(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】照明装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 8/00 20060101AFI20230127BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20230127BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230127BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20230127BHJP
【FI】
F21V8/00 330
F21S8/04 100
F21Y115:10
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2019013673
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2021-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 延吉
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-143570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
F21S 8/04
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源からの光を導光する導光板と、を備え、
前記導光板は、
前記光を入射する入射面と、
前記入射面と交差しており、前記入射面に入射した前記光であって前記導光板内を伝搬する伝搬光を反射する反射面と、
前記反射面と対向し、前記反射面で反射した反射光を含む前記伝搬光を前記導光板の外に出射する出射面と、を有し、
前記反射面は、
前記出射面に対向する底面と、前記底面から、前記出射面から離れる向きに突出する凸部と、有
し、
前記入射面は、前記底面の外周辺と前記出射面の外周辺との間に配置されている、
照明装置。
【請求項2】
前記底面は、前記入射面と前記凸部との間に配置されている、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記底面、及び前記凸部における突出方向の端面の少なくとも一方は、平坦な面である、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記凸部における突出方向の端面は、凸面又は凹面である、
請求項1~3の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記凸部の側面は、前記凸部の突出方向における基端側から先端側に向かって、前記凸部の内側に傾斜している、
請求項1~4の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記凸部の側面は、前記凸部の突出方向における基端側から先端側に向かって湾曲している、
請求項1~5の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記凸部は、前記出射面の法線方向から見て、円形状である、
請求項1~6の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記凸部を第1凸部とし、
前記反射面は、前記第1凸部と同じ方向に突出する第2凸部を更に有し、
前記第1凸部は、前記出射面の法線方向から見て、環状であり、
前記第2凸部は、前記第1凸部の内側に配置されている、
請求項1~6の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記導光板のうち、前記出射面と前記底面との間の部分である導光板本体は、前記出射面の法線方向から見て、円形の板状である、
請求項7又は8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記凸部は、前記出射面の法線方向から見て、多角形状である、
請求項1~6の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記導光板のうち、前記出射面と前記底面との間の部分である導光板本体は、前記出射面の法線方向から見て、多角形状である、
請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れか1項に記載の照明装置と、
前記照明装置を支持する器具本体と、を備える、
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に照明装置及び照明器具に関し、より詳細には、導光板を備えた照明装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の照明装置は、光源と導光板とを備えている。導光板は、板状である。導光板は、入射面、反射面、及び出射面(すなわち発光面)を有する。入射面は、導光板の外周側面で構成されている。反射面は、平面であり、導光板の裏側主面で構成されている。出射面は、平面であり、導光板の前側主面で構成されている。この照明装置では、光源からの光は、導光板の入射面から導光板内に入射し、導光板内で反射面と出射面の間で反射を繰り返して、出射面から外部に射出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明装置では、導光板の反射面が平面であるため、導光板の反射面での反射によって、照明光(すなわち導光板から出射される光)の配光を制御することが難しい。
【0005】
本開示は、比較的簡単な方法で照明光の配光を制御できる照明装置、及び照明装置を備えた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明装置は、光源と、導光板と、を備える。前記導光板は、前記光源からの光を導光する。前記導光板は、入射面と、反射面と、出射面と、を有する。前記入射面は、前記光を入射する。前記反射面は、前記入射面と交差しており、前記入射面に入射した前記光であって前記導光板内を伝搬する伝搬光を反射する。前記出射面は、前記反射面と対向し、前記反射面で反射した反射光を含む前記伝搬光を前記導光板の外に出射する。前記反射面は、底面と、凸部とを、有する。前記底面は、前記出射面に対向する。前記凸部は、前記底面から、前記出射面から離れる向きに突出する。前記入射面は、前記底面の外周辺と前記出射面の外周辺との間に配置されている。
【0007】
本開示の一態様に係る照明器具は、前記照明装置と、前記照明装置を支持する器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、比較的簡単な方法で照明光の配光を制御できる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】
図3は、実施形態1における導光板内での光の反射の様子を示す断面図である。
【
図4】
図4は、同上の導光板の配光特性を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の変形例1に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の変形例1における導光板の配光特性を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態1の変形例2における導光板を示す断面図である。
【
図8】
図7は、実施形態1の変形例3における導光板の一部を示す部分断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態2における導光板の配光特性を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態2の変形例1における導光板の配光特性を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態2の変形例2における導光板の配光特性を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態3における導光板の配光特性を示す図である。
【
図18】
図18は、実施形態4における導光板の配光特性を示す図である。
【
図19】
図19は、実施形態4の変形例1に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図20】
図20は、実施形態5に係る照明器具を示す部分断面図である。
【
図21】
図21は、実施形態5の変形例1に係る照明器具を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
図1~
図4を参照して、本実施形態に係る照明装置1について説明する。
【0011】
照明装置1は、例えば、建築物の天井板等に設置されて、室内の空間及び床面を照明する照明器具に搭載可能な照明装置である。なお、上記の照明器具は、天井埋込み型であってもよいし、天井直付け型であってもよい。
【0012】
図1Aに示すように、照明装置1は、光源2と、導光板3とを備えている。光源2は、可視光(以下、単に「光」と記載する)を出射する。導光板3は、光源2から出射された光を導光して面状に出射する。
【0013】
光源2は、例えば発光ダイオードである。以下、発光ダイオードをLED(LightEmitting Diode)と記載する。LEDは、例えば、パッケージ型の照明用白色LEDである。ただし、光源2は、LEDに限定されず、例えば有機EL(Electro-Luminescence)素子等であってもよい。光源2は、複数備えられている。複数の光源2は、導光板3の後述の入射面35の正面に配置されている。複数の光源2は、入射面35における長手方向(周方向)の全体にわたって、互いに間隔を空けて並んでいる。
【0014】
導光板3は、例えば平面視円形の板状である。導光板3は、導光板本体31と、凸体部32とを有する。
【0015】
導光板本体31は、前面31aと、裏面31bと、外周側面31dとを有する。前面31aは、導光板本体31の両側の主面のうちの前側の主面である。裏面31bは、導光板本体31の両側の主面のうちの裏側の主面である。外周側面31dは、前面31aの外周辺と裏面31bの外周辺とを繋ぐ面である。裏面31bは、周縁部31cと中央部とを有する。上記の中央部は、裏面31bのうちの周縁部31c以外の部分である。導光板本体31は、例えば、導光板3の前面31a(すなわち後述の出射面37)の法線A1方向から見て、円形の板状である。なお、導光板本体31は、導光板3のうち、前面31aと裏面31bとの間の部分(すなわち導光板3の後述の出射面37と後述の底面361との間の部分)である。
【0016】
凸体部32は、例えば、円錐台状に形成されている。凸体部32の大きい方の底面の直径は、導光板本体31の直径よりも小さい。凸体部32の厚さは、本実施形態では、導光板本体31の厚さと同じ位の厚さであるが、導光板本体31の厚さと比べて、同じでもよいし、大きくてもよいし、小さくてもよい。凸体部32は、導光板本体31の裏面31bから突出している。凸体部32は、導光板本体31の裏面31bの中央部を覆うように設けられている。なお、裏面31bにおいて凸体部32の外側に位置する周縁部31cは、凸体部32と同様に導光板本体31の裏面31bに露出している。
【0017】
導光板3は、入射面35と、反射面36と、出射面37とを有する。入射面35は、光源2から出射された光が入射する面である。反射面36は、入射面35と交差(
図1A及び
図1Bの図示例では直交)しており、入射面35に入射した光であって導光板3内を伝搬する伝搬光を反射する面である。出射面37は、反射面36と対向し、反射面36で反射した反射光を含む伝搬光を導光板3の外に出射する面である。出射面37は、光源2からの光を出射することで発光する発光面として機能する。
【0018】
入射面35は、導光板本体31の外周側面31dによって構成されている。入射面35は、例えば、出射面37に直交している。すなわち、入射面35は、出射面37の法線A1に平行である。法線A1は、出射面37に直交する仮想の線である。
【0019】
反射面36は、底面361と、凸部362とを有する。
【0020】
底面361は、導光板3の前面31a(すなわち出射面37)と対向する面である。底面361は、例えば円環状(すなわち中央孔を有する円形状)である。底面361は、導光板本体31の裏面31bのうちの露出した部分(すなわち周縁部31c)によって形成されている。
【0021】
凸部362は、底面361から、出射面37から離れる向きに突出する(すなわち突出方向A2に突出する)面である。凸部362は、底面361の上記の中央孔を覆うように配置されている。凸部362は、出射面37の法線A1方向から見て、円板状である。凸部362は、凸体部32における露出した表面(すなわち外周側面32a及び端面32b)によって構成されている。
【0022】
凸部362は、外周側面362aと端面362bとを有する。端面362bは、凸体部32の端面32bによって構成され、外周側面362aは、凸体部32の外周側面32aによって構成されている。
【0023】
凸部362の端面362bは、凸部362が突出する方向(すなわち突出方向A2)の端面である。凸部362の外周側面362a(側面)は、凸部362における突出方向A2の基端側から先端側に向かって、凸部362の内側に傾斜している。凸部362の基端側とは、導光板本体31側であり、凸部362の先端側とは、端面362b側である。外周側面362aは、導光板3の入射面35よりも、底面361の幅H1(
図1参照)分、導光板3の内側に配置されている。すなわち、底面361は、入射面35と外周側面362aとの間に配置されている。
【0024】
出射面37は、導光板本体31の前面31aによって構成されている。出射面37は、例えば円形である。
【0025】
導光板3は、複数の光学パターン38を有する。光学パターン38は、導光板3内を伝搬する伝搬光を散乱反射する微小光学素子である。複数の光学パターン38は、反射面36の底面361及び端面362bに設けられている。本実施形態では、複数の光学パターン38は、底面361の全体及び端面362bの全体にわたって、規則正しく設けられている。例えば、複数の光学パターン38は、導光体3の中心を中心とする同心円に沿って等間隔に並ぶように設けられている。なお、複数の光学パターン38は、不規則に設けられてもよい。例えば、複数の光学パターン38は、底面361及び端面362bにおいてランダムに配置されてもよい。
【0026】
光学パターン38は、
図2に示すように、反射面36の底面361及び端面362bから凹状に窪んだ形に形成されている。より詳細には、光学パターン38は、例えば、微小な半球形の凹状である。本実施形態では、光学パターン38は、直径が例えば0.5mmの半球形の凹状である。なお、光学パターン38の形状は、半球形に限定されず、例えば円錐形又は四角錐形であってもよく、導光板3内を伝搬する光を散乱反射可能な形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0027】
導光板3は、可視光を透過する部材で形成されている。このような部材として、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及び硝子などが挙げられる。
【0028】
次に
図3を参照して、光源2からの光が導光板3内で反射する様子を説明する。複数の光源2の各々からの光が導光板3内で反射する様子は、互いに同じである。このため、以下の説明では、複数の光源2のうちの1つの光源2Sに着目して、その光源2Sからの光が導光板3内を反射する様子を例に挙げて説明する。
【0029】
光源2Sから射出された光L1は、入射面35から導光板3内に入射する。その入射した光(入射光)L1は、導光板3内を、反射面36と出射面37との間で反射を繰り返しながら伝搬する。その際、その入射光L1の一部L2は、出射面37から導光板3の外に出射されて、照明光となる。
【0030】
より詳細には、入射光L1の一部(例えば光L3,L4)は、凸部362の内面(すなわち端面262b又は外周側面362a)で反射することで、様々な方向に伝搬し易くなる。このように凸部362の内面での反射によって、照明光の配光を制御できる。
【0031】
また、入射光L1の一部(例えば光L3)は、凸部362の端面362bで反射したとき、端面362bに設けられた光学パターン38(
図1A及び
図1B参照)によって拡散反射される。このように光学パターン38によって、照明光の配光を制御できる。
【0032】
また、凸部362の側面362aは、上述のように凸部362の内側に傾斜している。このため、入射光L1の一部(例えば光L4)は、側面362aで反射したとき、出射面37の法線A1方向に反射され易くなる。すなわち、側面362aで反射された光L4は、出射面37に対する入射角α1が小さくなり易くなる。これにより、光L4は、出射面37を透過して導光板3の外に射出され易くなる。この結果、出射面37の光学効率が向上する。出射面37の光学効率とは、入射光L1の光量(光束)に対する出射光L2の光量の割合である。
【0033】
また、側面362aで反射された光L4は、出射面37の法線A1方向に反射され易くなる。このため、出射光L2に、出射面37の法線A1方向に出射される光をより多く含むようにできる。
【0034】
また、入射面35と凸部362との間に底面361が配置されている。このため、入射光L1の一部(例えばL3)は、底面361で反射した後に、凸部362の内面で反射される。一部の光L3が底面361で反射されることで、一部の光L3の伝搬方向が様々な方向に変化する。すなわち、入射光L1は、凸部362の内面で反射する前に、様々な方向に伝搬する光L3を含むようになる。このように様々な伝搬方向の光L3を含む光L1が凸部362の内面で反射することで、その反射光は、より一層様々な方向に伝搬する。このように入射面35と凸部362の間に底面361が配置されることで、照明光の配光を制御できる。
【0035】
また、入射光L1の一部(例えば光L3)は、底面361で反射したとき、底面361の光学パターン38(
図1A及び
図1B参照)によって拡散反射される。これにより、底面361で反射された光L3は、より一層様々な方向に伝搬する。このように底面361の光学パターン38によって、照明光の配光を制御できる。
【0036】
図4を参照して、導光板3の配光特性について説明する。導光板3の配光特性とは、導光板3の出射面37から出射された出射光が、どの方向にどれ位の光強度(例えば単位:cd(Candela))で射出されるかを示す特性である。
図4は、導光板3における、所定の仮想平面上で見た配光特性を示す。上記の所定の仮想平面は、例えば、出射面37の中心を含み、かつ出射面37に垂直である。
【0037】
図4に示す配光特性は、
図4のグラフの中心を原点とし、原点を中心とする円の周方向が、出射面37からの出射光の出射方向を示す。なお、
図4の出射方向において、0度の方向(
図4の紙面の下方向)が出射面37の法線A1方向に対応する。また、
図4の出射方向において、上記の所定の仮想平面上にて法線A1から一方に傾斜する方向を+方向とし、法線A1から反対方向に傾斜する方向を-方向としている。
【0038】
図4から分かるように、本実施形態の導光板3は、約-50度~+50度の範囲(すなわち広角と狭角の中間の範囲)に照明光の配光を制御できることが分かる。また、この場合の光学効率は、57.955%となり、良好な値(すなわち比較的高い光学効率)となる。
【0039】
以上、本実施形態に係る照明装置1によれば、導光板3の反射面36は、底面361から、出射面37から離れる向きに突出する凸部362を有する。このため、光源2から導光板3内に入射した入射光L1は、凸部362の内面で反射することで、導光板3内において様々な方向に伝搬し易くなる。これにより、凸部362の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)、照明光の配光を制御できる。
【0040】
(実施形態1の変形例及び他の実施形態)
以下、実施形態1の変形例、及び他の実施形態(変形例を含む)について説明する。以下の説明では、実施形態1と同じ構成要素については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。なお、実施形態1(変形例を含む)及び他の実施形態(変形例を含む)の組み合わせも実施可能である。
【0041】
(実施形態1の変形例)
(変形例1)
実施形態1において、
図5に示すように、底面361の光学パターン38は、省略されてもよい。すなわち、底面361は、平坦な平面であってもよい。なお、上記の平坦とは、光学パターン38のような凸凹が無いという意味である。
【0042】
この場合の導光板3の配光特性は、
図6に示すように、実施形態1の場合(
図4参照)とほぼ同じであり、約-50度~+50度の範囲(すなわち広角と狭角の中間の範囲)に照明光の配光を制御できることが分かる。また、この場合の光学効率は、56.309%となり、底面361の光学パターン38が省略された分、実施形態1の場合の光学効率(=57.955%)よりも少し小さくなるが、良好な値(すなわち比較的高い光学効率)である。
【0043】
本変形例によれば、平坦な平面である底面361は製造コストが比較的低いため、比較的簡単な方法によって照明光の配光を制御しつつ、製造コストを低減できる。
【0044】
なお、本変形例では、実施形態1において、反射面36の底面361の光学パターン38を省略して底面361を平坦な面にしている。ただし、底面361の光学パターン38を省略する代わりに、反射面36の端面362bの光学パターン38を省略して端面362bを平坦な面にしてもよいし、底面361及び端面362bの両方の光学パターン38を省略して底面361及び端面362bの両方を平坦な面にしてもよい。これらの場合でも、実施形態1の場合と同様に、凸部362の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)照明光の配光を制御できる。
【0045】
(変形例2)
実施形態1では、凸部362の外周側面262aは、凸部362の内側に傾斜するが、
図7に示すように、凸部362の外周側面262aは、底面361に直交する面であってもよい。この場合も、実施形態1の場合と同様に、凸部362の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)照明光の配光を制御できる。
【0046】
(変形例3)
実施形態1において、入射面35は、出射面37に直交するが、
図8に示すように、入射面35は、出射面37側から底面361側に向かって、導光板本体31の外周側に傾斜すると共に導光板本体31の内側に凸となるように、湾曲する曲面であってもよい。これにより、光源2からの光が、光源2と導光板本体31との間から底面361側に漏れることを抑制できる。
【0047】
(実施形態2)
本実施形態は、
図9A及び
図9Bに示すように、実施形態1と比べて、導光板3の底面361及び端面362bの各々の光学パターン38が省略されている点が異なる。また、本実施形態は、実施形態1と比べて、導光板3の凸部362の外周側面362aが湾曲している点が異なる。すなわち、本実施形態では、凸部362は、外周側面362aが湾曲し、端面362bが平坦な平面である凸部である。
【0048】
より詳細には、凸部362の外周側面362a(側面)は、凸部362の突出方向A2における基端側から先端側に向かって、凸部362の外周側に凸となるように、湾曲していている。また、外周側面362aは、凸部362の突出方向A2における基端側から先端側に向かって、凸部362の内側に傾斜している。なお、上記の基端側とは、導光板本体31側であり、上記の先端側とは、端面362b側、換言すれば、導光板本体31から離れる方向の側である。
【0049】
図9Bに示すように、外周側面362aは、例えば、上縁部F1と主面部F2とを有する。上縁部F1は、外周側面362aにおける突出方向A2の先端側の縁部であり、例えば、外周側面362aにおける突出方向A2の範囲のうちの上側の3分の1程度の範囲である。主面部F2は、外周側面362aのうちの上縁部F1以外の部分であり、例えば、外周側面362aにおける突出方向A2の範囲のうちの下側の3分の2程度の範囲である。上縁部F1での湾曲の曲率は、例えば、主面部F2での湾曲の曲率よりも大きい。これにより、出射面37の中央部の光度の低下を抑制できる。この結果、照明光の配光を均一にできる。なお、本実施形態では、外周側面362aは、上記のように、突出方向A2において部分的に曲率が異なるが、突出方向A2の全体にわたって一定の曲率でもあってもよい。
【0050】
本実施形態の導光板3の配光特性は、
図10に示すように、約-30度~+30度の範囲(すなわち広角と狭角の中間の範囲)において、光強度が大凡300cd程度になり、大凡均等に配光している。これにより、本実施形態の導光板3でも、広角と狭角の中間の範囲に照明光の配光を制御できることが分かる。また、この場合の光学効率は、52.852%となり、底面361及び端面362bの光学パターン38が省略された分、実施形態1の場合の光学効率(=57.955%)よりも小さくなるが、良好な値(比較的高い光学効率)である。このように、本実施形態でも、凸部362の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)照明光の配光を制御できる。
【0051】
なお、本実施形態では、凸部362の外周側面362aは、凸部362の外周側に凸となるように湾曲しているが、凸部362の内側に凸となるように湾曲してもよい。この場合も、凸部362の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)照明光の配光を制御できる。
【0052】
(実施形態2の変形例)
(変形例1)
本変形例は、
図11A及び
図11Bに示すように、実施形態2と比べて、端面362bが凹面である点が異なる。より詳細には、円形の端面362bは、その全範囲にわたって、底浅の半球面形の凹状に湾曲している。更に詳細には、端面362bの外周縁部F3の湾曲の曲率は、端面362bの中央部F4の湾曲の曲率よりも大きい(
図11B参照)。すなわち、中央部F4は、外周縁部F3よりも緩やかに凹状に湾曲している。
【0053】
本変形例の導光板3の配光特性は、
図12に示すように、約-40度~+40度の範囲(すなわち広角と狭角の中間の範囲)において、光強度が大凡300cd程度になり、大凡均等に配光している。すなわち、本変形例の導光板3の配光特性は、実施形態2の場合(
図10参照)よりも少し広角になる。このように、端面362bが凹面であることで、導光板3の配光特性をより広角にできる。また、本変形例の光学効率は、56.299%となり、実施形態2の場合よりも光学効率が向上する。このように、本変形例でも、凸部362の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)照明光の配光を制御できる。
【0054】
(変形例2)
本変形例は、
図13A及び
図13Bに示すように、実施形態2と比べて、端面362bが凸面である点が異なる。より詳細には、端面362bは、その全範囲にわたって、底浅の半球面形の凸状に湾曲している。更に詳細には、端面362bの外周縁部F3の湾曲の曲率は、端面362bの中央部F4の湾曲の曲率よりも大きい。すなわち、中央部F4は、外周縁部F3よりも緩やかに凸状に湾曲している。
【0055】
本変形例の導光板3の配光特性は、
図14に示すように、約-20度~+20度の範囲(すなわち狭角の範囲)において、光強度が大凡300cd程度になり、大凡均等に配光している。すなわち、本変形例の導光板3の配光特性は、実施形態2の場合(
図10参照)よりも狭角になる。このように、端面362bが凸面であることで、導光板3の配光特性をより狭角にできる。また、本変形例の光学効率は、46.098%となる。このように、本変形例でも、凸部362の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)照明光の配光を制御できる。
【0056】
(実施形態3)
実施形態2の導光板3の反射面36は、1つの凸部362を有するが(
図9A及び
図9B参照)、本実施形態の反射面36は、
図15A及び
図15Bに示すように、2つの凸部(第1凸部50及び第2凸部51)を有する点が異なる。
【0057】
より詳細には、
図15A及び
図15Bに示すように、本実施形態の導光板3は、2つの凸体部(第1凸体部40及び第2凸体部41)を有する。第1凸体部40及び第2凸体部41は、導光板本体31の裏面31bから、導光板本体31の前面31a(すなわち出射面37)から離れる向き(すなわち突出方向A3)に突出している。第1凸体部40は、出射面37の法線A1方向から見て、中央孔を有する環状(例えば円環状)である。第2凸体部41は、出射面37の法線A1方向から見て円形である。第1凸体部40は、導光板本体31の裏面31bの中央部に設けられている。上記の中央部は、裏面31bのうちの周縁部31c以外の部分である。第2凸体部41は、第1凸体部40の上記の中央孔内(すなわち第1凸体部40の内側)に配置されている。
【0058】
本実施形態の導光板3の反射面36は、底面361と、2つの凸部(第1凸部50及び第2凸部51)とを有する。底面361は、実施形態1の底面361と同様に形成されている。
【0059】
第1凸部50は、第1凸体部40における露出した表面で構成されている。第1凸部50は、断面逆さ略U字形(又は逆さ略V字形)の環状面状である。なお、上記の環状面とは、例えば、断面をその外側に配置された回転軸周りに回転させて得られる面である。第1凸部50は、底面361から、導光板3の出射面37から離れる向き(すなわち突出方向A3)に突出している。第1凸部50は、出射面37の法線A1方向から見て、中央孔を有する環状(例えば円環状)である。第1凸部50は、導光板本体31の裏面31bの中央部に設けられている。
【0060】
第1凸部50は、外周側面501と内周側面502とを有する。
【0061】
外周側面501は、上記の断面逆さ略U字(又は逆さ略V字)の外側半分の部分に対応し、内周側面502は、上記の断面略逆さU字の内側半分の部分に対応する。外周側面501及び内周側面502は、互いに間隔を空けて対向して配置されている。外周側面501及び内周側面502の各々の先端は、互いに接続されている。
【0062】
外周側面501は、第1凸部50の突出方向A3における基端側から先端側に向かって、第1凸部50の外周側に凸となるように、湾曲している。なお、このように、外周側面501は、凸部50の基端側から先端側に向かって湾曲しているが、この形状は、実施形態1の外周側面362aにおける基端側から先端側に向かったときの形状と同じ形状であってもよい。また、外周側面501は、第1凸部50の突出方向A3における基端側から先端側に向かって、内周側面502の側に傾斜している。内周側面502は、第1凸部50の突出方向A3における基端側から先端側に向かって、第1凸部50の内周側に凸となるように、湾曲していている。また、内周側面502は、第1凸部50の突出方向A3における基端側から先端側に向かって、外周側面501の側に傾斜している。なお、上記の基端側とは、導光板本体31側であり、上記の先端側とは、導光板本体31から離れる方向の側である。
【0063】
外周側面501と内周側面502は、第1凸部50の中心軸A4を含む仮想平面による断面で見たとき、中心軸A4に対して対称的な形状である(
図15B参照)。
【0064】
第2凸部51は、第2凸体部41における露出した表面で構成されている。第2凸部51は、断面逆さ略U字形(又は逆さ略V字形)の回転面状である。なお、上記の回転面とは、断面をその中心を通る回転軸周りに回転させて得られる面である。第2凸部51は、底面361から、第1凸部50と同じ方向(すなわち突出方向A3)に突出している。第2凸部51は、出射面37の法線A1方向から見て円形である。第2凸部51は、第1凸部50の内側(すなわち上記の中央孔)に配置されている。第1凸部50及び第2凸部51は、互いに同心状に配置されている。
【0065】
第2凸部51は、外周側面511を有する。外周側面511は、第2凸部51の突出方向A3における基端側から先端側に向かって、第2凸部51の外周側に凸となるように、湾曲していている。また、外周側面511は、第2凸部51の突出方向A3における基端側から先端側に向かって、第2凸部51の内側に傾斜している。なお、上記の基端側とは、導光板本体31側であり、上記の先端側とは、導光板本体31から離れる方向の側である。
【0066】
第1凸部50の内周側面502の基端502aと、第2凸部51の外周側面511の基端511aとは、周方向全体にわたって、互いに接続されている。
【0067】
本実施形態の導光板3の配光特性は、
図16に示すように、約-60度~+60度の範囲(すなわち広角の範囲)に配光している。すなわち、本実施形態の導光板3の配光特性は、実施形態2の場合(
図10参照)よりも広角になる。このように、2つの凸部50,51を同心状に配置することで、導光板3の配光特性をより広角にできる。また、本変形例の光学効率は、49.417%となる。このように、本実施形態でも、凸部50,51の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)照明光の配光を制御できる。
【0068】
なお、本実施形態では、2つの凸部50,51を有する場合を例示するが、3つ以上の凸部を有してもよい。この場合は、中心に配置される凸部の形状を回転面状とし、その他の凸部を、互いの直径が異なる環状面状とする。そして、その他の凸部を、中心に配置される凸部の外周側に順番に同心状に配置すればよい。
【0069】
(実施形態4)
本実施形態の導光板3は、
図17A及び
図17Bに示すように、多角形(例えば矩形)の板状である。本実施形態の導光板3は、導光板本体31と、凸体部32とを有する。導光板本体31及び凸体部32は、出射面37の法線A1方向から見て多角形状(例えば矩形状)である。
【0070】
凸体部32は、導光板本体31の裏面31bから、前面31a(すなわち出射面37)から離れる方向(すなわち突出方向A6)に突出するように設けられている。
【0071】
凸体部32の端面32iの長辺の長さは、導光板本体31の裏面31bの長辺の長さと同じ長さである。凸体部32の端面32iの短辺の長さは、導光板本体31の裏面31bの短辺の長さよりも短い。なお、凸体部32の端面32iは、凸体部32における突出方向A6の先端側の面である。
【0072】
凸体部32及び導光板本体31において、それらの上記の短辺同士は互いに平行であり、それらの上記の長辺同士は互いに平行である。また、凸体部32における長手方向の両側の側面32gの各々は、導光板本体31における長手方向の両側の側面31gと面一である。また、凸体部32における短手方向の両側の側面32hは、導光板本体31における短手方向の両側の側面31hよりも内側に配置されている。本実施形態では、導光板本体31の裏面31bの周縁のうち、長辺に沿った縁部31cのみが露出している。
【0073】
本実施形態の導光板3の入射面35は、導光板本体31の両側の側面31hで構成されている。複数の光源2は、両側の入射面35の正面に配置され、かつ、入射面35の長手方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。
【0074】
本実施形態の導光板3の反射面36は、底面361と凸部362とを有する。凸部362は、凸体部32における露出した表面(端面32i、両側の側面32g、及び両側の側面32h)で構成されている。凸部362は、出射面37の法線A1方向から見て多角形状(例えば矩形状)である。底面361は、導光板本体の縁部31cで構成されている。すなわち、底面361は、側面32h,31h間のみに配置され、側面32g,31g間には配置されていない。両側の側面32hは、凸部362の突出方向A6の基端側から先端側に向かって、凸部362の内側に傾斜している。
【0075】
本実施形態の導光板3の配光特性は、
図18に示すように、約-40度~+40度の範囲(すなわち広角と狭角の中間の範囲)において、光強度が大凡325cd程度になり、大凡均等に配光している。このように、2つの導光板本体31及び凸体部32を矩形板状に形成することで、導光板3の配光特性を広角と狭角との中間の範囲にできる。また、本変形例の光学効率は、65.107%となり、実施形態1の場合の光学効率よりも向上する。本変形例でも、凸部362の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)照明光の配光を制御できる。
【0076】
なお、本実施形態では、導光板3が矩形(すなわち四角形)の板状である場合を例示するが、四角形以外の多角形(例えば、三角形、五角形及び六角形など)でもよい。より詳細には、導光板本体31及び凸体部32はそれぞれ、平面視で矩形(すなわち四角形)以外の多角形でもよい。
【0077】
なお、導光板本体31を平面視で多角形とし、凸体部32を平面視で円形としてもよいし、導光板本体31を平面視で円形とし、凸体部32を平面視で多角形としてもよい。
【0078】
(実施形態4の変形例)
(変形例1)
実施形態4において、
図19に示すように、更に、反射面36の凸部362における長手方向の両側の側面32gを、導光板本体31における長手方向の両側の側面31gよりも内側に配置してもよい。これにより、側面32h,31h間だけでなく、側面32g,31g間にも、底面361が配置される。また、本変形例の入射面35は、導光板本体31の外周側面の全体(すなわち両側の側面31h及び両側の側面31g)によって構成される。したがって、複数の光源2は、導光板本体3の外周側面の全体にわたって配置される。本変形例でも、実施形態4と同様に、比較的簡単な方法(すなわち凸部362の内面での反射、及び底面361での反射)によって、照明光の配光を制御できる。
【0079】
(実施形態5)
本実施形態に係る照明器具80は、実施形態1に係る照明装置1を備えた照明器具である。照明器具80は、
図20に示すように、実施形態1に係る照明装置1と、器具本体81とを備えている。
【0080】
器具本体81は、照明器具30のうちの照明装置1以外の部分であり、照明装置1を支持している。器具本体81は、ケース82と、前側反射板83と、反射シート84と、裏側反射板85と、放熱シート86とを備えている。
【0081】
ケース82は、照明装置1を収容すると共に支持する部分である。ケース82は、前壁部82bと、側壁部82aとを有する。前壁部82bは、開口部82cを有する。開口部82cは、照明装置1からの出射光(すなわち照明光)を外部に照射する部分である。開口部82cは、前壁部82bの中央部分に設けられている。側壁部82aは、前壁部82bの裏面の外周縁部から立ち上がるように設けられている。
【0082】
照明装置1は、ケース82内において、前壁部82bの裏側に配置されている。導光板3の出射面37の周縁部は、前壁部82bの裏面の内周縁部(すなわち開口部82cの周りの周縁部)に重なる。出射面37の中央部は、前壁部82bの開口部82cから前方に露出している。なお、出射面37の中央部は、出射面37のうちの周縁部以外の部分である。光源2は、側壁部82aと導光板3の入射面35との間に配置されている。光源2は、入射面35に対向して配置されている。光源2は、例えばLED(light emitting diode(発光ダイオード))2aと、LED2aを実装する基板2bとを有する。
【0083】
前側反射板83は、光源2から前壁部82bの裏面側に漏れる光を導光板3内に反射する部材である。前側反射板83は、前壁部82bの裏面の内周縁部(すなわち開口部82cの周りの周縁部)に配置されている。前側反射板83の裏面のうち、一端部83aは、導光板3の出射面37の周縁部に接触し、他端部83bは、光源2のLEDの側面に近くに配置されている。
【0084】
反射シート84は、導光板3の内部から反射面36を透過して外部も漏れる光を導光板3内に反射する部材である。反射シート84は、導光板3の反射面36の全体を覆うように配置されている。
【0085】
裏側反射板85は、光源2から、光源2と導光板3との間を通過して導光板3の裏面側に漏れる光を導光板3内に反射する部材である。裏側反射板85は、反射シート84の裏側に配置されている。裏側反射板85の周縁部は、光源2と導光板3との間の隙間を塞いでいる。
【0086】
放熱シート86は、光源2から発生した熱を吸収することで、光源2内の熱を光源2の外に放熱させる部材である。放熱シート86は、光源2の基板2bの裏側に配置されている。
【0087】
この照明器具80では、光源2からの光L10は、入射面35から導光板3内に入射し、導光板3内を伝搬して出射面37から出射される。この出射した光L11は、照明光として、ケース82の開口部82cから外部に照射される。その際、光源2からの光L10は、前側反射板83及び裏側反射板85での反射によって、入射面35に効率良く入射される。また、入射面35から導光板3内に入った光は、反射シート84によって、導光板3の反射面36で効率良く反射される。
【0088】
なお、本実施形態の照明器具80は、実施形態1の照明装置1を備える場合を例示するが、実施形態1に係る照明装置1の代わりに、実施形態2~4(変形例を含む)の何れかの照明装置1を備えてもよい。
【0089】
(実施形態5の変形例)
(変形例1)
実施形態4では、光源2は入射面35の正面に配置されるが、
図21に示すように、光源2は裏側反射板85の外周側に配置されてもよい。換言すれは、光源2は、導光板3の入射面35の正面の位置から導光板3の裏側に後退した位置に配置されてもよい。この場合は、光源2は、ケース82の前壁部82bに対向して配置される。また、この場合、前側反射板83は、円弧状に湾曲した形状である。前側反射板83は、光源2の正面を横切るように配置される。前側反射板83の一端部83aは、導光板3の裏面の周縁部に接触し、前側反射板83の他端部83bは、光源2のLED2aの外側の側面の近くに配置される。
【0090】
この照明器具80では、光源2からの光L10は、前側反射板83での反射によって伝搬方向が90度曲げられて入射面35に入射する。そして、入射面35から導光板3内に入射した光L10は、実施形態4の場合と同様に出射面37から出射されて、照明光L11として、ケース82の開口部82cから外部に照射される。
【0091】
(まとめ)
第1の態様の照明装置(1)は、光源(2)と、導光板(3)と、を備える。導光板(3)は、光源(2)からの光を導光する。導光板(3)は、入射面(35)と、反射面(36)と、出射面(37)と、を有する。入射面(35)は、上記の光を入射する。反射面(36)は、入射面(35)と交差しており、入射面(35)に入射した光であって導光板(3)内を伝搬する伝搬光を反射する。出射面(37)は、反射面(36)と対向し、反射面(36)で反射した反射光を含む伝搬光を導光板(3)の外に出射する。反射面(36)は、底面(361)と、凸部(362)と、有する。底面(361)は、出射面(37)に対向する。凸部(362)は、底面(361)から、出射面(37)から離れる向きに突出する。
【0092】
この構成によれば、導光板(3)の反射面(36)は、底面(361)から、出射面(37)から離れる向きに突出する凸部(362)を有する。このため、光源(2)から導光板(3)内に入射した入射光(L1)は、凸部(362)の内面(外周側面362a及び端面362b)で反射することで、導光板(3)内において様々な方向に伝搬し易くなる。このように、凸部(362)の内面での反射によって(すなわち比較的簡単な方法によって)、照明光の配光を制御できる。
【0093】
第2の態様の照明装置(1)では、第1の態様において、底面(361)は、入射面(35)と凸部(362)との間に配置されている。
【0094】
この構成により、入射面(35)から導光板(3)内に入射した入射光(L1)の一部(例えば光L3,L4)は、底面(361)で反射した後に凸部(362)の側に伝搬する。これにより、入射光(L1)は、凸部(362)の内面で反射される前に、様々な伝搬方向の光を含むことができる。このように、様々な伝搬方向の光を含む入射光(L1)が凸部(362)の内面で反射することで、その反射光は、より一層様々な方向に反射する光を含むことができる。このように入射面(35)と凸部(362)との間に底面(361)を配置することで、照明光の配光を制御できる。
【0095】
第3の態様の照明装置(1)では、第1又は第2の態様において、底面(361)及び端面(362b)の少なくとも一方は、平坦な面である。端面(362b)は、凸部(362)における突出方向(A2)の面である。
【0096】
この構成によれば、平坦な面(362b)は製造コストが比較的低いため、比較的簡単な方法によって照明光の配光を制御しつつ、製造コストを低減できる。
【0097】
第4の態様の照明装置(1)では、第1~第3の態様の何れか1つの態様において、凸部(362)における突出方向(A2)の端面(362b)は、凸面又は凹面である。
【0098】
この構成によれば、端面(362b)が凸面であるか凹面であるかによって、出射面(37)から出射される光の配光を異ならせることができる。端面(362b)が凸面である場合は、出射面(37)から出射される光(L2)のうち、出射面(37)の法線(A1)方向に出射される光の割合を増加できる。端面(362b)が凹面である場合は、出射面(37)から出射される光(L2)のうち、出射面(37)の法線(A1)方向から傾いた方向に出射される光の割合を増加できる。
【0099】
第5の態様の照明装置(1)では、第1~第4の態様の何れか1つの態様において、凸部(362)の側面(362a)は、凸部(362)の突出方向(A2)における基端側から先端側に向かって、凸部(362)の内側に傾斜している。
【0100】
この構成によれば、入射面(35)から導光板(3)内に入射した入射光(L1)が凸部(362)の側面(362a)で反射したとき、その反射光が出射面(37)の法線(A1)方向に反射され易くなる。これにより、光学効率を向上できる。また、導光板(3)の配光特性を、出射面(37)の法線(A1)方向に出射される光をより多く含むようにできる。
【0101】
第6の態様の照明装置(1)では、第1~第5の態様の何れか1つの態様において、凸部(362)の側面(362a)は、凸部(362)の突出方向(A2)における基端側から先端側に向かって湾曲している。
【0102】
この構成によれば、凸部(362)の側面(362a)の湾曲に応じて、導光板(3)の配光特性を変化させることができる。
【0103】
第7の態様の照明装置(1)では、第1~第6の態様の何れか1つの態様において、凸部(362)は、出射面(37)の法線(A1)方向から見て、円形状である。
【0104】
この構成によれば、凸部(362)は出射面(37)の法線方向から見て円形であるため、出射面(37)の形状が円形の導光板(3)への適用に最適である。
【0105】
第8の態様の照明装置(1)では、第1~第6の態様の何れか1つの態様において、凸部(50)を第1凸部(50)とする。反射面(36)は、第2凸部(51)を更に有する。第2凸部(51)は、第1凸部(50)と同じ方向に突出する。第1凸部(50)は、出射面(37)の法線(A1)方向から見て、環状である。第2凸部(51)は、第1凸部(50)の内側に配置されている。
【0106】
この構成によれば、第1凸部(50)が環状に形成され、第2凸部(51)が第1凸部(50)の内側に配置されるため、出射面(37)から出射される光(L2)のうち、出射面(37)の法線(A1)方向から傾いた方向に出射される光の割合を増加できる。すなわち、導光板(3)の配光特性をより広角にできる。
【0107】
第9の態様の照明装置(1)では、第7又は第8の態様の何れか1つの態様において、導光板(3)のうち導光板本体(31)は、出射面(37)の法線(A1)方向から見て、円形の板状である。導光板本体(31)は、出射面(37)と底面(361)との間の部分である。
【0108】
この構成によれば、導光板本体(31)が円形の板状であるため、出射面(37)を円形状できる。また、導光板本体の(31)平面視形状(すなわち円形状)は、凸部(362)の平面視形状(すなわち円形状)に対応する形状であるため、凸部(362)での反射光を出射面(37)全体に伝搬させ易くなる。
【0109】
第10の態様の照明装置(1)では、第1~第6の態様の何れか1つの態様において、凸部(362)は、出射面(37)の法線(A1)方向から見て、多角形状である。
【0110】
この構成によれば、凸部(362)は出射面(37)の法線方向から見て多角形であるため、出射面(37)の形状が多角形の導光板(3)への適用に最適である。
【0111】
第11の態様の照明装置(1)では、第10の態様において、導光板(3)のうち導光板本体(31)は、出射面(37)の法線(A1)方向から見て、多角形状である。導光板本体(31)は、出射面(37)と底面(361)との間の部分である。
【0112】
この構成によれば、導光板本体(31)が多角形の板状であるため、出射面(37)を多角形状にできる。また、導光板本体の(31)平面視形状(すなわち多角形状)は、凸部(362)の平面視形状(すなわち多角形状)に対応する形状であるので、凸部(362)での反射光を出射面(37)全体に伝搬させ易くなる。
【0113】
第12の態様の照明器具は、第1~第11の態様の何れか1つの態様の照明装置(1)と、照明装置(1)を支持する器具本体(81)と、を備える。
【0114】
この構成によれば、照明装置(1)の上記の効果を奏する照明器具(80)を提供できる。
【符号の説明】
【0115】
1 照明装置
2 光源
3 導光板
31 導光板本体
35 入射面
36 反射面
37 出射面
50 第1凸部
51 第2凸部
80 照明器具
81 器具本体
361 底面
362 凸部
362a 側面
362b 端面
A1 出射面の法線
A2 突出方向
L1 入射光
L2 出射光
L3,L4 入射光の一部