特許 7217463 軒樋用継手及び軒樋接続構造

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-01-26

(45)【発行日】2023-02-03

(54)【発明の名称】軒樋用継手及び軒樋接続構造

(51)【国際特許分類】

   E04D 13/068 20060101AFI20230127BHJP

【ＦＩ】

E04D13/068 502Z

【請求項の数】 3

(21)【出願番号】P 2019114645

(22)【出願日】2019-06-20

(65)【公開番号】P2021001455

(43)【公開日】2021-01-07

【審査請求日】2022-02-15

(73)【特許権者】

【識別番号】314012076

【氏名又は名称】パナソニックＩＰマネジメント株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001210

【氏名又は名称】弁理士法人ＹＫＩ国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】大橋 晋太郎

【審査官】清水 督史

(56)【参考文献】

【文献】実開昭６１－１４１４４０（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特開平０８－３２６２４５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０７－２９２８９２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００３－０９６９９２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１１－１７９１８２（ＪＰ，Ａ）

【文献】実開平０６－０５１３４２（ＪＰ，Ｕ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０４Ｄ １３／０６８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

異なる方向に延在する２つの接続部を備える軒樋用継手であって、
雨水を案内する案内溝を画定する内継手と、
前記内継手の外側に配置されて前記内継手の外面を覆う外継手と、
を備え、
前記内継手は、略同じ高さに位置して幅方向に対向すると共に前記幅方向の外側と延在方向の外側が開口する一対の耳収容凹部を前記各接続部に有し、
前記外継手と前記内継手との間に軒樋の接続部を挿入する隙間を有して、前記軒樋の前壁の高さが上端部に後耳を有する後壁の高さよりも高い場合において前記軒樋の前記接続部が前記隙間に挿入されている状態で前記一対の耳収容凹部の一方が前記後耳の少なくとも一部を収容し、入隅と出隅の両方に設置可能である、軒樋用継手。

【請求項2】

前記外継手の一対の外側壁が、上から見たときに前記内継手の一対の内側壁の上端部を覆う一対の笠部を上端部に有する、請求項１に記載の軒樋用継手。

【請求項3】

第１軒樋及び第２軒樋と、
前記第１軒樋の片側接続部と、前記第２軒樋の片側接続部とを接続する請求項１又は２に記載の軒樋用継手と、
を備える、軒樋接続構造。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、軒樋用継手、及びそれを備える軒樋接続構造に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、軒樋用継手としては、特許文献１に記載されているものがある。この軒樋用継手は、略互いに直交する方向に延在する２つの接続部を備える。この軒樋用継手は、前壁の高さが後壁の高さよりも高い軒樋の接続を行う。この軒樋用継手は、２つの軒樋を出隅で接続するようになっており、高さが高い前壁の延在長さが、高さが低い後壁の延在長さよりも長くなっている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】実開平６－５１３４２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

上記軒樋用継手を、入隅に用いようとした場合、上記後壁を前側に配置すると共に上記前壁を後側に配置することになるので、上記軒樋用継手において前側に配置される壁の高さが後側に配置される壁の高さよりも低くなる。したがって、前壁の高さが後壁の高さよりも高い軒樋の接続を行うことができず、出隅用の軒樋継手とは構造が全く異なる入隅用の軒樋継手が必要になる。よって、上記軒樋用継手は、量産し難くてコスト高になり易く、汎用性も低い。

【0005】

そこで、本開示の目的は、量産し易くて製造コストを低減し易く、汎用性も高い軒樋用継手及び軒樋接続構造を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記課題を解決するため、本開示に係る軒樋用継手は、異なる方向に延在する２つの接続部を備える軒樋用継手であって、雨水を案内する案内溝を画定する内継手と、内継手の外側に配置されて内継手の外面を覆う外継手と、を備え、内継手は、略同じ高さに位置して幅方向に対向すると共に幅方向の外側と延在方向の外側が開口する一対の耳収容凹部を各接続部に有し、外継手と内継手との間に軒樋の接続部を挿入する隙間を有して、軒樋の前壁の高さが上端部に後耳を有する後壁の高さよりも高い場合において軒樋の接続部が隙間に挿入されている状態で一対の耳収容凹部の一方が後耳の少なくとも一部を収容し、入隅と出隅の両方に設置可能である。なお、上記上端部とは、軒樋用継手が所定箇所（配置箇所）に適切に配置された際に鉛直方向の上側に位置する端部である。

【発明の効果】

【0007】

本開示に係る軒樋用継手によれば、量産し易くて製造コストを低減し易く、汎用性も高い。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】本開示の一実施形態に係る軒樋接続構造が設置された建物を上側から見たときの模式平面図である

【図2】上記軒樋接続構造を斜め上側から見たときの斜視図である。

【図3】上記軒樋接続構造を斜め下側から見たときの斜視図である。

【図4】上記軒樋接続構造の第１軒樋用継手を上から見たときの平面図である。

【図5】図４のＡ-Ａ線断面図である。

【図6】上記軒樋接続構造の第１軒樋の接続部における高さ方向と幅方向を含む断面図である。

【図7】第１軒樋が接続された状態の第１軒樋用継手における図５に対応する断面図である。

【図8】（ａ）は、変形例の軒樋接続構造の分解斜視図であり、（ｂ）は、軒樋接続構造が採用可能な伸縮継手を示す斜視図である。また、（ｃ）及び（ｄ）は、軒樋接続構造の吊り下げで使用可能な吊具を示す斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、本明細書で、「略」という文言を用いた場合、「大雑把に言って」という文言と同じ意味合いで用いており、「略」の要件は、人がだいたいそのように見えれば満たされる。また、以下の説明で、鉛直方向に関連する文言、例えば、鉛直方向、水平方向、上側、下側等が用いられた場合、それは、軒樋用継手や軒樋接続構造が所定箇所（配置箇所）に適切に配置されている状態で表現されているものとする。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。

【0010】

図１は、本開示の一実施形態に係る軒樋接続構造１０が設置された家屋等の建物１を上側から見たときの模式平面図である。また、図２は、軒樋接続構造１０を斜め上側から見たときの斜視図であり、図３は、軒樋接続構造１０を斜め下側から見たときの斜視図である。

【0011】

図１及び図３に示すように、建物１の軒側の側壁２は、入隅３と出隅４を有する。また、軒樋接続構造１０は、３つの第１乃至第３軒樋１１,１２,１３と、２つの第１及び第２軒樋用継手１５,１６を備える。第１軒樋用継手１５は、第１軒樋１１と第２軒樋１２を入隅３の周辺で接続し、第２軒樋用継手１６は、第２軒樋１２と第３軒樋１３を出隅４の周辺で接続する。軒樋用継手１５,１６と軒樋１１,１２,１３との接続方法については、後で詳細に説明する。

【0012】

図２に示すように、各軒樋１１,１２,１３は、上側に開口して雨水を案内する案内溝１１ａ,１２ａ,１３ａを有し、各軒樋用継手１５,１６も、上側に開口して雨水を案内する案内溝１５ａ,１６ａを有する。軒樋接続構造１０が適切に接続された状態で、第１乃至第３軒樋１１,１２,１３及び第１及び第２軒樋用継手１５,１６の夫々の案内溝１１ａ,１２ａ,１３ａ,１５ａ,１６ａは、互いに相俟って一つの統合案内溝１７を画定する。

【0013】

図２に示すように、軒樋接続構造１０は、屋根５の軒先６に沿うように延在する。軒樋接続構造１０は、延在方向に間隔をおいた複数個所で図示しない公知の吊具を用いて建物の壁部に固定される。軒樋接続構造１０の統合案内溝１７は、屋根５に沿って流下してきた雨水を受けて、図示しない集水桝内に流入させる。集水桝内に流入した雨水は、図示しない竪樋を通過した後、地上又は下水の方に流れる。

【0014】

軒樋接続構造１０では、入隅３に配置する第１軒樋用継手１５と、出隅４に配置する第２軒樋用継手１６が、同一である。すなわち、本開示の軒樋用継手１５,１６は、従来の軒樋用継手とは異なり、入隅３と出隅４の両方に配置可能であるという高い汎用性を有する。次に、そのような高い汎用性を有する軒樋用継手１５,１６の構造について詳細に説明する。なお、第２軒樋用継手１６は、第１軒樋用継手１５と同一であるので、以下では、第１軒樋用継手１５の構造の説明のみを行う。

【0015】

図４は、第１軒樋用継手１５を上から見たときの平面図である。図４に示すように、第１軒樋用継手（以下、必要な場合を除いて第１を省略する）１５の案内溝１５ａは、上から見たときの平面視で略Ｌ字形状の開口１９を有する。軒樋用継手１５は、互いに略直交する方向に延在する第１接続部２０と第２接続部２１を備える。

【0016】

図５は、図４のＡ-Ａ線断面図であり、第１接続部２０における幅方向と高さ方向を含む断面図である。なお、第２接続部２１は、第１接続部２０の構造と同様の構造を有するので、第１接続部２０の構造の説明のみを行い、第２接続部２１の構造の説明は、省略する。図５に示すように、軒樋用継手１５は、２重の継手構造を有し、内継手３０と、外継手４０を備える。

【0017】

内継手３０は、内底壁３４と、内底壁３４の幅方向の両端部から上側に延在すると共に略同じ高さを有する一対の内側壁３５,３６を有する。内底壁３４、及び一対の内側壁３５,３６は、一体に形成され、雨水を案内する案内溝１５ａを画定する。図４に示す平面図から明らかなように、一対の内側壁３５,３６は、延在方向の長さが長い内側長側壁３５と、延在方向の長さが内側長側壁３５よりも短い内側短側壁３６とで構成される。

【0018】

再度、図５を参照して、内継手３０は、略同じ高さに位置して幅方向に対向すると共に幅方向の外側と延在方向の外側が開口する一対の耳収容凹部３２,３３を接続部２０に有する。各耳収容凹部３２,３３は、内継手３０の各内側壁３５,３６における高さ方向の中央よりも上側の部分に幅方向内側に窪むように溝状に形成され、接続部２０の延在方向に延在する。各内側壁３５,３６は、耳収容凹部３２,３３の上端部から上側に突出する突出部３７,３８を有する。

【0019】

一方、外継手４０は、内継手３０の外側に配置されて内継手３０の外面を覆う。詳しくは、外継手４０は、外底壁４４と、外底壁４４の幅方向の両端部から上側に延在すると共に略同じ高さを有する一対の外側壁４５,４６を有する。外底壁４４、及び一対の外側壁４５,４６は、一体に形成され、内継手３０の全てを収容すると共に上側が開口する溝状の内継手収容凹部４１を画定する。

【0020】

図４に示す平面図から明らかなように、外継手４０の一対の外側壁４５,４６も、延在方向の長さが長い外側長側壁４５と、延在方向の長さが外側長側壁４５よりも短い外側短側壁４６とで構成される。図５に示すように、外継手４０の各外側壁４５,４６は、上から見たときに内継手３０の一対の内側壁３５,３６の上端部を覆う一対の笠部４７,４８を上端部に有する。

【0021】

外継手４０と内継手３０との間には、隙間が存在する。第１軒樋１１の接続部は、この隙間に軒樋用継手１５における第１接続部２０の延在方向の外方から挿入される。図４を参照して、第１接続部２０に第１軒樋１１の接続部が接続された場合において、内継手３０は上側から見たときに第１軒樋１１の接続部に重なる重ね代２８を有する。

【0022】

図６は、第１軒樋１１の接続部２５における高さ方向と幅方向を含む断面図である。なお、第２及び第３軒樋１２,１３における軒樋用継手１５,１６への接続部は、第１軒樋１１の接続部２５の構造と同様の構造を有するため、説明を省略する。また、以下では、第１が必要な場合を除いて第１軒樋１１を単に軒樋１１と示す。

【0023】

図６に示すように、軒樋１１は、前壁５１と、後壁５２と、底壁５３とを備える。底壁５３の幅方向の一端部は、前壁５１の下端部に繋がり、底壁５３の幅方向の他端部は、後壁５２の下端部に繋がる。前壁５１、後壁５２、及び底壁５３は、一体に形成され、上側に開口して雨水を案内する案内溝１１ａを画定する。図２に示すように、軒樋１１が建物１に適切に設置された状態で、前壁５１は建物１側とは反対側の前側（外側）に配置され、後壁５２は建物１側である後側（内側）に配置される。

【0024】

図６に示すように、前壁５１は、後壁５２よりも高い。前壁５１を、後壁５２よりも高くすることで、屋根５の上面を下方に流下して軒先６（図２参照）から外側に飛散する雨水を効率的に案内溝１１ａに収容できる。また、前壁５１は、上端部に幅方向の後側かつ下側に屈曲する前耳５７を有し、後壁５２は、上端部に幅方向の前側かつ下側に屈曲する後耳５８を有する。前耳５７及び後耳５８は、軒樋１１を図示しない吊具に係止する際に用いられる。

【0025】

上記構成において、第１軒樋用継手１５のように、軒樋用継手１５が入隅３の周辺で軒樋１１を接続する場合、内側及び外側長側壁３５,４５が内側及び外側短側壁３６,４６よりも後側（建物１側）に位置すると共に建物１の軒先６に沿うように、軒樋用継手１５を入隅３に配置する。そして、図７、すなわち、接続部２５が接続されている状態の図５に対応する断面図に示すように、軒樋１１の前壁５１の前耳５７が、外側短側壁４６の笠部４８の下端と内側短側壁３６の上端６２との間に生じる高さ方向隙間を通過すると共に、軒樋１１の後壁５２の後耳５８の少なくとも一部が、内側長側壁３５の耳収容凹部３２に入り込むように、軒樋１１の接続部２５を、軒樋用継手１５の第１接続部２０における外継手４０と内継手３０との間に挿入する。この挿入により、軒樋１１の接続部２５を軒樋用継手１５の第１接続部２０に接続できる。

【0026】

一方、第２軒樋用継手１６のように、軒樋用継手１６が出隅４の周辺で軒樋１２を接続する場合、軒樋用継手１６の内側及び外側短側壁３６,４６が内側及び外側長側壁３５,４５よりも後側（建物１側）に位置すると共に建物１の軒先６に沿うように、軒樋用継手１６を出隅４に配置する。そして、軒樋１２の前壁５１の前耳５７が、外側長側壁４５の笠部４７の下端と内側長側壁３５の上端６１（図５参照）との間に生じる高さ方向隙間を通過すると共に、軒樋１２の後壁５２の後耳５８の少なくとも一部が、内側短側壁３６の耳収容凹部３３に入り込むように、軒樋１２の接続部を、軒樋用継手１６の片側の接続部における外継手４０と内継手３０との間に挿入する。この挿入により、軒樋１２の接続部を軒樋用継手１６の上記片側の接続部に接続できる。したがって、第１軒樋用継手１５と第２軒樋用継手１６は、同一であるので、本開示の軒樋用継手１５,１６は、建物１の入隅３にも出隅４にも設置できる。

【0027】

なお、必須の要件ではないが、軒樋１１～１３の接続部２５を外継手４０と内継手３０との間に挿入すると共に、軒樋１１～１３の接続部２５の外面の一部又は全てを外継手４０の内面に接着剤等で固着してもよく、この場合、軒樋１１～１３を軒樋用継手１５,１６に確実に固定できる。また、軒樋１１～１３の接続部２５が軒樋用継手１５,１６に接続されている場合において、軒樋１１～１３の前耳５７は、内継手３０の上部に接触してもよく又は非接触でもよい。また、軒樋１１～１３の接続部２５が軒樋用継手１５,１６に接続されている場合において、軒樋１１～１３の後耳５８は、内継手３０の一対の耳収容凹部３２,３３の一方に接触してもよく又は両方に非接触でもよい。また、本実施例のように、図５に示す断面図で、軒樋用継手１５の接続部２０が略線対称になる線Ｐが存在してもよく、そのような線Ｐが存在しなくてもよい。

【0028】

以上、軒樋用継手１５,１６は、略直交する方向に延在する２つの接続部２０,２１を備える。また、軒樋用継手１５,１６は、雨水を案内する案内溝１５ａ,１６ａを画定する内継手３０と、内継手３０の外側に配置されて内継手３０の外面を覆う外継手４０とを備える。また、内継手３０は、略同じ高さに位置して幅方向に対向すると共に幅方向の外側と延在方向の外側が開口する一対の耳収容凹部３２,３３を各接続部２０,２１に有する。また、軒樋用継手１５,１６は、外継手４０と内継手３０との間に軒樋１１～１３の接続部２５を挿入する隙間を有する。

【0029】

したがって、上述のように、軒樋１１～１３の前壁５１の高さが上端部に後耳５８を有する後壁５２の高さよりも高い場合であっても、軒樋用継手１５,１６が入隅３に配置される場合には、後耳５８の少なくとも一部を一方の耳収容凹部としての内側長側壁３５の耳収容凹部３２に収容するように、軒樋１１～１３の接続部２５を外継手４０と内継手３０の間に挿入できる。他方、軒樋用継手１５,１６が出隅４に配置される場合には、後耳５８の少なくとも一部を一方の耳収容凹部としての内側短側壁３６の耳収容凹部３３に収容するように、軒樋１１～１３の接続部２５を外継手４０と内継手３０の間に挿入できる。したがって、軒樋用継手１５,１６は、建物１の入隅３と出隅４の両方に設置できる。よって、軒樋用継手１５,１６は、量産し易くて製造コストを低減し易く、汎用性も高い。

【0030】

また、外継手４０の一対の外側壁４５,４６が、上から見たときに内継手３０の一対の内側壁３５,３６の上端部を覆う一対の笠部４７,４８を有してもよい。

【0031】

本構成によれば、雨水が上側から外継手４０と内継手３０の間に入り込むことを抑制又は防止できる。よって、外継手４０、内継手３０、及び軒樋１１～１３の接続部２５が、外継手４０と内継手３０との間に入り込んだ雨水によって劣化することを抑制できる。

【0032】

また、軒樋接続構造１０は、第１軒樋１１及び第２軒樋１２と、第１軒樋１１の片側接続部と、第２軒樋１２の片側接続部とを接続する軒樋用継手１５と、を備える。

【0033】

したがって、軒樋接続構造１０が量産し易くて製造コストが低い軒樋用継手１５を有するので、軒樋接続構造１０の製造コストを低減させ易い。

【0034】

なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。

【0035】

例えば、上記実施形態では、外継手４０が、上から見たときに内継手３０の一対の内側壁３５,３６の上端部を覆う一対の笠部４７,４８を有していた。しかし、外継手は、上から見たときに内継手の一対の内側壁のうちの一方の上端部のみを覆う笠部を有してもよく、又は、一対の内側壁の一方の上端部を覆う笠部と他方の上端部を覆う笠部の両方を有さなくてもよい。

【0036】

また、軒樋用継手１５,１６が、略直交する方向に延在する第１及び第２接続部２０,２１を備える場合について説明した。しかし、軒樋用継手が有する２つの接続部のうちの一方の接続部の延在方向は、他方の接続部の延在方向に９０°以外の角度で交差してもよい。要は、軒樋用継手は、異なる方向に延在する２つの接続部を備えていればよい。

【0037】

また、軒樋接続構造１０が、３つの第１乃至第３軒樋１１,１２,１３と、２つの第１及び第２軒樋用継手１５,１６を備える場合について説明した。しかし、軒樋接続構造は、少なくとも２つの軒樋と１つの軒樋用継手を備えていればよい。

【0038】

また、軒樋接続構造は、止りや、集水器を備えていてもよい。詳しくは、図８（ａ）、すなわち、変形例の軒樋接続構造１１０の分解斜視図に示すように、軒樋接続構造１１０は、２つの直線状の軒樋１１１と軒樋１１２を、落し口１５０ａを有する集水器１５０で接続してもよく、雨水を集水器１５０から竪樋等を介して地上側に流動させてもよい。また、軒樋接続構造１１０が、雨水を案内する統合案内溝１１７の端を閉鎖する止り１６５を有してもよい。

【0039】

また、軒樋接続構造は、図８（ｂ）に斜視図を示す伸縮継手１６０を有して、直線状部分の延在長さを調整できるようになっていてもよい。また、軒樋接続構造は、図８（ｃ）に斜視図を示すスライド不可能な吊具１７０で建物に吊り下げられてもよく、図８（ｄ）に斜視図を示すスライド式の吊具１８０で建物に吊り下げられることで、建物の壁面から設置個所までの距離が調整できるようになっていてもよい。

【0040】

また、軒樋接続構造及び軒樋用継手は、視認される可能性がある外面部分が、エンボス加工されてもよく、例えば、軒樋用継手の外継手の外面の全て又は一部は、エンボス加工されてもよい。そして、エンボス加工によって、軒樋接続構造及び軒樋用継手における外面部又は外面で光を同じ方向に反射させないようにして、眩しさを低減してもよい。

【符号の説明】

【0041】

１ 建物、 ３ 入隅、 ４ 出隅、 ５ 屋根、 ６ 軒先、 １０,１１０ 軒樋接続構造、 １１ 第１軒樋、 １２ 第２軒樋、 １３ 第３軒樋、 １５ 第１軒樋用継手、 １６ 第２軒樋用継手、 ２０ 第１軒樋用継手の第１接続部、 ２１ 第１軒樋用継手の第２接続部、 ２５ 第１軒樋の接続部、 ３０ 内継手、 ３２ 内側長側壁の耳収容凹部、 ３３ 内側短側壁の耳収容凹部、 ３５,３６ 内側壁、 ４０ 外継手、 ４５,４６ 外側壁、 ４７,４８ 笠部、 ５１ 第１軒樋の前壁、 ５２ 第１軒樋の後壁、 ５８ 後耳、 １１１,１１２ 軒樋。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】