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  • 特許-遮音パネル及び遮音壁 図1
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  • 特許-遮音パネル及び遮音壁 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】遮音パネル及び遮音壁
(51)【国際特許分類】
   E01F 8/00 20060101AFI20230127BHJP
   E01B 19/00 20060101ALI20230127BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20230127BHJP
【FI】
E01F8/00
E01B19/00 C
G10K11/16 120
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018203847
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2020070586
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 洋介
(72)【発明者】
【氏名】永石 充
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-158624(JP,U)
【文献】実開昭60-045718(JP,U)
【文献】実開昭50-130120(JP,U)
【文献】特開平11-036239(JP,A)
【文献】特開2016-108930(JP,A)
【文献】特開2006-241966(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02017386(EP,A1)
【文献】特開平06-049813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 3/00-8/02
E01B 19/00
G10K 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音源側に向けられる一方の表面を構成する正面板と、
前記正面板が固定され、前記音源側とは反対側の表面を構成する背面板と、を備え、
前記正面板は、
断面において一方の端部である正面板第1端部及び他方の端部である正面板第2端部が前記背面板に固定され、
前記正面板第1端部と前記正面板第2端部との間の中央部が前記正面板第1端部及び前記正面板第2端部よりも前記背面板側に位置する曲面から形成された反射面を備え、
前記背面板は、
平板を折り曲げて形成され、
断面において一方の端部である背面板第1端部及び断面において他方の端部である背面板第2端部が、前記音源側に折り曲げられて、正面板取付部が形成され、
前記背面板第1端部と前記背面板第2端部との間に前記正面板側に向かう突出部を有し、
前記正面板の前記中央部は、
前記突出部に固定されている、遮音パネル。
【請求項2】
前記反射面は、
断面において弧形状である、請求項1に記載の遮音パネル。
【請求項3】
記正面板の前記中央部は、
前記突出部の先端に当接している、請求項1又は2に記載の遮音パネル。
【請求項4】
請求項1~の何れか1項に記載の遮音パネルを上下方向に複数積み重ねて構成される、遮音壁。
【請求項5】
前記遮音パネルの上端面及び下端面は、
前記正面板から前記背面板に向かって下方に傾斜するように形成される、請求項に記載の遮音壁。
【請求項6】
前記遮音パネルは、
下端部の前記正面板側の端部において、下方に突出するタブ部が形成される、請求項又はに記載の遮音壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路や鉄道に設置される遮音パネル及び遮音壁の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、騒音の抑制のために道路や鉄道などに沿って遮音壁が設置されている。遮音壁は、例えば道路においては、路肩に沿って壁状に設けられており、道路を走行する車両の走行に伴う騒音を道路の外部に漏れるのを抑制するものである。
【0003】
鉄道の軌道に遮音パネルの吸音面を向けて設置されている遮音壁であって、吸音面の表面を多孔板、背面側を鋼板により構成された扁平ボックスの内部にグラスウールなどの吸音材を充填したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
道路や鉄道に設置される遮音壁であって、立設されたH形鋼に、箱枠内に吸音材を充填したパネル状の吸音板を上下に複数段重ねるようにして取り付けた遮音壁がある(例えば、特許文献2参照)。これらの遮音壁は、例えば、前面に多数の吸音孔が穿設された箱形状のパネルの内部にグラスウールや石綿、ポリエステル等の吸音材を内蔵したり、あるいは、ルーバー等でこれらを挟むようにしており、この吸音材に騒音を吸収させることによって、道路等を走行する車両の騒音を道路の外部に漏れるのを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3660335号公報
【文献】特開2004-132018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1や特許文献2の遮音壁は、吸音材によって騒音を吸収しようとしており、金属の板材により吸音材を正面側及び背面側から挟み込んで構成されているため、構造が複雑になり、製造も難しくコストが増加するという課題があった。
【0007】
さらに、グラスウールや石綿、ポリエステル等の吸音材を用いた場合、これらは保水性があるため、雨水や雪の水分を吸収し、吸音性能が一時的に低下するという課題があった。また、この水分の吸収によって吸音材が劣化し、吸音性能を長期に渡って維持することが難しくなり、補修や交換などのメンテナンスを頻繁に行わなければならないという課題があった。
【0008】
また、遮音壁が破損した場合には、吸音材を産業廃棄物として処分しなければならないため、処理コストも高くなるという課題があった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、優れた遮音性を発揮し、この遮音性を長期間維持でき、組立て作業性に優れるとともに簡単に製造することができ、処分も容易に行うことができる遮音パネル及び遮音壁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、本発明に係る遮音パネルは、音源側に向けられる一方の表面を構成する正面板と、前記正面板が固定され、前記音源側とは反対側の表面を構成する背面板と、を備え、前記正面板は、断面において一方の端部である正面板第1端部及び他方の端部である正面板第2端部が前記背面板に固定され、前記正面板第1端部と前記正面板第2端部との間の中央部が前記正面板第1端部及び前記正面板第2端部よりも前記背面板側に位置する曲面から形成された反射面を備え、前記背面板は、平板を折り曲げて形成され、断面において一方の端部である背面板第1端部及び断面において他方の端部である背面板第2端部が、前記音源側に折り曲げられて、正面板取付部が形成され、前記背面板第1端部と前記背面板第2端部との間に前記正面板側に向かう突出部を有し、前記正面板の前記中央部は、前記突出部に固定されている
【0011】
本発明に係る遮音壁は、上記の遮音パネルを上下方向に複数積み重ねて構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、曲面により形成された反射面に音源からの音波が反射することにより、騒音を拡散させ、遮音パネルの背面側に漏らすのを抑制する。また、遮音パネルは、音源側の正面板と背面側の背面板との簡易な構造であるため、遮音性も長期間維持することができ、製造及び処分も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る遮音壁の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る遮音壁の遮音パネルの断面構造の説明図である。
図3】実施の形態1に係る遮音壁の騒音の反射の説明図である。
図4】実施の形態1の比較例の遮音壁の騒音の反射の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る遮音壁100の斜視図である。遮音壁100は、例えば高速道路や鉄道などの路側に立設されるものであり、道路や軌道を走行する車両から発生する騒音の音波が外部に漏れるのを抑制するものである。
【0016】
遮音壁100は、2本の支柱1の間に遮音パネル10を取り付けて構成される。支柱1は、例えば断面がH型の鋼材であり、フランジ部2の間にウェブ部3が渡されている形状になっている。遮音パネル10は、2つのフランジ部2の間に挿入されて支柱1に取り付けられる。遮音パネル10は、2つの支柱1の間に複数積み重ねられて1枚の遮音壁100を構成する。図1に示される遮音壁100は、2つの支柱1の間に複数の遮音パネル10を取り付けて構成されたものを示しているが、実際には高速道路や鉄道の軌道に沿って連続して複数設置されるものである。実施の形態1においては、遮音壁100が道路の路側に設置された場合を例にして説明する。
【0017】
(正面板20)
図2は、実施の形態1に係る遮音壁100の遮音パネル10の断面構造の説明図である。遮音パネル10は、道路側を向いた表面を形成する正面板20と、道路とは反対側を向いた表面を形成する背面板30とを組み合わせて形成される。正面板20は、断面における一方の端部である上端部21と他方の端部である下端部22との間に反射面23を備える。上端部21と下端部22とは、平面に形成されており、背面板30に設けられた上側取付部31及び下側取付部32に固定される。正面板20と背面板30との固定は、例えばブラインドリベットにより行われるが、その他にボルト締結などにより固定を行っても良い。なお、正面板20の上端部21は、正面板第1端部と称し、正面板20の下端部22は正面板第2端部と称する場合がある。また、背面板30の上側取付部31及び下側取付部32は、正面板取付部と称する場合がある。
【0018】
正面板20の上端部21は、上側取付部31の上端で背面側に折り返され背面板30の上面部36の上に載るように組み合わされている。また、正面板20の下端部22は、背面板30の下側取付部32の下端で背面側に折り返され、下側取付部32の下端を抱き込むように組み合わされている。遮音パネル10の上端部で、正面板20と背面板30とが組み合わされている部分を上部折り返し部15と称する。遮音パネル10の下端部で正面板20と背面板30とが組み合わされている部分を下部折り返し部16と称する。この構成により、遮音パネル10は、上端部と下端部とで雨水等の浸入が抑制され、空洞部13、14内で正面板20及び背面板30が腐蝕するリスクが減少する。また、正面板20は、反射面23に開口が形成されていないため、空洞部13、14への水の浸入が抑制されている。
【0019】
反射面23は、断面において道路側を向いた表面が曲面となっており、円弧形状により形成されている。つまり、正面板20は、上端部21と下端部22との間に、中心軸が音源側に位置する円筒面として形成されている。正面板20の中央部24は、背面板30に設けられた突出部35の先端面34に当接している。正面板20の中央部24は、突出部35の先端面34と当接し、例えばブラインドリベットなどの固定部材、又は溶接などの固定手段により固定されていても良い。なお、反射面23は、断面形状において正面板20の表面が円弧形状となっている円筒面以外に、断面形状において正面板20の表面が楕円弧形状又はその他の曲線で形成された曲面であっても良い。
【0020】
(背面板30)
背面板30は、鋼板を折り曲げて形成されている。背面板30の上端部及び下端部は、正面板20側に折り曲げられて突出し、上面部36と下面部37とが形成されている。上面部36と下面部37とは、遮音パネル10の上端面および下端面を構成し、遮音パネル10が上下に積み重ねられた時に形状が組み合わさるように、背面側から正面側に向かうに従い上方向に傾斜している。上面部36と下面部37とは、先端に正面板20側を向いた平坦な面が形成されており、正面板取付部となっている。正面板20が背面板30の正面板取付部に固定されることにより、正面板20は板厚の薄い材料で構成することができ、また、遮音パネル10が簡単な構造により構成され製造も容易になる。なお、背面板の上端部を背面板第1端部と称し、下端部を背面板第2端部と称する場合がある。
【0021】
背面板30は、遮音パネル10の背面側の表面を構成している背面部38を備える。背面部38は、全体的に平板形状であるが中央に正面板20側に向かう突出部35を有する。突出部35は、正面板20側に向かって傾斜して延びる2つの斜面部33を有し、斜面部33の先端に平坦な面が形成され、その面に正面板20の中央部24が当接している。正面板20の中央部24と背面板30の突出部35との当接部は、ブラインドリベット等により固定されることが望ましい。正面板20は、薄い鋼板により構成されているため、剛性が低く、風等の影響により振動する場合がある。正面板20の中央部24が背面板30の突出部35に固定されることにより、剛性が低い正面板20の中央部24が立体的に成形された剛性の高い背面板30の突出部35と一体化されるため、正面板20の反射面23の振動の発生を抑えることができる。なお、正面板20の板厚が厚く剛性が高い場合には、必ずしも正面板20の中央部24を固定する必要はない。
【0022】
正面板20及び背面板30は、厚さを0.25mm~3.2mmの間に設定することができる。例えば、正面板20の板厚は0.6mmとし、背面板30の板厚は1.6mmとして構成することができる。正面板20及び背面板30の材質は、例えば黒ZAM(登録商標)等の表面の意匠性が高く、耐食性に優れためっき鋼板を適用するのが好ましい。正面板20及び背面板30は、ZAM鋼板以外にも耐食性に優れためっき鋼板を用いても良い。
【0023】
また、従来の遮音壁として用いられている統一板(標準型)と呼ばれる標準的な遮音パネルは、開口が設けられた正面板と背面板とを組み合わせ、内部に吸音部材を備える。この従来の遮音パネルは、正面板の材質としてアルミが用いられ、背面板の材質としてめっき鋼板が用いられている。このような異種金属を組み合わせた場合、正面板と背面板との接触部で腐食が生じる場合がある。これに対し、実施の形態1に係る遮音パネル10においては、正面板20及び背面板30に同じ材質を用いているため、異種金属接触による腐食のリスクが減少する。ただし、遮音パネル10は、同種金属のみで構成されるものに限定されず、異種金属を材質とする部材を含んでいても良い。
【0024】
(遮音壁100の作用)
図3は、実施の形態1に係る遮音壁100の騒音の反射の説明図である。遮音壁100は、道路などの路側に立設されており、道路91を走行する車両90の走行音や排気音などの騒音を外部に漏れるのを抑制する。つまり、図3において、遮音壁100は、遮音壁100の背面側の領域に道路側からの音波が届きにくくする働きがある。遮音パネル10は、2つの支柱1の間に複数積み重ねられて遮音壁100を構成する。遮音パネル10の下端部の道路91側には、下方に延びるタブ部12(図2参照)が形成されており、上下の遮音パネル10同士の間の隙間を塞ぐ様に構成されている。
【0025】
遮音壁100の各遮音パネル10は、道路側に正面板20の反射面23を向けて設置されている。図3に示される各矢印は、車両から発生する騒音の音波を模式的に表している。音源Pからの音波は、音源Pを中心として全方向に拡散する。遮音壁100側に進んだ音波は、各遮音パネル10の正面板20に当たり入射した各点において入射角と同じ角度で反射される。例えば、最も道路91の表面に近い位置に配置されている遮音パネル10Aの反射面23Aに反射された音波は、概ねそのまま音源Pに向かって進むように反射される。これらの反射した音波は、道路91の表面や道路を走行する車両に反射したり、又は道路の反対側の遮音壁100に当たり、反射を繰り返して徐々に減衰する。各遮音パネル10は、音波を反射するものであり、背面板30と正面板20とにより囲まれた空間は、空洞部13、14が形成されている。空洞部13、14には、吸音材などの充填物を設置する必要がなく、遮音パネル10は、簡易な構成で耐久性も高い。
【0026】
また、中段に配置されている遮音パネル10Bの反射面23Bは、音源Pよりも上方に位置するため、反射された音波は、概ね上方に向かって反射される。しかし、各点において反射される方向は、反射面23Bの円筒面により分散して反射される。さらに上段に配置されている遮音パネル10Cにおいても同様に、音源Pから出た音波の反射される方向は、概ね上方に向かって反射されるが、各点において反射される方向は反射面23Cの円筒面により分散して反射される。例えば、反射面23Cの下部において反射される方向は、真上に近い方向であるが、反射面23Cの上部において反射される方向は、水平に近い方向である。
【0027】
図4は、実施の形態1の比較例の遮音壁1100の騒音の反射の説明図である。比較例の遮音壁1100の表面は、道路91の表面に対して垂直で平らな面になっている。従って、音源Pより出た音波は、音源Pから上方の各点においては上方に向かって反射され、音源Pから下方の各点においては下方に向かって反射される。
【0028】
遮音壁100、1100は、例えば道路91の路側において走行する車両よりも高い位置まで設置されているが、通常道路91の上方の空間は開放されている。従って、道路91の側方に進む音源Pからの音波は、遮音壁100、1100に当たり反射されるため、遮音壁100、1100の背面側の領域には直接音波が届かない。しかし、音源Pから直接上方、斜め上方に進む音波は、遮音壁100、1100の上を越えて道路91の外部に漏れる。従って、遮音壁100、1100の上を越えて道路91の外部に出る音波が多いと、遮音効果が低いということが言える。これは、音源Pから直接遮音壁100、1100の上を越える音波だけでなく、反射して遮音壁100、1100の上を越える音波が多い場合も遮音効果が低いことになる。
【0029】
比較例に係る遮音壁1100においては、反射した音波は、それぞれほぼ同じ方向に揃って反射されるため、騒音は路側に設置された遮音壁1100の上方を越えて道路の外部に漏れやすい。例えば、図4に示される音源Pよりも上側の領域で遮音壁1100に反射された音波は、それぞれ拡散されることなくほぼ同じ方向に進んでいる。従って、音源Pを同時に出た音波は、反射して道路91の上方の開放された部分から道路外にほぼ同時に出ることになる。
【0030】
一方、実施の形態1に係る遮音壁100においては、反射した音波は、反射した位置に応じて上下の各方向に分散して反射される。そのため、遮音壁100の上方を越えて道路の外部に同時に漏れる音波の量が、比較例の遮音壁1100よりも少ない。なお、図3及び図4においては、一点の音源Pから発する音波のみを表示しているが、実際には、道路91の様々な位置から騒音が生じうる。実施の形態1に係る遮音壁100は、音源Pがどの高さに位置していても、各遮音パネル10において音波は分散して反射される。そのため、実際の道路91における音源においても、比較例に係る遮音壁1100よりも遮音壁100の方が、遮音壁100を越えて道路91外に出る音波の量が少ないと言える。特に、遮音パネル10の反射面23は、道路側から凹んだ凹曲面を備えるため、上記のように音波を反射して拡散させつつ、道路側に突出しないため、設置スペースも少なくて済む。
【0031】
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成のみに限定されるものではない。例えば、反射面23は、断面が円弧形状だけでなく、楕円弧、放物線、又は双曲線、若しくはそれらに近似した形状であっても良い。また、遮音パネル10は、正面板20と背面板30との2部品の組み合わせにより構成されているが、一体に構成されていても良いし、更に多くの部材を組み合わせて構成されていても良い。要するに、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
【符号の説明】
【0032】
1 支柱、2 フランジ部、3 ウェブ部、10 遮音パネル、10A 遮音パネル、10B 遮音パネル、10C 遮音パネル、12 タブ部、13 空洞部、14 空洞部、15 上部折り返し部、16 下部折り返し部、20 正面板、21 上端部、22 下端部、23 反射面、23A 反射面、23B 反射面、23C 反射面、24 中央部、30 背面板、31 上側取付部、32 下側取付部、33 斜面部、34 先端面、35 突出部、36 上面部、37 下面部、38 背面部、90 車両、91 道路、100 遮音壁、1100 遮音壁、P 音源。
図1
図2
図3
図4