(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】警報器用の袋
(51)【国際特許分類】
A45C 11/18 20060101AFI20230127BHJP
A45C 9/00 20060101ALI20230127BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20230127BHJP
A45C 11/10 20060101ALI20230127BHJP
A45C 7/00 20060101ALI20230127BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
A45C11/18 B
A45C9/00 F
A45C9/00 G
A45C11/00 E
A45C11/10
A45C7/00 H
G08B23/00 520D
(21)【出願番号】P 2018128172
(22)【出願日】2018-07-05
【審査請求日】2021-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】505471222
【氏名又は名称】株式会社ミレーヌ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】土屋 崇幸
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-051186(JP,A)
【文献】登録実用新案第3119112(JP,U)
【文献】登録実用新案第3023858(JP,U)
【文献】特開2006-339467(JP,A)
【文献】実開昭60-042122(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 7/00 - 11/38
G08B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋体(1)は、表材(1a)と裏材(1b)でなり、
前記表材(1a)と前記裏材(1b)は、チャック、面ファスナ、ボタンの何れかの中で選択された、少なくとも、一つの閉め具を備え、
た警報器用の袋であって、
前記表材(1a)には、一つの孔(3)を開設し、
前記孔(3)には、前記袋体(1)に差入れた
前記警報器のスイッチ、及び前記警報器のスピーカを嵌め込み、
前記スイッチ、及び/又は、前記スピーカの、表面(A3)を、前記表材(1a)より露出するように配備し、
前記スイッチ、及び前記スピーカは、前記警報器(A)の表面(A3)より突出する構成であって、前記表材(1a)、又は前記裏材(1b)より、出代の構成とした警報器用の袋。
【請求項2】
袋体(1)は、表材(1a)と裏材(1b)でなり、
前記表材(1a)と前記裏材(1b)は、チャック、面ファスナ、ボタンの何れかの中で選択された、少なくとも、一つの閉め具を備え、
た警報器用の袋であって、
前記表材(1a)には、複数の孔(3)を開設し、
前記複数の孔(3)の一つに、前記袋体(1)に差入れた警報器のスイッチを、前記複数の孔(3)の異なる一つに、前記警報器のスピーカを嵌め込み、
前記スイッチ、及び/又は、前記スピーカの、表面(A3)を、前記表材(1a)より露出するように配備し、
前記スイッチ、及び前記スピーカは、前記警報器(A)の表面(A3)より突出する構成であって、前記表材(1a)、又は前記裏材(1b)より、出代の構成とした警報器用の袋。
【請求項3】
前記警報器のスピーカを、前記孔(3)に配備することを特徴とした請求項1、又は請求項2のいずれか1項に記載の警報器用の袋。
【請求項4】
前記警報器の発信部には、警報音声を発する第1発信部と、警報メドレー音声を発する第2発信部とを備えていることを特徴とした請求項1、又は請求項2のいずれか1項に記載の警報器用の袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報器用の袋であって、詳しくは、車中の混雑時、夜間とか、人気の少ない所等において、発生する痴漢対策として、有益な警報器用の袋に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、前記車中混雑時、夜間とか、人気の少ないところ等において、発生する痴漢対策として、種々の警報器具が市販、かつ提案されている。しかし、機能面とか、大きさ、等に関する希望を十分に満たしていないと考えられる。そこで、これらの問題を解決できて、かつ使い勝手がよい構造に関して、先行文献を列挙する。
【0003】
特開平8-10025号公報(文献(1))は、ケースの所定個所(部位)にカードを抜き差しできること、及び電気回路を利用し、例えば、カードを抜き、部位に設けた検出器部材(スイッチ)と離間し、かつ定められた時間外となった状態下で、警報音が作動する構造であり、確実に動作して、緊急時に対応する。この発明は、有益であるが、構造が複雑であり、故障の原因となること、使い勝手に簡便性を欠くことが考えられる。
【0004】
実用新案登録第3162049号公報(文献(2))は、押しボタンはネット状の被覆部で覆われていて露出していないが、クッション材で囲まれているため,被覆部の表裏どちらからでも押圧でスイッチが入る仕組みの構造である。押圧操作で、鳴動する。しかし、この考案は、有効であるが、構造的に、成人が持ち歩くには、抵抗感がある。また、警報器としてのみの考案であり、利用価値が少ないと考えられる。
【文献】特開平8-10025号公報
【文献】実用新案登録第3162049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に鑑み、本発明は、構造が簡単で、人目に付かなく、かつ確実に操作できることから、例えば、車中混雑時、夜間とか、人気の少ないところ等において、発生する痴漢対策として、有益な警報器用の袋を提供する。これにより、従来の課題を解決しつつ、痴漢をなくし、安全な乗車と、外出ができる生活環境を確保できる機器の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明は、上記の警報器用の袋を開示するために、請求項1-4を提示する。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明は、
袋体(1)は、表材(1a)と裏材(1b)でなり、
表材(1a)と裏材(1b)は、チャック、面ファスナ、ボタンの何れかの中で選択された、少なくとも、一つの閉め具を備え、
た警報器用の袋であって、
表材(1a)には、一つの孔(3)を開設し、
各孔(3)には、袋体(1)に差入れた警報器のスイッチ、及び警報器のスピーカを嵌め込み、
スイッチ、及び/又は、スピーカの、表面(A3)を、表材(1a)より露出するように配備し、
スイッチ、及びスピーカは、警報器(A)の表面(A3)より突出する構成であって、表材(1a)、又は裏材(1b)より、出代の構成とした警報器用の袋である。
【0008】
従って、請求項1においては、袋を手で保持する時、又はポケット、カバン、バック等への収容時、或いは衣服の下であっても、直ちに、警報器のスイッチを操作できる利点と、怪しまれず警報器を操作できる利点とを有する。これにより、気づかれずに警報器の操作(作動)と、警報音を発し得る特徴がある。また、痴漢被害から身を守り得る。また、孔にスイッチがあることから、誤動作の発生もなく、かつ確実に操作できる実益がある。
【0009】
請求項2の発明は、
袋体(1)は、表材(1a)と裏材(1b)でなり、
表材(1a)と裏材(1b)は、チャック、面ファスナ、ボタンの何れかの中で選択された、少なくとも、一つの閉め具を備え、
た警報器用の袋であって、
表材(1a)には、複数の孔(3)を開設し、
複数の孔(3)の一つに、袋体(1)に差入れた警報器のスイッチを、複数の孔(3)の異なる一つに、警報器のスピーカを嵌め込み、
スイッチ、及び/又は、スピーカの、表面(A3)を、表材(1a)より露出するように配備し、
スイッチ、及びスピーカは、警報器(A)の表面(A3)より突出する構成であって、表材(1a)、又は裏材(1b)より、出代の構成とした警報器用の袋である。
【0010】
従って、請求項2では、請求項1の特徴と、複数の孔を備える利点がある。
【0011】
請求項3の発明は、警報器のスピーカを、孔(3)に配備することを特徴とした警報器用の袋である。
【0012】
従って、請求項3では、請求項1の特徴と、ポケット等への収容時、或いは衣服の下(隠れた場所)等の場合でも、警報音を発することができる利点がある。
【0013】
請求項4の発明は、警報器の発信部には、警報音声を発する第1発信部と、警報メドレー音声を発する第2発信部とを備えていることを特徴とした警報器用の袋である。
【0014】
従って、請求項4の発明は、請求項1と同じ特徴があり、かつ車中での使用と、夜間とか、人気の少ないところでの使用を区別して操作できることから、使用に躊躇することなく、安心して使用できること等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
各図は、袋の一例として、パスケースを図示し、以下に提示する。
【
図6】
図4の展開した状態で第1内袋に、警報器を収容する前の状態、又は収容後の状態の斜視図
【
図11】操作と、その機構の手順を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1-
図7において、1は警報器Aを収容する袋体であり、この袋体1は、例えば、パスケースとか、ポーチ、小銭入れポーチ、その他のポーチ、さらには、カード入れ、パスポート入れ、定期入れ、その他の入れ物、又は例えば、煙草入れケース、筐形ケース、吊下げケース等のその他のケース等の何れか一つの袋形態である(袋であれば限定されない)。
【0018】
そして、この袋体1は、一枚の素材(表裏材1a、1b)を折り曲げて、その端辺(周辺)に、帯状の連結用の側繋材1cを縫着2することで形成されている。この側繋材1c、及び/又は、縫着2は一例であり、他の方法としては、袋体1は、一枚素材の折り畳みとするか(側繋材1cを含めて)、また、縫着2は、溶着手段、接合手段、その他の一体化方法等とする。この表裏材1a、1bの外側は、袋体1の表裏面100、101となる。通常の袋の素材と成形方法を利用することが望ましいが、限定されない。また、寸法とか厚み等も限定されない。
【0019】
この表裏材1a、1bで形成されている袋体1は、その表面100が表材1aであり、その裏面101が裏材1bとなる。そして、この表面100(表材1a)、又は裏面101(裏材1b)には、例えば、花びら形とか、コーン形の孔3を開設する。この孔3には、少なくとも、第1内袋7aに収容した警報器AのスイッチA1、及び/又は、スピーカA2が位置する。そして、望ましくは、スイッチA1、及び/又は、スピーカA2の何れ、又は双方が露出する。即ち、直接、接触するような構成とする。これにより、間違いなく、操作できる構成とする。この例では、警報器Aの表面A3より、突出する構成とし、表面100(表材1a)、又は裏面101(裏材1b)より、僅かであるが、出代の構成である。そして、スイッチA1は、表面が平坦形状(円板形状)とし、確実に押圧容易とすることと、二条の切欠きを備えた脚部を形成し、この先にスイッチA1を形成した構成を採用することで、例えば、スイッチA1を僅かの力で、操作可能とする。スィッチA1を切り替える際の復元性を確保する。また、スピーカA2は、緩やかな山形形状で、スピーカA2には、スリットを備える。スリットは、音の外部への発信部であり、山形形状は、音色にナレーション効果とか、インパクトを周辺の人に与え得ると考えられる。尚、両者(スイッチA1とスピーカA2)の、少なくとも、表面形状を違えることで、例えば、押圧誤操作回避と、操作の確実化・容易化等を意図する。
【0020】
側繋材1cには、袋体1の開閉部102を開閉するファスナ5(チャック、面ファスナ、ボタン等も可能である。即ち、閉め具である)と、ファスナ5を操作する取手6を備えている。そして、このファスナ5の操作を介して、開閉部102を解放し、袋体1の内部を確認する。また、表裏材1a、1b間に、緩衝部材を配備することも有り得る。図示しないが、例えば、袋体1には、定期券の視認性確保を意図し透明部を備える。
【0021】
以上の袋体1、第1~第n内袋(後述する)と、側繋材1cで袋を形成し、この袋を開閉する開閉手段(ファスナ5)等を備える。
【0022】
また、図中6は取手で、ファスナ5を操作する手段である。この一例では、袋体1の開閉部102の開口103を開閉する開閉用のファスナ5の一部品であり、取手6により、ファスナ5を操作し(開放し)、この開閉部102を開閉する。そして、この開放で、第1~第n内袋7a~7nに警報器Aとかパス、カード、パスポート、証明書、その他の品物を収容する。例えば、第1内袋7aに警報器Aを、第2内袋7bにパス(図示せず)を収容する。尚、第1内袋7aを袋体1内に設ける位置は、警報器Aが簡易、かつスムーズに差し入れできる構成とすることが望ましい。
【0023】
袋体1の素材、及び/又は、第1~第n内袋7a~7nは、例えば、布地、ビニール、皮、合成皮革、等の何れでも可能である。また、袋体1の素材、及び/又は、第1~第n内袋7a~7nの形態とか、大きさは自由である。
【0024】
図示しないが、孔3は、一部、又は全部を、メッシュ、フイルム等の薄い素材(被覆材)で覆うことも可能である。孔3の数は、一個に限定されず、複数個も有りえる。複数個の孔3に、それぞれ、スイッチA1とスピーカA2を設けることも有り得る。
【0025】
使用の一例を説明すると、
図6の如く、袋体1の開閉部102を開放する。その第1内袋7aの口より警報器Aを差し入れる。その際に、警報器AのスイッチA1、及び/又は、スピーカA2を、袋体1の孔3に嵌め込み、スイッチA1、及び/又は、スピーカA2が、表材1aに現れる。現れる形態は、表材1aより突出する
構成であり、限定されないが、望ましくは、少し、露出することが、スイッチA1の操作性、操作の容易性等に有効であり、かつ警報器Aの第1発信部(図示しない)から、例えば、警報音声が、又は第2発信部(図示しない)から、警報メドレー(メドレー音声)が、それぞれ発せられる。即ち、痴漢回避・撃退に有効であり、かつ危険回避に有効である。そして、望ましくは、外部、夜間等の人の少ない処では、警報音が、車内等の人の多い処では、警報メドレーが、発せられる。この警報音声により、例えば、痴漢回避・撃退に有効であり、かつ危険回避に有効である。また、加害者への警報、注意喚起にも有効性があることと、警報メドレーは警報音声(ブザー)と異なり、被害者は心置きなく操作できること、等の有効性が担持される。スイッチA1を一秒間長押しすると、警報音声が、又は、一秒間に三回押すと警報メドレーが発信される構成である。音声の楽譜は、例えば、
図10に示してある。また、音声発信中に、再度、スイッチA1を押すことで、停止する。
【0026】
図9は回路図で、バッテリー20a、20bを自動制御するバッテリー処理部(バッチ処理部)21と、中央演算基板(CPU)22と、これに接続されたICSP基板23と、このICSP基板23は、電源供給制御用基板24を制御するとともに、中央演算基板(CPU)22に司令を伝える。前記バッテリー処理部(バッチ処理部)21による制御で、発信部の第1発信部と第2発信部より警報音声と警報メドレーとを、適宜、切り替え可能とする。尚、MCLR25は、各種機器の切り替えを図る。例えば、音声の切り替えとか、ストップの司令制御、又は電源の入り切り等の制御とかが考えられる。中央演算基板(CPU)22に接続されている。
【0027】
【0028】
図11は、動作(操作)の一例を示すものであり、スタートで、電源をONとする。そして、緊急時、スイッチA1を押す(ST-1)。例えば、警報音声では、一秒間長押しすると、回路図の構成から、スピーカA2から発信される(ST-2)。痴漢撃退と、周囲に緊急時であることを知らしめる(ST-3)。即ち、各人の助けで、未然に解決できるか、又は最悪の状態は回避できることが理解できる。(ST-1)が、不幸にして、誤動作、及び/又は、(ST-3)が解決した等の場合には、戻るか、又は発信中にスイッチA1を押すことで発信は止まる(終了する)。尚、図示しないが、警報メドレーにおいても、前述の工程と同じあるが、スイッチA1の押し方が異なる。即ち、スイッチA1を、一秒間に三回押すことで始まる(ST-1)。その後は、前述の例に準ずる。
【0029】
前述した各実施例等は、本発明の好ましい一例の説明である。各実施例とか図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造とか、同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0030】
1 袋体
1a 表材(表面100)
1b 裏材(裏面101)
1c 側繋材
102 開閉部
103 開口
2 縫着
3 孔
5 ファスナ
6 取手
7a~7n 第1内袋~第n内袋
20a、20b バッテリー
21 バッテリー処理部
22 中央演算基板(CPU)
23 ICSP基板
24 電源供給制御用基板
25 MCLR
A 警報器
A1 スイッチ
A2 スピーカ
A3 表面