(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】バッテリジャンプスタート装置用バッテリコネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230126BHJP
F02N 11/12 20060101ALI20230126BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20230126BHJP
H01M 50/543 20210101ALI20230126BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
F02N11/12
H01M50/20
H01M50/543
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020167183
(22)【出願日】2020-10-01
(62)【分割の表示】P 2017561919の分割
【原出願日】2017-02-10
【審査請求日】2020-10-29
(32)【優先日】2016-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2016/024680
(32)【優先日】2016-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517284935
【氏名又は名称】ザ・ノコ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Noco Company
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ルイス・ヌック
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ナイト・ヌック
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・リチャード・スタンフィールド
(72)【発明者】
【氏名】デレク・マイケル・アンダーヒル
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-115979(JP,A)
【文献】米国特許第06215273(US,B1)
【文献】特開2015-072878(JP,A)
【文献】再公表特許第2012/077160(JP,A1)
【文献】特開2010-251052(JP,A)
【文献】特開2015-153676(JP,A)
【文献】特開2012-230962(JP,A)
【文献】特開2008-146998(JP,A)
【文献】特開2003-112586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0130298(US,A1)
【文献】特表2014-523623(JP,A)
【文献】特開2012-004106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 50/20
H01M 50/543
F02N 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ジャンプスタータにおいて使用されるバッテリ装置であって、
リチウムイオン充電式バッテリであって、前記リチウムイオン充電式バッテリの両端から外側に延びた正極バッテリ端子タブ及び負極バッテリ端子タブを有し、前記リチウムイオン充電式バッテリは、端から端まで電気的に直列な配置で互いに接続された複数のバッテリセルを備え、前記複数のバッテリセルの各々は、正極バッテリセルタブと負極バッテリセルタブとを有し、前記リチウムイオン充電式バッテリの前記正極バッテリ端子タブは、前記複数のバッテリセルのうちの1つのバッテリセルの前記正極バッテリセルタブであり、前記複数のバッテリセルのうちの前記1つのバッテリセルの前記正極バッテリセルタブは、長さが延ばされている、前記リチウムイオン充電式バッテリと、
前記リチウムイオン充電式バッテリの前記正極バッテリ端子タブに電気的に接続された前記車両ジャンプスタータの正極バッテリケーブルであって、前記リチウムイオン充電式バッテリの前記正極バッテリ端子タブは、前記正極バッテリケーブルの露出端部を少なくとも部分的に覆うか又は巻き付けられている、前記正極バッテリケーブルと、
使い切った又は放電されたバッテリのブースト又は充電作業中に前記リチウムイオン充電式バッテリの前記負極バッテリ端子タブに接続可能な又は接続された負極バッテリケーブルと
を備える、バッテリ装置。
【請求項2】
前記複数のバッテリセルのうちの前記1つのバッテリセルの前記正極バッテリセルタブは、セパレートタブを前記複数のバッテリセルのうちの前記1つのバッテリセルの前記正極バッテリセルタブに電気的に接続することで、長さが延ばされている、請求項1に記載のバッテリ装置。
【請求項3】
前記セパレートタブは、前記正極バッテリケーブルの前記露出端部を全体的に覆うか又は巻き付けられている、請求項2に記載のバッテリ装置。
【請求項4】
前記リチウムイオン充電式バッテリの前記負極バッテリ端子タブは、前記使い切った又は放電されたバッテリのブースト又は充電作業中に前記負極バッテリケーブルに接続可能な又は接続された
負極端子導体バーの少なくとも一部を、少なくとも部分的に覆うか又は巻き付けられている、請求項2に記載のバッテリ装置。
【請求項5】
セパレートタブは、前記複数のバッテリセルの1つのバッテリセルの前記負極バッテリセルタブに電気的に接続されて、前記複数のバッテリセルの前記負極バッテリセルタブの長さを延ばしており、前記リチウムイオン充電式バッテリの前記負極バッテリ端子タブは、前記複数のバッテリセルのうちの1つのバッテリセルの負極バッテリセルタブであり、前記複数のバッテリセルのうちの1つのバッテリセルの負極バッテリセルタブは、長さが延ばされており、前記負極バッテリ端子タブは、前記
負極端子導体バーの少なくとも一部を少なくとも部分的に覆うか又は巻き付けられている、請求項4に記載のバッテリ装置。
【請求項6】
前記複数のバッテリセルのうちの前記1つのバッテリセルの前記正極バッテリセルタブは、延ばされており、前記正極バッテリケーブルの前記露出端部が、前記複数のバッテリセルのうちの前記1つのバッテリセルの延ばされた前記正極バッテリセルタブ内に巻き上げられている、請求項1に記載のバッテリ装置。
【請求項7】
前記リチウムイオン充電式バッテリの前記正極バッテリ端子タブは、前記正極バッテリケーブルの前記露出端部の外表面を、少なくとも部分的に覆うか又は巻き付けられている、請求項1に記載のバッテリ装置。
【請求項8】
前記リチウムイオン充電式バッテリの前記正極バッテリ端子タブは、前記正極バッテリケーブルの前記露出端部を全体的に覆うか又は巻き付けられている、請求項7に記載のバッテリ装置。
【請求項9】
前記負極バッテリ端子タブは、前記負極端子導体バーの少なくとも一部を、全体的に覆うか又は巻き付けられている、請求項4に記載のバッテリ装置。
【請求項10】
前記複数のバッテリセルのうちの前記1つのバッテリセルの前記正極バッテリセルタブの前記セパレートタブは、前記正極バッテリケーブルの前記露出端部にはんだ付けされている、請求項3に記載のバッテリ装置。
【請求項11】
前記負極バッテリ端子タブは、前記負極端子導体バーにはんだ付けされている、請求項4に記載のバッテリ装置。
【請求項12】
前記正極バッテリケーブルは、前記リチウムイオン充電式バッテリの長さに対して横方向に向いている、請求項1に記載のバッテリ装置。
【請求項13】
前記正極バッテリケーブルの前記露出端部は、前記リチウムイオン充電式バッテリの幅に沿って延びている、請求項12に記載のバッテリ装置。
【請求項14】
前記負極端子導体バーは、前記リチウムイオン充電式バッテリの長さに対して横方向に向いている、請求項4に記載のバッテリ装置。
【請求項15】
前記負極端子導体バーの少なくとも一部は、前記リチウムイオン充電式バッテリの幅に沿って延びている、請求項14に記載のバッテリ装置。
【請求項16】
前記リチウムイオン充電式バッテリは、矩形であり、
前記正極バッテリ端子タブと前記負極バッテリ端子タブとは、前記リチウムイオン充電式バッテリから外側に向かって前記リチウムイオン充電式バッテリの幅に沿って延びている前記少なくとも1つのバッテリセルの両端にそれぞれ配置されている、請求項1に記載のバッテリ装置。
【請求項17】
バッテリカバーを更に備え、
前記複数のバッテリセルは、前記バッテリカバー内に配置されている、請求項4に記載のバッテリ装置。
【請求項18】
前記正極バッテリ端子タブは、前記バッテリカバーを通して延びており、前記バッテリカバーの外側において前記正極バッテリケーブルの前記露出端部に接続されており、
前記負極バッテリ端子タブは、前記バッテリカバーの内側に配置された負極端子導体バーの少なくともに接続されており、
前記負極端子導体バーの一部は、前記車両ジャンプスタータの前記負極バッテリケーブルへの接続のために、前記バッテリカバーを通して延びている、請求項17に記載のバッテリ装置。
【請求項19】
前記リチウムイオン充電式バッテリは、リチウムイオンバッテリパックである、請求項1に記載のバッテリ装置。
【請求項20】
前記リチウムイオン充電式バッテリの前記正極バッテリ端子タブは、前記正極バッテリケーブルの前記露出端部の外表面に接触して少なくとも部分的に覆うか巻き付けられている、請求項18に記載のバッテリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ジャンプスタート装置のバッテリと、充電されるバッテリとの間の導電率を高めるように構成された携帯用のバッテリコネクタ装置、例えば、バッテリジャンプスタート装置(特に携帯型車両ジャンプスタート装置)用のバッテリコネクタ配置ないしアセンブリ。
【背景技術】
【0002】
ヌック(Nook)らの米国特許第9007015号に開示されているような携帯型車両バッテリジャンプスタート装置が存在する。この装置は、リチウムイオンバッテリパックを使用する。このタイプの装置では、バッテリパックからジャンプスタートされる車両の車載バッテリへの導電率を最大化する必要がある。
【0003】
自動車のジャンプスタートの成功のためには、結果を決定づける主な要素が2つある。第1の要素は、前記リチウムイオンバッテリパックから供給される電力量であり、第2の要素は、最大導電率である。大型のエンジンをジャンプスタートする最良の可能性を得るためには両方の要素が必要である。他方の要素がなく一方の要素だけでは、不十分である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここで説明する主題は、車両のジャンプスタート用の装置に使用されるバッテリ装置(例えば、バッテリコネクタ、バッテリコネクタ配置、又はバッテリ導体アセンブリ)、及びバッテリコネクタ装置を有する車両のジャンプスタート用の装置を対象にする。
【0005】
ここで説明する主題は、バッテリの端子に接続された少なくとも1つのバッテリ導体を有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0006】
ここで説明する主題は、バッテリのバッテリタブに接続された少なくとも1つのバッテリ導体ないしケーブルを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0007】
ここで説明する主題は、バッテリに接続された正極導体及び負極導体を有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0008】
ここで説明する主題は、バッテリに接続された正極導体板及び/又は負極導体板を有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0009】
ここで説明する主題は、バッテリに接続された正極導体板及び/又は負極導体板と、正極導体板に接続された正極ケーブル及び/又は負極導体板に接続された負極ケーブルとを有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0010】
ここで説明する主題は、バッテリの正極端子に接続された正極バッテリ導体及び/又はバッテリの負極端子に接続された負極バッテリ導体を有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0011】
ここで説明する主題は、バッテリの正極端子接点に接続された正極バッテリ導体及び/又はバッテリの負極端子接点に接続された負極バッテリ導体を有し、前記バッテリ導体は、前記バッテリのそれぞれの端子にはんだ付けされている前記バッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0012】
ここで説明する主題は、バッテリの正極端子に接続された正極バッテリ導体及び/又はバッテリの負極端子接点に接続された負極バッテリ導体と、バッテリのバッテリ導体の1つに接続されたリレーとを有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置。
【0013】
ここで説明する主題は、バッテリの正極端子接点に接続された正極バッテリ導体及び/又はバッテリの負極端子接点に接続された負極バッテリ導体と、負極バッテリ導体に接続されたリレーとを有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0014】
ここで説明する主題は、バッテリの正極端子接点に接続された正極バッテリ導体及び/又はバッテリの負極端子接点に接続された負極バッテリ導体と、負極バッテリ導体に接続されたリレーとを有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0015】
ここで説明する主題は、バッテリの正極端子接点に接続された正極バッテリ導体及び/又はバッテリの負極端子接点に接続された負極バッテリ導体と、負極バッテリ導体に接続された複数のリレーとを有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【0016】
ここで説明する主題は、バッテリの正極端子接点に接続された正極バッテリ導体及び/又はバッテリの負極端子接点に接続された負極バッテリ導体と、正極バッテリ導体に接続された正極ケーブルとを有するバッテリを備えるないしはかかるバッテリからなるバッテリコネクタ装置を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】クランプが展開されていないバッテリジャンプスタート装置の正面図。
【
図2】
図1に示したバッテリジャンプスタート装置の背面斜視図。
【
図3】
図1及び
図2に示したバッテリジャンプスタート装置の端部斜視図。
【
図4】
図1に示したバッテリジャンプスタート装置(ただし、クランプが展開されている)の正面斜視図
【
図5】
図1に示したバッテリジャンプスタート装置内に格納されたバッテリコネクタ装置(ただし、負極ケーブルはまだ設置されていない)の正面斜視図。
【
図6】
図5に示したバッテリコネクタ装置の平面図。
【
図7】
図5に示したバッテリコネクタ装置の側面図。
【
図8】
図5に示したバッテリコネクタ装置の端面図。
【
図9】
図5に示したバッテリコネクタ装置(ただし、バッテリコネクタ装置に接続された負極ケーブルを有する)の斜視図。
【
図10】
図5に示したバッテリコネクタ装置(ただし、正極ケーブルに設置されたダイオード導体を備える)の斜視図。
【
図11】バッテリジャンプスタート装置の他の構成要素ないし部品が接続されたバッテリコネクタ装置の斜視図。
【
図12】
図5に示したバッテリコネクタ装置のバッテリアセンブリの斜視図。
【
図13】バッテリジャンプスタート装置用の他のバッテリコネクタ装置の正面斜視図。
【
図14】リレープリント回路基板にはんだ付けされる前のリレープリント回路基板との正極ケーブル接続の詳細図。
【
図15】リレープリント回路基板にはんだ付けされた後のリレープリント回路基板との正極ケーブル接続の詳細図。
【
図16】
図13に示したバッテリコネクタ装置のバッテリアセンブリの正面斜視図。
【
図17】
図16に示したバッテリアセンブリ(ただし、巻かれていない状態の正極端子導体を有する)の部分平面図。
【
図18】
図16に示したバッテリアセンブリの正極端子導体の部分平面図。
【
図19】正極ケーブルの端部を部分的に巻いた正極端子導体の端部斜視図。
【
図20】正極ケーブルの端部を完全に巻いた正極端子導体の端部斜視図。
【
図21】正極ケーブルの端部を完全に巻き、はんだ付けされた正極端子導体の側部斜視図。
【
図22】正極ケーブルの端部を完全にまきはんだ付けされた正極端子導体の反対端部斜視図。
【
図23】正極ケーブルのセクション間のダイオードコネクタの斜視図。
【
図24】ダイオードコネクタに使用されるショットキーダイオードの斜視図。
【
図25】収縮包装スリーブで絶縁されたダイオードコネクタの斜視図。
【
図26】
図5から
図10に示したバッテリ接続の負荷試験を示すグラフィックイラスト。
【
図28】ジャンプスタート装置用のさらなるバッテリコネクタ装置の正面斜視図。
【
図29】組み立て前の複数のバッテリセル、セパレートタブ、及び導体(例えば、板状導体)を備えるバッテリコネクタ装置の正面図。
【
図30】タブを長くするためのセパレートタブを有するバッテリセルを備えるバッテリコネクタ装置の正面図。
【
図31】組み立て後の図
29に示した複数のバッテリセル、セパレートタブ、及び導体を備えるバッテリコネクタ装置の正面図。
【
図32】バッテリセルを折り畳んだ後の、図
31に示したバッテリセルアセンブリを備えるバッテリコネクタ装置を示す斜視図。
【
図33】正極ケーブルの露出端部を包むか巻き付いて、共にはんだ付けされたセパレートタブを示すバッテリコネクタ装置の端部斜視図。
【
図34】負極端子導体板を包んで、共に溶着及び/又ははんだ付けされた負極バッテリタブを示すバッテリコネクタ装置の反対端部斜視図。
【
図35】正極ケーブルに接続される前の、バッテリに接続されて外側に延在する平坦なセパレートタブを示すバッテリコネクタ装置の斜視図。
【
図36】ワイヤとコネクタとを有する温度センサアセンブリの側面図。
【
図37】正極ケーブルに一列に接続され接合されたダイオード回路基板の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
バッテリジャンプスタータ装置10を
図1及び2に示す。バッテリジャンプスタート装置10は、複数の発光ダイオード(LEDs)16が配列されたディスプレイ14を有するケーシング12を備える。
【0019】
バッテリジャンプスタート装置10は、正極クランプ20を有する正極ケーブル18と、負極クランプ24を有する負極ケーブル22とを更に備える。正極ケーブル18及び負極ケーブル22とは、ケーシング12中の開口12a,12bをそれぞれ通過する。
【0020】
クランプ20,24は、
図1に示すようにクランプ20,24のそれぞれがケーシング12の両端から外側に延びるそれぞれのサイドポスト26をクランプすることによって、展開されていない状態で格納ないしは固定される。サイドポスト26は、
図2に示される。クランプ20,24は、バッテリジャンプスタータ装置10が使用されないときに固定され、その後使用するときにサイドポスト26からアンクランプされる。
【0021】
バッテリジャンプスタート装置10は、車載バッテリをジャンプスタートするように構成されている。例えば、バッテリジャンプスタート装置10は、米国特許第9007015号(参照することにより本明細書に全体を援用する)に開示されている安全保護付携帯型車両ジャンプスタート装置、又はこれに類似する装置であってもよい。
【0022】
バッテリジャンプスタート装置10は、ケーシング12の内側に配置された電気部品ないしは部品を備える。例えば、バッテリジャンプスタート装置10は、
図3から
図9に示すバッテリコネクタ装置100を備える。
【0023】
バッテリコネクタ装置100は、バッテリ112を有するバッテリアセンブリ110を備える。例えば、バッテリ112は、充電式リチウムイオンバッテリである。バッテリコネクタ装置100は、バッテリ112からバッテリジャンプスタータ装置10のケーブル18,22及びクランプ20,24への電気導電率を最大化するように構成されている。バッテリ112は、バッテリケーシング112a、例えば、矩形状のバッテリケーシング112aを備える。
【0024】
バッテリ112は、バッテリ112の一方の端部(例えば幅端部)に正極タブを備え、バッテリ112の他方の端部(例えば幅端部)に負極タブを備える。例えば、バッテリ112は、正極タブ及び負極タブをそれぞれ有する1又は複数のバッテリセルを備える。例えば、バッテリセルの正極タブは、バッテリ112の前記一方の端部に配置され、バッテリセルの負極タブは、バッテリ112の前記他方の端部に配置される。正極端子導体板114は、バッテリ112の前記一方の端部で、バッテリ112の正極タブ(すなわち接点)に接続(例えば、はんだ付け、溶接、又は超音波接合)される。正極端子導体板114は、バッテリ112の前記一方の端部(例えば幅端部)に沿って延在している。
【0025】
正極ケーブル18は、正極端子導体板114及び/又はバッテリ112の正極タブに接続(例えば、はんだ付けによって直接接続)されてもよい。例えば、正極端子導体バー114は、導体環116を備えていてもよい。導体環116は、正極ケーブル18の露出端部18aに巻き付いて(例えば、全体に巻き付いて)、接続(例えば、圧着及び/又ははんだ付け)されている。例えば、正極端子導体板114は、(例えば、機械加工された、切断された、又は厚肉銅板から打ち抜かれた)厚肉銅板から作られる。
【0026】
図5及び
図6に示すように、正極端子導体シート114は、(例えば、L字状の)バッテリ112の矩形状のケーシング112aの正方形状の角部のうちの1つに巻き付くように構成(例えば、屈曲)されていてもよい。L字状正極端子導体シート114は、
図5に示すように、バッテリ112の端部と、バッテリ112の側部の少なくとも一部に沿って延在してもよい。
【0027】
また、正極端子導体板114は、(例えば、バッテリジャンプスタータ装置10を落下試験したときに機械的な衝撃に耐えるように組み立てられる)付加的な支持及び安定性を提供するように、バッテリケーシング112aの外表面に機械的に結合及び/又は接着されてもよい。例えば、正極端子導体バー114は、バッテリケーシング112に接着剤(例えば、シリコン接着剤)、両面テープ、両面フォームテープ、スナップフィット接続及び/又は接着接続を有する絶縁プラスチック若しくはセラミックのコネクタによって機械的に接続されてもよい。バッテリケーシング112は、正極端子導体板114と機械的に接続(例えば、スナップフィット接続又は干渉接続)するように形成(例えば、成形)されていてもよい。
【0028】
正極ケーブル18は、バッテリ110から正極クランプ20へと延びる1本のワイヤないしはケーブル(例えば、撚線又は編組線)であってもよい。具体的には、正極ケーブル18の一方の端部は、バッテリ18に接続された正極端子導体板114に接続されており、正極ケーブル18の他方の端部は、正極クランプ20に接続されている。
【0029】
より具体的には、正極ケーブル18は、ケーシング12内で正極ケーブル18の向きを変更するために、可撓性ケーブル部ないしは屈曲ケーブル部118を備えていてもよい。正極ケーブル18は、ケーシング12を通過する正極ケーブル18を柔軟に収容するために、可撓性内側スリーブ部122につながる可撓性外側スリーブ部120が装着されてもよい。可撓性外側スリーブ部120は、バッテリジャンプスタータ装置10のケーシング12に対して外側に位置しており、可撓性内側スリーブ部122は、バッテリジャンプスタータ装置10のケーシング12に対して内側に位置している。
【0030】
可撓性外側スリーブ部120は、可撓性を維持しつつ、正極ケーブル18とバッテリジャンプスタータ装置のケーシング12との間の接続を補強するように構成されている。例えば、可撓性外側スリーブ部120は、正極ケーブル18の複数の部分を露出させる1又は複数(例えば、
図5では3つ)の溝124を備える。1又は複数の溝124は、ヒンジとして機能して、可撓性外側スリーブ部120内の正極ケーブル18の屈曲を容易にする。
【0031】
可撓性スリーブ120は、内側フランジ126から(例えば、バッテリジャンプスタータ装置10のケーシング12の壁厚とほぼ等しい短い距離で)離間した外側フランジ124を備える。フランジ124,126は、正極ケーブル18をバッテリジャンプスタータ装置10のケーシング12にさらに固定する。
【0032】
可撓性スリーブ120は、外側フランジ124と内側フランジ126とを接続するスリーブ部128(
図6)を備える。例えば、可撓性外側スリーブ部120は、単一ユニットとして正極ケーブル18上及びその周囲に、成形ないしは取り付けられる(例えば、可撓性スリーブ120は、成形工程の間に金型内に挿入されている正極ケーブル18の一部に成形される)。あるいは、可撓性スリーブ120は、別個に製造(例えば成形)され、その後正極ケーブル18の一部に設置されるか組み付けられる。
【0033】
正極ケーブル18は、外側絶縁シース18c(例えば、押出プラスチックシース)内に配置された内側導体18b(例えば、素線導体、撚線、又は編組線)を備える。
内側導体18bは、例えば、単線導体又はワイヤ束18dを有する多重撚線金属線導体を備えていてもよい。
【0034】
内部電線は、銅ないしはアルミニウムから作られてもよい。可撓性スリーブ120は、正極ケーブル18の外側絶縁シース18c上及びその周りに(例えば、成形されるか設置されるか組み付けられて)取り付けられてもよい。
【0035】
バッテリコネクタ装置100は、バッテリ112の負極タブ(すなわち接点)に、バッテリ112の他方の端部において接続(例えば、はんだ付け、溶接又は超音波溶着)された負極端子導体板130を更に備える。負極端子導体板130は、バッテリ112の他方の端部に沿って延在してもよい。
【0036】
負極端子導体板130の他方の端部は、
図5及び
図6に示すように、負極端子導体板コネクタ部132を備える。
【0037】
負極端子導体板130は、矩形状バッテリ112の複数の角部の1つに巻き付くように(例えばL字状に)構成されていてもよい。L字状負極端子導体板130は、
図5及び
図6に示すように、バッテリ112の端部に沿って及びバッテリ112の側部の少なくとも一部に沿って延在してもよい。
【0038】
負極端子導体バー130は、また、(例えば、バッテリジャンプスタータ装置10を落下試験したときに機械的な衝撃に耐えるために)付加的な支持及び安定性を提供するために、バッテリケーシング112aの外表面に機械的に結合及び/又は接着されてもよい。
例えば、負極端子導体バー114は、接着剤(例えばシリコン接着剤)、両面テープ、両面フォームテープ、スナップフィット接続及び/又は接着接続を有する絶縁プラスチックないしはセラミックのコネクタによって、バッテリケーシング112aに機械的に接続されてもよい。バッテリケーシング112は、正極端子導体板114と機械的に接続(例えば、スナップフィット接続又は干渉接続)するように形成(例えば成形)されてもよい。
【0039】
バッテリコネクタ装置100は、スマートスイッチバッテリインターフェイス134をさらに備える。スマートスイッチバッテリインターフェイス134は、リレープリント回路基板(PCB)136を備え、回路基板136は、
図5及び
図6に示すように、回路基板136の一方側に配置された第2回路基板導体バー140から離間した第1回路基板導体バー138を備える。
【0040】
一対のリレー142は、回路基板136の反対側に搭載されている。リレー142は、リレープリント回路基板136の部品穴136aに配置されているリレーアンカーピン142aを含む。リレー142は、回路基板136に設けられた部品穴136bと第1導体バーに設けられたスロット138aとを通過して延びるリレーコネクタピン142bを備える。さらに、リレー142は、回路基板136に設けられた部品穴136cと第2導体バー140に設けられた部品穴140aとに配置されたリレーコネクタピン142cをさらに備える。リレーアンカーピン136aは、適切な位置にはんだ付けされて、リレー142を回路基板136に機械的に接続している。リレーコネクタピン142b,142cは、適切な位置にはんだ付けされて、それぞれリレー142を回路基板導体板138,140に機械的及び電気的に接続している。
【0041】
回路基板136の部品穴136aは、矩形状(
図5及び
図7)であり、リレーアンカーピン142aを収容する。具体的には、リレーアンカーピン142aの基部は、正方形の端部を有する矩形状である。前記正方形の端部は、回路基板136の外表面と同一平面に配置された横方向の縁部を形成する基部と比較して、寸法的に幅が狭い。リレーアンカーピン142aの露出端部にはんだが塗布されたとき、はんだは、前記正方形の端部の側部と横方向の縁部とを接続し、リレーアンカーピンを回路基板136に固定及び固着する。
【0042】
負極端子導体板コネクタ部132に設けられたスロット132aは、矩形状であり、第1回路基板導体バー138に設けられた部品穴138a(
図3)は、T字状であり、
図3に示すように3つの水平を向いたリレーコネクタピン142cを収容する。リレーコネクタピン142bの端部は、負極端子導体バーコネクタ部132の外表面と同一平面に示されている。はんだがリレーコネクタピン142bの露出端部に塗布されたとき、はんだは負極端子導体バーコネクタ部132のスロット132aと、第1回路基板導体バー138の部品穴138aとを満たし、コネクタピン142bの側部とスロット132a及び部品穴138aの内縁とを接続し、リレー142を回路基板136と負極端子導体バーコネクタ部132とに接続する。また、塗布されたはんだは、負極端子導体バーコネクタ部132を第1回路基板導体バー138に電気的に接続する。
【0043】
第2回路基板導体バー140に設けられた部品穴140aは、
図3に示すように、T字状であり、3つの垂直に向いたリレーコネクタピン142cを収容する。リレーコネクタ突起140aは、
図7に示すように、回路基板136の外表面から外側に延びて、負極ケーブル144の露出導体端部144aと接続している。露出導体端部144aとリレーコネクタ突起140aの端部とにはんだが塗布されたとき、はんだは、T字状のスロットを満たし、リレーコネクタ突起140aと、第2回路基板導体140と、負極ケーブル144の露出導体端部144aとを接続する。
【0044】
負極端子導体バー130の負極端子導体バーコネクタ部132は、回路基板136の第1回路基板導体バー138に(例えば、はんだ付けにより)接続されている。負極ケーブル22の露出導体端部22a(すなわち、絶縁シースが取り除かれている)は、
図9に示すように第2回路基板導体バー140に(例えば、はんだ付けにより)接続されている。
【0045】
バッテリコネクタ装置100は、
図10に示すように、正極ケーブル18にダイオード接続部150を提供することで改良されてもよい。例えば、ダイオード接続部は、正極ケーブル18に設置される(例えば、接合される)。ダイオード接続部150は、ダイオードプリント回路基板(PCB)152を備える。
ダイオードプリント回路基板152は、回路基板152の一方側に配置された一組のバックチャージダイオード154(例えば、ショットキーダイオード)と、回路基板152の他方側に設けられた導体バー156とを備える。
【0046】
(組み立て)
バッテリジャンプスタート装置10は、
図11に示すように、上側ケーシング部12aと下側ケーシング部12bとを有するケーシング12を備える。上側ケーシング部12aと下側ケーシング部12bとは、バッテリジャンプスタート装置10を組み立てるときに、互いに接続されるように構成されている。
【0047】
バッテリジャンプスタート装置10は、バッテリコネクタ装置100とコントローラアセンブリ210とをさらに備え、バッテリコネクタ装置100とコントローラアセンブリ210との両方が、ケーシング12内に配置されている。コントローラアセンブリ210は、回路基板212を備え、回路基板212は、他の回路基板214に隣接して配置されている。
【0048】
バッテリアセンブリ110(
図12)の正極端子は、正極電源線216を介して回路基板212に接続されている。例えば、正極電源線216は、正極導体バー114(
図5)に接続されている。バッテリアセンブリ110の負極端子は、負極電源線218を介して回路基板214に接続されている。
【0049】
リレー回路基板136は、コネクタ222を有するワイヤセット220を備える。コネクタ222は、バッテリジャンプスタート装置10の組み立てのときに、コントローラアセンブリ210の回路基板212上に配置されるリレー基板コネクタ224と接続するように構成されている。
【0050】
バッテリアセンブリ110は、コネクタ228を有するワイヤセット226をさらに備える。コネクタ228は、コントローラアセンブリ220の回路基板212上に配置されたバッテリセル充電/監視コネクタ230と接続するように構成されている。
【0051】
バッテリアセンブリ110は、ワイヤセット232を有するバッテリ温度センサを備え、ワイヤセット232はコネクタ234を有する。コネクタ234は、コントローラアセンブリ220の回路基板212上に配置された温度センサコネクタ236と接続するように構成されている。
【0052】
回路基板212は、
図11に示すように、充電電力抵抗器240と、出力リレー242とを備える。
さらに、下側ケーシング部12aは、回路基板214に接続されたワイヤセット246を有するメインユーザ出力コネクタ244と、回路基板214に接続されたワイヤセット250を有するメインユーザ入力コネクタ248とを備える。
【0053】
バッテリアセンブリ110は、
図11に示すように、バッテリジャンプスタート装置10と接続されている。バッテリコネクタ装置110は、組み立てられたとき、バッテリジャンプスタート装置10のケーシング12内に設置されている。
【0054】
(導電率の改良)
改良導電率バッテリコネクタ装置400は、
図13から
図25に示されている。改良導電率バッテリコネクタ装置400は、
図5から
図10に示されたバッテリコネクタ装置100と比較して大幅に増加した導電率を提供する。
【0055】
バッテリ412からクランプへと伝導される電力量は、以下のように改良され得る。
【0056】
1)ワイヤゲージを大きくする
例えば、4AWG(米国ワイヤゲージ規格)の正極ケーブル18及び負極ケーブル22(
図9)を、2AWG正極ケーブル318及び負極ケーブル322(
図13及び
図15)に変更する。
【0057】
2)負極ケーブル接続部の導電率を高める
例えば、リレーへの負極ケーブル端部322a(
図15)が、リレー422のコネクタピン422cに幅広くまたがって延びる。
【0058】
3)正極ケーブル接続部の導電率を高める
例えば、正極ケーブル318が正極バッテリタブ414に巻かれ、互いに完全にはんだ付けされるように正極バッテリタブ414を伸ばす。
【0059】
4)ダイオード接続部の導電率を高める
例えば、ダイオード接続部150(
図5)をダイオード接続部450(
図23)に置き換える。
【0060】
5)抵抗器/ダイオードプリント回路基板(PCB)を再設計する
例えば、ダイオードプリント回路基板(PCB)152をダイオードプリント回路基板(PCB)452(
図23)に置き換える。
【0061】
6)抵抗器を再接続する
例えば、再び接続されるダイオードプリント回路基板(PCB)152(
図10)上に配置された抵抗器R134A及びB、135A及びBを再接続する。
【0062】
これらの導電率を増加する特徴ないし配置のそれぞれの詳細な説明を以下に述べる。
【0063】
1)ワイヤゲージを大きくする
正極ケーブル18及び負極ケーブル22(
図9)のゲージは、例えば、4AWG(米国ワイヤゲージ規格)ケーブルから、正極ケーブル318及び負極ケーブル322(
図13及び
図15)の2AWGケーブルへと増加されてもよい。4AWGケーブルと2AWGケーブルの比較仕様は、以下の通りである。
【0064】
【0065】
2AWGケーブルは、4AWGケーブルと比較して、導電率(すなわち許容電流)の大幅な増加(すなわち約36%)を提供する。
【0066】
2)負極ケーブル接続部の導電率を増加する
負極ケーブル322(
図15)は、バッテリ412と負極ケーブル322との間の導電率(すなわち許容電流)を増加する方法で、バッテリ412(
図13)に接続されてもよい。例えば、負極ケーブル端部322aは、リレー422のコネクタ突起442c(
図15)に直接接続(例えば、はんだ付け)されてもよい。具体的には、負極ケーブル端部322aは、
図14及び
図15に示すように、スマートスイッチバッテリインターフェイス434の全てのリレー342に渡って延在して、それらに直接接続されてもよい。
【0067】
さらに、負極ケーブル端部322aは、回路基板導体バー440の導体環441に接続されてもよい。
【0068】
負極ケーブル322は、例えば、内側電線導体322bを有する撚線であってもよい。内側電線導体322bは、外側電気絶縁シース322c内に配置された、撚られていない又は撚られたワイヤ束322dから構成される。負極ケーブル322の電気絶縁シース322cは、負極ケーブル端部322aから取り除かれて、負極ケーブル端部322aにおいて内側電導体322bを露出してもよい。
【0069】
電導体322bの露出ワイヤ束322dは、リレー422の露出コネクタピン442cの端部に押し付けられ、ワイヤ322dの撚り糸が隣接するコネクタピン442cの間に捕捉される。露出ワイヤ束332dは、導体バー440(例えば、銅からなる)に接触されてもよい。はんだ423は、このアセンブリに塗布され、はんだが露出ワイヤ束422dとコネクタピン442cと導体バー440との間を流れ、負極ケーブル322と、バッテリ412に接続されたスマートスイッチバッテリインターフェイス434との間の電気的な接続が完成する
【0070】
露出ワイヤ束322dの長さは、露出ワイヤ束322dがひとつひとつのリレー422のコネクタピン422cの各組と直接接続し、負極ケーブル322とバッテリ412との間の最大電気導電率(すなわち最大許容電流)を提供するように、選択される。
【0071】
3)正極ケーブル接続の導電率を増加する
正極ケーブル318は、バッテリ412と正極ケーブル318との間の導電率(すなわち、許容電流)を増加する方法で、バッテリ412に接続されてもよい。例えば、正極ケーブル318は、正極バッテリタブ414に巻かれて、完全に互いにはんだ付けされてもよい。正極ケーブル318とバッテリ412との間の接続は、
図16から
図22に示される。
【0072】
正極ケーブル318は、例えば、内側電線導体318bを有する撚線であってもよい。内側電線導体318bは、外側電気絶縁シース318c内に配置された、撚られていないないしは撚られたワイヤ束318dから構成される。正極ケーブル318の電気絶縁シース318cは、正極ケーブル端部318aから取り除かれて、正極ケーブル端部318aにおいて内側電導体318bを露出してもよい。
【0073】
バッテリ412は、正極バッテリタブ414を備える。正極バッテリタブ414は、バッテリ412の正極バッテリタブ414に接続された金属板(例えば銅板)である。
【0074】
内側電導体318bの露出ワイヤ束318dは、スズを用いてはんだ付けされて、その後正極バッテリタブ312a内に巻かれてもよい。はんだ415(
図21)は、露出ワイヤ束318dと正極バッテリタブ312aとに塗布されている。
【0075】
露出ワイヤ束318dの長さは、露出ワイヤ束318dが正極バッテリタブ414の全幅と直接接続し、バッテリ312と正極ケーブル318との間の最大電気導電率(すなわち最大許容電流)を提供するように、選択される。
【0076】
4)ダイオード接続部の導電率を高める
正極ケーブル318は、
図23から
図25に示すように、正極ケーブル318に沿った導電率を高めるように構成されたダイオード接続部450を備えてもよい。
【0077】
ダイオード接続部450は、正極ケーブル部分318e及び318f(
図25)との間に接続された複数のダイオード454を備える。
例えば、ダイオード接続部450は、6つのバックチャージ型ダイオード(例えば、ショットキーバリアダイオード)を備える。
【0078】
ダイオード454は、正極ケーブル部分318e及び318fの間にはんだ付けされている。具体的には、ダイオード導体タブ454aは、正極ケーブル部分318eにはんだ付けされ、ダイオード導体突起454bは、正極ケーブル部分318fにはんだ付けされる。より具体的には、ダイオード354のダイオード導体突起454bは、ダイオード回路基板452を通じて、ワイヤ束318dに及び、その後適切な位置ではんだ付けされて、ダイオード接続部450の組み立てを完了する。
【0079】
ダイオード接続部450は、その後、例えば収縮包装絶縁体455(
図25)を用いて、絶縁される。収縮包装絶縁体455は、ダイオード接続部450の周囲に取り付けられ、その後、熱を加えることで(例えば、熱線銃を用いて)収縮する。
【0080】
抵抗器/ダイオードプリント回路基板(PCB)を再設計する
例えば、抵抗器/ダイオードPCBを再設計して、抵抗器/ダイオードPCBから延びるダイオードを排除する。
【0081】
抵抗器を再接続する
例えば、再度接続される抵抗器/ダイオードPCB上の抵抗器R134A及びB、135A及びBを再接続する。
【0082】
(試験1)
図5に示されるバッテリコネクタ装置100は、1250Aの負荷試験に付された。結果を図
26に示す。また、以下の通りである。
【0083】
【0084】
(試験2)
図13に示されるバッテリコネクタ装置400は、1250Aの負荷試験に付された。結果を図
27に示す。また、以下の通りである。
【0085】
【0086】
これは、試験1の結果と比較して、最大出力で約20パーセント(20%)の大幅な増加という結果になった。
【0087】
他の改良伝導率バッテリ導体装置500は、図
28から図
36に示される。
改良伝導率バッテリコネクタ装置500は、
図5から
図10に示されるバッテリコネクタ装置100と比較して、大幅に増加した導電率を提供する。
【0088】
バッテリ導体装置500は、バッテリアセンブリ410を備え、バッテリアセンブリ410は、正極ケーブル518及び負極端子導体板530に接続されたバッテリ512を含む。正極ワイヤ519は、バッテリ530の正極タブないし正極ケーブル518と直接的又は間接的に接続され、負極ワイヤ523は、負極タブないし負極端子導体板530に直接的又は間接的に接続される。バッテリ導体装置500は、バッテリ512に接続されるか、バッテリ512の動作に関連するワイヤ束570を更に含んでいてもよい(例えば、バッテリ温度センサ、電力供給など)。
【0089】
バッテリ512は、単一のバッテリセル512c(図29)、又は端と端を直列に接続された複数のバッテリセル512Cを備えていてもよい。図29では、3つの別々のバッテリセル512cが示されている。
【0090】
バッテリセル512cは、各バッテリセル512cの対向する端部に配置された正極及び負極タブ512dをそれぞれ有する。バッテリセル512cは、正極及び負極タブ512dをそれぞれ直列に共に溶接(例えば、超音波溶着及び/又は熱溶着)及び/又ははんだ付けすることで、共に接続されている。
例えば、タブ512dは、互いに重なるように配置されている(例えば、縁部が対向するタブ512dに重なるか、又は縁部と縁部)
【0091】
タブ512dは、各バッテリセル512cの本体及び両端から外側に延在する金属板(例えば、比較的薄い金属片)である。図29に示すように、タブ512dは、各バッテリセル512cの幅の両端に沿って延在する。タブ512dは、それぞれ、中央に位置し、各バッテリセル512cの両端部のそれぞれの幅の大部分に延在する。
【0092】
図29及び図30に示すように、セパレートタブ512eは、バッテリセル512cの右側に追加されるか接続されて、タブ512dの長さを伸ばす。セパレートタブ512eは、タブ512dと同一の幅を有するものとしてしめされているが、この幅は異なってもよい。セパレートタブ512eをタブ512dに組み付けるために、例えば、セパレートタブ512eは、タブ512d上に重なるように配置され、その後溶着(例えば超音波溶着及び/又は熱溶着)及び/又ははんだ付けされる。正極ケーブル518の露出端部は、図31及び図33に示すように、その後、セパレートタブの内側に巻き上げられる。例えば、最初は平坦なセパレートタブ512eは、正極ケーブル518の露出端部に巻き付き、その後、溶着(例えば、超音波溶着及び/又は熱溶着)及び/又ははんだ付けによって、露出端部に接続される。例えば、はんだの層は、セパレートタブ512eの一方側又は両側に塗布され、そして、セパレートタブ512eを正極ワイヤ518の露出端部の周りに巻き付けた後、アセンブリは、加熱されて、層状のはんだは溶かされ、アセンブリは全体としてはんだ付けされる、
【0093】
図31に示すように、一度共に接続された3つのバッテリセル512cは、その後、図32に示す層状のバッテリセル構成に互いに折り畳まれる。層状のバッテリセル構成は、包装されてもよいし(例えば、3つのバッテリセルは、ともにテープでくくられるか、収縮包装される)、又は、図33に示すように、バッテリカバーないしケーシングの内部に配置される。
【0094】
図34に示すように、負極タブ512dは、負極端子導体板530に取り付けられてもよい。例えば、負極タブ512dは、部分的に又は全体的に(図視するように)負極端子導体板530の周りに巻き付けられてもよい。負極タブ512dは、負極タブ512dの負極端子導体板530への溶着及び/又ははんだ付けを容易にするために、複数の部品穴512fを備えてもよい。例えば、部品穴512fは、図34に示すように、格子状に配置された複数の正方形状の部品穴であってもよい。負極ワイヤ523は、負極タブ512dに接続(例えば、はんだ付け)されて示されている。
【0095】
セパレートタブ512e(図29参照)は、負極タブ512dに接続されて、負極タブ512dを伸ばしてもよく、伸ばされた負極タブは、1回以上(例えば、2、3、4又はそれ以上)負極端子導体板530を包み込むか巻き付く。この方法で、負極タブ512dと負極端子導体板530との間の電気的な接続は強化される。このセパレートタブ512eは、一方側ないし両側にはんだの層を備えていてよく、セパレートタブ512eが負極端子導体板530を包み込むか巻き付いた後に、アセンブリは、加熱されて、セパレートタブ512eを負極端子導体板530上にはんだ付けする。
【0096】
正極ケーブル518(図28)の露出端部を包むか巻き付く準備ができている接続されたセパレート正極タブ512dを有するバッテリ導体装置500の完成したアセンブリは、図35に示されている。図35に示されているワイヤ束570は、バッテリ512内に埋設された温度センサ(例えば、バッテリタブの近傍、又はバッテリセルの間に配置された温度センサ)用のワイヤ572を含む。ワイヤ572a,572bを有する温度センサ574は、図36に示されている。
【0097】
バッテリ導体装置500は、図37に示すように、一列に接続されたダイオードコネクタ550を備えてもよく、正極ケーブル518に接合されてもよい。
【0098】
バッテリ導体装置500は、ダイオード回路基板552を備え、ダイオード回路基板552は、ダイオード回路基板552上に組み付けられた複数のダイオード454を備える。ダイオード454は、正極ケーブル518の露出端部に接続(例えば、はんだ付け)されたダイオード導体タブ454aをそれぞれ備える。ダイオード454の突起は、ダイオード回路基板552の部品穴に延在し、導電性トレースと正極ケーブル518の露出端部との両方に、抵抗器576と共にはんだ付けされ、アセンブリは完成する。