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特許7217109帯状物の作業位置決定方法、ロボット制御方法、帯状物の作業位置決定装置および帯状物ハンドリングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】帯状物の作業位置決定方法、ロボット制御方法、帯状物の作業位置決定装置および帯状物ハンドリングシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20230126BHJP
【FI】
B25J13/08 A
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2018164904
(22)【出願日】2018-09-03
(65)【公開番号】P2020037147
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-07-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001096
【氏名又は名称】倉敷紡績株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167988
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】北井 基善
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-107043(JP,A)
【文献】特開2012-200805(JP,A)
【文献】特開2018-115883(JP,A)
【文献】特開2009-279700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自由変形が起こる可撓性を有する帯状物(先端に接続のための部材を有するものを除く)の少なくとも可撓性を有する部分の一端辺の3次元座標を取得する端辺座標取得工程と、
前記一端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の可撓性を有する部分に作業位置を決定する作業位置決定工程と、
を有する帯状物の作業位置決定方法。
【請求項2】
前記端辺座標取得工程が前記帯状物の第1側端辺の3次元座標を取得する工程であり、
前記作業位置決定工程が、前記第1側端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の前記作業位置を決定する工程である、
請求項1に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項3】
前記端辺座標取得工程が前記帯状物の第2側端辺の3次元座標をさらに取得する工程であり、
前記作業位置決定工程が、前記第1側端辺および前記第2側端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の前記作業位置を決定する工程である、
請求項2に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項4】
前記作業位置が前記第1側端辺上の第1基準点と前記第2側端辺上の第2基準点とを結んだ直線上に位置する、
請求項3に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項5】
前記第1基準点が前記第1側端辺上の第1角部から所定の距離にあり、
前記第2基準点が前記第2側端辺上の第2角部から所定の距離にある、
請求項4に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項6】
前記端辺座標取得工程が前記帯状物の先端辺の3次元座標を取得する工程であり、
前記作業位置決定工程が、前記先端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の前記作業位置を決定する工程である、
請求項1に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項7】
前記端辺座標取得工程が前記帯状物の第1側端辺の3次元座標をさらに取得する工程であり、
前記作業位置決定工程が、前記第1側端辺および前記先端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の前記作業位置を決定する工程である、
請求項6に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項8】
前記作業位置が前記第1側端辺上の第1基準点と前記先端辺上の第3基準点とを結んだ直線上の位置または前記第1基準点から前記先端辺と平行な方向に所定の距離だけ離れた位置である、
請求項7に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項9】
前記第1側端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の作業方向を決定する作業方向決定工程をさらに有する、
請求項2に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項10】
前記第1側端辺および前記第2側端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の作業方向を決定する作業方向決定工程をさらに有する、
請求項3に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項11】
前記第1基準点と前記第2基準点とを結んだ直線に基づいて前記帯状物の作業方向を決定する作業方向決定工程をさらに有する、
請求項4または5に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項12】
前記先端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の作業方向を決定する作業方向決定工程をさらに有する、
請求項6に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項13】
前記第1側端辺および前記先端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の作業方向を決定する作業方向決定工程をさらに有する、
請求項7に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項14】
前記先端辺に平行な方向を前記帯状物の作業方向として決定する作業方向決定工程をさらに有する、
請求項8に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項15】
前記端辺座標取得工程は、変形の制限を受けない自由な状態である前記帯状物の3次元座標を取得する、
請求項1~14のいずれか一項に記載の帯状物の作業位置決定方法。
【請求項16】
請求項1~8のいずれか一項に記載された帯状物の作業位置決定方法における前記端辺座標取得工程および前記作業位置決定工程と、
前記帯状物の前記作業位置に対してロボットハンドに作業させる作業工程とを有する、
ロボット制御方法。
【請求項17】
請求項9~14のいずれか一項に記載された帯状物の作業位置決定方法における前記端辺座標取得工程、前記作業位置決定工程および前記作業方向決定工程と、
前記作業方向で前記帯状物の前記作業位置に対してロボットハンドに作業させる作業工程とを有する、
ロボット制御方法。
【請求項18】
前記作業工程の前に、前記作業位置から前記作業方向の逆向きに所定距離離れた位置に作業手前位置を設定する作業手前位置設定工程をさらに有する、
請求項17に記載のロボット制御方法。
【請求項19】
前記作業工程の前に、前記作業位置が前記ロボットハンドの可動域の内であるか外であるかを判定する工程をさらに有する、
請求項16~18のいずれか一項に記載のロボット制御方法。
【請求項20】
前記作業工程の前に、前記作業位置および前記作業手前位置が前記ロボットハンドの可動域の内であるか外であるかを判定する工程をさらに有する、
請求項18に記載のロボット制御方法。
【請求項21】
前記作業工程が前記作業位置を把持位置として前記ロボットハンドで前記帯状物を把持する把持工程である、
請求項16~20のいずれか一項に記載のロボット制御方法。
【請求項22】
前記作業工程が前記作業位置を把持位置、前記作業方向を把持方向として前記ロボットハンドで前記帯状物を把持する把持工程である、
請求項17、18、20のいずれか一項に記載のロボット制御方法。
【請求項23】
自由変形が起こる可撓性を有する帯状物(先端に接続のための部材を有するものを除く)を計測する3次元計測装置と、
前記3次元計測装置が計測した前記帯状物の少なくとも可撓性を有する部分の一端辺の3次元座標から前記帯状物の可撓性を有する部分に設定された作業位置を算出して出力する演算部と、
を有する帯状物の作業位置決定装置。
【請求項24】
請求項23に記載の作業位置決定装置と、
前記帯状物を把持するロボットハンドを備えるロボットとを有し、
前記作業位置決定装置が出力した前記作業位置に基づき前記ロボットハンドで前記帯状物を把持する、帯状物ハンドリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状物に対する作業の作業位置を決定する方法および装置、ならびに当該作業位置に対してロボットハンドに作業させるロボット制御方法および帯状物ハンドリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットケーブル等の可撓性を有する帯状物を扱う作業を、ロボットを利用して自動化することが行われている。このような作業では、曲がったり捻じれたりした状態の帯状物を把持する方法が問題となる。
【0003】
特許文献1には、フラットケーブルを把持して、先端のケーブル用コネクタを受入側コネクタに挿入するロボットハンドが記載されている。ロボットハンドは、テーブル上にストックされているフラットケーブルに吸着部を押し付けてケーブルを吸着保持し、ケーブルを僅かに持ち上げて、ケーブルの下側に把持爪を差し入れることによって、ケーブルを把持する。
【0004】
特許文献2には、フレキシブルフラットケーブル等の可撓性を有する長尺部材を把持して、先端のケーブル側コネクタを基板側コネクタに接続するロボットが記載されている。ロボットは、基端側が剛体に取り付けられたフラットケーブルに対して、先端部に比べて位置及び姿勢のばらつきが小さい基端部と把持目標位置の途中部位をロボットハンドで摺動可能に挟持し、ロボットハンドを把持目標位置に向かって滑らせながら移動させることによって、ケーブルを把持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-189850号公報
【文献】特開2015-030086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の記載された把持方法では、フラットケーブルが予めテーブル上にストックされている必要がある。そのため、例えば箱の中に乱雑に収容された帯状物や、空中に吊り下げられた帯状物には適用できなかった。
【0007】
特許文献2に記載された把持方法では、長尺部材の基端側が剛体に取り付けられた状態であること要し、両端ともに固定されていない帯状物には適用できなかった。また、特許文献2に記載された把持方法ではロボットハンドで途中位置を挟持した後、ロボットハンドを把持目標位置に向かって滑らせるので、ロボットハンドが長尺部材を最終的に把持するまでに時間がかかるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、帯状物の状態による制限を受けることなく、帯状物の把持等の帯状物に対する作業の作業位置を決定する方法および装置、ならびにロボットハンドで当該作業位置を把持可能とするハンドリング方法およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の帯状物の作業位置決定方法は、帯状物の少なくとも一端辺の3次元座標を取得する端辺座標取得工程と、前記一端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の作業位置を決定する作業位置決定工程とを有する。
【0010】
ここで、帯状物の端辺とは、帯状物の平坦な2面(表面と裏面)の境界部分を構成する4つの外周辺をいう。端辺の3次元座標とは3次元空間内で当該端辺が占める位置を示すもので、端辺の形状を示す方程式であってもよいし、端辺上の点の3次元座標の集合であってもよい。また、3次元座標の取得とは、ステレオカメラ等の3次元計測装置で帯状物を撮像して3次元座標を得ることだけでなく、予め記憶された帯状物の3次元座標データを記憶装置等から読み込むことも含む。また、作業位置とは、人やロボットが帯状物に対して把持、挟持、吸着等の保持作業または塗装、マーキング、溶接、切断、穴あけ、部品取り付け、縫製、はんだ等の加工作業を行う際に、作業のターゲット位置となる3次元座標をいう。この方法によって、作業しようとする帯状物が撓みや捻じれが生じている状態であっても帯状物に対して確実に作業位置を決定することができる。
【0011】
好ましくは、前記端辺座標取得工程が前記帯状物の第1側端辺の3次元座標を取得する工程であり、前記作業位置決定工程が、前記第1側端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の前記作業位置を決定する工程である。ここで、側端辺とは、上記端辺のうち、長辺にあたる2辺のうちのどちらか1辺をいう。
【0012】
あるいは好ましくは、前記端辺座標取得工程が前記帯状物の先端辺の3次元座標を取得する工程であり、前記作業位置決定工程が、前記先端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の前記作業位置を決定する工程である。ここで、先端辺とは、上記端辺のうち、短辺にあたる2辺のうちのどちらか1辺をいう。
【0013】
好ましくは、上記帯状物の作業位置決定方法は、取得した前記端辺の3次元座標に基づいて、前記帯状物の作業方向を決定する作業方向決定工程をさらに有する。ここで、作業方向とは、帯状物に対して直接作業を実行するエンドエフェクタ等の作業部材が帯状物に対してアプローチする方向をいう。言い換えると、作業方向とは、帯状物に対して作業する作業部材(例えば、ロボットハンドや人の手、ロボットハンドや人の手が把持している保持用具や加工用具)が最終的に帯状物の作業位置まで近づいていく際の進行方向をいう。例えば、ロボットハンドによる帯状物の把持作業において作業方向(把持方向)は、帯状物の作業位置(把持位置)近傍の面と平行で、帯状物の幅方向と所定の角度をなして把持位置に向かう方向であることが好ましく、この方向を作業方向とすることができる。作業方向(把持方向)はロボットハンドの形状や作業内容等に応じて適宜設定することができる。作業方向を決定することには作業方向の3次元ベクトルを求めることを含む。この方法によって、帯状物が変形した状態であっても確実に作業方向を決定することができる。
【0014】
本発明のロボット制御方法は、上記いずれかの帯状物の作業位置決定方法における前記端辺座標取得工程および前記作業位置決定工程と、前記帯状物の前記作業位置に対してロボットハンドに作業させる作業工程とを有する。好ましくは、前記作業工程が前記作業位置を把持位置として前記ロボットハンドで前記帯状物を把持する把持工程である。この方法によって、ティーチングやパターンマッチングといった従来の手法が適用できない可撓性の帯状物を確実に把持できる。
【0015】
本発明の他のロボット制御方法は、上記いずれかの帯状物の作業位置決定方法において作業方向が決定された場合に、当該作業位置決定方法における前記端辺座標取得工程および前記作業位置決定工程と、前記作業方向で前記帯状物の前記作業位置に対してロボットハンドに作業させる作業工程とを有する。好ましくは、本発明の他のロボット制御方法は、前記作業工程の前に、前記作業位置から前記作業方向の逆向きに所定距離離れた位置に作業手前位置を設定する作業手前位置設定工程をさらに有する。より好ましくは、前記作業工程が前記作業位置を把持位置、前記作業方向を把持方向としてとして前記ロボットハンドで前記帯状物を把持する把持工程である。この方法によって、ティーチングやパターンマッチングといった従来の手法が適用できない可撓性の帯状物を確実に把持できる。
【0016】
本発明の帯状物の作業位置決定装置は、帯状物を計測する3次元計測装置と、前記3次元計測装置が計測した前記帯状物の少なくとも一端辺の3次元座標から前記帯状物の作業位置を算出して出力する演算部とを有する。
【0017】
本発明の帯状物ハンドリングシステムは、上記作業位置決定装置と、前記帯状物を把持するロボットハンドを備えるロボットとを有し、前記作業位置決定装置が出力した前記作業位置に基づき前記ロボットハンドで前記帯状物を把持する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の帯状物の作業位置決定方法または装置によれば、帯状物の少なくとも一端辺の3次元座標に基づいて、作業位置を決定することができる。これによって、撓み、捻じれ、曲がり等の自由変形が起こる可撓性の帯状物など、従来のパターンマッチング手法が適用できない帯状物に対しても、確実かつ高速に作業のターゲット位置を決定することができる。また、本発明のロボット制御方法によれば、帯状物の少なくとも一端辺の3次元形状に基づいて作業位置を決定するので、ティーチングやパターンマッチングといった従来の手法を用いないで帯状物に対してロボットハンドに作業させることができる。また、本発明の帯状物ハンドリングシステムによれば、帯状物に撓みや捻じれが生じた状態であっても、ロボットハンドで帯状物を確実に把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態である帯状物ハンドリングシステムの構成を示す図である。
図2】ロボットハンドの構造例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態である帯状物の作業位置決定方法の工程フロー図である。
図4】本発明の一実施形態であるロボット制御方法における把持工程の工程フロー図である。
図5】帯状物の把持位置と把持方向を説明するための図である。
図6】A:第1画像および第2画像、B:輪郭抽出、C:屈曲点および側端辺選択を説明するための図である。
図7】帯状物上の基準点および把持位置、ならびに帯状物外の手前位置の設定方法を説明するための図である。
図8】ロボットハンドによる帯状物の把持動作を説明するための図であって、ロボットハンドがA:手前位置にあるとき、B:把持位置にあるとき、およびC:帯状物を把持した状態を示す図である。
図9】A:第1画像および第2画像、B:輪郭抽出、C:屈曲点および領域選択を説明するための図である。
図10】帯状物の側端辺選択方法を説明するための図である。
図11】帯状物の把持位置の決定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の帯状物の作業位置決定方法、ロボット制御方法、帯状物の作業位置決定装置および帯状物ハンドリングシステムの一実施形態を図1図10に基づいて説明する。本実施形態では、帯状物の側端辺に基づいて作業位置を決定し、当該作業位置を把持位置としてロボットハンドが把持作業を行う。
【0021】
図1を参照して、本実施形態の帯状物ハンドリングシステム10は、3次元計測装置20とロボット30からなる。本実施形態では、3次元計測装置20によって帯状物40の3次元計測を行い、その結果に基づいて帯状物40の把持位置(作業位置)および把持方向(作業方向)を決定し、帯状物をロボット30のハンド(ロボットハンド)32で把持し、帯状物を所定の向きにして所定の目標位置60まで移動する。
【0022】
帯状物40は可撓性を有する帯状の物体である。帯状物としてはフラットケーブル、布地、フィルム、リボンなどが例示されるがこれには限られず、帯状物の種類は特に限定されない。また、帯状物の断面形状は、厚さが完全に均一である必要まではなく、両方の側端辺がエッジとして認識できる形状であればよい。例えば、中央部が厚く形成された凸レンズ状の断面形状を有していてもよいし、多くのリボンのように、一方または両方の側端辺に折り返し部分などの厚肉部分が形成されていてもよい。
【0023】
また、帯状物40は図1に描かれたように切断や加工がされる前のものであってもよいし、すでに切断または一部加工がされたものであってもよい。図1では、帯状物40はリールに巻かれ、先端が空中に垂れ下がった垂下状態にある。帯状物40の先端近傍は、撓みや捻じれによって、位置や姿勢などの状態が一定しない。本実施形態の3次元計測装置および方法は、このように帯状物が撓みや捻じれによる変形を制限されない「自由な」状態にある場合に、特に好適に用いられる。つまり、撮像する帯状物の先端部が他の物から応力を受けない状態、もしくは他の物から多少の応力を受けていたとしても自重とのバランスや風などの外的要因で形状や姿勢が安定してない状態である場合に、特に好適に用いられる。
【0024】
3次元計測装置20は帯状物40の各部の3次元座標を計測する。3次元計測装置の種類は特に限定されず、公知の種々の装置を用いることができる。本実施形態の3次元計測装置20はステレオ方式の3次元計測装置である。3次元計測装置20は、第1カメラ21、第2カメラ22および演算部23を有する。第1カメラ21および第2カメラ22は、把持すべき帯状物40を異なる視点から撮像する。演算部23は、第1カメラおよび第2カメラが撮像した2枚の画像を処理して帯状物40の3次元座標を求める他、各種演算を行う。演算部の機能の詳細は後述する。
【0025】
ロボット30は多関節ロボットであって、アーム31、ハンド(ロボットハンド)32および制御部36を有する。制御部36はアームおよびハンドを含むロボット30全体を制御する。ロボット30はハンド32によって帯状物40を把持し、アームおよびハンドを動かして帯状物40を目標位置60まで移動する。
【0026】
図2を参照して、ハンド32はアーム31の先端に取り付けられ、2つの把持面33と、複数のリンク34と、リンクを連結する複数の関節35を有する。ハンド32は、関節35を適切に動作させることにより、両把持面33、33の間隔を広げたり狭めたりすることができる。ハンド32は両把持面の間隔を広げて帯状物40に接近し、両把持面の間隔を狭めて帯状物を挟持する。なお、ハンドの構造はこれには限られず、カムや歯車を用いて指を開閉する各種のグリッパや真空吸着、マグネット吸着等の方式を用いることもできる。
【0027】
本実施形態のロボット制御方法を図3および図4に示す工程の流れに沿って、以下に説明する。なお、図3は本実施形態の作業位置決定方法の工程フロー図である。
【0028】
図3において、3次元計測装置20の演算部23は、まず、ロボットハンド32が帯状物40を把持する際の把持条件として把持距離および把持角度を受信する。図5を参照して、把持位置Gとは帯状物40上にあってハンド32が把持する位置をいい、例えば帯状物の先端辺41からの把持距離Dで与えられる。把持角度θとは、ハンド32が帯状物40を把持するときの、帯状物に対するハンドの向きをいい、例えば、帯状物の幅方向(図5の破線)からの角度θで与えられる。ハンド32は側端辺の3次元座標に基づいて推定した帯状物の面と把持面33、33を略平行にして、把持面33、33の前後方向(図2のX方向)を帯状物の幅方向と把持角度θで交差する把持方向Vに向けて、帯状物を把持する。例えば把持角度θが0度のときは、ハンド32は帯状物を真横から把持する。把持距離Dおよび把持角度θはいずれも、空間の3次元座標ではなく、帯状物40に対する相対的な位置または角度として与えられる。把持距離Dおよび把持角度θは加工や梱包などの後工程に応じて定めることができる。把持距離Dおよび把持角度θは、例えば図示しない入力手段から作業者が入力したものを演算部23が受信する。
【0029】
図6Aを参照して、第1カメラ21および第2カメラ22が帯状物40の第1画像Lおよび第2画像Rを撮像する。帯状物全体を撮像する必要はなく、帯状物の形状を推定したい範囲を撮像すればよい。つまり、所望する把持位置や把持方向の決定に必要な範囲の帯状物の画像を取得すればよい。
【0030】
図6Bを参照して、演算部23は、第1画像Lおよび第2画像Rのそれぞれで、帯状物40の輪郭Cを抽出する。輪郭Cは、隣接する画素同士の差分演算等により、公知の方法によって抽出できる。
【0031】
演算部23は、第1画像Lおよび第2画像Rのそれぞれで、輪郭Cの屈曲点を選択する。輪郭C上の点が屈曲点であるか否かは、その点から輪郭C上の両側の隣点へ引いた2本の直線の成す角度によって判断できる。例えば、当該角度が120度以下であるときに、その点を屈曲点と判断できる。
【0032】
図6Cを参照して、第1画像Lおよび第2画像Rの両方で2つの屈曲点が選択できたときは、当該2つの屈曲点を帯状物40の第1角部42および第2角部43として認識する。以下に、2つの角部42、43が選択可能である場合について説明し、選択可能でない場合については後述する。
【0033】
第1画像Lおよび第2画像Rで第1角部42および第2角部43を選択できたときは、第1画像および第2画像上で、帯状物40の第1側端辺44および第2側端辺45を選択する。具体的には、輪郭Cのうち第1角部42から第2角部43と反対側に延びる部分を第1側端辺44として選択し、輪郭Cのうち第2角部から前記第1角部と反対側に延びる部分を第2側端辺45として選択する。より具体的には例えば、輪郭C上の点に順番に番号(インデックス)を振り、第1角部のインデックスをn1、第2角部のインデックスをn2として、n1<n2であれば、インデックスがn1以下の点が第1側端辺を構成し、インデックスがn2以上の点が第2側端辺を構成するものと判断できる。
【0034】
演算部23は、第1側端辺44および第2側端辺45のそれぞれについて、第1画像Lと第2画像Rを比較することによって、側端辺上の各点の3次元座標を求める。これにより第1側端辺および第2側端辺の3次元座標が算出される。
【0035】
ステレオ法による3次元計測では、視点の異なる2つの画像上で計測したい点の対応点を求め、各画像上の対応点および2台のカメラの位置関係から3角測量の原理によって、計測点の3次元座標を算出する。ここで、各画像上の対応点を探索するマッチング処理が最も情報処理の負荷が重く、コストがかかるプロセスである。本実施形態では、まず2次元画像である第1画像Lおよび第2画像R上で第1側端辺44を抽出し、第1画像Lの第1側端辺44を構成する画素と第2画像Rの第1側端辺44を構成する画素とをマッチングするので、処理の負荷が軽い。
【0036】
また、対応点の探索にはエピポーラ線を利用することができる。エピポーラ線は一方の画像の視点と計測点を結ぶ直線を他方の画像上に投影した直線で、その計測点は必ず他方の画像上のエピポーラ線上に投影されている。第1画像Lの第1側端辺44を構成する各画素に対応したエピポーラ線と第2画像Rの第1側端辺44との交点を計算すれば、両画像の画素ごとにマッチングする必要がないため、より高速に対応点を求めることができる。
【0037】
さらに、第1画像Lと第2画像R上でそれぞれ2つの屈曲点が選択できれば、その2つの屈曲点同士が第1角部42および第2角部43の対応点である。したがって、第1側端辺44については第1角部42を手掛かりにして、第1角部から出発して順次第1側端辺上の点の対応点を探索することによってマッチング処理の負荷が大幅に軽減できる。例えば、第1側端辺のマッチング処理を次のように行う。第1側端辺の端点である第1角部については第1画像および第2画像上で既に対応点が得られている。第1画像で第1角部の次の点(第1側端辺上で第1角部の隣に位置する点をいう、以下も同様)に対しては、第2画像で第1角部、第1角部の次の点、そのまた次の点などを含むいくつかの点についてのみ探索することで、第2画像の対応点を決定できる。以後も同様に、既に対応関係が得られた点の次の点について対応点を決定し、これを繰り返す。第2側端辺45についても同様である。
【0038】
図7を参照して、演算部23は第1側端辺44および第2側端辺45の3次元座標を算出した後、第1側端辺44上で第1角部42から所定の把持距離Dの点を第1基準点P1、第2側端辺45上で第2角部43から所定の把持距離Dの点を第2基準点P2として選定する。そして、第1基準点P1と第2基準点P2を結ぶ直線を基準線Wとし、第1基準点P1と第2基準点P2の中点を把持位置Gとして、把持位置Gの3次元座標を計算する。なお、把持位置Gは、ハンドの形状に応じて基準線W上の任意の点を設定することができる。例えば、ハンドがコの字状であってハンドの指部の長さが帯状物の幅方向よりも短い場合、基準線W上であって、第1基準点P1から指部の長さ以内の距離を把持位置Gとして設定することができる。また、2つの基準点の間の距離が帯状物の幅に比べて短い場合は、帯状物が幅方向に対して断面U字状やS字状に撓んでいると推測できる。そこで、帯状物の幅に対して基準点間距離が所定の閾値以上に短い場合は、帯状物の変形が著しいと判断し、把持不可と判定してもよいし、別途3次元計測装置によって把持位置付近の3次元座標を再取得して実際の形状を調べてもよい。
【0039】
なお、第1角部42および第2角部43が直角でない場合、すなわち帯状物40の先端辺41が幅方向に対して斜めになっている場合は、所定の把持距離Dの始点を、第1角部または第2角部のうち鋭角である方や先端辺41の中点などに予め決めておき、それに応じて第1基準点P1および第2基準点P2を選定すればよい。
【0040】
演算部23は次に、把持方向Vおよび手前位置Aの3次元座標を計算する。手前位置はアプローチ位置とも呼ばれる。手前位置は帯状物40の側方にあって、ロボットハンド32が把持方向Vに沿って、把持位置Gに向かって真っすぐ前進を開始する位置である。
【0041】
演算部23は、3次元座標上で、第1基準点P1と第2基準点P2を結んだ直線Wと把持位置Gにおいて所定の角度θで交差し、帯状物40の面内方向に伸びる把持方向Vを求める。ここで、帯状物40の面内方向の推定方法について説明する。帯状物の側端辺の3次元座標しか取得していない場合、帯状物の面(平坦部)の形状は不明確である。そこで、側端辺の3次元座標から帯状物の面を推定する。まず、第1基準点と第2基準点を結んだ直線Wと第1側端辺の3次元座標または第2側端辺の3次元座標とで面を規定する。実際にはこれらの直線および座標は同一平面上には乗らないことが考えられるため、近似面を計算して帯状物の面方向とすればよい。推定方法はこれに限らず、第1側端辺および第2側端辺の3次元座標に基づいて計算してもよい。そして、把持方向V上にあり帯状物40の外にある点であって、把持位置Gから所定の距離にある点を手前位置Aとして設定して、手前位置Aの3次元座標を決定する。好ましくは、演算部23は、把持位置Gおよび手前位置Aがロボットハンド32の可動域の内であるか外であるかを判定する。
【0042】
手前位置Aは帯状物40のどちら側にあってもよい。例えば図7で、手前位置Aは帯状物40の手前側にあっても奥側にあってもよい。手前位置Aを帯状物のどちら側に設定するかは、帯状物とロボットの位置関係に基づいて予め定めておいてもよいし、ロボットハンドに近い側を計測の都度選択してもよい。
【0043】
3次元計測装置20は、把持位置Gおよび手前位置Aの3次元座標をロボット30の制御部36に出力する。
【0044】
図4において、ロボット30では、制御部36が3次元計測装置20の演算部23から把持位置Gおよび手前位置Aの3次元座標を受信して、ロボット座標に変換する。ロボット座標は、ロボットのある点を基準とする座標系における座標であり、例えばロボットのベースを基準とするベース座標系である。制御部はさらに、ロボット座標に基づいて、ハンド32を手前位置Aまたは把持位置Gまで移動させるのに必要な各関節の回転角度などの姿勢パラメータを求める。
【0045】
ロボット30は、制御部36がアーム31とハンド32の関節を駆動して、ハンドを手前位置Aに移動させ、次いでハンドの先端を把持位置Gに向ける。手前位置においてハンドは、両把持面33、33の前後方向を把持方向線Vに平行にして間隔を広げ、先端を把持位置Gに真っ直ぐ向けた姿勢を取っている(図8A)。あるいは、ロボット30は、ハンド32の向きを徐々に変えながら手前位置Aまで移動させ、ハンドが手前位置に到達した時点で先端が把持位置に真っ直ぐ向いているようにしてもよい。この場合は、ハンドを手前位置で一旦停止させる必要はなく、後述する把持位置までの前進動作を連続して行ってもよい。
【0046】
図8Bを参照して、ロボット30は、両把持面33、33の間隔を広げたまま、帯状物40が両把持面33、33の間に入り込むように、ハンド32を手前位置Aから把持方向Vに沿って把持位置Gまで真っ直ぐ前進させる。ハンド32を直接把持位置Gに移動させると、帯状物40自体がハンド32に干渉することがある。ハンド32を一旦帯状物と干渉しない手前位置Aを経由させて、手前位置Aから把持位置Gに向かって前進させることによって、帯状物40を確実に把持できる。
【0047】
図8Cを参照して、ハンド32が把持位置Gに到達したら、両把持面33、33の間隔を狭めて帯状物40を挟持する。
【0048】
ロボット30は帯状物40を把持したまま目標位置60まで移動させる。目標位置とは、例えば、後工程での加工のための治具、加工機械への投入口や、帯状物を収容する容器などである。また、本実施形態ではハンド32による帯状物40の把持方向が分かっているので、言い換えると把持された帯状物40とハンド32のなす角度が分かっているので、ハンドの向きを適切に制御することにより、帯状物40を所定の向きにして、目標位置まで移動させることができる。
【0049】
次に、屈曲点選択工程に戻って、第1画像Lまたは第2画像R上で2つの屈曲点が選択できなかった場合について説明する。
【0050】
図9を参照して、第1カメラ21および第2カメラ22が帯状物40の第1画像Lおよび第2画像Rを撮像して(図9A)、第1画像および第2画像のそれぞれで輪郭Cを抽出しても(図9B)、帯状物40の捻じれ等が原因で2つの屈曲点が選択できない場合がある。図9Cのように、第1画像Lおよび第2画像Rで輪郭Cの屈曲点56が1つ選択できたときは次のように処理する。演算部23は、屈曲点56を境にして輪郭Cを第1領域58と第2領域59に分割する。屈曲点56は帯状物40先端の1つの角部の対応点であるから、屈曲点56を手掛かりにして第1領域および第2領域の3次元座標を算出する。
【0051】
第1領域58および第2領域59の3次元座標に基づいて、いずれかの領域内にあるもう1つの角部を選択する。第1画像Lおよび第2画像R上に屈曲点として現れない場合でも、3次元座標に基づけば角部は認識できる。例えば図10を参照して、第2領域59内にもう1つの角部47が発見されたときは、屈曲点56および第1領域58は、帯状物40の一方の角部46および当該角部46を端点とする一方の側端辺48に一致する。第2領域59からは、他方の角部47を端点とする他方の側端辺49を選択することができる。そして、第2領域59の3次元座標および他方の角部47の3次元座標から、他方の側端辺49の3次元座標を求めることができる。
【0052】
以上により帯状物40の2つの側端辺48、49が選択できた。第1基準点および第2基準点の選定以降は、前述した方法と同様に実施できる。
【0053】
第1画像Lおよび第2画像Rで輪郭Cに屈曲点を1つも選択できない場合は、輪郭C全体の3次元座標を算出し、その3次元座標に基づいて輪郭C上に2つの角部を認識することにより、2つの側端辺を選択できる。第1基準点および第2基準点の選定以降は、前述した方法と同様に実施できる。
【0054】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【0055】
例えば、上記実施形態では第1画像Lおよび第2画像R上で帯状物40の輪郭Cを抽出し、その輪郭Cのうちから第1側端辺44を選択したが、全体の輪郭を抽出することなく、ハフ変換等によって第1側端辺44を直接抽出してもよい。
【0056】
また、例えば、上記実施形態では、第1側端辺44および第2側端辺45の3次元座標を算出したが、場合によっては、第1側端辺の3次元座標のみを算出してもよい。例えば、ハンド32の把持面33が帯状物40の幅に比べて十分に大きい場合には、帯状物の第1側端辺44上に把持位置Gを設定することができる。
【0057】
また、例えば、上記実施形態では第1側端辺44の3次元座標を算出したが、第1画像Lおよび第2画像Rのそれぞれで帯状物40の先端辺41を抽出し、第1画像および第2画像に基づいて先端辺41の3次元座標を算出してもよい。それにより、先端辺41上に把持位置Gを設定することができる。この場合、把持方向は先端辺41に対して垂直な方向、つまり帯状物の長手方向として、手前位置を図1の帯状物先端部の下方に設定してもよい。
【0058】
また、例えば、先端辺の3次元座標に加えて1つの側端辺、例えば第1側端辺44、の3次元座標を算出すれば、先端辺41と第1側端辺44に挟まれた帯状物40の面内に把持位置Gを設定することができる。図11Aを参照して、第1側端辺44上の第1基準点P1と先端辺41上の第3基準点P3とを結んだ直線上に把持位置Gを設定してもよいし、図11Bを参照して、第1基準点P1から先端辺41と平行な方向に所定の距離dだけ離れた位置に把持位置Gを設定してもよい。さらに、上記実施形態と同様に、第1基準点P1と第3基準点P3を結んだ直線と、先端辺41の3次元座標または第1側端辺44の3次元座標から帯状物40の面方向の近似面を計算し、帯状物の面内方向に伸びる把持方向を求めることができる。把持方向は移動先である目標位置や移動先の形状、例えば移動先が治具の挿入口である場合、治具の挿入口の寸法や形状等によって設定することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 帯状物ハンドリングシステム
20 3次元計測装置
21 第1カメラ
22 第2カメラ
23 演算部
30 多関節ロボット
31 アーム(ロボットアーム)
32 ハンド(ロボットハンド)
33 把持面
34 リンク
35 関節
40 帯状物
41 先端部
42 第1角部
43 第2角部
44 第1側端辺
45 第2側端辺
46、47 角部
48、49 側端辺
56 屈曲点
58 輪郭Cの第1領域
59 輪郭Cの第2領域
60 帯状物の移動目標位置
A 手前位置(作業手前位置)
C 輪郭
D 帯状物の先端から把持位置までの距離(把持距離)
d 帯状物の第1側端辺から把持位置までの距離
G 把持位置(作業位置)
L 第1画像
P1 第1基準点
P2 第2基準点
P3 第3基準点
R 第2画像
θ 把持角度(帯状物の幅方向と把持方法の成す角度)
V 把持方向(作業方向)
W 第1基準点と第2基準点を結ぶ直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11