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特許7217478屋外用収納棚及び宅配ボックス付き屋外用収納棚
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】屋外用収納棚及び宅配ボックス付き屋外用収納棚
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/122 20060101AFI20230127BHJP
   A47G 29/12 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
A47G29/122 D
A47G29/12 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021522658
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2020012919
(87)【国際公開番号】W WO2020241011
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2019102554
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 仁史
(72)【発明者】
【氏名】飯村 慶子
(72)【発明者】
【氏名】角 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】川手 隆
(72)【発明者】
【氏名】山本 政博
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅純
(72)【発明者】
【氏名】林 伸昭
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-115133(JP,A)
【文献】特開2019-000325(JP,A)
【文献】実用新案登録第2526015(JP,Y2)
【文献】特公平07-036795(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G29/12-29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚であって、
複数の直線部を含んで形成される枠体と、
前記枠体の上下方向複数位置に配置される複数の棚板と、
前記枠体の側方を覆う化粧パネルと、
前記屋外用収納棚において前記側方に直交する方向の一方側を覆うように上下方向の一部に取り付けられた鍵付き扉と、
前記鍵付き扉の内側に設置された電力供給部及び第1電気機器の一方または両方と、を備え、
前記化粧パネルは、上下両端に設けられた2つの支持部に連結され上下方向に延びる複数の格子要素であって、横方向に隙間をあけて配置された複数の格子要素を含んで構成される、
屋外用収納棚。
【請求項2】
請求項1に記載の屋外用収納棚において、
前記鍵付き扉の内側に前記第1電気機器として監視カメラまたは照明装置が設置される、
屋外用収納棚。
【請求項3】
玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚であって、
複数の直線部を含んで形成される枠体と、
前記枠体の上下方向複数位置に配置される複数の棚板と、
前記枠体の側方を覆う化粧パネルと、
前記屋外用収納棚において前記側方に直交する方向の一方側を覆うように上下方向の一部に取り付けられた鍵付き扉と、
前記鍵付き扉の内側に設置された電力供給部及び第1電気機器の一方または両方と、を備え、
前記枠体の少なくとも1つの前記直線部は溝を有し、前記溝には第2電気機器として照明装置の少なくとも一部が配置される、
屋外用収納棚。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の屋外用収納棚において、
複数の前記直線部のそれぞれは、長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれに長手方向に延びる溝が形成されている、
屋外用収納棚。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の屋外用収納棚と、
一部の前記棚板上に設置された宅配ボックスと、を備える、
宅配ボックス付き屋外用収納棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚、及び宅配ボックス付き屋外用収納棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されているように、住宅の玄関先に設置される収容ボックス付き支柱が記載されている。この支柱は、2つの板状の柱部が直交するように連結され、その上端と下側とに天板及びベース部が連結されている。そして、2つの柱部に挟まれるようにハウジング、郵便ポスト、宅配ボックスが上下に並んで支持されている。支柱は下端部が地中に埋設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-000325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成において、分電盤または屋外コンセント等の電力供給部や、ユーザの操作頻度は少ないが設置が望まれる監視カメラ等の一部の種類の電気機器を設置することが考えられる。しかしながら、電力供給部または一部の種類の電気機器を外部から露出し、かつ外部から人が容易に接触できる状態で設置している場合には、防犯性の面から改良の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、電力供給部及び電気機器の一方または両方が設置された構成で防犯性を向上できる屋外用収納棚及び宅配ボックス付き屋外用収納棚を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の屋外用収納棚は、玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚であって、複数の直線部を含んで形成される枠体と、枠体の上下方向複数位置に配置される複数の棚板と、枠体の側方を覆う化粧パネルと、収納棚において側方に直交する方向の一方側を覆うように上下方向の一部に取り付けられた鍵付き扉と、鍵付き扉の内側に設置された電力供給部及び第1電気機器の一方または両方と、を備える、屋外用収納棚である。
【0007】
本開示の宅配ボックス付き屋外用収納棚は、本開示の屋外用収納棚と、一部の棚板上に設置された宅配ボックスと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る屋外用収納棚及び宅配ボックス付き屋外用収納棚によれば、電力供給部及び電気機器の一方または両方が設置された構成で防犯性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の屋外用収納棚において脚部を省略して示す斜視図である。
図2図1に示す屋外用収納棚において、一部を省略し、一部の棚板を取り付ける直前の状態であって、鍵付き扉を開いている状態を示す図である。
図3】一部を省略して示している図2のA部拡大図である。
図4図3のC-C断面図である。
図5】鍵付き扉における図1のD部拡大図である。
図6】実施形態において、建物から電力供給部である分電盤に電力を供給する状態を示す図である。
図7】実施形態において、建物から電力供給部であるコンセントに電力を供給する状態を示す図である。
図8図2のE部を図2とは異なる向きから見た拡大斜視図である。
図9】実施形態の屋外用収納棚の使用状態の1例と、収納棚から取り出した電力供給部、第1電気機器及び複数の被収納物とを示す斜視図である。
図10】実施形態において監視カメラを設置した状態を示す図5に対応する図である。
図11】別例の2例の化粧パネルを示す斜視図である。
図12】実施形態の別例の収納棚の設置状態を示す図である。
図13】複数の収納棚を連結する状態の1例において、化粧パネルを省略して示す斜視図である。
図14】鍵付き扉の内側に建物から電力を供給する状態の別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は、説明のための例示であって、屋外用収納棚の仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0011】
図1は、実施形態の屋外用収納棚10において脚部90(図2)を省略して示す斜視図である。図2は、屋外用収納棚10において、一部を省略し、一部の棚板30を取り付ける直前の状態であって、鍵付き扉31を開いている状態を示す図である。図3は、一部を省略して示している図2のA部拡大図である。図4は、図3のC-C断面図である。図5は、鍵付き扉31における図1のD部拡大図である。
【0012】
屋外用収納棚10は、住宅等の建物100(図6図7)の玄関先の屋外に設置される。後述の図6図7を参照して、屋外用収納棚10は、例えば玄関先の壁101に近接して設置される。以下では屋外用収納棚10を収納棚10と記載する場合がある。また、以下では、収納棚10の被収納物の取り出し方向であり開口91がある前側をF、その反対側である後側をBで示し、前側Fから見た右側、左側をR,Lで示す場合がある。
【0013】
収納棚10には、例えば被収納物として、郵便ポスト103、及び宅配ボックス104が収納される。図1では、郵便ポスト103の投函口103aが、収納棚10の左側L端の化粧パネル40に形成された開口41から露出している。また、その化粧パネル40の外側にはインターフォン105が取り付けられている。宅配ボックス104は、略直方体状であり、宅配荷物を無人で受け取り可能である。宅配ボックス104は、宅配業者が内部の荷物室に荷物を入れた状態で扉が施錠される。収納棚10を所有する等の、建物の住人である荷物の受取人は、宅配ボックス104の扉に配置された鍵穴部に鍵を入れて解錠することで、扉を開放し、荷物を取り出すことが可能である。本例では、収納棚10の最下端の後述の棚板30上に宅配ボックス104が設置されることにより、宅配ボックス付き収納棚が形成される。
【0014】
図1に示すように、収納棚10は、枠体12と、複数の棚板30と、2つの化粧パネル40と、鍵付き扉31とを含んで構成される。枠体12は、複数の直線部を含んで形成される直方体状である。具体的には、図2に示すように、枠体12は、四隅に配置された4本の上下方向に延びる柱部14と、4本の柱部14の上下方向の2つの位置を連結し水平方向に延びる複数の連結部18とを有する。柱部14及び連結部18は直線部に相当する。図3に示すように柱部14は、上下方向に長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれの幅方向中央に、上下方向に延びる溝14a、14b、14c、14dが形成されている。図3図4に示すように、連結部18は、水平方向に長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれの幅方向中央に、水平方向に延びる溝18a、18b、18c、18dが形成されている。柱部14及び連結部18の溝の一部には、後述するように第2電気機器としての照明装置を配置したり、電源線を配置することができる。
【0015】
図2の上側の4本の連結部18は、4本の柱部14の上端部を矩形の枠状に連結している。下側の4本の連結部18は、4本の柱部14の下端部を矩形の枠状に連結している。これにより、枠体12は直方体の各辺からなるような形状となっている。柱部14及び連結部18は、それぞれ鉄、アルミニウム合金等の金属により形成される。枠体12の軽量化と強度確保を図る面からは枠体12の各部はアルミニウム合金等の軽量な金属により形成することが好ましい。連結部18及び柱部14は、断面形状が同じで全長のみが異なるものを使用してもよい。枠体12の下端の四隅には、脚部90(図2)が連結される。
【0016】
枠体12の右側R端及び左側L端には、2つの格子状の化粧パネル40が取り付けられる。これにより、枠体12の両側の側方が2つの化粧パネル40により覆われる。化粧パネル40は、上下両端に配置されて横方向に延びる2つの支持部(図示せず)と、2つの支持部の外側に連結された複数の格子要素44とを有する。格子要素44は、上下方向に延びる断面矩形の柱状であり、複数の格子要素44は、略等間隔で平行に配置される。格子状の化粧パネル40を用いる場合、風が当たっても風の多くを格子要素44間の隙間を通じて収納棚10を通過させることができる。これにより、風による収納棚10の転倒の可能性を低くできる。
【0017】
枠体12の右側R及び左側Lの両端外側の一部または上下方向複数位置に、水平方向(前後方向)に延びる枠体バー(図示せず)が取り付けられてもよい。この枠体バーに化粧パネル40が取り付けられてもよい。
【0018】
図1では4つの棚板30が枠体12の内側の上下方向に離れた4つの位置に固定するように配置される。棚板30は4つに限定せず2つまたは3つまたは5つ以上としてもよい。棚板30には被収納物が設置可能である。棚板30は、鉄、アルミニウム合金等の金属により形成される。
【0019】
なお、図3と異なり、上側、下側のそれぞれの連結部18のみで矩形の枠を形成し、柱部14の上端及び下端をそれぞれの枠の下端及び上端に連結することで枠体を形成してもよい。
【0020】
さらに、鍵付き扉31は、最上端の棚板30の上側にある内部空間93の前側を塞いでいる。図5に示すように、鍵付き扉31は、上下両端で横方向に延びる直線状の支持部31aの外側に複数の格子要素31bが固定される。格子要素31bは、上下方向に延びる断面矩形の柱状であり、複数の格子要素31bは、略等間隔で平行に配置される。支持部31a及び格子要素31bは、アルミニウム合金等の金属により形成される。
【0021】
鍵付き扉31は、枠体12の前側F端において、内部空間93の前方を覆うように取り付けられる。図2に示すように、鍵付き扉31は、右側R端部で例えばヒンジ等により枠体12に支持されることにより、枠体12に対し内部空間93の前方を開閉可能に取り付けられる。これにより、鍵付き扉31は、収納棚10において側方に直交する方向の一方側である前方を覆うように上下方向の一部に取り付けられる。図1図2では鍵付き扉31が枠体12の上端部に取り付けられているが、上下方向中間部または下端部に取り付けられてもよい。
【0022】
図5に示すように、鍵付き扉31の先端部である左側L端部には、錠装置32が取り付けられている。鍵付き扉31を閉めた状態で、専用の鍵を錠装置32の前側に露出する鍵穴に入れて回すことで錠装置32の裏側に設けられた施錠レバー(図示せず)が回動して、柱部14等、枠体12の一部に係合することで鍵付き扉31が施錠される。これにより、鍵付き扉31の内側の内部空間93に配置された被収容物の防犯性を高くできる。
【0023】
収納棚10では、枠体12の後方は化粧パネルにより塞がれないが、図6等のように後側B端を壁101に接近させて収納棚10を配置することで、実質的に内部空間93の周囲が覆われた状態とすることができる。また、収納棚10の上端は開放されているが、一般的な人の身長より収納棚10の高さを大きくすることで、防犯性を高くできる。なお、図6では、化粧パネル及び鍵付き扉の図示を省略している。
【0024】
鍵付き扉31の内側の内部空間93には、図2に示す分電盤46及び屋外コンセント48の一方または両方が設置される。分電盤46、屋外コンセント48は、ブラケットまたは板状部材を介して枠体12に固定されてもよい。分電盤46、屋外コンセント48は、電力供給部に相当する。内部空間93に分電盤46及び屋外コンセント48の一方または両方が設置されることで、収納棚10は、収納棚10に収納または取り付けられた電気機器の電源を内部に確保できる。
【0025】
図6は、実施形態において、建物100から分電盤46に電力を供給する状態を示す図である。収納棚10に分電盤46が設置される場合には、建物100の壁101から商用電源に接続された電線49が引き出され、その電線49が収納棚10の後方から分電盤46に接続される。
【0026】
図7は、実施形態において、建物100から屋外コンセント48に電力を供給する状態を示す図である。収納棚10に屋外コンセント48が設置される場合も、分電盤46(図6)の場合と同様に、建物100の壁101から商用電源に接続された電線50が引き出され、その電線50が収納棚10の後方から屋外コンセント48に接続される。
【0027】
分電盤46または屋外コンセント48に接続された、電気機器接続用の電源線(図示せず)は、インターフォン105等の電気機器に接続されることで電力が供給される。電源線の少なくとも一部は、枠体12の柱部14の一部の溝に、溝に沿うように配置されることで、電源線が外部から見えにくくなる。さらに、枠体12により電源線が保護されるので、断線の恐れが少なくなる。
【0028】
鍵付き扉31の内側の内部空間93には後述の図9図10に示すように第1電気機器として監視カメラ(ビデオカメラ)51も設置される。
【0029】
図8は、図2のE部を図2とは異なる向きから見た拡大斜視図である。図8に示すように、枠体12の一部の連結部18の溝18aには第2電気機器としての照明装置52の少なくとも一部が配置される。照明装置52は、溝18aに配置される直線状の導光棒53を含んでいる。図8では斜格子部により導光棒53を示している。導光棒53は、アクリル樹脂等の透光性を有する樹脂材料またはガラス等から形成される。これにより、導光棒53が収納棚10に固定されると共に、導光棒53が収納棚10の外側または内側に大きく突出することを抑制できる。導光棒53の一端には発光ダイオード等を有する光源(図示せず)を対向させて導光棒53を全体的に発光させることができる。光源は白熱電球等としてもよい。光源を連結部18の溝18aに配置することで枠体12に固定してもよい。光源には分電盤46(図2)または屋外コンセント48(図2)から電源線を介して電力が供給される。その電源線の一部は、連結部18及び柱部14の一方または両方の溝に、溝に沿うように配置してもよい。このような導光棒53により収納棚10の一部を明るくすることができる。これにより防犯性が向上する。導光棒53は、図2のA1で示した連結部18に配置するだけでなく、A2で示した下端の連結部18の溝や、A3、A4で示した一部の柱部14の溝に配置してもよい。また、2つの棚板30のA5,A6で示す前側F端に水平方向の溝を形成し、その溝に導光棒53を配置してもよい。これにより、収納棚10の多くの部分を明るくすることができる。
【0030】
図9は、実施形態の収納棚10の使用状態の1例と、収納棚10から取り出した電力供給部、監視カメラ51及び複数の被収納物とを示す斜視図である。図10は、実施形態において監視カメラ51を設置した状態を示す図5に対応する図である。図9図10に示すように、鍵付き扉31の内側の内部空間93には監視カメラ51(第1電気機器)が設置される。監視カメラ51は、収納棚10や建物100に近づく不審者を動画で撮影し、その動画を記録するために使用される。監視カメラ51は、例えば鍵付き扉31の内部空間93側に取り付けられる。このとき、監視カメラ51の撮影レンズ51aを格子要素31b間の隙間に対向させて外側を撮影可能としている。監視カメラ51には、分電盤46(図2)または屋外コンセント48から電力が供給される。監視カメラ51で記録された動画のデータは、Wi-Fi(登録商標)方式等の無線通信で、建物内部の受信機に転送され、その受信機または受信機に接続されたコンピュータに記録してもよい。なお、鍵付き扉が板状部材に施錠装置が組み込まれた構成である場合に、監視カメラ51の少なくとも一部が化粧パネルに埋め込まれて撮影レンズ51aが外側に露出した状態で設置されてもよい。このように内部空間93に監視カメラ51が設置されるので、不審者に監視カメラ51の存在を気づかれにくくすることにより、不審者を撮影しやすくなる。
【0031】
図9に示すように、収納棚10には、被収納物として、電動自転車用の充電器54や、食材宅配コンテナ55等が配置されてもよい。
【0032】
上記の収納棚10及び宅配ボックス付き収納棚によれば、鍵付き扉31の内側に分電盤46及び屋外コンセント48の一方または両方と、監視カメラ51とが設置される。さらに、内部空間93の前方が鍵付き扉31で施錠され、両側の側方が化粧パネル40で覆われるので、防犯性を向上できると共に、ユーザが分電盤46及び屋外コンセント48に容易に触れられない状況を作り出せるので安全性を高くできる。しかも、分電盤46、屋外コンセント48及び監視カメラ51は、ユーザの電源線の接続切り換えの頻度や操作頻度が少ないので、鍵付き扉31で施錠されていることによる不都合は高くない。なお、内部空間93には、分電盤46、屋外コンセント48、及び監視カメラ51の一方のみが設置されていてもよい。さらに、本例の宅配ボックス付き収納棚によれば、宅配ボックスを単体で玄関先に置く場合に比べて見栄えを向上できる。
【0033】
図11は、別例の2例の化粧パネル70,72を示す斜視図である。図11(a)の化粧パネル70は、板状部材の外面に模様が描かれたり、凹凸が形成された外装材により形成される。図11(b)の化粧パネル72は、アルミニウム等の金属板の複数位置に全体的に分散して穴73が形成されたパンチングメタルにより形成される。化粧パネルは外面が無地の平坦な板材から形成されてもよい。上記の図1図10に示した構成では、2つの格子状の化粧パネル40の一方または両方の代わりに、図11(a)または図11(b)またはその他の化粧パネル70,72が用いられてもよい。
【0034】
図12は、実施形態の別例の収納棚10aの設置状態を示す図である。図12に示す構成では、収納棚10aの一方側の側方を建物の壁に接近させた状態で、他方側を道路側(図12の紙面の表側)に向けている。収納棚10aの被収納物の取り出し方向である前側Fは、扉102側に向けている。この設置状態に応じて、収納棚10aの扉と反対側の後側B端には、格子状の化粧パネル40が取り付けられて、収納棚10aの後方を覆っている。
【0035】
収納棚10aの上端部の鍵付き扉31の内側の内部空間93には、第1電気機器に相当する照明装置56が設置される。照明装置56は、矢印α方向のように異なる多くの方向に照明光を照射させて、収納棚10aの外側を明るくしている。収納棚10aの上下方向中間部の空間には郵便ポスト103と、被収納物を入れられる薄型の外部収納部57とが配置される。内部空間93の前側F端は鍵付き扉31で施錠され、道路側端、壁101側端、及び後側B端は化粧パネル40で覆われる。この場合には、壁101側端の化粧パネルを省略してもよい。本例の構成によっても、内部空間93に設置された照明装置56の防犯性を高くできる。本例において、その他の構成及び作用は、図1図10に示した構成と同様である。
【0036】
図13は、複数の収納棚を連結する状態の1例において、化粧パネル40(図1)を省略して示す斜視図である。図13に示すように、収納棚の枠体12は横方向に複数個を1列に連結することにより、横方向に長い収納棚を形成することができる。このとき、横方向に隣り合う化粧パネルを連結してもよいが、各収納棚の枠体12で前側F端及び後側B端の連結部18の下端に柱部14の上端または下端を連結し、前側F端及び後側B端の連結部18の両端を化粧パネルより側方に突出させ、隣り合う収納棚で対向する連結部18の端部を連結してもよい。このとき、前側F端及び後側B端の連結部18の長手方向両端面に凹部または凸部を形成し、対向する連結部18で凹凸嵌合させてもよい。
【0037】
また、照明装置を構成する導光棒58を収納棚に固定することもできる。導光棒58は、2つの平行な直線部と、直線部の一端を連結する直線部とにより略U字形に形成される。導光棒58は、例えば、枠体12の2つの柱部14とその上端付近に配置される連結部18とのそれぞれに形成された溝に挿入することで収納棚に固定してもよい。例えば、図3に示すように連結部18の上端の水平方向の溝18aとその溝18aに連続する柱部14の上下方向の溝14c(または14d)とに、導光棒58の直交する2つの直線部を挿入することができる。
【0038】
図13では、枠体12の下端の連結部18と一部の棚板30とに形成した溝にも、図2図8に示した場合と同様に、直線状の導光棒53が配置される。各導光棒53,58の一端には光源(図示せず)を対向させて導光棒53,58を全体的に発光させる。
【0039】
図14は、鍵付き扉31(図1参照)の内側の内部空間93に建物100から電力を供給する状態の別例を示す図である。本例の場合には、収納棚の内部空間には、監視カメラ、照明装置等の第1電気機器のみが設置され、分電盤及び外部コンセントのいずれも内部空間93には設置されない。図14では第1電気機器の図示を省略している。この場合、第1電気機器から導出される電源線60のプラグが、壁101に取り付けられた壁コンセント61に接続されることで、建物100の内部から商用電源の電力が供給される。この場合でも、内部空間93の前方は鍵付き扉31で施錠されるので、第1電気機器の防犯性を高くできる。本例において、その他の構成及び作用は、図1図10の構成と同様である。
【0040】
上記では、枠体12の両側の側方、または枠体12の側方及びこの側方に直交する後方が化粧パネルにより覆われる場合を説明した。一方、壁の直交する2つの壁面の両方に収納棚を接近して配置するのであれば、枠体12の側方の一方側端のみに化粧パネルが取り付けられ、前側端に鍵付き扉が取り付けられて施錠されてもよい。この場合でも、鍵付き扉の内側の内部空間に設置される電力供給部または第1電気機器の防犯性を高くできる。
【0041】
上記では、枠体の柱部14及び連結部18は、四面に溝が形成された構成を説明したが、溝は、柱部及び連結部の一部の面だけに形成されてもよく、また、柱部及び連結部は、全ての面に溝がない形状としてもよい。また、上記では枠体が直方体である場合を説明したが、本開示ではこれに限定せず種々の形状、例えば円柱状、多角柱状等で、複数の直線部を含んで形成される形状の枠体としてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10,10a 屋外用収納棚(収納棚)、12 枠体、14 柱部、14a,14b,14c,14d 溝、18 連結部、18a,18b,18c,18d 溝、30 棚板、31 鍵付き扉、40 化粧パネル、46 分電盤、48 屋外コンセント、51 監視カメラ、52 照明装置、53,58 導光棒、56 照明装置。
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