(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】停止した自律型車両によって引き起こされる周辺道路利用者への迷惑の低減
(51)【国際特許分類】
B60W 30/09 20120101AFI20230126BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20230126BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
B60W30/09
G08G1/16 A
B60W40/02
(21)【出願番号】P 2021514557
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(86)【国際出願番号】 US2019052380
(87)【国際公開番号】W WO2020068636
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-04-28
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ダイアー,ジョン ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フ,ケン
【審査官】菅野 京一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0361835(US,A1)
【文献】米国特許第09766626(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0277191(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0344010(US,A1)
【文献】国際公開第2017/056224(WO,A1)
【文献】特開2010-287093(JP,A)
【文献】特開2017-226371(JP,A)
【文献】特開2016-031570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型車両に
よって引き起こされる道路利用者への迷惑を減らす方法であって、
自律運転モードを有する車両を1つ以上のプロセッサによって第1の場所に停止させることと、
前記車両が停止している間、1つ以上のプロセッサによって、前記車両の知覚システムからセンサデータを受信することであって、前記センサデータが
前記道路利用者を識別す
ることと、
前記センサデータを使用して、前記1つ以上のプロセッサによって、前記第1の場所で前記車両を停止することによって引き起こされる前記道路利用者への迷惑のレベルを示す
第1の迷惑値を決定することと、
前記第1の迷惑値が所定の閾値を満たしている場合、前記1つ以上のプロセッサによって、
前記センサデータを使用して、複数の第2の場所のそれぞれの第2の迷惑値を決定し、前記第2の迷惑値は、前記第2の場所で前記車両を停止することによって引き起こされる前記道路利用者への迷惑のレベルを示し、前記第2の迷惑値は前記第1の迷惑値より低く、
前記複数の第2の場所のうち前記第2の迷惑値が最も低い第2の場所を選択し、
前記自律運転モードの前記車両
を制御
して、前記車両を前記第1の場所から前記選択された第2の場所に移動させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記センサデータは、
前記道路利用者の観察された行動を示し、前記方法は、
前記道路利用者の未来の行動を予測する行動モデルの出力を受信することと、
前記未来の行動を前記観察された行動と比較することとをさらに含み、前記
第1の迷惑値を前記決定することは、前記比較にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサデータは、
前記道路利用者の観察された行動を示し、前記方法は、
前記道路利用者の第1の未来の行動を予測する行動モデルの第1の出力を受信することと、
前記第1の出力を受信した後、前記道路利用者の第2の未来の行動を予測する前記行動モデルの第2の出力を受信することと、
前記第1の未来の行動を前記第2の未来の行動と比較することとをさらに含み、前記
第1の迷惑値を前記決定することは、前記比較にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の出力は、前記第2の未来の行動が前記車両への反応であることをさらに示し、前記
第1の迷惑値を決定することは、前記第2の未来の行動が前記車両への反応であることを前記示すことにさらに基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記
第1の迷惑値を決定することは、前記
第1の迷惑値を出力するモデルに前記センサデータを入力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記道路利用者の第1の未来の行動を予測する行動モデルからの出力に基づいて、前記車両が前記道路利用者に迷惑をかけていることを決定することをさらに含み、前記センサデータは、前記車両が前記道路利用者に迷惑をかけているという決定に基づいて前記モデルに入力される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記車両を制御することは、前記道路利用者が前記車両の車線に隣接する車線にいるか否かに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記車両を制御することは、前記道路利用者が前記車両の車線にいて、かつ前記車両の後ろにいるか否かに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
搭乗者を待つために前記車両が前記第1の場所で停止され、前記方法は、前記制御することに基づいて前記搭乗者のクライアントコンピューティングデバイスにメッセージを送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
自律型車両によって引き起こされ
る道路利用者への迷惑を減らすためのシステムであって、
1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサは、
自律運転モードを有する車両を第1の場所で停止させることと、
前記車両が停止している間、前記車両の知覚システムからセンサデータを受信することであって、前記センサデータが
前記道路利用者を識別す
ることと、
前記センサデータを使用して、前記第1の場所で前記車両を停止することによって引き起こされる前記道路利用者にかける迷惑のレベルを示す
第1の迷惑値を決定することと、
前記第1の迷惑値が所定の閾値を満たしている場合、
前記センサデータを使用して、複数の第2の場所のそれぞれの第2の迷惑値を決定し、前記第2の迷惑値は、前記第2の場所で前記車両を停止することによって引き起こされる前記道路利用者への迷惑のレベルを示し、前記第2の迷惑値は前記第1の迷惑値より低く、
前記複数の第2の場所のうち前記第2の迷惑値が最も低い第2の場所を選択し、
前記自律運転モードの前記車両
を制御
して、前記車両を前記第1の場所から前記選択された第2の場所に移動させることと、を行うように構成されている、システム。
【請求項11】
前記センサデータは、
前記道路利用者の観察された行動を示し、前記1つ以上のプロセッサは、
前記道路利用者の未来の行動を予測する行動モデルの出力を受信し、
前記未来の行動を前記観察された行動と比較するようにさらに構成され、前記
第1の迷惑値の決定は、前記比較にさらに基づく、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記センサデータは、
前記道路利用者の観察された行動を示し、前記1つ以上のプロセッサは、
前記道路利用者の第1の未来の行動を予測する行動モデルの第1の出力を受信し、
前記第1の出力を受信した後、前記道路利用者の第2の未来の行動を予測する前記行動モデルの第2の出力を受信し、
前記第1の未来の行動を前記第2の未来の行動と比較するようにさらに構成され、前記
第1の迷惑値の決定は前記比較にさらに基づく、請求項
10に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2の出力は、前記第2の未来の行動が前記車両への反応であることをさらに示し、前記1つ以上のプロセッサは、前記第2の未来の行動が前記車両への反応であることを前記示すことにさらに基づいて、前記
第1の迷惑値を決定するようにさらに構成されている、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは
、前記
第1の迷惑値を出力するモデルに前記センサデータを入力
して前記第1の迷惑値を決定する
ようにさらに構成されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記道路利用者の第1の未来の行動を予測する行動モデルからの出力に基づいて、前記車両が前記道路利用者に迷惑をかけていることを決定するようにさらに構成され、前記車両が前記道路利用者に迷惑をかけているという決定に基づいて、前記センサデータが前記モデルに入力される、請求項
14に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサは、前記道路利用者が前記車両の車線に隣接する車線にいるか否かにさらに基づいて、前記車両を制御するようにさらに構成されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサは、前記道路利用者が前記車両の車線内にいて、かつ前記車両の後ろにいるか否かにさらに基づいて、前記車両を制御するようにさらに構成されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項18】
搭乗者を待つために前記車両が前記第1の場所で停止され、前記1つ以上のプロセッサが、前記制御に基づいて前記搭乗者のクライアントコンピューティングデバイスにメッセージを送信するようにさらに構成されている、請求項
10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月25日に出願された出願第16/141,467号の利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人間の運転者を必要としない車両などの自律型車両は、ある場所から別の場所への搭乗者または物品の輸送を支援するために使用され得る。そのような車両では、ピックアップ場所または目的地のようないくつかの初期入力を搭乗者が提供し得、車両がその場所へ車両自体を操縦する、完全な自律モードで動作し得る。
【0003】
人(またはユーザ)が車両を介して2つの場所の間で物理的に輸送されることを望む場合、任意の数の輸送サービスを使用することができる。これまでのところ、これらのサービスは通常、ユーザをピックアップする場所へ配車を指示された人間の運転手を伴う。多くの場合、人間の運転手とユーザは、ユーザがピックアップされる正確な場所を調整できる。加えて、搭乗者待ちで停止して、搭乗者を待っているとき、人間の運転手は、通常、環境内の他の車両、歩行者、自転車利用者などの他の道路利用者に迷惑をかけているのを認識することができる。例えば、車両は、背後にいる他の車両、隣接する車線から接近する車両、駐車しようとするか、または駐車から出ようとする車両、自転車利用者および/もしくは自転車専用車線、横断しようとする歩行者などを妨害するまたは迷惑をかける可能性がある。このように、人間の運転手は、他の運転手への迷惑をどのように最善に減らすかを判断でき得る。これは、人間の運転手のいない自律型車両の場合には、容易に達成できない。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、自律型車両による他の道路利用者への迷惑を減らす方法を提供する。この方法は、1つ以上のプロセッサによって、自律運転モードを有する車両を第1の場所で停止させることと、車両が停止している間、1つ以上のプロセッサによって、車両の知覚システムからセンサデータ、道路利用者を識別するセンサデータを受信することと、センサデータを使用して、1つ以上のプロセッサによって、第1の場所で車両を停止することによって引き起こされる他の道路利用者への迷惑のレベルを示す値を決定することと、車両を第1の場所から移動させて、迷惑その値を減らすために、1つ以上のプロセッサによって、自律運転モードの車両を制御することとを含む。
【0005】
一例において、センサデータは、他の道路利用者の観察された行動を示し、この方法は、他の道路利用者の未来の行動を予測し、かつ未来の行動を観察された行動と比較する行動モデルの出力を受信することをさらに含み、迷惑その値を決定することは、その比較にさらに基づく。別の例において、センサデータは、他の道路利用者の観察された行動を示し、この方法は、他の道路利用者の第1の未来の行動を予測する行動モデルの第1の出力を受信することと、この第1の出力を受信した後、道路利用者の第2の未来の行動を予測する行動モデルの第2の出力を受信することと、第1の未来の行動を第2の未来の行動と比較することとを含み、迷惑その値を決定することは、その比較にさらに基づく。この例において、第2の出力はさらに、第2の未来の行動が車両への反応であることを示し、迷惑その値を決定することは、第2の未来の行動が車両への反応であることを示すことにさらに基づく。別の例において、迷惑その値を決定することは、迷惑その値を出力するモデルにセンサデータを入力することを含む。この例において、この方法は、他の道路利用者の第1の未来の行動を予測する行動モデルからの出力に基づいて車両が道路利用者に迷惑をかけていることを決定することも含み、センサデータは、車両が道路利用者に迷惑をかけているという決定に基づいて行動モデルに入力される。別の例において、車両を制御することは、道路利用者が車両の車線に隣接する車線にいるか否かに基づいている。別の例において、車両を制御することは、道路利用者が車両の車線にいて、かつ車両の後ろにいるか否かに基づいている。別の例において、搭乗者を待つために車両が第1の場所で停止されていると、この方法はまた、制御することに基づいて搭乗者のクライアントコンピューティングデバイスにメッセージを送信することを含む。別の例において、この方法は、迷惑その値が閾値を満たしていると決定することも含み、車両を制御することは、迷惑その値が閾値を満たしているという決定にさらに基づく。
【0006】
本開示の別の態様は、停止した自律型車両によって引き起こされる他の道路利用者への迷惑を減らすためのシステムを提供する。このシステムは、1つ以上のプロセッサを含み、このプロセッサは、自律運転モードを有する車両を第1の場所で停止させ、車両が停止している間、車両の知覚システムからセンサデータ、道路利用者を識別するセンサデータを受信し、センサデータを使用して、第1の場所で車両を停止することによって引き起こされる道路利用者への迷惑のレベルを示す値を決定し、迷惑第1の場所から車両を移動させて、その値を減らすために、1つ以上のプロセッサによって、自律運転モードの車両を制御するように構成されている。
【0007】
一例において、センサデータは、他の道路利用者の観察された行動を示し、1つ以上のプロセッサはまた、他の道路利用者の未来の行動を予測する行動モデルの出力を受信し、未来の行動を観察された行動と比較するように構成され、迷惑その値を決定することはその比較にさらに基づく。別の例において、センサデータは、他の道路利用者の観察された行動を示し、1つ以上のプロセッサはまた、他の道路利用者の第1の未来の行動を予測する行動モデルの第1の出力を受信し、第1の出力を受信した後、道路利用者の第2の未来の行動を予測する行動モデルの第2の出力を受信し、第1の未来の行動を第2の未来の行動と比較するように構成され、迷惑その値を決定することもまた、その比較に基づく。この例において、第2の出力はまた、第2の未来の行動が車両への反応であることを示し、1つ以上のプロセッサはまた、第2の未来の行動が車両への反応であることを示すことに基づいて迷惑その値を決定するように構成される。別の例において、1つ以上のプロセッサはまた、迷惑その値を決定するように構成され、迷惑その値を出力するモデルにセンサデータを入力することを含む。この例において、1つ以上のプロセッサはまた、他の道路利用者の第1の未来の行動を予測する行動モデルからの出力に基づいて車両が道路利用者に迷惑をかけていることを決定するように構成され、センサデータは、車両が道路利用者に迷惑をかけているとの決定に基づいてモデルに入力される。別の例において、1つ以上のプロセッサはまた、道路利用者が、車両の車線に隣接する車線にいるか否かにも基づいて車両を制御するように構成される。別の例において、1つ以上のプロセッサはまた、道路利用者が車両の車線にいて、かつ車両の後ろにいるか否かにも基づいて車両を制御するように構成される。別の例において、搭乗者を待つために車両が第1の場所で停止されていると、1つ以上のプロセッサが、制御に基づいて搭乗者のクライアントコンピューティングデバイスにメッセージを送信するようにさらに構成される。別の例において、1つ以上のプロセッサは、迷惑その値が閾値を満たしていると決定し、その値が閾値を満たしているとの決定にさらに基づいて車両を制御するようにさらに構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の態様による、例示的な車両の機能図である。
【
図2】本開示の態様による、地図情報の例示的な図である。
【
図3】本開示の態様による車両の例示的な外観図である。
【
図4】本開示の態様による、システムの例示的な絵図である。
【
図5】本開示の態様による、システムの例示的な機能図である。
【
図4】本開示の態様による、車道の区分の図である。
【
図7-11】本開示の態様による様々な状況の例である。
【
図12】本開示の態様による、道路利用者の実際の軌道と予測された軌道との比較例である。
【
図13】本開示の態様による、道路利用者の実際の軌道と予測された軌道との別の比較例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概要
この技術は、自律型車両が、搭乗者の到着を待っている場合にピックアップ場所から移動するか否かについて自主的に決定できるようにすることに関する。これにより、自律型車両が停止して1人以上の搭乗者を待っている周囲の環境において、他の道路利用者の迷惑を軽減し得る。例えば、上述のように、車両は、背後にいる他の車両、隣接する車線から接近する車両、駐車しようとするか、または駐車から出ようとする車両、自転車利用者および/または自転車専用車線、横断しようとする歩行者などを妨害するまたは迷惑をかける可能性がある。
【0010】
1つのアプローチとして、自律型車両は、停止すると、車両が他の道路利用者を妨害しているか、または別様に迷惑をかけているか否かに基づいて、自律型車両が前に進むべきか否かについて、増加する時間間隔で遠隔操作者に支援を要求し得る。それに応じて、遠隔操作者は、車両の周囲を確認し、自律型車両に、車両の周りの交通の流れに応じて、そのまま留まるかまたは前に進むかを指示し得る。もちろん、このやりとりには時間がかかる可能性があり、他の道路利用者に迷惑や迷惑をもたらす可能性がある。このような状況で自律型車両が遠隔操作者を呼び出す必要性を減らすか、またはなくすために、車両のコンピューティングデバイスは、車両が他の運転手に迷惑をかけている状況を識別し、その後、その迷惑を軽減しようとし得る。
【0011】
そうするために、車両のコンピューティングデバイスは、車両の知覚システムからセンサデータを受信し得る。知覚システムは、様々なセンサを含み得、車両の環境内の他の道路利用者のような物体を検出および識別するように構成され得る。次に、この情報を使用して、車両が、交通を妨害したり、他の道路利用者に車両の周りを移動させたりするなどして、他の道路利用者に迷惑をかけているか否かを決定し得る。例えば、車両のコンピューティングデバイスは、車両が他の車両、歩行者、および自転車利用者の進行を妨げているのか、またはそれらの道路利用者に車両の周りを運転させなければならないのかを決定し得る。
【0012】
車両のコンピューティングデバイスは、さまざまな行動予測モデルから出力を受信し得る。例えば、車両の知覚システムによって検出された所与のタイプの各道路利用者について、車両のコンピューティングデバイスは、そのタイプの道路利用者に対応する行動予測モデルを使用して、その道路利用者の未来の行動を推定し得る。場合によって、これらの行動モデルはまた、他の道路利用者の行動が車両に反応するか否かを識別し得る。予測が時間の経過とともに変化する場合、または他の道路利用者が車両に接近するときの予測が他の道路利用者の実際の行動と十分に一致せず、これらの変化もしくは差異が車両によって引き起こされる場合、これは車両が他の道路利用者に迷惑をかけていることを示し得る。
【0013】
車両のコンピューティングデバイスが迷惑を迅速に評価できるようにするために、上述のように車両が迷惑をかけていると車両の知覚システムによって検出された他の道路利用者についてのみ、迷惑値を提供するためにモデルが使用され得る。モデルは、車両が他の交通に迷惑をかけていると識別された場合のラベル付きインスタンスによって、車両の知覚システムによって生成されたセンサデータを使用してトレーニングされ得る。モデルは、車両が前述の道路利用者に迷惑をかける可能性がどれくらいあるかを示す値を提供するようにトレーニングされ得る。代替的に、さまざまな行動モデルの出力に関係なく、車両が停止している場合はいつでも、車両が他の道路利用者に迷惑をかけているか否かを決定するためにこのモデルが使用され得る。
【0014】
モデルの出力は、適切な反応を決定するために使用され得る。例えば、迷惑その値を閾値と比較して、車両が他の道路利用者に迷惑をかけているため、車両を移動すべきであるか否かを決定し得る。閾値が満たされない場合、車両のコンピューティングデバイスは、車両を現在の場所に留めておくことによって応答し得る。閾値が満たされる場合、車両のコンピューティングデバイスは、迷惑その値を減らすために車両を移動させることによって応答し得る。さらに、車両がどのように移動されるかは、車両が他の交通にどのように迷惑をかけているかに依存し得る。さらに別の例において、車両のコンピューティングデバイスは、モデルからより低い値を有する場所を探索しようとし得る。
【0015】
本明細書に記載の特徴は、自律型車両が、搭乗者の到着を待っている場合に、ピックアップ場所から移動するか否かに関して自主的に決定を行うことを可能にし得る。これにより、車両がそのような状況に対応するのにかかる時間を短縮しながらも、遠隔操作者がこれらの決定を行う必要性を減らすか、またはなくし得る。この時間の短縮はまた、車両がその環境を継続的に監視し、他の道路利用者への迷惑を予測することができるので、はるかに速い応答を可能とし得、車両の安全性を高め得る。同時に、車両が他の道路利用者を妨害し、または迷惑をかけていることを自動的に決定できるようにすることで、車両は環境への応答性が高くなり、他の道路利用者を妨害したり、迷惑をかけたり、場合によっては迷惑をかけたりする可能性を低くし得る。
【0016】
例示的なシステム
図1に示されるように、本開示の一態様による車両100は、様々な構成要素を含む。本開示のある特定の態様は、特定のタイプの車両との接続に特に有用であるが、車両は、限定されるものではないが、乗用車、トラック、オートバイ、バス、レクリエーション用車両などを含む、任意のタイプの車両であってもよい。車両は、1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、および汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する他の構成要素を含む、コンピューティングデバイス110などの1つ以上のコンピューティングデバイスを有してもよい。
【0017】
メモリ130は、1つ以上のプロセッサ120によってアクセス可能な情報を記憶し、その情報には、プロセッサ120によって実行または別様に使用され得る命令132およびデータ134が含まれる。メモリ130は、プロセッサによってアクセス可能な情報を記憶することができる任意のタイプのメモリであってもよく、それらには、コンピューティングデバイス可読媒体、またはハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、もしくは他の光ディスク、ならびに他の書き込み可能および読み取り専用メモリなどの電子デバイスを用いて読み取ることができるデータを記憶する他の媒体が含まれる。システムおよび方法は、上記の異なる組み合わせを含んでもよく、それによって、命令およびデータの様々な部分が、様々なタイプの媒体に記憶される。
【0018】
命令132は、プロセッサにより直接的に(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行される任意の命令のセットであってもよい。例えば、命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上のコンピューティングデバイスコードとして記憶されてもよい。その点において、「命令」および「プログラム」という用語は、本明細書では、互換的に使用され得る。命令は、プロセッサによる直接的な処理のためのオブジェクトコード形式で、または要求に応じて解釈されるか、もしくは予めコンパイルされるスクリプトもしくは独立したソースコードモジュールの集合を含む、任意の他のコンピューティングデバイス言語で記憶されてもよい。命令の機能、方法、およびルーチンについては、以下でさらに詳細に説明される。
【0019】
データ134は、命令132にしたがって、プロセッサ120によって検索、記憶、または修正されてもよい。一例として、メモリ130のデータ134は、所定のシナリオを記憶し得る。所与のシナリオは、物体のタイプ、車両に対する物体の場所の範囲、ならびに自律型車両が物体の周囲を操縦できるかどうか、物体が方向指示器を使用しているかどうか、物体の現在の場所に関連する信号機の状態、物体が一時停止標識に接近しているかどうかなどの他の要因を含むシナリオ要件のセットを識別し得る。要件は、「右方向指示器がオン」または「右折専用車線」などの離散値、または「車両100の現在の経路から30~60度オフセットされる角度で配向される進行方向を有する」などの値の範囲を含み得る。いくつかの例では、所定のシナリオは、複数の物体に関する同様の情報を含んでもよい。
【0020】
1つ以上のプロセッサ120は、市販されているCPUなどの任意の従来のプロセッサであってもよい。あるいは、1つ以上のプロセッサは、ASICまたは他のハードウェアベースプロセッサなどの専用デバイスであってもよい。
図1は、プロセッサ、メモリ、およびコンピューティングデバイス110の他の要素を同じブロック内にあるものとして機能的に例示しているが、プロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリは、実際には、同じ物理的な筐体内に格納されていてもいなくてもよい、複数のプロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリを含むことができることは、当業者により、理解されるであろう。一例として、内部電子ディスプレイ152は、高帯域幅または他のネットワーク接続を介してコンピューティングデバイス110とインターフェースし得る、それ自体のプロセッサまたは中央処理装置(CPU)、メモリなどを有する専用コンピューティングデバイスによって制御され得る。いくつかの例では、このコンピューティングデバイスは、ユーザのクライアントデバイスと通信することができるユーザインターフェースコンピューティングデバイスであり得る。同様に、メモリは、コンピューティングデバイス110の筐体とは異なる筐体内に位置するハードドライブ、または他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサまたはコンピューティングデバイスへの言及は、並列に動作してもしなくてもよいプロセッサまたはコンピューティングデバイスまたはメモリの集合体への言及を含むことが理解されよう。
【0021】
コンピューティングデバイス110は、上述したプロセッサおよびメモリ、ならびにユーザ入力150(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンおよび/またはマイクロフォン)、様々な電子ディスプレイ(例えば、スクリーンを有するモニタ、または情報を表示するように動作可能である任意の他の電気デバイス)などのコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素であってもよい。この例では、車両は、内部電子ディスプレイ152、ならびに1つ以上のスピーカ154を含み、情報または視聴覚体験を提供する。この点について、内部電子ディスプレイ152は、車両100の車内に位置していてもよく、コンピューティングデバイス110によって使用されて、車両100内の搭乗者に情報を提供してもよい。内部スピーカに加えて、1つ以上のスピーカ154は、外部スピーカを含むことができ、車両100の外部の物体に可聴通知を提供するために、車両上の様々な場所に配置される。
【0022】
一例では、コンピューティングデバイス110は、車両100に組み込まれた自律運転コンピューティングシステムであってもよい。自律運転コンピューティングシステムは、車両の様々な構成要素と通信することが可能であり得る。例えば、
図1に戻ると、コンピューティングデバイス110は、車両の搭乗者からの連続的または定期的な入力を要求しない、または必要としない自律運転モードにおいて、メモリ130の命令132にしたがって車両100の移動、速度などを制御するための、減速システム160(車両の制動を制御するための)、加速システム162(車両の加速を制御するための)、ステアリングシステム164(車輪の向きおよび車両の方向を制御するための)、シグナリングシステム166(方向指示器を制御するための)、ナビゲーションシステム168(車両を場所または物体の周りにナビゲートするための)、測位システム170(車両の位置を判定するための)、知覚システム172(車両の環境における物体を検出するための)、および動力システム174(例えば、バッテリおよび/またはガスもしくはディーゼルエンジン)などの、車両100の様々なシステムと通信し得る。また、これらのシステムは、コンピューティングデバイス110の外部にあるものとして示されているが、実際には、これらのシステムもまた、ここでも、車両100を制御するための自律運転コンピューティングシステムとして、コンピューティングデバイス110の中に組み込まれてもよい。
【0023】
コンピューティングデバイス110は、様々な構成要素を制御することによって車両の方向および速度を制御してもよい。例として、コンピューティングデバイス110は、地図情報およびナビゲーションシステム168からのデータを使用して、車両を目的地に完全に自律的にナビゲートし得る。コンピューティングデバイス110は、車両の場所を決定するために測位システム170を使用し、その場所に安全に到着するために、必要に応じて、物体を検出し、かつ物体に応答するために知覚システム172を使用してもよい。そうするために、コンピューティングデバイス110は、車両を、加速させ(例えば、加速システム162により、エンジンに提供される燃料または他のエネルギーを増加させることによって)、減速させ(例えば、エンジンに供給される燃料を低減させ、ギヤを切り替え、および/または減速システム160により制動をかけることによって)、方向転換させ(例えば、ステアリングシステム164により、車両100の前輪または後輪の向きを変えることによって)、これらの変更を合図(例えば、シグナリングシステム166の方向指示器を点灯することによって)させ得る。このため、加速システム162および減速システム160は、車両のエンジンと車両の車輪との間に様々な構成要素を含む、動力伝達装置の一部であり得る。ここでも、これらのシステムを制御することによって、コンピューティングデバイス110はまた、車両を自律的に操縦するために、車両の動力伝達装置を制御し得る。
【0024】
一例として、コンピューティングデバイス110は、車両の速度を制御するために、減速システム160および加速システム162と相互作用し得る。同様に、ステアリングシステム164は、車両100の方向を制御するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。例えば、車両100が乗用車またはトラックのように道路上で使用するように構成されている場合、ステアリングシステムは、車両を転回するために車輪の角度を制御するための構成要素を含み得る。シグナリングシステム166は、例えば、必要に応じて方向指示器またはブレーキライトを点灯させることによって、他の運転手または車両に車両の意図を合図するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。
【0025】
ナビゲーションシステム168は、ある場所までのルートを決定して、辿るために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。この点について、ナビゲーションシステム168および/またはデータ134は、地図情報、例えば、コンピューティングデバイス110が車両をナビゲートまたは制御するために使用することができる非常に詳細な地図を記憶し得る。一例として、これらの地図は、車道の形状および高さ、車線マーカ、交差点、横断歩道、速度制限、信号機、建物、標識、リアルタイムもしくは履歴の交通情報、植生、または他のそのような物体ならびに情報を識別し得る。車線マーカは、実線または破線の、二重または単一の車線境界線、実線または破線の車線境界線、反射板などの特徴を含み得る。所与の車線は、車線の境界を画定する、左右の車線境界線または他の車線マーカと関連付けられ得る。このため、ほとんどの車線は、1つの車線境界線の左端と別の車線境界線の右端によって境界付けられ得る。上述のように、地図情報は、過去の同様の時間における特定のピックアップ場所からの既知の交通もしくは混雑情報および/またはおよび交通機関スケジュール(電車、バスなど)を記憶し得る。この情報は、コンピューティングデバイス110によって受信された情報によってリアルタイムでも更新され得る。
【0026】
図2は、交差点220を含む、車道の区分に関する地図情報200の例である。この例において、地図情報200は、車線マーカまたは車線境界線210、212、214、停止標識240、242、244、246、ならびに停止線250、252、254、256の形状、場所、および他の特性を識別する情報を含む地図情報の一部を示す。車線境界線はまた、車線262、263、266、267のような道路の幅によって暗示される様々な車線260、261、264、265を画定し得、および/または車線260~267はまた、地図情報200において明示的に識別され得る。この例において、地図情報200は、自転車専用車線280、282も識別する。これらの特徴に加えて、地図情報はまた、各車線の交通の方向と速度制限を識別する情報、ならびにコンピューティングデバイス110が、車両が特定の操縦を完了する(すなわち、ターンを完了するか、または交通車線もしくは交差点を横断する)ために優先通行権を有するか否かを決定することを可能にする情報、ならびに縁石、建物、水路、植生、標識などの他の特徴も含み得る。
【0027】
地図情報はまた、ピックアップ場所およびドロップオフ場所を含む所定の停止場所を記憶し得る。ピックアップ場所は、移動のために搭乗者をピックアップするために自律型車両が停止して、待機する場所を指し得る。ドロップオフ場所は、搭乗者が移動後に車両を出ることを可能にするために自律型車両が停止する場所を指し得る。車両が停止し、搭乗者が降車することを可能にし、搭乗者が戻るのを待つような、他の停止場所も可能である。これらのそれぞれは、単に、別個の、事前に決定されたピックアップおよびドロップオフ場所であり、場合によっては、人間の操作者によって手動で選択されるか、または時間の経過とともにコンピューティングデバイスによって学習される、駐車場所であり得る。この点について、各停止場所は、各場所の特性の何らかの手動または自動分析によって選択された車両が停止できる場所であり得る。
図2の例において、地図情報は、停止場所290、292を含む。ただし、
図2の例のように、地域または狭い道路のような、場所によっては、「固定」または事前に指定された駐車スペースまたは区域がほとんどないか、まったくない場合があり得る。
【0028】
本明細書では詳細な地図情報は、画像ベースの地図として描かれているが、地図情報は、完全に画像ベースである必要はない(例えば、ラスタ)。例えば、詳細な地図情報は、1つ以上の道路グラフ、または道路、車線、交差点、およびこれらの特徴間の接続などの情報のグラフネットワークを含み得る。各特徴は、グラフデータとして記憶され得、地理的場所などの情報と関連付けられ得、いずれにせよ、他の関連する特徴にリンクされ、例えば、一時停止標識は、道路および交差点などにリンクされ得る。いくつかの例では、関連付けられたデータは、道路グラフのグリッドベースのインデックスを含み、特定の道路グラフの特徴の効率的なルックアップを可能にし得る。
【0029】
知覚システム172はまた、他の車両、車道内の障害物、交通信号、標識、樹木などの車両の外部の物体を検出するために1つ以上の構成要素を含む。例えば、知覚システム172は、1つ以上のLIDARセンサ、ソナーデバイス、レーダーユニット、カメラ、および/またはコンピューティングデバイス110によって処理され得るデータを記録する任意の他の検出デバイスを含んでもよい。知覚システムのセンサは、物体、および、場所、向き、サイズ、形状、タイプ(例えば、車両、歩行者、自転車利用者など)、進行方向、および移動速度などのそれらの特性を検出し得る。知覚システム172によって生成されると、センサおよび/または前述の特性からの未加工データは、記述関数、ベクトル、および/または境界ボックスに定量化または構成され、さらなる処理のために定期的かつ継続的にコンピューティングデバイス110に送信され得る。さらなる詳細を以下で考察するが、コンピューティングデバイス110は、車両の場所を判定するために測位システム170を使用し、その場所に安全に到着するために、必要に応じて、物体を検出し、かつ物体に応答するために知覚システム172を使用し得る。
【0030】
例えば、
図3は、車両100の例示的な外観図である。この例では、ルーフ上部筐体310およびドーム状筐体312は、LIDARセンサ、ならびに様々なカメラおよびレーダーユニットを含み得る。加えて、車両100の前端部に位置する筐体320、ならびに車両の運転者側および助手席側の筐体330、332は、各々、LIDARセンサを格納し得る。例えば、筐体330は、運転手ドア350の前部に位置している。車両100はまた、これも車両100のルーフ上に位置するレーダーユニットおよび/またはカメラのための筐体340、342を含む。追加のレーダーユニットおよびカメラ(図示せず)は、車両100の前端および後端に、ならびに/またはルーフもしくはルーフ上部筐体310に沿った他の位置上に位置し得る。車両100はまた、ドア350、352、車輪360、362などの典型的な乗用車両の多くの特徴を含む。
【0031】
近くの物体が検出されると、コンピューティングデバイス110および/または知覚システム172は、物体のタイプ、例えば、トラフィックコーン、歩行者、車両(乗用車、トラック、バスなど)、自転車などを決定し得る。物体は、物体のサイズ、物体の速度(自転車は時速40マイルより速く、または時速0.1マイルより遅く進む傾向はない)、自転車からの熱(自転車は、体熱を発するライダーを有する傾向がある)などの、検出された物体のさまざまな特性を考慮できるさまざまなモデルによって識別され得る。加えて、物体は、ライセンスプレート、バンパーステッカー、または車両に表示されるロゴに含まれる情報のような、物体の特定の属性に基づいて分類され得る。
【0032】
一例において、コンピューティングデバイス110は、例えば、他の車両の現在の方向および動きが継続するといった、他の車両の瞬間的な方向、加速/減速、および速度にのみ基づいて、別の車両の未来の動きを予測するように動作可能であり得る。しかしながら、メモリ130はまた、検出された物体が取る1つ以上のアクションの確率を提供する行動モデルも記憶し得る。これらの行動モデルの有用性を高めるために、各行動モデルを特定のタイプの物体に関連付け得る。例えば、1つのタイプの行動モデルは、歩行者として識別される物体に使用され得、別のタイプの行動モデルは、車両として識別される物体に使用され得、別のタイプの行動は、自転車または自転車利用者として識別される物体に使用され得る、など。行動モデルは、他の車両の現在の周囲(検出または推定されたサイズ、形状、場所、向き、進行方向、速度、加速または減速、加速または減速の変化など)に関連するデータを分析すること、および他の物体がそれらの周囲にどのように反応する可能性があるかを決定することによって、検出された物体の未来の動きを予測するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。この点について、行動モデルは、物体の環境の物体中心のビューから機能する場合があり、つまり、システムは、それらの物体がどのように行動するかをより正確に予測するために、他の物体が何を認識しているかを決定する。これに関して、少なくとも場合によっては、行動モデルはまた、物体の予測された行動が、車両100を含む特定の他の物体に反応するか否かを示し得る。
【0033】
車両100の1つ以上のコンピューティングデバイス110はまた、例えば、無線ネットワーク接続156を使用して、他のコンピューティングデバイスとの間で情報を送信または受信し得る。無線ネットワーク接続は、例えば、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥースLE、LTE、セルラー、近距離無線通信など、および前述のものの様々な組み合わせを含むことができる。
図4および
図5は、それぞれ、例示的なシステム400の絵図および機能図であり、システムは、ネットワーク460を介して接続された複数のコンピューティングデバイス410、420、430、440、および記憶システム450を含む。システム400はまた、車両100、および車両100と同様に構成され得る車両100Aを含む。簡潔にするため、いくつかの車両およびコンピューティングデバイスのみを図示しているが、通常のシステムは、これよりもはるかに多くのものを含み得る。
【0034】
図4に示されるように、コンピューティングデバイス410、420、430、440の各々は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、データ、および命令を含み得る。かかるプロセッサ、メモリ、データ、および命令は、コンピューティングデバイス110の1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、データ134、および命令132と同様に構成されてもよい。
【0035】
ネットワーク460および介在ノードは、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥースLE、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の企業が所有する通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、WiFiおよびHTTP、ならびに前述の様々な組み合わせなどの短距離通信プロトコルを含む様々な構成およびプロトコルを含むことができる。そのような通信は、モデムおよび無線インターフェースなどの、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを送信することができるいずれかのデバイスによって容易に行われ得る。
【0036】
一例では、1つ以上のコンピューティングデバイス110は、複数のコンピューティングデバイスを有するサーバ、例えば、負荷分散サーバファームを含んでもよく、負荷分散サーバファームは、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを受信、処理、および送信する目的で、ネットワークの異なるノードと情報を交換する。例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス410は、ネットワーク460を介して、車両100の1つ以上のコンピューティングデバイス110または車両100Aの同様のコンピューティングデバイス、ならびにクライアントコンピューティングデバイス420、430、440と通信することができる1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、車両100および車両100Aは、サーバコンピューティングデバイスによって様々な場所に配車され得る車両群の一部であり得る。この点について、車両群は、車両のそれぞれの測位システムにより提供される位置情報をサーバコンピューティングデバイスに定期的に送信してもよく、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスは、車両の場所を追跡してもよい。
【0037】
加えて、サーバコンピューティングデバイス410は、ネットワーク460を使用して、コンピューティングデバイス420、430、440のディスプレイ424、434、444などのディスプレイ上に、ユーザ422、432、442などのユーザに情報を送信および提示し得る。この点について、コンピューティングデバイス420、430、440は、クライアントコンピューティングデバイスと見なされ得る。
【0038】
図5に示されるように、各クライアントコンピューティングデバイス420、430、440は、ユーザ422、432、442が使用することを意図されたパーソナルコンピューティングデバイスであってもよく、1つ以上のプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、データおよび命令を記憶するメモリ(例えば、RAMおよび内蔵ハードドライブ)、ディスプレイ424、434、444などのディスプレイ(例えば、画面を有するモニタ、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように動作可能である他のデバイス)、およびユーザ入力デバイス426、436、446(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、またはマイクロフォン)を含む、パーソナルコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素を有し得る。クライアントコンピューティングデバイスはまた、ビデオストリームを記録するためのカメラ、スピーカ、ネットワークインターフェースデバイス、およびこれらの要素を互いに接続するために使用されるすべての構成要素を含んでもよい。
【0039】
クライアントコンピューティングデバイス420、430、および440は、各々、フルサイズのパーソナルコンピューティングデバイスを含んでもよいが、代替的に、インターネットなどのネットワークを介してサーバとデータを無線で交換することが可能であるモバイルコンピューティングデバイスを含んでもよい。単なる例として、クライアントコンピューティングデバイス420は、携帯電話、または無線対応PDA、タブレットPC、ウェアラブルコンピューティングデバイスもしくはシステムなどのデバイス、またはインターネットもしくは他のネットワークを介して情報を取得することができるネットブックであってもよい。別の例では、クライアントコンピューティングデバイス430は、
図4において腕時計として示される、ウェアラブルコンピューティングシステムであってもよい。一例として、ユーザは、小型キーボード、キーパッド、マイクロフォンを使用して、カメラを用いた視覚信号、またはタッチスクリーンを使用して、情報を入力し得る。
【0040】
いくつかの例において、クライアントコンピューティングデバイス440は、ユーザ422および432のようなユーザに、遠隔操作者サービスを提供するために、管理者によって使用される遠隔操作者ワークステーションであり得る。例えば、遠隔操作者442は、遠隔操作者ワークステーション440を使用して、以下にさらに詳細に説明されるように車両100および車両100Aの安全な動作、ユーザの安全を確実とするために、それぞれのクライアントコンピューティングデバイスならびに/または車両100もしくは車両100Aを通してユーザと電話または音声接続を介して通信することができる。単一の遠隔操作者ワークステーション440のみが
図4および
図5に示されているが、任意の数の、このようなワークステーションが通常のシステムに含まれ得る。
【0041】
記憶システム450は、以下でより詳細に説明されるように、様々なタイプの情報を記憶することができる。この情報は、本明細書で記載する特徴のうちのいくつかまたはすべてを実行するために、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス410などのサーバコンピューティングデバイスによって検索または別様にアクセスされ得る。例えば、情報は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスに対するユーザを識別するために使用することができる認証情報のようなユーザアカウント情報(例えば、従来の単一要素認証の場合のユーザ名およびパスワード、ならびにランダムな識別子、生体認証などの多要素認証で通常使用される他のタイプの認証情報)を含み得る。ユーザアカウント情報はまた、ユーザの名前、連絡先情報、ユーザのクライアントコンピューティングデバイス(または、同じユーザアカウントで複数のデバイスが使用されている場合はデバイス)の識別情報、ならびに年齢情報、健康情報、および後述のように、過去においてユーザが乗車または降車するのにどれくらいを要したかについてのユーザ履歴情報などの個人情報を含み得る。
【0042】
記憶システム450はまた、場所間のルートを生成および評価するためのルーティングデータを記憶し得る。例えば、ルーティング情報は、第1の場所にいる車両が第2の場所に到達するのにかかる時間を推定するために使用され得る。この点について、ルーティング情報は、必ずしも上記の詳細な地図情報ほど詳細ではないが、道路を含む地図情報と、方向(一方通行、双方向など)、向き(北、南など)、制限速度などのそれらの道路に関する情報と、予測される交通状況を識別する交通情報などを含んでいてもよい。
【0043】
記憶システム450はまた、ユーザに表示するためにクライアントコンピューティングデバイスに提供され得る情報を記憶してもよい。例えば、記憶システム450は、所与のピックアップまた場所は目的地について車両が停止する可能性が高い区域を決定するための所定の距離情報を記憶し得る。記憶システム450はまた、以下で論じられるように、ユーザに表示され得るグラフィック、アイコン、および他の項目を記憶し得る。
【0044】
メモリ130と同様に、記憶システム450は、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書き込み可能メモリ、および読み出し専用メモリなどの、サーバコンピューティングデバイス410がアクセス可能な情報を記憶することができる、任意のタイプのコンピュータ化された記憶装置であり得る。さらに、記憶システム450は、同じまたは異なる地理的場所に物理的に位置し得る、複数の異なる記憶デバイス上にデータが記憶される分散記憶システムを含み得る。記憶システム450は、
図4に示されるようにネットワーク460を介してコンピューティングデバイスに接続されてもよく、および/またはコンピューティングデバイス110、410、420、430、440などのいずれかに直接接続するか、または組み込まれてもよい。
【0045】
例示的な方法
上述し、図に示した動作に加えて、様々な動作を、ここで説明する。以下の動作は、以下に説明する正確な順序で実行される必要がないことを理解されたい。むしろ、様々なステップが、異なる順序で、または同時に処理されてもよく、ステップもまた、追加または省略されてもよい。
【0046】
一態様では、ユーザは、車両をクライアントコンピューティングデバイスに要求するためのアプリケーションをダウンロードすることができる。例えば、ユーザ422および432は、電子メールのリンクを介して、ウェブサイトから直接、またはアプリケーションストアからクライアントコンピューティングデバイス420および430にアプリケーションをダウンロードすることができる。例えば、クライアントコンピューティングデバイスは、ネットワークを介して、例えば、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス410にアプリケーションの要求を送信し、それに応じて、アプリケーションを受信することができる。アプリケーションは、クライアントコンピューティングデバイスにローカルにインストールされ得る。
【0047】
次に、ユーザは自分のクライアントコンピューティングデバイスを使用してアプリケーションにアクセスし、車両を要求することができる。一例として、ユーザ432などのユーザは、クライアントコンピューティングデバイス430を使用して、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス410に車両の要求を送信することができる。この一部として、ユーザは、車両が停車できるサービス区域内の任意の場所で、ピックアップ場所、目的地、場合によっては1つ以上の中間停止場所を特定することができる。
【0048】
これらのピックアップ場所および目的地は、事前に定義することができ(例えば、駐車場の特定の区域など)、または単に車両のサービス区域内の任意の場所とすることができる。一例として、ピックアップ場所は、ユーザのクライアントコンピューティングデバイスの現在の場所をデフォルトとすることができるか、またはユーザがユーザのクライアントデバイスで入力することができる。例えば、ユーザは、住所または他の場所情報を入力するか、または地図上の場所を選択して、ピックアップ場所を選択することができる。ユーザがピックアップ場所および/または目的地のうちの1つ以上を選択すると、クライアントコンピューティングデバイス420は、その場所または複数の場所を集中型配車システムの1つ以上のサーバコンピューティングデバイスに送信することができる。それに応じて、サーバコンピューティングデバイス410などの1つ以上のサーバコンピューティングデバイスは、例えば、利用可能性およびユーザへの近接性に基づいて、車両100などの車両を選択することができる。次いで、サーバコンピューティングデバイス410は、ユーザを車両100の搭乗者として割り当て、選択された車両(ここでは車両100)を配車して、割り当てられた搭乗者をピックアップすることができる。これは、割り当てられた搭乗者によって指定されたピックアップ場所および/または目的地、ならびにクライアントコンピューティングデバイス430などのクライアントコンピューティングデバイスを認証するために車両100のコンピューティングデバイス110によって使用され得る情報を車両のコンピューティングデバイス110に提供することを含み得る。
【0049】
その後、コンピューティングデバイス110は、車両をピックアップ場所に向かわせ、搭乗者をピックアップした後、目的地に向かうように操縦することができる。車両がピックアップまたはドロップオフ場所から、50メートルくらいなど、所定の距離内に入ると、コンピューティングデバイス110は、停止する場所を探し始め、搭乗者が乗車または降車できるようにすることができる。場合によって、車両は、部分的に車線内に、車線内に、私道または駐車スポットの前にある縁石に向かって進み得る。そのような場所に停止することが、状況によっては適切な場合もあるが、これは他の道路利用者に迷惑をもたらすことがある。
【0050】
図6は、地図情報200に対応する道路の区分の例600の鳥瞰図である。この例において、交差点620、車線境界線610、612、614、停止標識640、642、644、646、停止線650、652、654、656、車線660~268、自転車専用車線680、682、および駐車スポット690、692の形状場所とその他の特性は、全般的に、交差点220、車線境界線210、212、214、停止標識240、242、244、246、停止線250、252、254、256、車線260~268、自転車専用車線280、282、および停車スポット290、292の形状場所およびその他の特性にそれぞれ対応し得る。以下でさらに説明する
図7~
図10は、
図6の例600を使用して、車両が停止して搭乗者を待っている場合に、車両が他の車両を妨害または迷惑をかける可能性がある状況の例を提供する。これらの例はデモンストレーションの目的には役立つが、限定的なものと見なすべきではなく、車両は、他の道路利用者を無限の方法で妨害したり、迷惑をかけたりすることがあり得る。
【0051】
例えば、
図7に目を向けると、車両100は、ピックアップ場所710に隣接する搭乗者車線662で停止し、搭乗者を待っているとする。この例において、第2の車両720が車両100に後ろから接近しているとする。その際、車両100は、第2の車両720を妨害し、迷惑をかけている場合がある。
図8に示されるように、車両100は、ピックアップ場所810に隣接する搭乗者車線663で停止し、搭乗者を待っているとする。この例において、第2の車両820が、隣接する車線662から車両100に接近しているとする。その際、車両100は、第2の車両820を妨害し、迷惑をかけている場合がある。
図9に目を向けると、車両100は、ピックアップ場所910に隣接する搭乗者車線661で停止し、搭乗者を待っているとする。この例では、第2の車両920は駐車スポット690に駐車し、「駐車スポットから出」ようとしているか、むしろ、車線661に出るのを待っているとする。その際、車両100は、第2の車両920を妨害し、迷惑をかけている場合がある。
図10は、車両100がピックアップ場所1030に隣接して停止し、第2の車両1040が私道に対応する隣接領域1050に向きを変えて到達するのを妨害する同様の例を提供する。その際、車両100は、第2の車両1040を妨害し、迷惑をかけている場合がある。
図11に示されるように、車両100は、ピックアップ場所1110に隣接する搭乗者車線660で停止しているとする。この例において、車両100は、自転車専用車線680を少なくとも部分的に妨害しており、自転車利用者1120は、車両100に後ろから接近している。
【0052】
1つのアプローチとして、停止すると、コンピューティングデバイス110は、車両が他の道路利用者を妨害しているか、または別様に迷惑をかけているかどうかに基づいて、車両が前に進むべきかどうかに関して、遠隔操作者に一貫した、増加および/または減少する時間間隔で支援を要求することができる。例えば、コンピューティングデバイス110は、ネットワーク460を介して、遠隔操作者442の遠隔操作者ワークステーション440に支援の要求を送信し得る。この要求は、知覚システム172によってキャプチャされた車両の周囲の1つ以上の静止画像および/またはビデオ画像を含み得る。それに応じて、遠隔操作者442は、車両の周囲の画像を確認し、車両100の周りの交通の流れに応じて、そこに留まるか、または前に進むように車両のコンピューティングデバイス110に命令することができる。もちろん、ネットワーク460を介したこのやり取りには時間がかかる可能性があり、他の道路利用者に迷惑および迷惑を引き起こす可能性がある。このような状況で自律型車両が遠隔操作者を呼び出す必要性を減らすか、またはなくすために、コンピューティングデバイス110は、車両が他の運転手に迷惑をかけている状況を自動的に識別し、その後、その迷惑を軽減しようとし得る。
【0053】
そうするために、停止されると、コンピューティングデバイス110は、車両の知覚システム172からセンサデータを受信し得る。次に、このセンサデータを使用して、車両が、交通を妨害したり、他の道路利用者に車両の周りを移動させたりするなどして、他の道路利用者に迷惑をかけているか否かを決定し得る。例えば、コンピューティングデバイス110は、以下でさらに論じるように、車両が他の道路利用者の進行を妨げているのか、またはそれらの道路利用者が車両の周りを運転しなければならない原因を引き起こしているかを決定することができる。一例として、コンピューティングデバイスは、別の車両が車両のすぐ後ろで停止したか否か、言い換えれば、「テールゲート」しているか否かを決定し得る。
【0054】
加えて、または代わりに、上述のように、コンピューティングデバイス110は、様々な行動予測モデルからの出力を受信し得る。例えば、知覚システム172によって提供されるセンサデータから識別される所与のタイプの各道路利用者について、車両のコンピューティングデバイスは、そのタイプに対応する行動予測モデル(例えば、車両、歩行者、自転車利用者など)を使用して、その道路利用者の未来の行動または軌道を出力することができる。場合によって、これらの行動モデルは、他の道路利用者の行動または軌道が、現在の場所で減速または停止している車両に反応するか否かを識別し得る。
【0055】
予測が時間の経過とともに変化する場合、または他の道路利用者が車両に接近するときの予測が他の道路利用者の実際の行動と十分に対応せず、これらの変化または差異が車両によって(すなわち、車両に応答して)引き起こされる場合、これは車両が他の道路利用者を妨害しているか、または迷惑をかけていることを示し得る。一例として、予測された行動(または軌道)が、車両に隣接する車線を進んでいる、または車両の場所を直接通過している他の道路利用者を含んでいるが、実際に観察された行動(または軌道)では、他の道路利用者が、車両から離れるように(横方向に)移動しているか、または車両の後ろで停止している場合、これは、車両が他の道路利用者を妨害しているか、または迷惑をかけていることを示し得る。
【0056】
例えば、
図12は、例えば、
図7の例に示されるように、停止した場合の車両100に対する道路利用者の予測された軌道1210および実際の軌道1220を示している。
図12の例では、予測された軌道1210は車両100の場所を通過するが、実際の軌道1220では、他の道路利用者が車両から横方向に離れて移動している。
図13は、例えば、
図7の例に示されているように、停止した場合の車両100に対する道路利用者の予測された軌道1210および実際の軌道1320を示している。
図13の例において、予測された軌道1310は、車両100の場所を通過するが、実際の軌道1320では、他の道路利用者が車両100の後ろで停止している。この差の大きさ、および別の道路利用者が車両が動くのを待たなければならない時間は、車両が他の道路利用者にどれだけ迷惑をかけているか、または車両が他の道路利用者を完全に妨害しているか否かも示している。
【0057】
車両が停止中に別の道路利用者に迷惑をかけていると決定されると、コンピューティングデバイス110は、その迷惑の値を評価または決定することができる。コンピューティングデバイス110が別の道路利用者への迷惑を迅速に評価できるようにするために、上述のように、車両のせいで妨害されるか、または迷惑をかけられたと車両の知覚システムによって検出された他の道路利用者についてのみの迷惑値を提供するためにモデルが使用され得る。例えば、モデルには、ディープニューラルネットワークまたは他のタイプの機械学習モデルなどの機械学習モデルが含まれ得る。
【0058】
モデルは、例えば、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス410によって「オフライン」でトレーニングされ、ネットワーク460を介して送信されるか、または別様に、後で使用するためにコンピューティングデバイス110のメモリ130にダウンロードされ得る。モデル用トレーニングデータには、車両の知覚システムによって生成されたセンサデータを、車両が他の交通を妨害しているおよび/または迷惑をかけていると識別された場所を含むラベル付きインスタンスとともに使用することが含まれ得る。これらのラベルは、例えば、異なる車両に対する遠隔操作者による前述の決定に基づいて生成され、これらの決定を迷惑値でさらにラベル付けすることができる。この迷惑値は、遠隔操作者が車両の環境の画像を確認している場合に、0~1または1~10などの何らかの事前定義されたスケールで遠隔操作者によって選択された値であり得る。センサデータは、対応する車両の知覚システムによって生成されたすべてのデータ、またはある期間にわたって知覚システムによって検出された各道路利用者のポーズ、速度、加速度、および同様のデータなどのより合理化された情報を含み得る。モデルは、車両が所与の場所(通常は車両が現在停止している場所)で停止した場合に、車両が前述の道路利用者をどのくらい妨害するおよび/または迷惑をかける可能性があるかを示す値を提供するために、トレーニングデータを使用してトレーニングされ、その後、車両群に送られ得る。
【0059】
代替的に、さまざまな行動モデルの出力に関係なく、車両が停止している場合はいつでも、車両が他の道路利用者に迷惑をかけているか否かを決定するためにこのモデルが使用され得る。
【0060】
モデルの出力は、適切な反応を決定するために使用され得る。例えば、迷惑その値を閾値と比較して、車両が他の道路利用者を妨害するおよび/または迷惑をかけているため、車両を移動する必要があるか否かを決定し得る。一例として、迷惑その値が0~1のスケールであり、1が他の道路利用者にとって非常に迷惑である場合、その間のどこかに所定の閾値(例えば、0.7くらい)が存在し得る。閾値が満たされない場合、車両のコンピューティングデバイス、コンピューティングデバイスは、車両100が別の道路利用者に迷惑をかけていないと決定し得る。この場合、コンピューティングデバイス110は、車両100をその現在の場所に留めておくことによって応答し得る。閾値に達すると、車両のコンピューティングデバイスは、車両が別の道路利用者に迷惑をかけていると決定する。この場合、コンピューティングデバイス110は、迷惑その値を減らすために車両を移動することによって応答し得る。
【0061】
車両の移動方法は、車両が他の交通をどのように妨害しているか、または迷惑をかけているかによって異なる。例えば、モデルによって迷惑をかけられていると識別された道路利用者の相対位置に基づいて、コンピューティングデバイスは、異なるタイプの移動を選び得る。例えば、
図8の例のように、車両が隣接する車線で道路利用者に迷惑をかけている場合、コンピューティングデバイス110は、車両を前方および/または右(右側運転の国で)に移動させ得る。別の例として、
図7の例のように、車両が、車両の後ろにいる別の道路利用者に迷惑をかけている場合、車両コンピューティングデバイスは、別の道路利用者が左側の車両を追い越せるようにするために、車両をさらに右側に(右側運転の国で)移動させようとし得る。これらの移動は、同様に、実際に、迷惑その値を減らし得る。
【0062】
さらに別の例では、車両のコンピューティングデバイスは、モデルを使用して、より低い値の新しい場所を探索しようとし得る。例えば、車両のコンピューティングデバイスは、道路利用者の邪魔にならず、車両のコンピューティングデバイスが、道路利用者が行こうとしていると予測する場所を妨害しないが、場合によっては、ピックアップされる搭乗者にとって迷惑になることを余儀なくする近くの停車場所を探索し得る。次に、コンピューティングデバイス110は、これらの新しい場所およびセンサデータを知覚システムからモデルに入力し、新しい場所の迷惑値を決定することができる。次に、迷惑最も低い値を有する新しい場所が選択され得る。代替的に、地図には、さまざまな停車場所の推定迷惑値を識別するデータが含まれ得る。この点について、コンピューティングデバイスは、車両の現在の場所よりも迷惑値が低い新しい場所を単に探索して選択し得る。
【0063】
新しい場所が選択されると、コンピューティングデバイス110は、より低い迷惑値の場所に移動するために車両を制御し得る。コンピューティングデバイス110がより低い値の場所を見つけることができない場合、車両のコンピューティングデバイスは、車両の搭乗者(例えば、表示のために搭乗者のクライアントコンピューティングデバイスへ)に、車両が新しい場所に移動することを示すメッセージを送信し得る。車両のコンピューティングデバイスはまた、前進するために車両を制御し得る。同時に、車両のコンピューティングデバイスは、例えば、事前にマッピングされた、路肩の停止場所を探索したり、車両の現在の場所からある程度の距離内にある近くの駐車区域を識別しようとしたりして、この新しい場所を識別しようとし得る。
【0064】
図14は、コンピューティングデバイス110の1つ以上のプロセッサ120のような、1つ以上のプロセッサによって実行され得るフロー
図1400である。この例において、ブロック1410では、自律運転モードを有する車両が第1の場所で停止される。ブロック1420では、車両が停止している間、センサデータが車両の知覚システムから受信される。このセンサデータは、道路利用者を識別する。ブロック1430において、センサデータを使用して、第1の場所で車両を停止することによって引き起こされる道路利用者への迷惑のレベルを示す値が決定される。ブロック1440において、迷惑その値を減らすために第1の場所から車両を移動させるために、車両は自律運転モードで制御される。
【0065】
本明細書に記載の特徴は、自律型車両が、搭乗者の到着を待っている場合に、ピックアップ場所から移動するか否かに関して自主的に決定を行うことを可能にし得る。これにより、車両がそのような状況に対応するのにかかる時間を短縮しながらも、遠隔操作者がこれらの決定を行う必要性を減らすか、またはなくし得る。この時間の短縮はまた、車両がその環境を継続的に監視し、他の道路利用者への迷惑を予測することができるので、はるかに速い応答を可能とし得、車両の安全性を高め得る。同時に、車両が他の道路利用者を妨害するか、または迷惑をかけていることを自動的に決定できるようにすることで、車両は環境への応答性が高くなり、他の道路利用者を妨害したり、迷惑をかけたり、場合によっては迷惑をかけたりする可能性を低くし得る。
【0066】
別段の記載がない限り、前述の代替例は、相互に排他的ではないが、独自の利点を達成するために様々な組み合わせで実施されてもよい。上述した特徴のこれらおよび他の変形および組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱することなく利用することができるので、実施形態の前述の説明は、特許請求の範囲によって定義される主題の限定としてではなく、例示としてみなされるべきである。さらに、本明細書に記載された実施例、ならびに「など」、「含む」などと表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の実施例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、実施例は、多くの可能な実施形態のうちの1つだけを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を特定することができる。