(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】住宅リフォーム・リノベーション提案システム、及び、住宅リフォーム・リノベーション提案方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20230127BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2018192561
(22)【出願日】2018-10-11
【審査請求日】2021-02-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小園 隆嗣
(72)【発明者】
【氏名】塚本 英勝
(72)【発明者】
【氏名】岩田 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】須浪 恵寛
(72)【発明者】
【氏名】本山 仁
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】梶尾 誠哉
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-18278(JP,A)
【文献】特開2003-67446(JP,A)
【文献】特開2002-317566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが住宅リフォーム要望時にリフォーム仕様を選択するための選択画面を表示する表示部と、
前記選択画面の表示中に前記ユーザのリフォーム仕様の選択を受け付ける受付部とを備え、
前記選択画面においては、住宅リフォームの対象空間のうちユーザが前記ユーザの好みに応じて少なくとも部屋の配置および内装に関する仕様を自由に選択可能な第一空間に関する第一リフォームメニュー、及び、前記対象空間のうち水廻り設備が配置された第二空間に関する第二リフォームメニューが提示され、
前記第一リフォームメニューには、変更の余地を残した住宅リフォームを提案するためのリフォームメニューが含まれ
、
前記第一リフォームメニューの選択の幅は、前記第二リフォームメニューの選択の幅よりも広い
住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項2】
前記変更の余地を残した住宅リフォームを提案するためのリフォームメニューは、リフォーム時に全てを決定してしまわない選択を可能にしたリフォームメニュー、または、リフォームよりも後に変更できるという選択を可能にしたリフォームメニューである
請求項1に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項3】
前記変更の余地を残した住宅リフォームを提案するためのリフォームメニューは、リフォーム時点では予測できないライフステージの変化、ライフスタイルの変化、及び、好みの変化に対して前記ユーザ自身が居住後にこれらの変化に応じて手を加えられる余地を残したリフォームメニューである
請求項1に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項4】
前記変更の余地を残した住宅リフォームを提案するためのリフォームメニューは、前記ユーザ自身が居住後に手を加えられる余地を残したリフォームメニューである
請求項1に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項5】
前記第一リフォームメニューには、前記ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残した
リフォームメニューとして、壁の下地補強に関するリフォームメニューが含まれる
請求項4に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項6】
前記第一リフォームメニューには、前記ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニューとして、前記第一空間の壁及び天井の少なくとも一方に塗装下地用のクロスを貼るリフォームメニューが含まれる
請求項4に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項7】
前記第一リフォームメニューには、前記ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニューとして、前記第一空間の壁に壁紙を貼り付けないリフォームメニューが含まれる
請求項4に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項8】
前記変更の余地を残した住宅リフォームを提案するためのリフォームメニューは、後から仕様を決めることが可能なリフォームメニューである
請求項1に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項9】
前記第一リフォームメニューには、前記後から仕様を決めることが可能なリフォームメニューとして、前記第一空間の天井に照明装置を取り付けるための付属部品に関するリフォームメニューが含まれる
請求項8に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項10】
前記付属部品は、ダクトレールである
請求項9に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項11】
前記第一リフォームメニューには、前記後から仕様を決めることが可能なリフォームメニューとして、フロアコンセントを設置するリフォームメニューが含まれる
請求項8に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項12】
前記表示部は、さらに、前記受付部によって受け付けられた前記ユーザの選択の結果に応じた見積もり金額を表示する
請求項1~11のいずれか1項に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項13】
前記表示部は、前記見積もり金額を固定表示する
請求項12に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項14】
前記選択画面においては、
前記対象空間の大きさに関する選択肢と、
前記第一空間に設ける部屋の種類及び数に関する選択肢とが提示され、
前記第一リフォームメニューには、
前記第一空間の内装に関するリフォームメニューと、
拡充アイテムに関するリフォームメニューと、
拡充サービスに関するリフォームメニューとが含まれる
請求項1~13のいずれか1項に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項15】
前記拡充サービスに関するリフォームメニューには、照明プランニングサービスを受けるリフォームメニュー、照明セッティングサービスを受けるリフォームメニュー、家具コーディネートサービスを受けるリフォームメニュー、植物のコーディネートサービスを受
けるメニュー、及び、DIYサポートサービスを受けるリフォームメニューの少なくとも一つが含まれる
請求項14に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項16】
前記受付部は、複数種類の間取り図のうちの1つの選択を受け付け、
前記選択画面においては、選択された間取り図が表示され、
前記複数種類の間取り図は、前記第一リフォームメニューの対象区域と前記第二リフォームメニューの対象区域との組み合わせパターンによって構成される
請求項1~15のいずれか1項に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項17】
前記受付部は、前記対象空間の広さの選択を受け付け、
前記選択画面において表示される間取り図の選択肢は、選択された前記対象空間の広さに応じて異なる
請求項16に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項18】
前記受付部は、前記対象空間の外形の選択を受け付け、
前記選択画面において表示される間取り図の選択肢は、選択された前記対象空間の外形に応じて異なる
請求項16に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項19】
前記第二空間は、既存の配管などを利用することを前提とする
請求項1~18のいずれか1項に記載の住宅リフォーム・リノベーション提案システム。
【請求項20】
ユーザが住宅リフォーム要望時にリフォーム仕様を選択するための選択画面を表示し、
前記選択画面の表示中に前記ユーザのリフォーム仕様の選択を受け付け、
前記選択画面においては、住宅リフォームの対象空間のうちユーザが前記ユーザの好みに応じて少なくとも部屋の配置および内装に関する仕様を自由に選択可能な第一空間に関する第一リフォームメニュー、及び、前記対象空間のうち水廻り設備が配置された第二空間に関する第二リフォームメニューが提示され、
前記第一リフォームメニューには、変更の余地を残した住宅リフォームを提案するためのリフォームメニューが含まれ
、
前記第一リフォームメニューの選択の幅は、前記第二リフォームメニューの選択の幅よりも広い
住宅リフォーム・リノベーション提案方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅リフォーム・リノベーション提案システム、及び、住宅リフォーム・リノベーション提案方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中古マンションなどを購入したユーザが大規模なリフォーム・リノベーションを希望することがある。このようなユーザに対して、リフォーム・リノベーションの間取りの検討、リフォーム・リノベーション仕様の概略の決定、および、見積金額の概算をウェブサイトを介して行うことができるサービスが提供されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-160053号公報
【文献】特開2016-139240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今後の中古マンション購入と同時におこなうリフォーム・リノベーションの主要顧客となる、ロスト・ジェネレーション世代と呼ばれている世代は、それ以前の世代とは住まいに対する価値観が大きく異なる。ロスト・ジェネレーション世代は、バブル景気崩壊後に思春期を過ごし長期間のデフレを経験したことなどによりコストパフォーマンスにシビアで独自の価値感を持つことが特徴と言われている。又、住まいに関する関与度も高く自分でDIYすることや好みの変化に応じて手を加え続けることを楽しむ傾向もある。このような傾向から、従来通りのリフォーム提案は、ロスト・ジェネレーション世代の心に響かない可能性があるため、あらたな特徴を持つリフォーム・リノベーション提案が必要である。
【0005】
ロスト・ジェネレーション世代は、独自のコスパフォーマンス感覚を持つため、リフォームにおいてもこだわる所とこだわらない所とがはっきりしている傾向がある。また、ロスト・ジェネレーション世代は、単なる豪華さよりも自分らしいライフスタイルの表現を重視する傾向がある。また、ロスト・ジェネレーション世代は、最初に全てを決めて完成されたものを提供されるよりも、手を加え続けられるもの(未完成のもの)に対してライフステージやライフスタイルの変化など必要に応じて手を加え続けて完成に近づけていくことを好む傾向もある。
【0006】
本発明は、ロスト・ジェネレーション世代のような新たな価値観による新たなユーザに適したリフォームの提案を行うことができる住宅リフォーム・リノベーション提案システム、及び、住宅リフォーム・リノベーション提案方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る住宅リフォーム・リノベーション提案システムは、ユーザが住宅リフォーム要望時にリフォーム仕様を選択するための選択画面を表示する表示部と、前記選択画面の表示中に前記ユーザのリフォーム仕様の選択を受け付ける受付部とを備え、前記選択画面においては、住宅リフォームの対象空間のうちユーザが前記ユーザの好みに応じて少なくとも部屋の配置および内装に関する仕様を自由に選択可能な第一空間に関する第一リフォームメニュー、及び、前記対象空間のうち水廻り設備が配置された第二空間に関する第二リフォームメニューが提示され、前記第一リフォームメニューには、変更の余地を残したリフォームメニューが含まれる。
【0008】
本発明の一態様に係る住宅リフォーム・リノベーション提案方法は、ユーザが住宅リフォーム要望時にリフォーム仕様を選択するための選択画面を表示し、前記選択画面の表示中に前記ユーザのリフォーム仕様の選択を受け付け、前記選択画面においては、住宅リフォームの対象空間のうちユーザが前記ユーザの好みに応じて少なくとも部屋の配置および内装に関する仕様を自由に選択可能な第一空間に関する第一リフォームメニュー、及び、前記対象空間のうち水廻り設備が配置された第二空間に関する第二リフォームメニューが提示され、前記第一リフォームメニューには、変更の余地を残したリフォームメニューが含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る住宅リフォーム・リノベーション提案システム、及び、住宅リフォーム・リノベーション提案方法は、新たなユーザに適したリフォームの提案を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る住宅リフォーム・リノベーション提案システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る住宅リフォーム・リノベーション提案システムにおいて用いられるリフォームの対象空間の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る住宅リフォーム・リノベーション提案システムの動作のフローチャートである。
【
図5】
図5は、リフォームメニューの選択フローである。
【
図6】
図6は、水廻り設備の配置の選択画面の一例である。
【
図7】
図7は、市場の実態に応じてパターン化された間取り図の選択肢を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[住宅リフォーム・リノベーション提案システムの概要]
まず、実施の形態に係る住宅リフォーム・リノベーション提案システムの全体構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る住宅リフォーム・リノベーション提案システムの機能構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されるように、実施の形態に係る住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、サーバ装置20と、情報端末30とを備える。
【0015】
住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、ユーザが簡易的にリフォームの仕様の概略の決定、および、見積金額の概算を行うことができるシステムである。ユーザは、情報端末30を使用してサーバ装置20が提供するウェブサイトにアクセスし、当該ウェブサイトにおいて複数の選択項目のそれぞれにおいて選択肢を選ぶ。これにより、ユーザは、住宅リフォーム会社の訪問などを行うことなく、リフォームの仕様の概略の決定、および、見積金額の概算を行うことができる。
【0016】
ところで、上述のように、今後リフォームの主要顧客となる、ロスト・ジェネレーション世代などの新たな世代に対するリフォームの提案内容については検討の余地がある。新たな世代のユーザに対しては、ユーザが後から自分の好みに応じて手を加えられる余白を設けた自由度の高い提案を行うことが有用であると考えられる。そこで、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10においては、このような新たな世代向けに、変更の余地を残したリフォームメニューが準備されている。変更の余地を残したリフォームメニューとは、ユーザがリフォーム後に手を加えられること、さらには、手を加え続けられることが可能なリフォームメニューである。なお、リフォームメニューは、言い換えれば、提案内容または選択肢である。リフォームメニューは、リフォームの対象空間に設置される物品である場合もあるし、対象空間への施工内容である場合もあるし、ユーザに提供されるサービスである場合もある。
【0017】
また、キッチン、バス、洗面、トイレといった水廻り空間の総称をFix空間と定義し、制約条件が少ない自由度の高い居室空間の総称をFlex空間と定義した場合に、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10においては、リフォームの対象空間(仮想的なモデル空間)をFix空間及びFlex空間に区別してリフォームメニューの提示が行われる。このように、配管など制約条件の多いFix空間及び自由度の高い居室空間であるFlex空間に区別してリフォームメニューの提示が行われれば、顧客自身が検討可能な範囲が明確化されるため、顧客がリフォームメニューを制約条件の違いなどにより迷うことなく安心して決めることができる。
図2は、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10において用いられるリフォームの対象空間の一例を示す図である。
【0018】
図2に示されるFix空間42は、第二空間の一例である。Fix空間42は、対象空間において、水廻り設備が配置された空間である。ここで、水廻り設備とは、風呂、洗面台、トイレ、及び、キッチンなどを意味する。住宅リフォーム・リノベーション提案システム10においては、Fix空間42に関しては選択肢が絞り込まれている。以下、Fix空間42に関連して提示されるリフォームメニューは、第二リフォームメニューと記載される。
【0019】
一方、Flex空間41は、第一空間の一例であり、対象空間のうちユーザが当該ユーザの好みに応じて少なくとも間取りおよび内装を自由に選択可能な空間である。Flex空間41は、1つの部屋、及び、当該1つの部屋以外の大部屋を含む。1つの部屋は、例えば、寝室として用いられる。以下、Flex空間41に関連して提示されるリフォームメニューは、第一リフォームメニューと記載される。
【0020】
Flex空間41に関しては、多様な第一リフォームメニューが準備されている。つまり、Flex空間41に関連して提示される第一リフォームメニューの選択の幅(例えば、リフォームメニューの総数)は、Fix空間42に関連して提示される第二リフォームメニューの選択の幅よりも広い。
【0021】
また、第一リフォームメニューには、変更の余地を残したリフォームメニューが含まれる。変更の余地を残したリフォームメニューは、より具体的には、ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニュー、または、後から仕様を決定可能なリフォームメニューである。したがって、従来のようにリフォーム時において完成状態までリフォームしてしまうのではなく、ユーザ自身が居住後に手を加える余地、すなわち完成状態までの差分を残したリフォームメニュー、または、後から仕様を決定可能なリフォームメニューを新たに提供する。
【0022】
実施の形態では、対象空間は、例えば、集合住宅の一室を想定した仮想的なモデル空間であるが、戸建住宅を想定した仮想的なモデル空間であってもよい。つまり、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、戸建住宅に適用されてもよい。
【0023】
以下、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10が備える各装置の詳細な構成について、引き続き
図1を参照しながら説明する。
【0024】
[サーバ装置]
まず、サーバ装置20について説明する。サーバ装置20は、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10において用いられる情報を管理する装置である。サーバ装置20は、具体的には、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを備える。
【0025】
通信部21は、情報端末30によって送信された表示画面情報の要求を受信し、かつ、要求に応じた表示画面情報を送信する。表示画面情報は、情報端末30の表示部34に表示画面を表示するための情報である。表示画面には、選択画面などが含まれる。通信部21は、具体的には、通信回路(通信モジュール)である。
【0026】
制御部22は、通信部21によって送信された要求に応じた表示画面情報を記憶部23から読み出し、読み出した表示画面情報を通信部21に送信させる。また、制御部22は、記憶部23に記憶された価格情報に基づいて、住宅リフォームの見積もり金額を算出する。算出された見積もり金額は、選択画面に固定表示される。制御部22は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路などによって実現される。制御部22は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、および専用回路のうち2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。
【0027】
記憶部23は、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10において用いられる情報が記憶される記憶装置である。記憶部23には、例えば、表示画面情報が記憶される。また、記憶部23には、選択画面を通じた選択結果に応じて見積もり金額を算出するための価格情報が記憶される。制御部22は、価格情報を用いて、情報端末30を通じて選択された選択肢に対応する価格を特定することにより、見積もり金額を算出することができる。記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)、または、半導体メモリなどによって実現される。
【0028】
[情報端末]
次に、情報端末30について説明する。情報端末30は、選択画面等が表示される端末である。情報端末30は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。また、情報端末30は、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10の専用端末であってもよい。情報端末30は、具体的には、受付部31と、制御部32と、通信部33と、表示部34と、記憶部35とを備える。
【0029】
受付部31は、ユーザの操作を受け付ける。受付部31は、例えば、タッチパネル、及び、ハードウェアボタンなどによって実現される。
【0030】
制御部32は、受付部31によって受け付けられた操作に基づいて、当該操作に応じた表示画面情報の要求を通信部33に送信させる。また、通信部33によって表示画面情報が受信されると、受信された表示画面情報に基づく画面を表示部34に表示させる。制御部32は、例えば、ウェブブラウザを実行することによってこのような動作を行うが、専用のアプリケーションプログラムを実行することによってこのような動作を行ってもよい。制御部32は、プロセッサまたはマイクロコンピュータなどによって実現される。
【0031】
通信部33は、制御部32の制御に基づいて、表示画面情報の要求をサーバ装置20に送信する。また、通信部33は、表示画面情報をサーバ装置20から受信する。通信部33は、具体的には、情報端末30がサーバ装置20と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。
【0032】
なお、情報端末30及びサーバ装置20の間で行われる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0033】
表示部34は、制御部32の制御に基づいて表示画面を表示する。表示部34は、具体的には、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどを表示デバイスとして含むディスプレイである。なお、以下の実施の形態では、表示部34が表示する表示画面及び画像は、サーバ装置20から提供される表示画面情報に基づくものである。
【0034】
記憶部35は、制御部32によって実行されるウェブブラウザの実行プログラム等が記憶される記憶装置である。記憶部35は、具体的には、半導体メモリなどにより実現される。記憶部35には、通信部33によって受信された表示画面情報が記憶されてもよい。
【0035】
[動作]
次に、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10の動作について説明する。
図3は、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10の動作のフローチャートである。
【0036】
まず、表示部34は、選択画面を表示する(S11)。
図4は、選択画面の一例を示す図である。選択画面は、住宅リフォームの仕様に関するリフォームメニューを選択するための画面である。選択画面においては、選択ボタン34a、確定ボタン34b、住宅リフォームの対象空間の大きさ34c、リフォーム対象の空間のアイコン34d、及び、見積もり金額34eが固定表示される。
【0037】
このような選択画面を表示するために、制御部32は、例えば、受付部31によって受け付けられた開始操作に基づいて、選択画面の表示画面情報の要求を通信部33に送信させる。この結果、サーバ装置20の通信部21から選択画面の表示画面情報が送信される。情報端末30の通信部33によって選択画面の表示画面情報が受信されると、制御部32は、受信された表示画面情報に基づいて選択画面を表示部34に表示させる。
【0038】
受付部31は、このような選択画面の表示中にユーザのリフォームメニューの選択を受け付ける(S12)。受付部31は、具体的には、ユーザのタップ操作などを受け付ける。見積もり金額34eは、ユーザが選択を行うごとに、選択結果に応じて更新される。つまり、表示部34は、さらに、受付部31によって受け付けられたユーザの仕様の選択に応じた見積もり金額34eを表示する。なお、見積もり金額34eの更新処理は、例えば、サーバ装置20の制御部22によって主体的に行われるが、情報端末30の制御部32によって主体的に行われてもよい。
【0039】
ユーザは、必要なリフォームメニューを選択した後、確定ボタン34bをタップ操作する。受付部31によって確定ボタン34bへのタップ操作が受け付けられると、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10によって提案される住宅リフォームの仕様が確定される。
【0040】
[対象空間の大きさの選択]
次に、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10における具体的なリフォームメニューについて、リフォームメニューの選択フローを参照しながら説明する。
図5は、リフォームメニューの選択フローである。なお、
図5のフローは、リフォームメニューの説明のために例示されるものであり、リフォームメニューの選択順序はこのような順序に限定されない。また、
図5のフローチャートにおける一部のステップは、省略されてもよい。
【0041】
まず、ユーザは、部屋(つまり、住宅リフォームの対象空間)の大きさ(例えば、広さ及び外形)を選択し(S21)、受付部31は、これを受け付ける。例えば、表示部34は、部屋の大きさの選択肢をリスト表示し、ユーザは、タップ操作により選択肢のいずれかを選択する。ユーザが部屋の大きさを選択すると、選択結果に応じて部屋の大きさ34cが表示される。また、選択された部屋の大きさ×単価が見積もり金額34eに加算される。住宅リフォーム・リノベーション提案システム10では、m2単価別の定額制が採用されている。
【0042】
なお、ユーザが選択した部屋の大きさは、アイコン34dに反映されてもよい。つまり、ユーザが選択した部屋の大きさに応じてアイコン34dにおける部屋の大きさ(延床面積)が変更されてもよい。
【0043】
[水廻り設備の配置の選択]
次に、ユーザは、Fix空間42における水廻り設備の配置を選択する(S22)。
図6は、水廻り設備の配置の選択画面の一例である。
図6の選択画面を通じて、ユーザは、現実の住宅リフォーム対象空間と水廻り設備の配置が類似した図を選択する。この時点で、標準仕様における価格が表示される(S23)。
【0044】
なお、
図6の選択画面に選択肢として表示される間取り図は、市場の実態に応じてパターン化されたものである。
図7は、市場の実態に応じてパターン化された間取り図の選択肢を示す図である。
【0045】
図7においては、ハッチングされた領域が水廻り設備の配置を意味する。
図7に示されるように、間取り図の選択肢は市場の実態応じてパターン化されており、部屋の外形(例えば、長方形縦、正方形、及び、長方形横)、並びに、広さ(例えば、50m
2台、60m
2台、70m
2台、80m
2台)ごとに異なる選択肢が準備されている。
図7の例では、16パターンの選択肢が準備されている。
【0046】
このように、選択肢として準備される複数種類の間取り図は、第一リフォームメニューの対象区域と第二リフォームメニューの対象区域との組み合わせパターンによって構成される。このような選択肢が提示されれば、ユーザは、市場の実態に応じてパターン化された間取り図の中から自分が購入予定の実際の物件の間取り図に近いものを選択することができる。
【0047】
[部屋の追加の要否]
次に、ユーザは、Flex空間41において部屋の追加の要否を選択する(S24)。ユーザがFlex空間41に部屋を追加することを選択した場合(S24でYes)、ユーザは、部屋の設置場所を選択する(S25)。ユーザは、例えば、部屋の形状のアイコンをリフォーム対象の空間のアイコン24dに向けてドラッグアンドドロップ操作することにより、部屋の配置を検討することができる。ユーザがFlex空間41に部屋を追加することを選択しなかった場合(S24でNo)、部屋の設置場所の選択は行われない。
【0048】
なお、ステップS25までの段階では、床、壁、天井の素材及び仕上げはデフォルトで仮設定されている。変更点が無ければ、このままで見積書が作成できる。
【0049】
[こだわりに応じた選択1:内装]
次に、ユーザは、こだわりに応じた選択1を行う(S26)。こだわりに応じた選択1では、Flex空間41(つまり、居室部)の仕様変更が可能である。こだわりに応じた選択1で提示される第一リフォームメニューは、標準金額と同一の価格内で選択できるメニューと追加金額が必要なメニューで構成される。
【0050】
例えば、こだわりに応じた選択1では、内装に関する第一リフォームメニューを含む選択画面が表示され、ユーザは、床、壁、天井の素材及び仕上げを変更することができる。また、ユーザは、建具の仕上げを変更することもできる。
【0051】
例えば、床の素材に関する第一リフォームメニューには、複合フローリング、無垢フローリング、及び、床暖房などが含まれる。壁の素材、及び、天井の素材に関する第一リフォームメニューとしては、ビニルクロス、塗装下地用のクロス、塗装、及び、左官仕上げなどが含まれる。
【0052】
このように、部屋の内装に関する第一リフォームメニューには、Flex空間41の壁または天井に塗装下地用のクロスを貼るリフォームメニューが含まれている。塗装下地用のクロスは、ユーザが塗装を行うことができるクロスである。つまり、ユーザは、塗装下地用のクロスを選択することにより、入居後に壁または天井を自身で塗装することができる。このような塗装下地用のクロスは、ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニューの一例である。塗装下地用のクロスのようなリフォームメニューによれば、ユーザが後から自分の好みに応じて手を加えられる余白が実現される。
【0053】
なお、部屋の内装に関する第一リフォームメニューには、Flex空間41の壁に壁紙を貼り付けない(つまり、板張りの状態のままとする)リフォームメニューが含まれてもよい。このようなリフォームメニューは、ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニューの一例であり、ユーザは、例えば、入居後に自身で壁紙を貼り付ける。このようなリフォームメニューによってもユーザが後から自分の好みに応じて変更できる余白が実現される。
【0054】
なお、部屋の内装に関する第一リフォームメニューには、内装を施さない、いわゆるスケルトンが含まれてもよい。このようなリフォームメニューによってもユーザが後から自分の好みに応じて手を加えられる余白が実現される。
【0055】
また、壁の素材に関する第一リフォームメニューとして、壁の下地補強材が準備されている。具体的には、釘打ちなどに対応できるような合板などによる釘打ち対応下地(より具体的には、コンパネなど)などが準備されている。壁の下地補強材によれば、ユーザは、居住後に自身で壁に棚などの構造物を取り付けることができる。つまり、壁の下地補強に関するリフォームメニューは、ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニューの一例である。
【0056】
[こだわりに応じた選択1:配線ダクト]
さらに、こだわりに応じた選択1では、配線ダクトに関する第一リフォームメニューを含む選択画面が表示され、ユーザは、配線ダクトの数を標準の数から追加することができる。配線ダクトは、言い換えれば、ライティングダクト(ライティングレール、ダクトレール)であり、照明装置を取り付けるための付属部品の一例である。
【0057】
ユーザは、具体的には、配線ダクトの設置本数を選択することができる。この場合、選択された配線ダクトの数×単価が見積もり金額34eに加算される。配線ダクトによれば、ユーザは、後から照明器具の仕様を決定することができる。配線ダクトに関するリフォームメニューは、後から仕様を決定可能なリフォームメニューの一例である。
【0058】
[こだわりに応じた選択2]
次に、ユーザは、こだわりに応じた選択2を行う(S27)。こだわりに応じた選択2では、ユーザは、Flex空間41への部屋の追加を行うことができる。ユーザは、例えば、居室の追加、収納スペースの追加、シューズインクロークの追加、ウォークインクローゼットの追加、及び、クローゼットの追加を行うことができる。また、こだわりに応じた選択2では、ユーザは、空間要素の追加を行うことができる。ユーザは、例えば、土間の追加、間仕切りの追加、及び、小上がりの追加を行うことができる。
【0059】
こだわりに応じた選択2では、ユーザが追加した部屋及び空間要素に対応するリフォームの価格が見積もり金額34eに加算される。なお、ユーザの選択結果に応じてアイコン34dにおける対象空間に空間要素が追加されてもよい。
【0060】
[こだわりに応じた選択3]
次に、ユーザは、こだわりに応じた選択3を行う(S28)。こだわりに応じた選択3では、配線器具に関する第一リフォームメニューが提示され、ユーザは配線器具の変更を行うことができる。
【0061】
例えば、配線器具に関する第一リフォームメニューには、標準タイプ、金属プレートタイプ、及び、クラシックタイプなどが含まれる。
【0062】
なお、配線器具に関する第一リフォームメニューには、フロアコンセントを設置するリフォームメニューが含まれてもよい。
【0063】
フロアコンセントは、壁ではなく床に設置される配線器具である。フロアコンセントが採用されれば、入居後にFlex空間41の間取りを変更するような場合に、フロアコンセントをそのまま使用することでコンセントの新設または移設を省略することができる。言い換えれば、部屋を後から追加するために壁を増設しても電気工事をすることなく部屋の中にコンセントが設置されていることになる。フロアコンセントを設置するリフォームメニューは、後から仕様を決定可能なリフォームメニューの一例である。
【0064】
[拡充アイテムの選択]
次に、ユーザは、拡充アイテムを選択する(S29)。拡充アイテムの選択においては、拡充アイテムに関する第一リフォームメニューを含む選択画面が表示され、ユーザは、拡充アイテムを追加することができる。具体的には、天井に取り付ける拡充アイテム、壁に取り付ける拡充アイテム、及び、床に取り付ける拡充アイテムなどが準備されている。ユーザが拡充アイテムを選択すると、選択された拡充アイテムに対応する価格が見積もり金額34eに加算される。
【0065】
例えば、天井に取り付ける拡充アイテムには、配線ダクト用の照明装置、配線ダクト用の吊り下げコンセント、配線ダクト用のフック、及び、配線ダクト用のプロジェクタ機能付き照明装置などが含まれる。壁に取り付ける拡充アイテムには、有孔ボード、及び、棚+L字アングルなどが含まれる。床に取り付ける拡充アイテムには、置き畳などが含まれる。
【0066】
[拡充サービスの選択]
次に、ユーザは、拡充サービスを選択する(S30)。拡充サービスの選択においては、拡充サービスに関する第一リフォームメニューを含む選択画面が表示され、ユーザは、拡充サービスを追加することができる。ユーザが拡充サービスを選択すると、選択された拡充サービスに対応する価格が見積もり金額34eに加算される。
【0067】
拡充サービスに関するリフォームメニューには、照明プランニングサービスを受けるリフォームメニュー、照明セッティングサービスを受けるリフォームメニュー、家具コーディネートサービスを受けるリフォームメニュー、植物のコーディネートサービスを受けるサービスメニュー、及び、DIY(Do It Yourself)サポートを実施するサービスを受けるメニューが含まれる。また、拡充サービスに関するメニューには、壁の仕上げサービスを依頼するリフォームメニュー、及び、床の仕上げサービスを受けるリフォームメニューも含まれる。
【0068】
[Fix空間に関する選択]
図5のフローとは別に、ユーザは、Fix空間42に関する選択を行う。Fix空間に関する選択では、Fix空間42に関する第二リフォームメニューを含む選択画面が表示され、ユーザは、Fix空間42(つまり、水廻り部)の仕様を変更することができる。
【0069】
ユーザは、例えば、標準設定された水廻り設備の色を変更することができる。なお、水廻り設備の価格は、例えば、基本料金に含まれ、水廻り設備の色の選択によって見積もり金額34eは変更されない。しかしながら、選択した色について追加料金が発生するような場合には、水廻り設備の色の選択によって見積もり金額34eに追加料金が加算されてもよい。
【0070】
また、Fix空間42に関する選択では、ユーザは、水廻り設備の配置変更、及び、水廻り設備のサイズ変更を行うことができる。水回り設備の選択については既存の配管をそのまま利用する場合は基本料金に含まれるが、配管の配置変更を伴う場合など水回り設備の配置変更、及び、水回り設備のサイズ変更には、追加料金が必要となる。
【0071】
[効果等]
以上説明したように、住宅リフォーム・リノベーション提案システム100は、ユーザが住宅リフォーム要望時にリフォーム仕様を選択するための選択画面を表示する表示部34と、選択画面の表示中にユーザのリフォーム仕様の選択を受け付ける受付部31とを備える。選択画面においては、住宅リフォームの対象空間のうちユーザがユーザの好みに応じて少なくとも部屋の配置および内装を自由に選択可能なFlex空間41に関する第一リフォームメニュー、及び、対象空間のうち水廻り設備が標準設定されたFix空間42に関する第二リフォームメニューが提示される。第一リフォームメニューには、変更の余地を残したリフォームメニューが含まれる。Flex空間41は、第一空間の一例であり、Fix空間42は、第二空間の一例である。
【0072】
このような住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、新たな世代のユーザが後から自分の好みに応じて手を加えられる余白(工夫された仕掛け)を設けた自由度の高い提案を行うことができる。つまり、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、新たな世代に適したリフォームの提案を行うことができる。また、配管など制約条件の多いFix空間42は選択肢を少なくすることで施工品質を担保し、様々なライフスタイルやライフステージの変化に応じた変更を求められる居室空間であるFlex空間41は選択肢を多くするというように、前提条件の違いに応じてリフォームメニューの提示が行われれば、検討可能な範囲が明確化されるため、顧客がリフォームメニューを迷うことなく安心して決めることができる。
【0073】
また、変更の余地を残したリフォームメニューは、リフォーム時に全てを決定してしまわない選択を可能にしたリフォームメニュー、または、リフォームよりも後に変更できるという選択を可能にしたリフォームメニューである。つまり、変更の余地を残したリフォームメニューは、暮らしながら作るための工夫が盛り込まれているリフォームメニューである。
【0074】
また、変更の余地を残したリフォームメニューは、リフォーム時点では予測できないライフステージの変化、ライフスタイルの変化、及び、好みの変化に対してユーザ自身が居住後にこれらの変化に応じて手を加えられる余地を残したリフォームメニューである。つまり、変更の余地を残したリフォームメニューは、暮らしながら作るための工夫が盛り込まれているリフォームメニューである。
【0075】
また、例えば、変更の余地を残したリフォームメニューは、ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニューである。
【0076】
このような住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、ユーザがDIYできる余白を設けた提案を行うことができる。
【0077】
また、例えば、第一リフォームメニューには、ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニューとして、壁の下地補強に関するリフォームメニューが含まれる。
【0078】
これにより、ユーザがDIYで棚などを壁に取り付けることができる。
【0079】
また、例えば、第一リフォームメニューには、ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニューとして、Flex空間41の壁及び天井の少なくとも一方に塗装下地用のクロスを貼るリフォームメニューが含まれる。
【0080】
このような住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、ユーザがDIYで壁及び天井の少なくとも一方を塗装可能な提案を行うことができる。
【0081】
また、例えば、第一リフォームメニューには、ユーザ自身が居住後に手を加える余地を残したリフォームメニューとして、Flex空間41の壁に壁紙を貼り付けないリフォームメニューが含まれる。
【0082】
このような住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、ユーザがDIYで壁及び天井の少なくとも一方に壁紙を貼ることが可能な提案を行うことができる。
【0083】
また、例えば、変更の余地を残したリフォームメニューは、後から仕様を決めることが可能なリフォームメニューである。
【0084】
このような住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、ユーザまたは施工業者が後から仕様を決定することができる余白を設けた提案を行うことができる。
【0085】
また、例えば、第一リフォームメニューには、後から仕様を決めることが可能なリフォームメニューとして、Flex空間41の天井に照明装置を取り付けるための付属部品に関するリフォームメニューが含まれる。
【0086】
このような住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、後から照明の仕様を決定することができる余白を設けた提案を行うことができる。
【0087】
また、例えば、付属部品は、ダクトレールである。
【0088】
このような住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、後から照明の仕様を決定することができる余白を設けた提案を行うことができる。
【0089】
また、例えば、第一リフォームメニューには、後から仕様を決めることが可能なリフォームメニューとして、フロアコンセントを設置するリフォームメニューが含まれる。
【0090】
このことにより、後から部屋を追加する際に壁を立ててもコンセントを壁に追加する工事を行うことなくコンセントが部屋の中にある状態を実現できる。
【0091】
また、例えば、表示部34は、さらに、受付部31によって受け付けられたユーザの選択の結果に応じた見積もり金額を表示する。
【0092】
これにより、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、選択結果に応じた見積もり金額34eをユーザに提示することができる。ユーザは、リフォームにかかる費用を意識しながら仕様を選択することができる。
【0093】
また、例えば、表示部34は、見積もり金額を固定表示する。
【0094】
これにより、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、選択画面の一部がスクロール表示されるような場合も、選択結果に応じた見積もり金額34eを常にユーザに提示することができる。ユーザは、リフォームにかかる費用を意識しながら仕様を選択することが容易となる。
【0095】
また、例えば、選択画面においては、対象空間の大きさに関する選択肢と、Flex空間41に設ける部屋の種類及び数に関する選択肢とが提示される。第一リフォームメニューには、Flex空間41の内装に関するリフォームメニューと、拡充アイテムに関するリフォームメニューと、拡充サービスに関するリフォームメニューとが含まれる。
【0096】
これにより、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、対象空間の大きさ、Flex空間41に設ける部屋の種類及び数、Flex空間41の内装、拡充アイテム、及び、拡充サービスをユーザに提案することができる。ユーザは、対象空間の大きさ、Flex空間41に設ける部屋の種類及び数、Flex空間41の内装、拡充アイテム、及び、拡充サービスを選択することができる。
【0097】
また、例えば、拡充サービスに関するリフォームメニューには、照明プランニングサービスを受けるリフォームメニュー、照明セッティングサービスを受けるリフォームメニュー、家具コーディネートサービスを受けるリフォームメニュー、植物のコーディネートサービスを受けるメニュー、及び、DIYサポートサービスを受けるリフォームメニューの少なくとも一つが含まれる。なお、拡充サービスに関するリフォームメニューの選択は必須ではなく、拡充サービスに関するリフォームメニューの選択は行われてもよいし行われなくてもよい。
【0098】
これにより、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、照明プランニングサービス、照明セッティングサービス選択肢、家具コーディネートサービス、植物のコーディネートサービス、及び、DIYサポートサービスの少なくとも一つをユーザに提案することができる。ユーザは、照明プランニングサービス、照明セッティングサービス選択肢、家具コーディネートサービス、植物のコーディネートサービス、及び、DIYサポートサービスの少なくとも一つを受けるか否かを選択することができる。
【0099】
また、例えば、受付部31は、複数種類の間取り図のうちの1つの選択を受け付け、選択画面においては、選択された間取り図が表示され、複数種類の間取り図は、第一リフォームメニューの対象区域と第二リフォームメニューの対象区域との組み合わせパターンによって構成される。
【0100】
これにより、ユーザは、市場の実態に応じてパターン化された間取り図の中から自分が購入予定の実際の物件の間取り図に近いものを選択することができる。
【0101】
また、例えば、受付部31は、対象空間の広さの選択を受け付け、選択画面において表示される間取り図の選択肢は、選択された前記対象空間の広さに応じて異なる。
【0102】
これにより、選択された広さに単価を乗算することで見積もり金額の自動計算を行うことができる。また、住宅リフォーム・リノベーション提案システム10は、市場の実態に応じて広さごとにパターン化された間取り図の選択肢をユーザに提示することができる。
【0103】
また、例えば、Fix空間42は、既存の配管などを利用することを前提とする。
【0104】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る住宅リフォーム・リノベーション提案システムについて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0105】
また、上記実施の形態で説明された選択画面は、一例である。選択画面は、スクロールされることにより選択項目が変更されてもよいし、選択項目ごとに準備された複数の画面を含み、複数の画面が画面遷移してもよい。
【0106】
また、上記実施の形態で説明したサーバ装置と情報端末との間の通信方法については特に限定されるものではない。サーバ装置と情報端末との間では、例えば、第4世代移動通信システムまたは第3世代移動通信システムを利用した無線通信が行われるが、光回線を利用した有線通信と、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信とが組み合わされてもよい。無線通信の方式(通信規格)、及び、有線通信の方式(通信規格)は特に限定されない。
【0107】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0108】
また、上記実施の形態では、住宅リフォーム・リノベーション提案システムは、クライアントサーバシステムとして実現されているが、住宅リフォーム・リノベーション提案システムは、単一の装置として実現されてもよい。また、住宅リフォーム・リノベーション提案システムが備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。また、住宅リフォーム・リノベーション提案システムは、3つ以上の装置を備えてもよい。例えば、住宅リフォーム・リノベーション提案システムは、2つ以上のサーバ装置を備えてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0110】
また、制御部などの構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御部などの構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0111】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、コンピュータ等によって実行される住宅リフォーム・リノベーション提案方法として実現されてもよいし、住宅リフォーム・リノベーション提案方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、例えば、住宅リフォーム・リノベーション提案システムがウェブブラウザの実行ではなく専用のアプリケーションプログラムの実行により実現される場合、本発明は、当該専用のアプリケーションプログラムとして実現されてもよい。
【0112】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
10 住宅リフォーム・リノベーション提案システム
20 サーバ装置
31 受付部
34 表示部
34e 見積もり金額
41 Flex空間(第一空間)
42 Fix空間(第二空間)