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特許7217658自動ドア監視システムおよび故障予知情報生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】自動ドア監視システムおよび故障予知情報生成装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/74 20150101AFI20230127BHJP
   E05F 15/643 20150101ALI20230127BHJP
【FI】
E05F15/74
E05F15/643
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019065729
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020070709
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】P 2018204487
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501013156
【氏名又は名称】フルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(73)【特許権者】
【識別番号】000238197
【氏名又は名称】扶桑電機工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高杉 義幸
(72)【発明者】
【氏名】渡部 浩二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 剛
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-218083(JP,A)
【文献】特開2003-91756(JP,A)
【文献】特開2003-50617(JP,A)
【文献】特開2004-68287(JP,A)
【文献】特開2002-374583(JP,A)
【文献】特開2001-214666(JP,A)
【文献】特開2015-92796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
E06B 7/28
B66B 5/00- 5/28
G05B 23/00-23/02
G06Q 10/00-10/10
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ドアの故障の予知を示す故障予知情報を生成する情報生成部と、
前記情報生成部によって生成された前記故障予知情報を通知する情報通知部と
を備え、
前記情報生成部は、前記自動ドアから出力される情報の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成し、
前記情報生成部は、前記自動ドアから出力される情報の正常時からの変化の程度に基づいて、この情報の変化に関連する部品の劣化度合いを取得し、取得した前記劣化度合いを前記故障予知情報に含めることを特徴とする自動ドア監視システム。
【請求項2】
前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアを駆動するモーターの電流値を含み、
前記情報生成部は、前記電流値の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の自動ドア監視システム。
【請求項3】
前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における、前記自動ドアのドアの移動速度を含み、
前記情報生成部は、前記移動速度の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の自動ドア監視システム。
【請求項4】
前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作の所要時間を含み、
前記情報生成部は、前記所要時間の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の自動ドア監視システム。
【請求項5】
前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作において前記自動ドアに発生する振動を含み、
前記情報生成部は、前記振動の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の自動ドア監視システム。
【請求項6】
前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における、前記自動ドアを駆動するモーターの回転の回数を含み、
前記情報生成部は、前記回数の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の自動ドア監視システム。
【請求項7】
前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアのセンサーの感度を含み、
前記情報生成部は、前記感度の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の自動ドア監視システム。
【請求項8】
前記情報生成部は、前記故障予知情報を含むレポートを自動で生成することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の自動ドア監視システム。
【請求項9】
前記情報通知部は、前記レポートを前記自動ドアの保有者に自動で送信することを特徴とする請求項8に記載の自動ドア監視システム。
【請求項10】
自動ドアの故障の予知を示す故障予知情報を生成する情報生成部を備え、
前記情報生成部は、前記自動ドアから出力される情報の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成し、
前記情報生成部は、前記自動ドアから出力される情報の正常時からの変化の程度に基づいて、この情報の変化に関連する部品の劣化度合いを取得し、取得した前記劣化度合いを前記故障予知情報に含めることを特徴とする故障予知情報生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアの状態を監視する自動ドア監視システムおよび故障予知情報生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動ドア監視システムとして、ドアの開閉回数や、ドアの開閉動作中において障害物によって発生した停止などのエラーの回数から、自動ドアのメンテナンスの時期を予測するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-090169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自動ドア監視システムにおいては、ドアの開閉回数などから自動ドアのメンテナンスの時期をどのように予測するのか不明であり、実際に自動ドアのメンテナンスの時期を予測することが可能であるのか不明であるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、自動ドアの予知保全を支援することができる自動ドア監視システムおよび故障予知情報生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアの故障の予知を示す故障予知情報を生成する情報生成部と、前記情報生成部によって生成された前記故障予知情報を通知する情報通知部とを備え、前記情報生成部は、前記自動ドアから出力される情報の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアから出力される情報の正常時からの変化に基づいて自動ドアの故障予知情報を生成し、生成した故障予知情報を通知するので、自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0008】
本発明の自動ドア監視システムにおいて、前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアを駆動するモーターの電流値を含み、前記情報生成部は、前記電流値の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアを駆動するモーターの電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成するので、自動ドアのドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0010】
本発明の自動ドア監視システムにおいて、前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における、前記自動ドアのドアの移動速度を含み、前記情報生成部は、前記移動速度の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成しても良い。
【0011】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における、自動ドアのドアの移動速度の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成するので、自動ドアのドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0012】
本発明の自動ドア監視システムにおいて、前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作の所要時間を含み、前記情報生成部は、前記所要時間の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作の所要時間の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成するので、自動ドアのドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0014】
本発明の自動ドア監視システムにおいて、前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作において前記自動ドアに発生する振動を含み、前記情報生成部は、前記振動の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成しても良い。
【0015】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作において自動ドアに発生する振動の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成するので、自動ドアのドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0016】
本発明の自動ドア監視システムにおいて、前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における、前記自動ドアを駆動するモーターの回転の回数を含み、前記情報生成部は、前記回数の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成しても良い。
【0017】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における、自動ドアを駆動するモーターの回転の回数の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成するので、タイミングベルトの伸びや、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジの緩みが存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0018】
本発明の自動ドア監視システムにおいて、前記自動ドアから出力される情報は、前記自動ドアのセンサーの感度を含み、前記情報生成部は、前記感度の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成しても良い。
【0019】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアのセンサーの感度の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成するので、センサーの感度の劣化が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0020】
本発明の自動ドア監視システムにおいて、前記情報生成部は、前記自動ドアから出力される情報の正常時からの変化の程度に基づいて、この情報の変化に関連する部品の劣化度合いを取得し、取得した前記劣化度合いを前記故障予知情報に含めても良い。
【0021】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、自動ドアから出力される情報の正常時からの変化に関連する部品の劣化度合いを故障予知情報に含めるので、部品の交換に関して、自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0022】
本発明の自動ドア監視システムにおいて、前記情報生成部は、前記故障予知情報を含むレポートを自動で生成しても良い。
【0023】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、故障予知情報を含むレポートを自動で生成するので、作業員が現場で自動ドアの状態を見てレポートを生成する必要がなく、利便性を向上することができる。
【0024】
本発明の自動ドア監視システムにおいて、前記情報通知部は、前記レポートを前記自動ドアの保有者に自動で送信しても良い。
【0025】
この構成により、本発明の自動ドア監視システムは、故障予知情報を含むレポートを自動ドアの保有者に自動で送信するので、利便性を向上することができる。
【0026】
本発明の故障予知情報生成装置は、自動ドアの故障の予知を示す故障予知情報を生成する情報生成部を備え、前記情報生成部は、前記自動ドアから出力される情報の正常時からの変化に基づいて前記故障予知情報を生成することを特徴とする。
【0027】
この構成により、本発明の故障予知情報生成装置は、自動ドアから出力される情報の正常時からの変化に基づいて自動ドアの故障予知情報を生成するので、自動ドアの予知保全を支援することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の自動ドア監視システムおよび故障予知情報生成装置は、自動ドアの予知保全を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施の形態に係る自動ドア監視システムのブロック図である。
図2図1に示す自動ドア側システムのブロック図である。
図3】駆動装置を現わした状態での図2に示す自動ドアの正面図である。
図4図3に示す自動ドアの側面図である。
図5図2に示す例とは異なる例での自動ドア側システムのブロック図である。
図6】モーターの電流値の正常時からの変化に基づいて異常情報を生成する場合の図2に示すデータ変換器の動作のフローチャートである。
図7】モーターによって開かれる場合の図3に示すドアの移動速度の一例を示す図である。
図8】モーター電流値異常情報に基づいて故障予知情報を生成する場合の図1に示すサーバーの動作のフローチャートである。
図9図1に示すサーバーから拠点端末に送信されるレポートの一例を示す図である。
図10】サーバーがレポートを生成する場合の図1に示す自動ドア監視システムの動作のシーケンス図である。
図11図1に示す例とは異なる例での自動ドア監視システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0031】
まず、本実施の形態に係る自動ドア監視システムの構成について説明する。
【0032】
図1は、本実施の形態に係る自動ドア監視システム10のブロック図である。
【0033】
図1に示すように、自動ドア監視システム10は、自動ドアの設置場所に配置される自動ドア側システム20を備えている。自動ドア監視システム10は、自動ドア側システム20と同様の構成の自動ドア側システムを、自動ドア側システム20以外に少なくとも1つ備えることが可能である。
【0034】
自動ドア監視システム10は、例えばコールセンターや自動ドアの保守業務を行う拠点などに配置される拠点端末60を備えている。拠点端末60は、自動ドアの各種の設定を示す設定情報と、自動ドアの状態および動作の少なくとも1つに関する情報としての各種の保全情報と、自動ドアの故障の予知を示す故障予知情報と、自動ドアの発生済みの故障を示す故障情報との少なくとも1つが送信されてきた場合に、送信されてきた情報を、拠点に所属する者に通知する装置であり、本発明の情報通知部を構成している。自動ドアの故障予知情報および故障情報は、自動ドアの異常を示す異常情報の一種である。したがって、拠点のサービスパーソンは、拠点端末60によって通知された情報に応じて、この情報の対象の自動ドアの保有者への電話や、この自動ドアに対する現場作業など、この自動ドアに対する保守業務を行うことができる。自動ドア監視システム10は、拠点端末60と同様の構成の拠点端末を、拠点端末60以外に少なくとも1つ備えることが可能である。自動ドア監視システム10における拠点端末は、自動ドアの保守業務を行う拠点毎に1つ以上配置されても良い。拠点端末は、例えばPC(Personal Computer)などのコンピューターによって構成されている。
【0035】
自動ドア監視システム10は、自動ドアの設定情報、保全情報、故障予知情報および故障情報など、自動ドアに関する様々な情報を自動ドア側システムから収集するサーバー70を備えている。サーバー70は、自動ドア側システムから収集した情報に基づいて故障予知情報および故障情報を生成することができ、本発明の情報生成部および故障予知情報生成装置を構成している。サーバー70は、自動ドア側システムから収集した情報や、自ら生成した故障予知情報および故障情報など、自動ドアに関する様々な情報を拠点端末に通知することができる。サーバー70は、例えばPCなどのコンピューターによって構成されている。
【0036】
自動ドア側システムと、サーバー70とは、インターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されることが可能である。同様に、拠点端末と、サーバー70とは、インターネットなどのネットワーク12を介して互いに通信可能に接続されることが可能である。
【0037】
図2は、自動ドア側システム20のブロック図である。
【0038】
図2に示すように、自動ドア側システム20は、自動ドア30を備えている。自動ドア側システム20は、自動ドア30と同様の構成の自動ドアを、自動ドア30以外に少なくとも1つ備えることが可能である。
【0039】
図3は、駆動装置40を現わした状態での自動ドア30の正面図である。図4は、自動ドア30の側面図である。
【0040】
図3および図4に示すように、自動ドア30は、引き戸である左右1枚ずつのドア31と、開閉しない固定された建具である左右1枚ずつのフィックス32と、ドア31の下部に取り付けられた振れ止め31aが案内されるガイドレール33と、ドア31およびフィックス32の上部に設けられた無目34と、無目34に取り付けられていてドア31の一面側で近傍の通行者などの物体を検知するための起動センサー35と、無目34に取り付けられていてドア31の他面側で近傍の通行者などの物体を検知するための起動センサー36と、フィックス32に取り付けられていてドア31の開口を通過する通行者などの物体を検知するための補助光電センサー37と、無目34内に設けられた駆動装置40とを備えている。
【0041】
駆動装置40は、ハンガーレール41と、ハンガーレール41上を走行する戸車42aを備えていて2つで1枚のドア31を吊り下げる4つのドアハンガー42と、2つのドア31のそれぞれの1つのドアハンガー42が取り付けられたタイミングベルト43と、タイミングベルト43がかけられた駆動プーリー44および従動プーリー45と、ドアハンガー42が接触することによってドア31の開方向への移動を制限するドアストッパー46と、駆動プーリー44を駆動するモーター47と、自動ドア30を制御するコントローラー48とを備えている。
【0042】
駆動装置40は、様々なメーカーのものが採用されることが可能である。
【0043】
コントローラー48は、コンピューターである。コントローラー48は、モーター47の電流値を検知することが可能である。
【0044】
起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37と、コントローラー48との間の通信は、例えばCAN(Controller Area Network)通信などの特定の通信で実現される。
【0045】
図2に示すように、自動ドア側システム20は、コントローラー48から出力される情報などの各種の情報を特定の通信方式の通信データに加工するデータ変換器21を備えている。データ変換器21は、コンピューターである。ここで、コントローラー48からデータ変換器21に出力される情報としては、例えば、自動ドア30の各種の設定情報と、自動ドア30の開きの動作におけるモーター47の電流値、自動ドア30の開きの動作におけるドア31の移動速度、自動ドア30の閉じの動作におけるドア31の移動速度、自動ドア30の開きの動作の所要時間、自動ドア30の1回の開きの動作におけるモーター47の回転の回数など、自動ドア30の各種の保全情報と、自動ドア30の異常を示す異常情報とが存在する。コントローラー48からデータ変換器21への情報の出力は、即時に実行されても良い。コントローラー48から出力される情報の種類やフォーマットは、駆動装置40のメーカーによって異なる。したがって、データ変換器21のメーカーは、駆動装置40のメーカーと同一であることが好ましい。データ変換器21は、コントローラー48から出力される情報に基づいて故障予知情報および故障情報を生成することができ、本発明の情報生成部および故障予知情報生成装置を構成している。自動ドア側システム20は、自動ドア毎にデータ変換器を備えている。
【0046】
自動ドア側システム20は、データ変換器21、起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37から出力される情報を中継する中継ボックス22を備えている。ここで、起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37から中継ボックス22に出力される情報としては、例えば、各センサーの各種の設定情報と、各センサーの稼働時間、各センサーによる検知回数、各センサーの感度など、各センサーの状態および動作の少なくとも1つに関する情報としての各種の保全情報と、各センサーの異常を示す異常情報とが存在する。データ変換器21から中継ボックス22に出力される情報としては、コントローラー48からデータ変換器21に出力された情報以外に、データ変換器21で生成された故障予知情報および故障情報が存在する。
【0047】
中継ボックス22と、起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37との間の通信は、例えばCAN通信などの特定の通信で実現される。
【0048】
自動ドア側システム20は、自動ドア毎に中継ボックスを備えている。なお、自動ドア側システム20に含まれる中継ボックスは、中継ボックス22が親機で、他は子機である。
【0049】
自動ドア側システム20は、中継ボックスによって中継された情報をサーバー70(図1参照。)に送信する無線または有線の通信機器としてのゲートウェイ23を備えている。ゲートウェイ23は、自動ドア側システム20に含まれる中継ボックスのうち親機である中継ボックス22のみに接続されている。したがって、自動ドア側システム20は、複数の自動ドアに対して1つのゲートウェイ23のみを備えていれば良く、ゲートウェイの購入費と、通信費とを抑えることができる。
【0050】
なお、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイは、自動ドアに対して後付けが可能な構成になっている。したがって、自動ドアの所有者は、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイを利用したサービスの提供を受けることを希望する場合にのみ、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイを自動ドアに対して設置されることが可能であり、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイを利用したサービスの提供を受けることを希望しない場合には、データ変換器、中継ボックスおよびゲートウェイを自動ドアに対して設置するための導入コストを抑えることができる。
【0051】
自動ドア側システム20は、図2に示す自動ドア30に代えて、図5に示す自動ドア50を備えても良い。
【0052】
図5は、自動ドア50を備える場合の自動ドア側システム20のブロック図である。
【0053】
図5に示す自動ドア側システム20の構成のうち、図2に示す自動ドア側システム20の構成と同一の構成については、同一の符を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
図5に示すように、自動ドア50の駆動装置は、自動ドア50を制御するコントローラー51を備えている。自動ドア50の駆動装置は、様々なメーカーのものが採用されることが可能である。コントローラー51は、コンピューターである。コントローラー51は、モーター47の電流値を検知することができない。
【0055】
自動ドア50は、モーター47の電流値を検知するクランプ型センサー52と、例えばCAN通信などの特定の通信に対応している起動センサー35、起動センサー36および補助光電センサー37を、この通信に非対応のコントローラー51に接続するための変換器53とを備えている。クランプ型センサー52は、モーター47と、コントローラー51とを接続する電線を挟み込むことによって、この電線における電流値、すなわち、モーター47の電流値を検知するものである。
【0056】
データ変換器21は、コントローラー51から出力される情報や、クランプ型センサー52から出力される電流値などの情報を特定の通信方式の通信データに加工する。ここで、コントローラー51からデータ変換器21に出力される情報としては、例えば、自動ドア50の各種の設定情報と、自動ドア30の開きの動作におけるモーター47の電流値、自動ドア30の開きの動作におけるドア31の移動速度、自動ドア30の閉じの動作におけるドア31の移動速度、自動ドア30の開きの動作の所要時間、自動ドア30の1回の開きの動作におけるモーター47の回転の回数など、自動ドア50の各種の保全情報と、自動ドア50の異常を示す異常情報とが存在する。コントローラー51からデータ変換器21への情報の出力の頻度は、例えば30分間に1回である。
【0057】
データ変換器21のメーカーは、自動ドア50の駆動装置のメーカーと同一であることが好ましい。データ変換器21のメーカーが自動ドア50の駆動装置のメーカーと同一である場合、自動ドア50の駆動装置のメーカーは、駆動装置40のメーカーと同一である。すなわち、データ変換器21は、駆動装置40と、自動ドア50の駆動装置とで共通のものが使用されることが可能である。
【0058】
次に、自動ドア監視システム10の動作について説明する。
【0059】
まず、モーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合の自動ドア監視システム10の動作について説明する。
【0060】
図6は、モーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて異常情報を生成する場合のデータ変換器21の動作のフローチャートである。
【0061】
図6に示すように、データ変換器21は、コントローラー48から出力された情報に基づいて、自動ドア30が開いたと判断するまで、自動ドア30が開いたか否かを判断する(S101)。
【0062】
データ変換器21は、自動ドア30が開いたとS101において判断すると、自動ドア30の今回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値を算出する(S102)。
【0063】
図7は、モーター47によって開かれる場合のドア31の移動速度の一例を示す図である。
【0064】
図7に示すように、コントローラー48は、閉まっているドア31をモーター47によって開く場合、時間ゼロから時間t1までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度ゼロから速度v1まで加速し、時間t1から時間t2までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度v1で維持し、時間t2から時間t3までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度v1から速度v2まで減速し、時間t3から時間t4までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度v2で維持し、時間t4から時間t5までの間でモーター47によってドア31の移動速度を速度v2から速度ゼロまで減速する。
【0065】
自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値とは、時間ゼロから時間t5までの間のモーター47の電流値の平均値である。
【0066】
図6に示すように、データ変換器21は、S102の処理の後、自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の、正常時の平均値(以下「モーター電流値正常値」という。)に対して、S102において算出した平均値が特定の値より大きいか否かを判断する(S103)。ここで、データ変換器21は、モーター電流値正常値を事前に記憶している。例えば、データ変換器21は、モーター電流値正常値の設定が指示された場合に、モーター47によって自動ドア30を開閉させる動作を特定の回数実行し、この動作におけるモーター47の電流値に基づいてモーター電流値正常値を決定する。モーター電流値正常値の設定が指示されるタイミングとしては、例えば自動ドア30の設置時が考えられる。
【0067】
データ変換器21は、モーター電流値正常値に対して、S102において算出した平均値が特定の値より大きくはないとS103において判断すると、モーター47の電流値が正常であることを示す正常情報(以下「モーター電流値正常情報」という。)を生成し(S104)、このモーター電流値正常情報を中継ボックス22に出力して(S105)、S101の処理を実行する。
【0068】
データ変換器21は、モーター電流値正常値に対して、S102において算出した平均値が特定の値より大きいとS103において判断すると、モーター47の電流値が異常であることを示す異常情報(以下「モーター電流値異常情報」という。)を生成し(S106)、このモーター電流値異常情報を中継ボックス22に出力して(S107)、S101の処理を実行する。
【0069】
データ変換器21から中継ボックス22に出力されたモーター電流値正常情報やモーター電流値異常情報は、ゲートウェイ23を介してサーバー70に送信される。
【0070】
図8は、モーター電流値異常情報に基づいて故障予知情報を生成する場合のサーバー70の動作のフローチャートである。
【0071】
図8に示すように、サーバー70は、モーター電流値正常情報またはモーター電流値異常情報を受信したと判断するまで、モーター電流値正常情報またはモーター電流値異常情報を受信したか否かを判断する(S121)。
【0072】
サーバー70は、モーター電流値正常情報またはモーター電流値異常情報を受信したとS121において判断すると、モーター電流値正常情報およびモーター電流値異常情報に関して、モーター電流値異常情報を3回連続して受信したか否かを判断する(S122)。
【0073】
サーバー70は、モーター電流値異常情報を3回連続して受信していないとS122において判断すると、S121の処理を実行する。
【0074】
サーバー70は、モーター電流値異常情報を3回連続して受信したとS122において判断すると、モーター47の電流値に関する故障予知情報を生成する(S123)。ここで、サーバー70は、例えば、ドア31、ガイドレール33、ハンガーレール41、ドアハンガー42など、モーター47の電流値の変化に関連する部品の劣化度合いを故障予知情報に含めても良い。例えば、サーバー70は、モーター47の電流値の正常時からの変化の程度と、モーター47の電流値の変化に関連する部品の劣化度合いとの対応関係を予め記憶しておくことによって、モーター47の電流値の変化に関連する部品の劣化度合いを、モーター47の電流値の正常時からの変化の程度に基づいて取得することが可能である。
【0075】
サーバー70は、S123の処理の後、自動ドア30を管理している拠点の拠点端末に、S123において生成した故障予知情報を送信して(S124)、S121の処理を実行する。
【0076】
自動ドア30を管理している拠点の拠点端末は、S124において送信されてきた故障予知情報を受信すると、受信した故障予知情報を例えば表示によって通知する。したがって、自動ドア30を管理している拠点のサービスパーソンは、この拠点の拠点端末によって通知された故障予知情報に応じて、この故障予知情報の対象の自動ドアである自動ドア30の保有者への電話や、自動ドア30に対する現場作業など、自動ドア30に対する保守業務を行うことができる。なお、自動ドア30の開きの動作におけるモーター47の電流値の異常は、例えば、ドア31およびガイドレール33の少なくとも一方にゴミが付着していたり、ドア31およびガイドレール33の少なくとも一方が変形や摩耗していたりして、ドア31と、ガイドレール33との間に異常な摩擦が発生している場合や、ハンガーレール41と、ドアハンガー42の戸車42aとの少なくとも一方にゴミが付着していたり、ハンガーレール41および戸車42aの少なくとも一方が変形や摩耗していたりして、ハンガーレール41と、戸車42aとの間に異常な摩擦が発生している場合など、自動ドア30の開きの動作におけるドア31の移動に対して異常な抵抗が存在する場合に発生している可能性が高い。自動ドア30は、自動ドア30の開きの動作におけるドア31の移動に対して異常な抵抗が存在する場合、この抵抗が除去されるための何らかの処置が実行されなければ、いずれ故障によって動作しなくなる可能性が高い。したがって、自動ドア監視システム10は、故障予知情報を拠点端末に表示することによって、サービスパーソンによる自動ドア30の予知保全を支援することができる。
【0077】
サーバー70は、以上において、モーター電流値異常情報を3回連続して受信した場合に故障予知情報を生成する。しかしながら、サーバー70は、モーター電流値異常情報を3回以外の複数回連続して受信した場合に故障予知情報を生成しても良い。また、サーバー70は、モーター電流値異常情報を複数回連続して受信するという条件以外の条件に応じて、故障予知情報を生成しても良い。例えば、サーバー70は、モーター電流値異常情報を合計で特定の回数以上受信した場合に故障予知情報を生成しても良いし、モーター電流値異常情報を特定の期間の間に特定の回数以上受信した場合に故障予知情報を生成しても良い。
【0078】
自動ドア監視システム10は、以上において、サーバー70がデータ変換器21と連携して故障予知情報を生成する。しかしながら、データ変換器21やサーバー70がモーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて単独で故障予知情報を生成しても良い。例えば、データ変換器21は、自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値がモーター電流値正常値に対して特定の値より大きい場合に、モーター47の電流値に関する故障予知情報を生成し、この故障予知情報を中継ボックス22に出力しても良い。そして、サーバー70は、データ変換器21から中継ボックス22およびゲートウェイ23を介して送信されてきた故障予知情報を、自動ドア30を管理している拠点の拠点端末に送信しても良い。
【0079】
データ変換器21およびサーバー70は、以上において、自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する。しかしながら、データ変換器21およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドア30におけるモーター47の電流値の正常時からの変化として、自動ドア30の1回の開きの動作全体におけるモーター47の電流値の平均値以外の値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良い。例えば、データ変換器21およびサーバー70の少なくとも1つは、例えば図7における時間ゼロから時間t1までの間など、自動ドア30の1回の開きの動作の一部の区間におけるモーター47の電流値の平均値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良い。また、データ変換器21およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドア30の1回の閉じの動作におけるモーター47の電流値の平均値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良いし、自動ドア30の1回の開きおよび閉じの両方の動作におけるモーター47の電流値の平均値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良い。また、データ変換器21およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドア30の1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるモーター47の電流値のピーク値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成しても良い。なお、ピーク値は、通常、図7における時間ゼロから時間t1までの間に発生する。
【0080】
以上においては、自動ドア30におけるモーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合の自動ドア監視システム10の動作について説明している。しかしながら、自動ドア50におけるモーター47の電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合の自動ドア監視システム10の動作についても、クランプ型センサー52から出力される電流値を利用することを除いて同様である。
【0081】
以上においては、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合の自動ドア監視システム10の動作について説明している。しかしながら、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の故障予知情報として、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報以外の故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。
【0082】
例えば、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作全体におけるドアの移動速度の平均値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報や、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動速度の最高値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報など、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動速度の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動速度が正常時に対して特定の速度以上低い場合に、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在すると判断することができる。
【0083】
また、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作の所要時間の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作の所要時間が正常時に対して特定の時間以上長い場合に、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在すると判断することができる。
【0084】
また、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアに発生する振動を検知する振動センサーを自動ドアが備えている場合に、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作において振動センサーによって検知される振動の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作において自動ドアに発生する振動が特定の程度以上増加した場合に、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在すると判断することができる。
【0085】
以上においては、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の故障予知情報について説明している。しかしながら、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の故障予知情報以外の故障予知情報についても、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。
【0086】
例えば、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるモーターの回転の回数の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。ドアの開方向への移動は、ドアハンガーがドアストッパーに接触することによって停止する。したがって、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの回転の回数は、自動ドアが正常な状態であれば、常に一定である。しかしながら、駆動装置のタイミングベルトが正常時より伸びてしまうと、モーターが通常通りの回数回転したとしてもドアの移動距離が正常時より短くなるので、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの回転の回数は、正常時より長くなる。また、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジが緩むと、ドアハンガーがドアストッパーに接触したとしてもドアがきちんと停止しなくなり、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの回転の回数は、正常時より長くなる。以上においては、自動ドアの開きの動作について説明しているが、自動ドアの閉じの動作についても同様である。したがって、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの1回の開きおよび閉じの少なくとも1つの動作におけるモーターの回転の回数が正常時に対して特定の回数以上増えた場合に、タイミングベルトの伸びや、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジの緩みが存在すると判断することができる。自動ドアは、タイミングベルトの伸びや、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジの緩みが存在する場合、タイミングベルトの伸びや、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジの緩みを解消するための何らかの処置が実行されなければ、いずれ故障によって動作しなくなる可能性が高い。
【0087】
データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、起動センサー、補助光電センサーなどの各センサーの感度の正常時からの変化に基づいた故障予知情報を、自動ドアにおけるモーターの電流値の正常時からの変化に基づいた故障予知情報と同様な方法によって生成することができる。データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、センサーの感度が正常時に対して特定の程度以上劣化した場合に、このセンサーの感度が劣化していると判断することができる。また、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、各センサーの感度の劣化度を、自動ドアの開閉回数、各センサーの稼働時間、各センサーによる検知回数などに基づいて判断することができ、判断した劣化度に基づいた故障予知情報を生成することができる。自動ドアは、センサーの感度が劣化している場合、センサーの感度の劣化を解消するための何らかの処置が実行されなければ、いずれ故障によって動作しなくなる可能性が高い。
【0088】
以上においては、故障予知情報について説明している。しかしながら、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、故障予知情報以外の情報についても、自動ドアから出力された情報に基づいて生成することができる。
【0089】
例えば、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアの故障情報についても、故障予知情報と同様に、自動ドアから出力された情報に基づいて生成することができる。すなわち、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアが開閉の動作をすることができない状態であることを自動ドアから出力された情報に基づいて判断すると、この自動ドアの故障情報を生成する。また、データ変換器およびサーバー70の少なくとも1つは、自動ドアから通知されるはずの情報が、特定の時間の間、通知されない場合に、この自動ドアの故障情報を生成しても良い。そして、サーバー70は、自動ドアの故障情報を、この自動ドアを管理している拠点の拠点端末に送信する。
【0090】
以上において、サーバー70は、自動ドアの故障予知情報、故障情報などの各種の情報を、この自動ドアを管理している拠点の拠点端末に送信する。サーバー70から拠点端末に送信される情報は、以下に説明するようなレポートとして纏められたものでも良い。
【0091】
図9は、サーバー70から拠点端末に送信されるレポート200の一例を示す図である。
【0092】
図9に示すレポート200は、レポート200のタイトル201を含んでいる。タイトル201は、自動ドアの保守業務を行う自動ドア保守会社における、自動ドア監視システム10の管理者によって変更されることが可能である。自動ドア保守会社は、全ての拠点を束ねる会社である。
【0093】
レポート200は、レポート200における各ページのページ番号と、レポート200におけるページの総数とを示すページ表示202を含んでいる。ページ表示202は、「(レポート200における各ページのページ番号)/(レポート200におけるページの総数)」の形式で示される。例えば、「1/1」というページ表示202は、全1ページのレポート200における1番目のページであることを示している。「1/2」というページ表示202は、全2ページのレポート200における1番目のページであることを示している。「2/2」というページ表示202は、全2ページのレポート200における2番目のページであることを示している。
【0094】
レポート200は、レポート200の対象の自動ドアの保有者へのレポート200の配信方法を示す配信方法表示203を含んでいる。配信方法としては、電子メール、FAX、郵送および手渡しが存在する。配信方法は、自動ドア保守会社と、自動ドアの保有者との間で予め定められる。例えば、配信方法表示203は、配信方法が電子メールである場合には「E」であり、配信方法がFAXである場合には「F」であり、配信方法が郵送である場合には「M」であり、配信方法が手渡しである場合には「H」である。
【0095】
レポート200は、レポート200の対象の自動ドアの保有者を示す保有者表示204を含んでいる。サーバー70は、いずれの自動ドアがいずれの保有者によって保有されているかが予め登録されている。
【0096】
レポート200は、レポート200の生成日を示すレポート生成日表示205を含んでいる。
【0097】
レポート200は、自動ドア保守会社を示す保守会社表示206と、レポート200の対象の自動ドアを管理している拠点を示す拠点表示207と、自動ドア保守会社の電話番号を示す電話番号表示208と、レポート200の対象の自動ドアの、自動ドア保守会社における担当者を示す担当者表示209とを含んでいる。
【0098】
レポート200は、レポート200の対象の自動ドアが取り付けられている物件(以下「取付先」という。)の名称を示す物件名称表示210と、取付先の住所を示す住所表示211と、レポート200における各種の値の計測期間の最終月の最終日である計測日を示す計測日表示212と、レポート200の対象の自動ドアの台数を示す契約台数表示213と、取付先の識別情報を示す取付先コード表示214とを備えている。なお、レポート200の1ページ分に表示される自動ドアは、5台である。したがって、契約台数表示213に示される台数が6台以上である場合、レポート200におけるページの総数は、複数になる。
【0099】
レポート200は、レポート200の対象の自動ドアをレポート200における対象のページにおいて識別するための符号を示す符表示221と、取付先におけるレポート200の対象の自動ドアを識別するための内訳番号を示す内訳番号表示222と、取付先におけるレポート200の対象の自動ドアの設置場所名を示す設置場所名表示223とを含んでいる。例えば、図9に示す例では、符「A」が付された自動ドアは、内訳番号「11111」が付されており、設置場所名「正面出入口外部」で示される設置場所に設置されている。
【0100】
レポート200は、レポート200の対象の自動ドアの各種の値の計測結果を示す計測結果欄230を含んでいる。計測結果欄230は、レポート200の対象の自動ドアの各種の値の現在の数値を示す数値欄231と、レポート200の対象の自動ドアの各種の値の現在の数値および推移を示すデータ推移欄232とを含んでいる。
【0101】
数値欄231は、レポート200の対象の自動ドアの現在のコントローラーと、この自動ドアの各センサーとによって出力される保全情報である、自動ドアの開閉回数を示す開閉回数欄231aと、計測日表示212に示される計測日が所属する月の初日から最終日までの1ヶ月間、すなわち、直近1ヶ月における自動ドアの開閉回数を示す「直近1ヶ月の開閉回数」欄231bとを含んでいる。コントローラーによって出力される開閉回数は、コントローラーが交換された場合にはゼロから数えられる。「直近1ヶ月の開閉回数」欄231bに示される開閉回数は、コントローラーによって出力される開閉回数から計算される。すなわち、サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアのコントローラーによって出力される開閉回数を日々受信するので、連続する2日間の差分を計算することによって、日毎の開閉回数を取得することができ、直近1ヶ月における日毎の開閉回数を合計することによって、「直近1ヶ月の開閉回数」欄231bに示される開閉回数を算出することができる。
【0102】
数値欄231は、直近1ヶ月における自動ドアの使用時間、すなわち、通電時間を示す「直近1ヶ月の使用時間」欄231cを含んでいる。「直近1ヶ月の使用時間」欄231cに示される使用時間は、レポート200の対象の自動ドアのコントローラーによって出力される保全情報である、自動ドアの通電時間から計算される。すなわち、サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアのコントローラーによって出力される通電時間を日々受信するので、直近1ヶ月における日毎の通電時間を合計することによって、「直近1ヶ月の使用時間」欄231cに示される使用時間を算出することができる。
【0103】
数値欄231は、直近1ヶ月における自動ドアの消費電力の目安を示す「直近1ヶ月の消費電力」欄231dを含んでいる。「直近1ヶ月の消費電力」欄231dに示される消費電力の目安は、直近1ヶ月における自動ドアの開閉回数と、直近1ヶ月における自動ドアの各センサーの検知回数とに基づいて計算される。具体的に説明すると、サーバー70は、直近1ヶ月における自動ドアの開閉回数と、自動ドアの1回の開閉時の消費電力の目安とを掛け合わせることによって、直近1ヶ月における自動ドアの開閉時の消費電力の目安を算出することができる。また、サーバー70は、直近1ヶ月における自動ドアの待機時間と、自動ドアの待機時の単位時間当たりの消費電力の目安とを掛け合わせることによって、直近1ヶ月における自動ドアの待機時の消費電力の目安を算出することができる。また、サーバー70は、直近1ヶ月におけるセンサーの検知回数と、センサーの1回の検知時の消費電力の目安とを掛け合わせることによって、直近1ヶ月におけるセンサーの検知時の消費電力の目安を算出することができる。また、サーバー70は、直近1ヶ月におけるセンサーの待機時間と、センサーの待機時の単位時間当たりの消費電力の目安とを掛け合わせることによって、直近1ヶ月におけるセンサーの待機時の消費電力の目安を算出することができる。そして、サーバー70は、直近1ヶ月における自動ドアの開閉時の消費電力の目安と、直近1ヶ月における自動ドアの待機時の消費電力の目安と、直近1ヶ月における各センサーの検知時の消費電力の目安と、直近1ヶ月における各センサーの待機時の消費電力の目安とを足し合わせることによって、直近1ヶ月における自動ドアの消費電力の目安を算出することができる。ここで、直近1ヶ月における自動ドアのセンサーの検知回数は、自動ドアのセンサーによって出力される保全情報である、センサーの検知回数から計算される。すなわち、サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアのセンサーによって出力される検知回数を日々受信するので、連続する2日間の差分を計算することによって、日毎の検知回数を取得することができ、直近1ヶ月における日毎の検知回数を合計することによって、直近1ヶ月における自動ドアのセンサーの検知回数を算出することができる。
【0104】
数値欄231は、自動ドアにおける室内側の起動センサーの検知回数を示すセンサー検知回数(内部)欄231eを含んでいる。センサー検知回数(内部)欄231eに示される検知回数は、自動ドアにおける室内側の起動センサーによって出力される保全情報である。自動ドアは、例えばドアの幅が広いなどの理由によって、室内側に起動センサーが複数配置されている場合がある。センサー検知回数(内部)欄231eに示される検知回数は、自動ドアにおいて室内側に起動センサーが複数配置されている場合には、自動ドアにおける室内側の複数の起動センサーの検知回数の平均である。
【0105】
数値欄231は、自動ドアにおける室外側の起動センサーの検知回数を示すセンサー検知回数(外部)欄231fを含んでいる。センサー検知回数(外部)欄231fに示される検知回数は、自動ドアにおける室外側の起動センサーによって出力される保全情報である。自動ドアは、例えばドアの幅が広いなどの理由によって、室外側に起動センサーが複数配置されている場合がある。センサー検知回数(外部)欄231fに示される検知回数は、自動ドアにおいて室外側に起動センサーが複数配置されている場合には、自動ドアにおける室外側の複数の起動センサーの検知回数の平均である。
【0106】
数値欄231は、自動ドアにおける室内側の起動センサーの稼働時間を示すセンサー稼働時間(内部)欄231gを含んでいる。センサー稼働時間(内部)欄231gに示される稼働時間は、自動ドアにおける室内側の起動センサーによって出力される保全情報である。センサー稼働時間(内部)欄231gに示される稼働時間は、自動ドアにおいて室内側に起動センサーが複数配置されている場合には、自動ドアにおける室内側の複数の起動センサーの稼働時間の平均である。
【0107】
数値欄231は、自動ドアにおける室外側の起動センサーの稼働時間を示すセンサー稼働時間(外部)欄231hを含んでいる。センサー稼働時間(外部)欄231hに示される稼働時間は、自動ドアにおける室外側の起動センサーによって出力される保全情報である。センサー稼働時間(外部)欄231hに示される稼働時間は、自動ドアにおいて室外側に起動センサーが複数配置されている場合には、自動ドアにおける室外側の複数の起動センサーの稼働時間の平均である。
【0108】
数値欄231は、自動ドアにおける補助光電センサーの検知回数を示す補助光電センサー検知回数欄231iを含んでいる。補助光電センサー検知回数欄231iに示される検知回数は、自動ドアにおける補助光電センサーによって出力される保全情報である。自動ドアは、鉛直方向に補助光電センサーが複数配置されている場合がある。補助光電センサー検知回数欄231iに示される検知回数は、自動ドアにおいて補助光電センサーが複数配置されている場合には、自動ドアにおける複数の補助光電センサーの検知回数の平均である。
【0109】
数値欄231は、自動ドアにおける補助光電センサーの稼働時間を示す補助光電センサー稼働時間欄231jを含んでいる。補助光電センサー稼働時間欄231jに示される稼働時間は、自動ドアにおける補助光電センサーによって出力される保全情報である。補助光電センサー稼働時間欄231jに示される稼働時間は、自動ドアにおいて補助光電センサーが複数配置されている場合には、自動ドアにおける複数の補助光電センサーの稼働時間の平均である。
【0110】
データ推移欄232は、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値の平均値の、計測期間における平均値としてのモーター平均電流値と、モーター平均電流値の推移とを示すモーター平均電流値欄232aを含んでいる。自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値の平均値は、コントローラーによって出力される保全情報である。モーター平均電流値の推移は、今回の計測期間におけるモーター平均電流値と、初回の計測期間におけるモーター平均電流値との差の大きさに応じた矢印によって示される。すなわち、モーター平均電流値の推移は、今回の計測期間におけるモーター平均電流値が、初回の計測期間におけるモーター平均電流値に対して特定の割合分を増加させた値以下であって、初回の計測期間におけるモーター平均電流値に対して特定の割合分を減少させた値以上である場合に、水平な右向き矢印によって示される。また、モーター平均電流値の推移は、今回の計測期間におけるモーター平均電流値が、初回の計測期間におけるモーター平均電流値に対して特定の割合分を増加させた値超である場合に、右上向き矢印によって示される。また、モーター平均電流値の推移は、今回の計測期間におけるモーター平均電流値が、初回の計測期間におけるモーター平均電流値に対して特定の割合分を減少させた値未満である場合に、右下向き矢印によって示される。なお、初回の計測期間におけるモーター平均電流値に対して特定の割合分を増加させた値は、S103の処理における「特定の値」に相当する。
【0111】
データ推移欄232は、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの電流値のピーク値の、計測期間における平均値としてのモーターピーク電流値と、モーターピーク電流値の推移とを示すモーターピーク電流値欄232bを含んでいる。自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの電流値のピーク値は、コントローラーによって出力される保全情報である。モーターピーク電流値の推移は、今回の計測期間におけるモーターピーク電流値と、初回の計測期間におけるモーターピーク電流値との差の大きさに応じた矢印によって示される。すなわち、モーターピーク電流値の推移は、今回の計測期間におけるモーターピーク電流値が、初回の計測期間におけるモーターピーク電流値に対して特定の割合分を増加させた値以下であって、初回の計測期間におけるモーターピーク電流値に対して特定の割合分を減少させた値以上である場合に、水平な右向き矢印によって示される。また、モーターピーク電流値の推移は、今回の計測期間におけるモーターピーク電流値が、初回の計測期間におけるモーターピーク電流値に対して特定の割合分を増加させた値超である場合に、右上向き矢印によって示される。また、モーターピーク電流値の推移は、今回の計測期間におけるモーターピーク電流値が、初回の計測期間におけるモーターピーク電流値に対して特定の割合分を減少させた値未満である場合に、右下向き矢印によって示される。
【0112】
レポート200は、計測結果欄230に示される各種の値に対する基準値を示す基準値欄233を含んでいる。図9に示す例では、基準値欄233は、開閉回数欄231aに示される開閉回数に対する基準値と、センサー稼働時間(内部)欄231gに示される稼働時間に対する基準値と、センサー稼働時間(外部)欄231hに示される稼働時間に対する基準値と、補助光電センサー稼働時間欄231jに示される稼働時間に対する基準値とを含んでいる。
【0113】
レポート200は、レポート200の対象の自動ドアに発生したアラームの回数を示すアラーム発生回数欄240を含んでいる。アラーム発生回数欄240は、アラームの発生回数の対象の期間を示す期間欄241と、レポート200の対象の自動ドアのコントローラーに関するアラームの発生回数を示す制御部欄242と、レポート200の対象の自動ドアのセンサーに関するアラームの発生回数を示す検出部欄243とを含んでいる。
【0114】
期間欄241には、直近の3回分の期間が示されている。図9に示す例では、各期間は4ヶ月であり、今回の期間は2018年9月1日~2018年12月31日である。なお、期間欄241に示される期間は、変更されることが可能である。
【0115】
制御部欄242は、期間欄241に示す期間における自動ドアのモーターの電流値に関するアラームの発生回数を示す電流アラーム欄242aを含んでいる。電流アラーム欄242aに示される発生回数は、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値の平均値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数と、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの電流値のピーク値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数との合計である。例えば、電流アラーム欄242aに示される発生回数は、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値の平均値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値の平均値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。同様に、電流アラーム欄242aに示される発生回数は、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値のピーク値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値のピーク値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。ここで、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値の平均値が、初回の計測期間におけるモーター平均電流値に対して特定の割合分を増加させた値超である場合か、初回の計測期間におけるモーター平均電流値に対して特定の割合分を減少させた値未満である場合に、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値の平均値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70に送信する。同様に、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの電流値のピーク値が、初回の計測期間におけるモーターピーク電流値に対して特定の割合分を増加させた値超である場合か、初回の計測期間におけるモーターピーク電流値に対して特定の割合分を減少させた値未満である場合に、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの電流値のピーク値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70に送信する。なお、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値の平均値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、電流アラーム欄242aに示される発生回数を1増加させるかや、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるモーターの電流値のピーク値に関して、モーターの電流値が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、電流アラーム欄242aに示される発生回数を1増加させるかは、変更されることが可能である。
【0116】
制御部欄242は、期間欄241に示す期間における自動ドアの開きまたは閉じの動作における過負荷に関するアラームの発生回数を示す過負荷検知アラーム欄242bを含んでいる。ここで、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの開きの動作における過負荷(以下「開過負荷」という。)を検知した場合に、開過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70に送信する。同様に、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの閉じの動作における過負荷(以下「閉過負荷」という。)を検知した場合に、閉過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70に送信する。過負荷検知アラーム欄242bに示される発生回数は、開過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数と、閉過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数との合計である。例えば、過負荷検知アラーム欄242bに示される発生回数は、開過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、開過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。同様に、過負荷検知アラーム欄242bに示される発生回数は、閉過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、閉過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。開過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信したという情報や、閉過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信したという情報は、それぞれ、サーバー70によって生成される故障情報である。なお、開過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、過負荷検知アラーム欄242bに示される発生回数を1増加させるかや、閉過負荷の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、過負荷検知アラーム欄242bに示される発生回数を1増加させるかは、変更されることが可能である。
【0117】
制御部欄242は、期間欄241に示す期間における自動ドアの開きの動作におけるドアの移動速度に関するアラームの発生回数を示す扉開速度アラーム欄242cを含んでいる。扉開速度アラーム欄242cに示される発生回数は、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数と、自動ドアの1回の開きの動作におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数との合計である。例えば、扉開速度アラーム欄242cに示される発生回数は、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。同様に、扉開速度アラーム欄242cに示される発生回数は、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。ここで、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるドアの移動速度の平均値が、初回の計測期間におけるドアの移動速度の平均値に対して特定の割合分を増加させた値超である場合か、初回の計測期間におけるドアの移動速度の平均値に対して特定の割合分を減少させた値未満である場合に、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70に送信する。同様に、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの1回の開きの動作におけるドアの移動速度のピーク値が、初回の計測期間におけるドアの移動速度のピーク値の平均値に対して特定の割合分を増加させた値超である場合か、初回の計測期間におけるドアの移動速度のピーク値の平均値に対して特定の割合分を減少させた値未満である場合に、自動ドアの1回の開きの動作におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70に送信する。なお、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、扉開速度アラーム欄242cに示される発生回数を1増加させるかや、自動ドアの1回の開きの動作全体におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、扉開速度アラーム欄242cに示される発生回数を1増加させるかは、変更されることが可能である。
【0118】
制御部欄242は、期間欄241に示す期間における自動ドアの閉じの動作におけるドアの移動速度に関するアラームの発生回数を示す扉閉速度アラーム欄242dを含んでいる。扉閉速度アラーム欄242dに示される発生回数は、自動ドアの1回の閉じの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数と、自動ドアの1回の閉じの動作におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数との合計である。例えば、扉閉速度アラーム欄242dに示される発生回数は、自動ドアの1回の閉じの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、自動ドアの1回の閉じの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。同様に、扉閉速度アラーム欄242dに示される発生回数は、自動ドアの1回の閉じの動作全体におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、自動ドアの1回の閉じの動作全体におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。ここで、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの1回の閉じの動作全体におけるドアの移動速度の平均値が、初回の計測期間におけるドアの移動速度の平均値に対して特定の割合分を増加させた値超である場合か、初回の計測期間におけるドアの移動速度の平均値に対して特定の割合分を減少させた値未満である場合に、自動ドアの1回の閉じの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70に送信する。同様に、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの1回の閉じの動作におけるドアの移動速度のピーク値が、初回の計測期間におけるドアの移動速度のピーク値の平均値に対して特定の割合分を増加させた値超である場合か、初回の計測期間におけるドアの移動速度のピーク値の平均値に対して特定の割合分を減少させた値未満である場合に、自動ドアの1回の閉じの動作におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70に送信する。なお、自動ドアの1回の閉じの動作全体におけるドアの移動速度の平均値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、扉閉速度アラーム欄242dに示される発生回数を1増加させるかや、自動ドアの1回の閉じの動作全体におけるドアの移動速度のピーク値に関して、ドアの移動速度が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、扉閉速度アラーム欄242dに示される発生回数を1増加させるかは、変更されることが可能である。
【0119】
制御部欄242は、期間欄241に示す期間における自動ドアのドアの開放時間に関するアラームの発生回数を示す開放時間アラーム欄242eを含んでいる。ここで、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの開放時間が特定の時間以上になったことを検知した場合に、開放時間の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70に送信する。開放時間アラーム欄242eに示される発生回数は、開放時間の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数である。例えば、開放時間アラーム欄242eに示される発生回数は、開放時間の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、開放時間の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。開放時間の異常が発生したことを示す異常情報は、コントローラーによって出力される保全情報である。なお、開放時間の異常が発生したことを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、開放時間アラーム欄242eに示される発生回数を1増加させるかは、変更されることが可能である。
【0120】
制御部欄242は、期間欄241に示す期間における自動ドアのストロークの異常の発生回数を示すストローク異常欄242fを含んでいる。ここで、ここで、自動ドアのコントローラーは、自動ドアの1回の開きの動作におけるモーターの回転の回数が正常時に対して特定の回数以上増えた場合に、モーターの回転の回数が異常であることを示す異常情報を保全情報としてサーバー70に送信する。ストローク異常欄242fに示される発生回数は、モーターの回転の回数が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した回数である。例えば、ストローク異常欄242fに示される発生回数は、モーターの回転の回数が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから3回連続して受信した場合に1増加し、その後、モーターの回転の回数が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから新たに3回連続して受信した場合に1増加する。なお、モーターの回転の回数が異常であることを示す異常情報をサーバー70が自動ドアから何回連続して受信した場合に、ストローク異常欄242fに示される発生回数を1増加させるかは、変更されることが可能である。
【0121】
検出部欄243は、自動ドアにおける室内側の起動センサーの飽和異常の発生回数を示す飽和異常(内部)欄243aを含んでいる。起動センサーの飽和異常は、自動ドアからサーバー70にリアルタイムに通知される異常である。ここで、起動センサーの飽和異常とは、起動センサーにおける発光部によって照射された光よりも強い光が、起動センサーにおける受光部によって検出されたという異常である。起動センサーの飽和異常は、例えば、床などに太陽光が反射されて起動センサーにおける受光部によって検出される場合などに発生する。例えば、起動センサーの飽和異常が発生すると、起動センサーが常に人を検出している状態と同様の状態になるので、自動ドアが正常に動作しない。自動ドアにおいて室内側に起動センサーが複数配置されている場合に、複数の起動センサーの飽和異常が10分などの特定の時間以内に発生したとき、これらの飽和異常は、同一の原因によって発生した可能性が高い。したがって、サーバー70は、自動ドアにおいて室内側に起動センサーが複数配置されている場合に、複数の起動センサーの飽和異常が10分などの特定の時間以内に発生したとき、これらの飽和異常を、複数回の飽和異常としてではなく、1回の飽和異常として扱う。この特定の時間は、変更されることが可能である。なお、サーバー70は、1回の飽和異常が10分などの特定の時間以上継続する場合、この飽和異常を故障情報として、この飽和異常が発生している自動ドアの担当の拠点のサービスパーソンの電子メールなど、特定の電子メールアドレス宛に電子メールで通知する。この特定の時間についても、変更されることが可能である。
【0122】
検出部欄243は、自動ドアにおける室外側の起動センサーの飽和異常の発生回数を示す飽和異常(外部)欄243bを含んでいる。サーバー70は、自動ドアにおいて室外側に起動センサーが複数配置されている場合に、複数の起動センサーの飽和異常が10分などの特定の時間以内に発生したとき、これらの飽和異常を、複数回の飽和異常としてではなく、1回の飽和異常として扱う。この特定の時間は、変更されることが可能である。なお、サーバー70は、1回の飽和異常が10分などの特定の時間以上継続する場合、この飽和異常を故障情報として、この飽和異常が発生している自動ドアの担当の拠点のサービスパーソンの電子メールなど、特定の電子メールアドレス宛に電子メールで通知する。この特定の時間についても、変更されることが可能である。
【0123】
検出部欄243は、自動ドアにおける補助光電センサーの感度不足の発生回数を示す補助光電センサー感度不足欄243cを含んでいる。補助光電センサーの感度不足は、自動ドアからサーバー70にリアルタイムに通知される異常である。ここで、補助光電センサーの感度不足は、補助光電センサーにおける発光部によって照射される光の強さの低下や、補助光電センサーにおける受光部による光の検出の感度の低下などによって発生する。例えば、補助光電センサーの感度不足が発生すると、補助光電センサーが常に人を検出している状態と同様の状態になるので、自動ドアが正常に動作しない。
【0124】
レポート200は、レポート200の対象の自動ドアに関するお知らせを示すお知らせ欄250を含んでいる。お知らせ欄250は、お知らせの内容を示す内容欄251と、レポート200の対象の自動ドアの現在までの歴代の全てのコントローラーによって出力された自動ドアの開閉回数の累計を示す累計開閉回数欄252とを含んでいる。
【0125】
サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアに関して、開閉回数欄231aに示される開閉回数が基準値欄233に示される基準値の90%以上100%以下である場合に、「開閉回数が予防保全ラインに近付いています。」というメッセージを内容欄251に含めるとともに、このメッセージに関連付けた、例えば「*1」などの符号を開閉回数欄231aに含める。ここで、90%という下限値は、変更されることが可能である。同様に、サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアに関して、開閉回数欄231aに示される開閉回数が基準値欄233に示される基準値の100%超である場合に、「開閉回数が予防保全ラインを超えています。」というメッセージを内容欄251に含めるとともに、このメッセージに関連付けた符号を開閉回数欄231aに含める。
【0126】
サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアに関して、センサー稼働時間(内部)欄231gに示される稼働時間が基準値欄233に示される基準値の90%以上100%以下である場合に、「室内側の起動センサーの稼働時間が予防保全ラインに近付いています。」というメッセージを内容欄251に含めるとともに、このメッセージに関連付けた、例えば「*2」などの符号をセンサー稼働時間(内部)欄231gに含める。ここで、90%という下限値は、変更されることが可能である。同様に、サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアに関して、センサー稼働時間(内部)欄231gに示される稼働時間が基準値欄233に示される基準値の100%超である場合に、「室内側の起動センサーの稼働時間が予防保全ラインを超えています。」というメッセージを内容欄251に含めるとともに、このメッセージに関連付けた符号をセンサー稼働時間(内部)欄231gに含める。
【0127】
サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアに関して、センサー稼働時間(外部)欄231hに示される稼働時間が基準値欄233に示される基準値の90%以上100%以下である場合に、「室外側の起動センサーの稼働時間が予防保全ラインに近付いています。」というメッセージを内容欄251に含めるとともに、このメッセージに関連付けた、例えば「*3」などの符号をセンサー稼働時間(外部)欄231hに含める。ここで、90%という下限値は、変更されることが可能である。同様に、サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアに関して、センサー稼働時間(外部)欄231hに示される稼働時間が基準値欄233に示される基準値の100%超である場合に、「室外側の起動センサーの稼働時間が予防保全ラインを超えています。」というメッセージを内容欄251に含めるとともに、このメッセージに関連付けた符号をセンサー稼働時間(外部)欄231hに含める。
【0128】
サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアに関して、補助光電センサー稼働時間231jに示される稼働時間が基準値欄233に示される基準値の90%以上100%以下である場合に、「補助光電センサーの稼働時間が予防保全ラインに近付いています。」というメッセージを内容欄251に含めるとともに、このメッセージに関連付けた、例えば「*4」などの符号を補助光電センサー稼働時間231jに含める。ここで、90%という下限値は、変更されることが可能である。同様に、サーバー70は、レポート200の対象の自動ドアに関して、補助光電センサー稼働時間231jに示される稼働時間が基準値欄233に示される基準値の100%超である場合に、「補助光電センサーの稼働時間が予防保全ラインを超えています。」というメッセージを内容欄251に含めるとともに、このメッセージに関連付けた符号を補助光電センサー稼働時間231jに含める。
【0129】
以上においては、自動ドアの予防保全のための予防保全情報が内容欄251に含まれる例について説明している。しかしながら、サーバー70は、上述した予防保全情報以外の予防保全情報を内容欄251に含めても良いし、例えば故障予知情報など、予防保全情報以外の情報を内容欄251に含めても良い。
【0130】
図10は、サーバー70がレポート200を生成する場合の自動ドア監視システム10の動作のシーケンス図である。
【0131】
図10に示すように、サーバー70は、レポート200を自動で生成する(S141)と、S141において生成したレポート200を、レポート200の拠点表示207に示される拠点の拠点端末に送信する(S142)。
【0132】
拠点端末は、S142において送信されてきたレポート200を受信すると、レポート200の配信方法表示203に基づいて、レポート200の配信方法を判定する(S143)。
【0133】
拠点端末は、レポート200の配信方法が電子メールであるとS143において判定すると、レポート200の保有者表示204に示される保有者の電子メールアドレスとして予め登録されている電子メールアドレス宛てに、レポート200を電子メールで自動で配信する(S144)。なお、保有者の電子メールアドレスは、拠点端末によって管理されていても良いが、サーバー70によって管理されていても良い。
【0134】
拠点端末は、S144の処理の後、電子メールによってレポート200を自動で配信したことを例えば表示によって通知する(S145)。したがって、この拠点端末が配置されている拠点のサービスパーソンは、電子メールによってレポート200が自動で配信されたことを認識することができる。例えば、サービスパーソンは、レポート200の保有者表示204に示される保有者からレポート200に関して問い合わせがあった場合に、拠点端末を介してレポート200を確認することができる。
【0135】
拠点端末は、レポート200の配信方法がFAXであるとS143において判定すると、レポート200の保有者表示204に示される保有者のFAX番号として予め登録されているFAX番号宛てに、レポート200をFAXで自動で配信する(S146)。なお、保有者のFAX番号は、拠点端末によって管理されていても良いが、サーバー70によって管理されていても良い。
【0136】
拠点端末は、S146の処理の後、FAXによってレポート200を自動で配信したことを例えば表示によって通知する(S147)。したがって、この拠点端末が配置されている拠点のサービスパーソンは、FAXによってレポート200が自動で配信されたことを認識することができる。例えば、サービスパーソンは、レポート200の保有者表示204に示される保有者からレポート200に関して問い合わせがあった場合に、拠点端末を介してレポート200を確認することができる。
【0137】
拠点端末は、レポート200の配信方法が郵送または手渡しであるとS143において判定すると、図示していないプリンターによってレポート200を印刷する(S148)。S148において印刷されたレポート200は、その配信方法が郵送である場合には、レポート200の保有者表示204に示される保有者の住所宛てに、作業者によって郵送される。S148において印刷されたレポート200は、その配信方法が手渡しである場合には、レポート200の保有者表示204に示される保有者を訪問したサービスパーソンによって、この保有者に手渡される。なお、保有者の住所は、拠点端末によって管理されていても良いが、サーバー70によって管理されていても良い。
【0138】
拠点端末は、S148の処理の後、配信方法が郵送または手渡しであるレポート200を受信したことを例えば表示によって通知する(S149)。したがって、この拠点端末が配置されている拠点のサービスパーソンは、配信方法が郵送または手渡しであるレポート200が拠点端末によって受信されたことを認識することができる。例えば、サービスパーソンは、レポート200の保有者表示204に示される保有者からレポート200に関して問い合わせがあった場合に、拠点端末を介してレポート200を確認することができる。
【0139】
以上においては、サーバー70からS142において送信されたレポート200を受信した拠点端末が、S144またはS146においてレポート200を電子メールまたはFAXで自動で配信する例について説明している。しかしながら、サーバー70は、拠点端末を経由せずに、レポート200の保有者表示204に示される保有者の電子メールアドレスとして予め登録されている電子メールアドレス宛てに、レポート200を電子メールで自動で配信したり、レポート200の保有者表示204に示される保有者のFAX番号として予め登録されているFAX番号宛てに、レポート200をFAXで自動で配信したりしても良い。
【0140】
なお、中継ボックスは、サーバー70に送信すべき故障情報が存在する場合には、故障情報をゲートウェイ経由でサーバー70に即時に送信し、サーバー70に送信すべき設定情報および保全情報の少なくとも1つが存在する場合には、サーバー70に送信すべき設定情報および保全情報を、例えば1日1回など、定期的にゲートウェイ経由でサーバー70に送信する。中継ボックスは、サーバー70に送信すべき故障予知情報が存在する場合には、故障予知情報をゲートウェイ経由でサーバー70に即時に送信しても良いし、故障予知情報を定期的にゲートウェイ経由でサーバー70に送信しても良い。中継ボックスは、一部の情報をゲートウェイ経由でサーバー70に即時に送信しないことによって、ゲートウェイによる情報の送信に必要な通信コストを抑えることができる。
【0141】
以上に説明したように、自動ドア監視システム10は、自動ドアから出力される情報の正常時からの変化に基づいて自動ドアの故障予知情報を生成し、生成した故障予知情報を通知するので、自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0142】
自動ドア監視システム10は、自動ドアを駆動するモーターの電流値の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成するので、自動ドアのドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0143】
自動ドア監視システム10は、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における、自動ドアのドアの移動速度の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合、自動ドアのドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0144】
自動ドア監視システム10は、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作の所要時間の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合、自動ドアのドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0145】
自動ドア監視システム10は、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作において自動ドアに発生する振動の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合、自動ドアのドアの移動に対して異常な抵抗が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0146】
自動ドア監視システム10は、自動ドアの開きおよび閉じの少なくとも1つの動作における、自動ドアを駆動するモーターの回転の回数の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合、タイミングベルトの伸びや、ドア、ガイドレール、ハンガーレール、ドアハンガーなどの部品のネジの緩みが存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0147】
自動ドア監視システム10は、自動ドアのセンサーの感度の正常時からの変化に基づいて故障予知情報を生成する場合、センサーの感度の劣化が存在する場合の自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0148】
自動ドア監視システム10は、自動ドアから出力される情報の正常時からの変化に関連する部品の劣化度合いを故障予知情報に含める場合、部品の交換に関して、自動ドアの予知保全を支援することができる。
【0149】
自動ドア監視システム10は、故障予知情報を含むレポートを自動で生成する(S141)ので、作業員が現場で自動ドアの状態を見てレポートを生成する必要がなく、利便性を向上することができる。
【0150】
自動ドア監視システム10は、故障予知情報を含むレポートを自動ドアの保有者に自動で送信する(S144またはS146)ので、利便性を向上することができる。
【0151】
なお、自動ドア監視システム10は、図11に示すように、自動ドアの設置場所毎に配置されても良い。図11に示す自動ドア監視システム10において、コントローラーから出力される設定情報および保全情報と、各センサーから出力される設定情報および保全情報と、データ変換器において生成された故障予知情報および故障情報とは、コンピューター80の表示部に表示される。コンピューター80は、故障予知情報および故障情報を表示によって通知する装置であり、本発明の情報通知部を構成している。
【0152】
自動ドアが備えるセンサーとしては、本実施の形態において、起動センサーおよび補助光電センサーが例示されている。しかしながら、自動ドアは、起動センサーおよび補助光電センサー以外のセンサーを備えても良い。例えば、自動ドアは、ドアが開く場合のドアの進行方向に存在する物体を検知するための戸袋センサーを備えても良い。なお、本実施の形態における種々の処理においては、起動センサーおよび補助光電センサー以外のセンサーについても、起動センサーおよび補助光電センサーと同様に扱われる。
【符号の説明】
【0153】
10 自動ドア監視システム
21 データ変換器(情報生成部、故障予知情報生成装置)
30 自動ドア
31 ドア(部品)
33 ガイドレール(部品)
35、36 起動センサー(センサー)
37 補助光電センサー(センサー)
41 ハンガーレール(部品)
42 ドアハンガー(部品)
47 モーター
50 自動ドア
60 拠点端末(情報通知部)
70 サーバー(情報生成部、故障予知情報生成装置)
80 コンピューター(情報通知部)
200 レポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11