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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】間欠塗工装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/02 20060101AFI20230127BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230127BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C11/10
H01M4/04 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020561188
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2019042042
(87)【国際公開番号】W WO2020129409
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】P 2018236660
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】時枝 大佐
(72)【発明者】
【氏名】福冨 雄太
(72)【発明者】
【氏名】小出 直幸
(72)【発明者】
【氏名】酒井 良徳
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-147216(JP,A)
【文献】特開2007-35589(JP,A)
【文献】特開2014-137944(JP,A)
【文献】特開2006-107735(JP,A)
【文献】特開2001-345096(JP,A)
【文献】特開2017-10644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00-21/00
B05D 1/00-7/26
H01M 4/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗工体に塗料を塗布するダイであって、前記塗料の吐出口、および前記吐出口に連通するマニホールドを有するダイと、
前記ダイへ前記塗料を供給する第1状態、および前記供給を停止する第2状態を切り替え可能な第1間欠バルブおよび第2間欠バルブと、
前記第1間欠バルブおよび前記マニホールドを接続する第1ダイ供給管路と、
前記第2間欠バルブおよび前記マニホールドを接続する第2ダイ供給管路と、を備え、
前記第1間欠バルブおよび前記第2間欠バルブは、前記第1状態および前記第2状態の切り替えタイミングが互いに異なり、
前記第1ダイ供給管路および前記第2ダイ供給管路は、互いに合流することなく同じ前記マニホールドに接続される、間欠塗工装置。
【請求項2】
前記第1状態にある前記第1間欠バルブが前記第2状態に切り替わった所定時間後に、前記第2状態にある前記第2間欠バルブが前記第1状態に切り替わり、
前記第1状態にある前記第2間欠バルブが前記第2状態に切り替わった所定時間後に、前記第2状態にある前記第1間欠バルブが前記第1状態に切り替わる、請求項1に記載の間欠塗工装置。
【請求項3】
前記塗料を貯留する第1タンクおよび第2タンクと、
前記第1タンクから前記第1間欠バルブに前記塗料を送る第1ポンプと、
前記第2タンクから前記第2間欠バルブに前記塗料を送る第2ポンプと、を備える、請求項1または2に記載の間欠塗工装置。
【請求項4】
前記塗料を貯留するタンクと、
同じタンクから前記第1間欠バルブおよび前記第2間欠バルブの両方に前記塗料を送るポンプと、を備える、請求項1または2に記載の間欠塗工装置。
【請求項5】
前記被塗工体は、二次電池の集電体であり、
前記塗料は、二次電池の電極スラリーである、請求項1乃至のいずれか1項に記載の間欠塗工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間欠塗工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)等の普及にともない、二次電池の出荷が増えている。特にリチウムイオン二次電池の出荷が増えている。一般的な二次電池は、正極板、負極板、セパレータおよび電解液を主な構成要素とする。正極板や負極板といった電極板は、金属箔からなる集電体の表面に、電極活物質が積層された構造を有する。
【0003】
従来、このような電極板の製造方法として、活物質および溶媒を混合した電極スラリーを吐出するダイと、ダイへの電極スラリーの供給および非供給を切り替える間欠バルブと、を備えた間欠塗工装置を用いて、長尺の金属箔の表面に電極スラリーを間欠的に塗布する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-108678号公報
【発明の概要】
【0005】
二次電池の出荷増にともない、電極板の製造時間を短縮したいという要求がある。しかしながら、電極板の製造時間を短縮するために金属箔に電極スラリーを高速で間欠塗布すると、間欠バルブの応答性の限界から、電極スラリーの塗布精度が低下するおそれがあった。塗布精度の低下は、電極板の品質低下につながり得る。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、電極板の製造時間短縮と品質維持との両立を図る技術を提供することにある。
【0007】
本発明のある態様は、間欠塗工装置である。当該間欠塗工装置は、被塗工体に塗料を塗布するダイと、ダイへ塗料を供給する第1状態、および供給を停止する第2状態を切り替え可能な第1間欠バルブおよび第2間欠バルブと、を備える。第1間欠バルブおよび第2間欠バルブは、第1状態および第2状態の切り替えタイミングが互いに異なる。
【0008】
以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0009】
本発明によれば、電極板の製造時間短縮と品質維持との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る間欠塗工装置の模式図である。
図2】間欠バルブの断面図である。
図3】間欠バルブの状態とダイから塗料が吐出されるタイミングとの関係を示す図である。
図4】実施の形態2に係る間欠塗工装置の模式図である。
図5図5(A)~図5(E)は、ダイおよびダイ供給管路の接続態様を示す模式図である。
図6】実施の形態3に係る間欠塗工装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、特に言及がない限りこの用語はいかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る間欠塗工装置の模式図である。間欠塗工装置1は、ダイ2と、第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bと、第1タンク6Aおよび第2タンク6Bと、第1ポンプ8Aおよび第2ポンプ8Bと、第1送り管路10Aおよび第2送り管路10Bと、第1戻し管路12Aおよび第2戻し管路12Bと、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bと、を備える。
【0013】
第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bは同一の構造を有するため、両者を区別する必要がない場合、第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bをまとめて間欠バルブ22と称する。同様に、以下では適宜、第1タンク6Aおよび第2タンク6Bをまとめてタンク6と称し、第1ポンプ8Aおよび第2ポンプ8Bをまとめてポンプ8と称し、第1送り管路10Aおよび第2送り管路10Bをまとめて送り管路10と称し、第1戻し管路12Aおよび第2戻し管路12Bをまとめて戻し管路12と称し、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bをまとめてダイ供給管路14と称する。
【0014】
ダイ2は、被塗工体16に塗料18を塗布する器具である。本実施の形態に係る間欠塗工装置1は、二次電池の電極板を製造するために用いられる。二次電池の電極板は、集電体に電極スラリーを塗布して乾燥させたシート状の電極素材である。したがって本実施の形態では、被塗工体16は、二次電池の集電体であり、塗料18は、二次電池の電極スラリーである。集電体は、例えば金属箔である。電極スラリーは、例えば正極活物質または負極活物質と溶媒との混合物である。一般的なリチウムイオン二次電池の場合、正極の電極板は、アルミ箔上に、コバルト酸リチウムやリン酸鉄リチウム等の正極活物質を含むスラリーが塗布されて作製される。また、負極の電極板は、銅箔上に、黒鉛等の負極活物質を含むスラリーが塗布されて作製される。
【0015】
ダイ2は、供給口80と、マニホールド82と、吐出口84と、を有する。第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bは、供給口80に接続される。供給口80は、ダイ2の内部に設けられたマニホールド82に連通する。マニホールド82は、吐出口84に連通する。ダイ2に供給される塗料18は、供給口80からマニホールド82を経由して吐出口84に至り、吐出口84から吐出される。マニホールド82は、供給口80からマニホールド82に至る流路やマニホールド82から吐出口84に至る流路よりも容積の大きい空間である。例えば、マニホールド82は、水平方向に長い矩形状の空間である。供給口80からダイ2内に流れ込む塗料18は、マニホールド82に一時的に溜められた後に、吐出口84から吐出される。これにより、吐出口84から塗料18を安定的に吐出することができる。
【0016】
ダイ2は、吐出口84がバックアップロール20の周面と所定の間隔をあけて対向するように配置される。被塗工体16は、バックアップロール20の回転によって、バックアップロール20と吐出口84とが対向する位置に連続的に搬送される。
【0017】
ダイ2には、第1ダイ供給管路14Aを介して第1間欠バルブ22Aが接続される。また、ダイ2には、第2ダイ供給管路14Bを介して第2間欠バルブ22Bが接続される。第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bは、合流した後にダイ2のマニホールド82に接続される。したがって、間欠塗工装置1は、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bの合流点とマニホールド82との間に、第1ダイ供給管路14Aと第2ダイ供給管路14Bとを兼ねる共用管路15を有する。これにより、ダイ2側に必要な供給口80は1つで済むため、間欠バルブ22の増設によるダイ2の設計変更を回避することができる。
【0018】
第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bはそれぞれ、ダイ2への塗料18の供給と非供給とを切り替える機構である。間欠塗工装置1は、塗料18がダイ2に供給されている間、ダイ2から被塗工体16に塗料18を吐出することができる。第1間欠バルブ22Aには、第1送り管路10Aおよび第1戻し管路12Aを介して第1タンク6Aが接続される。第2間欠バルブ22Bには、第2送り管路10Bおよび第2戻し管路12Bを介して第2タンク6Bが接続される。第1タンク6Aおよび第2タンク6Bはそれぞれ、塗料18を貯留する。
【0019】
第1送り管路10Aには、第1ポンプ8Aが設けられ、第1ポンプ8Aの駆動により第1タンク6Aから第1間欠バルブ22Aに塗料18が送られる。第1間欠バルブ22Aは、第1タンク6Aから供給される塗料18を第1ダイ供給管路14Aを介してダイ2に供給する。あるいは、第1間欠バルブ22Aは、第1タンク6Aから供給される塗料18を第1戻し管路12Aを介して第1タンク6Aに戻す。
【0020】
第2送り管路10Bには、第2ポンプ8Bが設けられ、第2ポンプ8Bの駆動により第2タンク6Bから第2間欠バルブ22Bに塗料18が送られる。第2間欠バルブ22Bは、第2タンク6Bから供給される塗料18を第2ダイ供給管路14Bを介してダイ2に供給する。あるいは、第2間欠バルブ22Bは、第2タンク6Bから供給される塗料18を第2戻し管路12Bを介して第2タンク6Bに戻す。
【0021】
間欠塗工装置1は、ダイ2に対してそれぞれ独立に塗料18を間欠供給可能な、第1供給系統および第2供給系統を有する。第1供給系統は、第1間欠バルブ22A、第1タンク6A、第1ポンプ8A、第1送り管路10A、第1戻し管路12Aおよび第1ダイ供給管路14Aで構成される。第2供給系統は、第2間欠バルブ22B、第2タンク6B、第2ポンプ8B、第2送り管路10B、第2戻し管路12Bおよび第2ダイ供給管路14Bで構成される。
【0022】
第1間欠バルブ22Aまたは第2間欠バルブ22Bがダイ2に塗料18を供給することで、ダイ2の吐出口84から塗料18を吐出して被塗工体16に塗料18の塗布部18aを形成することができる。また、第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bがともにタンク6に塗料18を戻すことで、吐出口84からの塗料18の塗布を停止して被塗工体16に塗料18の未塗布部16aを形成することができる。つまり、第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bによって、被塗工体16に対して塗料18を間欠塗工することができる。未塗布部16aは、電極のセンターリードの貼り付け等に用いられる。
【0023】
図2は、間欠バルブの断面図である。間欠バルブ22は、シリンダ28と、ピストン30と、を有する。シリンダ28は、ピストン30が摺動可能に挿通される第1開口32、送り管路10が接続される第2開口34、戻し管路12が接続される第3開口36、およびダイ供給管路14が接続される第4開口38を有する。また、シリンダ28は、分岐流路40、ダイ流路42およびタンク流路44を内部に有する。分岐流路40は、一端が第2開口34に接続される。分岐流路40の他端側は2つに分岐し、一方の分岐先がダイ流路42の一端に接続され、他方の分岐先がタンク流路44の一端に接続される。ダイ流路42の他端は第4開口38に接続され、タンク流路44の他端は第3開口36に接続される。
【0024】
シリンダ28の第1開口32と、分岐流路40およびダイ流路42が連結する第1連結部46と、分岐流路40およびタンク流路44が連結する第2連結部48とは、直線上に並ぶように配置される。第1開口32、第2連結部48および第1連結部46は、この順に配列される。ピストン30は、一端側が第1開口32、第2連結部48および第1連結部46に挿通されている。
【0025】
ピストン30における第1連結部46の近傍部には、第1弁体50が設けられる。ピストン30における第2連結部48の近傍部には、第2弁体52が設けられる。第1弁体50および第2弁体52は、ピストン30の軸方向Xにおける両者の間隔が第1連結部46と第2連結部48との間隔よりも広くなるように配置されている。
【0026】
ピストン30は、シリンダ28に対して軸方向Xに変位することで、第1位置および第2位置に変位可能である。ピストン30は、第2位置にあるときよりもシリンダ28内に進入したとき第1位置をとり、第1位置にあるときよりもシリンダ28内から退出したとき第2位置をとる。図2には、第1位置にあるときのピストン30が図示されている。
【0027】
ピストン30が第1位置にあるとき、第1弁体50と第1連結部46との間には隙間が形成され、分岐流路40とダイ流路42とが連通される。一方、第2弁体52は第2連結部48に嵌合する。つまり、第2連結部48は、第2弁体52の弁座として機能する。これにより、分岐流路40とタンク流路44とが遮断される。
【0028】
ピストン30が第2位置にあるとき、第1弁体50は第1連結部46に嵌合する。つまり、第1連結部46は、第1弁体50の弁座として機能する。これにより、分岐流路40とダイ流路42とが遮断される。一方、第2弁体52と第2連結部48との間には隙間が形成され、分岐流路40とタンク流路44とが連通される。
【0029】
間欠バルブ22は、ピストン30が第1位置にあるとき第1状態をとり、ピストン30が第2位置にあるとき第2状態をとる。間欠バルブ22の第1状態とは、ダイ2へ塗料18を供給する状態である。一方、間欠バルブ22の第2状態とは、ダイ2への塗料18の供給を停止する状態である。
【0030】
つまり、間欠バルブ22が第1状態にあるとき、ピストン30は第1位置をとるため、分岐流路40とダイ流路42とが連通され、分岐流路40とタンク流路44とが遮断される。したがって、送り管路10から第2開口34を介して分岐流路40に流れ込む塗料18は、ダイ流路42、第4開口38およびダイ供給管路14を経由して、ダイ2に供給される。一方、間欠バルブ22が第2状態にあるとき、ピストン30は第2位置をとるため、分岐流路40とダイ流路42とが遮断され、分岐流路40とタンク流路44とが連通される。したがって、送り管路10から第2開口34を介して分岐流路40に流れ込む塗料18は、タンク流路44、第3開口36および戻し管路12を経由して、タンク6に戻される。
【0031】
ピストン30は、駆動部(図示せず)により第1位置と第2位置とが切り替えられる。駆動部は、サーボモータ等のモータと、モータおよびピストン30を連結するクランク機構等とで構成される。なお駆動部は、エア駆動ポンプ等のモータ以外の公知の駆動源であってもよい。
【0032】
図3は、間欠バルブの状態とダイから塗料が吐出されるタイミングとの関係を示す図である。図3において、「送り」は間欠バルブ22が第1状態にあることを意味し、「戻り」は間欠バルブ22が第2状態にあることを意味する。図3に示すように、第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bは、第1状態および第2状態の切り替えタイミングが互いに異なる。
【0033】
本実施の形態では、第1状態にある第1間欠バルブ22Aが第2状態に切り替わった所定時間後に、第2状態にある第2間欠バルブ22Bが第1状態に切り替わり、第1状態にある第2間欠バルブ22Bが第2状態に切り替わった所定時間後に、第2状態にある第1間欠バルブ22Aが第1状態に切り替わる。
【0034】
より具体的には、第1ポンプ8Aおよび第2ポンプ8B(図3中の「ポンプ」)は、間欠塗工の間は常にONであり、第1間欠バルブ22Aと第2間欠バルブ22Bとのそれぞれに塗料18が供給される。ポンプ8の駆動開始時、各間欠バルブ22は第2状態をとる。時間aにおいて、第1間欠バルブ22Aは第2状態から第1状態に切り替わる。一方、第2間欠バルブ22Bは第2状態を維持する。したがって、ダイ2は、第1間欠バルブ22Aから供給される塗料18を吐出し、被塗工体16に塗布部18aを形成する。次に、時間bにおいて、第1間欠バルブ22Aは第1状態から第2状態に切り替わる。一方、第2間欠バルブ22Bは第2状態を維持する。したがって、いずれの間欠バルブ22からもダイ2に塗料18が供給されない状態となる。このため、ダイ2からの塗料18の吐出が停止し、被塗工体16に未塗布部16aが形成される。
【0035】
続いて、第1間欠バルブ22Aが第1状態から第2状態に切り替わった時間bから、所定時間が経過した時間cにおいて、第2間欠バルブ22Bは第2状態から第1状態に切り替わる。一方、第1間欠バルブ22Aは第2状態を維持する。したがって、ダイ2は、第2間欠バルブ22Bから供給される塗料18を吐出し、被塗工体16に塗布部18aを形成する。次に、時間dにおいて、第2間欠バルブ22Bは第1状態から第2状態に切り替わる。一方、第1間欠バルブ22Aは第2状態を維持する。したがって、いずれの間欠バルブ22からもダイ2に塗料18が供給されない状態となる。このため、ダイ2からの塗料18の吐出が停止し、被塗工体16に未塗布部16aが形成される。
【0036】
続いて、第2間欠バルブ22Bが第1状態から第2状態に切り替わった時間dから、所定時間が経過した時間eにおいて、第1間欠バルブ22Aは第2状態から第1状態に切り替わる。一方、第2間欠バルブ22Bは第2状態を維持する。したがって、ダイ2は、第1間欠バルブ22Aから供給される塗料18を吐出し、被塗工体16に塗布部18aを形成する。以降は上述した動作が繰り返される。
【0037】
いずれか一方の間欠バルブ22が第1状態をとる時間aから時間bまで、時間cから時間dまで、および時間e以降が、塗布部18aの形成時間となる。また、2つの間欠バルブ22がともに第2状態をとる時間bから時間cまで、および時間dから時間eまでが、未塗布部16aの形成時間となる。
【0038】
各間欠バルブ22における第1状態および第2状態の切り替えタイミングは、例えば、制御装置100によって制御される。制御装置100は、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、図1では、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。この機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。制御装置100は、メモリに記録された制御プログラムに基づいて、各間欠バルブ22の駆動部や各ポンプ8のオン/オフ制御を実行することができる。
【0039】
あるいは、間欠塗工装置1の組み立て時に、間欠バルブ22へ組み付ける駆動部の調整等によって、各間欠バルブ22における第1状態および第2状態の切り替えタイミングを予め設定しておき、作業者が操作盤(図示せず)を介して各駆動部および各ポンプ8のオン/オフを操作してもよい。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態の間欠塗工装置1は、被塗工体16に塗料18を塗布するダイ2と、ダイ2へ塗料18を供給する第1状態、および塗料18の供給を停止する第2状態を切り替え可能な第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bと、を備える。第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bは、第1状態および第2状態の切り替えタイミングが互いに異なる。
【0041】
間欠バルブが1つのみである従来の間欠塗工装置では、ダイからの塗料の吐出と非吐出(供給停止)とを高速に切り替えることが困難であった。特に、ピストンに連結されたモータの正転と逆転とを切り替えることで、ダイへの塗料の供給と非供給とを切り替える間欠バルブでは、塗料の高速間欠塗布の実現に求められる程度に、切り替え速度を上げることは困難であった。ダイへの塗料の供給と非供給とを高速で切り替えられないと、被塗工体の搬送速度を上げた際に、被塗工体への塗料の塗布精度が低下し得る。
【0042】
これに対し、本実施の形態の間欠塗工装置1は、塗料18の供給と非供給との切り替えタイミング、つまり第1状態と第2状態との切り替えタイミングが互いに異なる第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bを備える。そして、2つの間欠バルブ22の第1状態および第2状態を組み合わせることで、ダイ2からの塗料18の吐出および非吐出を実現している。
【0043】
これにより、各間欠バルブ22における第1状態と第2状態との切り替え速度を上げることなく、被塗工体16の搬送速度の増加にともなう塗布部18aおよび未塗布部16aの形成時間の変化に対応することができる。この結果、塗料18の塗布精度を維持しながら、間欠塗工の高速化を図ることができる。よって、本実施の形態に係る間欠塗工装置1によれば、電極板の製造時間短縮と品質維持との両立を図ることができる。
【0044】
また、本実施の形態では、第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bを同時に第1状態とすることもできる。これにより、ダイ2からの塗料18の吐出量を増大させることができる。例えば、各間欠バルブ22が第1状態にある時間帯を部分的に重複させることで、局所的に膜厚の大きい塗布部18aを形成することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、第1状態にある第1間欠バルブ22Aが第2状態に切り替わった所定時間後に、第2状態にある第2間欠バルブ22Bが第1状態に切り替わり、第1状態にある第2間欠バルブ22Bが第2状態に切り替わった所定時間後に、第2状態にある第1間欠バルブ22Aが第1状態に切り替わる。これにより、各間欠バルブ22における第1状態と第2状態との切り替え速度を上げることなく、間欠バルブ22の状態切り替えタイミングのずれを利用して、未塗布部16aの形成時間を調整することができる。
【0046】
間欠塗工の高速化のために被塗工体16の搬送速度を速めると、未塗布部16aの形成にかけられる時間が短くなる。この場合に、ダイ2からの塗料18の吐出と非吐出との切り替え速度が十分でないと、未塗布部16aの寸法ばらつきが大きくなる。これに対し、本実施の形態では、第1間欠バルブ22Aが第1状態をとる時間と第2間欠バルブ22Bが第1状態をとる時間とをずらして2つの間欠バルブ22がともに第2状態をとる時間を作り出すことで、ダイ2からの塗料18の非供給を実現している。これにより、各間欠バルブ22における塗料18の供給と非供給との切り替え速度を上げることなく、被塗工体16の搬送速度の増加にともなう未塗布部16aの形成時間の短縮に対応することができる。この結果、塗料18の塗布精度を維持しながら、間欠塗工の高速化を図ることができる。
【0047】
また、本実施の形態に係る間欠塗工装置1は、塗料18を貯留する第1タンク6Aおよび第2タンク6Bと、第1タンク6Aから第1間欠バルブ22Aに塗料18を送る第1ポンプ8Aと、第2タンク6Bから第2間欠バルブ22Bに塗料18を送る第2ポンプ8Bと、を備える。このように、各間欠バルブ22に対して互いに独立に塗料18を送る構成とすることで、各間欠バルブ22からダイ2への塗料18の送出圧を互いに独立に調整することができる。したがって、第1間欠バルブ22Aから塗料18を供給する場合と第2間欠バルブ22Bから塗料18を供給する場合とで、ダイ2からの塗料18の吐出圧を異ならせることができる。これにより、第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bに品質のばらつき等の個体差がある場合でも、塗布部18aの膜厚の均一化を図ることができる。また、局所的に膜厚の大きい塗布部18aの形成も可能である。
【0048】
また、間欠塗工装置1は、タンク6と間欠バルブ22とを接続する送り管路10および戻し管路12と、送り管路10に設けられてタンク6から間欠バルブ22に塗料18を送るポンプ8と、を備える。塗料18は、間欠バルブ22が第2状態にあるとき、戻し管路12を介してタンク6に戻る。これにより、ポンプ8を常時駆動させておくことができるため、間欠塗工装置1の簡略化を図ることができる。
【0049】
(実施の形態2)
実施の形態2は、ダイ供給管路の配置を除き、実施の形態1と共通の構成を有する。以下、本実施の形態について実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。図4は、実施の形態2に係る間欠塗工装置の模式図である。図4では、制御装置100の図示を省略している。
【0050】
間欠塗工装置1は、ダイ2と、第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bと、第1タンク6Aおよび第2タンク6Bと、第1ポンプ8Aおよび第2ポンプ8Bと、第1送り管路10Aおよび第2送り管路10Bと、第1戻し管路12Aおよび第2戻し管路12Bと、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bと、を備える。
【0051】
ダイ2は、供給口80と、マニホールド82と、吐出口84と、を有する。ダイ2には、第1ダイ供給管路14Aを介して第1間欠バルブ22Aが接続され、第2ダイ供給管路14Bを介して第2間欠バルブ22Bが接続される。本実施の形態では、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bは、互いに合流することなくマニホールド82に接続される。図4には、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bがそれぞれマニホールド82に直に接続された構造が図示されている。
【0052】
図5(A)~図5(E)は、ダイおよびダイ供給管路の接続態様を示す模式図である。図5(A)に示すように、一例として、第1ダイ供給管路14Aは、マニホールド82における吐出口84が接続される前側面82aと対向する後側面82bに接続される。第2ダイ供給管路14Bは、マニホールド82の底面82cに接続される。吐出口84は、前側面82aにおける上端部に接続される。なお、第1ダイ供給管路14Aが接続される面は、マニホールド82の他の側面であってもよい。
【0053】
また、図5(B)に示すように、他の一例として、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bは、マニホールド82の後側面82bに接続されるとともに上下方向に配列される。吐出口84は、前側面82aの上端部に接続される。なお、2つのダイ供給管路14が接続される面は、マニホールド82の他の側面であってもよいし、底面82cであってもよい。
【0054】
また、図5(C)に示すように、他の一例として、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bは、マニホールド82の後側面82bに接続されるとともに上下方向に配列される。吐出口84は、前側面82aの下端部に接続される。なお、2つのダイ供給管路14が接続される面は、マニホールド82の他の側面であってもよいし、上面82dであってもよい。
【0055】
また、図5(D)に示すように、他の一例として、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bは、マニホールド82の後側面82bに接続されるとともに水平方向に配列される。吐出口84は、前側面82aの上端部に接続される。なお、2つのダイ供給管路14が接続される面は、マニホールド82の他の側面であってもよいし、底面82cであってもよい。
【0056】
また、図5(E)に示すように、他の一例として、第1ダイ供給管路14Aは、吐出口84の左右に位置するダイ2の2つの側面のうち一方の側面からマニホールド82に接続される。また、第2ダイ供給管路14Bは、当該2つの側面のうち他方の側面からマニホールド82に接続される。なお、図5(A)~図5(E)に示した各接続態様において、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bの配置は逆であってもよい。
【0057】
通常、1つのダイ2に1つのダイ供給管路14のみから塗料18が供給される構成であれば、いわゆるサックバック効果を十分に得ることができる。すなわち、ピストン30は、第1位置から第2位置に変位する際に、ダイ流路42から退出する方向に移動する。したがって、ピストン30における、ダイ流路42内に位置する部分の体積が減少する。これにより、ダイ流路42内が負圧になり、ダイ2から塗料18の一部が逆流する。この塗料18の逆流により、ダイ2からの塗料18の吐出が停止する際に、塗料18が吐出口84から垂れ落ちることを抑制することができる。つまり、サックバック効果を得ることができる。
【0058】
しかしながら、1つのダイ2に2つのダイ供給管路14から独立に塗料18が供給される構成では、サックバック効果が十分に得られない場合があることを本発明者らは見出した。実施の形態1では、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bの合流点とマニホールド82との間に、共用管路15が配置されている。この構成において、例えば第1間欠バルブ22Aが第1位置から第2位置に変位し、続いて第2間欠バルブ22Bが第2位置から第1位置に変位するとする。この場合、第1間欠バルブ22Aの変位によって起こるサックバック効果により、共用管路15をダイ2から第1間欠バルブ22Aに向けて塗料18が逆流する。一方、所定時間経過後に、第2間欠バルブ22Bの変位により、共用管路15を第2間欠バルブ22Bからダイ2に向けて塗料18が流れる。
【0059】
間欠塗工の高速化にともなって未塗布部16aの形成時間が短くなると、第1間欠バルブ22Aが第1位置から第2位置に変位するタイミングと第2間欠バルブ22Bが第2位置から第1位置に変位するタイミングとの間隔が短くなる。このため、共用管路15において、ダイ2から第1間欠バルブ22Aに向けて流れる塗料18と、第2間欠バルブ22Bからダイ2に向けて流れる塗料18とが衝突するおそれがある。
【0060】
互いに逆流する塗料18の衝突が起こると、十分なサックバック効果が得られずに、吐出口84から塗料18が垂れ落ちるおそれがある。あるいは、第2間欠バルブ22Bからダイ2に送られる塗料18の吐出口84からの吐出が遅れるおそれがある。これにより、未塗布部16aおよび塗布部18aの形成精度が低下し得る。第2間欠バルブ22Bが第1位置から第2位置に変位し、続いて第1間欠バルブ22Aが第2位置から第1位置に変位する場合も同様である。
【0061】
実施の形態1に対し、本実施の形態では、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bは、互いに合流することなくマニホールド82に接続されている。このため、ダイ2から第1間欠バルブ22Aに向かう塗料18の流れと、第2間欠バルブ22Bから吐出口84に向かう塗料18の流れとは、マニホールド82内で共存する。マニホールド82は、共用管路15に比べて容積が大きい。したがって、互いに逆方向に向かう塗料18の流れをマニホールド82内のみで共存させることで、上述した塗料18の衝突が発生することを抑制することができる。また、塗料18の衝突が生じたとしても、衝突の規模を小さくすることができる。これにより、サックバック効果の減少や、塗料18の吐出遅れの程度を低減することができ、塗料18の塗布精度を高めることができる。
【0062】
第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bにおける、第1状態および第2状態の切り替えタイミングは、実施の形態1と同様である。
【0063】
(実施の形態3)
実施の形態3は、2つの間欠バルブにおいてタンク、ポンプおよび送り管路を共通化した点を除き、実施の形態2と共通の構成を有する。以下、本実施の形態について実施の形態1および2と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。図6は、実施の形態3に係る間欠塗工装置の模式図である。図6では、制御装置100の図示を省略している。
【0064】
間欠塗工装置1は、ダイ2と、第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bと、共用タンク6Cと、共用ポンプ8Cと、共用送り管路10Cと、第1戻し管路12Aおよび第2戻し管路12Bと、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bと、を備える。
【0065】
ダイ2は、供給口80と、マニホールド82と、吐出口84と、を有する。ダイ2には、第1ダイ供給管路14Aを介して第1間欠バルブ22Aが接続され、第2ダイ供給管路14Bを介して第2間欠バルブ22Bが接続される。本実施の形態では、実施の形態2と同様に、第1ダイ供給管路14Aおよび第2ダイ供給管路14Bは、互いに合流することなくマニホールド82に接続される。なお、2つのダイ供給管路14は、実施の形態1と同様に、合流した後にダイ2のマニホールド82に接続されてもよい。
【0066】
第1間欠バルブ22Aには、共用送り管路10Cおよび第1戻し管路12Aを介して共用タンク6Cが接続される。第2間欠バルブ22Bには、共用送り管路10Cおよび第2戻し管路12Bを介して共用タンク6Cが接続される。共用タンク6Cは、塗料18を貯留する。共用送り管路10Cは、一端が共用タンク6Cに接続される。共用タンク6Cの他端側は2つに分岐し、一方の分岐先が第1間欠バルブ22Aに接続され、他方の分岐先が第2間欠バルブ22Bに接続される。
【0067】
共用送り管路10Cには、共用ポンプ8Cが設けられ、共用ポンプ8Cの駆動により共用タンク6Cから第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bに塗料18が送られる。第1間欠バルブ22Aは、共用タンク6Cから供給される塗料18を第1ダイ供給管路14Aを介してダイ2に供給する。あるいは、第1間欠バルブ22Aは、共用タンク6Cから供給される塗料18を第1戻し管路12Aを介して共用タンク6Cに戻す。同様に、第2間欠バルブ22Bは、共用タンク6Cから供給される塗料18を第2ダイ供給管路14Bを介してダイ2に供給する。あるいは、第2間欠バルブ22Bは、共用タンク6Cから供給される塗料18を第2戻し管路12Bを介して共用タンク6Cに戻す。
【0068】
第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bにおける、第1状態および第2状態の切り替えタイミングは、実施の形態1と同様である。
【0069】
つまり、本実施の形態の間欠塗工装置1は、2つの間欠バルブ22に対応づけられる共用タンク6Cと、同じ共用タンク6Cから第1間欠バルブ22Aおよび第2間欠バルブ22Bの両方に塗料18を送る共用ポンプ8Cと、を備える。また、タンクとポンプとを共通化することで、送り管路も共用することができる。このように、2つの間欠バルブ22に対し、タンク、ポンプおよび送り管路を共用することで、間欠塗工装置1の部品点数および製造コストを削減することができる。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明した。前述した実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施の形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。設計変更が加えられた新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形それぞれの効果をあわせもつ。前述の実施の形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「本実施の形態の」、「本実施の形態では」等の表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。各実施の形態に含まれる構成要素の任意の組み合わせも、本発明の態様として有効である。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0071】
各実施の形態では、間欠塗工装置1は2つの間欠バルブ22を備えるが、3つ以上の間欠バルブ22を備えてもよい。また、ピストン30が挿通される第1開口32に近い側に戻し管路12が配置され、第1開口32から遠い側にダイ供給管路14が配置されているが、管路の配置は逆であってもよい。この場合、ピストン30は、第2位置にあるときよりもシリンダ28内から退出したとき第1位置をとり、第1位置にあるときよりもシリンダ28内に進入したとき第2位置をとる。
【符号の説明】
【0072】
1 間欠塗工装置
2 ダイ
6A 第1タンク
6B 第2タンク
8A 第1ポンプ
8B 第2ポンプ
14A 第1ダイ供給管路
14B 第2ダイ供給管路
16 被塗工体
18 塗料
22A 第1間欠バルブ
22B 第2間欠バルブ
82 マニホールド
84 吐出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6