(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】移動ロボットドッキングシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20230126BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20230126BHJP
A47L 9/04 20060101ALI20230126BHJP
A47L 9/00 20060101ALI20230126BHJP
B60L 53/00 20190101ALI20230126BHJP
【FI】
A47L9/28 E
G05D1/02 H
A47L9/04 A
A47L9/00 102Z
B60L53/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018242741
(22)【出願日】2018-12-26
【審査請求日】2021-10-18
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】313013863
【氏名又は名称】アイロボット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ヴィンセント・ウルフ
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・デルアクシオ
(72)【発明者】
【氏名】レオ・トレンテ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・モリス
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0183752(US,A1)
【文献】特表2015-535373(JP,A)
【文献】米国特許第09215957(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
G05D 1/02
A47L 9/04
A47L 9/00
B60L 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ロボットシステムであって、前記移動ロボットシステムは、
ドッキングステーションと、
移動ロボットと、
を含み、
前記ドッキングステーションは、
フロントおよびリアを有するプラットフォームと、
前記プラットフォーム上の第1および第2の立ち上がった充電接点と、
前記プラットフォーム上の第1および第2のランプ機構と、
を含み、
前記移動ロボットは、
ハウジングと、
前記ハウジングに接続され、第1および第2の駆動ホイールを含むモーター付き駆動システムと、
前記ハウジングの底部上の第1および第2の充電接点と、
前記ハウジングの底部の下に延在する少なくとも1つの回転可能なクリーニングヘッドを含むクリーニングモジュールと、
を含み、
前記移動ロボットは、アプローチ位置からドッキング位置へ移動可能であり、前記アプローチ位置では、前記移動ロボットが前記プラットフォームの前記フロントから間隔を離して配置された状態になっており、前記ドッキング位置では、前記移動ロボットが前記プラットフォーム上にあり、および前記ドッキングステーションの充電接点が前記移動ロボットの充電接点と係合された状態になっており、
前記移動ロボットが前記アプローチ位置から前記ドッキング位置へ移動するときに、前記移動ロボットが、前記第1および第2のランプ機構に係合し、前記クリーニングヘッドが前記ドッキングステーションの充電接点の上方に持ち上げられて前記ドッキングステーションの充電接点を通過
し、
前記プラットフォームは、前記プラットフォームの左側部上に第1のトラックを含むとともに、前記プラットフォームの右側部上に第2のトラックを含み、
前記第1のランプ機構は、前記第1のトラック上の第1のランプを含み、
前記第2のランプ機構は、前記第2のトラック上の第2のランプを含み、
前記第1および第2のランプのそれぞれは、立ち上がった平坦な表面、第1の傾斜した表面、および第2の傾斜した表面を含み、前記第1の傾斜した表面は、前記立ち上がった平坦な表面から前記プラットフォームの前記フロントに向けて下向きに延在しており、前記第2の傾斜した表面は、前記立ち上がった平坦な表面から前記プラットフォームの前記リアに向けて下向きに延在している、移動ロボットシステム。
【請求項2】
前記移動ロボットが前記アプローチ位置から前記ドッキング位置へ移動するときに、前記第1の駆動ホイールが前記第1のランプ機構に係合し、前記第2の駆動ホイールが前記第2のランプ機構に係合する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および第2のランプのそれぞれは、前記プラットフォームの前記リアよりも、前記プラットフォームの前記フロントの近くに位置決めされている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記移動ロボットが前記ドッキング位置にあるときに、前記ハウジングの前記底部は、前記第1および第2のランプのそれぞれの前記立ち上がった平坦な表面から間隔を離して配置されている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プラットフォームの左側部は、前記第2の傾斜した表面から前記プラットフォームの前記リアへ延在する第2の平坦な表面を含み、
前記プラットフォームの右側部は、前記第2の傾斜した表面から前記プラットフォームの前記リアへ延在する第2の平坦な表面を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項6】
前記プラットフォームは、前記左側部と右側部との間に中央部を含み、
前記中央部は、立ち上がった表面および第1の傾斜した表面を含み、前記第1の傾斜した表面は、前記立ち上がった表面から前記プラットフォームの前記フロントに向けて下向きに延在しており、
前記ドッキングステーションの第1および第2の充電接点は、前記プラットフォームの前記中央部の前記立ち上がった表面上にあり、
前記プラットフォームの前記中央部の前記立ち上がった表面は、前記第1および第2のランプのそれぞれの前記第2の傾斜した表面、および/または、前記プラットフォームの前記左側部および右側部のそれぞれの前記第2の平坦な表面の垂直方向上方に位置決めされている、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プラットフォームの前記中央部は、第2の傾斜した表面および第2の平坦な表面を含み、前記第2の傾斜した表面は、前記立ち上がった表面から前記第2の平坦な表面へ下向きに延在しており、前記第2の平坦な表面は、前記第2の傾斜した表面から前記プラットフォームの前記リアに向けて延在している、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ドッキング位置において
左側ホイールは、前記第1のランプの前記第2の傾斜した表面、および/または、前記プラットフォームの前記左側部の前記第2の平坦な表面上にあり、
右側ホイールは、前記第2のランプの前記第2の傾斜した表面、および/または、前記プラットフォームの前記右側部の前記第2の平坦な表面上にあり、
前記クリーニングモジュールは、前記プラットフォームの前記中央部の前記第2の平坦な表面の上または上方にある、請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記移動ロボットが前記アプローチ位置から前記ドッキング位置へ移動するときに、前記クリーニングモジュールは、前記第1および第2のランプ機構のそれぞれに係合している、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1および第2のランプ機構は、それぞれ、第1および第2のリブを含み、前記第1および第2のリブは、前記プラットフォームから上向きにそれぞれ突出している、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1および第2のリブのそれぞれは、立ち上がった平坦な表面、第1の傾斜した表面、および第2の傾斜した表面を含み、前記第1の傾斜した表面は、前記立ち上がった平坦な表面から前記プラットフォームの前記フロントに向けて下向きに延在しており、前記第2の傾斜した表面は、前記立ち上がった平坦な表面から前記プラットフォームの前記リアに向けて下向きに延在している、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記プラットフォームは、前記プラットフォームの左側部上に第1のトラックを含むとともに、前記プラットフォームの右側部上に第2のトラックを含み、
第1のリブは、前記ドッキングステーションの前記第1の充電接点と前記第1のトラックとの間にあり、
第2のリブは、前記ドッキングステーションの前記第2の充電接点と前記第2のトラックとの間にある、請求項1から
11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
第1の窪んだホイールウェルが、前記第1のトラックの中に画定されており、第2の窪んだホイールウェルが、前記第2のトラックの中に画定されており、
前記ドッキング位置において、第1のホイールは、前記第1の窪んだホイールウェルの中に受け入れられており、第2のホイールは、前記第2の窪んだホイールウェルの中に受け入れられている、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
第1の凹んだポケットは、前記第1のホイールに隣接しており、第2の凹んだポケットは前記第2のホイールに隣接している、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記移動ロボットは、前記ハウジングの底部の中に第1および第2の凹んだポケットを含み、
前記ドッキング位置において、第1のリブは、前記第1の凹んだポケットの中に受け入れられており、第2のリブは、前記第2の凹んだポケットの中に受け入れられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のシステムを用いて移動クリーニングロボットをドッキングステーションとドッキングするための方法であって、前記方法は、
前記移動クリーニングロボットを前記ドッキングステーションのプラットフォーム上へ前進させるステップと、
前記移動クリーニングロボットを前記ドッキングステーションの前記プラットフォーム上へ前進させながら、前記プラットフォーム上の少なくとも1つの細長いランプ機構の上方に前記移動クリーニングロボットを前進させることによって、前記移動クリーニングロボットのハウジングの底部の下に延在するクリーニングヘッドのローラを、前記プラットフォーム上の少なくとも1つの充電接点の上方に持ち上げて、前記ローラを通過させて前記少なくとも1つの充電接点を通過させる、ステップと、
前記プラットフォーム上のドッキング位置に前記移動クリーニングロボットをドッキングするステップであって、前記移動クリーニングロボットの前記ハウジングの底部上の少なくとも1つの充電接点が、前記プラットフォーム上の前記少なくとも1つの充電接点に係合した状態になっているとともに、クリーニングメカニズムが、前記プラットフォーム上の前記少なくとも1つの充電接点と前記プラットフォームのリアとの間に位置決めされた状態になっている、ステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記プラットフォームは、前記プラットフォームの左側部上にある第1のトラックと、
前記プラットフォームの右側部上にある第2のトラックと、を備え、第1のランプ機構は、前記第1のトラック上にある第1のランプを含み、前記プラットフォームは、前記第2のトラック上にある第2のランプを含む第2のランプ機構を含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のランプおよび前記第2のランプのそれぞれは、立ち上がった平坦な表面と、第1の傾斜した表面と、第2の傾斜した表面と、を含み、前記第1の傾斜した表面は、前記立ち上がった平坦な平面から前記プラットフォームのフロントに向けて下向きに延在しており、前記第2の傾斜した表面は、前記立ち上がった平坦な表面から前記プラットフォームのリアに向けて下向きに延在している、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ロボットシステムに関し、より具体的には、移動ロボットのためのドッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
日常的であり、時間がかかり、または危険であると従来から考えられるタスクを実施するために、自動化されたロボットおよびロボットデバイスが使用されている。プログラミング技術が向上するにつれて、ロボット燃料補給、検査、および、点検などのようなタスクのために、最小の人間の相互作用を必要とするロボットに対する要求も増加している。目標は、単回で構成され得るロボットであり、それは、次いで、人間の支援または介入の必要なしに、自律的に動作することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9,215,957号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0166126号明細書
【文献】米国特許第8,881,339号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0291809号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態によれば、移動ロボットシステムは、ドッキングステーションおよび移動ロボットを含む。ドッキングステーションは、フロントおよびリアを有するプラットフォームと、プラットフォーム上の第1および第2の立ち上がった(raised)充電接点と、プラットフォーム上の第1および第2のランプ機構とを含む。移動ロボットは、ハウジングと、ハウジングに接続され、第1および第2の駆動ホイールを含むモーター付き駆動システムと、ハウジングの底部上の第1および第2の充電接点と、ハウジングの底部の下に延在する少なくとも1つの回転可能なクリーニングヘッドを含むクリーニングモジュールとを含む。移動ロボットは、アプローチ位置からドッキング位置へ移動可能であり、アプローチ位置では、移動ロボットがプラットフォームのフロントから間隔を離して配置された状態になっており、ドッキング位置では、移動ロボットがプラットフォーム上にあり、およびドッキングステーション充電接点が移動ロボット充電接点と係合された状態になっている。移動ロボットがアプローチ位置からドッキング位置へ移動するときに、移動ロボットが、第1および第2のランプ機構に係合し、クリーニングモジュールが、ドッキングステーション充電接点の上方に持ち上げられる。
【0005】
本発明の実施形態によれば、移動クリーニングロボットをドッキングステーションとドッキングするための方法は、移動クリーニングロボットをドッキングステーションのプラットフォーム上へ前進させるステップと、移動クリーニングロボットをドッキングステーションのプラットフォーム上へ前進させながら、プラットフォーム上の少なくとも1つの細長いランプ機構の上方にロボットを前進させることによって、ロボットのハウジングの底部の下に延在するクリーニングメカニズムを、プラットフォーム上の少なくとも1つの充電接点の上方に持ち上げるステップと、プラットフォーム上のドッキング位置にロボットをドッキングするステップであって、ロボットのハウジングの底部上の少なくとも1つの充電接点が、プラットフォーム上の少なくとも1つの充電接点に係合した状態になっており、また、クリーニングメカニズムが、プラットフォーム上の少なくとも1つの充電接点とプラットフォームのリアとの間に位置決めされた状態になっている、ステップとを含む。
【0006】
本発明のさらなる特徴、利点、および詳細は、以降に続く実施形態の図および詳細な説明を読むことから当業者によって認識されることとなり、そのような説明は、本発明の単なる例示目的のためのものに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態による移動ロボットシステムの斜視図である。
【
図2】
図1のシステムの一部を形成するロボットの断面図である。
【
図5】
図1のシステムの一部を形成するドックの斜視図である。
【
図7】
図1のシステムの一部を形成する通信/ガイダンスシステムの動作を図示する概略図である。
【
図8】
図1のシステムのドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図9】
図1のシステムのドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図10】
図1のシステムのドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図11】
図1のシステムのドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図12】
図1のシステムのドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図13】
図1のシステムのドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図14】本発明の実施形態によるエバキュエーションドックの部分斜視図である。
【
図16】
図14のエバキュエーションドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図17】
図14のエバキュエーションドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図18】
図14のエバキュエーションドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図19】
図14のエバキュエーションドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図20】
図14のエバキュエーションドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【
図21】
図14のエバキュエーションドック上をアプローチ位置からドッキング位置へ前進する、
図1のシステムのロボットのシーケンシャルな側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで、本発明は、添付の図面を参照して、より完全に以降で説明されることとなり、添付の図面には、本発明の例示目的の実施形態が示されている。図面において、領域または特徴の相対的なサイズは、明確化のために誇張されている可能性がある。しかし、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記述されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的で完全になることとなるように、および、本発明の範囲を当業者に完全に伝えることとなるように、提供されている。
【0009】
構成要素が別の構成要素に「連結されている」または「接続されている」と称されているとき、それは他の構成要素に直接的に連結または接続されている可能性があり、または、介在する構成要素が存在する可能性もあるということが理解されることとなる。それとは対照的に、構成要素が別の構成要素に「直接的に連結されている」または「直接的に接続されている」と称されるときには、介在する構成要素は存在していない。同様の番号は、全体を通して同様の構成要素を表している。
【0010】
それに加えて、空間的に相対的な用語、たとえば、「下に」、「下方に」、「下側に」、「上方に」、「上側に」などは、説明をしやすくするために本明細書において使用され得、図に示されているように別の構成要素または機構に対する1つの構成要素または機構の関係を説明する。空間的に相対的な用語は、図に示されている配向に加えて、使用時または動作時のデバイスの異なる配向を包含することが意図されているということが理解されることとなる。たとえば、図の中のデバイスがひっくり返されている場合には、他の構成要素または機構の「下に」または「真下に」あるとして説明されている構成要素は、他の構成要素または機構の「上方に」配向されることとなる。したがって、「下に」という例示的な用語は、「上方に」および「下に」の配向の両方を包含することが可能である。デバイスは、その他の方法で配向され得(90度回転させられているか、または、他の配向になっている)、本明細書において使用されている空間的に相対的な説明は、それにしたがって解釈され得る。
【0011】
本明細書において使用されている専門用語は、特定の実施形態だけを説明する目的のためのものであり、本発明の限定となることは意図されていない。本明細書において使用されているように、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないことを示していなければ、複数形を同様に含むことが意図されている。「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」という用語は、この明細書において使用されているときに、述べられている特徴、整数、ステップ、動作、構成要素、および/または構成部品の存在を特定しているが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、構成要素、構成部品、および/または、それらのグループの存在または追加を除外していないということがさらに理解されることとなる。本明細書において使用されているように、「および/または」という表現は、関連の列挙されたアイテムの1つまたは複数のいずれかおよびすべての組み合わせを含む。
【0012】
別段の定義がない限り、本明細書において使用されているすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有している。一般に使用される辞書の中で定義されているものなどのような用語は、関連の技術分野の文脈におけるそれらの意味と一貫する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されていなければ、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることとはならないということがさらに理解されることとなる。
【0013】
「モノリシックの」という用語は、ジョイントまたは継ぎ目なしに材料から形成または構成された単一の担体部片である物体を意味している。
【0014】
図1~
図14を参照すると、いくつかの実施形態による移動ロボットシステム10がその中に示されている。システム10は、バキュームクリーニングロボット100と、ベースステーションまたはドック200(本明細書においてドッキングステーションとも称される)とを含む。システム10は、ドック200に加えて、または、ドック200の代わりに、エバキュエーション(evacuation)ドック300(
図14)を含むことが可能である。ロボット100は、ドック200およびエバキュエーションドック300と嵌合するように適合されている。
【0015】
また、システム10は、ロボット100およびドック200の協働的に動作する構成部品をそれぞれ含む、充電またはエネルギー管理システム205、および、自動ドッキング制御システム201を含む。いくつかの実施形態では、エネルギー管理システム205は、充電回路(ドック200の中の充電接点222A、222B、および、ロボット100の中の充電接点164A、164Bを含む)を含み、ドック200によるロボット100の充電を可能にする。
【0016】
自律ロボット100の以下の説明では、専門用語「前方/前部」の使用は、一般的に、ロボット100の運動の基本方向を表しており、前後の軸線(
図4の中の参照文字「FA」を参照)という専門用語は、運動の前方方向F(
図4)を定義しており、それは、ロボット100の前後直径と一致している。
【0017】
ロボット100は、横方向のまたは左右の軸線LAおよび垂直方向の軸線VAをさらに定義しており、それらは、互いに垂直であり、また、軸線FAに対して垂直である。軸線FAおよびLAは、所定の平面を定義しており、その平面は、ホイール132およびキャスター134(下記に説明されている)の接触ポイントによって定義される平面、または、ロボット100がその上に置かれている支持表面(たとえば、床)に対して実質的に平行な平面を定義している。
【0018】
また、説明は、X軸、Y軸、およびZ軸を含む、ドック200に基づく規準系を使用しており、X軸、Y軸、およびZ軸は、
図5に示されている。X軸、Y軸、およびZ軸は、互いに垂直であり、ドック200の中心に置いて交差している。Y軸に沿った移動、距離、および寸法は、横方向、左方向、または右方向と称され得る。X軸に沿った移動、距離、および寸法は、本明細書において、深さ方向、前後、前方、または後方と称され得る。Z軸に沿った移動、距離、および寸法は、本明細書において、垂直方向と称され得る。X軸およびY軸は、所定の平面を定義しており、その平面は、ドック200がその上に置かれている支持表面(たとえば、床)に対して平行になっている。
【0019】
示されている実施形態では、ロボット100は、ロボットコントローラー102、本体部、ハウジングインフラストラクチャーまたはハウジング(以降では、「ハウジング」)111、電気エネルギー貯蔵バッテリー126、動力システム130、クリーニングシステム140、検出器システム150、および、エネルギー管理または充電サブシステム160を含む。検出器システム150は、自動ドッキング制御システム201の一部を形成している。
【0020】
ハウジング111は、アンダーキャリッジ115(
図3)を有しており、内部メインチャンバー118(
図2)を画定している。アンダーキャリッジ115は、ハウジング111およびロボット100の下側または底部側を形成している。ハウジング111は、シャーシー110、上部カバー112、底部またはアンダーキャリッジカバー114、および、変位可能なバンパー116を含む。ロボット100は、前方方向Fおよび逆進方向Rに移動することが可能である。結果的に、シャーシー110は、対応する前方端部110Aおよび後方端部110Bをそれぞれ有している。
【0021】
シャーシー110は、ユニタリーのまたはモノリシックの構成要素として、プラスチックなどのような材料から成形され得、ユニタリーのまたはモノリシックの構成要素は、とりわけ、ロボット100を動作させるさまざまなサブシステムの構成要素を装着または一体化するための複数の事前形成されたウェル、凹部、および構造部材を含む。カバー112、114は、それぞれのユニタリーのまたはモノリシックの構成要素として、ポリマー材料(プラスチック)などのような材料から成形され得、それぞれのユニタリーのまたはモノリシックの構成要素は、構成がシャーシー110と相補的になっており、シャーシー110に装着されている構成要素および構成部品の保護、および、それらへのアクセスを提供する。シャーシー110およびカバー112、114は、任意の適切な手段(たとえば、スクリュー)によって、取り外し可能に組み合わせて一体化されている。いくつかの実施形態では、および、示されているように、ハウジング111は、正方形プロファイルを画定するフロント端部を有している。いくつかの実施形態では、シャーシー110およびカバー112、114は、前後の軸線FAに沿って概して対称的な概してD字形状の構成を有する、最小高さの構造的エンベロープ(structural envelope)を形成している。
【0022】
エバキュエーションポート120は、アンダーキャリッジカバー114およびシャーシー110の底部壁部110Cの中に画定されている。エバキュエーションポート120には、クロージャーデバイスまたはフラップが設けられ得る。
【0023】
変位可能なバンパー116は、シャーシー110のフロント端部の形状に概して適合する形状を有しており、また、シャーシー110の前方部分において移動可能な組み合わせで装着され、そこから外向きに延在している(「通常の動作位置」)。変位可能なバンパー116の装着構成は、バンパー116が所定の質量の静止している物体または障害物に遭遇するときはいつでも、変位可能なバンパー116が(通常の動作位置から)シャーシー110に向けて変位させられるようになっており(「変位させられた位置」)、また、(制御シーケンスの動作に起因して(制御シーケンスは、バンパー116の任意のそのような変位に応答して、「バウンス」モードを実装し、「バウンス」モードは、ロボット100が静止している物体または障害物を巧みによけ、そのタスクルーチンを継続することを引き起こす))静止している物体または障害物との接触が終了したときに、変位可能なバンパー116が通常の動作位置に戻るようになっている。
【0024】
独立した駆動ホイール132が、シャーシー110のいずれかの横方向の側部に沿って搭載されており、駆動ホイール132は、ロボット100を動かし、また、床表面との2つの接触ポイントを提供している。駆動ホイール132は、ばね荷重式であることが可能である。シャーシー110の後方端部110Bは、非駆動式の多方向キャスターホイール134を含み、非駆動式の多方向キャスターホイール134は、床表面との第3の接触ポイントとして、ロボット100のための追加的な支持を提供している。1つまたは複数の電気駆動モーター136が、ハウジング111の中に配設されており、ホイール132を独立して駆動するように動作する。動力構成部品は、ロボット100のコストまたは意図した用途に基づいて、所望の通りに、モーター、ホイール、駆動シャフト、またはトラックの任意の組み合わせを含むことが可能である。
【0025】
いくつかの実施形態では、クリーニングシステム140は、吸い込みスロットまたは開口部142Aを含み、吸い込みスロットまたは開口部142Aは、アンダーキャリッジ115の中に画定されている。1つまたは複数のモーター駆動式の回転式クリーニングメカニズムまたはエクストラクター(たとえば、ブラシ、クリーニングヘッド、またはローラー)144が、開口部142Aの側面に位置している。クリーニングモジュール143は、エクストラクター144を含むことが可能である。電気式真空ファン146が、エクストラクター144同士の間のギャップを通して空気を引き込み、吸い込み力を提供し、吸い込み力は、床表面から破片を抽出する際にエクストラクターを支援する。ギャップを通過する空気および破片は、プレナム142Bを通して送られ、プレナム142Bは、クリーニングまたは破片ビン145の開口部につながっており、クリーニングまたは破片ビン145は、チャンバー118の中に配設されているかまたは包み込まれている。開口部は、破片ビン145の破片収集キャビティー145Aにつながっている。キャビティーの上方に位置付けされているフィルター147が、真空ファン146の空気取り入れ口につながる空気通路から破片をスクリーニングする。真空ファン146から排出されたフィルターを通された空気は、排出ポート122を通して導かれる。
【0026】
サイドブラシ148が、前方端部110Aの近位のシャーシー110の側壁部に沿って、および、前方駆動方向Fにエクストラクター144の前に装着されている。サイドブラシ148は、床表面に対して垂直の軸線の周りに回転可能である。サイドブラシ148は、床表面に沿ったクリーニングのためのより幅の広いカバレッジ(coverage)エリアをロボット100が作り出すことを可能にする。とりわけ、サイドブラシ148は、ロボット100のエリアフットプリントの外側から、中央に位置付けされているクリーニングヘッドアッセンブリの経路の中へ、破片を弾き飛ばすことが可能である。
【0027】
バキュームクリーニングシステムに関する他の適切な構成が、Cohenらによる特許文献1、Morinらによる特許文献2、および、Gilbert, Jr.らによる特許文献3に開示されており、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0028】
ロボットコントローラー回路102(概略的に示されている)は、シャーシー110によって担持されている。ロボットコントローラー102は、ロボット100のさまざまな他の構成部品(たとえば、エクストラクター144、サイドブラシ148、および/または駆動ホイール132)を調節するように構成されている(たとえば、適当に設計およびプログラムされている)。1つの例として、ロボットコントローラー102は、前方または後方にロボット100を操縦するために、駆動ホイール132を調和して動作させるコマンドを提供することが可能である。別の例として、ロボットコントローラー102は、時計回りのターンを実行するために、一方の駆動ホイール132を前方方向に動作させ、他方の駆動ホイール132を後方方向に動作させるコマンドを発行することが可能である。同様に、ロボットコントローラー102は、回転するエクストラクター144またはサイドブラシ148の動作を開始または停止させるコマンドを提供することが可能である。いくつかの実施形態では、ロボットコントローラー102は、適切な行動ベースのロボット工学スキームを実装し、コマンドを発行するように設計されており、コマンドは、ロボット100が自律的な方式でナビゲートし、床表面をクリーニングすることを引き起こす。ロボットコントローラー102、および、ロボット100の他の構成部品は、シャーシー110上に配設されているバッテリー126によって給電され得る。
【0029】
検出器システム150(
図4)は、上部のまたは通信/ガイダンス信号レシーバーまたは検出器152、近接センサーまたは壁伝い(wall following)センサー153、クリフセンサー154、前方方向レシーバーまたは検出器156、光学マウスセンサー157、およびカメラ159を含む。いくつかの実施形態では、これらのセンサーまたは検出器のそれぞれは、ロボットコントローラー102に通信可能に連結されている。ロボットコントローラー102は、複数のセンサーから受信されたフィードバックに基づいて、行動ベースのロボット工学スキームを実装し、複数のセンサーは、ロボット100の周りに分配され、ロボットコントローラー102に通信可能に連結されている。
【0030】
近接センサー153(概略的に示されている)は、ロボット100のフロントコーナーの近位のロボット100の周辺部に沿って搭載されている。近接センサー153は、ロボット100が前方駆動方向Fに移動するときに、ロボット100の前または傍らに出現し得る、可能性のある障害物の存在に応答する。
【0031】
クリフセンサー154は、シャーシー110の前方端部110Aに沿って搭載されている。クリフセンサー154は、ロボット100が前方駆動方向Fに移動するときに、ロボット100の前方に、可能性のあるクリフまたはフローリングドロップを検出するように設計されている。より具体的には、クリフセンサー154は、床表面の縁部またはクリフ(たとえば、階段の縁部)を示す床特性の突然の変化に応答する。
【0032】
通信/ガイダンス信号検出器152は、ロボット100のハウジング111の上部フロントに装着されている。検出器152は、エミッター(たとえば、ドック200の回避信号エミッター232、ならびに/または、ホーミング(homing)およびアライメントエミッター234R、234L)、ならびに、(随意的に)ナビゲーションもしくはバーチャルウォールビーコンのエミッターから投射される信号を受信するように動作可能である。いくつかの実施形態では、ロボットコントローラー102は、ドック200によって放出されるホーム信号を受信する通信検出器152に応答して、ロボット100がドック200へナビゲートすること、および、ドック200とドッキングすることを引き起こすことが可能である。
【0033】
いくつかの実施形態では、および、示されているように、検出器152は、ロボット100上の最も高いポイントにおいて、および、軸線FAの上の矢印によって示されているように、基本のトラベル方向によって定義されているようなロボット100のフロントに向けて装着されている。代替的な実施形態では、複数の検出器が、上部信号検出器152の代わりに使用され得る。そのような実施形態は、複数の側面装着式のセンサーまたは検出器を使用することを含む可能性がある。センサーのそれぞれは、すべてのセンサーの集合的な視野が単一の上部装着式のセンサーの視野と一致するように配向され得る。単一の全方向性の検出器が最適な性能のためにロボットの最も高いポイントに装着されているので、複数の側面装着式の検出器を組み込むことによって、ロボットのプロファイルを低下させることが可能である。
【0034】
前方方向検出器156は、ロボット100のフロント端部に装着されており、また、バンパー116の上または傍らに装着され得る。前方方向検出器156は、ドック200上のエミッター234R、234Lから投射される信号を受信する。他の実施形態では、1対の検出器が、エミッター234R、234Lから信号を受信するか、または、3つ以上の検出器が使用され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、検出器154、156は、赤外線(「IR」)センサーまたは検出器モジュールであり、それは、全方向性のレンズとともに、フォトダイオード、ならびに、関連の増幅および検出回路を含み、ここで、全方向性とは、実質的に単一の平面を表している。変調またはピーク検出波長にかかわらず、ベースドック200上のエミッター232、234R、234Lがロボット100上の検出器152、156にマッチするように適合されている限りにおいて、任意の検出器が使用され得る。別の実施形態では、IRフォトトランジスターが、電子的な増幅構成要素の有無にかかわらず使用され得、マイクロプロセッサーのアナログ入力に直接的に接続され得る。次いで、信号処理が、ロボット100におけるIR光の強度を測定するために使用され得、それは、ロボット100とIR光の供給源との間の距離の推定を提供する。
【0036】
カメラ159は、ロボット100の前方駆動方向に配向されている視野光軸を有する、カメラなどのような視覚ベースのセンサーである。図示されている実施形態では、カメラ159は、ロボットの後方端部110Aに位置付けされており、その視線は、検出器152の上方へ前方におよび上向きに角度を付けられた状態になっている。いくつかの実施形態では、カメラ159は、ビデオカメラである。いくつかの実施形態では、カメラ159は、動作環境の中のフィーチャーおよびランドマークを検出するために使用され、また、Video Simultaneous Localization and Mapping(VSLAM)技術を使用してマップを作成するために使用される。
【0037】
光学マウスセンサー157は、ロボット100のアンダーキャリッジ115上に位置付けされている。
図4の上面図に示されている円形は、光学マウスセンサー157の相対的な設置を示している。しかし、センサー157は、この視点では見ることができないこととなる。マウスセンサー157は、フローリングをトラッキングし、ロボット100が真っ直ぐなランクで移動するように、ドリフト補償を支援する。
【0038】
図示されている例には示されていないが、さまざまな他のタイプのセンサーが、また、本開示の範囲から逸脱することなく、ロボット100の中に組み込まれ得る。たとえば、バンパー116の衝突に応答する触覚センサー、および/または、ブラシモーターのモーター電流に応答するブラシモーターセンサーが、ロボット100の中に組み込まれ得る。
【0039】
ロボット100は、クリーニングビン122の中に存在する破片の量をセンシングするためのビン検出システムをさらに含むことが可能である(たとえば、それは、特許文献4に説明されているようなものであり、その全体は、参照により本明細書に組み込まれている)。
【0040】
ロボット充電サブシステム160は、充電回路162を含み、充電回路162は、充電接点164A、164Bを含む。ロボット充電サブシステム160は、エネルギー管理システム205の一部を形成している。
【0041】
ロボット100は、任意の適切なタスクを実施するように修正され得る。たとえば、ロボット100は、床にワックスをかけて磨くこと、床をごしごし洗うこと、製氷すること(ブランド名Zamboni(登録商標)の下で製造されている機器によって典型的に実施されるようなもの)、スウィーピングおよびバキューミング、未仕上げの床の研磨およびステイン/ペイント塗装、氷融解および雪除去、草刈りなどのために使用され得る。いくつかの実施形態では、ロボットは、格納式マストを担持する移動性ベースとして構成されており、格納式マスト上にカメラが装着されている。任意の数の構成部品が、そのようなタスクに必要とされ得、また、必要に応じて、ロボット100の中へそれぞれ組み込まれ得る。簡単にするために、本出願は、実証的な所定のタスクとしてバキューミングを説明することとなる。本明細書において開示されているエネルギー管理および自動ドッキング機能は、さまざまなロボットシステムにわたって、幅の広い用途を有している。
【0042】
図5は、本発明の1つの実施形態によれるドック200の概略斜視図である。ドック200は、ハウジング202を含み、ハウジング202は、実質的に水平方向のベースプレートまたはプラットフォーム204、および、実質的に垂直方向のタワーまたはバックストップ206の両方を含む。プラットフォーム204は、フロント208およびリア210を含む。バックストップ206は、プラットフォーム204のリア210にある。ドッキングベイDBが、プラットフォーム204の上方に、および、バックストップ206の前に画定されている。ドック200は、さまざまな形状またはサイズのいずれかのものであることが可能であり、下記に説明されている所望の構成部品およびシステムのために十分なスペースを提供している。
【0043】
プラットフォーム204は、左側部212および右側部214を含む。第1のまたは左側のトラック216Aが、プラットフォーム204の左側部212上にあり、第2のまたは右側のトラック216Bが、プラットフォーム204の右側部214上にある。プラットフォーム204は、左側部212と右側部214との間に中央部218を含む。
【0044】
プラットフォーム204は、ドック200がその上に置かれているグランド表面に対して概して平行になっており、または、配線のためのスペースを提供するためにわずかに傾斜を付けられ得る。
【0045】
ドック200は、ドック充電サブシステム220、通信/ガイダンスシステム230、ドックコントローラー224、およびパワー入力コネクター226(電源(図示せず)に接続されている)を含む。ドック充電サブシステム220は、エネルギー管理システム205の一部を形成している。ドック充電サブシステム220は、充電回路221を含み、充電回路221は、プラットフォーム204の中央部218上に、第1および第2の充電接点222A、222Bを含む。より詳細に下記に説明されているように、充電接点222A、222Bは、ロボット100がドック200上のドッキング位置にあるときに、ロボット100の充電接点164A、164B(
図3)に係合するように構成されている。充電接点222A、222Bは、ばね荷重式であることが可能である。
【0046】
ドックコントローラー回路224(概略的に示されている)は、ハウジング202によって担持されている。ドックコントローラー224は、ドック200のさまざまな他の構成部品を調節するように構成されている(たとえば、適当に設計およびプログラムされている)。
【0047】
通信/ガイダンスシステム230(
図5)は、上部信号エミッター232、第1のまたは右側フロントのホーミング/アライメントエミッター234R、および、第2のまたは左側フロントのホーミング/アライメントエミッター234Lを含むことが可能である。
【0048】
上部信号エミッター232は、バックストップ206の上部に装着され得る。エミッター232は、ドック200の近くの拡散領域において、第1の信号、たとえば、回避信号BA(
図5)などを発生させ、バキューミングなどのようなタスクを実施している間に、ロボットがドック200と不注意な直接的接触をすることを防止する。上部信号エミッター232は、放物面反射鏡を利用し、回避信号を送信することが可能である。そのような実施形態では、回避信号は、単一のLEDによって放出され、単一のLEDはレンズに方向付けされており、レンズの幾何学形状は、放物線をその焦点の周りに回転させることによって決定されている。したがって、この放物面反射鏡は、複数のエミッターの必要性なしに、回避信号BAを投射する。同様の構成は、ロボット上の検出器156の中に用いられ得、単一のレシーバーが単一のLEDの代わりに使用されている。
【0049】
ホーミング/アライメントエミッター234R、234Lは、バックストップ206のフロント壁部206A上に位置付けされている。ホーミング/アライメントエミッター234Rおよび234Lは、下記に議論されているように、それぞれのホーミング信号BRおよびBQを放出または投射する(
図7)。いくつかの実施形態では、エミッター234R、234Lは、LEDである。エミッター234R、234Lは、ナビゲーションのブイまたは基準としての役割を果たしている。いくつかの実施形態では、および、示されているように、エミッター234R、234Lは、ドック200の中心線X-Xから横方向にオフセットされており、方向検出器156は、ロボット100の中心線FAからオフセットされており、ロボット100がドッキング位置にあるときに、検出器156がエミッター234Rとエミッター234Lとの間に実質的に中心を合わせられるようになっている。
【0050】
ロボット100は、さまざまな行動モードを使用し、作業エリアを効果的にバキューミングする。行動モードは、並列に動作され得る制御システムの層である。ロボットコントローラー102(たとえば、マイクロプロセッサー)は、優先順位を付けられたアービトレーションスキームを実行するように動作し、センサーシステムからの入力に基づいて、任意の所与のシナリオに関する1つまたは複数の基本行動モードを識別および実装する。また、ロボットコントローラー102は、回避、ホーミング、および、ドック200とのドッキング操縦を調整するように動作する。
【0051】
一般的に、説明されているロボット100に関する行動モードは、(1)カバレッジ行動モード;(2)エスケープ行動モード、および(3)安全行動モードとして特徴付けられ得る。カバレッジ行動モードは、ロボット100が効率的なおよび効果的な方法でその動作を実施することを可能にするように主に設計されており、一方、エスケープ行動モードおよび安全行動モードは、優先行動モードであり、優先行動モードは、ロボット100の通常動作が損なわれているということ(たとえば、障害物に遭遇した)、または、損なわれそうであるということ(たとえば、断崖が検出された)を、センサーシステムからの信号が示しているときに実装される。
【0052】
ロボット100に関して、代表的なおよび例示目的のカバレッジ行動モード(バキューミングに関する)は、(1)スポットカバレッジパターン;(2)障害物伝い(Obstacle-Following)(または、縁部クリーニング)カバレッジパターン、および、(3)ルームカバレッジパターンを含む。スポットカバレッジパターンは、ロボット100が、画定された作業エリアの中の限定されたエリア、たとえば、人通りの多いエリアをクリーニングすることを引き起こす。特定の実施形態では、スポットカバレッジパターンは、スパイラルアルゴリズムによって実装される(しかし、他のタイプのセルフバウンデッドエリアアルゴリズム(self-bounded area algorithms)、たとえば、多角形アルゴリズムも使用され得る)。スパイラルアルゴリズムは、ロボット100の外向きまたは内向きのスパイラル移動を引き起こし、スパイラルアルゴリズムは、マイクロプロセッサーから動力システムへの制御信号によって実装され、トラベルされる時間または距離の関数として、そのターン半径/複数のターン半径を変化させる(それによって、ロボット100のスパイラル移動パターンを増加/減少させる)。
【0053】
ロボット100に関する典型的な行動モードの先述の説明は、ロボット100によって実装され得る動作モードのタイプの代表であることが意図されている。上記に説明されている行動モードは、他の組み合わせで実装され得、また、他のモードが、特定の用途において、所望の結果を実現するように画定され得るということを当業者は認識することとなる。
【0054】
ナビゲーション制御システムは、有利には、ロボット100と組み合わせて使用され、(ロボット100の移動を制御する制御信号の形態の)決定論的構成部品を、ロボット100によって自律的に実装される運動アルゴリズム(ランダム運動を含む)に追加することによって、そのクリーニング効率を強化することが可能である。ナビゲーション制御システムは、ナビゲーション制御アルゴリズムの命令の下で動作する。ナビゲーション制御アルゴリズムは、所定のトリガーイベントの定義を含む。
【0055】
広く説明されると、ナビゲーション制御システムは、ナビゲーション制御アルゴリズムの命令の下で、ロボット100の移動活動をモニタリングする。1つの実施形態では、モニタリングされる移動活動は、さらに詳細に下記に説明されているように、ロボット100の「位置履歴」の観点から定義される。別の実施形態では、モニタリングされる移動活動は、ロボット100の「瞬間的な位置」の観点から定義される。
【0056】
所定のトリガーイベントは、ロボット100の移動活動の中の特定の出来事または条件である。所定のトリガーイベントが現実化すると、ナビゲーション制御システムは、制御信号を発生させ、制御信号をロボット100に連絡するように動作する。制御信号に応答して、ロボット100は、制御信号によって規定されている行為、すなわち、規定された行為を実装または実行するように動作する。この規定された行為は、ロボット100の移動活動の決定論的構成部品を表している。
【0057】
カメラ159は、ロボットをナビゲートするために使用され、また、他の動作使用のためのイメージを獲得するために使用され得る。いくつかの実施形態では、カメラ159は、VSLAMカメラであり、動作環境の中のフィーチャーおよびランドマークを検出し、マップを作成するために使用される。
【0058】
ロボット100がバキューミングしている間に、ロボット100は、静止しているドック200に定期的にアプローチすることとなる。ドック200との接触は、ドック200に損傷を与えるか、または、ドッキングを不可能にすることとなるエリアへドック200を移動させる可能性がある。したがって、回避機能性が望ましい。不注意な接触を回避するために、ドック200は、
図5に示されているように、回避信号BAを発生させることが可能である。回避信号BAは、バックストップ206の上部のエミッター232から送信されていることが示されている。ドック200からの回避信号BAの半径方向の範囲は、事前定義された工場設定、ユーザー設定、または他の考慮事項に応じて、変化することが可能である。最小でも、回避信号BAは、ロボット100との非意図的な接触からドック200を保護するのに十分な距離を投射することだけを必要とする。回避信号BA範囲は、用途に応じて、ドック200の周辺部を超えたところから、ドック200から最大で数フィートまで、および、数フィートを超えたところまで、延在することが可能である。
【0059】
回避信号BAは、全方向性の(すなわち、単一の平面)赤外線ビームであることが可能であるが、複数の単一の静止しているビームまたは信号などのような、他の信号も企図される。しかし、静止しているビームが使用される場合には、十分な数が、ドック200の周りの十分なカバレッジを提供し、ロボット100がそれらに遭遇する機会を増加させることが可能である。ロボット100の検出器152がエミッター232から回避信号BAを受信するときに、ロボット100は、必要に応じて、そのコースを変更し、ドック200を回避することが可能である。代替的に、ロボット100が、(再充電または他のドッキング目的のために)アクティブにまたはパッシブにドック200を探索する場合には、ロボット100は、たとえば、ドック200の周りを回ることなどによって、ドック200に向けてそのコースを変更することが可能であり、下記に説明されているように、ホーミング信号に遭遇する機会を増加させるようになっている。
【0060】
一般的に、回避信号BAは、ホーミング信号BR、BQであるように、変調およびコード化される。ビットエンコーディング方法、および、バイナリーコードは、ロボット100が複数のコードを同時に受信する場合にも、ロボット100がそれぞれの信号の存在を検出することができるように選択される。
【0061】
回避信号BAからの測定可能なレベルのIR放射線が検出器152にぶつかるときはいつでも、ロボットのIR回避行動がトリガーされる。1つの実施形態では、この行動は、IR信号が検出可能なレベルを下回るまで、ロボット100が適切な場所において左側へスピンすることを引き起こす。次いで、ロボット100は、その以前の運動を再開する。1つの実施形態では、検出器152は、勾配検出器として作用する。ロボット100がより高いIR強度の領域に遭遇するときには、ロボット100が適切な場所においてスピンする。検出器152がロボット100のフロントに装着されているので、および、ロボット100が後方へ移動しないので、検出器152は、ロボット100の他のパーツの前の増加するIR強度を常に「見ている」。したがって、適切な場所においてスピンすることは、検出器152が強度の減少した領域へ移動することを引き起こす。ロボット100が次に前方へ移動するときに、ロボット100は、必ずしも、回避信号BAから離れるように、IR強度の減少した領域へ移動するわけではない。
【0062】
他の実施形態では、ドック200は、異なるパワーレベルにおける複数のコード化されたエミッターを含むか、または、時分割多重化のシステムを使用してそれらのパワーレベルを変化させるエミッターを含む。これらは、同心円状のコード化された信号リングを生成させ、ロボット100が部屋の中で遠くに離れたところからドック200に向けてナビゲートすることを可能にする。したがって、ロボット100は、常にドック200の存在を知ることとなり、ドック200を位置付けすること、ドッキングすること、部屋のどの程度がクリーニングされたかを決定することなどを促進させる。代替的に、ロボット100は、IRフィールドを通るその運動を使用し、IRエネルギーの勾配を測定する。勾配のサインがマイナスであるときには(すなわち、検出されるエネルギーが運動とともに減少しているとき)、ロボット100は、(IR供給源から離れるように)真っ直ぐに進む。勾配のサインがプラスであるときには(エネルギーが増加しているとき)、ロボット100はターンする。正味の効果は、ロボット100が回避信号BAの供給源から逃げている状態で、「勾配降下アルゴリズム」を実装することである。また、この勾配方法は、放出された信号の供給源を探索するために使用され得る。変化するパワーレベルにおける同心円状のリングは、生信号強度の決定のための手段を備えなくでも、この可能性を促進させる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ドッキングするために、システム10は、ドッキング手順を実行する。ドッキング手順は、ドッキングベイDBの中の最終的な規定されたドッキング位置DP(
図1)の中にロボット100がある状態で終了する。ドッキング位置DPは、正確な目標のドッキング位置からの許容された公差または偏差を含むことが可能である。
【0064】
ロボット100は、その探索モードをとることが可能であり、また、ロボット100がそのバッテリーを再充電する必要性を検出するときに、または、ロボット100が部屋をバキューミングすることを完了したときに、ドック200を探索することが可能である。また、ロボット100上のボタンなどのようなハードウェアインターフェースを作動させることによって、および/または、ポータブル電子デバイス(たとえば、スマートフォンアプリ)を使用することによって、このモードはトリガーされ得る。
【0065】
ドッキング手順において、ロボット100は、ホーミング信号BR、BQ(
図7)およびその方向検出器156を使用し、ロボット100をガイドする。上記の回避信号BAと同様に、ホーミング信号BR、BQの投射される範囲および配向は、所望の通りに変化させられ得る。しかし、より長い信号は、ロボット100がドック200を効率的に見つける機会を増加させることが可能であるということが留意されるべきである。また、ドック200をランダムに位置付けすることが異常に時間のかかるものである可能性がある場合において、ロボット100がとりわけ大きい部屋に展開されている(deployed)場合には、より長い信号が有用である可能性がある。プラットフォーム210のフロントを超えておおよそ6インチから、プラットフォーム210を超えて最大で数フィートまで、および、数フィートを超えたところまで延在するホーミング信号BR、BQ範囲が、用途に応じて企図される。ホーミング信号BR、BQの角度の幅は、用途に応じて変化することが可能であるが、5°から最大で60°および60°を超えるまでの範囲にある角度の幅が企図される。それぞれのホーミング信号BR、BQの角度の幅は、ホーミング信号BR、BQのビームまたはスウィープによってカバーされるエリアであることが可能であり得、いくつかの実施形態では、概してまたは実質的に切頭円錐形状になっている。また、上記に説明されているような勾配行動は、ドック200を探し出す際にロボットを支援するために使用され得る。
【0066】
2つのホーミング信号BR、BQは、たとえば、第1のまたは横方向右側のホーミング信号BRおよび第2のまたは横方向左側のホーミング信号BQとして、ロボット100によって区別可能である。IRビームは、信号を作り出すために使用されており、したがって、見ることはできない。IRビームは変調され得る。ロボット100がどの信号が特定の側部に配向するべきであるかということを認識するという前提で、任意の信号ビットパターンが使用され得る。代替的に、信号BR、BQは、異なる波長を使用することによって、または、異なるキャリア周波数(たとえば、380kHz対38kHzなど)を使用することによって、区別され得る。
【0067】
したがって、ロボット100がドッキングすることを望むかまたは必要とするときに、検出器156がドック200から送信する右側信号BRを受信する場合には、ロボット100は、ロボットの右側に右側信号BRを維持するように移動し、また、ロボット100がドック200から送信する左側信号BQを検出する場合には、ロボット100は、ロボットの左側に左側信号BQを維持するように移動する。2つの信号が重複している場合(重複ゾーンBO)、ロボット100は、ドック200が近くにあるということを知り、次いでドッキングすることが可能である。そのようなシステムは、重複ゾーンBOを実用的に可能な限り細くするように最適化され得、ロボット100の適正な配向およびアプローチ、ならびに、成功的なドッキングを確実にする。代替的に、右側信号BRおよび左側信号BQは、単一の信号によって交換され得、ロボット100は、ドッキングされるまで、その単一の信号に追従することとなる。
【0068】
図7は、ホーミング信号を利用するドッキング手順の間にロボット100が横断する例示的な経路RPを示している。検出器156が左側信号156フィールドにあるときに、ロボット100は、その左側信号BQをロボット100の左側に維持しようと努力して、方向MRに、右側に向かって移動することとなる。したがって、検出器156が右側信号BRフィールドにあるときに、ロボット100は、その右側信号BRを検出器156の右側に維持しようと努力して、方向MLに、左側に向かって移動することとなる。最後に、検出器156が重複ゾーンBOに遭遇するときに、ロボット100は、ドック200に向けて直接的に方向MDに移動することとなる。
【0069】
ドック200にアプローチする間に、ロボット100は、そのアプローチの速度を遅くすることが可能であり、および/または、バキューミングを継続しないか、または、他の機能を実施し、トラブルのないドッキングを確実にすることが可能である。ロボット100が回避信号BA検出するときに、したがって、ロボット100がドック200の近くにいるということを認識するときに、または、いくつの他の所定の時間において、たとえば、エミッター234R、234Lからの信号の変化のときに、これらの動作が起こることが可能である。
【0070】
他の実施形態では、ドッキング手順においてロボット100をガイドするために、カメラ159(たとえば、VSLAMカメラ)が、ドック200を検出するために使用される。また、カメラ159は、上記に議論されているようなVSLAM技術を使用してマップを作成および使用するために使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、カメラ159は、物体またはフィーチャー(たとえば、額縁、ならびに、戸口のフレームおよび縁部)を見るように、(たとえば、床の上方の3~8フィートの場所を見るために)上向きに狙いを定められており、これらのランドマーク(すなわち、フィーチャーのグループ)に対してロボット100をマッピングして位置を特定するようになっている。
【0071】
ナビゲーションビーコンとして動作することに加えて、ホーミング信号BR、BQおよび/または回避信号BAは、また、情報を送信するために使用され得、その情報は、プログラミングデータ、フェイルセーフおよび診断情報、ドッキング制御データおよび情報、メンテナンスおよび制御シーケンスなどを含む。そのような実施形態では、ドック200からの特定の信号に接触するときに特定のアクションをとるロボット100とは対照的に、信号が、制御情報を提供することが可能であり、ロボットの反応を指図する。そのケースでは、ロボット100は、むしろドック200のスレーブとして機能し、送られる信号によって命令されるように動作する。他の実施形態では、別々のIR LEDおよびエミッターが、データ、情報などを送信するために使用され得る。ロボット100とドック200との間に双方向の通信が存在することが可能である。
【0072】
ドッキング手順において、ロボット100は、本明細書において説明されているナビゲーション支援を使用し、ドック200に対するロボット100の横方向アライメント、ドック200に対するロボット100の角度配向、および/または、ドック200の中への(すなわち、バックストップ206に近接する)ロボット100の深さ方向位置を調節することが可能である。
【0073】
一般的に、バキューミングのための制御シーケンスは、ロボット100の測定されるエネルギーレベルに基づいて、3つのサブシーケンスを含むことが可能である。それらは、一般的に、高エネルギーレベル、中間エネルギーレベル、および低エネルギーレベルとして参照される。高エネルギーレベルサブシーケンスにおいて、ロボット100は、ドック200を回避しながら、その所定のタスク、このケースでは、バキューミングを実施する(上記に説明されているようなさまざまな行動モードを利用する)。ドック200を回避するときに、ロボット100は、その回避行動を実施し、通常通り動作し続ける。ロボット100がそのエネルギーレベルを継続的にモニタリングしながら、このプロセスは継続する。たとえば、クーロメトリー(すなわち、電力源に進入する電流および電力源を離れる電流を常に測定すること)、または、電力源の中に残っている電圧を単に測定することなど、電力源のエネルギーレベルをモニタリングするために、さまざまな方法が利用可能である。ロボット100の他の実施形態は、単に、タイマー、および、メモリーの中に記憶されているルックアップテーブルを用い、ロボット100が異なるエネルギーレベルサブシーケンスに進入する前に、どれくらい長くロボット100が動作することが可能であるかということを決定することが可能である。さらに他の実施形態は、ロボット100がどのエネルギーレベルサブシーケンスにおいて動作しているかということを決定することなく、単に、再充電の前に所定の時間期間にわたって、ロボット100を動作させることが可能である。ロボット100が液体燃料または気体燃料によって動作する場合には、このレベルは、また、当技術分野で現在公知のデバイスによって測定され得る。
【0074】
残っているエネルギーが所定の高いレベルを下回って降下すると、ロボット100は、その中間エネルギーレベルシーケンスに進入する。ロボット100は、バキューミングをし続け、また、そのエネルギーレベルをモニタリングし続ける。しかし、中間エネルギーレベルにおいて、ロボット100は、ドック200を「パッシブに探索する」。ドック200をパッシブに探索する間に、ロボット100は、そのトラベル特性を変更しない。むしろ、ロボット100が回避信号BAまたはホーミング信号BR、BQを検出するまで、ロボット100は、その通常の行動モードを継続し、回避信号BAまたはホーミング信号BR、BQのそれぞれは、ロボット100が最終的にドック200とドッキングするまで追従され得る。換言すれば、ロボットが通常はそうであるように、ドック200を回避するというよりもむしろ、パッシブに探索する間にロボットが回避信号BAを検出する場合には、ロボットがホーミング信号BRまたはBQを検出するまで、ロボットはそのトラベル特性を変更し、したがって、ロボットがドッキングすることを可能にする。
【0075】
代替的に、ロボット100が所定の低いレベルを下回るエネルギーレベルを登録するまで、ロボット100は、この中間エネルギーレベルサブシーケンスにおいて動作し続ける。このポイントにおいて、ロボット100は、低レベルサブシーケンスに進入し、それは、動作およびトラベル特性の変化によって特徴付けられている。エネルギーを節約するために、ロボット100は、すべての付随的なシステム、およびバキューミングなどのような動作に給電することを中断することが可能であり、ドック200に関して「アクティブに探査する」ために、ロボット100が可能な限りエネルギーを節約することを可能にする。アクティブに探査する間に、ロボット100は、そのトラベル特性を変更し、ドック200を見つけるその機会を増加させることが可能である。それは、スパイラル移動を用いるものなどのような、行動モードを中断することが可能であり、それは、壁伝いなどのようなより意図的なモードに有利に、必ずしも、ドック200を位置付けする、より高い機会を生成させるわけではない。この意図的に探索することは、回避信号BAまたはホーミング信号BR、BQのいずれかを検出することによって、ロボット100がドック200の存在を検出するまで継続することとなる。明確には、追加的なサブシーケンスが組み込まれ得、それは、残っているパワーが臨界レベルに到達するときに、アラームを鳴らし、または、それは、ドック200に最後に接触してからロボット100がとったルートを再構築し、ドック200を再位置付けすることを支援する。
【0076】
また、ロボット100がその割り当てられたタスク(たとえば、部屋をバキューミングすること)を完了したということ、または、そのビンが空にされる必要があるということを決定したことに起因して、ロボット100は、ドッキングすることが可能である。ロボット100は、さまざまな要因に基づいて、この決定を行うことが可能であり、その要因は、部屋サイズ、合計ランタイム、トラベルされる合計距離、ダートセンシングなどに関する考慮事項を含む。代替的に、ロボットは、ドック200および/または壁部および大きい物体を基準点として使用して、ルームマッピングプログラムを用いることが可能である。それがそのタスクを完了したということを決定すると、ロボット100は、ドック200を迅速に見つけるために、そのトラベル特性を変更することとなる。ドック200は、充電システム(すなわち、充電ドック)だけを含むことが可能であり、または、充電システムおよびエバキュエーションシステムもしくはステーションの両方を含むことが可能であり、バキュエーションシステムもしくはステーションは、ロボット100のビンから破片を空にするように動作する。
【0077】
ロボット100がドッキング位置になると、ロボット100は、自分自身で自律的に再充電することが可能である。ドック200の中の回路は、ロボット100の存在を検出し、次いで、充電接点222A、222Bへの充電電圧をスイッチオンする。
【0078】
ドック200とドッキングされている間に、ロボット100は、また、他のメンテナンスまたは診断チェックを実施することが可能である。特定の実施形態では、ロボット100は、さまざまな要因に基づいて、その電力源を完全に再充電するか、または、部分的にだけそれを充電することが可能である。また、ドッキング位置にある間に、診断機能、内部メカニズムクリーニング、ネットワークとの通信、または、データ操作機能などのような、他の行動も実施され得る。
【0079】
プラットフォーム206は、第1および第2のランプ240A、240Bなどのような、第1および第2のランプ機構を含む。ロボット100は、アプローチ位置(
図8)とドッキング位置(
図13)との間で移動可能であり、アプローチ位置では、ロボット100がプラットフォーム206から間隔を離して配置された状態になっており、ドッキング位置では、ロボット100がプラットフォーム206上にあり、ドッキングステーション充電接点222A、222Bがロボット充電接点164A、164Bと係合された状態になっている。より詳細に下記に説明されているように、ロボット100がアプローチ位置からドッキング位置へ移動するときに、ロボット100がランプ機構に係合し、ロボットのクリーニングモジュール143がドッキングステーション充電接点222A、222Bの上方に持ち上げられるように、第1および第2のランプ機構が位置決めおよび構成されている。したがって、ドッキングステーション充電接点の上および上方にクリーニングモジュールを上昇させることによって、ロボットがドッキングステーションプラットフォーム上に乗り入れるときに、ランプ機構は、ロボットがドッキングステーション充電接点に損傷を与えることを防止することを助ける。
【0080】
図5を参照すると、第1のランプ240Aは、第1のトラック216A上にあり、第2のランプ240Bは、第2のトラック216B上にある。第1および第2のランプ240A、240Bのそれぞれは、立ち上がった平坦な表面242、第1の傾いたまたは傾斜した表面244、および、第2の傾いたまたは傾斜した表面246を含むことが可能である。第1の傾斜した表面244は、立ち上がった平坦な表面242から、プラットフォーム204のフロント208に向けて、下向きに延在することが可能であり、第2の傾斜した表面246は、立ち上がった平坦な表面242から、プラットフォーム204のリア210に向けて、下向きに延在することが可能である。
【0081】
ドック200は、クリーニング表面S上に置かれ得る。ランプ240A、240Bのそれぞれ(または、立ち上がった表面242のそれぞれ)は、クリーニング表面Sに対して、7mmから10mmの間の高さH1を有することが可能であり、いくつかの実施形態では、クリーニング表面Sに対して、8.5mmの高さH1を有している。充電接点222A、222Bのそれぞれは、クリーニング表面Sの上方に、14mmから18mmの間の距離H2だけ延在することが可能であり、いくつかの実施形態では、クリーニング表面Sの上方に、16mmの距離H2だけ延在することが可能である。
【0082】
プラットフォーム204の左側部212、および/または、第1のトラック216Aは、第2の平坦な表面248Aを含むことが可能であり、第2の平坦な表面248Aは、第1のランプ240Aの第2の傾斜した表面246からプラットフォーム204のリア210に向けて延在している。同様に、プラットフォーム204の右側部214、および/または、第2のトラック216Bは、第2の平坦な表面248Bを含むことが可能であり、第2の平坦な表面248Bは、第2のランプ240Bの第2の傾斜した表面246からプラットフォーム204のリア210に向けて延在している。
【0083】
プラットフォーム204の中央部218は、立ち上がった表面252、および、第1の傾いたまたは傾斜した表面254を含むことが可能であり、第1の傾斜した表面254は、立ち上がった表面252からプラットフォーム204のフロント208に向けて下向きに延在した状態になっている。立ち上がった表面252は、平坦または実質的に平坦であることが可能である。第1および第2の充電接点222A、222Bは、立ち上がった表面252上にある。充電接点222A、222Bのそれぞれは、立ち上がった表面252に対して、2mmから5mmの間の高さH3を有することが可能であり、いくつかの実施形態では、立ち上がった表面252に対して、3.7mmの高さH3を有することが可能である。立ち上がった表面252は、第1のランプ240Aおよび第2のランプ240Bのそれぞれの第2の傾斜した表面246、ならびに/または、プラットフォーム204の左側部212および右側部214のそれぞれの第2の平坦な表面248A、248Bの垂直方向上方に位置決めされ得る。
【0084】
プラットフォーム204の中央部218は、第2の傾いたまたは傾斜した表面256および第2の平坦な表面258を含むことが可能である。第2の傾斜した表面256は、立ち上がった表面252から第2の平坦な表面258へ下向きに延在している。第2の平坦な表面258は、第2の傾斜した表面256からプラットフォーム204のリア210に向けて延在している。
【0085】
図8から
図13は、アプローチ位置(
図8)からドッキング位置(
図13)へシーケンシャルに移動するロボット100を図示している。
図5、
図6、および
図9を参照すると、ロボット100がドック200にアプローチするときに、ロボット100のフロント部分の中のクリーニングモジュール143は、ランプ240A、240Bの第1の傾斜した表面244に係合し、それに沿って乗り上がり、次いで、ランプ240A、240Bの立ち上がった表面242に係合し、それに沿って乗る。
【0086】
図5、
図6、および
図10を参照すると、ロボット100のホイール132は、ランプ240A、240Bの第1の傾斜した表面244を転がって上がり、それに応答して、クリーニングモジュール143は、ドック充電接点222A、222Bにアプローチするときに、(たとえば、プラットフォーム204から離れて)上向きに上昇する。
図5、
図6、および
図11を参照すると、ホイール132がランプ240A、240Bの立ち上がった表面242へ転がるときに、クリーニングモジュール143は、さらに上向きに上昇し、ドック充電接点222A、222Bの垂直方向上方に位置決めされる。
【0087】
図11を参照すると、ロボット100は、ランプ240A、240Bとの係合に起因して、水平方向に対して傾き角度A1を有している。傾き角度A1は、ハウジングの底部114とクリーニング表面Sとの間で測定され得る。傾き角度A1は、6度から11度の間であることが可能であり、いくつかの実施形態では、約8.5度である。
【0088】
図5、
図6、および
図12を参照すると、ホイール132がランプ240A、240Bの立ち上がった表面242に沿って転がるときに、クリーニングモジュール143は、ドック充電接点222A、222Bの上方に上昇したままになっており、ドック充電接点222A、222Bを通り過ぎる。ロボット100の重心CGは、ホイール132の後ろにあり、上述のアクションを促進させることが可能である。
【0089】
図5、
図6、および
図13を参照すると、ホイール132がランプ240A、240Bの第2の傾斜した表面246に到達し、それを転がって下りるときに、クリーニングモジュール143は、ドック充電接点222A、222Bを通過または実質的に通過し、クリーニングモジュール143およびロボット100は、ドッキング位置へ降下する。ドッキング位置では、ロボット充電接点164A、164B(
図3)は、ドック充電接点222A、222B(
図5)に係合している。
【0090】
ドッキング位置では、ロボットハウジングの底部114は、第1および第2のランプ240A、240Bの立ち上がった平坦な表面242から間隔を離して配置され得る。これは、ロボット100がドック200に進入し、ドック200を出て行くときに、ロボット100の底部上の摩耗を低減させることが可能である。
【0091】
ドッキング位置では、ロボット100の左側ホイール132は、ランプ240Aの第2の傾斜した表面246、および/または、ドックプラットフォーム204の左側部212の第2の平坦な表面248A上にあることが可能である。ドッキング位置では、右側ホイール132は、ランプ240Bの第2の傾斜した表面246、および/または、ドックプラットフォーム204の右側部214の第2の平坦な表面248B上にあることが可能である。ドッキング位置では、ロボット100のクリーニングモジュール143は、ドックプラットフォーム214の中央部218の第2の平坦な表面258上にあることが可能である。
【0092】
ロボットがドッキング位置から展開されるときに、ランプ240A、240Bは、ロボットおよびその構成部品が上述のモーションとは逆に動くことを引き起こす。したがって、ロボット100が展開されるときに、クリーニングモジュール143は、ホイール132がランプ240A、240Bに係合しているので、ドック充電接点222A、222Bの上方に上昇させられる。
【0093】
クリーニングモジュール143は、ロボット100のフロントに、および、グランドレベルに位置付けされており、したがって、ロボット100がその充電位置またはドッキング位置にアプローチするときに、ドック充電接点222A、222Bに擦れる可能性を有しており、それによって、充電接点222A、222Bの寿命にリスクをもたらす。本発明者らは、ドックプラットフォーム204上にランプ240A、240Bを含むことによって、この問題に対処し、上記に説明されているように、クリーニングモジュール143が充電接点222A、222Bの上および上方に持ち上げられるようになっている。
【0094】
図14および
図15は、本発明の1つの実施形態によるエバキュエーションドック300を示している。エバキュエーションドック300は、ハウジング302を含み、ハウジング302は、実質的に水平方向のベースプレートまたはプラットフォーム304および実質的に垂直方向のタワーまたはバックストップ306の両方を含む。ドッキングベイDBは、プラットフォーム304の上方に、および、バックストップ306のフロントに画定されている。エバキュエーションドック300は、さまざまな形状またはサイズのいずれかであることが可能であり、下記に説明されている、所望の構成部品およびシステムのために十分なスペースを提供している。
【0095】
プラットフォーム304は、フロント308およびリア310を含み、タワー306がプラットフォーム304のリア310にある状態になっている。プラットフォーム304は、左側部312および右側部314を含む。第1のまたは左側のトラック316Aは、プラットフォーム304の左側部312上にあり、第2のまたは右側のトラック316Bは、プラットフォーム304の右側部314上にある。プラットフォーム304は、左側部312と右側部314との間に中央部318を含む。
【0096】
エバキュエーション吸い込みポート364が、中央部318の中に画定されている。エバキュエーション吸い込みポート364は、プラットフォーム310の横方向中心線、および、トラック316Aとトラック316Bとの間の中間点からオフセットされている。
【0097】
プラットフォーム304は、バックストップ320に向けて上向きの角度で傾斜を付けられ得る。
【0098】
エバキュエーションドック300は、充電サブシステム320、通信/ガイダンスシステム330、ドックコントローラー324、およびパワー入力コネクター326(電源(図示せず)に接続されている)を含み、それらは、下記に議論されているものを除いて、それぞれ、充電サブシステム220、通信/ガイダンスシステム230、ドックコントローラー224、およびパワー入力コネクター226に対応しており、それらと同じ方法で動作する。エバキュエーションドック300は、回避エミッター332および指向性エミッター334R、334Lを含むことが可能であり、それらは、それぞれ、回避エミッター232および指向性エミッター234R、234Lに対応している。
【0099】
充電サブシステム320は、充電回路321を含み、充電回路321は、プラットフォーム304の中央部318上に第1および第2の充電接点322A、322Bを含む。充電接点222A、222Bと同様に、充電接点322A、322Bは、ロボット100がドック300上のドッキング位置にあるときに、ロボット100の充電接点164A、164B(
図3)に係合するように構成されている。充電接点322A、322Bは、ばね荷重式であることが可能である。
【0100】
エバキュエーションドック300は、破片エバキュエーションシステム360をさらに含む。エバキュエーションシステム360は、タワー306の中の破片ビン362(それは、除去可能であり得る)と、プラットフォーム304の中に位置付けされているエバキュエーションポート364と、ポート364をビン362に流体接続する1つまたは複数のダクトと、エバキュエーションポート364からビン362の中へ破片を引き込むように構成されている吸い込みファン364とを含む。
【0101】
ホイールトラック316A、316Bは、ロボットの駆動ホイール132を受け入れ、エバキュエーション吸い込みポート364との適正なアライメントで、プラットフォーム304上にロボット100をガイドするように設計されている。ホイールトラック316A、316Bは、窪んだホイールウェル349A、349Bを含み、窪んだホイールウェル349A、349Bは、それぞれ、駆動ホイール132を適切な場所にそれぞれ保持し、プラットフォーム304に対してロボット100を積極的に整合させて位置付けし、ドッキングされたときに、ロボット100が傾いたプラットフォーム304を非意図的にスライドして下りることを防止する。
【0102】
ロボット100は、ドック200に関連して上記に説明されているように、プラットフォーム304上へ、および、エバキュエーションドック300のドッキングベイDBの中へ前進することによって、エバキュエーションドック300とドッキングすることが可能である。エバキュエーションドック300がロボット100を受け入れると、吸い込みファン364が真空を発生させ、真空は、ロボット100のクリーニングビン145からプラットフォーム304を通して破片ビン362の中へ破片を引き込む。
【0103】
ロボット100がドッキングベイDBの中の規定されているドッキング位置にドッキングされているときに、ロボット充電接点164A、164Bは、ドック充電接点322A、322Bと垂直方向に整合させられ、ドック充電接点322A、322Bに係合している。追加的に、ロボット100のエバキュエーションポート120は、エバキュエーションドック300のエバキュエーションポート364と整合させられ、それと接触した状態になっているか、または、それと近接した状態になることとなる。
【0104】
ロボット100は、ドック200に関して上記に説明されているものと同じ方法で、エバキュエーションドック300を回避し、発見し、およびアプローチすることが可能である。ロボットは、ホイール132を捕らえるために、ホイールウェル349A、349Bに依存することが可能であり、それによって、ロボットを積極的に整合および位置決めし、ロボットがドッキングアプローチの最終的な部分において適正に整合させられることを確実にする。
【0105】
図14および
図15を参照すると、プラットフォーム306は、第1および第2のリブ340A、340Bなどのような、第1および第2のランプ機構を含む。ロボット100は、アプローチ位置(
図16)とドッキング位置(
図21)との間で移動可能であり、アプローチ位置では、ロボット100がプラットフォーム306から間隔を離して配置された状態になっており、ドッキング位置では、ロボット100がプラットフォーム306上にあり、ドッキングステーション充電接点322A、322Bがロボット充電接点164A、164Bと係合された状態になっている。より詳細に下記に説明されているように、ロボット100がアプローチ位置からドッキング位置へ移動するときに、ロボット100がランプ機構に係合し、ロボットのクリーニングモジュール143がドッキングステーション充電接点322A、322Bの上方に持ち上げられるように、第1および第2のランプ機構が位置決めおよび構成されている。したがって、ドッキングステーション充電接点の上および上方にクリーニングモジュールを上昇させることによって、ロボットがドッキングステーションプラットフォーム上に乗り入れるときに、ランプ機構は、ロボットがドッキングステーション充電接点に損傷を与えることを防止することを助ける。
【0106】
図14を参照すると、第1のリブ340Aは、プラットフォーム304の中央部318上に、または、プラットフォーム304の左側部312とプラットフォーム304の中央部318との間のインターフェースにある。第2のリブ340Aは、プラットフォーム304の中央部318上に、または、プラットフォーム304の右側部314とプラットフォーム304の中央部318との間のインターフェースにある。第1および第2のリブ340A、340Bのそれぞれは、立ち上がった平坦な表面342と、第1の傾いたまたは傾斜した表面344と、第2の傾いたまたは傾斜した表面346とを含むことが可能である。第1の傾斜した表面344は、立ち上がった平坦な表面342からプラットフォーム304のフロント308に向けて下向きに延在することが可能であり、第2の傾斜した表面346は、立ち上がった平坦な表面342からプラットフォーム304のリア310に向けて下向きに延在することが可能である。
【0107】
リブ340A、340Bのそれぞれは、プラットフォーム304の傾いたまたは傾斜した表面354上にあることが可能である。
図15を参照すると、リブ340A、340Bのそれぞれは、傾斜した表面354に対して、3mmから8mmの間の高さH4を有することが可能であり、いくつかの実施形態では、傾斜した表面354に対して、5.5mmの高さH4を有することが可能である。充電接点322A、322Bは、充電接点222A、222Bが立ち上がった表面252の上方に突出する(
図5)のと同じ距離またはほぼ同じ距離だけ、傾斜した表面354の上方に突出することが可能である。
【0108】
図16から
図21は、アプローチ位置(
図16)からドッキング位置(
図21)へシーケンシャルに移動するロボット100を図示している。
図14、
図15、および
図17を参照すると、ロボット100のホイール132がドックプラットフォーム304と最初に接触するときに、ロボット100のフロント部分の中のクリーニングモジュール143は、リブ340A、340Bの第1の傾斜した表面344に係合し、それに沿って乗り上がり、次いで、プラットフォーム304の上方にクリーニングモジュール143を上向きに上昇させる。
図14、
図15、
図18、および
図19を参照すると、ロボット100がドック300上に進み続けるときに、クリーニングモジュール143は、リブ340A、340Bの立ち上がった表面342に係合し、それに沿って乗る。これは、クリーニングモジュール143が充電接点322A、322Bを通過するときに、クリーニングモジュール143が充電接点322A、322Bの上方に上昇させられた状態に維持する。
【0109】
図14、
図15、
図20、および
図21を参照すると、クリーニングモジュール143が充電接点322A、322Bを通過した後に、クリーニングモジュール143は、リブ340A、340Bの第2の傾斜した表面346に乗って下がる。結果として、クリーニングモジュール143を含むロボット100は、ドックプラットフォーム304上に降下する。
図21に示されているドッキング位置では、ドック充電接点322A、322Bは、ロボット充電接点164A、164Bに係合している。ドッキング位置では、ロボットホイール132は、ホイールウェル149A、149Bの中に保持されている。
【0110】
図3を参照すると、第1および第2の凹部またはポケット180A、180Bが、ロボットハウジングの底部114に形成されている。ロボットがドッキング位置にあるときに、第1のポケット180Aは、第1のリブ140Aを受け入れるようにサイズ決めおよび位置決めされており、第2のポケット180Bは、第2のリブ140Bを受け入れるようにサイズ決めおよび位置決めされている。第1のポケット180Aは、左側ロボットホイール132に隣接していることが可能であり、第2のポケット180Bは、右側ロボットホイール132に隣接していることが可能である。
【0111】
ロボットがドッキング位置から展開されるときに、リブ340A、340Bは、ロボットおよびその構成部品が上述のモーションとは逆に動くことを引き起こす。したがって、ロボット100が展開されるときに、クリーニングモジュール143は、クリーニングモジュール143がリブ340A、340Bに係合しているので、ドック充電接点322A、322Bの上方に上昇させられる。
【0112】
クリーニングモジュール143は、ロボット100のフロントに、および、グランドレベルに位置付けされており、したがって、ロボット100がその充電位置またはドッキング位置にアプローチするときに、ドック充電接点322A、322Bに擦れる可能性を有しており、それによって、充電接点322A、322Bの寿命にリスクをもたらす。本発明者らは、ドックプラットフォーム304上にリブ340A、340Bを含むことによって、この問題に対処し、上記に説明されているように、クリーニングモジュール143が充電接点322A、322Bの上および上方に持ち上げられるようになっている。
【0113】
先述のものは、本発明の例示目的のためのものであり、それを限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の数個の例示的な実施形態が説明されてきたが、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において、多くの修正が可能であるということを当業者は容易に認識することとなる。したがって、すべてのそのような修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。したがって、先述のものは、本発明の例示目的のためのものであり、開示されている特定の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではないということ、ならびに、開示されている実施形態および他の実施形態に対する修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図されているということが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0114】
10 システム
100 バキュームクリーニングロボット
102 ロボットコントローラー
110 シャーシー
110A 前方端部
110B 後方端部
110C 底部壁部
111 ハウジングインフラストラクチャーまたはハウジング
112 上部カバー
114 底部またはアンダーキャリッジカバー
115 アンダーキャリッジ
116 変位可能なバンパー
118 内部メインチャンバー
120 エバキュエーションポート
122 排出ポート
126 電気エネルギー貯蔵バッテリー
130 動力システム
132 駆動ホイール
134 キャスター
136 電気駆動モーター
140 クリーニングシステム
142A 吸い込みスロットまたは開口部
142B プレナム
143 クリーニングモジュール
144 エクストラクター
145 クリーニングまたは破片ビン
145A 破片収集キャビティー
146 電気式真空ファン
147 フィルター
148 サイドブラシ
150 検出器システム
152 上部のまたは通信/ガイダンス信号レシーバーまたは検出器
153 近接センサーまたは壁伝いセンサー
154 クリフセンサー
156 前方方向レシーバーまたは検出器
157 光学マウスセンサー
159 カメラ
160 エネルギー管理または充電サブシステム
162 充電回路
164A、164B 充電接点
180A 第1の凹部またはポケット
180B 第2の凹部またはポケット
200 ベースステーションまたはドック
201 自動ドッキング制御システム
202 ハウジング
204 プラットフォーム
205 エネルギー管理システム
206 バックストップ
206A フロント壁部
208 フロント
210 リア
212 左側部
214 右側部
216A 第1のまたは左側のトラック
216B 第2のまたは右側のトラック
218 中央部
220 ドック充電サブシステム
221 充電回路
222A 第1の充電接点
222B 第2の充電接点
224 ドックコントローラー
226 パワー入力コネクター
230 通信/ガイダンスシステム
232 上部信号エミッター
234L 第2のまたは左側フロントのホーミング/アライメントエミッター
234R 第1のまたは右側フロントのホーミング/アライメントエミッター
240A 第1のランプ
240B 第2のランプ
242 立ち上がった平坦な表面
244 第1の傾斜した表面
246 第2の傾斜した表面
248A 第2の平坦な表面
248B 第2の平坦な表面
252 立ち上がった表面
254 第1の傾いたまたは傾斜した表面
256 第2の傾斜した表面
258 第2の平坦な表面
300 エバキュエーションドック
302 ハウジング
304 プラットフォーム
306 バックストップ
308 フロント
310 リア
312 左側部
314 右側部
316A 第1のまたは左側のトラック
316B 第2のまたは右側のトラック
318 中央部
320 充電サブシステム
321 充電回路
322A 第1の充電接点
322B 第2の充電接点
330 通信/ガイダンスシステム
324 ドックコントローラー
326 パワー入力コネクター
332 回避エミッター
334L、334R 指向性エミッター
340A 第1のリブ
340B 第2のリブ
342 立ち上がった平坦な表面
344 第1の傾いたまたは傾斜した表面
346 第2の傾いたまたは傾斜した表面
349A、349B 窪んだホイールウェル
354 傾斜した表面
360 破片エバキュエーションシステム
362 破片ビン
364 エバキュエーション吸い込みポート
A1 傾き角度
BA 回避信号
BO 重複ゾーン
BQ 第2のまたは横方向左側のホーミング信号
BR 第1のまたは横方向右側のホーミング信号
CG 重心
DB ドッキングベイ
DP ドッキング位置
F 前方駆動方向
FA 前後の軸線
H1 高さ
H2 距離
H3 高さ
H4 高さ
LA 横方向のまたは左右の軸線
MD 方向
ML 方向
MR 方向
R 逆進方向
RP 例示的な経路
S クリーニング表面
VA 垂直方向の軸線