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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】回転干し器具
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/08 20060101AFI20230127BHJP
   D06F 57/00 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
D06F57/08 Z
D06F57/00 360
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022046064
(22)【出願日】2022-03-02
【審査請求日】2022-03-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522111736
【氏名又は名称】西岡 智志
(73)【特許権者】
【識別番号】522111747
【氏名又は名称】小森 航大郎
(73)【特許権者】
【識別番号】522111758
【氏名又は名称】斉藤 翔和
(73)【特許権者】
【識別番号】522111769
【氏名又は名称】瀬口 尚矢
(73)【特許権者】
【識別番号】522111770
【氏名又は名称】瀬口 昌矢
(73)【特許権者】
【識別番号】522111781
【氏名又は名称】世良 眞智人
(73)【特許権者】
【識別番号】522111792
【氏名又は名称】福永 悠人
(73)【特許権者】
【識別番号】522111806
【氏名又は名称】村岡 祐一郎
(73)【特許権者】
【識別番号】522114450
【氏名又は名称】山本 優太
(73)【特許権者】
【識別番号】522111817
【氏名又は名称】吉武 悠
(73)【特許権者】
【識別番号】522111828
【氏名又は名称】狩山 効平
(72)【発明者】
【氏名】西岡 智志
(72)【発明者】
【氏名】小森 航大郎
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 翔和
(72)【発明者】
【氏名】瀬口 尚矢
(72)【発明者】
【氏名】瀬口 昌矢
(72)【発明者】
【氏名】世良 眞智人
(72)【発明者】
【氏名】福永 悠人
(72)【発明者】
【氏名】村岡 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 優太
(72)【発明者】
【氏名】吉武 悠
(72)【発明者】
【氏名】狩山 効平
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-200589(JP,A)
【文献】特開2002-210293(JP,A)
【文献】特開2003-093796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/00-57/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部を三脚に支えられて略垂直に保持された軸と、
前記軸に回動自在に軸支されたサボニウス風車の垂直軸風車部と、
前記垂直軸風車部の上部に固定された複数の腕および前記複数の腕の夫々に設けられた含水物の留め具とからなる腕部と
から構成された回転干し器具。
【請求項2】
吊り金具にぶら下げられた軸と、
前記軸に回動自在に軸支されたサボニウス風車の垂直軸風車部と、
前記垂直軸風車部の上部に固定された複数の腕および前記複数の腕の夫々に設けられた含水物の留め具とからなる腕部と
から構成された回転干し器具。
【請求項5】
前記垂直軸風車部の開口部を含水物で塞がない構造が、前記複数の腕の取り付け位置を前記垂直軸風車部の開口部の近傍の上部に前記複数の腕を設けない構造により形成されている請求項3記載の回転干し器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直軸風車を利用して腕が回転する回転干し器具に関する。
【背景技術】
【0002】
水分を多く含んだ物、例えば洗濯物や生魚等(以下、含水物と略す。)を干す、乾かす場合には、含水物を広げて、太陽光や大気に万遍なく晒す方が、早く乾燥することは知られている。さらに、自然界に発生する風に含水物を晒す方がより乾燥することは知られている。その為、特許文献1や特許文献2のような考案や発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実登3066907号公報
【文献】特開2011-235061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の「特許文献1」の考案の名称「動力機駆動腕木回転式洗濯物干し器」では、回転するための動力として外部から電力の供給を受ける動力源3を使用しているため、電力供給設備が必要であると共に、電気代という運転経費が必要であり、装置自体の構造が複雑で、装置自体の価格も高くなるという問題があった。
【0005】
また、「特許文献2」の発明の名称「内側送風式洗濯物干しスタンド」では、特許文献1と同様に、モーター6を備えているので、電力供給設備が必要であると共に、電気代という運転経費が必要であり、装置自体の構造が複雑で、装置自体の価格も高くなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
第1発明の回転干し器具は、下部を三脚に支えられて略垂直に保持された軸と、前記軸と回動自在に軸支されたサボニウス風車の垂直軸風車部と、前記垂直軸風車部の上部に固定された複数の腕および前記複数の腕の夫々に設けられた含水物の留め具とからなる腕部とから構成されている。
第2発明の回転干し器具は、吊り金具にぶら下げられた軸と、前記軸と回動自在に軸支されたサボニウス風車の垂直軸風車部と、前記垂直軸風車部の上部に固定された複数の腕および前記複数の腕の夫々に設けられた含水物の留め具とからなる腕部とから構成されている。
第3発明の回転干し器具は、請求項1記載または請求項2記載の発明において、前記腕部の構造が、前記垂直軸風車部の開口部を含水物で塞がない構造となっている。
第4発明の回転干し器具は、請求項3記載の発明において、前記垂直軸風車部の開口部を含水物で塞がない構造が、前記複数の腕に取り付けられた前記含水物の留め具である内側留め具の位置を前記軸の中心から所定の距離を離す構造により形成されている。
第5発明の回転干し器具は、請求項3記載の発明において、前記垂直軸風車部の開口部を含水物で塞がない構造が、前記複数の腕の取り付け位置を前記垂直軸風車部の開口部の近傍の上部に前記複数の腕を設けない構造により形成されている。
【発明の効果】
【0008】
以上のような、技術的手段を有することにより、以下の効果を有する。
【0009】
垂直軸風車部を備えていることで、屋内や屋外に発生している風を利用して回転することができ、電動機(モーター)が不要ないことで、外部からの電力の供給が不要であり、構造を簡単にできると同時に安価に回転干し器具として実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る第1の実施形態の回転干し器具の外観図である。
図2】本発明に係る第1の実施形態の回転干し器具の組立図である。
図3】本発明に係る第1の実施形態の含水物の位置に関する説明図である。
図4】本発明に係る第1の実施形態の腕部についての説明図である。
図5】本発明に係る第1の実施形態の含水物と風についての説明図である。
図6】本発明に係る第2の実施形態の回転干し器具の腕部の配置図である。
図7】本発明に係る第3の実施形態の回転干し器具の腕部の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る回転干し器具実施の形態について図1乃至図7に基づき説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図1乃至図5に基づき説明する。まず、図1図2を用いて本発明の回転干し器具1の外観とその構成を説明する。
図1において回転干し器具1の概要は、垂直軸風車部10と、垂直軸風車部10の上部に取り付けた腕部20と、垂直軸風車部10を支える三脚31から構成されている。なお、本発明において、垂直軸風車部10については、弱い風でも回転し易く、水平方向の羽根の断面形状が上下方向の各部で均一であると同時に小さくまとめる(コンパクト)にできるサボニウス風車を用い、後述するサボニウス風車の形態に合わせた腕部20を用いて実施しているが、他の垂直型風車である風杯型風車、ダリウス型風車等によってもこれらの風車の形態に合わせることにより実施することができる。
【0013】
垂直軸風車部10は、羽根11とそれを固定する風車上側部材12、風車下側部材13で風車が形成されている。本発明において羽根11については、直径60mmで肉厚が1~5mmと肉厚の薄い円筒を前記円筒軸に合わせた平面で2分割したものを用いているが、他の大きさの円筒を用いても実施できる。この前記円筒を2分割した形状(半円形の樋の形状)の半円形の両端に嵌合する形状に形成された凹凸部を備えた風車上側部材12と風車下側部材13に接着や溶着等の手段により2個の羽根11は取り付けられている。風車上側部材12、風車下側部材13に2個の羽根11を取り付けることで、2個の羽根11は前記円筒の半径分(30mm)、互いにずらして、前記円筒の半径分の開口部が垂直軸風車部10に設けられるように形成されている。
【0014】
さらに垂直軸風車部10においては、風車上側部材12、風車下側部材13に夫々回転を滑らかにするためのスラスト軸受けである軸受14が嵌め込まれており、この2個の軸受14に軸15を貫通し、軸15の両側の端の近傍には溝が設けられ2個のスナップリングの留め輪16が装着されていることにより、軸15から2個の羽根11、風車上側部材12と風車下側部材13が離脱しない構造になっている。羽根11の長さについては、回転するのに必要な風力が得られるように700~1300mmとし、干す作業を行う人にとって適度な高さになるようにしている。羽根11、風車上側部材12と風車下側部材13の材料には、風力が少なくても回転しやすいように、プラスチック樹脂等軽量なものを用いているが、アルミニュウムや銅等の薄板によっても実施できる。
【0015】
腕部20は風車上側部材12に設けられた複数の穴に差し込むようにして取り付けられた複数の腕21と、複数の腕21に取り付けられた先端留め具28と内側留め具29から構成されている。このため、風車上側部材12については、複数の腕21を取り付け易いように、本実施形態では、半径55mmの厚みの薄い円筒(円盤)としていが、2個の羽根11の形状に合わせて外形を形成しても良い。また、先端留め具28と内側留め具29は、複数の腕21に吊るされた含水部の留め具として設けられている。風車上側部材12への複数の腕21の取り付けは、風車上側部材12の穴にテーパーを付け腕21の形状を対応させる方法、風車上側部材12の穴にメネジを設け腕21の形状を対応させる方法、接着や溶着などの方法により実施できる。
サボニウス風車である垂直軸風車部10と腕部20との関係については後述する。
【0016】
腕21については、直径5mmの円筒や、一辺5mmの方形の筒として形成されている。腕21の長さの例としては400~450mmとしている。複数の腕21と、複数の腕21に夫々取り付けられた先端留め具28と内側留め具29の材料にも軽量なプラスチック樹脂等を用いている。
また、垂直軸風車部10と腕部20が、屋外・屋内を問わずに自立するように、三脚31で垂直軸風車部10の軸15が支えられている。屋外の風が強い場所で使用する場合は、転倒防止のため上部に設けられた吊り具32を物干し竿等に引っかけて使用することもできる。もちろん、三脚31を用いずに、吊り具32だけを使用する構成の回転干し器具2としても実施できる。
【0017】
垂直軸風車部10と腕部20についてさらに説明する。サボニウス風車である垂直軸風車部10を利用して複数の腕21を回転させる場合、垂直軸風車部10と複数の腕21が固定されていれば、複数の腕21を回転させることができる。しかしながら、垂直軸風車部10は垂直方向に所定の高さが必要であり、回転干し器具1としての構成を考えた場合には、垂直軸風車部10の下側に複数の腕を取り付けた場合には、回転干し器具自体の高さ方向の空間(スペース)が必要になる。そのため、回転干し器具1の高さを小さくする(コンパクトにする)には、垂直軸風車部10の上部に複数の腕21を取り付けた方が良いことになる。
【0018】
垂直軸風車部10の上部に複数の腕21を取り付ける場合には、上部の複数の腕21にぶら下げられた含水物9が垂直軸風車の風の取り入れ口、つまり羽根11と羽根11の間の開口部を塞がないようにする必要がある。また、複数の腕21については、垂直軸風車部10と共に回転するので、バランス良く回転するためには、垂直軸風車部10の軸15を中心として、点対称で放射状に配置して取り付けることが好ましいことになる。そして、複数の腕21を点対称で放射状に配置する場合には、腕21の本数は多ければ多いほど、沢山の含水物9をぶら下げることが可能であるが、多すぎる場合には、含水物9により垂直軸風車部10の羽根11の開口部を塞ぐことになる。そのために本発明においては、複数の腕21を16本放射状に均等な角度で分割して配置しているが、腕部21の本数については、後述する垂直軸風車部10の羽根11の開口部との関係を考慮して、増やすことや減らすようにしても良い。
【0019】
そして、複数の腕21を16本放射状に均等な角度で分割して配置した場合にが、近接する腕同士の角度が22.5度になる。この腕21に含水物9をぶら下げた場合に、近接する含水物9同士が、近づきすぎないように、軸の中心から所定の距離を離した方が良いことになる。
【0020】
この、腕21における含水物9の配置について、図3を用いて説明する。
図3は、垂直軸風車部10であるサボニウス風車の水平断面を表した図であり、説明に必要な、羽根11と、含水物9については、実線で示しているが、他の位置関係のみを説明する風車上側部材12と、複数の腕21については、破線で示している。また、位置関係を説明するために、複数の腕21の中心線を一点鎖線で、後述する腕の半径Rの位置を二点鎖線で示している。
【0021】
例えば、垂直軸風車部10であるサボニウス風車の羽根11の開口部の間隔は前述のように30mmであり、腕21の太さを5mmとし、含水物9の厚みを5mmと仮定する。
すると、近接する含水物9同士の間隔が30mmであるための、近接する腕21同士の間隔は以下の式で求めることができる。
30mm+5mm+5mm+5mm=45mm
つまり、近接する腕21同士の間隔を45mm以上の間隔にすれば、垂直軸風車の羽根11の開口部の間隔と同等の間隔が確保可能になり、垂直軸風車に到達するまでの風を妨害し難い状態にすることが出来ると考えられる。
【0022】
そして、前記の近接する腕21同士の間隔が確保できるための、中心からの距離(半径(R))は以下の式で求められる。
R=45mm/2sin11.25=45mm/2×0.195
R=115.385mm≒120mm
つまり、中心からの距離R=120mm以上に、近接する含水物9同士を吊り下げることが可能になる、腕21に含水物9を固定する構造にすれば良いことになる。このため、腕21の前記の所定の位置に内側留め具29を設けている。なお、内側留め具29を設けずに、風車上側部材12の半径を大きくして、前記の距離R以上にしても良い。
【0023】
ここで付言すると、内側固定具29を設けない場合には、前記の風車上側部材12の半径を55mmとしているので、垂直軸風車(サボニウス風車)の水平方向の大きさから含水物9が中心から最も近づける距離をRmin=55mmとなり、近接する腕同士の間隔(d)とするとdは以下の式で求められる。
d=Rmin×2sin11.25=55mm×2×0.195
d=21.45mm
そのため、近接する含水物9同士の隙間は、
21.45mm-15mm=6.45mmとなる。
そのため、羽根11の開口部の間隔の30mmの1/4以下になることから、含水物9により、垂直軸風車部10であるサボニウス風車に到達するまでの風を妨害することになる。
【0024】
図4は、以上の内容を考慮した場合の回転干し器具1の腕部20を説明するための平面図である。ここで、三脚31については、図を判り易くするために、省略している。腕部20は、風車上側部材12の外周に均等に設けられた16箇所の穴に、同じ長さの16本の腕21が取り付けられている。そして、16本の腕21の先端には、16個の先端留め具28が取り付けられており、16本の腕21の風車上側部材12の中心(軸15の中心)から、前記の所定距離均等に離して内側留め具29が16個取り付けられている。そして、先端留め具28と内側留め具29の間に含水物9を吊り下げることになる。なお、先端留め具28については、腕部20が回転して遠心力により、含水物が外側に飛び出さないようにするためであるが、内側留め具29だけででも、含水物が外側に飛び出すことがないのであれば、先端留め具28を除いて実施することができる。回転干し器具1
【0025】
図5は、複数の腕21において、含水物9をR=120mmの位置に留めた場合に風を均一に流したと仮定した場合の説明図である。風の流れについては、白抜きの矢印で示している。また、この風によって複数の腕21に吊るされた含水物9の回転方向について矢印で示している。図5において、含水物9については、16箇所の長方形として図示し、16本の腕21については、風の流れとは無関係の場所に配置されているので、破線でその位置を図示し、腕21については、前述のような関係であるので、図を判り易くするために、符号を附していない。
【0026】
以上のように、回転干し器具1は構成されていることで、電気を使ったモーター等を使用せずに、サボニウス風車等、垂直軸型風車の機構を用いて、風の力で水平方向に腕木が回転し、干されたものが効率よく乾燥する構造となっている。
回転干し器具1を風があるところで使用すると垂直軸風車部10であるサボニウス風車の羽根11がその空気の流れを受け回転力を得て、干された物が回転する。また、軸15に軸受14を介して固定されているため、僅かな風でも複数の腕21が同一方向に回転する仕組みとなっている。また、垂直軸風車部10にサボニウス風車を使用することで、従来の物干しスタンドでは乾きにくい中心軸付近に風が抜ける構造となっている。図5に示すように、2個の羽根11の間を風が通り抜ける。
【0027】
回転干し器具1は晴天時、屋外で使用することで、含水物への日照度が一様となり、乾きむらを抑え、乾燥効率を高める留め具にはさみ固定する器具を利用することで、洗濯物だけでなく天日干ししたい乾物等の乾燥にも利用できる。屋内で使う場合も、扇風機やエアコンの風を利用して回転させることで、乾きむらをなくして乾燥効率を高めることができる。
【0028】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について、図6に基づき説明する。第2の実施形態と第1の実施形態の違いは、腕部20を腕部20aに変えただけであり、第1の実施形態の図4の平面図の部分を図6に変えて第2の実施形態を説明する。第2の実施形態におけるその他の部分については、第1の実施形態と同様であるので、同じ符号を附して説明を省略する。
【0029】
図6において、腕22~腕27については、内側留め具29の取り付け位置を変更しているので、腕21とは違う記号を附している。図6の2個の羽根11の水平面における形状において、2個の羽根11の2箇所の開口部を塞ぐ位置で、前記開口部の面からほぼ垂直に放射状に延びる腕21、腕22と、2個の羽根11の2箇所の開口部に略水平に放射状に延びる腕26については、含水物を吊り下げた場合の2個の羽根11の2箇所の開口部に対する影響は異なることになる。腕26や腕27については、内側留め具29を風車上側部材12に近接するように取り付けたとしても、腕26や腕27に吊り下げられた含水物によって、2個の羽根11の2箇所の開口部を塞ぐことはない。
【0030】
かえって、腕26や腕27については、風車上側部材12に近接させた方が吊り下げられた含水物によって、風を2個の羽根11の2箇所の開口部に導くことになる所謂案内板(ルーバー)としての効果を発生する。そのため、腕26と腕27に設けた内側留め具29については、風車上側部材12に近接するように取り付けている。また、腕23から腕25については、腕22の内側留め具29の取り付け位置から徐々に風車上側部材12に近づくようにして設けてある。なお、本実施形態においては、腕21~腕27の長さを同じとしているが、先端留め具28と内側留め具29の間の距離によって決まる含水物の吊下げ間隔を同一にするために、腕21~腕27の全体長さを変化させても良い。これにより、腕部20aの含水物の吊下げ範囲を広げることができる。
【0031】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について、図7に基づき説明する。第3の実施形態と第2の実施形態の違いは、腕部20aを腕部20bに変えただけであり、第2の実施形態の図6の平面図の部分を図7に変えて第3の実施形態を説明する。第3の実施形態におけるその他の部分については、第1の実施形態や第2の実施形態と同様であるので、同じ符号を附して説明を省略する。
【0032】
図7の腕部20bと図6の腕部20a違いは、図6の腕部20aに取り付けられていた4本の腕21を除いた状態にしたものが、図7の腕部20bである。第2の実施形態において説明したように、4本の腕21は、2個の羽根11の2箇所の開口部を塞ぐ位置の上部に取り付けられているので、これを除いたものである。4本の腕21を除くことにより、2個の羽根11の2箇所の開口部を含水物により塞ぐ可能性はなくなり、より回転干し器具の風による回転の安定性を増すことができる。
【0033】
なお、腕22~腕27については、内側留め具29の取り付け位置を第2の実施形態と同様に変更している。なお、本実施形態においては、腕22~腕27の長さを同じとしているが、先端留め具28と内側留め具29の間の距離によって決まる含水物の吊下げ間隔を同一にするために、腕22~腕27の全体長さを変化させても良い。
【0034】
以上、本発明について、第1~第3の実施形態に基づき説明してきたが、本発明は何らこれらの実施形態の構成に限定するものではない。例えば、第1~第3の実施形態の組み合わせについては適宜組合せを変えて実施可能である。
【0035】
さらには、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
洗濯物や生魚等を自然の風を利用して回転させ、干すことができるので、産業上の利用性がある。
【符号の説明】
【0037】
1、2:回転干し器具
9:含水物
10:垂直軸風車部
11:羽根
12:風車上側部材
13:風車下側部材
14:軸受
15:軸
16:留め輪
20、20a、20b:腕部
21~27:腕
28:先端留め具
29:内側留め具
31:三脚
32:吊り具
【要約】
【課題】 従来の動力機駆動腕木回転式洗濯物干し器や内側送風式洗濯物干しスタンドでは、動力源やモーターが必要であり、電力供給設備が必要であると共に、電気代という運転経費が必要であり、装置自体の構造が複雑で、装置自体の価格も高くなるという問題があった。
【解決手段】 回転干し器具1は、下部を三脚31に支えられて略垂直に保持された軸15と、軸15と回動自在に軸支された垂直軸風車部10と、垂直軸風車部10の上部に固定された複数の腕21及び前記複数の腕21の夫々に設けられた含水物の留め具29とからなる腕部20から構成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7