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特許7217349梱包製品並びにボックスライニングの製造方法及び使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-25
(45)【発行日】2023-02-02
(54)【発明の名称】梱包製品並びにボックスライニングの製造方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/03 20060101AFI20230126BHJP
   B31F 1/24 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
B65D81/03
B31F1/24 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021527095
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 US2019061757
(87)【国際公開番号】W WO2020102692
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-07-28
(31)【優先権主張番号】62/768,173
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513206315
【氏名又は名称】ランパク コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ローレンス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォーホリック マイケル デーン
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/071922(WO,A1)
【文献】国際公開第2002/016120(WO,A2)
【文献】特表2010-540286(JP,A)
【文献】米国特許第05643167(US,A)
【文献】特表2017-514733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/03
B31F 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンネージ製品であって、
第1端部と第1端部の反対側の第2端部とを備えた長さ寸法と、
前記第1端部と前記第2端部との間の前記長さ寸法に沿って配置された複数の部分であって、非しわ状シートストック材の非しわ状部分を、前記非しわ状部分の両側の無作為なしわ状シートストック材の少なくとも1つの無作為なしわ状部分の間に含む、複数の部分と、を備える、
ダンネージ製品。
【請求項2】
請求項1に記載のダンネージ製品であって、
前記少なくとも1つの無作為なしわ状部分の一方は、前記ダンネージ製品の前記第1端部に位置し、前記少なくとも1つの無作為なしわ状部分の他方は、前記ダンネージ製品の前記第2端部に位置する、ダンネージ製品。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のダンネージ製品であって、
前記非しわ状部分は、前記ダンネージ製品の中心を含む、ダンネージ製品。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のダンネージ製品であって、
前記複数の部分は、前記無作為なしわ状シートストック材と前記非しわ状シートストック材との交互になった部分を含む、ダンネージ製品。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のダンネージ製品であって、
前記無作為なしわ状シートストック材の厚さは、前記非しわ状シートストック材の厚さよりも大きい、ダンネージ製品。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のダンネージ製品であって、
前記ダンネージ製品は、シートストック材の少なくとも2つの層を含む、ダンネージ製品。
【請求項7】
請求項6に記載のダンネージ製品であって、
前記シートストック材の前記少なくとも2つの層のうちの少なくとも1つの層は、前記無作為なしわ状シートストック材を含む、ダンネージ製品。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載のダンネージ製品であって、
前記層は、前記シートストック材の前記少なくとも2つの層をまとめて保持する少なくとも1つの長手方向に延びる接続バンドに沿って接続されている、ダンネージ製品。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のダンネージ製品であって、
シートストック材は紙を含む、ダンネージ製品。
【請求項10】
シートストック材を請求項1に記載のダンネージ製品へ変換する方法であって、
シートストック材を長さ方向へ前進させて変換アセンブリ内を通過させ、前記シートストック材の第1部分を無作為にしわにしてダンネージの帯の第1の無作為なしわ状部分を形成するステップと、
前記シートストック材を無作為にしわにすることなく、前記シートストック材を一時的に前進させて前記変換アセンブリ内を通過させ、前記ダンネージの帯の非しわ状部分を形成するステップと、
前記シートストック材の第2部分を無作為にしわにしながら前記シートストック材を再び前進させて前記変換アセンブリに通過させ、前記ダンネージの帯の第2の無作為なしわ状部分を形成するステップと、を備える、
方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記無作為にしわにするステップは、
第1速度よりも遅い第2速度で前記シートストック材を通過させることにより、前記変換アセンブリの供給アセンブリ部の下流の前記シートストック材の通過を遅延させ、前記シートストック材を無作為にしわにするステップと、
前記シートストック材の複数の層を接続するステップであって、前記シートストック材のしわ状の第1層を前記シートストック材の第2層の一方の側へ接続し、前記しわ状の第1層をしわの状態に保つステップと、を備える、方法。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の方法であって、
前記ダンネージの帯の前記第2の無作為なしわ状部分を切断して前記ダンネージの帯から個別のダンネージ製品を切り離すステップをさらに備える、方法。
【請求項13】
束状のダンネージ製品であって、
コンパクトな束へ折り畳まれた少なくとも2枚の帯であって、
無作為なしわ状シートストック材を含む頂部帯であって、第1端部と第1端部の反対側の第2端部とを備えた長さ寸法を有し、前記第1端部と前記第2端部との間の前記長さ寸法に沿って配置された複数の部分を有する、頂部帯と、
請求項1~9のいずれか1項に記載の前記ダンネージ製品を含む底部帯と、を含む少なくとも2枚の帯を含み、
前記頂部帯は前記底部帯の前記非しわ状部分を覆い、前記頂部帯の前記長さ寸法は前記底部帯の前記長さ寸法に対して直交して配向され、
前記頂部帯の前記第1端部及び前記第2端部は、前記頂部帯の前記複数の部分のうちの1つの上に折り畳まれ、前記底部帯の前記第1端部及び前記第2端部は、前記底部帯の前記非しわ状部分の上に折り畳まれる、
束状のダンネージ製品。
【請求項14】
請求項13に記載の束状のダンネージ製品であって、
前記頂部帯の中心は、前記底部帯の中心に対して中心から外れている、束状のダンネージ製品。
【請求項15】
請求項13又は請求項14に記載の束状のダンネージ製品であって、
梱包材の前記帯を束状の構成に一時的に固定する拘束部材をさらに含む、束状のダンネージ製品。
【請求項16】
ダンネージ製品の2枚の帯から束状のダンネージ製品を製造する方法であって、
梱包材の2枚の帯を提供するステップであって、前記2枚の帯は、
無作為なしわ状の紙を含む頂部帯であって、第1端部と第1端部の反対側の第2端部とを備えた長さ寸法を有し、前記第1端部と前記第2端部との間の前記長さ寸法に沿って配置された複数の部分を有する、頂部帯と、
請求項1~9のいずれか1項に記載のダンネージ製品を含む底部帯と、を含む、梱包材の2枚の帯を提供するステップと、
前記頂部帯の前記長さ寸法が前記底部帯の前記長さ寸法に対して直交するように、前記頂部帯を前記底部帯の前記非しわ状部分の上に配置するステップと、
前記頂部帯の前記第1端部及び前記第2端部を、前記頂部帯の前記複数の部分のうちの1つの上に折り畳むステップと、
前記底部帯の前記第1端部及び前記第2端部を、前記底部帯の前記非しわ状部分の上に折り畳むステップと、を備える、
方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記提供するステップは、
(a)前記梱包材が収容されるコンテナの各側壁の幅に応じた前記帯の幅寸法と、
(b)前記コンテナの前記各側壁の長さに応じた梱包材の前記帯の長さ寸法と、
(c)前記コンテナの底壁に応じた前記帯の前記非しわ状部分の長さ寸法と、
(d)前記帯の断熱特性と、
(e)前記帯の緩衝性と、
の要因のうちの1つ又は複数に基づき梱包材の帯を選択することを含む、方法。
【請求項18】
請求項13~15のいずれか1項に記載された束状のダンネージ製品の使用方法であって、
上側が開口し、前記上側に対向する底側が閉じた矩形の梱包コンテナを提供するステップと、
前記底部帯の前記非しわ状部分の下側が前記梱包コンテナの前記底側の内面に接する状態で、前記束状のダンネージ製品を前記梱包コンテナ内に配置するステップと、
前記頂部帯及び前記底部帯の前記第1端部及び前記第2端部を前記梱包コンテナの各側壁に対して広げるステップと、を備える、
方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、一時的な拘束部材から前記束を解放するステップをさらに備える、方法。
【請求項20】
請求項18又は請求項19に記載の方法であって、
梱包される物品を前記頂部帯の上側に配置し、前記頂部帯及び前記底部帯の前記第1端部及び前記第2端部の各々を前記物品の上に折り畳み、前記梱包コンテナの前記開口した上側を閉じるステップをさらに備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は梱包製品に関し、より具体的には、輸送コンテナをライニングするためのダンネージ製品と、ダンネージ製品を製造する対応する方法と、に関する。
[背景技術]
ダンネージ変換機は、ストック材を、輸送コンテナ内に物品を梱包するのに使用でき、輸送中の損傷を最小限にしたり、防いだりすることができるダンネージ製品へ変換する。ダンネージ変換機は、ダンネージコンバータとも呼ばれ、一般的には変換アセンブリを有する。変換アセンブリは、ストック材が上流端の入口から下流端の出口へと変換アセンブリ内を通過して移動する時に、ストック材を比較的低密度のダンネージ製品へと変換する。
【0002】
既に使用されている例示的なダンネージ変換機は、クラフト紙等のシートストック材を、ダンネージ製品に変換する。ダンネージ製品は、輸送物品を保護するため、後でコンテナ内に配置することができる。紙は、生分解でき、リサイクル可能で、再生可能資源で構成されている、望ましいストック材である。このようなダンネージ変換機は、典型的には、実質的に連続した長さのシートストック材をダンネージ帯へと変換する。そのダンネージ帯から、梱包者が所望の構成でコンテナへ配置できるよう個別の長さのダンネージ製品へ切断される。ダンネージ製品は、断熱特性も提供することができる。
[発明の概要]
ダンネージ製品でコンテナを迅速にライニングしやすくするため、簡単に束を解いて保護及び/又は断熱性能のあるダンネージ材でコンテナをライニングできるダンネージ製品を束にすることが望ましい。例えば、しわ状のダンネージ製品の2枚の帯が互いに直交して配置され、輸送コンテナの底へ押し込まれる。重なり合った帯がコンテナの底を覆い、2枚の帯の余剰長は、コンテナの4面に沿って上へ延びる。コンテナに梱包物を詰めた後、帯の長さが十分長い場合は、梱包物の上に重ねて折り畳まれ、梱包物の上側を覆う。
【0003】
しわ状のダンネージ製品の2枚の帯を互いに直交させて重ねて配置すると、輸送コンテナの底のライニングの厚さが2倍となり、このためライニングの厚さが一様でないとともに、梱包物に利用可能な容積が減少してしまう。しわ状のダンネージ製品の2枚の帯が互いにきちんと重ねられていない場合、完成した梱包の美感も良好でないと認識される恐れがある。しわ状のダンネージ製品を輸送コンテナ内へ配置することは、梱包工程中に時間を消費する労働集約型の労力である。しわ状のダンネージ製品の構成は、ダンネージ製品をコンテナ内へ押し入れるための作業者を必要とする。さらに、ダンネージ製品のしわ状部分は非しわ状部分よりも収量(例えば、消費されるシートストック材1メートル当たりのダンネージ製品のメートル)が低くさえある。
【0004】
本発明は、輸送コンテナ内に他の梱包材とともに簡単に組み立てることができるダンネージ帯を提供するものであり、本発明は、輸送コンテナのライニングにおいて一様な厚さを提供し、梱包物に最適なスペースを提供し、エンドユーザーにとってより魅力的であり、コンテナ内にさらに簡単に挿入できるため、梱包物を収容するコンテナを準備する時間と労力が少なくて済むものであり、他のダンネージ製品よりも高い収量を有し、これによりコスト削減につながり得るものである。
【0005】
より具体的には、本発明は、第1端部と第1端部の反対側の第2端部とを備えた長さ寸法を有するダンネージ製品又はダンネージ帯を提供する。複数の部分は、第1端部と第2端部との間のダンネージ製品の長さ寸法に沿って配置され、非しわ状シートストック材の非しわ状部分を含む。非しわ状部分は、非しわ状部分の両側の無作為なしわ状シートストック材の少なくとも1つの無作為なしわ状部分の間に位置する。
【0006】
少なくとも1つの無作為なしわ状部分の一方は、ダンネージ製品の第1端部に位置してもよく、少なくとも1つの無作為なしわ状部分の他方はダンネージ製品の第2端部に位置する。
【0007】
非しわ状部分は、ダンネージ製品の中心を含んでもよい。
複数の部分は、無作為なしわ状シートストック材と非しわ状シートストック材の交互になった部分を含んでもよい。
【0008】
無作為なしわ状シートストック材の厚さは、非しわ状シートストック材の厚さよりも大きくてもよい。
ダンネージ製品は、シートストック材の少なくとも2つの層を含んでもよい。
【0009】
シートストック材の少なくとも2つの層のうちの少なくとも1つの層は無作為なしわ状シートストック材を含んでもよい。
層は、シートストック材の少なくとも2つの層をまとめて保持する少なくとも1つの長手方向に延びる接続バンドに沿って接続されてもよい。
【0010】
シートストック材は紙を含んでもよい。
本発明は、シートストック材を比較的低密度のダンネージ製品へ変換する方法も提供する。本方法は、(a)シートストック材を長さ方向へ前進させて変換アセンブリ内を通過させ、シートストック材の第1部分を無作為にしわにしてダンネージ帯の第1の無作為なしわ状部分を形成するステップと、次に(b)シートストック材を無作為にしわにすることなく、シートストック材を一時的に前進させて変換アセンブリ内を通過させ、ダンネージ帯の非しわ状部分を形成するステップと、次に(c)シートストック材の第2部分を無作為にしわにしながらシートストック材を再び前進させて変換アセンブリに通過させ、ダンネージ帯の第2の無作為なしわ状部分を形成するステップと、を備える。
【0011】
無作為にしわにするステップは、(i)第1速度よりも遅い第2速度でシートストック材を通過させることにより、変換アセンブリの供給アセンブリ部の下流のシートストック材の通過を遅延させ、シートストック材を無作為にしわにするステップと、(ii)シートストック材の複数の層を接続するステップであって、シートストック材のしわ状の第1層をシートストック材の第2層の一方の側へ接続し、しわ状の第1層をしわの状態に保つステップと、を備える。
【0012】
シートストック材を比較的低密度のダンネージ製品へ変換する方法は、ダンネージ帯の第2の無作為なしわ状部分を切断してダンネージ帯から個別のダンネージ製品を切り離すステップをさらに備える。
【0013】
本発明は束状のダンネージ製品も提供する。束状のダンネージ製品は、コンパクトな束へ折り畳まれた少なくとも2枚の帯を含む。頂部帯は、無作為なしわ状シートストック材を含む。頂部帯は第1端部と、第1端部の反対側の第2端部とを備えた長さ寸法を有する。複数の部分は、第1端部と第2端部との間の長さ寸法に沿って配置される。底部帯は、第1端部と第1端部の反対側の第2端部とを備えた長さ寸法を有する。複数の部分は第1端部と第2端部との間の底部帯の長さ寸法に沿って配置され、非しわ状シートストック材の非しわ状部分を含む。底部帯の非しわ状部分は、非しわ状部分の両側の無作為なしわ状シートストック材の少なくとも1つの無作為なしわ状部分の間に位置する。頂部帯は底部帯の非しわ状部分を覆い、頂部帯の長さ寸法は底部帯の長さ寸法に対して直交して配向される。頂部帯の第1端部及び第2端部は、頂部帯の複数の部分のうちの1つの上に折り畳まれ、底部帯の第1端部及び第2端部は底部帯の非しわ状部分の上に折り畳まれる。
【0014】
頂部帯の中心は、底部帯の中心に対して中心から外れていてもよい。
束状のダンネージ製品は、梱包材の帯を束状の構成に一時的に固定する拘束部材をさらに含んでもよい。
【0015】
本発明はさらに、ダンネージ製品の2枚の帯から束状のダンネージ製品を製造する方法を提供する。当該方法は、(a)梱包材の2枚の帯を提供するステップであって、2枚の帯は、無作為なしわ状の紙を含む頂部帯であって、第1端部と第1端部の反対側の第2端部とを備えた長さ寸法を有し、第1端部と第2端部との間の長さ寸法に沿って配置された複数の部分を有する、頂部帯と;底部帯であって、第1端部と第1端部の反対側の第2端部とを備えた長さ寸法を有し、第1端部と第2端部との間の長さ寸法に沿って配置された複数の部分を有し、非しわ状部分の両側の無作為なしわ状シートストック材のうちの少なくとも1つの無作為なしわ状部分の間に非しわ状シートストック材の非しわ状部分を含む、底部帯と、を含む、梱包材の2枚の帯を提供するステップと、(b)頂部帯の長さ寸法が底部帯の長さ寸法に対して直交するように、頂部帯を底部帯の非しわ状部分の上に配置するステップと、(c)頂部帯の第1端部及び第2端部を、頂部帯の複数の部分のうちの1つの上に折り畳むステップと、(d)底部帯の第1端部及び第2端部を、底部帯の非しわ状部分の上に折り畳むステップと、を含む。
【0016】
提供するステップは、下記(a)コンテナの各側壁の幅に応じた帯の幅寸法と、(b)コンテナの各側壁の長さに応じた梱包材の帯の梱包材の帯の長さ寸法と、(c)コンテナの底壁に応じた帯の非しわ状部分の長さ寸法と、(d)帯の断熱特性と、(e)帯の緩衝性と、の要因のうちの1つ又は複数に基づき梱包材の帯を選択することを含んでもよい。
【0017】
本発明はまた、束状のダンネージ製品を使用する方法も提供する。本方法は、(a)上側が開口し、上側に対向する底側が閉じた矩形の梱包コンテナを提供するステップと、(b)底部帯の非しわ状部分の下側が梱包コンテナの底側の内面に接する状態で、束状のダンネージ製品を梱包コンテナ内に配置するステップと、(c)頂部帯及び底部帯の第1端部及び第2端部を梱包コンテナの各側壁に対して広げるステップとを備える。
【0018】
束状のダンネージ製品を使用する方法は、一時的な拘束部材から束を解放するステップをさらに備えてもよい。
束状のダンネージ製品を使用する方法は、梱包される物品を頂部帯の上側に配置し、頂部帯及び底部帯の各々の第1端部及び第2端部を物品の上に折り畳み、梱包コンテナの開口した上側を閉じるステップをさらに備えてもよい。
【0019】
本発明の前述の特徴及び他の特徴は、以下に詳細に説明され、特に請求項、以下の説明、及び本発明の特定の実施例を詳細に記載した添付の図面に示される。これらの実施例は、本発明の原理を実施することができる様々な方法のうち、ほんの一部を示すに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】一対のダンネージ帯を有する輸送コンテナの略図である。
図1B図1Aの輸送コンテナの底をライニングする、しわ状のダンネージ製品の重なり合う帯の、従来の配置を示す略図である。
図1C図1Aの輸送コンテナの底をライニングする、本発明によるダンネージ製品の、別の帯の非しわ状ダンネージの部分に重なり合う、しわ状のダンネージの部分を含む、ダンネージ製品の帯の配置を示す略図である。
図2】例示的なダンネージ変換機の概略図である。
図3】本発明が提供する例示的なダンネージ製品の略図である。
図4】本発明が提供する別の例示的なダンネージ製品の概略平面図である。
図5図4の線5-5に沿って見た場合の、ダンネージ帯の概略断面図である。
図6図4の線5-5に沿って見た場合の、重なり合うダンネージ帯を含む、ダンネージ帯の部分概略断面図である。
図7】開口した輸送コンテナの上に配置された2枚のダンネージ帯の概略図である。
図8】「T字」構成の一対の帯の連続した折り畳み動作の図である。
図9】「十字」構成の一対の帯の連続した折り畳み動作の図である。
図10】束状のダンネージ製品を形成するための、「T字」構成の一対の帯の折り畳み動作の連続したステップを図示する。
図11】束状のダンネージ製品を形成するための、「T字」構成の一対の帯の折り畳み動作の連続したステップを図示する。
図12】束状のダンネージ製品を形成するための、「T字」構成の一対の帯の折り畳み動作の連続したステップを図示する。
図13】束状のダンネージ製品を形成するための、「T字」構成の一対の帯の折り畳み動作の連続したステップを図示する。
図14】束状のダンネージ製品を形成するための、「T字」構成の一対の帯の折り畳み動作の連続したステップを図示する。
図16】束状のダンネージ製品を形成するための、「T字」構成の一対の帯の折り畳み動作の連続したステップを図示する。
図17】輸送コンテナ内に梱包する1つ又は複数の物品を収容する輸送コンテナを準備するため、束状のダンネージ製品を使用するための連続したステップを図示する。
図18】輸送コンテナ内に梱包する1つ又は複数の物品を収容する輸送コンテナを準備するため、束状のダンネージ製品を使用するための連続したステップを図示する。
図19】輸送コンテナ内に梱包する1つ又は複数の物品を収容する輸送コンテナを準備するため、束状のダンネージ製品を使用するための連続したステップを図示する。
図20】輸送コンテナ内に梱包する1つ又は複数の物品を収容する輸送コンテナを準備するため、束状のダンネージ製品を使用するための連続したステップを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、ダンネージ製品、ダンネージ製品の製造方法、例示的なダンネージ製品を含む束状のダンネージ製品、束状のダンネージ製品の製造方法、及びコンテナ内に入れて輸送される1つ又は複数の物品を収容する輸送コンテナを準備するために、束状のダンネージ製品を使用する方法を提供する。当該使用方法は、本発明が提供する利点を最もよく表すが、その方法を説明する前に、ダンネージ製品それ自体を説明する。
【0022】
本発明により提供されるダンネージ製品は、輸送コンテナ用のライナー又はライニングとも称されることがあり、組立及び挿入を簡易にし、輸送コンテナ内にて他の梱包材と共により均一なライニング厚さを提供する。例えば、図1Aにおいて、ダンネージ製品の2枚の帯32、34は互いに直交して配置され、輸送コンテナ30内の底へ押し込まれる。重なり合う帯32、34はコンテナの底を覆い、各側壁に沿って上へ延びる。従来の配置においては、互いに直交して積層されたしわ状のダンネージ製品の2枚の重なり合う帯36、38により、輸送コンテナの底でのライニング厚さTが2倍になる(図1B)。このため、ライニングの厚さTが均一ではなく、梱包物に利用できる容量が減少する。図1Cにおいては、本発明に従い、第1ダンネージ製品40の非しわ状部分が第2ダンネージ製品42のしわ状部分の下にある。しわ状部分を非しわ状部分に重ねて配置すると、均一なライニング厚さtが確保され、コンテナに挿入しやすく、梱包物に対して最適なスペースを提供し、エンドユーザーにとってより魅力的なものとなる。非しわ状部分を含めることにより、本発明のダンネージ製品は他のダンネージ製品よりも高い収量を有することもでき、コスト削減につながり得る。
【0023】
上記したように、本発明により提供される例示的なダンネージ製品は、シートストック材をストック材よりも比較的厚く、低密度のダンネージ製品へ変換するダンネージ変換機により生産されてもよい。シートストック材を本発明が提供する例示的なダンネージ製品へ変換する例示的な機械は、国際公開第2009/042664号に開示されており、その開示を参照により本明細書に援用する。その例示的なダンネージ変換機は、包装可能なダンネージ製品を生産するが、本発明はそのようなダンネージ製品又は図示するダンネージ変換機に限定されない。
【0024】
図2を参照すると、例示的なダンネージ変換機50は、ストック材を比較的低密度のダンネージ帯へ変換する変換アセンブリ52を含む。変換アセンブリ52は、供給アセンブリ56であって、シートストック材の1つ又は複数の層P及びPをシートストック材の供給部54から長手方向に引き出す供給アセンブリ56と、接続アセンブリ58であって、供給アセンブリ56の下流にあり複数の重なり合うシート材の層をともに接続してダンネージ60の帯を形成する接続アセンブリ58との両方を含む。変換機械50はまた、切断アセンブリ62であって、接続アセンブリ58の下流にあり、連続した帯60から個別のダンネージ製品64の長さに切り離す切断アセンブリ62を含んでもよい。
【0025】
好適なシートストック材としては、紙又はプラスチックシート又はそれらの組み合わせが挙げられる。紙は一般的にリサイクル可能であり、再使用可能であり、再生可能資源で構成されているため、シートストック材として紙を用いることは環境に責任の持てる選択である。変換機械に使われる例示的なシートストック材は、単一層又は多層のクラフト紙のいずれかであり、ロール形状、又はつなげて交互に折畳んだ一連の矩形のページをファンフォールドスタック状としたもの、のいずれかで提供される。ダンネージ製品変換用のシートストック材の層や網を作るため、シートストック材の供給部は複数のロール又はスタックを含んでもよく、後続の供給物は先行するロール又はスタックの終端に継ぎ合わされ、ダンネージ変換機50に対し連続した長さを持つシートストック材を提供してもよい。
【0026】
後述する例示的なダンネージ製品を生産するために、変換アセンブリ52は、シートストック材を長手方向に無作為にしわにし、その保護性能及び/又は断熱性能を向上させる。例示的な変換アセンブリ52において、接続アセンブリ58は、層P及びPが供給アセンブリ56から接続アセンブリ58内に供給される速度よりも遅い速度で層P及びPを接続アセンブリ58内に通す。接続アセンブリ58はこのため、供給アセンブリ56と協働して、供給アセンブリ56と接続アセンブリ58との間に長手方向に延在する限られた空間においてストック材を無作為に長手方向にしわにするか折り曲げる。しわ状の波動の正確な変化量は予測できないが、波動の振幅及び振動数は概して統計的におよそ予測でき、供給アセンブリ56と接続アセンブリ58との速度差、及びシートストック材が移動する空間サイズの結果である(図2)。接続アセンブリ58は、しわ状シートを別のシートに接続して、ダンネージ60の連続した帯において、しわ状シートをしわの状態に保つ。別のシートとは、こちらも供給アセンブリ56を通過する、しわ状シートであってもよく、供給アセンブリ56を迂回する、非しわ状シートであってもよい。
【0027】
後述する例示的なダンネージ製品は、非しわ状部分の両側に無作為なしわ状シートストック材のしわ状部分を含む。例示的なダンネージ製品の非しわ状部分を作るため、変換アセンブリ52は、長手方向のしわ加工を施すことなくシートストック材を一時的に通過させるよう構成されてもよい。例示的な変換アセンブリ52において、供給アセンブリ56は非接続にされてもよく、これにより接続アセンブリ58は、非アクティブな供給アセンブリ56を通過した1つ又は2つの層を引き出す。代替的に、供給アセンブリ56は、接続アセンブリ58と同じ又はより遅い速度で1つ又は2つの層を通過させ、ダンネージ60の帯の部分において長手方向のしわ加工を最小限にするか、又は排除してもよい。他の変形例において、接続アセンブリ58は、層P及びPが供給アセンブリ56から接続アセンブリ58へ供給されるのと同じ又はより速い速度で1つ又は2つの層を通過させてもよい。これらの手法を用いると、作動しながらシートストック材の部分のしわを減少又は排除できる。しわが減少した部分又は非しわ状部分は、シートストック材の無作為なしわ状部分よりも平坦で緩衝性が少ない。
【0028】
ダンネージ製品64の少なくとも1つの層は、このため、無作為なしわ状部分と、非しわ状部分と、を含む。無作為なしわ状部分により、ダンネージ製品64は緩衝性を有する。しわ状部分は、例えば接続バンドに沿ってしわの状態に保持される。接続バンドは、接続アセンブリによって形成された2枚以上のシートの間の機械的相互接続部の線から形成されてもよい。複数の積層されたシート又は層がまとめて保持されている接続線は、便利な折り目ラインにもなり得る。ダンネージ製品の非しわ状部分は、ダンネージ製品が互いにきちんと積み重なるように別のダンネージ製品の無作為なしわ状部分と重ねることができる領域を提供する。
【0029】
図3に示す例示的なダンネージ製品70は、第1端部72と第1端部72の反対側の第2端部74とを備えた長さ寸法Lを有する。ダンネージ製品は、様々な長さであってよく、断熱性、緩衝性、又はそのような特性の組み合わせを有してもよい。ダンネージ製品は、典型的には、幅寸法Wよりも大きな長さ寸法Lを有し、幅寸法W及び長さ寸法Lの両方が厚さ方向T又はT図5)よりも大きい。ダンネージ製品の長さは様々であってもよいが、典型的には、輸送コンテナの対応する寸法全体に延在するのに十分な長さである。ダンネージ製品は、コンテナの1つ又は複数の直立した側壁及び底壁に渡って又はそれらを超えて延在する十分な長さを有してもよい。コンテナの内側面の幅寸法がダンネージ製品の幅寸法よりも大きい場合、共通方向に延在する複数の隣接するダンネージ製品が提供されてもよい。
【0030】
一実施形態のダンネージ製品70は、第1端部72と第2端部74との間の長さ寸法Lに沿って配置された複数の部分76を有し、第1端部72と第2端部74との間に位置する非しわ状部分78を含む。非しわ状部分78は、ダンネージ製品70の中心を含んでもよい。ダンネージ製品70の中心は、各々の第1端部72及び第2端部74の中間である。
【0031】
非しわ状部分78は、非しわ状部分78の両側にある、無作為なしわ状シートストック材の少なくとも1つの無作為なしわ状部分80、82の間に位置する。図3において、一方の少なくとも1つの無作為なしわ状部分80がダンネージ製品70の第1端部72に位置する。他方の少なくとも1つの無作為なしわ状部分82は、ダンネージ製品70の第2端部74に位置する。
【0032】
図4及び図5に示す通り、別のダンネージ製品100において、複数の部分102は、無作為なしわ状シートストック材の部分104、106及び非しわ状シートストック材の部分108、110を交互に有する。図示する通り、無作為なしわ状シートストック材の部分104、106は、概して、非しわ状シートストック材の部分108、110と同じ長さを有してもよい。無作為なしわ状シートストック材の部分104、106は、非しわ状シートストック材の部分108、110と比較して異なる長さを有してもよい。無作為なしわ状シートストック材の各部分は、無作為なしわ状シートストック材の他の部分と比較して、同じ又は異なる長さを有してもよい。非しわ状シートストック材の各部分は、非しわ状シートストック材の他の部分と比較して同じ又は異なる長さを有してもよい。複数の部分の各々の長さは、輸送コンテナの各側壁又は底壁の長さに対応してもよい。
【0033】
図5に示す通り、無作為なしわ状シートストック材の部分104、106の厚さTは、非しわ状シートストック材の部分108、110の厚さTよりも大きい。
【0034】
図6に示す通り、ダンネージ製品112の無作為なしわ状部分は、別のダンネージ製品100の非しわ状部分108に重なる。非しわ状部分108の厚さが比較的小さいため、非しわ状部分108の上に無作為なしわ状部分がきちんと重なり合い、この組み合わせた構成により、全体に一様な厚さTを有するようになる。
【0035】
図3に戻って参照すると、ダンネージ製品は、シートストック材の少なくとも2つの層84、86を含む。第1層84は、無作為なしわ状部分80、82と、非しわ状部分78とを含む。第2層86は、しわになっていない。ダンネージ製品70は、少なくとも1つ、及び好ましくは複数の、横向きに離間した、長手方向に延びる接続バンド88を含み、そこにおいてシートストック材は、エンボス加工されるか、ピアス加工されるか、パンチ加工されるか、又は接続アセンブリにより機械的に相互接続され、ストック材の複数の層84、86をまとめて保持する。ストック材は、概して、これらの接続バンド88において圧縮され、このため、しわ状層84の無作為なしわ状部分80、82は、接続バンド88外の緩衝領域90においてより大きな弾性を提供する。非しわ状層86は、しわ状層84のための担体として作用する。しわ状の1つ又は複数の層84の無作為なしわ状部分80、82と、非しわ状の1つ又は複数の層86をしわ状の1つ又は複数の層84に固定する横向きに離間した接続バンド88とを無作為にしわにすることにより、高品質のダンネージ製品を提供する。
【0036】
無作為なしわ状部分又はシートの数、使用するストック材の重量、又はしわ状/非しわ状のいずれかの担体シートを使用することを変更して、ダンネージ製品の緩衝性、断熱性、又は他の特性を多様化してもよい。緩衝性は、供給アセンブリ56及び接続アセンブリ58を通過するストック材の供給速度を変えることによっても、制御することができる(図2)。
【0037】
上述の変換機械により生産されたダンネージ製品70は、上述の通り、輸送コンテナ用のライニングとして特に好適であるが、ダンネージ製品70はまた、所望の緩衝性及び断熱性を提供してもよい。ダンネージ変換機を用いることで、ダンネージ製品を必要又は要望に応じてオンデマンドで生産することができる。
【0038】
束(バンドル)とも称す束状のダンネージ製品は、例示的なダンネージ製品の少なくとも2枚の帯を含み、複数のダンネージ製品をコンテナ内に同時に互いに正しい向きで配置することを容易にし、例えば輸送コンテナのライニングに緩衝性又は断熱性を提供することができる。束状のダンネージ製品は、束ねられた状態から容易に解かれてコンテナをライニングする。そのため直ちに、コンテナは輸送物品を収容できる状態になる。束状のダンネージ製品を解くことにより、ダンネージ製品はコンテナの内側面に沿って配置され、所望の緩衝性、断熱性、又は他のダンネージ特性を提供することができる。
【0039】
本発明のダンネージ製品は、1つ又は複数の追加のダンネージ製品とともに束状の構成で提供されてもよく、複数のダンネージ製品を同時にコンテナへ挿入しやすくする一方で、ダンネージ製品が直ちに輸送物品を収容・保護できる所望の構成に直ちに配備されるようにする。輸送コンテナへ簡単に挿入できるように、また、束状の構成を用いた場合に輸送コンテナのライニング厚さが2倍になるのを避けるため、本発明のダンネージ製品の非しわ状部分は、別のダンネージ製品のしわ状部分の上又は下に配置され、輸送コンテナ内の底又は他の共通面に載置される。このような構成では、ライニングを一様な厚さとすることができ、一方でダンネージ製品のうちの1つのしわ状部分により、保護性及び/又は断熱性も提供することができる。
【0040】
図7を参照すると、典型的な矩形の輸送コンテナ120には、第1位置に据えられたダンネージ(又はダンネージ製品)の第1帯122が設けられてもよく、第1位置とは、輸送コンテナ120内の底側を渡って、概して輸送コンテナ120の平行で対向する側壁に対して直交する位置である。第2帯、つまりダンネージ製品124は、第1帯122に対し直交して輸送コンテナを渡って備えられてもよい。第1帯122及び第2帯124の端部は、概して輸送コンテナ120の外に、各側壁を超えて延在し、第1帯122及び第2帯124がまだ下向きに押し込まれていない場合は、輸送物品が第1帯122及び第2帯124の上に載置されて輸送コンテナ120内へ押し入れられ得るようにし、そうでなければ輸送コンテナ120の底側に隣接するよう載置される。その後、第1帯122及び第2帯124の端部は、第1帯122及び第2帯124の重なり合う部分の上に内向きに折り畳まれてもよく、これにより互いに重なり合うとともに、輸送コンテナ120の底面を覆い、かつ輸送物品の上又は周辺を覆う。コンテナ120は次に閉じられるか、輸送の準備が整った状態となる。
【0041】
ダンネージ変換機50(図2)は、上述の第1帯122及び第2帯124を含む一連のダンネージ製品を、適切な信号、例えばダンネージを生産開始するオペレータ信号又は自動信号に応じて自動生産するよう制御されてもよい。第1帯122及び第2帯124の一方は、ダンネージ変換機50により生産されてもよく、次に第1帯122及び第2帯124の他方はさらなる入力又は遅延を伴わずに自動的に生産されてもよい。ダンネージ変換機50の生産経路に沿った特定の地点にセンサーが設置されてもよい。第1帯122及び第2帯124の他方が生産経路に沿った特定の地点に到達したとき、又はオペレータにより取り除かれたとき、センサーは第1帯122及び第2帯124の一方を生産開始する自動信号を送信してもよい。複数の第1帯122、第2帯124、又はその組み合わせが必要な場合、ダンネージ変換機50はさらなる入力を伴わずに所望の組み合わせを生産するよう制御されてもよい。つまり、ダンネージ変換機50は、特定のコンテナをライニングするのに必要な帯ダンネージ製品122、124のこれらのタイプの所望の組み合わせを生産する所定の指示セットを有してもよい。
【0042】
本発明以前は、しわ状のダンネージ製品の2枚の帯を層にして束ねることにより、コンテナ120の底側に配置されたダンネージ製品の厚さを不必要に2倍にし、コンテナ120への挿入を難しくしていた。本発明はまた、第1帯122及び第2帯124を折畳んで束を形成する方法も提供するものであり、コンテナ120内で束を解かれて輸送物品をすぐ収容できる構成になった際に一様なライニング厚さを提供する方法を提供するものである。
【0043】
帯を束にする第1ステップにおいて、第1帯及び第2帯は「T字」構成(図8)又は「十字」構成(図9)のいずれかを形成するよう配置されてもよい。説明を簡単にするため、図8を参照すると、T字構成から束を形成するには、次のステップを含む(図10図15にも順次示される)。まず、第2帯134を第1帯132に直交して配置するとともに、第2帯134の中心部分と第1帯132の中心部分とが重なり合う状態にする。第1帯132の中心部分は非しわ状部分である。第2帯134の中心部分は無作為なしわ状部分である。帯は、まとめて固定されてもよい。比較すると、十字構成においては、第2帯134の中心が第1帯132の中心を覆う。一方、T字構成においては、第2帯134の中心は、第1帯132の中心から外れ、第1帯132の中心を覆わない。換言すれば、T字構成において、第2帯134の中心は、第1帯132の中心に対して片寄っており、第1帯132の一端により近い。いずれの構成においても、第2帯134の無作為なしわ状部分が第1帯132の非しわ状部分を覆う。
【0044】
図8を参照すると、各帯は部分に分けられ、第1帯132及び第2帯134の各々の部分は、記号が記載されていない第2帯134の中心部分の上に折り畳まれる。順序は変更してもよいが、この例では、参照番号(1)~(5)の連続的な順序で第2帯134の記号のない中心部分の上に各部分が折り畳まれる。より具体的には、第2帯134の第1部分(1)が第2帯134の記号のない中心部分、及び下にある第1帯132の中心部分の上に折り畳まれ、その次に第2帯134の第2部分(2)が第2帯134の記号のない中心部分、及びすでに折り畳まれた第2帯134の第1部分(1)の上に折り畳まれる。図10~12を参照されたい。次に、第1帯132の第3部分(3)が第2帯134の記号のない中心部分(並びに下にある第1帯132の中心部分、すでに内側に折り畳まれた第2帯134の第1部分(1)及び第2部分(2))の上に折り畳まれる。最後に、第1帯132の第4部分(4)及び第5部分(5)が第1帯132の中心部分(及びすでに折り畳まれた第1~第3部分)の上及び周辺に折り畳まれ、束140を形成する(図13~15参照)。帯の端は束140内に挟まれてもよい。第2帯134の記号のない中心部分よりも長い部分がある場合、そのような部分は記号のない部分を越えて、及びその周辺に延在してもよい。
【0045】
結果として得られる折畳まれた束140は、使用のため直接コンテナ内に配置されてもよく、後からすぐ使えるように保管されてもよい。図16に示す通り、束140は、固定ストラップ142を備えてもよく、又は、第1帯132及び第2帯134を束状の構成に保持又は固定するための他の拘束部材又は保持手段を備えてもよい。例示的な固定ストラップ142は紙でできており、ストラップ142の重なり合う端部を固着する接着剤を備える。
【0046】
次に図9及び参照番号(1)~(4)を参照すると、十字構成から束を形成する場合も同様のステップを備える。まず、第2帯134が第1帯132に直交して配置されるとともに、第2帯134の中心が第1帯132の中心の上に載置される状態にする。次に、第1帯132及び第2帯134の部分が第2帯134の記号のない中心部分の上に参照番号(1)~(4)の連続した順序で折り畳まれる。このとき、次に続く部分が前の部分及び第2帯134の記号のない中心部分の周辺に折り畳まれるようにし、2枚の帯132及び134から束を形成する。
【0047】
これらの方法はそれぞれ、各種部分を内側に折り畳む順序を変えてもよい。束のサイズは、梱包コンテナのサイズと、当該コンテナに必要とされる梱包要件とに関連することが好ましい。考慮する要因としては、断熱性、緩衝性又はその組み合わせといった所望の特性;コンテナのサイズ;輸送物品のサイズ;及び束内のダンネージ製品のサイズ等が含まれる。このため、上記の通り、1枚の帯よりも幅広のコンテナの壁を覆うため、複数の帯を共通方向へ横並びに配置して用いた状態で、2本以上の帯がコンパクトな束へと折り畳まれ、コンテナ内に同時に配置されてもよい。このように、特定のコンテナに対する必要に応じて、束は、1つ又は複数の第2帯に加えて1つ又は複数の第1帯を備えてもよい。帯の数に関係なく、結果として得られる束により、オペレータは、非常に簡単に複数の帯をコンテナ内へ一度に配置することができる。この束状の配置により、帯が束から解かれた際に、コンテナの内側面に対し帯を容易に配置することができる。この束状の配置はまた、コンテナ全体にわたり一様なライニング厚さを確実に提供する。
【0048】
本発明はまた、輸送物品を収容するのに好適な構成になるよう、コンテナ内にダンネージ製品を迅速に配置するための、束の使用方法を提供する。本方法は、上記T字構成から形成された束140を用いた、図17~20に示される以下のステップを含む。まず、束140(固定されているか、固定されていないかを問わない)がコンテナ150へ配置され、帯132及び134を束の構成に保持するのに用いられるテープ、ストラップ、又はバンディングがある場合は、それは外され、除去される。次に、T字構成、十字構成、又は他の構成のいずれであれ、束にする方法が逆にされ、逆順で各種部分を広げて、コンテナ内で第1及び第2帯を開く。1つ又は複数の輸送物品を収容可能な構成に第1及び第2の帯の部分が広げられて配置されると、コンテナの側面及びコンテナの外側にわたって延在する場合がある。これらは、図17~20に連続的に示されている。
【0049】
束140が底壁の内側面に接してコンテナ150内に配置された後(図17)、第1帯132の部分4及び5が広げられ、輸送コンテナ150の直立側壁の隣接する内側面を超えて配置される(図18)。第1帯132の部分3は、対向直立側壁の対向内側面に対して広げられる。その後、第2帯134の部分2及び1も同様に、コンテナ150の直交する直立側壁の、各対向内側面に対して順次展開される。図19及び20を参照されたい。コンテナ150はこのため搬送される物品をすぐに収容することができ、束を展開するだけで第1及び第2帯132、134を所望の構成に配置することができる。
【0050】
その後、各々の部分が物品の上に折り畳まれ、輸送中の物品の4面を覆い、保護してもよい。代替的に、又は追加的に、コンテナを閉じる前に、1つ又は複数の追加の帯を物品の上又は周辺に設け、追加的に保護してもよい。
【0051】
要約すると、本発明はダンネージ製品又は第1端部と第1端部の反対側の第2端部とを備えた長さ寸法を有するダンネージ帯を提供する。複数の部分は、第1端部と第2端部との間の長さ寸法に沿って配置され、非しわ状シートストック材の非しわ状部分を含む。非しわ状部分は、非しわ状部分の両側の無作為なしわ状シートストック材の少なくとも1つの無作為なしわ状部分の間に位置する。
【0052】
本発明は、特定の例示的実施形態に関して図と共に説明されてきたが、本明細書及び添付の図面を読み、理解した当業者は、同等の変更及び改良を見出すであろう。特に、上記の完全体(構成要素、アセンブリ、装置、組成物等)により実行される各種機能について、そのような完全体を説明するのに用いられる用語(「手段」への言及を含む)は、特に明記しない限り、たとえ本発明の例示的実施形態で機能を実行する開示された構成とは構成的に等価でないとしても、指定された機能(すなわち、機能的に等価である機能)を実行する任意の完全体に対応することが意図される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20