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▶ ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】逆圧缶エンド
(51)【国際特許分類】
   B65D 17/00 20060101AFI20230126BHJP
   B21D 51/44 20060101ALI20230126BHJP
   B65D 8/20 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
B65D17/00
B21D51/44 R
B65D8/20 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020512393
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 US2018048220
(87)【国際公開番号】W WO2019046224
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】15/690,590
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィル,ロバート ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スタメン,デニス シー.
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04093102(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0309043(US,A1)
【文献】米国特許第5971259(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 17/00
B21D 51/44
B65D 8/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶ボディ(60)に結合されるように構成された缶エンド(12)であって、
中央パネル(14)と、
前記中央パネル(14)周りに配置された環状部(16)と、
前記環状部(16)周りに配置されたチャック壁(18)と、
前記チャック壁(18)から径方向外側に延びるカール(20)と、
を備えており、
前記中央パネル(14)は、切断可能パネル(32)を規定するスコアライン(30)を含んでおり、
前記環状部(16)は、環状リッジ(50)及び環状カウンターシンク(52)を含んでおり、
前記環状リッジ(50)は、前記切断可能パネル(32)周りに延びており
前記環状カウンターシンク(52)は、前記環状リッジ(50)に隣接して、前記環状リッジ(50)周りに配置されており、
前記環状カウンターシンク(52)の断面は概ね円弧状であり、
前記環状リッジ(50)の断面は概ね円弧状であり、
前記環状カウンターシンク(52)は、単一の中心を含んでおり140°乃180°の円弧にわたって延びており、
前記環状リッジ(50)は、単一の中心を含んでおり140°乃180°の円弧にわたって延びている、缶エンド。
【請求項2】
前記中央パネル(14)は元の平面を規定し、
前記環状カウンターシンク(52)は、前記元の平面の下方配置されており、
前記環状リッジ(50)は、前記元の平面の上方配置されている、請求項1に記載の缶エンド。
【請求項3】
前記環状カウンターシンク(52)は0.015インチ乃0.050インチのアールを有しており、
前記環状リッジ(50)は0.010インチ乃0.030インチのアールを有する、請求項1に記載の缶エンド。
【請求項4】
前記中央パネル(14)、前記環状部(16)、前記チャック壁(18)、及び前記カール(20)の各々は、最終厚さを有しており、
前記最終厚さは0.0055インチ乃0.0110インチである、請求項1に記載の缶エンド。
【請求項5】
前記缶エンド(12)は、ほぼ平らな金属製ブランク(10)から形成され、前記ブランク(10)は元厚を有しており、
前記中央パネル(14)、前記環状部(16)、前記チャック壁(18)、及び前記カール(20)の各々は、最終厚さを有しており、
前記最終厚さは前記元厚同じである、請求項1に記載の缶エンド。
【請求項6】
ベース(62)と付随する側壁(64)とを含んでいる、缶ボディ(60)と、
中央パネル(14)と、前記中央パネル(14)周りに配置された環状部(16)と、 前記環状部(16)周りに配置されたチャック壁(18)と、前記チャック壁(18)から径方向外側に延びるカール(20)とを含む缶エンド(12)と、
を備える容器(70)であって、
前記環状部(16)は、環状リッジ(50)及び環状カウンターシンク(52)を含んでおり、
前記環状カウンターシンク(52)は、前記環状リッジ(50)に隣接して、前記環状リッジ(50)周りに配置されており、
前記缶エンド(12)は前記缶ボディの側壁(64)の遠位端に結合されており、
前記中央パネル(14)は、切断可能パネル(32)を規定するスコアライン(30)を含んでおり、
前記環状リッジ(50)は、前記切断可能パネル(32)周りに延びており
前記環状カウンターシンク(52)の断面は概ね円弧状であり、
前記環状リッジ(50)の断面は概ね円弧状であり、
前記環状カウンターシンク(52)は、単一の中心を含んでおり140°乃180°の円弧にわたって延びており、
前記環状リッジ(50)は、単一の中心を含んでおり140°乃180°の円弧にわたって延びている、容器。
【請求項7】
前記中央パネル(14)は元の平面を規定し、
前記環状カウンターシンク(52)は、前記元の平面の下方配置されており、
前記環状リッジ(50)は、前記元の平面の上方配置されている、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記環状カウンターシンク(52)の断面は概ね円弧状であり、
前記環状リッジ(50)の断面は概ね円弧状である、請求項6に記載の容器。
【請求項9】
請求項1に記載の缶エンド(12)を形成するためのツーリング(100)において、
上側ツールアセンブリ(102)と、
下側ツールアセンブリ(104)と、
を備えており、
前記上側ツールアセンブリ(102)及び前記下側ツールアセンブリ(104)は協働して、それらの間に配置された材料を前記缶エンド(12)に成形するように構成されており、
前記上側ツールアセンブリ(102)及び前記下側ツールアセンブリ(104)は、前記環状リッジ(50)及び前記環状カウンターシンク(52)を有する前記環状部(16)を形成するように構成されている、ツーリング。
【請求項10】
前記上側ツールアセンブリ(102)及び前記下側ツールアセンブリ(104)は0.015インチ乃0.050インチのアールを有する前記環状カウンターシンクを形成するように構成されており、
前記上側ツールアセンブリ(102)及び前記下側ツールアセンブリ(104)は0.010インチ乃0.030インチのアールを有する前記環状リッジを形成するように構成されている、請求項9に記載のツーリング。
【請求項11】
前記材料は、元の平面を規定するブランク(10)であり、
前記上側ツールアセンブリ(102)及び前記下側ツールアセンブリ(104)は、前記元の平面の上方配置れた前記環状リッジ(50)を形成するように構成されており、
前記上側ツールアセンブリ(102)及び前記下側ツールアセンブリ(104)は、前記元の平面の下方配置された前記環状カウンターシンク(52)を形成するように構成されている、請求項9に記載のツーリング。
【請求項12】
請求項1に記載の缶エンド(12)を形成する方法であって、
元の平面を規定するシート材料を準備する工程(1000)と、
上側ツールアセンブリ(102)及び下側ツールアセンブリ(104)を有するツーリング(100)を準備する工程(1002)と、
前記上側ツールアセンブリ(102)及び前記下側ツールアセンブリ(104)の間に材料を導入する工程(1004)と、
前記中央パネル(14)と、前記中央パネル(14)周りに配置された前記環状部(16)と、前記環状部(16)周りに配置された前記チャック壁(18)と、前記チャック壁(18)から径方向外側に延びる前記カール(20)とを含むように前記材料を成形する工程(1006)と、
前記環状リッジ(50)及び前記環状カウンターシンク(52)を含むように前記環状部(16)を形成する工程(1008)と、
を含む、方法。
【請求項13】
前記環状リッジ(50)及び前記環状カウンターシンク(52)を含むように前記環状部(16)を形成する工程(1008)は、
前記環状カウンターシンク(52)を前記元の平面の下方配置されるように形成する工程(1020)と、
前記環状リッジ(50)を前記元の平面の上方配置されるように形成する工程(1022)と、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
環状リッジ(50)及び環状カウンターシンク(52)を含むように前記環状部(16)を形成する工程(1008)は、
単一の中心を有しており140°乃180°の円弧にわたって延びる前記環状カウンターシンク(52)を形成する工程(1030)と、
.015インチ乃0.050インチのアールを有する前記環状カウンターシンク(52)を形成する工程(1032)と、
単一の中心を有しており140°乃180°の円弧にわたって延びる前記環状リッジ(50)を形成する工程(1034)と、
.010インチ乃0.030インチのアールを有する前記環状リッジ(50)を形成する工程(1036)と、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
シート材料を準備する工程は、
.0082インチある元厚を有する前記材料を準備する工程(1000)を含んでおり、
中央パネル(14)と、前記中央パネル(14)周りに配置された環状部(16)と、前記環状部(16)周りに配置されたチャック壁(18)と、前記チャック壁(18)から径方向外側に延びるカール(20)とを含むように前記材料を形成する工程(1006)の後、前記中央パネル(14)、前記環状部(16)、前記チャック壁(18)、及び前記カール(20)の各々は、最終厚さを有しており、
前記最終厚さは、前記元厚同じである、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2017年8月30日に出願された米国特許出願第15/690,590号の利益を主張し、当該特許出願は、参照により本明細書の一部となる。
【0002】
開示及び特許請求される概念は缶エンドに関しており、より詳細には、シート材料から作製され、既知の缶エンドと比較してベースゲージ及び/又は最終厚さが低減された缶エンドに関する。開示された概念はまた、そのような缶エンドを提供するためのツーリング及び関連する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
金属製容器(例えば、缶)は、製品を、限定ではないが、食品や飲料を保持するように構成されている。一般に、金属製容器は、缶ボディ及び缶エンドを含む。例示的な実施形態では、缶ボディは、ベースと付随する側壁とを含む。缶ボディは、一端が開いている概ね閉じた空間を規定する。缶ボディは製品で満たされて、缶エンドはその後、缶ボディにその開放端にて結合する。容器はその後、オーブンに配置されて加熱され、その中身が調理及び/又は滅菌される。容器及び食品の加熱とその後の冷却とは、圧力の変化を引き起こす。即ち、食品が加熱されると、容器内の圧力が上昇する。この圧力は、「内」圧又は「正」圧として認識される。容器は、内圧による変形に耐えるように構成されている。例示的な実施形態では、容器及び食品の加熱は、加圧蒸気によって行われる。加圧蒸気は、容器の外側に圧力を加える。容器の外側の圧力は、「外」圧又は「逆」圧である。容器は、必ずしも外圧による変形に耐えるように構成されてはいない。故に、缶ボディ及び/又は缶エンドの何れか又は両方の金属が弱い場合、缶ボディ及び/又は缶エンドが圧力変化に起因して変形して、容器に欠陥が生じるであろう。
【0004】
本明細書では、「缶エンド」は、容器を形成するために缶ボディに結合される要素である。「缶エンド」は、容器を開けるように構成されたタブ又は同様の手段を含む。以下で説明するように、「缶エンド」は通常、「シェル」から形成される。即ち、シェルは、シート材料から切り取られたほぼ平らなブランクから形成される。ブランクは、環状カウンターシンク、チャック壁、及び他の構造を含むように成形される。以下に開示されており、特許請求の範囲に記載されている概念は、「缶エンド」の一部として説明されている。しかしながら、開示及び特許請求の範囲に記載されている概念は、「缶エンド」ではなく、ブランクが依然として「シェル」である間に形成され得ることは理解される。即ち、以下の説明では「缶エンド」という用語を使用しているが、この説明は「シェル」にも適用できる。
【0005】
容器は、処理中に圧力に曝される。例えば、ある種の食品は、容器内にある間に調理及び/又は滅菌される。このような容器は、本明細書では「座屈(buckle)」又は「座屈圧力」とも称される内圧と、本明細書では「逆座屈」又は「逆座屈圧力」とも称される外圧との両方に曝される。容器、即ち缶ボディ及び缶エンドは、座屈圧力及び/又は逆座屈圧力に起因した変形に耐える強度を有する必要がある。
【0006】
一般に、容器の強度は、缶ボディ及び缶エンドを形成する金属の厚さと、これら要素の形状とに関連している。本願は、缶ボディではなく、缶エンドを主に取り扱う。本明細書では、「衛生的(sanitary)」缶エンドは、開けるためのタブ又はスコア輪郭を有しておらず、缶切り又はその他の手段を使用して開ける必要がある缶エンドである。本明細書では、「イージーオープン(easy open)」缶エンドは、ティアパネル及びタブを含む。ティアパネルは、缶エンドの外面(本明細書では、「公側(public side)」として特定される)にあるスコア輪郭、即ちスコアラインによって規定される。タブは、ティアパネルに隣接して取り付けられる(例えば、限定されないが、リベット留めされる)。プルタブは、持ち上げられて及び/又は引っ張られてスコアラインを切断し、切断可能なパネルを反らして及び/又は除去して、それにより、容器の中身を出すための開口を生じるように構成されている。以下は、「イージーオープン」缶エンドを取り扱うが、「衛生的」缶エンドにも適用される。即ち、「衛生的」缶エンドは、同様の方法で製造されて、同様の方法で缶ボディに結合される。故に、本明細書では、缶エンドは更に、「衛生的」缶エンド及び「イージーオープン」缶エンドの両方に使用される構成を含むものとして規定される。
【0007】
缶エンドが作られる場合、それは、ブランクから開始し、ブランクは、金属シート製品(例えば、限定ではないが、アルミニウムシートや鋼シート)から切り取られる。例示的な実施形態では、ブランクはその後、シェルプレスで「シェル」に成形される。本明細書では、「シェル」は、ほぼ平らなブランクとして開始する構造であって、リベット形成及びタブかしめ以外の成形工程を施されている。シェルプレスは、幾つかのツールステーションを含んでおり、各ステーションが成形工程を実行する(成形工程を実行しないヌルステーションを含んでいてもよい)。ブランクは、連続したステーションを移動して、「シェル」に成形される。シェルは、例示的な実施形態では、缶ボディに結合されるように構成された「衛生的」缶エンドである。
【0008】
「イージーオープン」エンドでは、シェルは更に、コンバージョンプレスに送られる。コンバージョンプレスはまた、連続した幾つかのツールステーションを有する。シェルがあるツールステーションから次のステーションに進むと、リベット成形、パネリング、スコアリング、エンボス加工やタブかしめなどの変換工程が実行され、シェルが目的の缶エンドに完全に変換されて、プレスから排出される。故に、本明細書では、「缶エンド」は、「シェル」に加えて、タブ及びスコアラインを含む構造を含んでいる。
【0009】
製缶業界では、相当な量の缶を製造するために大量の金属が必要である。一般に、スチール缶は、0.0050インチ乃至0.0096インチのベースゲージ、即ち元厚(本明細書では、これらの用語は同意義である)を有するシート材料から作られている。材料の元厚は、様々な要因によって、例えば、限定ではないが、完成した缶の寸法、缶(及び中身)が処理中に曝される温度、缶に入れられる中身の性質やその他の因子によって決定される。缶及び/又は缶エンドの特定の種類、モデル、及び/又はスタイルの各々に対する材料の元厚は、本明細書では、「確立された厚さ」とされる。
【0010】
つまり、例えば、一般的な18.6オンスのスープ缶に使用されているスチールの厚さは0.0090インチである。確立された厚さのスチールで形成された缶エンド/容器は、34.8psiの座屈圧力と33.0psiの逆座屈圧力とに耐えるように構成されている。
【0011】
業界における恒常的な目標は、消費される金属の量を減らすことである。故に、缶エンド、タブ、缶ボディを作る素材の厚さ、即ちゲージ(「ダウンゲージング(down-gauging)」と称されることもある)を減らすための努力が常時行われている。或いは、材料は、ベースゲージよりも薄い、又は部分的に薄い最終厚さを有するようにベースゲージから薄くされる。しかしながら、使用される材料が少ない(ゲージがより薄い)ほど、独自の解決策の開発を必要とする問題が起こる。上記のように、食品缶の缶エンドに関する一般的な問題は、缶内の食品を処理することに関係した圧力変化に曝されることである。金属のベースゲージが薄すぎると缶エンドが変形する。これは問題である。
【0012】
薄い金属を使用することに関する問題の1つの解決策は、缶エンドに強化構造を設けることである。強化構造には、ほぼ平らな缶エンドに剛性を付与する凹んだ又は突出したパネルが挙げられるが、これらに限定されない。強化構造は、例示的な実施形態では、缶エンドの本体にパネルを形成することによって作られる。缶エンドには、タブの窪みのような他の似たような構造が含まれる。上述したように、しかしながら、缶エンド及び強化構造は、例示的な実施形態では、内圧に耐えるように構成されている。
【0013】
故に、缶エンドが、ダウンゲージングされた、つまり、より薄い金属から作製された場合でも、変形に耐える形状を有する缶エンドが必要とされている。外圧又は逆圧による変形に耐える形状を有する缶エンドが更に必要とされている。
【発明の概要】
【0014】
開示されており特許請求の範囲に記載されている概念は、容器に結合されるように構成された缶エンドを提供するものであって、当該缶エンドは、ダウンゲージング構造を含んでいる。即ち、缶エンドは、中央パネルと、中央パネル周りに配置された環状部と、環状部周りに配置されたチャック壁と、チャック壁から径方向外向きに延びるカールとを含んでおり、環状部は、環状リッジ及び環状カウンターシンクを含んでおり、環状カウンターシンクは、環状リッジに隣接してその周囲に配置されている。環状カウンターシンク及び環状リッジは、外圧又は逆圧による変形に耐えるように構成されている。開示された構成の缶エンドは、上述の問題を解決して、元厚が減少した材料から缶エンドを作ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、添付図面と併せて、好適な実施形態に関する以下の説明から十分に理解することができる。
【0016】
図1図1は、従来技術の缶エンドの平面図である。
図2図2は、従来技術の缶エンドの側断面図である。
図3図3は、シェルの平面図である。
図4図4は、シェルの断面図である。
図4A図4Aはシェルの詳細図である。
図5図5は、缶エンドの平面図である。
図6図6は、缶エンドの断面図である。
図6A図6Aは、缶エンドの詳細図である。
図7図7は、缶エンドの断面図であって、本明細書で使用されている選択された用語を示している。
図8図8は、缶ボディに結合した(シームされた)缶エンドの断面図である。
図9図9は、缶エンドを形成するように構成されたツーリングアセンブリの断面図である。
図9A図9Aは、上側ツールアセンブリが第1の位置から第2の位置に移動する際におけるツールアセンブリの経過を示す。
図9B図9Bは、上側ツールアセンブリが第1の位置から第2の位置に移動する際におけるツールアセンブリの経過を示す。
図9C図9Cは、上側ツールアセンブリが第1の位置から第2の位置に移動する際におけるツールアセンブリの経過を示す。
図9D図9Dは、上側ツールアセンブリが第1の位置から第2の位置に移動する際におけるツールアセンブリの経過を示す。
図9E図9Aは、上側ツールアセンブリが第1の位置から第2の位置に移動する際におけるツールアセンブリの経過を示す。
図9F図9Fは、上側ツールアセンブリが第1の位置から第2の位置に移動する際におけるツールアセンブリの経過を示す。
図9G図9Gは、上側ツールアセンブリが第1の位置から第2の位置に移動する際におけるツールアセンブリの経過を示す。
図10図10は、開示された方法のフローチャートである。
図11図11は、缶エンドの別の実施形態の平面図である。
図12図12は、図11の缶エンドの断面図である。
図12A図12Aは、図12の缶エンドの詳細図である。
図13図13は、強化環状カウンターシンクを従来技術の環状カウンターシンクと比較した詳細を示す部分断面図である。
図14図14は、缶エンドの別の実施形態の断面図である。
図14A図14Aは、缶エンドの別の実施形態の詳細図である。
図14B図14Bは、巻締機(seamer)によって係合された図14の缶エンドの概略を示す側断面図である。
図15図15は、開示された方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面に示されており、以下の説明に記載される具体的な要素は、単に開示される概念の例示的な実施形態に過ぎず、例示のためだけに非限定的な例として提供されると理解される。従って、特定の寸法、向き、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び本明細書に開示される実施形態のその他の物理的特性は、開示される概念の範囲に関する限定とみなすべきではない。
【0018】
本明細書で使用される方向表現、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方、及びその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、本明細書に明示されない限り特許請求の範囲を限定するものではない。
【0019】
本明細書では、「ある」及び「その」の単数形は、文脈上特に明示されない限り、複数形を含む。
【0020】
本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように形成された、サイズ決めされた、配置された、結合された、及び/又は構成された構造を有することを意味する。例えば、「移動するように構成された」部材は、別の要素に可動に結合されて部材を移動させる要素を含む、又は部材は、別の要素又はアセンブリに応答して移動するように別の様式で構成される。よって、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、機能ではなく構造を指す。更に、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように意図及び設計されることを意味する。よって、特定された動詞を単に実行できるだけで、特定された動詞を実行するように意図及び設計されていない要素は、「[動詞]するように構成されていない」。
【0021】
本明細書では、「関連付けられる」は、要素が同じアセンブリの一部である、及び/又は共に動作する、又は何らかの様式で相互に作用することを意味する。例えば、自動車は4つのタイヤと4つのハブキャップを有する。全ての要素が自動車の部品と結合されているが、各ハブキャップは特定のタイヤと「関連付けられる」と理解される。
【0022】
本明細書では、「結合アセンブリ」は、2つの又は2つを超えるカップリング又はカップリング構成要素を含む。結合アセンブリのカップリング又は構成要素は一般的には、同じ要素又は他の構成要素の一部ではない。よって、「結合アセンブリ」の構成要素は、以下の説明で同時に記載されないことがある。
【0023】
本明細書では、「カップリング」又は「カップリング構成要素」は、結合アセンブリの1又は複数の構成要素である。つまり、結合アセンブリは、共に結合されるように構成された少なくとも2つの構成要素を含む。結合アセンブリの構成要素は、相互に適合可能であると理解される。例えば、結合アセンブリでは、一方のカップリング構成要素がスナップソケットである場合には、他方のカップリング構成要素はスナッププラグであって、一方のカップリング構成要素がボルトである場合には、他方のカップリング構成要素はナットである。
【0024】
本明細書では、「締結具」は、2つ以上の要素を結合するように構成された別個の構成要素である。よって、例えば、ボルトは「締結具」であるが、さねはぎ(tongue-and-groove)継ぎは「締結具」ではない。つまり、さねはぎ要素は、結合されている要素の一部であり、別個の構成要素ではない。
【0025】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が「結合される」という表現は、結合が発生する限り、それらの部品が、直接的、又は間接的に、即ち、1つ以上の中間部品又は構成要素を通じて、共に接合される、又は動作することを意味するものとする。本明細書では、「直接結合される」は、2つの要素が互いに直接接触することを意味する。本明細書では、「固定的に結合される」又は「固定される」は、2つの構成要素が、相互に一定の向きを維持しながら移動するように結合されることを意味する。従って、2つの要素が結合されると、これらの要素の全ての部分が結合される。しかしながら、第一の要素の特定の部分が第二の要素に結合される、例えば、車軸の第一の端部が第一の車輪に結合されるというような記載は、第一の要素の特定の部分が、第一の要素の他の部分に比べて第二の要素により近く配置されることを意味する。更に、重力によってのみ別の物体上の適所に載置される物体は、上側の物体がそれ以外の方法でほぼ適所に保持されない限り、下側の物体に「結合」されていない。つまり、例えば、テーブル上の本はテーブルに結合されていないが、テーブルに糊付けされる本はテーブルに結合されている。
【0026】
本明細書では、「着脱可能に結合される」又は「一時的に結合される」という表現は、ある構成要素が別の構成要素に実質上一時的に結合されることを意味する。つまり、2つの構成要素は、構成要素どうしの接合又は分離が容易であり、構成要素にダメージを及ぼさないように結合される。例えば、限られた数の、容易にアクセス可能な締結具、即ち、アクセスが難しくない締結具によって相互に固定された2つの構成要素は、「着脱可能に結合されており」、溶接された、又はアクセスが難しい締結具によって接合された2つの構成要素は、「着脱可能に結合されていない」。「アクセスが難しい締結具」は、締結具へのアクセス前に1又は複数の他の構成要素を取り外す必要がある締結具のことであり、「他の構成要素」は、限定はされないが、例えばドアなどのアクセス装置ではない。
【0027】
本明細書では、「一時的に配置される」は、第一の要素又はアセンブリが、第一の要素を分離する又はそれ以外の形で操作することなく、第一の要素/アセンブリを移動させることができるように、第二の要素又はアセンブリに載置されていることを意味する。例えば、テーブルに単に載っている本、即ち、テーブルに糊付け又は固定されていない本は、テーブルに「一時的に配置される」。
【0028】
本明細書では、「動作可能に結合される」は、第一の位置と第二の位置、又は第一の配置と第二の配置の間で移動可能な複数の要素又はアセンブリが、第一の要素が一方の位置/配置から他方の位置/配置に移動し、第二の要素も両者の位置/配置間で移動するように結合されることを意味する。なお、逆が成り立たないように、第一の要素が別の要素に「動作可能に結合され」てもよい。
【0029】
本明細書では、「対応する」は、2つの構造構成要素が相互に類似したサイズと形状を有し、最小摩擦量で結合され得ることを示す。よって、部材に対応する開口は、部材が最小摩擦量で開口を通過できるように、部材よりも僅かに大きいサイズを有する。この定義は、2つの構成要素が「ぴったりと」嵌合する場合には変更される。かかる状況では、構成要素間の寸法差がはるかに小さくなるために、摩擦量が増加する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能又は圧縮可能な材料から作製される場合、開口は、開口に挿入される構成要素よりも僅かに小さくてもよい。表面、形状、及び線に関して、2つ以上の「対応する」表面、形状、又は線はほぼ同一のサイズ、形状、及び輪郭を有する。
【0030】
本明細書では、「移動経路」又は「経路」は、移動する要素と関連付けられる場合、移動中に要素が通る空間を含む。よって、移動する要素は本来、「移動経路」又は「経路」を有する。更に、「移動経路」又は「経路」は、識別可能な1つの構造体における、別の物体に対する全体としての動きに関連している。例えば、道路が完全に滑らかである仮定すると、自動車の回転する車輪(識別可能な構造体)は、自動車の車体(別の物体)に対してほとんど移動しない。つまり、車輪は全体として、例えば隣接するフェンダーに対する位置を変えない。従って、回転する車輪には、自動車の車体に対する「移動経路」又は「経路」はない。逆に、その車輪の空気吸入弁(識別可能な構造体)には、自動車の車体に対する「移動経路」又は「経路」がある。つまり、車輪が回転して動いている間、吸気弁全体が自動車の車体に対して移動する。
【0031】
本明細書では、2つの又は2つを超える部品又は構成要素が相互に「係合する」という表現は、それらの要素が、直接的に、或いは、1又は複数の中間要素又は構成要素を介して相互に力を加えること、又は付勢することを意味する。更に、可動部品に関して本明細書では、可動部品は、ある位置から別の位置への移動中に別の要素に「係合し」てよく、及び/又はいったん記載される位置に至ったら別の要素に「係合し」てよい。よって、「要素Aは、要素の第一の位置まで移動すると、要素Bに係合する」と、「要素Aは、要素の第一の位置に至ると、要素Bに係合する」とは等価の表現であり、この表現は、要素Aは、要素の第一の位置に移動する間に要素Bに係合する、及び/又は要素の第一の位置にいる間、要素Bに係合することを意味すると理解される。
【0032】
本明細書では、「動作可能に係合する」は、「係合し、移動する」ことを意味する。つまり、「動作可能に係合する」は、移動可能又は回転可能な第二の構成要素を移動させるように構成された第一の構成要素と関連して使用されるとき、第一の構成要素が、第二の構成要素を移動させるのに十分な力を加えることを意味する。例えば、ねじ回しは、ねじと接触させて配置することができる。力がねじ回しに加えられないと、ねじ回しは単にねじに「結合される」だけである。軸方向力がねじ回しに加えられると、ねじ回しがねじを圧迫して、ねじに「係合する」。しかしながら、回転力がねじ回しに加えられると、ねじ回しは、ねじに「動作可能に係合して」、ねじを回転させる。
【0033】
本明細書では、「付随する」は、方向に関係なく、別の要素からゼロ(0°)以外の角度で延びることを意味する。即ち、例えば、「付随する」側壁は、基部から概ね上方に延びてよい。更に、「付随する」側壁は、本質的に遠位端を有する。
【0034】
本明細書では、「一体型」という文言は、単一の片又はユニットとして作製されている構成要素を意味する。つまり、別個に作製された後に共にユニットとして結合される構成要素は、「一体型」構成要素又は「一体型」構造体ではない。
【0035】
本明細書では、「幾つかの」という用語は、1又はそれを超える整数(即ち、複数)を意味するものとする。
【0036】
本明細書では、「[x]が第一の位置と第二の位置との間を移動する」、又は「[y]が、第一の位置と第二の位置との間で[x]を移動させるように構成される」という表現において、「[x]」は、要素又はアセンブリの名称である。更に、[x]が複数の位置の間を移動する要素又はアセンブリである場合、「その」という代名詞は、「[x]」、即ち、「その」という代名詞の後に言及される要素又はアセンブリを意味する。
【0037】
本明細書では、「[要素、点、又は軸]を中心に配置される」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に延びる」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に[X]度」などの表現における「中心に」は、それを中心に包囲、延在、又は測定されることを意味する。測定又はそれに類似した状況で使用される場合、「約」は、「おおよそ」、即ち、当業者によって理解される、測定に関する近似的な範囲を意味する。
【0038】
本明細書では、円状又は円筒状の物体の「径方向側面/面」は、その中心又は中心を通過する高度線周りに延びる、或いはその中心又は中心を通過する高度線を包囲する側面/面である。本明細書では、円状又は円筒状本体の「軸方向側面/面」は、中心を通過する高度線にほぼ垂直に延びる面において延びる側面である。つまり、一般的には、円筒状スープ缶の場合、「径方向側面/面」は略円状側壁であり、「軸方向側面/面」はスープ缶の頂部と底部である。
【0039】
本明細書では、「略曲線状」は、複数の湾曲部と、湾曲部と面状部の組合せと、相互に角度を成すことによって曲線を形成する複数の面状部分又はセグメントとを有する要素である。
【0040】
本明細書では、「一般的に」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「一般的な方法で」を意味する。
【0041】
本明細書では、「略」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「概ね」を意味する。
【0042】
本明細書では、「にて」は用語に関して、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して位置及び/又はその近傍を意味する。
【0043】
以下の説明及び図は、例として、以下に説明するほぼ円筒形の缶エンド12を使用する。開示及び特許請求の範囲に記載の概念は、任意の形状の缶エンド12で実施可能であり、論じられ、図示されている円筒形状は単なる例示であることは理解される。図1及び図2は、従来のイージーオープン缶エンド1を示している。従来の缶エンド1は、オープナ(例えば、限定ではないが、プルタブ2)を含んでおり、これは、開封帯又は切断可能パネル3に取り付けられる(例えば、限定ではないが、リベット留めされる)。切断可能パネル3は、従来の缶エンド1の外面5(例えば、公側)のスコアライン4によって規定される。プルタブ2は、持ち上げられ、及び/又は引っ張られてスコアライン4を切断し、切断可能パネル3を反らせて及び/又は除去して、それによって缶(図示せず)の中身を出すための開口を生じるように構成されている。図示されているように、従来の缶エンド1は、図2のように断面で見ると、中央パネル6、環状カウンターシンク7、チャック壁8、及びカール9を含む。従来の缶エンド1は、ほぼ又は実質的に平らなブランク10(図9A、概略的に示されている)から形成されていることは理解される。例示的な実施形態では、ブランク10は、知られているように、ほぼ平らなディスクである。
【0044】
ブランク10は、最初に、図3乃至図4に示す改良されたシェル13に成形され、次に、更に、図5及び図6に示す改良された缶エンド12(以下、本明細書では「缶エンド」12)に成形される。上記のように、本明細書では、「缶エンド」12及びシェル13は、共通の要素を含んでおり、同じ符号は、中央パネル14、環状部16、チャック壁18及びカール20を含むこれらの要素を特定するために図で使用される。更に、缶エンド12は、外側、即ち「公」側22と、内側、即ち「製品」側24とを有する。公側22及び製品側24は、充填された缶ボディ60(図8)に缶エンド12が結合される場合における缶エンド12の配置に関する。本明細書では、中央パネル6、14は、凹部、リベット、及び他の形成された構造を含んでいるとしても「ほぼ平ら」である。
【0045】
例示的な実施形態では、環状部16は、図6Aの「ダウンゲージング構造」11を含む。本明細書では、「ダウンゲージング構造」は、缶エンド12が缶ボディ60に結合された後に生じる座屈及び他の変形に対する缶エンド12の抵抗を増大するように構成された構造を意味する。更に、本明細書では、「ダウンゲージ構造」は、中央パネル14とチャック壁18の間の環状部16にのみ配置される構造を意味する。ダウンゲージング構造11は、「減少した元厚」を有する材料から缶エンド12を作ることができるように構成されており、それを可能にする。
【0046】
上記のように、特定の缶エンドについての「確立された厚さ」は、多くの要因、例えば、限定ではないが、完成した容器の形状及び構成によって決定される。よって、本願は、「減少した元厚」を特定の厚さ又は厚さの範囲に限定するものではない。代わりに、本明細書では、「減少した元厚」は、「確立された厚さ」よりも薄い厚さを意味する。故に、「減少した元厚」は、完成した容器の形状及び構成、並びにその他の因子に応じて異なる。言い換えると、本明細書では、「減少した元厚」は、材料が、特定の種類、モデル、及び/又はスタイルの缶エンドの「確立された厚さ」よりも薄い元厚を有することを意味する。特定の缶エンドの「確立された厚さ」は、当該技術分野でよく知られている。
【0047】
以下の説明は、例示的な缶エンド12に関しており、これは、「背景技術」で上述したものと同じ容器である一般的な18.6オンスのスープ缶に使用されるスチールシェル/缶エンド12である。缶エンド12がダウンゲージング構造11を含む場合、シート材料、即ちスチール板は、約0.0079インチの元厚を有する。故に、この例示的な缶エンドについての確立された0.0090インチの厚さと比較して、缶エンド12は「減少した元厚」を有する。更に、ダウンゲージング構造11の使用は、図6A及び/又は図12Aに示すような、34.6psiの座屈圧力及び30.0psiの逆座屈圧力に耐えることができる缶エンドを可能にする。ダウンゲージング構造11を有する缶エンド12の耐圧は、概ね公知の缶エンドと同じであって、ダウンゲージング構造11を有する缶エンド12は、公知の缶エンドの代わりに使用できる。
【0048】
即ち、減少した元厚の材料から作られた缶エンド12であって、本明細書に開示された概念を含む缶エンド12は、確立された厚さを有する缶エンドと同じ缶ボディで使用可能である。これにより、上述した問題点が解決される。更に、本明細書に開示された概念を含んでおり、「減少した元厚」を有する材料から作られた缶エンド12は、本明細書では、「減少した元厚の缶エンド」12である。
【0049】
基準を与えると、ブランク10の平面は、本明細書では、ブランク10及びそれから得られる缶エンド12の「元の平面」を規定する。以下で説明されるように、「元の平面」はまた、環状部16に隣接しており、環状部16の内側にある、即ち、缶エンド12の中心の方にある中央パネル6、14の平面である。注目すべきは、従来の缶エンド1(図2)は、中央パネル6の周縁部から製品側24に向かって延びる環状カウンターシンク7を含むことである。即ち、従来の缶エンド1は、以下で規定されるような環状リッジ50を含まない。
【0050】
図7に示すように、そして上述したように、缶エンド12は、中央パネル14と、環状部16と、チャック壁18と、カール20とを含む。以下の用語は、缶エンド12の構成要素の特徴を説明するために使用される。本明細書では、カール20は「カール高さ」を有しており、当該高さは、カール20の頂部とカール20の遠位端部との間の垂直距離を意味する。本明細書では、「カウンターシンク深さ」は、カール20の頂部と後述する環状カウンターシンク52の底部との間の垂直距離を意味する。本明細書では、「パネル深さ」は、環状カウンターシンク52の底部と中央パネル14の底部との間の垂直距離を意味する。本明細書では、「逆パネル深さ」は、後述する環状リッジ50の頂部と中央パネル14の頂部との間の垂直距離を意味する。従来の缶エンド1は、環状リッジ50を有していなかったことから、図7の「逆パネル深さ」を有していなかったことに留意のこと。更に、缶エンド12は、本明細書では、「外」側、即ち「公」側22と、「内」側、即ち「製品」側24とを有する。「外」側又は「公」側22は、缶エンド12が缶ボディ60に結合されると、大気に曝される側である。「内」側又は「製品」側24は、缶エンド12が缶ボディ60に結合されると、大気に曝されない側である。
【0051】
中央パネル14は、ほぼ平らである。図6Aに示すように、中央パネル14は、公側22にスコアライン30を含む。スコアライン30は、開封帯又は切断可能パネル32を規定する。図示された実施形態では、切断可能パネル32は、限定ではないが、食品容器用の缶エンド12と同じように、中央パネル14の大部分を占めている。この構成では、中央パネル14は、周辺部34及び切断可能パネル32を含む。缶エンド12を含む容器を開けるために、切断可能パネル32は、周辺部34に対して取り外される(又は変位する)ことは理解される。
【0052】
環状部16は、中央パネル14の周りに配置され、それと一体的になっている。例示的な一実施形態では、ダウンゲージング構造11は環状リッジ50を含む。即ち、環状部16は、環状リッジ50及び環状カウンターシンク52を含む。本明細書では、「リッジ」は、同じ略平面(以下、図7において「RP」として示されているリッジ平面)で始まって終わっており、ピークを、即ち、中央パネル14の平面に対してほぼ垂直な断面で見た場合における頂点を含む。リッジ平面にて、「リッジ」は、約0.100インチの最大幅を有する。リッジの幅は、リッジ平面で測定された上昇斜面(図7では「U」として示される)と下降斜面(図7では「D」として示される)との間の距離であって、図7では「W」として示されている。更に、本明細書では、「環状リッジ」は、切断可能パネル32周りに延びているか、又は実質的に延びている。 故に、シェル又は缶エンド上の特徴、例えば、幅広のティア(tiers)(例えば、図1及び図2のティア「T」であるが、これに限定されない)、局部的な突起又は凹部は、本明細書では「環状リッジ」を規定するものではない。例えば、米国特許第9,616,483号における「パネル構造(panel formation)」(符号118)は、「パネル構造118」がスコアラインによって定義される切断可能パネル周りに延びていないことから「環状リッジ」を含まない。
【0053】
例示的な実施形態では、環状リッジ50は、リッジ平面の頂部から中央パネル14の頂部まで測定された高さを有しており、当該高さは、約0.010インチ乃至約0.050インチ、又は約0.040インチである。このオフセットはまた、中央パネル14の「逆パネル深さ」を規定する。即ち、図示されているように、リッジ平面は、中央パネル14の平面と実質的に同じである。故に、図7及び図8に示すように、環状リッジ50は、中央パネル14から上方に延びている。例示的な実施形態では、環状リッジ50は、(図8に示すように、断面で見ると)中央パネル14から上方に曲線を描き、その曲線は、約0.010インチ乃至約0.030インチ、又は約0.015インチのアール(R)を有する。更に、例示的な実施形態では、環状リッジ50は、概ね曲線状又は概ね円弧状である。環状リッジ50が概ね円弧状である場合、環状リッジ50は、約0.010インチ乃至約0.030インチ、又は約0.015インチの内側アール(R)、即ち、上向きの斜面と下向きの斜面の間であってそれらを含む曲線の半径を有する。環状リッジ50は、中央パネル14周りに隣接して配置された部分である。任意の構成における環状リッジ50は、上述した特徴を有しており、上述した問題を解決する。
【0054】
例示的な実施形態では、環状部16は、(図7に示すように断面で見ると)ほぼ平らな部分54、以下「環状平面部」54を含む。環状平面部54の平面は、中央パネル14の平面と同一平面内にあるのではなく、また、中央パネル14の平面と平行ではないことに留意のこと。即ち、環状平面部54の平面は、中央パネル14の平面に対して傾いている。例示的な実施形態では、環状平面部54は、約0.015インチ乃至約0.050インチ、又は約0.035インチの長さを有しており、ここで「長さ」は、環状リッジ50から環状カウンターシンク52まで測定される。含められる場合には、環状平面部54は、環状リッジ50周りに隣接して配置される。
【0055】
一実施形態では、環状カウンターシンク52は、環状リッジ50周りに隣接して配置される。別の実施形態では、環状カウンターシンク52は、環状平面部54周りに隣接して配置される。本明細書では、「環状カウンターシンク」52は、同じ略平面(以下、図7において「CP」として示されているカウンターシンク平面)で始まって終わり、図7に示されているように、天底、即ち、中央パネル14の平面に対してほぼ垂直な断面で見た場合に底面頂点を含む。カウンターシンク平面にて、「環状カウンターシンク」52は、約0.120インチの最大幅を有する。環状カウンターシンク52の幅は、カウンターシンク平面で測定された下向き斜面(図面で特定していない)と上向き斜面(図面で特定してない)との間の距離である。更に、例示的な実施形態では、環状カウンターシンク52は、概ね曲線状又は概ね円弧状である。環状カウンターシンク52が概ね円弧状である場合、環状カウンターシンク52は、約0.015インチ乃至約0.050インチ、又は約0.020インチの内側アール、即ち、上向き斜面と下向き斜面との間でそれらを含む曲線の半径を有する。
【0056】
図6Aに示すように、チャック壁18は、環状カウンターシンク52周りに隣接して配置されている。カール20は、チャック壁18周りに隣接して配置されている。即ち、カール20は、チャック壁18から径方向外側に延びている。知られているように、そして図8に示されているように、缶エンド12は、缶ボディ60に結合され、直接結合され、固定され、又は(後述するように)「シーム」されており、それによって容器70を形成する。缶ボディ60は、基部62と、上向きの付随する側壁64とを含む。缶ボディ60は、概ね閉じた空間66を規定する。
【0057】
上述したように、環状リッジ50及び環状カウンターシンク52を有する環状部16を含む缶エンド12は、より薄い材料、即ち、従来の缶エンド1と比較してより薄い材料を使用することを可能にする。例示的な実施形態では、ブランク10又はブランク10に成形される材料は、元厚を有している。後述するように、缶エンド12の形成プロセス中、例示的な一実施形態では、元厚は維持される。例示的な別の実施形態では、缶エンド12の形成プロセス中、元厚は、概ね低減されるか、又は、その選択された部分の厚さが低減される。元厚と同じであっても、元厚から減少していても、缶エンド12の要素は、上記で定義されたように、減少した元厚を有する材料から始まり、最終厚さで終わる。即ち、例示的な実施形態では、中央パネル14、環状部16、チャック壁18、及びカール20の各々は、元々減少した元厚を有しており、最終厚さで終わる。即ち、例示的な実施形態では、減少した元厚、及び/又は最終厚さは、約0.0050インチ乃至約0.0096インチ、又は約0.0079インチである。缶エンド12、即ち、減少した元厚の缶エンド12を使用することは、上述の問題を解決する。
【0058】
上述した缶エンド12は、図9に示すように、ツーリング100、即ちツーリングアセンブリ100で形成される。ツーリングアセンブリ100は、上側ツールアセンブリ102と下側ツールアセンブリ104とを含む。上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104は、それらの間に配置された材料を、上述した缶エンド12に成形するように協働する。即ち、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104は、上述したような環状リッジ50及び環状カウンターシンク52を有する環状部16を形成するように協働する。即ち、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104は、元の平面の上方に実質的に配置された環状リッジ50を形成し、且つ、元の平面の下方に実質的に配置された環状カウンターシンク52を形成するように協働する。例示的な実施形態では、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104は、概ね円弧状の断面を有する環状リッジを形成するように、且つ、概ね円弧状の断面を有する環状カウンターシンク52を形成するように協働する。
【0059】
例示的な実施形態では、図9に示すように、上側ツールアセンブリ102は、上側ダイシュー200、上側ツーリングリテーナ202、ダイセンターライザー204、「抜き絞り型(blank and draw)」ダイパンチ206(要素206は、シート材料からブランクを切断すると同時にブランクに絞り加工をする単一の要素)、上側ピストン208、ダイセンターパンチ210、そして、リバースパネルを有する実施形態では、上側リバースパネルインサート212を含む。例示的な同じ実施形態において、下側ツールアセンブリ104は、下側ダイシュー220、下側ツールリテーナ222、ダイコアリング224、パネルパンチピストン226、下側ピストン228、パネルパンチ230、切刃234を有するカッティングリング232、及び下側リバースパネルインサート236を含む。これらの要素の相互作用は、図9A乃至9Gに順番に示されている。簡単のために、ブランク10は、図9B乃至9Gには示されておらず、図9Aに模式的に示されていることに留意のこと。これらの要素の動きは、米国特許第5,857,374号に概ね開示されており、この特許の図2乃至13に関連する説明は、上側リバースパネルインサート212がダイセンターパンチ210(米国特許第5,857,374号ではダイセンター52)と共に移動し、下側リバースパネルインサート236がパネルパンチ230(米国特許第5,857,374号では要素125)と共に移動することを理解した上で、参照により本明細書の一部となる。
【0060】
従って、図10に示すように、環状リッジ50及び環状カウンターシンク52を有する缶エンド12を作製する方法は、以下を含む:元の平面を規定するシート材料を提供する工程1000と、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104を有するツーリング100を準備する工程1002と、上側ツールアセンブリ102と下側ツールアセンブリ104の間に材料を導入する工程1004と、シート材料からブランク10を切り出す工程1005と、中央パネル14と、中央パネル14周りに配置された環状部16と、環状部16周りに配置されたチャック壁18と、チャック壁18から径方向外向きに延びるカール20とを含むように材料又はブランク10を成形する工程1006(以下、「材料を成形する工程1006」)と、環状リッジ50及び環状カウンターシンク52を含むように環状部16を形成する工程1008と、を含む。例示的な実施形態では、環状リッジ50及び環状カウンターシンク52を含むように環状部16を形成する工程1008は、元の平面の下方に実質的に配置されるように環状カウンターシンク52を形成する工程1020と、元の平面の上方に実質的に配置されるように環状リッジ50を形成する工程1022と、を含む。更に、例示的な実施形態では、環状リッジ50及び環状カウンターシンク52を含むように環状部16を形成する工程1008は、単一の中心を有し、約140°乃至180°の弧にわたって延びる環状カウンターシンク52を形成する工程1030と、約0.015インチ乃至0.050インチ、又は約0.020インチであるアールを有する環状カウンターシンク52を形成する工程1032と、単一の中心を有し、約140°乃至180°の円弧、ある実施形態では約150°の円弧、又は別の実施形態では約160°の円弧にわたって延びる環状リッジ50を形成する工程1034と、
約0.010インチ乃至0.030インチ、又は約0.015インチのアールを有する環状リッジ50を形成する工程1036と、を含む。
【0061】
別の例示的な実施形態では、元の平面を規定するシート材料を準備する工程1000は、減少した元厚の材料を準備する工程1040であって、減少した元厚は、約0.0055インチ乃至約0.0110インチ、約0.0050インチ乃至約0.0096インチ、又は約0.0079インチである工程を含んでおり、中央パネル14と、環状部16と、チャック壁18と、カール20とを含むように材料を成形する工程1006の後、中央パネル14、環状部16、チャック壁18、及びカール20の各々は、最終厚さを有しており、最終厚さは、減少した元厚と実質的に同じであり、即ち、約0.0055インチ乃至約0.0110インチ、約0.0050インチ乃至約0.0096インチ、又は約0.0079インチである。
【0062】
図11及び図12に示す別の例示的な実施形態では、ダウンゲージング構造11は、強化環状カウンターシンク110及び/又は環状テーパー部112を含む。即ち、この実施形態では、環状部16は、強化環状カウンターシンク110及び/又は環状テーパー部112を含む。本明細書では、「強化環状カウンターシンク」とは、缶エンド12の一部であって、パネル深さが中央パネル14の最終厚さの約8倍乃至約9倍であるカウンターシンクを意味する。更に、「強化環状カウンターシンク」とは、カウンターシンクが同じ基準平面内で始まって終らないことを意味する。代わりに、及び「強化環状カウンターシンク」110は、約115°乃至約160°、又は約135°の曲線部122(以下で説明される)又は円弧状部を含む(図12Aでは線「EAC」で示される)。更に、本明細書では、「強化環状カウンターシンク」は、以下で述べるように標準的なシームチャック502よりも径方向に広い。即ち、図13に示すように、従来の環状カウンターシンク7(破線)は、標準的なシームチャック502と概ね同じ径方向の幅を有する。しかしながら、強化環状カウンターシンク110は、標準的なシームチャック502よりも実質的に広い径方向の幅を有する。
【0063】
例示的な実施形態では、環状平面部54は、中央パネル14と環状カウンターシンク52の間に配置された「強化環状平面部」120である。本明細書では、「強化環状平面部」とは、環状平面部54が、中央パネル14の最終厚さの約8倍乃至約9倍の高さ(図12Aに示すように、即ち、中央パネル14の平面に対して法線方向に測定された距離)を有することを意味する。この構成では、環状カウンターシンク52は、環状カウンターシンク52の底から中央パネル14の底までで測定される深さを有し、これは、従来技術の缶エンド12の環状カウンターシンクの深さよりも大きい。これにより、上述した問題が解決される。更に、例示的な実施形態では、強化環状平面部120は、中央パネル14の平面に対して概ね垂直に延びている。
【0064】
例示的な実施形態では、強化環状平面部120は、中央パネル14に隣接して配置され、中央パネル14周りに延びている。更に、強化環状カウンターシンク110は、強化環状平面部120に隣接して配置され、強化環状平面部120周りに延びている。強化環状カウンターシンク110は、図12Aに示すように、断面で見ると、概ね曲線状、即ち概ね円弧状であり、以下、略曲線部122と特定される。強化環状カウンターシンク110、又は、言い換えると曲線部122は、約115°乃至約160°、又は約135°で延びている。例示的な実施形態では、略曲線部122は、一般的に円弧状である。更に、略曲線部122は、約0.015インチ乃至約0.050インチ、又は約0.020インチのアールを有する。
【0065】
例示的な実施形態では、強化環状カウンターシンク110は、環状テーパー部112で取り包囲されているか、又は囲まれている。即ち、環状テーパー部112は、強化環状カウンターシンク110に隣接して配置され、強化環状カウンターシンク110周りに延びている。本明細書では、「環状テーパー部」は傾いており、即ち、中央パネル14の平面に対して概ね垂直ではなく、又は概ね平行ではない。図示されているように、環状テーパー部112は、中央パネル14の平面(これはまた、元の平面であるか、又は元の平面に平行である)に対して約25°乃至約50°の角度(角度αで示される)で傾いている。本明細書では、約25°乃至約50°の角度は、基準面に対して概ね垂直ではなく、又は概ね平行ではない。本実施形態では、環状テーパー部112は、本明細書では、(図示されているように断面で見ると)概ね直線状であり、「直線状環状テーパー部」112である。即ち、本明細書では、「直線状環状テーパー部」112は、環状テーパー部112に、以下に定義されるような「ステップ」、又は同様の変化、例えば二重のステップを含まない環状テーパー部112を意味する。
【0066】
更に、本明細書では、「環状テーパー部」は、上向き及び外向きに傾いている。即ち、強化環状カウンターシンク110に隣接する環状テーパー部112の端部は、チャック壁18に隣接する環状テーパー部112の端部と比較して小さいアールを有しており、強化環状カウンターシンク110に隣接する環状テーパー部112の端部は、チャック壁18に隣接する環状テーパー部112の端部と比較して大きいオフセット(即ち、中央パネル14の平面に対する法線方向の距離)を有する。例示的な実施形態では、環状テーパー部112は、中央パネルの最終厚さの約6倍乃至約8倍の径方向の幅を有する。本明細書では、「径方向の幅」とは、中央パネル14の平面に対して概ね平行に測定された距離を意味する。
【0067】
例示的な別の実施形態では、図14図14A及び図14Bに示すように、環状テーパー部112Aは、第1のセクション130及び第2のセクション132を含む。環状テーパー部の第1のセクション130は、強化環状カウンターシンク110周りに隣接して配置されている。環状テーパー部の第2のセクション132は、環状テーパー部の第1のセクション130周りに隣接して配置されている。環状テーパー部の第1のセクション130は、中央パネル14の平面に対して約35°乃至約65°、又は約55°傾いている。環状テーパー部の第2のセクション132は、中央パネル14の平面に対して約15°乃至約30°、又は約20°傾いている。この構成では、環状テーパー部の第1のセクション130と環状テーパー部の第2のセクション132との間の境界134は、断面で見ると「ステップ」136を規定する。本明細書では、「ステップ」は、2つの面の間の遷移領域である。本実施形態では、環状テーパー部112Aは、本明細書では、「ステップ付き環状テーパー部」112Aである。即ち、本明細書では、「ステップ付き環状テーパー部」112Aは、上述したように、「ステップ」を含む環状テーパー部112を意味する。
【0068】
ステップ136は、図14Bに示すように、ステップ136の上の「標準的チャック壁」18Aと同様に、標準的シームチャック502によって係合されるように構成されている。本明細書では、「標準的チャック壁」は、先行技術の缶の端部をシームするように構成されたシームチャックによって係合されるように構成されたチャック壁18であり、先行技術のチャック壁18A(図2)と同じ、又は実質的に同じである。更に、例示的な実施形態では、環状テーパー部の第1のセクション130は、約0.040インチ乃至約0.085インチの高さを有し、環状テーパー部の第2のセクション132は、約0.010インチ乃至約0.030インチの高さを有する。
【0069】
例示的な実施形態では、チャック壁18は、「標準的」チャック壁18Aである。本明細書では、「標準的」チャック壁18Aは、標準的シームチャック502によって係合されるように構成されている。即ち、容器70は、通常、12オンスの飲料容器(図示せず)のような標準サイズを有するが、これに限定されない。食品及び飲料製造業者は、様々な製造業者から、後述するシームプレス500で処理される缶エンド12及び缶ボディ60を入手する。缶エンド12及び缶ボディ60を加工するためには、それらは標準サイズである必要がある。故に、本明細書では、「標準的」チャック壁18Aは、当該技術分野で知られている一般的な容器サイズの標準的シームチャック502と係合するように構成されたチャック壁を意味する。更に、「標準的シームチャック」は、一般的な先行技術のシェル又は缶エンド1をシームするように構成されたシームチャックを意味する。様々なサイズの容器が様々なサイズのシームチャックに関連付けられていること、つまり、「標準的シームチャック」は、特定のサイズの容器に関連付けられたシームチャックを意味することは理解される。言い換えると、例示としてのみであるが、12オンスの飲料容器は、あるサイズの「標準的シームチャック」を有するが、3.5オンスのイワシ容器は、別のサイズの「標準的シームチャック」を有する。
【0070】
先と同様に、標準的チャック壁18Aは、環状カウンターシンク52周りに隣接して配置される。カール20は、標準的チャック壁18A周りに隣接して配置される。即ち、カール20は、標準的チャック壁18Aから径方向外向きに延びる。知られているように、缶エンド12は、缶ボディ60に結合され、直接結合され、又は固定されて、それによって容器70を形成する。
【0071】
別の例示的な実施形態では、環状部16は、上述したような環状リッジ50、強化環状カウンターシンク110、及び環状テーパー部112の各々、又はそれらの任意の組合せを含む。言い換えると、缶エンド12のダウンゲージング構造11は、環状リッジ50、強化環状カウンターシンク110、及び環状テーパー部112を含む。これらのダウンゲージング構造11の使用は、上述した問題を解決しており、それによって缶エンド12の元厚だけでなく最終厚さも、公知の技術と比較して減少する。
【0072】
強化環状カウンターシンク110及び/又は環状テーパー部112を有する缶エンド12は、概ね上述したようにして、ツーリング100で形成される。更に、強化環状カウンターシンク110及び/又は環状テーパー部112を形成するために、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104は、それらの間に配置された材料を缶エンド12へと成形するために協働するように構成されており、缶エンド12は、中央パネル14と、中央パネル14周りに配置された環状部16と、環状部16周りに配置された標準的チャック壁18Aと、標準的チャック壁18Aから径方向外向きに延びるカール20とを含むことに留意のこと。
【0073】
例示的な実施形態では、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104は、ダイセンター(米国特許第5,857,374号の要素52)の外周の輪郭が、上述した強化環状カウンターシンク110と、直線状環状テーパー部112又はステップ付き環状テーパー部112Aの何れかとに実質的に対応するように形成されている点を除いて、米国特許第5,857,374号のツーリングアセンブリに実質的に同様である。即ち、上側ツールアセンブリ102は、上記で定義されたように強化環状カウンターシンクを形成するように構成されたパンチを含む。
【0074】
例示的な実施形態では、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104は、中央パネル14の平面に対して概ね垂直に延びる強化環状平面部120を形成するように構成されている。更に、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104は、中央パネル14の平面に対して約25°乃至約50°の角度を有する環状テーパー部112を形成するように構成されており、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104は、中央パネルの最終厚さの約6倍乃至8倍の径方向の幅を有する環状テーパー部112を形成するように構成されている。缶エンド12は、その後、公知のようにして標準的シームチャック502を含むシームアセンブリによって処理される。
【0075】
従って、図15に示すように、強化環状カウンターシンク100及び/又は環状テーパー部112を有する缶エンド12を製造する方法は、元厚を規定するシート材料を準備する工程1000と、上側ツールアセンブリ102及び下側ツールアセンブリ104を有するツーリング100を準備する工程1002と、(上述したように)上側ツールアセンブリ102と下側ツールアセンブリ104の間に材料を導入する工程1004と、シート材料からブランク10を切り出す工程1005と、に加えて、中央パネル14と、中央パネル14周りに配置された環状部16と、環状部16周りに配置された標準的チャック壁18Aと、標準的チャック壁18Aから径方向外向きに延びるカール20とを含むように材料を成形する工程1006と、強化環状カウンターシンク110及び環状テーパー部112とを含むように環状部16を成形する工程2008と、を含んでおり、環状テーパー部112は、強化環状カウンターシンク110周りに配置されている。
【0076】
更に、強化環状カウンターシンク110及び環状テーパー部112を含むように環状部16を形成する工程2008は、単一の中心を有し、約115°乃至約160°又は約135°の円弧にわたって延びるように強化環状カウンターシンク110を形成する工程2010と、約0.015インチ乃至約0.050インチ、又は約0.020インチのアールを有するように強化環状カウンターシンク110を形成する工程2012と、元の平面に対して約25°乃至約50°の角度を有する直線状環状テーパー部112を形成する工程と、を含んでいる。更に、強化環状カウンターシンク110及びステップ付き環状テーパー部112Aを含むように環状部16を形成する工程2008は、第1のセクション130及び第2のセクション132を有する環状テーパー部112を形成する工程2020を含んでおり、環状テーパー部の第1のセクション130は、強化環状カウンターシンク110周りに配置されており、環状テーパー部の第2のセクション132は、環状テーパー部の第1のセクション130周りに配置されており、環状テーパー部の第1のセクション130は、中央パネル14の平面に対して約35°乃至約65°の角度で傾いており、環状テーパー部の第2のセクション132は、中央パネル14の平面に対して約15°乃至約30°の角度で傾いている。
【0077】
本発明の特定の実施形態について詳細に説明したが、当業者であれば、それらの詳細に対する様々な修正や代替を、本開示の教示全体に鑑み開発することができると認識されるであろう。従って、開示される特定の構成は、単に例示であることを意図しており、添付の特許請求の範囲及びその全ての均等物の全範囲を、提供される発明の範囲に関して限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図6A
図7
図8
図9
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10
図11
図12
図12A
図13
図14
図14A
図14B
図15