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▶ 内村 幸治の特許一覧

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  • 特許-鏡筒用カメラアダプタ 図1
  • 特許-鏡筒用カメラアダプタ 図2
  • 特許-鏡筒用カメラアダプタ 図3
  • 特許-鏡筒用カメラアダプタ 図4
  • 特許-鏡筒用カメラアダプタ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】鏡筒用カメラアダプタ
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/12 20210101AFI20230127BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20230127BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20230127BHJP
【FI】
G03B17/12 Z
H04N5/222 100
G03B17/56 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020088813
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021184013
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-02-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】720004120
【氏名又は名称】内村 幸治
(72)【発明者】
【氏名】内村 幸治
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3171985(JP,U)
【文献】特開2015-200700(JP,A)
【文献】登録実用新案第3185369(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/12
H04N 5/222
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡,フィールドスコープ,望遠鏡などを用いて観察される対象物の観察像を得るべく,カメラ等の撮影装置を顕微鏡,フィールドスコープ,望遠鏡などの光学機器へ取り付けるためのカメラアダプタにおいて,顕微鏡,フィールドスコープ,望遠鏡などの鏡筒を挟み込むために回転の軸を共用する一対の挟持部とその狭持部で鏡筒を挟み込むための力を発生させるバネとで構成されたピンチ部と,そのピンチ部の内部において,上記回転の軸の中央部にカメラ等の撮影装置の撮影部を配置する撮影ポイントと,上記撮影ポイントに配置されるカメラ等の撮影装置の撮影部の位置を微調整するための位置調整ダイヤルとで構成されていて,顕微鏡,フィール ドスコープ,望遠鏡などの光学装置の接眼レンズの光軸の方向から前述のカメラアダプタを顕微鏡,フィールドスコープ,望遠鏡などの光学装置に取り付けることで,接眼レンズや鏡筒の大きさに関係なく,鏡筒に接眼レンズをつけたまま,かつ接眼レンズや鏡筒の大きさに応じたアダプタや部品などを使用することなく,鏡筒の適切な撮影位置にカ メラ等の撮影装置の適切な撮影位置を確実に固定できるカメラアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顕微鏡,フィールドスコープ,望遠鏡など(以下,光学系測定装置と称する。)の鏡筒用カメラアダプタに関するものであり,それら光学系測定装置に取り付ける撮影装置に利用する。
【背景技術】
【0002】
光学系観察装置の鏡筒用カメラアダプタ(以下,鏡筒用カメラアダプタと称する。)は観察された像をカメラやビデオカメラで撮影する目的でカメラやビデオカメラを光学系観察装置に固定設置するものであり,撮影された観察像はパーソナルコンピューターやモバイル端末,タブレット端末,モニター,スクリーンなどに映したり,各種記憶媒体に保存したりできる。
光学系観察装置やカメラ,ビデオカメラはその種類により接眼レンズや鏡筒の径,カメラレンズの部分の大きさや形状は異なるため,それぞれの大きさや形状に合わせる目的で該アダプタの形状,構造には多種多様な種類がある。また,写真直筒に挿入したり、また接眼レンズを外して鏡筒に挿入したりする形状のものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000―190384号公報
【文献】特開2001―192024号公報
【文献】特開2001―214014号公報
【文献】特開2014―250313号公報
【文献】特開2017―187772号公報
【文献】実用新案登録第3068547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の光学系観察装置の鏡筒用カメラアダプタは接眼レンズを取り外してカメラアダプタを挿入し観察像を撮影するので,鏡筒内部に埃が入るという課題があった。
【0005】
また,先行技術文献に挙げたような接眼レンズを外さずに設置するカメラアダプタも存在するが,光学系観察装置の鏡筒の径に合わせた多種多様な固定機能や固定具が存在し,そのため観察像を撮影するための固定やカメラレンズの位置調整の目的でネジなどでカメラ等の撮影装置を適切な撮影位置に配置させるための調整を必要とするなどの課題があった。
【0006】
さらに,従来の光学系観察装置の鏡筒用カメラアダプタは接眼レンズや鏡筒の大きさに応じて適切なアダプタや部品を使用し,カメラ等のメラ等の撮影装置を適切な撮影位置に配置させる必要があった。
【0007】
そこで本考案は上記課題を解決するために,接眼レンズや鏡筒の大きさに関係なく,カメラ等の撮影装置を適切な撮影位置が鏡筒に接眼レンズをつけたまま,かつ接眼レンズや鏡筒の大きさに応じたアダプタや部品などを使用することなく,鏡筒の軸上の適切な撮影位置にカメラ等の撮影装置を確実に固定できるカメラアダプタを提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の光学系観察装置の観察像を撮影する顕微鏡,光学系観察装置とカメラを固定するためのカメラアダプタは,光学系観察装置の光学装置の鏡筒部を挟み込むために回転の軸を共用する一対の部材で構成された狭持部と,その狭持部で鏡筒を挟み込むための力を発生させるバネと,その回転の軸の中央部に位置するカメラ等の撮影装置の撮影部を配置する撮影ポイントを有する。


【0009】
本発明の回転の軸の中央部に位置する撮影装置の撮影部を配置する撮影ポイントは撮影装置のレンズを配置することが可能である他,撮影装置に接続された撮影用の光学ファイバーや撮影装置専用のアダプタ等を設置,接続してもよい。
【0010】
本発明の光学系観察装置の鏡筒部を挟み込むために回転の軸を共用する一対の部材の鏡筒との接触部分は,異なる大きさの鏡筒に於いても十分な保持力を維持できるように一対の部材の狭持部の形状が一対の部材の開閉の度合いに応じて鏡筒との接触部分が適切な大きさになるような曲面で構成されている。
【0011】
また,鏡筒の大きさや形状は規格に従って制作されているものが大半であることから,前述の曲面を使用して狭持部の大きさ,および形状を連続的に変化させる代わりに,鏡筒の規格を想定して,狭持部の形状を段階的に変化させて構成することもできる。
【0012】
顕微鏡や鏡筒,接眼レンズなどの個々の特性により,アイポイントが接眼レンズが取り付けられている鏡筒の軸からずれていることも容易に想定できることから,カメラ等の撮影装置の撮影部を配置する撮影ポイントを微調整するための機構も有する。
【発明の効果】
【0013】
以上に説明したように,本発明は光学系観察装置の鏡筒の大きさに関係なく,鏡筒の軸上に顕微鏡などカメラ等の撮影装置の撮影部を配置する撮影ポイントが配置されるため,概鏡筒の大きさに応じてアダプタを変更することなく簡単に簡便に光学系観察装置の観察像を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例の構成を示す図である。(実施例1)
図2】本発明の実施例を光学系観察装置の鏡筒部に取り付けた構成の配置を示す図である 。
図3】本発明の実施例にカメラ等の撮影装置を取り付けた構成の配置を示す上方からの斜視図である。
図4】本発明の実施例にカメラ等の撮影装置を取り付けた構成の配置で取り付けたカメラ等の撮影装置の撮影位置がわかる下方からの斜視図である。
図5】本発明の実施例にカメラ等の撮影装置を取り付け,かつ位置調整ダイヤルを取り付けた図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のカメラアダプタについての複数の実施形態の例を説明する。
【実施例1】
【0016】
この発明の代表的な実施例について,図面に基づいて説明する。図1は本発明にかかるカメラアダプタの側方図である。
【0017】
図1において,2は1のカメラアダプタのピンチ部であり,対向した一対のピンチとそのピンチの4の鏡筒狭持部で鏡筒を挟み込み,1のカメラアダプタを顕微鏡に固定するための力を発生させるための3のバネと,1のカメラアダプタが鏡筒を4の鏡筒狭持部で掴んだ際に鏡筒を傷つけたりすることのないように4の鏡筒狭持部に5の鏡筒狭持部クッションを備えている。本実施例を構成する1のカメラアダプタおよび4の鏡筒狭持部クッションの材料は限定されるものではないが,光学系観察装置にかかる負荷や安全性を考慮して,機能性樹脂系材料,あるいは軽金属系材料が好ましく,あるいはカーボン系材料等を使用することもできる。


【0018】
図2には,9の光学系観察装置の鏡筒部を1のカメラアダプタの一対の2のピンチ部で挟み込むことで取り付けた状態の側面図を示す。1のカメラアダプタの中央部は9の光学系観察装置の鏡筒部の直径の大きさに関係なく一義的に9の光学系観察装置の鏡筒の中心軸上に配置される。
【0019】
図3には,2の1のカメラアダプタに6のカメラ等の撮影装置を取り付けた時の斜視図を示す。6のカメラ等の撮影装置は1のカメラアダプタの4の鏡筒狭持部の開閉の妨げにならない領域に位置するように配置される。


【0020】
図4には,2の1のカメラアダプタに6のカメラ等の撮影装置を取り付けた時の鏡筒方向から見た図を示す。6のカメラ等の撮影装置の7のカメラ等の撮影装置の撮影部は1のカメラアダプタの4の鏡筒狭持部の中央位置に配置されることにより4の鏡筒狭持部が鏡筒を掴んだ際に鏡筒の直径の大きさに関係なく必然的に鏡筒の中心軸上に配置される。
【0021】
図3および図4には,1のカメラアダプタに取り付けられた画像,および動画を撮影するための7のカメラ等の撮影装置が配置された状態を示しているが,7のカメラなどの撮影装置を1のカメラアダプタに取り付けることなく,7のカメラとの撮影装置で観察像を撮影するために撮影装置に接続された撮影用の光学ファイバーを1のカメラアダプタに取り付けえもよい。
【実施例2】
【0022】
図5には,1のカメラアダプタに取り付けられた画像,および動画を撮影するための6のカメラ等の撮影装置の7のカメラ等の撮影装置の撮影部が概1のカメラアダプタの4の鏡筒狭持部の中央に配置されており,側面に8の位置調整ダイヤルが取り付けられていることを示す。光学系観察装置の個体差によりアイポイントの位置に多少の違いが生じているときに7のカメラ等の撮影装置の撮影部は8の位置調整ダイヤルを取り付けることにより微調整の機能を有するアダプタを実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
7の撮影装置の撮影部に撮影装置の代わりに照明装置を取り付けることでパイプパイプの中に確実に光を入射させることができる照明装置用のアダプタとしての用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0024】
1 カメラアダプタ
2 カメラアダプタのピンチ部
3 バネ
4 鏡筒狭持部
5 鏡筒狭持部クッション
6 カメラ等の撮影装置
7 カメラ等の撮影装置の撮影部
8 位置調整ダイヤル
9 光学系観察装置の鏡筒部


図1
図2
図3
図4
図5