(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】超軽量強化フレキシブルホース
(51)【国際特許分類】
F16L 11/08 20060101AFI20230126BHJP
D06M 15/248 20060101ALI20230126BHJP
D06M 15/693 20060101ALI20230126BHJP
D06M 15/564 20060101ALI20230126BHJP
D06M 15/507 20060101ALI20230126BHJP
B32B 1/08 20060101ALI20230126BHJP
B32B 29/02 20060101ALI20230126BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20230126BHJP
B32B 27/36 20060101ALI20230126BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
F16L11/08 B
D06M15/248
D06M15/693
D06M15/564
D06M15/507
B32B1/08 B
B32B29/02
B32B27/40
B32B27/36
B32B27/30 B
B32B27/30 C
(21)【出願番号】P 2019559323
(86)(22)【出願日】2018-06-27
(86)【国際出願番号】 IB2018054743
(87)【国際公開番号】W WO2019003130
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】102017000071472
(32)【優先日】2017-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】509008020
【氏名又は名称】フィット エッセピア
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セガリン,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】バッタリア,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィゴロ,ヴァレンチノ
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/078124(WO,A1)
【文献】特開2007-255541(JP,A)
【文献】国際公開第2016/098063(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/097823(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 11/08
D06M 15/248
D06M 15/693
D06M 15/564
D06M 15/507
B32B 1/08
B32B 29/02
B32B 27/40
B32B 27/36
B32B 27/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を移動させるための超軽量強化ガーデンフレキシブルホースであって、
-長手方向軸線(X)を規定し
、前記流体と接触する少なくとも1つの内側管状層(2)であり、前記少なくとも1つの内側管状層(2)が少なくとも1つの第1のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料で作られる、内側管状層(2)と、
-ユーザーによって把持されるように意図され、少なくとも1つの第2のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料で作られる少なくとも1つの外側カバー管状層(3)と、
-前記内層(2)と外層(3)との間に挿入される少なくとも1つの補強層(4)と
を備え、
前記少なくとも1つの補強層(4)が、前記軸線(X)に対して相互に対向するそれぞれの第1および第2の所定の傾斜(α、β)を少なくとも部分的に有する剛性のまたは僅かに弾性の紡織糸から成り、前記第1および第2の傾斜(α、β)の各々が、圧力を受けた前記ホースの前記伸張および膨張に対抗するように前記軸線(X)に対して45°と55°との間に含まれ、前記ホースは実質的に非伸張性であり、
前記少なくとも1つの第2のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料が、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される50から60までのショアA硬度を有し、
前記少なくとも1つの第1のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料が、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される50ショアAの最大ショアA硬度を有し、
摩耗に耐えることができる非常に軽いホースを得るために、前記少なくとも1つの第2のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料は、前記少なくとも1つの第1のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料より高い、又は、等しい硬度を有する、フレキシブルホース。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料が、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される30から50までの、および好ましくは35と45との間に含まれるショアA硬度を有する、請求項1に記載のホース。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1のおよび少なくとも1つの第2のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料が、1.20g/cm3よりも小さい、好ましくは1.05g/cm3よりも小さいまたはそれに等しい密度を有する、請求項1または2に記載のホース。
【請求項4】
前記少なくとも1つの内層(2)が、1.5mmと2.5mmとの間に含まれる、および好ましくは1.6mmと2mmとの間に含まれる厚さを有し、前記少なくとも1つの外層(3)が、0.05mmと0.5mmとの間に含まれる、および好ましくは0.1mmと0.4mmとの間に含まれる厚さを有するフィルムである、請求項1~3のうちのいずれかに記載のホース。
【請求項5】
前記第1および第2の傾斜(α、β)は、2バールの動作圧力下で、前記ホースがその前記初期長さに対して1.1倍だけ、好ましくはその前記初期長さに対して1.05倍の最大値までその前記最大長さを増加させるように選択される、請求項1~4のうちのいずれかに記載のホース。
【請求項6】
前記第1および第2の傾斜(α、β)は、2バールの動作圧力下で、前記ホースが初期内径に対して1.1倍だけ、好ましくは前記初期内径に対して1.05倍の前記最大値までその前記内径を増加させるように選択される、請求項1~5のうちのいずれかに記載のホース。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1のおよび/または少なくとも1つの第2のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料が、加硫熱可塑性エラストマー(TPE-V)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(PU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPE-E)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE-S)から成る群から選択される、請求項1~6のうちのいずれかに記載のホース。
【請求項8】
前記紡織糸が、-BISFA(Cap7)に従って測定される25%よりも小さい破断伸びを有する僅かに弾性の糸である、請求項1~7のうちのいずれかに記載のホース。
【請求項9】
前記剛性のまたは僅かに弾性の紡織糸が、-BISFA(Cap7)に従って測定され
る-少なくとも50cN/texの靭性を有する、請求項1~8のうちのいずれかに記載のホース。
【請求項10】
前記少なくとも1つの内側管状層(2)および前記少なくとも1つの外側カバー管状層(3)が、一体管状要素を形成するように互いに接合され、前記少なくとも1つの補強層(4)が、一体管状要素に埋め込まれる、請求項1~9のうちのいずれかに記載のホース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、フレキシブルホースの技術分野に関し、一般に、流体を移動させるための強化フレキシブルホース、特に水を移動させるためのガーデンホースに関する。
【背景技術】
【0002】
本文書においては、表現「織編用糸」またはその派生語は、長さの寸法がかなり優先する限りは、任意の形状の、および任意の材料で作られる細長い糸状要素を示すために使用される。例えば、織編用糸は、一体構造を有し得るポリマー糸であることができ、あるいは、これは、次にはいくつかの基本ヤーンの結合、または任意の形状の織布帯から成り得る。
【0003】
本文書においては、表現「螺旋状の織物層」もしくは「螺旋巻き」またはその派生語は、所定のピッチを持つ荷重支持層に螺旋状に巻き付けられる単一の糸、または、互いに重ねられない、好ましくは平行な荷重支持層に螺旋状に巻き付けられる糸のグループから成る層を示すために使用される。
【0004】
本文書においては、表現「クロスハッチング織物層」もしくは「クロスハッチング」またはその派生語は、対向する傾斜の荷重支持層に螺旋状に巻き付けられ、相互に重ねられるが、接続されていない少なくとも2本の糸または糸のグループから成る層を示すために使用される。したがって、クロスハッチングは、2つ以上の重ねられた螺旋巻きで出来ている。
【0005】
本文書においては、表現「トリコットタイプのチェーンステッチからなる編織物層」などは、荷重支持層に配置され、「トリコット」タイプの複数のチェーンステッチを形成するように相互に絡み合わせた少なくとも2本の糸または糸のグループから成る層を示すために使用される。
【0006】
本文書においては、表現「トリコットタイプのチェーンステッチ」などは、概して環状形状のループを形成するように隣接するワイヤと絡み合わせた織編用糸の一部(または単一の糸にグループ化された1組の糸)を示すために使用される。
【0007】
本明細書においては、トリコットタイプのチェーンステッチからなる編織物層の、表現「ステッチの列」などは、互いに鎖状に繋がれた「トリコットタイプのチェーンステッチ」によって規定される線を示すために使用される。
【0008】
本文書においては、トリコットタイプのチェーンステッチからなる編織物層の表現「ステッチのコース」などは、同じ糸に沿って2つの連続する「トリコットタイプのチェーンステッチ」を相互に連結する織編用糸の一部(または単一の糸にグループ化された1組の糸)を示すために使用される。
【0009】
本文書においては、表現「適合性材料」またはその派生語は、互いに化学的/物理的に適合性のある材料、すなわち、いったん結合されれば、接触面を通した引っ張りまたは切断の伝達を支えるのに適した継ぎ目を形成する材料を示すために使用される。したがって、最大の適合性は、同一の材料または同じベースのマトリックスを有する材料で観察されることになる。
【0010】
本文書においては、ポリマーの、表現「マトリックス」またはその派生語は、完成品の分子構造を提供することができるポリマー材料を示すために使用される。
【0011】
本文書においては、表現「に基づくマトリックス」またはその派生語とこれに続く所与のポリマー材料の名前は、その名前が完成品に対して、フレーズ「に基づくマトリックス」に続く所与のポリマー材料の分子構造を提供することができるポリマー材料を示すために使用される。
【0012】
本文書において、別段の定めがない限り、紡織糸またはその一部からなる層の、表現「傾斜」またはその派生語は、ホースの軸線に対する織物層またはその一部の傾斜を示すために使用される。
【0013】
本文書において、別段の定めがない限り、表現「剛性の紡織糸」またはその派生語は、-BISFA(Cap7)に従って測定される-10%よりも小さく、および好ましくは7%よりも小さい破断伸びを有する紡織糸を示すために使用される。
【0014】
本文書において、別段の定めがない限り、表現「僅かに弾性の紡織糸」またはその派生語は、-BISFA(Cap7)に従って測定される-10%よりも高く、および25%よりも小さく、および好ましくは20%よりも小さい破断伸びを有する紡織糸を示すために使用される。
【0015】
現時点での技術的水準
少なくとも1つの内層または基板、少なくとも1つの外層またはカバー、および少なくとも1つの強化織物層を含む、強化フレキシブルホース、特に灌水ホースまたはガーデンホースが知られている。
【0016】
内層および外層は、一般にポリマー材料、例えば可塑化PVCで作られるが、補強層は、ポリマー材料、例えばポリエステルで作られる紡織糸から成る。
【0017】
上層に起因する応力に耐えるために、内層は、通常、外層よりも大きい硬度を有する。一般に、内層のショアA硬度は、75~85になり、外層のショアA硬度は、60~70になる。
【0018】
この種の知られているホースは、リニアメーター当たりの過大な重量というよく知られている欠点を有する。これにより、ホースは取り扱うのにあまり実用的でなくなり、一般的にユーザーに対してあまり魅力がなくなる。
【0019】
実際のところ、ホースが作られるポリマー材料は、一方では良好な機械的特徴を与えるが、それらはすべて、他方ではかなり高密度を有し、これは、前述の高い重量につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、非常に有効で比較的経済的な強化フレキシブルホースを提供することによって、上で概説された欠点を少なくとも部分的に克服することである。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、超軽量強化フレキシブルホースを提供することである。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、良好な寸法安定性を持つ強化フレキシブルホースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
以下でより明らかになるであろうこれらおよび他の目的は、本明細書において説明され、図示され、かつ/または請求されるものによる強化フレキシブルホースによって達成される。
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に従って定義される。
【0024】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を参照して非限定的な実施例として示される本発明のいくつかの好ましいが非排他的な実施形態の詳細な説明を考慮するとより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】強化フレキシブルホース1の第1の実施形態の概略図である。
【
図2】強化フレキシブルホース1の第2の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
前述の図を参照すると、その全体が参照番号1で示される本発明によるフレキシブルホースは、一般に液体を移動させるために特に有用であり得る。例えば、フレキシブルホース1は、水、特に飲料水を移動させるためのガーデンホースまたは灌水ホースであり得る。
【0027】
好ましいが非排他的な実施形態においては、フレキシブルホース1は、例えばエラストマーまたは熱可塑性エラストマーで作られ得る内側管状層2と、例えばエラストマーまたは熱可塑性エラストマーで作られ得る外側カバー管状層3と、それらの間に挿入される、例えばポリエステル糸で作られ得る1つまたは複数の補強層4とからなり得る。
【0028】
補強層4は、-概して正方形形状の、長方形形状の、または菱形形状の-その一部を自由にしておくように、それを支持する層の上に、例えば内層2の上に配置され得ることは明らかである。したがって、上層、例えば外層3は、例えば、そのような自由な部分で、適合性のある場合は材料を接着しまたは溶解することによって下層と結合され得る。
【0029】
言い換えれば、内側管状層2および外側管状層3は、一体管状要素を画定するように互いに一体に接合されることができ、補強層4は、その中に埋め込まれる。
【0030】
ホース1の軸線Xを規定し得る内側管状層2は、移動されるべき液体と接触するように指定されることができるが、外側カバー層3は、ユーザーによって把持されるように指定され得る。
【0031】
また、織物およびポリマーの両方の他の追加の層が、添付の特許請求の範囲によって概説された保護の範囲から逸脱することなく、さまざまな層の間に備えられ得る。
【0032】
内層2のおよび外層3のエラストマーまたは熱可塑性エラストマーは、加硫熱可塑性エラストマー(TPE-V)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(PU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPE-E)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE-S)からなる群から選択され得る。
【0033】
例えば、内層2および外層3の材料は、ポリプロピレン系マトリックス(PP)、例えばNilflex(登録商標)SH(Taro Plast SpA)を有するスチレン系熱可塑性エラストマー(TPE-S)であってもよい。
【0034】
内層2および外層3が作られる材料は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多かれ少なかれ同じであることがあることは明らかである。
【0035】
内層2および外層3の材料は、相互に適合性があり得ることが好ましい。
内層2および外層3の材料は、有利なことに、ASTM D2240(3´´)法に従って測定される60の最大ショアA硬度を有し得る。したがって、材料は、手触りが柔らかく、特に軽量であろう。
【0036】
より具体的には、外層3の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-60の最大ショアA硬度、および好ましくは-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-55の最大ショアA硬度を有することができる。
【0037】
他方では、内層2の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-60ショアAの最大ショアA硬度、および好ましくは-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-55ショアAの最大ショアA硬度を有することができる。
【0038】
好ましくは、内層2の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-50ショアAの最大ショアA硬度、およびさらにより好ましくは-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-45ショアAの最大ショアA硬度を有することができる。
【0039】
前述の硬度は、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、任意の方法で組み合わされ得る。
【0040】
たとえば、外層3の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-55の最大ショアA硬度を有することができるが、内層2の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-60ショアAのショアA硬度を有することができる。
【0041】
もう1つの実施例においては、外層3の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-50の最大ショアA硬度を有することができるが、内層2の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-45ショアAと55ショアAとの間に含まれるショアA硬度を有することができる。
【0042】
一般に、外層3の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-40と60との間に含まれるショアA硬度、好ましくは-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-45と60との間に含まれるショアA硬度、およびさらにより好ましくは-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-50と60との間に含まれるショアA硬度を有することができる。
【0043】
これにより、手触りが非常に柔らかい材料からなるけれども、良好な耐摩耗性のホース1が得られる。
【0044】
好適には、内層2の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-50の、好ましくは30と50との間に含まれる、およびさらにより好ましくは35と45との間に含まれる最大ショアA硬度を有することができる。
【0045】
これにより、ホース1を軽くすることができるであろう。
有利なことに、外層3の材料は、摩耗に耐えることができる非常に軽いホースを得るように、内層2の材料の硬度よりも高いまたはそれに等しい硬度を有することができる。
【0046】
たとえば、この種のホースにおいては、外層3の材料は、-ASTM D2240(3´´)法に従って-60の最大ショアA硬度を有することができるが、内層2は、-ASTM D2240(3´´)法に従って測定される-50ショアAのショアA硬度を有することができる。
【0047】
好適には、内層2および外層3の材料は、1.20g/cm3よりも小さい、好ましくは1.05g/cm3よりも小さいまたはそれに等しい密度を有することができる。
【0048】
好ましいが非排他的な実施形態においては、内層2は、1.5mmと2.5mmとの間に含まれ、および好ましくは1.6mmと2mmとの間に含まれる厚さS2を有することができるが、外層3は、0.05mmと0.5mmとの間に含まれる、および好ましくは0.1mmと0.4mmとの間に含まれる厚さS3を有するフィルムであり得る。
【0049】
好ましくは、外層3は、国際特許出願第PCT/IB2014/067091号明細書に概説された開示に従って得られ得る。
【0050】
上で概説された特性のおかげで、フレキシブルホース1は、特に軽くて使いやすいであろう。
【0051】
さらに、使用される材料は、手触りが心地よく柔らかいであろうし、濡れた地面でホースを引きずる場合にこのホースを汚さないであろう。
【0052】
他方では、ホースによって移動される流体の内圧を受けたこの種の材料は、ホースを直径方向に膨張させ、伸ばし膨張させる傾向があるであろう。
【0053】
これに反して、補強層4は、この種の材料の膨張に対抗するように構成され、したがって、加圧ホース1は、実質的に非伸張性である。
【0054】
特に、1つまたは複数の補強層4は、剛性の、すなわち非弾性のまたは僅かに弾性の紡織糸から成ることができ、これは、-BISFA(Cap7)に従って測定される-25%よりも小さい破断伸び、および-BISFA(Cap7)に従って測定される-少なくとも50cN/texの靭性を有することができる。
【0055】
好適には、剛性のまたは僅かに弾性の紡織糸は、軸線Xに対して相互に対向する1つのそれぞれの第1および第2の所定の傾斜(傾斜角)α、βを少なくとも部分的に有することができる。
【0056】
例えば、
図1に示されるように、第1の好ましいが非排他的な実施形態においては、補強層4は、編組または二重螺旋であることができる。
【0057】
さらなる第1の好ましいが非排他的な実施形態においては、例えば
図2に示されるように、補強層4は、平編みで得られるトリコットタイプのチェーンステッチからなるダブルニットであることができる。
【0058】
有利なことに、この種のダブルニットは、出願人に代わって、イタリア特許出願第102017000002927号明細書によって規定される開示に従って得られ得る。
【0059】
この種の好ましいが非排他的な実施形態においては、補強層4は、第1の織物層4´に対して6で、および第2の織物層5に対して6´で示される、トリコットタイプのチェーンステッチからなるニットタイプの2つの織物層4´、5を含むことができる。織物層4´、5は共に、第1の織物層4´に対して7で、第2の織物層5に対して7´で示されるステッチの列と、それぞれ8、8´で示されるステッチの列とを有することができる。
【0060】
第1の織物層4´のステッチ8のコースはすべて、実質的に互いに平行であり、同じ事例が第2の織物層5のステッチ8´のコースに当てはまり、それらはすべて、ホース1の軸線Xに実質的に平行であり得る。
【0061】
織物層4´、5のステッチ7、7´の列は、その代わりとしてホースの軸線Xに対して相互に対向する傾斜α、βを有することができる。
【0062】
他方では、さらに好ましいが非排他的な実施形態においては、この種のダブルニットは、欧州特許出願第EP0527512号明細書の開示に従って得られるトリコットタイプのチェーンステッチを有することができる。
【0063】
他方では、さらに好ましいが非排他的な実施形態においては、この種のダブルニットは、ロックステッチで得られるトリコットタイプのチェーンステッチを有することができ、これは、例えば、欧州特許出願第EP0623776号明細書の開示に従って得られ得る。
【0064】
内圧によるフレキシブルホース1の変形を避けるために、第1および第2の傾斜α、βは、軸線Xに対して45°と55°との間に含まれ得る。
【0065】
実際のところ、この種の傾斜により、補強層4は、軸線方向にも半径方向にも内圧に起因する変形に効果的に対抗できるようになるであろう。
【0066】
実際のところ、上述のように、上記のように構成される補強層4なしで、圧力を受けて、フレキシブルホース1は、使用される材料の比較的低い硬度によりかなり伸び、膨張する傾向があるであろう。
【0067】
より具体的には、上記の傾斜α、βにより、-2バールの動作圧力を受けて-その初期長さ、すなわち流体がそれを通して流れていないホースの長さに対して1.1倍、好ましくはその初期長さに対して最大1.05倍だけその最大長さを増加させることができるホース1を得ることができるようになるであろう。
【0068】
さらに、上記の傾斜α、βにより、-2バールの動作圧力を受けて-初期内径に対して1.1倍、好ましくは初期内径に対して最大1.05倍だけその最大内径を増加させることができるホース1を得ることができるようになるであろう。
【0069】
したがって、上記の特徴によって、フレキシブルホース1は、軽くて扱いやすいであろうし、同時に良好な寸法安定性を有することになる。
【0070】
それ自体知られている方法で、フレキシブルホース1は、内層2を得るために第1のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料を押し出し成形し、内層2の上に補強層4を得、かつ外層3を得るために補強層4の上に第2のエラストマーまたは熱可塑性エラストマー材料を押し出し成形することによって得られ得る。
【0071】
上記を考慮すると、本発明は予め設定された目的を達成することは明らかである。
フレキシブルホース1は、添付の特許請求の範囲に概説された本発明の概念に属するすべての多数の変更および変形の影響を受けやすい。すべての詳細は、他の技術的に均等な要素に置き換えられることができ、材料は、添付の特許請求の範囲によって規定される保護の範囲から逸脱することなく必要に応じて異なってもよい。