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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】排水栓
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/23 20060101AFI20230126BHJP
   A47K 1/14 20060101ALI20230126BHJP
   E03C 1/262 20060101ALI20230126BHJP
   E03C 1/29 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
E03C1/23 B
A47K1/14 A
E03C1/262 A
E03C1/29
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018185699
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020056172
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(73)【特許権者】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】堀江 直也
(72)【発明者】
【氏名】奥澤 慶太
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-036882(JP,U)
【文献】特開2018-009362(JP,A)
【文献】国際公開第2018/135578(WO,A1)
【文献】実開平03-119071(JP,U)
【文献】特開2010-162097(JP,A)
【文献】特開2016-098568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/22-1/23
A47K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の底面から一段下がった底部に形成された排水口を覆うように配設されており、回転操作によって開閉する止水蓋を有する排水栓であって、
前記排水口に接続部材が設けられており、
前記接続部材の上端縁の外周縁部に上方へ突起するように円弧状に昇降用段部が形成されており、
前記止水蓋の蓋体の下面の周縁部に下方に向けて形成され、前記昇降用段部に接触して上下動するための係合部が設けられていることを特徴とする排水栓。
【請求項2】
浴槽の底面から一段下がった底部に形成された排水口を覆うように配設されており、回転操作によって開閉する止水蓋を有する排水栓であって、
前記排水口に接続部材が設けられており、
前記接続部材の上端縁の外周縁部において、上方へ突起するように円弧状の昇降用段部が別体として設けられており、
前記止水蓋の蓋体の下面の周縁部に下方に向けて形成され、前記昇降用段部に接触して上下動するための係合部が設けられていることを特徴とする排水栓。
【請求項3】
前記接続部材に嵌め合わされる目皿を有し、
前記目皿の上部に前記昇降用段部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の排水栓。
【請求項4】
前記接続部材に嵌め合わされる防臭用筒体を有し、
前記防臭用筒体の上部に前記昇降用段部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の排水栓。
【請求項5】
前記係合部は舌片状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の排水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
湯を溜める浴槽の底部に設けられる排水栓には、排水口を塞ぐゴム栓や、プッシュ式の栓が用いられている。例えば、特許文献1には、水平回転させるための指掛け部を有する止水蓋の下方に栓体支持部材を設け、排水口に連通する排水管内に、栓体支持部材が載置される高さ調整部材を設けた排水栓が開示されている。高さ調整部材は、栓体支持部材が開栓時に載る上昇段部、閉栓時に載る下降段部、および上昇段部と下降段部を連続させる傾斜部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平5-61263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の排水栓では、止水蓋に人体等の荷重がかかると、上昇段部や栓体支持部材が破損する虞があり、破損した場合には排水管ごと交換する必要があった。また、高さ調整部材が排水管内に設けられているため、汚れやヌメリが高さ調整部材に付着した場合に清掃することが困難であった。
【0005】
また、高さ調整部材が排水管の内部に突出しているため、排水管の通水面積が減って排水性能が低下してしまう。排水性能の低下は、特許文献1に例示されている洗面器等のように比較的に少量の水を排水する箇所では許容されたとしても、浴槽等のように大量の水を排水する箇所では排水時間が長くなり利便性が低下する。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、交換や清掃等のメンテナンス性が良い排水栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る排水栓は、浴槽の底面に形成された排水口に配設されており、回転操作によって開閉する止水蓋を有する排水栓であって、前記排水口に接続部材が設けられており、前記接続部材の上部に昇降用段部が形成されており、前記止水蓋に前記昇降用段部に接触して上下動するための係合部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
また本発明に係る排水栓は、浴槽の底面に形成された排水口に配設されており、回転操作によって開閉する止水蓋を有する排水栓であって、前記排水口に接続部材が設けられており、前記接続部材に昇降用段部が別体として設けられており、前記止水蓋に前記昇降用段部に接触して上下動するための係合部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、排水栓は交換や清掃等のメンテナンス性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1に係る排水栓を含む浴槽の外観を示す斜視図である。
図2】排水栓部分の縦断面図である。
図3図3(a)は止水蓋を上方から見た斜視図であり、図3(b)は止水蓋を下方から見た斜視図である。
図4】フランジ部の斜視図である。
図5図5(a)および図5(b)は、排水栓の動きを説明するための模式図である。
図6図6(a)は本発明の実施形態2に係るフランジ部および昇降用段部の分解斜視図、図6(b)は組立後のフランジ部の外観を示す斜視図である。
図7】本発明の実施形態3に係る排水栓の縦断面図である。
図8】目皿の外観を示す斜視図である。
図9】本発明の実施形態4に係る排水栓の縦断面図である。
図10】防臭用筒体の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図1から図10を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る排水栓1を含む浴槽8の外観を示す斜視図、図2は排水栓1部分の縦断面図である。浴槽8は、底面81に排水口82が設けられており、排水口82の下方にトラップ部9が接続されている。排水口82は、底面81から一段下がった底部81aを貫通する貫通孔として形成されている。排水栓1は、浴槽8の排水口82を覆うように配設されている。排水栓1は、開栓状態で浴槽8内の湯水を排水管側へ排出し、閉栓状態で排水口82を塞ぎ浴槽8に水を溜める。
【0013】
トラップ部9は、トラップ本体91の内部に防臭用筒体92が配置され、トラップ本体91の側方へ排水する。防臭用筒体92は、排水口82からの排水をトラップ本体91に流下させて、トラップ本体91に水が溜まった状態に保ち、溜まった水を封水として貯留状態に保つ。トラップ部9は、排水口82との取付箇所において漏水しないようにパッキン等で水密に封止されている。
【0014】
排水栓1は、止水蓋10およびフランジ部20を有する。排水栓1のフランジ部20には、トラップ部9の防臭用筒体92が取り付けられ、複数の通流孔が形成された目皿30が防臭用筒体92の上に配設されている。止水蓋10は、目皿30の上方を覆うように配設されている。フランジ部20は、円筒状をなし、下端部の外周に雄螺子20aが形成されている。フランジ部20の雄螺子20aをトラップ部9の対応する孔の内周に形成された雌螺子に螺合させることで、フランジ部20およびトラップ部9が浴槽8の底部81aに固定される。またフランジ部20により、浴槽8の底部81aに排水系としてのトラップ部9が接続される。尚、フランジ部20は本発明における接続部材に相当する。
【0015】
図3(a)は止水蓋10を上方から見た斜視図であり、図3(b)は止水蓋10を下方から見た斜視図である。止水蓋10は、円形板状をなす蓋体11、および蓋体11の下面11bに設けた係合部12を有する。また、蓋体11の上面11aには、蓋体11の中心を含んで半径方向に延び、上方に突起するように指掛部13が形成されている。ユーザは、指掛部13に指を掛けて止水蓋10を上下方向の軸まわりに回転させることができる。また、止水蓋10の外周には円環状のパッキン14が設けられている。
【0016】
止水蓋10の係合部12は、蓋体11の下面11bの周縁部において、周方向に4等分する4箇所に設けられている。係合部12は、蓋体11の下面11bから下方に向けて突起する舌片状に形成されており、側面から見ると矩形状をなし、下面12aが後述するフランジ部20の昇降用段部24に接触する。
【0017】
図4は、フランジ部20の斜視図である。フランジ部20は、円筒状をなし、胴部21の上端部に外向きに張り出す円環板状の上端縁22、および胴部21の下端部に内向きに張り出す円環板状の下端縁23を有する。フランジ部20は、上部に昇降用段部24を有している。トラップ部9の防臭用筒体92は、上方から下端縁23へ挿入するようにして取り付けられる。
【0018】
フランジ部20の昇降用段部24は、上端縁22の外周縁部において、上方へ突起するように円弧状に形成されている。昇降用段部24は、周方向に4等分した各円弧において同一の形状となっている。昇降用段部24は、上端縁22と面一である下降段部24a、下降段部24aよりも高い上昇段部24b、および下降段部24aと上昇段部24bを連続させる傾斜部24cを有する。また、上昇段部24bの傾斜部24cと反対側の端部には、上昇段部24bよりも1段高い回転規制部24dが設けられている。尚、回転規制部24dの上昇段部24bと反対側の端部は、隣り合う昇降用段部24の下降段部24aに連なっている。
【0019】
傾斜部24cにおける勾配は、ほぼ一定であっても良いし、滑らかに変化してもよい。傾斜部24cと、下降段部24aおよび上昇段部24bとの接続部分に丸みを付けて滑らかに接続させることで、止水蓋10の回転操作を滑らかにすることができる。
【0020】
排水栓1は、昇降用段部24の下降段部24aに止水蓋10の係合部12が接触して閉栓状態となり、上昇段部24bに係合部12が接触して開栓状態となる。止水蓋10を閉栓状態から開栓状態へ向かうように回転させたとき、係合部12は、下降段部24aから傾斜部24cを通って上昇段部24bへ移動し、回転規制部24dに当たって止まる。同様に、止水蓋10を開栓状態から閉栓状態へ向かうように回転させたとき、係合部12は、上昇段部24bから傾斜部24cを通って下降段部24aへ移動し、回転規制部24dに当たって止まる。
【0021】
次に排水栓1の動作について説明する。上述のように排水栓1のフランジ部20は、浴槽8の排水口82に固定されている。止水蓋10は、係合部12の下面12aをフランジ部20の昇降用段部24に接触させるようにして取り付けられる。止水蓋10は、浴槽8の底面81に交差する上下方向の軸線まわりに回転させることによって、係合部12が昇降用段部24上を滑り、上下動する。
【0022】
図5(a)および図5(b)は、排水栓1の動きを説明するための模式図である。図5(a)に示す状態において、排水栓1は、止水蓋10の係合部12がフランジ部20の下降段部24aに接触して閉栓状態となっている。閉栓状態では、止水蓋10の外周に設けられたパッキン14が浴槽8の底面81側の対向面81bに接触し、排水口82を塞ぐ。
【0023】
止水蓋10を回転させて、止水蓋10の係合部12を、傾斜部24cを経て上昇段部24bに接触させることで、図5(b)に示す開栓状態となる。また、止水蓋10を逆方向に回転させることで、図5(a)に示す閉栓状態に戻る。
【0024】
排水栓1は、止水蓋10の係合部12およびフランジ部20の昇降用段部24が破損した場合には、止水蓋10およびフランジ部20を簡単に交換することができ、メンテナンス性が良い。フランジ部20は、雄螺子20aによる螺合を緩めて、浴槽8の底部81aから取り外して交換すればよい。また、フランジ部20の昇降用段部24に汚れやヌメリが付着した場合でも、昇降用段部24がフランジ部20の上部に設けられ、手が届き易い位置に露出しているため、清掃し易くメンテナンス性が良い。
【0025】
排水栓1は、昇降用段部24が排水口82の上流にあり排水口82よりも外側に形成されており、排水経路中における通水面積を狭めることへの影響が少ないため、排水効率が良好である。特に、浴槽8のように大量の水を排水する箇所では、排水効率が良いことから排水時間が短くなりユーザの利便性が良くなる。
【0026】
(実施形態2)
図6(a)は本発明の実施形態2に係るフランジ部20および昇降用段部24の分解斜視図、図6(b)は組立後のフランジ部20の外観を示す斜視図である。実施形態2に係る排水栓1のフランジ部20は、昇降用段部24が別体で形成されている。昇降用段部24は、図6(a)に示すように円環状に形成されており、実施形態1と同様に下降段部24a、上昇段部24b、傾斜部24cおよび回転規制部24dを有している。またフランジ部20には昇降用段部24が形成されていない。
【0027】
別体として形成した昇降用段部24をフランジ部20の上端縁22に取り付けることで、図6(b)に示す組立後のフランジ部20となる。昇降用段部24は、メンテナンス時に剥がすことができる程度の接着や、螺子締結等によってフランジ部20に取り付ける。また、昇降用段部24およびフランジ部20のいずれかに一方にピンを、他方にピンに嵌合する孔を設け、ピンと孔とを嵌合させて取り付けるようにしてもよい。また、昇降用段部24は、フランジ部20に対して着脱可能に構成するようにしてもよい。
【0028】
排水栓1は、昇降用段部24をフランジ部20と別体で構成することによって、昇降用段部24に破損が生じた場合に、昇降用段部24のみの交換で修理することができ、メンテナンス性がさらに良くなる。また排水栓1は、昇降用段部24がフランジ部20に対して着脱可能に構成されている場合、昇降用段部24を取り外し、容易に汚れやヌメリを除去する清掃を行うことができる。
【0029】
(実施形態3)
図7は本発明の実施形態3に係る排水栓1の縦断面図であり、図8は目皿30の外観を示す斜視図である。実施形態3に係る排水栓1では、目皿30に昇降用段部24が設けられている。目皿30は、防臭用筒体92の上方に着脱可能に配設されている。
【0030】
目皿30は、フランジ部20の上端縁22に接触する縁部31を有しており、縁部31の外周部に昇降用段部24が形成されている。昇降用段部24は、実施形態1と同様に下降段部24a、上昇段部24b、傾斜部24cおよび回転規制部24dを有し、目皿30の上部に形成されている。目皿30は、フランジ部20に取り付けた状態でフランジ部20に対して回転拘束されるように構成されている。
【0031】
排水栓1は、止水蓋10の係合部12を目皿30に設けた昇降用段部24に接触させ、止水蓋10の回転操作によって、開栓状態および閉栓状態にすることができる。排水栓1は、昇降用段部24に汚れやヌメリが付着した場合、目皿30を取り付けたまま容易に清掃することができる。また目皿30を取り外すことで、昇降用段部24をさらに容易に清掃することができる。また、昇降用段部24に破損が生じた場合、目皿30を交換することで容易にメンテナンスすることができる。
【0032】
(実施形態4)
図9は本発明の実施形態4に係る排水栓1の縦断面図であり、図10は防臭用筒体92の外観を示す斜視図である。実施形態4に係る排水栓1では、防臭用筒体92の上部に昇降用段部24が形成されている。昇降用段部24は、実施形態1と同様に下降段部24a、上昇段部24b、傾斜部24cおよび回転規制部24dを有している。
【0033】
防臭用筒体92は、フランジ部20の胴部21の内側に嵌め合わされている。防臭用筒体92をフランジ部20の胴部21に上方から挿入するようにして取り付けた状態で、防臭用筒体92に設けた円弧状の昇降用段部24が、フランジ部20の胴部21内周面に添うように配置される。防臭用筒体92は、フランジ部20に取り付けた状態でフランジ部20に対して回転拘束されるように構成されている。尚、防臭用筒体92に形成された昇降用段部24は、フランジ部20のより上部に位置させることで、止水蓋10に設ける係合部12の高さが抑制される。
【0034】
排水栓1は、止水蓋10の係合部12を防臭用筒体92に設けた昇降用段部24に接触させ、止水蓋10の回転操作によって、開栓状態および閉栓状態にすることができる。排水栓1は、昇降用段部24に汚れやヌメリが付着した場合、防臭用筒体92を取り付けたまま容易に清掃することができる。また防臭用筒体92を取り外すことで、昇降用段部24をさらに容易に清掃することができる。また、昇降用段部24に破損が生じた場合、防臭用筒体92を交換することで容易にメンテナンスすることができる。
【0035】
上述の実施形態では、傾斜部24cの勾配はほぼ一定であっても良いし、滑らかに変化してもよいとしたが、例えば、下降段部24a側での勾配を緩やかにし、下降段部24a側から上昇段部24b側に向かうにつれて急になるようにしてもよい。排水栓1が閉栓状態にあって浴槽8に水が溜められた状態では、止水蓋10にかかる水圧が止水蓋10の回転操作の負荷となる。下降段部24a側での勾配を緩やかにすることで、止水蓋10の回転に必要な回転操作力を小さく抑えることができる。また上述の実施形態では、フランジ部20は、上端縁22および下端縁23を有する例を示したが、上端縁22および下端縁23の両方または一方が設けられていない構成であってもよい。フランジ部20に上端縁22がない場合には、昇降用段部24は胴部21の上端部に設けるようにすればよい。フランジ部20は、底部81aに取り付けられても良いし、底部81aと一体的に設けられていてもよい。また上述の実施形態では、フランジ部20によって接続される排水系としてトラップ部9を例に説明したが、フランジ部20に排水用配管の一端部を接続し、該排水用配管の他端部側がトラップ部9等に接続されていてもよい。
【0036】
また、実施形態3において昇降用段部24を目皿30と別体で形成し、目皿30に取り付けるようにしてもよい。また、実施形態4において昇降用段部24を防臭用筒体92と別体で形成し、防臭用筒体92に取り付けるようにしてもよい。昇降用段部24が破損した場合には、目皿30または防臭用筒体92から昇降用段部24を取り外して交換すればよい。
【0037】
また、上述の実施形態では、止水蓋10の蓋体11の下面11bに形成された係合部12は、側面視で矩形状をなし下面12aが平坦状である例を示したが、側面視で下面12a側が半月状等をなし、下面12aが丸みを帯びた曲面等で形成されていてもよい。また、止水蓋10の蓋体11の上面11aに設けた指掛部13は、ユーザが手指を掛けて、止水蓋10を回動させることができるものであれば、実施形態に示した形態に限られない。指掛部13は、例えば、凹状に設けてもよいし、大きさや長さを変更し、蓋体11の表面に複数設けるようにしてもよい。
【0038】
次に、各実施形態の排水栓1の特徴を説明する。
本発明の実施形態の排水栓1は、浴槽8の底面81に形成された排水口82に配設されており、回転操作によって開閉する止水蓋10を有する。排水栓1は、排水口82に接続部材としてのフランジ部20が設けられており、フランジ部20の上部に昇降用段部24が形成されている。止水蓋10には、昇降用段部24に接触して上下動するための係合部12が設けられている。これにより、排水栓1は、止水蓋10の係合部12およびフランジ部20の昇降用段部24が破損した場合に、止水蓋10およびフランジ部20を簡単に交換することができ、メンテナンス性が良い。
【0039】
また本発明の実施形態の排水栓1は、浴槽8の底面81に形成された排水口82に配設されており、回転操作によって開閉する止水蓋10を有する。排水栓1は、排水口82に接続部材としてのフランジ部20が設けられており、フランジ部20に昇降用段部24が別体として設けられている。止水蓋10には、昇降用段部24に接触して上下動するための係合部12が設けられている。これにより、排水栓1は、昇降用段部24がフランジ部20と別体で構成され、昇降用段部24に破損が生じた場合に、昇降用段部24を交換することで修理することができ、メンテナンス性がさらに良くなる。
【0040】
また排水栓1は、フランジ部20に嵌め合わされる目皿30を有し、目皿30の上部に昇降用段部24が設けられている。これにより、排水栓1は、昇降用段部24に汚れやヌメリが付着した場合、目皿30の上部に設けられた昇降用段部24を容易に清掃することができ、また昇降用段部24に破損が生じた場合、目皿30を交換することで容易にメンテナンスすることができる。
【0041】
また排水栓1は、フランジ部20に嵌め合わされる防臭用筒体92を有し、防臭用筒体92の上部に昇降用段部24が設けられている。これにより、排水栓1は、昇降用段部24に汚れやヌメリが付着した場合、防臭用筒体92の上部に設けられた昇降用段部24を容易に清掃することができ、また昇降用段部24に破損が生じた場合、防臭用筒体92を交換することで容易にメンテナンスすることができる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【符号の説明】
【0043】
1 排水栓、 10 止水蓋、 12 係合部、 20 フランジ部(接続部材)、
24 昇降用段部、 30 目皿、 92 防臭用筒体、 8 浴槽、
81 底面、 82 排水口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10