(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】配電網内の動的故障検出のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/08 20200101AFI20230127BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20230127BHJP
G01R 31/58 20200101ALI20230127BHJP
【FI】
G01R31/08
H02J13/00 301D
G01R31/58
(21)【出願番号】P 2018565392
(86)(22)【出願日】2017-06-04
(86)【国際出願番号】 IB2017053298
(87)【国際公開番号】W WO2017216673
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-05-15
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517396504
【氏名又は名称】エレクトリカル グリッド モニタリング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミロン, エイアル
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0315092(US,A1)
【文献】特開2005-121434(JP,A)
【文献】特開2006-323440(JP,A)
【文献】特開平06-162381(JP,A)
【文献】特開平07-043410(JP,A)
【文献】特開平08-172719(JP,A)
【文献】特開2011-122939(JP,A)
【文献】特開2004-053361(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0167522(US,A1)
【文献】特表2017-516983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/08
H02J 13/00
G01R 31/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電網内の故障を検出するための方法であって、前記方法は、
前記配電網内で、電流測定センサおよび電圧測定センサのうちの少なくとも1つを備える複数の配電網測定デバイスを分配するステップであって、前記配電網測定デバイスは、電流測定および電圧測定のうちの少なくとも1つを測定し、それらの個別の発生時間で複数の測定を形成するように動作する、ステップと、
少なくとも1つの故障タイプを定義するステップと、
前記少なくとも1つの故障タイプを検出するための少なくとも1つの規則を定義するステップであって、前記規則は、前記故障タイプを前記測定のうちの少なくとも1つと関連付ける、ステップと、
前記測定を実行するステップと、
前記少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出するステップと、
前記配電網測定デバイスのうちの少なくとも2つから前記測定のうちのいずれかを受け取るステップと、
前記少なくとも2つの配電網測定デバイスの前記測定の測定値間の差を測定するステップと、
前記差の反復時間依存性変化を検出するステップと、
前記配電網内の故障を前記反復時間依存性変化と関連付けるステップと
を含み、前記測定の前記測定値は、電圧、電流、および電力、過渡電圧および/または過渡電流、電圧または電流のスパイク、電圧または電流のサージ
のうちの少なくとも1つの絶対値、値の変化、および値の変化率、瞬間変化のうちの少なくとも1つを備える、方法。
【請求項2】
前記規則は、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、異なる時間に実行される測定と、
複数の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加えて、
ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、およびケーブル角度のうちの少なくとも1つを測定すること
を含み、
前記少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出することは、前記電流測定および前記電圧測定のうちの少なくとも1つを、ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、ケーブル角度、および時刻の前記測定のうちの少なくとも1つと相関させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記故障は、
物体によって接触されている前記配電網のケーブルと、
前記ケーブルに発生する腐食と、
クランプに発生する腐食と、
前記ケーブルの損傷した絶縁体と、
前記ケーブルと関連付けられる発生中の電流漏出と、
不良な接続と、
ホットスポットと、
擦り切れたケーブルと
のうちの少なくとも1つである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記時間依存性変化は、単調、周期的、および反復的のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2つの配電網測定デバイスは、それぞれ、前記時間依存性変化を検出し、前記少なくとも2つの配電網測定デバイスは、異なる値の時間依存性変化を検出した、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記時間依存性変化は、反復的であり、前記故障は、物体によって接触されている前記配電網のケーブルである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記時間依存性変化は、単調であり、前記故障は、発生中の電流漏出である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記時間依存性変化は、周期的であり、時刻および温度のうちの少なくとも1つと相関関係があり、前記故障は、発生中の腐食および損傷した絶縁体のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
加えて、
前記測定を実行すること、前記測定を収集すること、および前記測定を通信することのうちの少なくとも1つのための規則を定義することを含み、前記規則は、故障と関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
加えて、
前記測定、前記規則に従った前記測定の前記分析の結果、および前記故障のうちの少なくとも1つを通信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
加えて、
期間内に第1の測定デバイスによって実行される連続測定の間の値の反復変化を検出することと、
値の前記反復変化が、前記第1の測定デバイスの近位にある少なくとも1つの第2の測定デバイスの前記期間内の連続測定の間の値の変化と実質的に異なる、故障を決定することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
非一過性のコンピュータ可読媒体上に具現化されるコンピュータプログラム製品であって、前記非一過性のコンピュータ可読媒体は、命令を含み、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
配電網の少なくとも1つの故障タイプを定義することと、
前記少なくとも1つの故障タイプを検出するための少なくとも1つの規則を定義することであって、前記規則は、前記故障タイプを少なくとも1つのタイプの測定と関連付ける、ことと、
複数の測定を実行することであって、前記測定は、前記配電網内に分配される複数の配電網測定デバイスによって実行され、前記配電網測定デバイスは、電流測定センサおよび電圧測定センサのうちの少なくとも1つを備え、前記配電網測定デバイスは、電流測定および電圧測定のうちの少なくとも1つを測定し、それらの個別の発生時間で複数の測定を形成するように動作する、ことと、
少なくとも2つの配電網測定デバイスの測定の測定値間の差を測定することと、
前記差の反復時間依存性変化を検出することと、
故障を前記反復時間依存性変化と関連付けることと、
前記少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出することと
を含む動作を実施させ、前記測定の前記測定値は、電圧、電流、および電力、過渡電圧および/または過渡電流、電圧または電流のスパイク、電圧または電流のサージ
のうちの少なくとも1つの絶対値、値の変化、および値の変化率、瞬間変化のうちの少なくとも1つを備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
前記規則は、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、異なる時間に実行される測定と、
複数の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と
のうちの少なくとも1つを備える、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
加えて、
ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、およびケーブル角度のうちの少なくとも1つを測定することを含み、
前記少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出することは、前記電流測定および前記電圧測定のうちの少なくとも1つを、ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、ケーブル角度、および時刻の前記測定のうちの少なくとも1つと相関させることを含む、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記故障は、
物体によって接触されている前記配電網のケーブルと、
前記ケーブルに発生する腐食と、
クランプに発生する腐食と、
前記ケーブルの損傷した絶縁体と、
前記ケーブルと関連付けられる発生中の電流漏出と、
不良な接続と、
ホットスポットと、
擦り切れたケーブルと
のうちの少なくとも1つである、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記時間依存性変化は、単調、周期的、および反復的のうちの少なくとも1つである、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
少なくとも2つの配電網測定デバイスは、それぞれ、前記時間依存性変化を検出し、前記少なくとも2つの配電網測定デバイスは、異なる値の時間依存性変化を検出した、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記時間依存性変化は、反復的であり、前記故障は、物体によって接触されている前記配電網のケーブルである、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記時間依存性変化は、単調であり、前記故障は、発生中の電流漏出である、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
前記時間依存性変化は、周期的であり、時刻および温度のうちの少なくとも1つと相関関係があり、前記故障は、発生中の腐食および損傷した絶縁体のうちの少なくとも1つである、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
加えて、
前記測定を実行すること、前記測定を収集すること、および前記測定を通信することのうちの少なくとも1つのための規則を定義することを含み、前記規則は、故障と関連付けられる、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
加えて、
前記測定、前記規則に従った前記測定の前記分析の結果、および前記故障のうちの少なくとも1つを通信することを含む、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
加えて、
期間内に第1の測定デバイスによって実行される連続測定の間の値の反復変化を検出することと、
値の前記反復変化が、前記第1の測定デバイスの近位にある少なくとも1つの第2の測定デバイスの前記期間内の連続測定の間の値の変化と実質的に異なる、故障を決定することと
を含む、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項25】
配電網内の故障を検出するシステムであって、前記システムは、
前記配電網内に分配される複数の配電網測定デバイスであって、前記配電網測定デバイスはそれぞれ、電流測定センサおよび電圧測定センサのうちの少なくとも1つを備え、前記配電網測定デバイスは、電流測定および電圧測定のうちの少なくとも1つを測定し、それらの個別の発生時間で複数の測定を形成するように動作する、配電網測定デバイスと、
前記複数の配電網測定デバイスに通信可能に結合され、前記複数の配電網測定デバイスから、それらの個別の発生時間で前記複数の測定を受信するように構成される、少なくとも1つのコンピューティングデバイスと
を備え、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスは、少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出するように構成され、前記規則は、故障タイプを前記測定のうちの少なくとも1つと関連付けるように構成され、
前記規則は、加えて、
少なくとも2つの配電網測定デバイスの測定の測定値間の差を測定することと、
前記差の反復時間依存性変化を検出することと、
故障を前記反復時間依存性変化と関連付けることと
を含み、前記測定の前記測定値は、電圧、電流、および電力、過渡電圧および/または過渡電流、電圧または電流のスパイク、電圧または電流のサージ
のうちの少なくとも1つの絶対値、値の変化、および値の変化率、瞬間変化のうちの少なくとも1つを備える、システム。
【請求項26】
前記規則は、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、異なる時間に実行される測定と、
複数の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と
のうちの少なくとも1つを備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数の配電網測定デバイスのうちの少なくとも1つは、加えて、
ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、およびケーブル角度のうちの少なくとも1つを測定するように構成される少なくとも1つのセンサを備え、
前記規則は、加えて、前記電流測定および前記電圧測定のうちの少なくとも1つを、ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、ケーブル角度、および時刻の前記測定のうちの少なくとも1つと相関させることを含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記故障は、
物体によって接触されている前記配電網のケーブルと、
前記ケーブルに発生する腐食と、
クランプに発生する腐食と、
前記ケーブルの損傷した絶縁体と、
前記ケーブルと関連付けられる発生中の電流漏出と、
不良な接続と、
ホットスポットと、
擦り切れたケーブルと
のうちの少なくとも1つである、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記時間依存性変化は、単調、周期的、および反復的のうちの少なくとも1つである、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
少なくとも2つの配電網測定デバイスは、それぞれ、前記時間依存性変化を検出し、前記少なくとも2つの配電網測定デバイスは、異なる値の時間依存性変化を検出した、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記時間依存性変化は、反復的であり、前記故障は、物体によって接触されている前記配電網のケーブルである、請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
前記時間依存性変化は、単調であり、前記故障は、発生中の電流漏出である、請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
前記時間依存性変化は、周期的であり、時刻および温度のうちの少なくとも1つと相関関係があり、前記故障は、発生中の腐食および損傷した絶縁体のうちの少なくとも1つである、請求項25に記載のシステム。
【請求項34】
前記規則は、加えて、前記測定を実行すること、前記測定を収集すること、および前記測定を通信することのうちの少なくとも1つを含み、前記規則は、故障と関連付けられる、請求項25に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される方法および装置は、配電網の分野に関し、排他的ではないが、より具体的には、送電および配電ネットワークに関し、排他的ではないが、より具体的には、配電網内の故障を検出するステップに関する。
【背景技術】
【0002】
配電網は、多くの故障を有し得る。配電網の種々の構成要素は、故障し得、障害は、瞬間的、段階的、または断続的であり得る。いくつかの故障は、湿度、煙、塵、風、木等の環境によって引き起こされ得る。種々の故障および障害は、異なる特性を有し、異なる方法でネットワークに影響を及ぼし得る。配電網内の故障を特徴付ける、検出する、識別する、および位置を特定することは、既知の問題である。したがって、上記の制限を持っていないことが高度に有利であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一例示的実施形態によると、配電網内の故障を検出するためのシステム、方法、および/またはコンピュータプログラムが提供され、本システムは、配電網測定デバイスが電流測定センサおよび/または電圧測定センサを含む、配電網内に分配される複数の配電網測定デバイスであって、配電網測定デバイスは、電流測定および電圧測定のうちの少なくとも1つを測定し、それらの個別の発生時間で複数の測定を形成するように動作し、方法、デバイス、およびコンピュータプログラムは、ユーザが少なくとも1つの故障タイプを定義することを可能にする、配電網測定デバイスと、少なくとも1つの故障タイプを検出するための少なくとも1つの規則であって、該規則は、故障タイプを測定のうちの少なくとも1つと関連付け、測定を実行し、少なくとも1つの規則に従って測定を分析し、故障を検出する、規則とを含む。
【0004】
別の例示的実施形態によると、測定は、電圧、電流、および電力、過渡、スパイク、およびサージのうちの少なくとも1つの絶対値、値の変化、および値の変化率、瞬間変化のうちの少なくとも1つを含む。
【0005】
さらに別の例示的実施形態によると、規則は、単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定、単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、異なる時間に実行される測定、および複数の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同一時間中に実行される測定のうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
なおも別の例示的実施形態によると、本システムは、加えて、ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、およびケーブル角度のうちの少なくとも1つを測定する。
さらに、別の例示的実施形態によると、規則に従って測定を分析し、故障を検出するステップは、電流測定および/または電圧測定を、ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、ケーブル角度、および時刻のうちのいずれかの測定と相関させるステップを含む。
【0007】
なおもさらに、別の例示的実施形態によると、故障は、物体によって接触されている配電網のケーブル、ケーブルに発生する腐食、クランプに発生する腐食、ケーブルの損傷した絶縁体、ケーブルと関連付けられる発生中の電流漏出、不良な接続、ホットスポット、および擦り切れたケーブルのうちの少なくとも1つである。
【0008】
その上さらに、別の例示的実施形態によると、規則は、加えて、少なくとも2つの配電網測定デバイスの測定の間の差を測定するステップと、差の時間依存性変化を検出するステップと、故障を時間依存性変化と関連付けるステップとを含む。
【0009】
さらにまた、別の例示的実施形態によると、時間依存性変化は、単調、周期的、および反復的のうちの少なくとも1つである。
【0010】
加えて、別の例示的実施形態によると、規則は、2つ以上の配電網測定デバイスが、それぞれ、時間依存性変化を検出したとき、そして、これらの2つ以上の配電網測定デバイスが、異なる値の時間依存性変化を検出した場合、故障を決定する。
【0011】
なおも別の例示的実施形態によると、時間依存性変化は、反復的であり、故障は、物体によって接触されている配電網のケーブルである。
【0012】
さらに別の例示的実施形態によると、時間依存性変化は、単調であり、故障は、発生中の電流漏出である。
【0013】
さらに、別の例示的実施形態によると、時間依存性変化は、周期的であり、時刻および温度のうちの少なくとも1つと相関関係があり、故障は、発生中の腐食および損傷した絶縁体のうちの少なくとも1つである。
【0014】
なおもさらに、別の例示的実施形態によると、規則は、測定を実行、収集、および通信するように定義されることができ、規則および/または測定は、所定の故障と関連付けられる。
【0015】
その上さらに、別の例示的実施形態によると、本システムは、測定、規則に従った測定の分析の結果、および故障のうちの少なくとも1つを通信する。
【0016】
さらにまた、別の例示的実施形態によると、本システムは、少なくとも1つの測定を実行するステップ、少なくとも1つの測定を記憶するステップ、少なくとも1つの測定を分析し、分析結果を形成するステップ、および少なくとも1つの測定および分析結果のうちの少なくとも1つを通信するステップのうちの少なくとも1つを実行するように、第1の配電網測定デバイスに要求し得、要求は、第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の分析に起因する。
【0017】
加えて、別の例示的実施形態によると、要求は、測定の時間を含み、測定の時間は、第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の時間と関連付けられる。
【0018】
さらに別の例示的実施形態によると、要求される測定は、第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の時間の周辺の期間と関連付けられる。
【0019】
なおも別の例示的実施形態によると、事前決定された期間は、配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、過渡を検出する測定デバイスと近位測定デバイスとの間の過渡の移動時間以下である。
【0020】
さらに、別の例示的実施形態によると、測定のうちの少なくとも1つを通信するステップは、複数の低分解能測定を含み、要求は、複数の高分解能測定の要求を含む。
【0021】
なおもさらに、別の例示的実施形態によると、分解能は、複数の測定の時間分解能および/または反復率を含む。
【0022】
その上さらに、別の例示的実施形態によると、本システムは、第1の測定デバイスによる複数の過渡および過渡の対応する測定の時間を検出し、第1の測定デバイスの下流に設置された第2の測定デバイスが、第1の測定デバイスによって検出された過渡の測定の時間の周辺の事前決定された期間内に過渡を検出しなかったこと、および/または第1の測定デバイスの下流に設置された第2の測定デバイスが、第1の測定デバイスによって検出された過渡の測定の時間の周辺の事前決定された期間内に反復反対過渡を検出したことのうちの少なくとも1つに応じて、過渡を報告し得る。
【0023】
さらにまた、別の例示的実施形態によると、事前決定された期間は、配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、第1の測定デバイスと第2の測定デバイスとの間の過渡の移動時間以下である。
【0024】
加えて、別の例示的実施形態の方法によると、本システムは、期間内に第1の測定デバイスによって実行される連続測定の間の値の反復変化を検出し得、故に、規則は、値の反復変化が、第1の測定デバイスの近位にある少なくとも1つの第2の測定デバイスの期間内の連続測定の間の値の変化と実質的に異なる、故障を決定し得る。
【0025】
別様に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、関連技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書で提供される材料、方法、および実施例は、例証的にすぎず、限定的であることを意図していない。プロセス自体において必要または固有である場合を除き、図を含む本開示に説明される方法およびプロセスのステップまたは段階の特定の順序は、意図または含意されない。多くの場合、プロセスステップの順序は、説明される方法の目的または効果を変化させることなく、変動し得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
配電網内の故障を検出するための方法であって、前記方法は、
前記配電網内で、電流測定センサおよび電圧測定センサのうちの少なくとも1つを備える複数の配電網測定デバイスを分配するステップであって、前記配電網測定デバイスは、電流測定および電圧測定のうちの少なくとも1つを測定し、それらの個別の発生時間で複数の測定を形成するように動作する、ステップと、
少なくとも1つの故障タイプを定義するステップと、
前記少なくとも1つの故障タイプを検出するための少なくとも1つの規則を定義するステップであって、前記規則は、前記故障タイプを前記測定のうちの少なくとも1つと関連付ける、ステップと、
前記測定を実行するステップと、
前記少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出するステップと
を含む、方法。
(項目2)
前記測定は、電圧、電流、および電力、過渡、スパイク、およびサージのうちの少なくとも1つの絶対値、値の変化、および値の変化率、瞬間変化のうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記規則は、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、異なる時間に実行される測定と、
複数の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と
のうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載の方法。
(項目4)
加えて、
ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、およびケーブル角度のうちの少なくとも1つを測定すること
を含み、
前記少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出することは、前記電流測定および前記電圧測定のうちの少なくとも1つを、ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、ケーブル角度、および時刻の前記測定のうちの少なくとも1つと相関させることを含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記故障は、
物体によって接触されている前記配電網のケーブルと、
前記ケーブルに発生する腐食と、
クランプに発生する腐食と、
前記ケーブルの損傷した絶縁体と、
前記ケーブルと関連付けられる発生中の電流漏出と、
不良な接続と、
ホットスポットと、
擦り切れたケーブルと
のうちの少なくとも1つである、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記規則は、加えて、
少なくとも2つの配電網測定デバイスの測定の間の差を測定することと、
前記差の時間依存性変化を検出することと、
故障を前記時間依存性変化と関連付けることと
を含む、項目3に記載の方法。
(項目7)
前記時間依存性変化は、単調、周期的、および反復的のうちの少なくとも1つである、項目6に記載の方法。
(項目8)
少なくとも2つの配電網測定デバイスは、それぞれ、前記時間依存性変化を検出し、前記少なくとも2つの配電網測定デバイスは、異なる値の時間依存性変化を検出した、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記時間依存性変化は、反復的であり、前記故障は、物体によって接触されている前記配電網のケーブルである、項目6に記載の方法。
(項目10)
前記時間依存性変化は、単調であり、前記故障は、発生中の電流漏出である、項目6に記載の方法。
(項目11)
前記時間依存性変化は、周期的であり、時刻および温度のうちの少なくとも1つと相関関係があり、前記故障は、発生中の腐食および損傷した絶縁体のうちの少なくとも1つである、項目6に記載の方法。
(項目12)
加えて、
前記測定を実行すること、前記測定を収集すること、および前記測定を通信することのうちの少なくとも1つのための規則を定義することを含み、前記規則は、故障と関連付けられる、項目1に記載の方法。
(項目13)
加えて、
前記測定、前記規則に従った前記測定の前記分析の結果、および前記故障のうちの少なくとも1つを通信することを含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
加えて、
第1の配電網測定デバイスに、
少なくとも1つの測定を実行することと、
前記少なくとも1つの測定を記憶することと、
前記少なくとも1つの測定を分析し、分析結果を形成することと、
前記少なくとも1つの測定および前記分析結果のうちの少なくとも1つを通信することと
のうちの少なくとも1つを実行するように要求すること
を含み、
前記要求は、第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の分析に起因する、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記要求は、測定の時間を備え、前記測定の時間は、前記第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の時間と関連付けられる、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記要求される測定は、前記第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の前記時間の周辺の期間と関連付けられる、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記事前決定された期間は、前記配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、前記過渡を検出する前記測定デバイスと前記近位測定デバイスとの間の前記過渡の進行時間以下である、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記測定のうちの少なくとも1つを通信することは、複数の低分解能測定を備え、
前記要求は、複数の高分解能測定の要求を備える、項目14に記載の方法。
(項目19)
前記分解能は、前記複数の測定の時間分解能および反復率のうちの少なくとも1つを備える、項目18に記載の方法。
(項目20)
加えて、
第1の測定デバイスによって検出される複数の過渡および前記過渡の対応する測定の時間を検出することと、
前記過渡を報告することであって、前記報告することは、
前記第1の測定デバイスの下流に設置された第2の測定デバイスが、前記第1の測定デバイスによって検出された前記過渡の前記測定の時間の周辺の事前決定された期間内に過渡を検出しなかったことと、
前記第1の測定デバイスの下流に設置された第2の測定デバイスが、前記第1の測定デバイスによって検出された前記過渡の前記測定の時間の周辺の事前決定された期間内に反復反対過渡を検出したことと
のうちの少なくとも1つに応じて行われる、ことと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記事前決定された期間は、前記配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、前記第1の測定デバイスと前記第2の測定デバイスとの間の前記過渡の進行時間以下である、項目20に記載の方法。
(項目22)
加えて、
期間内に第1の測定デバイスによって実行される連続測定の間の値の反復変化を検出することと、
値の前記反復変化が、前記第1の測定デバイスの近位にある少なくとも1つの第2の測定デバイスの前記期間内の連続測定の間の値の変化と実質的に異なる、故障を決定することと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目23)
非一過性のコンピュータ可読媒体上に具現化されるコンピュータプログラム製品であって、前記非一過性のコンピュータ可読媒体は、命令を含み、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
配電網の少なくとも1つの故障タイプを定義することと、
前記少なくとも1つの故障タイプを検出するための少なくとも1つの規則を定義することであって、前記規則は、前記故障タイプを少なくとも1つのタイプの測定と関連付ける、ことと、
複数の測定を実行することであって、前記測定は、前記配電網内に分配される複数の配電網測定デバイスによって実行され、前記配電網測定デバイスは、電流測定センサおよび電圧測定センサのうちの少なくとも1つを備え、前記配電網測定デバイスは、電流測定および電圧測定のうちの少なくとも1つを測定し、それらの個別の発生時間で複数の測定を形成するように動作する、ことと、
前記少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出することと
を含む動作を実施させる、コンピュータプログラム製品。
(項目24)
前記測定は、電圧、電流、および電力、過渡、スパイク、およびサージのうちの少なくとも1つの絶対値、値の変化、および値の変化率、瞬間変化のうちの少なくとも1つを備える、項目23に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目25)
前記規則は、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、異なる時間に実行される測定と、
複数の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と
のうちの少なくとも1つを備える、項目23に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目26)
加えて、
ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、およびケーブル角度のうちの少なくとも1つを測定することを含み、
前記少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出することは、前記電流測定および前記電圧測定のうちの少なくとも1つを、ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、ケーブル角度、および時刻の前記測定のうちの少なくとも1つと相関させることを含む、項目25に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目27)
前記故障は、
物体によって接触されている前記配電網のケーブルと、
前記ケーブルに発生する腐食と、
クランプに発生する腐食と、
前記ケーブルの損傷した絶縁体と、
前記ケーブルと関連付けられる発生中の電流漏出と、
不良な接続と、
ホットスポットと、
擦り切れたケーブルと
のうちの少なくとも1つである、項目26に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目28)
前記規則は、加えて、
少なくとも2つの配電網測定デバイスの測定の間の差を測定することと、
前記差の時間依存性変化を検出することと、
故障を前記時間依存性変化と関連付けることと
を含む、項目25に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目29)
前記時間依存性変化は、単調、周期的、および反復的のうちの少なくとも1つである、項目28に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目30)
少なくとも2つの配電網測定デバイスは、それぞれ、前記時間依存性変化を検出し、前記少なくとも2つの配電網測定デバイスは、異なる値の時間依存性変化を検出した、項目28に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目31)
前記時間依存性変化は、反復的であり、前記故障は、物体によって接触されている前記配電網のケーブルである、項目28に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目32)
前記時間依存性変化は、単調であり、前記故障は、発生中の電流漏出である、項目28に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目33)
前記時間依存性変化は、周期的であり、時刻および温度のうちの少なくとも1つと相関関係があり、前記故障は、発生中の腐食および損傷した絶縁体のうちの少なくとも1つである、項目28に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目34)
加えて、
前記測定を実行すること、前記測定を収集すること、および前記測定を通信することのうちの少なくとも1つのための規則を定義することを含み、前記規則は、故障と関連付けられる、項目23に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目35)
加えて、
前記測定、前記規則に従った前記測定の前記分析の結果、および前記故障のうちの少なくとも1つを通信することを含む、項目23に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目36)
加えて、
第1の配電網測定デバイスに、
少なくとも1つの測定を実行することと、
前記少なくとも1つの測定を記憶することと、
前記少なくとも1つの測定を分析し、分析結果を形成することと、
前記少なくとも1つの測定および前記分析結果のうちの少なくとも1つを通信することと
のうちの少なくとも1つを実行するように要求すること
を含み、
前記要求は、第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の分析に起因する、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記要求は、測定の時間を備え、前記測定の時間は、前記第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の時間と関連付けられる、項目36に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目38)
前記要求される測定は、前記第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の前記時間の周辺の期間と関連付けられる、項目37に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目39)
前記事前決定された期間は、前記配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、前記過渡を検出する前記測定デバイスと前記近位測定デバイスとの間の前記過渡の進行時間以下である、項目38に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目40)
前記測定のうちの少なくとも1つを通信することは、複数の低分解能測定を備え、
前記要求は、複数の高分解能測定の要求を備える、項目36に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目41)
前記分解能は、前記複数の測定の時間分解能および反復率のうちの少なくとも1つを備える、項目40に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目42)
加えて、
第1の測定デバイスによって検出される複数の過渡および前記過渡の対応する測定の時間を検出することと、
前記過渡を報告することであって、前記報告することは、
前記第1の測定デバイスの下流に設置された第2の測定デバイスが、前記第1の測定デバイスによって検出された前記過渡の前記測定の時間の周辺の事前決定された期間内に過渡を検出しなかったことと、
前記第1の測定デバイスの下流に設置された第2の測定デバイスが、前記第1の測定デバイスによって検出された前記過渡の前記測定の時間の周辺の事前決定された期間内に反復反対過渡を検出したことと
のうちの少なくとも1つに応じて行われる、ことと
を含む、項目23に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目43)
前記事前決定された期間は、前記配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、前記第1の測定デバイスと前記第2の測定デバイスとの間の前記過渡の進行時間以下である、項目42に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目44)
加えて、
期間内に第1の測定デバイスによって実行される連続測定の間の値の反復変化を検出することと、
値の前記反復変化が、前記第1の測定デバイスの近位にある少なくとも1つの第2の測定デバイスの前記期間内の連続測定の間の値の変化と実質的に異なる、故障を決定することと
を含む、項目23に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目45)
配電網内の故障を検出するシステムであって、前記システムは、
前記配電網内に分配される複数の配電網測定デバイスであって、前記配電網測定デバイスはそれぞれ、電流測定センサおよび電圧測定センサのうちの少なくとも1つを備え、前記配電網測定デバイスは、電流測定および電圧測定のうちの少なくとも1つを測定し、それらの個別の発生時間で複数の測定を形成するように動作する、配電網測定デバイスと、
前記複数の配電網測定デバイスに通信可能に結合され、前記複数の配電網測定デバイスから、それらの個別の発生時間で前記複数の測定を受信するように構成される、少なくとも1つのコンピューティングデバイスと
を備え、
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスは、前記少なくとも1つの規則に従って前記測定を分析し、故障を検出するように構成され、前記規則は、故障タイプを前記測定のうちの少なくとも1つと関連付けるように構成される、システム。
(項目46)
前記測定は、電圧、電流、および電力、過渡、スパイク、およびサージのうちの少なくとも1つの絶対値、値の変化、および値の変化率、瞬間変化のうちの少なくとも1つを備える、項目45に記載のシステム。
(項目47)
前記規則は、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と、
単一の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、異なる時間に実行される測定と、
複数の配電網測定デバイスによる複数の測定であって、実質的に同時に実行される測定と
のうちの少なくとも1つを備える、項目45に記載のシステム。
(項目48)
前記複数の配電網測定デバイスのうちの少なくとも1つは、加えて、
ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、およびケーブル角度のうちの少なくとも1つを測定するように構成される少なくとも1つのセンサを備え、
前記規則は、加えて、前記電流測定および前記電圧測定のうちの少なくとも1つを、ケーブル温度、風速、湿度、ケーブル運動、ケーブル高さ、ケーブル俯角、ケーブル角度、および時刻の前記測定のうちの少なくとも1つと相関させることを含む、項目47に記載のシステム。
(項目49)
前記故障は、
物体によって接触されている前記配電網のケーブルと、
前記ケーブルに発生する腐食と、
クランプに発生する腐食と、
前記ケーブルの損傷した絶縁体と、
前記ケーブルと関連付けられる発生中の電流漏出と、
不良な接続と、
ホットスポットと、
擦り切れたケーブルと
のうちの少なくとも1つである、項目4に記載のシステム。
(項目50)
前記規則は、加えて、
少なくとも2つの配電網測定デバイスの測定の間の差を測定することと、
前記差の時間依存性変化を検出することと、
故障を前記時間依存性変化と関連付けることと
を含む、項目47に記載のシステム。
(項目51)
前記時間依存性変化は、単調、周期的、および反復的のうちの少なくとも1つである、項目50に記載のシステム。
(項目52)
少なくとも2つの配電網測定デバイスは、それぞれ、前記時間依存性変化を検出し、前記少なくとも2つの配電網測定デバイスは、異なる値の時間依存性変化を検出した、項目50に記載のシステム。
(項目53)
前記時間依存性変化は、反復的であり、前記故障は、物体によって接触されている前記配電網のケーブルである、項目50に記載のシステム。
(項目54)
前記時間依存性変化は、単調であり、前記故障は、発生中の電流漏出である、項目50に記載のシステム。
(項目55)
前記時間依存性変化は、周期的であり、時刻および温度のうちの少なくとも1つと相関関係があり、前記故障は、発生中の腐食および損傷した絶縁体のうちの少なくとも1つである、項目50に記載のシステム。
(項目56)
前記規則は、加えて、前記測定を実行すること、前記測定を収集すること、および前記測定を通信することのうちの少なくとも1つを含み、前記規則は、故障と関連付けられる、項目45に記載のシステム。
(項目57)
前記コンピューティングデバイスおよび第1の配電網測定デバイスのうちの少なくとも1つは、
第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定を分析することと、
要求を前記第2の配電網測定デバイスに通信することであって、前記要求は、
少なくとも1つの測定を実行することと、
前記少なくとも1つの測定を記憶することと、
前記少なくとも1つの測定を分析し、分析結果を形成することと、
前記コンピューティングデバイスおよび第1の配電網測定デバイスのうちの前記少なくとも1つに、前記測定および前記分析結果のうちの少なくとも1つを通信することと
のうちの少なくとも1つを実行するためのものである、ことと
を実施するように動作する、項目45に記載のシステム。
(項目58)
前記要求は、測定の時間を備え、前記測定の時間は、前記第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の時間と関連付けられる、項目57に記載のシステム。
(項目59)
前記要求される測定は、前記第2の配電網測定デバイスによって実行される少なくとも1つの測定の前記時間の周辺の期間と関連付けられる、項目58に記載のシステム。
(項目60)
前記事前決定された期間は、前記配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、前記過渡を検出する前記測定デバイスと前記近位測定デバイスとの間の前記過渡の進行時間以下である、項目59に記載のシステム。
(項目61)
前記コンピューティングデバイスおよび第1の配電網測定デバイスのうちの少なくとも1つは、複数の高分解能測定の要求を通信するように動作する、項目57に記載のシステム。
(項目62)
前記分解能は、前記複数の測定の時間分解能および反復率のうちの少なくとも1つを備える、項目61に記載のシステム。
(項目63)
前記測定は、加えて、過渡の測定を備え、前記規則は、加えて、
故障を検出することであって、前記検出することは、
第2の測定デバイスの下流に設置された第1の測定デバイスが、前記第2の測定デバイスによって検出された過渡の測定の時間の周辺の事前決定された期間内に過渡を検出しないことと、
第2の測定デバイスの下流に設置された第1の測定デバイスが、前記第2の測定デバイスによって検出された過渡の測定の時間の周辺の事前決定された期間内に反復反対過渡を検出することと
のうちの少なくとも1つに応じて行われる、ことと
を含む、項目45に記載のシステム。
(項目64)
前記事前決定された期間は、前記配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、前記第1の測定デバイスと前記第2の測定デバイスとの間の前記過渡の進行時間以下である、項目63に記載のシステム。
(項目65)
前記規則は、加えて、値の反復変化が、前記第1の測定デバイスの近位にある少なくとも1つの第2の測定デバイスの期間内の連続測定の間の値の変化と実質的に異なる、故障を決定することを含み、前記第1の測定デバイスは、前記期間内に実行される連続測定の間の値の前記反復変化を検出した、項目45に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0026】
種々の実施形態が、付随する図面を参照して、一例のみとして本明細書に説明される。ここで詳細に図面を具体的に参照すると、示される詳細は、例示を目的としており、好ましい実施形態の例証的議論の目的のみのためであり、最も有用であると考えられるものと、実施形態の原理および概念的側面の容易に理解される説明とを提供するために提示されることが強調される。これに関して、主題の基礎的理解のために必要であるよりも詳細に実施形態の構造的詳細を示すことは試みられておらず、図面とともに解釈される説明は、いくつかの形態および構造が実践でいかにして具現化され得るかを当業者に明らかにするものである。
【0027】
【
図1】
図1は、電気ケーブル上に搭載された配電網測定デバイスの簡略化された説明図である。
【
図2】
図2は、送電または配電ネットワークの種々のケーブル区画にわたって分配された複数の配電網測定デバイスの簡略化された説明図である。
【
図3】
図3は、配電網測定システムの簡略化された概略図である。
【
図4】
図4は、配電網測定システム内で使用されるコンピューティングデバイスまたはコンピューティングシステムの簡略化されたブロック図である。
【
図5】
図5は、配電網測定システムによって使用される動的故障検出ソフトウェアプログラムのブロック図である。
【
図7】
図7は、測定スキャンプロシージャのフローチャートである。
【
図8】
図8は、故障の場所が2つ以上の配電網測定デバイスによって決定される、故障を有する配電網の一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本実施形態は、電気ネットワーク内の故障を検出し、排他的ではないが、より具体的には、動的故障を検出するための方法およびシステムを備える。いくつかの例示的実施形態による、動的故障を検出するためのデバイスおよび方法の原理および動作は、以下の図面および付随する説明を参照して、さらに理解され得る。
【0029】
少なくとも1つの実施形態を詳細に解説する前に、実施形態は、その用途が、以下の説明に記載される、または図面に図示される構造および構成要素の配列の詳細に限定されないことを理解されたい。他の実施形態も、種々の方法で実践または実行され得る。また、本明細書で採用される表現および用語は、説明の目的のためであり、限定的と見なされるべきではないことを理解されたい。
【0030】
本明細書では、図面の範囲内で説明されておらず、前の図面に説明されている数字で標識される図面の要素は、前の図面と同一の用途および説明を有する。同様に、テキストによって説明される図面の中に出現しない数字によってテキストの中で識別される要素は、それが説明された前の図面と同一の用途および説明を有する。
【0031】
本明細書中の図面は、いかなる一定の縮尺でもない場合がある。異なる図が、異なる縮尺を使用し得、異なる縮尺、例えば、同一の物体の異なるビューのための異なる縮尺、または2つの隣接する物体のための異なる縮尺が、同一の図面内でさえも使用されることができる。
【0032】
実施形態の目的は、電気ネットワーク内の複数の場所で種々の電気的パラメータを測定し、複数の測定を比較することによって、故障が存在すること、故障のタイプまたは特性、およびその場所を決定することである。
【0033】
用語「配電網(gridまたはelectric grid)」は、送電ネットワークおよび/または配電ネットワーク、および1つまたは複数の発電所と負荷または消費者との間のそのようなネットワークの任意の部分を指し得る。
【0034】
用語「測定」または「電気的測定」は、電圧、電流、電場、磁場、抵抗、静電容量、インダクタンス、電荷等の任意の電気的パラメータの任意のタイプの測定を指し得る。
【0035】
用語「物理的測定」または「機械的測定」は、電気的パラメータ以外の任意の物理的パラメータの任意のタイプの測定を指し得る。そのようなパラメータは、温度、風、湿度、運動、高さ、(ケーブル)俯角、(ケーブル)角度等であってもよい。
【0036】
ここで、一例示的実施形態による、電気ケーブル11上に搭載された配電網測定デバイス10の簡略化された説明図である、
図1を参照する。
【0037】
図1に示されるように、配電網測定デバイス10は、それを通して電気ケーブル11が通過する、ボックスまたは本体12を含んでもよい。電気ケーブル11は、電気を公衆、工場等に提供するように電力会社によって維持されるような配電網、送電ネットワーク、または配電ネットワークの一部であってもよい。配電網測定デバイス10は、したがって、ライブケーブル11上に搭載されてもよい。すなわち、ケーブル11は、完全に給電され、および/または電圧および/または電流を搬送する。
【0038】
ボックス12は、したがって、開放され、次いで、ケーブル11の周囲に閉鎖され得る、2つの部品で構築される。代替として、ボックス12は、ケーブル直径の大部分を囲繞し、ケーブル11にわたってボックスを取り付けることができるように片側に開口部を有する、1つの部品で構築されてもよい。
【0039】
図1に示されるように、配電網測定デバイス10は、電力供給源モジュール13と、コントローラモジュール14と、1つ以上の電気的測定デバイス15と、1つ以上の物理的測定デバイス16と、バックホール通信モジュール17とを含んでもよい。随意に、配電網測定デバイス10はまた、ローカルエリア通信モジュール18と、遠隔感知モジュール19と、推進制御モジュール20とを含んでもよい。
【0040】
図1に示されるように、配電網測定デバイス10は、それにわたって少なくとも1つのコイルが巻線22を形成するように巻着される、磁気コア21を含んでもよい。磁気コア21は、電気ケーブル11の周囲に搭載されてもよい。磁気コア21は、ボックス12の2つの部品のそれぞれの中に1つの部品である、2つの部品から構築されてもよく、磁気コア21の2つの部品は、ボックス12が電気ケーブル11の周囲に閉鎖されるときに、電気ケーブル11の周囲に閉鎖される。
図1は、ボックス12の1つの部品が除去されているが、磁気コア21が電気ケーブル11の周囲に閉鎖された、開放している配電網測定デバイス10を示す。
【0041】
磁気コア21は、典型的には、電気ケーブル11の中で流動する電流から磁場を導出する。巻線22は、典型的には、磁気コア21内の磁束から電流を導出する。巻線22は、
図1に示されるように、典型的には、電圧を配電網測定デバイス10の他のモジュールに提供する、電力供給源モジュール13に電気的に結合されてもよい。配電網測定デバイス10は、単一の電気ケーブル11から電力を導出し得ることが理解される。
【0042】
代替として、例えば、絶縁高電圧ケーブルおよび/または地下ケーブルおよび/または低電圧配電網とともに使用されるとき、電力供給源モジュール13は、変圧器の低電圧出力に接続される主要ユニットから電力供給を導出する電気ケーブルに取り付けられたセンサに接続されてもよい。配電網測定デバイス10のそのような構成は、底部に開口部を伴う1つだけの部品を有してもよい。
【0043】
バックホール通信モジュール17およびローカルエリア通信モジュール18は、それぞれ、および/または両方とも、1つ以上のアンテナ23に結合されてもよい。遠隔感知モジュール19は、種々のセンサ、1つ以上のカメラ24、1つ以上のマイクロホン25等に結合され、それらを制御してもよい。カメラは、3次元回転を提供するアクセルのシステム上に搭載され得ることが理解される。代替として、複数または数々の固定されたカメラが、必要に応じて広い視野を網羅するように搭載されることができる。
【0044】
バックホール通信モジュール17およびローカルエリア通信モジュール18は、限定されないが、以下等の任意のタイプの通信技術および/または通信ネットワークを使用してもよく、用語「通信技術」または「通信ネットワーク」、または単純に「ネットワーク」は、限定されないが、固定(ワイヤ、ケーブル)ネットワーク、無線ネットワーク、および/または衛星ネットワーク、種々のタイプのセルラーネットワークを含む、固定または無線の広域ネットワーク(WAN)、Wi-Fiを含む、固定または無線のローカルエリアネットワーク(LAN)、およびBluetooth(登録商標)、ZigBee、およびNFCを含む、固定または無線のパーソナルエリアネットワーク(PAN)、電力線キャリア(PLC)通信技術等を含む、任意のタイプの通信媒体を指す。用語「通信ネットワーク」または「ネットワーク」は、任意の数のネットワークならびにネットワークおよび/または通信技術の任意の組み合わせを指し得る。
【0045】
随意に、配電網測定デバイス10はまた、全地球測位サービス(GPS)モジュール26を含んでもよく、それを使用し、電気ケーブル11に沿った配電網測定デバイス10の位置を測定、監視、および/または制御してもよい。GPSモジュール26はまた、例えば、測定の絶対時間を正確に決定するために、正確な汎用クロックを提供してもよい。
【0046】
コントローラモジュール14は、ソフトウェアプログラムおよび関連付けられるデータを記憶および/または実行するため、かつ外部デバイスと通信するために使用され得るような、プロセッサユニットと、1つ以上のメモリユニット(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等)と、1つ以上の記憶ユニット(例えば、ハードディスクドライブおよび/または非可撤性記憶ドライブ等を含む)とを含んでもよい。
【0047】
推進制御モジュール20は、1つ以上の車輪28に結合され得る、電気モータ27等の1つ以上の作動デバイスに結合されてもよい。車輪28は、電気モータ27を制御することによって、推進制御モジュール20がケーブル11に沿って配電網測定デバイス10を移動させることを可能にするように、ケーブル11上に搭載されてもよい。
【0048】
配電網測定デバイス10の推進システム(限定されないが、推進制御モジュール20、1つ以上の電気モータ27、1つ以上の車輪28等を含む)は、ケーブル11に沿って配電網測定デバイス10を移動させるように、および/またはケーブル11の周囲で配電網測定デバイス10を回転させるように動作し得ることが理解される。
【0049】
電気モータ27は、本明細書では、限定されないが、ACモータ、DCモータ、ステッピングモータ、空気圧ポンプおよび/またはモータ、油圧ポンプおよび/またはモータ、または任意の他のタイプのアクチュエータを含む、ケーブル11に沿って、および/またはその周囲で配電網測定デバイス10を操作するために適切な任意のタイプの技術を表すことが理解される。
【0050】
ここで、一例示的実施形態による、送電または配電ネットワーク29の種々のケーブル区画にわたって分配された複数の配電網測定デバイス10の簡略化された説明図である、
図2を参照する。オプションとして、
図2の説明図は、前の図の詳細との関連で見られ得る。しかしながら、当然、
図2の説明図は、任意の所望の環境との関連で見られ得る。さらに、前述の定義は、以下の説明に等しく適用され得る。
【0051】
図2に示されるように、送電または配電ネットワーク29は、電気ケーブル11の複数の区画を含んでもよく、配電網測定デバイス10は、連続区画(同一の電気相を搬送する)および並列区画(異なる電気相を搬送する)を含む、電気ケーブル11の任意の区画上に搭載されてもよい。
【0052】
図2に示されるように、配電網測定デバイス10は、例えば、
図1を参照して示され、説明される、バックホール通信モジュール17を使用して、それら自体の間で通信してもよい。配電網測定デバイス10は、例えば、メッシュネットワーク30を形成してもよい。
【0053】
図2に示されるように、配電網測定デバイス10は、それらのバックホール通信モジュール17および/またはメッシュネットワーク30を使用し、エリアコントローラ31と通信してもよい。エリアコントローラ31は、例えば、セルラーネットワーク33等の広域無線通信ネットワーク(例えば、WAN)を使用して、例えば、中央コントローラまたはサーバ32と通信してもよい。オプションとして、配電網測定デバイス10はまた、WANを経由して中央コントローラまたはサーバ32と直接通信し得ることが理解される。
【0054】
図2に示されるように、配電網測定デバイス10はまた、
図1を参照して示され、説明される、それらのローカルエリア通信モジュール18を使用し、ローカルエリアネットワーク35の範囲内のスマートフォン等の通信端末34と通信してもよい。
【0055】
配電網測定デバイス10が、それらの個別のケーブル区画を動き回ると、メッシュネットワーク30は、そのトポロジを変化させ得る。メッシュネットワーク30のトポロジのそのような変化は、配電網測定デバイス10のうちの1つ以上のものを、メッシュネットワーク30から、その結果として、エリアコントローラ31および/または中央コントローラ32から、接続解除させ得ることが理解される。また、第1の配電網測定デバイス10が接続解除されるとき、これはまた、メッシュネットワーク30とのコネクティビティのために第1の配電網測定デバイス10に依存する、他の配電網測定デバイス10を接続解除し得ることも理解される。また、配電網測定デバイス10は、故障し、メッシュネットワーク30の残りの部分からメッシュネットワーク30の一部(例えば、1つ以上の配電網測定デバイス10)を接続解除し得ることも理解される。
【0056】
複数の配電網測定デバイス10が送電または配電ネットワーク29の特定の部分の中に搭載されるとき、それらは、全ての配電網測定デバイス10がメッシュネットワーク30の範囲内にある、メッシュネットワーク30の少なくとも1つの特定のトポロジ(構造)の中でそれら自体を配列する。メッシュネットワーク30の本特定のトポロジまたは構造は、標準またはデフォルトトポロジとして、個別の配電網測定デバイス10によって記録される。配電網測定デバイス10は、例えば、不揮発性メモリの中のそれらの個別のGPSデータを記録することによって、電気ケーブル11のそれらの個別の区画の中のそれらの場所を記録する。
【0057】
メッシュネットワーク30の1つ以上の標準またはデフォルトトポロジまたは構造、および配電網測定デバイス10のそれぞれの個別の位置を組織化および記録するプロセスは、ローカルエリアコントローラ31の制御または監視下で実行されてもよい。
【0058】
メッシュネットワーク30のいくつかのそのような標準またはデフォルトトポロジまたは構造は、いずれの故障した配電網測定デバイス10もメッシュネットワーク30の一部を接続解除し得ないという目標を伴って作成されることが理解される。例えば、特定の配電網測定デバイス10が故障した場合、全ての他の配電網測定デバイス10が通信し得る、メッシュネットワーク30の標準またはデフォルトトポロジまたは構造がある。
【0059】
配電網測定デバイス10は、ネットワークから接続解除されたときに、メッシュネットワーク30のそのような標準またはデフォルトトポロジまたは構造内のその個別の位置にそれ自体を自動的に位置付けてもよい。具体的には、配電網測定デバイス10が、それがメッシュネットワーク30から接続解除されていることを感知するとき、例えば、上記で説明されるような不揮発性メモリの中に記憶されたGPSデータによって示されるように、デフォルト場所に自動的に戻る。
【0060】
複数の標準またはデフォルトトポロジまたは構造は、順序付けられてもよく、配電網測定デバイス10は、ネットワークから接続解除されたときに、それらの順序に従って、標準またはデフォルトトポロジまたは構造をスキャンしてもよい。
【0061】
1つ以上の配電網測定デバイス10が接続解除される状況を解決するために、複数の配電網測定デバイス10の一部は、特定の標準トポロジを選択してもよく、配電網測定デバイス10の他の部分は、全ての動作している配電網測定デバイス10が通信するまで標準トポロジをスキャンしてもよい。
【0062】
例えば、エリアコントローラ31は、接続解除された1つ以上の配電網測定デバイス10の識別に従って、標準トポロジを選択し、本標準トポロジを成し、接続解除された1つ以上の配電網測定デバイス10が接続することを待機するように、接続された配電網測定デバイス10に命令してもよい。本プロセスは、全ての接続解除された1つ以上の配電網測定デバイス10がメッシュネットワーク30に接続するまで、または1つ以上の配電網測定デバイス10が故障したと決定されるまで、繰り返してもよい。
【0063】
代替として、配電網測定デバイス10の大部分とのコネクティビティを失う危険性を低減させるために、エリアコントローラ31は、一度に単一の配電網測定デバイス10を動作させてもよい。エリアコントローラ31は、それらのデフォルト場所に、または例えば、メッシュネットワーク30へのそのコネクティビティを中断することなく、動作している配電網測定デバイス10がそのケーブル区画に沿って進行することを可能にするように選択される、特定の標準トポロジに、それら自体を位置付けるように、全ての他の配電網測定デバイス10に命令してもよい。
【0064】
配電網測定デバイス10が、「それ自体を位置付ける」、(デフォルト場所に)「戻る」、「そのケーブル区画に沿って進行する」、「トポロジを変化させる」、「トポロジを成す」、「トポロジをスキャンする」等のアクションを実施するとき、アクションは、その推進制御モジュール20、電気モータ27、車輪28等を使用し、ケーブル11に沿ってそれ自体を操作する配電網測定デバイス10を指すことが理解される。
【0065】
ここで、一実施形態による、配電網測定システム36の簡略化された概略図である、
図3を参照する。
【0066】
図3に示されるように、配電網測定システム36は、送電ネットワーク38にわたって分配される複数の配電網測定デバイス37を含んでもよい。配電網測定システム36はまた、少なくとも1つのエリアコントローラ39を含んでもよい。エリアコントローラ39のうちの1つは、例えば、上流に位置付けられるマスタ中央コントローラ40である。
【0067】
配電網測定デバイス37のうちのいくつかは、
図1の配電網測定デバイス10等の単相デバイスであり、単一のケーブル11に接続されてもよい一方で、他の配電網測定デバイス37は、3相デバイスである。3相デバイスは、各相に対して少なくとも1つの電気的測定デバイスを有することによって単相デバイスとは異なっており、したがって、3つのケーブル11に接続される。
【0068】
エリアコントローラ39は、任意の好適な通信技術を使用して、配電網測定デバイス37と通信してもよい。エリアコントローラ39はそれぞれ、送電ネットワーク38の異なる区画を制御してもよい。随意に、異なるエリアコントローラ39によって制御される区画は、配電網測定システム36が1つ以上のエリアコントローラ39の故障に対して回復力があるように、少なくとも部分的に重複し、冗長性を提供する。
【0069】
エリアコントローラ39は、インターネットプロトコル(IP)ベースの通信ネットワークであり得る、ケーブルベースの通信ネットワークに接続され得ることが理解される。複数のエリアコントローラ39のうちの1つ以上のものは、他のエリアコントローラ39を制御するためのマスタ中央コントローラとして使用されることが理解される。
【0070】
有線通信技術、無線通信技術、PLC通信技術、または任意の他の通信技術を使用するかどうかにかかわらず、配電網測定システム36は、短距離通信技術または長距離通信技術を使用することができる。長距離通信技術(有線、無線、PLC等)を使用して、配電網測定デバイス37は、それらのエリアコントローラ39と直接通信してもよい。
【0071】
代替として、短距離通信技術(有線、無線、PLC等)を使用して、配電網測定デバイス37は、マスタ中央コントローラ40に到達するまで通信を上流に中継する、それらの隣接配電網測定デバイス37と通信してもよく、逆も同様である。
図3は、通信ユニット41を使用して配電網測定デバイス37と通信する、エリアコントローラ39を示す。通信ユニット41は、有線、無線、および/またはPLC技術、および具体的には、セルラー、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、ZigBee等を含む、任意のタイプの通信技術を使用してもよい。
【0072】
例えば、配電網測定デバイス37は、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、および/またはZigBee等のPLCまたはRF通信技術を使用し、エリアコントローラ39と通信してもよい一方で、エリアコントローラ39は、有線、WiMAX、および/またはセルラー技術を使用し、マスタ中央コントローラ40と通信してもよい。これらのデバイスはそれぞれ、冗長性およびバックアップを提供する2つの異なる通信技術を含んでもよい。
【0073】
配電網測定デバイス37は、マスタ中央コントローラ40と直接、またはエリアコントローラ39を介して間接的に通信してもよい。エリアコントローラ39は、マスタ中央コントローラ40と通信してもよい。
【0074】
送電ネットワーク38は、3相伝送ネットワークであるが、しかしながら、他の構成も可能であることが理解される。
【0075】
ここで、一例示的実施形態による、コンピューティングデバイスまたはコンピューティングシステム42の簡略化されたブロック図である、
図4を参照する。オプションとして、
図4のブロック図は、前の図の詳細との関連で見られ得る。しかしながら、当然、
図4のブロック図は、任意の所望の環境との関連で見られ得る。さらに、前述の定義は、以下の説明に等しく適用され得る。
【0076】
コンピューティングシステム42は、
図2のエリアコントローラ31および/または中央コントローラ32、およびエリアコントローラ39および/または中央コントローラ40に使用される、コンピューティングデバイスのブロック図である。コンピューティングシステム42は、
図2のいずれか1つ以上の配電網測定デバイス10および/または
図3の配電網測定デバイス37によって行われる測定を分析するため等に任意のソフトウェアプログラムを実行してもよい。
【0077】
図4に示されるように、コンピューティングシステム42は、少なくとも1つのプロセッサユニット43と、1つ以上のメモリユニット44(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等)と、1つ以上の記憶ユニット45(例えば、ハードディスクドライブ、および/またはフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、フラッシュメモリデバイス等を表す可撤性記憶ドライブを含む)とを含んでもよい。
【0078】
コンピューティングシステム42はまた、1つ以上の通信ユニット46と、1つ以上のグラフィックプロセッサ47およびディスプレイ48と、上記のユニットを接続する1つ以上の通信バス49とを含んでもよい。
【0079】
コンピューティングシステム42はまた、メモリユニット44および/または記憶ユニット45のうちのいずれかの中に記憶され得る、1つ以上のコンピュータプログラム50またはコンピュータ制御論理アルゴリズムを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、実行されたときに、コンピューティングシステム42が本明細書に記載されるような種々の機能を果たすことを可能にする。メモリユニット44および/または記憶ユニット45および/または任意の他の記憶装置は、有形コンピュータ可読媒体の可能性として考えられる実施例である。具体的には、コンピュータプログラム50は、
図2の1つ以上の配電網測定デバイス10および/または
図3の配電網測定デバイス37から受信される、1つ以上の測定を分析するためのソフトウェアプログラムを含んでもよい。
【0080】
ここで、一例示的実施形態による、動的故障検出ソフトウェアプログラム51のブロック図である、
図5を参照する。
【0081】
オプションとして、
図5の動的故障検出ソフトウェアプログラム51のブロック図は、前の図の詳細との関連で見られ得る。しかしながら、当然、
図5の動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、任意の所望の環境との関連で見られ得る。さらに、前述の定義は、以下の説明に等しく適用され得る。
【0082】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、コンピューティングシステム42によって、および/またはエリアコントローラ31または39によって、および/または中央コントローラまたはサーバ32または40によって、および配電網測定デバイス10または37によって、実行されてもよい。
図5に示されるように、動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、以下のモジュールを有してもよい。
【0083】
通信モジュール52は、
図2の1つ以上の配電網測定デバイス10および/または
図3の配電網測定デバイス37と通信してもよい。通信モジュール52は、1つ以上の配電網測定デバイスから種々の測定を受信し、および/または特定の様式で1つ以上の特定の測定を行うように、任意のそのような1つ以上の配電網測定デバイスに命令してもよい。通信モジュール52は、データベースモジュール54の中にそのような測定53を記憶してもよい。
【0084】
データベースモジュール54等のデータベースの使用は、考えられる実施形態の実施例であり、一時メモリ(RAM)を含む、任意のタイプのメモリまたは記憶装置を含む、データを記録および記憶するための他の実施形態も考慮されることが理解される。
【0085】
測定分析モジュール55は、データベースモジュール54から測定53をロードし、分析結果56を生成し、データベースモジュール54の中に分析結果を記憶してもよい。
【0086】
ユーザインターフェースモジュール57は、例えば、動的故障検出ソフトウェアプログラム51の1つ以上の動作パラメータを決定することによって、ユーザ58が動的故障検出ソフトウェアプログラム51を管理することを可能にし得る。ユーザインターフェースモジュール57は、ユーザ58が分析結果56にアクセスすることを可能にし得る。ユーザインターフェースモジュール57はまた、ユーザ58によって決定されるような特定のイベントに応じて、ユーザ58に自動的に警告してもよい。ユーザインターフェースモジュール57は、ユーザ58が、測定収集規則59、測定分析規則60、およびイベントアラーム規則61等の動作パラメータを決定することを可能にし得る。
【0087】
データベースモジュール54は、通信モジュール52によって収集される測定を含む、測定データベース62と、収集規則59、分析規則60、イベントアラーム規則61、およびスキャンスケジュールを含む、動作データベース63と、分析結果データベース64とを含んでもよい。
【0088】
規則59、60、および規則61等の記憶された規則の使用は、可能性として考えられる実施形態の実施例であり、他の実施形態も考慮されることが理解される。例えば、そのような規則の論理は、個別のモジュールのコードに組み込まれることができる。
【0089】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、種々の方法で測定を分析してもよい。例えば、動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、異なる時間に同一の配電網測定デバイスによって行われる、2つ以上の測定を比較してもよい。例えば、動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、実質的に同時に異なる配電網測定デバイスによって行われる、2つ以上の測定を比較してもよい。例えば、動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、同一または異なる配電網測定デバイスによって検出される、2つ以上の測定変化を比較してもよい。例えば、動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、同一または異なる配電網測定デバイスによって検出される、過渡の2つ以上の測定を比較してもよい。
【0090】
用語「過渡(transient)」は、スパイク、サージ等の電圧および/または電流および/または電力の任意のタイプの短時間または瞬間変化を指し得る。
【0091】
測定分析モジュール55は、測定分析規則60に従って測定データベース62をスキャンし、異常または故障を検出する。異なる故障は、同一および/または異なる配電網測定デバイスによって行われる、典型的測定または測定の間の関連の形態で異なる特性を有してもよい。
【0092】
測定分析規則60は、特定の故障を検出および/または識別するように設計されてもよい。測定分析規則60はまた、1つ以上の特定の測定収集規則59の使用をトリガしてもよい。例えば、より高い正確度の測定を収集するために、例えば、測定のセットが、特定の時間の周辺に特定の配電網測定デバイスによって行われる。
【0093】
ここで、一例示的実施形態による、測定分析モジュール55のフローチャートである、
図6を参照する。
【0094】
オプションとして、
図6の測定分析モジュール55のフローチャートは、前の図の詳細との関連で見られ得る。しかしながら、当然、
図6の測定分析モジュール55のフローチャートは、任意の所望の環境との関連で見られ得る。さらに、前述の定義は、以下の説明に等しく適用され得る。
【0095】
図6に示されるように、測定分析モジュール55は、例えば、動作データベース63から規則をロードすることによって、ステップ65から開始してもよい。測定分析モジュール55は、次いで、ステップ66に進み、測定データベース62内の測定をスキャンしてもよい。測定分析モジュール55は、次いで、ステップ67に進み、各測定を全ての異常識別規則と比較してもよい。
【0096】
異常識別規則は、測定を特定のタイプの異常と関連付けてもよい。典型的には、異常タイプは、測定を1つ以上の可能性として考えられる故障と関連付ける。(ステップ68)測定が異常として識別される場合、隣接配電網測定デバイスの関連測定は、故障が存在するかどうか、および故障のタイプを決定するように、調査されるべきである。
【0097】
異常な測定が検出される(ステップ68)場合、測定分析モジュール55は、次いで、ステップ69に進み、動作データベース63から、ステップ67で決定されるように、1つ以上の異常タイプと関連付けられる1つ以上の分析規則をロードしてもよい。分析規則は、例えば、分析されるべきである他の測定およびその方法を示してもよい。分析規則は、同一の配電網測定デバイスの1つ以上の前の測定および/または別の配電網測定デバイスの1つ以上の前の測定を要求し得る。測定分析モジュール55は、次いで、ステップ70に進み、分析規則に従って測定をスキャンおよび比較してもよい。
【0098】
測定分析モジュール55が、分析規則を使用して、故障を識別する(ステップ71)場合、測定分析モジュール55は、典型的には、識別された故障と関連付けられるイベントアラーム規則に従って、分析結果データベース64の中に故障記録を入力することによって、故障を報告してもよい(ステップ72)。
【0099】
測定分析モジュール55は、識別された異常と関連付けられる全ての規則に関して、ステップ69から72を繰り返してもよい(ステップ73)。測定分析モジュール55は、測定データベース62内の全ての測定に関して、ステップ66から72を繰り返してもよい。
【0100】
測定分析モジュール55は、特定のスケジュールに従って、および/または配電網測定デバイスからのアラート後に、および/または配電網測定デバイスからのアラート後に、および/または通信モジュール52からのアラート後に、および/または例えば、ユーザ52による、手動要求後に、連続的に、および/または繰り返して、測定データベース62をスキャンしてもよい。スキャンスケジュールは、ユーザ52によって、または分析規則によって、決定されてもよい。
【0101】
ここで、一例示的実施形態による、測定スキャンプロシージャ74のフローチャートである、
図7を参照する。測定スキャンプロシージャ74は、
図6のステップ70の可能性として考えられる実装であってもよい。
【0102】
オプションとして、
図7の測定スキャンプロシージャ74のフローチャートは、前の図の詳細との関連で見られ得る。しかしながら、当然、
図7の測定スキャンプロシージャ74のフローチャートは、任意の所望の環境との関連で見られ得る。さらに、前述の定義は、以下の説明に等しく適用され得る。
【0103】
測定スキャンプロシージャ74は、中央コントローラまたはサーバ32または40によって、および/またはエリアコントローラ31または39によって、および配電網測定デバイス10または37によって、コンピューティングシステム42によって実行されてもよい。測定スキャンプロシージャ74は、典型的には、動的故障検出ソフトウェアプログラム51の一部として、(例えば)同一のデバイスによって実行される。
【0104】
しかしながら、動的故障検出ソフトウェアプログラム51および測定スキャンプロシージャ74は、異なるデバイスによって実行されてもよい。例えば、動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、1つ以上のエリアコントローラ31または39によって実行される測定スキャンプロシージャ74を用いて、中央コントローラまたはサーバ32または40によって実行されてもよい。例えば、動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、1つ以上の配電網測定デバイス10または37によって実行される測定スキャンプロシージャ74を用いて、エリアコントローラ31または39によって実行されてもよい。
【0105】
図7に示されるように、測定スキャンプロシージャ74は、測定が評価されるはずである、配電網測定デバイスを決定することによって、ステップ75から開始してもよい。典型的には、そのような配電網測定デバイスは、下流で(例えば、電力負荷および/または電力消費者の方向に)近位に位置してもよい。代替として、または加えて、そのような配電網測定デバイスは、上流で(例えば、発電所の方向に)近位に位置してもよい。
【0106】
代替として、または加えて、そのような配電網測定デバイスは、例えば、同一の位相の並列電力搬送導体、または異なる位相を搬送する電力搬送導体、または中性線等の上で、並列で近位に位置してもよい。代替として、または加えて、配電網が分岐する(上流または下流)場合、そのような配電網測定デバイスは、並列分岐の中に位置してもよい。測定が評価されるはずである、配電網測定デバイスは、
図6のステップ67で検出される異常タイプに従って、および/または
図6のステップ69でロードされる分析規則に従って、決定されてもよい。測定が評価されるはずである、配電網測定デバイスは、隣接デバイスの評価された測定のタイプおよび/または特性に従って、決定されてもよい。したがって、評価は、任意の数の配電網測定デバイスに及んでもよい。
【0107】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、電力流および/または発電機側の方向を検出し得ることが理解される。例えば、線の第1の側に接続される発電所内の主要発電機から電力を搬送する電力線、および同一の線上で、第2の側に接続される太陽光発電ユニットを考慮されたい。配電網測定デバイス10は、2つの電力供給源のための電力流を別個に測定してもよい。測定スキャンプロシージャ74は、ステップ76に進み、適切な測定がステップ75で選択される1つ以上の配電網測定デバイスに関して存在するかどうかを決定してもよい。そのような測定は、測定が必要とされるタイプである、および/または特定の時間に行われた、および/または適切な正確度を有する等の場合に、適切であり得る。
【0108】
測定は、電圧、電流、電圧と電流との間の位相、周波数、温度、風等、瞬間測定、任意の特定の期間等にわたる平均、絶対値、変化、勾配等の異なるタイプを有し得る。
【0109】
例えば、測定データベース62の中に、適切な測定が存在しない場合、測定スキャンプロシージャ74は、続けて、(ステップ75で決定されるように)適切な配電網測定デバイスから適切な測定を要求し得る。
【0110】
測定スキャンプロシージャ74は、典型的には、ステップ77に進み、動作データベース63から測定収集規則59をロードしてもよい。測定スキャンプロシージャ74は、ステップ78に進み、次いで、ステップ75で決定されるように、配電網測定デバイスから特定の測定を要求し得る。
【0111】
例えば、ステップ78は、動的故障検出ソフトウェアプログラム51を介して、および通信モジュール52を介して、適切なエリアコントローラ(31、39)および/または配電網測定デバイス(10、37)に適切な測定収集規則59を送信する、測定スキャンプロシージャ74によって実装されてもよい。
【0112】
測定スキャンプロシージャ74は、次いで、ステップ79に進み、適切な測定が利用可能であるときにスキャンを再スケジュールしてもよい。測定スキャンプロシージャ74は、次いで、ステップ80に進み、(適切な測定の欠如およびスキャンスケジューリングを考慮して)故障が識別されないことを決定してもよい。
【0113】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51および測定スキャンプロシージャ74は、マスタ中央コントローラ40によって、および/または
図3のエリアコントローラ39および/または両方によって、および/または
図2の中央コントローラまたはサーバ32および/またはエリアコントローラ31によって、実行されてもよい。ステップ77-80は、典型的には、これらのエンティティによって実行される。しかしながら、代替として、または加えて、動的故障検出ソフトウェアプログラム51および測定スキャンプロシージャ74は、
図1および2の配電網測定デバイス10および/または
図3の配電網測定デバイス37のうちのいずれかによって、全体的または部分的に実行されてもよい。
【0114】
マスタ中央コントローラ40および/または中央コントローラまたはサーバ32によって、動的故障検出ソフトウェアプログラム51および測定スキャンプロシージャ74を実行することの利点は、配電網全体、または配電網の大部分、および測定収集の長期期間を網羅する、包括的測定データベース62の可用性である。
【0115】
エリアコントローラ(31、39)によって、動的故障検出ソフトウェアプログラム51および測定スキャンプロシージャ74を実行することの利点は、測定が並行してスキャンされ、したがって、故障および/または疑わしい状況が、少なくとも特定のエリアコントローラによって管理される限定されたエリアに関して、より速く検出され得ることである。
【0116】
配電網測定デバイス(10、37)によって、動的故障検出ソフトウェアプログラム51および測定スキャンプロシージャ74を実行することの利点は、少なくともいくつかの故障および/または疑わしい状況が、少なくとも特定の配電網測定デバイスの直接近接性に関して、より速く検出され得ることである。
【0117】
各配電網測定デバイスは、エリアコントローラ(31、39)および/またはマスタ中央コントローラ40および/または中央コントローラまたはサーバ32に通信されない、測定を内部に記憶してもよい。同様に、エリアコントローラ(31、39)は、マスタ中央コントローラ40および/または中央コントローラまたはサーバ32に通信されない、測定を内部に記憶してもよい。
【0118】
したがって、ステップ76-78がエリアコントローラ(31、39)によって実行される場合、エリアコントローラは、要求を、その領域内の適切な配電網測定デバイス(10、37)に、または配電網測定デバイスを監視する隣接エリアコントローラ(31、39)に送信してもよい。同様に、ステップ76-78が配電網測定デバイス(10、37)によって実行される場合、これは、要求を適切な隣接配電網測定デバイスに直接送信してもよい。そのような場合において、要求は、実質的に即時に提供されてもよく、測定スキャンプロシージャ74は、ステップ81に直接進んでもよい。
【0119】
ステップ81では、測定スキャンプロシージャ74は、例えば、関連分析規則60に従って、隣接配電網測定デバイスの要求される測定をロードしてもよい。全ての要求される測定が利用可能である(ステップ82)場合、測定スキャンプロシージャ74は、ステップ83に進み、故障が存在するかどうか、および故障のタイプを決定してもよい(ステップ84および85)。
【0120】
したがって、例えば、第1の配電網測定デバイス10または37は、それが典型的にはリアルタイムで収集する、データを分析し、1つ以上の付加的測定が特定の隣接する第2の配電網測定デバイス10または37から要求されることを決定してもよい。例えば、第1の配電網測定デバイスは、特定の時間に特定の値の変化を検出し、第2の配電網測定デバイスが事前決定された期間にわたって内部に記憶している、より詳細な測定を測定するように、第2の配電網測定デバイスに要求してもよい。第1の配電網測定デバイスが第2の配電網測定デバイスから詳細な測定を受信した後、特定の故障を決定し、エリアコントローラ31または39に知らせてもよく、これは、故障に関してより広いスキャンを開始してもよい。同じことが、隣接する第2のエリアコントローラ31または39を調べる、第1のエリアコントローラ31または39に適用される。
【0121】
本配列は、配電網測定システム36が過渡等のイベントを瞬間的に監視することを可能にする。配電網測定システム36は、リアルタイムで疑われる故障を検出し、非常に詳細な測定を中央データベースに通信する必要なく、これらの詳細な測定を使用してもよい。代わりに、期間限定の詳細な測定が、配電網測定デバイスによって内部に記憶され、隣接配電網測定デバイスによって要求され得、即時に使用される。
【0122】
配電網測定システム36の全ユニットは、詳細な測定を収集するように、および/または詳細な測定を配電網測定システム36の任意の他のユニットに送信するように、任意の他のユニットに要求し得ることが理解される。具体的に、マスタ中央コントローラ40は、したがって、それに詳細な測定を送信するように、1つ以上のエリアコントローラ31または39および/または配電網測定デバイス10または37に要求し得る。同様に、エリアコントローラ31または39は、それに詳細な測定を送信するように、または詳細な測定をマスタ中央コントローラ40に送信するように、1つ以上のエリアコントローラ31または39および/または1つ以上の配電網測定デバイス10または37に要求し得る。同様に、測定デバイス10または37は、それに詳細な測定を送信するように、または詳細な測定をエリアコントローラ31または39に、またはマスタ中央コントローラ40に送信するように、1つ以上の配電網測定デバイス10または37に要求し得る。したがって、配電網測定システム36は、全ての詳細な測定をマスタ中央コントローラ40に通信する必要がない場合がある。代わりに、詳細な測定は、測定を収集する配電網測定デバイス10または37によって処理され、配電網測定デバイス10または37が故障を疑う場合、詳細な分析のために、それらの詳細な測定を(配電網測定デバイス10または37、エリアコントローラ31または39、またはマスタ中央コントローラ40に)通信するように、要求が、隣接デバイス(例えば、1つ以上の配電網測定デバイス10または37、またはエリアコントローラ31または39)に行われる。したがって、ネットワークおよびデータベースは、不必要なデータをロードされない。
【0123】
配電網測定デバイス10または37のそれぞれによる分析を処理すること(例えば、
図6のステップ70)は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで分析を処理することを可能にし、したがって、1つ以上の隣接デバイスからの詳細な測定の要求は、迅速に(例えば、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで)発行され得、したがって、配電網測定デバイス10または37は、比較的短い期間にわたって、そのような詳細な測定を内部に記憶する必要があり得ることが理解される。故に、配電網測定デバイス10または37のメモリおよび/または記憶要件が、低下され、および/またはより多くの(タイプの)詳細な測定が、配電網測定デバイス10または37によって記憶されてもよい。
【0124】
用語「隣接デバイス」は、位相搬送する同一の導体(例えば、ケーブル11)上、および/または3相ネットワークの並列位相搬送導体等の並列導体上のデバイス(例えば、1つ以上の配電網測定デバイス10または37、またはエリアコントローラ31または39)を指し得ることが理解される。同様に、用語「隣接デバイス」はまた、ネットワークまたは配電網の並列分岐上の1つ以上のデバイスを指し得る。
【0125】
分析規則60は、可能性として考えられる故障に従って、種々の形態を有してもよい。典型的には、特定のタイプの故障は、故障を検出する1つ以上の分析規則60を有してもよい。
【0126】
分析規則60は、例えば、異なる時間に行われる、同一の配電網測定デバイスの同一のタイプの測定、通常、連続測定を相関または比較してもよい。分析規則60は、例えば、同時に行われる、異なる配電網測定デバイスの同一のタイプの測定を相関または比較してもよい。分析規則60は、例えば、同一または異なる配電網測定デバイスの異なるタイプの測定を相関または比較してもよい。分析規則60はまた、上記の相関関係または比較の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0127】
例えば、風は、木または類似物体を配電網に触れさせ得る、または別様に、瞬時サージ、またはパルス、またはスパイク、または電流の変化、または電圧の変化を引き起こし得る。そのようなサージまたは変化は、2つ以上の配電網監視デバイスによって検出されてもよい。例えば、2つの配電網監視デバイスは、木が配電網に接触する点の上流および下流にある。しかしながら、測定されたパラメータ(例えば、電流変化または電圧スパイク)の値は、異なり得る、または反対でさえあり得る。
【0128】
風パラメータは、直接または間接的に測定されてもよい。例えば、風は、空気の速度として、またはケーブルへの風の影響として、測定されてもよい。例えば、ケーブルは、偏向される、揺動する、または発振する等であってもよい。そのようなケーブル偏向、揺動、および発振は、例えば、加速度計、重力計、または類似デバイスを使用して、測定されてもよい。
【0129】
電流または電圧のそのような変化は、時間依存性であり、2つ以上の配電網測定デバイスによって、同一の時間(またはほぼ同一の時間)にわたって検出されてもよい。そのような複数の測定デバイスは、同一の時間依存性変化を検出してもよく、各配電網測定デバイスは、異なる値の時間依存性変化を測定してもよい。したがって、2つの配電網測定デバイスの測定の間の差もまた、時間依存性変化またはパルスである。
【0130】
例えば、第1の配電網監視デバイス内の電流増加および近位配電網監視デバイス内の電流減少を検出する、分析規則60は、配電網監視デバイスの間の故障を示してもよく、該故障は、配電網に触れる物体に起因する瞬時短絡を示す。例えば、そのような故障インジケーション(例えば、分析規則60)はまた、十分な値の風測定、または十分な値の湿度測定、または十分な値の空気伝導度の測定を要求し得る。分析規則60はさらに、上流および/または下流のさらなる配電網監視デバイスが、関連パラメータ(例えば、電流減少または増加)を検出しない、またははるかに低い値を検出することを要求し得る。
【0131】
例えば、分析規則60は、例えば、2つの配電網監視デバイスの電流測定を比較することによって、2つの配電網監視デバイスの間の漏出を検出してもよい。例えば、上流配電網監視デバイスの電流測定が下流配電網監視デバイスの電流測定よりも高い場合、差は、配電網監視デバイスの間のある種類の漏出と見なされ得る。漏出値は、閾値を下回り、故障を報告することを要求し得る(例えば、ステップ72)。
【0132】
しかしながら、連続測定に基づいて、分析規則60はさらに、漏出値が時間とともに増加していることを検出してもよい。そのようなインジケーションは、明白な故障を報告することを要求し得る(例えば、ステップ72)が、絶対漏出値は、依然として閾値を下回り得る。分析規則60はさらに、風、温度、湿度、および/または空気伝導度等の別のパラメータとの相関関係を示してもよい。
【0133】
したがって、動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、例えば、変圧器または絶縁体の漏出悪化プロセスの発現を適切に早く検出してもよい。
【0134】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51はまた、ケーブルの不連続性を検出してもよい。動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、特定の配電網測定デバイスの下流の特定の分岐にあり、他の分岐では出現しない、故障を検出してもよい。
【0135】
いくつかのセンサは、塵、湿度、またはエイジングに起因して、不正確または変動性であり得る、またはそれらの較正を失い得る。動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、分析規則60を使用し、2つ以上の配電網測定デバイスの異なる正確度、または低速変動、または逆較正急上昇を補償することによって、そのような状況を克服し得る。
【0136】
例えば、分析規則60は、ケーブル11の2つの要素の間の接続において、腐食と関連付けられる故障を検出してもよい。例えば、分析規則60は、わずかな漏出に起因している場合があるが、例えば、温度と相関関係がある、2つの隣接配電網監視デバイスの電流測定の間の差を検出してもよい。例えば、電流差値は、周期的であり、日中に温度とともに増加し、夜間に温度とともに減少する。ステップ72は、したがって、2つの隣接配電網監視デバイスの間のケーブル接続における可能性として考えられる腐食を示す、故障を報告してもよい。
【0137】
配電網測定デバイスは、高分解能で、例えば、高速(例えば、1秒あたりの測定)および/または高い正確度において、種々のパラメータ(例えば、電気的パラメータ、物理的パラメータ等)を測定してもよい。1つ以上の収集規則59に従って、配電網測定デバイス(10、37)は、次いで、上流の配電網測定デバイスに、および/または個別のエリアコントローラ(31、39)に、および/または中央コントローラまたはサーバ32に、および/またはマスタ中央コントローラ40に、個別の測定の選択された低分解能サンプルおよび/または平均を送信してもよい。
【0138】
各配電網測定デバイス(10、37)は、内部に、例えば、
図1のコントローラモジュール14のメモリまたは記憶装置の中に、選択された高分解能測定を記憶してもよい。例えば、配電網測定デバイス(10、37)は、特定の数の最後の測定、または特定の最近の期間にわたる測定、または任意の特定の特性評価の測定を内部に記憶してもよい。
【0139】
例えば、配電網測定デバイス(10、37)は、過渡等の特定の不規則性と関連付けられる測定を内部に記憶してもよい。そのような関連付けられる測定は、例えば、過渡の直前および後の同一のパラメータの測定、または過渡の同時の異なるタイプのパラメータの測定であってもよい。そのような測定は、要求されない限り、上流に伝送されなくてもよい。
【0140】
分析規則60は、例えば、過渡を報告する配電網測定デバイスから、および/または隣接配電網測定デバイスからのそのような高分解能測定の要求を含んでもよい。
【0141】
分析規則60は、次いで、例えば、2つ以上の配電網測定デバイスの詳細な高分解能測定を比較し、例えば、過渡の性質および/または過渡の場所を分析してもよい。
【0142】
過渡の場所は、例えば、2つ以上の配電網測定デバイスによって、過渡を測定する正確な時間を比較することによって、決定されてもよい。例えば、配電網測定デバイスは、過渡が生じた場所の上流および下流に位置する(代替として、配電網測定デバイスは、過渡が生じた場所の同一側に位置する)。正確な測定の時間は、GPSモジュール26を介して取得されてもよい。
【0143】
しかしながら、2つの配電網測定デバイスが同一の過渡の異なる形状を測定する場合、過渡の同一の特徴の時間測定を比較することが重要である。これは、詳細な高分解能測定を比較することによって達成され得る。分析規則60は、例えば、2つ以上の配電網測定デバイスからのそのような高分解能測定の要求を含んでもよい。そのような要求は、例えば、瞬間電力を査定するために、電圧および電流等の1つ以上のタイプのパラメータの高分解能測定を含んでもよい。
【0144】
GPSモジュール26は、約10ナノ秒の時間測定を可能にし、したがって、故障の場所を約3メートルまで推定することを可能にする。GPSモジュール26はまた、複数の配電網測定デバイスの測定の同期化も可能にする。
【0145】
ここで、一例示的実施形態による、故障の場所が2つ以上の配電網測定デバイスによって決定される、故障を有する配電網の一部の概略図である、
図8を参照する。
【0146】
オプションとして、
図8の概略図は、前の図の詳細との関連で見られ得る。しかしながら、当然、
図8の概略図は、任意の所望の環境との関連で見られ得る。さらに、前述の定義は、以下の説明に等しく適用され得る。
【0147】
図8は、単相の位相搬送導体(例えば、ケーブル11)に接続された配電網測定デバイス(10、37)を示す。しかしながら、
図8を参照して開示される配列、システム、および方法はまた、3相ネットワークおよび/または複数の導体にも適用され得ることが理解される。
【0148】
故障の場所は、故障を測定および/または検出することに関与する、2つ以上の配電網測定デバイス(10、37)の場所に従って決定されてもよい。故障の場所は、例えば、正確なGPS測定を使用して提供される、配電網測定デバイス(10、37)の正確な場所に従って決定されてもよい。例えば、以下に説明されるような、配電網測定デバイス(10、37)に対する故障の場所は、GPSクロック信号を使用する、これらの配電網測定デバイス(10、37)の中の正確に同期化されたクロックを使用して、決定されてもよい。正確な(例えば、約10ナノ秒)クロック同期化が利用可能ではない場合、故障の場所は、例えば、2つの配電網測定デバイス(10、37)の間の途中で、大まかに決定されてもよい。
【0149】
高正確度故障場所のためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して、配電網測定システム36または動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、最初に、例えば、2つの配電網測定デバイス(10、37)の間に、故障の大まかな場所を見出してもよい。次いで、配電網測定システム36または動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、以下のテストケースのうちの1つを使用し、故障に最も近い配電網測定デバイス(10、37)によって提供されるような故障と関連付けられる高度に正確な測定の時間を使用して、故障の正確な場所を決定してもよい。
【0150】
図8に示される第1のテストケースでは、配電網測定システム36または動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、以下の式を使用して、数字87および88によって指定される配電網測定デバイス等の2つの配電網測定デバイス(10、37)の間に故障86の場所を特定してもよい。
方程式1:L1=L-L2
方程式2:L2=(L-(T1-T2)
*C)/2
【0151】
式中、Cは、導体内の電波の速度、典型的には、300メートル/マイクロ秒である光の速度である。
【0152】
Lは、2つの配電網測定デバイス87および88の間の距離である。
【0153】
L1およびL2は、それぞれ、配電網測定デバイス87および88からの故障場所の距離である。
【0154】
第2のテストケースでは、2つの配電網測定デバイス87および88のうちの1つは、関連イベントまたはパラメータの時間測定を提供しない。例えば、配電網測定デバイス88は、正常な電流または電圧を測定する、または電流または電圧等を測定しない。例えば、ワイヤ切断または接地への短絡等の故障と関連付けられる、または故障86のその側面には配電網測定デバイスがない。
【0155】
配電網測定システム36または動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、以下の式を使用して、例えば、数字87および89によって指定される配電網測定デバイスを使用して、故障86の場所を特定してもよい。
方程式3:L2=L+L1
方程式4:L1=(L+(T1-T2)*C)/2
【0156】
式中、Cは、導体内の電波の速度、典型的には、300メートル/マイクロ秒である光の速度である。
【0157】
Lは、2つの配電網測定デバイス87および88の間の距離である。
【0158】
L1およびL2は、それぞれ、配電網測定デバイス87および88からの故障場所の距離である。
【0159】
上記の式は、ケーブルに沿った故障場所を計算する。絶対項(GPS場所等)の中の故障場所は、地面の上方または下方のケーブルの実際の進行に従って、決定されてもよい。例えば、(例えば、配電網柱に起因する)ケーブルの屈曲がない場合、故障座標は、配電網測定デバイスのGPS座標に従って、直線に従ってケーブルを計算して、計算されてもよい。ケーブルが屈曲する場合、故障座標は、実際のワイヤ区画を使用して、実際のワイヤルートに従って計算されてもよい。
【0160】
配電網測定システム36は、したがって、配電網にわたって分配される複数の測定デバイスを動作させてもよく、これらの測定デバイスはそれぞれ、少なくとも電流または電圧を測定すること、およびそれらの個別の発生時間とともに電流測定および/または電圧測定を記録することが可能である。
【0161】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、したがって、最初に、複数の測定デバイスのうちのいずれかによって検出されるような過渡を含む、複数のそのような測定を記録することによって、配電網内の故障を検出してもよい。測定および/または過渡は、電流値の変化および/または電圧値の変化を含んでもよい。典型的には、そのような測定は、そのような変化が個別の事前決定された値よりも大きい場合に記録される。
【0162】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、次いで、第1の測定デバイスによって検出される第1の過渡および第2の測定デバイスによって検出される第2の過渡を検出してもよく、第2の過渡は、第1の過渡の後に事前決定された期間内に発生する。
【0163】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、次いで、2つ以上の測定デバイスによる過渡の測定の時間に従って、過渡の発生源場所を算出してもよい。
【0164】
事前決定された期間は、例えば、配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、第1の測定デバイスと第2の測定デバイスとの間のそのような過渡の進行時間以下であり得る。
【0165】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、個別の過渡の発生時間の間の時間差を算出し、配電網のケーブルの内の電気信号の速度に従って、時間差中の過渡の進行距離を算出し、第1の測定デバイスと第2の測定デバイスとの間の中間場所を算出し、個別の過渡のより早い発生時間を有する測定デバイスにより近い中間場所から進行距離の半分で発生源場所を決定することによって、発生源場所を算出してもよい。
【0166】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51はまた、第1の測定デバイスによって検出される複数のそのような過渡および過渡の対応する測定の時間を検出し、発生源場所の下流に設置された第2の測定デバイスが、第1の測定デバイスによって検出された過渡の測定の時間の周辺の事前決定された期間内に過渡を検出しなかった場合に、過渡を報告してもよい。代替として、動的故障検出ソフトウェアプログラム51は、下流に設置された第2の測定デバイスが、第1の測定デバイスによって検出された過渡の測定の時間の周辺の事前決定された期間内に反復反対過渡を検出した場合に、過渡を報告してもよい。
【0167】
この場合、また、事前決定された期間は、配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、第1の測定デバイスと第2の測定デバイスとの間の過渡の進行時間以下であり得る。
【0168】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51はまた、最初に、第1および第2の測定デバイスによって検出される個別の過渡の発生時間の間の時間差を算出することによって、第2の測定デバイスによって検出される過渡の発生源場所を算出してもよい。次いで、配電網のケーブルの内の電気信号の速度に従って、時間差中の過渡の進行距離を算出することによる。次いで、第1の測定デバイスと第2の測定デバイスとの間の場所を算出することによる。次いで、個別の過渡のより早い発生時間を有する測定デバイスにより近い中間場所から進行距離の半分として、発生源場所を決定することによる。
【0169】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51はまた、個別の測定の時間で温度を測定および記録し、その後、特定の測定デバイスの測定の値の反復変化を検出してもよく、測定の値の反復変化は、配電網のケーブルの個別の温度値または温度の変化と相関関係がある。
【0170】
動的故障検出ソフトウェアプログラム51はさらに、少なくとも1つの測定デバイスによって過渡を検出し、次いで、少なくとも1つの近位測定デバイスから、過渡の測定の時間の周辺の事前決定された期間内に記録される少なくとも1つの測定を報告するように要求することによって、配電網内の故障を検出してもよい。事前決定された期間は、配電網のケーブルの内の電気信号の速度にしたがう、2つの測定デバイスの間の過渡の進行時間以下であり得る。
【0171】
明確にするために、別個の実施形態との関連で説明される、ある特徴はまた、単一の実施形態では組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態との関連で説明される、種々の特徴はまた、別個に、または任意の好適な副次的組み合わせで提供され得る。
【0172】
説明が、その具体的実施形態と併せて上記で提供されているが、多くの代替物、修正、および変形例が、当業者に明白であろうことが明確である。故に、添付の請求項の精神および広い範囲内に入る、全てのそのような代替物、修正、および変形例を包含することが意図される。本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個々の出版物、特許、または特許出願が、参照することによって本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。加えて、本願内の任意の参考文献の引用または識別は、そのような参考文献が従来技術として利用可能であるという承認として解釈されるものとしない。