部と、前記挿入部の内側に設けられ、振動吸収材質から構成されて、超音波振動を減衰する振動吸収部材と、前記マウスピースに摩擦力を与えて、超音波振動を減衰するように、前記頭部の下面に形成された摩擦突起を備えた摩擦部とを含む。
【0018】
前記連結部は、前記制御部に接続するために設けられたシリコン材質の端子と、前記端子の外側に複数突出して、前記制御部に接続された端子の結合力を増やす離脱防止部と、口腔液が前記端子へ流れることを防止するために、前記端子の一側に設けられ、口腔液が溜まるように、端子方向に凹んで形成された口腔液防止部と、前記マウスピースで発生した超音波振動を減衰するために、前記端子の外側に形成された複数のしわ部とを含む。
【0019】
前記マウスピースの両端には、結合溝が形成され、前記マウスピースの両端にそれぞれ結合される複数の結合モジュールを含む。
【0020】
前記結合溝には、超音波振動を出力する第2の超音波振動子が埋め込まれ、前記結合モジュールは、一端に埋め込み突出した振動伝達部が形成され、前記振動伝達部は、前記結合溝に結合され、前記第2の超音波振動子から出力された超音波振動を前記結合モジュールへ伝達するために、高密度弾性体からなる。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、本発明による超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器によると、マウスピースの外側に複数の溝が形成されることで、振動減衰部の装着が可能であることにつれ、矯正が必要な歯牙にのみ、超音波振動の伝達が可能となる。
【0022】
また、本発明による超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器によると、端子の一側に口腔液防止部が形成されることにより、マウスピースを着用した患者の口腔液が、本体の内側や制御部の内側に流入することを防止することができる。
【0023】
更に、本発明による超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器によると、超音波振動子が設置されたマウスピースに、振動伝達部が設置された複数の結合モジュールが着脱されることで、子供や大人など、口腔サイズが様々な患者が使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施例による斜視図である。
図2】本発明の第1実施例による側面断面図である。
図3】本発明の第1実施例による使用例示図である。
図4】本発明の第1実施例による振動減衰装置が一部付着された側面断面図である。
図5】本発明の実施例による振動減衰装置の側面断面図である。
図6】本発明の第1実施例による振動減衰装置が付着された使用例示図である。
図7】本発明の第2実施例による斜視図である。
図8】本発明の第2実施例による振動減衰装置が一部付着された側面断面図である。
図9】本発明の第2実施例による結合モジュールに振動減衰装置が装着された使用例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の前記及びその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面により、更に明確になるだろう。
【0026】
本願で使用する用語である「超音波」は、医療用に適した2MHz内外の波長を意味する。
【0027】
また、本願で使用する用語である「歯槽骨」は、上顎骨及び下顎骨に位置している突起状の厚い骨組織であって、歯牙を固定する役割を果たし、容易にリモデリングされて、矯正治療による歯牙移動を可能とする。
【0028】
[第1実施例]
以下、本発明による超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器の第1実施例の構造を、図1乃至図6により説明する。
【0029】
図1は、本発明の第1実施例による斜視図であり、図2は、本発明の第1実施例による側面断面図であり、図3は、本発明の第1実施例による使用例示図であり、図4は、本発明の第1実施例による振動減衰装置が一部付着された側面断面図であり、図5は、本発明の実施例による振動減衰装置の側面断面図であり、図6は、本発明の第1実施例による振動減衰装置が付着された使用例示図である。
【0030】
本発明による超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器1は、図1乃至図4に示しているように、本体10と、前記本体10の外側に結合が可能な振動減衰部20と、前記本体10の一側に結合される制御部30とを含む。
【0031】
前記本体10は、口腔内に挿入されるマウスピース110と、前記マウスピース110の内側で超音波振動を発生するために形成された基板部120と、前記基板部120を電気的に外部と接続させる連結部130とを含む。
【0032】
前記本体10は、基板部120が内側に安着した状態で医療機器に使用が可能で、且つ、内側で発生した2MHz内外の超音波振動を、歯牙及び歯槽骨に容易に伝達可能なシリコン材質からなり、インサート射出により、本体10の外形が形成される。前記本体10の製造方法は、これに限定されるものではなく、前記本体10の内側に基板部120が挿入、設置可能であると、いずれの製造過程でも適用可能である。
【0033】
前記マウスピース110は、図1乃至図3に示しているように、患者の歯牙(t)及び歯茎(g)配列に対応するU字状であり、上歯と上歯茎が咬合するように、上側に歯牙溝が形成された第1の上部111と、下歯と下歯茎が咬合するように、下側に歯牙溝が形成された第1の下部112とを含む。
【0034】
前記第1の上部111には、上歯と咬合する第1の平面部111aと、上歯及び上歯茎の側面と対向する第1の側面部111bとが形成されている。
【0035】
また、前記第2の下部112には、下歯と咬合する第2の平面部112aと、下歯及び下の歯茎の側面と対向する第2の側面部112bとが形成されている。
【0036】
前記基板部120は、図2及び図3に示しているように、第1の平面部111aと第2平面部112aの中間平面に埋め込まれ、基板121と、第1の超音波振動子122とを含む。
【0037】
前記基板121は、前記マウスピース110のようなフレキシブルな材質のU字状で、上面と下面がシリコン材質でモールド処理されて、前記第1の超音波振動子122の振れによる疲労度累積による破損を防止する。
【0038】
前記基板121に連結された第1の超音波振動子122は、図2に示しているように、歯牙と歯茎の位置に対応して、前記基板121の上側面と下側面にそれぞれ装着される。
【0039】
前記第1の超音波振動子122は、2MHz内外の超音波振動を出力する超音波振動子からなり、前記マウスピース110を形成するシリコンを媒質として、歯牙及び歯槽骨まで超音波振動の伝達が可能である。そこで、矯正器具により力を受けた歯牙が移動するに際して、歯槽骨のリモデリングが行われ、前記超音波振動により、歯槽骨のリモデリング速度が早く行われることによって、矯正期間を短縮することができる。前記説明においては、第1の超音波振動子122として、超音波振動子を用いているが、これに限定されるものではなく、2MHz内外の振動が可能で、且つ、医療用として使用可能ないずれの構成も適用可能である。
【0040】
図1に示しているように、前記マウスピース110を着用すると、上唇小帯が安着されるように溝が形成された上唇小帯逃がし溝114により、患者が不便を感じることなく使用可能である。
【0041】
図1乃至図4に示しているように、前記マウスピース110の外側には、複数の第1の溝部113が形成されることで、前記振動減衰部20の装着が可能である。
【0042】
前記振動減衰部20は、図5に示しているように、略T字状からなり、前記複数の第1の溝部113に挿入される挿入部21と、指や器具で容易に取るように形成された頭部22と、前記挿入部21の内側に挿入された振動吸収部材23と、前記本体10の振れを容易に減衰するために設けられた摩擦部24とを含み、前記本体10から伝達された超音波振動を効率よく減衰するように、前記本体10のシリコンよりも弾性係数と強度が低く、且つ、医療用として使用が可能な合成樹脂材質からなる。
【0043】
前記挿入部21は、略円周状からなり、前記複数の第1の溝部113に抑止嵌されることによって、患者の動きや、超音波振動により、容易に離脱しないようにする。
【0044】
前記頭部22は、前記挿入部21が前記本体10に容易に着脱可能であるように、前記挿入部21よりも大径の円周状からなっている。
【0045】
前記振動吸収部材23は、振動吸収用のポリウレタンフォーム材質からなり、前記本体10から伝達される超音波振動を効率よく減衰することができる。
【0046】
前記摩擦部24は、図5及び図6に示しているように、外側に曲率のある前記マウスピース110の表面に安着されるように、前記頭部22の下側に形成されて、前記頭部22の円周面から挿入部21へ行くほど、凹んで形成される。前記摩擦部24は、表面に微細な摩擦突起25が形成されて、前記マウスピース110から超音波振動が伝達されると、摩擦力が発生して、超音波振動を効率よく減衰することができる。
【0047】
前記のような構成により、図4乃至図6に示しているように、振動減衰部20は、前記複数の第1の溝部113に選択的に挿入されることにより、前記マウスピース110の振れを部分的に減衰することができるので、矯正が必要な歯牙にのみ、超音波振動を伝達することが可能となる。
【0048】
前記連結部130は、図1及び図2に示しているように、端子131と、離脱防止部132と、口腔液防止部133と、しわ部134とを含む。
【0049】
前記端子131は、基板121と電気的に連結される。前記端子131は、制御部30の端子口31の内側に接続され、制御パネル32の操作により、前記第1の超音波振動子122の振動強度、出力時間などを調節することができる。
【0050】
前記端子131の外側には、端子口31との接触力を増やすために、二重に突出した離脱防止部132が形成される。前記離脱防止部132により、矯正治療を受ける患者の微動にも、締結力を維持することができる。
【0051】
前記マウスピース110を着用した患者は、円滑に口腔液を飲みにくいため、前記口腔液がマウスピースの外側に流れて、前記端子131の内側や端子口31の内側に流入されると、ショートにより、マウスピース型歯牙矯正器1が故障することがある。これを防止するために、前記端子131の一側には、矩形に突出し、口腔液が一時的に溜まるように、端子方向に凹んで形成された口腔液防止部133が設けられる。
【0052】
前記しわ部134は、前記マウスピース110と口腔液防止部133の間に設けられた一部端子131の外観に複数のしわが形成されて、前記連結部130と制御部30に振動が伝達されることで発生する物理的な疲労度による損傷を防止する。
【0053】
前記のような構成から、本発明は、マウスピース110を着用した患者の口腔液が、本体10の内側や制御部30の内側に流入することを防止する効果を奏する。
【0054】
[第2実施例]
以下、本発明による超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器の第2実施例の構造を、図7乃至図9によって説明し、前述した第1実施例と同一の構成に対しては、同一の図面符号を付して、重複した説明は省略することにする。
【0055】
図7は、本発明の第2実施例による斜視図であり、図8は、本発明の第2実施例による振動減衰装置が一部付着された側面断面図であり、図9は、本発明の第2実施例による結合モジュールに振動減衰装置が装着された使用例示図である。
【0056】
本発明による超音波振動を用いたマウスピース型歯牙矯正器1は、図7乃至図9に示しているように、マウスピース110のU字状の両端に結合溝115と指示溝116が形成されているので、結合モジュール40との結合が可能である。
【0057】
前記結合溝115は、前記第1の平面部111aと第2平面部112aの間に形成された溝であり、前記指示溝116は、前記結合溝115の上下部に形成された複数の溝である。
【0058】
前記結合溝115の内部には、第1の超音波振動子122と同一の第2の超音波振動子123が埋め込まれて、前記結合モジュール40に超音波振動を効率よく伝達することができる。
【0059】
前記結合モジュール40の中央部分に、振動伝達部44が突出して埋め込まれている。前記振動伝達部44の突出部位は、前記結合溝115の内側に抑止嵌されて、振動で任意に脱落することを防止し、且つ、高密度弾性体で形成された合成樹脂材質からなることで、結合溝115に設けられた第2の超音波振動子123から発する振動を、前記結合モジュール40の内側に伝達することができる。
【0060】
前記結合モジュール40は、前記マウスピース110と同一の材質からなり、前記振動伝達部44から発した振動を、前記結合モジュール40の外側に伝達することができる。
【0061】
前記結合モジュール40は、図7に示しているように、上歯と上歯茎が咬合するように、上側に歯牙溝が形成された第2の上部41と、下歯と下の歯茎が咬合するように、下側に歯牙溝が形成された第2の下部42とが設けられる。
【0062】
前記第2の上部41には、上歯と咬合する第3の平面部41aと、上歯及び上歯茎の側面と対向する第3の側面部41bとが形成されている。
【0063】
前記第2の下部42には、下歯と咬合する第4の平面部42aと、下歯及び下の歯茎の側面と対向する第4の側面部42bとが形成されている。
【0064】
前記結合モジュール40の一端には、複数の結合突起45が設けられ、前記結合突起45が、前記指示溝116の内側に挿入されるので、前記マウスピース110に結合される結合モジュール40は、傾けることなく結合される。前記のような構成により、患者の歯牙がマウスピース110と結合モジュール40に安定して咬合することができる。
【0065】
また、結合モジュール40の外側にも、前記第1の溝部113と同一の第2の溝部43が形成され、振動減衰部20を装着して、矯正が必要な歯牙にのみ、超音波振動を伝達することができる。
【0066】
前記振動減衰部20は、図8及び図9に示しているように、前記複数の第2の溝部43に選択的に挿入が可能であることにより、前記結合モジュール40の振動を部分的に減衰することができる。
【0067】
前記のような構成から本発明は、マウスピース110に複数の結合モジュール40を着脱可能であり、且つ、前記結合モジュール40にも超音波振動が可能であることによって、様々な口腔サイズを有した患者が使用可能である。
【0068】
以上、本発明者によりなされた発明を、前記実施例により具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、様々に変更可能なことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、歯牙の配列を診断して、不正咬合を予防又は処置する歯牙矯正器に適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9