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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】構造体の補強装置及び構造体の補強方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/24 20060101AFI20230127BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20230127BHJP
   F16B 7/06 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
E04B1/24 F
E04B1/58 D
F16B7/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018247911
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020105880
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】503117841
【氏名又は名称】株式会社森林経済工学研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】390029089
【氏名又は名称】高周波熱錬株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000130374
【氏名又は名称】株式会社コンステック
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 克彦
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-027896(JP,A)
【文献】特開昭59-173470(JP,A)
【文献】特開昭60-152782(JP,A)
【文献】特開2010-031474(JP,A)
【文献】特開2011-006903(JP,A)
【文献】特開2009-197416(JP,A)
【文献】特開2003-314627(JP,A)
【文献】特開昭59-222612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00-1/36
E04B 1/38-1/61
F16B 7/00-7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状構造体の隅部に一対の棒状補強体を設けて構造体を補強する装置であって、
前記棒状補強体は、最大耐力の10%以上60%以下の規定の張力を導入して前記格子状構造体に導入される張力と均衡する圧縮応力を前記格子状構造体に発生させるPC鋼棒体を備え
前記PC鋼棒体は、
前記格子状構造体の互いに対向する一対の隅部のうち一方の隅部に一端部側が回転可能かつ軸方向移動不可能に設けられたPC鋼棒製の棒体と、
前記一対の隅部のうち他方の隅部に一端部が回転可能に設けられ前記棒体と同じ強度のPC鋼棒製の連結ボルトと、
前記棒体の他端部に形成された雄ねじ部と前記連結ボルトの他端部の雄ねじ部とにそれぞれねじ込まれ前記棒体と同じ強度のカプラーと、
前記連結ボルトに設けられ、かつ、前記棒体及び前記連結ボルトに前記規定の張力が付与されたときに前記連結ボルトの軸方向の移動を規制するストッパーと、を備え
ことを特徴とする構造体の補強装置。
【請求項2】
請求項に記載された構造体の補強装置において、
前記棒体の雄ねじ部と前記連結ボルトの雄ねじ部とは、ねじの向きが逆であり、かつ、ねじのピッチが同じであり、
前記カプラーは、前記棒体のねじ込みを規制する第一規制部を有し、
前記連結ボルトは、前記他方の隅部に軸方向移動可能に設けられ、
前記ストッパーは、前記定の張力が付与された際に前記他方の隅部に当接するストッパー用ナットを有する
ことを特徴とする構造体の補強装置。
【請求項3】
請求項に記載された構造体の補強装置において、
前記棒体の雄ねじ部と前記連結ボルトの雄ねじ部とは、ねじの向きが同じであり、かつ、ねじのピッチが異なり、
前記カプラーは、カプラー本体と、前記カプラー本体に設けられ前記棒体のねじ込みを規制する第一規制部と、前記カプラー本体に着脱自在に設けられ前記連結ボルトのねじ込み量を規制する第二規制部とを有し、
前記連結ボルトは、前記他方の隅部に軸方向移動不可能に設けられ、
前記ストッパーは、前記定の張力が付与された際に前記カプラーに当接するストッパー用ナットを有する
ことを特徴とする構造体の補強装置。
【請求項4】
格子状構造体の四隅に設けられた一対の棒状補強体に張力を導入して構造体を補強する方法であって、
前記棒状補強体はPC鋼棒体を備えて構成し、
前記PC鋼棒体は、
前記格子状構造体の互いに対向する一対の隅部のうち一方の隅部に一端部側が回転可能かつ軸方向移動不可能に設けられたPC鋼棒製の棒体と、
前記一対の隅部のうち他方の隅部に一端部が回転可能に設けられ前記棒体と同じ強度のPC鋼棒製の連結ボルトと、
前記棒体の他端部に形成された雄ねじ部と前記連結ボルトの他端部の雄ねじ部とにそれぞれねじ込まれ前記棒体と同じ強度のカプラーと、
前記連結ボルトに設けられ、かつ、前記棒体及び前記連結ボルトに規定の張力が付与されたときに前記連結ボルトの軸方向の移動を規制するストッパーと、を備え、
前記PC鋼棒体に、最大耐力の10%以上60%以下の規定の張力を導入して前記構造体に導入される張力と均衡する圧縮応力を発生させることを特徴とする構造体の補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体の補強装置及び構造体の補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルや住宅等の建築構造体において、地震や風圧による建物の変形を防止するための補強装置がある。
この補強装置には、建築構造物の構面の対角線上に2本のロープ部材の一端部をそれぞれ連結し、これらのロープ部材の端部同士をターンバックルで連結したブレースがある(特許文献1等)。
従来のブレースにおいて、2本のロープ部材の端部は、右ねじと左ねじの逆ねじに形成されており、ターンバックルを回すことで、2本のロープ部材が互いに引っ張る程度に若干の張力が導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-270240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で示される従来例のように、構造体に一対のブレースを配置する場合、基本的に引張のみに抵抗する構成である。従来例では、一対のブレースのうち片側のブレースしか有効でないので、構造体全体としての剛性が十分でない。剛性を大きくするには、ブレースを構成するロープ部材の断面を大きくしたり、設置箇所を多くしたりして対処することになる。
しかし、ブレースの断面を大きくすると、窓の視界を大きく遮ったり、建築の収まりが障害になったり、することが多い。
また、断面の大きなブレースは、重量も大きくなるため、施工上の障害ともなる。一方、設置箇所を増やすことが、各種の建築計画的な条件により可能でない場合が多い。
【0005】
本発明の目的は、棒状補強体の断面を大きくすることなく、構造体全体の剛性を向上させることができる構造体の補強装置及び構造体の補強方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、鋼棒、ロープや山形鋼の一対のブレースに十分な張力を導入することは行われていない。張力導入があったとしても、ブレースが弛まない程度に張ることを目的としたごく小さなものであり、引張力がかかる場合のみ有効として設計されるのが一般的である。圧縮力にも抵抗させる場合は、鋼管やH形鋼などの座屈し難い大きな断面を用いるのが一般的であるがこれらでは張力導入ができない。
【0007】
そのため、本発明の構造体の補強装置は、格子状構造体の隅部に一対の棒状補強体を設けて構造体を補強する装置であって、前記棒状補強体は、最大耐力の10%以上60%以下の規定の張力を導入して前記格子状構造体に導入される張力と均衡する圧縮応力を発生させるPC鋼棒体を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明では、一対の棒状補強体を構成するPC鋼棒体に規定の張力、つまり、最大耐力の10%以上60%以下を導入することにより、格子状構造体に、これにバランスする圧縮応力を格子状構造体に与える。導入する張力は、設計上必要な大きさを元に決定することになる。
一対のPC鋼棒体と格子状構造体からなる全体構造に地震荷重などを想定した強制的な変形が与えられると、一方のPC鋼棒体の張力は増加し、他方のPC鋼棒体の張力は減少する。張力が減少する側のPC鋼棒体は、導入張力Toから張力消失までにδoだけ縮むことになる(図5参照)。この時のPC鋼棒体の軸剛性は、{-To/(-δo)}=(To/δo)となるが、これは張力が増加する側の軸剛性と同じである。
従って、PC鋼棒体に張力を導入することにより、張力の減少する側が張力消失までは、減少する側も増加する側と同じ剛性を保持するので、結果として2倍の剛性を有することになる。つまり、格子状構造体に、常に圧縮力が作用することになり、格子状構造体が非常に簡単な構造となるとともに、軽量化が可能となる。そのため、棒状補強体の断面を大きくすることなく、構造体全体の剛性を向上させることができる。
【0009】
特許文献1の従来例では、2本のロープ部材の端部は、右ねじと左ねじの逆ねじに形成されているので、ターンバックルを1回転させると、ねじ2ピッチ分だけ引っ張られることになり、通常のねじ締めトルクの2倍となる。そのため、張力を導入するにはターンバックルに大きな回転力を付与する必要があるため、張力の管理が容易ではなく、また、補強装置の構造体への取付作業が煩雑となる。
また、ブレースとして用いられるロープ部材は、一般的に、鋼線を撚って形成したワイヤ等が用いられるが、ワイヤで大きな張力を導入するには、ワイヤの径を大きなものにしなければならず、補強装置が大型となる。さらに、ワイヤは、ヤング率が一定しないので、正確な張力管理が容易ではない。
【0010】
そのため、本発明では、前記PC鋼棒体は、前記格子状構造体の互いに対向する一対の隅部のうち一方の隅部に一端部側が回転可能かつ軸方向移動不可能に設けられたPC鋼棒製の棒体と、前記一対の隅部のうち他方の隅部に一端部が回転可能に設けられ前記棒体と同じ強度のPC鋼棒製の連結ボルトと、前記棒体の他端部に形成された雄ねじ部と前記連結ボルトの他端部の雄ねじ部とにそれぞれねじ込まれ前記棒体と同じ強度のカプラーと、前記連結ボルトに設けられ、かつ、前記棒体及び前記連結ボルトに前記既定の張力が付与されたときに前記連結ボルトの軸方向の移動を規制するストッパーと、を備えた構成が好ましい。
【0011】
この構成では、PC鋼棒体の一端部側を一方の隅部に回動可能かつ軸方向移動不可能に設け、PC鋼棒体の他端部側にカプラーをねじ込み、さらに、予めストッパーが設けられた連結ボルトの一端部を他方の隅部に回動可能に設ける。そして、カプラーでPC鋼棒と連結ボルトとを連結して初期位置を設定する。ここで、ストッパーの連結ボルトに対する初期位置は、既定の張力が付与された際に連結ボルトの軸方向に移動する寸法をずらした位置である。
そして、PC鋼棒及びカプラーの双方、又はカプラーのみ、を回転させると、PC鋼棒、カプラー及び連結ボルトを介して互いに対向する構造体の隅部に張力が導入される。張力の導入に伴ってストッパーにより連結ボルトの軸方向の移動が規制されたら、一対の隅部の間に既定の張力が導入されたことになる。
従って、この構成では、棒体及び連結ボルトはPC鋼棒から構成され、カプラーは、棒体と連結ボルトと同じ強度である。そのため、棒体、連結ボルト及びカプラーは、ワイヤに比べてヤング率が一定となるので、きわめて正確に弾性予測ができるとともに、形状制御も容易となる。
しかも、PC鋼棒及びカプラーの回転量、又は、カプラーの回転量との関係で、所定値を予め設定し、ストッパーにより連結ボルトの軸方向の移動が規制される。これにより、導入される張力が既定の値を確保されるので、導入する張力の管理が容易となる。また、カプラーでPC鋼棒と連結ボルトとを連結するので、PC鋼棒体を1本のPC鋼棒から構成する場合に比べて、構造体の補強装置への取付作業が容易となる。
【0012】
本発明では、前記棒体の雄ねじ部と前記連結ボルトの雄ねじ部とは、ねじの向きが逆であり、かつ、ねじのピッチが同じであり、前記カプラーは、前記棒体のねじ込みを規制する第一規制部を有し、前記連結ボルトは、前記他方の隅部に軸方向移動可能に設けられ、前記ストッパーは、前記既定の張力が付与された際に前記他方の隅部に当接するストッパー用ナットを有する構成としてもよい。
この構成では、PC鋼棒の一端部側を一方の隅部に回動可能かつ軸方向移動不可能に設け、PC鋼棒の他端部にカプラーを第一規制部で規制されるまで一方向にねじ込み、さらに、ストッパー用ナットが予めねじ込まれた連結ボルトの一端部を他方の支持部分に設ける。連結ボルトをカプラーに一方向とは逆方向にねじ込んでPC鋼棒、カプラー及び連結ボルトを連結して初期位置を設定する。
そして、PC鋼棒及びカプラーの双方を前記逆方向に回転させると、PC鋼棒の他端部、カプラー及び連結ボルトの他端部が相対的な位置が変化しないまま軸方向に沿って移動し、これらの部材に張力が導入される。張力の導入に伴って連結ボルトが所定値だけ伸びたら、ストッパー用ナットが他方の支持部分に当接する。これにより、連結ボルトの軸方向の移動が規制されて一対の隅部の間に既定の張力が導入されたことになる。
従って、PC鋼棒の雄ねじ部と連結ボルトの雄ねじ部とをピッチが同じの逆ねじに形成しているので、従来の逆ねじのカプラーを用いていることが可能となり、装置の製造コストを低いものにできる。さらに、カプラーは、PC鋼棒のねじ込みを規制する第一規制部を有するから、PC鋼棒とカプラーとを一体として回すことが確実に行えることになり、一対の支持部分への張力の導入を正確に行える。また、ストッパーは、ストッパー用ナットを有する構成とすることで、ストッパーの構造を簡易なものにでき、連結ボルトへの装着を容易に行うことができる。
【0013】
本発明では、前記棒体の雄ねじ部と前記連結ボルトの雄ねじ部とは、ねじの向きが同じであり、かつ、ねじのピッチが異なり、前記カプラーは、カプラー本体と、前記カプラー本体に設けられ前記棒体のねじ込みを規制する第一規制部と、前記カプラー本体に着脱自在に設けられ前記連結ボルトのねじ込み量を規制する第二規制部とを有し、前記連結ボルトは、前記他方の隅部に軸方向移動不可能に設けられ、前記ストッパーは、前記既定の張力が付与された際に前記カプラーに当接するストッパー用ナットを有する構成としてもよい。
この構成では、棒体の一端部側を一方の支持部分に回動可能かつ軸方向移動不可能に設け、棒体の他端部をカプラーに第一規制部で規制されるまで一方向にねじ込み、さらに、ストッパー用ナットが予めねじ込まれた連結ボルトの一端部を他方の隅部に設ける。連結ボルトをカプラーに第二規制部に当接するまでねじ込んで、棒体、カプラー及び連結ボルトを連結して初期位置を設定する。この状態では、棒体の他端部と連結ボルトの他端部との間の寸法は大きなものとなっている。
そして、第二規制部をカプラー本体から取り外し、カプラーのみを回転させる。すると、棒体の他端部と連結ボルトの他端部とが相対的な位置を近接させながら軸方向に沿って移動し、棒体、カプラー及び連結ボルトに張力が導入される。張力の導入に伴って連結ボルトが所定値だけ伸びたら、ストッパー用ナットがカプラーに当接する。これにより、連結ボルトの軸方向の移動が規制されて一対の隅部の間に既定の張力が導入されたことになる。
従って、この構成では、棒体の雄ねじ部と連結ボルトの雄ねじ部とのねじピッチを異なるものにしているので、カプラーの1回転あたりの連結ボルトの移動量が従来例に比べて短い。そのため、カプラーを小さな力で回転させることで、連結ボルトとPC鋼棒とを互いに近接させて互いに対向する支持部分に大きな張力を与えることができるから、張力の導入の管理を容易に行える。
【0014】
本発明の構造体の補強方法は、格子状構造体の四隅に設けられた一対の棒状補強体に張力を導入して構造体を補強する方法であって、前記棒状補強体はPC鋼棒体を備えて構成し、前記PC鋼棒体に、最大耐力の10%以上60%以下の規定の張力を導入して前記構造体に導入される張力と均衡する圧縮応力を発生させることを特徴とする。
本発明では、前述の構造体の補強装置の発明と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態にかかる補強装置が適用される構造体の斜視図。
図2】構造体の要部を示す平面図。
図3】第1実施形態の構造体の補強装置の具体的な構成を示す一部を破断した平面図。
図4】(A)から(C)は第1実施形態の構造体の補強方法を説明する図。
図5】第1実施形態の構造体の補強装置の効果を説明するグラフ。
図6】本発明の第2実施形態の構造体の補強装置の全体構成を示す一部を破断した平面図。
図7】(A)から(C)は第2実施形態の構造体の補強方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図4には本発明の第1実施形態が示されている。図1には、本実施形態の全体構成が示されている。
(構造体)
図1において、建築物は、体育館や工場等であり、複数本の柱1と、柱1の頂部に取り付けられる格子状構造体2と、格子状構造体2を補強する補強装置としての棒状補強体10とを備える。
格子状構造体2は、第1実施形態では、天井を構成する骨組みであり、それぞれ水平方向に沿って配置される第一梁31と、それぞれ屋根の下り傾斜に沿って配置される第二梁32とを有する。
第一梁31と第二梁32とで区画される平面矩形状の面から構造体の構面が構成される。この矩形状の構面の互いに対向する一対の隅部P1,P2は、棒状補強体10で張力を導入する支持部分である。本実施形態では、棒状補強体10は、1つの矩形状の構面のうち互いに交差する対角線上にそれぞれ配置されている。
【0017】
図2には格子状構造体2の要部が示されている。
図2において、第一梁31は、直列に配置され端板部312を介して接合される複数本のH型鋼311と、H型鋼311のうち矩形状の構面の隅部P1,P2の位置で接合される受プレート313とを有する。受プレート313は、互いに反対側に位置する面の一方がH型鋼311のウェブ311Wに接合されている。
第二梁32は、直列に配置される複数本のH型鋼321と、H型鋼321の両端部に接合された板部322と、隣合う板部322に両端部が接合されるプレート部323とを有する。プレート部323の側面は、プレート部323の端部に接合されている。
棒状補強体10は、互いに対向する一対の隅部P1,P2に張力を導入して構造体を補強するPC鋼棒体であり、一対が交差して配置されている。
【0018】
(棒状補強体)
棒状補強体10の具体的な構成が図3に示されている。
図3において、棒状補強体10は、一方の隅部P1に対応する受プレート313に設けられた棒体11と、他方の隅部P2に対応する受プレート313に一端部が回転可能に設けられた連結ボルト12と、棒体11の他端部と連結ボルト12の他端部とを連結するカプラー13と、連結ボルト12に設けられ連結ボルト12が所定値だけ伸びたときに連結ボルト12の軸方向の移動を規制するストッパー14と、を備えている。
ここで、棒体11は連結ボルト12に対して長く形成されており、そのため、カプラー13は、隅部P2に近接して配置されている(図2参照)。
【0019】
棒体11は、耐力785N/mm以上、引張強さ1030N/mm以上のPC鋼棒製である。棒体11の耐力は、普通鋼の耐力より3~4倍程度大きい。
棒体11の外周には、左ねじからなる雄ねじが軸方向に沿って形成されている。
棒体11の一端部側は、受プレート313に形成された孔部313Aを挿通しており、受プレート313を挟んでナットAとナットBとが棒体11にねじ込まれている。
ナットAは、棒体11の一端部側の所定位置で固定されている。ナットBは、ナットAとともに受プレート313を共締めする。これにより、棒体11の一端部は、受プレート313に、回転可能かつ軸方向移動不可能に設けられる。
【0020】
連結ボルト12は、棒体11と同じ強度のPC鋼棒製であり、右ねじが軸方向に沿って外周に形成されている。連結ボルト12と棒体11とは逆ねじであり、かつ、ねじのピッチが同じである。
連結ボルト12は、他方の隅部P2に対応する受プレート313に形成された孔部313Aを挿通しており、受プレート313を挟んでストッパー14としてのストッパー用ナットCと、ナットDとが連結ボルト12にねじ込まれている。
ナットDは、受プレート313に固定されている。これにより、棒体11及び連結ボルト12が時計方向に回転することにより、連結ボルト12が伸びることになる。
ストッパー用ナットCは、二つのナットが重なって配置されるダブルナットであり、棒体11及び連結ボルト12に既定の張力が付与されて所定値δだけ伸びた際に他方の隅部P2に位置する受プレート313に当接する。
【0021】
カプラー13は、ナット状のカプラー本体15と、カプラー本体15の外周から軸芯に向けてそれぞれ設けられる第一ピン161及び第二ピン162とを有する。
カプラー本体15の内周に形成された雌ねじは、その軸方向に沿った長さの中心15Cを境に、棒体11にねじ込む左ねじと、連結ボルト12にねじ込む右ねじとから構成される。
カプラー本体15は、棒体11及び連結ボルト12の強度と同じ強度を有する。
第一ピン161は、カプラー本体15の中心15Cに対してナットA,B側に形成された第一孔171に差し込み可能に配置されており、第二ピン162は、カプラー本体15の中心15Cに対してナットD側に形成された第二孔172に差し込み可能に配置されている。
第一ピン161は、棒体11がカプラー本体15にねじ込まれる際に、そのねじ込みを規制する第一規制部を構成する。
【0022】
(構造体の補強方法)
次に、構造体の補強方法を図4に基づいて説明する。
予め、柱1の頂部に第一梁31と第二梁32とを設置して格子状構造体2を施工しておく。そして、第一梁31に、受プレート313を接合しておく。第一梁31と第二梁32とから平面矩形状の構面が構成されることになり、この構面の互いに対向する隅部P1,P2の受プレート313に棒状補強体10を取り付ける。
そのため、棒体11の一端側の所定位置にねじ固定用接着剤が塗布されたナットAをねじ込んでおき、図4(A)に示される通り、棒体11の一端側を隅部P1に対応する受プレート313の孔部313Aに差し込み、差し込まれた棒体11の一端縁からナットBをねじ込み、ナットAとナットBとで受プレート313を共締めする。これにより、棒体11の一端部側が受プレート313に回転可能かつ軸方向移動不可能に設けられることになる。
さらに、予め、第一ピン161が第一孔171に差し込まれ、第二ピン162が第二孔172に差し込まれたカプラー13を反時計方向(左方向)に回し、棒体11の他端が第一ピン161に当接する(底当たりする)までねじ込む。
【0023】
その後、図4(B)に示される通り、隅部P2に対応する受プレート313の孔部313Aに連結ボルト12の一端部を挿通する。この際、連結ボルト12にはストッパー用ナットCを予めねじ込んでおく。さらに、カプラー13と連結ボルト12とが干渉しないようにするために、カプラー13が端部にねじ込まれた棒体11を撓ませる(想像線参照)。
そして、連結ボルト12の一端部が第二ピン162に当接する(底当たりする)まで、連結ボルト12を時計方向(右方向)に回し、カプラー13に対してねじ込む。
さらに、受プレート313の孔部313Aを挿通した連結ボルト12の一端部にナットDをかけ、棒体11、連結ボルト12及びカプラー13が張るまで、ねじ込む。
この状態で、カプラー13の両端部からねじ固定用接着剤を注入する。
そして、ストッパー用ナットCを時計方向又は反時計方向に回動して、受プレート313との寸法が所定値δになる位置まで移動させる。ここで、所定値δは、導入張力に見合う棒体11及び連結ボルト12の伸び量である。導入する張力は、棒体11、連結ボルト12及びカプラー13の最大耐力の10%以上60%以下である。
ここで、導入する張力が棒体11、連結ボルト12及びカプラー13の最大耐力の10%以上でないと、張力が減少する側の剛性付与効果が小さい範囲にとどまるため、設計上のメリットがない。例えば、JISG3109で規定するB種1号のφ26を例にとると、最大耐力574kNに対して10%は、57.4kNであり、実用的な使用の下限である。一方、60%を越えると、本発明による締め付け方法では、締め付けが困難となることや張力が増加する方の側のPC鋼棒からなる棒体11等が告示で定められている短期許容耐力を越える可能性が出てくる。
【0024】
その後、ナットDを受プレート313に接着剤で固定し、さらに、図4(C)に示される通り、カプラー13とナットAとにレンチ等の工具(図示せず)をかけて、時計方向(右方向)に回す。すると、棒体11の他端部、カプラー13及び連結ボルト12の他端部は、これらの間の相対的な位置が変化しないまま軸方向に沿って移動する。ストッパー用ナットCが受プレート313に当たると、連結ボルト12の移動が規制される。カプラー13で一体となった棒体11及び連結ボルト12は、所定値δだけ伸びたことになる。これにより、第一梁31と第二梁32とからなる構面の一対の隅部P1,P2に張力が付与されて構造体が補強されることになる。
以上の工程を1つの構面を補強するための一対の棒状補強体10について実施する。
【0025】
棒状補強体10であるPC鋼棒体に、PC鋼棒の最大耐力1080N/mmの10%以上60%以下の規定の張力、例えば、50%の規定の張力を導入すると、この張力と均衡する圧縮応力がPC鋼棒体に発生し、この力を格子状構造体2に与える。
一対のPC鋼棒体と格子状構造体2からなる建築物に地震荷重などを想定した強制的な変形を与えると、一方のPC鋼棒体の張力は増加し、他方のPC鋼棒体の張力は減少する。例えば、図2に示される通り、格子状構造体2に強制的な変形を与えると、互いに対向する第一梁31に反対側の力Qが働くことになり、一対のPC鋼棒体(棒状補強体10)のうち一方の張力が増加し、他方の張力が減少する。
【0026】
ここで、PC鋼棒体へ導入する張力Tyと、張力Tyが導入された際のPC鋼棒体の縮み量δxとの関係を図5に基づいて説明する。
図5に示される通り、初期導入張力がToである場合、PC鋼棒体の縮み量δxは0である。導入する張力Tyが減少する側の他方のPC鋼棒体は、導入する張力TyがToから張力消失までにδoだけ縮むことになる。この時のPC鋼棒体の軸剛性は、{-To/(-δo)}=(To/δo)となるが、これは張力Tyが増加する側の軸剛性と同じである。つまり、軸剛性は、縮み量δxのプラス(+)側では、{(2To-To)/δo}=(To/δo)であり、マイナス(-)側では、-To/(-δo)=(To/δo)であり、プラス(+)側と同じである。圧縮側の張力が消失するまで剛性を保持することになり、圧縮と引張とも有効なので、引張のみ働く従来のブレースに比べて2倍の働きとなる。
【0027】
(実施形態の効果)
(1)一対の棒状補強体10を構成するPC鋼棒体に、最大耐力の10%以上60%以下の規定の張力を導入することにより、格子状構造体2に、これにバランスする圧縮応力を発生させる。そのため、格子状構造体2に、常に圧縮力が作用することになり、格子状構造体2が非常に簡単な構造となるとともに、軽量化が可能となる。
【0028】
(2)一方の隅部P1に一端部側が回転可能かつ軸方向移動不可能に棒体11を設け、他方の隅部P2に一端部が回転可能に連結ボルト12を設け、棒体11の他端部の雄ねじ部と連結ボルト12の他端部の雄ねじ部とにそれぞれカプラー13をねじ込み、棒体11及び連結ボルト12に既定の張力が付与されたときに連結ボルト12の軸方向の移動を規制するストッパー14を連結ボルト12に設けた。張力を導入するために、従来の普通鋼より強度の大きな棒体11を用いているので、棒体11に大きな張力を導入することにより、これとバランスする大きな圧縮力を格子状構造体2に与えることが可能となり、大きな外力に対しても構造体を確実に補強することができる。棒体11及び連結ボルト12は、ワイヤに比べてヤング率が一定となるので、きわめて正確に弾性予測ができるとともに、形状制御も容易となる。しかも、棒体11及び連結ボルト12は、普通鋼からなる棒に比べて、断面積が小さいから、装置の小型化を図ることができる。そして、ストッパー14により連結ボルト12の軸方向の移動が規制されるから、導入される張力が既定の値を確保されることになり、張力の管理が容易となる。
【0029】
(3)棒体11の雄ねじ部を左ねじとし、連結ボルト12の雄ねじ部を棒体11の雄ねじ部とは逆の右ねじであり、ピッチが同じ構造のカプラーを用いているので、装置の製造コストを低いものにできる。カプラー13は、棒体11のねじ込みを規制する第一ピン161を有するから、棒体11とカプラー13とを一体に回すことが可能となり、棒体11及び連結ボルト12に確実に張力を導入することができる。しかも、ストッパー14は、ストッパー用ナットCを有するため、ストッパー14自体の構成を簡易なものにできる。
【0030】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。
第2実施形態は、第1実施形態とはPC鋼棒及びカプラーの構造が相違するものであり、他の構成並びに設置される構造体は、第1実施形態と同じである。
第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一構成は同一符号を付して説明を省略する。
(棒状補強体)
第2実施形態の棒状補強体20の具体的な構成が図6に示されている。
図6において、棒状補強体20は、一方の隅部P1に対応する受プレート313に設けられたPC鋼棒製の棒体21と、他方の隅部P2に対応する受プレート313に一端部が回転可能に設けられた連結ボルト12と、棒体21の他端部と連結ボルト12の他端部とを連結するカプラー23と、連結ボルト12に設けられたストッパー24と、棒体21に設けられたマーキングテープ20Tとを備えている。
【0031】
棒体21は、第1実施形態の棒体11とは雄ねじ部に形成されたねじの向きとピッチが相違するものであり、他の構成は棒体11と同じである。
つまり、棒体21は、ねじの向きが連結ボルト12と同じ右ねじであるが、ピッチが連結ボルト12より小さい。例えば、連結ボルト12のねじのピッチが2.5mmである場合、棒体11のねじのピッチは2.0mmである。
棒体21の一端部側には、隅部P1に対応した受プレート313を挟んでナットAとナットBとが設けられている。ナットBは、棒体21に接着剤で固定されている。
【0032】
カプラー23は、ナット状のカプラー本体25と、カプラー本体25にそれぞれ着脱自在に設けられた第一ピン161及び第二ピン162とを有する。
カプラー本体25の内周に形成された雌ねじは、その軸方向に沿った長さの中心25Cを境に、棒体21の雄ねじに対応した雌ねじと、連結ボルト12の雄ねじに対応した雌ねじとから構成されている。カプラー本体25の雌ねじは、棒体21に対応する雌ねじ部に対して連結ボルト12に対応する雌ねじ部のピッチが小さい。そのため、カプラー本体25を時計方向(右方向)に1回転すると、棒体21と連結ボルト12とのねじピッチの差、例えば、連結ボルト12のねじのピッチが2.5mmであり、棒体21のねじのピッチが2.0mmである場合、0.5mmだけ棒体21の他端部に対して連結ボルト12の他端部が近接することになる。
カプラー本体25は、棒体21及び連結ボルト12の強度と同じ強度を有する。
第一ピン161は、棒体21のカプラー本体25へのねじ込み量を規制する第一規制部である。同様に、第二ピン162は、連結ボルト12のカプラー本体25へのねじ込み量を規制する第二規制部である。
【0033】
ストッパー24は、既定の張力が導入された際にカプラー23に当接するストッパー用ナットCを有する。
マーキングテープ20Tは、棒状補強体20がセットされた後であって張力が導入される前において、カプラー23の端部の位置を示すものであり、規定の張力を導入するためにカプラー23を回した後では、カプラー23の一端とマーキングテープ20Tとは寸法δ1だけ離れることになる。つまり、寸法δ1だけ、カプラー23が棒体21の軸方向に沿って移動する。
棒状補強体20がセットされた後であって張力が導入される前において、ストッパー用ナットCとカプラー23との間の寸法は、所定値δ2である。ここで、所定値δ2は、導入張力に見合うカプラー23の移動量である。所定値δ2と寸法δ1との比は、連結ボルト12のねじのピッチと棒体21のねじのピッチとの比と同じである。
【0034】
(構造体の補強方法)
次に、構造体の補強方法を図7に基づいて説明する。
第1実施形態と同様に、格子状構造体2を施工しておき、第一梁31に、受プレート313を接合しておく。第一梁31と第二梁32とから構成される平面矩形状の構面の互いに対向する隅部P1,P2の受プレート313に棒状補強体20を取り付ける。
そのため、棒体21の一端側の所定位置にねじ固定用接着剤が塗布されたナットAをねじ込んでおき、図7(A)に示される通り、棒体21の一端側を隅部P1に対応する受プレート313の孔部313Aに差し込み、差し込まれた棒体11の一端縁から予めねじ固定用接着剤が塗布されたナットBをねじ込み、ナットAとナットBとで受プレート313を共締めする。これにより、棒体21の一端部側が受プレート313に回転可能かつ軸方向移動不可能に設けられることになる。
さらに、予め、第一ピン161が第一孔171に差し込まれ、第二ピン162が第二孔172に差し込まれたカプラー23を、棒体21の他端が第一ピン161に当接する(底当たりする)まで時計方向(右方向)に回してねじ込む。
【0035】
その後、図7(B)に示される通り、隅部P2に対応する受プレート313の孔部313Aに連結ボルト12の一端部を挿通する。この際、連結ボルト12にはストッパー用ナットCを予めねじ込んでおく。そして、カプラー23と連結ボルト12とが干渉しないようにするために、カプラー23が端部にねじ込まれた棒体21を撓ませる(想像線参照)。
さらに、連結ボルト12の一端部が第二ピン162に当接する(底当たりする)まで、カプラー23を時計方向(右方向)に回してねじ込む。
そして、ストッパー用ナットCをカプラー23との間の寸法が所定値δ2になるまで、位置調整する。この際、カプラー23の一端部に接するように、マーキングテープ20Tを棒体21の周面に捲いておく。
さらに、受プレート313の孔部313Aを挿通した連結ボルト12に一端部にナットDをかけ、棒体11、連結ボルト12及びカプラー23が張るまで、ねじ込む。
そして、カプラー本体25から第二ピン162を抜く。
【0036】
その後、ナットDを受プレート313に接着剤で固定し、さらに、図7(C)に示される通り、カプラー23にレンチ等の工具(図示せず)をかけて、時計方向(右方向)に回すと、カプラー23が隅部P2に向かって移動するが、この際、カプラー23にねじ込まれる棒体21の端面と連結ボルト12の端面との間の寸法が小さくなる。
カプラー23がストッパー用ナットCに当たると、カプラー23の移動が規制される。この際、カプラー23とマーキングテープ20Tとの間の寸法がδ1となっていることを確認する。これにより、第一梁31と第二梁32とからなる構面の一対の隅部P1,P2に張力が付与されて構造体が補強されることになる。
ストッパー用ナットCを受プレート313に移動させて張力導入の作業が終了する。
以上の工程を1つの構面を補強するための一対の棒状補強体10について実施する。
【0037】
(実施形態の効果)
第2実施形態では、第1実施形態の(1)(2)の効果を奏することができる他、次の効果を奏することができる。
(4)棒体21の雄ねじ部と連結ボルト12の雄ねじ部とは、ねじの向きが同じであり、かつ、ねじのピッチが異なるので、カプラー23の1回転あたりの連結ボルト12の移動量が従来例に比べて短い。そのため、カプラー23を小さな力で回転させることで、連結ボルト12と棒体21とを互いに近接させて互いに対向する隅部P1,P2に大きな張力を与えることができるから、張力の導入の管理を容易に行える。
【0038】
[変形例]
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、格子状構造体2を、天井を構成する第一梁31及び第二梁32を備えたものとしたが、本発明の骨組みは、これに限定されるものではなく、例えば、複数の柱と、これらの柱の上下を連結する梁とを備えたものであってもよい。
さらに、第1実施形態において、第二ピン162を必ずしも設けることを要しない。
【符号の説明】
【0039】
1…柱、2…格子状構造体、10,20…棒状補強体(PC鋼棒体)、11,21…棒体、12…連結ボルト、13,23…カプラー、14,24…ストッパー、15,25…カプラー本体、161…第一ピン(第一規制部)、162…第二ピン(第二規制部)、20T…マーキングテープ、31…第一梁(構造体)、32…第二梁(構造体)、P1,P2…隅部(支持部分)、δ,δ2…所定値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7