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特許7217595医用情報処理システム、医用情報処理システムの制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】医用情報処理システム、医用情報処理システムの制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20230127BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230127BHJP
   A61B 5/1171 20160101ALI20230127BHJP
   G16H 30/20 20180101ALI20230127BHJP
【FI】
G16H10/60
A61B5/00 102B
A61B5/1171 200
G16H30/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018124532
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020004203
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】392022064
【氏名又は名称】キヤノンメドテックサプライ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米元 健二
(72)【発明者】
【氏名】藤原 健
(72)【発明者】
【氏名】太田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】太田 純平
(72)【発明者】
【氏名】栗山 勇希
(72)【発明者】
【氏名】村松 伸
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-030324(JP,A)
【文献】国際公開第2018/086953(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/116719(WO,A1)
【文献】特開2003-093524(JP,A)
【文献】特開2003-271741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/00- 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の医用検査室で検査を行う各被検者の医用検査情報と、予め前記被検者を第1の可視光撮像装置により撮像することで得られる第1可視光画像データとを管理する管理手段と、
前記管理手段で管理する複数の前記医用検査情報の中から、実施する前記医用検査情報を設定する設定手段と、
被検者が前記医用検査室に入室するときに、当該被検者を第2の可視光撮像装置により撮像することで得られる第2可視光画像データと、前記管理手段で管理する前記第1可視光画像データとを用いて、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者であるかを特定する特定手段と、
前記第1可視光画像データと、前記第2可視光画像データと、前記特定手段により検査対象の被検者ではないと特定されたことを示す通知と、前記医用検査情報にかかる検査と同じ時間帯の別の医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、前記医用検査情報にかかる検査と同じ日付の同じ医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、を並べて表示する照会画面により、前記特定手段による特定結果を通知する通知手段と
前記特定手段により検査対象の被検者であると特定された場合に、前記設定手段により設定した前記医用検査情報を、当該医用検査情報に従って検査を実施する放射線画像検査機器に送信する送信手段と、
前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者でないと前記特定手段により特定されることを条件に、前記送信手段による前記医用検査情報の送信を行わないように制御する制御手段と、
を備え、
前記送信手段により送信された前記医用検査情報に基づいて前記放射線画像検査機器により前記被検者の放射線画像の撮影が実行される
ことを特徴とする医用情報処理システム。
【請求項2】
前記通知手段は、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者でないと前記特定手段により特定されることを条件に、その旨をユーザが認識可能となるように通知することを特徴とする請求項1に記載の医用情報処理システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記送信手段により前記医用検査情報を送信するか否かの指示を受け付ける画面を通知し、
前記制御手段は、前記画面を介して、前記医用検査情報を送信する指示を受け付けると、前記送信手段による前記医用検査情報の送信を行わないように制御した前記医用検査情報を、前記送信手段により送信するように制御することを特徴とする請求項に記載の医用情報処理システム。
【請求項4】
前記通知手段は、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者でないと前記特定手段により特定されることを条件に、前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者であるかを確認したかの入力を受け付ける受付部を有する前記画面を通知することを特徴とする請求項に記載の医用情報処理システム。
【請求項5】
前記通知手段は、前記受付部を介した入力を受け付けるまで前記送信手段により前記医用検査情報を送信する指示を受け付けない前記画面を通知することを特徴とする請求項に記載の医用情報処理システム。
【請求項6】
前記特定手段は、更に、前記医用検査室で検査を行う被検者が待機する場所を撮像した第3可視光画像データから、前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者を特定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の医用情報処理システム。
【請求項7】
前記第1の可視光撮像装置は、当該第1の可視光撮像装置により撮像した前記第1可視光画像データと、当該第1可視光画像データに映る被検者を識別する識別情報とを紐づける端末の近傍に設けられた可視光撮像装置であり、前記第2の可視光撮像装置は、前記医用検査室の入り口の近傍に設けられた可視光撮像装置であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の医用情報処理システム。
【請求項8】
前記設定手段は、ユーザにより指定された順に設定し、当該設定した医用検査情報に従って検査が実施されると次の前記医用検査情報を設定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の医用情報処理システム。
【請求項9】
所定の医用検査室で検査を行う各被検者の医用検査情報と、予め前記被検者を第1の可視光撮像装置により撮像することで得られる第1可視光画像データとを管理する管理手段を備える医用情報処理システムの制御方法であって、
前記管理手段で管理する前記医用検査情報の中から、実施する前記医用検査情報を設定する設定工程と、
被検者が前記医用検査室に入室するときに、当該被検者を第2の可視光撮像装置により撮像することで得られる第2可視光画像データと、前記管理手段で管理する前記第1可視光画像データとを用いて、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定工程で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者であるかを特定する特定工程と、
前記第1可視光画像データと、前記第2可視光画像データと、前記特定工程により検査対象の被検者ではないと特定されたことを示す通知と、前記医用検査情報にかかる検査と同じ時間帯の別の医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、前記医用検査情報にかかる検査と同じ日付の同じ医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、を並べて表示する照会画面により、前記特定工程による特定結果を通知する通知工程と
前記特定工程により検査対象の被検者であると特定された場合に、前記設定工程により設定された前記医用検査情報を、当該医用検査情報に従って検査を実施する放射線画像検査機器に送信する送信工程と、
前記医用検査室に入室する被検者が前記設定工程で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者でないと前記特定工程により特定されることを条件に、前記送信工程による前記医用検査情報の送信を行わないように制御する制御工程と、
を含み、
前記送信工程により送信された前記医用検査情報に基づいて前記放射線画像検査機器により前記被検者の放射線画像の撮影が実行される
ことを特徴とする医用情報処理システムの制御方法。
【請求項10】
所定の医用検査室で検査を行う各被検者の医用検査情報と、予め前記被検者を第1の可視光撮像装置により撮像することで得られる第1可視光画像データとを管理する管理手段を備える医用情報処理システムで読み取り実行可能なプログラムであって、
前記医用情報処理システムを、
前記管理手段で管理する前記医用検査情報の中から、実施する前記医用検査情報を設定する設定手段と、
被検者が前記医用検査室に入室するときに、当該被検者を第2の可視光撮像装置により撮像することで得られる第2可視光画像データと、前記管理手段で管理する前記第1可視光画像データとを用いて、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者であるかを特定する特定手段と、
前記第1可視光画像データと、前記第2可視光画像データと、検査対象の被検者ではないと特定されたことを示す通知と、前記医用検査情報にかかる検査と同じ時間帯の別の医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、前記医用検査情報にかかる検査と同じ日付の同じ医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、を並べて表示する照会画面により、前記特定手段による特定結果を通知する通知手段と、
前記特定手段により検査対象の被検者であると特定された場合に、前記設定手段により設定した前記医用検査情報を、当該医用検査情報に従って検査を実施する放射線画像検査機器に送信する送信手段と、
前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者でないと前記特定手段により特定されることを条件に、前記送信手段による前記医用検査情報の送信を行わないように制御する制御手段と、
として機能させ、
前記送信手段により送信された前記医用検査情報に基づいて前記放射線画像検査機器により前記被検者の放射線画像の撮影が実行される
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用情報処理システム、医用情報処理システムの制御方法、およびプログラムに関し、特に、検査対象の被検者と異なる被検者の検査を誤って実施する可能性を低減する仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
病院では、放射線検査、血液検査、心電図検査等、毎日様々な検査が行われているが、検査において患者の取り違えは非常に重大なインシデントである。
【0003】
そのため、病院では検査室(撮影室)への入室時に必ず患者の氏名を呼んで本人確認を行うといった対策が講じられてはいるが、耳が聞こえにくい患者が名前を聞き間違えて入室したり、同姓の患者が誤って入室したりする等により、依然として患者の取り違えが発生する恐れがあった。
【0004】
このような課題に対して、特許文献1には、検査実施時に取得した患者個人を識別するための個人認証データが、あらかじめ検査実施前(病院の受付や医師の診察時)に取得した個人認証データの中に存在するかを判定し、存在しない場合に警告する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-30324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を用いた場合、検査実施前に取得した個人認証データの中に、検査実施時に取得した個人認証データが含まれていれば警告しないため、例えば、同じ検査室で同じ検査を受ける複数の患者が、検査の順番を間違ったことによる患者の取り違えについては依然として防ぐことができない可能性があった。
【0007】
本発明は、検査対象の被検者と異なる被検者の検査を誤って実施する可能性を低減する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る医用情報処理システムは、所定の医用検査室で検査を行う各被検者の医用検査情報と、予め前記被検者を第1の可視光撮像装置により撮像することで得られる第1可視光画像データとを管理する管理手段と、前記管理手段で管理する複数の前記医用検査情報の中から、実施する前記医用検査情報を設定する設定手段と、被検者が前記医用検査室に入室するときに、当該被検者を第2の可視光撮像装置により撮像することで得られる第2可視光画像データと、前記管理手段で管理する前記第1可視光画像データとを用いて、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者であるかを特定する特定手段と、前記第1可視光画像データと、前記第2可視光画像データと、前記特定手段により検査対象の被検者ではないと特定されたことを示す通知と、前記医用検査情報にかかる検査と同じ時間帯の別の医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、前記医用検査情報にかかる検査と同じ日付の同じ医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、を並べて表示する照会画面により、前記特定手段による特定結果を通知する通知手段と、前記特定手段により検査対象の被検者であると特定された場合に、前記設定手段により設定した前記医用検査情報を、当該医用検査情報に従って検査を実施する放射線画像検査機器に送信する送信手段と、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者でないと前記特定手段により特定されることを条件に、前記送信手段による前記医用検査情報の送信を行わないように制御する制御手段と、を備え、前記送信手段により送信された前記医用検査情報に基づいて前記放射線画像検査機器により前記被検者の放射線画像の撮影が実行されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る医用情報処理システムの制御方法は、所定の医用検査室で検査を行う各被検者の医用検査情報と、予め前記被検者を第1の可視光撮像装置により撮像することで得られる第1可視光画像データとを管理する管理手段を備える医用情報処理システムの制御方法であって、前記管理手段で管理する前記医用検査情報の中から、実施する前記医用検査情報を設定する設定工程と、被検者が前記医用検査室に入室するときに、当該被検者を第2の可視光撮像装置により撮像することで得られる第2可視光画像データと、前記管理手段で管理する前記第1可視光画像データとを用いて、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定工程で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者であるかを特定する特定工程と、前記第1可視光画像データと、前記第2可視光画像データと、前記特定工程により検査対象の被検者ではないと特定されたことを示す通知と、前記医用検査情報にかかる検査と同じ時間帯の別の医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、前記医用検査情報にかかる検査と同じ日付の同じ医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、を並べて表示する照会画面により、前記特定工程による特定結果を通知する通知工程と、前記特定工程により検査対象の被検者であると特定された場合に、前記設定工程により設定された前記医用検査情報を、当該医用検査情報に従って検査を実施する放射線画像検査機器に送信する送信工程と、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定工程で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者でないと前記特定工程により特定されることを条件に、前記送信工程による前記医用検査情報の送信を行わないように制御する制御工程と、を含み、前記送信工程により送信された前記医用検査情報に基づいて前記放射線画像検査機器により前記被検者の放射線画像の撮影が実行されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る医用情報処理システムで読み取り実行可能なプログラムは、所定の医用検査室で検査を行う各被検者の医用検査情報と、予め前記被検者を第1の可視光撮像装置により撮像することで得られる第1可視光画像データとを管理する管理手段を備える医用情報処理システムで読み取り実行可能なプログラムであって、前記医用情報処理システムを、前記管理手段で管理する前記医用検査情報の中から、実施する前記医用検査情報を設定する設定手段と、被検者が前記医用検査室に入室するときに、当該被検者を第2の可視光撮像装置により撮像することで得られる第2可視光画像データと、前記管理手段で管理する前記第1可視光画像データとを用いて、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者であるかを特定する特定手段と、前記第1可視光画像データと、前記第2可視光画像データと、検査対象の被検者ではないと特定されたことを示す通知と、前記医用検査情報にかかる検査と同じ時間帯の別の医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、前記医用検査情報にかかる検査と同じ日付の同じ医用検査室での検査予定の被検者のリストを表示するためのボタンと、を並べて表示する照会画面により、前記特定手段による特定結果を通知する通知手段と、前記特定手段により検査対象の被検者であると特定された場合に、前記設定手段により設定した前記医用検査情報を、当該医用検査情報に従って検査を実施する放射線画像検査機器に送信する送信手段と、前記医用検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された前記医用検査情報の検査対象となっている被検者でないと前記特定手段により特定されることを条件に、前記送信手段による前記医用検査情報の送信を行わないように制御する制御手段と、として機能させ、前記送信手段により送信された前記医用検査情報に基づいて前記放射線画像検査機器により前記被検者の放射線画像の撮影が実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、検査対象の被検者と異なる被検者の検査を誤って実施する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態における患者照合システムのシステム構成を示す図。
図2】本発明の実施形態における受付装置101、サーバ103、操作室装置105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図。
図3】本発明の実施形態におけるネットワークカメラ102、104のハードウェアの構成の一例を示す図。
図4】本発明の実施形態において、受付装置101のディスプレイ210に表示される受付画面の一例を示す図。
図5】本発明の実施形態において、受付装置101のディスプレイ210に表示される撮像画面の一例を示す図。
図6】本発明の実施形態において、操作室装置105のディスプレイ210に表示される患者照合画面の一例を示す図。
図7】本発明の実施形態において、操作室装置105のディスプレイ210に表示される患者照合画面の一例を示す図。
図8】本発明の実施形態において、操作室装置105のディスプレイ210に表示される患者照合画面の一例を示す図。
図9】本発明の実施形態において、操作室装置105のディスプレイ210に表示される患者照合画面の一例を示す図。
図10】本発明の実施形態において、操作室装置105のディスプレイ210に表示される患者照合画面の一例を示す図。
図11】本発明の他の実施形態において、操作室装置105のディスプレイ210に表示される患者照合画面の一例を示す図。
図12】本発明の実施形態におけるオーダ情報データテーブルの一例を示す図。
図13】本発明の実施形態における、患者照合処理の一例を示す図。
図14】本発明の他の実施形態において、情報処理装置のディスプレイ210に表示される患者照合画面の一例を示す図。
図15】本発明の他の実施形態における、患者照合処理の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載した構成の具体的な実施形態の1つである。
【0014】
まず、図1を参照して、本実施形態における患者照合システム(情報処理システム)の概略構成について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態における患者照合システムのシステム構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の患者照合システムでは、受付装置101、ネットワークカメラ102、サーバ103、ネットワークカメラ104、操作室装置105、検査機器106が、無線通信又は移動通信網等のネットワークを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。
【0017】
受付装置101には、RIS(Radiology Information System)が組み込まれており、受付装置101は、患者情報、検査情報、撮影プロトコルを含む放射線検査オーダ(以下、単にオーダとも呼ぶ)の管理、検査機器106への連携等を行う。受付装置101は、例えば、検査室前の受付に設けられる。オーダは、HIS(Hospital Information Systems)から取得する。また、受付装置101は、取得したオーダを操作室装置105に送信する。なお、他の実施形態として、受付装置101にRISを組み込むことなく、他の装置に組み込まれたRISと受付装置101が通信することで、RISの情報を受付装置101に表示するとしても良い。また、受付装置101に、RISだけでなく、HISも組み込まれても良い。
【0018】
ネットワークカメラ102は、受付装置101の近傍に設けられ、受付に来た患者(被検者とも呼ぶ)を撮像する。
【0019】
受付装置101は、ネットワークカメラ102で患者を撮像した画像データ(例えば、顔画像データ)を、患者を識別する識別情報(例えば、患者ID)と紐づけて管理する。なお、ネットワークカメラ102で撮像した画像データと、識別情報は、サーバ103にも送信され、サーバ103でも管理される。
【0020】
ネットワークカメラ104は、撮影室(検査室とも呼ぶ)の入り口近傍に設けられ、撮影室に入室する患者を撮像し、撮像した画像データを受付装置101に送信する。受付装置101は、ネットワークカメラ104で撮像した画像データを取得する。なお、他の実施形態として、サーバ103に一旦画像データを送信し、サーバ103から受付装置101に送信しても良い。
【0021】
受付装置101は、既知の画像解析技術を用いて、ネットワークカメラ102で撮像した画像データと、ネットワークカメラ104で撮像した画像データとを照合し、ネットワークカメラ104で撮像した画像データに映る患者を特定する。そして特定した患者の識別情報を含む照合結果を操作室装置105に送信する。なお、他の実施形態として、サーバ103に照合結果を送信・登録し、サーバ103から操作室装置105に照合結果を送信しても良い。
【0022】
操作室装置105は、受付装置101から送信されるオーダや、照合結果等の情報、各ネットワークカメラで撮像した画像データを取得し、取得した情報(例えば、後述する図6~10の画面)を操作室装置105のディスプレイ210、または撮影室に別途設けられたディスプレイに表示する。なお、オーダは、受付装置101ではなくHISから取得しても良い。
【0023】
また、操作室装置105は、検査機器106へオーダ(撮影プロトコル)の送信制御を行う。
【0024】
検査機器106は、X線撮影装置等の検査機器であり、操作室装置105から送信されるオーダに従って撮影室に入室した患者の撮影を行う。
【0025】
なお、本実施形態では、ネットワークカメラ104で撮像した画像データに映る患者の特定を受付装置101で行うとしたが、他の実施形態として、ネットワークカメラ102、サーバ103、ネットワークカメラ104、操作室装置105のいずれかで行っても良く、また別途患者の特定を行う端末を設けても良い。その場合、ネットワークカメラ102で撮像した画像データ、ネットワークカメラ104で撮像した画像データ、および患者情報は、患者の特定を行う装置に送信される。
【0026】
また、本実施形態では、受付装置101と、サーバ103、ネットワークカメラ102、操作室装置105を別々の装置としたが、これらの装置の一部、または全部が一体でもよい。
【0027】
以上で図1の説明を終了し、次に図2について説明する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態における、図1に示した受付装置101、サーバ103、操作室装置105に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0029】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0030】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0031】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ210(液晶、ブラウン管を問わない)等の表示器への表示を制御する。
【0032】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0033】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0034】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0035】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる設定ファイル等も外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0036】
以上で、図2の説明を終了し、次に図3について説明する。
【0037】
図3は、本発明の実施形態における、ネットワークカメラ102、ネットワークカメラ104のハードウェアの構成の一例を示す図である。
【0038】
CPU301は、システムバス304に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM302あるいは外部メモリ305には、CPU301の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、画像処理サーバ108の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM303は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0039】
CPU301は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM303にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0040】
メモリコントローラ(MC)306は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ、画像データ等を記憶するハードディスク(HD)やPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるCFメモリやスマートメディア(登録商標)等の外部メモリ305へのアクセスを制御する。
【0041】
カメラ部307は、画像処理部308と接続されており、監視対象に対して向けられたレンズを透過して得られた光をCCDやCMOS等の受光セルによって光電変換を行った後、RGB信号や補色信号を画像処理部308に対して出力する。
【0042】
画像処理部308は、RGB信号や捕色信号に基づいて、ホワイトバランス調整、ガンマ処理、シャープネス処理を行い、更に、YC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号(以下、YC信号)を生成し、YC信号を所定の圧縮形式(例えばJPEGフォーマット、あるいはMotionJPEGフォーマット等)で圧縮し、この圧縮されたデータは、画像データとして外部メモリ305へ一時保管される。
【0043】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)309は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行しており、外部メモリ305に記憶された画像データは、通信I/Fコントローラ309によって外部機器へ送信される。以上で、図3の説明を終了する。
【0044】
次に、図4図10を用いて、本発明の実施形態において、受付装置101、操作室装置105に表示される画面について説明する。
【0045】
まず、図4図5について説明する。図4は、本発明の実施形態において、受付装置101のディスプレイ210に表示される受付画面の一例を示す図であり、図5は、図4の受付画面を介して呼び出され、受付装置101のディスプレイ210に表示される撮像画面の一例を示す図である。
【0046】
図4の401は検査オーダ一覧であり、HISから取得したオーダが一覧で表示される。図4の402は患者情報表示部であり、検査オーダ一覧401の中でユーザが選択したオーダの患者の情報が表示される。403は、検査情報表示部であり、検査オーダ一覧401の中でユーザが選択したオーダに含まれる検査情報が表示される。
【0047】
図4の受付画面を介して、ユーザから撮像画面の表示指示を受け付けると、受付装置101は、図5の撮像画面を表示する。撮像画面の表示指示は、検査オーダ一覧401の中で、これから撮像を行う患者のオーダをユーザがマウス等によりダブルクリックすることにより受け付けても良いし、「撮像画面表示ボタン」を受付画面に表示して、検査オーダ一覧401の中で、これから撮像を行う患者のオーダの選択をユーザから受け付けた後に、「撮像画面表示ボタン」(不図示)がユーザにより押下されることで受け付けても良い。
【0048】
図5の501は、患者ID表示部であり、撮像画面表示指示を受け付けた時に選択されていた患者の患者IDが自動で入力される。なお、患者IDは、ユーザが手動で入力しても、患者の診察券や問診票等に記載の1次元コードや2次元コードをリーダーで読み取ることによって入力しても良い。
【0049】
502は撮像画像表示部であり、受付装置101の近傍に設けられたネットワークカメラ102で受付に来た患者を撮像した画像データを取得して表示する。画像データを取得するタイミングは、図5の撮像画面を表示するタイミングでも良いし、撮像画面上に取得ボタンを設け、当該ボタンがユーザにより押下されたタイミングでもよい。
【0050】
そして、YESボタン503がユーザにより押下されると、受付装置101は、患者ID表示部501に表示されている患者IDと、撮像画像表示部502に表示されている画像データとを紐づけて管理する。また、その際、505に示すようなメッセージが表示される。
【0051】
また、NOボタン504がユーザにより押下されると、ネットワークカメラ102に再度画像データの取得要求を行う。NOボタン504が押下される場合とは、例えば、撮像時に患者がネットワークカメラ102の方向を向いていないなど、その後の照合処理において精度が低下するような画像データを取得した場合である。
【0052】
受付装置101は、撮像画像表示部502に表示され患者IDと紐づけた画像データと、ネットワークカメラ104で撮像した画像データとを既知の画像解析技術を用いて照合することにより、ネットワークカメラ104で撮像した画像データに映る患者を特定し、特定した患者の識別情報を含む照合結果を操作室装置105に送信する。なお、他の実施形態として、サーバ103に照合結果を送信し、サーバ103から操作室装置105に照合結果を送信しても良い。
【0053】
そして、操作室装置105は、操作室装置105のディスプレイ210に照合結果を表示する。では、ここから操作室装置105のディスプレイ210に表示される画面(図6図10)について説明する。
【0054】
図6図10は、本発明の実施形態において、操作室装置105のディスプレイ210に表示される患者照合画面の一例を示す図である。
【0055】
図6の601は、ネットワークカメラ102で受付に来た患者を撮像した画像データであって、受付装置101を介して患者IDと紐づけた画像データが表示される。画像データは、スタッフ(特に放射線技師)が指定したオーダに紐づく患者順で表示され、1つの検査が終了すると次に指定された患者の画像データが表示される。
【0056】
図6の602は、ネットワークカメラ104で撮像した画像データが表示され、1つの検査が終了すると、以降に撮影室に入室した患者の画像データが表示される。
【0057】
受付時の画像データ(601)と、撮影室入室時の画像データ(602)とを並列して表示することによりユーザが目視で各画像データに映る人物が同一であるかを確認することができ、万が一受付装置101が特定した患者が間違っていた場合に、目視で同一人物であることが確認できれば検査を開始することが可能となる。
【0058】
RIS情報603には、受付装置101から送信されたオーダの情報が、スタッフが指定した順番に設定され、表示される。オーダは、1つの検査が終了すると、その次に指定されたオーダが設定される。
【0059】
図6の606はステータス表示部であり、撮影室への患者の入室がないときには「待機中」というステータスが表示される。
【0060】
そして、撮影室に入室した患者の照合を行った結果、これから検査を行う患者であれば、図7の701に示すように、検査対象の患者であることをユーザ(検査を行うスタッフ)が認識可能となるような通知を行う。一方で、これから検査を行う患者でなければ、図8の801に示すように、検査対象の患者でないことをユーザが認識可能となるような通知を行う。ユーザは、図7の701の通知や図8の801の通知を確認することで、これから検査を行う患者として合っているかを確かめ、合っていれば検査開始ボタン604を押下し、合っていなければ、検査中止ボタンを押下する。そして、検査開始ボタン604がユーザにより押下されると、オーダ(撮影プロトコル等)の情報が検査機器106に送信される。
【0061】
従来は、上述した入室した患者が合っているかの照合は行われることなく、受付装置101から直接検査機器106にオーダの情報が送信されていたため、ユーザの口頭による患者の名前確認の際に取り違えが発生した場合には、誤った患者の検査を行ってしまう恐れがあった。
【0062】
しかし、本発明では、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者であるかを判定し、判定の結果、これから検査を行う患者であると判定された場合にはオーダが検査機器106に送信され、そうでない場合には通知を行うことで、ユーザにこれから検査を行う患者であるかを確認するように促すため、従来のように誤った患者の検査が開始される可能性を低減することが可能となる。
【0063】
次に、図9を用いて、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者でない場合の通知の他の実施形態について説明する。
【0064】
図9の901の通知では、図8の801の通知と異なり、検査対象の患者でないことをユーザ(検査を行うスタッフ)が認識可能となるような通知に加えて、確認OKボタン(受付部)902を備えている。また、確認OKボタン902がユーザにより押下されないと、検査開始ボタン903が押下できないように制御されている。これにより、ユーザが901の通知を見落として検査開始ボタン903を押下することを防止し、誤った患者の検査が開始される可能性をさらに低減することが可能となる。
【0065】
次に、図10について説明する。図10は、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者でない場合に、これから検査を行う患者がどこにいるかをユーザに通知する画面であり、図8図9に示した画面から呼び出すことができる画面である。
【0066】
図10には、待合室を撮像するネットワークカメラにより撮像することで得られる画像データと、ネットワークカメラ102で撮像した画像データとを照合することで、待合室にいる患者の中から、これから検査を行う患者を特定し、1001に示すように当該患者をユーザが認識可能となるように通知する。そうすることで、検査を行う患者をすぐに発見することが可能となる。なお、他の実施形態として、図6の画面に待合室確認ボタンを設け、当該ボタンがユーザにより押下されることで、図11に示す画面を表示しても良い。
【0067】
図11は、本発明の他の実施形態において、操作室装置105のディスプレイ210に表示される患者照合画面の一例を示す図である。
【0068】
図11では、待合室を撮像するネットワークカメラにより撮像することで得られる画像データと、ネットワークカメラ102で撮像した画像データとを照合することで、待合室にいる各患者を特定し、待合室の画像データ上にそれぞれの患者の情報(図11の1101~1103)を表示する。そうすることで、ユーザはどの患者を次に撮影室に呼べば良いかを確認することが可能となる。
【0069】
次に図12を用いて、本発明の実施形態におけるオーダ情報データテーブルの一例について説明する。オーダ情報データテーブルは、受付装置101、サーバ103、操作室装置105の外部メモリ211で記憶・管理される。
【0070】
オーダ情報データテーブルは、本発明における、所定の検査室で検査を行う各被検者の検査情報と、予め前記被検者を第1の撮像装置により撮像することで得られる画像データとを管理する管理手段の一例である。
【0071】
オーダ情報データテーブルは、患者を識別するための患者ID1201、患者氏名1202、患者の性別1203、患者の生年月日1204、検査の依頼元の科を示す依頼科1205、検査の種別を示す検査種別1206、検査部位1207等を含んでいる。また、受付装置101で患者を撮像後は、当該患者を撮像した画像データも紐づけて管理される。
【0072】
以上で、図12の説明を終了し、次に、図13を用いて、本発明で実行される処理について説明する。
【0073】
図13は、本発明の実施形態における、患者照合処理の一例を示す図である。図13に示す各処理は、受付装置101、または操作室装置105のCPU201が実行する。
【0074】
ステップS1301において、受付装置101は、HISからオーダを取得し、受付装置101のディスプレイ210に表示する(たとえば、図4に示す受付画面)。
【0075】
ステップS1302において、受付装置101は、検査オーダ一覧401の中からこれから撮像を行う患者のオーダの選択をユーザから受け付けることで、撮像画面(例えば、図5に示す撮像画面)を表示する。
【0076】
ステップS1303において、受付装置101は、ユーザ操作に従ってネットワークカメラ102から受付に来た患者を撮像した画像データを取得する。
【0077】
ステップS1304において、受付装置101は、患者ID表示部501への患者IDの入力を受け付ける。患者IDは、撮像画面表示指示を受け付けた時に選択されていた患者の患者IDが自動で入力される。なお、患者IDは、ユーザが手動で入力しても、患者の診察券や問診票等に記載の1次元コードや2次元コードをリーダーで読み取ることによって入力しても良い。そして、受付装置101は、患者ID表示部501に表示されている患者IDと、撮像画像表示部502に表示されている画像データとを紐づけて管理する。
【0078】
その後、ステップS1305において、受付装置101は、ネットワークカメラ104で撮像した画像データを取得する。
【0079】
ステップS1306において、受付装置101は、既知の画像解析技術を用いて、ステップS1303で取得した画像データと、ステップS1305で取得した画像データとを照合し、ステップS1305で取得した画像データに映る患者を特定する。そして、ステップS1307において、受付装置101は、ステップS1306で特定した患者の識別情報(患者ID)を含む照合結果を操作室装置105に送信する。なお、他の実施形態として、サーバ103に照合結果を送信・登録し、サーバ103から操作室装置105に照合結果を送信しても良い。
【0080】
ステップS1308において、操作室装置105は、オーダを取得する。オーダは受付装置101から取得しても良いし、HIS、または受付装置101と異なる装置に組み込まれたRISから直接取得しても良い。操作室装置105は、オーダを取得すると、取得したオーダをスタッフ(特に放射線技師)が指定した順に、検査機器106で検査を実施する対象として設定し、図6に示す患者照合画面を操作室装置105のディスプレイ210に表示する。設定したオーダはRIS情報603に表示される。ステップS1308は、本発明における、前記管理手段で管理する検査情報の中から、実施する検査情報を設定する設定手段の一例である。
【0081】
なお、他の実施形態として、オーダをスタッフが指定することなく、操作室装置105や、オーダの送信元の装置が、各検査機器106の空き情報や、検査待ちの患者の人数、各撮影室で撮影する検査部位に応じて設定するオーダを決定し、設定しても良い。
【0082】
ステップS1309において、操作室装置105は、ステップS1307において受付装置101から送信された照合結果を取得する。
【0083】
ステップS1310において、操作室装置105は、ステップS1309で取得した照合結果と、ステップS1308で設定したオーダを用いて、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者であるかを判定する。
【0084】
より具体的には、操作室装置105は、ステップS1309で取得した患者の識別情報(患者ID)と、ステップS1308で設定したオーダに含まれる患者の識別情報(患者ID)とが一致するかを判定する。
【0085】
ステップS1310と、後述するステップS1508は、本発明における、被検者が前記検査室に入室するときに、当該被検者を第2の撮像装置により撮像することで得られる画像データと、前記管理手段で管理する画像データとを用いて、前記検査室に入室する被検者が前記設定手段で設定された検査情報の検査対象となっている被検者であるかを特定する特定手段の一例である。
【0086】
操作室装置105は、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者である場合には、ステップS1311に処理を移行し、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者でなければ、ステップS1312に処理を移行する。
【0087】
ステップS1311において、操作室装置105は、図7(特に701)に示す通知を、当該操作室装置105のディスプレイ210に表示する。そして、検査開始ボタン604の押下をユーザから受け付けることなくステップS1314の処理を実行する。なお、他の実施形態として、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者である場合に、検査開始ボタン604がユーザにより押下されることでステップS1314の処理を実行しても良いが、検査開始ボタン604の押下をユーザから受け付けることなくステップS1314の処理を実行することで、ユーザが検査開始ボタン604を押す手間を削減することが可能となる。
【0088】
ステップS1312において、操作室装置105は、図8(特に801)、または図9に示す通知を、当該操作室装置105のディスプレイ210に表示する。なお、他の実施形態として、ステップS1311や、ステップS1312における通知を、撮影室に別途設けられたディスプレイに表示しても良い。
【0089】
ステップS1311、ステップS1312、後述するステップS1509、ステップS1510は、本発明における、前記特定手段による特定結果を通知する通知手段の一例である。
【0090】
ステップS1313において、操作室装置105は、ユーザから検査続行指示がされたかを判定する。検査続行指示がされたならばステップS1314に処理を移行し、そうでなければステップS1309に処理を戻す。
【0091】
検査続行指示は、検査開始ボタン604がユーザにより押下されることでなされ、検査を続行しない指示は、検査中止ボタン605がユーザにより押下されることでなされる。
【0092】
ステップS1313において検査開始ボタン604がユーザにより押下される場合とは、受付時の画像データ(図6の601)と、撮影室入室時の画像データ(図6の602)とをユーザが目視で確認した結果、同一人物であることが明らかである場合に押下される。
【0093】
ステップS1314において、操作室装置105は、ステップS1308で設定したオーダを検査機器106に送信する。
【0094】
このように、本発明では、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者であるかを判定し、判定の結果、これから検査を行う患者であると判定された場合にはオーダが検査機器106に送信され、そうでない場合には通知を行うことで、ユーザにこれから検査を行う患者であるかを確認するように促すため、従来のように誤った患者の検査が開始される可能性を低減することが可能となる。
【0095】
なお、本実施形態では、ステップS1310において、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者でなければ、ステップS1312に処理を移行するとしたが、他の実施形態として、看護師等の病院のスタッフであれば、ステップS1312における通知を行うことなく、ステップS1309に処理を戻しても良い。
【0096】
その場合、病院のスタッフを撮像した画像データと、当該画像データに映る病院のスタッフを識別する情報(ID等)を、予め受付装置101で管理し、ステップS1306の処理において、当該画像データと、ステップS1305で取得した画像データとを受付装置101が照合する。
【0097】
そして、照合の結果、病院のスタッフと特定された場合には、病院のスタッフであることを特定可能な情報を受付装置101から操作室装置105に送信し、その情報を取得した操作室装置105は、ステップS1312における通知を行うことなく、ステップS1309に処理を戻す。
【0098】
以上で、図13の説明を終了し、次に図14を用いて、本発明の他の実施形態について説明する。これまでの実施形態は、検査室に入室する患者が正しいか否かを判定する形態であるが、図14では、情報処理装置(PCやサーバ)が、手術室に入室する患者が正しいかを判定してその結果を通知する画面である。
【0099】
図14の画面を表示する実施形態では、入院時に患者の画像データと患者IDを紐づけて登録し、更に手術室前にネットワークカメラを設けて手術室に入る患者を撮像する。そして、情報処理装置(PCやサーバ)が管理する各手術室の各時間帯で手術を行う患者の情報を元に、手術室に入ろうとしている患者がその時間帯にその手術室で手術を行う患者として合っているかを情報処理装置が判定し、判定結果を、情報処理装置のディスプレイや、その他の装置のディスプレイに図14に示す画面で表示する。
【0100】
図14では、入院時に撮像された患者の画像データ(1401)と、手術室入室時に撮像された患者の画像データ(1402)とを並べて表示し、手術室に入ろうとしている患者がその時間帯にその手術室で手術を行う患者でない場合には、1403に示す通知を行う。
【0101】
また、同時間帯に別の手術室で手術予定の患者リストを表示するボタン1404と、同日に同室で手術予定の患者リストを表示するボタン1405を設けることで、どの患者と間違っているのかの確認を容易にすることができる。また、HISから取得した、これから同手術室で手術する対象の患者情報1406を表示することで、病院のスタッフは正しい患者の情報を確認して、取り違いにより気づきやすくなる。
【0102】
図14の画面を表示することにより、手術における患者の取り違いを防止することが可能となる。以上で、図14の説明を終了する。
【0103】
次に図15を用いて、図13に示した患者照合処理の他の実施形態について説明する。
【0104】
図15は、本発明の他の実施形態における、患者照合処理の一例を示す図である。
【0105】
図13の処理では、ステップS1310において、検査対象の患者かの判定に患者の識別情報を用いたが、本実施形態では、ネットワークカメラ102で取得した画像データと、ネットワークカメラ104で取得した画像データとを照合することで検査対象の患者かの判定を行う。すなわち、ステップS1307の処理のように患者の識別情報(患者ID)の出力は行わない。
【0106】
図15に示す各処理は、サーバ103のCPU201が実行する。なお、本処理の一部、または全部は受付装置101や、操作室装置105のCPU201が実行しても良い。
【0107】
ステップS1501~ステップS1504までの各処理は、図13のステップS1301~ステップS1304までの各処理と同様の処理であるため説明を省略する。
【0108】
ステップS1505において、サーバ103は、ステップS1502でユーザから選択を受け付けたオーダと、ステップS1503においてネットワークカメラ102から取得した画像データとの紐づけを行う。
【0109】
ステップS1506の処理は、図13のステップS1305の処理と同様の処理であるため説明を省略する。
【0110】
ステップS1507において、サーバ103は、既知の画像解析技術を用いて、ステップS1503で取得した画像データと、ステップS1506で取得した画像データとを照合し、それぞれの画像データに映る患者が一致するかの照合を行う。
【0111】
なお、サーバ103は、ステップS1501で取得したオーダの取得順に、検査機器106で検査を実施する対象として設定し、ステップS1507の処理では、ステップS1503で取得した画像データのうち、ステップS1507の処理を実行時に検査を実施する対象として設定されているオーダに紐づく画像データを用いる。
【0112】
ステップS1508において、サーバ103は、ステップS1507の処理の結果、ステップS1503で取得した画像データと、ステップS1506で取得した画像データの両方の画像データに映る患者が一致したかを判定し、一致したならばステップS1509に処理を移行し、一致しなければ、ステップS1510に処理を移行する。
【0113】
ステップS1509~ステップS1512までの各処理は、図13のステップS1311~ステップS1314までの各処理と同様の処理であるため説明を省略する。
【0114】
なお、本実施形態では、ステップS1508において、撮影室に入室した患者がこれから検査を行う患者でなければ、ステップS1509に処理を移行するとしたが、他の実施形態として、看護師等の病院のスタッフであれば、ステップS1510における通知を行うことなく、ステップS1506に処理を戻しても良い。
【0115】
その場合、病院のスタッフを撮像した画像データを、予めサーバ103で管理し、ステップS1507の処理において、当該画像データと、ステップS1506で取得した画像データとをサーバ103が照合する。
【0116】
そして、照合の結果、病院のスタッフと特定された場合には、サーバ103は、ステップS1510における通知を行うことなく、ステップS1506に処理を戻す。以上で図15の説明を終了する。
【0117】
以上、本発明によると、検査対象の被検者と異なる被検者の検査を誤って実施する可能性を低減することができる。
【0118】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0119】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0120】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0121】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0122】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD-ROM、CD-R、CD-RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD-ROM,DVD-R)などもある。
【0123】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0124】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0125】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0126】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0127】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0128】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0129】
101 受付装置
102 ネットワークカメラ
103 サーバ
104 ネットワークカメラ
105 操作室端末
106 検査機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15